JP2022024284A - 異常検出装置 - Google Patents

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Kazuki Sasaki
章吾 山本
Shogo Yamamoto
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Abstract

【課題】新規な方法で検出装置の異常を検出することができる異常検出装置を提供する。【解決手段】異常検出装置は、n種類の検出装置の検出値から異なる(n―1)個を選択する組合せ毎に、当該組合せの検出値を入力とし、n種類の検出装置の全ての検出値が推定可能となる推定値を演算するn個のオブザーバと、オブザーバ毎に設けられかつ検出装置の異常を判定するための判定値を演算する複数の判定値演算部と、複数の判定値演算部によって演算される判定値に基づき、異常となった検出装置を特定する異常個所特定部とを備える。異常個所特定部は、複数の判定値演算部によって演算された判定値のうち、所定閾値未満の判定値が1つだけ存在する場合、当該閾値以下の判定値に対応するオブザーバに入力されている検出値以外の検出値を検出する検出装置が異常であると判定する。【選択図】図3

Description

この発明は、異常検出装置に関する。
特許文献1には、前後輪舵角センサ、ヨーレイトセンサおよび横加速度センサの故障を検出する故障検出装置が開示されている。具体的には、前後輪舵角センサによって検出される前後輪実舵角に基づいて、ヨーレイト推定値と横加速度推定値を演算する。そして、これらの推定値と、ヨーレイトセンサにより検出されるヨーレイトと、横加速度センサにより検出される横加速度とを比較することにより、前後輪舵角センサ、ヨーレイトセンサおよび横加速度センサの内のいずれのセンサが故障しているかを判定する。
特開平4-252776号公報
この発明の目的は、新規な方法で検出装置の異常を検出することができる異常検出装置を提供することである。
この発明の一実施形態は、n(nは3以上の整数)種類の検出装置と、前記n種類の検出装置の検出値から異なる(n―1)個を選択する組合せ毎に、当該組合せの検出値を入力とし、前記n種類の検出装置の全ての検出値が推定可能となる推定値を演算するn個のオブザーバと、前記オブザーバ毎に設けられかつ前記検出装置の異常を判定するための判定値を演算する複数の判定値演算部と、前記複数の判定値演算部によって演算される判定値に基づき、異常となった検出装置を特定する異常個所特定部とを備え、前記複数の判定値演算部は、対応する前記オブザーバに入力される(n―1)個の検出値とその推定値との差分値とに基づき前記判定値を演算し、前記異常個所特定部は、前記複数の判定値演算部によって演算された判定値のうち、所定閾値未満の判定値が1つだけ存在する場合、当該閾値以下の判定値に対応するオブザーバに入力されている検出値以外の検出値を検出する検出装置が異常であると判定する、異常検出装置を提供する。
この構成では、新規な方法で検出装置の異常を検出することができる。
この発明の一実施形態では、前記各オブザーバは、外乱やモデル化誤差を含む外乱トルクを状態変数に持つ拡張状態オブザーバである。
この発明の一実施形態は、前記判定値は、ユークリードノルムである。
この発明の一実施形態は、前記異常個所特定部によって1つの検出装置が異常であると判定された場合、前記閾値以下の判定値に対応するオブザーバによって推定された推定値に基づき、異常であると判定された検出装置の検出値の代替値を演算する代替値演算部をさらに備える。
この発明の一実施形態は、前記n種類の検出装置が、電動パワーステアリング装置に用いられている3種類の検出装置からなり、前記3種類の検出装置は、ステアリングホイールの回転角度である操舵角を検出するための舵角センサと、トーションバートルクを検出するためのトルクセンサと、電動モータのロータ回転角に応じた角度を検出するための回転角センサとからなり、前記オブザーバは、操舵角およびトーションバートルクが入力され、少なくともロータ回転角に応じた角度および操舵角を推定する第1オブザーバと、ロータ回転角に応じた角度および操舵角が入力され、少なくともロータ回転角に応じた角度および操舵角を推定する第2オブザーバと、ロータ回転角に応じた角度およびトーションバートルクが入力され、少なくともロータ回転角に応じた角度および操舵角を推定する第3オブザーバとを含む。
本発明の一実施形態に係る異常検出装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、ECUの電気的構成を示すブロック図である。 図3は、センサ異常検出部の電気的構成を示すブロック図である。 図4は、電動パワーステアリング装置の2慣性モデルを示す模式図である。 図5は、第1オブザーバの構成を示すブロック図である。 図6Aは第2オブザーバの構成を示すブロック図であり、図6Bは第3オブザーバの構成を示すブロック図である。 図7は、異常診断部の動作を説明するための表である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
[1]電動パワーステアリングシステムの概略構成
図1は、本発明の一実施形態に係る異常検出装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
この電動パワーステアリング装置(操舵装置)1は、コラム部に電動モータと減速機とが配置されているコラムアシスト式電動パワーステアリング装置である。
電動パワーステアリング装置1は、車両を操向するための操舵部材としてのステアリングホイール(ハンドル)2と、このステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6、第1ユニバーサルジョイント28、中間軸7および第2ユニバーサルジョイント29を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された第1軸8と、第1ユニバーサルジョイント28を介して中間軸7に連結された第2軸9とを含む。第1軸8と第2軸9とは、トーションバー10を介して相対回転可能に連結されている。
第1軸8の周囲には、操舵角θswを検出するための舵角センサ23が配置されている。この実施形態では、舵角センサ23は、ハンドル2の中立位置(操舵中立位置)からのステアリングシャフト6の正逆両方向の回転量(回転角)を検出するものであり、操舵中立位置から左方向への回転量を例えば正の値として出力し、操舵中立位置から右方向への回転量を例えば負の値として出力する。
ステアリングシャフト6の周囲には、トルクセンサ24が設けられている。トルクセンサ24は、第1軸8および第2軸9の相対回転変位量に基づいて、トーションバー10に加えられているトーションバートルクTtbを検出する。トルクセンサ24によって検出されるトーションバートルクTtbは、例えば、左方向への操舵のためのトルクが正の値として検出され、右方向への操舵のためのトルクが負の値として検出され、その絶対値が大きいほどトーションバートルクTtbの大きさが大きくなる。
転舵機構4は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラック軸14とを含むラック&ピニオン機構からなる。ラック軸14の各端部には、タイロッド15およびナックルアーム(図示略)を介して転舵輪3が連結されている。ピニオン軸13は、第2ユニバーサルジョイント29を介して中間軸7に連結されている。ピニオン軸13の先端には、ピニオン16が連結されている。
ラック軸14は、車両の左右方向に沿って直線状に延びている。ラック軸14の軸方向の中間部には、ピニオン16に噛み合うラック17が形成されている。このピニオン16およびラック17によってラックアンドピニオン機構が構成され、ピニオン軸13の回転がラック軸14の軸方向移動に変換される。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン16およびラック17によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
操舵補助機構5は、操舵補助力を発生するための電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを増幅して転舵機構4に伝達するための減速機19とを含む。この実施形態では、電動モータ18は、三相ブラシレスモータである。電動モータ18のロータの回転角(以下、「ロータ回転角θ」という。)は、レゾルバ等の回転角センサ25によって検出される。
減速機19は、ウォームギヤ20と、このウォームギヤ20と噛み合うウォームホイール21とを含むウォームギヤ機構からなる。減速機19は、ギヤハウジング22内に収容されている。以下において、減速機19の減速比(ギヤ比)をiで表す。減速比iは、ウォームホイール21の回転角であるウォームホイール角(以下、「コラム角θ」という。)に対するウォームギヤ20の回転角であるウォームギヤ角の比として定義される。コラム角θは、ロータ回転角θを減速比iで除算することにより演算することができる。減速比iは、本発明における「ロータ回転角に応じた角度」の一例である。
ウォームギヤ20は、電動モータ18によって回転駆動される。ウォームホイール21は、第2軸9に一体回転可能に連結されている。
電動モータ18によってウォームギヤ20が回転駆動されると、ウォームホイール21が回転駆動され、ステアリングシャフト6にモータトルクが付与されることによりステアリングシャフト6(第2軸9)が回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。
ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォームギヤ20を回転駆動することによって、電動モータ18による操舵補助が可能となっている。
舵角センサ23によって検出される操舵角θsw、トルクセンサ24によって検出されるトーションバートルクTtbおよび回転角センサ25の出力信号は、ECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)12に入力される。ECU12は、これらの入力信号に基づいて、電動モータ18を制御する。
[2]ECU12の電気的構成
図2は、ECU12の電気的構成を示すブロック図である。
ECU12は、マイクロコンピュータ41と、マイクロコンピュータ41によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(3相インバータ回路)42と、電動モータ18に流れる電流(以下、「モータ電流I」という。)を検出するための電流検出部43を備えている。
マイクロコンピュータ40は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、回転角演算部51と、モータ制御部52と、センサ異常検出部53とが含まれる。
回転角演算部51は、回転角センサ25の出力信号に基づいて、電動モータ18のロータ回転角θを演算する。
モータ制御部52は、舵角センサ23によって検出される操舵角θsw、トルクセンサ24によって検出されるトーションバートルクTtb、電流検出部43によって検出されるモータ電流Iおよび回転角演算部51によって演算されるロータ回転角θに基づいて、駆動回路42を駆動制御する。
具体的には、モータ制御部52は、操舵角θswおよびトーションバートルクTtbに基づいて、電動モータ18に流れるモータ電流Iの目標値である電流指令値を設定する。電流指令値は、車両状態および操舵状況に応じた操舵補助力(アシストトルク)の目標値に対応している。そして、モータ制御部52は、電流検出部43によって検出されるモータ電流Iが電流指令値に近づくように、駆動回路42を駆動制御する。これにより、車両状態および操舵状況に応じた適切な操舵補助が実現される。
センサ異常検出部53は、操舵角θsw、トーションバートルクTtb、モータ電流Iおよびロータ回転角θに基づいて、舵角センサ23、トルクセンサ24および回転角センサ25の異常を検出する。センサ異常検出部53は、これらのセンサのうちのいずれか1つの異常を検出した場合には、当該センサのセンサ値の代替値を演算して、モータ制御部52に与える。モータ制御部52は、センサ異常検出部53から与えられた代替値を、異常なセンサのセンサ値の代わりに用いて、駆動回路42を駆動制御する。
[3]センサ異常検出部53の構成
図3は、センサ異常検出部53の電気的構成を示すブロック図である。
センサ異常検出部53は、モータトルク演算部61と、コラム角度演算部62と、第1~第3拡張状態オブザーバ63~65と、第1~第3ユークリッドノルム演算部66~68と、異常診断部69と、センサ代替値演算部70とを含む。
第1~第3拡張状態オブザーバ63~65は、本発明の「オブザーバ」の一例である。第1~第3ユークリッドノルム演算部66~68は、本発明の「判定値演算部」の一例である。異常診断部69は、本発明の「異常個所特定部」の一例である。
[3-1]モータトルク演算部61およびコラム角度演算部62
モータトルク演算部61は、電流検出部43(図2参照)によって検出されるモータ電流Iに電動モータ18のトルク定数Kを乗算することにより、モータトルクTを演算する。
コラム角度演算部62は、回転角演算部51(図2参照)によって演算されるロータ回転角θを減速比iで除算することにより、コラム角度θを演算する。
[3-2]第1拡張状態オブザーバ63
第1拡張状態オブザーバ(以下、「第1オブザーバ63」という。)は、モータトルク演算部61(図2参照)によって演算されるモータトルクT、舵角センサ23(図1参照)によって検出される操舵角θswおよびトルクセンサ24(図1参照)によって検出されるトーションバートルクTに基づいて、操舵角θsw、コラム角度θ等を推定する。
第1オブザーバ63は、例えば、図4に示す電動パワーステアリング装置1の2慣性モデル200を使用して、操舵角θsw、操舵角速度dθsw/dt、コラム角度θ、コラム角速度dθ/dt、第1外乱トルクTd1および第2外乱トルクTd2を推定する。以下において、操舵角θsw、操舵角速度dθsw/dt、コラム角度θ、コラム角速度dθ/dt、第1外乱トルクTd1および第2外乱トルクTd2の推定値を、それぞれ、^θsw、^dθsw/dt、^θ、^dθ/dt、^Td1および^Td2で表す。
この2慣性モデル200は、ステアリングホイール部201と、コラム部202と含む。図4において、Jswはステアリングホイール部201の慣性であり、Jは、コラム部202の慣性である。コラム部202の慣性は、各部の連結は剛体として仮定し、第2軸9およびウォームホイール21の慣性、電動モータ18のロータ慣性、ウォームギヤ20の慣性、インターミディエイトシャフト(第1,2ユニバーサルジョイント28,29と中間軸7)の慣性、ピニオン軸13の慣性、ラック軸14の質量(ピニオン軸13換算の慣性)を合計した慣性である。
ステアリングホイール部201には、第1外乱トルクTd1が与えられる。第1外乱トルクTd1は、ステアリングホイール2に加えられるドライバートルク、ステアリングホイール2とそれを支持する支持部材との間の摩擦トルク等の外乱やモデル化誤差等を含む。
コラム部202には、ステアリングホイール部201からトーションバー10を介して、トーションバートルクTtb(=ktb(θsw-θ))が与えられる。ktbは、トーションバー10のばね定数である。また、コラム部102には、モータトルクTが与えられるとともに第2外乱トルクTd2が与えられる。第2外乱トルクTd2は、セルフアライニングトルク、トルク減速機19で発生する摩擦トルク、ラック&ピニオン機構16,17で発生する摩擦トルク等の外乱やモデル化誤差等を含む。
第1オブザーバ63のオブザーバモデルは、次式(1)で表される。
Figure 2022024284000002
式(1)において、^xは状態変数ベクトルxの推定値、uは既知入力ベクトル、Lはオブザーバゲイン行列、yは出力ベクトル(測定値)、^yはyの推定値、Aはシステム行列、Bは入力行列、Cは出力行列である。また、(y-^y)は推定誤差rである。
^x、y、uおよびrは、それぞれ、次式(2)で表される。
Figure 2022024284000003
、BおよびCは、それぞれ、次式(3)で表される。
Figure 2022024284000004
図5は、第1オブザーバ63の構成を示すブロック図である。
第1オブザーバ63は、出力ベクトル生成部81と、A乗算部82と、B乗算部83と、C乗算部84と、第1加算部85と、L乗算部86と、第2加算部87と、第3加算部88と、積分部89とを含む。
舵角センサ23によって検出される操舵角θswおよびトルクセンサ24によって検出されるトーションバートルクTtbは、出力ベクトル生成部81に与えられる。出力ベクトル生成部81は、操舵角θswおよびトーションバートルクTtbに基づいて、前記式(1)の出力ベクトルyを生成して、第1加算部85に与える。
モータトルク演算部61によって演算されるモータトルクTは、前記式(1)の入力ベクトルuに相当し、B乗算部83に与えられる。
積分部89の演算結果が、状態変数ベクトルxの推定値^xに含まれる推定値^θsw、^dθsw/dt、^θ、^dθ/dt、^Td1および^Td2となる。演算開始時、これらの推定値^θsw、^dθsw/dt、^θ、^dθ/dt、^Td1および^Td2の初期値は、例えば0である。
乗算部84は、積分部89によって演算される^xにCを乗算することにより、前記式(1)の出力ベクトルの推定値^y(=C・^x)を演算する。この実施形態では、^yは、操舵角θswの推定値^θswおよびトーションバートルクTtbの推定値^Ttbを含む。
乗算部82は、積分部89によって演算される^xにAを乗算することにより、前記式(1)のA・^xを演算する。B乗算部83は、TにBを乗算することにより、前記式(1)のB・uを演算する。
第1加算部85は、出力ベクトルの測定値yから、C乗算部84によって演算される出力ベクトルの推定値^yを減算することにより、これらの差(y-^y)を演算する。つまり、第1加算部85は推定誤差rを演算する。
乗算部86は、第1加算部85の演算結果(y-^y)にオブザーバゲイン行列Lを乗算することにより、前記式(1)のL(y-^y)を演算する。
第2加算部87は、B乗算部83の演算結果B・uとL乗算部86の演算結果L(y-^y)を加算する。第3加算部88は、第2加算部87の演算結果と、A乗算部82の演算結果A・^xを加算することにより、前記式(1)のd^x/dtを演算する。積分部89は、d^x/dtを積分することによって、前記式(1)の^xを演算する。
[3-3]第2拡張状態オブザーバ64
第2拡張状態オブザーバ(以下、「第2オブザーバ64」という。)は、モータトルク演算部61(図2参照)によって演算されるモータトルクT、舵角センサ23(図1参照)によって検出される操舵角θswおよびコラム角度演算部62(図2参照)によって演算されるコラム角度θに基づいて、操舵角θsw、コラム角度θ等を推定する。
第2オブザーバ64は、例えば、前述の2慣性モデル200(図4参照)を使用して、操舵角θsw、操舵角速度dθsw/dt、コラム角度θ、コラム角速度dθ/dt、第1外乱トルクTd1および第2外乱トルクTd2を推定する。
第2オブザーバ64のオブザーバモデルは、次式(4)で表される。
Figure 2022024284000005
式(4)において、^xは状態変数ベクトルxの推定値、uは既知入力ベクトル、Lはオブザーバゲイン行列、yは出力ベクトル(測定値)、^yはyの推定値、Aはシステム行列、Bは入力行列、Cは出力行列である。また、(y-^y)は推定誤差rである。
^x、y、uおよびrは、それぞれ、次式(5)で表される。
Figure 2022024284000006
、BおよびCは、それぞれ、次式(6)で表される。
Figure 2022024284000007
図6Aは、第2オブザーバ64の構成を示すブロック図である。
第2オブザーバ64は、出力ベクトル生成部91と、A乗算部92と、B乗算部93と、C乗算部94と、第1加算部95と、L乗算部96と、第2加算部97と、第3加算部98と、積分部99とを含む。
舵角センサ23によって検出される操舵角θswおよびコラム角度演算部62によって検出されるコラム角度θは、出力ベクトル生成部91に与えられる。出力ベクトル生成部91は、操舵角θswおよびコラム角度θに基づいて、前記式(4)の出力ベクトルyを生成して、第1加算部95に与える。
モータトルク演算部61によって演算されるモータトルクTは、前記式(4)の入力ベクトルuに相当し、B乗算部93に与えられる。
積分部99の演算結果が、状態変数ベクトルxの推定値^xに含まれる推定値^θsw、^dθsw/dt、^θ、^dθ/dt、^Td1および^Td2となる。演算開始時、これらの推定値^θsw、^dθsw/dt、^θ、^dθ/dt、^Td1および^Td2の初期値は、例えば0である。
乗算部94は、積分部99によって演算される^xにCを乗算することにより、前記式(4)の出力ベクトルの推定値^y(=C・^x)を演算する。この実施形態では、^yは、操舵角θswの推定値^θswおよびコラム角度θの推定値^θを含む。
乗算部92は、積分部99によって演算される^xにAを乗算することにより、前記式(4)のA・^xを演算する。B乗算部93は、TにBを乗算することにより、前記式(4)のB・uを演算する。
第1加算部95は、出力ベクトルの測定値yから、C乗算部94によって演算される出力ベクトルの推定値^yを減算することにより、これらの差(y-^y)を演算する。つまり、第1加算部95は推定誤差rを演算する。
乗算部96は、第1加算部95の演算結果(y-^y)にオブザーバゲイン行列Lを乗算することにより、前記式(4)のL(y-^y)を演算する。
第2加算部97は、B乗算部93の演算結果B・uとL乗算部96の演算結果L(y-^y)を加算する。第3加算部98は、第2加算部97の演算結果と、A乗算部92の演算結果A・^xを加算することにより、前記式(4)のd^x/dtを演算する。積分部99は、d^x/dtを積分することによって、前記式(4)の^xを演算する。
[3-4]第3拡張状態オブザーバ65
第3拡張状態オブザーバ(以下、「第3オブザーバ65」という。)は、モータトルク演算部61(図2参照)によって演算されるモータトルクT、トルクセンサ24(図1参照)によって検出されるトーションバートルクTtbおよびコラム角度演算部62(図2参照)によって演算されるコラム角度θに基づいて、操舵角θsw、コラム角度θ等を推定する。
第3オブザーバ65は、例えば、前述の2慣性モデル200(図4参照)を使用して、操舵角θsw、操舵角速度dθsw/dt、コラム角度θ、コラム角速度dθ/dt、第1外乱トルクTd1および第2外乱トルクTd2を推定する。
第3オブザーバ65のオブザーバモデルは、次式(7)で表される。
Figure 2022024284000008
式(7)において、^xは状態変数ベクトルxの推定値、uは既知入力ベクトル、Lはオブザーバゲイン行列、yは出力ベクトル(測定値)、^yはyの推定値、Aはシステム行列、Bは入力行列、Cは出力行列である。また、(y-^y)は推定誤差rである。
^x、y、uおよびrは、それぞれ、次式(8)で表される。
Figure 2022024284000009
、BおよびCは、それぞれ、次式(9)で表される。
Figure 2022024284000010
図6Bは、第3オブザーバ65の構成を示すブロック図である。
第3オブザーバ65は、出力ベクトル生成部101と、A乗算部102と、B乗算部103と、C乗算部104と、第1加算部105と、L乗算部106と、第2加算部107と、第3加算部108と、積分部109とを含む。
トルクセンサ24によって検出されるトーションバートルクTtbおよびコラム角度演算部62によって検出されるコラム角度θは、出力ベクトル生成部101に与えられる。出力ベクトル生成部101は、トーションバートルクTtbおよびコラム角度θに基づいて、前記式(7)の出力ベクトルyを生成して、第1加算部105に与える。
モータトルク演算部61によって演算されるモータトルクTは、前記式(7)の入力ベクトルuに相当し、B乗算部103に与えられる。
積分部109の演算結果が、状態変数ベクトルxの推定値^xに含まれる推定値^θsw、^dθsw/dt、^θ、^dθ/dt、^Td1および^Td2となる。演算開始時、これらの推定値^θsw、^dθsw/dt、^θ、^dθ/dt、^Td1および^Td2の初期値は、例えば0である。
乗算部104は、積分部109によって演算される^xにCを乗算することにより、前記式(7)の出力ベクトルの推定値^y(=C・^x)を演算する。この実施形態では、^yは、トーションバートルクTtbの推定値^Ttbおよびコラム角度θの推定値^θを含む。
乗算部102は、積分部109によって演算される^xにAを乗算することにより、前記式(7)のA・^xを演算する。B乗算部103は、TにBを乗算することにより、前記式(7)のB・uを演算する。
第1加算部105は、出力ベクトルの測定値yから、C乗算部104によって演算される出力ベクトルの推定値^yを減算することにより、これらの差(y-^y)を演算する。つまり、第1加算部105は推定誤差rを演算する
乗算部106は、第1加算部105の演算結果(y-^y)にオブザーバゲイン行列Lを乗算することにより、前記式(7)のL(y-^y)を演算する。
第2加算部107は、B乗算部103の演算結果B・uとL乗算部106の演算結果L(y-^y)を加算する。第3加算部108は、第2加算部107の演算結果と、A乗算部102の演算結果A・^xを加算することにより、前記式(7)のd^x/dtを演算する。積分部109は、d^x/dtを積分することによって、前記式(7)の^xを演算する。
[3-5]第1~第3ユークリッドノルム演算部66~68
第1ユークリッドノルム演算部66は、次式(10)に基づいて、第1ユークリッドノルム||r||を演算する。
Figure 2022024284000011
第2ユークリッドノルム演算部67は、次式(11)に基づいて、第2ユークリッドノルム||r||を演算する。
Figure 2022024284000012
第3ユークリッドノルム演算部68は、次式(12)に基づいて、第3ユークリッドノルム||r||を演算する。
Figure 2022024284000013
[3-6]異常診断部69
異常診断部69は、第1ユークリッドノルム||r||、第2ユークリッドノルム||r||および第3ユークリッドノルム||r||に基づいて、舵角センサ23、トルクセンサ24または回転角センサ25に異常が発生しているか否かを診断する。
具体的には、異常診断部69は、第1ユークリッドノルム||r||、第2ユークリッドノルム||r||および第3ユークリッドノルム||r||毎に、そのユークリッドノルムが閾値Aを超過しているか否か判定する。そして、異常診断部69は、その判定結果に基づいて、センサの診断を行う。なお、閾値Aは、予め設定された、0より大きな所定値である。
より具体的には、図7の表に示すように、第1、第2および第3ユークリッドノルム||r||、||r||および||r||の全てが閾値Aを超過していない場合には、異常診断部69は、全てのセンサ23、24および25が正常であると判定する。
第1および第2ユークリッドノルム||r||および||r||が閾値Aを超過しており、第3ユークリッドノルム||r||が閾値Aを超過していない場合には、舵角センサ23が異常であると判定する。これは、||r||および||r||の演算には、θswが使用されているが、||r||の演算には、θswが使用されていないからである。
第1および第3ユークリッドノルム||r||および||r||が閾値Aを超過しており、第2ユークリッドノルム||r||が閾値Aを超過していない場合には、トルクセンサ24が異常であると判定する。これは、||r||および||r||の演算には、Ttbが使用されているが、||r||の演算には、Ttbが使用されていないからである。
第2および第3ユークリッドノルム||r||および||r||が閾値Aを超過しており、第1ユークリッドノルム||r||が閾値Aを超過していない場合には、回転角センサ25が異常であると判定する。これは、||r||および||r||の演算には、θから演算されるθが使用されているが、||r||の演算には、θが使用されていないからである。
[3-7]センサ代替値演算部70
以下において、第1オブザーバ63、第2オブザーバ64および第3オブザーバ65によって推定された操舵角^θsw、^θswおよび^θswを、それぞれ^θsw1、^θsw2および^θsw3という場合がある。同様に、第1オブザーバ63、第2オブザーバ64および第3オブザーバ65によって推定されたコラム角度^θ、^θおよび^θを、それぞれ^θc1、^θc2および^θc3という場合がある。
センサ代替値演算部70は、第1オブザーバ63、第2オブザーバ64および第3オブザーバ65によって推定された、操舵角^θsw1、^θsw2および^θsw3ならびにコラム角度^θc1、^θc2および^θc3と、異常診断部69の診断結果とに基づいて、センサ代替値を演算する。
センサ代替値演算部70は、異常診断部69によって全てセンサ23、24、25が正常であると判定されている場合には、センサ代替値を演算しない。
異常診断部69によって舵角センサ23が異常であると判定された場合には、センサ代替値演算部70は、次式(13)に基づいて、操舵角代替値θswを演算する。操舵角代替値θswの演算には、ユークリッドノルムが閾値Aを超過していない第3オブザーバ65によって推定された操舵角^θsw3が用いられる。操舵角代替値θswは、モータ制御部52に与えられ、操舵角θswの代替値として使用される。
Figure 2022024284000014
異常診断部69によってトルクセンサ24が異常であると判定された場合には、センサ代替値演算部70は、次式(14)に基づいて、トーションバートルク代替値tbを演算する。トーションバートルク代替値tbの演算には、ユークリッドノルムが閾値Aを超過していない第2オブザーバ64によって推定された操舵角^θsw2およびコラム角^θc2が用いられる。トーションバートルク代替値tbは、モータ制御部52に与えられ、トーションバートルクTtbの代替値として使用される。
Figure 2022024284000015
異常診断部69によって回転角センサ25が異常であると判定された場合には、センサ代替値演算部70は、次式(15)に基づいて、ロータ回転角代替値θを演算する。ロータ回転角代替値θの演算には、ユークリッドノルムが閾値Aを超過していない第1オブザーバ63によって推定されたコラム角^θc1が用いられる。ロータ回転角代替値θは、モータ制御部52に与えられ、ロータ回転角θの代替値として使用される。
Figure 2022024284000016
本実施形態では、センサを2重系にしなくても、センサが故障した場合に代替値を演算できるので、センサを2重系にする場合に比べてコストを低減できる。また、外乱やモデル化誤差等を拡張状態として推定しているので、外乱やモデル化誤差が存在する実際の環境においても、問題なく動作可能である。
前述の実施形態では、異常判定の対象となるセンサの数は3つであったが、異常判定の対象となるセンサの数は4つ以上であってもよい。
前述の実施形態では、この発明を電動パワーステアリング装置に適用した例を示したが、この発明は、電動パワーステアリング装置以外の装置にも適用することができる。
また、前述の実施形態では、この発明をコラム式EPSに適用した例を示したが、この発明は、電動モータの出力がラック軸に付与されるラックアシスト式EPS等のコラム式EPS以外のEPSにも適用することができる。また、この発明は、ステアバイワイヤシステムにも適用することができる。
その他、この発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…電動パワーステアリング装置、3…転舵輪、4…転舵機構、18…電動モータ、19…減速機、23…舵角センサ、24…トルクセンサ、25…回転角センサ、51…回転角演算部、52…モータ制御部、53…センサ異常検出部、61…モータトルク演算部、62…コラム角度演算部、63~65…第1~第3拡張状態オブザーバ、66~68…第1~第3ユークリッドノルム演算部、69…異常診断部、70…センサ代替値演算部

Claims (5)

  1. n(nは3以上の整数)種類の検出装置と、
    前記n種類の検出装置の検出値から異なる(n―1)個を選択する組合せ毎に、当該組合せの検出値を入力とし、前記n種類の検出装置の全ての検出値が推定可能となる推定値を演算するn個のオブザーバと、
    前記オブザーバ毎に設けられかつ前記検出装置の異常を判定するための判定値を演算する複数の判定値演算部と、
    前記複数の判定値演算部によって演算される判定値に基づき、異常となった検出装置を特定する異常個所特定部とを備え、
    前記複数の判定値演算部は、対応する前記オブザーバに入力される(n―1)個の検出値とその推定値との差分値とに基づき前記判定値を演算し、
    前記異常個所特定部は、前記複数の判定値演算部によって演算された判定値のうち、所定閾値未満の判定値が1つだけ存在する場合、当該閾値以下の判定値に対応するオブザーバに入力されている検出値以外の検出値を検出する検出装置が異常であると判定する、異常検出装置。
  2. 前記各オブザーバは、外乱やモデル化誤差を含む外乱トルクを状態変数に持つ拡張状態オブザーバである、請求項1に記載の異常検出装置。
  3. 前記判定値は、ユークリードノルムである、請求項1または2に記載の異常検出装置。
  4. 前記異常個所特定部によって1つの検出装置が異常であると判定された場合、前記閾値以下の判定値に対応するオブザーバによって推定された推定値に基づき、異常であると判定された検出装置の検出値の代替値を演算する代替値演算部をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の異常検出装置。
  5. 前記n種類の検出装置が、電動パワーステアリング装置に用いられている3種類の検出装置からなり、
    前記3種類の検出装置は、ステアリングホイールの回転角度である操舵角を検出するための舵角センサと、トーションバートルクを検出するためのトルクセンサと、電動モータのロータ回転角に応じた角度を検出するための回転角センサとからなり、
    前記オブザーバは、操舵角およびトーションバートルクが入力され、少なくともロータ回転角に応じた角度および操舵角を推定する第1オブザーバと、ロータ回転角に応じた角度および操舵角が入力され、少なくともロータ回転角に応じた角度および操舵角を推定する第2オブザーバと、ロータ回転角に応じた角度およびトーションバートルクが入力され、少なくともロータ回転角に応じた角度および操舵角を推定する第3オブザーバとを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の異常検出装置。
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