JP2022028210A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱部材による不具合の発生を抑制可能な画像形成装置を提供することである。【解決手段】画像形成装置は、発熱部と、供給部と、電力取得部と、物理量取得部と、制御部とを持つ。発熱部は、シートを加熱する。供給部は、発熱部に電力を供給する。電力取得部は、供給部によって供給された電力を取得する。物理量取得部は、発熱部の負荷を示す物理量を取得する。制御部は、電力取得部によって取得された電力が閾値以上で、かつ物理量取得部によって取得された物理量が基準以上となった場合に、発熱部に供給される電力を低下させる。【選択図】図11

Description

本発明の実施形態は、画像形成装置に関する。
画像形成装置は、トナーを定着させるための定着装置を備える。定着装置は、加熱部材を備える。加熱部材として抵抗体が用いられることがある。その場合、抵抗体に定格電圧よりも大きな電圧が印加されると抵抗体が破断することがある。この不具合により、加熱を行うことができなくなりダウンタイムが発生する。
特開2014-142599号公報
本発明が解決しようとする課題は、加熱部材による不具合の発生を抑制可能な画像形成装置を提供することである。
実施形態の画像形成装置は、発熱部と、供給部と、電力取得部と、物理量取得部と、制御部とを持つ。発熱部は、シートを加熱する。供給部は、発熱部に電力を供給する。電力取得部は、供給部によって供給された電力を取得する。物理量取得部は、発熱部の負荷を示す物理量を取得する。制御部は、電力取得部によって取得された電力が閾値以上で、かつ物理量取得部によって取得された物理量が基準以上となった場合に、発熱部に供給される電力を低下させる。
画像形成装置の構成の概略を示す図。 画像形成装置のハードウェア構成の具体例を示す図。 加熱装置の正面断面図。 ヒータユニットの正面断面図。 ヒータユニットの底面図。 ヒータ温度計及びサーモスタットの平面図。 加熱装置の電気回路図である。 発熱体セットへの通電開始時からの経過時間と筒状フィルムの温度との関係を表す実験結果の一例を示す図。 抵抗値の変化量を示す図。 抵抗値の変化量を示す図。 累積時間を用いた制御処理の流れを示すフローチャート。 昇温回数を用いた制御処理の流れを示すフローチャート。
実施形態の画像形成装置では、加熱部材による不具合の発生を抑制可能な画像形成装置を提供することが可能となる。以下、実施形態の画像形成装置について詳細に説明する。
図1は、実施形態の画像形成装置の構成の概略を示す図である。実施形態の画像形成装置100は、例えば複合機である。画像形成装置100は、ハウジング10と、ディスプレイ1と、スキャナ部2と、画像形成ユニット3と、シート供給部4と、搬送部5と、排紙トレイ7と、反転ユニット9と、コントロールパネル8と、制御部6と、を備える。
画像形成装置100は、トナー等の現像剤を用いてシートS上に画像を形成する。シートSは、例えば紙やラベル用紙である。シートSは、その表面に画像形成装置100が画像を形成できるものであればどのようなものであってもよい。
ハウジング10は、画像形成装置100の外形を形成する。ディスプレイ1は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ1は、画像形成装置100に関する種々の情報を表示する。
スキャナ部2は、読み取り対象の画像情報を光の明暗として読み取る。スキャナ部2は、読み取られた画像情報を記録する。スキャナ部2は、生成した画像情報を画像形成ユニット3に出力する。なお、記録された画像情報は、ネットワークを介して他の情報処理装置に送信されてもよい。
画像形成ユニット3は、スキャナ部2から受信した画像情報又は外部から受信した画像情報に基づいて、トナー等の記録剤により出力画像(以下、トナー像という)を形成する。画像形成ユニット3は、トナー像をシートSの表面上に転写する。画像形成ユニット3は、シートSの表面上のトナー像を加熱及び加圧して、トナー像をシートSに定着させる。画像形成ユニット3の詳細は後述される。なお、シートSは、シート供給部4によって供給されるシートであってもよいし、手指しされたシートであってもよい。
シート供給部4は、画像形成ユニット3がトナー像を形成するタイミングに合わせて、シートSを1枚ずつ搬送部5に供給する。シート供給部4は、シート収容部20と、ピックアップローラ21と、を備える。
シート収容部20は、所定のサイズ及び種類のシートSを収納する。ピックアップローラ21は、シート収容部20からシートSを1枚ずつ取り出す。ピックアップローラ21は、取り出したシートSを搬送部5へ供給する。
搬送部5は、シート供給部4から供給されるシートSを画像形成ユニット3に搬送する。搬送部5は、搬送ローラ23と、レジストローラ24と、を備える。搬送ローラ23は、ピックアップローラ21から供給されるシートSをレジストローラ24へ搬送する。搬送ローラ23は、シートSの搬送方向の先端をレジストローラ24のニップNに突き当てる。
レジストローラ24は、ニップNにおいてシートSを撓ませることにより、搬送方向でのシートSの先端の位置を整える。レジストローラ24は、画像形成ユニット3がトナー像をシートSに転写するタイミングに応じてシートSを搬送する。
画像形成ユニット3について説明する。画像形成ユニット3は、複数の画像形成部25と、レーザ走査ユニット26と、中間転写ベルト27と、転写部28と、定着装置30と、を備える。画像形成部25は、感光体ドラム255を備える。画像形成部25は、スキャナ部2又は外部からの画像情報に応じたトナー像を感光体ドラム255に形成する。複数の画像形成部251,252,253,254は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーによるトナー像を形成する。
感光体ドラム255の周囲には、帯電器、現像器などが配置される。帯電器は、感光体ドラム255の表面を帯電させる。現像器は、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナーを含む現像剤を収容する。現像器は、感光体ドラム255上の静電潜像を現像する。この結果、感光体ドラム255上には、各色のトナーによるトナー像が形成される。
レーザ走査ユニット26は、帯電した感光体ドラム255にレーザ光Lを走査して感光体ドラム255を露光する。レーザ走査ユニット26は、各色の画像形成部251,252,253,254の感光体ドラム255を、各別のレーザ光LY,LM,LC,LKで露光する。これによりレーザ走査ユニット26は、感光体ドラム255に静電潜像を形成する。
中間転写ベルト27には、感光体ドラム255の表面のトナー像が1次転写される。転写部28は、中間転写ベルト27上に1次転写されたトナー像を二次転写位置においてシートSの表面上に転写する。定着装置30は、シートSに転写されたトナー像を加熱及び加圧して、トナー像をシートSに定着させる。定着装置30の詳細は後述される。
反転ユニット9は、シートSの裏面に画像を形成するためシートSを反転させる。反転ユニット9は、定着装置30から排出されるシートSを、スイッチバックにより表裏反転させる。反転ユニット9は、反転したシートSをレジストローラ24に向けて搬送する。
排紙トレイ7は、画像が形成されて排出されたシートSを載置する。コントロールパネル8は、複数のボタンを備える。コントロールパネル8は、ユーザの操作を受け付ける。コントロールパネル8は、ユーザによって行われた操作に応じた信号を、画像形成装置100の制御部6に出力する。なお、ディスプレイ1とコントロールパネル8とは一体のタッチパネルとして構成されてもよい。制御部6は、画像形成装置100の各部の制御を行う。制御部6の詳細は後述される。
図2は、実施形態の画像形成装置100のハードウェア構成の具体例を示す図である。画像形成装置100は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)91、メモリ92、補助記憶装置93などを備え、プログラムを実行する。画像形成装置100は、プログラムの実行によってスキャナ部2、画像形成ユニット3、シート供給部4、搬送部5、反転ユニット9、コントロールパネル8、通信部90を備える装置として機能する。なお、画像形成装置100の各機能の全て又は一部は、ASIC(ApplicationSpecific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
CPU91は、メモリ92及び補助記憶装置93に記憶されたプログラムを実行することによって制御部6として機能する。制御部6は、画像形成装置100の各機能部の動作を制御する。補助記憶装置93は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。補助記憶装置93は、画像形成装置100に関する各種情報を記憶する。通信部90は、自装置を外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部90は、通信インタフェースを介して外部装置と通信する。
定着装置30について詳しく説明する。図3は、定着装置30を示す図である。定着装置30は、加圧ローラ302と、フィルムユニット301と、を備える。
加圧ローラ302は、フィルムユニット301との間でニップNを形成する。加圧ローラ302は、ニップNに進入したシートSのトナー像tを加圧する。加圧ローラ302は、自転してシートSを搬送する。加圧ローラ302は、芯金32と、弾性層33と、離型層34と、を備える。このように、加圧ローラ302は、定着フィルム35に表面を押圧可能であって回転駆動可能である。
芯金32は、ステンレス等の金属材料により円柱状に形成される。芯金32の軸方向の両端部は、回転可能に支持される。芯金32は、モータ(不図示)により回転駆動される。芯金32は、カム部材(不図示)に当接する。カム部材は、回転することにより、芯金32をフィルムユニット301に対して接近及び離反させる。
弾性層33は、シリコーンゴム等の弾性材料で形成される。弾性層33は、芯金32の外周面上に一定の厚さで形成される。離型層34は、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などの樹脂材料で形成される。離型層は、弾性層33の外周面上に形成される。加圧ローラ302の外周面の硬度は、ASKER-C硬度計で9.8Nの荷重において、40°~70°であることが望ましい。これにより、ニップNの面積と加圧ローラ302の耐久性が確保される。なお、本実施形態では、硬度を60°にしている。
加圧ローラ302は、カム部材の回転によりフィルムユニット301に対して接近及び離反することが可能である。加圧ローラ302をフィルムユニット301に接近させ、加圧バネにより押圧すると、ニップNが形成される。一方、定着装置30でシートSのジャムが発生した場合において、加圧ローラ302をフィルムユニット301から離反させることにより、シートSを取り除くことができる。また、スリープ時など定着フィルム35が回転停止している状態において、加圧ローラ302をフィルムユニット301から離反させることにより、定着フィルム35の塑性変形が防止される。
加圧ローラ302は、モータにより回転駆動される。ニップNが形成された状態で加圧ローラ302が回転すると、フィルムユニット301の定着フィルム35が従動回転する。加圧ローラ302は、ニップNにシートSが配置された状態で回転することにより、シートSを搬送方向Wに搬送する。
フィルムユニット301は、ニップNに進入したシートSのトナー像tを加熱する。フィルムユニット301は、定着フィルム35と、ヒータユニット40と、熱伝導部材49と、支持部材36と、ステイ38と、ヒータ温度計62と、サーモスタット68と、フィルム温度計64と、を備える。
定着フィルム35は、筒状に形成される。定着フィルム35は、内周側から順に、基層と、弾性層と、離型層と、を備える。基層は筒状に形成される。弾性層は、基層の外周面上に積層配置される。弾性層はシリコーンゴム等の弾性材料で形成される。離型層は、弾性層の外周面上に積層配置される。離型層はPFA樹脂などの材料で形成される。
図4は、図5のIV-IV線におけるヒータユニットの正面断面図である。図5は、ヒータユニットの底面図(+z方向から見た図)である。ヒータユニット40は、基板(発熱体基板)41と、発熱体セット45と、配線セット55と、を備える。
基板41は、ステンレス等の金属材料又は窒化アルミニウム等のセラミック材料などで形成される。基板41は、長細い長方形の板状に形成される。基板41は、定着フィルム35の径方向の内側に配置される。基板41は、定着フィルム35の軸方向を長手方向とする。
本実施形態において、x方向、y方向及びz方向が以下のように定義される。y方向は基板41の長手方向である。y方向は、定着フィルム35の幅方向に平行である。後述されるように、+y方向は中央部発熱体451から第1端部発熱体452に向かう方向である。x方向は基板41の短手方向であり、+x方向はシートSの搬送方向(下流側の方向)である。z方向は基板41の法線方向であり、+z方向は基板41に対して発熱体セット45が配置される方向である。基板41の+z方向の面には、ガラス材料等により絶縁層43が形成される。
発熱体セット45は、基板41に配置される。発熱体セット45は、図4に示されるように、絶縁層43の+z方向の面に形成される。発熱体セット45は、TCR(抵抗温度係数)材により形成される。例えば、発熱体セット45は、銀・パラジウム合金等により形成される。発熱体セット45の外形は、y方向を長手方向とし、x方向を短手方向とする長方形状に形成される。
図5に示されるように、発熱体セット45は、y方向に並んで配置された、第1端部発熱体452と、中央部発熱体451と、第2端部発熱体453と、を備える。中央部発熱体451は、発熱体セット45のy方向の中央部に配置される。中央部発熱体451は、y方向に並んで配置される複数の小発熱体を組み合わせて構成されてもよい。第1端部発熱体452は、中央部発熱体451の+y方向であって、発熱体セット45の+y方向の端部に配置される。第2端部発熱体453は、中央部発熱体451の-y方向であって、発熱体セット45の-y方向の端部に配置される。中央部発熱体451と第1端部発熱体452との境界線は、x方向と平行に配置されてもよく、x方向と交差して配置されてもよい。中央部発熱体451と第2端部発熱体453との境界線についても同様である。
発熱体セット45は、通電により発熱する。中央部発熱体451の電気抵抗値は、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453の電気抵抗値より小さい。中央部発熱体451と第1端部発熱体452の抵抗値比率は、1:3~1:7の範囲であればよく、好ましくは1:4~1:6の範囲であればさらによい。中央部発熱体451と第2端部発熱体453の抵抗値比率は、1:3~1:7の範囲であればよく、好ましくは1:4~1:6の範囲であればさらによい。
y方向の幅が小さいシートSは、定着装置30のy方向の中央部を通過する。この場合に制御部6は、中央部発熱体451のみを発熱させる。一方で制御部6は、y方向の幅が大きいシートSの場合に、発熱体セット45の全体を発熱させる。そのため、中央部発熱体451と、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453とは、相互に独立して発熱を制御される。また第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453は、同様に発熱を制御される。
配線セット55は、銀等の金属材料で形成される。配線セット55は、中央部接点520と、中央部配線530と、端部接点521と、第1端部配線531と、第2端部配線532と、共通接点58と、共通配線57と、を備える。
中央部接点520は、発熱体セット45の-y方向に配置される。中央部配線530は、発熱体セット45の+x方向に配置される。中央部配線530は、中央部発熱体451の+x方向の端辺と、中央部接点520とを接続する。
端部接点521は、中央部接点520の-y方向に配置される。第1端部配線531は、発熱体セット45の+x方向であって、中央部配線530の+x方向に配置される。第1端部配線531は、第1端部発熱体452の+x方向の端辺と、端部接点521の+x方向の端部とを接続する。第2端部配線532は、発熱体セット45の+x方向であって、中央部配線530の-x方向に配置される。第2端部配線532は、第2端部発熱体453の+x方向の端辺と、端部接点521の-x方向の端部とを接続する。
共通接点58は、発熱体セット45の+y方向に配置される。共通配線57は、発熱体セット45の-x方向に配置される。共通配線57は、中央部発熱体451、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453の-x方向の端辺と、共通接点58とを接続する。
このように、発熱体セット45の+x方向には、第2端部配線532、中央部配線530及び第1端部配線531が配置される。これに対して、発熱体セット45の-x方向には、共通配線57のみが配置される。そのため、発熱体セット45のx方向の中心454は、基板41のx方向の中心455より、-x方向に配置される。
図3に示されるように、加圧ローラ302の中心pcとフィルムユニット301の中心hcとを結ぶ直線CLが定義される。基板41のx方向の中心455は、直線CLより、+x方向に配置される。これにより、ニップNの+x方向に基板41が伸びるため、ニップNを通過したシートSがフィルムユニット301から容易に剥離される。
発熱体セット45のx方向の中心454は、直線CL上に配置される。発熱体セット45は、全体がニップNの領域内に含まれて、ニップNの中心に配置される。これにより、ニップNの熱分布が均等になり、ニップNを通過するシートSが均等に加熱される。
図4に示されるように、絶縁層43の+z方向の面に、発熱体セット45及び配線セット55が形成される。発熱体セット45及び配線セット55を覆うように、ガラス材料等により保護層46が形成される。保護層46は、ヒータユニット40と定着フィルム35との摺動性を向上させる。
図3に示されるように、ヒータユニット40は、定着フィルム35の内側に配置される。定着フィルム35の内周面には潤滑剤(不図示)が塗布されている。ヒータユニット40は、潤滑剤を介して定着フィルム35の内周面に接触する。ヒータユニット40が発熱すると、潤滑剤の粘度が低下する。これにより、ヒータユニット40と定着フィルム35との摺動性が確保される。このように、定着フィルム35は、一方の面でヒータユニット40に接触しながらヒータユニット40の表面を摺動する帯状の薄膜である。
熱伝導部材49は、銅などの熱伝導率の高い金属材料により形成される。熱伝導部材49の外形は、ヒータユニット40の基板41の外形と同等である。熱伝導部材49は、ヒータユニット40の-z方向の面に接触して配置される。熱伝導部材49におけるヒータユニット40との接触面には、ニッケルメッキが施されている。
支持部材36は、剛性、耐熱性、断熱性を有し、液晶ポリマーなどの樹脂材料により形成される。支持部材36は、ヒータユニット40の-z方向と、x方向の両側とを覆うように配置される。支持部材36は、熱伝導部材49を介してヒータユニット40を支持する。支持部材36のx方向の両端部には丸面取りが形成される。支持部材36は、ヒータユニット40のx方向の両端部において、定着フィルム35の内周面を支持する。
定着装置30を通過するシートSが加熱されるとき、シートSのサイズに応じてヒータユニット40に温度分布が発生する。ヒータユニット40が局所的に高温になると、その温度は、樹脂材料で形成される支持部材36の耐熱温度を上回る可能性がある。熱伝導部材49は、ヒータユニット40の温度分布を平均化させる。これにより、支持部材36の耐熱性が確保される。
図3に示されるステイ38は、鋼板材料等により形成される。ステイ38のy方向に垂直な断面はU字状に形成される。ステイ38は、U字の開口部を支持部材36で塞ぐように、支持部材36の-z方向に装着される。ステイ38はy方向に伸びる。ステイ38のy方向の両端部は、画像形成装置100のハウジングに固定される。これにより、フィルムユニット301が画像形成装置100に支持される。ステイ38は、フィルムユニット301の曲げ剛性を向上させる。ステイ38のy方向の両端部付近には、定着フィルム35のy方向への移動を規制するフランジ31が装着される。
ヒータ温度計62は、熱伝導部材49を挟んでヒータユニット40の-z方向に配置される。例えば、ヒータ温度計62はサーミスタである。ヒータ温度計62は、支持部材36の-z方向の面に装着されて支持される。ヒータ温度計62の感温素子は、支持部材36をz方向に貫通する孔を通って、熱伝導部材49に接触する。ヒータ温度計62は、熱伝導部材49を介してヒータユニット40の温度を測定する。ヒータ温度計62は、ヒータユニット40への接触状態を安定させるためのセラミックペーパー等を介して、サーミスタ素子を配し、さらにポリイミドテープ等の絶縁物が被覆されている。
サーモスタット68は、ヒータ温度計62と同様に配置される。サーモスタット68は、後述される電気回路に組み込まれる。サーモスタット68は、熱伝導部材49を介して検知したヒータユニット40の温度が所定温度を超えた場合に、発熱体セット45への通電を遮断する。
図6は、ヒータ温度計及びサーモスタットの平面図(-z方向から見た図)である。図6では、支持部材36の記載は省略されている。なお、ヒータ温度計62、サーモスタット68及びフィルム温度計64の配置に関する以下の説明は、それぞれの感温素子の配置を説明するものである。
複数のヒータ温度計62(中央部ヒータ温度計620、端部ヒータ温度計621)が、y方向に並んで配置される。複数のヒータ温度計62は、発熱体セット45のy方向の範囲内に配置される。複数のヒータ温度計62は、発熱体セット45のx方向の中心に配置される。すなわちz方向から見て、複数のヒータ温度計62と発熱体セット45とは、少なくとも一部において重なる。複数のサーモスタット68(中央部サーモスタット681,端部サーモスタット680)についても、前述された複数のヒータ温度計62と同様に配置される。
複数のヒータ温度計62は、中央部ヒータ温度計620と、端部ヒータ温度計621と、を備える。中央部ヒータ温度計620は、中央部発熱体451の温度を測定する。中央部ヒータ温度計620は、中央部発熱体451の範囲内に配置される。すなわちz方向から見て、中央部ヒータ温度計620と中央部発熱体451とは重なる。
端部ヒータ温度計621は、第2端部発熱体453の温度を測定する。前述されたように、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453は、同様に発熱を制御される。そのため、第1端部発熱体452の温度と第2端部発熱体453の温度とは同等である。端部ヒータ温度計621は、第2端部発熱体453の範囲内に配置される。すなわちz方向から見て、端部ヒータ温度計621と第2端部発熱体453とは重なる。
複数のサーモスタット68は、中央部サーモスタット681と、端部サーモスタット680と、を備える。中央部サーモスタット681は、中央部発熱体451の温度が所定温度を超えた場合に、発熱体セット45への通電を遮断する。中央部サーモスタット681は、中央部発熱体451の範囲内に配置される。すなわちz方向から見て、中央部サーモスタット681と中央部発熱体451とは重なる。
端部サーモスタット680は、第1端部発熱体452の温度が所定温度を超えた場合に、発熱体セット45への通電を遮断する。前述されたように、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453は、同様に発熱を制御される。そのため、第1端部発熱体452の温度と第2端部発熱体453の温度とは同等である。端部サーモスタット680は、第1端部発熱体452の範囲内に配置される。すなわちz方向から見て、端部サーモスタット680と第1端部発熱体452とは重なる。
以上により、中央部発熱体451の範囲内に、中央部ヒータ温度計620及び中央部サーモスタット681が配置される。これにより、中央部発熱体451の温度が測定される。また、中央部発熱体451の温度が所定温度を超えた場合に、発熱体セット45への通電が遮断される。一方、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453の範囲内に、端部ヒータ温度計621及び端部サーモスタット680が配置される。これにより、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453の温度が測定される。また、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453の温度が所定温度を超えた場合に、発熱体セット45への通電が遮断される。
複数のヒータ温度計62及び複数のサーモスタット68は、y方向に沿って交互に並んで配置される。前述されたように、中央部発熱体451の+y方向に、第1端部発熱体452が配置される。この第1端部発熱体452の範囲内に、端部サーモスタット680が配置される。中央部ヒータ温度計620は、中央部発熱体451のy方向の中心より+y方向に配置される。中央部サーモスタット681は、中央部発熱体451のy方向の中心より-y方向に配置される。前述されたように、中央部発熱体451の-y方向に、第2端部発熱体453が配置される。この第2端部発熱体453の範囲内に、端部ヒータ温度計621が配置される。これにより、+y方向から-y方向にかけて、端部サーモスタット680、中央部ヒータ温度計620、中央部サーモスタット681及び端部ヒータ温度計621が、この順に並んで配置される。
一般にサーモスタット68は、温度変化に伴うバイメタルの湾曲変形を利用して、電気回路を接続及び遮断する。サーモスタットは、バイメタルの形状に合わせて長細く形成される。また、サーモスタット68の長手方向の両端部から外側に向かって端子が伸びる。この端子には、外部配線のコネクタがカシメによって接続される。そのため、サーモスタット68の長手方向の外側にスペースを確保する必要がある。定着装置30ではx方向に空間的な余裕がないため、サーモスタット68の長手方向はy方向に沿って配置される。このとき、複数のサーモスタット68をy方向に隣り合わせて配置すると、外部配線の接続スペースを確保することが困難になる。
前述されたように、複数のヒータ温度計62及び複数のサーモスタット68は、y方向に沿って交互に並んで配置される。これにより、サーモスタット68のy方向の隣にはヒータ温度計62が配置される。そのため、サーモスタット68に対する外部配線の接続スペースを確保することができる。また、サーモスタット68及びヒータ温度計62のy方向におけるレイアウトの自由度が高まる。これにより、最適な位置にサーモスタット68及びヒータ温度計62を配置して、定着装置30の温度を制御することができる。さらに、複数のサーモスタット68に接続される交流配線と、複数のヒータ温度計62に接続される直流配線との分離が容易になる。これにより、電気回路におけるノイズの発生が抑制される。
フィルム温度計64は、図3に示されるように、定着フィルム35の内側であって、ヒータユニット40の+x方向に配置される。フィルム温度計64は、定着フィルム35の内周面に接触して、定着フィルム35の温度を測定する。
図7は、実施形態の加熱装置の電気回路図である。図7には、図5の底面図が紙面の上方に、図6の平面図が紙面の下方に、それぞれ配置されている。また図7には、下方の平面図の上方に、定着フィルム35の断面と共に複数のフィルム温度計64が記載されている。複数のフィルム温度計64は、中央部フィルム温度計640と、端部フィルム温度計641と、を備える。さらに、図7には、ヒータ制御基板700が記載されている。
中央部フィルム温度計640は、定着フィルム35のy方向の中央部に接触する。中央部フィルム温度計640は、中央部発熱体451のy方向の範囲内で、定着フィルム35に接触する。中央部フィルム温度計640は、定着フィルム35のy方向の中央部の温度を測定する。中央部フィルム温度計640は、測定した温度をA/D変換し、制御部6に出力する。
端部フィルム温度計641は、定着フィルム35の-y方向の端部に接触する。端部フィルム温度計641は、第2端部発熱体453のy方向の範囲内で、定着フィルム35に接触する。端部フィルム温度計641は、定着フィルム35の-y方向の端部の温度を測定する。端部フィルム温度計641は、測定した温度をA/D変換し、制御部6に出力する。前述されたように、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453は、同様に発熱を制御される。そのため、定着フィルム35の-y方向の端部の温度と、+y方向の端部の温度とは同等である。
ヒータ制御基板700は、電源電圧検知回路201、温度補償用温度計202、中央部トライアック961、端部トライアック962を備える。電源95は、発熱体セット45に電力を供給する。電源95は、中央部トライアック961を介して、中央部接点520に接続される。電源95は、端部トライアック962を介して、端部接点521に接続される。電源95は、電源電圧検知回路201に接続される。温度補償用温度計202は、温度依存性のある素子(例えばカプラなど)の近傍に設けられる。
制御部6は、中央部トライアック961及び端部トライアック962のON/OFFを、相互に独立して制御する。制御部6が中央部トライアック961をONにすると、電源95から中央部発熱体451に通電される。これにより、中央部発熱体451が発熱する。制御部6が端部トライアック962をONにすると、電源95から第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453に通電される。これにより、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453が発熱する。以上により、中央部発熱体451と、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453とは、相互に独立して発熱を制御される。中央部発熱体451、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453は、電源95に対して並列に接続される。
電源95は、中央部サーモスタット681及び端部サーモスタット680を介して、共通接点58に接続される。中央部サーモスタット681及び端部サーモスタット680は、直列に接続される。中央部発熱体451の温度が異常に上昇すると、中央部サーモスタット681の検知温度が所定温度を超える。このとき中央部サーモスタット681は、電源95から発熱体セット45の全体への通電を遮断する。
第1端部発熱体452の温度が異常に上昇すると、端部サーモスタット680の検知温度が所定温度を超える。このとき端部サーモスタット680は、電源95から発熱体セット45の全体への通電を遮断する。前述されたように、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453は、同様に発熱を制御される。そのため、第2端部発熱体453の温度が異常に上昇するとき、第1端部発熱体452の温度も同様に上昇する。したがって、第2端部発熱体453の温度が異常に上昇した場合も同様に、端部サーモスタット680は、電源95から発熱体セット45の全体への通電を遮断する。
制御部6は、中央部ヒータ温度計620により、中央部発熱体451の温度を測定する。制御部6は、端部ヒータ温度計621により、第2端部発熱体453の温度を測定する。第2端部発熱体453の温度は、第1端部発熱体452の温度と同等である。制御部6は、定着装置30の始動時(ウォーミングアップ時)及び一時休止状態(スリープ状態)からの復帰時に、ヒータ温度計62により発熱体セット45の温度を測定する。
制御部6は、定着装置30の始動時及び一時休止状態からの復帰時に、中央部発熱体451又は第2端部発熱体453の少なくとも一方の温度が所定の温度よりも低い場合に、発熱体セット45を短時間だけ発熱させる。その後に制御部6は、加圧ローラ302の回転を開始する。発熱体セット45の発熱により、定着フィルム35の内周面に塗布された潤滑剤の粘度が低下する。これにより、加圧ローラ302の回転開始時におけるヒータユニット40と定着フィルム35との摺動性が確保される。
制御部6は、中央部フィルム温度計640により、定着フィルム35のy方向の中央部の温度を測定する。制御部6は、端部フィルム温度計641により、定着フィルム35の-y方向の端部の温度を測定する。定着フィルム35の-y方向の端部の温度は、定着フィルム35の+y方向の端部の温度と同等である。制御部6は、定着装置30の運転時に、定着フィルム35のy方向の中央部及び端部の温度を測定する。
制御部6は、中央部トライアック961及び端部トライアック962により、発熱体セット45に供給する電力を位相制御又は波数制御する。制御部6は、定着フィルム35のy方向の中央部の温度測定結果に基づいて、中央部発熱体451への通電を制御する。制御部6は、定着フィルム35のy方向の端部の温度測定結果に基づいて、第1端部発熱体452及び第2端部発熱体453への通電を制御する。
上述したように、発熱体セット45は、TCR材により形成される。そのため、発熱体セット45に通電を開始すると、徐々に電力が低下していく。そこで、低下する電力を見込んで初期電力を高く設定することも考えられる。一般的に、画像形成装置は、商用電力の変動に対応するために、商用電力の例えば±10%まで許容することができる。この範囲内で初期電力を高く設定されると、商用電源設備の許容範囲を超え、例えばブレーカが落ちる可能性がある。
また、TCR材は定格電力よりも高い電力が供給されると、抵抗値の変化が大きくなる。これにより、抵抗値変化量が仕様内に収まらなくなり、TCR材が破断することもある。こうした背景から、制御部6は、通電開始後に発熱体セット45に供給する電力を段階的に増加させる。このことを図8を用いて説明する。
図8は、発熱体セット45への通電開始時からの経過時間と定着フィルム35の温度との関係を表す実験結果の一例を示す図である。図8の横軸は、発熱体セット45へ通電を開始してからの経過時間[単位:秒]を表す。図8の縦軸は、定着フィルム35の温度[単位:℃]、及び電力[単位:W]を表す。また、図8における通電開始時とは、自装置の立ち上げ時または一時休止状態からの復帰時である。
図8に示すように、発熱体セット45に対して通常の通電方式(すわなち、デューティ比固定の通電方式)で通電が行われた場合、TCR材の昇温に伴って電力の出力が低下する。例えば、図8に示すように、通電開始直後にはおよそ1200[W]であった電力が、通電開始からおよそ9秒後にはおよそ1000[W]程度にまで低下している。前述されたように、これは発熱体セット45に用いられているTCR材の特性に起因する。これにより、発熱体セット45に対して通常の通電方式によって通電が行われた場合、通電開始からの経過時間とともに定着フィルム35の温度の上昇の伸びが鈍化していく。
これに対し、図8に示すように、発熱体セット45に対して立ち上げ処理時通電方式(すわなち、デューティ比可変の通電方式)で通電が行われた場合、一定期間(本実験では1.5秒)ごとに電力のデューティ比がより高くなるように変更される。これにより、一定期間ごとに電力が再び高められる。本実験では、デューティ比80[%]で発熱体セット45への通電が開始され、その後1.5[秒]ごとに、85[%]、90[%]、95[%]、100[%]と合計4回のデューティ比の変更が行われる。これに伴い、図8に示すように、電力が4回持ち上げられている。これにより、電力の低下が抑制されている。図8に示すように、通電開始直後にはおよそ1200[W]であった電力が、通電開始からおよそ9秒後であってもおよそ1200[W]の電力が維持されている。また、これによって、通電開始からの経過時間とともに生じる定着フィルム35の温度の上昇の伸びの鈍化が、通常の通電方式と比べて抑制されている。
次に、発熱体セット45に供給される電力を低下させる電力低下制御について説明する。電力低下制御とは、発熱体セット45に供給された電力が閾値より大きく、かつ発熱体セット45の負荷を示す物理量が基準以上となった場合に、発熱体セット45に供給される電力を低下させる制御である。本実施形態では、発熱体セット45の負荷を示す物理量として、発熱体セット45に電力が供給された累積時間と、発熱体セット45が基準温度以上昇温された回数を例にしている。また、本実施形態では、デューティ比を低下させることで電力を低下させている。なお、デューティ比を低下させる方法としては、半波毎に削減する方法と位相角による方法のどちらの方法でもよい。
一般的に、TCR材に定格電力よりも高い電力が供給されると、抵抗値の変化が大きくなる。図9は、抵抗値の変化量を示す図である。図9に示されるグラフは、縦軸が抵抗値の変化量を示し、横軸が発熱体セット45に電力が供給された累積時間を示す。また、図9のグラフは、定格電圧が100Vの場合の変化量を示している。本実施形態では、変化量の±3%以内を規格内としている。この規格内に収まらなくなった場合に、TCR材は故障と判定される。グラフに示される-3%を示す直線は、規格の下限を示す。
図9には、定格電圧の1.0倍、1.1倍、1.2倍で、発熱体セット45に電力を供給した場合の変化量が示されている。ここでの電圧は、電源電圧検知回路201で検出された電圧である。グラフに示されるように、定格電圧の1.0倍または1.1倍で電力を供給した場合、累積時間が2000時間となっても、変化量は規格内に収まっている。一方、定格電圧の1.2倍で電力を供給した場合には、約1200時間程度で変化量が規格外となる。
そこで、累積時間が約500時間を超えたタイミングで電力低下制御を開始したところ、累積時間が2000時間となっても、変化量は規格内に収まることが確認された。さらに、本実施形態での設定寿命である20000時間となっても変化量は規格内に収まることが確認された。よって、定格電圧が100Vの場合は、定格電圧の1.2倍を閾値としてもよい。
以上より、制御部6は、電源電圧検知回路201で検出された電圧が定格電圧の1.2倍以上で、かつ累積時間が500時間以上となった場合に、発熱体セット45に供給される電力を低下させる。具体的に、制御部6は、中央部トライアック961、端部トライアック962を制御することで電力のデューティ比を低下させる。これにより、加熱部材による不具合の発生を抑制可能となる。
上述した図9では、負荷を示す物理量として累積時間を用いて制御を行った。次に、発熱体セット45が基準温度以上昇温された回数を用いた制御について説明する。具体的には、中央部ヒータ温度計620、端部ヒータ温度計621で検出された温度が初期温度から150℃以上昇温された回数(以下、「昇温回数」という)を用いた制御について説明する。図10は、抵抗値の変化量を示す図である。図10に示されるグラフは、縦軸が抵抗値の変化量を示し、横軸が昇温回数を示す。また、図10のグラフは、定格電圧が200Vの場合の変化量を示している。本実施形態では、変化量の±3%以内を規格内としている。この規格内に収まらなくなった場合に、TCR材は故障と判定される。グラフに示される+3%を示す直線は、規格の上限を示し、-3%を示す直線は規格の下限を示す。
図10には、定格電圧の1.0倍以下、1.0倍超で1.2倍未満、1.2倍以上で電力を供給した場合の変化量が示されている。ここでの電圧は、電源電圧検知回路201で検出された電圧である。グラフに示されるように、定格電圧の1.0倍以下または1.0倍超で1.2倍未満で電力を供給した場合、昇温回数が25000回となっても、変化量は規格内に収まっている。一方、定格電圧の1.2倍以上で電力を供給した場合には、約10000回程度で、TCR材が破断して断線するため、変化量が急激に上昇する。
そこで、昇温回数が約5000回を超えたタイミングで電力低下制御を開始したところ、昇温回数が25000回となっても、変化量は規格内に収まることが確認された。
以上より、制御部6は、電源電圧検知回路201で検出された電圧が定格電圧の1.2倍以上で、かつ昇温回数が5000回以上となった場合に、発熱体セット45に供給される電力を低下させる。具体的に、制御部6は、中央部トライアック961、端部トライアック962を制御することで電力のデューティ比を低下させる。これにより、加熱部材による不具合の発生を抑制可能となる。
なお、図10に示されるように、定格電圧の1.2倍以上での抵抗値の変化量は、約10000回程度で急激に上昇する。一方、1.2倍未満の変化量では、変化量が急激に上昇することはない。よって、定格電圧の1.2倍には臨界的意義が存在する。上述したように、変化量の急激な上昇は、TCR材の破断によるものである。したがって、TCR材が破断する電圧が臨界的意義をもつ。TCR材が破断する電圧は、TCR材の体積や断面積に応じて定まるため、実験等により予め求めておく。そして制御部は、求まった電圧に基づき制御を行うようにすることで、加熱部材による不具合の発生を抑制可能となる。
以上説明した電力低下制御についてフローチャートを用いて説明する。図11は、制御部6の累積時間を用いた制御処理の流れを示すフローチャートである。制御部6は、発熱体セット45へ電力供給が開始する契機が到来すると(ACT101)、低下フラグがオンか否かを判定する(ACT102)。この低下フラグは、電力低下制御を行うか否かを示すフラグである。低下フラグは、電力低下制御を行う場合にオンとなり、そうでない場合にオフとなる。低下フラグはメモリ92に記憶されている。
低下フラグがオンの場合には(ACT102:YES)、制御部6は、デューティ比を低下させて電力を供給させ(ACT110)、電力低下制御に関する制御処理を終了する。低下フラグがオフの場合には(ACT102:NO)、制御部6は、電源電圧検知回路201で検出された電圧が定格電圧の1.2倍以上か否かを判定する(ACT103)。電圧が定格電圧の1.2倍以上ではない場合には(ACT103:NO)、制御部6は、電力低下制御に関する制御処理を終了する。
電圧が定格電圧の1.2倍以上の場合には(ACT103:YES)、制御部6は、時間計測を開始する(ACT104)。ここでの時間は、定格電圧の1.2倍以上で電力が供給されている時間である。制御部6は、電力の供給が停止されると(ACT105)、時間計測を終了する(ACT106)。制御部6は、メモリ92に記憶されている累積時間に、新たに計測された時間を加えることで累積時間を更新する(ACT107)。
制御部6は、累積時間が500時間以上であるか否かを判定する(ACT108)。累積時間が500時間未満の場合には(ACT108:NO)、制御部6は、電力低下制御に関する制御処理を終了する。累積時間が500時間以上の場合には(ACT108:YES)、制御部6は、上記低下フラグをオンとして(ACT109)、電力低下制御に関する制御処理を終了する。低下フラグがオンとされたので、以降はACT102で肯定判定され、電力のデューティ比が低下されるので、加熱部材による不具合の発生を抑制可能となる。
図12は、制御部6の昇温回数を用いた制御処理の流れを示すフローチャートである。制御部6は、発熱体セット45へ電力供給が開始する契機が到来すると(ACT201)、低下フラグがオンか否かを判定する(ACT202)。
低下フラグがオンの場合には(ACT202:YES)、制御部6は、デューティ比を低下させて電力を供給させ(ACT209)、電力低下制御に関する制御処理を終了する。低下フラグがオフの場合には(ACT202:NO)、制御部6は、電源電圧検知回路201で検出された電圧が定格電圧の1.2倍以上か否かを判定する(ACT203)。電圧が定格電圧の1.2倍以上ではない場合には(ACT203:NO)、制御部6は、電力低下制御に関する制御処理を終了する。
電圧が定格電圧の1.2倍以上の場合には(ACT203:YES)、制御部6は、中央部ヒータ温度計620,端部ヒータ温度計621で検出された温度が初期温度から150℃以上昇温されたか否かを判定する(ACT204)。初期温度から150℃以上昇温されていない場合には(ACT204:NO)、制御部6は、電力低下制御に関する制御処理を終了する。
初期温度から150℃以上昇温された場合には(ACT204:YES)、制御部6は、昇温回数を1だけ増分することで昇温回数を更新する(ACT205)。昇温回数は、メモリ92に記憶されている。制御部6は、電力の供給が停止されると(ACT206)、昇温回数が5000回以上であるか否かを判定する(ACT207)。昇温回数が5000回未満の場合には(ACT207:NO)、制御部6は、電力低下制御に関する制御処理を終了する。昇温回数が5000回以上の場合には(ACT207:YES)、制御部6は、上記低下フラグをオンとして(ACT208)、電力低下制御に関する制御処理を終了する。低下フラグがオンとされたので、以降はACT202で肯定判定され、電力のデューティ比が低下されるので、加熱部材による不具合の発生を抑制可能となる。
以上説明した実施形態において、どの程度電力を低下させるかについては、TCR材の性質や、定格電圧の値などにより定まるため、実験等により予め求めておく。また、電力を低下させる制御して、デューティ比を低下させる制御を例にしたが、これに限るものではない。例えば、電圧を降下させることで電力を低下させてもよい。
図8では、通電開始後に発熱体セット45に供給する電力を段階的に増加させることについて記載したが、電力低下制御中は、低下させたデューティ比に基づき制御される。具体的には、電力低下制御中のデューティ比が80[%]とする。また、図8と同様に、デューティ比80[%]で発熱体セット45への通電が開始され、その後1.5[秒]ごとに、85[%]、90[%]、95[%]、100[%]と合計4回のデューティ比の変更が行われるとする。
この場合、制御部6は、デューティ比64[%](=80[%]×80[%])で発熱体セット45への通電が開始されるように制御する。制御部6は、その後1.5[秒]ごとに、68[%](=85[%]×80[%])、72[%](=90[%]×80[%])、76[%](=95[%]×80[%])、80[%](=100[%]×80[%])と合計4回のデューティ比の変更を行う。このようにすることで、電力低下制御中のデューティ比が80[%]を超えることはないので、加熱部材による不具合の発生を抑制可能となる。
以上述べた実施形態の画像形成装置1によれば加熱部材による不具合の発生を抑制可能な画像形成装置を提供することが可能となる。また、加熱部材による不具合の発生を抑制することで、加熱部材による不具合による画像形成装置のダウンタイムも最小化することもできる。
上述した実施形態における画像形成装置の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100…画像形成装置、1…ディスプレイ、2…スキャナ部、3…画像形成ユニット、4
…シート供給部、5…搬送部、6…制御部、7…排紙トレイ、8…コントロールパネル、
9…反転ユニット、10…ハウジング、20…シート収容部、30…定着装置、30h…フィルムユニット、31…フランジ、32…芯金、33…弾性層、34…離型層、35…定着フィルム、36…支持部材、38…ステイ、40…ヒータユニット、41…基板、43…絶縁層、45…発熱体セット、62…ヒータ温度計、64…フィルム温度計、68…サーモスタット、92…メモリ、93…補助記憶装置、95…電源、961…中央部トライアック、962…端部トライアック、201…電源電圧検知回路

Claims (6)

  1. シートを加熱する発熱部と、
    前記発熱部に電力を供給する供給部と、
    前記供給部によって供給された電力を取得する電力取得部と、
    前記発熱部の負荷を示す物理量を取得する物理量取得部と、
    前記電力取得部によって取得された電力が閾値以上で、かつ前記物理量取得部によって取得された物理量が基準以上となった場合に、前記発熱部に供給される電力を低下させる制御部と、
    を備えた画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記供給部によって供給される電力のデューティ比を低下させることにより、前記発熱部に供給する電力を低下させる請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記物理量は、前記供給部によって電力が供給された累積時間である請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記物理量は、前記発熱部が基準温度以上昇温された回数である請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、自装置の立ち上げ時または一時休止状態からの復帰時に、前記供給部によって前記発熱部への電力を供給させる場合には、前記発熱部に供給する電力を段階的に増加させる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記発熱部は、温度上昇に伴って抵抗値が増加する材料が用いられた請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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