JP2022028477A - ハブユニット軸受及びその製造方法、車両及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】かしめ部の破損状況を把握しやすいハブユニット軸受の構造を実現する。【解決手段】ハブ3は、第1ハブ素子22と第2ハブ素子23とを結合固定してなる。 第1ハブ素子22は、外周面に軸方向外側の内輪軌道11a、径方向中心部に中心孔24、軸方向外側の側面に被抑え面25、及び中心孔24と被抑え面25との境界に境界縁部56を有する。第2ハブ素子23は、外周面に軸方向内側の内輪軌道11bを有する基部27と、基部27の径方向内側部から軸方向外側に向けて伸長し、かつ、第1ハブ素子22の中心孔24に挿入した嵌合軸部28と、嵌合軸部28の軸方向外側に隣接し、被抑え面25を抑え付けたかしめ部29とを備える。かしめ部29は、境界縁部56と外部とを連通させるスリット34を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車などの車両の車輪を懸架装置に対して回転可能に支持するためのハブユニット軸受及びその製造方法、並びに、車両及びその製造方法に関する。
自動車の車輪及び制動用回転体は、ハブユニット軸受により懸架装置に対して回転自在に支持される。ハブユニット軸受において、内輪部材であるハブは、通常、第1ハブ素子と、該第1ハブ素子を外嵌した第2ハブ素子とを含む、複数の部品を組み合わせることにより構成されている。また、ハブを構成する部品の点数を減らすために、第1ハブ素子と第2ハブ素子とを、ボルトやナットなどの別部品を用いることなく、かしめ部により結合固定する構造が普及している。
図17は、第1ハブ素子と第2ハブ素子とをかしめ部により結合固定してなるハブを備えたハブユニット軸受の従来構造の1例として、特開平3-31001号公報(特許文献1)に記載されたものを示している。ハブユニット軸受100は、外輪101と、ハブ102と、複数個の転動体103とを備える。
なお、ハブユニット軸受100に関して、軸方向外側は、車両への組付け状態で車両の幅方向外側となる、図17の左側であり、軸方向内側は、車両への組付け状態で車両の幅方向中央側となる、図17の右側である。
外輪101は、内周面に複列の外輪軌道104a、104bを有し、かつ、軸方向内側部から径方向外側に向けて突出した静止フランジ105を有する。静止フランジ105は、円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する支持孔106を有する。外輪101は、静止フランジ105の支持孔106に螺合した支持ボルトにより、懸架装置に対し支持固定され、車輪が回転する際にも回転しない。
ハブ102は、外輪101の径方向内側に外輪101と同軸に配置されており、外周面に、複列の内輪軌道107a、107bを有する。ハブ102は、外輪101よりも軸方向外側に位置する部分に、径方向外側に突出した回転フランジ108を有し、かつ、軸方向外側の端部に、円筒状のパイロット部109を有する。回転フランジ108は、円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する取付孔110を有する。制動用回転体、及び、車輪を構成するホイールは、中心部に備えられた中心孔に、パイロット部109を挿通し、かつ、径方向中間部の円周方向複数箇所に備えられた通孔に、ハブボルトを挿通した状態で、ハブボルトを取付孔に螺合することにより、回転フランジ108に結合固定される。
図示の例では、ハブ102は、第1ハブ素子111と、第2ハブ素子112とを結合固定してなる。
第1ハブ素子111は、筒状に構成されており、軸方向内側部外周面に複列の内輪軌道107a、107bのうちの軸方向外側の内輪軌道107aを有し、軸方向外側部に回転フランジ108及びパイロット部109を有する。第2ハブ素子112は、外周面に複列の内輪軌道107a、107bのうちの軸方向内側の内輪軌道107bを有する基部113と、基部113の径方向内側部から軸方向外側に向けて伸長し、かつ、第1ハブ素子111を外嵌した嵌合軸部114と、嵌合軸部114の軸方向外側の端部から径方向外側に向けて折れ曲がり、第1ハブ素子111の軸方向外側の側面の径方向内側の端部を抑え付けるかしめ部115とを備える。すなわち、第1ハブ素子111は、第2ハブ素子112の基部113の軸方向外側の側面とかしめ部115の軸方向内側の側面との間で軸方向両側から挟持されることにより、第2ハブ素子112に結合固定されている。
転動体103は、複列の外輪軌道104a、104bと複列の内輪軌道107a、107bとの間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ配置されている。
特開平3-31001号公報
ところで、上述したハブユニット軸受100には、主に自動車が旋回走行する際に、路面反力に基づくモーメント荷重が加わる。かしめ部115の軸方向内側の側面の径方向内側部には、このようなモーメント荷重に基づく応力が集中しやすい。このため、ハブユニット軸受100を長期にわたり使用し続けると、かしめ部115の軸方向内側の側面の径方向内側部を起点に亀裂が発生し、この亀裂が進展することによって、かしめ部115が破損する可能性がある。
しかしながら、かしめ部115の軸方向内側の側面の径方向内側部を起点とする亀裂の進展状態は、かしめ部115を軸方向外側から見ても分かりにくい。すなわち、従来のハブユニット軸受100では、かしめ部115の破損状況を把握しにくいため、かしめ部115の破損状況に応じて交換のタイミングを決定することが難しい。そこで、かしめ部115の破損が交換の原因とならないようにするために、かしめ部115の強度を過剰に高くする設計を行うことが求められるが、その結果、必要以上に重量が増大したり、ハブユニット軸受100の製造コストが嵩みやすくなる。
本発明は、上述のような事情に鑑み、かしめ部の破損状況を把握しやすいハブユニット軸受の構造を実現することを目的とする。
本発明のハブユニット軸受は、内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、列ごとに複数個ずつ配置された転動体とを備える。
前記ハブは、第1ハブ素子と、第2ハブ素子とを備える。
前記第1ハブ素子は、外周面に前記複列の内輪軌道のうちの軸方向外側の内輪軌道、径方向中心部に中心孔、軸方向外側の側面に被抑え面、及び前記中心孔と前記被抑え面との境界に境界縁部を有する。
前記第2ハブ素子は、外周面に前記複列の内輪軌道のうちの軸方向内側の内輪軌道を有する基部と、前記基部の径方向内側部から軸方向外側に向けて伸長し、かつ、前記第1ハブ素子の前記中心孔に挿入した嵌合軸部と、前記嵌合軸部の軸方向外側に隣接し、かつ、前記被抑え面を抑え付けたかしめ部とを備える。
前記かしめ部は、前記境界縁部と外部とを連通させるスリットを備える。
本発明のハブユニット軸受の一態様では、前記スリットは、前記かしめ部の円周方向複数箇所に備えられている。
本発明のハブユニット軸受の一態様では、前記スリットは、前記かしめ部の円周方向等間隔となる複数箇所に備えられている。
本発明のハブユニット軸受の一態様では、前記スリットは、前記かしめ部の軸方向外側及び径方向両側に開口している。
本発明のハブユニット軸受の一態様では、前記スリットは、前記かしめ部の軸方向外側及び径方向外側に開口しており、前記かしめ部のうち、前記スリットよりも径方向内側に位置する部分が全周にわたりつながっている。
本発明のハブユニット軸受の一態様では、前記被抑え面は、径方向外側に向かうほど軸方向外側に向かう方向に傾斜しており、前記かしめ部の軸方向外側の側面は、前記第2ハブ素子の中心軸に対して直交する平坦面により構成されている。
本発明のハブユニット軸受の一態様では、前記かしめ部は、前記嵌合軸部の軸方向外側の端部に結合された径方向中間部と、該径方向中間部から径方向外側に張り出し、前記被抑え面を抑え付けた抑え部と、前記径方向中間部から径方向内側に張り出した内向鍔部とを有する。
本発明のハブユニット軸受の一態様では、前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子との間に、前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子との相対回転を防止する回り止め係合部が存在する。
本発明のハブユニット軸受の一態様では、前記回り止め係合部は、前記第1ハブ素子の軸方向内側の端面に備えられた第1フェイススプラインと、前記第2ハブ素子の前記基部の軸方向外側の端面に備えられた第2フェイススプラインとが噛み合うことにより構成されている。
本発明のハブユニット軸受の一態様では、前記第1ハブ素子の軸方向内側の端面のうち前記第1フェイススプラインよりも径方向一方側(径方向内側又は径方向外側)に位置する部分に存在し、前記第1ハブ素子の中心軸を中心とする円輪状の平面により構成された第1平面部と、前記第2ハブ素子の前記基部の軸方向外側の端面のうち前記第2フェイススプラインよりも径方向一方側に位置する部分に存在し、前記第2ハブ素子の中心軸を中心とする円輪状の平面により構成された第2平面部とをさらに備える。
そして、前記第1平面部と前記第2平面部とが当接しており、かつ、前記第1フェイススプラインと前記第2フェイススプラインとの互いに対向する軸方向側面同士が当接していない。
本発明のハブユニット軸受の一態様では、前記回り止め係合部は、前記スリットのそれぞれと、前記第1ハブ素子に備えられた係合凸部とが係合することにより構成されている。
本発明の車両は、ハブユニット軸受を備える。
特に、本発明の車両では、前記ハブユニット軸受が、本発明のハブユニット軸受である。
本発明のハブユニット軸受の製造方法は、本発明のハブユニット軸受を製造対象とする。
本発明のハブユニット軸受の製造方法は、
前記嵌合軸部の軸方向外側の端部から軸方向外側に向けて伸長し、かつ、円周方向の少なくとも1箇所に軸方向に伸長する軸方向スリットを有する円筒部を備えた、前記かしめ部を形成する前の前記第2ハブ素子を得る工程と、前記嵌合軸部を、前記第1ハブ素子の前記中心孔に挿入する工程と、
前記第2ハブ素子の中心軸に対して傾斜した自転軸を中心とする回転を自在に支持され、かつ、前記自転軸に対して傾斜した直線状の母線を有する凸曲面状の加工面部を有する押型のうち、前記加工面部の円周方向一部を前記円筒部の軸方向外側の端面に押し付けつつ、該押型を前記第2ハブ素子の中心軸を中心に回転させることにより、前記円筒部を軸方向に押し潰すことで、前記かしめ部を形成し、該かしめ部により前記被抑え面を抑え付けることにより、前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子とを結合固定する工程と、
を備える。
本発明のハブユニット軸受の製造方法の一態様では、前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子とを結合固定する工程において、前記第2ハブ素子の中心軸と前記自転軸とを含む仮想平面内で、前記円筒部と前記加工面部との当接部が、前記第2ハブ素子の中心軸に対して直交する直線上に存在する。
本発明のハブユニット軸受の製造方法の一態様では、前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子とを結合固定する工程において、前記加工面部を含む仮想円すい面の頂点が、前記第2ハブ素子の中心軸と前記自転軸との交点に存在する。
本発明のハブユニット軸受の製造方法の一態様では、前記第2ハブ素子の中心軸に対する前記自転軸の傾斜角度と前記かしめ部の軸方向内側の側面の形状との関係を調べる試験を行い、該試験の結果に基づいて、前記かしめ部の軸方向内側の側面を前記被抑え面に沿う形状とすることができる前記傾斜角度を求め、該求めた傾斜角度を採用して、前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子とを結合固定する工程を行う。
本発明の車両の製造方法は、ハブユニット軸受を備えた車両を製造対象とする。
本発明の車両の製造方法は、本発明のハブユニット軸受の製造方法により、前記ハブユニット軸受を製造する。
本発明のハブユニット軸受によれば、かしめ部の破損状況を把握しやすい。
図1は、実施の形態の第1例のハブユニット軸受を車両に組み付けた状態で示す断面図である。 図2は、実施の形態の第1例のハブの軸方向外側から見た斜視図である。 図3(A)及び図3(B)は、実施の形態の第1例のハブの径方向内側部を軸方向外側から見た図であり、具体的には、図3(A)は、かしめ部が損傷していない状態を示す図であり、図3(B)は、かしめ部が損傷している状態を示す図である。 図4は、実施の形態の第1例の第1ハブ素子の半部切断斜視図である。 図5は、実施の形態の第1例に関して、かしめ部を形成するための加工開始時の状態を示す断面図である。 図6は、実施の形態の第1例に関して、かしめ部を形成するための加工終了時の状態を示す断面図である。 図7は、図5と同じ状態を、ハブ及び押型のみを取り出して示す半部断面斜視図である。 図8は、図6と同じ状態を、ハブ及び押型のみを取り出して示す半部断面斜視図である。 図9は、実施の形態の第1例に関して、揺動かしめ装置にセットされた試験用組立体を示す断面図である。 図10(A)~図10(D)は、上半部が、試験片に対する押型の接触部Sを示す部分平面図であり、下半部が、試験片の塑性加工領域V及びかしめ部の形状を示す部分断面図である。 図11は、実施の形態の第2例のハブユニット軸受を構成するハブの断面図である。 図12は、実施の形態の第2例に関する、図4に相当する図である。 図13は、実施の形態の第3例のハブユニット軸受の断面図である。 図14(A)は、実施の形態の第3例に関して、かしめ部を形成するための加工開始時の状態を示す断面図であり、図14(B)は、該かしめ部を形成するための加工終了時の状態を示す断面図である。 図15(A)は、実施の形態の第4例のハブユニット軸受を構成するハブの断面図であり、図15(B)は、実施の形態の第5例のハブユニット軸受を構成するハブの断面図である。 図16は、図16(A)は、実施の形態の第6例に関して、かしめ部を形成するための加工開始時の状態を示す断面図であり、図16(B)は、該かしめ部を形成するための加工終了時の状態を示す断面図である。 図17は、ハブユニット軸受の従来構造の1例を示す断面図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1~図10を用いて説明する。
(ハブユニット軸受1の構造)
図1は、本例のハブユニット軸受1を示している。ハブユニット軸受1は、トラック、バス、大型乗用車などの大型車両の従動輪用であり、外輪2と、ハブ3と、複数個の転動体4a、4bとを備える。
なお、ハブユニット軸受1に関して、軸方向外側は、車両への組み付け状態で車両の幅方向外側となる、図1の左側であり、軸方向内側は、車両への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、図1の右側である。
外輪2は、中炭素鋼などの硬質金属製で、複列の外輪軌道5a、5bと、静止フランジ6とを備える。複列の外輪軌道5a、5bは、外輪2の軸方向中間部内周面に形成されており、軸方向に関して互いに離れる方向に向かうほど直径が大きくなる方向に傾斜した円すい凹面により構成されている。静止フランジ6は、外輪2の軸方向中間部から径方向外側に向けて突出しており、円周方向複数箇所にねじ孔により構成された支持孔7を有する。
外輪2は、車両の懸架装置を構成するナックル8の通孔9を挿通したボルト10を、静止フランジ6の支持孔7に軸方向内側から螺合して締め付けることで、ナックル8に支持固定されている。
ハブ3は、外輪2の径方向内側に、外輪2と同軸に配置されており、複列の内輪軌道11a、11bと、回転フランジ12と、パイロット部13とを備える。複列の内輪軌道11a、11bは、ハブ3の外周面のうち、複列の外輪軌道5a、5bに対向する部分に形成されており、軸方向に関して互いに離れる方向に向かうほど直径が大きくなる方向に傾斜した円すい凸面により構成されている。回転フランジ12は、外輪2よりも軸方向外側に位置するハブ3の軸方向外側部から径方向外側に向けて突出しており、円周方向複数箇所に取付孔14(図1及び図4にのみ図示、その他の図では図示省略)を有する。パイロット部13は、ハブ3の軸方向外側部のうち、回転フランジ12の径方向内側に隣接する部分から軸方向外側に向けて伸長する円筒状に構成されている。
図示の例では、ディスクやドラムなどの制動用回転体15を回転フランジ12に結合固定するために、制動用回転体15をパイロット部13の軸方向内側部に外嵌した状態で、スタッド16の基端寄り部分に備えられたセレーション部を、取付孔14に圧入し、かつ、スタッド16の中間部を、制動用回転体15の通孔17に圧入している。さらに、車輪を構成するホイール18を回転フランジ12に固定するために、ホイール18をパイロット部13の軸方向外側部に外嵌した状態で、スタッド16の先端部に備えられた雄ねじ部を、ホイール18の通孔19に挿通した状態で、該雄ねじ部にナット20を螺合して締め付けている。
転動体4a、4bは、それぞれが軸受鋼などの硬質金属製あるいはセラミックス製で、複列の外輪軌道5a、5bと複列の内輪軌道11a、11bとの間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ配置されている。また、転動体4a、4bは、それぞれの列ごとに、保持器21a、21bにより転動自在に保持されている。なお、本例では、転動体4a、4bのそれぞれは、円すいころである。
特に、本例のハブユニット軸受1では、ハブ3は、それぞれが中炭素鋼などの硬質金属製である、第1ハブ素子22と第2ハブ素子23とを結合固定してなる。
第1ハブ素子22は、筒状に構成されており、軸方向内側部外周面に複列の内輪軌道11a、11bのうちの軸方向外側の内輪軌道11aを有し、軸方向外側部に回転フランジ12及びパイロット部13を有する。また、第1ハブ素子22は、軸方向中間部及び内側部の径方向中心部を軸方向に貫通する中心孔24を有する。中心孔24の内周面は、軸方向に関して内径が変化しない円筒面により構成されている。
また、第1ハブ素子22は、軸方向外側面のうち、中心孔24の軸方向外側開口の周囲部分に、後述する抑え部31により抑え付けられる被抑え面25を有する。すなわち、第1ハブ素子22は、中心孔24と被抑え面25との境界に、境界縁部56を有する。換言すれば、中心孔24の軸方向外側の端部と、被抑え面25の径方向内側の端部との接続部には、境界縁部56が存在する。なお、図示の例では、境界縁部56は、角部であるが、凸曲面部とすることもできる。本例では、被抑え面25を含む、第1ハブ素子22の軸方向外側面の径方向内側部(パイロット部13よりも径方向内側に位置する部分)は、径方向外側に向かうほど軸方向外側に向かう方向に傾斜した円すい凹面により構成されている。また、本例では、被抑え面25は、回転フランジ12と径方向に重畳する位置に配置されいてる。なお、本発明を実施する場合、被抑え面は、例えば、径方向外側に向かうほど軸方向外側に向かう方向に傾斜した、断面形状(母線形状)が円弧などの曲線状の凹曲面により構成することもできる。さらに、第1ハブ素子22は、軸方向内側の端面に、円周方向に関する凹凸部である第1フェイススプライン26を有する。
第2ハブ素子23は、外周面に複列の内輪軌道11a、11bのうちの軸方向内側の内輪軌道11bを有する筒状の基部27と、基部27の径方向内側部から軸方向外側に向けて伸長し、かつ、第1ハブ素子22の中心孔24に径方向のがたつきなく挿入した(第1ハブ素子22を径方向のがたつきがない隙間嵌めで外嵌した)円筒状の嵌合軸部28と、嵌合軸部28の軸方向外側に隣接し、かつ、被抑え面25を抑え付けたかしめ部29とを備える。
基部27は、軸方向外側の端面に、円周方向に関する凹凸部である第2フェイススプライン30を有する。そして、この第2フェイススプライン30を、第1フェイススプライン26に対し、円周方向のがたつきなく噛み合わせることで、第1ハブ素子22と第2ハブ素子23との相対回転を防止する回り止め係合部を構成している。
かしめ部29は、全体を円環状に構成されており、嵌合軸部28の軸方向外側の端部に結合された径方向中間部57と、径方向中間部57から径方向外側に張り出し、被抑え面25を抑え付けた抑え部31と、径方向中間部57から径方向内側に張り出した内向鍔部32とを有する。換言すれば、かしめ部29の径方向中間部57は、嵌合軸部28の軸方向外側の端部に結合された部分であり、抑え部31と内向鍔部32とにより径方向両側から挟まれている。また、かしめ部29の径方向外側部である抑え部31は、嵌合軸部28の外周面よりも径方向外側に張り出している。また、かしめ部29の径方向内側部である内向鍔部32は、嵌合軸部28の内周面よりも径方向内側に張り出している。
かしめ部29は、第2ハブ素子23の中心軸を含む仮想平面で切断した場合に、略台形の断面形状を有する。かしめ部29の径方向外側部である抑え部31は、第2ハブ素子23の中心軸を含む仮想平面で切断した場合に、径方向外側に向かうほど軸方向幅寸法が小さくなる略三角形の断面形状を有する。かしめ部29の径方向内側部である内向鍔部32は、第2ハブ素子23の中心軸を含む仮想平面で切断した場合に、径方向内側に向かうほど軸方向幅寸法が小さくなる略三角形の断面形状を有する。かしめ部29の径方向中間部57は、略矩形の断面形状を有する。また、径方向中間部57、抑え部31、及び内向鍔部32のそれぞれの軸方向外側の側面を含む、かしめ部29の軸方向外側の側面33は、第2ハブ素子23の中心軸に直交する平坦面により構成されている。
また、かしめ部29は、境界縁部56と外部とを連通させるスリット34を備える。本例では、スリット34は、特に図2及び図3から明らかなように、かしめ部29の円周方向複数箇所に備えられており、それぞれが径方向に伸長している。特に、本例では、スリット34は、かしめ部29の円周方向等間隔となる4箇所に備えられている。スリット34のそれぞれは、かしめ部29の軸方向全幅及び径方向全幅にわたり設けられており、かしめ部29の軸方向外側及び径方向両側に開口している。図3(A)に示すように、スリット34の円周方向に関する幅寸法は、径方向に関してほぼ一定である。ただし、スリット34の円周方向に関する幅寸法を、径方向外側に向かうほど大きくすることもできる。
すなわち、本例の構造では、かしめ部29は、スリット34により円周方向に4分割されている。換言すれば、かしめ部29は、それぞれが円周方向に隣り合うスリット34同士の間に配置された(円周方向に離隔して配置された)、4つの分割かしめ部51を備える。分割かしめ部51のそれぞれは、図3(A)に示すように、軸方向外側から見て扇形状を有する。
また、分割かしめ部51のそれぞれは、径方向外側部に、抑え部31を構成する分割抑え部45を有し、径方向内側部に、内向鍔部32を構成する分割内向鍔部46を有する。分割抑え部45及び分割内向鍔部46のそれぞれも、軸方向外側から見て扇形状を有する。
そして、上述のようなかしめ部29を構成する抑え部31(分割抑え部45のそれぞれ)により、第1ハブ素子22の被抑え面25を抑え付けている。被抑え面25に当接する、抑え部31(分割抑え部45のそれぞれ)の軸方向内側面である抑え面35は、被抑え面25に沿った形状を有する。
すなわち、本例のハブ3は、第2ハブ素子23の嵌合軸部28に第1ハブ素子22を外嵌し、かつ、第1ハブ素子22の第1フェイススプライン26と第2ハブ素子23の第2フェイススプライン30とを噛み合わせた状態で、第2ハブ素子23の基部27の軸方向外側の端面(第2フェイススプライン30を構成する凸部の先端面(軸方向外側を向いた面)及び/又は凹部の底面(軸方向外側を向いた面))と抑え部31の軸方向内側面である抑え面35との間で第1ハブ素子22を軸方向に挟持して、第1ハブ素子22と第2ハブ素子23とを結合固定することにより構成されている。また、このように第1ハブ素子22と第2ハブ素子23とが結合固定された状態で、転動体4a、4bに適正な予圧が付与されている。
なお、本発明を実施する場合、スリット34の個数及び円周方向に関する幅寸法は、抑え部31により被抑え面25を抑え付ける力や抑え部31の強度を確保できる範囲で、適宜決定することができる。
(ハブユニット軸受1の製造方法)
本例のハブユニット軸受1は、次のようにして製造する。まず、金属素材に、鍛造加工や切削加工を施し、さらに研磨加工などの仕上げ加工を施すことにより、図5及び図7に示すような、かしめ部29を形成する前の第2ハブ素子23zを製造する。第2ハブ素子23zは、嵌合軸部28の軸方向外側の端部から軸方向外側に向けて伸長する円筒部36を有する。円筒部36は、円周方向複数箇所(本例では、円周方向等間隔となる4箇所)に、軸方向に伸長する軸方向スリット37を有する。軸方向スリット37は、円筒部36の軸方向外側の端面と内周面及び外周面とに開口している。また、軸方向スリット37の円周方向に関する幅寸法は、軸方向に関して一定である。
なお、本例では、第2ハブ素子23zの外形形状を鍛造加工により成形した後、円筒部36の円周方向複数箇所に切削加工を施すことで、軸方向スリット37を形成している。ただし、軸方向スリット37は、第2ハブ素子23zの外形形状を鍛造加工により成形する際に、同時に形成することもできる。すなわち、第2ハブ素子23zを鍛造加工により造る際に用いる金型のうちで軸方向スリット37に対応する部分に、軸方向に伸長する凸条を設けておくことで、鍛造加工により第2ハブ素子23zの外形形状を成形すると同時に、軸方向スリット37を形成することもできる。
次に、第1ハブ素子22のうち、軸方向外側の内輪軌道11aの周囲に、軸方向外側列の転動体4aを、軸方向外側の保持器21aにより保持した状態で配置し、さらに、第1ハブ素子22の周囲に、外輪2を配置する。次に、第2ハブ素子23zのうち、軸方向内側の内輪軌道11bの周囲に、軸方向内側列の転動体4bを、軸方向内側の保持器21bにより保持した状態で配置する。そして、該第2ハブ素子23の嵌合軸部28を、第1ハブ素子22の中心孔24に挿入し、第2フェイススプライン30と第1フェイススプライン26とを噛み合わせる。この際、第1ハブ素子22は、第2ハブ素子23zの嵌合軸部28に径方向のがたつきがない隙間嵌めで外嵌される。これにより、図5に示すような、かしめ部29を形成する前のハブユニット軸受1zを組み立てる。なお、ハブユニット軸受1zを組み立てる工程は、矛盾を生じない限り、適宜変更することができる。
次に、円筒部36に加工を施して、かしめ部29を形成する。このために、具体的には、図5に示すように、ハブユニット軸受1zの軸方向外側部を上方に向けた状態で、ハブユニット軸受1zを、揺動かしめ装置38にセットする。
揺動かしめ装置38は、第2ハブ素子23zを支持する図示しないホルダと、工具である押型39とを備える。
押型39は、第2ハブ素子23zの中心軸(基準軸)Cに対して角度α(0<α<90°)だけ傾斜した自転軸Lを有する。押型39は、図示しないラムに対し、電動モータなどの駆動源により第2ハブ素子23zの中心軸Cを中心とする回転(公転)駆動を可能に、かつ、自転軸Lを中心とする回転(自転)を自在に支持されている。
押型39は、下側部に、自転軸Lに対して傾斜した直線状の母線を有する凸曲面状(自転軸Lを中心とする円すい凸面状)の加工面部40を有する。本例では、自転軸Lに対する加工面部40の母線の傾斜角度βは、(90°-α)である。すなわち、本例では、第2ハブ素子23zの中心軸Cと自転軸Lとを含む仮想平面内で、加工面部40のうち、下端に位置する部分(図5及び図6のX部分)は、第2ハブ素子23z(23)の中心軸Cに対して直交する直線上に存在している。また、本例では、加工面部40を含む仮想円すい面の頂点は、第2ハブ素子23zの中心軸Cと自転軸Lとの交点Pに存在している。
なお、揺動かしめ装置38の角度αは、完成後の抑え部31の抑え面35が被抑え面25に沿った形状となるよう、後述する方法により予め調整しておく。
上述のような揺動かしめ装置38を用いて、かしめ部29を形成する際には、図5→図6に示すように、前記ラムを下降させることにより、押型39を下方に移動させるか、又は、前記ホルダを上昇させることにより、ハブユニット軸受1を上方に移動させることにより、押型39の加工面部40の円周方向一部で、下端に位置する部分(X部分)を、第2ハブ素子23の円筒部36の軸方向外側の端面に押し付けつつ、前記駆動源により押型39を第2ハブ素子23の中心軸Cを中心に回転駆動させる(これに伴い、加工面部40と円筒部36との接触部に作用する摩擦力に基づいて、押型39を自転軸Lを中心に回転させる)ことにより、円筒部36をかしめ部29に加工する。
すなわち、本例では、第2ハブ素子23の中心軸Cと自転軸Lとを含む仮想平面内で、加工面部40と円筒部36との当接部を、第2ハブ素子23の中心軸Cに直交する直線上に存在させることにより、加工面部40から円筒部36の円周方向一部に、上下方向に関して下方に向いた加工力を加える。また、この加工力を加える位置を、第2ハブ素子23の中心軸Cを中心とする押型39の回転(及び自転軸Lを中心とする押型39の自転)に伴って、円筒部36の円周方向に関して連続的に変化させることにより、円筒部36を軸方向に押し潰す。これにより、円筒部36をかしめ部29に加工する。すなわち、抑え部31及び内向鍔部32を形成するとともに、軸方向に伸長する軸方向スリット37を、径方向に伸長するスリット34に加工する(換言すれば、円周方向に関して軸方向スリット37と同位相となる複数箇所にスリット34を形成する)。そして、形成した抑え部31により被抑え面25を抑え付けることで、第1ハブ素子22と第2ハブ素子23とを結合固定する。
本例では、第2ハブ素子23の中心軸Cと自転軸Lとを含む仮想平面内で、加工面部40と円筒部36との当接部を、第2ハブ素子23の中心軸Cに直交する直線上に存在させるため、抑え部31及び内向鍔部32の軸方向外側の側面を含む、かしめ部29の軸方向外側の側面33は、第2ハブ素子23の中心軸Cに対して直交する平坦面となる。
(角度αの調整方法)
次に、図9及び図10を用いて、抑え部31の抑え面35の形状を被抑え面25に沿った形状にすることができる、揺動かしめ装置38の角度α(及びβ=90°-α)の調整方法について説明する。
まず、角度α(及びβ)が異なる複数の押型39を用意する。そして、用意した押型39ごとに、該押型39を含む揺動かしめ装置38を用いて、抑え部31zを備えたかしめ部29z(図10(A)~図10(D)参照)を形成する試験を行う。このような試験は、例えば、図9に示すような試験用組立体41を用いて行うことができる。
試験用組立体41は、揺動かしめ装置38に対して、押型39の下方にセットされており、支持台42と、支持筒部材43と、試験片44とを備える。支持台42は、押型39の回転(公転)中心軸である基準軸Cを中心とする径方向の移動を阻止されている。支持筒部材43は、基準軸Cと同軸に配置され、かつ、支持台42の上面に支持固定されている。試験片44は、円筒状に構成され、支持筒部材43に径方向のがたつきなく内嵌支持されることにより、基準軸Cと同軸に配置されるとともに、下端面が支持台42の上面により支持され、かつ、上端部が支持筒部材43の内径側から上方に突出している。このような試験片44の材質、並びに、該試験片44の上端部の形状及び大きさは、かしめ部29を形成する前のハブユニット軸受1の円筒部36と同じである。すなわち、試験片44は、上端部の円周方向複数箇所に、図示しない軸方向スリット37を有する。
角度α(及びβ)が異なる複数の押型39ごとに、該押型39を含む揺動かしめ装置38を用いて、試験用組立体41を構成する試験片44の上端部にかしめ部29zを形成する試験を行うと、例えば図10(A)~図10(D)に示すような試験結果が得られる。この試験結果に示されるように、かしめ部29zの抑え部31zは、角度α(及びβ)によって異なった形状になる。この理由は、角度α(及びβ)によって、試験片44に対する加工面部40の接触部(斜格子を付した範囲S)の面積(円周方向幅)が変化し、これに伴って、試験片44の塑性変形領域(斜格子を付した範囲V)の体積(軸方向深さ)が変わるためである。具体的には、角度αが大きくなるほど、接触部Sの面積(円周方向幅)が小さくなり、これに伴って、塑性変形領域Vの体積(軸方向深さ)が小さくなるためである。特に、抑え部31zの抑え面35zはいずれも、径方向外側に向かうほど軸方向外側(図10(A)~図10(D)の上側)に向かう方向に傾斜した傾斜面(略円弧形の母線を有する凸曲面や、略直線状の母線を有するテーパ面)となるが、その具体的な形状は、角度α(及びβ)によって異なった形状となる。
そこで、上述のような試験結果に基づいて、抑え部31zの抑え面35zが、第1ハブ素子22の被抑え面25に沿った形状となる角度α(及びβ)を求める。つまり、上述のような試験結果のうち、抑え部31zの抑え面35zが、第1ハブ素子22の被抑え面25に沿った形状となる角度α(及びβ)を選択する。例えば、図示の例では、図10(C)に示した抑え部31zの抑え面35zが、第1ハブ素子22の被抑え面25(図5及び図6参照)に沿った形状となるため、角度αとして、30゜を選択することができる。本例では、このように選択した角度αを採用して、ハブユニット軸受1を製造する際のかしめ部29の形成を行う。
なお、本例では、押型39の加工面部40が円すい凸面状であり、かつ、第2ハブ素子23の中心軸Cと自転軸Lとを含む仮想平面内で、加工面部40と円筒部36との当接部を、第2ハブ素子23の中心軸Cに直交する直線上に存在させているため、加工面部40によって円筒部36を軸方向に押し潰す過程で、押し潰された肉の一部が加工面部40に沿って径方向内側へ流動する傾向となる。この傾向は、角度αが大きくなるほど(換言すれば、接触部Sの形状が長方形に近づくほど、さらに換言すれば、外径側と内径側との変形量の差が小さくなるほど)大きくなる。そして、図10(A)~図10(D)にも示されているように、角度αが所定値以上(図示の例では15°以上)になると、完成後のかしめ部29(29z)の径方向内側部に、径方向内側に張り出した内向鍔部32(32z)が形成される。図1は、このような内向鍔部32が形成された例を示している。内向鍔部32(分割内向鍔部46)は、かしめ部29(29z)(分割かしめ部51)の形状を維持するための補強リブとして機能させることができる。ただし、内向鍔部32は、必要に応じて、切削加工などにより除去しても良い。
以上に説明したような本例のハブユニット軸受1によれば、かしめ部29の破損状況を把握しやすい。
すなわち、本例のハブユニット軸受1では、かしめ部29は、境界縁部56と外部とを連通させるスリット34を備える。そして、かしめ部29は、円周方向複数箇所に備えられたスリット34により、円周方向に離隔して配置された複数の分割かしめ部51に分割されている。また、かしめ部29の径方向外側部を構成する抑え部31も、円周方向に離隔して配置された複数の分割抑え部45に分割されている。このため、抑え部31の抑え面35の径方向内側部(境界縁部56と対向する部分)を起点に亀裂が発生した場合に、スリット34を通じて分割抑え部45の円周方向の側面を目視することにより、亀裂を確認できる場合がある。そして、このような確認を行うことにより、かしめ部29の破損状況を容易に把握することができる。
また、本例の構造では、抑え部31の抑え面35の径方向内側部を起点に亀裂が発生していないか、又は、該亀裂が発生していても、該亀裂が大きく進展していなければ、分割かしめ部51(分割抑え部45)のそれぞれは、図3(A)に示すように、軸方向外側から見て、欠陥のない扇形状を有している。これに対して、抑え部31の抑え面35の径方向内側部を起点に亀裂が発生し、かつ、該亀裂が大きく進展すると、例えば図3(B)に示すように、いずれかの分割抑え部45の一部に欠損部47が生じたり、いずれかの分割抑え部45の軸方向外側面に亀裂の一部が現れたりする。このため、このような欠損部47や亀裂を、抑え部31の軸方向外側から目視で確認することができる。そして、このような確認を行うことにより、かしめ部29の破損状況を容易に把握することができる。
また、本例の構造では、かしめ部29のスリット34が円周方向に関して等間隔に配置されていることから、欠損部47が生じていないかしめ部29(抑え部31)は、図3(A)に示すように、対称性のある形状を有している。これに対し、欠損部47が生じると、このような形状の対称性が崩れるため、目視によって欠損部47の存在を認識しやすいという利点がある。
なお、亀裂(特に小さい亀裂)の目視による確認は、従来から知られている染色浸透探傷剤などを用いたカラーチェック検査によって容易化することができる。
また、本例の構造では、かしめ部29がハブユニット軸受1の軸方向外側の端部に位置している。このため、車両整備のときなどに、ハブユニット軸受1を車両から取り外すことなく、すなわち、ハブユニット軸受1が車両に取り付けられたままの状態で、かしめ部29の破損状況(欠損部47や亀裂)を、かしめ部29の軸方向外側から目視で確認することができる。このような効果は、ハブユニット軸受1を車両から取り外すことが面倒である大型車両の整備において、特に顕著に得られ、結果として、大型車両用のハブユニット軸受1の整備のしやすさを向上させることができる。
また、本例の構造では、抑え部31の円周方向複数箇所にスリット34が存在するため、かしめ部29の円周方向1箇所で亀裂が発生した場合に、この亀裂の円周方向への進展を、スリット34によってストップすることができる。したがって、従来のかしめ部、すなわち、スリットがなく、全周にわたり連続したかしめ部のように、円周方向1箇所で発生した亀裂が全周にわたり進展することを防止できる。
また、本例の構造では、かしめ部29(抑え部31)のスリット34が円周方向に関して等間隔に配置されており、4つの分割抑え部45のそれぞれの形状及び大きさが等しくなっている。このため、4つの分割抑え部45の強度にばらつきが生じる(ばらつきが大きくなる)ことを防止して、かしめ部29全体の強度を確保しやすくできる。
また、本例の構造では、第1ハブ素子22は、第2ハブ素子23の嵌合軸部28に径方向のがたつきがない隙間嵌めで外嵌されている。換言すれば、嵌合軸部28は中心孔24に圧入されておらず、嵌合軸部28の外周面と中心孔24の内周面とが締め代を有しない状態でがたつきなく嵌合している。このため、中心孔24に嵌合軸部28を挿入することに伴って、軸方向外側の内輪軌道11aが拡径方向に変形(膨張)することはない。また、第1ハブ素子22のうち、抑え部31により抑え付けられる被抑え面25は、軸方向外側の内輪軌道11aよりも軸方向外側に位置し、かつ、径方向の剛性が大きい回転フランジ12と径方向に重畳する位置に存在する。このため、抑え部31により被抑え面25を抑え付けることに伴って、軸方向外側の内輪軌道11aが拡径方向に変形することを十分に抑えられる。したがって、本例のハブユニット軸受1では、転動体4a、4bに適正な予圧を付与しやすい。
また、本例の構造では、第1ハブ素子22の第1フェイススプライン26と第2ハブ素子23の第2フェイススプライン30とを噛み合わせているため、第1ハブ素子22と第2ハブ素子23とが相対回転(クリープ)することを防止できる。
また、本例のハブユニット軸受1の製造方法では、揺動かしめ装置38を構成する押型39の加工面部40が、単純な形状である円すい凸面状に形成されている。このため、加工面部40の加工コストを抑えられ、押型39を安価に製造することができる。したがって、その分、ハブユニット軸受1の製造コストを抑えられる。
さらに、加工面部40が円すい凸面状であるため、かしめ部の径寸法が異なる複数の名番のハブユニット軸受を製造する際にも、共通の押型39を用いて、該かしめ部を形成することができる。このため、製造対象となるハブユニット軸受の名番が変わるたびに、揺動かしめ装置38の押型39を取り換えるといった面倒な作業を省略できる。したがって、これらの面からも、ハブユニット軸受1の製造コストを抑えられる。
また、本例のハブユニット軸受1の製造方法では、円筒部36をかしめ部29に加工する際に、押型39は、加工面部40と円筒部36との接触部に作用する摩擦力に基づいて、自転軸Lを中心に回転する。すなわち、円筒部36に対する加工面部40の接触は、転がり接触となるが、本例では、加工面部40を含む仮想円すい面の頂点が、第2ハブ素子23の中心軸Cと自転軸Lとの交点Pに存在しているため、加工面部40と円筒部36(かしめ部29)との接触部で差動滑りが生じることを防止できる。具体的には、この接触部のいずれの径方向位置においても、円周方向の滑りが生じることを防止できる。このため、加工面部40と円筒部36(かしめ部29)との接触部における摩耗や発熱を十分に抑えられる。
また、本例のハブユニット軸受1の製造方法では、予め試験を行い、得られた試験結果のうち、抑え部31の抑え面35が、被抑え面25に沿った形状となる角度α(及びβ)を選択する。そして、このように選択した角度αを採用して、抑え部31の形成を行う。したがって、被抑え面25に対する抑え面35の接触面積を十分に確保できるとともに、被抑え面25に対する抑え面35の接触面圧が過度に大きくなることを防止できる。このため、第1ハブ素子22と第2ハブ素子23との結合強度、及び、抑え部31の耐久性を高めることができる。
さらに、本例では、円周方向複数箇所に軸方向スリット37を有する円筒部36を軸方向に押し潰すことにより、抑え部31及び内向鍔部32aを含むかしめ部29を形成する。このため、かしめ部29を形成する際に、円筒部36(かしめ部29)に大きな円周方向応力が加わることを防止して、かしめ部29に割れなどの損傷を生じにくくできる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図11及び図12を用いて説明する。
本例では、第1ハブ素子22aは、軸方向内側の端面の径方向内側部に、円周方向に関する凹凸部である第1フェイススプライン26aを備え、かつ、軸方向内側の端面の径方向外側部に、第1平面部54を備える。すなわち、第1平面部54は、第1ハブ素子22aの軸方向内側の端面のうち、第1フェイススプライン26aよりも径方向一方側である径方向外側に位置する部分に存在する。第1平面部54は、第1ハブ素子22aの中心軸を中心とする円輪状の平面により構成されており、第1ハブ素子22aの軸方向内側の端面の径方向外側部に全周にわたり備えられている。
また、本例では、第2ハブ素子23aは、基部27の軸方向外側の端面の径方向内側部に、円周方向に関する凹凸部である第2フェイススプライン30aを備え、かつ、基部27の軸方向内側の端面の径方向外側部に、第2平面部55を備える。すなわち、第2平面部55は、基部27の軸方向外側の端面のうち、第2フェイススプライン30aよりも径方向一方側である径方向外側に位置する部分に存在する。第2平面部55は、第2ハブ素子23aの中心軸を中心とする円輪状の平面により構成されており、基部27の軸方向外側の端面の径方向外側部に全周にわたり備えられている。
本例では、図11に示すように、第1ハブ素子22aと第2ハブ素子23aとを組み合わせることにより、ハブ3を構成した状態で、第1平面部54と第2平面部55とを当接(平面接触)させている。また、第1フェイススプライン26aと第2フェイススプライン30aとを噛み合わせることで、第1ハブ素子22aと第2ハブ素子23aとの相対回転を防止する回り止め係合部を構成している。ただし、この状態で、第1フェイススプライン26aと第2フェイススプライン30aとの互いに対向する軸方向側面同士を当接させていない。具体的には、第1フェイススプライン26aを構成する凹部の底面(軸方向内側を向いた面)と第2フェイススプライン30aを構成する凸部の先端面(軸方向外側を向いた面)とを隙間を介して軸方向に対向させ、かつ、第1フェイススプライン26aを構成する凸部の先端面(軸方向内側を向いた面)と第2フェイススプライン30aを構成する凹部の底面(軸方向外側を向いた面)とを隙間を介して軸方向に対向させている。
すなわち、本例では、第1フェイススプライン26aと第2フェイススプライン30aとの噛み合いに基づいて、複列の内輪軌道11a、11b同士の間の軸方向距離(例えば、複列の内輪軌道11a、11bのそれぞれの大鍔面同士の間の軸方向距離)が規制されることはない。本例では、第1フェイススプライン26a及び第2フェイススプライン30aよりも高精度に形成しやすい、第1平面部54及び第2平面部55を互いに当接させることに基づいて、複列の内輪軌道11a、11b同士の間の軸方向距離を精度良く規制(調整)できるようにしている。これにより、複数個の転動体4a、4bに付与する予圧を目標値に近づけやすくして、該予圧のばらつきを抑えられるようにしている。
なお、本例では、第1平面部54が第1フェイススプライン26aよりも径方向外側に存在し、第2平面部55が第2フェイススプライン30aよりも径方向外側に存在する構成を採用した。ただし、本発明を実施する場合には、第1平面部が第1フェイススプラインよりも径方向内側に存在し、第2平面部が第2フェイススプラインよりも径方向内側に存在する構成を採用することもできる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例について、図13及び図14を用いて説明する。
本例のハブユニット軸受1aでは、第1ハブ素子22bの軸方向内側の端面48と、第2ハブ素子23bの基部27の軸方向外側の端面49とは、それぞれが軸方向に直交する平面により構成されている。具体的には、第1ハブ素子22bの軸方向内側の端面48は、第1ハブ素子22bの中心軸を中心とする円輪状の平面により構成されている。また、第2ハブ素子23bの基部27の軸方向外側の端面49は、第2ハブ素子23bの中心軸を中心とする円輪状の平面により構成されている。そして、これらの端面48、49同士が互いに平面接触している。すなわち、本例の構造では、端面48と端面49との間に、実施の形態の第1例のようなフェイススプラインによる回り止め係合部は存在しない。本例の場合も、端面48と端面49とを平面接触させることに基づいて、複列の内輪軌道11a、11b同士の間の軸方向距離を精度良く規制(調整)できる。
本例の構造では、第1ハブ素子22bは、軸方向外側面の径方向内側の端部のうち、第2ハブ素子23bのスリット34の径方向外側部(抑え部31に存在する部分)と整合する円周方向複数箇所に、円周方向両側に隣接する部分よりも軸方向外側に突出した係合凸部50を有する。本例の構造では、第1ハブ素子22bの軸方向外側面の径方向内側の端部のうち、係合凸部50から円周方向に外れた部分が、被抑え面25となる。本例の構造では、抑え部31により被抑え面25を抑え付けた状態で、係合凸部50のそれぞれを、スリット34の径方向外側部に対して円周方向のがたつきなく係合させることで、第1ハブ素子22bと第2ハブ素子23bとの相対回転を防止する回り止め係合部を構成している。
本例のハブユニット軸受1aを製造する際には、かしめ部29を形成する前のハブユニット軸受1z1を組み立てる前に、第1ハブ素子22bの軸方向外側面の径方向内側の端部の円周方向複数箇所に係合凸部50を形成しておく。そして、ハブユニット軸受1z1を組み立てた状態で、第1ハブ素子22bの係合凸部50と、かしめ部29を形成する前の第2ハブ素子23z1の軸方向スリット37との、円周方向に関する位相を一致させておく。そして、この状態で、図14(A)→図14(B)に示すように、揺動かしめ装置38を用いて、円筒部36を軸方向に押し潰す。これにより、径方向中間部57、抑え部31、及び内向鍔部32を備えたかしめ部29を形成するとともに、軸方向スリット37をスリット34とし、該スリット34と係合凸部50とを係合させて、第1ハブ素子22bと第2ハブ素子23bとを結合固定する。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第4例及び第5例]
本発明の実施の形態の第4例及び第5例について、図15(A)及び図15(B)を用いて説明する。
実施の形態の第4例及び第5例のそれぞれは、本発明を、駆動輪用のハブユニット軸受に適用した例である。
図15(A)に示した実施の形態の第4例では、第2ハブ素子23cの内周面に、エンジンや電動モータを駆動源として駆動される駆動軸をトルク伝達可能に係合させるためのスプライン52を備える。
図15(B)に示した実施の形態の第5例では、第2ハブ素子23dの軸方向内側面に、エンジンや電動モータを駆動源として駆動される、等速ジョイント用外輪などの駆動部材をトルク伝達可能に係合させるためのフェイススプライン53を備える。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第6例]
本発明の実施の形態の第6例について、図16(A)及び図16(B)を用いて説明する。
本例のハブユニット軸受1b(図16(B)参照)では、第2ハブ素子23eのかしめ部29aの円周方向等間隔となる4箇所に備えられたスリット34aのそれぞれは、かしめ部29aの軸方向外側及び径方向外側に開口している。そして、これらのスリット34aにより、境界縁部56と外部とを連通させている。
本例では、かしめ部29aの径方向内側部、具体的には、かしめ部29aのうち、スリット34aよりも径方向内側に位置する部分は、全周にわたりつながった円環状のかしめ環状部58により構成されている。かしめ環状部58は、かしめ部29aのうち、径方向中間部57aの径方向内側部と内向鍔部32aとからなる。したがって、径方向中間部57aの径方向内側部と内向鍔部32aとは、全周にわたりつながっている。
本例のハブユニット軸受1bを製造する際には、図16(A)に示すような、かしめ部29aを形成する前の第2ハブ素子23z2を用意する。第2ハブ素子23z2の円筒部36aの円周方向等間隔となる4箇所に備えられた軸方向スリット37aのそれぞれは、L字形の断面形状を有する。すなわち、軸方向スリット37aのそれぞれは、円筒部36aの外周面と軸方向外側の端面と内周面の軸方向外側部とに開口している。円筒部36aの軸方向内側部の径方向内側部には、全周にわたりつながった円環状の環状部59が存在する。
そして、図16(A)に示すように、かしめ部29aを形成する前のハブユニット軸受1z2を組み立てる。そして、この状態で、図16(A)→図16(B)に示すように、揺動かしめ装置38を用いて、円筒部36aを軸方向に押し潰す。これにより、径方向中間部57a、抑え部31、及び内向鍔部32aを備えたかしめ部29aを形成するとともに、軸方向スリット37aをスリット34aとし、かつ、環状部59をかしめ環状部58とする。
上述したような本例のハブユニット軸受1bでは、かしめ部29aの径方向内側部が、全周にわたりつながった円環状のかしめ環状部58により構成されている。このため、かしめ部29aの強度を確保しやすい。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
なお、本発明は、上述した各実施の形態の構成を、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせて実施することができる。
また、本発明は、転動体として円すいころを使用したハブユニット軸受に限らず、転動体として玉を使用したハブユニット軸受に適用することもできる。
また、本発明は、揺動かしめ装置を用いて円筒部をかしめ部に加工する際に、第2ハブ素子の中心軸と押型の自転軸とを含む仮想平面内で、加工面部と円筒部との当接部を、径方向外側に向かうほど軸方向外側に向かう方向に傾斜した直線上に存在させることもできる。
1、1a、1b、1z、1z1、1z2 ハブユニット軸受
2 外輪
3 ハブ
4a、4b 転動体
5a、5b 外輪軌道
6 静止フランジ
7 支持孔
8 ナックル
9 通孔
10 ボルト
11a、11b 内輪軌道
12 回転フランジ
13 パイロット部
14 取付孔
15 制動用回転体
16 スタッド
17 通孔
18 ホイール
19 通孔
20 ナット
21a、21b 保持器
22、22a、22b 第1ハブ素子
23、23a、23b、23c、23d、23z、23z1、23z2 第2ハブ素子
24 中心孔
25 被抑え面
26 第1フェイススプライン
27 基部
28 嵌合軸部
29、29a、29z かしめ部
30 第2フェイススプライン
31 抑え部
32、32a 内向鍔部
33 側面
34、34a スリット
35 抑え面
36、36a 円筒部
37、37a 軸方向スリット
38 揺動かしめ装置
39 押型
40 加工面部
41 試験用組立体
42 支持台
43 支持筒部材
44 試験片
45 分割抑え部
46 分割内向鍔部
47 欠損部
48 端面
49 端面
50 係合凸部
51 分割かしめ部
52 スプライン
53 フェイススプライン
54 第1平面部
55 第2平面部
56 境界縁部
57、57a 径方向中間部
58 かしめ環状部
59 環状部
100 ハブユニット軸受
101 外輪
102 ハブ
103 転動体
104a、104b 外輪軌道
105 静止フランジ
106 支持孔
107a、107b 内輪軌道
108 回転フランジ
109 パイロット部
110 取付孔
111 第1ハブ素子
112 第2ハブ素子
113 基部
114 嵌合軸部
115 かしめ部

Claims (17)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、
    外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、
    前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ配置された転動体と、を備え、
    前記ハブは、第1ハブ素子と、第2ハブ素子と、を備え、
    前記第1ハブ素子は、外周面に前記複列の内輪軌道のうちの軸方向外側の内輪軌道、径方向中心部に中心孔、軸方向外側の側面に被抑え面、及び前記中心孔と前記被抑え面との境界に境界縁部を有しており、
    前記第2ハブ素子は、外周面に前記複列の内輪軌道のうちの軸方向内側の内輪軌道を有する基部と、前記基部の径方向内側部から軸方向外側に向けて伸長し、かつ、前記第1ハブ素子の前記中心孔に挿入した嵌合軸部と、前記嵌合軸部の軸方向外側に隣接し、かつ、前記被抑え面を抑え付けたかしめ部とを備えており、
    前記かしめ部は、前記境界縁部と外部とを連通させるスリットを備える、
    ハブユニット軸受。
  2. 前記スリットは、前記かしめ部の円周方向複数箇所に備えられている、
    請求項1に記載のハブユニット軸受。
  3. 前記スリットは、前記かしめ部の円周方向等間隔となる複数箇所に備えられている、
    請求項2に記載のハブユニット軸受。
  4. 前記スリットは、前記かしめ部の軸方向外側及び径方向両側に開口している、
    請求項1~3のうちのいずれかに記載のハブユニット軸受。
  5. 前記スリットは、前記かしめ部の軸方向外側及び径方向外側に開口しており、
    前記かしめ部のうち、前記スリットよりも径方向内側に位置する部分が全周にわたりつながっている、
    請求項1~3のうちのいずれかに記載のハブユニット軸受。
  6. 前記被抑え面は、径方向外側に向かうほど軸方向外側に向かう方向に傾斜しており、
    前記かしめ部の軸方向外側の側面は、前記第2ハブ素子の中心軸に対して直交する平坦面により構成されている、
    請求項1~5のうちのいずれかに記載のハブユニット軸受。
  7. 前記かしめ部は、前記嵌合軸部の軸方向外側の端部に結合された径方向中間部と、該径方向中間部から径方向外側に張り出し、前記被抑え面を抑え付けた抑え部と、前記径方向中間部から径方向内側に張り出した内向鍔部とを有する、
    請求項1~6のうちのいずれかに記載のハブユニット軸受。
  8. 前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子との間に、前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子との相対回転を防止する回り止め係合部が存在する、
    請求項1~7のうちのいずれかに記載のハブユニット軸受。
  9. 前記回り止め係合部は、前記第1ハブ素子の軸方向内側の端面に備えられた第1フェイススプラインと、前記第2ハブ素子の前記基部の軸方向外側の端面に備えられた第2フェイススプラインとが噛み合うことにより構成されている、
    請求項8に記載のハブユニット軸受。
  10. 前記第1ハブ素子の軸方向内側の端面のうち前記第1フェイススプラインよりも径方向一方側に位置する部分に存在し、前記第1ハブ素子の中心軸を中心とする円輪状の平面により構成された第1平面部と、前記第2ハブ素子の前記基部の軸方向外側の端面のうち前記第2フェイススプラインよりも径方向一方側に位置する部分に存在し、前記第2ハブ素子の中心軸を中心とする円輪状の平面により構成された第2平面部とをさらに備え、
    前記第1平面部と前記第2平面部とが当接しており、かつ、前記第1フェイススプラインと前記第2フェイススプラインとの互いに対向する軸方向側面同士が当接していない、
    請求項9に記載のハブユニット軸受。
  11. 前記回り止め係合部は、前記スリットのそれぞれと、前記第1ハブ素子に備えられた係合凸部とが係合することにより構成されている、
    請求項8~10のうちのいずれかに記載のハブユニット軸受。
  12. ハブユニット軸受を備えた車両であって、
    前記ハブユニット軸受が、請求項1~11のうちのいずれかに記載のハブユニット軸受である、
    車両。
  13. 請求項1~11のうちのいずれかに記載のハブユニット軸受の製造方法であって、
    前記嵌合軸部の軸方向外側の端部から軸方向外側に向けて伸長し、かつ、円周方向の少なくとも1箇所に軸方向に伸長する軸方向スリットを有する円筒部を備えた、前記かしめ部を形成する前の前記第2ハブ素子を得る工程と、
    前記嵌合軸部を、前記第1ハブ素子の前記中心孔に挿入する工程と、
    前記第2ハブ素子の中心軸に対して傾斜した自転軸を中心とする回転を自在に支持され、かつ、前記自転軸に対して傾斜した直線状の母線を有する凸曲面状の加工面部を有する押型のうち、前記加工面部の円周方向一部を前記円筒部の軸方向外側の端面に押し付けつつ、該押型を前記第2ハブ素子の中心軸を中心に回転させることにより、前記円筒部を軸方向に押し潰すことで、前記かしめ部を形成し、該かしめ部により前記被抑え面を抑え付けることにより、前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子とを結合固定する工程と、を備える、
    ハブユニット軸受の製造方法。
  14. 前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子とを結合固定する工程において、前記第2ハブ素子の中心軸と前記自転軸とを含む仮想平面内で、前記円筒部と前記加工面部との当接部が、前記第2ハブ素子の中心軸に対して直交する直線上に存在する、
    請求項13記載のハブユニット軸受の製造方法。
  15. 前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子とを結合固定する工程において、前記加工面部を含む仮想円すい面の頂点が、前記第2ハブ素子の中心軸と前記自転軸との交点に存在する、
    請求項13又は14に記載のハブユニット軸受の製造方法。
  16. 前記第2ハブ素子の中心軸に対する前記自転軸の傾斜角度と前記かしめ部の軸方向内側の側面の形状との関係を調べる試験を行い、該試験の結果に基づいて、前記かしめ部の軸方向内側の側面を前記被抑え面に沿う形状とすることができる前記傾斜角度を求め、該求めた傾斜角度を採用して、前記第1ハブ素子と前記第2ハブ素子とを結合固定する工程を行う、
    請求項13~15のうちのいずれかに記載のハブユニット軸受の製造方法。
  17. ハブユニット軸受を備えた車両の製造方法であって、
    請求項13~16のうちのいずれかに記載のハブユニット軸受の製造方法により、前記ハブユニット軸受を製造する、
    車両の製造方法。
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