JP2022036590A - 制御装置、音響システム、音響再生制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のスピーカ装置から出力された音波が受聴者の位置に到達するまでの遅延時間差を容易に測定する。【解決手段】制御装置は、複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、音波が時系列に出力される第2試験音を再生する試験音再生部と、第1試験音を、第1スピーカから出力させる第1出力制御部と、第2試験音を、第1スピーカとは異なる第2スピーカから出力させる第2出力制御部と、を備え、試験音再生部は、第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、第2試験音に含まれる当該一の音波の少なくとも一部とが、受聴者の位置で同期して到達するように、第1試験音と第2試験音とを再生する。【選択図】図3
Description
本開示は、制御装置、音響システム、音響再生制御方法、及びプログラムに関する。
通信技術の発展により、無線通信を利用したスピーカ装置が普及している。無線通信を利用した複数のスピーカ装置から出力された音信号を、受聴者に同期して聴かせるために、複数のスピーカ装置から出力された音信号が受聴者の位置に到達するまでの遅延時間を、調整することが求められる。例えば、特許文献1は、複数のスピーカ装置のそれぞれが備えるマイクロホンにより、リスナ位置で発生した音声を集音し、リスナ位置に最も近いスピーカ装置とリスナ位置との距離と、他のスピーカ装置のそれぞれとリスナ位置との距離との距離差を算出する技術を開示する。
特許文献1に開示された技術では、スピーカは、マイクロホンを備えることが必要であり、当該技術に対応するマイクロホンを備えるスピーカ以外のスピーカには適用できない。本発明の一態様は、複数のスピーカ装置から出力された音波が受聴者の位置に到達するまでの遅延時間差を容易に測定できる制御装置、音響システム、音響再生制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様の制御装置は、複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生する試験音再生部と、前記試験音再生部により再生された前記第1試験音を、第1スピーカから出力させる第1出力制御部と、前記試験音再生部により再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる第2スピーカから出力させる第2出力制御部と、を備え、前記試験音再生部は、前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とを再生する。
本開示の一態様の音響システムは、第1スピーカと、第2スピーカと、制御装置と、を備える音響システムであって、前記制御装置は、複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生する試験音再生部と、前記試験音再生部により再生された前記第1試験音を、前記第1スピーカから出力させる第1出力制御部と、前記試験音再生部により再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる前記第2スピーカから出力させる第2出力制御部と、を備え、前記試験音再生部は、前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とを再生する。
本開示の一態様の音響再生制御方法は、複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生するステップと、再生された前記第1試験音を、第1スピーカから出力させるステップと、再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる第2スピーカから出力させるステップと、を含み、前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とが再生される。
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータに、複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生する機能と、再生された前記第1試験音を、第1スピーカから出力させる機能と、再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる第2スピーカから出力させる機能と、を実行させ、前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とが再生される。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(第一実施形態)
図1~図5を参照して、第一実施形態に係る音響システム100の全体構成、電気的構成及び機能的構成について説明する。図1は、音響システム100の全体構成の一例を示す図である。図2は、制御装置110、第1スピーカ120及び第2スピーカ130の電気的構成の一例を示す図である。図3は、制御装置110の制御部212の機能的構成の一例を示す図である。図4は、第1試験音データ401に含まれる時系列の音源データと、第2試験音データ402に含まれる時系列の音源データとを示す模式図である。図5は、第1試験音501と第2試験音502とが、試験音再生部302により再生されてから、受聴者の位置に到達するまでの時間を示す模式図である。
図1~図5を参照して、第一実施形態に係る音響システム100の全体構成、電気的構成及び機能的構成について説明する。図1は、音響システム100の全体構成の一例を示す図である。図2は、制御装置110、第1スピーカ120及び第2スピーカ130の電気的構成の一例を示す図である。図3は、制御装置110の制御部212の機能的構成の一例を示す図である。図4は、第1試験音データ401に含まれる時系列の音源データと、第2試験音データ402に含まれる時系列の音源データとを示す模式図である。図5は、第1試験音501と第2試験音502とが、試験音再生部302により再生されてから、受聴者の位置に到達するまでの時間を示す模式図である。
図1に示すように、音響システム100は、制御装置110と、第1スピーカ120と、第2スピーカ130とを含む。制御装置110は、第1スピーカ120が音波を出力するタイミングと、第2スピーカ130が音波を出力するタイミングとを制御する。第1スピーカ120及び第2スピーカ130は、有線通信または無線通信により制御装置110と接続する。本書では、第1スピーカ120が、無線通信により制御装置110と接続し、第2スピーカ130が、有線通信により制御装置110と接続する形態を例示して説明する。
第1スピーカ120は、制御装置110から送信された音信号に基づく音波を出力する。第1スピーカ120は、受信した音信号に基づく音波を出力できればよく、具体的な構成は問わない。例えば、第1スピーカ120は、床置き式のスピーカボックス、ヘッドホン、イヤホン等である。また、第1スピーカ120は、骨導聴を利用して、受聴者に音を認識させてもよい。
第2スピーカ130は、制御装置110から送信された音信号に基づく音波を出力する。第2スピーカ130は、制御装置110から送信された音信号に基づく音波を出力できればよく、具体的な構成は問わない。例えば、第2スピーカ130は、制御装置110の内部に搭載されていてもよい。
図2に示すように、制御装置110は、操作部211、制御部212、受信部213、記憶部214、通信部215、増幅部216等を含む。
操作部211は、ユーザの操作を受け付け、例えば、タッチパネルディスプレイである。制御部212は、制御装置110の全体を制御し、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成される。通信部215は、無線通信を実行するためのインターフェイス等である。増幅部216は、音信号をアナログ変換し、増幅する。受信部213は、制御装置110の外部から入力音データを取得する。入力音データは、マルチチャンネルの音信号であり、例えば、5.1チャンネル信号データであり、第1入力音データと、第2入力音データとを含む。
記憶部214は、各種データ、プログラム等を記憶可能な非一時的記録媒体であり、例えば、ハードディスクドライブ、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等により構成される。記憶部214は、記憶されたプログラムを展開するRAM(Random Access Memory)を含んでもよい。
記憶部214は、試験音データと動作モード情報とを記憶する。試験音データは、第1試験音データと、第2試験音データとを含む。第1試験音データは、複数の音源データを時系列に含む音信号である。第2試験音データは、第1試験音データを、時間軸方向に伸長した音信号である。動作モード情報は、制御装置110の動作態様を示し、調整モードまたは再生モードのいずれかを示す。調整モードは、第1試験音を第1スピーカ120から出力させ、且つ第2試験音を第2スピーカ130から出力させる処理を、制御装置110に実行させる動作態様である。再生モードは、入力音データに基づく音波を、第1スピーカ120と第2スピーカ130とから出力させる処理を、制御装置110に実行させる動作態様である。
図2に示すように、第1スピーカ120は、通信部221、増幅部222、放音部223等を含む。通信部221は、無線通信を実行するためのインターフェイス等である。増幅部222は、音信号をアナログ変換し、増幅する。放音部223は、音波を出力する。
図2に示すように、第2スピーカ130は、受信部231、放音部232等を含む。受信部231は、制御装置110と通信するためのインターフェイス等である。放音部232は、音波を出力する。
図3に示すように、制御部212は、試験音データ生成部301、試験音再生部302、同期情報取得部303、遅延時間算出部304、入力音データ取得部305、再生音制御部306、切替部307、第1出力制御部308、第2出力制御部309等を含む。
試験音データ生成部301は、記憶部214に第1試験音データが予め記憶されている場合、第1試験音データを時間軸方向に伸長して第2試験音データを生成する。試験音データ生成部301は、生成した第2試験音データを、記憶部214に格納する。試験音再生部302は、記憶部214に記憶される第1試験音データに基づいて、第1試験音を再生する。さらに、試験音再生部302は、記憶部214に記憶される第2試験音データに基づいて、第2試験音を再生する。試験音再生部302は、第1スピーカ120から出力された第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、第2スピーカ130から出力された第2試験音に含まれる当該一の音波の少なくとも一部とが、受聴者の位置で同期して到達するように、第1試験音と第2試験音とを再生する。第1試験音は、第1試験音データに含まれる複数の音源データに基づく音波が、時系列に出力される音波である。第2試験音は、第2試験音データに含まれる複数の音源データに基づく音波が、時系列に出力される音波である。
入力音データ取得部305は、受信部213が取得した入力音データに含まれる、第1入力音データを取得し、且つ第2入力音データを取得する。
同期情報取得部303は、同期情報を取得する。同期情報は、第1試験音と第2試験音とのうち、受聴者の位置に少なくとも一部が同期して到達した、少なくとも一の音素列を示す。遅延時間算出部304は、第1試験音データの時間軸方向の長さと、第2試験音データの時間軸方向の長さと、同期情報とに基づいて、再生遅延時間を算出する。
再生音制御部306は、入力音データ取得部305により取得された第1入力音データに基づく第1入力音と、入力音データ取得部305により取得された第2入力音データに基づく第2入力音とのうち、いずれか一方を再生遅延時間、遅延させて、第1入力音を再生し、且つ第2入力音を再生する。
切替部307は、動作モード情報に応じて、試験音再生部302又は再生音制御部306を動作させる。
第1出力制御部308は、試験音再生部302により再生された第1試験音を、第1スピーカ120から出力させる。具体的には、第1出力制御部308は、第1伝搬時間で到達する第1スピーカ120から、第1試験音を出力させる。また、第1出力制御部308は、第1スピーカ120から、再生音制御部306により再生された第1入力音を出力させる。第1伝搬時間は、第1試験音データに基づく第1試験音が、試験音再生部302により再生されてから、受聴者の位置に到達するまでの不明時間長の伝送遅延を示す。
第2出力制御部309は、試験音再生部302により再生された第2試験音を、第2スピーカ130から出力させる。具体的には、第2出力制御部309は、第2伝搬時間で到達する第2スピーカ130に、第2試験音を出力させる。また、第2出力制御部309は、第2スピーカ130から、再生音制御部306により再生された第2入力音を出力させる。第2伝搬時間は、第2試験音が試験音再生部302により再生されてから、受聴者の位置に到達するまでの不明時間長の伝送遅延を示す。
次に、図4を参照しながら、第1試験音データと第2試験音データとについて、詳細に説明する。第1試験音データと第2試験音データとは、時系列において過渡的な変化を多く含む、複数の音源データを時系列に含む。例えば、第1試験音データと第2試験音データとは、過渡的な変化として子音を多く含む、複数の音声を音源データとして時系列に含む。音源データは、打楽器等の楽器の音、電子的に作成された音に対応する音響信号を含んでもよい。ここで、第1試験音データ及び第2試験音データに含まれる複数の音源データは、受聴者にとって、区別しやすい音を示す。さらに、当該複数の音源データに基づく複数の音の各々は、受聴者にとって区別しやすいことが好ましい。
図4に示す第1試験音データ401に含まれる音源データは、T1秒(例えば、10秒)間に、「1」から「12」までの数値を読み上げる音声を含む、音信号を含む。第1試験音データ401の各矩形の幅は、「1」から「12」までの各数値を読み上げる音声に対応する、音源データの時間軸方向の長さを示す。
図4に示す第2試験音データ402に含まれる音源データは、第1試験音データ401を時間軸方向にα秒(例えば、0.12)秒、伸長した音信号を含む。例えば、第2試験音データ402の時間軸方向の長さが、10.12秒であり、各数値を読み上げる時間軸方向の長さが同一であるとする。その場合、第2試験音データ402に含まれる各数値を読み上げる時間は、第1試験音データ401に含まれる各数値を読み上げる時間よりも0.01秒長い。図4に示す第2試験音データ402の各矩形の幅は、「1」から「12」までの各数値を読み上げる音声に対応する、音源データの時間軸方向の長さを示す。
次に、第1試験音データ401と第2試験音データ402とを生成する処理について詳細に説明する。試験音データ生成部301は、第1試験音データ401を生成し、生成した第1試験音データ401を記憶部214に格納する。さらに、試験音データ生成部301は、第1試験音データ401を時間軸方向に伸長して、第2試験音データ402を生成し、生成した第2試験音データ402を記憶部214に格納する。具体的には、試験音データ生成部301は、第1試験音データ401の時間軸方向の長さと、第2試験音データ402の時間軸方向の長さとの差分が、第1伝搬時間と第2伝搬時間との差分以上であるように、第1試験音データ401を時間軸方向に伸長して第2試験音データ402を生成する。例えば、試験音データ生成部301は、第1試験音データ401に含まれる複数の音源データの各々を、一様に、時間軸方向に伸長する。または、試験音データ生成部301は、第1試験音データ401に含まれる複数の音源データの各々に関して、ピッチを維持して、時間軸方向に伸長してもよい。
次に、図5を参照しながら、第1試験音501と第2試験音502とが、受聴者の位置に到達するタイミングについて、詳細に説明する。第1試験音501は、図4に例示する第1試験音データ401に基づく音波である。第1試験音501の「1」から「12」までの各矩形の幅は、「1」から「12」までの各数値を読み上げる音声に対応する、各数値を読み上げる音声の時間軸方向の長さを示す。第2試験音502は、図4に例示する第2試験音データ402に基づく音波である。第2試験音502の「1」から「12」までの各矩形の幅は、「1」から「12」までの各数値を読み上げる音声に対応する、各数値を読み上げる音声の時間軸方向の長さを示す。
例えば、第1スピーカ120と第2スピーカ130とが同一の室内に配置され、第2スピーカ130が、室内の前方に配置されるとする。さらに、受聴者は、室内の後方に位置し、第1スピーカ120が、第2スピーカ130よりも受聴者に近い位置に配置されるとする。その場合、第1伝搬時間Δt511は、制御装置110で再生された第1試験音データ401が、第1スピーカ120により駆動信号に変換されるまでの伝送遅延と、第1スピーカ120から第1試験音データ401に基づく第1試験音501が出力されてから、受聴者の位置に到達するまでの空気中の伝搬遅延とを含む。同様に、第2伝搬時間Δt512は、制御装置110で再生された第1試験音データ402が、第2スピーカ130により駆動信号に変換されるまでの伝送遅延と、第2スピーカ130から第2試験音データ402に基づく第2試験音502が出力されてから、受聴者の位置に到達するまでの空気中の伝搬遅延とを含むが、第2スピーカ130は制御装置110と有線接続されており、伝送遅延は事実上0とみなせるので、第2伝搬時間Δt512は、第2スピーカ130から第2試験音502が出力されてから、受聴者の位置に到達するまでの空気中の伝搬遅延である。第1試験音501と第2試験音502間において、受聴者の位置に到達するまでの遅延時間差は、第1伝搬時間Δt511と第2伝搬時間Δt512との差分時間である。
試験音データ生成部301は、第1試験音データ401の時間軸方向の長さ(例えば、T1秒)と、第2試験音データ402の時間軸方向の長さ(例えば、T1+α秒)との差分時間が、第1伝搬時間Δt511と第2伝搬時間Δt512との差分時間以上である場合、第1試験音501と第2試験音502とにおいて、同一の数値を読み上げる音声に関して、受聴者の位置に同期して到達する区間が生じる。ここで、音波の時間差に伴う人の弁別閾は概ね0.02秒であるため、複数のスピーカから出力された音波に関して、同一の音源データに基づく音波が概ね0.02秒以下の時間差で、受聴者の位置に到達した場合、受聴者は当該同一の音源データに基づく音波を単一の音として聞き取ることができる。
一方、第1試験音501と第2試験音502とにおいて、同一の数値を読み上げる音声に関して、受聴者の位置に到達する時間差が0.02秒を超える場合、受聴者には異なる数値を読み上げる音声が聞こえ、もしくは同一の数値を読み上げる複数の音声が聞こえ、受聴者は数値を読み上げる音声を明瞭に聞き取ることができない。
例えば、図5に示す第1試験音501と第2試験音502とにおいては、第1試験音501に含まれる数値「3」を読み上げる区間と、第2試験音502に含まれる数値「4」を読み上げる区間とが、概ね0.02秒以下の時間差で受聴者の位置に同期して到達したとする。その場合、受聴者には、数値「3」を読み上げる音声と、数値「4」を読み上げる音声とが同時に聞こえるため、明瞭に聞き取ることができない。同様に、第1試験音501に含まれる数値「7」を読み上げる区間と、第2試験音502に含まれる数値「7」を読み上げる区間とは、概ね0.02秒を超える時間差で受聴者の位置に到達したとする。その場合、受聴者には、数値「7」を読み上げる音声が、時間差を伴った複数の読み上げ音声に聞こえるため、明瞭に聞き取ることができない。
一方、図5に例示する第1試験音501と第2試験音502とにおいて、数値「9」を読み上げる区間が、概ね0.02秒以下の時間差で受聴者の位置に同期して到達したとする。その場合、第1試験音501と第2試験音502とにおいて、受聴者は、数値「9」の読み上げを単一の音声として明瞭に聞き取ることができる。
例えば、受聴者が数値「9」を読み上げる音声を最も明瞭に聞き取った場合、受聴者は、操作部211を用いて、数値「9」を示す情報を入力する。同期情報取得部303は、数値「9」を示す情報を、同期情報として取得する。ここで、「1」から「12」までの各数値を読み上げる時間に関して、第1試験音501と第2試験音502間の時間差が0.01秒(=α秒/12=0.12秒/12)である。そのため、第1試験音501が受聴者の位置に到達開始してから、第1試験音501に含まれる数値「9」を読み上げる区間が受聴者の位置に到達するまでに、第2試験音502に対する第1試験音501の遅延時間の累積時間は、0.09秒である。そのため、同期情報取得部303が数値「9」を示す同期情報を取得した場合、第1スピーカ120から出力された第1試験音501と、第2スピーカ130から出力された第2試験音502間の遅延時間差は、0.09秒である。
そこで、制御装置110が、第2スピーカ130から出力される第2試験音502を0.09秒遅延させて出力させることで、第1試験音501と第2試験音502とを、受聴者の位置に同期させて到達させることができる。このようにして、制御装置110は、入力音データ取得部305により取得された第2入力音データを0.09秒遅延させて出力させることにより、入力音データ取得部305により取得された第1入力音データに基づく第1入力音と、入力音データ取得部305により取得された第2入力音データとを、受聴者に、明瞭に聞き取らせることに貢献する。
次に、図6を参照しながら、本実施形態に係る音響システム100で実行される処理について説明する。図6に例示する処理を開始する前に、試験音データ生成部301は、第1試験音データと第2試験音データとを生成し、生成した第1試験音データと第2試験音データとを記憶部214に格納しているものとする。
例えば、ユーザは、音響システム100の初期使用時に、動作モードを調整モードに設定する。または、ユーザは、第1スピーカ120及び第2スピーカ130の少なくともいずれかが、音響システム100に追加された場合、ユーザは、音響システム100の初期使用時に、動作モードを調整モードに設定してもよい。動作モードが調整モードに設定された場合、制御部212は、調整モードを示す動作モード情報を、記憶部214に記憶させる。一方、ユーザは、入力音データに基づく入力音を聞く場合、動作モードを再生モードに設定する。動作モードが再生モードに設定された場合、制御部212は、再生モードを示す動作モード情報を、記憶部214に記憶させる。本例では、制御装置110が電源オンされ、動作モードが設定されると、制御装置110は、図6に例示する処理を開始する。
S601において、切替部307は、記憶部214に記憶される動作モード情報を取得する。動作モード情報が調整モードを示す場合(S601:調整モード)、試験音再生部302は、第1試験音と第2試験音とを再生する(S602)。具体的には、試験音再生部302は、第1試験音データを第1出力制御部308に出力することで、第1試験音データに基づく第1試験音を再生する。さらに、試験音再生部302は、第2試験音データを第2出力制御部309に出力することで、第2試験音データに基づく第2試験音を再生する。例えば、試験音再生部302は、第1試験音データに基づく第1試験音と、第2試験音データに基づく第2試験音とを、同時に再生する。
S603において、第1出力制御部308は、試験音再生部302により再生された第1試験音を第1スピーカ120から出力させる。具体的には、第1出力制御部308は、第1試験音データを通信部215に送信することで、当該第1試験音データに基づく第1試験音を第1スピーカ120から出力させる。
通信部215は、制御部212から入力された第1試験音データを、無線通信により、第1スピーカ120に送信する。ここで、通信方式の詳細は問わない。例えば、通信方式がBluetoothである場合、通信部215は、SBC(Subband Codec)に基づいて、第1試験音データを圧縮処理し、A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)に基づいて、圧縮した第1試験音データを、第1スピーカ120に送信する。
第1スピーカ120の通信部221は、圧縮された第1試験音データを受信した場合、受信した第1試験音データを復号する。具体的には、通信部221は、信号伝送のプロファイルに基づいて、受信した第1試験音データを復号する。例えば、通信方式がBluetoothである場合、通信部221は、SBCに基づいて圧縮された、第1試験音データを復号する。通信部221は、復号した第1試験音データを、増幅部222に出力する。増幅部222は、通信部221から入力された第1試験音データをアナログ変換し、増幅し、放音部223に出力する。放音部223は、増幅部222から入力された第1試験音データに基づく第1試験音を出力する。
S604において、第2出力制御部309は、試験音再生部302により再生された第2試験音を、第2スピーカ130から出力させる。具体的には、第2出力制御部309は、第2試験音データを増幅部216に出力する。増幅部216は、制御部212から入力された第2試験音データを増幅し、第2スピーカ130に送信する。また、増幅部216は、制御部212から入力された第2入力音データを増幅し、第2スピーカ130に送信する。受信部231は、制御装置110から送信された第2試験音データを受信し、受信した第2試験音データを放音部232に出力する。放音部232は、受信部231から入力された第2試験音データに基づく第2試験音を出力する。なお、制御部212は、S603の処理と、S604の処理とを並列に実行することが好ましい。
S605において、同期情報取得部303は、同期情報を取得したかを判定する。例えば、受聴者は、同期して聞こえた同一の音波を示す同期情報を、操作部211を用いて制御装置110に入力する。同期情報取得部303は、入力された同期情報を取得する。ここで、制御装置110は、受聴者が同期情報を入力しやすい表示画面を提供することは勿論である。
同期情報取得部303が同期情報を取得していない場合(S605:NO)、制御部212は、同期情報を取得するまで、S605の処理を繰り返す。一方、同期情報取得部303が同期情報を取得した場合(S605:YES)、制御部212は処理をS606に移行する。
S606において、遅延時間算出部304は、第1試験音データの時間軸方向の長さと、第2試験音データの時間軸方向の長さと、S605で取得した同期情報とに基づいて、再生遅延時間を算出する。遅延時間算出部304は、算出した再生遅延時間を、記憶部214に記憶させる。なお、遅延時間算出部304が算出する再生遅延時間の最大値は、第1試験音データの時間軸方向の長さと、第2試験音データの時間軸方向の長さとの差分値以下である。
音響システム100が複数の第1スピーカ120を含む場合、複数の第1スピーカ120のうちの各々に関して、制御部212は、S601からS605の処理を繰り返す。これにより、遅延時間算出部304は、複数の第1スピーカ120のうちの各々に対応する再生遅延時間を算出する(S606)。遅延時間算出部304は、算出した遅延時間を記憶部214に記憶させる。以上により、制御装置110は、複数のスピーカ装置から出力された音波が受聴者の位置に到達するまでの遅延時間差を容易に測定できる。
一方、記憶部214に記憶される動作モード情報が再生モードを示す場合(S601:再生モード)、制御部212は、第1入力音データと第2入力音データとを含む、入力音データを取得したかを判定する(S607)。制御部212が、第1入力音データと第2入力音データとを含む入力音データを取得していない場合(S607:NO)、制御部212は、入力音データを取得するまで、S607の処理を繰り返す。一方、第1入力音データと第2入力音データとを含む入力音データを取得した場合(S607:YES)、制御部212は、処理をS608に移行する。例えば、入力音データがマルチチャンネル信号である場合、第1入力音データは、サラウンドチャンネルの音信号であり、第2入力音データは、センターチャンネルの音信号である。
S608において、再生音制御部306は、再生遅延時間が記憶部214に記憶されているかを判定する。再生遅延時間が記憶部214に記憶されていない場合(S608:NO)、再生音制御部306は、第1入力音データに基づく第1入力音と、第2入力音データに基づく第2入力音とを同時に再生する(S609)。一方、再生遅延時間が記憶部214に記憶されている場合(S608:YES)、制御部212は、処理をS610に移行する。
S610において、再生音制御部306は、第1入力音データに基づく第1入力音と、第2入力音データに基づく第2入力音とのうち、いずれか一方を他方よりも、記憶部214に記憶される再生遅延時間、遅延させて再生する。これにより、制御装置110は、第1スピーカ120から出力される第1入力音と、第2スピーカ130から出力される第2入力音とを、同時に再生されたように、受聴者に聴かせることができる。なお、再生音制御部306が、第1入力音と第2入力音とを再生する処理は、試験音再生部302が、第1試験音と第2試験音とを再生する処理と同一であるため、詳細な説明は省略する。
(変形例1)
本実施形態の変形例1として、試験音再生部302は、第1伝搬時間と、第2伝搬時間との比較結果に基づいて、第1試験音データと、第2試験音データとの再生タイミングを予め調整してもよい。
本実施形態の変形例1として、試験音再生部302は、第1伝搬時間と、第2伝搬時間との比較結果に基づいて、第1試験音データと、第2試験音データとの再生タイミングを予め調整してもよい。
(変形例2)
本実施形態の変形例2として、記憶部214に、第1伝搬時間の予測値を予め記憶しておいてもよい。例えば、制御装置110のユーザが、制御装置110に、第1伝搬時間の予測値を入力する。制御装置110の制御部212は、入力された第1伝搬時間の予測値を、記憶部214に格納する。試験音データ生成部301は、第1試験音データの時間軸方向の長さと、第2試験音データの時間軸方向の長さとの差分が、記憶部214に予め記憶される第1伝搬時間の予測値以下であるように、第1試験音データを時間軸方向に伸長して第2試験音データを生成する。
本実施形態の変形例2として、記憶部214に、第1伝搬時間の予測値を予め記憶しておいてもよい。例えば、制御装置110のユーザが、制御装置110に、第1伝搬時間の予測値を入力する。制御装置110の制御部212は、入力された第1伝搬時間の予測値を、記憶部214に格納する。試験音データ生成部301は、第1試験音データの時間軸方向の長さと、第2試験音データの時間軸方向の長さとの差分が、記憶部214に予め記憶される第1伝搬時間の予測値以下であるように、第1試験音データを時間軸方向に伸長して第2試験音データを生成する。
(変形例3)
本実施形態の変形例3として、制御装置110と第1スピーカ120間の通信方式に応じて、記憶部214に再生遅延時間の初期値を予め記憶しておいてもよい。遅延時間算出部304は、再生遅延時間を算出した場合(S606)、再生遅延時間の初期値に替えて、算出した遅延時間を記憶部214に記憶させる。一方、記憶部214に記憶される動作モード情報が再生モードを示し(S601:再生モード)、且つ記憶部214に再生遅延時間の初期値が記憶されている場合、再生音制御部306は、第1入力音データに基づく第1入力音と、第2入力音データに基づく第2入力音とのうち、いずれか一方を他方よりも、記憶部214に記憶される再生遅延時間、遅延させて再生する(S610)。
本実施形態の変形例3として、制御装置110と第1スピーカ120間の通信方式に応じて、記憶部214に再生遅延時間の初期値を予め記憶しておいてもよい。遅延時間算出部304は、再生遅延時間を算出した場合(S606)、再生遅延時間の初期値に替えて、算出した遅延時間を記憶部214に記憶させる。一方、記憶部214に記憶される動作モード情報が再生モードを示し(S601:再生モード)、且つ記憶部214に再生遅延時間の初期値が記憶されている場合、再生音制御部306は、第1入力音データに基づく第1入力音と、第2入力音データに基づく第2入力音とのうち、いずれか一方を他方よりも、記憶部214に記憶される再生遅延時間、遅延させて再生する(S610)。
(変形例4)
本実施形態の変形例4として、制御装置110は、制御装置110の外部から入力された第1試験音と第2試験音とを記憶部214に記憶してもよい。その場合、制御装置110の制御部212は、試験音データ生成部301を備えず、制御装置110とは異なる装置が、試験音データ生成部301を備えてもよい。
本実施形態の変形例4として、制御装置110は、制御装置110の外部から入力された第1試験音と第2試験音とを記憶部214に記憶してもよい。その場合、制御装置110の制御部212は、試験音データ生成部301を備えず、制御装置110とは異なる装置が、試験音データ生成部301を備えてもよい。
(第二実施形態)
図7~図8を参照して、第二実施形態について説明する。以下の各実施形態では、第一実施形態と実質的に共通の機能を有する構成及び処理を共通の符号で参照して説明を省略し、第一実施形態と異なる点を説明する。
図7~図8を参照して、第二実施形態について説明する。以下の各実施形態では、第一実施形態と実質的に共通の機能を有する構成及び処理を共通の符号で参照して説明を省略し、第一実施形態と異なる点を説明する。
図7を参照して、本実施形態における第1試験音データ701、第2試験音データ702について説明する。図7は、第1試験音データ701に含まれる時系列の音源データと、第2試験音データ702に含まれる時系列の音源データとの一例を示す模式図である。
第1試験音データ701は、複数の音源データの各々の間に、時系列に複数の無音データ721を含む。同様に、第2試験音データ702は、複数の音源データの各々の間に、時系列に複数の無音データ722を含む。無音データ721は、受聴者が識別可能な音を含まない音信号である。例えば、無音データ721は、無音の信号である。または、無音データ721は、受聴者が識別できない、定常的なノイズを含む音信号であってもよい。無音データ722は、無音データ721と同様であり、詳細な説明は省略する。
図7に示す第1試験音データ701に含まれる、複数の音源データは、「1」から「12」までの数値を読み上げる音信号である。第1試験音データ701の「1」から「12」までの各矩形の幅は、「1」から「12」までの各数値を読み上げる音声に対応する、音源データの時間軸方向の長さを示す。第1試験音データ701の「1」から「12」までの各矩形間の間隔は、無音データ721の時間軸方向の長さを示す。第1試験音データ701において、「1」から「12」までの各数値を読み上げる時間、複数の無音データ721の各々は、それぞれ、同一であるものとする。
さらに、同様に、第2試験音データ702の「1」から「12」までの各矩形の幅は、「1」から「12」までの各数値を読み上げる音声に対応する、音源データの時間軸方向の長さを示す。さらに、第2試験音データ702の「1」から「12」までの各矩形間の間隔は、無音データ722の時間軸方向の長さを示す。
本実施形態に係る試験音データ生成部301は、第1試験音データ701に含まれる複数の無音データ721を、時間軸方向に伸長して第2試験音データ702を生成する。例えば、試験音データ生成部301は、第1試験音データ401を、時間軸方向に0.12秒伸長した第2試験音データを生成する場合、複数の無音データ721の各々を、0.109秒伸長して、第2試験音データ702を生成する。これにより、試験音データ生成部301は、第1試験音データ701に含まれる複数の音源データの各々に関して、時間軸方向の長さを変化させることなく、第1試験音データ701を時間軸方向に伸長した第2試験音データ702を生成できる。
次に、図8を参照しながら、第1試験音801と第2試験音802とが、受聴者の位置に到達するタイミングについて、詳細に説明する。図8は、第1試験音801と第2試験音802とが、試験音再生部302により再生されてから、受聴者の位置に到達するまでの時間の一例を示す模式図である。
第1試験音801は、図7に例示する第1試験音データ701に基づく音波である。第2試験音802は、図7に例示する第2試験音データ702に基づく音波である。第1伝搬時間Δt811と、第2伝搬時間Δt812とは、図5に示す第1伝搬時間Δt511及び第2伝搬時間Δt512と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1試験音801の各矩形の幅は、「1」から「12」までの各数値を読み上げる音声の時間軸方向の長さを示す。さらに、第1試験音801において、各矩形間の間隔は、無音区間821であり、受聴者が識別可能ではない音波の時間軸方向の長さを示す。第2試験音802の「1」から「12」までの各矩形の幅は、「1」から「12」までの各数値を読み上げる音声の時間軸方向の長さを示す。さらに、第2試験音802において、各矩形間の間隔は、無音区間822であり、受聴者が識別可能ではない音波の時間軸方向の長さを示す。
例えば、試験音データ生成部301が、第1試験音データ401を、時間軸方向に0.12秒伸長した第2試験音データを生成した場合、第2試験音802において、無音区間821の時間は、無音区間822の時間よりも0.109秒長い。しかしながら、第1試験音801に含まれる「1」から「12」までの各数値を読み上げる時間と、第2試験音802に含まれる「1」から「12」までの各数値を読み上げる時間とは同一である。そのため、本実施形態に係る制御装置110は、第1試験音801と第2試験音802間で、同一の音源データに基づく音波に関して、受聴者にとって聞こえる音が変化することを抑制できる。これにより、本実施形態に係る制御装置110は、第1実施形態と同様に、複数のスピーカ装置から出力された音波が、受聴者の位置に到達するまでの遅延時間差を容易に測定でき、且つ、適切な同期情報を取得できる。
(第三実施形態)
図9~図10を参照して、第三実施形態について説明する。本実施形態に係る試験音再生部302は、第1試験音を第1周期で断続させて再生する。第1周期は、第1基準試験音に含まれる音波を、時間軸方向に分割する長さである。また、本実施形態に係る試験音再生部302は、第2試験音を、第1周期とは異なる第2周期で断続させて再生する。具体的には、試験音再生部302は、第1試験音データの時間軸方向の長さと第2試験音データの時間軸方向の長さとの差分に応じて第1周期を伸長した、第2周期で、第2試験音を断続させて再生する。第2周期は、第2基準試験音に含まれる音波を、時間軸方向に分割する長さである。
図9~図10を参照して、第三実施形態について説明する。本実施形態に係る試験音再生部302は、第1試験音を第1周期で断続させて再生する。第1周期は、第1基準試験音に含まれる音波を、時間軸方向に分割する長さである。また、本実施形態に係る試験音再生部302は、第2試験音を、第1周期とは異なる第2周期で断続させて再生する。具体的には、試験音再生部302は、第1試験音データの時間軸方向の長さと第2試験音データの時間軸方向の長さとの差分に応じて第1周期を伸長した、第2周期で、第2試験音を断続させて再生する。第2周期は、第2基準試験音に含まれる音波を、時間軸方向に分割する長さである。
図9を参照しながら、本実施形態に係る第1試験音データ901と、第2試験音データ902とについて詳細に説明する。図9は、第1基準試験音データ911と、第1マスクデータ912と、第1試験音データ901と、第2基準試験音データ921と、第2マスクデータ922と、第2試験音データ902との一例を示す模式図である。
第1基準試験音データ911は、複数の音源データを時系列に含む音信号である。例えば、第1基準試験音データ911は、図4に示す第1試験音データ401と同一であってもよい。第2基準試験音データ921は、第1基準試験音データ911を時間軸方向に伸長した音信号である。例えば、第2基準試験音データ921は、図4に示す第2試験音データ402と同一であってもよい。
第1マスクデータ912は、第1周期の矩形波の信号である。第1周期は、第1基準試験音データ911に含まれる音源データを、時間軸方向に分割する長さである。さらに、第1周期は、第1基準試験音データ911の時間軸方向に等分割する長さであってもよい。例えば、第1基準試験音データ911に含まれる、音源データの各々の時間軸方向の長さが、0.83秒である場合、第1周期は0.83秒以下(例えば、0.25秒)である。
図9に示す第1マスクデータ912において、濃色の各矩形913の幅は、第1マスクデータ912に基づいて第1基準試験音データ911をマスク処理した場合、第1基準試験音データ911がマスクされる時間軸方向の長さを示す。一方、図9に示す第1マスクデータ912において、白色の各矩形914の幅は、第1マスクデータ912に基づいて第1基準試験音データ911をマスク処理(例えば、乗算)した場合、第1基準試験音データ911がマスクされない時間軸方向の長さを示す。
第2マスクデータ922は、第2周期の矩形波の信号である。第2周期は、第2基準試験音データ921に含まれる音源データを、時間軸方向に分割する長さである。第2周期は、第1基準試験音データ911の時間軸方向の長さと、第2基準試験音データ921の時間軸方向の長さとの差分に応じて、第1周期を伸長した長さである。第1マスクデータ912と第2マスクデータ922とは逆位相で開始する。
図9に示す第2マスクデータ922において、濃色の各矩形923の幅は、第2マスクデータ922に基づいて第2基準試験音データ921をマスク処理した場合、第2基準試験音データ921がマスクされる時間軸方向の長さを示す。一方、図9に示す第2マスクデータ922において、白色の各矩形924の幅は、第2マスクデータ922に基づいて第2基準試験音データ921をマスク処理(例えば、乗算)した場合、第2基準試験音データ921がマスクされない時間軸方向の長さを示す。
次に、第1試験音データ901及び第2試験音データ902を生成する処理について説明する。なお、試験音データ生成部301が、第1試験音データ901と第2試験音データ902とを生成する前に、記憶部214に、第1基準試験音データ911と、第1マスクデータ912と、第2基準試験音データ921と、第2マスクデータ922とが記憶されているものとする。
試験音データ生成部301は、第1基準試験音データ911と、第1マスクデータ912とに基づいて、第1試験音データ901を生成する。第1試験音データ901は、第1基準試験音データ911に含まれる複数の音源データのうち、第1周期でマスク処理をされた音信号である。例えば、第1試験音データ901は、第1基準試験音データ911に含まれる音源データのうち、第1周期で音量が低減又は無音にされた音信号である。または、第1試験音データ901は、第1基準試験音データ911に含まれる音源データのうち、第1周期で、ノイズが付加された音信号であってもよい。
また、試験音データ生成部301は、第2基準試験音データ921と、第2マスクデータ922とに基づいて、第2試験音データ902を生成する。第2試験音データ902は、第2基準試験音データ921に含まれる複数の音源データのうち、第2周期でマスク処理をされた音信号である。例えば、第2試験音データ902は、第2基準試験音データ921に含まれる音源データのうち、第2周期で音量が低減又は無音にされた音信号である。または、第2試験音データ902は、第2基準試験音データ921に含まれる音源データのうち、第2周期でノイズが付加された音源データであってもよい。
次に、図10を参照しながら、第1試験音1001と第2試験音1002とが、受聴者の位置に到達するタイミングについて、詳細に説明する。図10は、第1試験音1001と第2試験音1002とが、試験音再生部302により再生されてから、受聴者の位置に到達するまでの時間の一例を示す模式図である。
第1試験音1001は、図9に例示する第1試験音データ901に基づく音波である。第2試験音1002は、図9に例示する第2試験音データ902に基づく音波である。図10に示す第1試験音1001と第2試験音1002とにおいて、濃色の各矩形1021、1022の幅は、音源データに基づく音波が断続する時間軸方向の長さを示す。第1伝搬時間Δt811と、第2伝搬時間Δt812とは、図5に示す第1伝搬時間Δt511及び第2伝搬時間Δt512と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1試験音1001は、第1周期で断続されて再生される。さらに、第2試験音1002は、第2周期で断続されて再生される。そのため、それぞれ異なる数値を読み上げる音声を含む第1試験音1001と第2試験音1002とが、受聴者の位置に同期せずに到達した場合、受聴者は、読み上げられた音声を識別することが困難である。
一方、図10に例示する第1試験音1001と第2試験音1002とにおいては、数値「9」を読み上げる音声の時系列における区間が、受聴者の位置に同期して到達する。そのため、第1試験音1001と第2試験音1002とにおいて、受聴者は、数値「9」を読み上げる音声を明瞭に聞き取ることができる。従って、制御装置110は、より一層、受聴者に、明瞭に聞き取れる音と、明瞭に聞き取れない音とを区別させることができる。その結果、制御装置110は、複数のスピーカ装置から出力された音波が受聴者の位置に到達するまでの遅延時間差を、より一層容易に測定でき、且つより一層、適切な同期情報を取得できる。
なお、第1マスクデータ912と第2マスクデータ922とは逆位相で開始するとしたが、それぞれのデューティー比は50%でなくともよく、それぞれ異なっても良い。すなわち、第1マスクデータ912が50%、第2マスクデータ922が60%のデューティー比を持ってもよい。その場合、同期する信号では、音声が断続して聞こえる感覚を軽減することができる。また、それぞれのマスクデータは台形波であっても良い。そのようにすると、第1試験音1001と第2試験音1002とが重複して聞こえる区間での音響エネルギーを一定に保つことができる。
(第四実施形態)
図11~図12を参照して、第四実施形態について説明する。図11は、本実施形態に係る音響システム1100の全体構成の一例を示す図である。図12は、制御装置110、第1スピーカ120及び第2スピーカ130の電気的構成の一例を示す図である。図11に示すように、本実施形態に係る音響システム1100は、複数の第1スピーカ120を含む。図12に示す第1スピーカ120と、図2に示す第1スピーカ120との相違点は、図11に示す第1スピーカ120は、記憶部1201と、遅延部1202とを含む。
図11~図12を参照して、第四実施形態について説明する。図11は、本実施形態に係る音響システム1100の全体構成の一例を示す図である。図12は、制御装置110、第1スピーカ120及び第2スピーカ130の電気的構成の一例を示す図である。図11に示すように、本実施形態に係る音響システム1100は、複数の第1スピーカ120を含む。図12に示す第1スピーカ120と、図2に示す第1スピーカ120との相違点は、図11に示す第1スピーカ120は、記憶部1201と、遅延部1202とを含む。
本実施形態に係る遅延時間算出部304は、複数の第1スピーカ120のうち、一の第1スピーカ120に対応する再生遅延時間(以下、「第1再生遅延時間」と称する)を算出し、算出した第1再生遅延時間を、通信部215に出力する。さらに、本実施形態に係る遅延時間算出部304は、第2スピーカ130に対応する再生遅延時間(以下、「第2再生遅延時間」と称する)を算出する。通信部215は、遅延時間算出部304により算出された第1スピーカ120に対応する第1再生遅延時間を、当該第1再生遅延時間に対応する第1スピーカ120に通知する。これにより、制御装置110は、複数のスピーカ装置から出力された音波が受聴者の位置に到達するまでの遅延時間差を、より一層容易に測定できる。
第1スピーカ120の通信部221は、制御装置110から、当該第1スピーカ120に対応する第1再生遅延時間を取得する。通信部221は、取得した第1再生遅延時間を、記憶部1201に格納する。
また、通信部221は、制御装置110から送信された第1入力音データを受信した場合、受信した第1入力音データを、遅延部1202に出力する。一方、通信部221は、制御装置110から送信された第1試験音データを受信した場合、受信した第1試験音データを、増幅部222に出力する。
遅延部1202は、第1入力音データが遅延部1202に入力されてから、記憶部1201に記憶される再生遅延時間、遅延させて、増幅部222に出力する。増幅部222は、遅延部1202から第1入力音データが入力された場合、入力された第1入力音データをアナログ変換し、増幅し、第1入力音を生成する。一方、増幅部222は、通信部221から第1試験音データが入力された場合、入力された第1試験音データをアナログ変換し、増幅し、第1試験音を生成する。
音響システム1100においては、第1再生遅延時間と第1伝搬時間との合計時間と、第2再生遅延時間と第2伝搬時間との合計時間とが同一になるように、複数の第1スピーカ120は、第1入力音を出力し、且つ再生音制御部306は第2入力音を再生する。これにより、音響システム1100は、複数の第1スピーカ120の各々から出力される音と、第2スピーカ130から出力される音とを、受聴者に同期させて聞かせることができる。その結果、音響システム1100においては、複数の第1スピーカ120の各々から出力される音と、第2スピーカ130から出力される音とを、受聴者に明瞭に聞かせることができる。
(変形例5)
本実施形態の変形例5として、本変形例の遅延時間算出部304は、第1スピーカ120と第2スピーカ130とのうち、一方のスピーカが所定の位置に存在する場合、算出した再生遅延時間に基づいて、当該所定の位置と他方のスピーカとの距離を算出する。
本実施形態の変形例5として、本変形例の遅延時間算出部304は、第1スピーカ120と第2スピーカ130とのうち、一方のスピーカが所定の位置に存在する場合、算出した再生遅延時間に基づいて、当該所定の位置と他方のスピーカとの距離を算出する。
例えば、一方のスピーカが、第1スピーカ120であるとする。さらに、第1伝搬時間が既知であるとする。さらに、例えば、第1スピーカ120が、受聴者の耳近傍に設置され、第1スピーカ120から受聴者への伝搬遅延が十分に小さいとする。また、第1試験音データは、10秒間に、「1」から「10」までの数値を読み上げる音声の信号であるとする。そして、試験音データ生成部301は、第1試験音データを、時間軸方向に0.3秒伸長して、第2試験音データを生成したとする。その場合、第1出力制御部308は、第1スピーカ120から、第1試験音を出力させる。また、第2出力制御部309は、第2スピーカ130から、既知の第1伝搬時間遅延させて再生される第2試験音を出力させる。ここで、第1スピーカ120から出力される第1試験音と、第2スピーカ130から出力される第2試験音とのうち、一方の音波は他方の音波よりも、受聴者の位置に到達するまでに、第2スピーカ130と受聴者との距離に応じた伝搬時間、遅延する。その場合に、同期情報取得部303が同期情報を取得した場合、遅延時間算出部304が、10mの間隔で、100mまでの範囲で、第2スピーカ130と受聴者との距離を推定できる。
なお、上記の説明においては、音響システム100が、第1スピーカ120と第2スピーカ130とを含む構成を説明したが、音響システム100は、第1スピーカ120、第2スピーカ130以外のスピーカを含んでもよい。
(付記事項)
上述の実施形態は、以下の形態のように記載してもよいが、以下に限定されない。
上述の実施形態は、以下の形態のように記載してもよいが、以下に限定されない。
(形態1)複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生する試験音再生部と、前記試験音再生部により再生された前記第1試験音を、第1スピーカから出力させる第1出力制御部と、前記試験音再生部により再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる第2スピーカから出力させる第2出力制御部と、を備え、前記試験音再生部は、前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とを再生する、制御装置。
(形態2)前記第1出力制御部は、前記第1試験音が前記試験音再生部により再生されてから前記受聴者の位置に第1伝搬時間で到達する前記第1スピーカから、前記第1試験音を出力させ、前記第2出力制御部は、前記第2試験音が前記試験音再生部により再生されてから前記受聴者の位置に、前記第1伝搬時間より短い第2伝搬時間で到達する前記第2スピーカから、前記第2試験音を出力させる、形態1に記載の制御装置。
(形態3)前記第1試験音データの前記時間軸方向の長さと、前記第2試験音データの前記時間軸方向の長さとの差分が、前記第1伝搬時間と前記第2伝搬時間との差分以上であるように、前記第1試験音データを前記時間軸方向に伸長して前記第2試験音データを生成する試験音データ生成部を更に備える、形態2に記載の制御装置。
(形態4)前記第1試験音データは、前記複数の音源データの各々の間に、時系列に複数の無音データを含み、前記試験音データ生成部は、前記第1試験音データに含まれる前記複数の無音データを前記時間軸方向に伸長して前記第2試験音データを生成する、形態3に記載の制御装置。
(形態5)前記第1試験音と前記第2試験音とのうち、前記受聴者の位置に少なくとも一部が同期して到達した前記一の音波を示す同期情報を取得する同期情報取得部を更に備える、形態1~4のいずれか一に記載の制御装置。
(形態6)前記受聴者による前記同期情報の入力を受け付ける入力部を更に備える、形態5に記載の制御装置。
(形態7)前記第1試験音データの前記時間軸方向の長さと、前記第2試験音データの前記時間軸方向の長さと、前記同期情報とに基づいて、再生遅延時間を算出する遅延時間算出部と、第1入力音データを取得し、且つ第2入力音データを取得する入力音データ取得部と、前記音声データ取得部により取得された前記第1入力音データに基づく第1入力音と、前記音声データ取得部により取得された前記第2入力音データに基づく第2入力音とのうち、いずれか一方を前記再生遅延時間、遅延させて、前記第1入力音を再生し、且つ前記第2入力音を再生する再生音制御部と、を更に備え、前記第1出力制御部は、前記第1スピーカから前記第1入力音を出力させ、前記第2出力制御部は、前記第2スピーカから前記第2入力音を出力させる、形態5又は6に記載の制御装置。
(形態8)前記遅延時間算出部は、前記第1スピーカと前記第2スピーカとのうち、一方のスピーカが所定の位置に存在する場合、前記再生遅延時間に基づいて、前記所定の位置と他方のスピーカとの距離を算出する、形態7に記載の制御装置。
(形態9)前記試験音再生部は、前記第1試験音を第1周期で断続させて再生し、且つ前記第2試験音を第2周期で断続させて再生する、形態1~8のいずれか一に記載の制御装置。
(形態10)前記試験音再生部は、前記第1試験音を前記第1周期で断続させて再生し、且つ前記第1試験音データの時間軸方向の長さと前記第2試験音データの時間軸方向の長さとの差分に応じて前記第1周期を伸長した、前記第2周期で、前記第2試験音を断続させて再生する、形態9に記載の制御装置。
(形態11)第1スピーカと、第2スピーカと、制御装置と、を備える音響システムであって、前記制御装置は、複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生する試験音再生部と、前記試験音再生部により再生された前記第1試験音を、前記第1スピーカから出力させる第1出力制御部と、前記試験音再生部により再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる前記第2スピーカから出力させる第2出力制御部と、を備え、前記試験音再生部は、前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とを再生する、音響システム。
(形態12)複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生するステップと、再生された前記第1試験音を、第1スピーカから出力させるステップと、再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる第2スピーカから出力させるステップと、を含み、前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とが再生される、音響再生制御方法。
(形態13)コンピュータに、複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生する機能と、再生された前記第1試験音を、第1スピーカから出力させる機能と、再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる第2スピーカから出力させる機能と、を実行させ、前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とが再生される、プログラム。
本開示における制御装置110または音響再生制御方法の主体は、コンピュータとして制御部212を備えている。このコンピュータが、記録媒体(記憶部214)に格納されるプログラムを読み取って実行することによって、本開示における制御装置110または音響再生制御方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、上記プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、上記プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、例えば、半導体集積回路(IC(Integrated Circuit))、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。
本開示の一態様は、上述した実施の形態及び変形例に限定されるものではなく変形可能であり、上記の構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
100 音響システム、110 制御装置、120 第1スピーカ、130 第2スピーカ、211 操作部、212 制御部、213 受信部、214 記憶部、215 通信部、216 増幅部、221 通信部、222 増幅部、223 放音部、231 受信部、232 放音部、301 試験音データ生成部、302 試験音再生部、303 同期情報取得部、304 遅延時間算出部、305 入力音データ取得部、306 再生音制御部、307 切替部、308 第1出力制御部、309 第2出力制御部、401 第1試験音データ、402 第2試験音データ、501 第1試験音、502 第2試験音、701 第1試験音データ、702 第2試験音データ、721 無音データ、722 無音データ、801 第1試験音、802 第2試験音、821 無音区間、822 無音区間、901 第1試験音データ、902 第2試験音データ、912 第1マスクデータ、921 第2基準試験音データ、922 第2マスクデータ、1001 第1試験音、1002 第2試験音、1100 音響システム、1201 記憶部、1202 遅延部
Claims (13)
- 複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生する試験音再生部と、
前記試験音再生部により再生された前記第1試験音を、第1スピーカから出力させる第1出力制御部と、
前記試験音再生部により再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる第2スピーカから出力させる第2出力制御部と、
を備え、
前記試験音再生部は、
前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とを再生する、制御装置。 - 前記第1出力制御部は、前記第1試験音が前記試験音再生部により再生されてから前記受聴者の位置に第1伝搬時間で到達する前記第1スピーカから、前記第1試験音を出力させ、
前記第2出力制御部は、前記第2試験音が前記試験音再生部により再生されてから前記受聴者の位置に、前記第1伝搬時間より短い第2伝搬時間で到達する前記第2スピーカから、前記第2試験音を出力させる、請求項1に記載の制御装置。 - 前記第1試験音データの前記時間軸方向の長さと、前記第2試験音データの前記時間軸方向の長さとの差分が、前記第1伝搬時間と前記第2伝搬時間との差分以上であるように、前記第1試験音データを前記時間軸方向に伸長して前記第2試験音データを生成する試験音データ生成部を更に備える、請求項2に記載の制御装置。
- 前記第1試験音データは、前記複数の音源データの各々の間に、時系列に複数の無音データを含み、
前記試験音データ生成部は、前記第1試験音データに含まれる前記複数の無音データを前記時間軸方向に伸長して前記第2試験音データを生成する、請求項3に記載の制御装置。 - 前記第1試験音と前記第2試験音とのうち、前記受聴者の位置に少なくとも一部が同期して到達した前記一の音波を示す同期情報を取得する同期情報取得部を更に備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の制御装置。
- 前記受聴者による前記同期情報の入力を受け付ける入力部を更に備える、請求項5に記載の制御装置。
- 前記第1試験音データの前記時間軸方向の長さと、前記第2試験音データの前記時間軸方向の長さと、前記同期情報とに基づいて、再生遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
第1入力音データを取得し、且つ第2入力音データを取得する入力音データ取得部と、
前記音声データ取得部により取得された前記第1入力音データに基づく第1入力音と、前記音声データ取得部により取得された前記第2入力音データに基づく第2入力音とのうち、いずれか一方を前記再生遅延時間、遅延させて、前記第1入力音を再生し、且つ前記第2入力音を再生する再生音制御部と、
を更に備え、
前記第1出力制御部は、前記第1スピーカから前記第1入力音を出力させ、
前記第2出力制御部は、前記第2スピーカから前記第2入力音を出力させる、請求項5又は6に記載の制御装置。 - 前記遅延時間算出部は、前記第1スピーカと前記第2スピーカとのうち、一方のスピーカが所定の位置に存在する場合、前記再生遅延時間に基づいて、前記所定の位置と他方のスピーカとの距離を算出する、請求項7に記載の制御装置。
- 前記試験音再生部は、前記第1試験音を第1周期で断続させて再生し、且つ前記第2試験音を第2周期で断続させて再生する、請求項1~8のいずれか1項に記載の制御装置。
- 前記試験音再生部は、前記第1試験音を前記第1周期で断続させて再生し、且つ前記第1試験音データの時間軸方向の長さと前記第2試験音データの時間軸方向の長さとの差分に応じて前記第1周期を伸長した、前記第2周期で、前記第2試験音を断続させて再生する、請求項9に記載の制御装置。
- 第1スピーカと、
第2スピーカと、
制御装置と、
を備える音響システムであって、
前記制御装置は、
複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生する試験音再生部と、
前記試験音再生部により再生された前記第1試験音を、前記第1スピーカから出力させる第1出力制御部と、
前記試験音再生部により再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる前記第2スピーカから出力させる第2出力制御部と、
を備え、
前記試験音再生部は、
前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とを再生する、音響システム。 - 複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生するステップと、
再生された前記第1試験音を、第1スピーカから出力させるステップと、
再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる第2スピーカから出力させるステップと、
を含み、
前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とが再生される、音響再生制御方法。 - コンピュータに、
複数の音源データを時系列に含む第1試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第1試験音を再生し、且つ前記第1試験音データを時間軸方向に伸長した第2試験音データに基づいて、前記複数の音源データに基づく音波が時系列に出力される第2試験音を再生する機能と、
再生された前記第1試験音を、第1スピーカから出力させる機能と、
再生された前記第2試験音を、前記第1スピーカとは異なる第2スピーカから出力させる機能と、
を実行させ、
前記第1スピーカから出力された前記第1試験音に含まれる一の音波の少なくとも一部と、前記第2スピーカから出力された前記第2試験音に含まれる前記一の音波の少なくとも一部とが、前記受聴者の位置で同期して到達するように、前記第1試験音と前記第2試験音とが再生される、プログラム。
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JP2020140882A JP2022036590A (ja) | 2020-08-24 | 2020-08-24 | 制御装置、音響システム、音響再生制御方法、及びプログラム |
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