JP2022029878A - はかりの検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査の信頼性の低下を抑えることができるはかりの検査装置およびはかりの検査方法を提供する。【解決手段】検査対象はかり4を検査または検定するはかりの検査装置であって、鉛直荷重を発生する荷重発生装置2と、基準となる荷重値を検出する基準はかり3と、を備え、荷重発生装置2と基準はかり3と検査対象はかり4とを上下方向に並ぶ姿勢で直列に配置させて、荷重発生装置2からの荷重が、基準はかり3と検査対象はかり4とに共通して負荷するように構成し、荷重発生装置2が、この荷重発生装置2により設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動を減少させる荷重変動減少機構50を有している。【選択図】図7

Description

本発明は、はかりの検定、使用中検査、定期検査(これらの検定、使用中検査および定期検査を、特に拘らない場合は単に検査と称す)に適しているはかりの検査装置およびはかりの検査方法に関する。
各種の取引や証明を行う際に使用される特定計量器や質量計は、計量法により、検定や検査に合格しないと取引や証明に使用することができない。また、前記検定や検査を行う際には、一部の例外を除いて基準分銅(または実用基準分銅)を使用しなければならない。例えば、精度等級3級6000目量の特定計量器について、検定をする場合には、分銅質量が100g以上1tにおいて基準器公差で表す質量の5/10万以内に収まっていることが必要要件であるので2級基準分銅(M1級)または2級実用基準分銅を用いなければならない。また、精度等級3級6000目量の特定計量器について、検査をする場合には、分銅質量が100g以上1tにおいて基準器公差で表す質量の15/10万以内に収まっていることが必要要件であるので、3級基準分銅(M2級)または3級実用基準分銅を用いなければならない。なお、以下において、基準分銅または実用基準分銅を単に基準分銅と称す。
トラックスケールなどの秤量が大きな大型はかりにおいては、使用中検査を行う際や、修理後検定を行う際に、質量が大きい基準分銅を多数集めて検査や検定を行う現場まで運ばなければならないため、多大な運搬費用ならびに労力を要する。このため、使用中検査においては、昭和40年代初頭から、最大の試験荷重を以下のように決めている。
1.秤量が1tを超え、10t未満のはかりは、秤量の3/4付近(但し、秤量の3/4が1t未満の場合は1t)
2.秤量が10t以上のはかりは、秤量の3/5付近(但し、秤量の3/5が8t未満の場合は8t)
さらに、定期検査または計量証明のための検査、およびこれに代わるものとして計量士が行う検査に細則の承認を受けた車両を以下の条件で使用することができるようにしている。すなわち、秤量が2tを超え、20t以下のはかりについては、5tを超える領域の検査(いわゆる器差検査)において基準分銅を用いる代わりに車両を使用してもよい(車両と基準分銅とを合わせて使用する)よう構成している。
また、大型はかりの代表的なものであるトラックスケールでは、使用開始してから2年毎に定期検査を受ける必要がある。この2年毎の定期検査の際には、上記したように基準分銅および車両を用いて器差検査を行うが、この場合においても多大な費用がかかる。さらに、この定期検査で不合格となると、この後に、このトラックスケールを修理して検定を受け直さなければならないが、検定で合格するまでの間は使用できない。また、これらの修理、検定作業にも多大な費用がかかってしまう。つまり、修理後の検定の際には、定期検査時のような車両を使用することが許されておらず、秤量まで基準分銅を用いなければならないため、より多くの手間および時間と費用が発生する。
以上のように、はかりの検定や検査を行う場合に、秤量(最大測定荷重)が大きいはかりに対しても基準分銅を用いなければならないという原則を貫くと、現場までの分銅運搬費用や多大な手間がかかるため、前述のように使用中検査においては、最大の試験荷重を秤量の3/4付近または3/5付近とし、検査荷重の一部を車両質量で代替してもよいという救済措置的な対応が法令でとられているのが実状である。
しかし、この場合、はかりの試験荷重以上の測定については検査していないため、これらの測定範囲における測定結果の信頼性が極めて低いものとなってしまう。また、検定や検査には多大な手間と費用がかかるとともに、使用中検査で不合格となった場合には、再度、修理後の検定に合格するまでは、使用できないという課題がある。実際問題として、使用中検査が不合格となった場合、直ちに修理して、修理後の検定を受けようとしても秤量までの分銅を準備して現場へ運搬するには、例えば秤量40tのトラックスケールの場合では10t車4台が必要になるので、数日間を要することとなり、その間トラックスケールが使用できないこととなるので、使用者にとっては事業運営上大きな問題となる。
このような課題に対処するものとして、特許文献1の図1などに開示された検重方法がある。図22に示すように、この検重方法に用いる検重装置100は、固定部(基礎部)101に固定された支持固定枠102を、検査対象はかり(トラックスケール)103の上方を跨ぐ姿勢で配置し、検査対象はかり103の載台104と支持固定枠102における載台104の上方箇所との間で上下方向に並ぶ姿勢で、油圧シリンダからなる荷重発生装置105と、検重用のロードセル106と、を上下方向に並ぶ姿勢で直列に配設させている。そして、この検重装置を用いて、荷重発生装置105から荷重を発生させ、検重用のロードセル106により荷重を測定しながら、検査対象はかり103の測定値を検出するとともにこれらの値を比較する(器差を確認する)ことで、検査対象はかり103を検査するよう構成されている。
この検重装置100および検重方法によれば、基準分銅などを用いることなく、検査対象はかり103を検査(または検定)することが可能である。また、秤量(最大測定荷重)に対応した荷重を実際に検査対象はかり103などに負荷させて検査(または検定)することが可能となる。さらに、検重装置100と基準分銅を併用して、検査対象はかり103を検査(または検定)することも可能である。
しかし、特許文献1に示す検重方法や検重装置100では、検重用のロードセル106を用いるが、この検重用のロードセル106は、極めて高精度の測定精度を有するものでなければならない。ここで、ロードセル106は、はかりの構成要素として使用されるものでもあり、ロードセル106ははかりの筐体内などに複数配置され、ロードセル106の荷重負荷部に、測定対象物を載せる載台などを組み付けて、はかりとして組み上げた場合には、そのはかりの精度を分銅による検定や検査により確認できる。しかしながら、ロードセル106単体には、測定対象物を載せる載台が設けられていないので、大きな荷重の基準分銅を載せるなどして荷重を負荷させることが困難であり、はかりと同じような検査や検定を受けることができない。したがって、ロードセル106単体ではその精度を確認することが困難である。また、ロードセル106による測定は重力加速度の影響を受ける短所もある。
ただ、ロードセル106単体の精度を確認可能な特殊な高精度荷重試験機が全く存在しないわけではなく、このような特殊な試験機としては、産業技術総合研究所にある実荷重試験機(実荷重式力標準機とも称される)が存在するものの、極めて数や場所が限られているため、汎用性に劣り、実用的ではない。
これに対処する方法として、本発明者は、特許文献2に開示されているはかりの検査装置および検査方法を考え出した。すなわち、図23、図24に示すように、この検査装置150は、油圧シリンダからなり鉛直荷重を発生する荷重発生装置151と、固定部(基礎部)152に固定された支持固定枠153と、載台161および載台161を支持する荷重受け部(受け皿、または載台支持部や載台受部とも称せられる)162を有して、基準となる荷重値を検出する基準はかり160と、を備え、荷重発生装置151と基準はかり160と検査対象のはかり(検査対象はかり)170とを上下方向に並ぶ姿勢で直列に配設させて、荷重発生装置151からの荷重が、基準はかり160の載台161と、検査対象はかり170の載台171と、に共通して負荷するように構成している。
このはかりの検査装置150によっても、基準分銅を用いなくても、検査対象はかりを検査または検定することが可能となる。また、特殊で高精度のロードセル106を用いるのではなく、高精度な基準はかり160を用いるので、実用化することが可能である。また、基準はかり160として増錘と槓桿とを用いることで、重力加速度の影響を受けない構成とすることも可能である。
さらに、特許文献3には、油圧シリンダからなる荷重発生装置に加えて、油圧シリンダが取り付けられている固定フレームと油圧シリンダにより押圧する部分側との間に、ばねとの間で微小荷重を調整する微小荷重調整装置を設けた構成が開示されている。また、特許文献2においても微小荷重調整装置を設けた構成が開示されている。これらの構成によれば、微小荷重調整装置により荷重発生装置側からの荷重を調整できるので、荷重発生装置側からの荷重をより細かく設定することが可能となる。
ところで、特許文献1~3の何れの装置においても、荷重発生装置として油圧シリンダを用いている。そして、特許文献1、2の検重装置などでは荷重発生装置から負荷する荷重が所定の設定値になった際に油圧シリンダへの給油を電磁弁などにより停止して、荷重発生装置から負荷する荷重を設定荷重に合致させる。また、微小荷重調整装置を有する場合(特許文献3に開示された構成や、特許文献2において微小荷重調整装置を有している構成の場合)には、油圧シリンダからなる荷重発生装置からの負荷荷重が所定の設定値に近づいた際に油圧シリンダへの給油を停止し、この後、微小荷重調整装置による調整作業を行って、荷重発生装置から負荷する荷重を設定値に厳密に合致させる。なお、荷重発生装置から負荷する荷重を設定値に厳密に合致させた後には、荷重発生装置から負荷する荷重が設定値に一致するだけでなく、この状態が安定していることを確認して(いわゆる安定時間を待って)、設定荷重が正しくロードセルや基準はかりなどに正しく作用していることを確認している。なお、油圧シリンダへの給油停止後から、測定対象はかりを測定して負荷値(測定値)を確認するまでには数十秒から1分程度の時間を要している。
また、荷重発生装置としての油圧シリンダにより負荷(荷重)が与えられてその状態が保持されている際には、この負荷に対応する反力が存在しており、負荷と反力がバランスしている状態で、負荷が測定対象はかりや基準はかりに作用している。主たる反力は、測定対象はかりの載台の撓み(下方向)と、油圧シリンダからなる荷重発生装置を取り付けている支持固定枠(負荷フレーム)の撓み(上方向)との合計と、これらの構成要素のばね常数との積である。つまり、模擬的には、載台や支持固定枠(負荷フレーム)のばね系の反力に相当する負荷が測定対象はかりや基準はかりに作用していることになる。
特開昭55-141629号公報 特開2019-203692号公報 特許4808538号公報
上記した従来のはかりの検査装置や検重装置などでは、荷重発生装置から高精度の負荷が安定して作用することが求められている。しかしながら、従来のはかりの検査装置や検重装置の何れにおいても荷重発生装置として用いている油圧シリンダに接続されている電磁弁等から油のリークが生じると、これに伴い油圧シリンダのストロークが変化し、前記ばね系に変位を生じて負荷荷重が変動する。これにより、負荷荷重が変動している状態での検査となり、測定結果の正確性が疑われて検査自体の信頼性が低下してしまう。
また、前記ばね系は大きなひずみを生じており、これにより微小なクリープ現象を生じているため、油圧シリンダにおける油のリークの影響がないとしても時間的にクリープ量が増加してばね系の撓みが時間的に変化する。すなわち、このクリープ量の変動が、例え、油圧シリンダの油のリークによる変位が生じなくても、油圧シリンダの位置が微小に変動して、無視できない大きな荷重変動となり、検査自体の信頼性が低下してしまうおそれがある。
本発明は上記課題を解決するもので、検査の信頼性の低下を抑えることができるはかりの検査装置およびはかりの検査方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、検査対象はかりを検査または検定するはかりの検査装置であって、鉛直荷重を発生する荷重発生装置と、基準となる荷重値を検出する基準はかりと、を備え、荷重発生装置と基準はかりと検査対象はかりとを上下方向に並ぶ姿勢で直列に配置させて、荷重発生装置からの荷重が、基準はかりと検査対象はかりとに共通して負荷するように構成し、荷重発生装置が、この荷重発生装置により設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動を減少させる荷重変動減少機構を有していることを特徴とする。なお、基準はかりが、平衡棹および増錘を有する機械式はかりであり、荷重発生装置からの荷重が、平衡棹の重点に作用する構成であると好適である。
この構成によれば、荷重変動減少機構によって、荷重発生装置により設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動が減少するので、設定荷重負荷時での負荷荷重が時間的に安定し、検査の信頼性の低下を抑えることができる。
また、この場合に、荷重発生装置として基準はかりに荷重を負荷する油圧シリンダが備えられ、荷重変動減少機構が、荷重発生装置と基準はかりとの間に配設されて、荷重発生装置からの荷重の増加によって縮んで荷重負荷時の油圧シリンダの変位を拡大する変位拡大ばねを有していると好適である。
この構成によれば、変位拡大ばねが設けられていない場合と比較して、設定荷重とするために油圧シリンダにより大きいストロークを変化させなければならず、これに伴い油圧シリンダへの油の供給量が大きくなる。したがって、油圧シリンダや油圧シリンダに接続されている電磁弁等から油がリークした場合でも、その影響度合いが小さくなり、ひいては、油のリークに起因する時間的な荷重変動を減少させることができる。また、油圧シリンダを支持固定枠(負荷フレーム)により支持していた場合には、この支持固定枠や検査対象はかりの載台による歪によるクリープ現象が、変位拡大ばねにより緩和されるため、このクリープ現象に起因する時間的な荷重変動を減少させることができる。
また、これに代えて、荷重発生装置として、基準はかりに荷重を負荷する油圧シリンダが備えられ、荷重変動減少機構として、油圧シリンダのピストン面積よりも小さいピストン面積の油圧負荷小シリンダと、油圧シリンダの油圧室と油圧負荷小シリンダの油圧室とを連通させる油連通路と、油圧負荷小シリンダの出退部にその荷重を負荷させる小シリンダ用重錘と、が設けられていてもよい。
この構成において、小シリンダ用重錘の荷重を油圧負荷小シリンダの出退部に負荷させると、油連通路を通して同じ圧力が荷重発生装置としての油圧シリンダにも作用して、油圧シリンダの出退部が出退する。これにより、小シリンダ用重錘の荷重が、油圧シリンダのピストン面積/油圧負荷小シリンダのピストン面積で増幅されて、荷重発生装置としての油圧シリンダから増幅された荷重が負荷される。この構成によれば、油は油圧シリンダと油圧負荷小シリンダとの間で行き来するだけであり、電磁弁などは接続されていないので、油圧シリンダや油圧負荷小シリンダから外部に油がリークすることがなくなり、油のリークによる悪影響を防止でき、ひいては、油のリークに起因する時間的な荷重変動をなくすことができる。また、油圧シリンダ(油圧シリンダの本体部分)や油圧負荷小シリンダが支持固定枠などに取り付けられている状態で、支持固定枠や検査対象はかりの載台の歪によるクリープ現象が生じても、負荷発生装置の負荷は油圧シリンダ(油圧シリンダの本体部分)や油圧負荷小シリンダの油圧に基づいたものであるため、クリープ現象の影響を受けず、安定した荷重を基準はかりなどに負荷し続けることができ、この結果、設定荷重負荷時における時間的な荷重変動を減少させることができる。
また、これに代えて、荷重発生装置として、荷重発生用重錘とこの荷重発生用重錘の負荷を増幅して荷重を発生する荷重発生用槓桿とを有する機械式槓桿装置が用いられて、機械式槓桿装置自体が設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動を減少させる荷重変動減少機構の機能を有していてもよい。
この構成によれば、荷重発生装置として、荷重発生用重錘とこの荷重発生用重錘の負荷を増幅して荷重を発生する荷重発生用槓桿とを有する機械式槓桿装置を用いているので、荷重発生装置として油圧シリンダを用いる場合の油のリークに起因する設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動が生じなくなるとともに、機械式槓桿装置を支持する支持固定枠や検査対象はかりの載台による歪によるクリープ現象が生じても、荷重発生用槓桿を水平に維持することで、荷重発生装置から発生する荷重が安定して、このクリープ現象に起因する荷重変動の影響が少なくなり、この結果、設定荷重負荷時における時間的な荷重変動を減少させることができる。
また、検査対象はかりがトラックスケールであり、トラックスケールにのるトラックのタイヤの位置に対応して、基準はかりおよび荷重発生装置の荷重が、検査対象はかりの載台の前後左右の4か所の位置に負荷するように構成されていると好適である。
この構成によれば、トラックがのった場合と同様な荷重をトラックスケールに負荷することができて、トラックスケールを良好に検査することができる。すなわち、トラックスケールは、トラックがのった場合に極めて良好に測定できるようにロードセルが配置されている場合が多く、このようなトラックスケールを実際に使用される条件に対応させながら良好に検査することができる。
また、基準はかりは、載台を有することなく、荷重を受ける荷重受け部とこの荷重受け部を支持するロバーバル機構とを有し、荷重発生装置からの荷重が、基準はかりの荷重受け部およびロバーバル機構を通して、検査対象はかりに負荷するよう構成されていると好適である。
この構成によれば、基準はかりが、載台を有していないので、その分だけ、検査の際での基準はかりが軽量化され、0点設定時に検査対象はかりに負荷される実際の荷重を小さくして検査することができる。したがって、0点設定時に検査対象はかりの測定荷重を0に近づけた荷重点から検査することができ、検査の信頼性を向上させることができる。
また、重錘を槓桿の力点に負荷させる状態と、重錘を基準はかりの外部で支持させる状態とに、切り換える増錘昇降装置を有すると好適である。
また、このはかりの検査装置を用いて、検査対象はかりを検査または検定するはかりの検査方法として、基準はかりに設けられている増錘を、0点設定時には、検査対象はかりと基準はかりとの外部(検査対象はかりおよび基準はかりに対して外部)で支持させて基準はかりに増錘の質量を負荷させないようにしてもよい。この方法により、0点設定時での検査対象はかりに負荷される荷重をさらに小さくして検査することができる。
本発明のはかりの検査装置によれば、鉛直荷重を発生する荷重発生装置と、基準となる荷重値を検出する基準はかりと、を備え、荷重発生装置と基準はかりと検査対象はかりとを上下方向に並ぶ姿勢で直列に配置させて、荷重発生装置からの荷重が、基準はかりと検査対象はかりとに共通して負荷するように構成し、荷重発生装置が、この荷重発生装置により設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動を減少させる荷重変動減少機構を有していることにより、荷重発生装置により設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動を減少させることができて、ひいては検査の信頼性を向上させることができる。
また、この場合に、荷重発生装置として基準はかりに荷重を負荷する油圧シリンダを備え、荷重変動減少機構が、荷重発生装置と基準はかりとの間に配設されて、荷重発生装置からの荷重の増加によって縮んで荷重負荷時の変位を拡大する変位拡大ばねを有している構成とすることで、油のリークに起因する時間的な荷重変動やクリープ現象に起因する時間的な荷重変動を減少させることができて、ひいては検査の信頼性を向上させることができる。
また、これに代えて、荷重発生装置として、基準はかりに荷重を負荷する油圧シリンダを備え、荷重変動減少機構として、油圧シリンダのピストン面積よりも小さいピストン面積の油圧負荷小シリンダと、油圧シリンダの油圧室と油圧負荷小シリンダの油圧室とを連通させる油連通路と、油圧負荷小シリンダの出退部にその荷重を負荷させる小シリンダ用重錘と、を設けることにより、油圧シリンダや油圧負荷小シリンダから外部に油がリークすることがなくなり、油のリークによる悪影響を防止できる。また、油圧シリンダ(油圧シリンダの本体部分)や油圧負荷小シリンダが支持固定枠などに取り付けられている状態で、支持固定枠や検査対象はかりの載台の歪によるクリープ現象が生じても、負荷発生装置の負荷は油圧シリンダ(油圧シリンダの本体部分)や油圧負荷小シリンダの油圧に基づいたものであるため、クリープ現象の影響を受けず、安定した荷重を基準はかりなどに負荷し続けることができ、この結果、設定荷重負荷時における時間的な荷重変動を減少させることができて、ひいては検査の信頼性を向上させることができる。
また、これに代えて、荷重発生装置として、荷重発生用重錘とこの荷重発生用重錘の負荷を増幅して荷重を発生する荷重発生用槓桿とを有する機械式槓桿装置が用いられて、機械式槓桿装置自体が設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動を減少させる荷重変動減少機構の機能を有する構成とすることにより、当然ながら油のリークに起因する設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動が生じなくなるとともに、機械式槓桿装置を支持する支持固定枠や検査対象はかりの載台による歪によるクリープ現象が生じても、荷重発生用槓桿を概略水平に維持することで、荷重発生装置から発生する荷重が安定して、このクリープ現象に起因する荷重変動の影響が少なくなり、この結果、設定荷重負荷時における時間的な荷重変動を減少させることができて、ひいては検査の信頼性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るはかりの検査装置および検査対象はかりを概略的に示す側面図であり、検査対象はかりがピット埋込式のトラックスケールである場合を示す。 同はかりの検査装置および検査対象はかりを概略的に示す平面図である。 同はかりの検査装置および検査対象はかりを概略的に示す正面図である。 同じくはかりの検査装置および検査対象はかりを概略的に示す側面図であり、検査対象はかりが地上設置式のトラックスケールである場合を示す。 同はかりの検査装置および検査対象はかりを概略的に示す平面図である。 同はかりの検査装置および検査対象はかりを概略的に示す正面図である。 本発明の実施の形態(第1の実施の形態)に係るはかりの検査装置の正面図である。 同はかりの検査装置の荷重発生装置や荷重受け部、ロバーバル機構などを示す要部拡大正面図である。 同はかりの検査装置の重錘や重錘昇降装置などを示す要部拡大正面図である。 図8のX-X線矢視平面断面図である。 図7のXI-XI線矢視側面断面図である。 図7のXII-XII線矢視側面断面図である。 図7のXIII-XIII線矢視側面断面図である。 図7のIXV-IXV線矢視側面断面図である。 図7のXV-XV線矢視側面断面図である。 図7のXVI-XVI線矢視側面断面図である。 本発明の他の実施の形態(第2の実施の形態)に係るはかりの検査装置の正面図である。 図17のXVIII-XVIII線矢視平面断面図である。 図17のIXX-IXX線矢視側面断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態(第3の実施の形態)に係るはかりの検査装置の正面図である。 図20のXXI-XXI線矢視平面断面図である。 従来の検重方法および検重装置を示す図である。 従来のはかりの検査装置を示す図である。 同従来のはかりの検査装置の基準はかりを示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係るはかりの検査装置を、図面に基づき説明する。
図1~図3に示すように、本発明の実施の形態に係るはかりの検査装置1は、載台4a有する検査対象はかり4を検査または検定するはかりの検査装置1である。このはかりの検査装置1は、鉛直荷重を発生(負荷)する荷重発生装置2と、基準となる荷重値を検出する基準はかり3と、を備えている。そして、これらの荷重発生装置2と基準はかり3と検査対象はかり4とを上下方向に並ぶ姿勢で直列に配設させて(より具体的には、検査対象はかり4の上に基準はかり3を配置し、基準はかり3の上に荷重発生装置2を配置して)、荷重発生装置2からの荷重が、基準はかり3と検査対象はかり4とに共通して負荷するように構成している。基準はかり3は、検査対象はかり4よりも高精度であるものが用いられる。なお、荷重発生装置2や基準はかり3の具体的構成については後述し、図1~図3(および後述する図4~図6)においては、荷重発生装置2や基準はかり3を簡略的に示している。
なお、この実施の形態では、載台4aの長手方向に対して2つのはかりの検査装置1が配置され、各はかりの検査装置1の左右(載台4aの幅方向)に対して基準はかり3および荷重発生装置2などが対となって設けられている。つまり、検査対象はかり4に対して基準はかり3および荷重発生装置2などが合計4つ配置されている場合を説明するが、これに限るものではない。
また、図示しないが、基準はかり3および検査対象はかり4は、入力部および表示部を有する指示計をそれぞれ備えているとともに、入力部に設けられた押しボタンを押すなどして指示した際に、計量値が0であるように設定する0点(零点)設定部(風袋設定部とも称される)をそれぞれ有する。さらに、基準はかり3には、複数(この実施の形態では4つ)の基準はかり3の計量値(負荷値)の合計値などを表示部に表示する機能や、荷重発生装置2を制御する制御部も備えられている。
ここで、図1~図3は、検査対象はかり4が、いわゆるピット埋込式のトラックスケールである場合を示している。図1~図3において、11は基準はかり3の上方を跨ぐ姿勢で配置されている門型の支持固定枠(負荷フレーム)、12は地面などの設置部(固定部)、13Aと18は検査対象はかり4が配設されているコンクリート製の基礎とピット、14は基礎13Aの側壁13a上に立設して固定されている金属製の基礎フレーム、15は、基礎フレーム14に固定されて、門型の支持固定枠(負荷フレーム)6が組み付けられる金属製の縦固定フレームである。なお、縦固定フレーム15は検査時には連結部材により基礎フレーム14に固定されるが、設置組付け時などに支持固定枠11や基準はかり3などの位置を変更できる(移動できる)ように、移動用車輪16(図7参照)が設けられている(図3および後述する図6では省略して示している)。なお、基礎フレーム14は基礎13Aの側壁13aにアンカーボルト等で固定することにより、基礎13Aの側壁13aの強度を補強するものである。したがって、もし基礎13Aが新設される場合であって、この基礎13Aがコンクリート強度、配筋本数、強度を従来の基礎より増加することが可能な場合は、この基礎フレーム14は不要である。
これらの図に示すように、基礎13Aは周囲が埋められて、その上面が地表面などの設置面と同様な高さとなっている。また、トラックなどの車両が載せられるトラックスケールの載台4aは下方から複数のロードセル10により支持されており、これらのロードセル10に指示計などが接続されている。また、ロードセル10と、検査対象はかり4の載台4aを下方から支持する支持桁17とが、ピット18内に配置されている。なお、検査対象はかり4の載台4aと、基礎13Aとの間には隙間が設けられて、載台4aが基礎13Aに接触せず、計量時の誤差を生じないように配置されている。
ピット埋込式のトラックスケールに代えて、検査対象はかり4が、図4~図6に示すような、いわゆる地上設置式のトラックスケールの場合にも、このはかりの検査装置1により検査可能である。これらの図に示すように、この地上設置式のトラックスケールからなる検査対象はかり4では、地面である設置部12から比較的浅い深さで載台4aの前方箇所と後方箇所とに基礎13Bが設置され、各基礎13Bの左右に設置された合計4つのロードセル10によりトラックスケールの載台4aが四隅で支持されている。また、載台4aにトラックなどの車両を導く傾斜案内路19が、載台4aの前方と後方とに配置されている。載台4aの側方に近接して縦固定フレーム15がそれぞれ立設され、これらの縦固定フレーム15上に跨って、門型の支持固定枠(負荷フレーム)11が設置されている。なお、図4~図6における14は、基礎13Bの側壁13a上に立設して固定されている金属製の基礎フレーム、15は、基礎フレーム14に固定されて、支持固定枠11が組み付けられる金属製の縦固定フレームである。なお、以下の図面では、検査対象はかり4が、ピット埋込式のトラックスケールである場合を図示して説明する。
図1~図6に示すように、検査対象はかり4の載台4aは略矩形であり、この実施の形態では、載台4aの幅方向に対して基準はかり3および荷重発生装置2が2つ(すなわち、左右に対となって)配置され、これらの対となった基準はかり3および荷重発生装置2などが、載台4aの長手方向に対しても複数(この実施の形態では、載台4aの前方寄り箇所と後方より箇所とに1対ずつ)配置されている。
図7~図10に示すように、基準はかり3は、検査対象はかり4を検査する状態では、荷重を受ける荷重受け部5とこの荷重受け部5を支持するロバーバル機構(平行リンク機構とも称せられる)6とを有している。そして、荷重発生装置2からの荷重が、後述する変位拡大ばね51を有する荷重変動減少機構50と、基準はかり3の荷重受け部5およびロバーバル機構6とを通して、検査対象はかり4に負荷するよう構成されている。なお、荷重受け部5は、受け皿、または載台支持部や載台受部とも称せられる。すなわち、荷重受け部5は一般的なはかりにおいて載台を取り付けて支持する部分であり、基準はかり3には一般的な載台は設けられていない。
左右の基準はかり3は、共通の基台21上に載せられた状態で設けられており、基準はかり3の基台21と検査対象はかり4との間には、荷重伝達体20が配置され、この荷重伝達体20は、トラックスケールにのるトラックのタイヤの位置に対応して、基準はかり3および荷重発生装置2の荷重が、検査対象はかり4の載台4aの前後左右の4か所の位置に負荷するように配置されている。
この実施の形態では、荷重発生装置2が1つの油圧シリンダにより構成されている。油圧シリンダには外部から油が供給され、電磁弁などにより油の供給が停止される。そして、油圧シリンダのピストンに結合された出退部2aが真下に突出して力を負荷する(すなわち、鉛直荷重を負荷する)姿勢で、油圧シリンダの本体部分が支持固定枠11に固定されている。さらに、荷重発生装置2としての油圧シリンダと基準はかり3(この実施の形態では、基準はかり3の荷重受け部5)との間に、荷重発生装置2により設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動を減少させる荷重変動減少機構50が設けられている。この実施の形態では、荷重変動減少機構50が、荷重発生装置2からの荷重の増加によって縮んで荷重負荷時の変位を拡大する変位拡大ばね51などにより構成されている。
なお、この実施の形態では、図7、図8に示すように、変位拡大ばね51の上部外周には外筒部52が配置されて、荷重発生装置2からの荷重が外筒部52を介して変位拡大ばね51に負荷される。また、変位拡大ばね51の下部内周には内筒部53が配置されて、変位拡大ばね51の荷重が内筒部53で受けられて基準はかり3の荷重受け部5に伝達される。しかし、これに限るものではなく、荷重発生装置2からの荷重を良好に変位拡大ばね51され、変位拡大ばね51からの荷重が基準はかり3の荷重受け部5に良好に伝達される構造であればよい。
基準はかり3は、検査対象はかり4に載せられる基台21と、基台21から立設する立設部22と、左右に延びるように配置された平衡棹23と、増錘25などを備え、荷重受け部5からの荷重が平衡棹23の重点(作用点)23aに負荷される。平衡棹23は立設部22との接触点が支点23bとして受けられ、増錘25からの荷重が平衡棹23の力点23cに負荷される。
荷重を受ける荷重受け部5には、この実施の形態においては、鋼球受け部が設けられており、横揺れや横荷重が荷重発生装置2から負荷され難いようになっている。図7、図8に示すように、基準はかり3の立設部22には、ロバーバル機構6の下辺リンク6aが回転自在に連結され、荷重受け部5の下部に、ロバーバル機構6の縦リンク6bが結合(固定)されている。そして、下辺リンク6aと縦リンク6bと立設部22と平衡棹23の支点23bから重点23aまでの部分とによりロバーバル機構6が構成されている。なお、検査時以外に縦リンク6bを介して平衡棹23の姿勢を維持できるようにシリンダ装置からなる休み装置27も設けられている。また、平衡棹23の一端部には無駄目消し錘26が取り付けられ、平衡棹23の支点23bからの質量が釣り合うようになっている。また、この実施の形態では、立設部22の上端部に一対の受けローラが組付けられ、これらのローラにより平衡棹23の支点23b部分に設けられている支点刃が安定した状態で受けられている。
なお、この実施の形態では、図7~図11などに示すように、左右に配置された基準はかり3の平衡棹23(23A、23B)が広幅と狭幅とされて僅かに隙間を有する状態で互いに嵌め込まれたように配置されて(平面視するとほぼ同じ位置に重なるように配置されて)、設置スペースが小さくなるように図られているが、これに限るものではない。
平衡棹23の力点23cとなる箇所に設けられた刃には増錘25を下方から受ける増錘受け具28の上受け部28aが当接された状態で引っ掛けられ、平衡棹23の力点23cに、増錘25からの荷重を負荷できるよう構成されている。増錘25は上下に積み重ね可能に複数設けられ、最も下方の増錘25が増錘受け具28の底板部28bに載置可能な状態で配置されている(図7、図9、図13、図14参照)。この実施の形態では、複数の連結具29により3つの増錘25が上下にスライド可能な状態で連結され、最も上方の増錘25が、増錘昇降装置30により昇降される昇降枠31を介して吊り下げられている。
増錘昇降装置30は、同じ長さの4本のリンクが菱形に連結された昇降リンク32と、昇降リンク32における上側のリンク(上端部は支持固定枠11に連結されている)と下側のリンクとの連結部分(左右の連結部)を横方向に貫通するねじ軸33と、上側のリンクと下側のリンクとの連結部分に形成されてこのねじ軸33に螺合する雌ねじ部を有するねじ受け部(図1では簡略的に示している)と、このねじ軸33を回転する昇降用モータ34などからなる。そして、昇降用モータ34を駆動することにより、上側のリンクと下側のリンクとを連結している左右の部分間の距離が変動し、これに伴い、上側のリンクの上端部と下側のリンクの下端部との距離が変動するので、この昇降リンク32を介して昇降枠31が昇降される。なお、配置によっては、フレックスシャフト35を介して、ねじ軸33が回転されるよう構成されている。
そして、昇降枠31を最も上方の所定位置まで移動させた際には、増錘昇降装置30により(ひいては増錘昇降装置30が取り付けられている支持固定枠11により)、全ての増錘25を支持し、増錘25の荷重は、増錘受け具28や平衡棹23の力点23cには負荷されない(作用しない)。また、この状態から、増錘昇降装置30の昇降用モータ34を駆動させて昇降リンク32および昇降枠31を下降させることにより、増錘受け具28に負荷する増錘25の荷重が1個分、2個分と段階的に増加し、昇降枠31を最も下方の所定位置まで移動させることにより、全ての増錘25の荷重が増錘受け具28を介して、平衡棹23の力点23cに負荷できるようになっている。
なお、図7、図9における36は、平衡棹23が水平になったことを検知するための水平検知ロードセル(偏荷重検知ロードセル)であり、(平衡棹23が水平でない場合には、平衡棹23に取り付けた検知片が水平検知ロードセル36に荷重として負荷されるため、平衡棹23が水平になったことを検知できるだけでなく、検知片を取り付けている箇所が上方に傾斜しているのか、下方に傾斜しているのか、および傾斜度合いも検知できる。また、図7、図9、図15における37は、平衡棹23の搖動を緩和するオイルダンパ、38はこのはかりの検査装置1を載台4a上で移動する際に、平衡棹23を基台21に固定する移動用ロック装置フレーム、図7、図8、図12、図16における39は平衡棹23の過度の搖動を規制する平衡棹搖動ストッパである。
また、図7、図8における40は荷重受け部5に負荷させる荷重を微小に調整する微小荷重発生装置である。微小荷重発生装置40は、例えば、支持固定枠11にブラケットなどにより取り付けられて、下方に出退するねじ軸を回転自在のモータ41と、このねじ軸の先端に取り付けられた昇降板42と、この昇降板42に上端部が係止された引張りばね43と、引張りばね43の下端部が係止され、荷重受け部5に着脱自在の係止板44とを有している。そして、モータ41のねじ軸を回転させて、昇降板42を上昇させることにより、荷重受け部5に負荷させる荷重を微小に減少させて、荷重受け部5に負荷させる荷重を微小量で調整することができる。
このはかりの検査装置1を用いて、検査対象はかり4を検定または検査する際(はかりの検査方法を実行する際)には、予め、検査対象はかり4の上に基準はかり3を載せた状態で、測定荷重が0(零)となるように、検査対象はかり4の測定荷重をキャンセル(減算)しておく。
この後、荷重発生装置2から荷重を荷重受け部5に負荷させて、検査範囲で決められた値となるように荷重を発生させる。これにより、荷重発生装置2からの荷重が、基準はかり3と、検査対象はかり4とに共通して負荷される(基準はかり3では高精度に荷重値が検出される)ので、これらの測定値の差を、器差として確認し、この結果から検定または検査の合否などを判定する。
より具体的に説明すると、0点設定時には、増錘昇降装置30により昇降枠31を最も上方の所定位置まで上昇させて、増錘25を増錘受け具28の底板部28bから離反させ、全て(3つの)の増錘25の荷重は支持固定枠11から吊り下げて支持させる。なお、この時に荷重発生装置2の出退部2aの先端も荷重受け部5から離れている状態(荷重が作用していない状態)の際に、平衡棹23が平衡(水平状態)であり、水平検知ロードセル(偏荷重検知ロードセル)36の出力が零となるよう、平衡棹23に取り付けられた無駄目消し錘26の位置を左右方向(図7においても左右方向)に移動して微調整しておく。検査対象はかりの上には合計4つの基準はかり3が設置されているので、全ての基準はかり3を上記の状態にセットしておく。
この後については、理解を容易にするため具体例として、検査対象はかり4がひょう量30t、目量10kgのトラックスケールである場合を説明する。検定時に必要な荷重点は5か所以上であり、最小測定量200kg、検定公差の切替え点の5t、20tおよびひょう量30tの4点は必須測定点であり、これ以上の1点は任意でよいが、例えば10tの荷重点とする。
また、はかりの検査装置1の左右に設置している基準はかり3のひょう量は各々7.5tである。この際のひょう量は基準はかり3に負荷される荷重発生装置2の負荷荷重と基準はかり3の平衡棹23の力点に負荷される増錘25の質量による荷重の合計値を指す。なお、基準はかり3の荷重減少率(平衡棹の支点、重点間距離/支点、力点間距離)は1/19に設定されている。また、増錘25の質量は125kgとし3つで375kgである。
検定時の手順は、まず、検査対象はかり4の上に基準分銅50kgを載せる。この状態で、検査対象はかり4の0点を設定する。次いで上記の状態で左右の基準はかり3の増錘25をそれぞれ1つ下降させて基準はかり3の平衡棹23の力点23cに負荷させる。これによって、125kg×2つ=250kgすなわち、250kgが基準はかり3から検査対象はかり4へ負荷されたことになる。
この状態を確認した後、先ほど検査対象はかり4の上に載せた基準分銅50kgを除去する。これで最小測定量200kg分の荷重が検査対象はかり4に負荷されたことになるので、器差を求める。
次いで再度、検査対象はかり4に基準分銅50kgを載せる。これにより、荷重発生装置2の出退部2aの先端が下降して、荷重受け部5に押し付けられることで荷重を負荷する。荷重発生装置2において、基準はかり3の平衡棹23の平衡状態を検知する水平検知ロードセル(偏荷重検知ロードセル)の信号により油圧を制御し、平衡状態に静止した負荷荷重が荷重受け部5を通じて基準はかり3に伝達される。この負荷荷重は、質量換算で増錘25の1つの質量125kg/荷重減少率なので、125kg/(1/19)=2375kgとなる。この荷重と増錘25の合計値2375kg+125kg=2500kgが1つの基準はかり3で発生するから、2つの基準はかりでは2500kg×2=5tの荷重となって、検査対象はかり4に負荷して検定することになる。以下同様に左右の基準はかり3の増錘25をそれぞれ2つ~3つと負荷すれば、5t×2=10t、5t×3=15tの荷重が検査対象はかり4に負荷される。はかりの検査装置1は検査対象はかり4の前後方向(長手方向)に2セット配置されているから、合計15t×2=30tの検査対象はかり4のひょう量まで、器差を求めることにより検定可能となる。
なお、例えば、上記寸法例の平衡棹23を用いた場合には、1つで125kgの増錘を3つ使用することで、2.5t、5t、7.5tの荷重を基準はかり3から負荷することができて、この基準はかり3を検査対象はかり4の載台4aの左右に1つずつ、これらの対となった基準はかり3を載台4aの前寄り箇所と後寄り箇所とにそれぞれ配置することにより、例えば、30tの秤量のトラックスケールからなる検査対象はかり4を、実際に荷重を負荷させながら検査することができる。
ここで、上記構成によれば、荷重発生装置2として基準はかり3に荷重を負荷する油圧シリンダが備えられ、荷重発生装置2により設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動を減少させる荷重変動減少機構50が設けられている。また、荷重変動減少機構50が、荷重発生装置2からの荷重の増加によって縮んで荷重負荷時の変位を拡大する変位拡大ばね51を有する構成とされている。
この構成により、変位拡大ばね51が設けられていない場合と比較して、設定荷重とするために荷重発生装置2の油圧シリンダにより大きいストロークを変化させなければならず、これに伴い油圧シリンダへの油の供給量が大きくなる。したがって、油がリークした場合でも、その影響度合いが小さくなり、ひいては、油のリークに起因する時間的な荷重変動を減少させることができる。また、油圧シリンダを支持固定枠(負荷フレーム)11により支持していた場合には、この支持固定枠11や検査対象はかり4の載台4aによる歪によるクリープ現象が、変位拡大ばね51により緩和されるため、このクリープ現象に起因する時間的な荷重変動を減少させることができる。これにより、このはかりの検査装置による検査の信頼性を向上させることができる。
また、上記構成によれば、検査対象はかり4の載台4aの幅方向に対して基準はかり3および荷重発生装置4が2つずつ配置され、載台4aの長手方向に対しても基準はかり3および荷重発生装置4が2対ずつ配置されており、合計4つの基準はかり3および荷重発生装置4が設けられている。すなわち、このように、大秤量の検査対象はかり4に対して、基準はかり3および荷重発生装置4を1つしか設けない場合には、基準はかり3および荷重発生装置4としても極めて大きな質量となってしまうため、0点設定を行う際(初期荷重設定時)での質量も大変大きくなってしまう。これに対して、上記のように、検査対象はかり4の載台4aの幅方向および長手方向に対して2台の基準はかり3および荷重発生装置4を設けることにより、基準はかり3および荷重発生装置4の合計の質量も小さくすることができて、0点設定時に検査対象はかり4の測定荷重を0に近づけた荷重点から検査することができ、検査の信頼性を向上させることができる。なお、検査対象はかり4の載台4aの幅方向に対して基準はかり3および荷重発生装置4を3つ以上配置したり、載台4aの長手方向に対して基準はかり3および荷重発生装置4を3つ以上配置したりしてもよい。
また、上記構成によれば、検査対象はかり4がトラックスケールであり、トラックスケールにのるトラックのタイヤの位置に対応して、基準はかり3および荷重発生装置2の荷重が、検査対象はかり4の載台4aの前後左右の4か所の位置に負荷するように構成されている。
この構成により、トラックがのった場合と同様な荷重をトラックスケールに負荷することができて、トラックスケールを良好に検査することができる。すなわち、トラックスケールは、トラックがのった場合に極めて良好に測定できるようにロードセル10が配置されている場合が多く、このようなトラックスケールを実際に使用される条件に対応させながら良好に検査することができる。
また、上記構成によれば、基準はかり3が、載台を有していないので、その分だけ、検査の際での基準はかり3が軽量化され、0点設定時に検査対象はかり4に負荷される実際の荷重を小さくして検査することができる利点もある。すなわち、トラックスケールなどの極めて大秤量のはかりでは、基準はかり3の載台の質量として数100kgとなる場合もあり、この場合には、基準はかり3として載台を有しないものを用いることで大幅に軽量化できる。したがって、0点設定時に検査対象はかり4の測定荷重を0に近づけた荷重点から検査することができ、検査の信頼性を向上させることができる。
つまり、特許文献2に開示されている図23、図24に示すようなはかりの検査装置では、基準はかり160が、載台161を有するはかりであるため、0点設定時における検査対象はかり4に負荷される荷重が大きくなる。したがって、0点設定時に検査対象はかり4の測定荷重を0から大きく離れた荷重点から検査することとなり、小さな荷重測定範囲での検査の信頼性が低下する恐れがあったが、上記構成によれば、このような不具合を改善することができる。
また、上記構成によれば、増錘25を平衡棹23の力点23cに負荷させる状態と、増錘25を基準はかり3の外部で支持させる(基準はかり3に対して外部である支持固定枠11で支持させる)状態とに、切り換える増錘昇降装置30を有している。この構成により、増錘25を平衡棹23の力点23cに負荷させる状態と、0点設定時に、基準はかり3の外部で支持させて基準はかり3に増錘25の質量を負荷させない状態とに簡単に切り換えることができ、便利である。
また、上記のように、基準はかり3に設けられている増錘25を、0点設定時には、基準はかり3の外部(この実施の形態では支持固定枠11)で支持させて基準はかり3に増錘25の質量を負荷させない。これにより、0点設定時での検査対象はかり4に負荷される荷重(自重)をさらに小さくして検査することができる。
図17は、本発明の他の実施の形態(第2の実施の形態)に係るはかりの検査装置の正面図、図18は図17のXVIII-XVIII線矢視平面断面図、図19は図17のIXX-IXX線矢視側面断面図である。
上記実施の形態のはかりの検査装置では、荷重発生装置2として、上記実施の形態と同様に油圧シリンダ60が設けられているが、この実施の形態では、図17~図19に示すように、荷重変動減少機構50として、油圧シリンダ60のピストン面積よりも小さいピストン面積の油圧負荷小シリンダ61と、油圧シリンダ60の油圧室と油圧負荷小シリンダ61の油圧室とを連通させる油連通路62(62A、62B)と、油圧負荷小シリンダ61の出退部にその荷重を負荷させる小シリンダ負荷用重錘63と、が設けられている。また、油圧シリンダ60と油圧負荷小シリンダ61との両方が、固定部(基礎13や基礎フレーム14)に固定された支持固定枠11に取り付けられている。すなわち、この実施の形態では、大きいピストン面積の油圧シリンダ60と小さいピストン面積の油圧負荷小シリンダ61とが単に油連通路62(62A、62B)でつながれており、他には油を供給する流路や油の供給を停止可能な電磁弁などが設けられていない構造である。そして、増錘昇降装置30は同じ構造であるが、増錘昇降装置30により、平衡棹23の力点23cに負荷させる増錘(基準はかり用増錘)25だけでなく、油圧負荷小シリンダ61の出退部を下方に負荷する小シリンダ負荷用重錘63も昇降させるようになっている。
ここで、小容量の油圧負荷小シリンダ61も出退部が下方に突出するように配置されており、ピストンを下方に押し下げるように、組付け具64を介して小シリンダ負荷用重錘63が組付けられている。なお、油は小容量の油圧負荷小シリンダ61ではそのピストンの下方に臨む空間に入れられている。一方、荷重発生装置2としての大容量の油圧シリンダ60では、油はそのピストンの上方に臨む空間に入れられている。また、油圧負荷小シリンダ61のピストンと、油圧シリンダ60のピストンとは、平衡棹23の増幅倍率(先に記載した減少率の逆数)と同じ面積比とされている。例えば、平衡棹23による増幅率が19倍である場合には、油圧シリンダ60のピストンの面積が、油圧負荷小シリンダ61のピストンの面積の19倍とされている。
また、図17、図19に示すように、増錘25と同様に、小シリンダ負荷用重錘63は上下に積み重ね可能に複数設けられ、最も下方の小シリンダ負荷用重錘63が、組付け具64の底板部64bに載置可能な状態で配置されている。この実施の形態では、複数の連結具65により3つの小シリンダ負荷用重錘63が上下にスライド可能な状態で連結され、最も上方の小シリンダ負荷用重錘63が増錘25と同期して、増錘昇降装置30により昇降される昇降枠31を介して吊り下げられている。
なお、基準はかり3の構造は、増錘昇降装置30の支持固定枠11に対する取付け位置(第1の実施の形態では支持固定枠11の下方に組付けられていたが、この第2の実施の形態では支持固定枠11の上方に組付けられている点と、上述したように、増錘昇降装置30により、増錘(基準はかり用増錘)25だけでなく、小シリンダ負荷用重錘63も昇降させる点と、以外の構成は、上記実施の形態の基準はかり3の構造と同じである。
この構成において、増錘昇降装置30により昇降枠31を下降させることにより、増錘25による平衡棹23の力点23cに負荷させると平衡棹23の力点23cの増錘25の荷重が増幅されて、平衡棹23の重点23aに上向き荷重が発生する。一方、平衡棹23の力点23cに負荷させる増錘25と同じ質量の小シリンダ負荷用重錘63が同じタイミングで小容量の油圧負荷小シリンダ61のピストンに負荷されるので、この負荷が増幅された力が荷重発生装置2としての大容量の油圧シリンダ60から下向きに発生し、この油圧シリンダ60からの負荷と、平衡棹23の重点23aに作用した負荷とが釣り合う。なお、わずかに平衡棹23が傾いた場合には、微小荷重発生装置40により、荷重を調整して平衡棹23が水平になるように調整する。
このように、平衡棹23が水平になった際には、荷重発生装置2から負荷された力(平衡棹23により増幅された力に等しい)と、平衡棹23の力点23cに負荷した増錘25の質量との合わされた負荷が、検査対象はかり4に負荷されたことになるため、この際の荷重と、検査対象はかり4の測定荷重とを比較する、すなわち、これらの測定値の差を、器差として確認し、この結果から検定または検査の合否などを判定することができる。
また、この構成によれば、油は油圧シリンダ60と油圧負荷小シリンダ61との間で行き来するだけであり、電磁弁などは接続されていないので、油圧シリンダ60や油圧負荷小シリンダ61から外部に油がリークすることがなくなり、油のリークによる悪影響を防止でき、ひいては、油のリークに起因する時間的な荷重変動をなくすことができる。また、油圧シリンダ60(油圧シリンダ60の本体部分)を支持する支持固定枠11や検査対象はかり4の載台4aの歪によるクリープ現象に起因して油圧シリンダ60の支持位置が微小に変化しても、荷重発生装置2の負荷は油圧シリンダ60(油圧シリンダ60の本体内部分)や油圧負荷小シリンダ61の油圧に基づいたものであるため、クリープ現象の影響を受けず、安定した荷重を基準はかり3などに負荷し続けることができ、この結果、設定荷重負荷時における時間的な荷重変動を減少させることができて、ひいては検査の信頼性を向上させることができる。
図20は、本発明のさらに他の実施の形態(第3の実施の形態)に係るはかりの検査装置の正面図、図21は図20のXXI-XXI線矢視平面断面図である。
この実施の形態では、図20、図21に示すように、荷重発生装置2として、荷重発生用重錘74とこの荷重発生用重錘74の負荷を増幅して荷重を発生する荷重発生用槓桿73とを有する機械式槓桿装置70が用いられて、機械式槓桿装置70自体が設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動を減少させる荷重変動減少機構50の機能を有していることを特徴とする。これらの点以外は、上記第2の実施の形態と同様である。
また、荷重発生装置2としての機械式槓桿装置70自体も、基準はかり3と同様な構成とされている。機械式槓桿装置70は、基準はかり3の荷重受け部5に荷重を与える荷重負荷部71(基準はかり3の荷重受け部に対応する)と、ロバーバル機構(平行リンク機構とも称せられる)72と、左右に延びるように配置された荷重発生用槓桿(荷重発生用てこ)73と、荷重発生用重錘74と、上端部が槓桿水平補正用昇降装置(昇降シリンダ)75を介して、昇降可能に取り付けられて、荷重発生用槓桿73の支点73bを上方から受ける支点台76と、下部に形成された受け部で荷重発生用槓桿73の重点73aを下方から受けるとともに、その上部で荷重負荷部71の上部に形成された刃部71aを上方から受ける負荷伝達枠77、などを備えている。
また、78は荷重発生用槓桿73の過度の搖動を規制する荷重発生用槓桿搖動ストッパ、79は3つの荷重発生用重錘74を上下にスライド可能な状態で連結する連結具、80は荷重発生用槓桿73の力点73cに上方からのるように配置された組付け具、80aは組付け具80の底板部、81は荷重発生用槓桿73の支点73bや重点73aから力点73cから離れる方向に延びる端部に取り付けられた無駄目消し錘で、荷重発生用槓桿73の支点73bからの質量が釣り合うようになっている。なお、組付け具80の底板部80aに荷重発生用重錘74が載置可能に配設され、組付け具80は左右に延びる連結リンク81を介して支点台76に搖動自在に連結されている。また、増錘昇降装置30は、第2の実施の形態で用いられているものと同じ構造である。
そして、増錘昇降装置30により、増錘25とともに、荷重発生用重錘74を下降させて、荷重発生用重錘74の荷重を荷重発生用槓桿73の力点73cに負荷させることで、この負荷が荷重発生用槓桿73で増幅されて荷重負荷部71からの荷重(荷重発生装置2により発生した負荷)が基準はかり3の荷重受け部5に負荷されるよう構成されている。なお、この際に、荷重発生用槓桿73が水平の姿勢となるように、槓桿水平補正用昇降装置75により調整する。
なお、左右の荷重発生用槓桿73も、左右に配置された基準はかり3の平衡棹23(23A、23B)と同様に、広幅と狭幅とされて僅かに隙間を有する状態で互いに嵌め込まれたように配置されて(平面視するとほぼ同じ位置に重なるように配置されて)、設置スペースが小さくなるように図られているが、これに限るものではない。
この構成によっても、荷重発生用槓桿73を水平にさせた際には、荷重発生用重錘74の負荷が荷重発生用槓桿73により増幅されて、荷重負荷部71から発生される。また、平衡棹23が水平になった際に、荷重発生装置2として荷重負荷部71から発生した負荷と、平衡棹23の力点23cに負荷した増錘25の質量との合わされた負荷が、検査対象はかり4に負荷されたことになるため、この際の荷重と、検査対象はかり4の測定荷重とを比較する、すなわち、これらの測定値の差を、器差として確認し、この結果から検定または検査の合否などを判定することができる。
また、この構成によれば、荷重発生装置2として、荷重発生用重錘74とこの荷重発生用重錘74の負荷を増幅して荷重を発生する荷重発生用槓桿73とを有する機械式槓桿装置70を用いているので、荷重発生装置として油圧シリンダを用いる場合の油のリークに起因する設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動が生じなくなるとともに、機械式槓桿装置70を支持する支持固定枠11や検査対象はかり4の載台4aによる歪によるクリープ現象が生じても、荷重発生用槓桿73を概略水平に維持することで、荷重発生装置2から発生する負荷を安定させることができて、クリープ現象に起因する荷重変動の影響を少なくでき、この結果、設定荷重負荷時における時間的な荷重変動を減少させることができ、ひいては、検査の信頼性を向上させることができる。
1 はかりの検査装置
2 荷重発生装置
3 基準はかり
4 検査対象はかり
5 荷重受け部
6 ロバーバル機構(平行リンク機構)
10 ロードセル
11 支持固定枠(負荷フレーム)
12 設置部(固定部)
13A、13B 基礎
20 荷重伝達体
21 基台
22 立設部
23 平衡棹
25 増錘(おもり)
28 増錘受け具
29 連結具
30 増錘昇降装置
40 微小荷重発生装置
50 荷重変動減少機構
51 変位拡大ばね
60 油圧シリンダ
61 油圧負荷小シリンダ
62(62A、62B)油連通路
63 小シリンダ用重錘
70 機械式槓桿装置
71 荷重発生用重錘
72 ロバーバル機構
73 荷重発生用槓桿
74 荷重発生用重錘
75 槓桿水平補正用昇降装置
76 支点台

Claims (9)

  1. 検査対象はかりを検査または検定するはかりの検査装置であって、
    鉛直荷重を発生する荷重発生装置と、基準となる荷重値を検出する基準はかりと、を備え、
    荷重発生装置と基準はかりと検査対象はかりとを上下方向に並ぶ姿勢で直列に配置させて、荷重発生装置からの荷重が、基準はかりと検査対象はかりとに共通して負荷するように構成し、
    荷重発生装置が、この荷重発生装置により設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動を減少させる荷重変動減少機構を有している
    ことを特徴とするはかりの検査装置。
  2. 基準はかりが、平衡棹および増錘を有する機械式はかりであり、
    荷重発生装置からの荷重が、平衡棹の重点に作用することを特徴とする請求項1に記載のはかりの検査装置。
  3. 荷重発生装置として基準はかりに荷重を負荷する油圧シリンダが備えられ、
    荷重変動減少機構が、荷重発生装置と基準はかりとの間に配設されて、荷重発生装置からの荷重の増加によって縮んで荷重負荷時の油圧シリンダの変位を拡大する変位拡大ばねを有していることを特徴とする請求項1または2に記載のはかりの検査装置。
  4. 荷重発生装置として、基準はかりに荷重を負荷する油圧シリンダが備えられ、
    荷重変動減少機構として、
    油圧シリンダのピストン面積よりも小さいピストン面積の油圧負荷小シリンダと、
    油圧シリンダの油圧室と油圧負荷小シリンダの油圧室とを連通させる油連通路と、
    油圧負荷小シリンダの出退部にその荷重を負荷させる小シリンダ用重錘と、
    が設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のはかりの検査装置。
  5. 荷重発生装置として、荷重発生用重錘とこの荷重発生用重錘の負荷を増幅して荷重を発生する荷重発生用槓桿とを有する機械式槓桿装置が用いられて、機械式槓桿装置自体が設定荷重を負荷した際での時間的な荷重変動を減少させる荷重変動減少機構の機能を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のはかりの検査装置。
  6. 検査対象はかりがトラックスケールであり、
    トラックスケールにのるトラックのタイヤの位置に対応して、基準はかりおよび荷重発生装置の荷重が、検査対象はかりの載台の前後左右の4か所の位置に負荷するように構成されていることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のはかりの検査装置。
  7. 基準はかりは、載台を有することなく、荷重を受ける荷重受け部とこの荷重受け部を支持するロバーバル機構とを有し、
    荷重発生装置からの荷重が、基準はかりの荷重受け部およびロバーバル機構を通して、検査対象はかりに負荷するよう構成されている
    ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載のはかりの検査装置。
  8. 増錘を平衡棹の力点に負荷させる状態と、重錘を基準はかりの外部で支持させる状態とに、切り換える増錘昇降装置を有することを特徴とする請求項2に記載のはかりの検査装置。
  9. 請求項8に記載のはかりの検査装置を用いて、検査対象はかりを検査または検定するはかりの検査方法であって、
    基準はかりに設けられている増錘を、0点設定時には、検査対象はかりと基準はかりとの外部で支持させて基準はかりに増錘の質量を負荷させないことを特徴とするはかりの検査方法。
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