JP2022034133A - 不活性ガス発生器付きオイルタンク - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルタンク、不活性ガス発生器、空気清浄機のそれぞれが近傍に配置され、取り扱い性の向上を飛躍的に高めることができる不活性ガス発生器付きオイルタンクを提供する。【解決手段】不活性ガス発生器付きオイルタンク1は、油圧ポンプ3を有する油圧回路の作動油であるオイルが貯留されるべきオイルタンク2と、該オイルタンク2内に不活性ガスを供給するための不活性ガス発生器4と、オイルタンク2の表面の一部であって不活性ガス発生器4が取付けられている取付面5とを備えている。【選択図】 図1
Description
本発明は、油圧回路に用いられるオイルタンク内に窒素ガス等の不活性ガスを充填するための不活性ガス発生(供給)器が備わった不活性ガス発生器付きオイルタンクに関するものである。
オイルタンク内への不活性ガス充填システムが知られている(例えば特許文献1参照)。このシステムは、オイルタンク内の気相部に対し、油圧回路に影響を与えることなく効率よく迅速に窒素ガス等の不活性ガスを充填させることができるものである。このシステムでは、不活性ガス発生装置はオイルタンクとは別体に備わっている。この不活性ガス発生装置は、供給された空気から窒素のみを生成し、排出するものである。
しかしながら、膜分離式窒素ガス発生装置に代表されるように、不活性ガス発生装置に供給される空気は清浄空気である必要がある。特に窒素は乾燥状態で取り扱う必要があり、また不純物であるオイル等が含まれていることも好ましくない。このような空気中の水分や油分を除去することは、窒素ガス発生装置を取り扱う際には必要である。このため、予め窒素ガス発生装置の手前に空気清浄機を配し、これを通すことでクリーンな空気を窒素ガス発生装置に供給するようにしている。ところが窒素ガス発生装置は単体の装置であり、空気清浄機も単体の装置である。このため、これらは別々に配置する必要があり、工場のレイアウトによっては離れた位置に置かれてしまうことが多い。メンテナンスを行う際には、これらの装置は近くにあった方が便利である。さらにいえば、オイルタンクとも近くにあった方が、総合的なメンテナンスを一カ所にて行うことができ、取り扱い性が格段に向上することが期待される。
本発明は、上記従来技術を考慮したものであり、オイルタンク、不活性ガス発生器、空気清浄機のそれぞれが近傍に配置され、取り扱い性の向上を飛躍的に高めることができる不活性ガス発生器付きオイルタンクを提供する。
前記目的を達成するため、本発明では、油圧ポンプを有する油圧回路の作動油であるオイルが貯留されるべきオイルタンクと、該オイルタンク内に不活性ガスを供給するための不活性ガス発生器と、前記オイルタンクの表面の一部であって前記不活性ガス発生器が取付けられている取付面とを備えたことを特徴とする不活性ガス発生器付きオイルタンクを提供する。
好ましくは、前記不活性ガス発生器に供給される圧縮空気を清浄化させるための空気清浄機をさらに備え、前記取付面に前記空気清浄機が取付けられている。
好ましくは、前記取付面は前記オイルタンクの上面又は側面である。
好ましくは、前記不活性ガス発生器及び前記空気清浄機を通る部分の気体の流通経路は一直線である。
好ましくは、前記オイルタンクは略直方体形状であり、前記取付面は前記オイルタンクの長手方向に対応する側面に形成されている。
本発明によれば、不活性ガス発生器がオイルタンクの表面の一部である取付面に取付けられているため、不活性ガス発生器がオイルタンクと一体化されていることになる。このため、スペースの狭小化に寄与し、双方の機器を近くで同時にみながらメンテナンスを行うことができ、取り扱い性が向上する。
また、不活性ガス発生器に供給される圧縮空気を清浄化させるための空気清浄機もオイルタンクに取付けられているので、オイルタンク、不活性ガス発生器、空気清浄機を含めた総合的なメンテナンスを一カ所で行うことができる。
また、取付面がオイルタンクの上面又は側面であるため、作業者にとって取り扱い性がよい位置に不活性ガス発生器及び空気清浄機が配されることになる。
また、不活性ガス発生器及び空気清浄機を通る部分の気体の流通経路が一直線であるため、不活性ガス発生器及び空気清浄機のレイアウトが単純になり取り扱い性が向上する。また、圧縮空気の圧力損失も極限まで低減できる。
また、オイルタンクが略直方体形状の場合は、取付面をオイルタンクの長手方向に対応する側面とすることで、広い側の側面を取付面とすることができ、取付のレイアウトの自由度が増す。さらに、オイルタンクの上面に油圧ポンプ等の機器が配設されている場合には、これらの機器のレイアウトに制限されることなく不活性ガス発生器及び空気清浄機をオイルタンクと一体化させることができる。
図1に示すように、本発明に係る不活性ガス発生器付きオイルタンク1は、オイルタンク2を備えている。このオイルタンク2内にはオイルが貯留されていて、このオイルは油圧ポンプ3を含む油圧回路の作動油として機能している。オイルタンク2の表面の一部(図1では側面)には、不活性ガス発生器4が取付けられている。この不活性ガス発生器4が取付けられている面は取付面5として作用している。取付面5はオイルタンク2の表面のうち一つの面を意味している。また、不活性ガス発生器4はオイルタンク2内に不活性ガスを供給するためのものである。具体的には、オイルタンク2内はオイルが貯留されている部分の液相部と、この液相部以外の気相部があり、不活性ガスは気相部に向けて噴射される。
不活性ガス発生器4からは気体配管6が延びていて、この気体配管6はオイルタンク2のガス吸入口7に接続されている。このとき、不活性ガスの供給量を調整するために、気体配管6にはバルブや流量計が配設されていてもよい。不活性ガス発生器4は、空気圧縮機(不図示)から吐出される圧縮空気を原料ガスにして窒素ガスを生成するタイプのものでもよい。不活性ガス発生器4からは高濃度の窒素ガスが供給され、これにより気体配管6を流れるガスは窒素ガスとなる。不活性ガス発生器4では、圧縮空気中の酸素が分離膜やPSAにより分離される。膜分離方式では分離された酸素は高濃度酸素としてパージ孔から水蒸気などと共に排気される。したがって、窒素ガスの露点温度は大気に比して下がった状態となっている。このように、窒素ガスをオイルタンク2内の気相部に充満させるだけで、オイルの寿命は大幅に延びる。窒素ガスの大気圧露点温度は約-60℃~-50℃と非常に低いのでオイルタンク2内では水分がほとんど出ないため、オイルの酸化や劣化がなくなり、オイルの寿命が大幅に延びるということになる。また窒素ガスは無酸化のため、鉄製のオイルタンクの内壁が錆びることはない。
取付面5には、さらに空気清浄機8が取付けられている。この空気清浄機8は、不活性ガス発生器4に供給される圧縮空気を清浄化させるためのものである。空気清浄機8は主としてフィルタを有するものであり、機器として一つに限られるものではない。必要に応じて複数個の空気清浄機8が取付面5に取付けられる(図1では2個の空気清浄機8)。空気清浄機8としては、圧縮空気中に含まれている不純物(塵埃、水滴、オイルミスト等)を除去できるもの、例えばミクロミストフィルタや活性炭フィルタ、エアフィルタを利用できる。
空気の流れを簡単に説明すると、空気圧縮機から吐出された圧縮空気はメイン配管9を通り、ここから分岐する気体配管10を通る。そして、上流側の空気清浄機8を通り、気体配管11を通る。そして下流側の空気清浄機8を通り、気体配管12を通る。そして不活性ガス発生器4を通り、圧縮空気は不活性ガスとなり気体配管6を通ってオイルタンク2内に流入する。
このように、不活性ガス発生器4がオイルタンク2の表面の一部である取付面5に取付けられているため、不活性ガス発生器4がオイルタンク2と一体化されていることになる。このため、オイルタンク2が設置される工場等においてはスペースの狭小化に寄与し、双方の機器(オイルタンク2及び不活性ガス発生器4)を近くで同時にみながらメンテナンスを行うことができ、取り扱い性が向上する。これに加え、不活性ガス発生器4に供給される圧縮空気を清浄化させるための空気清浄機8もオイルタンク2に取付けられているので、オイルタンク2、不活性ガス発生器4、空気清浄機8を含めた総合的なメンテナンスを一カ所で行うことができる。なお、不活性ガス発生器4及び空気清浄機8のオイルタンク2に対する取付はどのような方法でもよい。例えば、図1に示すような取付バンド13を用いて固定してもよい。
ここで図1に示すように、不活性ガス発生器4及び空気清浄機8を通る部分の気体の流通経路は一直線である。すなわち、気体配管11及び12が直線状の配管である。さらにいえば、気体配管10及び6を含む、取付面5に沿っている圧縮空気が流通する配管は一直線(直線状)として形成されている。これにより、不活性ガス発生器4及び空気清浄機8のレイアウトが単純になり取り扱い性が向上する。また、取付面5に沿って通る部分の圧縮空気の圧力損失も極限まで低減できる。
なお、図1では略直方体形状のオイルタンク2を示している。このような形状のオイルタンク2の場合、オイルタンク2の長手方向に対応する側面を取付面5とすることが好ましい。オイルタンク2が略直方体形状の場合は、取付面5をオイルタンク2の長手方向に対応する側面とすることで、広い側の側面を取付面5とすることができ、不活性ガス発生器4及び空気清浄機8の取付のレイアウトの自由度が増す。オイルタンク2の上面には油圧ポンプ3等の機器が配設されている場合が多いため、これらの機器のレイアウトに制限されることなく不活性ガス発生器4及び空気清浄機8をオイルタンク2と一体化させることができる。
ここで、オイルタンク2の上面側に形成されている油圧回路について説明する。オイルタンク2には、このオイルタンク2を始点と終点としてオイルタンク2を含む環状の油圧回路が形成されていて、オイルは作動油としてこの油圧回路を循環している。油圧回路上には油圧ポンプ3が配されていて、この油圧ポンプ3は図示しないモータにより駆動される。油圧ポンプ3によりオイルは吸い上げられ、このオイルが作動油となり油圧シリンダ14が動作される。この油圧シリンダ14に必要な量だけの作動油を供給するため、油圧シリンダ14の手前には切り替えバルブ15が配されている。これにより、作動油の流量等が制御されている。
また、オイルタンク2の上面にはエアブリーザ16が配されている。このエアブリーザ16は、オイルタンク2の開口された上面の部分と連通していて、気相部と大気とを連通させるものである。エアブリーザ16には、オイルタンク2内の内圧変化により外気が吸入されることもあるので、その際のコンタミネーションを防止するという役割もある。一方で、エアブリーザ16には、外部からの空気の流入を防止するための逆止弁(不図示)が取り付けられていてもよい。このような逆止弁を取り付けることで、高濃度の窒素ガスをオイルタンク2に供給していないときであっても、外部からエアブリーザ16を通じて外気がオイルタンク2内に流入することを防止できる。
図2に示すように、取付面5はオイルタンク2の上面であってもよい。この場合、油圧回路を作動させる機器とともに不活性ガス発生器4及び空気清浄機8が同じ面に取付けられるため、一括したメンテナンスが可能となり、作業者にとって取り扱い性がよい位置に不活性ガス発生器4及び空気清浄機8が配されることになる。
1:不活性ガス発生器付きオイルタンク、2:オイルタンク、3:油圧ポンプ、4:不活性ガス発生器、5:取付面、6:気体配管、7:ガス吸入口、8:空気清浄機、9:メイン配管、10:気体配管、11:気体配管、12:気体配管、13:取付バンド、14:油圧シリンダ、15:切り替えバルブ、16:エアブリーザ
Claims (5)
- 油圧ポンプを有する油圧回路の作動油であるオイルが貯留されるべきオイルタンクと、
該オイルタンク内に不活性ガスを供給するための不活性ガス発生器と、
前記オイルタンクの表面の一部であって前記不活性ガス発生器が取付けられている取付面とを備えたことを特徴とする不活性ガス発生器付きオイルタンク。 - 前記不活性ガス発生器に供給される圧縮空気を清浄化させるための空気清浄機をさらに備え、
前記取付面に前記空気清浄機が取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の不活性ガス発生器付きオイルタンク。 - 前記取付面は前記オイルタンクの上面又は側面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の不活性ガス発生器付きオイルタンク。
- 前記不活性ガス発生器及び前記空気清浄機を通る部分の気体の流通経路は一直線であることを特徴とする請求項2又は3に記載の不活性ガス発生器付きオイルタンク。
- 前記オイルタンクは略直方体形状であり、前記取付面は前記オイルタンクの長手方向に対応する側面に形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の不活性ガス発生器付きオイルタンク。
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