JP2022030560A - 有機フッ素化合物原位置浄化システム、及び有機フッ素化合物原位置浄化方法 - Google Patents

有機フッ素化合物原位置浄化システム、及び有機フッ素化合物原位置浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本願発明の課題は、従来が抱える問題を解決することであり、すなわちPFOSやPFOAといった有機フッ素化合物に汚染された土壌や地下水を浄化することができる原位置浄化システムと、これを用いた浄化方法を提供することである。【解決手段】本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムは、有機フッ素化合物に汚染された土壌を現位置で浄化するシステムであり、土壌加温装置と分解処理装置を備えたものである。このうち土壌加温装置は、土壌内に構築された3以上の電極井戸に印加して土壌に電流を流すことで土壌を加温する装置である。また分解処理装置は、地上に設置する可搬型であって、汚染水蒸気を冷却した汚染水にオゾンガスを吹き込むとともに紫外線を照射することで有機フッ素化合物を分解する装置である。【選択図】図1

Description

本願発明は、汚染された土壌や地下水を原位置で浄化する技術に関するものであり、より具体的には、パーフルオロオクタンスルホン酸やパーフルオロオクタン酸といった有機フッ素化合物(PFCs)によって汚染された土壌や地下水を、土壌加温技術である電気発熱法と物理的回収及び化学分解を活用して浄化する技術に関するものである。
有機フッ素化合物は、撥水性や撥油性、化学的安定性といった特性を有することから、撥水剤や表面処理剤、乳化剤、消火剤、殺虫剤、調理用器具のコーティング剤など様々な用途で利用されてきた。しかしながら有機フッ素化合物は、その特性が故に自然界ではほとんど分解されることがなく、環境残留性や生態蓄積性といった点が問題視されてきた。特に炭素数が8であるパーフルオロオクタンスルホン酸(以下、「PFOS」という。)とパーフルオロオクタン酸(以下、「PFOA」という。)は、顕著な残留性や蓄積性、毒性を示すことが明らかにされ、人や生物への有害性が懸念されている。
そこでPFOS及びその塩は、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の第4回締約国会議(2009年)において、附属書B(製造、使用、輸出入を制限すべき物質)への追加掲載が決定された。これを受け、我が国でも化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(いわゆる「化審法」)の第一種特定化学物質に指定されるとともに、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)の第一種指定化学物質に指定され、原則としてPFOS及びその塩の製造、輸入、使用等が禁止されている。
一方、PFOA及びその関連物質は、POPs条約の第9回締約国会議(2019年)において、附属書A(製造、使用、輸出入を禁止すべき物質)への追加掲載が決定し、日本では化審法の第二種監視化学物質に指定されている。
PFOSやPFOAは環境下ではほとんど分解されないため、例えば製造工場から漏出したこれらの物質が環境中に永く残存する結果、河川や地下水を汚染することもある。そして、その河川等を水源とする水道水を長期に亘って飲んだ人は、腎臓がんや甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎などを発症しやすいという報告もされている。そのため上水道の分野では、PFOSやPFOAに着目した水質管理を行う動きがあり、現時点では世界保健機関(WHO)においてPFOSやPFOAの飲料水に関する目標値やガイドライン値などは設定されていないものの、欧米ではそれぞれ独自の目標値を設定している。我が国でも、厚生労働省が開催した「令和元年度第2回水質基準逐次改正検討会」において、PFOS及びPFOAの水道水質に係る暫定目標値について合算で50ng/Lとすることが合意され、2020年4月1日から適用することが示された。
このように上水道の分野では、PFOSやPFOAに対する取り組みが進められているが、土壌や地下水汚染の分野ではまだ目立った取り組みがなされていないのが現状であり、の調査方法や浄化方法は確立されていない。しかしながら、沖縄県において泡消火剤に含まれるPFOSによる土壌汚染が問題視されるなど、今後は土壌や地下水汚染の分野においてもPFOSやPFOAに対する浄化が注目されることは容易に予想することができる。
ところで、土壌や地下水を原位置で汚染浄化する一般的な手法としては、物理的手法と化学的手法、生物学的手法が挙げられる。ところがPFOSやPFOAといった有機フッ素化合物に汚染されたケースでは、その物質特性からこれらいずれも有効な手法とはなり得ない。例えば、物理的方法ではガス吸引や揚水等によって、土壌ガス中や地下水中に含まれる有機フッ素化合物を回収することになるが、有機フッ素化合物は揮発性が低いためガス吸引ではその回収が難しく、また水への溶解度も小さいことから揚水の効果は限定的である。特に、土壌の細孔部にPFOSやPFOAが浸透している場合、常温におけるその移動性は非常に小さいため、揚水による回収はさらに期待できない。
化学的手法では薬剤等を用いて有機フッ素化合物を分解することになるが、有機フッ素化合物は化学的に安定な物質であり環境中ではほとんど分解しないため、その分解には促進酸化法が必要となる。このため、水処理の分野(上水道の分野)では「オゾン+過酸化水素」による分解の実績はあるものの、地中に高濃度のオゾンを供給することが技術的に困難であること、オゾン自体が有害であること、など土壌や地下水の原位置浄化にオゾンを適用するにあたっては課題が多い。
生物学的手法では微生物等の働きを利用して有機フッ素化合物を分解することになるが、有機フッ素化合物は生物学的にも安定であり、好気的にも嫌気的にも微生物分解を受けにくく、水処理の分野でもその実績はない。同様に、土壌や地下水の原位置浄化においても、生物処理の適用は現実的ではない。
物理的手法や化学的手法、生物学的手法を単独で行うと効果的な汚染浄化ができない場合、これらを組み合わせた汚染浄化手法が有効な解決手段となることもある。例えば特許文献1では、昇温した土壌等に過硫酸塩を注入することによって1,4-ジオキサンを分解する浄化技術について提案している。
特開2018-34086号公報
特許文献1に開示される技術は、電気発熱法を利用することとしており、そのため効率的に土壌温度を所定温度(例えば40~90℃)に昇温することができ、しかも安定的にその所定温度を維持することができる。その結果、注入された過硫酸塩によって1,4-ジオキサンを効果的に分解することができるわけである。しかしながら特許文献1に開示される技術は、1,4-ジオキサンを分解する技術であって、1,4-ジオキサンとはその物理的や化学的特性が全く異なる有機フッ素化合物に汚染された土壌や地下水を浄化するものではない。
本願発明の課題は、従来が抱える問題を解決することであり、すなわちPFOSやPFOAといった有機フッ素化合物に汚染された土壌や地下水を浄化することができる原位置浄化システムと、これを用いた浄化方法を提供することである。
本願発明は、土壌温度の上昇に伴い水蒸気の発生や水の体積膨張、水の粘性低下が生じることによって水自体の動きがよくなり、その結果、間隙水に含まれる有機フッ素化合物の回収効率も増大するという点、さらに土壌や地下水の温度を上昇することにより化学反応も促進し従来法では分解できない(あるいは解に時間を要する)問題も同時に解決できるという点に着目したものであり、従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムは、有機フッ素化合物に汚染された土壌を現位置で浄化するシステムであり、土壌加温装置と分解処理装置を備えたものである。このうち土壌加温装置は、土壌内に構築された3以上の電極井戸に印加して土壌に電流を流すことで土壌を加温する装置であり、分解処理装置は、土壌加温装置の加温により発生した汚染水蒸気に含まれる有機フッ素化合物を分解する装置である。なお分解処理装置は、地上に設置する可搬型であって、汚染水蒸気を冷却した汚染水にオゾンガスを吹き込むとともに紫外線を照射することで有機フッ素化合物を分解する。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムは、あらかじめ定めた温度に調節した汚染水にオゾンガスを吹き込むとともに紫外線を照射するものとすることもできる。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムは、汚染水にオゾンガスと過酸化水素を吹き込むことで有機フッ素化合物を分解するものとすることもできる。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムは、地下水揚水装置をさらに備えたものとすることもできる。この地下水揚水装置は、土壌内に構築された対策井戸から、汚染地下水(有機フッ素化合物に汚染された地下水)を汲み上げるものである。この場合、分解処理装置は、冷却された汚染水蒸気と汚染地下水を含む汚染水に対して処理を行う。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムは、分解処理装置から排出される処理水に対して無機フッ素の処理を行う除去装置を、さらに備えたものとすることもできる。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムは、土壌加温装置と薬剤注入装置を備えたものとすることもできる。この薬剤注入装置は、常温水に溶解した過硫酸塩を加温された状態の土壌又は地下水に注入する装置である。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化方法は、有機フッ素化合物に汚染された土壌を本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムを用いて現位置で浄化する方法であり、土壌加温工程と分解処理工程を備えた方法である。このうち土壌加温工程では、土壌内に構築された3以上の電極井戸に印加して土壌に電流を流すことで土壌を加温し、分解処理工程では、土壌加温工程の加温により発生した汚染水蒸気に含まれる有機フッ素化合物を分解する。なお分解処理工程では、地上に設置する可搬型の分解処理装置を用い、汚染水蒸気を冷却した汚染水にオゾンガスを吹き込むとともに紫外線を照射することで有機フッ素化合物を分解する。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化方法は、汚染水にオゾンガスと過酸化水素を吹き込むことによって有機フッ素化合物を分解する方法とすることもできる。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化方法は、地下水揚水工程をさらに備えた方法とすることもできる。この地下水揚水工程では、土壌内に構築された対策井戸から汚染地下水を汲み上げる。この場合、分解処理工程では、冷却された汚染水蒸気と汚染地下水を含む汚染水に対して処理を行う。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化方法は、分解処理工程で処理された(有機フッ素化合物が分解された)後に得らえる処理水を土壌内に復水する方法とすることもできる。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化方法は、土壌加温工程と薬剤注入工程を備えた方法とすることもできる。この薬剤注入工程では、常温水に溶解した過硫酸塩を加温された状態の土壌又は地下水に注入し、有機フッ素化合物を化学分解する。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システム、及び有機フッ素化合物原位置浄化方法には、次のような効果がある。
(1)土壌を加温することによって地下水温が上昇し、これに伴い水蒸気の発生や、水の体積膨張、水の粘性低下が生じることによって水自体の動きがよくなり、また有機フッ素化合物の溶解度が高くなる。その結果、水蒸気や地下水を回収することによって、これに含まれる有機フッ素化合物も効率的に回収することができる。
(2)水処理の分野では水道水源など大規模な処理施設によって、PFOSやPFOAの処理も可能であるが、これに対して汚染サイトが点在する土壌や地下水汚染の分野ではこのような集中的対策が困難である。そこで本願発明は、可搬型の分解処理装置を用いることとした。すなわち、分解処理装置を可搬型とすることによって、点在する汚染サイトに対して柔軟かつ効率的に浄化処理を行うことができるわけである。さらに、加温された状態で地下水を処理することで、処理時間を短くすることができる。
(3)過硫酸塩の水溶液を土壌又は地下水に注入するケースでは、薬剤自体を温める必要がない(常温で溶解できる)ことから、過硫酸塩の自己分解によるロスを低減することができる。一方、加温された地中では反応性も高まることから、常温で実施するより薬剤量を削減することができる。さらに、常温では分解しない有機フッ素化合物を分解することもできる。
(4)電気発熱法は、熱伝導(ヒーター)などのように高温の熱媒体が不要であり、地中において局所的な高温部分が存在しないため、薬剤の注入井戸の材料として塩化ビニル管(昇温温度によっては、耐熱性硬質塩化ビニル管)を利用することができる。
(5)ジュール熱により土壌自体を発熱させる電気発熱法を用いることから、温度のコントロールが容易であり、したがって土壌温度を目的の温度まで昇温することも容易で、しかも土壌全体を均一に加温することができる。
(6)電気発熱法は、熱伝導(ヒーター)を利用した加温手法に比べ熱効率が良く、そのため昇温に係る消費電力を低減することができる。
(7)加温された状態の処理水を地中に復水する場合、揚水による熱ロスが少なくなり、より小電力での土壌や地下水の温度を維持することができる。
物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システムの主な構成を模式的に示すブロック図。 電気発熱法を利用した土壌加温装置を模式的に示す断面図。 三角形を形成するように平面配置された電極井戸を示す平面図。 化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システムの主な構成を模式的に示すブロック図。 物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システムを用いた有機フッ素化合物原位置浄化方法の主な工程の流れを示すフロー図。 化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システムを用いた有機フッ素化合物原位置浄化方法の主な工程の流れを示すフロー図。 物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システムによる分解効果を示す試験結果図。 化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システムによる分解効果を示す試験結果図。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システム、及び有機フッ素化合物原位置浄化方法の実施の例を、図に基づいて説明する。なお、本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化方法は、本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムを用いて土壌等を浄化する方法であり、したがってまずは本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムについて説明し、その後に本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化方法について説明することとする。
1.有機フッ素化合物原位置浄化システム
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムは、PFOSやPFOAといった有機フッ素化合物によって汚染された土壌や地下水を原位置にて浄化するものであり、電気発熱法を用いて土壌を加温したうえで有機フッ素化合物を分解することを一つの特徴としている。なお、本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システムは、有機フッ素化合物を分解する手法において2種類のタイプがあり、すなわち地上で有機フッ素化合物を分解するもの(以下、便宜上「物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム」という。)と、土壌内で有機フッ素化合物を分解するもの(以下、便宜上「化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム」という。)に大別することができる。以下、それぞれの実施形態について順に説明していく。
(物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム)
図1は、物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100aの主な構成を模式的に示すブロック図である。この図に示すように物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100aは、土壌加温装置(電極井戸111と電源装置112)、分解処理装置120を含んで構成され、さらにガス吸引装置130、地下水揚水装置140などを含んで構成することもできる。以下、物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100aを構成する主な要素ごとに詳しく説明する。
土壌加温装置は、対象範囲の土壌を所定温度となるまで昇温するとともにその所定温度を維持するため、土壌を加温するものである。土壌の加温手法としては、熱伝導(ヒーター)によって土壌を加熱する手法なども知られているが、本願発明では電気抵抗加熱法の一種である電気発熱法を採用するとよい。この電気発熱法は、土壌自体を発熱させるため均一に加温でき、しかも温度コントロールも容易であり、また電流が流れやすい(電気抵抗の低い)粘土層の方が昇温しやすく、さらに熱効率が優れているため熱伝導(ヒーター)に比べ昇温にかかる消費電力を低減することができる、といった特長を有しているからである。
図2は、電気発熱法を利用した土壌加温装置110を模式的に示す断面図である。この図に示すように土壌加温装置110は、対象範囲の土壌内に構築された電極井戸111と、地上に設置された電源装置112を含んで構成される。この電極井戸111は鋼製のケーシングで形成されており、電源装置112によって各電極井戸111のケーシングに三相交流電圧を印加することで、電極井戸111間に電流が流れ、その結果、途中の土壌にジュール熱が発生し、すなわち土壌を昇温させることができる。そのため各電極井戸111は、対象範囲の土壌を取り囲むように3以上の箇所に設置するとよく、例えば図3に示すように複数の三角形を形成するように配置するとよい。なお図3に示す4つの三角形はそれぞれ一辺が約3.5mの正三角形となっているが、もちろんこれに限らず種々の形状となるよう電極井戸111を配置することができる。
電気発熱法等によって、例えば土壌の温度を40~90℃に昇温したとしてもPFOSやPFOA等は揮発することがなく、もちろん分解することもない。したがって従来の技術常識では、PFOSやPFOA等を浄化するために土壌を加温するという技術思想には至らない。ところが本願発明の発明者らは、PFOSやPFOA等を水蒸気や地下水とともに回収するという着想を得て、地下水を回収するために土壌を加温するという技術思想を想到した。土壌の間隙水に含まれるPFOSやPFOA等は、通常の温度ではほとんど移動しないが、土壌温度が上昇すると、水蒸気の発生や、水の体積膨張、水の粘性低下が生じることで地下水(間隙水)そのものの移動性が向上し、そしてこの地下水を回収することによってこれに含まれるPFOSやPFOA等を効率的に回収することができるわけである。また、温度上昇に伴いPFOSやPFOA等の溶解度も向上することから、この点においてもPFOSやPFOA等は効率的に回収される。さらに、PFOSやPFOAが原液状に存在する場合でも流動性が高まり、効率的に回収できるようになる。
上記したとおり電気発熱法は温度コントロールが容易であり、そのため土壌温度を目的の温度まで昇温することも、その目的の温度の状態で維持することもできる。土壌を昇温させる温度や維持する温度(以下、「計画温度」という。)は、土壌の種類や常時の地温などに基づいてあらかじめ定めておくとよい。なお本願発明の発明者らが様々な試験を行った結果、計画温度を40~90℃の範囲で設定すればPFOSやPFOA等を効率的に回収することができることを見出している。
PFOSやPFOA等を十分回収するためには、計画温度で計画期間(例えば、数週間~数箇月)だけ土壌加温装置110で土壌を加温することとなる。しかしながら、加温された土壌や地下水の現実の温度は、予測された(あるいは解析された)温度とは異なることも十分考えられる。そのため、実際の温度を観測しながら電極井戸111に印加していくこともできる。この場合、図3に示すように各電極井戸111の間に温度観測井戸160を構築しておき、この温度観測井戸160を利用して土壌や地下水の温度を観測するとよい。なおこの温度観測井戸160は、測温部分を深度別(例えば1m毎)に設置した構成とすることもでき、この場合は温度の深度分布を把握することができて好適となる。
土壌加温装置110が土壌を加温することで発生したPFOSやPFOA等を含む水蒸気(以下、便宜上「汚染水蒸気」という。)は、井戸を通じて回収される。例えば図1に示すように、汚染された対象範囲(以下、単に「対象範囲」という。)に構築された対策井戸CWを通じて汚染水蒸気を回収することもできるし、対策井戸CWに代えて電極井戸111を利用して汚染水蒸気を回収することもできるし、もちろん対策井戸CWと電極井戸111の両方を利用して汚染水蒸気を回収することもできる。なお土壌加温装置110によって土壌は昇温するが、本願発明で利用する電気発熱法は熱伝導(ヒーター)のように高温の熱媒体を必要としないため、比較的安価で調達が容易な塩化ビニル管(昇温温度によっては、耐熱性硬質塩化ビニル管)を対策井戸CWとして利用することもできる。
汚染水蒸気を回収するにあたっては、自然に上昇してくるものを通気管(パイプ)を通じて回収することもできるし、ガス吸引装置130によって水蒸気を吸引して回収することもできる。このガス吸引装置130は、従来用いられている種々の真空ポンプ等を利用することができ、図1に示すように地上に配置され、通気管を通じて汚染水蒸気を吸引するとよい。
物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100aは、ガス吸引装置130に加えて地下水揚水装置140を含んで構成することもできる。この地下水揚水装置140は、土壌加温装置110によって加温された「PFOSやPFOA等を含む地下水(以下、便宜上「汚染地下水」という。)」を、土壌内に構築された対策井戸CWを通じて汲み上げる(揚水する)ものである。地下水揚水装置140としては、地上配置型の自吸式ポンプを利用することもできるし、揚程が不足する場合は図1に示すように対策井戸CW内に設置される水中ポンプを利用することもできる。ただし、土壌を加温するため対策範囲に三相交流電圧を印加することから、水中ポンプとする場合は三相交流電圧により不具合が生じやすいモーター駆動のポンプは避け、圧縮空気可動式やブラダー方式のポンプを用いるとよい。
地上で回収された汚染水蒸気(地下水揚水装置140を備える場合は、汚染水蒸気と汚染地下水)は地上に設置される分解処理装置120に送られ、汚染水蒸気に含まれるPFOSやPFOA等はこの分解処理装置120によって分解される。なお、分解処理装置120は可搬型のものを採用するとよい。既述したとおり、水処理の分野では大規模な処理施設によって集中的に処理することができるが、これに対して汚染サイトが点在する土壌や地下水汚染の分野ではこのような集中的対策が困難である。分解処理装置120を可搬型とすれば容易に運搬、設置(つまり転用)することができ、点在する汚染サイトに対して柔軟かつ効率的に浄化処理を行うことができるわけである。
分解処理装置120でPFOSやPFOA等を分解するにあたっては、回収した汚染水蒸気(あるいは、汚染水蒸気と汚染地下水)を自然冷却や強制冷却によって液化し、その液体(以下、便宜上「汚染水」という。)に対して化学的処理を行う。具体的には、水槽等に貯留した汚染水に対してオゾンガスを吹き込み、さらに紫外線(UV:UltraViolet)を照射する。このとき常温の汚染水に対してオゾンガスと紫外線を与えてもPFOSやPFOA等を分解することができるが、本願発明の発明者らは中高温(40~50℃)とした汚染水の方がより効果があることを見出した。そのため、あらかじめ所定の中高温を設定しておき、一旦冷却した汚染水をその中高温になるまで加熱したうえで、あるいは回収した汚染水蒸気や汚染地下水をその中高温の汚染水となるよう冷却したうえで、オゾンガスを吹き込むとともに、紫外線を照射するとよい。
また分解処理装置120は、オゾンガスと紫外線による化学的処理に代えて、オゾンガスと過酸化水素による化学的処理を行うものとすることもできる。この場合も回収した汚染水蒸気や汚染地下水を自然冷却や強制冷却によって液化し、その汚染水に対してオゾンガスと過酸化水素を吹き込む。
分解処理装置120によってPFOSやPFOA等が分解された処理水は、図1に示すように、対象範囲の外(例えば、公共用水域等)に排出することもできるし、対策井戸CWや電極井戸111を通じて対象範囲内に復水して循環させることもできる。このとき、汚染サイトの状況によっては、無機フッ素の処理装置(以下、「フッ素除去装置」という。)で処理を行ったうえで処理水を対象範囲外に排出し、あるいは対処理水を象範囲内で循環させるとよい。この場合、当然ながらフッ素除去装置は分解処理装置120の後段に設けられる。
(化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム)
図4は、化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100bの主な構成を模式的に示すブロック図である。この図に示すように化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100bは、土壌加温装置110(電極井戸111と電源装置112)と薬剤注入装置150を含んで構成される。
化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100bは、ここまで説明した土壌加温装置110によって土壌を加温し、所定の温度(例えば、40~90℃)に昇温した土壌や地下水に薬剤を注入することによってPFOSやPFOA等を分解するものである。例えば薬剤として過硫酸塩を昇温した土壌や地下水に注入すると、熱活性状態における硫酸ラジカルなど様々な反応により熱活性過硫酸が生じ、この熱活性過硫酸によってPFOSやPFOA等の分解が促進されるわけである。
薬剤注入装置150は、図4に示すように土壌や地下水に対して薬剤を注入するものであり、薬剤の調整槽や、調整槽から薬剤を送り出す圧送手段(ポンプ等の)などによって構成される。薬剤は、常温(15~25℃)の水に過硫酸塩を溶解したもの(過硫酸塩水溶液)であり、またここで用いる過硫酸塩としては過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどを例示することができる。なお、過硫酸塩を溶解させる水を常温とする理由は、過硫酸塩は常温では熱活性などの反応が生じないことから、常温水に溶解することで土壌や地下水に到達する前に熱活性過硫酸の発生や自己分解することを防止できるからであり、換言すると常温水に溶解することで過硫酸塩の状態のまま土壌や地下水に送ることができるからである。
薬剤注入装置150によって圧送された薬剤は、井戸を通じて土壌や地下水に注入することができる。例えば図4に示すように、対象範囲に構築された対策井戸CWを通じて薬剤を注入することもできる。なお土壌加温装置110によって土壌は昇温するが、本願発明で利用する電気発熱法は熱伝導(ヒーター)のように高温の熱媒体を必要としないため、比較的安価で調達が容易な塩化ビニル管(昇温温度によっては、耐熱性硬質塩化ビニル管)を対策井戸CWとして利用することもできる。したがって、従来用いられている「塩化ビニル管(昇温温度によっては、耐熱性硬質塩化ビニル管)による注入管を用いた多点注入法」なども採用することができる。この場合、対策井戸CWとして鋼製材料を用いる必要がないことから、過硫酸塩による金属腐食の懸念もなくなる。
薬剤注入後も、土壌加温装置110によって継続して土壌温度を維持する。物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100aで説明したように、土壌を昇温させる温度や維持する計画温度は、土壌の種類や常時の地温などに基づいてあらかじめ定めておくとよい。なお本願発明の発明者らが様々な試験を行った結果、計画温度を40~90℃の範囲で設定すれば効果的に熱活性過硫酸が生じ、これによりPFOSやPFOA等を効率的に分解することができることを見出している。この場合も、図3に示すように各電極井戸111の間に温度観測井戸160を構築しておき、この温度観測井戸160を利用して土壌や地下水の温度を観測するとよい。
継続して土壌に印加することによって土壌や地下水は計画温度(例えば、40~90℃)が保たれ、土壌や地下水に到達した薬剤も温度を上げ、その結果、熱活性状態における硫酸ラジカルなど様々な反応により熱活性過硫酸が生じ、この熱活性過硫酸によってPFOSやPFOA等の分解が促進される。
2.有機フッ素化合物原位置浄化方法
続いて、本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化方法ついて図を参照しながら説明する。なお、本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化方法は、ここまで説明した有機フッ素化合物原位置浄化システムを用いて土壌等を浄化する方法であり、したがって有機フッ素化合物原位置浄化システムで説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「1.有機フッ素化合物原位置浄化システム」で説明したものと同様である。また本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化方法は、物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100aを用いる方法と、化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100bを用いる方法に大別することができ、また物理処理型と化学処理型を併用することもできる。以下、物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム用いるケースと、化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム用いるケース、それぞれの実施形態について順に説明していく。
(物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム用いる方法)
図5は、物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100aを用いた有機フッ素化合物原位置浄化方法の主な工程の流れを示すフロー図である。この図に示すように、はじめに対象範囲のうち適切な位置に対策井戸CWと電極井戸111を構築する(図5のStep11)。この対策井戸CWは、従来用いられている種々の工法を採用して掘削することができ、また塩化ビニル管(耐熱性硬質塩化ビニル管)を含む種々の材料を用いることができる。
電極井戸111も、対策井戸CWと同様、従来用いられている種々の工法を採用して掘削することができる。また電極井戸111は、対象範囲の土壌を取り囲むように3以上の箇所に(例えば図3に示すように複数の三角形を形成するように)配置するとよい。対策井戸CWと電極井戸111を構築すると、可搬型の分解処理装置120を地上に設置し、必要に応じて温度観測井戸を160を構築する。
対策井戸CWと電極井戸111を構築し、分解処理装置120を設置すると、電源装置112によって各電極井戸111のケーシングに三相交流電圧を印加し、土壌を昇温させる(図5のStep12)。また温度観測井戸160を置している場合は、温度観測井戸160を利用して土壌や地下水の温度を観測しながら土壌を昇温させるとよい。
土壌を昇温すると、昇温の結果発生する汚染水蒸気をガス吸引装置130が回収し、地下水揚水装置140を備えるときは加温された汚染地下水を地下水揚水装置140が回収していく(図5のStep13)。そして回収された汚染水蒸気や汚染地下水は冷却により汚染水とされ(図5のStep14)、分解処理装置120によって化学的処理を行い、PFOSやPFOA等が分解される(図5のStep15)。この分解処理装置120では、オゾンガスと紫外線による化学的処理を行うこともできるし、オゾンガスと過酸化水素による化学的処理を行うこともできる。なお、オゾンガスと紫外線による化学的処理を行う場合、汚染水をあらかじめ定めた中高温とした状態で、オゾンガスを吹き込むとともに、紫外線を照射するとよい。
分解処理工程で分解処理装置120によって処理された(有機フッ素化合物が分解された)後に得らえる処理水は、対策井戸CWや電極井戸111を通じて対象範囲内に復水して循環させる(図5のStep16)。あるいは、処理水を対象範囲の外(例えば、公共用水域等)に排出してもよい。このとき汚染サイトの状況によっては、フッ素除去装置で処理を行ったうえで、処理水を対象範囲内で循環させ、あるいは処理水をフッ素の排水基準に適合させた上で対象範囲外に排出するとよい。加温された状態の処理水を地中に復水する場合、熱ロスが少なくなり、より小電力での土壌や地下水の温度を維持することができて好適となる。
計画温度で計画期間(例えば、数週間~数箇月)だけ、土壌加温装置110で土壌を加温し、処理装置120によって汚染水のPFOSやPFOA等が分解されると、電源装置112による三相交流電圧の印加を停止する(図5のStep17)。なお、電源装置112による印加停止にあたっては、対象範囲内の有機フッ素化合物が十分浄化されていることを検査等によって確認したうえで行うとよい。
(化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム用いる方法)
図6は、化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100bを用いた有機フッ素化合物原位置浄化方法の主な工程の流れを示すフロー図である。この図に示すように、はじめに対象範囲のうち適切な位置に対策井戸CWと電極井戸111を構築する(図6のStep21)。この対策井戸CWは、従来用いられている種々の工法を採用して掘削することができ、また塩化ビニル管(耐熱性硬質塩化ビニル管)を含む種々の材料を用いることができる。
電極井戸111も、対策井戸CWと同様、従来用いられている種々の工法を採用して掘削することができる。また電極井戸111は、対象範囲の土壌を取り囲むように3以上の箇所に(例えば図3に示すように複数の三角形を形成するように)配置するとよい。対策井戸CWと電極井戸111を構築すると、薬剤注入装置150を地上に設置し、必要に応じて温度観測井戸160を構築する。
対策井戸CWと電極井戸111を構築し、薬剤注入装置150を設置すると、電源装置112によって各電極井戸111のケーシングに三相交流電圧を印加し、土壌を昇温させる(図6のStep22)。また温度観測井戸160を設置している場合は、温度観測井戸160を利用して土壌や地下水の温度を観測(図6のStep24)しながら土壌を昇温させるとよい。
土壌加温装置110によって土壌を加温すると、薬剤注入装置150によって土壌や地下水に薬剤を注入していく(図6のStep23)。なお薬剤注入後も、土壌加温装置110によって継続して土壌温度を維持する。
計画温度で計画期間(例えば、数週間~数箇月)だけ、土壌加温装置110で土壌を加温し、薬剤注入装置150によって薬剤が注入され、土壌や地下水に含まれるPFOSやPFOA等が分解されると、電源装置112による三相交流電圧の印加を停止する(図6のStep24)。なお、電源装置112による印加停止にあたっては、対象範囲内の有機フッ素化合物が十分浄化されていることを検査等によって確認したうえで行うとよい。
(試験結果)
図7に、物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100aによる分解効果を確認した試験結果を示す。この図に示すように、PFOSやPFOAを含む汚染水に対して、オゾンガスと過酸化水素を用いた化学処理を行うケース、オゾンガスと紫外線を用いた化学処理を行うケース、いずれのケースにおいてもPFOSやPFOAが分解されることが確認できた。また、処理時間を延ばすことによって、過硫酸ナトリウムの添加量を増やすことによって、さらに効果が上がることも把握できた。
図8に、化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム100bによる分解効果を確認した試験結果を示す。この図に示すように、中高温(40℃、60℃)とされた汚染水に対して過硫酸ナトリウムを注入すると、PFOSやPFOAを分解されることが確認できた。なお図8には示していないが、土壌温度を60℃とし、過硫酸ナトリウムを複数回注入する(注入期間は2週間程度の間隔をあける)ことによって、さらに効果が上がることも把握している。
本願発明の有機フッ素化合物原位置浄化システム、及び有機フッ素化合物原位置浄化方法は、PFOSやPFOAといった有機フッ素化合物が製造され、使用され、排出され、あるいは副生成される操業地(又は操業跡地)や不法投棄場所等で利用することができる。本願発明が、我が国の環境改善にとって極めて有益であることを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献が期待できる発明といえる。
100a 本願発明の物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム
100b 本願発明の化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システム
110 (有機フッ素化合物原位置浄化システムの)土壌加温装置
111 (土壌加温装置の)電極井戸
112 (土壌加温装置の)電源装置
120 (物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システムの)分解処理装置
130 (物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システムの)ガス吸引装置
140 (物理処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システムの)地下水揚水装置
150 (化学処理型の有機フッ素化合物原位置浄化システムの)薬剤注入装置
160 (有機フッ素化合物原位置浄化システムの)温度観測井戸
CW 対策井戸

Claims (11)

  1. 有機フッ素化合物に汚染された土壌を、現位置で浄化するシステムであって、
    土壌内に構築された3以上の電極井戸に印加して土壌に電流を流すことで、土壌を加温する土壌加温装置と、
    前記土壌加温装置の加温により発生した汚染水蒸気に含まれる有機フッ素化合物を分解する分解処理装置と、を備え、
    前記分解処理装置は、地上に設置する可搬型であって、前記汚染水蒸気を冷却した汚染水にオゾンガスを吹き込むとともに紫外線を照射することで有機フッ素化合物を分解する、
    ことを特徴とする有機フッ素化合物原位置浄化システム。
  2. 前記分解処理装置は、あらかじめ定めた温度に調節した前記汚染水に、オゾンガスを吹き込むとともに紫外線を照射する、
    ことを特徴とする請求項1記載の有機フッ素化合物原位置浄化システム。
  3. 有機フッ素化合物に汚染された土壌を、現位置で浄化するシステムであって、
    土壌内に構築された3以上の電極井戸に印加して土壌に電流を流すことで、土壌を加温する土壌加温装置と、
    前記土壌加温装置の加温により発生した汚染水蒸気に含まれる有機フッ素化合物を分解する分解処理装置と、を備え、
    前記分解処理装置は、地上に設置する可搬型であって、前記汚染水蒸気を冷却した汚染水にオゾンガスと過酸化水素を吹き込むことで有機フッ素化合物を分解する、
    ことを特徴とする有機フッ素化合物原位置浄化システム。
  4. 土壌内に構築された対策井戸から、有機フッ素化合物に汚染された汚染地下水を汲み上げる地下水揚水装置を、さらに備え、
    前記分解処理装置は、冷却された前記汚染水蒸気と前記汚染地下水を含む前記汚染水に対して処理を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の有機フッ素化合物原位置浄化システム。
  5. 前記分解処理装置から排出される処理水に対して無機フッ素の処理を行うフッ素除去装置を、さらに備えた、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の有機フッ素化合物原位置浄化システム。
  6. 有機フッ素化合物に汚染された土壌を、現位置で浄化するシステムであって、
    土壌内に構築された3以上の電極井戸に印加して土壌に電流を流すことで、土壌を加温する土壌加温装置と、
    過硫酸塩の水溶液を土壌又は地下水に注入する薬剤注入装置と、を備え、
    前記薬剤注入装置は、常温水に溶解した過硫酸塩を、加温された状態の土壌又は地下水に注入する、
    ことを特徴とする有機フッ素化合物原位置浄化システム。
  7. 有機フッ素化合物に汚染された土壌を、現位置で浄化する方法であって、
    土壌内に構築された3以上の電極井戸に印加して土壌に電流を流すことで、土壌を加温する土壌加温工程と、
    前記土壌加温工程の加温により発生した汚染水蒸気に含まれる有機フッ素化合物を分解する分解処理工程と、を備え、
    前記分解処理工程では、地上に設置する可搬型の分解処理装置を用い、前記汚染水蒸気を冷却した汚染水にオゾンガスを吹き込むとともに紫外線を照射することで有機フッ素化合物を分解する、
    ことを特徴とする有機フッ素化合物原位置浄化方法。
  8. 有機フッ素化合物に汚染された土壌を、現位置で浄化する方法であって、
    土壌内に構築された3以上の電極井戸に印加して土壌に電流を流すことで、土壌と地下水を加温する土壌加温工程と、
    前記土壌加温工程の加温により発生した汚染水蒸気に含まれる有機フッ素化合物を分解する分解処理工程と、を備え、
    前記分解処理工程では、地上に設置する可搬型の分解処理装置を用い、前記汚染水蒸気を冷却した汚染水にオゾンガスと過酸化水素を吹き込むことによって有機フッ素化合物を分解する、
    ことを特徴とする有機フッ素化合物原位置浄化方法。
  9. 土壌内に構築された対策井戸から、有機フッ素化合物に汚染された汚染地下水を汲み上げる地下水揚水工程を、さらに備え、
    前記分解処理工程では、冷却された前記汚染水蒸気と前記汚染地下水を含む前記汚染水に対して処理を行う、
    ことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の有機フッ素化合物原位置浄化方法。
  10. 前記分解処理工程では、有機フッ素化合物を分解した後に得らえる処理水を、土壌内に復水する、
    ことを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の有機フッ素化合物原位置浄化方法。
  11. 有機フッ素化合物に汚染された土壌を、現位置で浄化する方法であって、
    土壌内に構築された3以上の電極井戸に印加して土壌に電流を流すことで、土壌と地下水を加温する土壌加温工程と、
    過硫酸塩の水溶液を土壌又は地下水に注入する薬剤注入工程と、を備え、
    前記薬剤注入工程では、常温水に溶解した過硫酸塩を、加温された状態の土壌又は地下水に注入する、
    ことを特徴とする有機フッ素化合物原位置浄化方法。
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