JP2022022061A - 計測装置、計測方法及び電力変換装置 - Google Patents

計測装置、計測方法及び電力変換装置 Download PDF

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【課題】交流電圧波形の周波数の計測精度を向上させること。【解決手段】交流電圧波形を測定する測定部と、前記交流電圧波形の測定値が第1閾値をクロスする第1クロス時刻と前記第1クロス時刻での前記交流電圧波形の第1測定値とを検出する第1検出部と、前記交流電圧波形の測定値が前記第1閾値よりも低い第2閾値をクロスする第2クロス時刻と前記第2クロス時刻での前記交流電圧波形の第2測定値とを検出する第2検出部と、前記交流電圧波形の測定値が前記第1クロス時刻と前記第2クロス時刻との間で前記第1測定値と前記第2測定値の間の基準値をクロスする基準クロス時刻を推定する推定部と、前記基準クロス時刻の時間間隔を用いて、前記交流電圧波形の周波数を計算する計算部と、を備える、計測装置。【選択図】図2

Description

本開示は、計測装置、計測方法及び電力変換装置に関する。
従来、周波数計測対象信号の波形の1周期のクロックをカウンタによりカウントし、そのカウント値から周波数を求める周波数計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6-11526号公報
図1は、一比較形態における周波数計測装置(以下、"周波数計測装置1"と称する)による周波数計測方法の一例を説明するためのタイミングチャートである。周波数計測装置1は、アナログの交流電圧波形wmをサンプリングすることによって、交流電圧波形wmの測定値wsを取得する。測定値wsは、交流電圧波形wmの時系列のサンプル値を表す。周波数計測装置1は、測定値wsを一つの閾値(この場合、0)と大小比較することにより、一つの方形波w0を生成する。交流電圧波形wmの周波数が例えば定格周波数50Hzの場合、方形波w0の周期は、20ms(=1/50)になることが期待される。周波数計測装置1は、一つの方形波w0の立ち下がり又は立ち上がり(ゼロクロス点)を検出し、その検出した立ち下がり又は立ち上がりの周期を計測することにより、交流電圧波形wmの周波数fmを計測する。
しかしながら、この計測手法では、原理的に、交流電圧波形wmのサンプリング周期の1/2幅(例えば、サンプリング周期が0.5msの場合、0.25ms幅)で、ゼロクロス点の検出時刻がばらつく。その結果、交流電圧波形wmの設定周波数fsに対して、計測された周波数fmがばらつくことがある。
本開示は、交流電圧波形の周波数の計測精度を向上させた計測装置、計測方法及び電力変換装置を提供する。
本開示の一態様では、
交流電圧波形を測定する測定部と、
前記交流電圧波形の測定値が第1閾値をクロスする第1クロス時刻と前記第1クロス時刻での前記交流電圧波形の第1測定値とを検出する第1検出部と、
前記交流電圧波形の測定値が前記第1閾値よりも低い第2閾値をクロスする第2クロス時刻と前記第2クロス時刻での前記交流電圧波形の第2測定値とを検出する第2検出部と、
前記交流電圧波形の測定値が前記第1クロス時刻と前記第2クロス時刻との間で前記第1測定値と前記第2測定値の間の基準値をクロスする基準クロス時刻を推定する推定部と、
前記基準クロス時刻の時間間隔を用いて、前記交流電圧波形の周波数を計算する計算部と、を備える、計測装置が提供される。
本開示の一態様によれば、交流電圧波形の周波数の計測精度を向上できる。
一比較形態における周波数計測装置による周波数計測方法の一例を説明するためのタイミングチャートである。 第1実施形態における周波数計測装置の構成例を示す図である。 第1クロス時刻、第2クロス時刻、正の測定値及び負の測定値を説明するための図である。 ゼロクロス時刻の推定処理の一例を示すタイミングチャートである。 周波数の計算処理の一例を示すタイミングチャートである。 一比較形態における周波数計測装置による周波数計測方法のシミュレーション結果の一例を示す図である。 第1実施形態における周波数計測装置による周波数計測方法のシミュレーション結果の一例を示す図である。 第2実施形態における周波数計測装置の構成例を示す図である。 第2実施形態における周波数計測装置による周波数計測方法の一例を説明するためのタイミングチャートである。 第3実施形態における周波数計測装置の構成例を示す図である。 位相跳躍の発生前後の交流電圧波形の一例を示すタイミングチャートである。 位相跳躍の発生前後の周波数計測値の時間的な変化の一例を示すタイミングチャートである。 位相跳躍の発生後に出力する周波数計測値の第1出力例を示すタイミングチャートである。 位相跳躍の発生後に出力する周波数計測値の第2出力例を示すタイミングチャートである。 位相跳躍の発生後に出力する周波数計測値の第3出力例を示すタイミングチャートである。
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、適宜、「以上」と「超える」は、相互に読み替えてもよく、「以下」と「未満」は、相互に読み替えてもよい。
図2は、第1実施形態における周波数計測装置の構成例を示す図である。図2に示す周波数計測装置100は、系統4の送電ライン3における交流電圧波形wmの周波数を計測する装置である。周波数計測装置100は、送電ライン3に接続される単独の装置でもよいし、系統4に連系する機器2(例えば、パワーコンディショナ(PCS)など)に内蔵されてもよい。PCSは、ソーラパネル等で発電した直流電力を交流電力に変換する変換回路5を備え、変換後の交流電力を送電ライン3に出力する装置である。なお、変換回路5は、直流又は交流の入力電力を、交流電圧波形wmを有する交流電力に変換する回路でもよいし、交流電圧波形wmを有する交流電力を、直流又は交流の出力電力に変換する回路でもよい。
周波数計測装置100は、例えば、交流電圧波形wmの計測された周波数を、表示や通信などにより出力したり、電力変換や異常検知などの所定の制御に出力(提供)したりする。そのようなアプリケーションの機能を向上させる上で、交流電圧波形wmの周波数を高精度に計測することが求められることがある。
周波数計測装置100は、交流電圧波形wmの周波数を計測する周波数計測回路101を備え、周波数計測回路101によって計測された周波数を出力する装置である。周波数計測回路101は、測定部90、検出部30、推定部40、計算部91、記憶部120、検知部130及び出力部140を備える。
周波数計測回路101は、例えば、メモリとプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit))を有する。測定部90、検出部30、推定部40、計算部91、検知部130及び出力部140の一部又は全部の構成は、メモリに記憶されたプログラムによって、プロセッサが動作することにより実現される。計算部91等の一部又は全部の構成は、FPGA(Field Programmable Gate Array)によって形成されてもよい。
以下、図3,4,5を適宜参照して、図2に示す周波数計測装置100の各構成について説明する。
測定部90は、交流電圧波形wmを測定し、例えば、アナログの交流電圧波形wmを一定のサンプリング周期でサンプリングすることによって、交流電圧波形wmの測定値wsを取得する。測定値wsは、交流電圧波形wmの時系列のサンプル値を表す。測定部90は、例えば、アナログの交流電圧波形wmをアナログ-デジタル変換器で一定のサンプリング周期でサンプリングすることでデジタル値に変換することによって、交流電圧波形wmの時系列の測定値ws(波形データ)を取得する。
測定部90は、例えば、瞬時電圧測定部10及び方形波変換部20を有する。
瞬時電圧測定部10は、アナログの交流電圧波形wmをアナログ-デジタル変換器で一定のサンプリング周期でサンプリングすることで、交流電圧波形wmのサンプリング毎の瞬時電圧(時系列の測定値ws)を測定する。
方形波変換部20は、図3に示すように、交流電圧波形wmの測定値wsと正の閾値th1との大小比較によって第1方形波w1を生成し、且つ、交流電圧波形wmの測定値wsと負の閾値th2との大小比較によって第2方形波w2を生成する。例えば、方形波変換部20は、測定値wmが正の閾値th1以上になると、第1方形波w1のレベルを第1レベル(この例では、ハイレベル)に切り替え、測定値wmが正の閾値th1未満になると、第1方形波w1のレベルを第2レベル(この例では、ローレベル)に切り替える。同様に、方形波変換部20は、測定値wmが負の閾値th2以上になると、第2方形波w2のレベルを第1レベル(この例では、ハイレベル)に切り替え、測定値wmが負の閾値th2未満になると、第2方形波w2のレベルを第2レベル(この例では、ローレベル)に切り替える。正の閾値th1は、所定の基準値Rよりも高く設定された第1閾値の一例である。負の閾値th2は、第1閾値よりも低い第2閾値の一例であり、所定の基準値Rよりも低く設定された閾値である。基準値Rは、この例では、ゼロである。
検出部30は、交流電圧波形wmの測定値wsが所定の閾値をクロスする時点(クロス時刻)と、そのクロス時刻での交流電圧波形wmの測定値wsとを検出する。検出部30は、交流電圧波形wmの測定値が正の閾値th1をクロスする時点である第1クロス時刻とその第1クロス時刻での交流電圧波形wmの正の測定値wspとを検出する第1検出部と、交流電圧波形wmの測定値wsが負の閾値th2をクロスする第2クロス時刻とその第2クロス時刻での交流電圧波形wmの負の測定値wsnとを検出する第2検出部とを有する。検出部30は、第1検出部の一例として、第1立ち上がり検出部31と第1立ち下がり検出部33との少なくとも一方を有する。検出部30は、第2検出部の一例として、第2立ち上がり検出部32と第2立ち下がり検出部34との少なくとも一方を有する。正の測定値wspは、第1クロス時刻での交流電圧波形の第1測定値の一例である。負の測定値wsnは、第2クロス時刻での交流電圧波形の第2測定値の一例である。
第1立ち上がり検出部31は、交流電圧波形wmの測定値wsが正の閾値th1以上になる第1立ち上がり時刻とその第1立ち上がり時刻での交流電圧波形wmの正の測定値wsとを検出する。第1立ち上がり時刻は、第1クロス時刻の一例である。
第2立ち上がり検出部32は、交流電圧波形wmの測定値wsが負の閾値th2以上になる第2立ち上がり時刻とその第2立ち上がり時刻での交流電圧波形wmの負の測定値wsとを検出する。第2立ち上がり時刻は、第2クロス時刻の一例である。
第1立ち下がり検出部33は、交流電圧波形wmの測定値wsが正の閾値th1未満になる第1立ち下がり時刻とその第1立ち下がり時刻での交流電圧波形wmの正の測定値wsとを検出する。第1立ち下がり時刻は、第1クロス時刻の一例である。
第2立ち下がり検出部34は、交流電圧波形wmの測定値wsが負の閾値th2未満になる第2立ち下がり時刻とその第2立ち下がり時刻での交流電圧波形wmの負の測定値wsとを検出する。第2立ち下がり時刻は、第2クロス時刻の一例である。
推定部40は、交流電圧波形wmの測定値wsが第1クロス時刻と第2クロス時刻との間で正の測定値wspと負の測定値wsnとの間のゼロをクロスするゼロクロス時刻tを推定する。図4は、測定値wsが第1立ち下がり時刻と第2立ち下がり時刻との間で正の測定値wspと負の測定値wsnとの間のゼロをクロスするゼロクロス時刻tを推定する場合を例示する。正の測定値wspと負の測定値wsnとの間のゼロは、第1測定値と第2測定値との間の基準値Rの一例である。ゼロクロス時刻tは、交流電圧波形の測定値が基準値Rをクロスする基準クロス時刻の一例である。
推定部40は、第1補正演算部41と第2補正演算部42との少なくとも一方を有する。第1補正演算部41は、測定値wsが第2立ち上がり時刻から第1立ち上がり時刻までの間で正の測定値と負の測定値との間のゼロをクロスする時点である立ち上がりゼロクロス時刻を推定する第1推定部の一例である。第2補正演算部42は、測定値wsが第1立ち下がり時刻から第2立ち下がり時刻までの間で正の測定値th1と負の測定値th2との間のゼロをクロスする時点である立ち下がりゼロクロス時刻を推定する第2推定部の一例である。立ち上がりゼロクロス時刻は、交流電圧波形の測定値が第2立ち上がり時刻から第1立ち上がり時刻までの間で第1測定値と第2測定値との間の基準値をクロスする時点である立ち上がり基準クロス時刻の一例である。立ち下がりゼロクロス時刻は、交流電圧波形の測定値が第1立ち下がり時刻から第2立ち下がり時刻までの間で第1測定値と第2測定値との間の基準値をクロスする時点である立ち下がり基準クロス時刻の一例である。
計算部91は、ゼロクロス時刻tの時間間隔を用いて、交流電圧波形wmの周波数を測定する。計算部91は、例えば、周期計算部50及び周波数計算部60を有する。
周期計算部50は、ゼロクロス時刻tの時間間隔を用いて、交流電圧波形wmの周期を計算する。例えば図5に示すように、隣り合う2つのゼロクロス時刻t01,t02に挟まれる一つの時間間隔Tは、交流電圧波形wmの1周期に相当する(t01<t02)。したがって、周期計算部50は、例えば、隣り合う2つのゼロクロス時刻t01,t02に挟まれる一つの時間間隔Tを計測することで、交流電圧波形wmの1周期を計算する。
なお、図5に示すように、隣り合う3つのゼロクロス時刻t01,t02,t03に挟まる2つの時間間隔T,Tの合計は、交流電圧波形wmの2周期に相当する(t01<t02<t03)。したがって、例えば、周期計算部50は、隣り合うn個のゼロクロス時刻tに挟まれる(n-1)個の時間間隔の合計を(n-1)で除算することで、交流電圧波形wmの1周期を計算してもよい。nは、2以上の整数を表す。
周期計算部50は、例えば、立ち上がり周期計算部51と立ち下がり周期計算部52との少なくとも一方を有する。立ち上がり周期計算部51は、第1補正演算部41により推定された立ち上がりゼロクロス時刻の時間間隔を用いて、交流電圧波形wmの立ち上がり周期を計算する。立ち下がり周期計算部52は、第2補正演算部42により推定された立ち下がりゼロクロス時刻の時間間隔を用いて、交流電圧波形wmの立ち下がり周期を計算する。図5は、立ち下がり周期の計算を例示する。
周波数計算部60は、周期計算部50により計算された交流電圧波形wmの周期の逆数を算出することによって、交流電圧波形wmの周波数を計算する。周波数計算部60は、例えば、立ち上がり周波数計算部61と立ち下がり周波数計算部62との少なくとも一方を有する。
立ち上がり周波数計算部61は、立ち上がり周期計算部51により計算された立ち上がり周期の逆数を算出することで、交流電圧波形wmの立ち上がり周波数fuを計算する。立ち下がり周波数計算部62は、立ち下がり周期計算部52により計算された立ち下がり周期の逆数を算出することで、交流電圧波形wmの立ち下がり周波数fdを計算する。図5は、立ち下がり周波数fdの計算を例示する。
なお、交流電圧波形wmの周期(周波数)が頻繁に変動する場合、交流電圧波形wmの周期(周波数)を高精度に計測する点で、ゼロクロス時刻tを検出するたびに、交流電圧波形wmの1周期及び周波数を計算することが好ましい。
このように、第1実施形態によれば、例えば図4の場合、正の閾値th1と負の閾値th2を用いて、第1立ち下がり時刻と第2立ち下がり時刻とを検出する。正の閾値th1と負の閾値th2を用いることで、交流電圧波形wmのサンプリング周期が比較的短くなくても(サンプリング周波数が比較的高くなくても)、比較的短い時間間隔の2つの立ち下がり時刻(第1立ち下がり時刻と第2立ち下がり時刻)を検出できる。そして、測定値wsが第1立ち下がり時刻から第2立ち下がり時刻までの間で正の測定値wspと負の測定値wsnとの間のゼロをクロスする時点である立ち下がりゼロクロス時刻を推定する。比較的短い時間間隔の2つの立ち下がり時刻から立ち下がりゼロクロス時刻を推定するので、立ち下がりゼロクロス時刻の推定精度が向上する。そして、このように推定された立ち下がりゼロクロス時刻の時間間隔を用いて、交流電圧波形wmの立ち下がり周波数fdを計算するので、立ち下がり周波数fdの計測精度が向上する。立ち上がり周波数fuを計測する場合も同様に考えることができ、立ち上がり周波数fuの計測精度が向上する。
なお、第1実施形態において、立ち上がり周波数fuの計測が不要であれば、第1立ち上がり検出部31、第2立ち上がり検出部32、第1補正演算部41、立ち上がり周期計算部51及び立ち上がり周波数計算部61は、無くてもよい。同様に、第1実施形態において、立ち下がり周波数fdの計測が不要であれば、第1立ち下がり検出部33、第2立ち下がり検出部34、第2補正演算部42、立ち下がり周期計算部52及び立ち下がり周波数計算部62は、無くてもよい。
図4において、測定部90は、第1立ち下がり時刻から立ち下がりゼロクロス時刻tまでの間に1回以上、且つ、立ち下がりゼロクロス時刻tから第2立ち下がり時刻までの間に1回以上、交流電圧波形wmをサンプリングすることによって、交流電圧波形wmの測定値wsを取得する。これにより、立ち下がりゼロクロス時刻tの検出精度が向上するので、立ち下がり周波数fdの計測精度も向上する。
同様に、測定部90は、第2立ち上がり時刻から立ち上がりゼロクロス時刻までの間に1回以上、且つ、立ち上がりゼロクロス時刻から第1立ち上がり時刻までの間に1回以上、交流電圧波形wmをサンプリングすることによって、交流電圧波形wmの測定値wsを取得する。これにより、立ち上がりゼロクロス時刻の検出精度が向上するので、立ち上がり周波数fuの計測精度も向上する。
このように、測定部90は、第1クロス時刻とゼロクロス時刻との間に1回以上、且つ、ゼロクロス時刻と第2クロス時刻との間に1回以上、交流電圧波形wmをサンプリングすることによって、交流電圧波形wmの測定値wsを取得するのが好ましい。言い換えれば、測定部90は、第1クロス時刻とゼロクロス時刻との間に1回以上、且つ、ゼロクロス時刻と第2クロス時刻との間に1回以上、交流電圧波形wmをサンプリングするように、正の閾値th1及び負の閾値th2を設定するのが好ましい。
正の閾値th1と負の閾値th2は、絶対値が同じであることが好ましい。これにより、第1クロス時刻とゼロクロス時刻との間のサンプリング回数と、ゼロクロス時刻と第2クロス時刻との間のサンプリング回数とをほぼ同じにできる。その結果、ゼロクロス時刻の検出精度が向上するので、交流電圧波形wmの周波数の計測精度も向上する。
図4において、例えば、第1立ち下がり検出部33は、第1方形波w1の立ち下がりエッジを検出したタイミングを、第1立ち下がり時刻tとして検出してもよい。例えば、第2立ち下がり検出部34は、第2方形波w2の立ち下がりエッジを検出したタイミングを、第2立ち下がり時刻tとして検出してもよい。
第1立ち下がり検出部33は、複数の測定値wsのうち第1立ち下がり時刻tでの測定値を、正の測定値vとして検出する。第2立ち下がり検出部34は、複数の測定値wsのうち第2立ち下がり時刻tでの測定値を、負の測定値vとして検出する。
第2補正演算部42は、第1立ち下がり時刻t、第2立ち下がり時刻t、正の測定値v及び負の測定値vを用いた補間演算を行うことにより、立ち下がりゼロクロス時刻tを推定する。例えば、第2補正演算部42は、第1立ち下がり時刻tを0に設定すると、演算式『t=-v1・t2/(v2-v1)』を用いた補間演算によって、測定値wsがゼロをクロスする立ち下がりゼロクロス時刻tを推定できる。同様に、第1補正演算部41は、第1立ち上がり時刻、第2立ち上がり時刻、正の測定値及び負の測定値を用いた補間演算を行うことにより、立ち上がりゼロクロス時刻を推定できる。
図6は、一比較形態における周波数計測装置による周波数計測方法(一つの閾値(=0)を用いて周波数fmを計測する場合)のシミュレーション結果の一例を示す図である。図7は、第1実施形態における周波数計測装置による上述の周波数計測方法(正負の二つの)の閾値を用いて周波数fmを計測する場合)のシミュレーション結果の一例を示す図である。図6の場合、計測される周波数fmは、実際の設定周波数fsに対してずれているのに対し、図7の場合、計測される周波数fmは、実際の設定周波数fsと同じという結果が得られた。
ところで、交流電圧波形wmは、何らかの要因によって、ある時刻で位相進み方向又は位相遅れ方向に位相跳躍が発生することがある。
図11は、位相跳躍の発生前後の交流電圧波形の一例を示すタイミングチャートであり、交流電圧波形wmの位相が位相進み方向に跳躍した状況を示している。図11に示す例では、位相進み方向に位相跳躍が発生した場合、立ち下がり周期の値が短く計算されるため、その1計測周期分の周波数計測値が高い値(ノイズ)となる。位相跳躍がすぐに解消されると、その次の計測周期分の周波数計測値は、元の値に戻る。
位相跳躍では、位相が不連続に変化するのみで、実際の周波数は変化していないので、理想的には、出力される周波数計測値は変化しないことが望ましい。しかしながら、交流電圧波形wmの実際の周波数変動が周波数計測値から除去されてしまうことは望ましくない。
図12は、位相跳躍の発生前後の周波数計測値の時間的な変化の一例を示すタイミングチャートである。図12は、交流電圧波形wmの周波数が50[Hz]で変化せず、ある時刻で位相進み方向の位相跳躍が発生し、その後も、交流電圧波形wmの実際の周波数は50[Hz]で変化しない場合を例示する。位相進み方向の位相跳躍が発生する場合、立ち上がり基準クロス時刻を検出しても立ち下がり基準クロス時刻を検出しても、交流電圧波形wmの周期は短く計算される。そのため、何ら対策をしなければ、位相進み方向の位相跳躍が発生した直後に出力される周波数計測値は、50[Hz]よりも高い値になる。位相跳躍が解消されると、その後に出力される周波数計測値は、50[Hz]に戻る。
図2に示す周波数計測装置100は、実際の周波数変動に伴う周波数計測値の出力変化を除去せずに位相跳躍に伴う周波数計測値の出力変化を除去できるように、記憶部120、検知部130及び出力部140を備えてもよい。次に、図2及び図12を参照して、記憶部120、検知部130及び出力部140の各構成について説明する。
記憶部120は、交流電圧波形wmの複数の計測周期分の周波数計測値を記憶する。記憶部120は、例えば、N計測周期分の周波数計測値を格納できるように、少なくともN計測周期分のバッファを備える。Nは、2以上の整数である。記憶部120は、交流電圧波形wmの立ち上がり周波数fuと立ち下がり周波数fdとで個別に、複数の計測周期分の周波数計測値を記憶してもよい。
検知部130は、複数の計測周期分の周波数計測値の履歴との相違に基づいて、計算部91により今回(N回目)の計測周期で計算された交流電圧波形wmの周波数計算値fの異常Xを検知する。複数の計測周期分の周波数計測値の履歴は、記憶部120に記憶された情報が用いられる。検知部130は、立ち上がり周波数fuと立ち下がり周波数fdとで個別に、異常Xを検知してもよい。
出力部140は、異常Xが検知部130により検知されない場合、周波数計算値fを今回の計測周期の周波数計測値fとして出力し、異常Xが検知部130により検知された場合、異常Xを除去した周波数値を今回の計測周期の周波数計測値fとして出力する。
したがって、検知部130は、例えば、周波数計算値fと複数の計測周期分の周波数計測値の履歴との相違が基準よりも大きい場合、周波数計算値fと当該履歴との連続性が低下したとみなして、位相跳躍を起因とする異常Xを検知したと判断できる。異常Xが検知された場合、異常Xを除去した周波数値が今回の計測周期の周波数計測値fとして出力される。一方、検知部130は、例えば、周波数計算値fと複数の計測周期分の周波数計測値の履歴との相違が基準よりも小さい場合、周波数計算値fと当該履歴との連続性が低下していないとみなして、位相跳躍を起因とする異常Xが検知されないと判断できる。異常Xが検知されない場合、周波数計算値fが今回の計測周期の周波数計測値fとして出力される。
よって、周波数計測装置100は、交流電圧波形wmの周波数が実際に変動すれば、その変動に応じた周波数計測値を出力できる一方、交流電圧波形wmの位相跳躍が生ずれば、位相跳躍に伴う周波数変化を除去した周波数計測値を出力できる。
なお、出力部140から出力される周波数値は、異常Xを除去した周波数値及び周波数計算値fのどちらの場合も、今回の計測周期の周波数計測値fとして記憶部120に記憶されることで、次回以降の計測周期の周波数計測値の履歴の一つとして使用される。
検知部130は、周波数計算値fが、複数の計測周期分の周波数計測値の履歴に基づき設定された基準から外れるか否かによって、異常Xを検知してもよい。例えば、検知部130は、当該基準から外れた周波数計算値fは異常と判断し、当該基準から外れていない周波数計算値fは異常でないと判断する。
例えば図12に示すように、検知部130は、前回(N-1回目)以前の複数の計測周期分の周波数計測値の履歴に基づいて、前回の計測周期の周波数計測値fN-1から上下に拡がる基準範囲Y(図12の場合、±10[Hz/s]の線で挟まれた範囲)を導出する。検知部130は、周波数計算値fが基準範囲Yから外れた状態を異常Xと判断し、周波数計算値fが基準範囲Yから外れていない状態を異常Xとは判断しない。
検知部130は、複数の計測周期分の周波数計測値の履歴に基づいて周波数計測値の基準変化率Qを設定してもよい。検知部130は、前回の計測周期の周波数計測値fN-1から今回の計測周期の周波数計算値fへの周波数変化率Qが基準変化率Qrから外れるか否かによって、異常Xを検知してもよい。例えば、検知部130は、周波数変化率Qが基準変化率Qから外れた状態を異常Xと判断し、周波数変化率Qが基準変化率Qから外れていない状態を異常Xとは判断しない。
基準変化率Qは、例えば、前回以前の複数の計測周期分の周波数計測値の平均変化率Qから所定の変化率ΔQずれた周波数変化率である(Q=Q±ΔQ)。
平均変化率Qは、例えば、前回以前のn計測周期分の周波数変化率の平均値で定義される。nは、2以上N以下の整数である。1計測周期前から4計測周期前までの各計測周期の周波数計測値を、fN-1,fN-2,fN-3,fN-4とし、1計測周期をT[s]とする。4計測周期前の周波数計測値fN-4から3計測周期前の周波数計測値fN-3への周波数変化率をQN-3、3計測周期前の周波数計測値fN-3から2計測周期前の周波数計測値fN-2への周波数変化率をQN-2、2計測周期前の周波数計測値fN-2から1計測周期前の周波数計測値fN-1への周波数変化率をQN-1とする。このとき、n=3の場合、
=(QN-1+QN-2+QN-3)/3
N-1=(fN-1-fN-2)/T
N-2=(fN-2-fN-3)/T
N-3=(fN-3-fN-4)/T
が成立する。
例えば図12の場合、1計測周期前から4計測周期前までの各計測周期の周波数計測値fN-1,fN-2,fN-3,fN-4は、いずれも、50[Hz]なので、平均変化率Q=0[Hz/s]である。所定の変化率ΔQが±10[Hz/s]の場合、基準変化率Qは、±10[Hz/s]である。
検知部130は、基準変化率Qで周波数計測値fN-1から変化させた基準周波数値fから外れるか否かによって、異常Xを検知してもよい。例えば、検知部130は、周波数計算値fが基準周波数値fから外れた状態を異常Xと判断し、周波数計算値fが基準周波数値fから外れていない状態を異常Xとは判断しない。
例えば図12において、所定の変化率ΔQが±10[Hz/s]で、1計測周期Tが20[ms]の場合、基準周波数値fは、前回の計測周期の周波数計測値fN-1から±0.2[Hz]離れた値に相当する。
図13は、位相跳躍の発生後に出力する周波数計測値の第1出力例を示すタイミングチャートであり、異常Xが検知された周波数計算値fの代わりに、記憶部120に記憶された過去の計測周期の周波数計測値を出力する場合を示す。図13は、交流電圧波形wmの周波数が変動していない状況(平均変化率Q=0[Hz/s])において、位相進み方向に位相跳躍が発生した場合を示す。所定の変化率ΔQが±10[Hz/s]の場合、基準変化率Qは、±10[Hz/s]である。
検知部130は、図13に示すように、周波数計測値fが、基準変化率Q(=±10[Hz/s])で前回の計測周期の周波数計測値fN-1から上下に拡がる基準範囲Yから外れた状態を異常Xと判断する。図13に示す例では、出力部140は、異常Xを除去した周波数値として、記憶部120に記憶された前回の計測周期の周波数計測値fN-1を出力する。出力部140は、前回の計測周期の周波数計測値fN-1を今回の計測周期の周波数計測値として出力する。これにより、実際の周波数変動が生じていない位相跳躍が発生しても、異常Xを除去した周波数計測値fN-1が、今回の計測周期の周波数計測値として出力される。
出力部140は、今回の計測周期の周波数計測値が異常Xを除去した周波数値であることを知らせる信号(異常通知信号)を通信又は表示等により出力してもよい。これにより、今回の計測周期の周波数計測値が異常Xを除去した周波数値であることを、外部装置やユーザに知らせることができる。出力部140は、異常Xが検知されなくなると、異常通知信号の出力を停止する。これにより、今回の計測周期の周波数計測値が異常Xを除去した周波数値でないことを、外部装置やユーザに知らせることができる。
図14は、位相跳躍の発生後に出力する周波数計測値の第2出力例を示すタイミングチャートであり、異常Xが検知された周波数計算値fの代わりに、記憶部120に記憶された過去の計測周期の周波数計測値に基づき補正された周波数値を出力する場合を示す。図14は、交流電圧波形wmの周波数が変動(低下)している状況(平均変化率Q=-0.5[Hz/s])において、位相進み方向に位相跳躍が発生した場合を示す。所定の変化率ΔQが±10[Hz/s]の場合、基準変化率Qは、-10.5(=-0.5-10)[Hz/s]及び+9.5(=-0.5+10)[Hz/s]である。
検知部130は、図14に示すように、周波数計測値fが、基準変化率Q(=-10.5又は+9.5[Hz/s])で前回の計測周期の周波数計測値fN-1から上下に拡がる基準範囲Yから外れた状態を異常Xと判断する。出力部140は、異常Xを除去した周波数値として、前回以前の複数の計測周期分の周波数計測値を外挿することで得られた周波数値fを出力する。
図14に示す例では、出力部140は、周波数計測値fN-2と周波数計測値fN-1とを外挿補間することによって算出された周波数値fを出力する。出力部140は、周波数値fを今回の計測周期の周波数計測値として出力する。これにより、実際の周波数変動が生じていない位相跳躍が発生しても、周波数計測値fから異常Xを除去した周波数値fが、今回の計測周期の周波数計測値として出力される。上述の例と同様に、出力部140は、異常通知信号を出力してもよく、異常Xの検知が解除されると、異常通知信号の出力を停止してもよい。
図15は、位相跳躍の発生後に出力する周波数計測値の第3出力例を示すタイミングチャートであり、異常Xが検知された周波数計算値fの代わりに、平均変化率Qで前回の計測周期の周波数計測値fN-1から変化させた周波数値を出力する場合を示す。図15は、交流電圧波形wmの周波数が変動(低下)している状況(平均変化率Q=-0.5[Hz/s])において、位相進み方向に位相跳躍が発生した場合を示す。所定の変化率ΔQが±10[Hz/s]の場合、基準変化率Qは、-10.5(=-0.5-10)[Hz/s]及び+9.5(=-0.5+10)[Hz/s]である。
検知部130は、図15に示すように、周波数計測値fが、基準変化率Q(=-10.5又は+9.5[Hz/s])で前回の計測周期の周波数計測値fN-1から上下に拡がる基準範囲Yから外れた状態を異常Xと判断する。出力部140は、異常Xを除去した周波数値として、平均変化率Qで前回の計測周期の周波数計測値fN-1から変化させた周波数値fを出力する。図15に示す例では、出力部140は、周波数値fを今回の計測周期の周波数計測値として出力する。これにより、実際の周波数変動が生じていない位相跳躍が発生しても、周波数計測値fから異常Xを除去した周波数値fが、今回の計測周期の周波数計測値として出力される。上述の例と同様に、出力部140は、異常通知信号を出力してもよく、異常Xの検知が解除されると、異常通知信号の出力を停止してもよい。
図8は、第2実施形態における周波数計測装置の構成例を示す図である。図9は、第2実施形態における周波数計測装置による周波数計測方法の一例を説明するためのタイミングチャートである。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成についての説明は、上述の説明を援用することで省略する。図8に示す周波数計測装置200は、平均周波数計測回路201を備え、平均周波数計測回路201は、周波数計測回路101(図2)と平均化回路70とを備える。
周波数計測回路101内の計算部91は、立ち下がり周波数fdと立ち上がり周波数fdとの平均をとることで、交流電圧波形vmの周波数を計算する平均化回路70を有する。平均化回路70は、立ち下がり周波数fdと立ち上がり周波数fdとの和を加算器71により算出し、その和を除算器72により2で除算することによって、立ち下がり周波数fdと立ち上がり周波数fdとの平均値(交流電圧波形vmの平均周波数)を算出する。
交流電圧波形vmの周波数をこのように算出することで、平均化による周波数の値の精度が向上する。また、交流電圧波形vmの周波数の算出に、半周期だけシフトしたタイミングで立ち上がりゼロクロス時刻と立ち下がりゼロクロス時刻がそれぞれ反映されるので(図9参照)、周波数の計測精度が向上すると共に、計測の時間的応答速度が向上する。
図10は、第3実施形態にける周波数計測装置の構成例を示す図である。第3実施形態において、第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成についての説明は、上述の説明を援用することで省略する。図10に示す周波数計測装置300は、平均周波数計測回路301を備える。平均周波数計測回路301は、三相の交流電圧波形Vmの平均周波数を検出する。平均周波数計測回路301は、周波数計測回路101(図2)とそれぞれ同じ回路構成の複数の周波数計測回路101a,101b,101cと、平均化回路80とを備える。
周波数計測回路101a内の測定部90は、送電ライン3におけるA相の交流電圧波形wmの相電圧(A相電圧)を測定し、周波数計測回路101a内の推定部40は、A相電圧のゼロクロス時刻を推定する。周波数計測回路101a内の計算部91は、A相電圧のゼロクロス時刻の時間間隔を用いて、A相電圧の周波数を計算する。同様に、周波数計測回路101bは、B相電圧の周波数を計算し、周波数計測回路101cは、C相電圧の周波数を計算する。平均周波数計測回路301は、複数相の相電圧の周波数を平均することで、交流電圧波形Vmの周波数(三相平均周波数)を計算する平均化回路80を計算部として備える。平均化回路80は、A相電圧、B相電圧及びC相電圧の各々の周波数の和を加算器81により算出し、その和を除算器82により3で除算することによって、三相平均周波数を算出する。これにより、平均化による周波数の値の精度が向上すると共に、3分の1周期だけシフトしたタイミングで各相電圧のゼロクロス時刻が周波数の算出にそれぞれ反映されるので、計測の時間的応答速度が向上する。
あるいは、周波数計測回路101a内の測定部90は、A相の送電ライン3とB相の送電ライン3との間のAB線間電圧(交流波形のAB相間電圧)を測定し、周波数計測回路101a内の推定部40は、AB線間電圧のゼロクロス時刻を推定する。周波数計測回路101a内の計算部91は、AB線間電圧のゼロクロス時刻の時間間隔を用いて、AB線間電圧の周波数を計算する。同様に、周波数計測回路101bは、BC線間電圧の周波数を計算し、周波数計測回路101cは、CA線間電圧の周波数を計算する。平均周波数計測回路301は、3つの線間電圧の周波数を平均することで、交流電圧波形Vmの周波数(三相平均周波数)を計算する平均化回路80を計算部として備える。平均化回路80は、AB線間電圧、BC線間電圧及びCA線間電圧の各々の周波数の和を加算器81により算出し、その和を除算器82により3で除算することによって、三相平均周波数を算出する。これにより、平均化による周波数の値の精度が向上すると共に、3分の1周期だけシフトしたタイミングで各線間電圧のゼロクロス時刻が周波数の算出にそれぞれ反映されるので、計測の時間的応答速度が向上する。
なお、平均周波数計測回路301は、平均周波数計測回路201(図8)とそれぞれ同じ回路構成の複数の平均周波数計測回路201a,201b,201cと、平均化回路80とを備えるものでもよい。
以上、計測装置、計測方法及び電力変換装置を実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
例えば、第1測定値と第2測定値との間の基準値(言い換えれば、第1閾値と第2閾値との間の基準値)は、ゼロに限られず、正の値でも負の値でもよい。また、第1閾値及び第2閾値は、両方とも、正の値でもよいし、負の値でもよい。
また、計測装置は、周波数を計測する専用の装置に限られず、周波数を計測する機能を有する装置でもよい。周波数計測機能を有する計測装置として、電力計、スマートメータ、PMU(Phasor Measurement Unit)などが挙げられる。また、周波数計測機能を有する計測装置は、系統連系保護継電器(保護リレー)などの系統連系機器に備えられるものでもよい。
計測装置を備える電力変換装置は、太陽光、蓄電池、燃料電池などを利用するPCSに限られない。計測装置を備える電力変換装置には、EV用充電器、UPS(系統に連系する整流器側、又は、負荷に接続するインバータ側)、整流器、汎用インバータ(モータ駆動用のインバータなど)、自励式又は他励式のSVC(静止型無効電力補償装置、Static Var Compensator)、自励式のSTATCOM(静止型無効電力補償装置、STATic synchronous COMpensator)、周波数変換装置(50Hzと60Hzを相互変換する機器)などがある。
PCSは、例えば、計測された周波数を、系統連系規定にある系統保護機能(周波数低下リレー、周波数上昇リレー、単独運転検出)、スマートインバータのFrequency-Watt機能などの出力制御などに使用する。UPSは、例えば、整流器側の系統へ電力回生する機能がある場合は、計測された周波数を、その電力回生の制御に使用し、インバータ側の系統電圧との並列駆動型の場合は、計測された周波数を、系統側停電時のインバータ出力のための同期投入制御に使用する。整流器及び汎用インバータは、例えば、系統へ電力回生する機能がある場合は、計測された周波数を、その電力回生の制御に使用する。SVC及びSTATCOMは、例えば、計測された周波数を、系統連系規定にある系統保護機能(周波数低下リレー、周波数上昇リレー、単独運転検出)に使用する。周波数変換装置は、例えば、計測された周波数を、基本的な機器の出力制御に使用する。系統連系保護継電器は、例えば、計測された周波数を、系統連系規定にある系統保護機能(周波数低下リレー、周波数上昇リレー、単独運転検出)に使用する。電力計、スマートメータ及びPMUは、例えば、計測された周波数を監視する。
電圧検出範囲が定格電圧より大きな範囲に設定された第1ADCで計測される電圧値は、例えば、機器の制御のため(電圧振幅検出、実効値検出、瞬時値検出など)、機器保護のため(過電圧検出、不足電圧検出など)、系統保護のため(地絡過電圧リレー、過電圧リレー、不足電圧リレーなど)、計量、計測又は監視のため(電力計やスマートメータなど、計測そのものが目的の機器の場合)に使用される。
本開示の技術は、交流電圧波形wmの位相が位相進み方向に跳躍する場合に限られず、交流電圧波形wmの位相が位相遅れ方向に跳躍する場合にも適用できる。位相遅れ方向に位相跳躍が発生した場合、交流電圧波形wmの周期が長く計算されるため、その1計測周期分の周波数計測値が低い値(ノイズ)となる。検知部130は、この低い周波数計測値(ノイズ)を異常Xとして検知する。
測定部90は、交流電圧波形wmを所定の電圧検出範囲で検出してデジタル測定値を出力するアナログ-デジタル変換器(ADC)を有する。ADCの電圧検出範囲は、交流電圧波形wmの極大値から極小値までの電圧範囲を含む広範な範囲でなくてもよく、交流電圧波形wmの極大値から極小値までの電圧範囲よりも狭い範囲でもよい。ADCの電圧検出範囲は、第1閾値th1と第2閾値th2との間の数値範囲に対応する電圧範囲を包含すれば、交流電圧波形wmの周波数を計測できる。
2 機器
3 送電ライン
4 系統
5 変換回路
10 瞬時電圧測定部
20 方形波変換部
30 検出部
31 第1立ち上がり検出部
32 第2立ち上がり検出部
33 第1立ち下がり検出部
34 第2立ち下がり検出部
40 推定部
50 周期計算部
60 周波数計算部
70,80 平均化回路
71,81 加算器
72,82 除算器
90 測定部
91 計算部
100,200,300 周波数計測装置
101,101a,101b,101c 周波数計測回路
120 記憶部
130 検知部
140 出力部
201,201a,201b,201c,301 平均周波数計測回路

Claims (28)

  1. 交流電圧波形を測定する測定部と、
    前記交流電圧波形の測定値が第1閾値をクロスする第1クロス時刻と前記第1クロス時刻での前記交流電圧波形の第1測定値とを検出する第1検出部と、
    前記交流電圧波形の測定値が前記第1閾値よりも低い第2閾値をクロスする第2クロス時刻と前記第2クロス時刻での前記交流電圧波形の第2測定値とを検出する第2検出部と、
    前記交流電圧波形の測定値が前記第1クロス時刻と前記第2クロス時刻との間で前記第1測定値と前記第2測定値の間の基準値をクロスする基準クロス時刻を推定する推定部と、
    前記基準クロス時刻の時間間隔を用いて、前記交流電圧波形の周波数を計算する計算部と、を備える、計測装置。
  2. 前記計算部は、隣り合う2つの前記基準クロス時刻の時間間隔を用いて、前記周波数を計算する、請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記測定部は、前記第1クロス時刻と前記基準クロス時刻との間に1回以上、且つ、前記基準クロス時刻と前記第2クロス時刻との間に1回以上、前記交流電圧波形をサンプリングすることによって、前記交流電圧波形の測定値を取得する、請求項1又は2に記載の計測装置。
  4. 前記第1閾値と前記第2閾値は、絶対値が同じである、請求項3に記載の計測装置。
  5. 前記測定部は、前記交流電圧波形の測定値と前記第1閾値との大小比較によって第1方形波を生成し、且つ、前記交流電圧波形の測定値と前記第2閾値との大小比較によって第2方形波を生成し、
    前記第1検出部は、前記第1方形波のエッジによって前記第1クロス時刻を検出し、
    前記第2検出部は、前記第2方形波のエッジによって前記第2クロス時刻を検出する、請求項1から4のいずれか一項に記載の計測装置。
  6. 前記第1クロス時刻は、前記交流電圧波形の測定値が前記第1閾値以下になる第1立ち下がり時刻であり、
    前記第2クロス時刻は、前記交流電圧波形の測定値が前記第2閾値以下になる第2立ち下がり時刻である、請求項1から5のいずれか一項に記載の計測装置。
  7. 前記第1クロス時刻は、前記交流電圧波形の測定値が前記第1閾値以上になる第1立ち上がり時刻であり、
    前記第2クロス時刻は、前記交流電圧波形の測定値が前記第2閾値以上になる第2立ち上がり時刻である、請求項1から5のいずれか一項に記載の計測装置。
  8. 前記第1クロス時刻は、前記交流電圧波形の測定値が前記第1閾値以下になる第1立ち下がり時刻と、前記交流電圧波形の測定値が前記第1閾値以上になる第1立ち上がり時刻と、を含み、
    前記第2クロス時刻は、前記交流電圧波形の測定値が前記第2閾値以下になる第2立ち下がり時刻と、前記交流電圧波形の測定値が前記第2閾値以上になる第2立ち上がり時刻と、を含み、
    前記推定部は、前記交流電圧波形の測定値が前記第1立ち下がり時刻から前記第2立ち下がり時刻までの間で前記第1測定値と前記第2測定値との間の前記基準値をクロスする時点である立ち下がり基準クロス時刻を推定し、且つ、前記交流電圧波形の測定値が前記第2立ち上がり時刻から前記第1立ち上がり時刻までの間で前記第1測定値と前記第2測定値との間の前記基準値をクロスする時点である立ち上がり基準クロス時刻を推定し、
    前記計算部は、前記立ち下がり基準クロス時刻の時間間隔を用いて、前記交流電圧波形の立ち下がり周波数を計算し、且つ、前記立ち上がり基準クロス時刻の時間間隔を用いて、前記交流電圧波形の立ち上がり周波数を計算する、請求項1から5のいずれか一項に記載の計測装置。
  9. 前記計算部は、前記立ち下がり周波数と前記立ち上がり周波数との平均をとることで、前記交流電圧波形の周波数を計算する、請求項8に記載の計測装置。
  10. 前記測定部は、複数相の前記交流電圧波形の相電圧を測定し、
    前記計算部は、前記基準クロス時刻の時間間隔を用いて、前記複数相の前記相電圧の周波数を計算する、請求項1から8のいずれか一項に記載の計測装置。
  11. 前記計算部は、前記複数相の前記相電圧の周波数を平均することで、前記交流電圧波形の周波数を計算する、請求項10に記載の計測装置。
  12. 前記測定部は、複数相の前記交流電圧波形の相間電圧を測定し、
    前記計算部は、前記基準クロス時刻の時間間隔を用いて、前記複数相の前記相間電圧の周波数を計算する、請求項1から8のいずれか一項に記載の計測装置。
  13. 前記計算部は、前記複数相の前記相間電圧の周波数を平均することで、前記交流電圧波形の周波数を計算する、請求項12に記載の計測装置。
  14. 前記交流電圧波形の複数の計測周期分の周波数計測値を記憶する記憶部と、
    前記複数の計測周期分の周波数計測値の履歴との相違に基づいて、前記計算部により今回の計測周期で計算された前記交流電圧波形の周波数計算値の異常を検知する検知部と、
    前記異常が検知されない場合、前記周波数計算値を今回の計測周期の周波数計測値として出力し、前記異常が検知された場合、前記異常を除去した周波数値を今回の計測周期の周波数計測値として出力する出力部と、を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の計測装置。
  15. 前記異常を除去した周波数値は、前記記憶部に記憶された過去の計測周期の周波数計測値である、請求項14に記載の計測装置。
  16. 前記記憶部に記憶された過去の計測周期の周波数計測値は、前回の計測周期の周波数計測値である、請求項15に記載の計測装置。
  17. 前記異常を除去した周波数値は、前記記憶部に記憶された過去の計測周期の周波数計測値に基づき補正された周波数値である、請求項14に記載の計測装置。
  18. 前記補正された周波数値は、前回以前の複数の計測周期分の周波数計測値を外挿することで得られた周波数値である、請求項17に記載の計測装置。
  19. 前記補正された周波数値は、前回以前の複数の計測周期分の周波数計測値の平均変化率で前回の計測周期の周波数計測値から変化させた周波数値である、請求項17に記載の計測装置。
  20. 前記出力部は、今回の計測周期の周波数計測値が前記異常を除去した周波数値であることを知らせる信号を出力する、請求項14から19のいずれか一項に記載の計測装置。
  21. 前記出力部は、前記異常が検知されなくなると、前記信号の出力を停止する、請求項20に記載の計測装置。
  22. 前記検知部は、前記周波数計算値と前記履歴との相違が基準よりも大きい場合、前記異常を検知したと判断する、請求項14から21のいずれか一項に記載の計測装置。
  23. 前記検知部は、前記周波数計算値が、前記履歴に基づき設定された基準から外れるか否かによって、前記異常を検知する、請求項14から21のいずれか一項に記載の計測装置。
  24. 前記基準は、前記履歴に基づき設定された基準変化率で前回の計測周期の周波数計測値から変化させた基準周波数値である、請求項22又は23に記載の計測装置。
  25. 前記基準変化率は、前回以前の複数の計測周期分の周波数計測値の平均変化率から所定の変化率ずれた周波数変化率である、請求項24に記載の計測装置。
  26. 請求項1から25のいずれか一項に記載の計測装置と、変換回路とを備え、
    前記変換回路は、入力電力を、前記交流電圧波形を有する交流電力に変換する、又は、前記交流電圧波形を有する交流電力を、出力電力に変換する、電力変換装置。
  27. 計測装置が行う計測方法であって、
    交流電圧波形を測定し、
    前記交流電圧波形の測定値が第1閾値をクロスする第1クロス時刻と前記第1クロス時刻での前記交流電圧波形の第1測定値とを検出し、
    前記交流電圧波形の測定値が前記第1閾値よりも低い第2閾値をクロスする第2クロス時刻と前記第2クロス時刻での前記交流電圧波形の第2測定値とを検出し、
    前記交流電圧波形の測定値が前記第1クロス時刻と前記第2クロス時刻との間で前記第1測定値と前記第2測定値の間の基準値をクロスする基準クロス時刻を推定し、
    前記基準クロス時刻の時間間隔を用いて、前記交流電圧波形の周波数を計算する、計測方法。
  28. 前記交流電圧波形の複数の計測周期分の周波数計測値を記憶し、
    前記複数の計測周期分の周波数計測値の履歴に基づいて、今回の計測周期で計算された前記交流電圧波形の周波数計算値の異常を検知し、
    前記異常が検知されない場合、前記周波数計算値を今回の計測周期の周波数計測値として出力し、前記異常が検知された場合、前記異常を除去した周波数値を今回の計測周期の周波数計測値として出力する、請求項27に記載の計測方法。
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