以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1~図9は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1は、液晶表示装置および面光源装置の概略構成を示す縦断面図であり、図2は面光源装置を一部の構成要素を省略して示す平面図である。図3は面光源装置の作用を説明するための縦断面図である。図4は面光源装置に含まれた導光板を示す斜視図であり、図5は面光源装置に含まれた光学シートを示す斜視図である。図6は導光板の反対面およびその周囲を示す面光源装置の縦断面図である。図7及び図8は、図1~図6に示された面光源装置の輝度特性を示すグラフであり、図9は、図1~図6に示された導光板の反対面の観察結果を説明するための図である。
図1に示すように、表示装置10は、液晶表示パネル15と、液晶表示パネル15の背面側に配置され液晶表示パネル15を背面側から面状に照らす面光源装置20と、を備えている。表示装置10は、画像を表示する表示面11を有している。液晶表示パネル15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、表示面11に像を表示するように構成されている。
表示装置10の表示面11となる領域は、額縁部材18によって区画している。額縁部材18は、可視光不透過性の材料によって形成された部材である。額縁部材18は、液晶表示パネル15の周囲となる部分上に設けられている。額縁部材18は、液晶表示パネル15の配線等が形成された領域や、面光源装置20の明るさのむらが視認される領域を隠蔽している。この表示装置10では、正面方向ndへの投影において表示面11と重なる領域がアクティブエリアAaとなり、正面方向ndへの投影において額縁部材18と重なる領域が非アクティブエリアAbとなる。図示されて例において、非アクティブエリアAbは、アクティブエリアAaに隣接して、アクティブエリアAaを周状に取り囲んでいる。
図示された液晶表示パネル15は、出光側に配置された上偏光板13と、入光側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶層12と、を有している。偏光板14,13は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、P波)を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶層12には、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加の有無によって液晶層12中の液晶分子の配向方向が変化するようになる。一例として、入光側に配置された下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分は、電界印加されていない液晶層12を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されている液晶層12を通過する際にその偏光方向を維持する。この場合、液晶層12への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した特定方向に振動する偏光成分が、下偏光板14の出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶パネル(液晶表示部)15では、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御し得るようになっている。なお、液晶表示パネル15の詳細については、種々の公知文献(例えば、「フラットパネルディスプレイ大辞典(内田龍男、内池平樹監修)」2001年工業調査会発行)に記載されており、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
次に、面光源装置20について説明する。面光源装置20は、面状に光を発光する発光面21を有し、本実施の形態では、液晶表示パネル15を背面側から照明する装置として用いられている。
図1に示すように、面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板30と、導光板30の一方の側(図1に於いては左側)の側方に配置された光源24と、導光板30にそれぞれ対面するようにして配置された光学シート(プリズムシート)50及び反射シート28と、を有している。図示された例では、光学シート50が、液晶表示パネル15に直面して配置されている。そして、光学シート50の出光面51によって、面光源装置20の発光面21が画成されている。また、面光源装置20は、導光板30及び光学シート50を保護する枠体55と、光源24、導光板30、光学シート50、反射シート28及び枠体55を収容する主フレーム60と、を更に有している。
図示された例において、導光板30の出光側面31は、液晶表示装置10の表示面11および面光源装置20の発光面21と同様に、平面視形状(図2に於いては、上方から見下ろして見た形状)が矩形形状に形成されている。この結果、導光板30は、全体的に、一対の主面(出光側面31および裏側面32)を有する相対的に厚み方向の辺が他の辺よりも小さい偏平した直方体状の部材として構成されており、一対の主面間に画成される側面は四つの面を含んでいる。図2に示すように、側面は、互いに直交する第1方向d1及び第2方向d2に延びている。同様に、光学シート50及び反射シート28は、全体的に、相対的に厚み方向の辺が他の辺よりも小さい偏平した直方体状の部材として構成されている。なお、図2に示す平面図では、光学シート50及び主フレーム60の図示を省略している。
導光板30は、液晶表示パネル15側の一方の主面によって構成された出光側面31と、出光側面31に対向するもう一方の主面からなる裏側面32と、出光側面31および裏側面32の間を延びる側面と、を有している。側面のうちの第1方向d1に対向する二つの面のうちの一方の側面が、入光面33をなしている。図1に示すように、入光面33に対面して光源24が設けられている。入光面33から導光板30内に入射した光は、第1方向(導光方向)d1に沿って入光面33とは反対側の反対面34に向け、概ね第1方向(導光方向)d1に沿って導光板30内を導光されるようになる。図1および図3に示すように、光学シート50は、導光板30の出光側面31に対面するようにして配置され、反射シート28は、導光板30の裏側面32に対面するようにして配置されている。
光源は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態において、光源24は、入光面33の長手方向d2に沿って、並べて配置された多数の点状発光体25、具体的には、多数の発光ダイオード(LED)によって、構成されている。なお、図4に示された導光板30には、光源24をなす多数の点状発光体25と対面する位置が示されている。
反射シート28は、導光板30の裏側面32から漏れ出した光を反射して、再び導光板30内に入射させるための部材である。反射シート28は、白色の散乱反射シート、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。反射シート28での反射は、正反射(鏡面反射)でもよく、拡散反射でもよい。反射シート28での反射が拡散反射の場合には、当該拡散反射は、等方性拡散反射であってもよいし、異方性拡散反射であってもよい。
ところで、本明細書において、「出光側」とは、光源24、導光板30、光学シート50、液晶表示パネル15と、表示装置10の構成要素間を逆戻りすることなく進んで、表示装置10から出射して観察者へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側、例えば図1における紙面の上側)のことであり、「入光側」とは、光源24、導光板30、光学シート50、液晶表示パネル15と、表示装置10の構成要素間を逆戻りすることなく進んで、表示装置10から出射して観察者へ向かう光の進行方向における上流側のことである。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
さらに、本明細書において「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、導光板30の板面、後述する導光板本体40の板面、光学シート50のシート面、反射シート28のシート面、液晶表示パネルのパネル面、表示装置10の表示面11、および、面光源装置20の発光面21は、互いに平行となっている。さらに、本明細書において、シート状の部材の法線方向とは、対象となるシート状の部材のシート面への法線方向のことを指す。さらに、本明細書において「正面方向」とは、面光源装置20の発光面21への法線方向のことであり、本実施の形態においては、面光源装置20の発光面21への法線方向、導光板30の板面への法線方向、光学シート50のシート面への法線方向、表示装置10の表示面11への法線方向等にも一致する。
次に、図1、図3、図4及び図6を主に参照して、導光板30についてさらに詳述する。上述したように、導光板30は、出光側面31及び裏側面32を一対の主面として含む板状部材である。出光側面31及び裏側面32を接続する四つの側面のうち一つが、光源24に対面する入光面33を形成している。入光面33は、第1方向d1に反対面34と対向している。出光側面31は、アクティブエリアAaと非アクティブエリアAbとに区分けされ得る。アクティブエリアAaは、例えば種々の方向から観察したとしても、明るさのむらが視認されない出光側面31上の領域に設定されていることが好ましい。図示された例において、アクティブエリアAaは、出光側面31の中央を占める矩形形状の領域となっている(図2参照)。非アクティブエリアAbは、出光側面31の周辺を含む領域であり、出光側面31の四つの辺に沿って延びる周状の領域となっている。
図1、図2、図4及び図6に示すように、本実施の形態において、導光板30は、板状の導光板本体40と、導光板本体40に積層された反射層38と、を有している。図4に示すように、導光板本体40は、導光板30の大部分を占めており、実質的に導光板30の外輪郭を画成している。導光板本体40は、一対の主面をなす出光面41及び裏面42と、出光面41及び裏面42を接続する側面と、を有している。導光板本体40の出光面41は、導光板30の出光側面31の大部分を形成している。導光板本体40の裏面42が、導光板30の裏側面32の大部分を形成している。図示された例において、導光板本体40は、四つの側面を有している。四つの側面のうちの一つである入光面43が、導光板30の入光面33を形成している。また、導光板本体40の側面は、入光面43と第1方向d1に対向する面として、対向面44を含んでいる。反射層38は、対向面44上に形成されている。とりわけ図示された例において、反射層38は、対向面44の全面を覆うように形成されている。そして反射層38が、導光板30の反対面34を形成している。
導光板本体40は、入光面43から入射してきた光を主として第1方向d1に導光する部位である。したがって、導光板本体40は、可視光透過性を有した材料、具体例として透明な樹脂材料によって形成され得る。
図4によく示されているように、導光板30の裏側面32をなす導光板本体40の裏面42は凹凸面として形成されている。具体的な構成として、導光板本体40の裏面42の凹凸によって、裏側面32が、傾斜面47と、導光板30の法線方向ndに延びる段差面48と、導光板30の板面方向に延びる接続面49と、を有している。導光板本体40内での導光は、導光板本体40の一対の主面41,42での全反射作用によっている。その一方で、傾斜面47は、入光面43側から対向面44側へ向かうにつれて出光面41に接近するよう、導光板本体40の板面に対して傾斜している。したがって、傾斜面47で反射した光については、一対の主面41,42に入射する際の入射角度は小さくなる。傾斜面47で反射することにより、一対の主面41,42への入射角度が全反射臨界角度未満になると、当該光は、導光板30から出射するようになる。すなわち、傾斜面47は、導光板30から光を取り出すための光取出要素として機能する。
図3及び図4に示すように、傾斜面47は、その長手方向が導光板30による導光方向(導光板30の入光面33と当該入光面に対向する反対面34とを結ぶ第1方向)d1と交差するように、導光板30に対して位置決めされている。より厳密には、傾斜面47の長手方向が、導光板30による導光方向(つまり、第1方向)d1と直交するとともに、傾斜面47の配列方向が導光板30による導光方向d1と平行になっている。
導光方向である第1方向d1に沿った傾斜面47の分布を裏面42内で調節することにより、導光板30からの出射光量の第1方向d1に沿った分布を調整することができる。図示された例では、導光方向d1に沿って入光面43から対向面44に接近するにつれて、裏面42うちの傾斜面47が占める割合が高くなっている。このような構成によれば、導光方向に沿って入光面43から離間した領域での導光板30からの光の出射が促進され、入光面43から離間するにつれて出射光量が低下してしまうことを効果的に防止することができる。
ここで、導光板30及び導光板本体40の寸法は、一例として、次のように設定され得る。導光板30及び導光板本体40の厚みHは、例えば、300μm以上800μm以下とすることができる。また、傾斜面47の導光板本体40の板面に対する傾斜角度を、例えば0.1°以上から5°以下、さらには0.1°以上2.0°以下とすることができる。
以上のような構成からなる導光板本体40は、一例として、押し出し成型により、作製することができる。導光板本体40をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等の一以上を主成分とする透明樹脂が好適に使用され得る。尚、必要に応じて、導光板本体40中に光を拡散させる機能を有する拡散性分を添加することもできる。拡散成分は、一例として、平均粒径が0.5~100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の透明物質からなる粒子を、用いることができる。
一方、反射層38は、導光板本体40内を入光面43から対向面44まで第1方向d1に導光されてきた光を、第1方向d1における入光面43の側へ、反射する層である。反射層38で反射された光は、裏面42での反射や透過により、導光板30から射出することが可能となる。すなわち、反射層38を設けることで、導光板30の反対面34から光源光が漏れ出ししまうことを防止する。これにより、光源光の効率的な利用が可能となり、光源24の出力を増大させることなく導光板30の出光側面31上での輝度を改善することが可能となる。
反射層38は、反射性を有した材料をコーティング、蒸着、印刷等によって導光板本体40の対向面44上に成膜することで作製される。より具体的には、アルミニウムや銀を対向面44上にスプレーコートすることにより、アルミニウムや銀を対向面44上に蒸着することにより、或いは、金属粒子を含有した樹脂組成物を対向面44上に印刷して乾燥することにより、反射層38を作製することができる。
なお、反射層38での反射は、導光板30の反対面34の視認を防止する観点から、拡散反射ではなく、鏡面反射であることが好ましい。導光板30の反対面34の視認を防止する観点から、380nm以上780nm以下の波長を有した可視光についての反射層38での全反射光のうちの鏡面反射光の割合R〔%〕が、20〔%〕より大きいことが好ましく、40〔%〕より大きいことがより好ましく、60〔%〕より大きいことがさらに好ましい。ここで、反射層38での全反射光のうちの鏡面反射光の割合R〔%〕は、反射層の全光線反射率Rt〔%〕および拡散反射率Rd〔%〕を用いて、次の式で特定される。
R=((Rt-Rd)/Rt)×100
ここで、全光線反射率Rt〔%〕とは、入射光に対する全ての反射光の割合である。そして、このすべての反射光には、拡散反射成分および鏡面反射成分の両方が含まれる。拡散反射率Rd〔%〕とは、入射光に対する拡散反射光の割合である。全光線反射率Rt〔%〕及び拡散反射率Rd〔%〕は、光線入射角45度条件設定にて、測定波長380nm~780nm範囲の反射スペクトルを測定し、JIS A 5759記載の手順に従い算出される。
また、導光板本体40と反射層38との界面での拡散を防止する観点から、導光板本体40の対向面44の表面粗さは、ISO 25178で特定される算術平均粗さRa〔μm〕において、0.3〔μm〕以下であることが好ましく、0.2〔μm〕以下であることがより好ましく、0.15〔μm〕以下であることが更に好ましい。その一方で、導光板本体40と反射層38との密着性を改善する観点から、導光板本体40の対向面44の表面粗さは、ISO 25178で特定される算術平均粗さRa〔μm〕において、0.01〔μm〕以上であることが好ましく、0.03〔μm〕以上下あることがより好ましく、0.05〔μm〕以上であることが更に好ましい。なお、算術平均粗さRa〔μm〕は、キーエンス社の形状測定レーザマイクロスコープVK8700を用いて、ISO 25178に準拠して測定された値とする。
通常のバイト仕上げにより、導光板本体40の対向面44の表面粗さRaを0.2μm~0.3μm程度とすることができ、鏡面バイト仕上げにより、対向面44の表面粗さRaを0.1μm程度とすることができる。更に、バフ研磨等の仕上げ加工を行うことで、対向面44の表面粗さRaを0.05μm程度とすることができる。
次に、図3及び図5を主に参照して、光学シート(プリズムシート)50についてさらに詳述する。光学シート50は、透過光の進行方向を変化させる機能を有した部材である。
図5によく示されているように、光学シート50は、板状に形成された本体部53と、本体部53上に設けられた複数の単位プリズム(単位形状要素、単位光学要素、単位レンズ)54と、を有している。本体部53は、平板状の部材として構成され、一対の平行な主面として出光側面53a及び入光側面53bを有している。複数の単位プリズム54は、本体部53の入光側面53b上に形成されている。導光板30に対面しない側に位置する本体部53の出光側面53aによって、光学シート50の出光面51が構成されている。
なお、本明細書における「単位プリズム」、「単位形状要素」、「単位光学要素」および「単位レンズ」とは、屈折や反射等の光学的作用を光に及ぼして、当該光の進行方向を変化させる機能を有した要素のことを指し、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
次に、本体部53の入光側面上に設けられた単位プリズム54について説明する。図3及び図5によく示されているように、複数の単位プリズム54は、本体部53の入光側面53b上に並べて配置されている。各単位プリズム54は、柱状に形成され、その配列方向と交差する方向に延びている。
図示された例において、各単位プリズム54は直線状に延びている。各単位プリズム54は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。光学シート50に含まれる複数の単位プリズム54は互いに同一に構成されている。さらに、複数の単位プリズム54は、その長手方向に直交する方向に沿って、本体部53の入光側面53b上に隙間無く並べられている。したがって、光学シート50の入光面52は、本体部53上に隙間無く配列された単位プリズム54の表面(プリズム面)54a,54bによって形成されている。
なお、上述してきたように、光学シート50は、導光板30に重ねられるようにして配置され、光学シート50の単位プリズム54が導光板30の出光側面31に対面するようになっている。また、図1に示すように、光学シート50は、単位プリズム54の長手方向が導光板30による導光方向(導光板30の入光面33と当該入光面に対向する反対面34とを結ぶ第1方向)d1と交差するように、導光板30に対して位置決めされている。より厳密には、単位プリズム54の長手方向が導光板30による導光方向(つまり、第1方向)d1と直交するとともに、単位プリズム54の配列方向が導光板30による導光方向d1と平行になるように、光学シート50が導光板30に対して位置決めされている。したがって、各単位プリズム54は、傾斜面47の長手方向と平行な第2方向d2に延びている。
図3によく示されているように、各単位プリズム54は、単位プリズム54の配列方向、つまり第1方向d1に沿って、互いに対向して配置された第1プリズム面54a及び第2プリズム面54bを有している。各単位プリズム54の第1プリズム面54aは、第1方向d1における一側(図1および図3の紙面における左側)に位置し、第2プリズム面54bは、第1方向d1における他側(図1および図3の紙面における右側)に位置している。より詳細には、各単位プリズム54の第1プリズム面54aは、第1方向d1における光源24の側に位置して第1方向d1における一側を向く。各単位プリズム54の第2プリズム面54bは、第1方向d1における光源24から離間する側に位置し、第1方向d1における他側を向く。後述するように、第1プリズム面54aは、主として、第1方向d1における一側に配置された光源24から導光板30内に進み、その後に導光板30から出射した光が、光学シート50へ入射する際の入射面として機能する。一方、第2プリズム面54bは、光学シート50へ入射した光を反射して、当該光の光路を補正する機能を有する。
図3に示すように、第1プリズム面54aおよび第2プリズム面54bは、それぞれ本体部53から延び出るとともに互いに接続されている。第1プリズム面54a及び第2プリズム面54bが互いに接続する位置において、本体部53から最も入光側に突出した単位プリズム54の先端部(頂部)54cが形成されている。
上述したように、また図5及び図6に示すように、本体部53のシート面(本体部53の入光側面53b、光学シート50のシート面)への法線方向ndおよび単位プリズム54の配列方向である第1方向d1の両方に平行な断面における各単位プリズム54の断面形状は、当該単位プリズム54の長手方向(直線状に延びている方向)に沿って一定となっている。また、この断面において、各単位プリズム54は、入光側(導光板の側)に向けて先細りしていく形状となっている。つまり、この断面において、本体部53のシート面と平行な単位プリズム54の幅は、本体部53の法線方向ndに沿って本体部53から離間するにつれて小さくなっていく。
光学シート50の寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、以上のような構成からなる単位プリズム54の具体例として、単位プリズム54の第1方向d1に沿った配列ピッチ(図示された例では、単位プリズム54の幅に相当)を10μm以上200μm以下とすることができる。ただし、昨今においては、単位プリズム54の配列の高精細化が急速に進んでおり、単位プリズム54の第1方向d1に沿った配列ピッチを10μm以上50μm以下とすることが好ましい。また、光学シート50のシート面への法線方向ndに沿った本体部53からの単位プリズム54の突出高さを5.5μm以上180μm以下とすることができる。
以上のような構成からなる光学シート50は、基材上に単位プリズム54を賦型することにより、あるいは、押し出し成型により、作製することができる。光学シート50の本体部53及び単位プリズム54をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレート樹脂やウレタンアクリレート樹脂系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。
電離放射線硬化型樹脂を基材上に硬化させることによって光学シート50を作製する場合、単位プリズム54とともに、単位プリズム54と基材との間に位置するようになるシート状のランド部を、基材上に形成するようにしてもよい。この場合、本体部53は、基材と電離放射線硬化型樹脂によって形成されたランド部とから構成されるようになる。一方、押し出し成型で作製された光学シート50においては、本体部53と、本体部53の入光側面53b上の複数の単位プリズム54と、が一体的に形成され得る。
次に、枠体55及び主フレーム60について説明する。まず、主フレーム60は、面光源装置20の構成要素、例えば光源24、反射シート28、導光板30及び光学シート50を支持する。また、主フレーム60は、支持した面光源装置20の構成要素を外部から保護する。光源24、反射シート28、導光板30及び光学シート50は、主フレーム60に対して位置決めされている。上述した液晶表示パネル15は、主フレーム60に対して位置決めされている。しかしながら、反射シート28、導光板30及び光学シート50は、面光源装置20の使用中に昇温して膨張する。このため、反射シート28、導光板30及び光学シート50は、膨張および収縮が可能となるよう、主フレーム60によって支持されている。典型的には、光源24が、主フレーム60に固定されるとともに、反射シート28、導光板30及び光学シート50は、第1方向d1における光源24に近接する一側において、主フレーム60に固定される。そして、反射シート28、導光板30及び光学シート50は、熱膨張時に、第1方向d1における光源24から離間する他側に伸張可能となっている。このような主フレーム60は、アルミニウム、ステンレス、鉄等の金属を用いて形成される。
枠体55は、反射シート28、導光板30及び光学シート50と、主フレーム60と、の間に設けられている。枠体55は、反射シート28、導光板30及び光学シート50が接触することを防止している。枠体55は、反射シート28、導光板30及び光学シート50を主フレーム60から保護する機能を有している。また、枠体55は、図1に示すように、正面方向ndにおいて、液晶表示パネル15を支持している。枠体55は、液晶表示パネル15と光学シート50の間に隙間を形成している。これにより、光学シート50は、液晶表示パネル15との接触を防止されている。
図示された例において、枠体55は、主フレーム60に対して相対移動可能に支持されている。そして、枠体55は、接合層58を介して導光板30の反対面34に固定されている。すなわち、第1方向d1に沿って、導光板30の反射層38と枠体55が、反射層38によって接続されている。そして、枠体55は、導光板30の熱膨張にともなって、主フレーム60に対して相対移動する。接合層58としては、表示装置に用いられている種々の粘着層や接着層を採用することができる。
図1に示された例において、第1方向d1において、枠体55と主フレーム60との間には導光板30の熱膨張を許容する隙間Sが形成されている。ただし、導光板30の熱膨張の少なくとも一部分を接合層58によって吸収するようにしてもよい。この場合、第1方向d1に沿った枠体55と主フレーム60との間の隙間Sの幅Ws〔μm〕を、導光板30の想定される熱膨張長さよりも短くすることができる。これにより、導光板30の非アクティブエリアAbの幅を狭くして、ベゼルの狭幅化を実現することができる。なお、導光板30の想定される熱膨張長さ〔μm〕は、導光板30の第1方向d1に沿った長さ〔μm〕、導光板30の熱膨張係数〔1/℃〕、及び、想定される温度差〔℃〕を掛け合わせて特定することができる。ここで想定される温度差〔℃〕は、典型的には、20℃~60℃の間の環境温度の変化が生じることを想定して、40℃とすることができる。また、導光板30の膨張を接合層58で吸収しようとすると、接合層58の第1方向d1に沿った厚みWj〔μm〕は、大きく設定されていることが好ましく、例えばノート型のパソコの表示装置やタブレットの表示装置、さらにはスマートフォンの表示装置等を想定すると、100μm以上700μm以下であることが好ましく、200μm以上600μm以下であることがより好ましく、300μm以500μm以下であることが更に好ましい。さらに、接合層58の第1方向d1に沿った厚みWj〔μm〕を、導光板30の想定される熱膨張長さよりも長くしておくことも、導光板30の膨張を接合層58で吸収する上で有効である。
図2に示された例において、枠体55は、反射シート28、導光板30及び光学シート50に対して三方から対面するようになっている。より具体的には、枠体55は、第1方向d1における光源24とは反対側となる他側から反射シート28、導光板30及び光学シート50に対面し、且つ、第2方向d2における両側から反射シート28、導光板30及び光学シート50に対面している。枠体55は、例えば樹脂を用いて形成される。樹脂材料からなる枠体55は、十分な柔軟性を有することになる。
また、図2に示された例において、接合層58は、導光板30の反対面34上に第2方向d2に沿って線状に設けられているが、この例に限られない。接合層58は、導光板30の反対面34上における第2方向d2に沿った一部の領域のみに設けられて、導光板30と枠体55とを接合するようにしてもよい。また、接合層58は、導光板30の反対面34上における第2方向d2に沿って離間した複数領域に設けられて、導光板30と枠体55とを接合するようにしてもよい。さらに、接合層58は、第2方向d2に対向する導光板30の一対の側端面35,36上に設けられ、導光板30の側端面35,36と枠体55とを接合するようにしてもよい。
次に、以上のような構成からなる表示装置10の作用について説明する。
まず、図3に示すように、光源24をなす発光体25で発光された光は、入光面33を介し、導光板30の導光板本体40に入射する。図3に示すように、導光板本体40へ入射した光L31,L32は、導光板本体40の出光面41及び裏面42において、反射、とりわけ導光板本体40をなす材料と空気との屈折率差に起因して全反射を繰り返し、導光板本体40の入光面43と対向面44とを結ぶ第1方向(導光方向)d1へ進んでいく。
導光板本体40の裏面42は、入光面43から対向面44に向かうにつれて、出光面41に対して接近するように傾斜した傾斜面47を有している。傾斜面47は、段差面48及び接続面49とともに、裏面42を形成している。このうち段差面48は、導光板本体40の板面の法線方向ndに延びている。したがって、導光板本体40内を入光面43の側から対向面44の側へと進む光の殆どは、裏面42のうち、段差面48に入射することなく、傾斜面47又は接続面49にて反射するようになる。そして、裏面42のうちの傾斜面47で反射すると、図3に示された断面における当該光の進行方向は、導光板本体40の板面に対する傾斜角度を増大させる。すなわち、裏面42のうちの傾斜面47で反射すると、以降における、当該光の出光面41及び裏面42への入射角度が小さくなる。したがって、導光板本体40内を進む光の出光面41及び裏面42への入射角度は、裏面42のうちの傾斜面47での一以上の反射によって、次第に小さくなっていき、全反射臨界角未満となる。この場合、当該光は、導光板本体40の出光面41又は裏面42によってなされる導光板30の出光側面31又は裏側面32を通過して、導光板30から出射し得るようになる。出光側面31から出射した光L31,L32は、導光板30の出光側に配置された光学シート50へと向かう。一方、裏側面32から出射した光は、導光板30の背面に配置された反射シート28で反射され再び導光板30内に入射して導光板30内を進むことになる。
とりわけ、図示された例においては、導光方向に沿って入光面43から対向面44に接近するにつれて、裏面42うちの傾斜面47が占める割合が高くなっている。これにより、出射光量が少なくなってしまう傾向がある導光板30の入光面33から離間した領域において、導光板30の出光側面31からの出射光量を十分に確保し、導光方向に沿った出射光量の均一化を図ることができる。
ところで、図示された例において、導光板30から出射する光の出射角度は、それまで、導光板30内を主として第1方向d1に進んでいたことに起因して、図3に示すように、第1方向(導光方向)d1と平行な面において、正面方向ndから比較的大きく傾斜した比較的に大きな出射角度θkとなる。つまり、導光板30から出射する光の第1方向成分d1の出射角度(出射光の第1方向成分と導光板30の板面への法線方向ndとがなす角度θk(図3参照))は、比較的大きな角度となる狭い角度範囲内に偏る、傾向が生じる。
ここで図7は、導光板30の出光側面31で測定された輝度の角度分布の一例を示している。図7に示された輝度分布は、第1方向d1及び正面方向ndの両方向に平行な面内の各方向への出光側面31上での輝度について実際に調べた結果である。図7に示されたグラフにおいて、正面方向から第1方向に沿って他側に傾斜した角度の値を正としている。
例えば、上述した形状および寸法からなる導光板30では、導光板30の法線方向nd及び第1方向d1の両方に平行な面内における各方向への導光板30の出光側面31上での輝度の角度分布において、ピーク輝度Lmaxが得られる方向が導光板30の法線方向ndから第1方向d1に沿って他側(反対面34の側)へ傾斜した角度θmax、及び、導光板30の法線方向ndとピーク輝度Lmaxが得られる方向との間に位置するピーク輝度の半分の輝度1/2・Lmaxが得られる方向がピーク輝度が得られる方向から第1方向d1に沿って一側(入光面33の側)へ傾斜した角度θαを、次の条件(1)及び(2)、より典型的には条件(3)及び(4)、を満たす範囲に設定することができる。
60° ≦ θmax ≦ 85° ・・・(1)
5°≦ θα ≦ 25° ・・・(2)
70° ≦ θmax ≦ 80° ・・・(3)
5°≦ θα ≦ 15° ・・・(4)
導光板30から出射した光は、その後、光学シート50へ入射する。上述したように、この光学シート50は、導光板30の側へ向けて先端部54cが突出する単位プリズム54を有している。図3によく示されているように、単位プリズム54の長手方向は、導光板30による導光方向(第1方向)d1と交差する方向、とりわけ図示された例では導光方向と直交する第2方向d2と、平行になっている。
この結果、図3に示すように、第1方向d1における一側(図3の紙面における左側)に配置された光源24で発光され導光板30を介して光学シート50へ向かう光L31,L32は、互いに接続された第1プリズム面54a及び第2プリズム面54bのうちの、第1方向d1における光源24側となる一側に位置する第1プリズム面54aを介して単位プリズム54へ入射する。図3に示すように、この光L31,L32は、その後、第1方向d1における光源とは反対側の他側(図3の紙面における右側)に位置する第2プリズム面54bで全反射してその進行方向を変化させるようになる。
そして、図3に示された光学シートの主切断面(第1方向(導光方向)d1と正面方向ndとの両方向に平行な断面)において正面方向ndから大きく傾斜した狭い角度範囲内の方向に進む光L31,L32は、単位プリズム54の第2プリズム面54bでの全反射により、その進行方向が正面方向ndに対してなす角度が小さくなるように、精度良く曲げられる。このような作用により、単位プリズム54は、第1方向(導光方向)d1に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、光学シート50は、第1方向d1に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすようになる。とりわけ、上述した条件(1)及び(2)を満たす導光板30との組み合わせにおいて、光学シート50は優れた集光機能を発揮することができ、更に上述した条件(3)及び(4)を満たす導光板30との組み合わせにおいて、光学シート50はより優れた集光機能を発揮することができる。
面光源装置20の発光面21を形成する光学シート50から出射した一方の偏光成分の光は、その後、液晶表示パネル15へ入射して下偏光板14を透過する。下偏光板14を透過した光は、画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶表示パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、液晶表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
ところで、背景技術の欄でも説明したように、昨今、表示装置や面光源装置のベゼル幅を狭くすること、すなわちナローベゼル化が求められている。ベゼルを狭幅化することができれば、表示面や発光面を小さくすることなく表示装置や面光源装置を小型化することができる。表示装置や面光源装置のナローベゼル化を推進するには、現状、導光板30の非アクティブエリアAbを狭くすることが必要となっている。
ここで、図10は、本件出願人によって開発された参考例としての面光源装置20を示している。図10に示された例において、面光源装置120は、反射シート128、導光板130、光学シート150、枠体155及び主フレーム160を有している。このうち、導光板130は、上述した本実施の形態の導光板本体40のみによって構成されており、反射層38を含んでいない。面光源装置120のその他の構成要素、すなわち、反射シート128、光学シート150、枠体155及び主フレーム160は、上述した実施の形態の対応する構成要素と同一に構成されている。
このような面光源装置120の反対面134の周辺を出光面131越しに確認したところ、他の部分と比較して、局所的に明るく観察された。このような現象にについて更に鋭意検討を重ねたところ、局所的な明るさは、反対面134を介して導光板130から射出した光L101が枠体155で拡散されていることを原因としていた。すなわち、枠体155で拡散した光が反対面134として明るく観察された。
このような明るさの不均一は、導光板30からの出射光が指向性を有している場合に顕著となる。とりわけ、局所的な明るさは、正面方向ndから第1方向d1において一側(光源24の側)に傾斜した方向から視認される。したがって、図7を参照して説明したように、出光側面31上での輝度ピークが正面方向ndから第1方向d1において他側に傾斜した方向に表れる導光板30、より具体的には上述した条件(1)及び(2)を満たす導光板30を用いた際に明るさの不均一さが顕著となり、上述した条件(3)及び(4)を満たす導光板30を用いた際に更に不具合が深刻となる。
このような局色的な明るさの変化が生じる領域、言い換えると、反対面134が確認される出光側面31上の領域は、明るさの均一性を確保し得ない以上、アクティブエリアAaとして使用することできない。すなわち、反対面134が確認される出光側面31上の領域は、非アクティブエリアAbとして、額縁部材18等の遮光性を有した部材によって隠蔽される必要がある。このことが、非アクティブエリアAb及びベゼルを小型化できない原因となっていた。
ここで、図11は、図10に示された面光源装置120を観察した結果を説明している。図11(a)は、面光源装置120の観察方法を示している。図11(a)に示すように、光学シート150を取り外した状態で、光源の発光体を点灯して、導光板130の出光面131を介して反対面134の周辺を観察した。図11(b)は、観察結果を示す写真であり、反対面134及びその周辺が明くる観察されている。
このような不具合を回避するには、枠体155で光拡散させないことが有効と考えられる。例えば、枠体155を黒色の樹脂材料で形成することで、枠体155に光吸収性を付与することができる。しかしながら、図10に示すように、反対面134を通過して導光板130から出射した光L102が枠体155で吸収されると、光源光の利用効率が低下するといった別の不具合が生じる。
ここで、図8は、図10に示された面光源装置120の光学シート150上で測定された正面方向輝度の第1方向に沿った分布を示している。測定対象とした面光源装置120は、ノート型パソコンに組み込まれる14インチの表示装置に用いられるものとした。この面光源装置120の表示面は、第1方向d1に沿って略180mmの長さを有していた。図8に示された輝度分布において、横軸は、第1方向d1に沿った位置を示しており、「0」は、表示面の第1方向d1における中心の輝度値を示している。図8においてサンプルBで示されている面光源装置は、枠体155が白色で光拡散性を有するものとした。なお、サンプルBは、図11の観察対象とした面光源装置でもある。また、図8においてサンプルCで示されている面光源装置は、枠体155が黒色で光吸収性を有するものとした。サンプルBの測定結果では、光源から最も離間した領域において、正面方向輝度が急激に上昇した。一方、サンプルCの測定結果では、光源から最も離間した領域での局所的な正面方向輝度の上昇は生じなかった。しかしながら、サンプルCの正面方向輝度は、第1方向d1に沿った概ね全領域においてサンプルBの正面方向輝度よりも低くなり、とりわけ第1方向d1における光源とは反対側となる半分の領域においてサンプルBの正面方向輝度よりも顕著に低くなった。
一方、本実施の形態では、図6に示すように、導光板30の反対面34が反射層38によって形成されている。図6に示すように、反射層38は、導光板本体40内を第1方向d1に進んで対向面44に到達した光L61,L62を反射する。反射層38で反射された光L61,L62の光路は、第1方向d1において折り返す。そして、このような光L61,L62は、第1方向d1における入光面43の側に向けて、導光板本体40内を進む。この光L61,L62は、傾斜面47及び段差面48で光路を曲げられることで、出光面41又は裏面42を介して導光板30から出射するようになる。
したがって、本実施の形態による面光源装置20では、輝度特性に強い指向性を有する場合であったとしても、すなわち、上述した条件(1)及び(2)が満たされる場合や、更には上述した条件(3)及び(4)が満たされるような場合であっても、出光側面31越しに、導光板30の反対面34の周辺が局所的に明るく観察されることを効果的に防止することができる。このため、反射層38が正面方向ndから直接視認されない範囲で、反対面34(反射層38)上に位置する非アクティブエリアAbの第1方向d1に沿った幅Waを狭くすることができる。
従来、反対面134上に位置する導光板130の非アクティブエリアAbの第1方向d1に沿った幅Waは、導光板130の高さ(厚み)Hに1.73を乗じた長さが必要と考えられていた。ここで、1.73はtan60°の値に相当し、すなわち、従来においては、正面方向ndから60°傾斜して反対面134と交差する直線分LSが横切る出光面131上の領域を非アクティブエリアAbとする必要があるとされていた。このような従来の非アクティブエリアAbと比較して、本実施の形態では、非アクティブエリアAbの幅を飛躍的に狭くすることができる。
なお、図9は、図6に示された面光源装置120を観察した結果を説明している。図9(a)は、面光源装置120の観察方法を示している。図9(a)に示すように、光学シート50を取り外しした状態で、光源24の発光体25を点灯して、導光板30の出光側面31を介して反対面34の周辺を観察したところ、図9(b)に示すように、反対面34の周辺に局所的に明るい領域は観察されなかった。
また図8には、図6に示された面光源装置20の光学シート50上で測定された正面方向輝度の第1方向d1に沿った分布を、サンプルAの測定結果として示している。サンプルAの寸法や測定条件は、上述したサンプルBと同様にした。すなわち、サンプルA及びサンプルBは、図6及び図10に表れた相違点のみとし、同一の条件で測定を行っている。サンプルAは、図9の観察対象とした面光源装置でもある。図8に示すように、サンプルAの測定結果では、サンプルBの測定結果と異なり、光源から最も離間した領域での局所的な正面方向輝度の上昇は生じなかった。その一方で、サンプルAの正面方向輝度は、光源から最も離間した局所的な領域を除くと、サンプルBの正面方向輝度よりも概ね全体的に高い値となった。
ところで、図10に示された面光源装置120において、接合層158は、導光板130の反対面134上には設けられていない。接合層158が導光板130の反対面134上には設けられていると、導光板130内を導光して反対面134に到達した光が、接合層158で吸収または拡散されるためである。図10に示された接合層158は、導光板30の裏面132のうちの第1方向d1における反対面134側の端部と主フレーム160とを接合している。この面光源装置120において、導光板130は、接合層158を剪断変形および圧縮変形させるようにして、膨張することができる。また、第1方向d1に沿った反射シート128と接合層158との間に隙間が設けられて、この隙間によって、反射シート128の第1方向d1への膨張が許容されている。
そして、図10に示された面光源装置120では、出光面131上の第2方向d2に沿った細長い領域として、輝度が低下した暗領域が生じることが確認された。このような暗領域は、本件発明者が検討を重ねたところ、図10に示すように、導光板130の裏面132の一部分が、反射シート128に対面していないことに起因していると考えられた。図10に示された導光板130の反対面134近傍でも、枠体155又は反対面134で反射した光により、一部の光L103が、第1方向d1における進行方向を折り返して、入光面の側に向けて進む。そして、導光板130の裏面132のうちの、背面側に反射シート128が存在しない領域から出光面131に向かう光L103は、導光板130の裏面132のうちの、背面側に反射シート128が存在する領域から出光面131に向かう光L104と比較して著しく低光量となる。このような光L103が、出射し得る出光面131上の領域に暗領域が生成される。このため、図10に示された面光源装置120では、出光面131上の領域に暗領域が形成される領域を非アクティブエリアAbとする必要があり、この結果、非アクティブエリアAbの幅Waが大きくなる。
この点について、本実施の形態においては、導光板30の反対面34は、透過率の低い反射層38によって形成されている。したがって、反対面34上に接合層58を設けたとしても、接合層58に起因した吸収や拡散等の問題は生じ得ない。結果として、図6に示すように、反射シート28は、導光板30の裏側面32の全領域に対面するようにして配置され得る。これにより、暗領域が、導光板30の背面側への反射シート28の有無に起因して出光側面31上に生じることを回避することができる。したがって、図示された面光源装置20の導光板30では、反対面34側に位置する非アクティブエリアAbの幅Waを効果的に狭くして、面光源装置20及び表示装置10のナローベゼル化を図ることができる。
上述した一実施の形態において、導光板30は、入光面43及び入光面43に対向する対向面44を含む導光板本体40と、導光板本体40の対向面44上に設けられた反射層38と、を有している。このような導光板30によれば、導光板本体40の対向面44まで到達した光L61,L62が反射層38で反射される。反射層38で反射された光L61,L62は、反射層38で反射される前とは逆向きに導光板本体40内を進むようになる。したがって、導光板本体40内を進む光L61,L62が、導光板30の反対面34まで到達して導光板30から出射し、枠体55や主フレーム60で吸収されることを効果的に回避することができる。すなわち、本実施の形態によれば、光源光の利用効率を改善して、とりわけ反対面34近傍での輝度低下を効果的に回避することができる。また、導光板30内を進む光L61,L62が、反対面34まで到達して導光板30から出射し、枠体55や主フレーム60で拡散することを効果的に回避することができる。したがって、導光板30の反対面34近傍での局所的な輝度上昇を効果的に防止することができる。これにより、導光板30の反対面34が不可視化されて導光板30の反対面34側における非アクティブエリアAaを効果的に小さくすることができ、面光源装置20及び表示装置10のナローベゼル化を実現することができる。
上述した一実施の形態の具体例において、対向面44の表面粗さRaは、0.01μm以上0.3μm以下となっている。このような導光板30によれば、表面粗さRaが0.01μm以上となっているため、反射層38が導光板本体40の対向面44に十分に密着することができる。また、表面粗さRaが0.3μm以下となっているため、導光板本体40と反射層38との間の界面での光拡散や、反射層38での拡散反射を、効果的に抑制することができる。これにより、導光板30の反対面34近傍での光拡散に起因した局所的な輝度上昇を効果的に防止して、ナローベゼル化を実現することができる。
上述した一実施の形態の具体例において、反射層38での全反射光のうちの鏡面反射光の割合R〔%〕が20よりも大きくなっている。このような導光板30によれば、反射層38での拡散反射を効果的に抑制することができる。これにより、導光板30の反対面34近傍での光拡散に起因した局所的な輝度上昇を効果的に防止して、ナローベゼル化を実現することができる。
上述した一実施の形態において、導光板30は、出光側面31と、出光側面31に対向した裏側面32と、を一対の主面として含んでいる。出光側面31は、アクティブエリアAaとアクティブエリアAaの周囲に位置して最終的に遮光性の額縁部材18によって覆われるようになる非アクティブエリアAbとに区分けされる。そして、出光側面31の対向面44側に位置する非アクティブエリアAbの第1方向d1に沿った幅Wa〔mm〕は、対向面44の高さH〔mm〕の1.73倍未満となっている。従来、導光板30の反対面34の視認を防止する目的から、Wa≧1.73×Hとなるように非アクティブエリアAbの反対面34側での幅Waが設定されていた。しかしながら、反射層38を有する導光板30を用いた場合、反対面34を十分不可視化することができる。したがって、Wa<1.73×Hとなるように、導光板30の反対面34側における非アクティブエリアAbの幅Waを設定して、ナローベゼル化を実現することができる。
上述した一実施の形態の具体例において、面光源装置20は、導光板本体40及び反射層38を有した導光板30と、導光板30の入光面33に対面して配置された発光体25と、導光板30の反射層38上に設けられた接合層58と、接合層58を介して導光板30と接合された枠体55と、を有している。接合層58は第1方向d1において反射層38と枠体55との間に位置している。このような面光源装置20では、導光板30の第1方向d1における光源24側とは逆側の端面(反対面)34が、反射層38によって形成されている。したがって、この端面34に接合層58を直接貼合することができる。導光板130の裏面132に接合層を設けた面光源装置120と比較して、導光板30の反対面34側における非アクティブエリアAbの幅Waを効果的に狭くすることができ、ナローベゼル化を実現することができる。
上述した一実施の形態の具体例において、接合層58の第1方向d1に沿った厚みは、200μm以上800μm以下となっている。このような面光源装置20によれば、導光板30の熱膨張を少なくとも部分的に接合層58の圧縮によって効果的に吸収することができる。したがって、導光板30の熱膨張にともなった、面光源装置20の構成要素の相対位置のずれを効果的に防止することも可能となる。これにより、面光源装置20が期待した光学性能を安定して発揮することができる。
一実施の形態を複数の具体例により説明してきたが、これらの具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
上述した具体例において、反射層38は、導光板本体40の対向面44上のみに設けられているが、この例に限られない。反射層38は、第2方向d2に対向する導光板30の一対の側端面35,36上に設けられてもよい。この例によれば、側端面35,36を介して導光板30から光が漏れることを効果的に防止することができる。これにより、導光板30の側端面35,36側における非アクティブエリアAbの幅Wb(図2参照)を狭くして、ナローベゼル化を実現することができる。なお、側端面35,36からの光の漏れ出しは、側端面35,36のうちの第1方向d1における入光面33の側において生じやすい。したがって、側端面35,36のうちの第1方向d1における入光面33側となる一部の領域上に、反射層38を設けるようにしてもよい。
また、上述した導光板30の導光板本体40や光学シート50に対して種々の変更が可能である。例えば、光学シート50の第1プリズム面54a及び第2プリズム面54bが折れ面として形成されていてもよい。また、図6に示すように、反射層38で反射された光L61,L62については、第2プリズム面54bが入光面として機能し、第1プリズム面54aが反射面として機能する。したがって、光学シート50の法線方向ndを基準として第1プリズム面54a及び第2プリズム面54bを対称的に構成するようにしてもよい。或いは、第1方向d1における位置に応じて、単位プリズム54の構成を変化させるようにしてもよい。また、上述した一具体例において、導光板30の光取出要素として傾斜面47を採用していたが、傾斜面47に代えて又は傾斜面47に加えて他の光取出要素、例えば拡散材等を導光板30が有するようにしてもよい。
さらに、上述した面光源装置20及び表示装置10の全体構成も種々の変更が可能である。例えば、面光源装置20が、光学シート50に代えて又は光学シート50に加えて、出光側の突出したプリズムシートを更に含むようにしてもよいし、反射型偏光分離シートを更に含むようにしてもよい。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。