以下、図面を参照して本発明を実施するための一つの形態について説明する。なお、本発明の内容が以下の実施形態の内容に限定されない。
[1.第1実施形態]
利用者の睡眠状態に応じて、照明装置における光の強さを制御することが行われている。しかし、単純に睡眠状態のときは暗くし、覚醒状態のときは明るくするといったことが行われているに過ぎなかった。
よりよい睡眠状態に遷移させるために光の強さを調整する先行技術は多く提案されているが、利用者にとって負担なく覚醒状態を維持したり、適切な睡眠リズムにしたりするために、照明装置等の明るさを制御することは行われていなかった。
そこで、本実施形態の第1の支援システムによれば、照明装置の明るさを制御することにより、利用者の睡眠状態を適切に維持したり、改善したりすることを支援することが可能な支援システムを提供することができる。
なお、本明細書で利用者とは、ベッド装置(マットレス)を利用する者をいい、病気で治療を受けるものに限られず、施設で介護を受ける者や、ベッド装置で就寝する者であれば、健常者であても利用者として適用可能である。
また、本明細書で管理者とは、各種装置の設定や制御を行う者であり、医療従事者、施設等のスタッフ、家庭での介助者をいう。なお、利用者本人が管理者となり、各種設定を行ってもよい。
そして、利用者と管理者とを併せて支援システム1の対象者という。したがって、以下「対象者」という場合は、利用者又は管理者の何れで有っても良い。
[1.1 システム全体]
図1は、本実施形態における支援システム1の全体図である。図1に示すように、支援システム1では、ベッド装置5やその周辺に、照明システム20として複数の照明装置が配置されている。照明システム20は、最も明るい第1照明装置22と、ヘッドボードに設けられた第2照明装置24と、ベッド装置5の足元(ベッド装置5のフレーム)に設けられた第3照明装置26とを有している。
ここで、第1照明装置22が最も明るく照射することが可能であり、続いて第2照明装置24である。また、第3照明装置26が最も暗い。これらの装置は、1つであってもよいし複数設けられていてもよい。図1では、第3照明装置26がベッド装置5のフレーム端部に複数設けられている。
制御装置10は、本支援システム1全体を制御する為の装置である。本実施形態では、タブレット型装置として他の装置から各装置を制御している。なお、制御装置10は、照明システム20(例えば、第1照明装置22)に内蔵されてもよいし、利用者の端末装置(例えば、スマートフォン)にアプリケーションがインストールされることにより提供されてもよい。
また、ベッド装置5の上には、センサ装置14が載置されている。センサ装置14は、ベッド装置5にいる利用者の体動を検出するセンサである。センサ装置14を利用することにより、制御装置10は、利用者の心拍、呼吸数と言った生体情報値が取得できたり、利用者の姿勢等を検出することができたりする。
センサ装置14は、例えば、ベッド装置5の上にあるマットレスの上に載置されてもよいし、ベッド装置5(ボトム部)とマットレスとの間に載置されてもよい。また、センサ装置14が載置される位置は、ベッド装置5の上(ボトム部又はマットレスの上)において、利用者の体動が検出できる位置に載置されればよい。このセンサ装置14が載置される位置は、好ましくは、利用者の背中が位置する場所である。
例えば、図1(b)に示すように、センサ装置14は、マットレス7の下に載置される。このとき、センサ装置14は、患者Pの背中(胸部近傍)に位置するように頭側端部からM2の位置に載置される。例えば、M2としては40cmの距離となる。
また、センサ装置14は、ベッド装置5の下(床とベッド装置5の間)に荷重センサを設けることで実現してもよいし、フレームに歪みゲージを設けて利用者の体動を検出してもよい。
スタンド装置30は、各種ユニットを設置可能なスタンドである。スタンド装置30は、ベッド装置5の長手方向M1に沿って移動可能である。また、スタンド装置30は各種ユニットを組み合わせることにより、種々の機能を利用者に提供することができる。なお、スタンド装置30の構成については別の実施形態で詳細に説明する。
なお、スタンド装置30に照明ユニットが設けられている場合、照明システム20の照明装置として機能してもよい。例えば、第1照明装置22の代わりに、スタンド装置30に設けられた照明ユニットを利用してもよい。
制御装置10と、照明システム20、スタンド装置30と、センサ装置14とは、一般的には無線通信により接続される。無線通信としては、同じ無線ネットワーク(例えば、WLAN)で接続されてもよいし、近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標))で接続されてもよい。また、一部の装置間は有線で接続されてもよい。
また、後述するように、制御装置10は、他の装置と更に接続されてもよい。例えば、制御装置10は、ベッド装置5を制御するベッド制御装置(不図示)と接続することにより、ベッド装置5の状態を取得したり、ベッド装置5の制御(例えば、背上げ/背下げの制御)を行ったりすることができる。
なお、本実施形態では制御装置10により支援システム1の制御を行う例を説明するが、スタンド装置30に制御機能を備えてもよい。また、スタンド装置30を介して制御装置10を制御してもよい。
[1.2 機能構成]
つづいて、本実施形態における支援システム1において、制御装置10を中心とする機能構成について図2を参照して説明する。
制御装置10は、制御部100と、記憶部120と、表示部130と、操作部135と、報知部140と、音声入出力部145と、通信部150とを備えて構成されている。また、通信部150は、ベッド制御装置12と、センサ装置14と、環境情報取得装置16と、照明システム20と接続可能である。
制御部100は、制御装置10の全体を制御する。制御部100は、記憶部120に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))である。
制御部100は、記憶部120が記憶しているプログラムを読み出して実行することにより、活動予定時間設定部102、ベッド制御部104、睡眠状態判定部106、離床判定部108、生体情報値取得部110、環境情報取得部112又は照明制御部114として機能する。
活動予定時間設定部102は、利用者の活動予定時間を設定する。活動予定時間とは、本来利用者が覚醒状態であるはずの時間である。活動予定時間は、後述する利用者情報記憶領域122の利用者情報に含めて記憶されている。活動予定時間設定部102により実現される活動予定時間設定処理は、図を参照して後述する。
ベッド制御部104は、ベッド制御装置12を制御することにより、背上げ動作や背下げ動作を実現する。通常、図1に示したベッド装置5は、背ボトム(back section)、腰ボトム、膝ボトム(upper leg section)及び足ボトム(lower leg section)を有しており、背ボトムを回動することにより背上げ/背下げ動作を実現する。また、膝ボトム及び足ボトムを回動することにより、膝上げ/膝下げ(足上げ/足下げ)動作を実現する。
なお、本実施形態では、ベッド制御部104は、背ボトムを動作させることを中心に説明するが、膝ボトムや足ボトムを制御してもよいし、背ボトムと膝ボトム、足ボトムとが連動してもよい。
ベッド制御部104は、例えば背上げ角度(床面やベッドフレーム面といった水平状態から背ボトムが上がった角度、背角度)を「30度」にする指示を行うと、各ボトムが単体又は連携して動作することにより、背角度が「30度」となる。
また、ベッド制御部104は、その他にもベッド装置5の高さ(ハイロー)の制御や、エアセル制御装置が接続されている場合のエアセル制御(例えば、メインセルにおける各セルの内圧を変化する制御、サイドエアセルを利用した寝返り制御等)を行うことも可能である。
また、ベッド制御部104は、ベッド装置5の状態を取得することもできる。例えば、ベッド装置5の背角度(背ボトムが水平状態から上がっている角度)や、ベッド装置の高さ、エアセルの状態といった各種状態を取得することもできる。
睡眠状態判定部106、離床判定部108及び生体情報値取得部110は、センサ装置14を利用して利用者の各種状態を取得する。
センサ装置14は、例えば感圧センサであり、圧力の変化により利用者の生体信号を検出する。そして、生体信号から生体情報値を取得(算出)する場合は、受信した生体信号(体動)から呼吸成分・心拍成分を抽出し、呼吸間隔、心拍間隔に基づいて呼吸数、心拍数を算出する。また、体動の周期性を分析(フーリエ変換等)し、ピーク周波数から呼吸数、心拍数を算出してもよい。
取得された生体情報値は、利用者情報として利用者情報記憶領域122に記憶される。ここで、生体情報値は、所定時間毎に利用者情報として記憶される。例えば、時間毎に生体情報値(例えば、心拍数、呼吸数、活動量)が記憶される。
生体情報値取得部110は、生体情報値を所定時間毎に記憶する。例えば、5秒毎、30秒毎、1分毎、2分毎、10分毎といった所定時間毎であればよい。また、利用者情報として記憶される範囲も、24時間であったり、利用者が在床中であってり、一晩であったりと、所定の範囲で記憶されればよい。また、2日間、3日間、1週間と所定の期間の生体情報値が記憶されてもよい。
睡眠状態判定部106は、利用者の睡眠状態を判定している。睡眠状態としては、利用者の在床時に「睡眠」「覚醒」とを判定する。また、判定された「睡眠」は、「レム/ノンレム睡眠」といった段階を更に判定してもよい。
これらの利用者の睡眠状態を判定する方法としては、例えば特開2010-264193号公報(発明の名称:睡眠状態判定装置、プログラム及び睡眠状態判定システム、出願日:平成21年5月18日)、特願2014-229118号公報(発明の名称:睡眠状態判定装置、睡眠状態判定方法及びプログラム、出願日:平成26年11月11日)に記載の睡眠状態判定方法を援用できる。この特許出願は援用によりその全体が組み込まれる。
そして、睡眠状態判定部106において判定された睡眠状態は、記憶部230の睡眠状態記憶領域124に記憶される。睡眠状態は、利用者別に所定時間毎に記憶されるのが好ましい。
また、併せて離床判定部108は、利用者の離床/在床を判定する。離床/在床の判定は、センサ装置14から受信された生体信号で判定してもよいし、別に設けられた離床/在床センサにより判定してもよい。離床/在床状態は、睡眠状態記憶領域124に併せて記憶されてもよい。
環境情報取得部112は、環境情報取得装置16より環境情報を取得する。例えば、環境情報取得装置16が照度センサの場合は、環境情報として照度を取得する。また、環境情報取得装置16が音センサの場合は、環境情報として音量を取得する。
照明制御部114は、照明システム20を制御するものである。本実施形態における照明システム20は、第1照明装置22と、第2照明装置24と、第3照明装置26とが含まれている。各照明装置の光源としては、例えばLED(light emitting diode)を利用している。
第1照明装置22は、図1に示すように例えばスタンド型に設置された照明装置であり、「強」の光を照射することが可能である。例えば、第1照明装置22を利用することで、利用者の目にあたる照度は2500-5000ルクス以上になる。
第2照明装置24は、図1に示すように例えばベッドボード(ヘッド側)に設置された照明装置であり、「中」の光を照射することが可能である。例えば、第2照明装置24を利用することで、利用者の目にあたる照度は0-500ルクスになる。
第3照明装置26は、図1に示すように例えばベッド装置のベッドフレーム等のベッド装置の下側に設置された照明装置であり、「小」の光を照射することが可能である。例えば、第3照明装置26を利用することで、利用者の目にあたる照度は0-1ルクス、好ましい一例としては0.3ルクスになる。
すなわち、各照明装置の光の強さ(光度/光束)が第1照明装置22>第2照明装置24>第3照明装置26(第1照明装置22>第3照明装置26)となるように構成されている。また、照明装置は、段階的に明るさを切り替えられることができればよいことから、例えば部屋に設置された照明装置の明るさを、照明制御部114が可変させてもよい。また、必ずしも第1照明装置22>第2照明装置24でなくてもよい。すなわち、第2照明装置24の光を強くしてもよい。
また、第1照明装置22と第2照明装置24とはほぼ同じ明るさとしてもよい。この場合、光の強さを強くする場合(照明装置「大」の場合)は第1照明装置22及び第2照明装置24の両方を点灯する。光の強さが中の場合(照明装置「中」の場合)は第1照明装置22又は第2照明装置24の何れかを点灯する。
記憶部120は、制御装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部120は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
また、記憶部120は、利用者情報を記憶する利用者情報記憶領域122と、睡眠状態を記憶する睡眠状態記憶領域124との領域が確保されており、照明装置パラメータ126を記憶している。
利用者情報記憶領域122に記憶される利用者情報は、利用者に関する情報が記憶されている。本実施形態では、図3(a)に示すように、利用者を識別するためのID(例えば、「PB001」)に、利用者の活動予定時間(例えば、「07:30~21:00」)と、平均睡眠時間(例えば、「7時間35分」)と、その他処理に必要なデータとが記憶されている。
活動予定時間は、利用者が本来覚醒状態にあるべき時間のことをいう。活動予定時間は、活動予定時間設定部102により設定される時間である。活動予定時間設定部102の処理については後述する。
平均睡眠時間は、利用者の睡眠時間の平均である。睡眠時間としては、入眠時刻~起床時刻までの時間であったり、入眠時刻~起床時刻の中で、睡眠状態であった時間の合計時間であったりする。平均睡眠時間は、数日分の平均であってもよいし、1週間単位、1月単位といった期間の平均であってもよい。
ここで、入眠時刻とは、利用者が睡眠状態に移行した時刻である。例えば、センサ装置14から利用者の就床時から体動の安定を検知し、睡眠状態判定部106が睡眠状態に移行したと判定した時刻である。
また、起床時刻とは、例えばセンサ装置14から利用者が睡眠状態のときに体動を検知し、睡眠状態判定部106が覚醒状態に移行したと判定した時刻である。なお、入眠時刻は、利用者が在床した時刻(就床時刻)を利用してもよい。また、起床時刻は、利用者が離床した時刻を利用してもよい。また、利用者の覚醒状態が所定期間維持した場合を起床時刻とすることで、中途覚醒を除外することができる。
その他処理に必要なデータは、適宜記憶されるものとする。例えば、単位時間上がりの心拍数や呼吸数といった生体情報値を記憶してもよいし、生体情報値の平均を記憶してもよい。また、日毎の睡眠時間を記憶してもよいし、利用者の離床時間を記憶してもよい。以下の説明で必要なデータについては、適宜利用者情報に含めて記憶されているものとして説明する。
睡眠状態記憶領域124に記憶される睡眠情報は、利用者の睡眠状態が記憶されている。図3(b)に示すように、睡眠情報は、利用者を識別するためのID毎に、日時(例えば、「2018/05/28 01:00」)に対応づけて睡眠状態(例えば、「睡眠」)が記憶されている。
照明装置パラメータ126は、照明システム20の照明装置毎に明るさ(例えば、光束や電流値、レベル等)が記憶されている。これにより、第1照明装置22、第2照明装置24、第3照明装置26は、どの程度の明るさで照射するかを決定する。
表示部130は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、LCDや有機ELディスプレイを利用した表示装置により実現されている。また、操作部135は、対象者からの操作指示を受け付ける。例えば、表示部130と一体化されたタッチパネルの場合はソフトウェアキーで実現してもよいし、ハードスイッチを設けてもよい。
報知部140は、信号や割込処理に基づいて、対象者に報知する装置である。例えば、振動装置によるバイブレーションによる報知、ブザーによる音出力による報知、光による報知といったことが可能である。
音声入出力部145は、音声の入力/出力ができる装置である。例えば、マイクによる音声入力や、スピーカによる音声出力により実現することができる。
この表示部130、操作部135、報知部140、音声入出力部145は、制御装置10に内蔵されてもよいし、外部の装置で実現されてもよい。また、スタンド装置30に設けられた操作装置の機能や、対象者が使用しているスマートフォンの機能を利用してもよい。
通信部150は、制御装置10が外部の装置や外部のサーバ装置と通信を行う。通信部150は、複数の通信IFを提供可能であり、例えば、Bluetooth(登録商標)、USB、無線LAN(WLAN)、ZigBee(登録商標)といった種々の方式で通信を行うことができる。また、LTE/5Gといった方式により外部のサーバ装置と通信を行ってもよい。
[1.3 実施例]
以下、図2の構成の場合の、実施例について、処理毎に説明する。
[1.3.1 第1実施例]
[1.3.1.1 本実施例の目的]
一般的に、利用者がベッド装置上で在床していると、活動量が落ちてしまう。このため、本来起きていなければならない昼間の時間帯(活動予定時間)にも関わらず覚醒度が低下してしまい、睡眠状態に遷移してしまうという課題があった。
利用者は、昼間に睡眠状態が長く続くと、今度は寝つきの悪さや、夜間における睡眠が浅くなる等、本来の睡眠に悪い影響を与えてしまう。
そこで、本実施例は、活動予定時間内においては、必要に応じて利用者に必要な刺激を与えることで、利用者の覚醒状態を維持するようにすることを目的とする。
これにより、利用者の睡眠を適切に支援することが可能な支援システムが提供されることとなる。
[1.3.1.2 処理の流れ]
(1)メイン処理
図4は、第1実施例における処理の流れを説明するための図である。活動予定時間設定部102により、活動予定時間が設定される(ステップS1002)。活動予定時間設定処理については後述する。
つづいて、制御部100は、利用者の睡眠時間が適切であるかを判定する(ステップS1004)。
一例として、前日の睡眠時間(すなわち、当日の起床時刻から、その睡眠区間の入眠時刻までの睡眠時間)と、平均睡眠時間(例えば、1週間分の睡眠時間の平均値)とを比較する。そして、制御部100は、前日の睡眠時間が、平均睡眠時間から所定の閾値時間より確保できている場合であれば、利用者の睡眠時間は適切であると判定する。具体的には、平均睡眠時間が「6時間」の場合、前日の睡眠時間が「5時間30分」以上となっている場合に、制御部100は、睡眠時間は適切であると判定する。
また、制御部100は、単純に利用者の睡眠時間が、設定された理想睡眠時間の範囲内(例えば、「5時間~7時間」)に含まれている場合には睡眠時間は適切であると判定してもよい。また、前日の睡眠時間が平均睡眠時間から所定範囲より離れている場合、制御部100は、睡眠時間が適切ではないと判定してもよい。例えば、前日の睡眠時間が平均睡眠時間より「3時間」以上多い場合は、睡眠時間は適切ではないため、他の処理を実行してもよい(ステップS1004;No)。
そして、睡眠時間が適切でない場合は、本処理を終了したり、他の処理を実行したりする(ステップS1004;No)。
つづいて、制御部100は、利用者の入眠が検知された場合(ステップS1006;Yes)、入眠が検知された時刻が活動予定時間の範囲内であるかを判定する(ステップS1008)。
入眠が検知された時刻が活動予定時間の範囲内である場合、制御部100は、生体情報値が正常範囲であるかを判定する(ステップS1010)。ここで、生体情報値は、利用者のバイタルに関する値であり、例えば、心拍数、呼吸数、体温等である。
利用者の生体情報値が正常範囲内でない場合は、利用者に異常が生じていることから制御部100は、他の処理を実行する(ステップS1010;No)。例えば、制御部100は、本処理を終了したり、制御部100(報知部140)は報知処理を実行したりする。また、制御部100は、通信部150を介してナースコールを呼出してもよい。
制御部100は、ステップS1010において、生体情報値が正常範囲内に含まれていると判定した場合は、利用者を覚醒させるために覚醒制御処理を実行する(ステップS1012)。覚醒制御処理は覚醒が検知されるまで実行されてもよい(ステップS1014;No)。なお、覚醒制御処理については後述する。
また、制御部100は、活動予定時間内において利用者の入眠を検知した場合(ステップS1008;No)、ベッド装置の状態(例えば、背上げ状態)と、照明システム20の状態(例えば、照明装置の点灯状態)とを判定する。具体的には、制御部100は、ベッド装置のボトムが背上げ状態の場合には、背ボトムをフラット(背角度「0度」)とする。また、制御部100は、何れかの照明装置が点灯している場合は、照明装置を消灯する(ステップS1016;Yes→ステップS1018)。
なお、ステップS1018は一例であるので、他の状態にしてもよい。例えば、背角度を「5度」としてもよいし、照明装置は「小」を点灯(第3照明装置26を点灯)してもよい。
そして、制御部100は、利用者の覚醒を検知したら(ステップS1014;Yes)(ステップS1020;Yes)、再び利用者の入眠検知待ちとなる(ステップS1006)。
なお、翌日になった場合(例えば、日付が変わった場合、活動予定時間内から活動予定時間外に遷移した場合等)は、制御部100は、一度本処理を終了し、再度ステップS1002から処理を実行してもよい。
(2)活動予定時間設定処理
図4のステップS1002の活動予定時間設定処理について、図5を参照して説明する。制御部100(活動予定時間設定部102)は、前日の睡眠時間を取得する(ステップS1102)。ここで、前日の睡眠時間とは、当日の起床時刻から、前日の入眠時刻までの時間をいう。
つづいて、制御部100(活動予定時間設定部102)は、理想睡眠時間を取得する(ステップS1104)。ここで、理想睡眠時間とは、利用者の睡眠時間として理想の睡眠時間である。
例えば、クラウドのサーバ装置から取得しても良いし、他の装置から取得してもよい。サーバ装置においては、複数の利用者から睡眠時間を集計し、理想睡眠時間を算出する。この理想睡眠時間は、例えば、年齢(年代)、性別、病状といった複数の項目に対応づけられて算出されていてもよい。そして、前日睡眠時間と、理想睡眠時間とから、活動予定時間を設定する(ステップS1106)。
例えば、制御部100は、前日の睡眠時間のうち、当日の起床時刻と、理想睡眠時間から活動予定時間を設定する。具体的には、1日の理想睡眠時間を除いた時間を活動予定時時間と考え、当日の起床時刻から活動予定時間が始まるとしてもよい。また、理想睡眠時間より睡眠が短かった/長かった場合に、活動予定時間を変化させてもよい。
この後、活動予定時間の設定入力が対象者(主に管理者)から入力された場合(ステップS1108;Yes)、制御部100は、入力された活動予定時間を設定する(ステップS1110)。
このように、図5の処理例では、自動的に活動予定時間を設定することができるが、その後対象者が実際の活動予定時間を設定することができてもよい。
なお、活動予定時間は、利用者の履歴に基づいて設定されてもよい。図6に、活動予定時間設定処理の別の動作フローを示す。
制御部100は、記憶部120に、睡眠状態(睡眠時間)の履歴が目標睡眠時間を判定できる程度の日数分が記憶されているかを判定する(ステップS1202)。そして、睡眠状態の履歴が記憶されている場合(ステップS1202;Yes)、制御部100は、目標睡眠時間を取得する。そして、制御部100は、取得された目標睡眠時間に基づいて、活動予定時間を設定する(ステップS1204)。
ここで、制御部100は、目標睡眠時間は、単純に睡眠時間の平均値であってもよいし、重みに応じて算出してもよい。また、制御部100は、睡眠状態(睡眠時間の履歴)、生体情報値、在床・離床時間といった各種パラメータに基づいて、機械学習や、ニューラルネットワークを利用して目標睡眠時間を取得してもよい。
この後、活動予定時間の設定入力が対象者(主に管理者)から行われた場合(ステップS1206;Yes)、制御部100は、入力された活動予定時間を設定する(ステップS1208)。
なお、活動予定時間は、利用者が覚醒していることが好ましい時間帯である。したがって、単純に時刻の範囲を設定する以外でもよい。
図7は、活動予定時間を設定可能な表示画面W100の一例である。制御部100は、表示画面W100において入力された活動予定時間の範囲に活動予定時間を設定する。
また、これ以外についても、例えば、表示画面W100では、以下のような時間帯、動作に基づいて活動予定時間を設定可能である。
・食事後(昼食後、夕食後等)の所定時間の範囲
・ベッド動作時。例えば、読書モードや食事モードが選択されている場合、背上げ角度が所定角度異常の場合
・テレビ視聴時といった、他の装置の利用時
制御部100は、活動予定時間以外にも上述した時間の範囲、他の装置の状態と関係に基づいて、利用者が覚醒すべき時間を設定することが可能である。
(3)覚醒制御処理
図4のステップS1012の覚醒制御処理について、図8の動作フローの一例を参照して説明する。
利用者を覚醒させるためには、モーション刺激は外的刺激として影響が強い。そこで、制御部100は、光・音の比較的弱い刺激から利用者の覚醒を促す一例を説明する。
制御部100は、まず照明装置(大)である第1照明装置22を点灯する。また、制御部100は、報知部140から報知音を出力する(ステップS1304)。なお、音声入出力部145から音声を出力してもよい。
また、利用者の姿勢が検知可能か否かにより、制御部100は処理(ベッドモーション)を変更する。具体的には、ベッド装置5に姿勢検知器がついていない場合、制御部100は、寝姿勢による背上げの危険性が少ない背下げ動作を実行する。具体的には、制御部100(ベッド制御部104)は、ベッド制御装置12を制御し、背下げ動作を実行する(ステップS1306;No→ステップS1310)。
また、ベッド装置5に姿勢検知器がついている場合、制御部100は、背上げ動作を実行する(ステップS1306;Yes→ステップS1308)。例えば、制御部100は、利用者が横臥位の場合は背上げ動作を行わないが、仰臥位の場合は背上げ動作を実行する。
そして、制御部100は、ステップS1302の第1照明装置22の制御、ステップS1304の報知部140からの報知音の出力、ステップS1308/S1310のベッド制御装置12によるベッド動作の制御は、併せて行ってもよいし、段階的に行ってもよい。例えば、利用者が覚醒状態に遷移しないときに、ステップS1302→ステップS1304→・・・と実行してもよい。また、ステップS1302とステップS1304は併せて行い、これでも利用者が覚醒しない場合はベッド動作の制御を行ってもよい。
また、制御部100は、利用者の覚醒ではなく、時間差で上述した動作をそれぞれ実行してもよい。
例えば、図9は、覚醒制御の動作が設定可能な表示画面W110の一例である。表示画面W110では、「ベッドモーション」「アラーム音(報知音)」「照明」の動作を行うか否かについて利用者が設定することが可能となっている。
また、表示画面W110では、設定された動作の優先度を設定することも可能である。これにより、例えばベッドモーションの優先度を高くしてもよいし、2つの動作の組み合わせを優先的に行うといったことを対象者(主に管理者)は設定することができる。具体的には、ベッドモーションの動作を行った後に、照明装置「大」(第1照明装置22)を点灯させてもよい。
[1.3.1.3 効果]
このように、第1実施例は、本来利用者が覚醒している時間帯に入眠があったとしても、適切に利用者を覚醒させることができる。これにより、昼間等の時間に不必要な睡眠を利用者がとることにより、夜間に寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりといったことを防止することができる。
[1.3.2 第2実施例]
[1.3.2.1 本実施例の目的]
人間は光を浴びることにより、睡眠サイクルについて変化があることが知られている。しかし、適切でないときに強い光を浴びてしまうと、寝つきが悪くなってしまうという問題がある。
そこで本実施例は、適切なタイミングで利用者に光を照射することにより、正しい睡眠サイクルを維持することを目的としている。
[1.3.2.2 処理の流れ]
(1)メイン処理
図10は、第2実施例における処理の流れを説明するための図である。まず、制御部100は、睡眠/起床予定時刻設定処理を実行し、睡眠予定時刻及び起床予定時刻を設定する。睡眠予定時刻は、利用者が睡眠をする目標となる時刻である。起床予定時刻は、利用者が起床をする目標となる時刻である。この睡眠/起床予定時刻設定処理については後述する。
制御部100(睡眠状態判定部106)は、利用者の起床を検知する(ステップS1404)。制御部100は、起床が検知された起床時刻が起床予定時間内か否かを判定する(ステップS1406)。ここで、起床予定時間とは、ステップS1402において設定された起床予定時刻以降の時間(起床予定時刻~睡眠予定時刻までの時間)をいう。例えば、睡眠予定時刻が「22:00」、起床予定時刻が「7:00」と設定された場合、「7:00」以降を起床予定時間とする。なお、起床予定時間は、起床予定時刻から睡眠予定時刻までであるが、例えば起床予定時刻から所定時間(例えば5時間)としてもよい。
なお、起床予定時刻は、所定の時間幅があってもよい。例えば、起床予定時刻が「7:00」と設定された場合、起床予定時刻は、時間幅として「30分」前後が含まれるとしてもよい。したがって、この場合起床予定時間の開始時刻は、「6:30」以降としてもよい。
起床時刻が起床予定時間内でなければ、制御部100(照明制御部114)は、照明システム20を夜間照明モードに切り替える(ステップS1406;No→ステップS1408)。すなわち、照明装置「小」を点灯(第3照明装置26のみを点灯)する。
つづいて、起床時刻が所定の修正条件に含まれるかどうかで、制御部100は、覚醒修正モード又は覚醒モードを実行される。
具体的には、起床時刻が起床予定時間内の場合、制御部100は、起床時刻が「12:00」以前であるかを判定する(ステップS1410)。利用者が「12:00」以前に起床している場合、すなわち、起床時刻が「12:00」以前の場合、制御部100は、当該時刻が起床予定時刻より判定時間分遅れているかを判定する(ステップS1410;Yes→ステップS1412)。
ここで、判定時間は、例えば「30分間」や「1時間」といった予め定められた値である。なお、この判定時間は、対象者が設定しても良いし、利用者の睡眠サイクルに応じて自動的に設定されてもよい。
起床時刻が起床予定時刻より判定時間遅れている場合(ステップS1412;Yes)、制御部100(環境情報取得部112)は、環境情報取得装置16を介して環境光の明るさを測定する(ステップS1414)。
ここで、環境光として2500ルクス以上の明るさがない場合(ステップS1416;No)、制御部100(照明制御部114)は、覚醒修正モードを実行する(ステップS1418)。覚醒修正モードは、照明装置「中」「大」(すなわち、第1照明装置22、第2照明装置24)を点灯する。
また、起床時刻が「12:00」以降(ステップS1410;No)の場合、起床予定時刻より判定時間遅れていない場合(ステップS1412;No)又は環境光の明るさを測定したが2500ルクス以上の明るさが確保されている場合(ステップS1416;Yes)、制御部100(照明制御部114)は、覚醒モードを実行する(ステップS1420)。覚醒モードは、照明装置「中」(すなわち、第2照明装置24)を点灯する。
なお、利用者を照射する手段として、例えば太陽光を優先させることとして、ステップS1414において環境光を測定しているが、環境光は測定しなくてもよい。すなわち、制御部100は、環境光の明るさに関わらず、覚醒修正モードを実行してもよい。
また、上述した実施例においては、覚醒修正モードとして第1照明装置22及び第2照明装置24を使用しているが、明るさが変えられればよい。例えば、天井に設けられた一つの照明装置の明るさを変更することで、同様の効果を得ることができる。
また、照明装置にかかわらず、例えば通信部150と、部屋のカーテンを制御する制御装置とが接続されている場合は、制御部100は、照明装置を制御する代わりに部屋のカーテンを空けるといった制御を組み合わせてもよい。
また、制御部100は、通信部150を介して外部サーバから天候情報を取得し、太陽光が確保できる場合はカーテンを開ける制御を行い、太陽光が確保できない場合は照明装置による照射を行う制御を行ってもよい。
また、制御部100は、夜間照明モード、覚醒修正モード、覚醒モードにおいて照明装置を制御することを説明したが、併せてベッド装置を制御してもよい。例えば、制御部100(ベッド制御部104)は、夜間照明モードの場合、ベッド装置をフラット(背上げを行わない)にし、覚醒修正モード、覚醒モードの場合は背上げ制御を行ってもよい。また、制御部100は、覚醒修正モード/覚醒モードの場合にベッド装置の制御のみ(背上げ制御のみ)を行ってもよい。
(2)睡眠/起床予定時刻設定処理
図10のステップS1402の睡眠/起床予定時刻設定処理について、図11を参照して説明する。まず、制御部100は、利用者の睡眠時間(例えば、前日の睡眠時間)を取得する(ステップ1502)。つづいて、制御部100は、理想睡眠時間を取得する(ステップS1504)。理想睡眠時間を取得することは、図5のステップS1104と同一の処理である。
その後、制御部100は、前日睡眠時間と、理想睡眠時間とから、睡眠/起床予定時刻を設定する(ステップS1506)。
例えば、制御部100は、前日の睡眠時間における睡眠時刻や起床時刻を参照し、理想睡眠時間が確保できるように睡眠/起床予定時刻を設定する。また、制御部100は、実際の睡眠時刻から、理想睡眠時間を経過した時刻を起床予定時刻としてもよい。
このように、図11の処理では、自動的に睡眠/起床予定時刻を設定することができるが、その後対象者が任意の時刻を睡眠/起床予定時刻として設定してもよい。
なお、睡眠/起床予定時刻は、利用者の履歴に基づいて設定されてもよい。図12に、睡眠/起床予定時刻設定処理の別の動作フローを示す。
制御部100は、記憶部120に、睡眠状態(睡眠時間)の履歴が目標睡眠時間を判定できる程度の日数分が記憶されているかを判定する(ステップS1602)。そして、睡眠状態の履歴が記憶されている場合(ステップS1602;Yes)、制御部100は、目標睡眠時間を取得する。そして、制御部100は、取得された目標睡眠時間に基づいて、睡眠/起床予定時刻を設定する(ステップS1604)。
ここで、制御部100が目標睡眠時間を取得(算出)する方法は、図6で説明した方法と同一である。
この後、睡眠/起床予定時刻の設定入力が対象者(主に管理者)から入力された場合(ステップS1606;Yes)、制御部100は、入力された睡眠/起床予定時刻を設定する(ステップS1608)。
[1.3.2.3 効果]
このように、本実施例によれば、照明装置等を利用することにより適切なタイミングで利用者に対して高照度の光を照射する。これにより、利用者における日中の活動量を増やすことになり、正常な体内リズムの維持を図ることができる。
特に、12:00以前の高照度の光(例えば、2500LX)を利用者が受けることにより、体内リズムは前進するが、12:00以降の高照度の光を利用者が受けると体内リズムは後進してしまう。本実施例ではその点を考慮し、適切なタイミングで高照度の光を利用者に照射している。
図13は、本実施例の動作を説明するための図である。例えば、理想の活動の時間帯(活動予定時間)として、起床予定時刻t12~睡眠予定時刻t18が設定されている。ある利用者が、昨晩時刻t20に入眠し、時刻t16に起床したとする。
この場合、起床予定時刻t12から判定時間分遅れたt14から、12:00までに起床した場合が、覚醒修正モードが実行される。図13の起床時刻t16は、当該範囲に含まれているため、覚醒修正モードが実行される。
[1.3.2.4 別処理]
なお、上述した実施例は、ステップS1410において、12:00以前か否かで覚醒修正モードか、覚醒モードかを切り替える説明を行った。
しかし、起床予定時刻が必ずしも午前中に設定されるとか限らない。この場合、図14に示すように、代わりに当該利用者の平均睡眠時間とのズレがあるか否かで判定することも考えられる(図14のステップS1452)。
すなわち、前日の睡眠時間が、平均睡眠時間とズレが少ない場合は、入眠時刻が遅かったことが原因と考え、覚醒修正モードには遷移しないといった処理としてもよい。
なお、図14の動作フローは、図10の動作フローの一部を置き換えたものである。したがって、図10の処理フローと異なるステップS1452以外の処理は同一である。
[1.3.3 第3実施例]
[1.3.3.1 本実施例の目的]
先行技術では、ベッド装置と照明装置とは連携がされていない。例えば、利用者が読書を行うために背上げを行った場合、背上げ動作と共に自ら照明装置の操作が必要であった。また、単に利用者の動作だけで照明装置を点灯させてしまうと、利用者の中途覚醒時において適切ではない明るさで照明装置が点灯してしまうという問題が生じてしまう。
そこで本実施例は、ベッド装置の制御と、照明装置の制御とを連携させることを目的とする。
[1.3.3.2 処理の流れ]
図15は、第3実施例における処理の流れを説明するための図である。制御部100(ベッド制御部104)は、背上げが行われたか、又は背上げを行ったかを検知する(ステップS1702)。
ここで、背上げ動作は、利用者による所定の操作に応じて行われる。背上げ動作は、単に「背上げ」「背下げ」という操作入力の場合や、モードに応じて動作が行われる場合がある。ベッド制御装置12は、例えば、離床モード、読書モード、食事モード、椅子モード等の複数のモードに応じて、背ボトム、膝ボトム、足ボトムの動作をおこなう。
つづいて、制御部100は、利用者が離床をするか否かを判定する(ステップS1704)。ここで、利用者が離床するか否かは、種々の方法で判定される。いくつかの例として、以下の方法が考えられる。
・制御部100は、センサ装置14の利用者の位置に基づいて離床予知を行う。例えば、利用者がベッド装置端部に移動する、端座位を取ることにより、制御部100は利用者がベッド装置から離床する予知を行う。
・制御部100は、モードに基づいて離床予知を行う。例えば、ベッド装置のモードとして、「離床モード」「移乗モード」等が利用者により選択された場合は、制御部100は利用者が離床すると判定する。また、「読書モード」「食事モード」等が利用者により選択された場合は、制御部100は利用者がベッド装置から離床しないと判定する。
・別の離床センサを設け、制御部100は、離床センサに基づいて離床予知をしてもよい。例えば、感圧センサ、赤外線センサ、超音波センサ、カメラ等により利用者の位置を判定し、制御部100は、離床予知を行う。
ここで、利用者がベッド装置から離床しない場合、制御部100(照明制御部114)は、照明装置「中」(第2照明装置24)を点灯する(ステップS1704;No→ステップS1714)。
他方、利用者がベッド装置から離床すると判定した場合、制御部100(照明制御部114)は、照明装置「小」(第3照明装置26)を点灯する(ステップS1704;Yes→ステップS1706)。そして、利用者が離床して再び在床するまで、待機する(ステップS1708)。
その後、制御部100(ベッド制御部104)は、背下げを検知した場合(ステップS1708;Yes→ステップS1710;Yes/ステップS1714→ステップS1710;Yes)、現在点灯されている照明装置をOFFとし、再びステップS1702に処理を戻す(ステップS1712→ステップS1702)。
なお、処理の途中に利用者により照明装置(照明システム20)の点灯/消灯が操作されてもよい。その場合、制御部100は、本処理をその時点で終了してもよい。
[1.3.3.3 効果]
このように、本実施例によれば、ベッド装置の制御、利用者の状態に応じて、適切に照明装置の明るさを切り替えることができる。このように、利用者にとって適切な照明の明るさを提供することで、適切に利用者を支援することができる。
[2.第2実施形態]
つづいて利用者を支援するシステムの別の実施形態として第2実施形態について説明する。病室や自宅において、ベッド装置の周りには種々な物がおかれているため、利用者がものを取り出しにくいといった問題が生じていた。また、医療従事者、スタッフ、家族が置かれた物を整理する必要があり、負担が大きかった。
また、近年は従来の医療機器に加えて、利用者の状態を確認したり、情報伝達をしたりするためのモニタが設置されたり、利用者が利用する端末装置が配置されることが多い。
したがって、複数の物を配置したとき、これらの物の配置や管理が難しいという問題が生じていた。
これらの問題に鑑み、本実施形態ではスタンドをハブとし、スタンドに種々の機能を持たせることにより、利用者を支援するシステムを提供することを目的としている。
[2.1 スタンドの概要]
スタンド装置30の概要について、図16に基づいて説明する。図16(a)はスタンド装置30の斜視図であり、図16(b)はスタンド装置30の正面図である。
スタンド装置30は、1本又は複数本の支柱38に、各種ユニットを自由に取り付け可能な構成となっている。各ユニットと支柱38は、例えば、各ユニットの凸部が、支柱38に設けられた凹部に嵌め合うことで、取り付けられる。また、支柱38に設けられた孔部に、ネジ止めして各ユニットの取り付けを行ってもよい。また、支柱38と、各ユニットは磁力によって取り付けを行ってもよい。
また、ユニットは複数の種類で構成されている。例えば、図16は一例として、上から照明ユニット31、収納ユニット32、表示ユニット33、把持部ユニット34、ゴミ箱ユニット35、収納ユニット36が取り付けられている。
また足部37には、電源装置を有している。スタンド装置30は、電源部から、支柱38を通り各ユニットに給電可能に構成されている。例えば、照明ユニット31は、LEDライトが設けられており、電源部から給電されている。
また、収納ユニット32は、スタンドパーツ32aと、給電パーツ32bが収納されている。スタンドパーツ32aはスマートフォン等を載置することができるパーツである。
また、給電パーツ32bは、スマートフォン等に給電するためのパーツである。例えば、5Vが出力可能なUSB端子の形状をした給電口と、100Vが出力可能なコンセントの形状をした給電口とを有している。
また、これ以外にも、回動する天板をテーブルとして利用可能なテーブルユニット、ワイヤレス充電を提供するワイヤレス充電ユニット、音声入出力可能なマイク及びスピーカを内蔵した音声入出力ユニット、利用者の体温を測定可能な温度計を備えた温度センサユニット、利用者の状態を撮影して録画できる撮影ユニット等を取り付けることができる。
また、収納ユニット36の底部に足下を照らす照明パーツを取り付けてもよい。この場合の収納ユニット36は、最下部にユニットが取り付けられることが好ましい。また。照明パーツは、例えば足部37に取り付けてもよい。
[2.2 機能構成]
つづいて、スタンド装置30を中心として機能構成について、図17を参照して説明する。図17の機能構成は、各ユニットがスタンドに配置された場合の機能構成である。したがって、ユニットが取り付けられていない場合は、該当する構成も不要となる。
また、本実施形態では、スタンド装置30に制御ユニットが内蔵されていることとして説明する。しかし、第1実施形態のように、タブレットやコンピュータといった、別の制御装置において実現されてもよい。
スタンド装置30は、制御部300と、記憶部320と、通信部350と、駆動装置370とを備えており、必要に応じて表示部330と、操作部332と、報知部334と、照明装置340と、環境情報取得装置360と、障害検出装置380と、撮影装置382と、音声入出力装置384と、給電装置386とを有している。
制御部300は、スタンド装置30の全体を制御する。制御部200は、記憶部220に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))である。
制御部200は、記憶部220が記憶しているプログラムを読み出して実行することにより、睡眠状態判定部302、離床判定部304、生体情報値取得部306、駆動制御部308、位置決定部310、ベッド制御部312、照明制御部314、環境情報取得部316として機能する。
生体情報値取得部306は、利用者の生体情報値を取得する。睡眠状態判定部302は、利用者の睡眠状態を判定し、睡眠状態を睡眠状態記憶領域324に記憶する。離床判定部304は、利用者の離床/在床を判定したり、離床予知を判定したりする。離床判定部304が判定した離床/在床の状態は、睡眠状態記憶領域324に記憶してもよい。
ここで、睡眠状態判定部302の機能は第1実施形態の睡眠状態判定部106と、離床判定部304は離床判定部108と、生体情報値取得部306は第1実施形態の生体情報値取得部110と略同一の機能である。
駆動制御部308は、スタンド装置30が自律走行するための駆動装置370を制御する。駆動装置370は、スタンド装置30が前後左右に走行移動するための走行駆動部372と、スタンド装置30の高さを変える高さ駆動部374と、ユニットの動作を行うユニット駆動部376とを有している。
例えば、走行駆動部372は、スタンド装置30の下部に設けられたタイヤ(車輪)に、駆動モータが接続されて構成されている。駆動装置370(走行駆動部372)は、駆動制御部308から駆動制御の信号を受信すると、前進・後退の動作をする。また、複数の車輪を制御したり、車輪の向きを変えたりすることで、方向転換の動作をすることが可能である。これにより、スタンド装置30は、床面上を前後左右に移動することができる。
また、高さ駆動部374は、リンク機構に、アクチュエータが接続されて構成されている。駆動装置370(高さ駆動部374)は、駆動制御部308から駆動信号を受信すると、高さを変える動作をする。
また、ユニット駆動部376は、ユニット毎に設けられている駆動装置である。駆動装置370(ユニット駆動部376)は、駆動制御部308から駆動制御を受信すると、ユニットの動作を行う。例えば、テーブルの天板を動かしたり、表示部(表示装置)の向きを変えたり、収納部の蓋を開閉させることが可能である。
また、駆動制御部308は、障害検出装置380と接続されている。障害検出装置380は、スタンド装置30の前後左右に障害物があるか否かを検出する装置である。障害検出装置380が障害物を検出する方法としては、レーダ方式で障害物を検出してもよいし、カメラにより障害物を検出してもよい。また、障害検出装置380は、ベッド装置上の障害物を検出してもよいし、上面の障害物を検出してもよい。
駆動制御部308は、障害物が検知されたことを障害検出装置380から受信した場合には、駆動装置370の動作を停止する。これにより、スタンド装置30の移動方向に障害物がある場合には、動作が停止することから、安全に動作させることが可能となる。
位置決定部310は、スタンド装置30の位置を決定する。位置決定部310は、記憶部320の位置情報決定テーブル326に記憶されている位置情報に基づいて、スタンド装置30の位置を決定する。
図18は、スタンド装置30の移動領域について模式的に示した図である。図18(a)は上からみた平面図であり、図18(b)は横からみた側面図である。
図18(a)に示すように、ベッド装置5の長手方向にそって、スタンド装置30はp1の領域(範囲)を移動することができる。また、待避エリアEEが確保できる場合には、例えばp2の領域で移動できることとしてもよい。この移動することができる領域内で、どの位置にスタンド装置30を移動するか、位置情報決定テーブル326に記憶する。
さらに、位置情報決定テーブル326は、ユニットの可動範囲についても記憶可能である。例えばテーブルユニットの天板がp3の範囲で動くことができることを可動範囲として記憶する。また、動作モードに応じて、天板がどの位置にあるべきかを位置情報決定テーブル326は記憶する。
図18(b)は、スタンドの移動領域として高さを示す。すなわち、スタンド装置30は、p5の領域で高さを可変させることができる。また、スタンド装置30全体の高さを変えてもよいし、ユニット毎に高さを変えてもよい。また、ユニットに設けられた装置(例えば、表示装置や天板等)の高さを変えてもよい。
位置決定部310がスタンド装置30の位置を決定するためには、位置情報決定テーブル326を参照して決定したり、位置決定部310が位置を算出して決定したりする。
例えば、図19(a)は、位置情報決定テーブル326の一例を示した図である。位置情報決定テーブル326は、動作や背角度(背ボトムの角度)に応じて、スタンド装置30の位置(例えば、ベッド装置5の頭側の位置を「0」cmとしたとき、長手方向に沿った移動距離)と、高さ(例えば、スタンド装置30の一番低い高さを「0」cmとしたときの高さ)とを記憶している。そして、動作やベッド装置5の状態である背角度(背上げ角度)に応じて、位置決定部310は、スタンド装置30の位置と、高さとを決定する。
例えば、ベッド装置5の背角度「20度」の場合、位置決定部310は、スタンド装置30の位置を「20cm」、高さは「10cm」と決定する。そして、駆動制御部308は、位置決定部310により決定された位置にスタンド装置30がなるように駆動装置370を駆動する。
また、ベッド装置5の動作モードが「食事モード」のとき、位置決定部310はスタンド装置30の位置を「40cm」、高さは「20cm」と決定する。また、テーブルユニットが接続されている場合は、天板を食事位置となるように決定する。そして、駆動制御部308は、位置決定部310により決定された位置にスタンド装置30がなるように駆動装置370を駆動する。
また、位置決定部310が位置を決定するのは演算で求めてもよい。図19(b)は、スタンド装置30の位置を模式的に説明するための図である。本図では、ベッド装置5の背ボトム51、腰ボトム52、膝ボトム53、足ボトム54を模式的に示している。なお、本図では、主に背上げ動作(背下げ動作)について説明する。
利用者がベッド装置5に横たわった場合、例えば位置hの箇所にスタンド装置30が位置するように決定する。そうすると、スタンド装置30の位置は、背角度θに基づいて算出することが可能である。
例えば、背角度が「0度」のとき、p10の位置にスタンド装置30が位置するが、背角度が「θ1度」のときは、スタンド装置30はp12の位置に、背角度が「θ2」のときは、スタンド装置30はp14の位置になるように算出される。
このように、位置決定部310は、背角度に応じて、スタンド装置30の位置を算出し、決定することができる。また、位置決定部310は、併せてスタンド装置30の高さについても、背角度に応じて算出し、決定することができる。
ベッド制御部312は、通信部350を介してベッド制御装置12を制御可能である。また、ベッドの状態を取得することも可能である。照明制御部314は、照明装置340を制御可能である。環境情報取得部316は、環境情報取得装置360から環境情報(例えば、気温、湿度、照度等)を取得可能である。
これらの機能は、第1実施形態で説明したベッド制御部104、照明制御部114、環境情報取得部112と略同一の機能である。なお、照明装置340、環境情報取得装置360は、ユニットとしてスタンド装置30に取り付けることが可能であるが、通信部150を介して接続されるスタンド装置30の外部装置として構成されてもよい。
記憶部320は、スタンド装置30の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部320は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
また、記憶部320は、利用者に関する情報である利用者情報が記憶される利用者情報記憶領域322と、利用者の睡眠状態や、離床/在床の状態が記憶される睡眠状態記憶領域324との領域が確保されており、位置情報決定テーブル326を記憶している。ここで記憶される利用者情報や、睡眠状態は第1実施形態と略同一であり、更に必要に応じて各種情報が適宜記憶される。
表示部330、操作部332、報知部334、通信部350は、第1実施形態における表示部130、操作部135、報知部140、通信部150と略同一の構成である。なお、第2実施形態においては、スタンド装置30に内蔵する機能であってもよいし、ユニットとして取り付けられる装置であってもよい。
また、通信部150は、ベッド制御装置12や、センサ装置14と接続し、通信することができる。ベッド制御装置12及びセンサ装置14は第1実施形態と略同一の構成である。
また、スタンド装置30は、ユニットとして利用者やベッド装置5上を撮影する撮影装置382、利用者から音声による指示入力を受け付けたり、各種案内を音声として出力したりする音声入出力装置384と、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末といった各種装置に給電可能な給電装置386とを有している。
撮影装置382は、例えばカメラ装置を内蔵する装置である。音声入出力装置384は、端末装置等で実現されてもよいし、スマートスピーカ等により実現されてもよい。
なお、図16の照明ユニット31は図17の照明装置340、図16の表示ユニット33は図17の表示部330、図16の給電パーツ32bは図17の給電装置386に対応するものである。
[2.3 実施例]
以下、図17の構成の場合の実施例について、処理毎に説明する。
[2.3.1 第4実施例]
[2.3.1.1 本実施例の目的]
一般的に、ベッド装置のサイドに設置してある例えばテーブルは手動で移動するものであった。したがって、利用者の姿勢や、位置に応じて図16に示すスタンドを利用する場合、利用者はその都度看護師やスタッフに移動をお願いする必要がでてくる。
また、利用者にとって、必要なものが複数あり、利用者によっても種類が異なる。したがって、色々な物を利用者毎にバラバラにおくこととなり、整理ができないという可能性がある。
そこで本実施例では、利用者の動きやベッド装置の状態に応じて、位置が変わるスタンド装置を提供することを目的としている。
[2.3.1.2 処理の流れ]
(1)メイン処理
図20は、第4実施例における処理の流れを説明するための図である。制御部300(睡眠状態判定部302)は、利用者の起床を検知する(ステップS2102;Yes)。利用者の起床が検知されると、制御部300(離床判定部304)は、利用者の離床動作があったかを判定する(ステップS2104)。離床動作があった場合は、適宜離床動作に応じた処理を実行するが、本実施例では処理を終了する。
離床動作がない場合には(ステップS2104;No)、制御部300(ベッド制御部312)は、ベッド装置5の状態を所定の状態に遷移する(ステップS2106)。例えば、制御部300(ベッド制御部312)は、利用者から入力された背角度になるよう背ボトムを動かしたり、利用者から選択された動作モード(例えば、食事モード)に応じて、ベッド装置のボトムを動かしたりする。
つづいて、制御部100(位置決定部310、駆動制御部308)は、スタンド装置30の位置を決めるためのスタンド装置位置決め処理を実行する(ステップS2108)。スタンド装置位置決め処理については後述する。スタンド装置位置決め処理が実行されることにより、スタンド装置30の位置が決定され、適切な位置にスタンド装置が移動する。
ステップS2108により、スタンド装置30が適切な位置に移動した後、制御部300は、表示部330により情報の表示の必要があるか否かを判定する(ステップS2110)。ここで、表示部330により情報の表示の必要がある場合には、制御部300は、表示部330の高さを所定の高さ(利用者の視認可能高さ)に調整する(ステップS2112)。
図21は、表示部330の高さについて模式的に説明する図である。図21は、支柱38に、表示部330として表示ユニット33が取り付けられている。
ここで、図21(a)は、背上げ角度が「0度」である。すなわち、背ボトム51とベッドフレームとの角度は「0度」であり、このとき表示ユニット33は、低い場所に位置している。
図21(b)は、背上げ角度が「30度」である。すなわち、背ボトム51とベッドフレームとの角度は「30度」であり、このとき表示ユニット33がそのままの位置では、ベッド装置5上の利用者からは視認できない。
したがって、表示ユニット33の高さをh1だけ上げることにより、利用者にとって視認しやすい位置に表示ユニット33が位置することとなる。
この利用者が表示ユニットを視認可能となる視認可能高さは、位置情報決定テーブル326に記憶してもよい。また、位置決定部310が、背上げ角度に基づいて算出してもよい。
図20の処理に戻ると、制御部300は、ベッド装置5がモードに応じた状態となっているときは、対応するユニットを所定の位置に移動する動作を行ってもよい(ステップS2114;Yes→ステップS2116)。
本実施例では、例えば「食事モード」の状態にベッド装置5の状態がなっているとき、制御部300(駆動制御部308)は、テーブルユニットの天板を所定位置に移動する(ステップS2116)。
(2)スタンド装置位置決め処理
図20のステップS2108のスタンド装置位置決め処理について、図22を参照して説明する。制御部300(位置決定部310)は、現在のスタンド装置30の位置は対応位置にあるかを判定する(ステップS2202)。
具体的には、現在のスタンド装置30の位置を取得し、位置情報決定テーブル326に記憶された位置や、位置決定部310が算出する位置と同じかを判定する。ここで、対応位置にスタンド装置30がない場合、制御部300(駆動制御部308)は、スタンド装置を移動する(ステップS2202;No→ステップS2204)。なお、このとき、障害検出装置380により障害物が検出された場合、スタンド装置30の移動を中止する(ステップS2206;Yes→ステップS2208)。
スタンド装置30が対応位置に来た場合、制御部300(位置決定部310)は、スタンド装置30の高さが対応の高さを判定する(ステップS2210)。具体的には、現在のスタンド装置30の高さを取得し、位置情報決定テーブル326に記憶された高さや、位置決定部310が算出する高さと同じかを判定する。
そして、スタンド装置30の高さが対応高さとなった場合は(ステップS2210;Yes)、本処理を終了する。
[2.3.1.3 効果]
本実施例によれば、ベッド装置の動作(例えば、背上げ動作や、モード選択等)に応じて、スタンド装置30の位置や高さが決まることとなる。そして、決定された位置や高さにスタンド装置30が自動的に遷移する。
[2.3.2 第5実施例]
[2.3.2.1 本実施例の目的]
スタンド装置等は、利用者が利用しやすいようにベッド装置の側にあることが求められる。しかし、離床時において、ベッド装置の側にスタンド装置があることで、利用者の離床動作の妨げとなってしまう。
そこで本実施例は、利用者が離床するときには、自動的にスタンド装置が離床動作の障害とならない位置まで移動することを目的とするものである。
[2.3.2.2 処理の流れ]
図23は、本実施例における処理の流れを説明するための図である。なお、第4実施例と同様に、制御部300(位置決定部310)は、スタンド装置の位置決め処理を行う。本実施例では、離床動作の部分を中心に説明する。
制御部300(離床判定部304)は、利用者の離床動作を検知すると、スタンド装置30は待避エリアに位置しているかを判定する。ここで待避位置とは、例えば18(a)の待避エリアEEである。
もし、スタンド装置30が待避エリアEEの位置にない場合、制御部300(位置決定部310、駆動制御部308)は、スタンド装置30が待避エリアEEの位置に移動するように、位置決め処理を実行する(ステップS2310)。これにより、利用者の離床時には、スタンド装置30は待避エリアに移動することとなる。
そして、制御部300(離床判定部304)は利用者の在床を検知すると、ベッド装置の状態を取得する(ステップS2312;Yes→ステップS2304)。そして、ベッド装置の状態に応じて、制御部300は、スタンド装置位置決め決定処理を実行する(ステップS2306)。
なお、離床動作が検知されなかった場合も同様の処理が実行され(ステップS2302;No)、このステップS2304、S2306は第4実施例の処理を実行しててもよい。
また、上述した実施例では、制御部100は、ステップS2302において離床動作を検知しているが、利用者が離床動作をすることを操作してもよい。例えば、離床することを話すことで、音声入出力装置384を介して操作してもよいし、所定の動作(例えば手を動かす)等に応じて、離床動作が行われることを操作してもよい。
[2.3.2.3 効果]
このように、本実施例によれば、利用者が離床するときに、スタンド装置30は自動的に待避エリアに移動することとなる。また、利用者が再び在床すると、スタンド装置30は、利用者の位置に戻る動作を行う。
これにより、利用者の離床動作を妨げることなく、利用者の離床/在床状態に応じて、適切な位置にスタンド装置30が位置することとなり、適切に利用者を支援することが可能となる。
[2.3.3 第6実施例]
[2.3.3.1 本実施例の目的]
スタンド装置30は、複数のユニットを搭載できることから、例えばカメラにより利用者の睡眠中の様子を撮影することができる。これにより、いびき等の眠りの異変を撮影データから検出し、ベッド装置5との連携を行ったりすることを目的とする。
[2.3.3.2 処理の流れ]
図24は、本実施例における処理の流れを説明するための図である。まず、制御部300は、利用者の睡眠を検知すると、撮影装置382により、利用者の状態を録画する(ステップS2402;Yes→ステップS2404)。なお、撮影装置382が録画するデータ(録画データ)は、例えば記憶部320に記憶する。
続いて、制御部300は異変を検知する。制御部300が利用者の異変を検知する方法としては種々の方法が考えられるが、例えば以下の異変を検知する。
・いびき等による睡眠時無呼吸症候群
・利用者の寝姿勢による睡眠時無呼吸症候群
・利用者の動きによるむずむず足症候群
・利用者の寝位置による転落の危険性 等
制御部300は、これらの異変を検知した場合は、ベッドモーションの動作指示を行う(ステップS2410)。例えば、ベッドモーションとしては、背上げ/背下げ動作、ベッドの頭/足側の高さ制御による傾動動作、エアセル制御による寝返り支援動作が行われる。
制御部は、これらのベッドモーションの動作を、必要に応じて行う。例えば、寝返り支援であれば、利用者が寝返った状態になるまで継続する(ステップS2142;No)。
そして、制御部300は、利用者が起床するまで処理を継続する(ステップS2414;No)。制御部300は、利用者が起床した後は、録画を停止する(ステップS2416)。
なお、上述した実施例では、制御部300が異変を検知するのに撮影装置382による録画データを利用しているが、他のデータを利用してもよい。例えば、センサ装置14により取得される生体情報値、音声入出力装置384により取得される音声データ等に基づいて利用者の異変を検知してもよい。
また、制御部300は、利用者の異変を検知した場合に、併せて通信部150を介して医療従事者やスタッフに通報してもよい。
[2.3.3.3 効果]
このように、本実施例によれば、利用者の異変をスタンド装置30で検知し、ベッド装置5と連動することで、利用者の異変を解消するシステムを提供することができる。
[2.3.4 第7実施例]
[2.3.4.1 本実施例の目的]
スタンドと、ベッド装置5が設置された病室、部屋の他の装置との連携は行われていない。すなわち、スタンド、スマートフォン、部屋の設備装置は、別に動作しており、一括して動作を制御するといったことはできなかった。
本実施例では、スタンド装置30をハブとして、他の装置と連携を行うことが可能な利用者支援システムを提供することを目的とする。
[2.3.4.2 処理の流れ]
図25は、本実施例の処理の概念を説明するためのシーケンス図である。以下、図25を参照して説明する。
まず、利用者はスタンド装置30に制御を行う装置として、スマートフォン(タブレットやコンピュータ、スマートウォッチを含む)や音声入出力装置(例えば、スマートスピーカ)等が想定される。
例えば、利用者からスマートフォンにインストール操作が指示されると、スマートフォンは、制御アプリケーションをインストールする。これにより、利用者はスマートフォンで実行されるアプリケーションに操作指示を行うことで、スタンド装置30に指示を行うことができる。
例えば、利用者は、スマートフォンにおいて実行されている制御アプリケーションで「照明ON」の制御を行う。そうすると、スマートフォンは、スタンド装置30に「照明ON」の制御信号を送信する。
スタンド装置30は、受信された「照明ON」の信号に基づいて、照明装置(照明システム20)に照明ONの信号を送信する。照明装置は、照明ONの信号に基づいて照明をON、すなわち照射を開始する。
また、利用者は音声入出力装置に「体温を表示して」と音声入力を行う。音声入出力装置は、当該音声入力は、体温表示を行う操作指示であることを判定し、体温を表示する内容の信号をスタンド装置30に送信する。スタンド装置30は、例えばサーモセンサに対して体温測定を行う信号を送信する。
サーモセンサは、利用者の体温を測定し、体温を戻り値としてスタンド装置30に送信する。スタンド装置30は、受信された体温を表示装置に送信する。表示装置は、受信された体温に基づいて体温表示を行う。
本実施例では、制御する装置としては、照明装置、サーモセンサを例に説明したが、他の装置、例えば部屋の空調、カーテン操作、テレビ操作といった、スタンド装置30と連携可能な装置であればよい。
また、スマートフォン、音声入出力装置を例に説明したが、スタンド装置30に直接操作指示をしてもよい。とくに、スマートフォンや、タブレットの電子機器を、給電ユニットに接続することで、利用者はスタンド装置30の位置を移動させることで、任意の位置で利用することができる。
また、スマートフォンにナースコールアプリをインストールすることで、ナースコールの機能を、スマートフォンを経由して実現することができる。
[2.3.4.3 効果]
本実施例によれば、スタンド装置30をハブとし、スマートフォン、タブレット等の端末装置、スマートスピーカ等の音声入出力装置を利用して、他の装置を制御することが可能となる。これにより、例えば利用者が寝ながらであっても操作がしやすくなり、適切に利用者を支援することが可能となる。
これにより、ベッド装置5の背上げ/背下げ動作といった状態や、センサ装置14による利用者の覚醒検知と連携し、自動でバイタルや睡眠履歴、時刻画面の表示を行うことができる。また、利用者の身体の異常を検知した場合に、ナースコールメニュー画面の自動表示を行ったり、通報を行ったりすることができる。
[3.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
なお、上述した実施形態では、照明システム20は複数の照明装置を備えているが、明るさが変えられる照明装置を1つで実現してもよい。また、照明装置は3段階に切り替えられることを説明しているが、2段階でも、4段階以上であってもよい。
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDD、SSDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。