JP2022026762A - ウイルス不活性化剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】エタノールや陽イオン性殺菌剤の含有量が少なくても優れたウイルス不活性化効果を示すウイルス不活性化剤組成物を提供する。【解決手段】(a)グリコール系溶剤を0.5質量%以上30質量%以下、(b)アルキルグリコシド型界面活性剤、アミンオキシド型界面活性剤、及びアルキルグリセリルエーテル型界面活性剤から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤を0.01質量%以上35質量%以下、並びに水を含有し、20℃でのpHが11以下であり、陽イオン界面活性剤の含有量が0.05質量%未満であり、エタノールの含有量が5質量%未満である、ウイルス不活性化剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ウイルス不活性化剤組成物、及びウイルスの不活性化方法に関する。
インフルエンザや風邪等に代表されるウイルス性の感染症は手指や環境の洗浄が重要な予防法の1つと考えられている。近年、いわゆる新型のコロナウイルスによる感染症の拡大も深刻な問題となっている。病原性ウイルスは、細菌と異なり自己増殖能がなく、ヒトなどの動物や細菌などの細胞に寄生して、その細胞の機能を利用することにより増殖する。従って、細菌などに対する抗生物質のような、罹患後の抗ウイルス薬として有効なものは少なく、消毒剤などにより感染防止を行うのが有効である。
この観点からのアプローチとして、ウイルスを不活性化することはウイルスによる感染防止に役立つと考えられる。従来、ウイルスを不活性化するために種々の提案がされている。
特許文献1には、(A)第4級アンモニウム塩0.5~5質量%、(B)非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤1~20質量%、(C)アルカリ剤0.07~10.0質量%、及び(D)水を含有し、且つ組成物のpH(JISZ-8802:2011「pH測定方法」)が25℃で11以上である抗ウイルス洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献2には、抗菌性組成物であって、a.前記組成物の0.01重量%~15重量%の、少なくとも1種の非アニオン性界面活性剤と、b.前記組成物の0.01重量%~15重量%の、少なくとも1種の酸と、c.前記組成物の0重量%~99.85重量%の水と、を含み、前記組成物が発泡している抗菌性組成物を用いてウイルスを不活性化する所定の方法が開示されている。
特開2019-52118号公報 特表2010-524976号公報
ウイルスを不活性化するにあたり、例えば、エタノールや陽イオン性殺菌剤を用いて処理することが行われる。これらは手指やテーブルなどの身の回りの物品に、噴霧、塗布などにより適用したり、清拭などにより清浄にしたりすることで、ウイルスの活性を低減しようとするものである。しかし、エタノールは揮発性が高く、しかも引火点が存在する製剤も多いため、一度に広範囲の対象物を処理するなどの方法には不向きである。また、陽イオン性殺菌剤をウイルスに適用する技術も知られているが、陽イオン性殺菌剤を多用すると耐性を持つウイルスが発生するなどの危惧がある。そのため、エタノールや陽イオン性殺菌剤の使用量が少ない、あるいはエタノールや陽イオン性殺菌剤を用いなくてもウイルス不活性化効果を有する技術が要望されている。
本発明は、エタノールや陽イオン性殺菌剤の含有量が少なくても優れたウイルス不活性化効果を示すウイルス不活性化剤組成物及びウイルスの不活性化方法を提供する。
本発明は、(a)グリコール系溶剤[以下(a)成分という]を0.5質量%以上30質量%以下、(b)アルキルグリコシド型界面活性剤、アミンオキシド型界面活性剤、及びアルキルグリセリルエーテル型界面活性剤から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤[以下(b)成分という]を0.01質量%以上35質量%以下、並びに水を含有し、20℃でのpHが11以下であり、陽イオン界面活性剤の含有量が0.05質量%未満であり、エタノールの含有量が5質量%未満である、ウイルス不活性化剤組成物に関する。
また、本発明は、前記本発明のウイルス不活性化剤組成物を、ウイルスが存在する対象物に接触させ、所定時間放置する、ウイルスの不活性化方法に関する。
本発明によれば、エタノールや陽イオン性殺菌剤ルの含有量が少なくても優れたウイルス不活性化効果を示すウイルス不活性化剤組成物及びウイルスの不活性化方法が提供される。
〔ウイルス不活性化剤組成物〕
(a)成分は、グリコール系溶剤である。
(a)成分は、グリコールエーテル系溶剤が好ましい。
(a)成分としては下記一般式(a1)の化合物が好ましい。本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(a)成分として、下記一般式(a1)の化合物を含有することが好ましい。
a1-O-(Ra2O)-Ra3 (a1)
[式中、Ra1は水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基、好ましくは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基であり、Ra2はエチレン基、プロピレン基及びイソプロピレン基から選ばれる基、好ましくはエチレン基及びプロピレン基から選ばれる基であり、Ra3は水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、好ましくは水素原子であり、nは1以上4以下、好ましくは2以下の数である。]
(a)成分としてより具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール、フェニルグリコール、ブチルジグリコール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジブチレンジグリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。(a)成分としては、好ましくはプロピレングリコール、及びブチルジグリコールから選ばれる1種以上の化合物である。本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(a)成分として、プロピレングリコール、及びブチルジグリコールから選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(a)成分を0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、そして、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下含有する。
本発明のウイルス不活性化剤組成物が、主に噴霧型である場合、例えば、主にトリガースプレー容器(直圧又は蓄圧型)に充填して、ウイルスが存在する、又は存在すると考えられる場所に噴霧する使用方法に適用されるものである場合は、該組成物は、(a)成分を、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下含有する。
また、本発明のウイルス不活性化剤組成物が、主に塗布洗浄型である場合、例えば、主に食器などの硬質物品に接触させた後、所定時間放置した後、必要に応じて、スポンジ等の可撓性材料や手指等を用いて擦り洗いして、水ですすぐ方法に適用されるものである場合は、該組成物は、(a)成分を、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下含有する。
(b)成分は、アルキルグリコシド型界面活性剤[以下(b1)成分という]、アミンオキシド型界面活性剤[以下(b2)成分という]、及びアルキルグリセリルエーテル型界面活性剤[以下(b3)という]から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤である。
一般にウイルスが存在する対象物は嘔吐物や人体由来の蛋白や皮脂、あるいは環境に存在する汚れなどと共存する。そしてこれら夾雑物質の内部にもウイルスは存在するため、夾雑物質と共存するウイルスに対しても不活性化させる必要がある。本発明の(b)成分は本発明のウイルス不活性化剤組成物を夾雑物質の内部まで浸透させる作用に優れるものである。また、水性のウイルス不活性化剤組成物はプラスティックのような疎水性の表面には濡れ広がりにくいため、効果が得られにくいが、本発明の(b)成分は、疎水性の表面には濡れ広がり性を高めることができるため、優れたウイルス不活性化効果を得ることができる。
(b)成分のうち、(b1)成分は、アルキルグリコシド型界面活性剤である。
アルキルグリコシド型界面活性剤としては、炭素数が好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、好ましくは直鎖のアルキル基を有し、糖の平均縮合度が好ましくは1以上、そして、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下であるアルキルグリコシドが挙げられる。
糖としては単糖類ではグルコース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース、フルクトース又はこれらの混合物等に由来する残基が挙げられ、2糖類以上ではマルトース、キシロビオース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチビオース、ラクトース、スクロース、ニゲロース、ツラノース、ラフィノース、ゲンチアノース、メンジトース又はこれらの混合物等に由来する残基が挙げられる。これらのうち好ましい原料は、ウイルス不活性化効果、夾雑物の洗浄性、疎水性表面の濡れ性の観点から、単糖類ではグルコース及びフルクトースであり、2糖類以上ではマルトース及びスクロースである。
(b)成分のうち、(b2)成分は、アミンオキシド型界面活性剤である。
(b2)成分としては、1つの窒素原子を有するアミンオキシドであって、当該窒素原子に炭素数8以上18以下の炭化水素基を含む基が一つ、炭素数1以上3以下のアルキル基が二つ結合したアミンオキシドが挙げられる。
更に、(b2)成分としては、1つの窒素原子を有するアミンオキシドであって、当該窒素原子にアミド基又はエステル基で分断されていてもよい炭素数8以上18以下のアルキル基、好ましくは炭素数8以上16以下のアルキル基、更に好ましくは炭素数8以上14以下のアルキル基が一つ、炭素数1以上3以下のアルキル基、好ましくはメチル基が二つ結合したアミンオキシドが挙げられる。
(b2)成分としては、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチルアミンオキシド(アルカノイルとしてはラウロイル又はミリスチロイル)、N-アルキル-N,N-ジメチルアミンオキシド(アルキル基としてはラウリル基又はミリスチル基)等が挙げられる。
(b)成分のうち、(b3)成分は、アルキルグリセリルエーテル型界面活性剤である。
(b3)としては、炭素数8以上18以下、好ましくは炭素数8以上14以下、より好ましくは炭素数8以上12以下のアルキル基を1つ有するアルキルグリセリルエーテルが挙げられる。(b3)成分のアルキル基としては、炭素数8以上12以下、好ましくは8以上10以下の分岐鎖アルキル基が挙げられ、2-エチルヘキシル基、イソノニル基又はイソデシル基が好ましく、2-エチルヘキシル基がより好ましい。(b3)成分としては、炭素数8以上12以下のアルキル基を1つ有するアルキルグリセリルエーテルが好ましく、2-エチルヘキシルアルキルグリセリルエーテルがより好ましい。
(b)成分は、ウイルス不活性化効果及び本発明のウイルス不活性化剤組成物の対象表面への濡れ広がりの観点から、(b3)成分のアルキルグリセリルエーテル型界面活性剤が好ましい。本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(b)成分として、(b3)成分を含有することが好ましい。
(b)成分は、2種以上を用いてもよい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(b)成分を0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、そして、35質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下含有する。
本発明のウイルス不活性化剤組成物が、主に噴霧型である場合、例えば、主にトリガースプレー容器(直圧又は蓄圧型)に充填して、ウイルスが存在する、又は存在すると考えられる場所に噴霧する使用方法に適用されるものである場合は、該組成物は、(b)成分を、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下含有する。
また、本発明のウイルス不活性化剤組成物が、主に塗布洗浄型である場合、例えば、主に食器などの硬質物品に接触させた後、所定時間放置した後、必要に応じて、スポンジ等の可撓性材料や手指等を用いて擦り洗いして、水ですすぐ方法に適用されるものである場合は、該組成物は、(b)成分を、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは35質量%以下、より好ましくは32質量%以下含有する。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(b)成分以外の非イオン界面活性剤を含有することができるが、全非イオン界面活性剤中、(b)成分の割合は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%以下であってよい。(b)成分以外の非イオン界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルなどが挙げられる。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、夾雑物の除去性、対象表面の濡れ広がり及び泡立ちの観点から、更に(c)(c1)ベタイン型界面活性剤[以下(c1)成分という]及び(c2)陰イオン界面活性剤[以下(c2)成分という]から選ばれる界面活性剤[以下(c)成分という]を含有することが好ましい。
(c)成分のうち、(c1)成分はベタイン型界面活性剤である。
(c1)成分としては、炭素数8以上18以下の炭化水素基を一つ有するスルホベタイン及び炭素数8以上18以下の炭化水素基を一つ有するカルボベタインから選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。
スルホベタインとしては、炭素数10以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下のアルキル基を1つと、炭素数1以上3以下のアルキル基、好ましくはメチル基を2つと、3-スルホプロピル基又は2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル基とを有する化合物が好適である。
また、カルボベタインとしては、アミド基又はエステル基で分断されていてもよい炭素数10以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下のアルキル基を1つと、炭素数1以上3以下のアルキル基、好ましくはメチル基を2つと、カルボキシアルキル基、好ましくはカルボキシメチル基を1つ有するカルボベタインが好ましい。
(c)成分のうち、(c2)成分は陰イオン界面活性剤である。
(c2)成分としては、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、アルカンスルホン酸型界面活性剤、オレフィンスルホン酸型界面活性剤、スルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤、及びスルホ脂肪酸エステル型界面活性剤から選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤が挙げられる。
アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。具体的には、炭素数6以上、好ましくは8以上、そして、18以下、好ましくは15以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。
硫酸エステル型界面活性剤としては、炭素数8以上20以下の炭化水素基と、硫酸エステル基とを有する陰イオン界面活性剤が挙げられる。炭化水素基は、洗浄力の観点から、炭素数が8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下である。炭化水素基は、アルキル基が好ましい。
硫酸エステル型界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が挙げられる。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下のアルキル基、更に直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル硫酸エステル塩が好適である。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下のアルキル基、更に直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、炭素数2以上3以下のオキシアルキレン基の平均付加モル数が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは1.5以下である、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好適である。オキシアルキレン基は炭素数2が好ましい。
アルカンスルホン酸型界面活性剤としては、アルカン部分の炭素数が8以上、好ましくは10以上、より好ましくは14以上、そして、20以下、好ましくは18以下のアルカンスルホン酸塩が挙げられる。
オレフィンスルホン酸型界面活性剤としては、α-オレフィンスルホン酸塩、内部オレフィンスルホン酸塩が挙げられる。α-オレフィンスルホン酸塩は、オレフィン部分の炭素数が8以上、好ましくは10以上、より好ましくは14以上、そして、22以下、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。また内部オレフィンスルホン酸塩は、オレフィン部分の炭素数が8以上、好ましくは12以上、より好ましくは16以上、そして、24以下、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。
スルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤としては炭素数5以上、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、そして、18以下、好ましくは14以下、より好ましくは10以下の脂肪アルコールとスルホコハク酸とのモノエステル及び/又はジエステル、好ましくはジエステルが好ましい。また、脂肪アルコールは分岐アルコールが洗浄力の点から好適である。
スルホ脂肪酸エステル型界面活性剤としては、脂肪酸部分の炭素数が10以上18以下のα-スルホ脂肪酸塩、脂肪酸部分の炭素数が10以上18以下であり、エステル部分の炭素数が1以上5以下であるα-スルホ脂肪酸低級アルキルエステル塩が挙げられる。
(c2)成分の塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩などが挙げられ、アルカリ金属塩が好ましい。
(c2)成分としては、アルキル基の炭素数が8以上18以下のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル基の炭素数が8以上18以下のアルキル硫酸エステル塩、及び炭素数5以上18以下の脂肪アルコールとスルホコハク酸とのモノ又はジエステルの塩から選ばれる一種以上の陰イオン界面活性剤が好ましい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、ウイルス不活性化効果、夾雑物質除去効果、及び疎水性表面濡れ性向上観点から、(c)成分として、ベタイン型界面活性剤を含有することが好ましく、スルホベタイン及びカルボベタインから選ばれる1種以上の界面活性剤を含有することがより好ましく、スルホベタインを含有することが更に好ましい。これらのベタイン型界面活性剤は前記したものから選択できる。
(c)成分は、2種以上を用いてもよい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物が(c)成分を含有する場合、該組成物は、(c)成分を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、そして、20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは15質量%以下含有する。
本発明のウイルス不活性化剤組成物が、主に塗布洗浄型である場合、例えば、主に食器などの硬質物品に接触させた後、所定時間放置した後、必要に応じて、スポンジ等の可撓性材料や手指等を用いて擦り洗いして、水ですすぐ方法に適用されるものである場合は、該組成物は、(c)成分を、好ましくは0.8質量%以上、より好ましくは1.3質量%以上、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは13質量%以下含有する。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、夾雑物質の除去及び濡れ広がりの観点から、更に(d)有機酸又はそのアルカリ金属塩[以下(d)成分という]を含有することが好ましい。
(d)成分の有機酸の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは6以下、より更に好ましくは5以下である。
(d)成分の有機酸は、カルボン酸が好ましく、前記炭素数のカルボン酸がより好ましい。
(d)成分としては、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸、ソルビン酸、メチル乳酸、フェニル乳酸、マンデル酸、グリコール酸、タルトロン酸、グルコン酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの有機酸及びこれらのアルカリ金属塩が挙げられる。
前記有機酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられ、ナトリウム塩が好ましい。
(d)成分は、ウイルス不活性化の観点から、乳酸、クエン酸、リンゴ酸及びこれらの塩から選ばれる化合物が好ましく、クエン酸及びその塩から選ばれる化合物がより好ましい。
(d)成分は、2種以上を用いてもよい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物が(d)成分を含有する場合、該組成物は、(d)成分を、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下含有する。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、ウイルス不活性化及び組成物の貯蔵安定性の観点から、更に(e)芳香族スルホン酸及びそのアルカリ金属塩から選ばれる1種以上の化合物[以下(e)成分という]を含有することが好ましい。(e)成分としては、炭素数1以上3以下のアルキル基が1個以上3個以下置換していてもよい、ベンゼンスルホン酸又はその塩が挙げられる。具体的にはクメンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、m-キシレンスルホン酸又はそれらのアルカリ金属塩が挙げられ、ウイルス不活性化及び組成物の貯蔵安定性の観点から、p-トルエンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩が好ましい。(e)成分のアルカリ金属塩は、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられ、ナトリウム塩が好ましい。
(e)成分は、2種以上を用いてもよい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物が(e)成分を含有する場合、該組成物は、(e)成分を、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下含有する。
本願では(b)成分の効果、及び(c)成分の効果を向上させる目的から(f)成分として水溶性無機塩を含有することができる。水溶性無機塩を含有させ、組成物の塩強度を高めることで、(b)成分、(c)成分の組成物中のパッキング性を高め、界面活性能を高めることができ、その結果、夾雑物の除去性や疎水性表面の濡れ性を更に向上させることができる。
(f)成分としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、銅、ニッケル、亜鉛などの金属陽イオンと、クロルイオン、ブロモイオン、硫酸イオン、リン酸イオンなどの無機陰イオンとの無機塩を用いることができる。
(f)成分としては、アルカリ土類金属イオン及び二価の金属イオンから選ばれる陽イオンと、ハロゲンイオン及び硫酸イオンから選ばれる陰イオンとが結合した無機塩が好ましい。
(f)成分としては、マグネシウム、カルシウム、鉄、銅及び亜鉛から選ばれる陽イオンと、クロルイオン及び硫酸イオンから選ばれる陰イオンとが結合した無機塩がより好ましい。
(f)成分としては、マグネシウム及び亜鉛から選ばれる陽イオンと、クロルイオン及び硫酸イオンから選ばれる陰イオンとが結合した無機塩が更に好ましい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物が(f)成分を含有する場合、該組成物は、(f)成分を、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下含有する。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(a)成分、(b)成分、任意の(c)成分、任意の(d)成分、任意の(e)成分、任意の(f)成分以外の成分を含有することができる。
例えば香料、色素、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤等(但し、前記(a)~(f)成分を除く)を任意に配合することができる。但し、後述の通り、エタノール及び陽イオン界面活性剤の含有量は制限される。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、陽イオン界面活性剤の含有量が0.05質量%未満、好ましくは0.04質量%以下、より好ましくは0.03質量%以下である。陽イオン界面活性剤は殺菌剤として一般的に用いられている化合物であるが、本発明のウイルス不活性化剤は、このような化合物を用いなくても高いウイルス不活性化効果を得ることができる。また、殺ウイルスに高い効果を示すエタノールは、本発明では必要としない。すなわち、ウイルス不活性化剤組成物は、エタノールの含有量が5質量%未満、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは2質量%以下であっても高いウイルス不活性化効果を得ることができる。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、陽イオン界面活性剤とエタノールの含有量が、それぞれ、前記の範囲であっても、優れたウイルス不活性化効果を示す。
なお、本発明で含有量が制限される陽イオン界面活性剤としては、
(1)第4級窒素に結合する4つの基のうち1つ又は2つが炭素数8以上14以下のアルキル基であり、残りが炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基である第4級アンモニウム塩、
(2)ピリジニウム塩、更に陽イオン態窒素に炭素数2以上22以下の炭化水素基が結合したピリジニウム塩、例えばセチルピリジニウム塩、
(3)1,4-ビス(3,3’-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジハロゲン化物
が挙げられる。本発明では、これら3つの陽イオン界面活性剤の含有量が前記範囲であってよい。なお、陽イオン界面活性剤のそれぞれの塩の対陰イオンは、ハロゲン化物イオン、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオンである。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、水を含有する。本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(a)成分、(b)成分及び任意成分以外の残部が水であってよい。本発明のウイルス不活性化剤は、水を、例えば、95質量%以上、更に98質量%以上、更に99質量%以上、そして、99.9質量%以下、更に99.8質量%以下、更に質量%以下含有する。水は、イオン交換水、滅菌イオン交換水等を使用することが好ましい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、例えば、液状、ゲル状、又はペースト状で用いることができる。それらの使用形態に応じて、本発明のウイルス不活性化剤組成物、水、アルコール等の可溶化キャリア、ゲル化剤などを適宜含有させることができる。ただし、エタノールの含有量は5質量%未満である。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、ウイルス不活性化の観点から、水以外の成分の含有量の合計中、(a)成分の含有量の割合が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、そして、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、ウイルス不活性化の観点から、水以外の成分の含有量の合計中、(b)成分の含有量の割合が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、ウイルス不活性化の観点から、水以外の成分の含有量の合計中、(a)成分の含有量及び(b)成分の含有量の合計の割合が、好ましくは8質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、手肌への刺激性及び組成物の貯蔵安定性の観点から、20℃でのpHが11以下である。このpHは、好ましくは11未満、より好ましくは10以下、更に好ましくは9以下、より更に好ましくは8以下、そして、好ましくは4以上、より好ましくは4.5以上、更に好ましくは5以上である。pHは、ガラス電極法によって測定される。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、各種ウイルスに対して適用することができる。ウイルスとしては、エンベロープウイルス、非エンベロープウイルスが挙げられる。一例として、エンベロープウイルスへの適用が挙げられる。エンベロープウイルスは、それらのタンパク質カプシドを覆うウイルスエンベロープを有する。エンベロープウイルスは、DNAウイルス(一本鎖もしくは二本鎖)、RNAウイルス、又は逆転写ウイルスとして分類することができる。エンベロープウイルスの例は、限定されないが、ヘルペスウイルス科(例えば、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガウイルス、エプスタイン・バーウイルス)、ヘパドナウイルス科(例えば、B型肝炎ウイルス)、トガウイルス科(例えば、風疹ウイルス)、アレナウイルス科(例えば、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス)、フラビウイルス科(例えば、デングウイルス、C型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス)、オルトミクソウイルス科(例えば、インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、イサウイルス、ソゴトウイルス)、パラミクソウイルス科(例えば、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、呼吸器多核体ウイルス、牛疫ウイルス、イヌジステンパーウイルス)、ブニヤウイルス科(例えば、カリフォルニア脳炎ウイルス、ハンタウイルス)、フィロウイルス科(例えば、エボラウイルス、マールブルグウイルス)、コロナウイルス科(例えば、コロナウイルス)、アストロウイルス科(例えば、アストロウイルス)、ボルナウイルス科(例えば、ボルナ病ウイルス)、及びアルテリウイルス科(例えば、アルテリウイルス、ウマ動脈炎ウイルス)を含む。
非エンベロープウイルス、すなわちエンベロープを持たない一本鎖(+)RNAウイルス、一本鎖(-)RNAウイルス、二本鎖RNAウイルス、一本鎖DNAウイルス、及び二本鎖DNAウイルスが挙げられる。斯かるウイルスとしては、カリシウイルス科、ピコルナウイルス科、パルボウイルス科、パピローマウイルス科、ポリオーマウイルス科、アデノウイルス科に属するウイルスが挙げられる。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(1)身体、例えば人の皮膚、手指、毛髪及び口腔内など、(2)食品、例えば、野菜等の食品素材表面など、(3)硬質物品、(4)繊維製品、例えば、布、糸等の繊維素材及びこれらを用いて製造された製品など、を対象とすることができる。硬質物品としては、例えば、浴室、トイレ、台所、床、ドアノブ、食器、食品加工設備、机、いす、壁、などの硬質表面を硬質物品が挙げられる。これらの硬質物品は、家庭で用いられるものであっても、公共施設や工場、例えばプール、浴場、食堂、病院などで用いられるものであってよい。
〔ウイルスの不活性化方法〕
本発明は、本発明のウイルス不活性化剤組成物を、ウイルスが存在する対象物に接触させ、所定時間放置する、ウイルスの不活性化方法を提供する。ウイルスは、本発明のウイルス不活性化剤組成物で挙げた対象に存在するものであってよい。
前記所定時間は、好ましくは10分以上、より好ましくは20分以上、そして、好ましくは24時間以下、より好ましくは12時間以下、更に好ましくは6時間以下、より更に好ましくは3時間以下、より更に好ましくは1時間以下である。
本発明のウイルス不活性化剤組成物を対象物に接触させるに際しての使用形態に特に制限はない。本発明のウイルス不活性化剤組成物が液状の場合には、特にスプレー、ローション等として用いることができる。例えば、トリガースプレー容器(直圧又は蓄圧型)やディスペンサータイプのポンプスプレー容器等の公知のスプレー容器に充填し、噴霧量を調整して、ウイルスが存在する、又は存在すると考えられる場所に噴霧できるようにしたもの等が挙げられる。
また、本発明のウイルス不活性化剤組成物を対象物、例えば、食器などの硬質物品に接触させた後、所定時間放置した後、必要に応じて、スポンジ等の可撓性材料や手指等を用いて擦り洗いして、水ですすぐ方法が挙げられる。すすぐ際は、手などで機械力(物理的力)をかけてもよく、単に水流ですすいでもよい。
また、ウェット拭取り用品(ぬれナプキン等)として使用することもできる。例えば、天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成繊維、又は天然繊維と合成繊維との混合物の織布又は不織布ウェブを含む基材に、本発明のウイルス不活性化剤組成物、可溶化キャリア、及び必要に応じて各種添加剤を含ませて使用することができる。具体的には、皮膚コンディショナーや、ペットの手入れ用品、家庭の台所やバスルーム、トイレ、便座等の表面、運動器具等の表面に使用することができる。
本発明のウイルス不活性化剤組成物を、水溶性ゲルや油性ゲルを用いてゲル状にしたり、ペースト状とした場合には、医療用品として、人体、ペット等に直接塗布して使用したり、紙や不織布等に担持させたものを、空気清浄器のフィルターとして用いることもできる。
本発明のウイルス不活性化剤組成物の使用量は特に限定されるものではないが、例えば、対象物の単位面積1mあたり、(a)成分の量として、好ましくは0.01g以上、より好ましくは0.03g以上、そして、好ましくは0.25g以下、より好ましくは0.2g以下とすることができる。
〔洗浄剤組成物及び洗浄方法〕
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、ウイルスを含む汚れを洗浄する際に、洗浄剤に組み込んで用いることができる。
本発明は、本発明のウイルス不活性化剤組成物を含有する、洗浄剤組成物を提供する。
また、本発明は、本発明のウイルス不活性化剤組成物を含有する、硬質表面用洗浄剤組成物を提供する。
本発明の洗浄剤組成物、更に硬質表面洗浄剤組成物では、本発明のウイルス不活性化剤組成物以外の成分や組成などは、用途や用法などを考慮して、公知の態様から選択することができる。
本発明により、本発明の洗浄剤組成物、例えば硬質表面用洗浄剤組成物を、ウイルスを含む汚れに接触させる、洗浄方法が提供される。
本発明の洗浄方法は、本発明のウイルス不活性化剤組成物で述べた対象に適用することができる。
また、本発明により、対象物にウイルスを不活性化する部分を形成する対象物の処理方法であって、対象物に清浄な部分を形成し、該清浄な部分に本発明のウイルス不活性化剤組成物を接触させ、所定時間放置する、対象物の処理方法が提供される。この方法は、例えば、本発明のウイルス不活性化剤組成物で対象物を洗浄し、洗浄後の対象物に本発明のウイルス不活性化剤組成物を接触させ、所定時間放置する、対象物の処理方法であってよい。
下記配合成分を用いて、表1に示すウイルス不活性化剤組成物を調製し、以下のウイルス不活性化性能評価を行った。結果を表1に示す。表1のウイルス不活性化剤組成物は、イオン交換水に、(a)~(f)成分を表中の配合量で添加し、室温(20℃)で溶解させた。配合後、pH調整剤として、1N水酸化ナトリウム水溶液及び/又は0.1N硫酸水溶液を用いてpHを表1中に記載の値になるように調整した。なお、pHはガラス電極法で測定した。pH調整剤の量は表中の水の量に含めている。また表1中の配合成分の質量%は、全て有効分に基づく数値である。
<配合成分>
(a)成分
・プロピレングリコール:AGC(株)製
・ブチルジグリコール:日本乳化剤株式会社製
(b)成分
・アルキルグリコシド:製品名「プランタケア2000UP」、BASF社製
・C12アミンオキシド:N-ラウリル-N,N-ジメチルアミンオキサイド、アンヒトール20N、花王(株)製
・2-エチルヘキシルモノグリセリルエーテル:花王株式会社製
(c)成分
・ラウリルジメチルヒドロキシスルホベタイン:製品名「アンヒトール20HD」、花王株式会社製
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム:アルキル鎖が炭素数12の天然アルコール1モルに、プロピレンオキシドを0.6モル付加したのち、三酸化イオウにより硫酸化し、水酸化ナトリウムで中和した(水で10%希釈したもののpHが11になるまで中和した)もの。
・ビス-(2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム:製品名「エアロールCT-1L」、東邦化学工業(株)製
(d)成分
・クエン酸:磐田化学工業(株)社製
(e)成分
・p-トルエンスルホン酸:明友産業株式会社製
<硬質基板上のウイルス不活性化性能評価>
インフルエンザAウイルス(H3N2)を蒸留水に懸濁させ10PFU/mLのウイルス液を作成し、これを3%BSA水溶液と等量混合したものを試験ウイルス液とした。シャーレに入れたステンレス板(3cm×5cm)に試験ウイルス液を15μL滴下し乾燥させ、そこへ試験試料(ウイルス不活性化剤組成物)150μLを滴下し25℃で5分接触させた後、SCDLP20mLを加えて洗い出し感染価を測定した。対照として精製水を用いて同様の操作を行ったものをブランクとし、次式に従い計算した感染価減少値が2以上であれば不活性化効果あり「〇」と判断した。
※感染価減少値=Log(ブランク(精製水)接触後の感染価)-Log(試験試料接触後の感染価)
Figure 2022026762000001

Claims (7)

  1. (a)グリコール系溶剤を0.5質量%以上30質量%以下、(b)アルキルグリコシド型界面活性剤、アミンオキシド型界面活性剤、及びアルキルグリセリルエーテル型界面活性剤から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤を0.01質量%以上35質量%以下、並びに水を含有し、20℃でのpHが11以下であり、陽イオン界面活性剤の含有量が0.05質量%未満であり、エタノールの含有量が5質量%未満である、ウイルス不活性化剤組成物。
  2. 更に(c)(c1)ベタイン型界面活性剤及び(c2)陰イオン界面活性剤から選ばれる界面活性剤を0.1質量%以上20質量%以下含有する、請求項1記載のウイルス不活性化剤組成物。
  3. 更に(d)有機酸又はそのアルカリ金属塩を0.01質量%以上10質量%以下含有する請求項1又は2記載のウイルス不活性化剤組成物。
  4. 更に(e)芳香族スルホン酸及びそのアルカリ金属塩から選ばれる1種以上の化合物を0.5質量%以上15質量%以下含有する、請求項1~3の何れか1項に記載のウイルス不活性化剤組成物。
  5. (a)成分として、下記一般式(a1)の化合物を含有する、請求項1~4記載のウイルス不活性化剤組成物。
    a1-O-(Ra2O)-Ra3 (a1)
    [式中、Ra1は水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基であり、Ra2はエチレン基、プロピレン基及びイソプロピレン基から選ばれる基であり、Ra3は水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基であり、nは1以上4以下の数である。]
  6. 請求項1~5の何れか1項に記載のウイルス不活性化剤組成物を、ウイルスが存在する対象物に接触させ、所定時間放置する、ウイルスの不活性化方法。
  7. 前記所定時間は、10分以上である、請求項6に記載のウイルスの不活性化方法。
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