JP2022024425A - 蛍光ホイール及び光源装置 - Google Patents

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弘久 岩林
Hirohisa Iwabayashi
良平 森
Ryohei Mori
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Fuji Pigment Co Ltd
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Abstract

【課題】励起光の変換効率が十分高く、しかも耐光性、耐熱性や透光性が良好な蛍光ホイール、及びこれを用いた光源装置を提供することにある。【解決手段】本発明の蛍光ホイールは、励起光を変換光に変換する領域を有する透過型又は反射型の蛍光ホイールであって、シリカを主成分とする固体ガラスと前記固体ガラス中に分散した量子ドットとを含有し、円板状又はドーナツ板状の蛍光体を備える。そして、光源装置は、前記励起光を照射する励起光源と、照射された前記励起光を受ける前記蛍光ホイールと、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、光源装置などに使用可能な蛍光ホイール、及びこれを用いた光源装置に関する。
近年、プロジェクタなどの画像表示装置に用いられる光源装置に、発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)などの半導体発光素子が用いられるようになってきた。半導体発光素子は、従来の冷陰極管ランプや超高圧水銀ランプと異なり、特定の波長を効率よく発光させることができる。
しかしながら、上記のような光源装置は、発光スペクトルとして波長430nm~490nmの青色光と、波長490nm~570nmの緑色光と波長570nm~650nmの赤色光の、いわゆるB(青)、G(緑)、R(赤)の3原色の光を含む必要がある。
そこで、例えば特許文献1には、半導体発光素子を用いた光源装置として、波長380nm~470nmの青紫色から青色の光を発光する半導体発光素子とこれらの半導体発光素子の光を吸収し、波長430nm~650nmの蛍光を出射する蛍光体を組み合わせたものが提案されている。
また、特許文献2には、励起光を受けて蛍光(変換光)を発する円板状の蛍光ホイールであって、ホイール基板上に、変換光の波長が異なる2種の蛍光体層を隣接して配置したものが提案されている。この文献では、蛍光体粒子がバインダ中に分散した蛍光体層が開示されている。
一方、特許文献3には、蛍光体粒子が含有された蛍光体含有層を備える蛍光体光学素子であって、蛍光体粒子として量子ドット蛍光体を用いたものが提案されている。この文献では、蛍光体粒子のバインダとして、低融点ガラスを使用できることが開示されている。
特開2004-341105号公報 国際公開WO2019/022107号公報 国際公開WO2014/024218号公報
しかしながら、特許文献2のように、蛍光体粒子が母材中に分散したものでは、蛍光体粒子の表面での散乱が多くなり、波長変換された光が十分な光量で得られにくく、また、母材の種類によっては、励起光に対する耐光性や耐熱性が不十分となるという問題があった。
また、特許文献3のように、量子ドットを使用する場合、バインダとして低融点ガラスを使用すると、量子ドットを低融点ガラス中に溶融・分散させる際に、高温(約500℃以上)での酸化反応により、量子ドットの蛍光特性が劣化するという問題があった。また、融点が低い低融点ガラスほど、耐久性・透過率等が低下するという問題もあった。
そこで、本発明の目的は、励起光の変換効率が十分高く、しかも耐光性、耐熱性や透光性が良好な蛍光ホイール、及びこれを用いた光源装置を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究したところ、金属アルコキシドを含む溶液に量子ドットを分散させてゾル-ゲル法で固化させることで、耐光性や耐熱性が良好な蛍光体をドーナツ状等に成形できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の蛍光ホイールは、励起光を変換光に変換する領域を有する透過型又は反射型の蛍光ホイールであって、シリカを主成分とする固体ガラスと前記固体ガラス中に分散した量子ドットとを含有し、円板状又はドーナツ板状の蛍光体を備える。
斯かる構成によれば、量子ドットによって励起光を変換光に波長変換することにより、従来と比較して変換光の取り出し効率を十分高くすることができる。また、シリカを主成分とする固体ガラスにすることにより、従来と比較して耐光性、耐熱性や透光性を良好にすることができる。
また、前記蛍光ホイールは透過型であり、前記蛍光体の前記励起光の入射側には、励起光反射防止膜が設けられ、前記蛍光体の前記励起光の出射側には、励起光反射膜が設けられている、という構成であってもよい。
斯かる構成によれば、透過型の蛍光ホイールにおいて、入射側での励起光の反射を励起光反射防止膜で抑えることができる。そして、励起光反射膜で励起光を反射することにより、励起光が出射側から出射されることを抑えることができる。また、斯かる蛍光ホイールは透明度が高く、光が分散し難いので、例えば、励起光の出射側から出射された変換光を直接光源装置の外部に照射することにより、光源装置を簡素化することができる。
また、前記蛍光ホイールは反射型であり、前記蛍光体の前記励起光の反射側には、反射部が設けられ、前記蛍光体の前記励起光の入射側には、励起光反射防止膜が設けられている、という構成であってもよい。
斯かる構成によれば、反射型の蛍光ホイールにおいて、入射側での励起光の反射を励起光反射防止膜で抑えることができる。また、反射部で励起光を反射することにより、蛍光体の中を通る励起光の光路を透過型の2倍とすることができるので、効率的に変換光を取り出すことができる。
また、蛍光ホイールにおいて、前記蛍光体は、前記変換光の波長が異なる2種以上の蛍光体からなり、前記2種以上の蛍光体が同心円状に配置されている、という構成であってもよい。斯かる構成によれば、例えば、熱や応力などによる蛍光体の破損を防止し、且つ、省スペースで異なる波長の変換光を取り出すことができる。
また、蛍光ホイールにおいて、前記蛍光体は、ゾル-ゲル法により固化された固体ガラス中に、前記量子ドットが分散したものである、という構成であってもよい。斯かる構成によれば、ゾル-ゲル法で製造することにより、高温での酸化反応による量子ドットの蛍光特性が劣化を防止することができる。
本発明の光源装置は、前記励起光を照射する励起光源と、照射された前記励起光を受ける前記蛍光ホイールと、を備える。
また、光源装置において、前記励起光の波長は、400nm~470nmであり、前記変換光の波長は、470nm~700nmである、という構成であってもよい。
また、光源装置において、更に、前記蛍光ホイールを回転させる駆動装置を備える、という構成であってもよい。斯かる構成によれば、蛍光ホイールを駆動装置で回転させることにより、例えば、蛍光ホイールの一部に励起光の熱が集中することを防止することができる。また、回転によって蛍光ホイールを冷却することができ、例えば、蛍光ホイールが熱によって破損することを防止することができる。
また、光源装置において、更に、前記蛍光ホイールを冷却する冷却機構を備える、という構成であってもよい。斯かる構成によれば、冷却機構で蛍光ホイールを冷却することができる。これにより、例えば、蛍光ホイールが熱によって破損することを防止することができる。
また、光源装置において、前記励起光源と前記蛍光ホイールとの間に分波光学素子を備える、という構成であってもよい。斯かる構成によれば、励起光及び変換光を分離することができる。これにより、例えば、励起光が光源装置から出射されることを防止することができる。
図1は、実施形態1に係る光源装置の概要図である。 図2は、実施形態2に係る光源装置の概要図である。 図3は、他の実施形態に係る蛍光体を示す光源装置の概要図である。 図4は、他の実施形態に係る蛍光体の正面図である。 図5は、グラフェン量子ドットを用いて得られた実施例1の蛍光体の蛍光スペクトルの結果を示すグラフである。 図6は、シリコン量子ドットを用いて得られた実施例3の蛍光体の蛍光スペクトルの結果を示すグラフである。 図7は、ペロブスカイト型量子ドットを用いて得られた実施例6の蛍光体の蛍光スペクトルの結果を示すグラフである。
以下、本発明の光源装置における実施形態について、図1~図7を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
<実施形態1に係る光源装置>
図1に示すように、実施形態1に係る光源装置1は、励起光L1を照射する励起光源2と、励起光L1を変換光L2に変換する蛍光ホイール3と、を備えていればよく、本実施形態では、分波光学素子4と、蛍光ホイール3を回転させる駆動装置5と、青色光L3を照射する青色光源6と、を更に備える例を示す。光源装置1は、例えば、プロジェクタなどの画像表示装置に用いられる。なお、図1(図2及び図3も同様)では、各光L1~L3の光軸のみを示している。
[励起光源]
励起光源2は、励起光L1を照射する第1光源ユニット21と、励起光L1を蛍光ホイール3まで導く第1導光ユニット(不図示、省略可)と、を備える。
第1光源ユニット21として、例えば、レーザダイオード(LD)や発光ダイオード(LED)などを単体、複数又は組み合わせて用いることができる。第1導光ユニットは、光ファイバの他、レンズやミラーなどの光学系の組み合わせから成るものが例示される。第1光源ユニット21としてレーザダイオード(LD)を用いた場合、励起光L1を蛍光ホイール3に直接又は光ファイバを介して照射することができる。
[青色光源]
青色光源6は、青色光L3を照射する第2光源ユニット61と、青色光L3を分波光学素子4まで導く第2導光ユニット(不図示、省略可)と、を備える。本実施形態において、例えば、励起光源2及び青色光源6は同一、即ち、励起光L1及び青色光L3の波長は同一であってもよい。
[分波光学素子]
分波光学素子4は、例えば、ダイクロイックミラーであり、特定の波長の光を透過し、それ以外の光を反射する。本実施形態において、例えば、分波光学素子4は、青色成分である青色光L3を透過し、青色成分以外の色成分である変換光L2を反射する。そして、分波光学素子4は、例えば、後述する第2面S2側で、且つ、変換光L2の光軸及び青色光L3のそれぞれに対して45°の角度で交差するように配置される。
[駆動装置]
駆動装置5は、例えば、モーターであり、蛍光ホイール3を取り付ける回転軸51を備える。駆動装置5は、蛍光ホイール3を任意の回転数で回転させる。
[実施形態1に係る蛍光ホイール]
実施形態1に係る蛍光ホイール3は、透過型であり、円板状又はドーナツ板状の蛍光体31と、励起光L1が反射することを防止する励起光反射防止膜32と、励起光L1を反射する励起光反射膜33と、を備える。
斯かる構成によれば、励起光源2から照射された励起光L1は蛍光体31によって変換光L2に変換され、変換光L2は蛍光体31を通過し分波光学素子4によって反射される。そして、青色光源6から照射された青色光L3は分波光学素子4を透過し、変換光L2は分波光学素子4で緑色成分と赤色成分とに分離される。これにより、例えば、プロジェクタの場合、青色光L3と緑色成分及び赤色成分に分離された変換光L2とが画像表示素子(例えば、LCD方式やDMD方式)に照射され、プロジェクタの外部に画像が投射される。
また、蛍光ホイール3は、中央部に軸孔(不図示)を備え、回転軸51に取り付けられる、という構成であってもよい。斯かる構成によれば、蛍光ホイール3を駆動装置5で回転させることにより、例えば、蛍光ホイール3の一部に励起光L1の熱が集中することを防止することができる。また、回転によって蛍光ホイール3を冷却することができ、例えば、蛍光ホイール3が熱によって破損することを防止することができる。
なお、励起光源2によって励起光L1が透過型の蛍光ホイール3の略全面に照射される場合、光源装置1は駆動装置5を備えない、という構成であってもよい。励起光源2によって励起光L1を分散させることにより、蛍光ホイール3の一部に励起光L1の熱が集中することを防止できるためである。
蛍光体31は、シリカを主成分とする固体ガラスと、固体ガラス中に分散した量子ドットとを含有する。斯かる構成によれば、量子ドットによって励起光L1を変換光L2に変換することにより、従来と比較して変換光L2の取り出し効率を十分高くすることができる。また、シリカを主成分とする固体ガラスにすることにより、従来と比較して耐光性、耐熱性や透光性を良好にすることができる。
蛍光体31は、波長500nmにおける屈折率が1.45~1.80であることが好ましく、1.45~1.70であることがより好ましく、1.45~1.60であることが更に好ましい。屈折率が大きくなると蛍光体31の表面での光の散乱が大きくなり、蛍光体31の中に励起光L1が入りづらくなるためである(例えば、従来の蛍光体(YAG)の波長500nmにおける屈折率は1.83)。
また、蛍光体31は、励起光L1の入射側である第1面S1と、励起光L1の出射側(入射側と反対側)である第2面S2と、を備える。本実施形態においては、第1面S1に励起光反射防止膜32が設けられ、第2面S2に励起光反射膜33が設けられる。
斯かる構成によれば、透過型の蛍光ホイール3において、第1面S1での励起光L1の反射を励起光反射防止膜32で抑えることができる。そして、励起光反射膜33で励起光L1を反射することにより、励起光L1が第2面S2から出射されることを抑えることができる。また、本実施形態に係る蛍光体31は、透明度が高く、光が分散し難いので、例えば、第2面S2から出射された変換光L2を直接光源装置1の外部に照射することにより、光源装置1を簡素化することができる。
蛍光体31の厚みは、2mm程であることが好ましく、機械的強度の確保及び変換光L2の取り出し効率を高くする観点から、1~3mmであることがより好ましい。蛍光体31の外径は、30mm程であり、蛍光体31がドーナツ状の場合、内径は、10mm程である。
励起光反射防止膜32は、蛍光体31の表面(第1面S1)と空気との中間の屈折率を有するものが好ましい。励起光反射膜33は、低屈折率側がSiO、Alなどであり、高屈折率側がTiO、Ta、Nbなどである誘電体多層膜であって、低屈折率側にSiOと高屈折率側にTiOが用いられ、変換光L2を透過させつつ励起光L1を反射させるように各層の光学膜厚が設計されたものなどが好ましい。励起光反射防止膜32及び励起光反射膜33の厚みは、それぞれの光学特性に応じて適宜決定される。
また、励起光反射防止膜32及び励起光反射膜33は、蒸着、スパッタリング、CVD、メッキ、コーティングなどで、形成することができる。励起光反射防止膜32及び励起光反射膜33の形成に先立って、蛍光体31の表面(第1面S1及び第2面S2)を研磨して平坦化することが好ましい。
<実施形態2に係る光源装置>
図2に示すように、実施形態2に係る光源装置1は、励起光L1を照射する励起光源2と、励起光L1を変換光L2に変換する蛍光ホイール3と、を備えていればよく、本実施形態では、変換光L2を取り出す分波光学素子4と、蛍光ホイール3を回転させる駆動装置5と、青色光L3を照射する青色光源6と、を更に備える例を示す。光源装置1は、例えば、プロジェクタなどの画像表示装置に用いられる。励起光源2、分波光学素子4、駆動装置5及び青色光源6は、上述の実施形態1と同様である。
本実施形態に係る分波光学素子4は、例えば、励起光源2と蛍光ホイール3との間で、且つ、変換光L2の光軸及び青色光L3のそれぞれに対して45°の角度で交差するように配置される。斯かる構成によれば、例えば、励起光L1が光源装置1から出射されることを防止することができる。これにより、例えば、励起光源2がレーザダイオード(LD)の場合、レーザー光(励起光L1)が人の目に直接入り込むことを防止することができる。
[実施形態2に係る蛍光ホイール]
実施形態2に係る蛍光ホイール3は、反射型であり、円板状又はドーナツ板状の蛍光体31と、励起光L1が反射することを防止する励起光反射防止膜32と、励起光L1及び変換光L2を反射する反射部34と、を備える。
斯かる構成によれば、励起光源2から照射された励起光L1は蛍光体31によって変換光L2に変換され、変換光L2は反射部34及び分波光学素子4のそれぞれによって反射される。そして、青色光源6から照射された青色光L3は分波光学素子4を透過し、変換光L2は分波光学素子4で緑色成分と赤色成分とに分離される。これにより、例えば、プロジェクタの場合、青色光L3と緑色成分及び赤色成分に分離された変換光L2とが画像表示素子(例えば、LCD方式やDMD方式)に照射され、プロジェクタの外部に画像が投射される。
本実施形態における蛍光体31は、第1面S1に励起光反射防止膜32が設けられ、第2面S2に反射部34が設けられる。斯かる構成によれば、反射型の蛍光ホイール3において、第1面S1での励起光L1の反射を励起光反射防止膜32で抑えることができる。また、反射部34で励起光L1を反射することにより、蛍光体31の中を通る励起光L1の光路を透過型の2倍とすることができるので、効率的に変換光L2を取り出すことができる。蛍光体31及び励起光反射防止膜32は、上述の実施形態1と同様である。
反射部34としては、例えば、反射層又は金属反射板などが挙げられる。反射層は、例えば、アルミ、銀などの金属膜、誘電体多層膜などが挙げられる。反射層の厚みは、例えば、その材質にもよるが、150~1000nm程である。反射層の場合、蛍光体31の厚みは上述した透過型の場合と同じであるが、変換光L2の取り出し効率を考慮して、量子ドットの濃度によって厚みを調整してもよい。
金属反射板としては、例えば、偏心、振動を抑制する観点からアルミニウム板、熱伝導度の観点から銅板などが挙げられる。金属反射板は、例えば、蛍光体31と同形状であり、厚みが、例えば、1mm程である。
反射層は、上述の励起光反射防止膜32などと同様の方法で蛍光体31の表面(第1面S1)に形成される。金属反射板は、ねじ止め、接着又は係合などにより蛍光体31に固定される。
金属反射板の厚みを1mm以上とした場合、反射部34は、蛍光ホイール3を冷却する冷却機構としての役割を果たす。斯かる場合、励起光L1によって生じる熱が反射部34(冷却機構)により周囲に伝熱することで、蛍光ホイールを冷却することができ、例えば、蛍光ホイールが熱によって破損することを防止することができる。これにより、例えば、光源装置1において、駆動装置5を省略することができる。冷却機構は、例えば、空冷又は水冷の冷却機構であってもよい。
また、金属反射板を1mm以上とした場合、蛍光体31の厚みは、1mm程であることが好ましく、変換光L2の取り出し効率を高くする観点から、0.5~1.5mmであることがより好ましい。金属反射板により、蛍光体31の機械的強度が確保できるためである。
[他の実施形態に係る蛍光ホイール]
先の実施形態では、図1及び図2に示すように1種の蛍光体31からなる蛍光ホイール3を例示したが、図3及び図4に示すように変換光L2(L2a、L2b)の波長が異なる2種の蛍光体31(31a、31b)からなる蛍光ホイール3とすることも可能である。斯かる場合、2種の蛍光体31a、31bは、同心円状に配置される。
斯かる構成によれば、例えば、応力や熱による蛍光体31a、31bの破損を防止し、且つ、省スペースで異なる波長の変換光L2a、L2bを取り出すことができる。蛍光体31を円周上で分割した場合(蛍光体31a、31bが円弧又は半円状など)、蛍光体31a、31bの端部に応力や熱が集中し、破損する可能性があるためである。なお、斯かる構成に限定されず、例えば、変換光L2の波長が異なる3種以上の蛍光体31からなる蛍光ホイール3としてもよい。
なお、光源装置1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、光源装置1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
<蛍光体の材料>
蛍光体は、シリカを主成分とする固体ガラスと、前記固体ガラス中に分散した量子ドットとを含有するものである。本発明において「シリカを主成分とする」とは、ガラスの金属成分中のSi元素の含有量が、60モル%以上である場合を指し、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90~100モル%である。
(固体ガラス)
シリカを主成分とする固体ガラスとしては、シリカガラスであることが好ましい。シリカガラスには、他の金属成分として、Al、Ca、Cu、Fe、Na、K、Li、Mg、Mn、Tiを含有していてもよい。但し、これらの金属成分の含有量は、金属成分中に20モル%以下が好ましく、好ましくは10モル%以下であり、より好ましくは0~5モル%である。
シリカガラスは、天然の石英粉を溶融した溶融石英ガラスと、液体原料から合成した合成シリカガラスに大別でき、いずれも使用可能であるが、合成シリカガラスであることが好ましい。合成シリカガラスはその製造方法により、気相合成法、液相合成法に分類できる。溶融石英ガラスは電気溶融石英ガラスと火炎溶融石英ガラスに分類される。前者は、OH含有量が少なく、後者はOH量が比較的多いのが特徴である。いずれも、耐熱性に優れ、比較的廉価である。
気相合成法には、直接法、スート法、プラズマ法などがある。直接法は、四塩化ケイ素(SiCl)を酸水素火炎中で加水分解し、直接堆積・ガラス化することによりシリカガラスを合成する方法である。このタイプのシリカガラスは、OH基を500~1500ppm程度含む。光学的に均質なものを比較的容易に合成することができ、紫外線耐性にも優れている。したがって、紫外線用光学材料として使用される。
スート法では最初にシリカの微粒子を生成して多孔質体を形成する。次に適当な雰囲気中での熱処理により、OH量を制御する。最後に、高温で透明ガラス化する。この合成方法は、複数の工程からなっているため、性状を制御しやすい。プラズマ法は、スート法よりも古くから無水のシリカガラスの合成法として用いられてきた。
液相中で合成する方法として、ゾル-ゲル法がある。これは、金属アルコキシドの重縮合により、シリカの多孔質体を合成したのち、乾燥、焼結ガラス化する方法である。また、低温でのシリカガラス薄膜の生成方法として、液相析出(LPD)法がある。
本発明では、金属アルコキシドの加水分解と重縮合(ゾル-ゲル法)により得られるシリカガラスが好適に使用することができる。ゾル-ゲル法を行なう際に、多塩基酸を添加することが、クラックや欠けの防止の観点から好ましい。このため、本発明における固体ガラスには、多塩基酸及び/又はその残基成分を含有することが好ましい。
(量子ドット)
量子ドットは、量子化学、量子力学に従う独特な光学特性を持つナノスケールの粒子のことを指し、粒子サイズによって光学特性を調節することが可能であるため、粒径に依存した特徴的な発光特性を持つ。本発明では、変換光の発光波長に応じて、炭素系量子ドット、シリコン量子ドット、ペロブスカイト型量子ドットなどを使用することができる。また、これらから選択した複数の量子ドットを用いて、各々の含有量を調整することで、所望の発光波長を得ることができる。
(炭素系量子ドット)
炭素系量子ドットは、炭素原子間のπ結合に起因して、粒径に依存した発光特性を有するものである。炭素系量子ドットとしては、グラフェン構造を有するグラフェン量子ドット、グラフェン構造を有しないカーボン量子ドット、これらを化学修飾した量子ドット等が挙げられるが、量子収率の観点からグラフェン量子ドット又は化学修飾したグラフェン量子ドットが好ましい。
これらの炭素系量子ドットは、シグマ-アルドリッチ社、冨士色素株式会社、GSアライアンス株式会社、フナコシ株式会社、キシダ化学株式会社などから、市販されており、これらを何れも使用することができる。
炭素系量子ドットの含有量は、蛍光特性における適度な波長シフトを得ることと、適度な発光出力を得ることの観点から、蛍光体組成物中に0.0001~10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001~5質量%であり、更に好ましくは0.01~1質量%である。
(グラフェン量子ドット)
グラフェン量子ドットとしては、非官能化グラフェン量子ドット、官能化グラフェン量子ドット、原初の(pristine)グラフェン量子ドット、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
官能化グラフェン量子ドットは1つ以上の官能基で官能化されていてもよい。官能基には、酸素基、カルボキシル基、カルボニル基、非晶質炭素、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、エステル、アミン、アミド、ポリマー、ポリ(プロピレンオキシド)、およびこれらの組み合わせが含まれる。
また、グラフェン量子ドットには、1つ以上のアルキル基で官能化されている官能化グラフェン量子ドットが含まれる。アルキル基には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、およびこれらの組み合わせが含まれる。幾つかの態様において、アルキル基にはオクチル基(例えば、オクチルアミン)が含まれる。
また、グラフェン量子ドットは、1種以上のポリマー先駆物質で官能化することができる。例えば、グラフェン量子ドットは1種以上のモノマー(例えば、ビニルモノマー)で官能化することができる。
グラフェン量子ドットは、重合するポリマー先駆物質で官能化することにより、ポリマー官能化グラフェン量子ドットを形成することができる。例えば、重合するビニルモノマーで端部を官能化することにより、端部官能化ポリビニルの付加物を形成することができる。
グラフェン量子ドットは、1種以上の親水性官能基で官能化されている官能化グラフェン量子ドットを含む。親水性官能基には、カルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、およびこれらの組み合わせが含まれる。
グラフェン量子ドットは、1種以上の疎水性官能基で官能化されている官能化グラフェン量子ドットを含む。疎水性官能基には、アルキル基、アリール基、およびこれらの組み合わせが含まれる。疎水性官能基には1種以上のアルキルアミドまたはアリールアミドが含まれる。
グラフェン量子ドットは端部官能化グラフェン量子ドットを含む。端部官能化グラフェン量子ドットには、前述した1種以上の疎水性官能基が含まれる。端部官能化グラフェン量子ドットには、前述したような1種以上の疎水性官能基が含まれる。端部官能化グラフェン量子ドットには、やはり前述したような1種以上の親水性官能基が含まれる。端部官能化グラフェン量子ドットには、それらの端部上にある1種以上の酸素の付加物が含まれる。端部官能化グラフェン量子ドットには、それらの端部上にある1種以上の非晶質炭素の付加物が含まれる。
グラフェン量子ドットは、アルキルアミドまたはアリールアミドなどの1種以上のアルキル基またはアリール基で端部が官能化されている。アルキル基またはアリール基を用いるグラフェン量子ドットの端部官能化は、グラフェン量子ドットの端部におけるアルキルアミドまたはアリールアミドのカルボン酸との反応によって行われる。
グラフェン量子ドットには原初の(pristine)グラフェン量子ドットが含まれる。原初のグラフェン量子ドットは、合成後に未処理のままのグラフェン量子ドットを含む。原初のグラフェン量子ドットは、合成後にいかなる追加の表面変性も行われていないグラフェン量子ドットを含む。
グラフェン量子ドットは様々な発生源から得ることができる。例えば、グラフェン量子ドットには、石炭由来のグラフェン量子ドット、コークス由来のグラフェン量子ドット、およびこれらの組み合わせが含まれる。グラフェン量子ドットにはコークス由来のグラフェン量子ドットが含まれる。グラフェン量子ドットには石炭由来のグラフェン量子ドットが含まれる。石炭には、(これらに限定はされないが)無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、変性瀝青炭、アスファルテン、アスファルト、泥炭、亜炭、ボイラー用炭、石化油(petrified oil)、カーボンブラック、活性炭、およびこれらの組み合わせが含まれる。炭素源は瀝青炭である。炭素には瀝青炭が含まれる。
グラフェン量子ドットは様々な直径を有することができる。例えば、グラフェン量子ドットは約1nmから約100nmまでの範囲の直径を有することが好ましく、約1nmから約50nmまでの範囲の直径を有することがより好ましく、約1nmから約20nmまでの範囲の直径を有することが更に好ましい。
グラフェン量子ドットはまた、様々な構造を有することもできる。例えば、グラフェン量子ドットは結晶質の構造を有していてもよく、例えば結晶質の六方晶構造を有する。グラフェン量子ドットは単層又は複層を有していてもよく、例えばグラフェン量子ドットはおよそ2つの層からおよそ4つの層までを有する。
グラフェン量子ドットは、様々な量子収率を有することもできる。グラフェン量子ドットは約30~80%までの範囲の量子収率を有することが好ましい。また、グラフェン量子ドットの水分散体における蛍光特性は、励起光300nm~420nmの少なくとも何れかの波長に対して、発光波長が380nm~650nmであることが好ましい。
グラフェン量子ドットは粉末の形態であってもよく、ペレットの形態であってもよい。グラフェン量子ドットは液体状態であってもよく、分散液、溶液、溶融した状態であってもよい。
グラフェン量子ドットを形成するために、様々な方法を利用することができる。例えば、グラフェン量子ドットを形成する工程は、炭素源を酸化剤に曝し、その結果としてグラフェン量子ドットを形成することを含むことができる。炭素源には、石炭、コークス、およびこれらの組み合わせが含まれる。
酸化剤には酸が含まれ、酸には、硫酸、硝酸、リン酸、次亜リン酸、発煙硫酸、塩化水素酸、オレウム、クロロスルホン酸、およびこれらの組み合わせが含まれる。また、酸化剤には、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、次亜リン酸、硝酸、硫酸、過酸化水素、およびこれらの組み合わせが含まれる。好ましい酸化剤は過マンガン酸カリウム、硫酸および次亜リン酸の混合物である。
酸化剤の存在下で炭素源を音波処理することによって炭素源は酸化剤に曝される。酸化剤の存在下で炭素源を加熱することが含まれる。加熱は少なくとも約100℃の温度において行われる。
グラフェン量子ドットを形成するさらなる方法の使用も想定することができる。例えば、グラフェン量子ドットを形成するさらなる方法は、国際特許出願であるPCT/US2014/036604号に開示されている。グラフェン量子ドットを製造するさらなる適当な方法は、次の参考文献にも開示されている:ACS Appl. Mater. Interfaces 2015, 7, 7041-7048;および、Nature Commun. 2013, 4:2943, 1-6。
(カーボン量子ドット)
カーボン量子ドットは、グラフェンのような環状構造を持っていない量子ドットである。pH値によってグラフェン量子ドットより影響を受け易く、発光強度、ピーク位置が変化する性質を有する。
カーボン量子ドットは様々な直径を有することができる。例えば、カーボン量子ドットは約1nmから約100nmまでの範囲の直径を有することが好ましく、約1nmから約50nmまでの範囲の直径を有することがより好ましく、約1nmから約30nmまでの範囲の直径を有することが更に好ましい。
カーボン量子ドットはまた、様々な量子収率を有することもできる。カーボン量子ドットは約20~50%までの範囲の量子収率を有することが好ましい。また、カーボン量子ドットの水分散体における蛍光特性は、励起光300nm~420nmの少なくとも何れかの波長に対して、発光波長が380nm~600nmであることが好ましい。
カーボン量子ドットの製造方法は、グラフェン量子ドットの製造方法と大差はなく、使用原料や製造条件がグラフェン構造を形成し易いか否かの違いのみである。
従って、両者を含む炭素系量子ドットは、例えば、炭素ターゲットをレーザーアブレーション(laserablation)後、化学処理を実施して製造する手法(特表2012-501863号公報)や蝋燭の煤から製造する手法(H. Liu, et al., Angew. Chem.Int. Ed. 2007, 46, 6473-6475.)、グラファイト酸化物を化学処理して製造する手法(G. Eda, et al., Adv. Mater.2010, 22, 505-509.)、グラファイト酸化物を前駆体とする化学反応から製造する手法(特開2012-136566号公報)、フラーレンの転換反応から製造する手法(J. Lu, et al., Nature Nanotech.2011, 6, 247-252.)、更に、炭素繊維や活性炭など、より安価な炭素原料を化学処理して製造する手法(J. Peng, et al., Nano Lett. 2012, 12, 844-849.、Z.A. Qiao, ChemCommun. 2010, 46,8812-8814.、Y. Dong, et al., Chem. Mater.2010, 22, 5895-5899.)で製造することも可能である。
なお、これらの手法は、大別してトップダウン(top-down)の手法であるが、有機前駆体分子のポリマー化から炭素量子ドットを製造するボトムアップ(bottom-up)の手法(G. A. Ozin, et al., J. Mater. Chem., 2012, 22, 1265-1269.)でも製造可能である。
また、炭素材と過酸化水素とを混合し、過酸化水素により炭素を分解反応させ、炭素量子ドット生成液を調製する工程と、炭素量子ドット生成液中の炭素量子ドットと過酸化水素を分離して分解反応を停止させ、炭素量子ドットを取得する工程と、を含む炭素量子ドットの製造方法(特開2014-133685号公報)で製造することも可能である。
(炭素系量子ドットの波長変換特性)
炭素系量子ドットを用い場合の波長変換特性(蛍光特性)としては、汎用性の高い蛍光材料とする観点から、励起光300nm~470nmの少なくとも何れかの波長に対して、発光波長(ピーク波長)が400nm~750nmであることが好ましく、発光波長が450nm~650nmであることがより好ましく、発光波長が500nm~600nmであることが更に好ましい。このような発光波長は、単結晶YAG・Ceとほぼ同じ領域の発光となる。
また、発光ピーク波長を中心とした発光の半値幅が40nm~100nmであることが好ましく、発光波長が400nm~700nmであることがより好ましく、発光波長が420nm~750nmであることが更に好ましい。
なお、このような蛍光特性を得る観点から、原料となる炭素系量子ドットの水分散体における蛍光特性としては、励起光300nm~420nmの少なくとも何れかの波長に対して、発光波長(ピーク波長)が380nm~600nmであることが好ましく、発光波長が400nm~550nmであることがより好ましく、発光波長が420nm~500nmであることが更に好ましい。
また、蛍光体組成物の量子収率(発光効率)は、25%以上が好ましく、さらに50%以上がより好ましく、特に70~80%が好ましい。
(シリコン量子ドット)
半導体はナノ粒子化すると,量子サイズ効果(閉じ込め効果)によりバンド構造が変化し,粒径に応じた色の蛍光を示す。シリコン量子ドットは,代表的なIV族半導体の量子ドットである。
シリコン量子ドットの合成法の代表的なものとして,シリコンウェハーのエッチングが挙げられる。フッ化水素酸(HF)を用いた電解エッチングによりバルクのシリコンを微細化することで,ナノ粒子を得ることができる。このとき,得られる粒子の粒径は,エッチング時間などで制御することが可能である。比較的多い量の粒子を生成できるボトムアップ的な合成法としては,シラン(SiH)の熱分解による粒子合成が知られている。シランの熱分解によってSi原子が生成され,これが過飽和となり,核発生・成長することで粒子が生成される。このとき生成される粒子はサイズが比較的大きいため,その後フッ化水素酸(HF)/硝酸(HNO)の混合液によって粒子をエッチングすることで,量子サイズ効果が現れる領域まで粒径を小さくしている。
エッチングの過程を経ずに一段階でシングルナノメートルの粒子を合成する方法として,プラズマCVD法を用いた合成方法も知られている。前駆体である四臭化ケイ素(SiBr)をRFプラズマ場で分解してSi原子を生成し,これを反応器内で核発生・成長させることで,ナノ粒子を生成させることができる。
シリコン量子ドットは、GSアライアンス株式会社、シグマ-アルドリッチ社などから市販されており、それらを使用することが可能である。市販されているシリコン量子ドットは、サイズが数Åから10nm以下の大きさであり、量子収率は約20~30%である。
シリコン量子ドットは、粒子径に応じた発光波長とすることができ、本発明では、緑色~黄色を得るための蛍光体、又は赤色を得るための蛍光体の両者に使用することができる。
シリコン量子ドットを固体ガラス中に分散させた蛍光体では、青色レーザダイオードの励起光である400nm~470nmの波長に対して、赤色光を発光させる場合、発光波長(ピーク波長)が610nm~640nmであることが好ましく、発光波長が620nm~640nmであることがより好ましい。また、緑色~黄色の光を発光させる場合、発光波長(ピーク波長)が520nm~560nmであることが好ましく、発光波長が530nm~550nmであることがより好ましい。
(ペロブスカイト型量子ドット)
ペロブスカイト型量子ドットは、ペロブスカイト結晶構造を有するものである。一般的にペロブスカイト結晶構造は、イオンA、イオンBおよびイオンXを用いたABXの組成式で表され、8つの頂点にイオンAが、6つの面の中心にイオンXが、格子の中心部分にイオンBが存在し、イオンBがイオンAより比較的小さいため、イオンBが動きやすいことに起因して正負の電荷の重心が分かれた状態になることができる。ペロブスカイト型量子ドットにおいて、イオンXはハロゲン原子(好ましくは、F、Cl、Br、I)であることが好ましく、イオンAはCsであることが好ましく、イオンBはPbであることが好ましい。
ペロブスカイト型量子ドットは、一般式(1):CsPbY(上記一般式(1)中、YおよびZはそれぞれ独立して、F、Cl、BrまたはIを表し、aおよびbはそれぞれ独立して、0以上3以下の実数を表し、a+b=3である。)であることが好ましい。また、CHNHPbX(X=Cl,Br,I)の組成であるものも使用できる。
ペロブスカイト型量子ドットは、赤色光を発光するペロブスカイト型量子ドットから選択される少なくとも1種の量子ドットを含むことが好ましい。量子ドットなどの発光用ナノ結晶の発光色は、量子ドットの粒子径と発光用ナノ結晶が有するエネルギーギャップとに依存するため、使用するペロブスカイト型量子ドットの種類とその粒子径を調整することにより発光色を選択することができる。
市販されているペロブスカイト型量子ドットは、ペロブスカイト型化合物をナノ結晶化したものであり、CHNHPbX、CsPbX(X=Cl,Br,I)が代表的な組成である。また、量子収率は約50~80%であり、半値幅は約18nm~39nmである。
ペロブスカイト型量子ドットを固体ガラス中に分散させた蛍光体では、青色レーザダイオードの励起光である400nm~470nmの波長に対して、赤色光を発光させる場合、発光波長(ピーク波長)が610nm~650nmであることが好ましく、発光波長が615nm~635nmであることがより好ましい。
(蛍光体の製造方法)
蛍光は、固体ガラスの合成時に量子ドットを分散させる方法、又は合成等によって得られた固体ガラスを微粉砕した後に、粉砕物中に量子ドットを分散させ固化させる方法などにより得ることができる。
後者の方法では、固体ガラスを平均粒径100nm~5000nmに微粉砕したものを使用することができ、量子ドットを分散させた混合物を、常法により適当な温度と圧力で固化することができる。
本発明では、量子ドットの均一分散性、光学特性などの観点から、合成時に量子ドットを分散させる方法が好ましく、金属アルコキシドの加水分解と重縮合(ゾル-ゲル法)によりシリカガラスを合成する際に、量子ドットを分散させる製造方法を用いることがより好ましい。以下、この製造方法について詳述する。
<ゾル-ゲル法による製造方法>
ゾル-ゲル法による製造方法は、シリカを主成分とする固体ガラスの前駆体と、その前駆体中に分散した量子ドットとを含有する分散液を得る分散工程と、前記前駆体をゾル-ゲル法より固化させて、固体ガラスとその固体ガラス中に分散した量子ドットとを含有する蛍光体組成物を得る反応工程と、を含むものである。
(分散工程)
分散工程は、シリカを主成分とする固体ガラスの前駆体と、その前駆体中に分散した量子ドットとを含有する分散液を得るものである。量子ドットの分散は、固体ガラスの前駆体の各成分とともに混合・撹拌すればよい。攪拌にはスターラー、攪拌羽根などを用いることができる。
量子ドットは、前述したものを使用できるが、水分散体を使用することが好ましい。水分散体における量子ドットの濃度は、分散性、固形化時の粒子収率の観点より、質量基準で0.01ppm~10ppmであることが好ましく、0.5ppm~5ppmであることがより好ましい。
量子ドットの含有量は、蛍光特性における適度な波長シフトを得ることと、適度な発光出力を得ることの観点から、蛍光体組成物中に0.0001~10質量%になるように添加することが好ましく、より好ましくは0.001~5質量%であり、更に好ましくは0.01~1質量%である。
固体ガラスの前駆体は、好ましくは、金属アルコキシド、アルコール、水、および酸触媒を含有する。金属アルコキシドとして、アルコキシシランのみを使用することも可能である。本発明では、得られる蛍光体のクラックや欠けの防止の観点から、分散工程で、多塩基酸を添加することが好ましい。
金属アルコキシドとしては、テトラアルコキシシラン(Si(OR))が使用され、テトラアルコキシジルコニウム(Zr(OR))、テトラアルコキシチタン(Ti(OR))、トリアルコキシアルミニウム(Al(OR))等が任意の成分として例示される。
上記のROはアルコキシ基であり、好ましくは、C1-4のアルコキシ基である。具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム等が例示される。金属アルコキシドは、これらのうち、一種又は二種以上を用いることができる。金属アルコキシドとしてテトラアルコキシシランを用いるのが好ましく、テトラエトキシシランがより好ましい。二種以上を混合する場合は、テトラエトキシシランを主成分(例えば、80モル%以上)とするのが好ましい。
なお、本発明においては、原料として金属アルコキシドを用いることが好ましいが、必要に応じて一般式:
-Si(OR’)4-m
(式中、Xは、アミノアルキル基、メルカプトアルキル基等、R’はC1-3のアルキル基、m=1,2又は3を示す)
で表されるオルガノアルコキシシランを添加しても良い。オルガノアルコキシシランとしては、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APS)、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)等が挙げられる。通常、金属アルコキシドとオルガノアルコキシシランのモル比は、100:0~90:10程度であればよい。
用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のC1-4のアルコールが挙げられる。使用する金属アルコキシドのアルコキシドに対応するアルコールを用いることが好ましい。例えば、金属アルコキシドとしてテトラエトキシシランを用いる場合、アルコールとしてエタノールが用いられる。
用いる酸触媒としては、塩酸、酢酸、硝酸等が挙げられる。酸の使用量は触媒量でよい。ゾル-ゲル法において酸を用いるのは、酸条件下では金属アルコキシドの加水分解は速いが続く脱水反応が遅いためである。なお、塩基を用いる場合には、金属アルコキシドの加水分解は遅いが続く脱水反応が速いため、ゲル化が急速に進行してしまう。
金属アルコキシド(オルガノアルコキシシランを含む場合は、オルガノアルコキシシランと金属アルコキシドの合計)、アルコール、及び水の配合量は、1:0.1~2:0.5~8程度のモル比であればよく、1:0.3~1:1~4程度のモル比であることが好ましい。酸は上述したように触媒量でよい。
多塩基酸としては、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、酒石酸、グルタミン酸、セバシン酸、ヘキサフルオロケイ酸などが挙げられる。この多塩基酸は、水和物として添加することも可能である。
多塩基酸の添加量としては、得られる蛍光体組成物中(固形分中)に0.00001~0.1質量%となるように添加することが好ましく、0.0001~0.05質量%がより好ましく、0.001~0.01質量%が更に好ましい。
多塩基酸の添加により、得られる蛍光体のクラックや欠けを抑制できる理由の詳細は不明であるが、-SiO結合に対するキレート効果や、OH基との反応による官能基の不活性化などによる、ゲル構造の変性などが考えられる。
上記各成分を混合する順序としては、最初に金属アルコキシドとアルコールを混合して完全に混和した後、水と量子ドット、多塩基酸を添加して混合することが好ましい。その後に、酸触媒を添加して、ゾル-ゲル法を開始させることが好ましい。
各成分の混合は、通常、15~80℃程度で5分~1時間程度撹拌すればよい。混合時の温度は、金属アルコキシドの種類等に応じて適宜選択できる。なお、テトラアルコキシシランを主成分とする二種以上の金属アルコキシドを混合する場合は、テトラアルコキシシランにアルコール、水及び触媒量の酸を加えて得られる加水分解溶液に、他の金属アルコキシドのアルコール溶液を滴下すればよい。
(反応工程)
反応工程は前駆体をゾル-ゲル法により固化させて、固体ガラスとその固体ガラス中に分散した量子ドットとを含有する蛍光体組成物を得るものである。この反応は所望の内面形状を有する型内で行なうことも可能である。
ゾル-ゲル法は、常温で行なうことも可能であるが、反応を促進する上で、加熱条件下で行なうのが好ましい。加熱温度としては、25℃~60℃が好ましく30℃~50℃がより好ましい。また、加熱条件を2段階以上に変化させて、段階的に昇温させることも可能である。
反応時間としては、常温の場合、3日~7日程度が好ましく、加熱条件下の場合、反応温度にもよるが、12時間~36時間程度が好ましい。より高温で、より長時間の反応を行なうことで、硬度及び比重がより大きい蛍光体を得ることができる。
また、生成するアルコールや水分を除去しながら、ゾル-ゲル法を行なってもよい。
また、金属アルコキシドの加水分解溶液に対して、pHを5.5~8.5に調製する工程を有していてもよい。上記の加水分解溶液は、酸触媒により液性が酸性にあるため、アルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)水溶液を用いてpHを5.5~8.5に調製すると、ゾル状の加水分解溶液の脱水縮合反応が促進されることになる。
本発明における蛍光体は、所望の内面形状を有する型内でゾル-ゲル法を行なうことで、製造することができる。なお、蛍光体は、型内で成形物を得た後、これを加工したものでもよい。また、インサート成形により、他の部材と一体的に形成したものでもよい。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
(1)蛍光スペクトルの測定
液体の試料については、測定用セルを使用し、蛍光体については、アルミニウムからなる反射層を表面に蒸着により設けた測定用試料を作成し、蛍光分光光度計(RF-5300PC、島津製作所製)を用いて蛍光スペクトルを測定した。このとき、各試料について、まず励起光による発光強度が最大になる励起光波長をスキャンして決定し、次いで決定した波長の励起光を用いて、試料の蛍光スペクトルを測定した。
(2)密度の測定
実施例1等と同様に作製した円板状の蛍光体を用いて、その体積(3.1cm)を水中投下して溢れた水の体積から求め、測定した蛍光体の質量(6g)を体積で除して求めた。
(3)量子収率
実施例1と同様にして製造した、0.01重量%のグラフェン量子ドットを分散させた蛍光体生成物を短冊状に切断し試料ホルダーに並べ、浜松ホトニクス社製のQuantaurus-QY絶対PL量子収率測定装置C11347を用いて測定を行ったところ、励起波長445nmの時58%の量子収率を得た。
<水分散体>(グラフェン量子ドット)
グラフェン量子ドットの水分散体(GSアライアンス株式会社製、グラフェン量子ドット、量子収率70%)について、前述した方法により励起光波長370nmで蛍光スペクトルを測定した。その結果、この水分散体の発光のピーク波長は445nmであり、半値幅は75nmであった。
<メタノール分散体>(シリコン量子ドット、赤色)
シリコン量子ドットのメタノール分散体(GSアライアンス株式会社製、シリコン量子ドット、量子収率40%)について、前述した方法により励起光波長420nmで蛍光スペクトルを測定した。その結果、このメタノール分散体の発光のピーク波長は625nmであり、半値幅は60nmであった。
<水分散体>(ペロブスカイト型量子ドット)
ペロブスカイト型量子ドットの有機系分散体(GSアライアンス株式会社製、ペロブスカイト型量子ドット、組成式CsPbX(X=Cl,Br,I)、量子収率60%)について、前述した方法により励起光波長460nmで蛍光スペクトルを測定した。その結果、この有機系分散体の発光のピーク波長は625nmであり、半値幅は40nmであった。この有機系分散体を用いて、シランカップリング剤と量子ドットとを反応させた後に溶剤を置換することで、原料として使用する水分散体を得た。
<実施例1>(グラフェン量子ドット2質量%)
Si(OC(TEOS):エタノール(COH):水(HO)のモル比が2:1:4の比率となるように、TEOSをポリプロピレンビーカーにテフロン(登録商標)製メスピペットを用いて秤量し、メスピペットを用いて秤量したエタノールを加え、室温(25℃)にてスターラーで撹拌し、完全に混和した後、グラフェン量子ドットの水分散体を水のモル比が4になるよう(量子ドット濃度は蛍光体中2質量%)と水とを加え(合計の水の比率を4とした)、さらに室温(25℃)で撹拌した。このとき、TEOS1モル(208.37g)に対して0.8mgのクエン酸水和物(C・HO)を加えた。この溶液に酸触媒である1M硝酸水溶液(HNO)を20ml添加し、ゲル化が開始するまで撹拌した。その後、底面が円形の容器に流し込み、室温(25℃)で60日間放置して、反応と乾燥を生じさせて、円板状(厚さ3mm、外径30mm)及びドーナツ状(厚さ3mm、外径30mm、内径10mmの円柱)の蛍光体を製造した。その際、エタノールの除去を適宜行なった。この蛍光体は、グラフェン量子ドットが均一に分散したものであり、クラック、欠けなどは存在しないものであった。
この蛍光体について、前述した方法により励起光波長460nmで蛍光スペクトルを測定した結果を図5に示した。発光のピーク波長は540nmであり、半値幅は75nmであった。このように、使用したグラフェン量子ドットの水分散体の蛍光特性と比較して、100nm近い波長シフトが見られた。また、この蛍光体を200℃の大気炉中に24時間放置し、加熱前後の発光強度の比較を行ったところ、発光強度の変化がないことが確認できた。つまり、十分な耐熱性があることが確認できた。
<実施例2>(グラフェン量子ドット0.1質量%)
実施例1において、グラフェン量子ドットの濃度を2質量%とする代わりに、蛍光体中に0.1質量%となるようにグラフェン量子ドットの水分散体を混合したこと以外は、実施例1と同じ条件で同じ形状の蛍光体を製造した。この蛍光体はグラフェン量子ドットが均一に分散したものであり、クラック、欠けなどは存在しないものであった。
この蛍光体について、前述した方法により励起光波長445nmで蛍光スペクトルを測定した結果、発光のピーク波長は515nmであり、半値幅は80nmであった。このように、使用したグラフェン量子ドットの水分散体の蛍光特性と比較して、50nm以上の波長シフトが見られた。また、実施例1との対比より、グラフェン量子ドットの濃度変化により、波長シフト量が変化することが分かった。
<実施例3>(シリコン量子ドット、赤色)
実施例1において、グラフェン量子ドットの水分散体を用いる代わりに、シリコン量子ドットのメタノール分散体をメタノールのモル比が2になるよう(量子ドット濃度は蛍光体中0.5質量%)用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で同じ形状の蛍光体を製造した。つまり、Si(OC(TEOS):エタノール(COH):水(HO):メタノールのモル比が2:1:4:2の比率となるように、原料を使用した。この蛍光体はシリコン量子ドットが均一に分散したものであり、クラック、欠けなどは存在しないものであった。
この蛍光体について、前述した方法により励起光波長420nmで蛍光スペクトルを測定した結果を図6に示した。発光のピーク波長は625nmであり、半値幅は60nmであった。
<実施例4>(200℃加熱)
実施例1において、室温(25℃)で60日間放置する代わりに、加熱装置中で70℃14日加熱した後、200℃で20時間加熱したこと以外は、実施例1と同じ条件で同じ形状の蛍光体を製造した。この蛍光体はグラフェン量子ドットが均一に分散したものであり、クラック、欠けなどは存在しないものであった。
この蛍光体について、前述した方法により励起光波長445nmで蛍光スペクトルを測定した結果、実施例1と同じ蛍光特性を示すことが分かった。また、実施例1の蛍光体が密度2.0g/cmであるのに対して、得られた蛍光体の密度は1.8g/cmであった。
<実施例5>(クエン酸添加なし)
実施例1において、クエン酸水和物(C・HO)を加えないこと以外は、実施例1と同じ条件で蛍光体を製造した。このとき、実施例1と同じ形状にすると、クラックが生じ易くなるため、原料の混合後に少量の混合物を用いて(組成は同じ)、厚さ5mmの薄膜状の蛍光体を作成した。この蛍光体はグラフェン量子ドットが均一に分散したものであり、クラック、欠けなどは存在しないものであった。
この蛍光体について、前述した方法により励起光波長445nmで蛍光スペクトルを測定した結果、実施例1と同じ蛍光特性を示すことが分かった。また、実施例1の蛍光体が密度2.0g/cmであるのに対して、得られた蛍光体の密度は1.8g/cmであった。
<実施例6>(ペロブスカイト型量子ドット)
実施例1において、グラフェン量子ドットの水分散体を用いる代わりに、ペロブスカイト型量子ドットの水分散体を水のモル比が同じになるように用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で同じ形状の蛍光体を製造した。この蛍光体はシリコン量子ドットが均一に分散したものであり、クラック、欠けなどは存在しないものであった。
この蛍光体について、前述した方法により励起光波長460nmで蛍光スペクトルを測定した結果を図7に示した。発光のピーク波長は630nmであり、半値幅は30nmであった。
1 光源装置
2 励起光源
3 蛍光ホイール
31 蛍光体
32 励起光反射防止膜
33 励起光反射膜
34 反射部
4 分波光学素子
5 駆動装置
L1 励起光
L2 変換光

Claims (10)

  1. 励起光を変換光に変換する領域を有する透過型又は反射型の蛍光ホイールであって、
    シリカを主成分とする固体ガラスと前記固体ガラス中に分散した量子ドットとを含有し、円板状又はドーナツ板状の蛍光体を備える、蛍光ホイール。
  2. 前記蛍光ホイールは透過型であり、
    前記蛍光体の前記励起光の入射側には、励起光反射防止膜が設けられ、
    前記蛍光体の前記励起光の出射側には、励起光反射膜が設けられている、請求項1に記載の蛍光ホイール。
  3. 前記蛍光ホイールは反射型であり、
    前記蛍光体の前記励起光の反射側には、反射部が設けられ、
    前記蛍光体の前記励起光の入射側には、励起光反射防止膜が設けられている、請求項1に記載の蛍光ホイール。
  4. 前記蛍光体は、前記変換光の波長が異なる2種以上の蛍光体からなり、前記2種以上の蛍光体が同心円状に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の蛍光ホイール。
  5. 前記蛍光体は、ゾル-ゲル法により固化された固体ガラス中に、前記量子ドットが分散したものである、請求項1~4のいずれか1項に記載の蛍光ホイール。
  6. 前記励起光を照射する励起光源と、
    照射された前記励起光を受ける請求項1~5のいずれか1項に記載の蛍光ホイールと、を備える、光源装置。
  7. 前記励起光の波長は、400nm~470nmであり、
    前記変換光の波長は、470~700nmである、請求項6に記載の光源装置。
  8. 前記蛍光ホイールを回転させる駆動装置を備える、請求項6又は7に記載の光源装置。
  9. 前記蛍光ホイールを冷却する冷却機構を備える、請求項6~8のいずれか1項に記載の光源装置。
  10. 前記励起光源と前記蛍光ホイールとの間に分波光学素子を備える、請求項6~9のいずれか1項に記載の光源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024101182A1 (ja) * 2022-11-11 2024-05-16 信越化学工業株式会社 感光性樹脂組成物、感光性樹脂皮膜、感光性ドライフィルム、パターン形成方法及び発光素子

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