JP2022024636A - 検出装置 - Google Patents

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Taketo Himoto
卓 中村
Taku Nakamura
隆夫 染谷
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知之 横田
Tomoyuki Yokota
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University of Tokyo NUC
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Abstract

【課題】電極剥がれの発生を抑制することが可能な検出装置を提供する。【解決手段】検出装置は、基板の上に配列された複数の光センサを有する検出装置であって、複数の光センサは、それぞれ、基板の表面に垂直な方向で、下部電極、電子輸送層、活性層、正孔輸送層、上部電極の順に積層されており、活性層は、有機半導体を含み、正孔輸送層は、酸化金属層を含み、活性層の上に接して設けられる。【選択図】図5

Description

本発明は、検出装置に関する。
指紋パターンや血管パターンを検出可能な光センサが知られている(例えば、特許文献1)。このような光センサでは、活性層として有機半導体材料が用いられたフレキシブルなシートセンサが知られている。
特開2009-32005号公報
光センサでは、有機材料からなる活性層と、活性層に積層された金属電極との密着性が低いため、電極剥がれが発生する可能性がある。
本発明は、電極剥がれの発生を抑制することが可能な検出装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の検出装置は、基板の上に配列された複数の光センサを有する検出装置であって、複数の前記光センサは、それぞれ、前記基板の表面に垂直な方向で、下部電極、電子輸送層、活性層、正孔輸送層、上部電極の順に積層されており、前記活性層は、有機半導体を含み、前記正孔輸送層は、酸化金属層を含み、前記活性層の上に接して設けられる。
図1は、第1実施形態に係る検出装置を示す平面図である。 図2は、第1実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。 図3は、検出装置を示す回路図である。 図4は、複数の部分検出領域を示す回路図である。 図5は、センサ部の概略断面構成を示す断面図である。 図6は、検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。 図7は、図6における読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。 図8は、活性層の膜厚と、センサ容量との関係を示すグラフである。 図9は、活性層の膜厚と、センサ出力電圧との関係を示すグラフである。 図10は、第2実施形態に係る検出装置の、センサ部の概略断面構成を示す断面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る検出装置を示す平面図である。図1に示すように、検出装置1は、センサ基材21と、センサ部10と、ゲート線駆動回路15と、信号線選択回路16と、検出回路48と、制御回路122と、電源回路123と、第1光源基材51と、第2光源基材52と、第1光源61と、第2光源62と、を有する。第1光源基材51には、複数の第1光源61が設けられる。第2光源基材52には複数の第2光源62が設けられる。
センサ基材21には、フレキシブルプリント基板71を介して制御基板121が電気的に接続される。フレキシブルプリント基板71には、検出回路48が設けられている。制御基板121には、制御回路122及び電源回路123が設けられている。制御回路122は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)である。制御回路122は、センサ部10、ゲート線駆動回路15及び信号線選択回路16に制御信号を供給して、センサ部10の検出動作を制御する。また、制御回路122は、第1光源61及び第2光源62に制御信号を供給して、第1光源61及び第2光源62の点灯又は非点灯を制御する。電源回路123は、センサ電源信号VDDSNS(図4参照)等の電圧信号をセンサ部10、ゲート線駆動回路15及び信号線選択回路16に供給する。また、電源回路123は、電源電圧を第1光源61及び第2光源62に供給する。
センサ基材21は、検出領域AAと、周辺領域GAとを有する。検出領域AAは、センサ部10が有する複数の光センサPD(図4参照)が設けられた領域である。周辺領域GAは、検出領域AAの外周と、センサ基材21の端部との間の領域であり、光センサPDが設けられない領域である。
ゲート線駆動回路15及び信号線選択回路16は、周辺領域GAに設けられる。具体的には、ゲート線駆動回路15は、周辺領域GAのうち第2方向Dyに沿って延在する領域に設けられる。信号線選択回路16は、周辺領域GAのうち第1方向Dxに沿って延在する領域に設けられ、センサ部10と検出回路48との間に設けられる。
なお、第1方向Dxは、センサ基材21と平行な面内の一方向である。第2方向Dyは、センサ基材21と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。
複数の第1光源61は、第1光源基材51に設けられ、第2方向Dyに沿って配列される。複数の第2光源62は、第2光源基材52に設けられ、第2方向Dyに沿って配列される。第1光源基材51及び第2光源基材52は、それぞれ、制御基板121に設けられた端子部124、125を介して、制御回路122及び電源回路123と電気的に接続される。
複数の第1光源61及び複数の第2光源62は、例えば、無機LED(Light Emitting Diode)や、有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)等が用いられる。複数の第1光源61及び複数の第2光源62は、それぞれ異なる波長の第1光及び第2光を出射する。
第1光源61から出射された第1光は、主に指Fg等の被検出体の表面で反射されセンサ部10に入射する。これにより、センサ部10は、指Fg等の表面の凹凸の形状を検出することで指紋を検出することができる。第2光源62から出射された第2光は、主に指Fg等の内部で反射し又は指Fg等を透過してセンサ部10に入射する。これにより、センサ部10は、指Fg等の内部の生体に関する情報を検出できる。生体に関する情報とは、例えば、指Fgや掌の脈波、脈拍、血管像等である。すなわち、検出装置1は、指紋を検出する指紋検出装置や、静脈などの血管パターンを検出する静脈検出装置として構成されてもよい。
第1光は、500nm以上600nm以下、例えば550nm程度の波長を有し、第2光は、780nm以上950nm以下、例えば850nm程度の波長を有していてもよい。この場合、第1光は、青色又は緑色の可視光であり、第2光は、赤外光である。センサ部10は、第1光源61から出射された第1光に基づいて、指紋を検出することができる。第2光源62から出射された第2光は、指Fg等の被検出体の内部で反射し又は指Fg等を透過・吸収されてセンサ部10に入射する。これにより、センサ部10は、指Fg等の内部の生体に関する情報として脈波や血管像(血管パターン)を検出できる。
又は、第1光は、600nm以上700nm以下、例えば660nm程度の波長を有し、第2光は、780nm以上900nm以下、例えば850nm程度の波長を有していてもよい。この場合、第1光源61から出射された第1光及び第2光源62から出射された第2光に基づいて、センサ部10は、生体に関する情報として、脈波、脈拍や血管像に加えて、血中酸素飽和度を検出することができる。このように、検出装置1は、第1光源61及び複数の第2光源62を有しているので、第1光に基づいた検出と、第2光に基づいた検出とを行うことで、種々の生体に関する情報を検出することができる。
なお、図1に示す第1光源61及び第2光源62の配置は、あくまで一例であり適宜変更することができる。検出装置1は、光源として複数種類の光源(第1光源61と第2光源62)が設けられている。ただし、これに限定されず、光源は1種類であってもよい。例えば、第1光源基材51及び第2光源基材52のそれぞれに、複数の第1光源61及び複数の第2光源62が配置されていてもよい。また、第1光源61及び第2光源62が設けられる光源基材は1つ又は3つ以上であってもよい。あるいは、光源は、少なくとも1つ以上配置されていればよい。
図2は、第1実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、検出装置1は、さらに検出制御部11と検出部40と、有する。検出制御部11の機能の一部又は全部は、制御回路122に含まれる。また、検出部40のうち、検出回路48以外の機能の一部又は全部は、制御回路122に含まれる。
センサ部10は、複数の光センサPDを有する。センサ部10が有する光センサPDはフォトダイオードであり、照射される光に応じた電気信号を、検出信号Vdetとして信号線選択回路16に出力する。また、センサ部10は、ゲート線駆動回路15から供給されるゲート駆動信号Vgclにしたがって検出を行う。
検出制御部11は、ゲート線駆動回路15、信号線選択回路16及び検出部40にそれぞれ制御信号を供給し、これらの動作を制御する回路である。検出制御部11は、スタート信号STV、クロック信号CK、リセット信号RST1等の各種制御信号をゲート線駆動回路15に供給する。また、検出制御部11は、選択信号ASW等の各種制御信号を信号線選択回路16に供給する。また、検出制御部11は、各種制御信号を第1光源61及び第2光源62に供給して、それぞれの点灯及び非点灯を制御する。
ゲート線駆動回路15は、各種制御信号に基づいて複数のゲート線GCL(図3参照)を駆動する回路である。ゲート線駆動回路15は、複数のゲート線GCLを順次又は同時に選択し、選択されたゲート線GCLにゲート駆動信号Vgclを供給する。これにより、ゲート線駆動回路15は、ゲート線GCLに接続された複数の光センサPDを選択する。
信号線選択回路16は、複数の信号線SGL(図3参照)を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。信号線選択回路16は、例えばマルチプレクサである。信号線選択回路16は、検出制御部11から供給される選択信号ASWに基づいて、選択された信号線SGLと検出回路48とを接続する。これにより、信号線選択回路16は、光センサPDの検出信号Vdetを検出部40に出力する。
検出部40は、検出回路48と、信号処理部44と、座標抽出部45と、記憶部46と、検出タイミング制御部47と、画像処理部49と、出力処理部50とを備える。検出タイミング制御部47は、検出制御部11から供給される制御信号に基づいて、検出回路48と、信号処理部44と、座標抽出部45と、画像処理部49と、が同期して動作するように制御する。
検出回路48は、例えばアナログフロントエンド回路(AFE、Analog Front End)である。検出回路48は、少なくとも検出信号増幅部42及びA/D変換部43の機能を有する信号処理回路である。検出信号増幅部42は、検出信号Vdetを増幅する。A/D変換部43は、検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
信号処理部44は、検出回路48の出力信号に基づいて、センサ部10に入力された所定の物理量を検出する論理回路である。信号処理部44は、指Fgが検出面に接触又は近接した場合に、検出回路48からの信号に基づいて指Fgや掌の表面の凹凸を検出できる。また、信号処理部44は、検出回路48からの信号に基づいて生体に関する情報を検出できる。生体に関する情報は、例えば、指Fgや掌の血管像、脈波、脈拍、血中酸素濃度等である。
また、信号処理部44は、複数の光センサPDにより同時に検出された検出信号Vdet(生体に関する情報)を取得し、これらを平均化する処理を実行してもよい。この場合、検出部40は、ノイズや、指Fg等の被検出体とセンサ部10との相対的な位置ずれに起因する測定誤差を抑制して、安定した検出が可能となる。
記憶部46は、信号処理部44で演算された信号を一時的に保存する。記憶部46は、例えばRAM(Random Access Memory)、レジスタ回路等であってもよい。
座標抽出部45は、信号処理部44において指の接触又は近接が検出されたときに、指等の表面の凹凸の検出座標を求める論理回路である。また、座標抽出部45は、指Fgや掌の血管の検出座標を求める論理回路である。画像処理部49は、センサ部10の各光センサPDから出力される検出信号Vdetを組み合わせて、指Fg等の表面の凹凸の形状を示す二次元情報及び指Fgや掌の血管の形状を示す二次元情報を生成する。なお、座標抽出部45は、検出座標を算出せずにセンサ出力電圧Voとして検出信号Vdetを出力してもよい。また、座標抽出部45及び画像処理部49は、検出部40に含まれていない場合であってもよい。
出力処理部50は、複数の光センサPDからの出力に基づいた処理を行う処理部として機能する。具体的には、実施形態の出力処理部50は、少なくとも、信号処理部44を経て取得された検出信号Vdetに基づいて、少なくとも脈波データを含むセンサ出力電圧Voを出力する。実施形態では、後述する各光センサPDの検出信号Vdetの出力電圧の変化(振幅)を示すデータを信号処理部44が出力し、どの出力がセンサ出力電圧Voに採用されるかを出力処理部50が決定するが、この両方を信号処理部44又は出力処理部50が行うようにしてもよい。なお、出力処理部50は、座標抽出部45が求めた検出座標、画像処理部49が生成した二次元情報等をセンサ出力電圧Voに含めるようにしてもよい。また、出力処理部50の機能は、他の構成(例えば、画像処理部49等)に統合されてもよい。
次に、検出装置1の回路構成例について説明する。図3は、検出装置を示す回路図である。図3に示すように、センサ部10は、マトリクス状に配列された複数の部分検出領域PAAを有する。複数の部分検出領域PAAには、それぞれ光センサPDが設けられている。
ゲート線GCLは、第1方向Dxに延在し、第1方向Dxに配列された複数の部分検出領域PAAと接続される。また、複数のゲート線GCL(1)、GCL(2)、…、GCL(8)は、第2方向Dyに配列され、それぞれゲート線駆動回路15に接続される。なお、以下の説明において、複数のゲート線GCL(1)、GCL(2)、…、GCL(8)を区別して説明する必要がない場合には、単にゲート線GCLと表す。また、図3では説明を分かりやすくするために、8本のゲート線GCLを示しているが、あくまで一例であり、ゲート線GCLは、M本(Mは8以上、例えばM=256)配列されていてもよい。
信号線SGLは、第2方向Dyに延在し、第2方向Dyに配列された複数の部分検出領域PAAの光センサPDに接続される。また、複数の信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(12)は、第1方向Dxに配列されて、それぞれ信号線選択回路16及びリセット回路17に接続される。なお、以下の説明において、複数の信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(12)を区別して説明する必要がない場合には、単に信号線SGLと表す。
また、説明を分かりやすくするために、12本の信号線SGLを示しているが、あくまで一例であり、信号線SGLは、N本(Nは12以上、例えばN=252)配列されていてもよい。また、図3では、信号線選択回路16とリセット回路17との間にセンサ部10が設けられている。これに限定されず、信号線選択回路16とリセット回路17とは、信号線SGLの同じ方向の端部にそれぞれ接続されていてもよい。また、1つのセンサの実質的な面積は例えば実質50×50umとされ、検出領域AAの解像度は例えば実質508ppiとされ、検出領域AAに配置されるセンサ数は例えば252セル×256セルとされ、検出領域AAの面積は例えば12.6×12.8mmとされる。
ゲート線駆動回路15は、スタート信号STV、クロック信号CK、リセット信号RST1等の各種制御信号を、制御回路122(図1参照)から受け取る。ゲート線駆動回路15は、各種制御信号に基づいて、複数のゲート線GCL(1)、GCL(2)、…、GCL(8)を時分割的に順次選択する。ゲート線駆動回路15は、選択されたゲート線GCLにゲート駆動信号Vgclを供給する。これにより、ゲート線GCLに接続された複数の第1スイッチング素子Trにゲート駆動信号Vgclが供給され、第1方向Dxに配列された複数の部分検出領域PAAが、検出対象として選択される。
なお、ゲート線駆動回路15は、指紋の検出及び異なる複数の生体に関する情報(脈波、脈拍、血管像、血中酸素濃度等)のそれぞれの検出モードごとに、異なる駆動を実行してもよい。例えば、ゲート線駆動回路15は、複数のゲート線GCLを束ねて駆動してもよい。
信号線選択回路16は、複数の選択信号線Lselと、複数の出力信号線Loutと、第3スイッチング素子TrSと、を有する。複数の第3スイッチング素子TrSは、それぞれ複数の信号線SGLに対応して設けられている。6本の信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(6)は、共通の出力信号線Lout1に接続される。6本の信号線SGL(7)、SGL(8)、…、SGL(12)は、共通の出力信号線Lout2に接続される。出力信号線Lout1、Lout2は、それぞれ検出回路48に接続される。
ここで、信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(6)を第1信号線ブロックとし、信号線SGL(7)、SGL(8)、…、SGL(12)を第2信号線ブロックとする。複数の選択信号線Lselは、1つの信号線ブロックに含まれる第3スイッチング素子TrSのゲートにそれぞれ接続される。また、1本の選択信号線Lselは、複数の信号線ブロックの第3スイッチング素子TrSのゲートに接続される。
制御回路122(図1参照)は、選択信号ASWを順次選択信号線Lselに供給する。これにより、信号線選択回路16は、第3スイッチング素子TrSの動作により、1つの信号線ブロックにおいて信号線SGLを時分割的に順次選択する。また、信号線選択回路16は、複数の信号線ブロックでそれぞれ1本ずつ信号線SGLを選択する。このような構成により、検出装置1は、検出回路48を含むIC(Integrated Circuit)の数、又はICの端子数を少なくすることができる。なお、信号線選択回路16は、複数の信号線SGLを束ねて検出回路48に接続してもよい。
図3に示すように、リセット回路17は、基準信号線Lvr、リセット信号線Lrst及び第4スイッチング素子TrRを有する。第4スイッチング素子TrRは、複数の信号線SGLに対応して設けられている。基準信号線Lvrは、複数の第4スイッチング素子TrRのソース又はドレインの一方に接続される。リセット信号線Lrstは、複数の第4スイッチング素子TrRのゲートに接続される。
制御回路122は、リセット信号RST2をリセット信号線Lrstに供給する。これにより、複数の第4スイッチング素子TrRがオンになり、複数の信号線SGLは基準信号線Lvrと電気的に接続される。電源回路123は、基準信号COMを基準信号線Lvrに供給する。これにより、複数の部分検出領域PAAに含まれる容量素子Ca(図4参照)に基準信号COMが供給される。
図4は、複数の部分検出領域を示す回路図である。なお、図4では、検出回路48の回路構成も併せて示している。図4に示すように、部分検出領域PAAは、光センサPDと、容量素子Caと、第1スイッチング素子Trとを含む。容量素子Caは、光センサPDに形成される容量(センサ容量)であり、等価的に光センサPDと並列に接続される。
図4では、複数のゲート線GCLのうち、第2方向Dyに並ぶ2つのゲート線GCL(m)、GCL(m+1)を示す。また、複数の信号線SGLのうち、第1方向Dxに並ぶ2つの信号線SGL(n)、SGL(n+1)を示す。部分検出領域PAAは、ゲート線GCLと信号線SGLとで囲まれた領域である。
第1スイッチング素子Trは、光センサPDに対応して設けられる。第1スイッチング素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFT(Thin Film Transistor)で構成されている。
第1方向Dxに並ぶ複数の部分検出領域PAAに属する第1スイッチング素子Trのゲートは、ゲート線GCLに接続される。第2方向Dyに並ぶ複数の部分検出領域PAAに属する第1スイッチング素子Trのソースは、信号線SGLに接続される。第1スイッチング素子Trのドレインは、光センサPDのカソード及び容量素子Caに接続される。
光センサPDのアノードには、電源回路123からセンサ電源信号VDDSNSが供給される。また、信号線SGL及び容量素子Caには、電源回路123から、信号線SGL及び容量素子Caの初期電位となる基準信号COMが供給される。
部分検出領域PAAに光が照射されると、光センサPDには光量に応じた電流が流れ、これにより容量素子Caに電荷が蓄積される。第1スイッチング素子Trがオンになると、容量素子Caに蓄積された電荷に応じて、信号線SGLに電流が流れる。信号線SGLは、信号線選択回路16の第3スイッチング素子TrSを介して検出回路48に接続される。これにより、検出装置1は、部分検出領域PAAごとに、又はブロック単位PAGごとに光センサPDに照射される光の光量に応じた信号を検出できる。
検出回路48は、読み出し期間Pdet(図6参照)にスイッチSSWがオンになり、信号線SGLと接続される。検出回路48の検出信号増幅部42は、信号線SGLから供給された電流の変動を電圧の変動に変換して増幅する。検出信号増幅部42の非反転入力部(+)には、固定された電位を有する基準電位(Vref)が入力され、反転入力端子(-)には、信号線SGLが接続される。実施形態では、基準電位(Vref)電圧として基準信号COMと同じ信号が入力される。信号処理部44(図2参照)は、光が照射された場合の検出信号Vdetと、光が照射されていない場合の検出信号Vdetとの差分をセンサ出力電圧Voとして演算する。また、検出信号増幅部42は、容量素子Cb及びリセットスイッチRSWを有する。リセット期間Prst(図6参照)において、リセットスイッチRSWがオンになり、容量素子Cbの電荷がリセットされる。
次に、光センサPDの構成について説明する。図5は、センサ部の概略断面構成を示す断面図である。図5に示すように、センサ部10は、センサ基材21と、TFT層22と、絶縁層23と、光センサPDと、中間層24と、封止層25と、保護層29と、を備える。センサ基材21は、絶縁性の基材であり、例えば、ガラスや樹脂材料が用いられる。センサ基材21は、平板状に限定されず、曲面を有していてもよい。この場合、センサ基材21は、フィルム状の樹脂であってもよい。センサ基材21は、第1面S1と、第1面の反対側の第2面S2とを有する。第1面S1に、TFT層22、絶縁層23、光センサPD、中間層24、封止層25、保護層29の順に積層される。本実施形態では、光L6が第2面S2側から光センサPDに照射される構成について説明する。ただし、これに限定されず、光L6が第1面S1側から光センサPDに照射される構成であってもよい。
TFT層22は、上述したゲート線駆動回路15や信号線選択回路16等の回路が設けられる。また、TFT層22には、第1スイッチング素子Tr等のTFT(Thin Film Transistor)や、ゲート線GCL、信号線SGL等の各種配線が設けられる。センサ基材21及びTFT層22は、所定の検出領域ごとにセンサを駆動する駆動回路基板であり、バックプレーン又はアレイ基板とも呼ばれる。
絶縁層23は、有機絶縁層であり、TFT層22の上に設けられる。絶縁層23は、TFT層22に形成される第1スイッチング素子Trや、各種導電層で形成される凹凸を平坦化する平坦化層である。
光センサPDは、絶縁層23の上に設けられる。光センサPDは、下部電極35、電子輸送層33、活性層31、正孔輸送層32及び上部電極34を有し、センサ基材21の第1面S1に垂直な方向で、この順で積層される。
下部電極35は、絶縁層23の上に設けられ、コンタクトホール(図示しない)を介してTFT層22の第1スイッチング素子Trと電気的に接続される。下部電極35は、光センサPDのカソードであり、検出信号Vdetを読み出すための電極である。下部電極35は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電材料で形成される。
活性層31は、照射される光に応じて特性(例えば、電圧電流特性や抵抗値)が変化する。活性層31の材料として、有機材料が用いられる。具体的には、活性層31は、p型有機半導体と、n型有機半導体であるn型フラーレン誘導体(PCBM)とが混在するバルクヘテロ構造である。活性層31として、例えば、低分子有機材料であるC60(フラーレン)、PCBM(フェニルC61酪酸メチルエステル:Phenyl C61-butyric acid methyl ester)、CuPc(銅フタロシアニン:Copper Phthalocyanine)、F16CuPc(フッ素化銅フタロシアニン)、rubrene(ルブレン:5,6,11,12-tetraphenyltetracene)、PDI(Perylene(ペリレン)の誘導体)等を用いることができる。
活性層31は、これらの低分子有機材料を用いて蒸着型(Dry Process)で形成することができる。この場合、活性層31は、例えば、CuPcとF16CuPcとの積層膜、又はrubreneとC60との積層膜であってもよい。活性層31は、塗布型(Wet Process)で形成することもできる。この場合、活性層31は、上述した低分子有機材料と高分子有機材料とを組み合わせた材料が用いられる。高分子有機材料として、例えばP3HT(poly(3-hexylthiophene))、F8BT(F8-alt-benzothiadiazole)等を用いることができる。活性層31は、P3HTとPCBMとが混合した状態の膜、又はF8BTとPDIとが混合した状態の膜とすることができる。
上部電極34は、光センサPDのアノードであり、電源信号VDDSNSを光電変換層に供給するための電極である。上部電極34と、下部電極35とは、活性層31を挟んで対向する。上部電極34は、例えば、銀(Ag)が用いられる。あるいは、上部電極34は、アルミニウム(Al)等の金属材料、あるいは、これらの金属材料の少なくとも1以上を含む合金材料であってもよい。
電子輸送層33及び正孔輸送層32は、活性層31で発生した正孔及び電子が上部電極34又は下部電極35に到達しやすくするために設けられる。電子輸送層33は、センサ基材21の第1面S1に垂直な方向で、下部電極35と活性層31との間に設けられる。電子輸送層33は、下部電極35の上に直接、接し、活性層31は、電子輸送層33の上に直接、接する。電子輸送層33の材料は、エトキシ化ポリエチレンイミン(PEIE)が用いられる。
正孔輸送層32は、センサ基材21の第1面S1に垂直な方向で、活性層31と上部電極34との間に設けられる。正孔輸送層32は、活性層31の上に直接、接し、上部電極34は、正孔輸送層32の上に直接、接する。正孔輸送層32は、酸化金属層とされる。酸化金属層として、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン等が用いられる。
本実施形態では、有機半導体材料で形成された活性層31と、金属材料で形成された上部電極34との間に、金属酸化物である酸化タングステンで形成された正孔輸送層32が設けられる。このため、正孔輸送層32が、例えばポリチオフェン系導電性ポリマー(PEDOT:PSS)で形成された構成に比べて、活性層31と、上部電極34との間の密着性を向上させることができる。これにより、検出装置1は、上部電極34の剥がれを抑制することができ、曲げに強いフレキシブルセンサとして構成することができる。
封止層25は、光センサPDを覆って設けられる。より具体的には、封止層25は、中間層24を介して上部電極34の上に設けられる。封止層25の材料は、酸化アルミニウム(Al)である。これにより、検出装置1は、封止層25としてパリレンを用いた場合に比べて、光センサPDを良好に封止することができる。また、中間層24の材料は、ITOが用いられ、中間層24により、上部電極34と封止層25との間の密着性を向上させることができる。
保護層29は、封止層25を覆って設けられる。保護層29は、例えば樹脂フィルムが用いられる。保護層29は、光センサPDを保護するために設けられる。なお、保護層29の材料は、樹脂フィルムに限定されず、他の材料が用いられていてもよい。
本実施形態では、光L6が第2面S2側から光センサPDに照射される構成について説明したが、光L6が第1面S1側から光センサPDに照射される構成であってもよい。この場合、上部電極34として、ITO等の透光性を有する導電材料が用いられ、下部電極35として、銀等の金属材料が用いられる。
次に、検出装置1の動作例について説明する。図6は、検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。図6に示すように、検出装置1は、リセット期間Prst、露光期間Pex及び読み出し期間Pdetを有する。電源回路123は、リセット期間Prst、露光期間Pex及び読み出し期間Pdetに亘って、センサ電源信号VDDSNSを光センサPDのアノードに供給する。センサ電源信号VDDSNSは光センサPDのアノード-カソード間に逆バイアスを印加する信号である。例えば、光センサPDのカソードには実質0.75Vの基準信号COMがされているが、アノードに実質-1.25Vのセンサ電源信号VDDSNSを印加することにより、アノード-カソード間は実質2.0Vで逆バイアスされる。制御回路122は、リセット信号RST2を”H”とした後にゲート線駆動回路15にスタート信号STVおよびクロック信号CKを供給し、リセット期間Prstが開始する。リセット期間Prstにおいて、制御回路122は、基準信号COMをリセット回路17に供給し、リセット信号RST2によってリセット電圧を供給するための第4スイッチング素子TrRをオンさせる。これにより各信号線SGLにはリセット電圧として基準信号COMが供給される。基準信号COMは、例えば0.75Vとされる。
リセット期間Prstにおいて、ゲート線駆動回路15は、スタート信号STV、クロック信号CK及びリセット信号RST1に基づいて、順次ゲート線GCLを選択する。ゲート線駆動回路15は、ゲート駆動信号Vgcl{Vgcl(1)~Vgcl(M)}をゲート線GCLに順次供給する。ゲート駆動信号Vgclは、高レベル電圧である電源電圧VDDと低レベル電圧である電源電圧VSSとを有するパルス状の波形を有する。図6では、M本(例えばM=256)のゲート線GCLが設けられており、各ゲート線GCLに、ゲート駆動信号Vgcl(1)、…、Vgcl(M)が順次供給され、複数の第1スイッチング素子Trは各行毎に順次導通され、リセット電圧が供給される。リセット電圧として例えば、基準信号COMの電圧0.75Vが供給される。
これにより、リセット期間Prstでは、全ての部分検出領域PAAの容量素子Caは、順次信号線SGLと電気的に接続されて、基準信号COMが供給される。この結果、容量素子Caの容量がリセットされる。尚、部分的にゲート線、および信号線SGLを選択することにより部分検出領域PAAのうち一部の容量素子Caの容量をリセットすることも可能である。
露光するタイミングの例として、ゲート線非選択時露光制御方法と常時露光制御方法がある。ゲート線非選択時露光制御方法においては、検出対象の光センサPDに接続された全てのゲート線GCLにゲート駆動信号{Vgcl(1)~(M)}が順次供給され、検出対象の全ての光センサPDにリセット電圧が供給される。その後、検出対象の光センサPDに接続された全てのゲート線GCLが低電圧(第1スイッチング素子Trがオフ)になると露光が開始され、露光期間Pexの間に露光が行われる。露光が終了すると前述のように検出対象の光センサPDに接続されたゲート線GCLにゲート駆動信号{Vgcl(1)~(M)}が順次供給され、読み出し期間Pdetに読み出しが行われる。常時露光制御方法においては、リセット期間Prst、読み出し期間Pdetにおいても露光を行う制御(常時露光制御)をすることも可能である。この場合は、リセット期間Prstにゲート駆動信号Vgcl(1)がゲート線GCLに供給された後に、露光期間Pex(1)が開始する。ここで、露光期間Pex{(1)・・・(M)}とは光センサPDから容量素子Caへ充電される期間とされる。リセット期間Prstに容量素子Caにチャージされた電荷が光照射によって光センサPDに逆方向電流(カソードからアノードへ)が流れ、容量素子Caの電位差は減少する。なお、各ゲート線GCLに対応する部分検出領域PAAでの、実際の露光期間Pex(1)、…、Pex(M)は、開始のタイミング及び終了のタイミングが異なっている。露光期間Pex(1)、…、Pex(M)は、それぞれ、リセット期間Prstでゲート駆動信号Vgclが高レベル電圧の電源電圧VDDから低レベル電圧の電源電圧VSSに変化したタイミングで開始される。また、露光期間Pex(1)、…、Pex(M)は、それぞれ、読み出し期間Pdetでゲート駆動信号Vgclが電源電圧VSSから電源電圧VDDに変化したタイミングで終了する。各露光期間Pex(1)、…、Pex(M)の露光時間の長さは等しい。
ゲート線非選択時露光制御方法において、露光期間Pex{(1)・・・(M)}では、各部分検出領域PAAで、光センサPDに照射された光に応じて電流が流れる。この結果、各容量素子Caに電荷が蓄積される。
読み出し期間Pdetが開始する前のタイミングで、制御回路122は、リセット信号RST2を低レベル電圧にする。これにより、リセット回路17の動作が停止する。尚、リセット信号はリセット期間Prstのみ高レベル電圧としてもよい。読み出し期間Pdetでは、リセット期間Prstと同様に、ゲート線駆動回路15は、ゲート線GCLにゲート駆動信号Vgcl(1)、…、Vgcl(M)を順次供給する。
具体的には、ゲート線駆動回路15は、期間V(1)において、ゲート線GCL(1)に、高レベル電圧(電源電圧VDD)のゲート駆動信号Vgcl(1)を供給する。制御回路122は、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧(電源電圧VDD)の期間に、選択信号ASW1、…、ASW6を、信号線選択回路16に順次供給する。これにより、ゲート駆動信号Vgcl(1)により選択された部分検出領域PAAの信号線SGLが順次、又は同時に検出回路48に接続される。この結果、検出信号Vdetが部分検出領域PAAごとに検出回路48に供給される。
同様に、ゲート線駆動回路15は、期間V(2)、…、V(M-1)、V(M)において、ゲート線GCL(2)、…、GCL(M-1)、GCL(M)に、それぞれ高レベル電圧のゲート駆動信号Vgcl(2)、…、Vgcl(M-1)、Vgcl(M)を供給する。すなわち、ゲート線駆動回路15は、期間V(1)、V(2)、…、V(M-1)、V(M)ごとに、ゲート線GCLにゲート駆動信号Vgclを供給する。各ゲート駆動信号Vgclが高レベル電圧となる期間ごとに、信号線選択回路16は選択信号ASWに基づいて、順次信号線SGLを選択する。信号線選択回路16は、信号線SGLごとに順次、1つの検出回路48に接続する。これにより、読み出し期間Pdetで、検出装置1は、全ての部分検出領域PAAの検出信号Vdetを検出回路48に出力することができる。
図7は、図6における読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。以下、図7を参照して、図6における1つのゲート駆動信号Vgcl(j)の供給期間Readoutでの動作例について説明する。図6では、最初のゲート駆動信号Vgcl(1)に供給期間Readoutの符号を付しているが、他のゲート駆動信号Vgcl(2)、…、Vgcl(M)についても同様である。jは、1からMのいずれかの自然数である。
図7および図4に示すように、第3スイッチング素子TrSの出力電圧(Vout)は予め基準電位(Vref)電圧にリセットされている。基準電位(Vref)電圧はリセット電圧とされ、例えば0.75Vとされる。次にゲート駆動信号Vgcl(j)がハイレベルとなり当該行の第1スイッチング素子Trがオンし、各行の信号線SGLは当該部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷に応じた電圧になる。ゲート駆動信号Vgcl(j)の立ち上がりから期間t1の経過後、選択信号ASW(k)がハイになる期間t2が生じる。選択信号ASW(k)がハイになって第3スイッチング素子TrSがオンすると、当該第3スイッチング素子TrSを介して検出回路48と接続されている部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に充電された電荷により、第3スイッチング素子TrSの出力電圧(Vout)(図4参照)が当該部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷に応じた電圧に変化する(期間t3)。図7の例では期間t3のようにこの電圧はリセット電圧から下がっている。その後、スイッチSSWがオン(SSW信号のハイレベルの期間t4)すると当該部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷が検出回路48の検出信号増幅部42の容量(容量素子Cb)へ電荷が移動し、検出信号増幅部42の出力電圧は容量素子Cbに蓄積された電荷に応じた電圧となる。このとき検出信号増幅部42の反転入力部はオペアンプのイマジナリショート電位となるため、基準電位(Vref)に戻っている。検出信号増幅部42の出力電圧はA/D変換部43で読み出す。図7の例では、各列の信号線SGLに対応する選択信号ASW(k)、ASW(k+1)、…の波形がハイになって第3スイッチング素子TrSを順次オンさせ、同様の動作を順次行うことで当該ゲート線GCLに接続された部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷を順次読み出している。なお図7におけるASW(k)、ASW(k+1)…は、例えば、図7におけるASW1からASW6のいずれかである。
具体的には、スイッチSSWがオンになる期間t4が生じると、部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)から検出回路48の検出信号増幅部42の容量(容量素子Cb)へ電荷が移動する。このとき検出信号増幅部42の非反転入力(+)は、基準電位(Vref)電圧(例えば、0.75[V])にバイアスされている。このため、検出信号増幅部42の入力間のイマジナリショートにより第3スイッチング素子TrSの出力電圧(Vout)も基準電位(Vref)電圧になる。また、容量素子Cbの電圧は、選択信号ASW(k)に応じて第3スイッチング素子TrSがオンした箇所の部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷に応じた電圧となる。検出信号増幅部42の出力電圧は、イマジナリショートによって第3スイッチング素子TrSの出力電圧(Vout)が基準電位(Vref)電圧になった後に、容量素子Cbの容量に応じた電圧になり、この出力電圧をA/D変換部43で読み取る。なお、容量素子Cbの電圧とは、例えば、容量素子Cbを構成するコンデンサに設けられる2つの電極間の電圧である。
なお、期間t1は、例えば20[μs]である。期間t2は、例えば60[μs]である。期間t3は、例えば44.7[μs]である。期間t4は、例えば0.98[μs]である。
なお、図6及び図7では、ゲート線駆動回路15がゲート線GCLを個別に選択する例を示したが、これに限定されない。ゲート線駆動回路15は、2以上の所定数のゲート線GCLを同時に選択し、所定数のゲート線GCLごとに順次ゲート駆動信号Vgclを供給してもよい。また、信号線選択回路16も、2以上の所定数の信号線SGLを同時に1つの検出回路48に接続してもよい。また更には、ゲート線駆動回路15は、複数のゲート線GCLを間引いて走査してもよい。
次に、活性層31の膜厚と、光センサPDの特性との関係について説明する。図8は、活性層の膜厚と、センサ容量との関係を示すグラフである。図8に示すグラフの横軸は、活性層31の膜厚であり、縦軸は、センサ容量を示す。センサ容量は、光センサPDに形成される容量素子Ca(図4参照)の容量値である。
図8に示すように、活性層31の膜厚が薄くなるにしたがって、上部電極34と下部電極35との間の距離が小さくなり、センサ容量が増大する。図8に示すように、活性層31の膜厚を500nm以下とすることで、センサ容量を確保することができ、露光期間Pexで、光センサPDに照射された光に応じた電荷を各容量素子Caに蓄積することができる。言い換えると、検出装置1は、活性層31の膜厚を500nm以下とすることで、露光期間Pexは光センサPDに電流が流れるが、容量が小さいと容量から光センサPDに流れる電流(光電流)により容量に蓄積された電荷がすぐに抜けてしまい検出精度が悪くなることを抑制することができる。また、容量が大きいほど露光終了後の光電流の影響も小さくなる。
図9は、活性層の膜厚と、センサ出力電圧との関係を示すグラフである。図9に示すグラフの横軸は、活性層31の膜厚であり、縦軸は、センサ出力電圧を示す。センサ出力電圧は、図4に示す第3スイッチング素子TrSの出力電圧(Vout)である。
図9に示すように、光センサPDは、活性層31の膜厚が140nm以上500nm以下の範囲で、センサ出力電圧を確保することができる。より具体的には、センサ出力電圧は、活性層31の膜厚が350nm程度で最大値をとる。活性層31の膜厚が500nmから薄くなるにしたがって、上述したようにセンサ容量が増大し、この結果センサ出力電圧も増大する。一方、活性層31の膜厚が350nm程度よりも薄くなると、光センサPD自体のリーク電流が増大するため、センサ容量に蓄積された電荷の漏れも大きくなり、センサ出力電圧が小さくなる。活性層31の膜厚を140nmよりも薄くすると、良好にセンサ出力電圧を得ることが困難となる。
以上のように、活性層31の膜厚は、500nm以下、より好ましくは、140nm以上500nm以下である。これにより、検出装置1は、センサ容量を確保しつつ光センサPDの光電流を抑制することができ、良好にセンサ出力電圧を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態の検出装置1は、基板(センサ基材21)の上に配列された複数の光センサPDを有する検出装置であって、複数の光センサPDは、それぞれ、基板の表面に垂直な方向で、下部電極35、電子輸送層33、活性層31、正孔輸送層32、上部電極34の順に積層されており、活性層31は、有機半導体を含み、正孔輸送層32は、酸化タングステンを含み、活性層31の上に接して設けられる。
また、上部電極34は、銀を含み、活性層31は、p型有機半導体と、n型有機半導体であるn型フラーレン誘導体とを含む。封止層25は、酸化アルミニウムを含み、電子輸送層33は、エトキシ化ポリエチレンイミン(PEIE)を含む。
これによれば、正孔輸送層32が無機材料である酸化タングステンで形成されるので、活性層31と、上部電極34との間の密着性を向上させることができる。これにより、検出装置1は、上部電極34の剥がれを抑制することができ、曲げに強いフレキシブルセンサとして構成することができる。
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係る検出装置の、センサ部の概略断面構成を示す断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図10に示すように、第2実施形態のセンサ部10Aにおいて、光センサPDの下部電極35、電子輸送層33、活性層31、正孔輸送層32及び上部電極34の積層の順番は第1実施形態と同様である。ただし、第2実施形態では、電子輸送層33は、酸化亜鉛(ZnO)を含み形成される。これにより、第2実施形態では、第1実施形態に比べ、下部電極35と活性層31との間の密着性を向上させることができる。
また、封止層25Aは、無機膜26、28と有機膜27とが積層されて構成される。センサ基材21に垂直な方向で、無機膜26、有機膜27、無機膜28の順に積層される。無機膜26、28は、例えば、窒化シリコン(SiN)等の無機絶縁膜である。有機膜27は、例えば、樹脂材料である。本実施形態では、封止層25Aを多層化することで、光センサPDを良好に封止することができる。
なお、第2実施形態の構成は、上述した第1実施形態と組み合わせることができる。例えば、第1実施形態のセンサ部10で、図5に示す封止層25に換えて第2実施形態の封止層25Aを設けてもよい。あるいは、第1実施形態のセンサ部10で、PEIEで形成された電子輸送層33に換えて、酸化亜鉛(ZnO)で形成された電子輸送層33を設けてもよい。
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
1 検出装置
10、10A センサ部
11 検出制御部
15 ゲート線駆動回路
16 信号線選択回路
21 センサ基材
25、25A 封止層
31 活性層
32 正孔輸送層
33 電子輸送層
34 上部電極
35 下部電極
40 検出部
48 検出回路
AA 検出領域
GA 周辺領域
PD 光センサ

Claims (7)

  1. 基板の上に配列された複数の光センサを有する検出装置であって、
    複数の前記光センサは、それぞれ、
    前記基板の表面に垂直な方向で、下部電極、電子輸送層、活性層、正孔輸送層、上部電極の順に積層されており、
    前記活性層は、有機半導体を含み、
    前記正孔輸送層は、酸化金属層を含み、前記活性層の上に接して設けられる
    検出装置。
  2. 前記上部電極は、銀を含み、
    前記活性層は、p型有機半導体と、n型有機半導体であるn型フラーレン誘導体とを含む
    請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記活性層の膜厚は、500nm以下である
    請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
  4. 前記活性層の膜厚は、140nm以上500nm以下である
    請求項3に記載の検出装置。
  5. 前記光センサを覆う封止層を有し、
    前記封止層は、酸化アルミニウムを含み、
    前記電子輸送層は、エトキシ化ポリエチレンイミン(PEIE)を含む
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の検出装置。
  6. 前記光センサを覆う封止層を有し、
    前記封止層は、無機膜と有機膜とが積層されて構成され、
    前記電子輸送層は、酸化亜鉛を含む
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の検出装置。
  7. 前記酸化金属層は、酸化モリブデン又は酸化タングステンである
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の検出装置。
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