JP2022026764A - ウイルス不活性化剤組成物 - Google Patents

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Hiroki Nakajima
光佑 吉田
Kosuke Yoshida
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悠記 石田
Yuki Ishida
博卓 大谷
Hirotaka Otani
光明 山口
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Abstract

【課題】エタノールなどの従来のウイルス不活性化のための薬剤を用いる処方とは異なる処方で優れたウイルス不活性化効果を示すウイルス不活性化剤組成物を提供する。【解決手段】(a)陽イオン界面活性剤[以下(a)成分という]を0.001質量%以上5質量%以下、(b)ベタイン型界面活性剤、及びアルキルグリセリルエーテル型界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤[以下(b)成分という]を0.01質量%以上10質量%未満、並びに水を含有し、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比である(a)/(b)が0.1以上10以下である、ウイルス不活性化剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ウイルス不活性化剤組成物、及びウイルスの不活性化方法に関する。
インフルエンザや風邪等に代表されるウイルス性の感染症は手指や環境の洗浄が重要な予防法の1つと考えられている。近年、いわゆる新型のコロナウイルスによる感染症の拡大も深刻な問題となっている。病原性ウイルスは、細菌と異なり自己増殖能がなく、ヒトなどの動物や細菌などの細胞に寄生して、その細胞の機能を利用することにより増殖する。従って、細菌などに対する抗生物質のような、罹患後の抗ウイルス薬として有効なものは少なく、消毒剤などにより感染防止を行うのが有効である。
この観点からのアプローチとして、ウイルスを不活性化することはウイルスによる感染防止に役立つと考えられる。従来、ウイルスを不活性化するために種々の提案がされている。
特許文献1には、(A)第4級アンモニウム塩0.5~5質量%、(B)非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤1~20質量%、(C)アルカリ剤0.07~10.0質量%、及び(D)水を含有し、且つ組成物のpH(JISZ-8802:2011「pH測定方法」)が25℃で11以上である抗ウイルス洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献2には、(a)カチオン性活性成分、(b)四級化糖から誘導された界面活性剤、(c)起泡性界面活性剤、および(d)水、を含んでなる抗菌性皮膚清浄剤が開示されている。
特許文献3には、抗菌性組成物であって、哺乳動物の皮膚組織を該抗菌性組成物と、細菌、微生物、殺真菌またはウイルス個体群の実質的な低減を与えるのに十分な時間、接触させることによって、該皮膚組織上の、細菌、微生物、殺真菌またはウイルス個体群を低減させる方法に用いられる、(a)カチオン性活性成分、(b)四級化糖から誘導された界面活性剤、(c)起泡性界面活性剤、および(d)水、を含んでなる、抗菌性組成物が開示されている。
特開2019-52118号公報 特開2016-155856号公報 特開2017-155053号公報
ウイルスを不活性化するにあたり、例えば、エタノールなどを用いて処理することが行われる。これらは手指やテーブルなどの身の回りの物品に、噴霧、塗布などにより適用したり、清拭などにより清浄にしたりすることで、ウイルスの活性を低減しようとするものである。しかし、エタノールは揮発性が高く、しかも引火点が存在する製剤も多いため、一度に広範囲の対象物を処理するなどの方法には不向きな場合もある。そのため、エタノールの使用量が少ない、あるいはエタノールを用いない処方であっても、優れたウイルス不活性化効果を発現する技術が要望されている。
本発明は、エタノールなどの従来のウイルス不活性化のための薬剤を用いる処方とは異なる処方で優れたウイルス不活性化効果を示すウイルス不活性化剤組成物及びウイルスの不活性化方法を提供する。
本発明は、(a)陽イオン界面活性剤[以下(a)成分という]を0.001質量%以上5質量%以下、(b)ベタイン型界面活性剤及びアルキルグリセリルエーテル型界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤[以下(b)成分という]を0.01質量%以上10質量%未満、並びに水を含有し、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比である(a)/(b)が0.1以上10以下である、ウイルス不活性化剤組成物に関する。
また、本発明は、前記本発明のウイルス不活性化剤組成物を、ウイルスが存在する対象物に接触させ、所定時間放置する、ウイルスの不活性化方法に関する。
本発明によれば、エタノールなどの従来のウイルス不活性化のための薬剤を用いる処方とは異なる処方で優れたウイルス不活性化効果を示すウイルス不活性化剤組成物及びウイルスの不活性化方法が提供される。
〔ウイルス不活性化剤組成物〕
(a)成分は、陽イオン界面活性剤である。
(a)成分としては、第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が挙げられる。第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤としては、窒素原子に結合する4つの基のうち、1つ又は2つが炭素数6以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは14以下、より好ましくは12以下の炭化水素基、好ましくはアルキル基であり、残りが炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基及びアリールアルキル基(ベンジル基等)からなる群から選ばれる基、好ましくはメチル基、エチル基、及びベンジル基からなる群から選ばれる基である、4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が挙げられる。
(a)成分は、ウイルス不活性化性能及び起泡性の観点から、窒素原子に結合する4つの基のうち、1つが炭素数6以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは14以下、より好ましくは12以下の炭化水素基、好ましくはアルキル基であり、3つが、1つのベンジル基と2つの炭素数1以上3以下のアルキル基である又は3つの炭素数1以上3以下のアルキル基である、第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が好ましい。
陽イオン界面活性剤としては、下記一般式(a1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2022026764000001
〔式中、R1aは炭素数6以上18以下の炭化水素基を表す。R2a、R3aはそれぞれ独立に炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。R4aは炭素数1以上3以下のアルキレン基を表す。Zは陰イオンを表す。〕
一般式(a1)中、R1aは、ウイルス不活性化性能の観点、本発明を洗浄剤に応用する場合の洗浄力の観点、及び製品安定性の観点から、好ましくは炭素数8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは16以下の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基である。
また一般式(a1)中、R2a、R3aは、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基であり、炭素数1以上2以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
また一般式(a1)中、R4aは炭素数1以上3以下のアルキレン基であり、炭素数1以上2以下のアルキレン基が好ましく、メチレン基がより好ましい。
また一般式(a1)中のZとしては、塩化物イオン等のハロゲンイオンが好ましい。Zとしては塩化物イオン(Cl)がより好ましい。
(a)成分は、2種以上を用いてもよい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(a)成分を0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、そして、5質量%以下、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下含有する。
(b)成分は、ベタイン型界面活性剤[以下(b1)成分という]及びアルキルグリセリルエーテル型界面活性剤[以下(b2)成分という]から選ばれる1種以上の界面活性剤である。
(b)成分のうち、(b1)成分は、ベタイン型界面活性剤である。
(b1)成分としては、洗浄力向上、泡立ちの点から、炭素数8以上、22以下のアルキル基を有するベタイン型界面活性剤が好ましい。前記アルキル基の炭素数は、10以上、更に11以上が好ましく、そして、18以下、更に13以下が好ましい。すなわち、(b1)成分としては、炭素数8以上、10以上、更に11以上、そして、22以下、18以下、更に13以下のアルキル基を有するベタイン型界面活性剤から選ばれる1以上のベタイン型界面活性剤が挙げられる。
(b1)成分としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン、及びアルキルアミノ脂肪酸塩からなる群から選ばれる1以上のベタイン型界面活性剤を用いることが洗浄力、泡立ちの点から好ましい。中でも、アルキル(炭素数8以上22以下)アミドプロピルベタイン及びアルキル(炭素数8以上22以下)ヒドロキシスルホベタインからなる群から選ばれるベタイン型界面活性剤が好ましく、更には(3-ラウラミドプロピル)ジメチルベタイン及びラウリルジメチルヒドロキシスルホベタインからなる群から選ばれるベタイン型界面活性剤がより好ましい。また、ここに列挙したベタイン型界面活性剤の2種以上を混合して用いても良い。
(b)成分のうち、(b2)成分は、アルキルグリセリルエーテル型界面活性剤である。
(b2)成分としては、具体的には、炭素数8以上18以下、好ましくは炭素数8以上14以下、より好ましくは炭素数8以上12以下のアルキル基を1つ有するアルキルグリセリルエーテルが挙げられる。(b2)成分のアルキル基としては、炭素数8以上12以下、好ましくは8以上10以下の分岐鎖アルキル基が挙げられ、2-エチルヘキシル基、イソノニル基又はイソデシル基が好ましく、2-エチルヘキシル基がより好ましい。(b2)成分としては、炭素数8以上12以下のアルキル基を1つ有するアルキルグリセリルエーテルが好ましく、2-エチルヘキシルグリセリルエーテルがより好ましい。
(b)成分は、対象面への濡れ広がりによるウイルス不活性化性能向上の観点から、2-エチルヘキシルグリセリルエーテルが好ましい。
また、洗浄を伴う用途に供する場合は、垂直面への(a)成分の泡による付着性・残留性の観点から、(b)成分は、アルキルアミドベタインが好ましい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(b)成分を0.01質量%以上、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.04質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、そして、10質量%未満、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下含有する。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、ウイルス不活性化性能と付着性の観点から、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比である(a)/(b)が、0.1以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、そして、10以下、好ましくは8.0以下、より好ましくは6.0以下、更に好ましくは5.0以下である。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(a)成分、及び(b)成分の合計含有量が、好ましくは0.011質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、そして、好ましくは15質量%未満、より好ましくは10質量%以下である。
また本発明のウイルス不活性化剤組成物は、住環境の各種場面で使用することが可能であり、例えば、洗浄、すすぎなどを伴う用途に本発明のウイルス不活性化剤組成物を応用する場合には、組成物中の(a)成分、及び(b)成分の合計含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、そして、好ましくは15質量%未満、より好ましくは10質量%以下である。一方、本発明のウイルス不活性化剤組成物を、対象物に噴霧後、放置するか清拭するなどの方法に用いる場合には、組成物中の(a)成分、及び(b)成分の合計含有量は、好ましくは0.011質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、速乾性及び汚れ除去性の観点から、更に(c)水溶性溶剤[以下(c)成分という]を含有することが好ましい。(c)成分について、水溶性とは、20℃の水に水100gに10g以上溶解することをいう。
(c)成分としては、下記(c1)及び(c2)から選ばれる水溶性溶剤が挙げられる。
(c1)炭素数1以上3以下の一級アルコール
(c2)下記一般式(c2)で示される化合物
1c-(OR2c-OR3c (c2)
〔式中、R1c及びR3cはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上7以下の炭化水素基であり、R2cは炭素数2又は3のアルキレン基であり、mは1以上6以下の数であり、m個のR2cは同一でも異なっていても良い。〕
(c1)の化合物の具体例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが挙げられる。(c2)の化合物の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(c)成分として、ブチルジグリコール、メチルプロピレングリコール及びエタノールから選ばれる1種以上の水溶性溶剤を含有することが好ましい。ウイルスが周辺の汚れ除去性向上によるウイルス不活性化性能向上の観点から、(c)成分は、ブチルジグリコールが好ましい。また、硬質表面、繊維表面、または空間への噴霧時の速乾性の観点から、(c)成分は、エタノール及びメチルプロピレングリコールが好ましい。ウイルス不活性化の観点では、本発明のウイルス不活性化剤組成物は、エタノールを含まなくても優れた効果を奏するが、使用場面によってはエタノールなどの水溶性溶剤がもたらす、速乾性といった利点を付与するために水溶性溶剤を用いてもよい。(c)成分は、2種以上を用いてもよい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物が(c)成分を含有する場合、該組成物は、(c)成分を、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、そして、20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8.0質量%以下含有する。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、ウイルス不活性化性能の観点から、更に(d)有機酸又はその塩[以下(d)成分という]を含有することが好ましい。
前記有機酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩などが挙げられる。前記有機酸の塩は、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
(d)成分の有機酸は、カルボン酸が好ましい。
(d)成分としては、(d)成分の具体例としては、下記(d1)~(d3)から選ばれる一種以上の有機酸又はその塩が挙げられる。
(d1)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸、及びそのアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
(d2)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノカルボン酸、及びそのアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
(d3)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸等の有機酸、及びそのアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
これらの中でも、乳酸、クエン酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸等のアミノカルボン酸、及びこれらの塩が好ましい。中でも、乳酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。塩の形態としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が挙げられる。
(d)成分は、ウイルス周辺の汚れ除去性向上によるウイルス不活性化性能向上の観点から、乳酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸及びこれらの塩から選ばれる有機酸又はその塩が好ましい。
(d)成分は、2種以上を用いてもよい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物が(d)成分を含有する場合、該組成物は、(d)成分を、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、そして、10質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下、更に好ましくは4.0質量%以下含有する。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、使用感向上による付加価値向上の観点から、洗浄力や泡立ちを阻害しない範囲において、更に防腐剤、ハイドロトロープ剤、染料、粘度調整剤、酸化防止剤、香料などの任意成分(但し、前記(a)~(d)成分を除く)を含有することができる。
本発明では(a)成分、(b)成分以外の界面活性剤[以下(e)成分という]を含有することができる。(e)成分は、本発明の効果への影響を考慮して種類や含有量を調整することが好ましい。(e)成分としては、下記(e-1)~(e-3)の界面活性剤が挙げられる。
(e-1)炭素数8以上18以下、好ましくは10以上16以下の脂肪酸及びそのアルカリ金属塩、又はアルカリ土類金属塩、好ましくはナトリウム塩
(e-2)炭素数8以上18以下、好ましくは10以上16以下のアルキル基を一つ、炭素数1以上3以下のアルキル基、好ましくはメチル基を二つ有する3級アミンオキシド
(e-3)炭素数8以上18以下、好ましくは10以上16以下の脂肪アルコールに、炭素数2又は3のアルキレンオキサイド、好ましくはエチレンオキサイドを平均2モル以上、より好ましくは3モル以上、そして、好ましくは100モル以下、より好ましくは50モル以下、更に好ましくは20モル以下付加させた、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
(e-1)~(e-3)は、例えば、本発明のウイルス不活性化剤組成物を、洗浄を伴う用途に用いる場合に好ましい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物が(e)成分として(e-1)~(e-3)を含有する場合、その含有量は、本発明のウイルス不活性化剤組成物中、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。また、本発明のウイルス不活性化剤組成物が(e)成分として(e-1)~(e-3)を含有する場合、(e-1)~(e-3)の合計含有量と、(a)成分及び(b)成分の合計含有量との質量比[(e-1)+(e-2)+(e-3)]/[(a)+(b)]は、(a)成分及び(b)成分の効果を損なわずに洗浄効果を得る観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、そして、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下である。
なお、(e)成分としては、(e-4)炭素数8以上18以下の炭化水素基を有する硫酸エステル型界面活性剤、及び炭素数8以上18以下の炭化水素基を有するスルホン酸型界面活性剤が挙げられる。しかしながら、(e-4)は、(a)成分及び(b)成分の効果への影響が大きいため、使用にあたっては注意が必要である。本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(e-4)の含有量と、(b)成分及び(c)成分の合計含有量との質量比(e-4)/[(a)+(b)]の質量比が、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.01以下、より更に好ましくは0、すなわち(e-4)を含有しないことがより更に好ましい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、水を含有する。本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(a)成分、(b)成分及び任意成分以外の残部が水であってよい。本発明のウイルス不活性化剤は、水を、例えば、60質量%以上、更に70質量%以上、更に75質量%以上、そして、99.9質量%以下、更に99.8質量%以下、更に99質量%以下含有する。水は、イオン交換水、滅菌イオン交換水等を使用することが好ましい。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、例えば、液状、ゲル状、又はペースト状で用いることができる。それらの使用形態に応じて、本発明のウイルス不活性化剤組成物、水、アルコール等の可溶化キャリア、ゲル化剤などを適宜含有させることができる。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、ウイルス不活性化効果、起泡性の観点から、水以外の成分の含有量の合計中、(a)成分の含有量の割合が、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.7質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、そして、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは18.0質量%以下、更に好ましくは15.0質量%以下、更に好ましくは13.0質量%以下である。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、濡れ広がり、起泡性能の観点から、水以外の成分の含有量の合計中、(b)成分の含有量の割合が、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.7質量%以上、そして、好ましくは30.0質量%以下、より好ましくは25.0質量%以下、更に好ましくは20.0質量%以下、更に好ましくは18.0質量%以下である。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、ウイルス不活性化性能と対象面への濡れ広がりの観点から、水以外の成分の含有量の合計中、(a)成分の含有量、及び(b)成分の含有量の合計の割合が、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、基剤損傷性及び使用時の安全性の観点から、20℃でのpHが、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である。pHは、ガラス電極法によって測定される。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、各種ウイルスに対して適用することができる。ウイルスとしては、エンベロープウイルス、非エンベロープウイルスが挙げられる。一例として、エンベロープウイルスへの適用が挙げられる。エンベロープウイルスは、それらのタンパク質カプシドを覆うウイルスエンベロープを有する。エンベロープウイルスは、DNAウイルス(一本鎖もしくは二本鎖)、RNAウイルス、または逆転写ウイルスとして分類することができる。エンベロープウイルスの例は、限定されないが、ヘルペスウイルス科(例えば、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガウイルス、エプスタイン・バーウイルス)、ヘパドナウイルス科(例えば、B型肝炎ウイルス)、トガウイルス科(例えば、風疹ウイルス)、アレナウイルス科(例えば、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス)、フラビウイルス科(例えば、デングウイルス、C型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス)、オルトミクソウイルス科(例えば、インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、イサウイルス、ソゴトウイルス)、パラミクソウイルス科(例えば、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、呼吸器多核体ウイルス、牛疫ウイルス、イヌジステンパーウイルス)、ブニヤウイルス科(例えば、カリフォルニア脳炎ウイルス、ハンタウイルス)、フィロウイルス科(例えば、エボラウイルス、マールブルグウイルス)、コロナウイルス科(例えば、コロナウイルス)、アストロウイルス科(例えば、アストロウイルス)、ボルナウイルス科(例えば、ボルナ病ウイルス)、およびアルテリウイルス科(例えば、アルテリウイルス、ウマ動脈炎ウイルス)を含む。
非エンベロープウイルス、すなわちエンベロープを持たない一本鎖(+)RNAウイルス、一本鎖(-)RNAウイルス、二本鎖RNAウイルス、一本鎖DNAウイルス、および二本鎖DNAウイルスが挙げられる。斯かるウイルスとしては、カリシウイルス科、ピコルナウイルス科、パルボウイルス科、パピローマウイルス科、ポリオーマウイルス科、アデノウイルス科に属するウイルスが挙げられる。
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、(1)身体、例えば人の皮膚、手指、毛髪及び口腔内など、(2)食品、例えば、野菜等の食品素材表面など、(3)硬質物品、(4)繊維製品、例えば、布、糸等の繊維素材及びこれらを用いて製造された製品など、を対象とすることができる。硬質物品としては、例えば、浴室、トイレ、台所、床、ドアノブ、食器、食品加工設備、机、いす、壁、などの硬質表面を硬質物品が挙げられる。これらの硬質物品は、家庭で用いられるものであっても、公共施設や工場、例えばプール、浴場、食堂、病院などで用いられるものであってよい。硬質物品用ウイルス不活性化剤組成物は、本発明のウイルス不活性化剤組成物の好適な態様である。硬質物品は硬質表面を有する物品であってよく、硬質表面用ウイルス不活性化剤組成物もまた、本発明のウイルス不活性化剤組成物の好適な態様である。また、本発明のウイルス不活性化剤組成物は、空間用であってよい。空間は、例えば、住居、病院、レストランなど、生活環境における種々の空間を対象とできる。また、本発明のウイルス不活性化剤組成物は、繊維用であってよい。すなわち、本発明のウイルス不活性化剤組成物は、硬質表面、空間又は繊維に用いられるウイルス不活性化剤組成物であってよい。本発明は、これらの対象物の複数に用いられるものであってもよい。
〔ウイルスの不活性化方法〕
本発明は、本発明のウイルス不活性化剤組成物を、ウイルスが存在する対象物に接触させ、所定時間放置する、ウイルスの不活性化方法を提供する。ウイルスは、本発明のウイルス不活性化剤組成物で挙げた対象に存在するものであってよい。
前記所定時間は、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上、そして、好ましくは15分以下、より好ましくは10分以下である。
本発明のウイルス不活性化剤組成物を対象物に接触させるに際しての使用形態に特に制限はない。本発明のウイルス不活性化剤組成物が液状の場合には、特にスプレー、ローション等として用いることができる。例えば、トリガースプレー容器(直圧又は蓄圧型)やディスペンサータイプのポンプスプレー容器等の公知のスプレー容器に充填し、噴霧量を調整して、ウイルスが存在する、又は存在すると考えられる場所に噴霧できるようにしたもの等が挙げられる。
また、本発明のウイルス不活性化剤組成物を対象物、例えば、食器などの硬質物品に接触させた後、所定時間放置した後、必要に応じて、スポンジ等の可撓性材料や手指等を用いて擦り洗いして、水ですすぐ方法が挙げられる。すすぐ際は、手などで機械力(物理的力)をかけてもよく、単に水流ですすいでもよい。
また、ウェット拭取り用品(ぬれナプキン等)として使用することもできる。例えば、天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成繊維、又は天然繊維と合成繊維との混合物の織布又は不織布ウェブを含む基材に、本発明のウイルス不活性化剤組成物、可溶化キャリア、及び必要に応じて各種添加剤を含ませて使用することができる。具体的には、皮膚コンディショナーや、ペットの手入れ用品、家庭の台所やバスルーム、トイレ、便座等の表面、運動器具等の表面に使用することができる。
本発明のウイルス不活性化剤組成物を、水溶性ゲルや油性ゲルを用いてゲル状にしたり、ペースト状とした場合には、医療用品として、人体、ペット等に直接塗布して使用したり、紙や不織布等に担持させたものを、空気清浄器のフィルターとして用いることもできる。
本発明のウイルス不活性化剤組成物の使用量は特に限定されるものではないが、例えば、対象物の単位面積1mあたり、(a)成分の量として、好ましくは0.0001g以上、より好ましくは0.001g以上、そして、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.2g以下とすることができる。
本発明のウイルスの不活性化方法は、硬質表面のウイルスの不活性化方法として好適である。硬質表面は、プラスチック、ゴム、金属、タイル、レンガ、コンクリート、セメント、ガラス、木等からなる床、階段、壁等の固定物のほか、それらからなる各種器械、器具、道具、家具、食器等の人が接触するもの全般における硬質表面を挙げることができる。例えば、トイレ、風呂、洗面台、台所、リビングなどに存在する硬質表面に適用することができる。
また、本発明のウイルスの不活性化方法は、空間のウイルスの不活性化方法としても好適である。
また、本発明のウイルスの不活性化方法は、繊維のウイルスの不活性化方法としても好適である。
本発明のウイルスの不活性化方法は、硬質表面、空間又は繊維のウイルスの不活性化方法であってよい。本発明は、これらの対象物の複数に用いられるものであってもよい。
本発明のウイルスの不活性化方法は、例えば、本発明のウイルス不活性化剤組成物を、ウイルスが存在する硬質表面に接触させる、ウイルスの不活性化方法であってよい。
本発明では、本発明のウイルス不活性化剤組成物を、噴霧、塗布、浸漬などにより、硬質表面に接触させて用いることができる。なお、空間や繊維を対象とする場合は、これらの方法のうち適切なもの、あるいは対象物に適切な方法を選定して実施できる。
本発明のウイルスの不活性化方法としては、(1)トリガー等の噴霧器(スプレーヤー)を用いて、本発明のウイルス不活性化剤組成物又は該組成物を水で希釈した希釈組成物を硬質表面に噴霧する方法、(2)吸水性の可撓性材料からなる清掃用物品に本発明のウイルス不活性化剤組成物又は該組成物を水で希釈した希釈組成物を染み込ませて硬質表面を擦る方法、及び(3)本発明のウイルス不活性化剤組成物又は該組成物を水で希釈した希釈組成物に対象物を浸漬させる方法が挙げられ、簡便性の観点から、(1)または(2)の方法が好適である。
本発明のウイルスの不活性化方法は、本発明のウイルス不活性化剤組成物を硬質表面に接触させる、又は前記組成物を、希釈せずに原液で、硬質表面に接触させる、つまり、前記組成物を、希釈することなく、硬質表面に接触させるウイルスの不活性化方法が好ましく挙げられる。更に、前記組成物を、希釈することなく、ウイルスが付着した硬質表面に接触させるウイルスの不活性化方法が挙げられる。
前記ウイルスの不活性化方法を希釈せずに硬質表面に接触させるとは、前記組成物を、意図的に水などで希釈した後、硬質表面と接触させないことである。例えば、前記組成物を水滴等が付着した硬質表面と接触させたり、前記組成物を硬質表面に接触させた後、硬質表面に水滴が付着したりする場合は、前記組成物を希釈せずに、硬質表面に接触させると理解できる。
本発明のウイルスの不活性化方法で、前記組成物を、原液で、硬質表面に接触させるには、例えば、ボトルから直接塗布又は噴霧してもよく、ボトルとしては、例えば、スクイズボトル、スプレーボトル等が挙げられる。
また本発明では、不織布や雑巾などの清掃用物品使用時に、本発明のウイルスの不活性化方法を、被清掃物又は前記清掃用物品に、噴霧あるいは塗布しながら使用してもよい。当該使用方法によって、より広い面積を清掃することができる。
また本発明の(a)成分、(b)成分、及び任意成分を含む濃厚組成物を調製しておき、該濃厚組成物を水で希釈して本発明のウイルス不活性化剤組成物を調製し、硬質表面に接触させてもよい。すなわち、本発明の(a)成分、(b)成分、及び任意成分を含有する濃厚組成物を水で希釈して本発明のウイルス不活性化剤組成物を調製し、前記組成物を希釈せずに硬質表面に接触させるウイルスの不活性化方法であってもよい。
ウイルスが存在する硬質表面に接触させた後、ウイルス不活性化の観点から、水などによるすすぎ工程や組成物を対象表面からふき取るなどの工程は設けずそのまま放置/乾燥させて、(a)成分、(b)成分を硬質表面に残存させてもよい。その場合、(a)成分を0.1μg/m以上、好ましくは0.5μg/m以上、より好ましくは1.0μg/m以上、更に好ましくは5.0μg/m以上、より更に好ましくは10μg/m以上、そして、100,000μg/m以下、好ましくは50,000μg/m以下、より好ましくは10,000μg/m以下、更に好ましくは5,000μg/m以下の割合で対象表面に残存させることが、ウイルス不活性化の観点から好ましい。
〔洗浄剤組成物及び洗浄方法〕
本発明のウイルス不活性化剤組成物は、ウイルスを含む汚れを洗浄する際に、洗浄剤に組み込んで用いることができる。
本発明は、本発明のウイルス不活性化剤組成物を含有する、洗浄剤組成物を提供する。
また、本発明は、本発明のウイルス不活性化剤組成物を含有する、硬質表面用洗浄剤組成物を提供する。
本発明の洗浄剤組成物、更に硬質表面洗浄剤組成物では、本発明のウイルス不活性化剤組成物以外の成分や組成などは、用途や用法などを考慮して、公知の態様から選択することができる。
本発明により、本発明の洗浄剤組成物、例えば硬質表面用洗浄剤組成物を、ウイルスを含む汚れに接触させる、洗浄方法が提供される。
本発明の洗浄方法は、本発明のウイルス不活性化剤組成物で述べた対象に適用することができる。
また、本発明により、対象物にウイルスを不活性化する部分を形成する対象物の処理方法であって、対象物に清浄な部分を形成し、該清浄な部分に本発明のウイルス不活性化剤組成物を接触させ、所定時間放置する、対象物の処理方法が提供される。この方法は、例えば、本発明のウイルス不活性化剤組成で物対象物を洗浄し、洗浄後の対象物に本発明のウイルス不活性化剤組成物を接触させ、所定時間放置する、対象物の処理方法であってよい。
下記配合成分を用いて、表1、表2に示すウイルス不活性化剤組成物を調製し、以下のウイルス不活性化性能評価を行った。結果を表1、表2に示す。表1、表2のウイルス不活性化剤組成物は、イオン交換水に、(a)~(d)成分を表中の配合量で添加し、室温(20℃)で溶解させた。配合後、pH調整剤として、1N水酸化ナトリウム水溶液及び/又は0.1N硫酸水溶液を用いてpHを表1、表2中に記載の値になるように調整した。なお、pHはガラス電極法で測定した。pH調整剤の量は表中の水の量に含めている。また表1、表2中の配合成分の質量%は、全て有効分に基づく数値である。
<配合成分>
(a)成分
・C12塩化ベンザルコニウム:サニゾールB-50、花王(株)製、一般式(a1)中、R1aが炭素数12/14/16=58/35/7のモル比で混在する混合アルキル基、R2a、R3aがメチル基、R4aがメチレン基、Zが塩化物イオンである化合物
・C12トリメチルアンモニウムクロライド:コータミン20W、花王(株)製、N-ドデシル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロライド
(b)成分
・アミドプロピルベタイン:アンヒトール20AB、花王株式会社製、N-ドデシル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルカルボベタイン
・2-エチルヘキシルモノグリセリルエーテル:ペネトールGE-EH、花王株式会社製
(c)成分
・ブチルジグリコール:日本乳化剤株式会社製
・メチルプロピレングリコール:日本乳化剤株式会社製
・エタノール:富士フイルム和光純薬株式会社製
(d)成分
・クエン酸:扶桑化学工業株式会社製
・EDTA:エチレンジアミン4酢酸ナトリウム、中部キレスト株式会社製
・乳酸Na:コービオンジャパン(株)製
<評価1:硬質基板上のウイルス不活性化性能評価>
インフルエンザAウイルス(H3N2)を蒸留水に懸濁させ10PFU/mLのウイルス液を作製し、これを3%BSA水溶液と等量混合したものを試験ウイルス液とした。シャーレに入れたステンレス板(3cm×5cm)に試験ウイルス液を15μL滴下し乾燥させ、そこへ試験試料(ウイルス不活性化剤組成物)150μLを滴下し25℃で5分接触させた後、SCDLP20mLを加えて洗い出し感染価を測定した。対照として精製水を用いて同様の操作を行ったものをブランクとし、次式に従い計算した感染価減少値が2以上であれば不活性化効果あり「〇」と判断した。結果を表1に示した。
※感染価減少値=Log(ブランク(精製水)接触後の感染価)-Log(試験試料接触後の感染価)
<評価2:繊維上のウイルス不活性化性能評価>
インフルエンザAウイルス(H3N2)を蒸留水に懸濁させ10FFU/mLのウイルス液を作製し、これに対して最終濃度が0.1(v/v)%となるようにBSAを混合したものを試験ウイルス液とした。化繊布(3cm×3cm)に試験ウイルス液を100μL滴下し乾燥させ、そこへ試験試料(ウイルス不活性化剤組成物)40μLを滴下し25℃で30分接触させた後、SCDLP2mLを加えて洗い出しウイルス抽出液を得た。本液を、細胞維持培地を用いて10倍段階希釈し、感染価を測定した。対照として精製水を用いて同様の操作を行ったものをブランクとし、次式に従い計算した感染価減少値が2以上であれば不活性化効果あり「〇」と判断した。結果を表2に示した。
※感染価減少値=Log(ブランク(精製水)接触後の感染価)-Log(試験試料接触後の感染価)
Figure 2022026764000002
Figure 2022026764000003

Claims (5)

  1. (a)陽イオン界面活性剤[以下(a)成分という]を0.001質量%以上5質量%以下、(b)ベタイン型界面活性剤、及びアルキルグリセリルエーテル型界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤[以下(b)成分という]を0.01質量%以上10質量%未満、並びに水を含有し、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比である(a)/(b)が0.1以上10以下である、ウイルス不活性化剤組成物。
  2. 更に(c)水溶性溶剤を0.01質量%以上20質量%以下含有する、請求項1に記載のウイルス不活性化剤組成物。
  3. 更に(d)有機酸又はその塩を0.01質量%以上10質量%以下含有する、請求項1又は2に記載のウイルス不活性化剤組成物。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載のウイルス不活性化剤組成物を、ウイルスが存在する対象物に接触させ、所定時間放置する、ウイルスの不活性化方法。
  5. 前記所定時間は、3分以上である、請求項4に記載のウイルスの不活性化方法。
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