JP2022037028A - 基板処理方法、半導体装置の製造方法、基板処理装置、およびプログラム - Google Patents

基板処理方法、半導体装置の製造方法、基板処理装置、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】基板上に形成されるSiN膜の基板面内膜厚均一性を向上させる半導体装置の製造方法、基板処理装置及びプログラムを提供する。【解決手段】方法は、表面にNH終端が形成された基板に対して、SiCl4を含む原料を供給することで、基板の表面におけるNH終端と、原料と、を反応させて、SiCl終端された第1SiおよびN含有層を形成する工程と、基板に対してN及びHを含む反応体を供給することで、第1Si及びN含有層と、反応体と、を反応させて、NH終端された第2Si及びN含有層を形成する工程とを、基板が存在する空間を排気する工程を挟んで交互に行うことにより、基板上にSi及びN含有膜を形成する工程を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、半導体装置の製造方法、基板処理装置、およびプログラムに関する。
半導体装置の製造工程の一工程として、基板上に、シリコン(Si)と窒素(N)とを含む膜、すなわち、シリコン窒化膜(SiN膜)を形成する処理が行われることがある(例えば特許文献1参照)。
特開2017-069230号公報
本発明は、基板上に形成されるSiN膜の基板面内膜厚均一性を向上させることを目的とする。
本発明の一態様によれば、
(a)基板に対してNおよびHを含む第1反応体を供給することで、前記基板の表面にNH終端を形成する工程と、
(b)前記基板に対して原料としてSiClを供給することで、前記基板の表面に形成されたNH終端と、前記SiClと、を反応させて、SiCl終端された第1SiN層を形成する工程と、
(c)前記基板に対してNおよびHを含む第2反応体を供給することで、前記第1SiN層の表面に形成されたSiCl終端と、前記第2反応体と、を反応させて、NH終端された第2SiN層を形成する工程と、
を有し、(a)を行った後に、前記SiClが気相分解しない条件下で、(b)と(c)とを非同時に行うサイクルを所定回数行うことにより、前記基板上にSiN膜を形成する技術が提供される。
本発明によれば、基板上に形成されるSiN膜の基板面内膜厚均一性を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。 本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を図1のA-A線断面図で示す図である。 本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。 本発明の一実施形態の成膜シーケンスを示す図である。 (a)は第1反応体が供給された後の基板の表面の部分拡大図を、(b)は原料が供給された後の基板の表面の部分拡大図を、(c)は第2反応体が供給された後の基板の表面の部分拡大図をそれぞれ示す図である。 (a)は基板上に形成されたSiN膜の基板面内膜厚均一性の評価結果を、(b)は基板上に形成されたSiN膜の加工耐性の評価結果を、それぞれ示す図である。 は基板上に形成されたSiN膜の基板面内膜厚均一性の評価結果を示す図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について、主に、図1~図5を用いて説明する。
(1)基板処理装置の構成
図1に示すように、処理炉202は加熱機構(温度調整部)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207は、ガスを熱で活性化(励起)させる活性化機構(励起部)としても機能する。
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料により構成され、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の筒中空部には、処理室201が形成される。処理室201は、基板としてのウエハ200を収容可能に構成されている。この処理室201内でウエハ200に対する処理が行われる。
処理室201内には、ノズル249a,249bが、反応管203の下部側壁を貫通するように設けられている。ノズル249a,249bには、ガス供給管232a,232bがそれぞれ接続されている。
ガス供給管232a,232bには、ガス流の上流側から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a,241bおよび開閉弁であるバルブ243a,243bがそれぞれ設けられている。ガス供給管232a,232bのバルブ243a,243bよりも下流側には、ガス供給管232c,232dがそれぞれ接続されている。ガス供給管232c,232dには、ガス流の上流側から順に、MFC241c,241dおよびバルブ243c,243dがそれぞれ設けられている。
図2に示すように、ノズル249a,249bは、反応管203の内壁とウエハ200との間における平面視において円環状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の配列方向上方に向かって立ち上がるようにそれぞれ設けられている。すなわち、ノズル249a,249bは、ウエハ200が配列されるウエハ配列領域の側方の、ウエハ配列領域を水平に取り囲む領域に、ウエハ配列領域に沿うようにそれぞれ設けられている。ノズル249a,249bの側面には、ガスを供給するガス供給孔250a,250bがそれぞれ設けられている。ガス供給孔250a,250bは、反応管203の中心を向くようにそれぞれ開口しており、ウエハ200に向けてガスを供給することが可能となっている。ガス供給孔250a,250bは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。
ガス供給管232aからは、原料(原料ガス)として、例えば、Siと塩素(Cl)とを含むクロロシラン系ガスが、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介して処理室201内へ供給される。原料ガスとは、気体状態の原料、例えば、常温常圧下で液体状態である原料を気化することで得られるガスや、常温常圧下で気体状態である原料等のことである。クロロシラン系ガスとしては、例えば、テトラクロロシラン(SiCl)ガスを用いることができる。SiClガスは、1分子中に、SiとClとの化学結合(Si-Cl結合)を4つ含んでいる。
ガス供給管232bからは、第1、第2反応体として、例えば、Nと水素(H)とを含む窒化水素系ガスが、MFC241b、バルブ243b、ノズル249bを介して処理室201内へ供給される。窒化水素系ガスとしては、例えば、アンモニア(NH)ガスを用いることができる。NHガスは、1分子中に、NとHとの化学結合(N-H結合)を3つ含んでいる。
ガス供給管232c,232dからは、不活性ガスとしての窒素(N)ガスが、それぞれMFC241c,241d、バルブ243c,243d、ガス供給管232a,232b、ノズル249a,249bを介して処理室201内へ供給される。Nガスは、パージガス、キャリアガス、希釈ガス等として作用する。
主に、ガス供給管232a、MFC241a、バルブ243aにより、原料供給系が構成される。主に、ガス供給管232b、MFC241b、バルブ243bにより、反応体供給系(第1、第2反応体供給系)が構成される。主に、ガス供給管232c,232d、MFC241c,241d、バルブ243c,243dにより、不活性ガス供給系が構成される。
上述の各種供給系のうち、いずれか、或いは、全ての供給系は、バルブ243a~243dやMFC241a~241d等が集積されてなる集積型供給システム248として構成されていてもよい。集積型供給システム248は、ガス供給管232a~232dのそれぞれに対して接続され、ガス供給管232a~232d内への各種ガスの供給動作、すなわち、バルブ243a~243dの開閉動作やMFC241a~241dによる流量調整動作等が、後述するコントローラ121によって制御されるように構成されている。集積型供給システム248は、一体型、或いは、分割型の集積ユニットとして構成されており、ガス供給管232a~232d等に対して集積ユニット単位で着脱を行うことができ、集積型供給システム248のメンテナンス、交換、増設等を、集積ユニット単位で行うことが可能なように構成されている。
反応管203の側壁下方には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が接続されている。排気管231には、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245および圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ244は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、さらに、真空ポンプ246を作動させた状態で、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されている。主に、排気管231、圧力センサ245、APCバルブ244により、排気系が構成される。真空ポンプ246を排気系に含めて考えてもよい。
反応管203の下方には、反応管203の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属材料により構成され、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、反応管203の下端と当接するシール部材としてのOリング220が設けられている。シールキャップ219の下方には、後述するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、反応管203の外部に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ウエハ200を処理室201内外に搬入および搬出(搬送)する搬送装置(搬送機構)として構成されている。
基板支持具としてのボート217は、複数枚、例えば25~200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように、すなわち、間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料により構成される。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料により構成される断熱板218が水平姿勢で多段に支持されている。
反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となる。温度センサ263は、反応管203の内壁に沿って設けられている。
図3に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バス121eを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する成膜処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する成膜処理における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、プロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。また、プロセスレシピを、単に、レシピともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、レシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
I/Oポート121dは、上述のMFC241a~241d、バルブ243a~243d、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、温度センサ263、ヒータ207、回転機構267、ボートエレベータ115等に接続されている。
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからレシピを読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC241a~241dによる各種ガスの流量調整動作、バルブ243a~243dの開閉動作、APCバルブ244の開閉動作および圧力センサ245に基づくAPCバルブ244による圧力調整動作、真空ポンプ246の起動および停止、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、回転機構267によるボート217の回転および回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作等を制御するように構成されている。
コントローラ121は、外部記憶装置123に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。外部記憶装置123は、例えば、HDD等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ等を含む。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置123を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
(2)基板処理工程
上述の基板処理装置を用い、半導体装置の製造工程の一工程として、基板としてのウエハ200上にSiN膜を形成する基板処理シーケンス例、すなわち、成膜シーケンス例について、図4を用いて説明する。以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
図4に示す成膜シーケンスでは、
ウエハ200に対してNおよびHを含む第1反応体としてNHガスを供給することで、ウエハ200の表面にNH終端を形成するステップAと、
ウエハ200に対して原料としてSiClガスを供給することで、ウエハ200の表面に形成されたNH終端と、SiClと、を反応させて、SiCl終端された第1SiN層を形成するステップBと、
ウエハ200に対してNおよびHを含む第2反応体としてNHガスを供給することで、第1SiN層の表面に形成されたSiCl終端と、NHガスと、を反応させて、NH終端された第2SiN層を形成するステップCと、を行う。
具体的には、上述のステップAを行った後に、SiClが気相分解しない条件下で、上述のステップBとステップCとを非同時に行うサイクルを所定回数行う。これにより、ウエハ200上にSiN膜を形成する。なお、図4では、ステップA,B,Cの実施期間をそれぞれA,B,Cと表している。
本明細書では、図4に示す成膜シーケンスを、便宜上、以下のように示すこともある。以下の他の実施形態等の説明においても同様の表記を用いる。
NH→(SiCl→NH)×n ⇒ SiN
本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、ウエハそのものを意味する場合や、ウエハとその表面に形成された所定の層や膜との積層体を意味する場合がある。本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、ウエハそのものの表面を意味する場合や、ウエハ上に形成された所定の層等の表面を意味する場合がある。本明細書において「ウエハ上に所定の層を形成する」と記載した場合は、ウエハそのものの表面上に所定の層を直接形成することを意味する場合や、ウエハ上に形成されている層等の上に所定の層を形成することを意味する場合がある。本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。
(ウエハチャージおよびボートロード)
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)される。その後、図1に示すように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内へ搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219は、Oリング220を介して反応管203の下端をシールした状態となる。
(圧力調整および温度調整)
処理室201内、すなわち、ウエハ200が存在する空間が所望の処理圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気(減圧排気)される。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ244がフィードバック制御される。また、処理室201内のウエハ200が所望の処理温度(成膜温度)となるように、ヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される。また、回転機構267によるウエハ200の回転を開始する。真空ポンプ246の稼働、ウエハ200の加熱および回転は、いずれも、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
(成膜処理)
その後、以下のステップA~Cを順次実施する。
[ステップA]
このステップでは、処理室201内のウエハ200に対してNHガスを供給する。具体的には、バルブ243bを開き、ガス供給管232b内へNHガスを流す。NHガスは、MFC241bにより流量調整され、ノズル249bを介して処理室201内へ供給され、排気管231より排気される。このとき、ウエハ200に対して、ウエハ200の側方からNHガスが供給される。このときバルブ243c,243dを開き、ガス供給管232c,232d内へNガスを流すようにしてもよい。
本ステップにおける処理条件としては、
NHガス供給流量:100~10000sccm
ガス供給流量(各ガス供給管):0~10000sccm
各ガス供給時間:1~30分
処理温度:300~1000℃、好ましくは700~900℃、より好ましくは750~800℃
処理圧力:1~4000Pa、好ましくは20~1333Pa
が例示される。なお、本明細書における「300~1000℃」のような数値範囲の表記は、下限値および上限値がその範囲に含まれることを意味する。よって、「300~1000℃」とは「300℃以上1000℃以下」を意味する。他の数値範囲についても同様である。
成膜処理を実施する前のウエハ200の表面には、自然酸化膜などが形成されている場合がある。上述の条件下でウエハ200に対してNHガスを供給することにより、自然酸化膜などが形成されたウエハ200の表面に、NH終端を形成することが可能となる。これにより、後述するステップBにおいて、ウエハ200上で所望の成膜反応を進行させることが可能となる。図5(a)に、NH終端が形成されたウエハ200の表面の部分拡大図を示す。ウエハ200の表面に形成されたNH終端を、H終端と同義にとらえることもできる。なお、本ステップにおけるウエハ200に対するNHガスの供給、ウエハ200の表面にNH終端を形成する処理は、実質的な成膜処理(ステップB,C)よりも前に行われることから、それぞれを、プリフロー、前処理とも称する。
本実施形態のように、ウエハ200に対するNHガスの供給をウエハ200の側方から行う場合、NH終端の形成は、ウエハ200の外周部において先行して開始され、ウエハ200の中央部においては開始が遅れる傾向がある。この現象は、ウエハ200の表面にトレンチやホールなどの凹部を含むパターンが形成されている場合に特に顕著となる。本ステップにおいて、NHガスの供給時間が1分未満となると、ウエハ200の外周部にNH終端を形成することはできても、ウエハ200の中央部にNH終端を形成することが困難となる場合がある。NHガスの供給時間を1分以上の時間とすることで、NH終端を、ウエハ200の外周部から中央部にわたり均一に、すなわち、略均等な量および密度で形成することが可能となる。ただし、NHガスの供給時間が30分を超えると、ウエハ200の表面におけるNH終端の形成反応が飽和した状態で、ウエハ200に対するNHガスの供給が継続される場合がある。その結果、NH終端の形成に寄与しないNHガスの使用量が無駄に増え、ガスコストが増加する場合がある。NHガスの供給時間を30分以下の時間とすることで、ガスコストの増加を抑制することが可能となる。
ウエハ200に対してNHガスをプリフローすることでウエハ200の表面にNH終端を形成した後、バルブ243bを閉じ、処理室201内へのNHガスの供給を停止する。そして、処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する。このとき、バルブ243c,243dを開き、処理室201内へパージガスとしてNガスを供給する(パージステップ)。パージステップにおける処理圧力は例えば1~100Paの圧力とし、Nガスの供給流量は例えば10~10000sccmの流量とする。
第1反応ガスとしては、NHガスの他、ジアゼン(N)ガス、ヒドラジン(N)ガス、Nガス等の窒化水素系ガスを用いることができる。
不活性ガスとしては、Nガスの他、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いることができる。この点は、後述するステップB,Cにおいても同様である。
[ステップB]
このステップでは、処理室201内のウエハ200、すなわち、ウエハ200の表面に形成されたNH終端に対してSiClガスを供給する。具体的には、バルブ243a,243c,243dの開閉制御を、ステップAにおけるバルブ243b~243dの開閉制御と同様の手順で行う。SiClガスは、MFC241aにより流量制御され、ノズル249aを介して処理室201内へ供給され、排気管231より排気される。このとき、ウエハ200に対して、ウエハ200の側方からSiClガスが供給される。
本ステップにおける処理条件としては、
SiClガス供給流量:10~2000sccm、好ましくは100~1000sccm
SiClガス供給時間:60~180秒、好ましくは60~120秒
処理温度:300~1000℃、好ましくは700~900℃、より好ましくは750~800℃
処理圧力:1~2000Pa、好ましくは20~1333Pa
が例示される。他の処理条件は、ステップAにおける処理条件と同様とする。
上述の条件下でウエハ200に対してSiClガスを供給することにより、ウエハ200の表面に形成されたNH終端と、SiClと、を反応させることが可能となる。具体的には、SiClにおけるSi-Cl結合、および、ウエハ200の表面に形成されたNH終端におけるN-H結合を、それぞれ切断することが可能となる。そして、SiClにおけるSi-Cl結合が切断されたSiを、ウエハ200の表面に形成されたNH終端におけるN-H結合が切断されたNに結合させ、Si-N結合を形成することが可能となる。Siから切り離されたCl、および、Nから切り離されたHは、それぞれ、HCl等のガス状物質を構成してウエハ200から脱離し、排気管231より排気される。
また、本ステップでは、上述の反応の過程において、SiClにおけるSi-Cl結合のうちSi-N結合に変換されなかったSi-Cl結合を、切断することなく保持することが可能となる。すなわち、本ステップでは、SiClを構成するSiが有する4つの結合手のうち3つの結合手にそれぞれClを結合させた状態で、SiClにおけるSi-Cl結合が切断されたSiを、ウエハ200の表面に形成されたNH終端におけるN-H結合が切断されたNに結合させることが可能となる。
本明細書では、ステップBにおいてウエハ200の表面で進行する上述の反応を、吸着置換反応とも称する。本ステップでは、上述の吸着置換反応を進行させることにより、ウエハ200上に、SiおよびNを含み、表面の全域がSiCl終端された層、すなわち、SiCl終端されたシリコン窒化層(第1SiN層)を形成することが可能となる。図5(b)に、SiCl終端された第1SiN層が形成されたウエハ200の表面の部分拡大図を示す。なお、図5(b)では便宜上Clの一部の図示を省略している。SiCl終端された第1SiN層は、SiCl終端を構成するClがそれぞれ立体障害として作用すること等により、この層の形成後にウエハ200に対するSiClガスの供給をさらに継続しても、ウエハ200上へのさらなるSiの堆積が進行しない層となる。すなわち、SiCl終端された第1SiN層は、さらなるSiの吸着反応に対してセルフリミットがかかる層となる。このことから、第1SiN層の厚さは、ウエハ面内全域にわたり1原子層未満(1分子層未満)の均等な厚さとなる。なお、ウエハ200の表面に形成されたSiCl終端を、Cl終端と同義にとらえることもできる。
本ステップにおける処理条件は、処理室201内に供給されたSiClが気相分解(熱分解)しない条件である。すなわち、上述の処理条件は、処理室201内に供給されたSiClが気相中で中間体を生じさせず、気相反応によるウエハ200上へのSiの堆積を進行させない条件である。言い換えれば、上述の処理条件は、ウエハ200上において上述の吸着置換反応だけを生じさせることができる条件である。本ステップにおける処理条件をこのような条件とすることにより、ウエハ200上に形成される第1SiN層を、ウエハ面内厚さ均一性(以下、単に面内厚さ均一性ともいう)に優れた層とすることが可能となる。
なお、成膜温度(処理温度)が300℃未満となると、ウエハ200上に第1SiN層が形成されにくくなり、ウエハ200上へのSiN膜の形成を実用的な成膜レートで進行させることが困難となる場合がある。また、ウエハ200上に形成されるSiN膜中にCl等の不純物が多く残留し、SiN膜の加工耐性が低下する場合もある。成膜温度を300℃以上の温度とすることにより、ウエハ200上へのSiN膜の形成を実用的な成膜レートで進行させることが可能となる。また、ウエハ200上に形成されるSiN膜を、不純物濃度が低く、加工耐性に優れた膜とすることも可能となる。成膜温度を700℃以上の温度とすることで、上述の効果が確実に得られるようになる。成膜温度を750℃以上の温度とすることで、上述の効果がより確実に得られるようになる。
成膜温度が1000℃を超えると、処理室201内において、上述の吸着置換反応以外の反応が進行する場合がある。例えば、SiClにおけるSi-Cl結合のうちSi-N結合に変換されなかったSi-Cl結合が切断され、第1SiN層の表面全体をSiCl終端させることが困難となる場合がある。すなわち、第1SiN層を、さらなるSiの吸着反応に対してセルフリミットがかかる層とすることが困難となる場合がある。また、処理室201内に供給されたSiClが気相分解(熱分解)して中間体を生じさせ、気相反応によるウエハ200上へのSiの堆積が進行する場合がある。これらの結果、ウエハ200上に形成される第1SiN層の面内厚さ均一性、すなわち、SiN膜の基板面内膜厚均一性(以下、単に面内膜厚均一性ともいう)の低下を招く場合がある。成膜温度を1000℃以下の温度とすることにより、ここで述べた課題を解消することが可能となる。成膜温度を900℃以下の温度とすることで、ここで述べた課題を確実に解消することが可能となる。成膜温度を800℃以下の温度とすることで、ここで述べた課題をより確実に解消することが可能となる。
これらのことから、成膜温度は、300~1000℃、好ましくは700~900℃、より好ましくは750~800℃とするのが望ましい。なお、ここに示す温度条件のうち、例えば700~900℃といった比較的高い温度条件は、ジクロロシラン(SiHCl、略称:DCS)ガスやヘキサクロロジシラン(SiCl、略称:HCDS)ガス等のクロロシラン系ガスを気相分解させるような温度条件である。一方、SiClガスは、DCSガスやHCDSガスが気相分解するような高い温度条件下であっても気相分解しない。よって、SiClガスは、このような比較的高い温度帯で成膜処理を行う場合において、ウエハ200上に形成されるSiN膜の膜厚制御性を高めることが可能な原料であるといえる。
本実施形態のように、ウエハ200に対するSiClガスの供給をウエハ200の側方から行う場合、第1SiN層の形成は、ウエハ200の外周部において先行して開始され、ウエハ200の中央部においては開始が遅れる傾向がある。この現象は、ウエハ200の表面に上述のパターンが形成されている場合に特に顕著となる。本ステップにおいて、SiClガスの供給時間が60秒未満となると、ウエハ200の外周部に第1SiN層を形成することはできても、ウエハ200の中央部に第1SiN層を形成することが困難となる場合がある。SiClガスの供給時間を60秒以上の時間とすることで、第1SiN層を、ウエハ200の外周部から中央部にわたり略均一に、すなわち、略均等の厚さおよび組成で形成することが可能となる。ただし、SiClガスの供給時間が180秒を超えると、ウエハ200の表面における第1SiN層の形成反応が飽和した状態で、ウエハ200に対するSiClガスの供給が継続される場合がある。その結果、第1SiN層の形成に寄与しないSiClガスの使用量が無駄に増え、ガスコストが増加する場合がある。SiClガスの供給時間を180秒以下の時間とすることで、ガスコストの増加を抑制することが可能となる。SiClガスの供給時間を120秒以下の時間とすることで、ガスコストの増加を確実に抑制することが可能となる。
ウエハ200上に第1SiN層を形成した後、バルブ243aを閉じ、処理室201内へのSiClガスの供給を停止する。そして、上述のステップAのパージステップと同様の処理手順、処理条件により、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する。
[ステップC]
このステップでは、処理室201内のウエハ200、すなわち、ウエハ200上に形成された第1SiN層に対してNHガスを供給する。具体的には、バルブ243b~243dの開閉制御を、ステップAにおけるバルブ243b~243dの開閉制御と同様の手順で行う。NHガスは、MFC241bにより流量制御され、ノズル249bを介して処理室201内へ供給され、排気管231より排気される。このとき、ウエハ200に対して、ウエハ200の側方からNHガスが供給される。
本ステップにおける処理条件としては、
NHガス供給時間:1~60秒、好ましくは1~50秒
が例示される。他の処理条件は、ステップAにおける処理条件と同様とする。
上述の条件下でウエハ200に対してNHガスを供給することにより、第1SiN層の表面に形成されたSiCl終端と、NHと、を反応させることが可能となる。具体的には、NHにおけるN-H結合、および、第1SiN層の表面に形成されたSiCl終端におけるSi-Cl結合を、それぞれ切断することが可能となる。そして、NHにおけるN-H結合が切断されたNを、第1SiN層の表面に形成されたSiCl終端におけるSi-Cl結合が切断されたSiに結合させ、Si-N結合を形成することが可能となる。Nから切り離されたH、および、Siから切り離されたClは、それぞれ、HCl等のガス状物質を構成してウエハ200から脱離し、排気管231より排気される。
本ステップでは、上述の反応の過程において、NHにおけるN-H結合のうちSi-N結合に変換されなかったN-H結合を、切断することなく保持することが可能となる。すなわち、本ステップでは、NHを構成するNが有する3つの結合手のうち2つの結合手にそれぞれHを結合させた状態で、NHにおけるN-H結合が切断されたNを、第1SiN層の表面に形成されたSiCl終端におけるSi-Cl結合が切断されたSiに結合させることが可能となる。
本明細書では、ステップCにおいてウエハ200の表面で進行する上述の反応を、吸着置換反応とも称する。本ステップでは、上述の吸着置換反応を進行させることにより、ウエハ200上に、SiおよびNを含み、表面の全域がNH終端された層、すなわち、NH終端されたシリコン窒化層(第2SiN層)を形成することが可能となる。図5(c)に、NH終端された第2SiN層が形成されたウエハ200の表面の部分拡大図を示す。なお、第2SiN層の表面に形成されたNH終端を、H終端と同義にとらえることもできる。
本ステップにおける処理条件は、ウエハ200上において上述の吸着置換反応だけが生じる条件である。本ステップでは、NHを構成するNが有する3つの結合手のうち2つの結合手にそれぞれHを結合させた状態で、NHにおけるN-H結合が切断されたNを、ウエハ200の表面に形成されたSiCl終端におけるSi-Cl結合が切断されたSiに結合させることが可能となる。
本実施形態のように、ウエハ200に対するNHガスの供給をウエハ200の側方から行う場合、第2SiN層の形成は、ウエハ200の外周部において先行して開始され、ウエハ200の中央部においては開始が遅れる傾向がある。この現象は、ウエハ200の表面に上述のパターンが形成されている場合に特に顕著となる。本ステップにおいて、NHガスの供給時間が1秒未満となると、ウエハ200の外周部に第2SiN層を形成することはできても、ウエハ200の中央部に第2SiN層を形成することが困難となる場合がある。NHガスの供給時間を1秒以上の時間とすることで、第2SiN層を、ウエハ200の外周部から中央部にわたり略均一に、すなわち、略均等の厚さおよび組成で形成することが可能となる。ただし、NHガスの供給時間が60秒を超えると、ウエハ200の表面における第2SiN層の形成反応が飽和した状態で、ウエハ200に対するNHガスの供給が継続される場合がある。その結果、第2SiN層の形成に寄与しないNHガスの使用量が無駄に増え、ガスコストが増加する場合がある。NHガスの供給時間を60秒以下の時間とすることで、ガスコストの増加を抑制することが可能となる。NHガスの供給時間を50秒以下の時間とすることで、ガスコストの増加を確実に抑制することが可能となる。
ウエハ200上に第2SiN層を形成した後、バルブ243bを閉じ、処理室201内へのNHガスの供給を停止する。そして、上述のステップAのパージステップと同様の処理手順、処理条件により、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する。
第2反応ガスとしては、NHガスの他、上述のステップAで例示した各種窒化水素系ガスを用いることができる。なお、第1反応ガスと第2反応ガスとで互いに異なるガスを用いてもよい。例えば、第1反応ガスとしてNHガスを用い、第2反応ガスとしてNガスを用いてもよい。
[所定回数実施]
ステップAを行った後、ステップB,Cを非同時に、すなわち、同期させることなく行うサイクルを所定回数(n回、nは1以上の整数)行うことにより、ウエハ200上に、所定膜厚のSiN膜を形成することができる。ステップCを実施することで形成される第2SiN層の表面は、ステップAを実施した後のウエハ200の表面と同様に、NH終端された面となっている。すなわち、ステップCを実施した後のウエハ200の表面は、その後にステップBを行った際に第1SiN層が形成されやすい面となっている。そのため、ステップAを行った後、ステップB,Cを非同時に行うサイクルを所定回数行うことにより、ウエハ200上への第1SiN層の形成と、ウエハ200上への第2SiN膜の形成と、を交互に行うことが可能となる。結果として、ウエハ200上へのSiN膜の形成を制御性よく進行させることが可能となる。なお、上述のサイクルは複数回繰り返すのが好ましい。すなわち、ステップB,Cを非同時に行うサイクルを1回行う際に形成される第2SiN層の厚さを所望の膜厚よりも小さくし、第2SiN層を積層することで形成されるSiN膜の膜厚が所望の膜厚になるまで、上述のサイクルを複数回繰り返すのが好ましい。
なお、ウエハ200上に形成されるSiN膜を面内膜厚均一性に優れた膜とするには、ステップBにおけるSiClガスの供給時間を、ウエハ200の中央部で形成される第1SiN層の厚さが、ウエハ200の外周部で形成される第1SiN層の厚さと同程度となる時間とするのが好ましい。言い換えれば、ステップBにおけるSiClガスの供給時間を、ウエハ200の中央部で、ウエハ200の表面に形成されたNH終端と、SiClガスと、の間で生じる吸着置換反応の量が、ウエハ200の外周部で、ウエハ200の表面に形成されたNH終端と、SiClガスと、の間で生じる吸着置換反応の量と同程度となる時間とするのが好ましい。例えば、ステップBにおけるSiClガスの供給時間を、ステップCにおけるNHガスの供給時間よりも長くすることにより、ここで述べた作用効果を確実に得ることが可能となる。
また、ウエハ200上に形成されるSiN膜を面内膜厚均一性に優れた膜とするには、ステップAにおけるNHガスの供給時間を、ウエハ200の中央部で形成されるNH終端の量や密度が、ウエハ200の外周部で形成されるNH終端の量や密度と同程度となる時間とするのが好ましい。例えば、ステップAにおけるNHガスの供給時間を、ステップCにおけるNHガスの供給時間よりも長くすることにより、ここで述べた作用効果を確実に得ることが可能となる。また例えば、ステップAにおけるNHガスの供給時間を、ステップBにおけるSiClガスの供給時間よりも長くすることにより、上述の作用効果をより確実に得ることが可能となる。
これらのことから、ステップAにおけるNHガスの供給時間を、ステップBにおけるSiClガスの供給時間よりも長くし、ステップBにおけるSiClガスの供給時間を、ステップCにおけるNHガスの供給時間よりも長くするのが好ましい。ステップA,B,Cにおける各種ガスの供給時間をこのようなバランスとなるように設定することで、ウエハ200上に形成されるSiN膜を、面内膜厚均一性に極めて優れた膜とすることが可能となる。
(アフターパージおよび大気圧復帰)
上述の成膜処理が終了した後、ガス供給管232c,232dのそれぞれからNガスを処理室201内へ供給し、排気管231より排気する。これにより、処理室201内がパージされ、処理室201内に残留するガスや反応副生成物等が処理室201内から除去される(アフターパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
(ボートアンロードおよびウエハディスチャージ)
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降され、反応管203の下端が開口される。そして、処理済のウエハ200が、ボート217に支持された状態で、反応管203の下端から反応管203の外部に搬出される(ボートアンロード)。処理済のウエハ200は、ボート217より取り出される(ウエハディスチャージ)。
(3)本実施形態による効果
本実施形態によれば、以下に示す一つ又は複数の効果が得られる。
(a)ステップAを行った後、SiClが気相分解しない条件下で、ステップBとステップCとを非同時に行うサイクルを所定回数行うことにより、ウエハ200上に形成されるSiN膜を、面内膜厚均一性に優れた膜とすることが可能となる。
というのも、ステップBを、上述の条件、すなわち、ウエハ200の表面に形成されたNH終端と、SiClと、の間で吸着置換反応だけが生じる条件下で行うことにより、ウエハ200上に形成される第1SiN層を、表面の全域がSiCl終端された層とすることが可能となる。すなわち、第1SiN層を、さらなるSiの吸着反応に対して、つまり、さらなる吸着置換反応に対して、セルフリミットがかかる層とすることが可能となる。結果として、ウエハ200上に形成される第1SiN層を、面内厚さ均一性に優れた層とすることが可能となる。またこれにより、その後のステップCにおいて、第1SiN層が改質されることで形成される第2SiN層を、面内厚さ均一性に優れた層とすることが可能となる。
また、ステップCを、上述の条件、すなわち、第1SiN層の表面に形成されたSiCl終端と、NHと、の間で吸着置換反応だけが生じる条件下で行うことにより、ウエハ200上に形成される第2SiN層を、表面の全域がNH終端された層とすることが可能となる。これにより、次のサイクルで行うステップBにおいて、第2SiN層の表面に形成されたNH終端と、SiClと、の間での吸着置換反応を、ウエハ200の表面の全域にわたり均等に進行させることが可能となる。結果として、第2SiN層上に形成される第1SiN層を、面内厚さ均一性に優れた層とすることが可能となる。これにより、その後のステップCにおいて、第1SiN層が改質されることで形成される第2SiN層を、面内厚さ均一性に優れた層とすることが可能となる。
このように、本実施形態によれば、ウエハ200上に形成されたNH終端、および、ウエハ200上に形成されたSiCl終端のみがウエハ200上へのSiN膜の形成に寄与する成膜メカニズムを活用することが可能となる。結果として、ウエハ200上に形成されるSiN膜を、面内膜厚均一性に優れた膜とすることが可能となる。
(b)ステップBにおけるSiClガスの供給時間を、ステップCにおけるNHガスの供給時間よりも長くすることにより、ウエハ200上に形成されるSiCl終端された第1SiN層を、面内厚さ均一性に優れた層とすることが可能となる。結果として、ウエハ200上に形成されるSiN膜を、面内膜厚均一性に優れた膜とすることが可能となる。
(c)ステップAにおけるNHガスの供給時間を、ステップCにおけるNHガスの供給時間よりも長くすることにより、ウエハ200の外周部から中央部にわたり、NH終端を均一に形成することが可能となる。これにより、次のサイクルで行うステップBにおいて、ウエハ200上に形成される第1SiN層を、面内厚さ均一性に優れた層とすることが可能となる。結果として、ウエハ200上に形成されるSiN膜を、面内膜厚均一性に優れた膜とすることが可能となる。
また、ステップAにおけるNHガスの供給時間を、ステップBにおけるSiClガスの供給時間よりも長くすることにより、上述の効果がより確実に得られるようになる。
(d)原料としてSiClガスを用いることから、DCSガスやHCDSガスが気相分解するような比較的高い温度条件(700℃以上の温度条件)下でステップBを行っても、第1SiN層の厚さを、ウエハ面内全域にわたり1原子層未満(1分子層未満)の均等な厚さとすることが可能となる。そのため、SiN膜の膜厚を、精密かつ安定的に制御することが可能となる。すなわち、ウエハ200上へのSiN膜の形成を制御性よく進行させることが可能となる。
なお、原料としてDCSガスやHCDSガスを用いる場合、例えば700℃以上の比較的高温の温度条件下では原料が気相分解してしまい、原料を供給することでウエハ200上に形成されるSi含有層は、さらなるSiの吸着反応に対してセルフリミットがかからない層となる。そのため、比較的高温の条件下では、これらの原料を供給することで形成されるSi含有層の厚さを、ウエハ面内全域にわたり1原子層未満(1分子層未満)の均等な厚さとすることは困難となる。結果として、最終的に得られるSiN膜の膜厚を、精密かつ安定的に制御することは困難となる。
(e)上述の効果は、第1、第2反応体としてNHガス以外の上述の窒化水素系ガスを用いる場合や、Nガス以外の上述の不活性ガスを用いる場合にも、同様に得ることができる。また、第1、第2反応体として互いに異なる窒化水素系ガスを用いる場合にも、同様に得ることができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
ステップAおよびステップCのうち少なくともいずれかのステップでは、ウエハ200に対して、プラズマで活性化させたNHガスを供給するようにしてもよい。この場合においても、図4に示す成膜シーケンスと同様の効果が得られる。
基板処理に用いられるレシピは、処理内容に応じて個別に用意し、電気通信回線や外部記憶装置123を介して記憶装置121c内に格納しておくことが好ましい。そして、基板処理を開始する際、CPU121aが、記憶装置121c内に格納された複数のレシピの中から、処理内容に応じて適正なレシピを適宜選択することが好ましい。これにより、1台の基板処理装置で様々な膜種、組成比、膜質、膜厚の膜を、再現性よく形成することが可能となる。また、オペレータの負担を低減でき、操作ミスを回避しつつ、基板処理を迅速に開始できるようになる。
上述のレシピは、新たに作成する場合に限らず、例えば、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを変更することで用意してもよい。レシピを変更する場合は、変更後のレシピを、電気通信回線や当該レシピを記録した記録媒体を介して、基板処理装置にインストールしてもよい。また、既存の基板処理装置が備える入出力装置122を操作し、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを直接変更してもよい。
上述の実施形態では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。また、上述の実施形態では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の実施形態や変形例と同様な処理手順、処理条件にて成膜処理を行うことができ、上述の実施形態や変形例と同様の効果が得られる。
また、上述の実施形態や変形例等は、適宜組み合わせて用いることができる。このときの処理手順、処理条件は、例えば、上述の実施形態の処理手順、処理条件と同様とすることができる。
(実施例1)
実施例1として、図1に示す基板処理装置を用い、図4に示す成膜シーケンスにより、ウエハ上にSiN膜を形成する成膜処理を複数回行った。成膜温度は、650℃、700℃、750℃、800℃とした。他の処理条件は、それぞれ、上述の実施形態における処理条件範囲内の所定の条件とした。
比較例1として、図1に示す基板処理装置を用い、図4に示す成膜シーケンスのステップAを実施してウエハ上にNH終端を形成した後、ウエハに対してDCSガスを供給するステップB’と、ウエハに対してNHガスを供給するステップC’と、を非同時に行うサイクルを所定回数行うことにより、ウエハ上にSiN膜を形成する成膜処理を複数回行った。成膜温度は、550℃、600℃、650℃、700℃とした。ステップA,B’,C’における処理条件は、それぞれ、実施例のステップA~Cにおける処理条件とそれぞれ同様とした。
そして、実施例1および比較例1で形成したSiN膜の面内膜厚均一性をそれぞれ測定した。図6(a)にその測定結果を示す。
図6(a)の縦軸は、SiN膜の面内膜厚均一性(%)を示している。面内膜厚均一性(%)の値が0である場合とは、SiN膜の膜厚が、ウエハの中央部から外周部にわたり均一であることを意味する。面内膜厚均一性(%)の値が0より大きい場合とは、SiN膜の膜厚が、ウエハの表面の中央部で最も厚く、外周部に近づくにつれて徐々に薄くなる分布、すなわち、中央凸分布を有することを意味する。面内膜厚均一性(%)の値が0より小さい場合とは、SiN膜の膜厚がウエハの表面の外周部で最も厚く、中央部に近づくにつれて徐々に薄くなる分布、すなわち、中央凹分布を有することを意味する。なお、面内膜厚均一性(%)の値は、0に近づくほどウエハ上に形成されたSiN膜の面内膜厚均一性が良好であることを示している。図6(a)の横軸は、SiN膜を形成する際の成膜温度(℃)を示している。図6(a)の●印は実施例1を、×印は比較例1をそれぞれ示している。
図6(a)によれば、実施例1におけるSiN膜の面内膜厚均一性は、成膜温度によらず安定して良好であることが分かる。これに対し、比較例1におけるSiN膜の面内膜厚均一性は、成膜温度が高くなるにつれて中央凸分布から中央凹分布へと大きく変化することが分かる。また、比較例におけるSiN膜の面内膜厚均一性は、成膜温度が650℃を超えると強い中央凹分布を示すことも分かる。すなわち、少なくとも650℃を超える高温の温度条件下では、原料としてDCSガスを用いるよりも、原料としてSiClガスを用いる方が、SiN膜の面内膜厚均一性を向上させることが可能となることが分かる。
また、実施例1および比較例1で形成したSiN膜のウェットエッチングレート(以下、WER)をそれぞれ測定し、それぞれの加工耐性を評価した。図6(b)にその測定結果を示す。
図6(b)の縦軸は、1%濃度のフッ酸(1%HF水溶液)に対するSiN膜のWER(Å/分)を示している。図6(b)の横軸は、比較例1および実施例1を順に示している。比較例1は成膜温度を650℃として形成したSiN膜であり、実施例1は成膜温度を800℃として形成したSiN膜である。
図6(b)によれば、実施例1のSiN膜のWER(6.2Å/分)は、比較例1のSiN膜のWER(9.7Å/分)よりも小さいことが分かる。すなわち、原料としてDCSガスを用い、比較的低温の条件下で形成したSiN膜よりも、SiClガスを用い、比較的高温の条件下で形成したSiN膜の方が、良好な加工耐性(ウェットエッチング耐性)を示すことが分かる。
(実施例2)
実施例2として、図1に示す基板処理装置を用い、図4に示す成膜シーケンスにより、ウエハ上にSiN膜を形成した。ウエハとしては、表面にパターンが形成されていないベアウエハと、表面にパターンが形成されベアウエハの表面積の50倍の表面積を有するパターンウエハと、をそれぞれ用いた。各ステップにおける処理条件は、上述の実施形態における処理条件範囲内の所定の条件とした。
比較例2として、図1に示す基板処理装置を用い、図4に示す成膜シーケンスのステップAを実施してウエハ上にNH終端を形成した後、ウエハに対してDCSガスを供給するステップB’と、ウエハに対してNHガスを供給するステップC’と、を非同時に行うサイクルを所定回数行うことにより、ウエハ上にSiN膜を形成した。ウエハとしては、上述のベアウエハと、上述のパターンウエハと、をそれぞれ用いた。ステップA,B’,C’における処理条件は、それぞれ、実施例のステップA~Cにおける処理条件とそれぞれ同様とした。
そして、実施例2および比較例2で形成したSiN膜の面内膜厚均一性をそれぞれ測定した。図7にその測定結果を示す。図7の縦軸は、SiN膜の面内膜厚均一性(%)を示しており、その値の意味するところは、図6(a)の縦軸と同様である。図7の横軸は、ウエハとしてベアウエハを用いた場合、および、ウエハとしてパターンウエハを用いた場合をそれぞれ示している。図7の白抜き柱状グラフは比較例2を、網掛け柱状グラフは実施例2をそれぞれ示している。
図7によれば、実施例2におけるSiN膜の面内膜厚均一性は、ウエハとしてベアウエハを用いた場合、および、ウエハとしてパターンウエハを用いた場合のいずれにおいても、良好であることが分かる。これに対し、比較例2におけるSiN膜の面内膜厚均一性は、ウエハとしてベアウエハを用いた場合には強い中央凸分布を示し、ウエハとしてパターンウエハを用いた場合には強い中央凹分布を示すことが分かる。すなわち、実施例2におけるSiN膜の方が、比較例2におけるSiN膜よりも、ウエハの表面積による面内膜厚均一性に対する影響を低く抑えることが可能となることが分かる。言い換えれば、実施例2における成膜手法の方が、比較例2における成膜手法よりも、いわゆるローディング効果(基板表面積依存性)を低く抑えることが可能となることが分かる。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
(a)基板に対してNおよびHを含む第1反応体を供給することで、前記基板の表面にNH終端を形成する工程と、
(b)前記基板に対して原料としてSiClを供給することで、前記基板の表面に形成されたNH終端と、前記SiClと、を反応させて、SiCl終端された第1SiN層を形成する工程と、
(c)前記基板に対してNおよびHを含む第2反応体を供給することで、前記第1SiN層の表面に形成されたSiCl終端と、前記第2反応体と、を反応させて、NH終端された第2SiN層を形成する工程と、
を有し、(a)を行った後に、前記SiClが気相分解しない条件下で、(b)と(c)とを非同時に行うサイクルを所定回数行うことにより、前記基板上にSiN膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法、または、基板処理方法が提供される。
(付記2)
付記1に記載の方法であって、好ましくは、
前記SiClが熱分解しない条件下で、前記サイクルを所定回数行う。
(付記3)
付記1または2に記載の方法であって、好ましくは、
前記SiClが(気相中で)中間体を生じさせない条件下で、前記サイクルを所定回数行う。
(付記4)
付記1~3のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
気相反応が生じない条件下で、前記サイクルを所定回数行う。
(付記5)
付記1~4のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記基板の表面に形成されたNH終端と、前記SiClと、の間で吸着置換反応(だけ)が生じる条件下で、(b)を行い、
前記第1SiN層の表面に形成されたSiCl終端と、前記第2反応体と、の間で吸着置換反応(だけ)が生じる条件下で、(c)を行う。
(付記6)
付記1~5のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記SiClを構成するSiが前記基板の表面に形成されたNH終端を構成するNに結合して、Si-N結合が形成され、その際、前記SiClに含まれるSi-Cl結合のうちSi-N結合に変換されなかったSi-Cl結合が切断されることなく保持される条件下で、(b)を行う。
(付記7)
付記1~6のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記SiClにおけるSi-Cl結合、および、前記基板の表面に形成されたNH終端におけるN-H結合が切断され、前記SiClにおけるSi-Cl結合が切断されたSiが、前記基板の表面に形成されたNH終端におけるN-H結合が切断されたNに結合して、Si-N結合が形成され、その際、前記SiClにおけるSi-Cl結合のうちSi-N結合に変換されなかったSi-Cl結合が切断されることなく保持される条件下で、(b)を行う。
(付記8)
付記1~7のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記SiClを構成するSiが有する4つの結合手のうち3つの結合手にそれぞれClが結合した状態で、前記SiClを構成するSiが前記基板の表面に形成されたNH終端を構成するNに結合する条件下で、(b)を行う。
(付記9)
付記1~8のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記SiClを構成するSiが有する4つの結合手のうち3つの結合手にそれぞれClが結合した状態で、前記SiClにおけるSi-Cl結合が切断されたSiが、前記基板の表面に形成されたNH終端におけるN-H結合が切断されたNに結合する条件下で、(b)を行う。
(付記10)
付記1~9のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(b)における前記SiClの供給時間を、(c)における前記第2反応体の供給時間よりも長くする。
(付記11)
付記1~10のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a)における前記第1反応体の供給時間を、(c)における前記第2反応体の供給時間よりも長くする。
(付記12)
付記1~10のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(a)における前記第1反応体の供給時間を、(b)における前記SiClの供給時間よりも長くし、(b)における前記SiClの供給時間を、(c)における前記第2反応体の供給時間よりも長くする。
(付記13)
付記1~12のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(b)における前記SiClの供給時間を、前記基板の中央部で、前記基板の表面に形成されたNH終端と、前記SiClと、の間で生じる吸着置換反応の量が、前記基板の外周部で、前記基板の表面に形成されたNH終端と、前記SiClと、の間で生じる吸着置換反応の量と同程度となる時間とする。
(付記14)
付記1~13のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
(b)における前記SiClの供給時間を、前記基板の中央部で形成される前記第1SiN層の厚さが、前記基板の外周部で形成される前記第1SiN層の厚さと同程度となる時間とする。
(付記15)
付記1~14のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記(a)では、前記基板の側方から前記基板に対して前記第1反応体を供給し、
前記(b)では、前記基板の側方から前記基板に対して前記SiClを供給し、
前記(c)では、前記基板の側方から前記基板に対して前記第2反応体を供給する。
(付記16)
付記1~15のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、
前記基板の表面にはパターンが形成されている。前記パターンはトレンチやホール等の凹部を含む。
(付記17)
本発明の他の態様によれば、
基板が処理される処理室と、
前記処理室内の基板に対してNおよびHを含む第1反応体、および、NおよびHを含む第2反応体を供給する反応体供給系と、
前記処理室内の基板に対して原料としてSiClを供給する原料供給系と、
前記処理室内の基板を加熱するヒータと、
前記処理室内において、付記1の各工程(各処理)を行わせるように、前記反応体供給系、前記原料供給系、および前記ヒータを制御するよう構成される制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
(付記18)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板処理装置の処理室内において、付記1の各工程(各手順)をコンピュータによって前記基板処理装置に実行させるプログラム、または、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
200 ウエハ(基板)

Claims (21)

  1. (a)表面にNH終端が形成された基板に対して、SiClを含む原料を供給することで、前記基板の表面におけるNH終端と、前記原料と、を反応させて、SiCl終端された第1SiおよびN含有層を形成する工程と、
    (b)前記基板に対してNおよびHを含む反応体を供給することで、前記第1SiおよびN含有層と、前記反応体と、を反応させて、NH終端された第2SiおよびN含有層を形成する工程とを、
    前記基板が存在する空間を排気する工程を挟んで交互に行うことにより、前記基板上にSiおよびN含有膜を形成する工程を有し、
    (a)における前記原料の供給時間を、(b)における前記反応体の供給時間よりも長くする基板処理方法。
  2. 前記SiClが気相分解しない条件下で、(a)を行う請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記SiClが熱分解しない条件下で、(a)を行う請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記SiClが中間体を生じさせない条件下で、(a)を行う請求項1~3のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  5. 気相反応が生じない条件下で、(a)を行う請求項1~4のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  6. 前記基板の表面におけるNH終端と、前記原料と、の反応に対してセルフリミットがかかる条件下で、(a)を行う請求項1~5のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  7. 前記基板の表面に形成されたNH終端と、前記SiClと、の間で吸着置換反応が生じる条件下で、(a)を行い、
    前記第1SiおよびN含有層の表面に形成されたSiCl終端と、前記反応体と、の間で吸着置換反応が生じる条件下で、(b)を行う請求項1~6のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  8. 前記SiClを構成するSiが前記基板の表面に形成されたNH終端を構成するNに結合して、Si-N結合が形成され、その際、前記SiClに含まれるSi-Cl結合のうちSi-N結合に変換されなかったSi-Cl結合が切断されることなく保持される条件下で、(a)を行う請求項1~7のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  9. 前記SiClにおけるSi-Cl結合、および、前記基板の表面に形成されたNH終端におけるN-H結合が切断され、前記SiClにおけるSi-Cl結合が切断されたSiが、前記基板の表面に形成されたNH終端におけるN-H結合が切断されたNに結合して、Si-N結合が形成され、その際、前記SiClにおけるSi-Cl結合のうちSi-N結合に変換されなかったSi-Cl結合が切断されることなく保持される条件下で、(a)を行う請求項1~8のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  10. 前記SiClを構成するSiが有する4つの結合手のうち3つの結合手にそれぞれClが結合した状態で、前記SiClを構成するSiが前記基板の表面に形成されたNH終端を構成するNに結合する条件下で、(a)を行う請求項1~9のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  11. 前記SiClを構成するSiが有する4つの結合手のうち3つの結合手にそれぞれClが結合した状態で、前記SiClにおけるSi-Cl結合が切断されたSiが、前記基板の表面に形成されたNH終端におけるN-H結合が切断されたNに結合する条件下で、(a)を行う請求項1~10のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  12. (a)を行う前に、(c)前記基板に対してNおよびHを含む反応体を供給することで、前記基板の表面にNH終端を形成する工程をさらに有する請求項1~11のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  13. (c)における前記反応体の供給時間を、(b)における前記反応体の供給時間よりも長くする請求項12に記載の基板処理方法。
  14. (c)における前記反応体の供給時間を、(a)における前記原料の供給時間よりも長くし、(a)における前記原料の供給時間を、(b)における前記反応体の供給時間よりも長くする請求項12に記載の基板処理方法。
  15. (a)における前記原料の供給時間を、前記基板の中央部で形成される前記第1SiおよびN含有層の厚さが、前記基板の外周部で形成される前記第1SiおよびN含有層の厚さと同程度となる時間とする請求項1~14のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  16. (a)における前記原料の供給時間を、60秒以上180秒以下とする請求項1~15のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  17. (a)では、前記基板の側方から前記基板に対して前記原料を供給し、
    (b)では、前記基板の側方から前記基板に対して前記反応体を供給する請求項1~16のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  18. (c)では、前記基板の側方から前記基板に対して前記反応体を供給し、
    (a)では、前記基板の側方から前記基板に対して前記原料を供給し、
    (b)では、前記基板の側方から前記基板に対して前記反応体を供給する請求項12~14のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  19. (a)表面にNH終端が形成された基板に対して、SiClを含む原料を供給することで、前記基板の表面におけるNH終端と、前記原料と、を反応させて、SiCl終端された第1SiおよびN含有層を形成する工程と、
    (b)前記基板に対してNおよびHを含む反応体を供給することで、前記第1SiおよびN含有層と、前記反応体と、を反応させて、NH終端された第2SiおよびN含有層を形成する工程とを、
    前記基板が存在する空間を排気する工程を挟んで交互に行うことにより、前記基板上にSiおよびN含有膜を形成する工程を有し、
    (a)における前記原料の供給時間を、(b)における前記反応体の供給時間よりも長くする半導体装置の製造方法。
  20. 基板が処理される処理室と、
    前記処理室内の基板に対してSiClを含む原料を供給する原料供給系と、
    前記処理室内の基板に対してNおよびHを含む反応体を供給する反応体供給系と、
    前記処理室内を排気する排気系と、
    前記処理室内において、(a)表面にNH終端が形成された基板に対して、前記原料を供給することで、前記基板の表面におけるNH終端と、前記原料と、を反応させて、SiCl終端された第1SiおよびN含有層を形成する処理と、(b)前記基板に対して前記反応体を供給することで、前記第1SiおよびN含有層と、前記反応体と、を反応させて、NH終端された第2SiおよびN含有層を形成する処理とを、前記基板が存在する空間を排気する処理を挟んで交互に行うことにより、前記基板上にSiおよびN含有膜を形成する処理を行わせ、(a)における前記原料の供給時間を、(b)における前記反応体の供給時間よりも長くするように、前記原料供給系、前記反応体供給系、および前記排気系を制御することが可能なよう構成される制御部と、
    を有する基板処理装置。
  21. (a)表面にNH終端が形成された基板に対して、SiClを含む原料を供給することで、前記基板の表面におけるNH終端と、前記原料と、を反応させて、SiCl終端された第1SiおよびN含有層を形成する手順と、
    (b)前記基板に対してNおよびHを含む反応体を供給することで、前記第1SiおよびN含有層と、前記反応体と、を反応させて、NH終端された第2SiおよびN含有層を形成する手順とを、
    前記基板が存在する空間を排気する手順を挟んで交互に行うことにより、前記基板上にSiおよびN含有膜を形成する形成する手順と、
    (a)における前記原料の供給時間を、(b)における前記反応体の供給時間よりも長くする手順と、
    をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム。
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