JP2022026727A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、偏光フィルム保護層、およびそれを用いた偏光板 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、偏光フィルム保護層、およびそれを用いた偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光フィルム保護用に用いた際に、偏光フィルムとの密着性に優れ、かつ高温高湿条件下においても偏光フィルムの保護性能に優れる活性エネルギー硬化性樹脂組成物、及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化した偏光フィルム保護層、その保護層を有する偏光板を提供する。【解決手段】環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)、および少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)として、2官能以上のオキセタン化合物(A1)、およびエポキシ化合物(A2)を含有し、少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)の含有割合が(A)+(B)成分の合計100重量部に対して5~45重量部であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、偏光フィルム保護層、およびそれを用いた偏光板に関するものであり、さらに詳しくは、液晶表示装置等に用いられる偏光板を構成する偏光フィルム用の保護層に好適な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関するものである。
液晶表示装置は、液晶テレビ、コンピューターディスプレイ、携帯電話やデジタルカメラ等の画像表示装置として幅広く用いられている。かかる液晶表示装置は、液晶が封入されたガラス基板の両側に偏光板が積層された構成となっており、必要に応じて位相差板等の各種光学機能フィルムがこれに積層されている。
従来より、偏光板は、ポリビニルアルコール系フィルムよりなる偏光子の少なくとも一方の面、好ましくは両方の面に保護フィルムを貼り合わせた構成として用いられている。
ここで、偏光子としては、高ケン化度のポリビニルアルコール系樹脂(以下、ポリビニルアルコールを「PVA」と略記する。)を用いて製膜してなるPVA系フィルム中にヨウ素等の二色性材料が分散、吸着され、好ましくはさらにホウ酸等の架橋剤によって架橋された、一軸延伸PVA系フィルムが広く用いられている。このような偏光子は、一軸延伸PVA系フィルムであるがゆえに、高湿度下においては膨潤しやすくなるため、耐湿性や強度を補うことを目的に、偏光子に保護フィルムが貼り合わされる。
かかる保護フィルムとしては、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、およびポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる点で用いられているが、特にはトリアセチルセルロース(TAC)樹脂からなる保護フィルムが広く用いられてきた。
そして、これらの保護フィルムは、接着剤によって偏光子と貼り合わされるが、かかる接着剤としては、親水性表面をもつ偏光子に対する接着性の点から、PVA系樹脂水溶液、特に偏光子と同様の高ケン化度PVA系樹脂を主体とするPVA系樹脂水溶液が好ましく用いられている。
ところで、近年では、偏光板の薄膜化が求められており、これまで保護フィルムとして最も一般的に使用されてきたトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用いずに、エネルギー線硬化性組成物を偏光フィルムにコーティングしたのち、エネルギー線を照射することで保護膜を形成する検討が行われてきた。
例えば、特許文献1では、PVA系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向された偏光フィルムと、当該偏光フィルムの少なくとも一方側に形成された、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を主成分とする保護膜とを備え、 当該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に少なくとも1個有する脂環式エポキシ化合物と、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であって、当該(メタ)アクリロイル基を有する化合物および合開始剤のみからなる硬化物が3000MPa以上の弾性率を与える(メタ)アクリル系化合物を含有する、偏光板が提案されており、耐湿熱性に優れ、さらに薄型軽量化されても偏光フィルムの収縮が抑制された偏光板を提供できる旨が記載されている。
特開2013-164596号公報
しかしながら上記特許文献1では、偏光板の耐湿熱性(耐久性)には着目されているものの、活性エネルギー線硬化性組成物から得られる保護膜と偏光フィルムとの密着性は着目されていない。ここで、一般に、偏光板の耐久性と、保護層と偏光フィルムとの密着性はトレードオフの関係にあり、耐久性が良好な組成においては密着性が低下する傾向がある。実際に、特許文献1の保護膜付き偏光板でも、硬化性樹脂からなる保護膜と偏光フィルムとの密着性は不十分なものであった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、偏光フィルム保護用に用いた際に、偏光フィルムとの密着性に優れ、かつ高温高湿条件下においても偏光フィルムの保護性能に優れる活性エネルギー硬化性樹脂組成物、及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化した偏光フィルム保護層、その保護層を有する偏光板を提供するものである。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)、および少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物において、環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)に特定の化合物を2種含有させることに加え、少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)を環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)に対して特定の比率で含有させることにより、偏光フィルム保護用に用いた際に、偏光フィルムとの密着性に優れ、かつ高温高湿条件下においても偏光フィルムの保護性能に優れる、言い換えると耐湿熱性に優れる活性エネルギー硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)、および少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)として、2官能以上のオキセタン化合物(A1)、およびエポキシ化合物(A2)を含有し、少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)の含有割合が(A)+(B)成分の合計100重量部に対して5~45重量部であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。
また、本発明は、かかる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化した偏光フィルム保護層、その保護層を有する偏光板も提供するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、硬化させ偏光フィルムの保護層とした際に偏光フィルムと良好な密着性を示す。さらに、かかる保護層を有する偏光板は、耐湿熱性(高温高湿条件下の耐久性)や耐水性、耐冷熱衝撃性などの耐久性に優れるものである。
本発明の活性エネルギー性硬化性組成物が、偏光フィルムの保護層とした際に偏光フィルムと良好な密着性を示し、かかる保護層を有する偏光板が耐湿熱性に優れる理由を以下に述べる。
カチオン重合とラジカル重合の重合速度を比べると、ラジカル重合の方が重合進行が速い。そのため、先にラジカル重合が進行して保護膜が形成されることで、光酸発生剤から発生した酸の拡散が遅くなり、カチオン重合の進行速度が遅くなる。その結果、硬化収縮率が低減され、密着性が良好となると考えらえる。さらに、カチオン重合は光を照射せずとも常温でも後硬化反応が進行するため、最終的に十分に重合反応が進行し、その結果、形成された保護膜を有する偏光板は耐湿熱性に優れると考えられる。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数字または物性値を含む表現として用いるものとする。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下、「硬化性樹脂組成物」と略す場合がある。)は、環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)および少なくとも2つの不飽和炭化水素基有する化合物(B)を含有し、環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)として、2官能以上のオキセタン化合物(A1)、およびエポキシ化合物(A2)を含有し、少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)の含有割合が(A)+(B)成分の合計100重量部に対して5~45重量部である。
以下、順に硬化性樹脂組成物の各成分を説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
<環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)>
本発明で用いられる環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)としては、2官能以上のオキセタン化合物(A1)、およびエポキシ化合物(A2)を含有することが必須である。
(2官能以上のオキセタン化合物(A1))
本発明で用いられる2官能以上のオキセタン化合物(A1)としては例えば、3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、4,4'-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル等があげられる。これら2官能以上のオキセタン化合物(A1)は単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。
これらのなかでも、容易に入手可能であり、希釈性(低粘度)、相溶性に優れるなどの点から、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、3-エチル-3-{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン等が好ましく用いられる。
また、相溶性や接着性の点から、分子量500以下の室温(25℃)で液状のものが好ましく用いられる。
上記2官能以上のオキセタン化合物(A1)として、具体的には、例えば、市販品の、アロンオキセタンOXT-121、アロンオキセタンOXT-221(いずれも東亞合成社製)を用いることができる。特にはアロンオキセタンOXT-221が好ましい。
2官能以上のオキセタン化合物(A1)の官能基数としては、2官能以上であることが必要であり、好ましくは2~6官能、特に好ましくは2~4官能である。
かかる官能基数が1官能の場合、耐湿熱性が悪化し本発明の効果が発揮されず好ましくなく、また、多すぎても密着性が低下する傾向がある。一方、かかる含有割合を上記好ましい範囲内とすることで、硬化性と密着性のバランスがより良好となる傾向があり、好ましい。
上記2官能以上のオキセタン化合物(A1)の含有割合は、カチオン硬化性樹脂(A)全体100重量部に対して、通常10~99重量部、好ましくは51~99重量部、特に好ましくは55~95重量部、更に好ましくは55~85重量部である。
かかる含有割合が少なすぎると硬化性が低下しやすい傾向があり、多すぎると偏光フィルムとの密着性が低下する傾向がある。一方、かかる含有割合を上記好ましい範囲内とすることで、硬化性と密着性のバランスがより良好となる傾向あり、好ましい。
(エポキシ化合物(A2))
本発明で用いられるエポキシ化合物(A2)としては、例えば、芳香環構造を有するエポキシ化合物(A2-1)、脂環構造を有するエポキシ化合物(A2-2)、芳香環構造および脂環構造を有するエポキシ化合物(A2-3)が挙げられる。
上記芳香環構造を有するエポキシ化合物(A2-1)としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(エチレンオキシド)変性グリシジルエーテル、アルキルフェノールグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
なかでもビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂が特に好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などが挙げられ、これらビスフェノール構造が混合されたエポキシ樹脂でもよい。
これらの中でも取扱いが容易である点でビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
上記脂環構造を有するエポキシ化合物(A2-2)としては、脂環族多価アルコールのポリグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂、脂環式環に直接エポキシ基が結合した脂環式エポキシ化合物等がある。
脂環族多価アルコールのポリグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等の芳香族エポキシ化合物に水素添加した水添型エポキシ樹脂化合物や1,6-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンジメタノールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂環式環に直接エポキシ基が結合した脂環式エポキシ化合物としては、3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ε-カプロラクトン変性3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン、リモネンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジエポキシド等があげられる。
上記芳香環構造および脂環構造を有するエポキシ化合物(A2-3)としては、例えば、ジシクロペンタジエン骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂、スチレン-ブタジエンブロック共重合体のエポキシ化物等があげられる。
上記芳香環構造を有するエポキシ化合物(A2-1)としては、具体的には、市販品の、jER828、jER1001、jER1004、jER1007、jER806、jER157S70(いずれも三菱ケミカル社製)、EOCN-1020(日本化薬社製)、脂環構造を有するエポキシ化合物(A2-2)としては、具体的には、市販品の、YX8000、YX8034(いずれも三菱ケミカル社製)、EP-4088S(ADEKA社製)、セロキサイド2021P(ダイセル社製)、THI-DE(ENEOS社製)、芳香環構造および脂環構造を有するエポキシ化合物(A2-3)としては、具体的には、市販品の、XD-1000(日本化薬社製)、エポフレンド AT501(ダイセル社製)等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物(A2)は単独で用いることもできるし、複数を組み合わせて用いることもできる。
これらの中でも、樹脂組成物に十分な硬化性を付与する点で脂環構造を有するエポキシ化合物(A2-2)を用いることが好ましく、特に好ましくは脂環式環に直接エポキシ基が結合した脂環式エポキシ化合物であり、更に好ましくは3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートである。
エポキシ化合物(A2)の含有するエポキシ基数は通常1個以上であればよく、好ましくは2個以上、特に好ましくは2~10個、更に好ましくは2~4個である。
かかる官能基数が多すぎると、密着性が低下する傾向がある。一方、かかる含有割合を上記好ましい範囲内とすることで、硬化性と硬化膜の特性バランスがより良好となる傾向があり、好ましい。
エポキシ化合物(A2)の含有割合は、カチオン硬化性樹脂(A)全体100重量部に対して、通常1~90重量部、好ましくは1~49重量部、特に好ましくは5~45重量部、更に好ましくは15~45重量部である。
かかる含有割合が少なすぎると偏光フィルムとの密着性が低下する傾向があり、多すぎると硬化性が低下しやすい傾向がある。一方、かかる含有割合を上記好ましい範囲内とすることで、硬化性と密着性のバランスがより良好となる傾向があり、好ましい。
また、上記脂環構造を有するエポキシ化合物に対する、芳香環構造を有するエポキシ化合物と芳香環構造および脂環構造を有するエポキシ化合物との合計量の含有割合({(A2-1)+(A2-3)}/(A2-2)、重量比)は、通常0/100~80/20であり、好ましくは0/100~50/50、更に好ましくは0/100~30/70である。
芳香環含有成分((A2-1)+(A2-3))の含有割合が多くなると、密着性と耐湿熱性が低下する傾向がある。一方、かかる含有割合を上記好ましい範囲内とすることで、硬化性と密着性のバランスがより良好となる傾向があり、好ましい。
上記2官能以上のオキセタン化合物(A1)とエポキシ化合物(A2)の含有割合((A1)/(A2))は、通常10/90~99/1、好ましくは40/60~90/10、特に好ましくは51/49~80/20である。
かかる2官能以上のオキセタン化合物(A1)の割合が多すぎると密着性が低下する傾向があり、エポキシ化合物(A2)の割合が多すぎると耐湿熱性が低下する傾向がある。一方、かかる含有割合を上記好ましい範囲内とすることで、硬化性と密着性のバランスがより良好となる傾向があり、好ましい。
<少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)>
本発明で用いられる少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)としては、ラジカル重合性多官能モノマーであることが好ましい。
ラジカル重合性多官能モノマーとしては、例えば2官能以上の官能基を有するビニル化合物、2官能以上の官能基を有する(メタ)アクリル系化合物があげられるが、硬化性に優れる点で2官能以上の官能基を有する(メタ)アクリル系化合物が特に好ましい。
上記2官能以上の官能基を有する(メタ)アクリル系化合物としては、例えば、2官能(メタ)アクリル系化合物、3官能以上の(メタ)アクリル系化合物があげられる。
かかる2官能(メタ)アクリル系化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、等の長鎖または分岐鎖構造を有するジ(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の脂環構造を有するジ(メタ)アクリレート;エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート等のアルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート等の芳香環を有するジ(メタ)アクリレート;ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等の複素環構造を有するジ(メタ)アクリレート;等があげられる。
かかる3官能以上の(メタ)アクリル系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリグリセリンポリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート等のアルキル変性された構造を有する3官能以上の(メタ)アクリレート、等の長鎖または分岐鎖構造を有する3官能以上の(メタ)アクリレート;イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート等の環構造を有するトリ(メタ)アクリレート;等があげられる。
これらの中でも、密着性と耐湿熱性のバランスの点で2官能(メタ)アクリル系化合物が好ましく、特に好ましくは、長鎖または分岐鎖構造を有するジ(メタ)アクリレート、脂環構造を有するジ(メタ)アクリレート、複素環構造を有するジ(メタ)アクリレートであり、更に好ましくは、耐湿熱性がより向上する点で、脂環構造、複素環構造を有する(メタ)アクリル系化合物である。
上記長鎖または分岐鎖構造を有するジ(メタ)アクリレートの中でも、
1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
上記脂環構造を有するジ(メタ)アクリレートの中でも、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
上記複素環構造を有するジ(メタ)アクリレートの中でも、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、具体的には、長鎖または分岐鎖構造を有するジ(メタ)アクリレートとしては1,4-ブタンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製ビスコート#195)、脂環構造を有するジ(メタ)アクリレートとしてはトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートDCP-A)、複素環構造を有するジ(メタ)アクリレートとしてはジオキサングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製NKエステルA-DOG)等があげられる。
上記少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)の含有量は、(A)+(B)成分の合計100重量部に対して5~45重量部であることが必要であり、好ましくは7~43重量部、特に好ましくは10~40重量部、更に好ましくは10~35重量部である。
かかる含有量が、下限値以下であっても、上限値以上であっても偏光子に対する密着性が悪化し本発明の効果を発揮できない。一方、含有量を上記好ましい範囲内とすることで、偏光子への密着性に加え硬化性や硬化膜の耐湿熱性などの種々特性がより向上する傾向があり、好ましい。
なお、(A)と(B)に表される構造を両方有する化合物は、(A)に含まれるものとしてその含有量を計算するものとする。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物においては、上記カチオン硬化性樹脂(A)、および少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)以外に、光酸発生剤(C)、光ラジカル重合開始剤(D)を含有することも好ましい。
<光酸発生剤(C)>
上記光酸発生剤としては、活性エネルギー線の照射によりカチオン種やルイス酸を生じる化合物であり、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩、鉄-アレン錯体等があげられる。
上記光酸発生剤を使用することにより、オキセタン化合物(A1)の重合反応が十分に進行し、偏光フィルムとの接着性が向上し、かつ十分な強度を有する保護層となる傾向がある。
上記芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、ベンゼンジアゾニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウム・ヘキサフルオロボレート等があげられる。
上記芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4-ノニルフェニル)ヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート等があげられる。
上記芳香族スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル〔4-(フェニルチオ)フェニル〕スルホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、4,4'-ス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド・ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4'-ビス〔ジ(β-ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド・ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4'-ビス〔ジ(β-ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド・ビスヘキサフルオロホスフェート、7-〔ジ(p-トルイル)スルホニオ〕-2-イソプロピルチオキサントン・ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル〔4-(フェニルチオ)フェニル〕スルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、4,4'-ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド・ビスヘキサフルオロアンチモネート、7-〔ジ(p-トルイル)スルホニオ〕-2-イソプロピルチオキサントン・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-フェニルカルボニル-4'-ジフェニルスルホニオ-ジフェニルスルフィド・ヘキサフルオロホスフェート、4-(p-tert-ブチルフェニルカルボニル)-4'-ジフェニルスルホニオ-ジフェニルスルフィド・ヘキサフルオロアンチモネート、4-(p-tert-ブチルフェニルカルボニル)-4'-ジ(p-トルイル)スルホニオ-ジフェニルスルフィド・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等があげられる。
上記鉄-アレン錯体としては、例えば、キシレン-シクロペンタジエニル鉄(II)-ヘキサフルオロアンチモネート、クメン-シクロペンタジエニル鉄(II)-ヘキサフルオロホスフェート、キシレン-シクロペンタジエニル鉄(II)-トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイド等があげられる。
上記光酸発生剤(C)は単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらの中でも、長波長の光源に対して高感度で反応するという点から、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩を用いることが好ましく、特に好ましくはジフェニル[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(サンアプロ社製CPI-100P)やジフェニル[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート(サンアプロ社製CPI-101A)である。
上記光酸発生剤(C)の含有量は、環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)と少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)の合計量100重量部に対して0.5~20重量部であることが好ましく、特に好ましくは1~15重量部、更に好ましくは2~10重量部である。
かかる含有量が多すぎると、溶解性の低下や、耐湿熱性が低下する傾向がある。また、少なすぎても、硬化が不充分となり、偏光フィルムとの接着性や保護膜の強度が低下する傾向がある。一方含有量が上記好ましい範囲内であることで、硬化性と耐湿熱性のバランスをより向上できる傾向があり、好ましい。
<光ラジカル開始剤(D)>
上記光ラジカル開始剤(D)としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチル-ジフェニルサルファイド、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1-オキソ-2-プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4-ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-(3-ジメチルアミノ-2-ヒドロキシ)-3,4-ジメチル-9H-チオキサントン-9-オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;等が挙げられる。なお、これら光ラジカル開始剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、これらの助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4'-ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン、2-ジメチルアミノエチル安息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸(n-ブトキシ)エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、2,4-ジエチルチオキサンソン、2,4-ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
上記光ラジカル開始剤(D)の中でも、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンや2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類が好ましく、特に好ましくは、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(IGMResins社製Omnirad651)、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド(IGMResins社製TPO)やビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(IGM Resins社製Omnirad819)である。
上記光ラジカル開始剤(D)の含有量は、環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)と少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)の合計量100重量部に対して0.1~20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.3~15重量部、更に好ましくは0.7~10重量部である。
かかる含有量が多すぎると低分子量成分が多くなり架橋密度が低下し耐湿熱性が低下する傾向があり、少なすぎると硬化性に乏しく物性が不安定となる傾向がある。一方含有量が上記好ましい範囲内であることで、硬化性と耐湿熱性のバランスをより向上できる傾向があり、好ましい。
また反応性を向上させ、硬化物の機械強度や接着強度を向上させるために、光増感剤(E)を添加することもできる。光増感剤としては、例えば、9,10-ジブトキシアントラセン等のアントラセン誘導体;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α-ジメトキシ-α-フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4-ジクロロベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体などのカルボニル化合物;2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン、等のチオキサントン誘導体などの有機硫黄化合物;過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、アントラセン誘導体、チオキサントン誘導体を用いることが好ましい。
上記光増感剤(E)は、光酸発生剤(C)および光ラジカル開始剤(D)の総量を100重量部とした場合に、0.01~30重量部の範囲で含有することが好ましい。光増感剤の含有量が多すぎると、組成物や、得られる接着剤層が着色する傾向があり、少なすぎると、反応性が低下し、増感効果が得られない傾向がある。一方含有量が上記好ましい範囲内であることで、増感効果をより向上できる傾向があり、好ましい。
上記光増感剤(E)としては、例えば、アントラキュアー UVS-1331、アントラキュアー UVS-581(いずれも川崎化成工業社製)、KAYACURE DETX-S、KAYACURE EPA(いずれも日本化薬社製)が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、上記各成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂以外のビニルエーテル等のカチオン硬化性化合物、単官能の重合性化合物、シランカップリング剤、ポリオール類、帯電防止剤、その他の接着剤、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂等の粘着付与剤、可塑剤、着色剤、充填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、機能性色素等の他の添加剤や、溶剤、紫外線あるいは放射線照射により呈色あるいは変色を起こすような化合物を配合することができる。これら添加剤の配合量は、添加剤毎に適宜設定されるが、例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物全体の30重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは20重量%以下である。
また、上記添加剤の他にも、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。
<活性エネルギー線硬化性樹脂組成物>
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、上記各成分を用いて所定割合にて配合し、混合することにより得られる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線照射にて硬化することにより、保護層となるものであり、偏光フィルムを保護するための活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として好適に用いることができるものである。
<偏光板>
本発明の偏光板は、偏光フィルムに本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなる保護層を有するものであり、詳しくは、偏光フィルムの少なくとも一方の面、好ましくは両面に、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布または貼り合わされたものに、活性エネルギー線照射を行なうことで偏光板が形成される。
上記偏光フィルムとしては、通常、平均重合度が1,500~10,000、ケン化度が85~100モル%のPVA系樹脂からなるフィルムを原反フィルムとして、ヨウ素-ヨウ化カリウムの水溶液あるいは二色性染料により染色された一軸延伸フィルム(通常、2~10倍、好ましくは3~7倍程度の延伸倍率)が用いられる。
上記PVA系樹脂は、通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有していてもよい。また、PVAを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、例えば、ポリブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等のいわゆるポリビニルアセタール樹脂およびPVA誘導体を用いても良い。
上記活性エネルギー線には、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射もしくは電子線照射による硬化が有利である。
上記紫外線照射を行なう際の光源としては、高圧水銀灯、無電極ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライト、LEDランプ等が用いられる。
上記紫外線照射の照射量は365nmの積算で、通常2~3000mJ/cm、好ましくは10~2000mJ/cmの条件で行われる。
特に上記高圧水銀灯の場合は、例えば、通常5~3000mJ/cm、好ましくは50~2000mJ/cmの条件で行われる。
また、上記無電極ランプの場合は、例えば、通常2~2000mJ/cm、好ましくは10~1500mJ/cmの条件で行われる。
そして、照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、塗工厚、その他の条件によっても異なるが、通常は、数秒~数十秒、場合によっては数分の1秒でもよい。一方、上記電子線照射の場合には、例えば、50~1000keVの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2~50Mradの照射量とするのがよい。
また、硬化反応を促進するため、加熱条件下で紫外線または電子線等の活性エネルギー線の照射、あるいは、紫外線または電子線等の活性エネルギー線の照射後に加熱処理を実施してもよい。例えば、偏光フィルムが耐えられる温度範囲である10~100℃の条件が好ましい。
上記活性エネルギー線(紫外線、電子線等)の照射方向は、任意の適切な方向から照射することができるが、不均一な硬化を防ぐ点で、硬化性樹脂組成物の塗工面側から照射することが好ましい。
上記により得られる本発明の偏光板における保護層の厚さは、通常0.1~30μm、好ましくは0.2~25μm、特に好ましくは0.3~20μm、さらに好ましくは0.5~15μmである。上記厚さが薄すぎると耐湿熱性が不十分となる傾向があり、厚すぎると打ち抜き加工時の割れ等により偏光板の加工性が低下する傾向がある。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、種々の偏光フィルム保護用に用いると非常に優れた耐湿熱性を示すものである。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例に先立って、下記に示す活性エネルギー線硬化性組成物の各成分を用意した。
[環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)]
〔オキセタン化合物(A1)〕
(A1-1):3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン;東亞合成社製、商品名「アロンオキセタンOXT-221」(分子内にオキセタニル基を2個有するオキセタン化合物)
〔エポキシ化合物(A2)〕
(A2-1):3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;ダイセル社製、商品名「セロキサイド2021P」(分子内に脂環式エポキシ基を2個有する脂環式エポキシ化合物)
〔少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)〕
(B-1):トリシクロデカンジメタノールジアクリレート;共栄社化学社製、商品名「ライトアクリレートDCP-A」)
〔光酸発生剤(C)〕
(C-1):ジフェニル〔4-(フェニルチオ)フェニル〕スルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート;サンアプロ社製、商品名「CPI-101A」
〔光ラジカル重合開始剤(D)〕
(D-1):フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド;IGM Resins社製、商品名「Omnirad819」
〔増感剤(E)〕
(E-1):9,10-ジブトキシアントラセン;川崎化成工業社製、商品名「UVS-1331」
〔実施例1~5、比較例1、2〕
<活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製>
上記各配合成分を、後記の表1に示す割合で配合し、混合することにより活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製した。
得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を偏光フィルム保護用硬化性樹脂組成物として用いて、以下の通り評価を行った。その結果を表1に示す。
<偏光フィルムの作製>
60μmのPVAフィルムを、水温30℃の水槽に浸漬しつつ、1.5倍に延伸した。つぎに、ヨウ素0.2g/L、ヨウ化カリウム15g/Lよりなる染色槽(30℃)にて240秒間浸漬しつつ1.3倍に延伸した。さらに、ホウ酸50g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成のホウ酸処理槽(50℃)に浸漬すると共に、同時に3.08倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行った。その後、90℃で乾燥して総延伸倍率6倍の偏光フィルムを製造した。
<偏光板試験片の作製>
上記で調製した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を偏光フィルムの片面と離型PETフィルム(三井化学東セロ社製SPPET3801BU 厚み38μm)の間に挟み、ラミネーターを通すことで塗工した。その後、高圧水銀ランプの取り付けられた紫外線照射装置にてピーク照度:1,200mW/cm、積算露光量:1,200mJ/cm(波長365nm)で離型PETフィルム面より紫外線照射を行って活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させて保護層とした(膜厚:15μm)。
偏光子のもう一方の面に、同様の硬化性樹脂組成物を同様の条件で保護層を作成し、離型PETフィルムをそれぞれ剥離することで、偏光子の両面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させた保護層とした偏光板試験片を作製した。
<性能評価>
(密着性)
得られた偏光板試験片を、40mm×40mmの大きさに裁断し、感圧接着剤を介してガラスに貼合した。得られたガラス付き偏光板に2mm間隔にて縦横にカッターで切込みを入れ100個の碁盤目を作製した後、碁盤目部分にセロハンテープを圧着させ、テープの端を90°方向にテープを剥離した際の、保護層の残存個数を確認し、下記基準により評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
○:保護層の残存個数が、51~100であった
△:保護層の残存個数が、1~50であった
×:保護層の残存個数が、0であった
Figure 2022026727000001
次に、実施例1~5の活性エネルギー線硬化性組成物を用いて得られた偏光板試験片について耐湿熱性を測定した。
(耐湿熱性)
実施例1~5の活性エネルギー線硬化性組成物を用いて得られた偏光板試験片を、40mm×40mmの大きさに裁断し、感圧接着剤を介してガラスに貼り合わせた。得られたガラス付き偏光板を85℃及び85%の恒温恒湿器内に200時間放置した後、偏光板の偏光度を自動偏光フィルム測定装置VAP-7070S(日本分光株式会社製)にて測定した。偏光板の偏光度を下記基準にて評価した。結果を表2に示す。
(評価基準)
○:200時間放置後の偏光度が99.8%以上であった。
△:200時間放置後の偏光度が99.0%以上99.8%未満であった。
×:200時間放置後の偏光度が99.0%未満であった。
Figure 2022026727000002
上記結果から、実施例1~5の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、偏光子に対する密着性に優れることがわかった。さらに、当該樹脂組成物から得られる偏光フィルム保護膜を用いると、耐湿熱性に優れる偏光板を得ることができることがわかった。
一方、比較例1、2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物では、偏光子に対する密着性に劣る結果が得られた。このことから、偏光板用活性エネルギー線硬化性組成物として実用に供すること等ができないものであるといえる。従って、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が特に偏光板用途において非常に優れていることが分かった。
本発明の当該樹脂組成物を硬化した偏光フィルム保護層は偏光フィルムに対する密着性に優れ、当該保護層を有する偏光板は耐湿熱性に優れるため、液晶表示装置などの画像表示装置に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. 環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)、および少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
    環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)として、2官能以上のオキセタン化合物(A1)、およびエポキシ化合物(A2)を含有し、
    少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)の含有割合が(A)+(B)成分の合計100重量部に対して5~45重量部である
    ことを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. 2官能以上のオキセタン化合物(A1)の含有割合が環状エーテル構造を有するカチオン硬化性樹脂(A)全体100重量部に対して51~99重量部であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. エポキシ化合物(A2)が芳香環構造および/または脂環構造を有するエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. 少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する化合物(B)が、ラジカル重合性多官能モノマーであることを特徴とする請求項1~3いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  5. 光酸発生剤(C)および光ラジカル重合開始剤(D)を含有することを特徴とする請求項1~4いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1~5いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなることを特徴とする偏光フィルム保護層。
  7. 請求項6記載の偏光フィルム保護層を含有することを特徴とする偏光板。
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