JP2022021638A - 保護フィルム - Google Patents

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孝弘 辻
Takahiro Tsuji
嘉人 西野
Yoshito Nishino
晃史 寺本
Koji Teramoto
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Abstract

【課題】指紋認証における誤認証を抑制でき、成形性と機械強度を両立したディスプレイデバイスの保護フィルムを提供する。【解決手段】ディスプレイデバイスの表面に配置される保護フィルムであって、面内リタデーション(Re)が20nm以下、厚み方向のリタデーション(Rth)が100nm以下であり、光弾性係数の絶対値が50×10-12/Pa以下の基材層を有することを特徴とする保護フィルム。【選択図】図3

Description

本発明は、ディスプレイデバイスの表面保護に用いられる保護フィルムに関する。さらに詳しくは、光学式指紋認証装置を備えたディスプレイデバイスの表面に好適に積層でき、また、微小な曲面加工が可能な保護フィルムに関する。
近年、スマートフォンやタブレット端末などの各種情報機器において、紛失時などに保存した情報を見られるリスクを減らすといったセキュリティ対策として、指紋認証によりロック及びその解除を行う機種が増えている。
指紋を利用して光学方式により個人認証を行う光学式指紋認証装置においては、認証対象に光を照射する光源としてLEDが用いられ、指紋面からの反射光の読み取りにイメージセンサが用いられる。
このような光学式指紋認証装置を備えたディスプレイにおいては、OLEDパネル等の画像表示パネル上に、外光が映り込むことを防止する円偏光板を介して、カバーガラスが積層される。
ところで、使用者が情報機器を落下させたり、カバーガラスを強く押下したりすると、カバーガラスが破損して、飛散した破片が機器やディスプレイを損傷させるおそれがあった。
そこで、このようなカバーガラスの破損や、破損時の破片の飛散を防止するために、従来、PETフィルム等の保護フィルムによってカバーガラスの表面を覆っている。
また、携帯端末の筐体としてガラス基材に基材層を貼り付けた積層体が用いられているが、従来の携帯端末の筐体は、例えば、図3(A)に示したようにガラス板等の表面層100、印刷層101、光学用粘着層(OCA)102、蒸着層103及び基材層104がこの順に積層されたフラットな構成であったため、表面層100に直接印刷層101が形成されることで意匠性が付与されていた。
また、近年、携帯端末の新たな通信規格として第5世代移動通信システム(以下、5Gともいう)が導入され、5G対応の携帯端末の開発が進められている。5G対応の携帯端末は、電波妨害を防ぐため金属の使用を減らす傾向にあり、例えば、携帯端末の側面の金属部分を無くし、筐体が端面部分まで覆うように曲面加工が形成された機種が増加してきている。
特開2008-88248号公報
しかしながら、従来、光学式指紋認証装置の保護フィルムとしてPETフィルムが使用されているが、PETフィルムは、一軸延伸されているため面内リタデーション値(Re)が高く、複屈折による位相差を生じる。このため、指紋による光の反射量の違いを利用する光学式指紋認証装置において、保護フィルムと円偏光板との位置関係に起因して、イメージセンサで受光される光の光量に変化が生じて誤認証が起きてしまうという問題があった。
また、端面部分に曲面加工が施された携帯端末の筐体では、ガラス基材の内側に設けられた基材層の曲面部分の内径が最外層のガラス板より小さくなるため従来のPETフィルムでは成形性が不十分で所望の形状に成形することが困難であった。
また、ディスプレイの保護フィルムとして、TPUフィルムと呼ばれるポリウレタン素材の一種を使用したフィルムも汎用されている。
TPUフィルムは、可撓性に優れ3D形状への追従も比較的容易である利点があるものの、鉛筆硬度や耐擦傷性などの機械強度が弱いという短所がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、指紋認証における誤認証を抑制でき、成形性と機械強度を両立したディスプレイデバイスの保護フィルムを提供することにある。
本発明者等は、スマートフォンやタブレットといった携帯端末等のディスプレイデバイスの表面に配置される保護フィルムについて検討した結果、光学的な位相差が充分に小さく、かつ、成形時や信頼性試験時にフィルムに応力がかかった場合であっても位相差の変化を十分に抑制できるフィルムは、ディスプレイデバイスに配設された際に指紋の誤認証を抑制でき、成形性にも優れたものにできることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、この技術的思想は、スマートフォンやタブレットといった携帯端末のディスプレイデバイスの表面に配置される場合に限らず、表面に指紋認証のような赤外線による認証装置を有するディスプレイデバイスの表面に配置される場合も含む。
本発明に係る保護フィルムは、ディスプレイデバイスの表面に配置される保護フィルムであって、面内リタデーション(Re)が20nm以下、厚み方向のリタデーション(Rth)が100nm以下であり、光弾性係数の絶対値が50×10-12/Pa以下の基材層を有することを特徴とする。
本明細書において開示する『保護フィルム』の語は、ディスプレイの筐体に用いる場合、筐体最表面に配置されているガラス等からなる部材のディスプレイ内部側に配置する場合も含む意味で用いている。このような用い方をすることでディスプレイ破損時の飛散防止効果を得ることができる。
この発明によれば、保護フィルムの基材層が充分に低い面内及び厚み方向のリタデーションを有するため、複屈折による位相差を生じにくく、光学式指紋認証装置等の赤外線による認証装置の保護フィルムとして使用しても、イメージセンサで受光される光の光量に変化が生じにくいので、誤認証の発生を抑制できる。また、面内及び厚み方向のリタデーション値が低いことにより基材層の配向依存性に起因する影響が小さくなる。このため、基材層となる母材に対して使用機器のサイズに抜き加工を行う際に、角度を特定してフィルム配向軸と円偏光板等の光軸とを合わせる必要がないので、取りロスが生じにくい。さらに、フィルム配向軸の公差に起因する不良品が発生しにくいので、歩留まりの低下を抑制できる。
また、上記基材層の光弾性係数の絶対値が低いことにより、保護フィルムの成形時や信頼性試験時においてフィルムが伸縮して応力がかかった場合であっても位相差の変化が小さくなり、光学式指紋認証装置等の赤外線による認証装置の保護フィルムとして使用しても、イメージセンサで受光される光の光量に変化が生じにくいので、誤認証の発生を抑制できる。
更に、優れた成形性を備えるものとなるため、内径の小さな曲面であっても好適に成形することができる。
本発明に係る保護フィルムは、♯0000番のスチールウールで1kg/cmの荷重をかけながら前記保護フィルムの表面を1000回往復させた後のヘイズ値の変化が3%以下であることが好ましい。
この発明によれば、優れた耐傷付性を備えた保護フィルムとなり携帯端末等のディスプレイデバイスの表面が傷付くことを好適に防止できる。
本発明に係る保護フィルムにおいて、基材層の膜厚が120μm未満であることが好ましい。
この発明によれば、保護フィルムを十分に薄膜化でき、ディスプレイデバイスの軽量化及び薄膜化を図ることができる。
また、ディスプレイデバイスの表面に配置される保護フィルムであって、下記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有するポリカーボネートを主成分とする基材層を有し、上記ジヒドロキシ化合物が、植物の抽出物又はその由来物であり、上記基材層の膜厚が120μm未満であることを特徴とする保護フィルムもまた、本発明の一つである。
Figure 2022021638000002
この発明によれば、所定のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有するポリカーボネートを主成分とする基材層を有するため、複屈折による位相差を生じにくく、光学式指紋認証装置等の赤外線による認証装置の保護フィルムとして使用しても、イメージセンサで受光される光の光量に変化が生じにくいので、誤認証の発生を抑制できる。また、基材層の配向依存性に起因する影響が小さくなるため、基材層となる母材に対して使用機器のサイズに抜き加工を行う際に、角度を特定してフィルム配向軸と円偏光板等の光軸とを合わせる必要がないので、取りロスが生じにくい。さらに、フィルム配向軸の公差に起因する不良品が発生しにくいので、歩留まりの低下を抑制できる。
また、保護フィルムの成形時や信頼性試験時においてフィルムが伸縮して応力がかかった場合であっても位相差の変化が小さくなり、光学式指紋認証装置等の赤外線による認証装置の保護フィルムとして使用しても、イメージセンサで受光される光の光量に変化が生じにくいので、誤認証の発生を抑制できる。
更に、優れた成形性を備えるものとなるため、内径の小さな曲面であっても好適に成形することができる。
本発明に係る保護フィルムにおいて、上記ディスプレイデバイスは、光学式指紋認証装置を備えるものであり、上記基材層は上記光学式指紋認証装置上に配置されることが好ましい。
この発明によると、所定の基材層が光学式指紋認証装置の上側に配置された構成となるため、光学式指紋認証装置が誤作動を起こすことを好適に抑制できる。
本発明に係る保護フィルムは、上記基材層が光学用粘着層を介して上記ディスプレイデバイスの表面層に貼り付けられていることが好ましく、また、上記基材層が上記ディスプレイデバイスの筐体に用いられるものであり、上記基材層に曲面加工が施されていることが好ましい。
この発明によると、所定の基材層を備えた保護フィルムがガラス基材に貼り付けられた積層体が曲面加工を有するため、側面まで覆う形状の携帯端末の筐体に好適に用いることができる。
本発明に係る保護フィルムは、抗菌性及び/又は抗ウイルス性が付与されていることが好ましい。
この発明によると、本発明に係る保護フィルム上での細菌やウイルスの繁殖や病気の感染を低減させることができるため衛生的に優れたものとなる。
本発明に係る保護フィルムは、上記基材層中に抗菌剤及び/又は抗ウイルス剤を含有する、又は、上記基材層の表面に抗菌層及び/又は抗ウイルス層が形成されていることが好ましい。
この発明によると、指等が直接触れる基材層や抗菌層及び/又は抗ウイルス層に抗菌性や抗ウイルス性を付与できるため、本発明に係る保護フィルム上での細菌やウイルスの繁殖や病気の感染を低減させることができ衛生的に優れたものとなる。
本発明に係る保護フィルムは、上記基材層と上記抗菌層及び/又は抗ウイルス層との間に、プライマー層、導電層、熱可塑性樹脂層及び自己修復性樹脂層からなる群より選択される少なくとも1層を有することが好ましい。
この発明によると、基材層と抗菌層及び/又は抗ウイルス層との密着性、帯電防止性、熱成形性、又は、爪やペンによる耐打突性が向上された保護フィルムを得ることができる。
本発明によれば、光学式指紋認証における誤認証を抑制でき、成形性にも優れるディスプレイデバイスの保護フィルムを提供することができる。
本発明に係る保護フィルムが用いられた光学式指紋認証装置を備えたディスプレイデバイスの一例の概略構成図である。 図1に示す光学式指紋認証装置による指紋認証原理を示す図である。 (A)は従来の保護フィルムの一例を模式的に示す断面図であり、(B)は本発明に係る保護フィルムの一例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る保護フィルムの別の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明に係る保護フィルムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、その技術的特徴を有する限り各種の変形が可能であり、以下の説明及び図面の形態に限定されない。
本発明は、ディスプレイデバイスの表面に配置される保護フィルムである。
上記ディスプレイデバイスとしては特に限定されず、例えば、携帯電話やスマートフォン、タブレットといったモバイルデバイスの他、コンピューターモニター、カメラ、テレビ受像機、プロジェクター等の据え置き型デバイス等も挙げられる。
なかでも、モバイルデバイスであることが好ましく、特に近年5G対応で開発が進められているスマートフォンやタブレット等の携帯端末であることがより好ましい。
本発明において、上記ディスプレイデバイスは、光学式指紋認証装置を備えるものであり、基材層は上記光学式指紋認証装置上に配置されることが好ましい。
本発明では、後述する基材層が特定の光学的性質を有するものであるため該基材層の存在に起因した光学式指紋認証装置の誤認証を好適に防止できる。
図1は、本発明に係る保護フィルムが用いられる光学式指紋認証装置を備えたディスプレイデバイスの一例の概略構成図であり、図2は、図1に示す光学式指紋認証装置による指紋認証原理を示す図である。
図1に示すように、ディスプレイデバイス10は、表示画面を構成するディスプレイパネル11と、ディスプレイパネル11の下側に設けられた光学式指紋認証装置30と、ディスプレイパネル11上に積層された円偏光板14と、円偏光板14上に積層されたカバー部材15と、カバー部材15の表面を覆う保護フィルム16とを備える。光学式指紋認証装置30は、光源12及びイメージセンサ13を有する。光源12は、認証対象に光を照射する。イメージセンサ13は、認証対象からの反射光を受光する。円偏光板14は、ディスプレイデバイス10に外光が映り込むことを防止する。なお、ディスプレイデバイス10において、視認側を上側、その反対側を下側というものとする。
光学式指紋認証装置30においては、図1及び図2に示すように、保護フィルム16の表面(認証面10a)に人の指20が触れると、光源12からの照射光17が、指20が接触する認証面10aで反射され、反射光18がイメージセンサ13に受光される。このとき、指20の指紋の凹部では全反射が起こり、反射光18の光量は照射光17と同程度であるが、指20の指紋の凸部では乱反射が起こり、反射光18の光量は照射光17よりも少なくなる。このようにイメージセンサ13に受光される反射光18には、指20の指紋の形状に応じた陰影19が生じる。光学式指紋認証装置30は、図示しない処理回路を用いて、この陰影19を記録し、予め登録されている指紋情報とマッチングすることによって、指紋認証を行う。
図1に示すディスプレイデバイス10は、例えばスマートフォンやタブレット端末などの各種情報機器に搭載可能で有り、当該情報機器においては表示画面での指紋認証により例えばロックやその解除を行うことができる。
本実施形態において、ディスプレイパネル11としては特に限定されず、例えば、ディスプレイデバイス10が液晶表示装置であれば、公知の液晶表示装置と同じものが挙げられ、ディスプレイデバイス10がOLEDであれば、公知のOLEDと同じものが挙げられる。
なお、光源12としては、例えば、LED等を用いてもよい。また、イメージセンサ13としては、例えば、CCD方式やCMOS方式等のイメ一ジセンサ一を用いてもよい。カバー部材15は、光透過性を有する材料で構成されていれば特に制限はなく、例えば、ガラス、プラスチック等で構成してもよい。
本発明では、保護フィルム16の基材層として、面内リタデーション値が(Re)が20nm以下、厚み方向のリタデーション(Rth)が100nm以下のフィルムを用いる。面内リタデーション値(Re)は、Re=(Ny-Nx)×dで求められる値であり、厚み方向のリタデーション(Rth)は、Rth={(nx+ny)/2-nz}×dで求められる値である。ここで、Nxはフィルムの進相軸(面方向と平行な軸)の屈折率であり、Nyはフィルムの遅相軸(面方向と平行で且つ進相軸と垂直な軸)の屈折率であり、Nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚みである。
上記Reが20nmを超えたり、Rthが100nmを超えたりすると、基材層の複屈折による位相差を生じてしまい、保護フィルムを光学式指紋認証装置上に配置したときにイメージセンサで受光される光の光量に変化が生じて誤認証の発生を十分に抑制できなくなる。
上記Reの好ましい下限は0.1nm、好ましい上限は5nmであり、上記Rthの好ましい下限は0.1nm、好ましい上限は70nmである。
上記面内方向のリタデーション(Re)及び厚み方向のリタデーション(Rth)は、例えば、高速リタデーション測定装置 RE-200(大塚電子社製)により測定することができる。
また、本発明では、保護フィルム16の基材層は、光弾性係数の絶対値が50×10-12/Pa以下である。光弾性係数の絶対値が50×10-12/Paを超えると、保護フィルム16の成形時や信頼性試験時のフィルムの伸縮時に応力がかかった場合に位相差の変化が大きくなり、保護フィルムを光学式指紋認証装置上に配置したときにイメージセンサで受光される光の光量に変化が生じて誤認証の発生を十分に抑制できなくなる。
上記光弾性係数の絶対値の好ましい下限は1×10-12/Pa、好ましい上限は30×10-12/Paである。
上記光弾性係数の絶対値は例えば、位相差測定装置、KOBRA-WR(王子計測機器社製)により測定することができる。
本発明に係る保護フィルムにおいて、上記基材層の膜厚が120μm未満であることが好ましい。120μm以上であると、本発明に係る保護フィルムの薄膜化及び軽量化が十分にできないことがある。上記膜厚のより好ましい範囲は、下限が40μm、上限が110μmである。
なお、上記膜厚の測定方法としては、例えば、シックネスゲージ547-401(ミツトヨ社製)を用いた方法等が挙げられる。
本発明に係る保護フィルムは、♯0000番のスチールウールで1kg/cmの荷重をかけながら該保護フィルムの表面を1000回往復させた後のヘイズ値の変化が3%以下であることが好ましい。上記ヘイズ値の変化が3%を超えると、本発明に係る保護フィルムの耐傷付性が不十分となることがある。上記ヘイズ値の変化のより好ましい上限は1%である。
なお、本発明に係る保護フィルムの表面の鉛筆硬度は、上記耐傷付性を満たすのであれば、6B以上であればよいが、3B以上であることがより好ましい。なお、上記鉛筆硬度は、JIS K 5600-5-4(2009)に従って計測される鉛筆硬度である。
保護フィルム16の基材層は、例えば、下記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有するポリカーボネートを主成分とするフィルムが挙げられる。
このような基材層は、透明、より好ましくは無色透明に形成され、可撓性及び耐衝撃性も有する。
Figure 2022021638000003
上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有するポリカーボネートを主成分とする基材層を有し、上記ジヒドロキシ化合物が、植物の抽出物又はその由来物であり、上記基材層の膜厚が120μm未満である保護フィルムもまた、別態様に係る本発明の一つである。
上記別の態様に係る本発明において、基材層の膜厚は120μm未満である。120μm以上であると、保護フィルムの膜厚が厚くなり本発明に係る保護フィルムの薄膜化及び軽量化ができないことがある。上記膜厚の好ましい下限は40μm、好ましい上限は110μmである。
また、上記別の態様に係る本発明の保護フィルムにおける基材層は、上述した本発明に係る保護フィルムにおいて説明した面内リタデーション(Re)、厚み方向のリタデーション(Rth)及び光弾性係数の絶対値を満たし、同様の鉛筆硬度を有することが好ましい。
なお、以下の説明において、特に言及しない場合は、上述した本発明に係る保護フィルムと別の態様に係る保護フィルムとを区別しないで説明をする。
上記基材層は、全樹脂成分における上記式(1)で表される構成単位(第一構成単位)を有するポリカーボネートの含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、98質量%が更に好ましい。また、基材層の全樹脂成分における上記第一構成単位を有するポリカーボネートの含有量の上限は、例えば、100質量%とすることができる。
上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物は、植物の抽出物又はその由来物である。上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物としては、イソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられ、これらは1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。なかでも、資源として豊富に存在し、種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが好ましい。基材層を形成するポリカーボネートは、例えば、上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルから溶融重合法によって製造することができる。
また、上記ポリカーボネートは、上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物以外の脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(第二構成単位)をさらに有することが好ましい。この脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物又は芳香族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。当該保護フィルムは、基材層の主成分であるポリカーボネートが第一構成単位だけでなく第二構成単位を含むことで、第二構成単位を含まない場合に比べて、柔軟性、耐熱性、成形性、紫外線に対する耐黄変性、難燃性等を向上することができる。
上記直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール等のプロパンジオール類、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール等のブタンジオール類、1,5-ヘプタンジオール等のヘプタンジオール類、1,4-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール等のヘキサンジオール類、1,7-ヘプタンジオール等のヘプタンジオール類、1,8-オクタンジオール等のオクタンジオール類、1,10-デカンジオール等のデカンジオール類、1,12-ドデカンジオール等のドデカンジオール類等が挙げられる。なかでも、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール又は1,10-デカンジオールが好ましい。
上記脂環式ジヒドロキシ化合物としては特に限定されないが、5員環構造又は6員環構造を含むものが好ましい。脂環式ジヒドロキシ化合物として、5員環構造又は6員環構造を含むものを用いることで、耐熱性を向上することができる。また、6員環構造は、共有結合によって椅子型又は舟形に固定されていてもよい。脂環式ジヒドロキシ化合物に含まれる炭素原子数の上限としては、70が好ましく、50がより好ましく、30がさらに好ましい。脂環式ジヒドロキシ化合物に含まれる炭素原子数が上記上限を超える場合、耐熱性は高くなる反面、合成、精製等が困難になるおそれがある。一方、脂環式ジヒドロキシ化合物に含まれる炭素原子数の下限は、例えば5とすることができる。
上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」とも呼ばれる)、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(「テトラブロモビスフェノールA」とも呼ばれる)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1-トリクロロプロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。なかでも、ビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、耐衝撃性の点から特に2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」)が好ましい。
基材層を構成するポリカーボネートを形成する全ジヒドロキシ化合物に対する上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物の含有量の下限としては、10モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。一方、全ジヒドロキシ化合物に対する上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物の含有量の上限としては、90モル%が好ましく、80モル%がより好ましい。上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物の含有量が上記範囲であることによって、耐擦傷性、透明性、柔軟性、耐熱性、成形性、紫外線に対する耐黄変性、難燃性等を的確に向上することができる。
また、基材層が、ポリカーボネートの構成単位として、上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物及び上記脂環式ジヒドロキシ化合物を含む場合、全ジヒドロキシ化合物に対する上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物及び上記脂環式ジヒドロキシ化合物の合計の含有量としては、特に限定されないが、70モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
反応温度は、ジヒドロキシ化合物の分解を抑えるとともに、透明性が高く高粘度の樹脂を得る点から、比較的低温であることが好ましい。重合反応を好適に進めるための重合温度の下限としては、180℃が好ましい。一方、上記重合温度の上限としては、280℃が好ましく、260℃がより好ましい。
また、反応初期ではジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを常圧で加熱し、予備反応させ、徐々に減圧にして反応後期では反応系を1.3×10-3MPa以上1.3×10-5MPa以下程度に減圧し生成するアルコール又はフェノールの留出を容易にさせる方法が好ましい。反応時間は、0.5時間以上4時間以下が好ましい。
上記炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-tert-ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート等が挙げられる。なかでも、ジフェニルカーボネート又は置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特に反応性がよくコストがかからない点からジフェニルカーボネートが好ましい。
上記炭酸ジエステルのジヒドロキシ化合物に対する混合比(モル比)の下限としては、0.98が好ましく、0.99がより好ましい。一方、上記炭酸ジエステルのジヒドロキシ化合物に対する混合比(モル比)の上限としては、1.02が好ましく、1.01がより好ましい。上記炭酸ジエステルのジヒドロキシ化合物に対する混合比が上記下限に満たないと、十分な重合度が得られないおそれがある。逆に、上記炭酸ジエステルのジヒドロキシ化合物に対する混合比が上記上限を超えると、炭酸エステル残基が末端封止として働き十分な重合度が得られないおそれがある。
重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウム等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物等が挙げられる。また、重合触媒としては、上記アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物とともに、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物が併用されるのが好ましい。
これらの重合触媒の使用量の下限としては、それぞれ炭酸ジエステル成分1モルに対して1×10-9当量が好ましく、1×10-8当量がより好ましい。一方、上記重合触媒の使用量の上限としては、それぞれ炭酸ジエステル成分1モルに対して1×10-3当量が好ましく、5×10-4当量がより好ましい。また反応系は窒素などの原料、反応混合物、反応生成物に対し不活性なガスの雰囲気に保つことが好ましい。窒素以外の不活性ガスとしては、アルゴン等が挙げられる。
上記基材層には、必要に応じて各種の添加剤を添加することができる。かかる添加剤としては、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、防カビ剤、可塑剤、粘着性付与剤、補強剤、滑剤等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、耐熱加工安定剤、酸素スカベンジャー等が挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく、成形時の熱や酸化劣化等による成形体の着色や強度低下を防止することができる。上記酸化防止剤の含有量の下限としては、0.001質量%が好ましく、0.005質量%がより好ましい。一方、上記酸化防止剤の含有量の上限としては、5質量%が好ましく、1質量%がより好ましい。
上記帯電防止剤としては、例えばアルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系帯電防止剤、第四アンモニウム塩、イミダゾリン化合物等のカチオン系帯電防止剤、ポリエチレングリコール系、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、エタノールアミド類等のノニオン系帯電防止剤、ポリアクリル酸等の高分子系帯電防止剤などが挙げられる。なかでも、帯電防止効果が比較的大きいカチオン系帯電防止剤が好ましく、少量の添加で帯電防止効果が奏される。
上記基材層を構成するポリカーボネートのガラス転移温度(Tg)の下限としては、80℃が好ましく、90℃がより好ましい。一方、上記基材層を構成するポリカーボネートのガラス転移温度(Tg)の上限としては、170℃が好ましく、160℃がより好ましい。
上記ガラス転移温度(Tg)が上記下限に満たないと、基材層の耐熱性が不十分となるおそれがある。逆に、上記ガラス転移温度(Tg)が上記上限を超えると、後述する基材フィルムを押出成形する際の溶融流動性が低下するおそれがある。
上記基材層を形成するポリカーボネートの5%熱減量温度の下限としては、340℃が好ましく、350℃がより好ましい。上記基材層を形成するポリカーボネートの5%熱減量温度が上記下限に満たないと、熱安定性が劣り高温での使用性が低下するおそれがある。なお、上記5%熱減量温度を高くする方法としては、例えば、上記重合触媒として、アルカリ金属化合物と含窒素塩基性化合物とを併用することが挙げられる。
本発明に係る保護フィルムは、図3(B)に示したように、基材層104が光学用粘着層102を介してディスプレイデバイスの表面層100に貼り付けられていることが好ましい。
表面層100は、基材層104の一方側の傷付きを防止する役割を果たすものであり、表面層100は、当該本発明に係る保護フィルムの最外層を形成する。
表面層100としては、例えば、ガラス板、硬化性樹脂を主成分とするハードコート層等が挙げられる。
また、図3(B)に示したように、本発明に係る保護フィルムは、基材層104がディスプレイデバイスの筐体に用いられるものであり、基材層104に曲面加工が施されていることが好ましい。このような保護フィルムは、携帯端末の側面部分まで覆うように曲面加工が施された筐体に使用できる。
上記曲面加工としては、具体的には基材層104の内径rが20mm以下となるR加工であることが好ましい。このような保護フィルムは、5G対応の携帯端末の筐体として好適な形状に加工できる。
なお、上記曲面加工の方法としては特に限定されず従来公知の方法が挙げられる。
また、上記基材層の曲面加工部分には直接印刷層を形成することはできないので、本発明に係る保護フィルムに意匠性を付与する場合、図3(B)に示したように基材層104の表面層100側と反対側面上にフラットな印刷層101を設けることが好ましい。
印刷層101の形成方法としては特に限定されず従来公知の方法が挙げられる。
本発明に係る保護フィルムは、表面層100がガラス板である場合、光学用粘着層102を介して表面層100と基材層104とが貼り付けられていることが好ましい。
光学用粘着層102としては特に限定されず従来公知のものを用いることができる。また、光学用粘着層102の厚みや形成方法も特に限定されず従来公知の厚さや方法が挙げられる。
また、表面層100がハードコート層である場合、該ハードコート層は、基材層104の一方側面に硬化性樹脂組成物を塗工することで設けてもよい。すなわち、光学用粘着層102を設けない構成であってもよい。
表面層100の主成分として用いられる硬化性樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば熱硬化性樹脂や活性エネルギー線硬化型樹脂等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線、電子線等を照射することによって架橋、硬化する樹脂をいい、重合性モノマー及び重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることが可能である。また、上記重合性モノマーとしては(メタ)アクリレート系モノマーが挙げられ、上記重合性オリゴマーとしては(メタ)アクリレート系オリゴマーが挙げられる。当該保護フィルムは、表面層100の主成分として活性エネルギー線硬化型樹脂を含むことによって、一方側の傷付き防止性を向上することができ、このため、表面層100の外面に傷付き防止のためのフィルムを別途積層することを必ずしも必要としない。つまり、表面層100がガラス板である場合は、破損防止等のために公知の破損防止フィルムを貼着することが好ましいが、表面層100がハードコート層である場合、このような公知の破損防止フィルムを貼り付けることを要しない。
公知の破損防止フィルムを貼着することを要しないことで、貼着時における表面層(ガラス板)との間へ気泡が発生するという不都合を防止することができる。
上記重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適に用いられ、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートである限り特に限定されない。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、上記多官能性(メタ)アクリレートに加え、粘度の低下等を目的として、単官能性(メタ)アクリレートをさらに含んでもよい。この単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーが挙げられ、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物によって変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることも可能である。上記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えばポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。上記ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することによって得ることができる。また、上記ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付与して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることも可能である。上記ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することによって得ることができる。
また、上記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂も好適に用いられる。つまり、表面層100は紫外線硬化型エポキシ樹脂を主成分とするハードコート層であってもよい。上記紫外線硬化型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂等の硬化物が挙げられる。紫外線硬化型エポキシ樹脂は、硬化時の体積減少率が小さいので、表面層100を形成する際に基材層104のカールの発生及び表面層100のクラックの発生等を的確に抑制でき、より容易かつ確実に表面層100を形成することができる。また、当該保護フィルムは、表面層100の主成分が紫外線硬化型エポキシ樹脂であることによって、可撓性を向上することができる。さらに、上記活性エネルギー線硬化型樹脂として紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いる場合、上記(メタ)アクリレート系モノマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー等の他の重合性モノマー及び重合性オリゴマーを含まないことが好ましい。これにより、表面層100の可撓性をさらに高めて曲面成形性を向上することができる。
上記活性エネルギー線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合、光重合用開始剤を樹脂100質量部に対して、0.1~5質量部程度添加することが好ましい。光重合用開始剤としては、特に限定されるものではなく、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、例えばベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2-ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス[2,6-ジフルオロ-3-(ピロール-1-イル)フェニル]チタン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。なお、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
また、表面層100は、耐擦傷性を向上するためにフィラーを含有することが好ましい。このフィラーとしては、無機フィラー及び有機フィラーが挙げられる。上記フィラーの形状は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、なかでも球状が好ましい。
上記無機フィラーとしては、例えばシリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート等が挙げられる。一方、上記有機フィラーとしては、例えばアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。なかでも、表面層100に含まれるフィラーとしては、耐摩擦性を向上すると共に透明性を阻害し難い点からコロイダルシリカが好ましい。
上記コロイダルシリカの平均粒子径の下限としては、5nmが好ましく、10nmがより好ましい。一方、上記コロイダルシリカの平均粒子径の上限としては、500nmが好ましく、100nmがより好ましく、50nmがさらに好ましい。上記コロイダルシリカの平均粒子径が上記下限に満たないと、耐擦傷性が十分に向上されないおそれがある。逆に、上記コロイダルシリカの平均粒子径が上記上限を超えると、透明性が低下するおそれがある。なお、「平均粒子径」は、倍率1000倍の電子顕微鏡において観測される粒子から無作為に抽出した30個の粒子の粒子径を平均したものをいい、粒子径はフェレー径(一定方向の平行線で投影像を挟んだときの間隔)で定義する。
上記活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対する上記コロイダルシリカの配合量の下限としては、1質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。逆に、上記活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対する上記コロイダルシリカの配合量の上限としては、20質量部が好ましく、10質量部がより好ましい。上記コロイダルシリカの配合量が上記下限に満たないと、耐擦傷性が十分に向上されないおそれがある。逆に、上記コロイダルシリカの配合量が上記上限を超えると、透明性が低下するおそれがある。
なお、表面層100は、滑り性を向上するためにシリコーンを含んでもよく、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、防カビ剤、可塑剤、粘着性付与剤、補強剤等の各種添加剤を含んでもよい。
また、上述した耐擦傷性や鉛筆硬度を得る点から、表面層100がハードコート層である場合の平均厚みの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、表面層100の平均厚みの上限としては、50μmが好ましく、30μmがより好ましい。表面層100の平均厚みが上記下限に満たないと、ハードコート層である表面層100の一方側面の耐擦傷性や鉛筆硬度が十分に向上しないおそれがある。逆に、表面層100の平均厚みが上記上限を超えると、基材層104と表面層100との間にカールが発生するおそれがある。
また、表面層100がガラス板である場合、平均厚みの下限としては、200μmが好ましく、400μmがより好ましい。一方、表面層100の平均厚みの上限としては、1000μmが好ましく、600μmがより好ましい。表面層100の平均厚みが上記下限に満たないと、ガラス板である表面層100の一方側面の耐擦傷性や鉛筆硬度が十分に向上しないおそれがある。逆に、表面層100の平均厚みが上記上限を超えると、表面層100が重くなりすぎるおそれがある。
<保護フィルムの製造方法>
本発明に係る保護フィルムの製造方法としては、例えば、基材層104を形成する工程と、基材層104の一方側に表面層100を積層する工程とを有する。
(基材層形成工程)
基材層形成工程は、溶融樹脂を用いた押出成形法によって基材層104を構成する基材フィルムを形成する手順を有する。基材フィルム形成手順における上記押出成形法としては、例えば、基材フィルムの形成材料を溶融状態でTダイに供給し、この形成材料を押出機及びTダイから押し出したうえ、一対の押圧ロールで押圧して基材フィルムを形成する溶融押出成形法が挙げられる。
上記基材フィルムは、未延伸フィルムであってもよく、延伸フィルムであってもよい。延伸する場合は、1軸延伸フィルムでもよく、2軸延伸フィルムでもよい。2軸延伸フィルムとする場合は、同時2軸延伸したものでもよいし、逐次2軸延伸したものでもよい。2軸延伸した場合は、機械強度が向上しフィルム性能が向上する。
延伸を行う場合の延伸温度としては、フィルム原料の熱可塑樹脂組成物のガラス転移温度近辺で行うことが好ましく、具体的には(ガラス転移温度-30)℃以上(ガラス転移温度+100)℃以下で行うことが好ましく、より好ましくは(ガラス転移温度-20)℃以上(ガラス転移温度+80)℃以下である。延伸温度が上記下限に満たないと、十分な延伸倍率が得られないおそれがある。逆に、延伸温度が上記上限を超えると、樹脂の流動(フロー)が起こり安定な延伸が行えなくなるおそれがある。
面積比で定義される延伸倍率の下限としては、1.1倍が好ましく、1.3倍がより好ましい。一方、面積比で定義される延伸倍率の上限としては、25倍が好ましく、10倍がより好ましい。延伸倍率が上記下限に満たないと、十分に靱性が向上しないおそれがある。逆に、延伸倍率が上記上限を超えると、延伸倍率を上げるだけの効果が得られないおそれがある。
延伸速度(一方向)の下限としては、10%/分が好ましく、100%/分がより好ましい。一方、延伸速度(一方向)の上限としては、20000%/分が好ましく、10000%/分がより好ましい。上記延伸速度が上記下限に満たないと、十分な延伸倍率を得るために時間がかかり、製造コストが高くなるおそれがある。逆に、上記延伸速度が上記上限を超えると、延伸フィルムの破断等が起こるおそれがある。なお、上記基材フィルムの光学等方性や力学特性を安定化させるため、延伸処理後に熱処理(アニーリング)などを行うこともできる。
また、上記基材層形成工程では、基材層104の表面層100側の硬度を効果的に高めるべく、押出成形によって形成された基材フィルムの一方の面に無機酸化物を蒸着する手順を有することが好ましい。さらに、上記基材フィルムと上記無機酸化物又は表面層100との密着性等を向上させるため、基材フィルムの一方の面に表面処理を施してもよい。このような表面処理としては、例えば(a)コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いた酸化処理や、(b)プライマーコート処理、アンダーコート処理、アンカーコート処理、蒸着アンカーコート処理などが挙げられる。
(表面層積層工程)
表面層積層工程は、上記硬化性樹脂組成物を用いて表面層100を積層することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば基材層104の一方側面に上記硬化性組成物を含む塗工液を塗布し、塗膜を硬化させる塗工法によって行うことができる。
また、上記塗工液には、塗工性を向上させるために溶剤を含んでいてもよい。かかる溶剤としては、たとえば、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル化グリコールエーテル類などの有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いてもよく、また必要に応じて数種類を混合して用いてもよい。なお、かかる溶剤は、表面層100の製造過程において、蒸発、乾燥することが好ましい。そのため、上記溶剤の沸点は60℃以上160℃以下程度であることが好ましい。
上記硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、基材層104の一方側面に硬化性樹脂組成物を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばスピンコート法、スプレー法、スライドコート法、ディップ法、バーコート法、ロールコーター法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
上記塗膜の乾燥方法としては、特に限定されるものではなく、例えば加熱乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。また、乾燥温度としては、例えば30℃以上150℃以下程度とすることができる。
上記硬化性樹脂組成物が活性エネルギー線硬化型樹脂である場合、塗膜の硬化方法としては、紫外線照射、可視光照射、電子線照射、電離放射線照射等が挙げられ、中でも紫外線照射が好ましい。なお、表面層100を製造するに当たっては、必要に応じて、前処理として、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下におけるプラズマ処理等の表面改質処理を行ってもよい。
基材層104に上記の表面層100を積層した本発明に係る保護フィルムをディスプレイデバイスの表面に用い、該表面層100がディスプレイデバイスの最表面となる場合、ディスプレイデバイスの最表面である表面層100の水接触角を100°以上とすることで、本発明に係る保護フィルムに耐汚染性を与えることができる。
また、本発明に係る保護フィルムは、基材層104が上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有するポリカーボネートを主成分とするので、ガラス板を使用していた従来の保護フィルムと比較して軽量化を図ることができる。また、上述のように基材層104が所定のポリカーボネートを主成分とするので、耐衝撃性に優れ、衝撃による破損のおそれが少ない。
また、本発明に係る保護フィルムは、基材層104の一方側に表面層100が積層されているため、この表面層100によって基材層104への傷付きを抑制できる。
さらに、本発明に係る保護フィルムは、基材層104の主成分が上記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有するポリカーボネートであり、上記ジヒドロキシ化合物が植物の抽出物又はその由来物であるので、石油資源由来のフィルムに比べて耐白化性や紫外線に対する耐黄変性を向上することができ透明性を維持することができる。このため、当該保護フィルムは、石油資源由来のフィルムに比べて耐溶剤性、耐サンスクリーン性、難燃性等を向上することができる。また、石油資源由来のフィルムは焼却すると環境破壊のおそれがあるので複雑な廃棄手法をとる必要があるが、当該保護フィルムは、上記ジヒドロキシ化合物が植物の抽出物又はその由来物であるので、容易に廃棄処分を行うことができる。
当該保護フィルムが表面層100としてハードコート層を有する場合、基材層104が合成樹脂を主成分として形成されるので、仮に割れ等が生じた場合でも、従来のガラス板ように多数の破片が発生し難い。そのため、当該保護フィルムは、破損時の破片によって手指等が損傷するのを抑制することができる。
本発明に係る保護フィルムは、基材層の一方側又は両側に複数の表面層が積層されていてもよい。
例えば、図4に示すように、当該保護フィルムは、基材層36と、基材層36の一方側に積層される第一表面層37と、第一表面層37の一方側に積層される第二表面層38とを有していてもよい。またこの場合、第一表面層37及び第二表面層38の形成材料は異なることが好ましい。つまり、例えば第一表面層37及び第二表面層38のいずれか一方が活性エネルギー線硬化型樹脂を主成分とするハードコート層であり、第一表面層37及び第二表面層38の他方がガラスフィルムであってもよく、第一表面層37及び第二表面層38がそれぞれ異なる樹脂を主成分とするハードコート層であってもよい。さらに、第一表面層37及び第二表面層38がいずれもハードコート層である場合、第一表面層37の鉛筆硬度は第二表面層38の鉛筆硬度よりも小さいことが好ましい。当該保護フィルム35は、このように基材層36に近接して設けられる第一表面層37の鉛筆硬度を小さくすることでカールの発生を抑制することができる。
本発明に係る保護フィルムは、基材層及び表面層間に導電層が積層される場合でも、基材層の導電層が積層される側に無機酸化物が蒸着されていてもよく、表面層が紫外線硬化型エポキシ樹脂以外を主成分とするハードコート層又はガラスフィルムであってもよい。
当該保護フィルムは、かかる構成によっても、ガラス板に比べて耐衝撃性及び軽量性に優れると共に、十分な傷付き防止性等を奏することができる。
上記基材層は、ガラスフィルムからなる表面層、接着層又は導電層等との積層面に波状の微細変調構造を有していてもよい。当該保護フィルムは、かかる構成によっても、基材層と基材層に積層される層との接着強度を高めることができる。また、当該保護フィルムは、基材層が両側面に波状の微細変調構造を有していてもよい。当該保護フィルムは、かかる構成によると、基材層の両側面の表面積を増大させて、基材層とこの基材層の両側に積層される層との接着強度を高めることができる。
上記基材層は、必ずしも押出成形法を用いて形成される必要はなく、例えば溶液キャスト法(溶液流延法)、カレンダー法、圧縮成形法を用いて形成されてもよい。
本発明に係る保護フィルムは、抗菌性及び/又は抗ウイルス性が付与されていることが好ましい。
本発明に係る保護フィルムは、図1に示したようにディスプレイデバイスの表面に配置された際に指で直接触れられることになるため、その表面に細菌やウイルス等が繁殖していると病気に感染する恐れがある。そのため、本発明に係る保護フィルムに抗菌性を付与することで、細菌やウイルス等の繁殖や病気の感染のリスクを低減させることができる。
本発明に係る保護フィルムは、上記基材層中に抗菌剤及び/又は抗ウイルス剤を含有することが好ましい。上記基材層が抗菌剤及び/又は抗ウイルス剤を含有することで、本発明に係る保護フィルムに好適に抗菌性及び/又は抗ウイルス性を付与することができる。
上記抗菌剤としては、例えば、抗菌作用を示す金属(銅、銀、ジルコニウムなど)、あるいは金属イオンを無機系担体に担持させた無機系材料やトリアジン系、イミダゾール・チアゾール系などの有機系材料等が挙げられる。なかでも、銀を含む抗菌剤が好適に用いられる。
上記銀を含む抗菌剤(以下、銀系抗菌剤ともいう)としては、銀(銀原子)が含まれていればよく、その種類は特に制限されない。また、銀の形態も特に制限されず、例えば、金属銀、銀イオン、銀塩(銀錯体を含む)など形態で含まれる。なお、本明細書では、銀錯体は銀塩の範囲に含まれる。
上記銀塩としては、例えば、酢酸銀、アセチルアセトン酸銀、アジ化銀、銀アセチリド、ヒ酸銀、安息香酸銀、フッ化水素銀、臭素酸銀、臭化銀、炭酸銀、塩化銀、塩素酸銀、クロム酸銀、クエン酸銀、シアン酸銀、シアン化銀、(cis,cis-1,5-シクロオクタジエン)-1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、フッ化銀(I)、フッ化銀(II)、7,7-ジメチル-1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロ-4,6-オクタンジオン酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、ヘキサフルオロヒ酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、イソチオシアン酸銀、シアン化銀カリウム、乳酸銀、モリブデン酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(II)、シュウ酸銀、過塩素酸銀、ペルフルオロ酪酸銀、ペルフルオロプロピオン酸銀、過マンガン酸銀、過レニウム酸銀、リン酸銀、ピクリン酸銀一水和物、プロピオン酸銀、セレン酸銀、セレン化銀、亜セレン酸銀、スルファジアジン銀、硫酸銀、硫化銀、亜硫酸銀、テルル化銀、テトラフルオロ硼酸銀、テトラヨードムキュリウム酸銀、テトラタングステン酸銀、チオシアン酸銀、p-トルエンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、トリフルオロ酢酸銀およびバナジン酸銀等が挙げられる。
また、上記銀錯体としては、例えば、ヒスチジン銀錯体、メチオニン銀錯体、システイン銀錯体、アスパラギン酸銀錯体、ピロリドンカルボン酸銀錯体、オキソテトラヒドロフランカルボン酸銀錯体またはイミダゾール銀錯体等が挙げられる。
上記銀系抗菌剤としては、例えば、上記銀塩(銀錯体)などの有機系の抗菌剤と、後述する担体を含む無機系の抗菌剤が挙げられるが、その種類は特に制限されない。
上記銀系抗菌剤のなかでも、抗菌層の耐光性がより優れる、及び/又は、抗菌性がより優れる点で、担体と、担体上に担持された銀とを含む銀担持担体が好ましい。
上記担体の種類は特に制限されず、例えば、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、リン酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、チタン酸カリウム、含水酸化ビスマス、含水酸化ジルコニウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。なお、上記ゼオライトとしては、例えば、チャバサイト、モルデナイト、エリオナイト、クリノプチロライト等の天然ゼオライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト等の合成ゼオライトが挙げられる。
また、本発明の効果がより優れる点で、担体としては、いわゆるセラミックスが好ましい。
上記基材層中における抗菌剤の含有量としては十分な抗菌性を付与できる量であれば特に限定されないが、例えば、上記抗菌剤が上記銀系抗菌剤である場合、基材層全質量に対する銀の含有量が好ましくは0.001~20質量%、より好ましくは、0.001~5質量%である。
また、上記抗菌剤としては、例えば、銀及び銅の両方を含有する化合物であってもよく、銀イオン(銀原子)又は銅イオン(銅原子)を構造中に有する無機固体酸を含有する化合物であってもよく、銀又は銅、あるいはそれらの化合物と、銀及び銅を含まない無機固体酸との混合物であってもよい。銀又は銅を含有する抗菌剤は、抗ウイルス効果が優れる。このような抗菌剤中の銀又は銅、あるいはそれらの化合物の含有率は、合計で好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である。なお、銀イオン(銀原子)又は銅イオン(銅原子)を構造中に有する無機固体酸としては、例えば、銀リン酸ジルコニウム、銅リン酸ジルコニウム等が挙げられる。
上記抗菌剤は、様々な材質や形態への加工に適用させるために、粉末状であることが好ましい。粉末状の抗菌剤は、この抗菌剤及びバインダーを含有し、分散性に優れたコーティング組成物の調製、抗ウイルス剤及び成形用樹脂を含有し、分散性に優れた樹脂成形品を与える樹脂組成物の調製等に好適である。
粉末状の抗菌剤の平均粒径は、好ましくは0.01~50μmであり、より好ましくは0.1~20μmである。平均粒径が0.01μm以上の粉末は凝集し難いため取り扱い易いという長所がある。また、平均粒径が50μm以下の粉末を含有するコーティング組成物は、分散性が良好である。
上記平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定器等で測定することができ、体積基準で解析したメジアン径である。
上記抗ウイルス剤としては、例えば、無機系抗ウイルス剤や有機系抗ウイルス剤が挙げられる。
上記無機系抗ウイルス剤としては、例えば、銀、銅、亜鉛、チタン等からなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む金属酸化物、又は、金属水和物の粒子が挙げられる。具体的には、例えば、酸化銅(I)(亜酸化銅)、酸化銅(II)、炭酸銅(II)、水酸化銅(II)、塩化銅(II)、銀イオン及び銅イオンの少なくとも一方で交換されたゼオライト、ナノ銀及び銅の少なくとも一方が担持されたアルミナ、ナノ銀及び銅の少なくとも一方が担持されたシリカ、ナノ銀及び銅の少なくとも一方が担持された酸化亜鉛、ナノ銀及び銅の少なくとも一方が担持された酸化チタン、ナノ銀及び銅の少なくとも一方が担持されたリン酸カルシウム等の無機粒子が挙げられる。銀イオン及び銅イオンの少なくとも一方で交換されたゼオライトは、さらに亜鉛イオン等の他の金属イオンで交換されていてもよい。
上記有機系抗ウイルス剤としては、例えば、ハロカルバン、クロロフェネシン、塩化リゾチーム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヘキサクロロフェン、ベルベリン、チオキソロン、サリチル酸及びそれらの誘導体、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ヘキサクロロフェン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、チアントール、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、モノニトログアヤコールナトリウム、ウイキョウエキス、サンショウエキス、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム及びウンデシレン酸誘導体、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩等が挙げられる。
上記基材層中における抗ウイルス剤の含有量としては十分な抗ウイルス性を付与できる量であれば特に限定されないが、例えば、上記基材層全質量に対して好ましくは0.001~20質量%、より好ましくは、0.001~5質量%である。
なお、本発明に係る保護フィルムにおいて、上記基材層は、上述した抗菌剤と抗ウイルス剤とを含有していてもよい。
また、上記基材層中に抗菌剤及び/又は抗ウイルス剤を含有する場合、該抗菌剤及び/又は抗ウイルス剤は基材層中に均一に分散されていてもよいが、上記ディスプレイデバイスの表面側に偏在して含有されていることが好ましい。上記抗菌剤及び/又は抗ウイルス剤が基材層中で偏在して含有されていることで、より少量の抗菌剤で好適な抗菌性を付与することができる。
上記抗菌剤及び/又は抗ウイルス剤を上記基材層中に偏在させる方法としては特に限定されないが、例えば、抗菌剤及び/又は抗ウイルス剤を含まない下層側基材層を作製した後抗菌剤及び/又は抗ウイルス剤を含む上層側基材層を作製し、上記下層側基材層上に上層側基材層を積層して基材層とする方法等が挙げられる。
また、本発明に係る保護フィルムは、上記基材層の表面に抗菌層及び/又は抗ウイルス層が形成されていることが好ましい。上記抗菌層及び/又は抗ウイルス層が形成されていることで、本発明に係る保護フィルムに好適に抗菌性及び/又は抗ウイルス性を付与することができる。
上記抗菌層は、上記基材層の表面に形成され、抗菌作用を有する層である。なお、上記抗菌層は、上記基材層の表面の少なくとも一部に形成されていればよい。
このような抗菌層としては、上述した抗菌剤を少なくとも1種含む層である。
また、上記抗ウイルス層は、上記基材層の表面に形成され、抗菌作用を有する層である。なお、上記抗ウイルス層は、上記基材の表面の少なくとも一部に形成されていればよい。
このような抗ウイルス層は、上述した抗ウイルス剤を少なくとも1種含む層である。
本発明に係る保護フィルムは、上記抗菌層と抗ウイルス層とを有する構成であってもよい、上記基材層上に、上記抗菌剤と抗ウイルス剤とを含む層を有していてもよい。
上記抗菌層と抗ウイルス層とを有する場合、上記基材層上に抗菌層、抗ウイルス層の順に積層された構成、又は、上記基材層上に抗ウイルス層、抗菌層の順に積層された構成であってもよいし、上記基材層上の一部に抗菌層が形成され、同じ基材層上の他の一部に抗ウイルス層が形成された構成であってもよい。
上記抗菌層及び抗ウイルス層の製造方法は特に制限されず、公知の方法が採用できる。例えば、上述した抗菌剤や抗ウイルス剤を含む組成物を基材層上に塗布して抗菌層や抗ウイルス層を形成する方法や、別途作製した抗菌剤又は抗ウイルス剤を含む抗菌シート又は抗ウイルスシートを基材層上の所定の位置に貼り付ける方法等が挙げられる。
なかでも、抗菌層又は抗ウイルス層の厚みや表面凹凸の調整がより容易である点から、親水性モノマー及び抗菌剤又は抗ウイルス剤を含む組成物(硬化性組成物)を基材層上の所定の位置に塗布して塗膜を形成し、塗膜に硬化処理を施すことにより抗菌層又は抗ウイルス層を形成する方法(塗布法)が好ましい。
上記親水性モノマーの親水性基の種類は特に制限されず、例えば、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック又はランダム結合したポリオキシアルキレン基)、アミノ基、カルボキシル基、カルボキシル基のアルカリ金属塩、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホン酸基、スルホン酸基のアルカリ金属塩などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、ポリオキシアルキレン基が好ましい。
なお、上記親水性モノマーを重合してなる親水性ポリマーの主鎖の構造は特に制限されず、例えば、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレアなどが挙げられる。
上記ポリ(メタ)アクリレートとは、ポリアクリレート及びポリメタクリレートの両方を含む概念である。
上記親水性モノマー中における親水性基の数は特に制限されないが、抗菌層又は抗ウイルス層がより親水性を示す点より、2個以上が好ましく、2~6個がより好ましく、2~3個がさらに好ましい。
重合性基の種類は特に制限されず、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、アニオン重合性基などが挙げられる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、スチリル基、アリル基などが挙げられる。カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基、オキシラニル基、オキセタニル基などが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
なお、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタアクリロイル基の両方を含む概念である。
上記親水性モノマー中における重合性基の数は特に制限されないが、得られる抗菌層又は抗ウイルス層の機械的強度がより優れる点で、2個以上が好ましく、2~6個がより好ましく、2~3個がさらに好ましい。
上記親水性ポリマーを得る際には、上記親水性モノマーと他のモノマー(親水性基を含まないモノマー)とを併用してもよい。つまり、親水性モノマーと、他のモノマー(親水性モノマー以外のモノマー)とを共重合させて得られる親水性ポリマーを使用してもよい。
上記他のモノマーの種類は特に制限されず、重合性基を有する公知のモノマーであれば適宜使用できる。
なかでも、上記抗菌層又は抗ウイルス層の機械的強度がより優れる点で、重合性基を2以上有する多官能モノマーが好ましい。多官能モノマーは、いわゆる架橋剤として作用する。
上記多官能モノマー中に含まれる重合性基の数は特に制限されず、抗菌層又は抗ウイルス層の機械的強度がより優れる点、及び、取扱い性の点から、2~10個が好ましく、2~6個がより好ましい。
上記多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートが挙げられる。
上記親水性モノマーと他のモノマー(特に、多官能モノマー)との混合比(親水性モノマーの質量/他のモノマーの質量)は特に制限されないが、抗菌層又は抗ウイルス層の親水性の制御がしやすい点から、0.01~10が好ましく、0.1~10がより好ましい。
なお、抗菌層又は抗ウイルス層中における上記親水性ポリマーの含有量は特に制限されないが、抗菌層又は抗ウイルス層上の汚染物質の洗浄による除去性がより優れる点で、抗菌層又は抗ウイルス層全質量に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
上記硬化性組成物には、例えば、上述した親水性モノマーと抗菌剤又は抗ウイルス剤とが含まれるが、他の成分(上記他のモノマー、滑剤、溶媒(水または有機溶媒))が含まれていてもよい。
なお、上記硬化性組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。重合開始剤が含まれることにより、塗膜中での重合がより効率よく進行し、機械的強度に優れる抗菌層又は抗ウイルス層が形成される。重合開始剤の種類は特に制限されず、硬化処理の方法により最適な種類が選択されるが、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤が選択される。より具体的には、ベンゾフェノン、フェニルフォスフィンオキシドなどの芳香族ケトン類、α-ヒドロキシアルキルフェノン系化合物(BASF IRGACURE184、127、2959、DAROCUR1173等)、フェニルフォスフィンオキシド系化合物(MAPO:BASF LUCIRIN TPO、BAPO:BASF IRGACURE 819)等が挙げられる。
上記硬化性組成物中に含まれる重合開始剤の含有量は特に制限されないが、親水性モノマー及び他のモノマーの合計質量100質量部に対して、0.1~15質量部が好ましく、1~6質量部がより好ましい。
上記硬化性組成物を塗布する方法は特に制限されず、公知の塗布方法が採用される。
また、硬化処理の方法は特に制限されず、加熱処理又は光照射処理が挙げられる。
上記抗菌層又は抗ウイルス層の平均厚みは特に限定されないが、機械的特性及び抗菌性又は抗ウイルス性の点からは、0.5~20μmが好ましく、1~10μmがより好ましい。
なお、抗菌層又は抗ウイルス層の平均厚みの測定方法としては、抗菌層又は抗ウイルス層のサンプル片を樹脂に包埋して、ミクロトームで断面を削り出し、削り出した断面を走査電子顕微鏡で観察し測定する。抗菌層又は抗ウイルス層の任意の10点の位置における厚みを測定し、それらを算術平均する。
本発明に係る保護フィルムは、上記基材層と上記抗菌層及び/又は抗ウイルス層との間に、プライマー層、導電層、熱可塑性樹脂層及び自己修復性樹脂層からなる群より選択される少なくとも1層を有することが好ましい。
上記プライマー層は、上記基材層と抗菌層及び/又は抗ウイルス層との接着性を高めるための層であり、接着促進剤(例えば、ウレタン系又はポリエステル系コート剤等)を基材層の表面にコーティングすることで形成される。
すなわち、上記基材層の表面に上記接着促進剤をコーティングしてプライマー層を積層し、さらにこのプライマー層の表面に抗菌層及び/又は抗ウイルス層を形成するための硬化性組成物をコーティングし、乾燥・固化させることで基材層と抗菌層及び/又は抗ウイルス層との間にプライマー層を形成することができる。上記接着促進剤のコーティングの方法としては、例えば、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、キスコーター等の既知の各種方法を採用することができる。
上記プライマー層の厚さとしては特に限定されないが、上記基材層と上記抗菌層及び/又は抗ウイルス層との接着性を考慮して任意の厚さに適宜調整される。
上記導電層は本発明に係る保護フィルムに帯電防止性を付与するための層であり、導電材料及びバインダーを含む層が挙げられる。
上記導電材料としては、例えば、導電性無機粒子が挙げられる。
上記導電性無機粒子としては、導電性を有する限り特に限定されるものではなく、例えば、金属粒子、カーボン粒子、導電性金属酸化物粒子、導電性窒化物粒子等が挙げられる。これらの中でも、透明性及び導電性を兼ね備えた導電性金属酸化物粒子が好ましい。また、上記導電性金属酸化物粒子としては、例えば、酸化スズ粒子、アンチモン含有酸化スズ(ATO)粒子、スズ含有酸化インジウム(ITO)粒子、アルミニウム含有酸化亜鉛(AZO)粒子、ガリウム含有酸化亜鉛(GZO)粒子等の金属酸化物粒子が挙げられる。更に、上記導電性無機粒子としては、酸化スズゾル、酸化アルミナゾル等の酸化物ゾルも好ましい。
上記導電性無機粒子の平均粒子径の下限としては、1nmが好ましく、5nmがより好ましく、10nmがさらに好ましい。一方、上記導電性無機粒子の平均粒子径の上限としては、300nmが好ましく、150nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。上記導電性無機粒子の平均粒子径が上記下限に満たないと、製造が容易でなくなるおそれがある。逆に、上記導電性無機粒子の平均径が上記上限を超えると、ヘイズ値が高くなるおそれがある。
また、上記導電性無機粒子には無機化合物又は有機化合物により表面処理を施してもよい。上記表面処理に用いる無機化合物としては、例えばアルミナ又はシリカが挙げられる。上記表面処理に用いる有機化合物としては、例えばポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。
上記導電層における上記導電性無機粒子の含有量の下限としては、50質量%が好ましく、55質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましい。一方、導電層における上記導電性無機粒子の含有量の上限としては、90質量%が好ましく、85質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましい。上記導電性無機粒子の含有量が上記下限に満たないと、本発明に係る保護フィルムの帯電防止性が十分に高くならないおそれがある。逆に、上記導電性無機粒子の含有量が上記上限を超えると、上記導電性無機粒子が的確に固定されないおそれがある。
上記バインダーとしては、透明性を有し、かつ上記導電性無機粒子が分散した導電層を形成可能である限り特に限定されるものではなく、例えばアクリル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等の合成樹脂が挙げられる。
上記導電層の平均厚みの下限としては、100nmが好ましく、300nmがより好ましく、500nmがさらに好ましい。一方、上記導電層の平均厚みの上限としては、3μmが好ましく、2μmがより好ましく、1μmがさらに好ましい。上記導電層の平均厚みが上記下限に満たないと、本発明に係る保護フィルムの帯電防止性が十分に高くならないおそれがある。逆に、上記導電層の平均厚みが上記上限を超えると、本発明に係る保護フィルムが厚くなり過ぎることがある。
上記導電層に含まれる導電材料は、有機導電高分子であってもよい。
上記有機導電高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリキノキサリン等を用いた有機導電性組成物が挙げられる。なかでも、光学特性、外観及び導電性が良好なポリチオフェン系材料が好ましい。
上記導電層の表面抵抗値としては、10×10Ω/□以上10×10Ω/□以下が好ましい。上記導電層の表面抵抗値が上記範囲であることによって、本発明に係る保護フィルムに埃等の付着を防止するうえで十分な帯電防止性が得られる。
上記導電層を形成する方法としては、例えば、上記導電材料及びバインダーと、溶剤とを含む塗工液を基材層の表面に塗布し形成した塗膜を乾燥、硬化させる塗工法によって行うことができる。
上記塗工液に含まれる溶剤としては、例えば、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル化グリコールエーテル類などの有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いてもよく、また必要に応じて数種類を混合して用いてもよい。
また、上記塗工液の塗布方法としては、基材層の表面に均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、バーコート、ブレードコート、エアナイフコート、グラビアコート、ロールコート等のソルベントコート法や、スクリーン印刷方法等が挙げられる。
上記塗膜を乾燥、硬化させる方法としては特に限定されず公知の方法が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂層は、本発明に係る保護フィルムの熱成型性を向上させるための層であり、主成分の熱可塑性樹脂がウレタン系樹脂又は低温接着性樹脂であるものが好適に用いられる。
上記ウレタン系樹脂としては、例えば、ポリヒドロキシル化合物、ジイソシアネート及びジイソシアネートと反応する水素原子を少なくとも2個含有する低分子量の鎖伸長剤とから合成することができるポリウレタン等が挙げられる。
また、上記低温接着性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル共重合体;又はポリカプロアミド(ナイロン-6)、ポリアミノウンデカン酸(ナイロン-11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン-12)、ポリヘキサメチレンジアミノアジピン酸(ナイロン-66)、ポリヘキサメチレンジアミノセバシン酸(ナイロン-610)、ポリヘキサメチレンジアミノドデカン二酸(ナイロン-612)等のポリアミド単独重合体、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン-6/12)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸共重合体(ナイロン-6/11)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸共重合体(ナイロン-6/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/ヘキサメチレンジアミノセバシン酸共重合体(ナイロン-6/66/610)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/ヘキサメチレンジアミノドデカン二酸共重合体(ナイロン-6/66/612)等のポリアミド共重合体等が挙げられる。これらのポリアミド系樹脂は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
また、上記熱可塑性樹脂層の形成材料には、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性等を改良、改質する目的で、種々の添加剤等を混合することができる。この添加剤としては、例えば滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、充填剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、フィラー、顔料、可塑剤、劣化防止剤、分散剤等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂層は、平均厚さが25μm以上60μm以下に形成されていることが好ましく、30μm以上50μm以下に形成されていることがより好ましい。なお、この「平均厚さ」とは、JIS K 7130に準拠して測定される値である。
なお、上記熱可塑性樹脂層の形成方法としては特に限定されず従来公知の方法を任意に用いることができる。
上記自己修復性樹脂層は、本発明に係る保護フィルムの爪やペンによる耐打突性向上のための層であり、常温(23℃)環境下で金属ブラシ(真鍮ブラシ)によって表面に付けられた傷が消失する樹脂層を意味する。
上記自己修復性樹脂層に用いられる樹脂としては、例えば、ソフトセグメントとハードセグメントとを有する樹脂が挙げられ、上記ソフトセグメントとハードセグメントとをバランスさせることによって自己修復性が発現する。
上記ソフトセグメントはクッション的な働きをすることによって外力を緩和し、傷を弾性回復するように機能し、上記ハードセグメントは外力に対して抵抗するように機能する。ソフトセグメントだけでは弾性が弱くなり形状を保持することが困難となり、また傷回復性が低下する。一方、ハードセグメントだけでは傷が非可逆的に刻印される(傷が回復しない)。
このような自己修復性樹脂層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリカプロラクトン骨格を有するウレタン樹脂、ポリカーボネート骨格を有するウレタン樹脂、ポリアルキレングリコール骨格を有するウレタン樹脂、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂などが知られており、これらのポリカプロラクトン骨格、ポリカーボネート骨格、ポリアルキレングリコール骨格、ポリエステル骨格がソフトセグメントとして機能し、ウレタン結合がハードセグメントとして機能すると考えられる。
上記自己修復性樹脂層の厚みは、傷付き抑制効果を十分に発現させるという観点から、8μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、13μm以上が特に好ましい。自己修復性樹脂層の厚みが8μm未満であると、この自己修復性フィルムを本発明に係る保護フィルムの基材層と抗菌層及び/又は抗ウイルス層との間に適用したときの傷付き性を十分に抑制することができないことがある。
一方、自己修復性樹脂層の厚みが大きくなり過ぎると、加熱成形性が低下することがあるので、上限の厚みは50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下が特に好ましい。自己修復性樹脂層の厚みが50μmを超えると、加熱成形時に外観不良因子が発生しやすくなる。
以上のように本発明に係る保護フィルムは、曲面形状への追従性と機械強度とを両立し、かつ、特定の光学性能を有することからディスプレイ表面もしくは筐体の保護フィルムとして好適である。
更に本発明に係る保護フィルムは、指紋認証における誤認証を抑制する効果をも有する。
10 ディスプレイデバイス
11 ディスプレイパネル
11A 陰極
11B 陽極
12 光源
13 イメージセンサ
14 円偏光板
14A 1/4波長板
14B 直線偏光板
15 カバー部材
16 保護フィルム
17 照射光
18 反射光
19 陰影
20 指
21 外光
22 直線偏光
23 円偏光
24 円偏光
25 直線偏光
30 光学式指紋認証装置
35 保護フィルム
36、104 基材層
37 第一表面層
38 第二表面層
100 表面層
101 印刷層
102 光学用粘着層
103 蒸着層

Claims (11)

  1. ディスプレイデバイスの表面に配置される保護フィルムであって、
    面内リタデーション(Re)が20nm以下、厚み方向のリタデーション(Rth)が100nm以下であり、光弾性係数の絶対値が50×10-12/Pa以下の基材層を有する
    ことを特徴とする保護フィルム。
  2. ♯0000番のスチールウールで1kg/cmの荷重をかけながら前記保護フィルムの表面を1000回往復させた後のヘイズ値の変化が3%以下である請求項1記載の保護フィルム。
  3. 基材層の膜厚が120μm未満である請求項1又は2記載の保護フィルム。
  4. ディスプレイデバイスの表面に配置される保護フィルムであって、
    下記式(1)で示されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有するポリカーボネートを主成分とする基材層を有し、
    前記ジヒドロキシ化合物が、植物の抽出物又はその由来物であり、
    前記基材層の膜厚が120μm未満である
    ことを特徴とする保護フィルム。
    Figure 2022021638000004
  5. 前記ディスプレイデバイスは、光学式指紋認証装置を備えるものであり、前記基材層は前記光学式指紋認証装置上に配置される請求項1、2、3又は4記載の保護フィルム。
  6. 前記基材層が光学用粘着層を介して前記ディスプレイデバイスの表面層に貼り付けられている請求項1、2、3、4又は5記載の保護フィルム。
  7. 前記基材層が前記ディスプレイデバイスの筐体に用いられるものであり、前記基材層に曲面加工が施されている請求項1、2、3、4、5又は6記載の保護フィルム。
  8. 抗菌性及び/又は抗ウイルス性が付与されている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の保護フィルム。
  9. 前記基材層中に抗菌剤及び/又は抗ウイルス剤を含有する請求項8記載の保護フィルム。
  10. 前記基材層の表面に抗菌層及び/又は抗ウイルス層が形成されている請求項8記載の保護フィルム。
  11. 前記基材層と前記抗菌層及び/又は抗ウイルス層との間に、プライマー層、導電層、熱可塑性樹脂層及び自己修復性樹脂層からなる群より選択される少なくとも1層を有する請求項10記載の保護フィルム。
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