JP2022032582A - 温熱治療方法とその装置 - Google Patents

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【課題】温熱治療に於ける患者の皮膚温度に着目し、低温火傷を発生させない温熱治療器である。【解決手段】温熱治療器はカーボンランプヒータ1、温度センサ30、PLC10、操作部8とで構成されている。PLC10は、演算部11aとメモリー11bと有するCPU11と、入力部18と、電圧調整モジュール16とを含む。メモリー11bは、カーボンランプヒータ1の加熱による皮膚温度の上昇速度、皮膚温度の最高温度、最高温度に達した時の高印加電圧の保持時間、保持時間経過後の印加電圧の降下速度、降下した低印加電圧の保持時間、印加電圧の昇降及び保持の手順とその回数とが記憶されている。演算部11aは、温度センサ30からのデジタル信号を受けて、カーボンランプヒータ1の加熱による皮膚温度の上昇速度を予め設定された上昇速度に合致するようにカーボンランプヒータ1への印加電圧を演算して電圧調整モジュール16に出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、患部の皮膚温度を測定しつつ温熱素子であるカーボンランプヒータへの印加電圧を制御して患部の加熱・放熱、更にはその繰り返しによって該患部に刺激を与え、効果的な温熱治療を行う温熱治療方法と、該方法を実行する装置に関する。
温熱式電気治療器として過去、様々なものが提案されている。例えば、低温火傷を生じさせず安全で、省電力に優れ、使い勝手のよい温熱式電気治療器として、特許文献1に記載の発明がある。
上記特許文献1の温熱式電気治療器は一対のヒータ付電極を備え、このヒータ付電極を患部に並べて貼り付け、該電極に低周波治療電流を通電すると共にヒータに通電して低周波治療と温熱治療とを同時に行う装置である。ヒータへの通電時間を少なくとも電極への低周波パルスの通電時間よりも短くするタイマを設け、ヒータ制御回路は時間の経過と共にヒータの温度が下がっていくように制御している。これにより低温火傷が防止できるとしている。
特許文献2は温熱式電気治療器の温熱素子として、ペルチェ素子を使用する例が示されている。温熱治療は、患部に接触している面が発熱する方向の電流をペルチェ素子に流して急速加熱を行い、続いて加熱温度を一定時間保持する保温を行い、次に、逆極性の電流を流すことにより、患部に接する面を冷却面とし、急速冷却にて患部を一定の温度まで冷やすということを繰り返す治療法が開示されている。またその際、パルス通電のパルス幅、つまりデューティを変化させることも開示されている。
特開平5-277194号公報 2004-173750号公報
処で「低温火傷」は、カイロや湯たんぽなど、体温より少し高めの温度のものに長時間接触し続けることによって起きる火傷で、症状が見た目には分かりにくかったり痛みを感じにくいことがあるので、軽症と勘違いしてしまいがちであるが、ひどい場合(3度)には皮膚が壊死してしまい、治療に数週間を要する場合がある。
低温火傷になりやすい人としては、体の感覚が鈍くなっている高齢者や皮膚の薄い人、寝返りができないような運動能力に麻痺がある人、糖尿病などで血液循環が悪い人などが挙げられる。また、足は他の部位に比べて知覚が鈍く、皮膚のすぐ下に骨があることから血管が圧迫されやすく、身体が熱を分散しにくいので低温火傷になりやすい部位である。
しかしいずれの装置も電極に付属したヒータやペルチェ素子による患部の温熱方法を開示しているだけで、温熱治療における患部の皮膚温度の変化とその影響については着目していない。患部の状態は上記のように患者によってそれぞれ異なる。
本発明は、温熱治療に於ける患者の反応の違いや患者の皮膚温度に着目し、低温火傷を発生させないだけでなく、温熱治療時に苦痛(熱いと)も感じさせず、快適に温熱治療を受けることができる温熱治療方法とその装置を提供することをその課題とする。
本発明の第1の方法(図3(A)(A’)で示す実線:通常の温熱治療モード)は、
患部60の皮膚温度を測定すると共に、カーボンランプヒータ1に通電して前記患部60を加熱する温熱治療方法であって、
前記皮膚温度の上昇速度を予め設定された上昇速度に合致するように皮膚温度の測定データをパラメータとして前記カーボンランプヒータ1への印加電圧をフィードバック制御し(ステップ1)、
測定された前記皮膚温度が設定温度に達すると、前記皮膚温度の測定データを電圧パラメータとして予め設定された保持時間だけ前記印加電圧を高電圧に保持し(ステップ2)、
予め設定された保持時間が経過すると、予め設定された低電圧まで前記印加電圧を降下させ(ステップ3)、
続いて、前記印加電圧を予め設定された低電圧に予め設定された保持時間だけ保持する(ステップ4)、
という操作を予め設定された回数だけ繰り返すことを特徴とする温熱治療方法である。
本発明の第2の方法(図3(B)(B’)で示す破線:灸治療モード)は、
患部60の皮膚温度を測定すると共に、カーボンランプヒータ1に通電して前記患部60を加熱する温熱治療方法であって、
前記皮膚温度の上昇速度を予め設定された上昇速度に合致するように皮膚温度の測定データをパラメータとして前記カーボンランプヒータ1への印加電圧をフィードバック制御し(ステップ1’)、
測定された前記皮膚温度が設定温度に達すると、予め設定された低電圧に直ちに前記印加電圧を降下させ(ステップ2’)、
続いて、前記印加電圧を予め設定された低電圧に予め設定された保持時間だけ保持する(ステップ3’)、
という操作を予め設定された回数だけ繰り返すことを特徴とする温熱治療方法である。
本発明方法では、高電圧での設定温度とその保持時間(零時間も含む)とを低温火傷を回避できる設定値とすることで、確実に低温火傷を回避しつつ快適な温熱治療を行うことができる。また、前記設定値と合わせてこの操作回数を1乃至複数回とすることで、患者の体質に合った適切な温熱治療(灸治療も含む)を患部60に施すことができる。印加電圧の降下については、保持時間の経過と共に設定された降下速度に合致するように患部60の測定温度の降下速度に合わせてフィードバック制御するようにしてもよいし、或いは前記設定値の到達直後に印加電圧を直ちに零まで落としてもよい。なお、ステップ1~ステップ4(又はステップ1’~ステップ3’)までの操作回数を複数回繰り返す場合、その繰り返し回数は、印加電圧が高電圧に保持された保持時間の累計が低温火傷を発症しない範囲(例えば、45℃の場合は6時間以下、70℃の場合は1秒以下)に設定される。上記設定は皮膚温度の測定データをパラメータとする。
前記温熱治療方法は、前記皮膚温度に対する高温加熱時の設定温度と、前記高温加熱時の設定温度の保持時間の少なくとも一方を可変とすることを特徴とする。皮膚の弱い患者や熱に敏感な患者については、前記温度設定を低くしたり、保持時間を短くすることで患者に合わせた温熱治療を行うことができる。
前記温熱治療方法は、前記カーボンランプヒータ1への印加電圧の昇圧を、設定温度直前で急上昇させることを特徴とする。これにより、患部60の皮膚温度は設定温度直前から急上昇し、あたかも「灸」と同じような刺激効果が患部60に与えられる。
本発明装置は、
患部60を加熱するカーボンランプヒータ1と、
前記患部60の皮膚温度を測定し、前記測定値をデジタル信号として出力する温度センサ30と、
前記カーボンランプヒータ1への印加電圧を制御するプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)10と、
前記PLC10を操作する操作部8とで構成され、
前記PLC10は、演算部11aとメモリー11bと有する中央演算処理装置(CPU)11と、温度センサ30からの前記患部60の測定温度をデジタル信号として前記演算部11aに出力する入力部18と、前記カーボンランプヒータ1への印加電圧を調整する電圧調整モジュール16とを含み、
前記メモリー11bには、前記カーボンランプヒータ1の加熱による前記皮膚温度の上昇速度と、前記皮膚温度の最高温度と、前記最高温度に達した時の高電圧の印加電圧の保持時間と、前記保持時間の経過後の前記印加電圧の降下速度と、降下した低電圧の印加電圧の保持時間と、前記印加電圧の昇降及び保持の手順と、前記昇降と保持の回数とが記憶されており、
前記演算部11aは、前記温度センサ30からの前記デジタル信号を受けて、前記カーボンランプヒータ1の加熱による前記皮膚温度の上昇速度を予め設定された前記上昇速度に合致するように前記カーボンランプヒータ1への印加電圧を演算して前記電圧調整モジュール16に出力するようになっていることを特徴とする温熱治療器である。
上記本発明装置において、演算部11aは、温度センサ30からのデジタル信号を受けて、皮膚温度の最高温度を越えないようにカーボンランプヒータ1への印加電圧を演算して電圧調整モジュール16に出力する機能を更に具備することを特徴とする。
本発明によれば、患部60の皮膚温度を測定しつつ温熱治療器のカーボンランプヒータ1の印加電圧とその保持時間をフィードバック制御するので、温熱治療の際に発生しやすい低温火傷を確実に防止しつつ患部60の温熱治療を施すことが出来るようになった。
本発明の第1実施形態である温熱式電気治療器の回路構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態である温熱式電気治療器の回路構成を示すブロック図である。 本発明における印加電圧と皮膚温度の変化の対応図である。
以下、実施の形態により本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態、図2は本発明の第2実施形態である温熱式電気治療器の回路構成を示すブロック図である。
この温熱式電気治療器は、主としてカーボンランプヒータ1、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)10、非接触型の温度センサ30、これらを収納するケーシング5、及びタッチパネル9を装備した操作部8とを含む。
PLC10は、CPU(中央演算処理装置)11を利用した制御装置で、操作部8を利用して制御内容(カーボンランプヒータ1の印加電圧のフィードバック制御)をプログラムによって表現し、これを実行することによりシーケンス制御を行う装置である。PLC10は、演算部11aとメモリー11bとを含むCPU11、商用電源50に接続され、CPU11に定電圧(例えば、12V又は24V)の直流電流を供給する電源回路14、CPU11からの指令でカーボンランプヒータ1に指令された印加電圧で加熱電流を供給する電圧調整モジュール16、温度センサ30からの出力をCPU11に伝える入力部18とを含む。
ここで、電圧調整モジュール16は、100Vの商用電源50から交流電流の供給を受ける場合(図1;第1実施形態)と、電源回路14から定電圧(例えば、12Vや24V)の電流を受ける場合(図2;第2実施形態)とがある。いずれの場合でも電圧調整モジュール16から出力される印加電圧は温度センサ30からの出力をパラメータとした変圧された電圧であるので、技術的には等価である。
CPU11の演算部11aは、センシングした皮膚温度のデジタルデータを電圧パラメータ(外部変数)としてカーボンランプヒータ1に印加する電圧印加条件を演算し、電圧調整モジュール16に出力するものである。換言すれば、演算部11aは予めメモリー11bに記憶されているプログラムに応答して温熱治療のための種々の処理制御、即ち、温度センサ30からの出力をパラメータとして演算されたCPU11からの出力でカーボンランプヒータ1への印加電圧をフィードバック制御する。
例えば、患者によって皮膚表面温度が微妙に異なる。また、患者によって温熱治療において、患部60の上昇速度も異なる。これらの違いを設定された温熱治療条件(通常の温熱治療モード又は灸治療モード)に合致するように皮膚温度のデジタルデータを電圧パラメータ(外部変数)として利用することになる。
メモリー11bは、CPU11の演算部11aで演算を実行するプログラムとその実行手順とを記憶している。即ち、温度センサ30からの皮膚温度のデジタル信号を電圧パラメータとする、以下に示すカーボンランプヒータ1への動作頻度(通電回数)、カーボンランプヒータ1に印加する電圧の上昇速度、カーボンランプヒータ1に印加する高電圧とその保持時間、カーボンランプヒータ1に印加する電圧の降下速度、カーボンランプヒータ1に対する低電圧とその保持時間など、カーボンランプヒータ1への電圧印加条件とその手順を記憶している。
入力部18は、温度センサ30からの皮膚温度データをデジタル信号化して演算部11aに出力するものである。
温度センサ30は、例えば、サーマルカメラを採用することができる。サーマルカメラは患者の皮膚表面から放射される赤外線の強さを検知し、強ければ(温度が高ければ)赤く表示し、弱ければ(温度が低ければ)青く表示して、赤外線の強さを色によって表示させる仕組みになっており、患部60の皮膚の表面温度を計測し、これをリアルタイムでPLC10の入力部18に出力するようになっている。なお、入力部18は温度センサ30と一体となっていてもよい。
温度センサ30は、ケーシング5の前面板6に配置されている。カーボンランプヒータ1が照射する患部60からの最大赤外線エネルギーを取得できるように複数配置されたカーボンランプヒータ1の間の中央部分、換言すれば患部60の中央に対応する位置に設置されている。
タッチパネル9は、外部からCPU11のメモリー11bに記憶されている設定値の入力やその変更(例えば、通常の温熱治療モードと灸治療モードとの切り替え))、装置のオン・オフを行うもので、操作部8に装備されている。
カーボンランプヒータ1は、両端が封止され内部が真空となった或いは不活性ガスが充填された石英ガラス管2と、カーボン繊維の不織布が紐状に形成され、石英ガラス管2内に収納されている発熱体3と、石英ガラス管2の両端の封止部を貫通して発熱体3に接続されている通電部4とで構成されている。カーボンランプヒータ1の外形は棒状或いはリング状で、棒状の場合は複数のカーボンランプヒータ1が面状に並列配置され、リング状の場合は、複数のカーボンランプヒータ1が同心円状にて面状に配置され、並列接続されている。
この面状に配置された複数のカーボンランプヒータ1は、ケーシング5の前面に配置され、ハンチングメタル状に多数の孔が形成された、或いは網状の前面板6の背後に配置されている。
このカーボンランプヒータ1の熱源温度は最高で1,200~2,000℃位の高温で、カーボンランプヒータ1から放射される主たる赤外線の波長は1.5μm~1.8μmで、水の吸収波長である1.9μmに近い。カーボンランプヒータ1から放射されるこの光線は主に中遠赤外線である。この波長の中遠赤外線は生命光線と呼ばれ、カーボンランプヒータ1から放射される光線の全体波長の80%以上を占める。
赤外線は太陽光の中で、皮膚及び皮下組織に一番深く浸透する輻射光である。その内の中遠赤外線は人体内の細胞分子の振動頻率(振動数)に近いため、中遠赤外線が人体内に浸透した後、人体細胞の原子と分子の共振を引き起こす。そしてその共鳴作用により分子間の摩擦によって熱を生じ、皮膚及び皮下組織に熱反応を生成する。
皮膚深層まで温度を上昇させると毛細血管が拡張し、血液循環が加速され、血管内の老廃物及び有害物質を取り除く点で有利になり、新陳代謝を妨害する障害物が取り除かれ再びに組織を復活させ、更には体内の酵素の生成を促進させ、組織細胞の活性化と老化の防止、免疫システムの強化を成し遂げる。
中遠赤外線は血液の循環障害により引き起こされる多く病気に対して、すべての改善と予防の作用を持つ。長期間、関節炎或いはリューマチ類の病気に困惑されている患者に対して、常に使うと症状が明らかに軽減また緩和される。
次に、低温火傷回避のための電圧パラメータとして使用される温度センサ30からの皮膚温度のデジタル信号と、カーボンランプヒータ1への動作頻度(通電頻度)、カーボンランプヒータ1に印加する電圧の上昇速度、カーボンランプヒータ1に印加する高電圧とその保持時間、カーボンランプヒータ1に印加する電圧の降下速度、カーボンランプヒータ1に対する低電圧とその保持時間など、カーボンランプヒータ1への電圧印加条件との関係を説明する。
基本的に人が火傷する温度は45℃だと言われている。皮膚が弱い人や子供の場合には42℃から症状が出る場合がある。瞬間的に皮膚が損傷を受ける温度はおよそ70℃である。45℃の場合には長時間(約6時間)触れていなければ症状は起こらないが、70℃の場合には1秒で皮膚の損傷が始まる。水が沸騰する100℃では一瞬触れただけで皮膚の表面が損傷し、130℃で皮膚の内部まで損傷を受ける。低温火傷の発症は45℃で6時間であるが、50℃、60℃と温度が高くなればなるほど、低温火傷の罹患時間が短縮する。
以上から、本発明では、42℃以下での通常の温熱治療の場合は、安全性を確保するため皮膚温度が42℃を超えた場合、装置が緊急停止し又はアラームを鳴らすようになっている。この場合の印加電圧と皮膚温度の変化を図3(A、A’)で示す。
なお、皮膚が弱い人や子供の場合には最高温度を42℃以下とし、好みの設定数値をタッチパネル9から入力する。
いくつかの温熱治療の中で、例えば灸のように、皮下組織を高温で炙ることが求められることがある。この場合、皮膚表面温度は60~80℃である。そこで、この場合の温熱治療(灸治療モード)では、例えば、最高温度近くまでは印加電圧を低く抑えてゆっくりと温め、最高温度直前で印加電圧を急上昇させて急にヒータ温度を高め、最高温度に達するとその瞬間で通電をやめるというように皮膚表面の温度の昇温速度に変化をつけることも求められている。この場合の印加電圧と皮膚温度の変化を図3(B、B’)で示す。
但し、温熱治療において、70℃の高温で1秒以上の長時間、患部の皮膚を炙ると皮膚が熱傷を発する。また、高温に堪える限度は人によって違いがあることを注意しなければならない。従ってこの場合、最高温度に達するとその瞬間で通電をやめると共に皮膚温度70℃(好ましくは60℃)を超える時間を1秒以下に抑えることになる。
このような皮膚表面の温度調整は、PLC10を通して、印加電圧の電圧調整モジュール16をフィードバック制御によってカーボンランプヒータ1への印加電圧を調整することで実行される。
次に、この温熱式電気治療器において、温熱治療を行う場合のヒータ制御について、図3を参照して説明する。図3は本発明の定性的なヒータ制御である。A、A’で示す実線は通常の温熱治療の場合で、B、B’で示す破線は灸治療の場合である。
(A、A’実線で示す通常の温熱治療の場合)
ステップ1:患者が本発明の温熱式電気治療器の前に座り、間隔を明けて患部60をケーシング5の前面板6に向ける。この状態でタッチパネル9のスイッチをオンにすると、CPU11が温度センサ30を作動させ、患部60の皮膚表面の温度を測定する。患部60の皮膚表面の温度(プリセット温度)は入力部18を介して温度センサ30からデジタル信号としてCPU11に出力される。温熱治療の最初の段階では、患部60の皮膚表面温度は患者の体温である。上記デジタル信号はプリセット温度(体温に一致)としてメモリー11bに記憶される。
続いてCPU11がメモリー11bから演算に必要な数値を取り出し、温度センサ30からのデジタル信号を電圧パラメータとして使用し、電圧調整モジュール16を介してカーボンランプヒータ1に加熱電流を流す。この段階では、CPU11は設定された電圧上昇速度(実線A)に従って、且つ温度センサ30で皮膚表面温度を測定しつつこの皮膚表面温度の測定データをパラメータとして電圧調整モジュール16をフィードバック制御し、カーボンランプヒータ1への印加電圧が低電圧(例えば、0V)から高電圧(例えば、110V)に上昇させる。
ステップ2:CPU11は、温度センサ30で測定された皮膚表面温度が第1設定温度(42℃)で設定時間保たれるように、皮膚表面温度の測定データをパラメータとして印加電圧をフィードバック制御する。なお、この設定時間を零とし、図示していないが、皮膚表面温度が第1設定温度に達した直後に印加電圧を下げるようにしてもよい。
ステップ3:CPU11は設定電圧降下速度(或いは時間)に従って電圧調整モジュール16を制御して、印加電圧が高電圧から低電圧まで降下させる。
ステップ4:CPU11は設定された低電圧(例えば、0V)の保持時間だけ、低電圧を維持する。この間、患部60は放熱して温度が下がるが、血流が高まっているため最初の体温までは戻らない。
設定された低電圧保持時間が経過すると設定された動作頻度(作動回数)に従ってステップ1~ステップ4を繰り返す。作動回数が1であればそのまま終了する。作動回数が複数の場合、患部60の温度は次第に高くなるので通電時間は次第に短くなる。
また、皮膚の弱い患者や熱さに弱い患者は、第1設定温度をより低く(例えば、40℃)できるようにしてもよい。
なお、温熱治療中の印加電圧は、タッチパネル9にリアルタイムで表示される。
上記ステップ1において、タッチパネル9のスイッチをオンにすると、図示しない「選択モード画面」が表示され、患者に好みの治療モードを選択させるものにしてもよい。例えば、患者が「灸治療モード」を選択すれば、図3のBで示す破線のように印加電圧をフィードバック制御して低電圧領域ではゆっくりと昇温するようにし、高電圧付近で急上昇させることになる(ステップ1’)。この場合、皮膚温度が第2設定温度である60~80℃の高温に達するため、温度センサ30が第2設定温度に達すると直ちに印加電圧を零ボルトに落とし、加熱電流の供給を遮断する(ステップ2’)なお、この場合は皮膚温度が70℃(安全を考えると60℃)を越える時間が1秒以下になるようにすることが必要である。
その後、低電圧を設定保持時間だけ維持する(ステップ3’)。
なお、高電圧保持時間や低電圧保持時間も患者の好みに合わせて変更できるようにしてもよい。これらはタッチパネル9からの入力でメモリー11bの記憶値を変更することによっておこなわれる。
1:カーボンランプヒータ、2:石英ガラス管、3:発熱体、4:通電部、5:ケーシング、6:前面板、8:操作部、9:タッチパネル、10:プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、11:中央演算処理装置(CPU)、11a:演算部、11b:メモリー、14:電源回路、16:電圧調整モジュール、18:入力部、30:非接触型温度センサ、50:商用電源、60:患部

Claims (6)

  1. 患部の皮膚温度を測定すると共に、カーボンランプヒータに通電して前記患部を加熱する温熱治療方法において、
    前記皮膚温度の上昇速度を予め設定された上昇速度に合致するように皮膚温度の測定データをパラメータとして前記カーボンランプヒータへの印加電圧をフィードバック制御し(ステップ1)、
    測定された前記皮膚温度が設定温度に達すると、予め設定された保持時間だけ前記印加電圧を高電圧に保持し(ステップ2)、
    予め設定された保持時間が経過すると、前記印加電圧を低電圧に降下させ(ステップ3)、
    続いて、前記印加電圧を予め設定された低電圧に予め設定された保持時間だけ保持する(ステップ4)、
    という操作を予め設定された回数だけ繰り返すことを特徴とする温熱治療方法。
  2. 患部の皮膚温度を測定すると共に、カーボンランプヒータに通電して前記患部を加熱する温熱治療方法において、
    前記皮膚温度の上昇速度を予め設定された上昇速度に合致するように皮膚温度の測定データをパラメータとして前記カーボンランプヒータ1への印加電圧をフィードバック制御し(ステップ1’)、
    測定された前記皮膚温度が設定温度に達すると、直ちに前記印加電圧を低電圧に降下させ(ステップ2’)、
    続いて、前記印加電圧を予め設定された低電圧に予め設定された保持時間だけ保持する(ステップ3’)、
    という操作を予め設定された回数だけ繰り返すことを特徴とする温熱治療方法。
  3. 皮膚温度に対する高温加熱時の設定温度と、前記高温加熱時の設定温度の保持時間の少なくとも一方を可変とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の温熱治療方法。
  4. カーボンランプヒータへの印加電圧の昇圧を、設定温度直前で急上昇させることを特徴とする請求項2又は3に記載の温熱治療方法。
  5. 患部を加熱するカーボンランプヒータと、
    前記患部の皮膚温度を測定し、前記測定値をデジタル信号として出力する温度センサと、
    前記カーボンランプヒータへの印加電圧を制御するプログラマブル・ロジック・コントローラと、
    前記プログラマブル・ロジック・コントローラに設定数値を入力する操作部とで構成された温熱治療器において、
    前記プログラマブル・ロジック・コントローラは、演算部とメモリーと有する中央演算処理装置と、温度センサからの前記患部の測定温度をデジタル信号として前記演算部に出力する入力部と、前記カーボンランプヒータへの印加電圧を調整する電圧調整モジュールとを含み、
    前記メモリーには、前記カーボンランプヒータの加熱による前記皮膚温度の上昇速度と、前記皮膚温度の最高温度と、前記最高温度に達した時の高電圧の印加電圧の保持時間と、前記保持時間の経過後の前記印加電圧の降下速度と、降下した低電圧の印加電圧の保持時間と、前記印加電圧の昇降及び保持の手順と、前記昇降と保持の回数とが記憶されており、
    前記演算部は、前記温度センサからの前記デジタル信号を受けて、前記カーボンランプヒータの加熱による前記皮膚温度の上昇速度を予め設定された前記上昇速度に合致するように前記カーボンランプヒータへの印加電圧を演算して前記電圧調整モジュールに出力するようになっていることを特徴とする温熱治療器。
  6. 演算部は、温度センサからのデジタル信号を受けて、皮膚温度の最高温度を越えないようにカーボンランプヒータへの印加電圧を演算して電圧調整モジュールに出力する機能を更に具備することを特徴とする請求項5に記載の温熱治療器。

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