JP2022033555A - パワーステアリング制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】実際の操舵角と、目標操舵角との差が大きくなることを抑制する。【解決手段】目標操舵角と、実操舵角とを順次取得する角度取得部121と、モータ21の駆動を制御する指令値に対する操舵角が、所定の応答特性を示すように設定された規範モデルに、目標操舵角を代入して算出した規範操舵角と、実操舵角との差を変数とする評価関数を最小化する複数の係数の値を算出する係数算出部123と、複数の係数を含むと共に目標操舵角及び実操舵角を変数とし、モータ21の駆動を制御する指令値を算出するための制御関数の複数の係数を、係数算出部123が算出した複数の係数の値に更新し、角度取得部121が取得した実操舵角及び目標操舵角を制御関数に代入して、指令値を算出する指令値算出部124と、算出した指令値をパワーステアリングに出力する出力部125と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、車両の操舵角を制御する技術に関する。
特許文献1には、車両の目標操舵角と、車両の実際の操舵角との差に基づき、P(Proportional)制御又はPD(Proportional-Differential)制御によるフィードバック制御量を演算する技術が開示されている。
ところで、走行する車両の周辺環境が大きく変化すると、フィードバック制御の応答特性が変化することがあり、実際の操舵角と目標操舵角との差が大きくなってしまうことがあった。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、実際の操舵角と、目標操舵角との差が大きくなることを抑制することを目的とする。
本発明の第1の態様においては、走行する車両の目標操舵角と、前記車両の実操舵角とを順次取得する角度取得部と、パワーステアリングのモータの駆動を制御する指令値に対する操舵角が、所定の応答特性を示すように設定された規範モデルに、前記角度取得部が取得した前記目標操舵角を代入して算出した規範操舵角と、前記角度取得部が取得した前記実操舵角との差を変数とする評価関数を最小化する複数の係数の値を算出する係数算出部と、前記複数の係数を含むと共に前記目標操舵角及び前記実操舵角を変数とし、前記モータの駆動を制御する前記指令値を算出するための制御関数の前記複数の係数を、前記係数算出部が算出した前記複数の係数の値に更新し、前記角度取得部が取得した前記実操舵角及び前記目標操舵角を前記制御関数に代入して、前記指令値を算出する指令値算出部と、前記指令値算出部が算出した前記指令値を前記パワーステアリングに出力する出力部と、を備えるパワーステアリング制御装置を提供する。
例えば、前記係数算出部は、前記角度取得部が前記目標操舵角と前記実操舵角とを取得する毎に、前記評価関数を最小化する前記複数の係数の値を算出し、前記指令値算出部は、前記係数算出部が前記複数の係数の値を算出する毎に、前記制御関数の前記複数の係数を、前記係数算出部が算出した前記複数の係数の値に更新する。
例えば、前記評価関数は、第1係数と、第2係数とを含み、前記係数算出部は、前記評価関数を最小化する前記第1係数の値及び前記第2係数の値を算出し、前記指令値算出部は、前記実操舵角に前記第1係数の値を乗算した値と、前記目標操舵角に前記第2係数の値を乗算した値との和を前記指令値として算出する。
例えば、前記角度取得部は、前記目標操舵角及び前記実操舵角を、所定の時間間隔で順次取得し、前記係数算出部は、前記角度取得部が現時点で取得した前記目標操舵角を前記規範モデルに代入して算出した前記規範操舵角と、前記角度取得部が前記現時点で取得した前記実操舵角との差を変数とする前記評価関数を最小化する前記複数の係数の値を算出し、前記指令値算出部は、前記制御関数の前記複数の係数を、前記係数算出部が算出した前記複数の係数の値に更新し、前記角度取得部が前記現時点で取得した前記実操舵角及び前記目標操舵角を前記制御関数に代入して、前記角度取得部が前記現時点の次に前記目標操舵角及び前記実操舵角を取得する時点における前記指令値を算出する。
本発明によれば、実際の操舵角と目標操舵角との差が大きくなることを抑制できるという効果を奏する。
[操舵制御システムSの概要]
図1は、本実施の形態に係る操舵制御システムSの構成を模式的に示す図である。操舵制御システムSは、例えば、乗用車、トラック、バス等の車両に搭載されるシステムである。操舵制御システムSは、パワーステアリング制御装置1と、パワーステアリング2とを備える。
図1は、本実施の形態に係る操舵制御システムSの構成を模式的に示す図である。操舵制御システムSは、例えば、乗用車、トラック、バス等の車両に搭載されるシステムである。操舵制御システムSは、パワーステアリング制御装置1と、パワーステアリング2とを備える。
パワーステアリング2は、モータ21及びアクチュエータ22を有する。パワーステアリング2は、車両の運転手がステアリングホイール3をスムーズに操舵できるように、ステアリングホイール3の回転動作を補助する。その結果、運転手は、より小さい入力トルクでステアリングホイール3を操舵することができる。運転手は、環状のステアリングホイール3を操作することにより車両の進行方向を調整する。以下、ステアリングホイール3の角度を操舵角と言う。
モータ21は、パワーステアリング制御装置1から入力される、モータ21の駆動を制御するための指令値に応じて、ステアリングホイール3を駆動する。指令値は、例えば、モータ21に流す電流値を指定する値である。モータ21は、図示しないウォームホイールを回転させる。ウォームホイールは、アクチュエータ22に接続されている。アクチュエータ22は、ウォームホイールから伝わる力に応じて、車輪4の角度を変更する。アクチュエータ22は、一例として、油圧アクチュエータである。
操舵角センサ5は、ステアリングホイール3の回転角度を検出する。操舵角センサ5は、例えば、ステアリングホイール3のシャフトに設けられており、車両を直進させるステアリングホイール3の角度を基準とした角度を操舵角として検出する。基準の角度は、例えば0度である。本実施の形態において、操舵角センサ5が検出する角度を実操舵角θhとする。
パワーステアリング制御装置1は、パワーステアリング2のモータ21を駆動するための指令値uを算出し、算出した指令値uをパワーステアリング2に出力することによりパワーステアリング2を制御する。具体的には、パワーステアリング制御装置1は、車両の実操舵角θhが、車両に搭載されている自動運転装置6から出力された目標操舵角θrefに追従するような指令値uを算出する。なお、自動運転装置6は、車両の先行車両の走行軌跡に追従するような目標操舵角θref、又は車両が走行する車線の車道外側線内を走行するような目標操舵角θrefを、パワーステアリング制御装置1に出力する。
以下、パワーステアリング制御装置1の具体的な構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図2は、パワーステアリング制御装置1が実行する処理の流れを模式的に示す図である。
[パワーステアリング制御装置1の構成]
パワーステアリング制御装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを記憶する。
パワーステアリング制御装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを記憶する。
制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部12は、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、角度取得部121、規範操舵角算出部122、係数算出部123、指令値算出部124及び出力部125としての機能を実現する。
角度取得部121は、走行する車両の実操舵角θhを操舵角センサ5から所定の時間間隔で順次取得する(図2の(1))。所定の時間間隔は、制御部12の演算周期であり、例えば1ミリ秒から100ミリ秒までの間で適宜定まる。角度取得部121は、取得した実操舵角θhを係数算出部123及び指令値算出部124に入力する。また、角度取得部121は、走行する車両の目標操舵角θrefを順次取得する(図2の(2))。例えば、角度取得部121は、車両に搭載されている自動運転装置6から目標操舵角θrefを取得する。角度取得部121は、取得した目標操舵角θrefを規範操舵角算出部122及び指令値算出部124に入力する。
規範操舵角算出部122は、角度取得部121が取得した目標操舵角θrefに基づいて規範操舵角θmを算出する(図2の(3))。例えば、規範操舵角算出部122は、角度取得部121が現時点で取得した目標操舵角θrefを規範モデルに代入して規範操舵角θmを算出する。
規範モデルは、パワーステアリング2のモータ21の駆動を制御する指令値uに対する実操舵角θhが、所定の応答特性を示すように設定されたモデルである。例えば、規範モデルは、指令値uに対する実操舵角θhが、発明を実施する事業者が実現したい所望の応答特性(以下、所望特性)を示すように設計された応答モデルである。例えば、規範モデルは、実操舵角θhの指令値uに対する応答遅れを最小にするモデルである。規範モデルは、パワーステアリング2の運動特性を示す微分方程式をラプラス変換して得られる伝達関数であってもよい。規範モデルは、例えば、変数sを用いて下記式(1)で表される。
式(1)のa及びbは、所望特性を実現するためのパラメータであり、適宜設定される。例えば、a及びbは、目標操舵角θrefと実操舵角θhとの差が、許容できる範囲になるように設定される。また、a及びbは、目標操舵角θrefと実操舵角θhとの差が、所定時間内に許容できる範囲に収束するように設定される。許容できる範囲及び所定時間は、車両の特性などを考慮して適宜設定される。なお、規範モデルは、上記のようないわゆる一次遅れ系モデルだけでなく、他のモデルを用いてもよい。規範操舵角算出部122は、算出した規範操舵角θmを係数算出部123に入力する。
係数算出部123は、規範操舵角算出部122が算出した規範操舵角θmと、角度取得部121が取得した実操舵角θhとの差を変数とする評価関数Jを最小化する複数の係数を算出する(図2の(4))。例えば、規範操舵角算出部122は、現時点の目標操舵角θrefを規範モデルに代入して算出した規範操舵角θmと、現時点の実操舵角θhとの差の2乗を変数とする評価関数Jを最小化する複数の係数を算出する。また、係数算出部123は、規範操舵角算出部122が現時点の目標操舵角θrefを規範モデルに代入して規範操舵角θmを算出し、角度取得部121が現時点の実操舵角θhを取得する毎に、評価関数Jを最小化する複数の係数の値を算出する。評価関数Jは、例えば、第1係数p1と、第2係数p2とを含む関数である。
係数算出部123は、規範操舵角θmと実操舵角θhとの差eの二乗勾配に沿って、第1係数p1の値と、第2係数p2の値との各々を算出する。すなわち、係数算出部123は、規範操舵角θmと実操舵角θhとの差eの2乗を小さくする第1係数p1と第2係数p2とを算出できる。その結果、係数算出部123は、指令値uに対する実操舵角θhの応答特性を、所望特性に近づける第1係数p1の値及び第2係数p2の値を算出できる。
より具体的には、係数算出部123は、下記式(6)及び式(7)を計算することにより、第1係数p1の値と、第2係数p2の値との各々を算出する。
そして、係数算出部123は、算出した第1係数p1の値と、第2係数p2の値との各々を指令値算出部124に入力する。
指令値算出部124は、パワーステアリング2のモータ21の駆動を制御するための指令値uを算出する(図2の(5))。具体的には、指令値算出部124は、角度取得部121が取得した実操舵角θh及び目標操舵角θrefを、モータ21の駆動を制御する指令値を算出するための制御関数に代入することにより、指令値uを算出する。制御関数は、複数の係数を含むと共に目標操舵角θref及び実操舵角θhを変数とする関数である。具体的には、制御関数は、評価関数Jに含まれる第1係数p1と、第2係数p2と同じ第1係数p1と第2係数p2とを含み、下記式(8)で表される。
指令値算出部124は、式(8)に示した制御関数の複数の係数を、係数算出部123が算出した複数の係数の値に更新する。具体的には、指令値算出部124は、式(8)で表される制御関数の第1係数p1の値、及び第2係数p2の値の各々を、係数算出部123が算出した第1係数p1の値、及び第2係数p2の値に更新する。そして、指令値算出部124は、第1係数p1の値、及び第2係数p2の値を更新した制御関数に、実操舵角θh及目標操舵角θrefを代入することにより、実操舵角θhに第1係数p1の値を乗算した値と、目標操舵角θrefに第2係数p2の値を乗算した値との和を指令値uとして算出する。すなわち、指令値算出部124は、指令値uに対する実操舵角θhの応答特性を所望特性に近づける第1係数p1の値及び第2係数p2の値を用いて指令値uを算出する。そのため、指令値算出部124は、指令値uに対する実操舵角θhの応答特性を、所望特性に近づける指令値uを算出できる。
また、指令値算出部124は、係数算出部123が複数の係数の値を算出する毎に、式(8)で表される制御関数の複数の係数の値を、係数算出部123が算出した複数の係数の値に更新する。そして、指令値算出部124は、係数の値を更新した制御関数に、角度取得部121が現時点で取得した実操舵角θh及目標操舵角θrefを代入して、角度取得部121が現時点の次に実操舵角θh及目標操舵角θrefを取得する時点における指令値uを算出する。
出力部125は、指令値算出部124が算出した指令値uをパワーステアリング2に出力する(図2の(6))。具体的には、出力部125は、指令値uに対する実操舵角θhが、所望特性を示すような指令値uをパワーステアリング2のモータ21に出力する。出力部125は、指令値uに応じたモータ21を駆動する駆動信号を生成して、生成した駆動信号をモータ21に出力することにより、モータ21の駆動を制御する機能を有する。すなわち、出力部125は、指令値uに対する実操舵角θhの応答特性を所望特性に近づける指令値uに応じてモータ21の駆動を制御できる。その結果、指令値uに対する実操舵角θhが所望特性に近づく。したがって、出力部125は、目標操舵角θrefと実操舵角θhと差を、所定時間以内に許容できる範囲内に収束させられる。
図3は、比較例における目標操舵角θrefと実操舵角θhと差eの時間変化を模式的に示す図である。図3の横軸は時刻tを示し、縦軸は、目標操舵角θrefと実操舵角θhと差eを示す。実線R1は、比較例における、目標操舵角θrefと実操舵角θhと差eをプロットしたグラフである。比較例においては、制御関数の係数は、予め定められた値で固定されている。その結果、比較例においては、図3に示すように、目標操舵角θrefと実操舵角θhと差eは、時間経過に応じて大きくなり、所定時間Tが経過しても、許容できる範囲A内に収束していない。
図4は、実施の形態に係る、目標操舵角θrefと実操舵角θhと差eの時間変化を模式的に示す図である。図4の横軸は時刻tを示し、縦軸は、目標操舵角θrefと実操舵角θhと差eを示す。実線R2は、比較例とは異なり制御関数の係数を更新する実施の形態における、目標操舵角θrefと実操舵角θhと差eをプロットしたグラフである。図4に示すように、実施の形態に係る目標操舵角θrefと実操舵角θhと差eは、時間経過に応じて小さくなり、所定時間Tが経過するまでに、許容できる範囲A内に収束している。
[実施の形態に係るパワーステアリング制御装置1が実行する処理]
図5は、パワーステアリング制御装置1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。まず、角度取得部121は、目標操舵角θrefと実操舵角θhとを取得する(ステップS1)。具体的には、角度取得部121は、車両の操舵角センサ5から実操舵角θhを順次取得し、実操舵角θhの取得タイミングと同じタイミングで、車両に搭載されている自動運転装置6から目標操舵角θrefを取得する。
図5は、パワーステアリング制御装置1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。まず、角度取得部121は、目標操舵角θrefと実操舵角θhとを取得する(ステップS1)。具体的には、角度取得部121は、車両の操舵角センサ5から実操舵角θhを順次取得し、実操舵角θhの取得タイミングと同じタイミングで、車両に搭載されている自動運転装置6から目標操舵角θrefを取得する。
次に、規範操舵角算出部122は、角度取得部121が取得した目標操舵角θrefを規範モデルに代入して、規範操舵角θmを算出する(ステップS2)。例えば、規範操舵角算出部122は、角度取得部121が現時点で取得した目標操舵角θrefを、所定の応答特性を示すように設定された、式(1)に示す規範モデルに代入して規範操舵角θmを算出する。
係数算出部123は、規範操舵角θmと実操舵角θhとの差を変数とする評価関数Jを最小化する、第1係数p1の値と、第2係数p2の値との各々を算出する(ステップS3)。具体的には、係数算出部123は、現時点の目標操舵角θrefを規範モデルに代入して算出した規範操舵角θmと、現時点の実操舵角θhとの差を変数とする評価関数Jを最小化する第1係数p1の値と、第2係数p2の値とを算出する。
指令値算出部124は、目標操舵角θref及び実操舵角θhを変数とする制御関数の第1係数p1の値及び第2係数p2の値を、係数算出部123が算出した第1係数p1の値及び第2係数p2の値に更新する(ステップS4)。例えば、指令値算出部124は、上記の式(8)で示した制御関数の第1係数p1の値、及び第2係数p2の値の各々を、係数算出部123が算出した第1係数p1の値、及び第2係数p2の値に更新する。
続いて、指令値算出部124は、係数の値を更新した制御関数に、目標操舵角θref及び実操舵角θhを代入し、指令値uを算出する(ステップS5)。例えば、指令値算出部124は、現時点の目標操舵角θref及び実操舵角θhを、係数の値を更新した制御関数に代入し、現時点の次の時点の指令値uを算出する。そして、出力部125は、指令値算出部124が算出した指令値uをパワーステアリング2に出力する(ステップS6)。パワーステアリング制御装置1は、車両が走行している間、ステップS1からステップS6までの処理を繰り返し実行する。
(変形例1)
以上の説明において、指令値算出部124は、式(8)に示した制御関数を用いて指令値uを算出したが、これに限定しない。例えば、PID(Proportional-Integral-Differential)制御を用いて指令値uを算出してもよい。PID制御を用いて指令値uを算出する場合、係数算出部123は、PID制御の積分ゲイン、比例ゲイン、及び微分ゲインの値を複数の係数として算出する。そして、指令値算出部124は、PID制御の制御関数の複数の係数の値を、係数算出部123が算出した複数の係数の値に更新し、係数の値を更新したPID制御の制御関数を用いて指令値uを算出する。
以上の説明において、指令値算出部124は、式(8)に示した制御関数を用いて指令値uを算出したが、これに限定しない。例えば、PID(Proportional-Integral-Differential)制御を用いて指令値uを算出してもよい。PID制御を用いて指令値uを算出する場合、係数算出部123は、PID制御の積分ゲイン、比例ゲイン、及び微分ゲインの値を複数の係数として算出する。そして、指令値算出部124は、PID制御の制御関数の複数の係数の値を、係数算出部123が算出した複数の係数の値に更新し、係数の値を更新したPID制御の制御関数を用いて指令値uを算出する。
(変形例2)
以上の説明において、係数算出部123は、評価関数Jを最小化する複数の係数を算出した。これに限らず、係数算出部123は、評価関数Jに替えて、リアプノフ関数を用いて複数の係数を算出してもよい。具体的には、係数算出部123は、リアプノフ関数を最小化する複数の係数を算出する。
以上の説明において、係数算出部123は、評価関数Jを最小化する複数の係数を算出した。これに限らず、係数算出部123は、評価関数Jに替えて、リアプノフ関数を用いて複数の係数を算出してもよい。具体的には、係数算出部123は、リアプノフ関数を最小化する複数の係数を算出する。
[実施の形態に係るパワーステアリング制御装置1の効果]
以上説明したとおり、パワーステアリング制御装置1は、走行する車両の目標操舵角θrefと、車両の実操舵角θhとを順次取得する。次に、パワーステアリング制御装置1は、パワーステアリング2のモータ21の駆動を制御する指令値uに対する操舵角θhが、実現したい所望特性を示すように設定された規範モデルに、取得した目標操舵角θrefを代入して規範操舵角θmを算出する。続いて、パワーステアリング制御装置1は、算出した規範操舵角θmと、取得した実操舵角θhとの差を変数とする評価関数を最小化する複数の係数の値を算出する。続いて、パワーステアリング制御装置1は、複数の係数を含むと共に目標操舵角θref及び実操舵角θhを変数とする制御関数の複数の係数を、算出した複数の係数の値に更新する。そして、パワーステアリング制御装置1は、制御関数に取得した実操舵角及び目標操舵角を代入して、モータ21の駆動を制御する指令値uを算出し、算出した指令値uをパワーステアリングに出力する。
以上説明したとおり、パワーステアリング制御装置1は、走行する車両の目標操舵角θrefと、車両の実操舵角θhとを順次取得する。次に、パワーステアリング制御装置1は、パワーステアリング2のモータ21の駆動を制御する指令値uに対する操舵角θhが、実現したい所望特性を示すように設定された規範モデルに、取得した目標操舵角θrefを代入して規範操舵角θmを算出する。続いて、パワーステアリング制御装置1は、算出した規範操舵角θmと、取得した実操舵角θhとの差を変数とする評価関数を最小化する複数の係数の値を算出する。続いて、パワーステアリング制御装置1は、複数の係数を含むと共に目標操舵角θref及び実操舵角θhを変数とする制御関数の複数の係数を、算出した複数の係数の値に更新する。そして、パワーステアリング制御装置1は、制御関数に取得した実操舵角及び目標操舵角を代入して、モータ21の駆動を制御する指令値uを算出し、算出した指令値uをパワーステアリングに出力する。
このように、パワーステアリング制御装置1は、目標操舵角θref及び実操舵角θhを変数とし指令値uを算出する制御関数の複数の係数を、評価関数Jを用いて規範操舵角θmと実操舵角θhの差を小さくする係数に更新できる。その結果、パワーステアリング制御装置1は、目標操舵角θrefと実操舵角θhと差を、所定時間Tが経過するまでに許容できる範囲A内に収束させられるので、実際の操舵角θhと目標操舵角θrefとの差が大きくなることを抑制できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
1 パワーステアリング制御装置
11 記憶部
12 制御部
121 角度取得部
122 規範操舵角算出部
123 係数算出部
124 指令値算出部
125 出力部
2 パワーステアリング
21 モータ
22 アクチュエータ
3 ステアリングホイール
4 車輪
11 記憶部
12 制御部
121 角度取得部
122 規範操舵角算出部
123 係数算出部
124 指令値算出部
125 出力部
2 パワーステアリング
21 モータ
22 アクチュエータ
3 ステアリングホイール
4 車輪
Claims (4)
- 走行する車両の目標操舵角と、前記車両の実操舵角とを順次取得する角度取得部と、
パワーステアリングのモータの駆動を制御する指令値に対する操舵角が、所定の応答特性を示すように設定された規範モデルに、前記角度取得部が取得した前記目標操舵角を代入して算出した規範操舵角と、前記角度取得部が取得した前記実操舵角との差を変数とする評価関数を最小化する複数の係数の値を算出する係数算出部と、
前記複数の係数を含むと共に前記目標操舵角及び前記実操舵角を変数とし、前記モータの駆動を制御する前記指令値を算出するための制御関数の前記複数の係数を、前記係数算出部が算出した前記複数の係数の値に更新し、前記角度取得部が取得した前記実操舵角及び前記目標操舵角を前記制御関数に代入して、前記指令値を算出する指令値算出部と、
前記指令値算出部が算出した前記指令値を前記パワーステアリングに出力する出力部と、
を備えるパワーステアリング制御装置。 - 前記係数算出部は、前記角度取得部が前記目標操舵角と前記実操舵角とを取得する毎に、前記評価関数を最小化する前記複数の係数の値を算出し、
前記指令値算出部は、前記係数算出部が前記複数の係数の値を算出する毎に、前記制御関数の前記複数の係数を、前記係数算出部が算出した前記複数の係数の値に更新する、
請求項1に記載のパワーステアリング制御装置。 - 前記評価関数は、第1係数と、第2係数とを含み、
前記係数算出部は、前記評価関数を最小化する前記第1係数の値及び前記第2係数の値を算出し、
前記指令値算出部は、前記実操舵角に前記第1係数の値を乗算した値と、前記目標操舵角に前記第2係数の値を乗算した値との和を前記指令値として算出する、
請求項1又は2に記載のパワーステアリング制御装置。 - 前記角度取得部は、前記目標操舵角及び前記実操舵角を、所定の時間間隔で順次取得し、
前記係数算出部は、前記角度取得部が現時点で取得した前記目標操舵角を前記規範モデルに代入して算出した前記規範操舵角と、前記角度取得部が前記現時点で取得した前記実操舵角との差を変数とする前記評価関数を最小化する前記複数の係数の値を算出し、
前記指令値算出部は、前記制御関数の前記複数の係数を、前記係数算出部が算出した前記複数の係数の値に更新し、前記角度取得部が前記現時点で取得した前記実操舵角及び前記目標操舵角を前記制御関数に代入して、前記角度取得部が前記現時点の次に前記目標操舵角及び前記実操舵角を取得する時点における前記指令値を算出する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のパワーステアリング制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2020137521A JP2022033555A (ja) | 2020-08-17 | 2020-08-17 | パワーステアリング制御装置 |
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Family Applications (1)
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-
2020
- 2020-08-17 JP JP2020137521A patent/JP2022033555A/ja active Pending
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