JP2022020406A - 紙幣処理システム及び紙幣処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙幣のコードの照合精度を高める。【解決手段】紙幣処理システム200は、搬送部201によって搬送される照合対象の紙幣について、識別部202によって読み取られた第2のコードと、記憶部203に記憶されている第1のコードとの照合処理を実行する制御部204を備える。コードは、複数の記号の列なりから構成されかつ、特定の位置の少なくとも一桁が特定桁に設定される。制御部は、第1のコードと第2のコードとの間において、特定桁の記号が全て一致しかつ、前記特定桁以外の、記号が一致しない桁が所定数以下の場合、第1のコードと第2のコードとが一致すると判断し、特定桁の記号が一致しない場合、又は、前記特定桁以外の、記号が一致しない桁が所定数を超える場合、第1のコードと第2のコードとが一致しないと判断する。【選択図】図3

Description

ここに開示する技術は、紙幣処理システム及び紙幣処理方法に関する。
特許文献1には、紙幣の識別番号(identification number)の照合処理を行う紙幣処理装置が記載されている。尚、識別番号は、紙幣の固有のコードである。紙幣の識別番号は、記番号(serial number)と呼ばれる場合もある。この紙幣処理装置は、記憶部に記憶されている識別番号と、収納部から繰り出された紙幣の識別番号とを照合する。記憶部は、収納部に収納されている全ての紙幣の識別番号を記憶している。紙幣処理装置は、識別番号の照合を行うことによって、紙幣を繰り出した後に、収納部に残っている紙幣の数、つまり、収納部の在高を確定できる。
識別番号の照合についてより詳細に説明をする。前記の紙幣処理装置は、照合する二つの識別番号において、全桁の数字又は文字が一致する場合はもちろんのこと、数字又は文字が異なる桁が存在しても、その桁の数が所定数以下であれば、二つの識別番号が一致すると判断する。つまり、紙幣処理装置は、識別番号の照合において、一部の数字又は文字が一致しないことを許容する。
紙幣に付着した汚れ、紙幣に付いたしわ、及び、その他の様々な要因により、紙幣処理装置は、いくつかの桁の数字又は文字を読み取ることができない場合、又は、誤って読み取ってしまう場合がある。紙幣処理装置は、紙幣に印刷されている識別番号の全桁を、確実かつ正確に読み取ることは難しい。
識別番号の一致を判断する条件を、全桁の数字又は文字が一致していることに制限すると、紙幣処理装置は、一部の桁の数字又は文字が読み取られなかった紙幣、及び、一部の桁の数字又は文字が誤って読み取られた紙幣を、識別番号が一致する紙幣と判断しない。この場合、照合処理において、識別番号が一致していると判断される紙幣の数が、極端に少なくなる恐れがある。特許文献1の紙幣処理装置は、紙幣を繰り出した後に、収納部に残っている紙幣の数を確定できなくなる、又は、確定できるまでに長い時間を要してしまう。
これに対し、識別番号の照合において、紙幣処理装置が、所定の桁数以下の数字又は文字が一致しないことを許容すると、ある程度高い照合精度が維持されながら、識別番号が一致していると判断される紙幣の数が多くなる。その結果、特許文献1の紙幣処理装置は、収納部に残っている紙幣の数を、速やかにかつ、比較的精度良く確定できる。
尚、識別番号の照合処理は、特許文献1に記載されている収納部の在高の確定に利用する他にも、偽券又は偽券の疑いのある紙幣の判定にも利用できる。つまり、偽券には、特定の識別番号が印刷されている場合がある。紙幣処理装置が、処理対象の紙幣の識別番号と、登録している偽券の識別番号とを照合することにより、処理対象の紙幣の中から、偽券又は偽券の疑いのある紙幣を抽出できる。
特開2013-012126号公報
ところが、特許文献1に記載された照合処理は、照合精度が低下する場合があることに、発明者らは気付いた。
例えば前述した照合処理は、照合対象の紙幣が、例えば識別番号が連番となった複数枚の紙幣である場合、識別番号が一致しないにもかかわらず、識別番号が一致すると判断する可能性が高くなる。つまり、識別番号が連番となった複数枚の紙幣において、数字が異なる桁の数は、一桁、又は、数桁である。紙幣処理装置が一部の桁の不一致を許容すると、連番となった複数の紙幣の識別番号が全て、同じ識別番号であると判断されてしまう恐れがある。
例えば3枚の紙幣の識別番号がそれぞれ「12345」「12346」「12347」であり、記憶されている識別番号が「12345」「12346」「12347」であるとする。また、照合処理において、紙幣処理装置は、一桁の数字が一致しないことを許容するとする。紙幣処理装置が、「12345」の識別番号における最下位の数字を読み取れなかったと仮定する。ところが、読み取れなかった最下位の数字の不一致が許容されるため、紙幣処理装置は、読み取った識別番号が、記憶されている「12345」「12346」及び「12347」のいずれにも一致すると判断できる。また、紙幣処理装置が、「12345」の識別番号の全桁の数字を正確に読み取ったと仮定する。ところが、紙幣処理装置は、一桁の数字が一致しないことを許容するため、紙幣処理装置は、読み取った識別番号が、記憶されている「12345」「12346」及び「12347」のいずれにも一致すると判断できる。
識別番号の照合を誤ると、特許文献1の紙幣処理装置は、紙幣の繰り出し後に収納部に残っている紙幣の数を誤って確定してしまう。
また、前述した偽券の判定に関し、偽券の識別番号は特徴を有している場合がある。例えば、識別番号における特定の位置の桁の数字又は文字が、所定の数字又は文字である、といった特徴である。読み取った識別番号における特定の位置の桁の数字又は文字が、偽券の特徴に一致すれば、他の位置の数字又は文字が不一致であっても、紙幣処理装置は、その紙幣が偽券又は偽券の疑いのある紙幣と判断することが好ましい。
ところが、照合処理において、読み取った識別番号の特定の位置の数字又は文字が、偽券の数字又は文字に一致しても、その特定の位置以外の位置において、数字又は文字が一致しない桁数が所定数を超えてしまうと、紙幣処理装置は、当該紙幣の識別番号は、偽券の識別番号と一致しないと判断してしまう。紙幣処理装置は、偽券又は偽券の疑いのある紙幣を見逃す可能性がある。
ここに開示する技術は、紙幣のコードの照合精度を高める。
ここに開示する技術は、紙幣処理システムに係る。紙幣処理システムは、
固有のコードを有する紙幣を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される紙幣のコードを読み取る識別部と、
第1のコードを記憶する記憶部と、
照合対象の紙幣について、前記識別部によって読み取られた第2のコードと、前記記憶部に記憶されている前記第1のコードとの照合処理を実行する制御部と、を備え、
前記コードは、複数の記号の列なりから構成されかつ、特定の位置の少なくとも一桁が特定桁に設定され、
前記制御部は、
前記第1のコードと前記第2のコードとの間において、前記特定桁の記号が全て一致しかつ、前記特定桁以外の、記号が一致しない桁が所定数以下の場合、前記第1のコードと前記第2のコードとが一致すると判断し、
前記第1のコードと前記第2のコードとの間において、前記特定桁の記号が一致しない場合、又は、前記特定桁以外の、記号が一致しない桁が所定数を超える場合、前記第1のコードと前記第2のコードとが一致しないと判断する。
この紙幣処理システムは、前記の構成によって、紙幣のコードの照合を高精度に行うことができる。
前記制御部は、前記特定桁に関する入力信号を受けかつ、当該入力信号に基づいて前記特定桁を設定する、
としてもよい。
前記記憶部は、紙幣の属性と特定桁との対応情報を記憶し、
前記制御部は、照合対象の紙幣の属性に基づいて、前記特定桁を設定する、
としてもよい。
前記制御部は、紙幣の属性に関する入力信号を受けかつ、当該入力信号に基づいて、前記特定桁を設定する、
としてもよい。
前記識別部は、照合対象の紙幣の属性をさらに識別し、
前記制御部は、前記識別部によって識別された属性に基づいて、前記特定桁を設定する、
としてもよい。
前記紙幣処理システムは、紙幣を収納する、少なくとも一の収納部をさらに備え、前記制御部は、前記収納部から繰り出された紙幣の前記照合処理を行い、
前記収納部は、同じ属性の紙幣を収納し、
前記制御部は、紙幣を繰り出した収納部に基づいて、前記特定桁を設定する、
としてもよい。
前記特定桁は、コードの特性に基づいて設定される、
としてもよい。
前記制御部は、前記識別部によって読み取られた第2のコードの特性に基づいて、前記特定桁を設定する、
としてもよい。
前記コードは、数字、文字、及び、符号の内の少なくとも二種類の記号を含んで構成され、
前記特定桁は、いずれかの種類の記号の少なくとも一桁を含む、
としてもよい。
前記特定桁は、数字の桁によって構成される、
としてもよい。
前記コードは、数字からなる列なった複数の桁を含み、
特定桁は、複数の数字の列なりにおける最下位の桁を含む、
としてもよい。
前記制御部は、紙幣に関する複数種類の処理を、それぞれ、前記照合処理を伴って実行し、
前記特定桁は、実行する処理の種類に応じて設定される、
としてもよい。
前記記憶部は、偽券に係る前記第1のコードと前記第1のコードに対応する特定桁とを記憶しており、
前記制御部は、前記第1のコードを用いた前記照合処理を実行することにより、偽券を抽出する処理を行う、
としてもよい。
前記紙幣処理システムは、紙幣を収納する、少なくとも一の収納部をさらに備え、
前記記憶部は、前記収納部に収納されている全ての紙幣のコードを、前記第1のコードとして記憶しており、
前記識別部は、前記収納部から繰り出された紙幣のコードを、前記第2のコードとして読み取り、
前記制御部は、前記照合処理を実行することにより、前記収納部に収納されている紙幣の数を確定させる精査処理を行う、
としてもよい。
前記コードは、数字からなる列なった複数の桁と、文字の桁とを含んで構成され、
特定桁は、複数の数字の列なりにおける最下位の桁を含む、所定数の桁によって構成され、
前記制御部は、前記識別部によって読み取られた紙幣のコードにおける最下位の桁から上位の桁に向かって順に、数字の桁を探索すると共に、最初に見つかった数字の桁から所定数の桁を、特定桁に設定する、
としてもよい。
前記制御部は、前記探索の際に、数字の桁が見つかる前に、読み取りできなかった桁が存在した場合、前記特定桁を設定しない、
としてもよい。
前記紙幣処理システムは、紙幣を収納する収納部をさらに備え、
前記識別部は、前記収納部が紙幣を収納する前に当該紙幣のコードを読み取り、前記制御部は、読み取られた前記コードに基づいて前記特定桁を設定し、前記記憶部は、読み取られた前記コードを、前記第1のコードとして記憶し、
前記識別部は、前記収納部から繰り出された紙幣のコードを、第2のコードとして読み取り、前記制御部は、読み取られた前記第2のコードに基づいて前記特定桁を設定し、
前記制御部は、収納時及び繰出時の少なくとも一方において前記特定桁を設定した場合は、当該特定桁に従って前記照合処理を行う、
としてもよい。
前記制御部は、収納時と繰出時の両方において特定桁が設定できない場合、又は、収納時と繰出時とにおいて設定した特定桁の位置が異なる場合、第1のコードと第2のコードとは一致しないと判断する、
としてもよい。
ここに開示する紙幣処理方法は、
記憶部が、紙幣が有する固有のコードとしての第1のコードを記憶し、
搬送部が、紙幣を搬送し、
識別部が、前記搬送部によって搬送される紙幣のコードを、第2のコードとして読み取り、
制御部が、照合対象の紙幣について、前記識別部によって読み取られた第2のコードと、前記記憶部に記憶されている前記第1のコードとの照合処理を実行し、
前記コードは、複数の記号の列なりから構成されかつ、特定の位置の少なくとも一桁が特定桁に設定され、
前記制御部が、
前記第1のコードと前記第2のコードとの間において、前記特定桁の記号が全て一致しかつ、前記特定桁以外の、記号が一致しない桁が所定数以下の場合、前記第1のコードと前記第2のコードとが一致すると判断し、
前記第1のコードと前記第2のコードとの間において、前記特定桁の記号が一致しない場合、又は、前記特定桁以外の、記号が一致しない桁が所定数を超える場合、前記第1のコードと前記第2のコードとが一致しないと判断する。
以上説明したように、前記の紙幣処理システム及び紙幣処理方法は、紙幣のコードの照合精度を高めることができる。
図1は、ここに開示する識別番号の照合方法を説明する図である。 図2は、識別番号の照合処理に係るフローチャートである。 図3は、紙幣処理システムの構成例を示すブロック図である。 図4は、紙幣処理システムの別の構成例を示すブロック図である。 図5は、偽券の抽出に適した識別番号の照合方法を説明する図である。 図6は、紙幣処理装置の構成例を示す図である。 図7は、図6の紙幣処理装置の構成を例示するブロック図である。 図8は、部分精査処理における、識別番号の照合手順を説明する図である。 図9は、識別番号の照合処理に係るフローチャートである。 図10は、識別番号の照合処理に係るフローチャートである。 図11は、特定桁の設定に係るフローチャートである。 図12は、識別番号の照合方法を説明する図である。
以下、紙幣処理システム及び紙幣処理方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ここで説明する処理システム及び処理方法は例示である。
(コードの照合方法)
ここに開示する紙幣処理システムは、各紙幣が有する固有のコードの照合処理を行う。紙幣のコードは、紙幣に設けられかつ当該紙幣を特定するためのものであって、例えば数字、文字、及び、符号といった記号、並びに、そうした記号に準じるものを含んで構成される。コードの一例は、複数の数字及び文字の列なりによって構成される識別番号である。識別番号は、ランダムな記号の列なりではなく、通し番号である。そのため、識別番号は、複数の紙幣において連番となる場合がある。
識別番号は、紙幣に印刷される。例えば識別番号を構成する数字及び文字が、紙幣に印刷される。
紙幣処理システムは、識別番号の照合処理を行う際に、紙幣の識別番号を読み取る。紙幣処理システムは、光学的、電気的、又は磁気的に識別番号を読み取る。紙幣処理システムは、紙幣に印刷された数字又は文字の列なりによって構成される識別番号を、例えば光学的な手段を用いて読み取ることができる。つまり、紙幣処理システムは、識別番号を構成する各桁の記号の情報を取得する。尚、識別番号の読み取り手法は公知であるため、詳細な説明は省略する。紙幣処理システムは、公知の様々な手法を、適宜採用できる。
紙幣処理システムは、紙幣から読み取った識別番号と、基準識別番号と、を照合する。紙幣から読み取った識別番号は、照合対象の識別番号である。基準識別番号は、後述するように、予め定まっている場合、及び、予め定まっていない場合の両方があり得る。紙幣処理システムは、紙幣から読み取った対象識別番号が、基準識別番号と一致するか否かを判断する。
紙幣処理システムは、対象識別番号と基準識別番号とを照合する際に、同じ位置の桁の記号同士を比較する。対象識別番号の桁数と基準識別番号の桁数は同じである。紙幣処理システムは、各位置の桁について、記号の一致及び不一致を判断する。
二つの識別番号の間において全ての桁の記号が一致する場合、紙幣処理システムは、対象識別番号と基準識別番号とは一致すると判断する。
紙幣処理システムはまた、記号が一致しない桁が存在していても、その桁数が、予め定めた数以下であれば、対象識別番号と基準識別番号とは一致すると判断する。これは、識別番号の読み取り精度が高くないためである。
紙幣処理システムは、紙幣に付着した汚れ、紙幣の折れ又はしわ、及び/又は、その他のさまざまな要因によって、紙幣に印刷された識別番号の全桁を確実にかつ、正確に読み取ることができない場合がある。紙幣処理システムが一部の桁を読み取ることができなかったり、一部の桁を誤って読み取ったりすれば、紙幣に印刷されている対象識別番号と基準識別番号とが実際には全桁一致であっても、紙幣処理システムは、対象識別番号と基準識別番号とが一致しないと判断してしまう。
これとは異なり、対象識別番号における一部の桁の記号が基準識別番号と一致する場合、紙幣処理システムは、対象識別番号と基準識別番号とが一致すると判断する。記号の不一致を許容する桁数が適切に設定されれば、識別番号の照合精度は悪化せず、逆に識別番号の照合精度が高まる。照合処理において記号の不一致を許容する桁数は、適宜の数に設定できる。記号の不一致を許容する桁の位置は、基本的に任意の位置に設定できる。
ところが、本願発明者らは、紙幣の識別番号の照合に際し、特定の位置の桁については、記号の不一致を許容しない方が、識別番号の照合精度が高まる点に気付いた。つまり、本願発明者らが提案する新たな照合方法では、不一致を許容する桁の位置を任意の位置にするのではなく、特定の位置の桁の記号が一致しない場合、その他の桁の記号が全て一致したとしても、紙幣処理システムは、対象識別番号と基準識別番号とは一致しないと判断する。
前述した新たな照合方法を、図1を参照しながら、具体的に説明する。図1は、新たな照合方法を説明するための図である。この例において、基準識別番号は、「A1234」である。識別番号の照合に際し、記号の不一致を許容する桁数は、一つである。また、記号の不一致を許容しない桁は、最上位の一桁である。記号の不一致を許容しない桁を、以下においては、「特定桁」と呼ぶ。
紙幣処理システムは、対象識別番号と基準識別番号との間において、特定桁の記号が一致しかつ、記号が一致しない桁が所定数以下、この例では一桁以下の場合、対象識別番号と基準識別番号とが一致すると判断する。紙幣処理システムはまた、対象識別番号と基準識別番号との間において、特定桁の記号が一致しない場合、対象識別番号と基準識別番号とが一致しないと判断する。また、記号が一致しない桁が所定数を超える場合、この例では、記号が一致しない桁が一桁を超える場合、紙幣処理システムは、対象識別番号と基準識別番号とが一致しないと判断する。
第1対象識別番号~第6対象識別番号は、紙幣処理システムが、処理対象の紙幣から読み取った識別番号を例示している。第1対象識別番号は、「A1234」である。第1対象識別番号と、基準識別番号とは、全桁の記号が一致する。紙幣処理システムは、第1対象識別番号が基準識別番号と一致すると判断する。
第2対象識別番号は、「A1235」である。第2対象識別番号は、最下位の桁の数字が基準識別番号と異なる。記号が不一致の桁数は、一つである。また、第2対象識別番号の特定桁の記号は、基準識別番号と一致する。第2対象識別番号と基準識別番号との間において、特定桁の記号が全て一致しかつ、記号が一致しない桁が所定数以下である。紙幣処理システムは、第2対象識別番号が基準識別番号と一致すると判断する。
第3対象識別番号は、一部の桁の読み取りができなかった例である。具体的に、紙幣処理システムは、最上位から数えて4桁目の記号を読み取ることができなかった。同図において、記号の読み取りができなかった桁は「?」で表される。紙幣処理システムは、記号の読み取りができなかった桁を、基準識別番号と一致しない桁として取り扱う。第3対象識別番号において記号が不一致の桁数は、一つである。また、第3対象識別番号の特定桁の記号は、基準識別番号と一致する。第3対象識別番号と基準識別番号との間において、特定桁の記号が全て一致しかつ、記号が一致しない桁が所定数以下である。紙幣処理システムは、第3対象識別番号は、基準識別番号と一致すると判断する。
第4対象識別番号は、「A1245」である。第4対象識別番号は、最上位から数えて4番目の桁及び最下位の桁の数字が基準識別番号と異なる。数字が不一致の桁数は、二つである。第4対象識別番号と基準識別番号との間において、数字が一致しない桁数は所定数を超える。第4対象識別番号の特定桁の記号は、基準識別番号と一致する。しかし、紙幣処理システムは、第4対象識別番号は、基準識別番号と一致しないと判断する。
尚、図1には示していないが、対象識別番号と基準識別番号との間において記号が一致しない桁の数と、紙幣処理システムが、対象識別番号において記号を読み取れなかった桁の数との合計が所定数を超える場合も、紙幣処理システムは、対象識別番号は基準識別番号と一致しないと判断する。また、紙幣処理システムが、対象識別番号において記号を読み取れなかった桁の数が所定数を超える場合も、紙幣処理システムは、対象識別番号は基準識別番号と一致しないと判断する。
第5対象識別番号は、「B1234」である。第5対象識別番号は、最上位の桁の記号が基準識別番号と異なる。記号が不一致の桁数は、一つである。但し、記号が不一致の桁は特定桁である。紙幣処理システムは、第5対象識別番号は、基準識別番号と一致しないと判断する。
第6対象識別番号は、「?1234」である。つまり、紙幣処理システムは、最上位の桁の記号を読み取ることができなかった。第6対象識別番号は、基準識別番号に対して特定桁の記号が不一致である。紙幣処理システムは、第6対象識別番号は、基準識別番号と一致しないと判断する。
図2は、紙幣処理システムが実行する照合処理に係るフローチャートである。先ず、スタート後のステップS11において、紙幣処理システムは、対象識別番号を特定する。紙幣処理システムは、例えば、紙幣に印刷されている識別番号を読み取る。
続くステップS12において、紙幣処理システムは、基準識別番号を読み込む。基準識別番号は、例えば記憶部に予め記憶されていてもよい。
ステップS13において、紙幣処理システムは、対象識別番号と基準識別番号とを照合する。つまり、紙幣処理システムは、対象識別番号の各桁の記号と、基準識別番号の各桁の記号とを比較する。
ステップS14において、紙幣処理システムは、対象識別番号と基準識別番号との間において、特定桁の記号同士が一致するか否かを判断する。ステップS14の判断がYESの場合、プロセスはステップS15に進む。ステップS14の判断がNOの場合、プロセスはステップS18に進む。
ステップS18において、紙幣処理システムは、対象識別番号は、基準識別番号に一致しないと判断する。前述したように、この照合方法において、特定桁の記号が相違すれば、対象識別番号は基準識別番号に一致しない。
ステップS15において、紙幣処理システムは、対象識別番号と基準識別番号との間において、特定桁以外の桁の記号が、全て一致するか否かを判断する。ステップS15の判断がYESの場合、つまり、対象識別番号と基準識別番号とは、全桁の記号が一致する場合、プロセスはステップS16に進む。紙幣処理システムは、ステップS16において、対象識別番号は、基準識別番号に一致すると判断する。
ステップS15の判断がNOの場合、プロセスはステップS17に進む。ステップS17において、紙幣処理システムは、記号が不一致の桁数が、所定数を超えるか否かを判断する。所定数を超える場合、プロセスはステップS18に進む、所定数を超えない場合、プロセスはステップS16に進む。つまり、記号が不一致の桁数が所定数以下の場合、紙幣処理システムは、ステップS16において、対象識別番号は基準識別番号に一致すると判断し、記号が不一致の桁数が所定数を超える場合、紙幣処理システムは、ステップS18において、対象識別番号は基準識別番号に一致しないと判断する。
尚、識別番号の照合処理において、記号の不一致を許容する桁数は、一桁に限定されない。記号の不一致を許容する桁数は、二桁以上であってもよい。但し、記号の不一致を許容する桁数が多すぎると、識別番号の照合精度が低下する。記号の不一致を許容する桁は、一桁~数桁に設定すればよい。
また、識別番号の照合処理において、特定桁は一桁に限定されない。紙幣処理システムは、二以上の桁を特定桁に設定し、識別番号の照合を行ってもよい。二以上の特定桁は、位置が列なっていても(つまり、隣り合っていても)よいし、位置が離れていてもよい。
ここに開示する照合方法において、識別番号の桁数をXとし、記号の不一致を許容する桁数をY、特定桁の桁数をZとした場合、X、Y及びZの間には、X>Y+Zの関係式が成立する。前述の通り、Y及びZは任意の数に設定できる。また、照合対象の紙幣の属性に応じて、Y及びZは設定されてもよい。また、識別番号における各桁の記号の種類(つまり、文字、数字、及び、符号等)に応じて、Y及びZは設定されてもよい。
前述の通り、特定桁の位置は任意の位置に設定できる。特定桁の位置は、照合対象の紙幣の属性に応じて設定されてもよい。特定桁の位置は、識別番号における各桁の記号の種類(つまり、文字、数字、及び、符号等)に応じて設定されてもよい。特定桁は、いずれかの種類の記号の少なくとも一桁を含む。
また、対象識別番号の桁数と基準識別番号の桁数とが異なる場合、紙幣処理システムは、桁数差を、記号が不一致である桁数に加算してもよい。また、対象識別番号の桁数と基準識別番号の桁数とが異なる場合、紙幣処理システムは、識別番号が不一致であると判断してもよい。
(紙幣処理システムの第1構成例)
図3は、紙幣処理システム200の具体的な構成例を示している。紙幣処理システム200は、搬送部201、識別部202、記憶部203、及び、制御部204を備えている。
搬送部201は、紙幣を、一枚ずつ、搬送元205から搬送先206へ搬送する。搬送部201は、搬送元205と搬送先206とを接続する搬送路(図3の太実線の矢印を参照)を有している。搬送部201は、紙幣を、搬送路に沿って搬送する。
搬送部201は、紙幣を一方向に搬送してもよいし、紙幣を双方向に搬送してもよい。搬送路は、無端ループ状であってもよい。搬送部201は、無端ループ状の搬送路に沿って、紙幣を一方向に、又は、双方に搬送してもよい。
搬送元205は、一つでもよいし、複数でもよい。搬送部201は、複数の搬送元205から選択した一の搬送元205から搬送先206へ、紙幣を搬送してもよい。搬送先206も、一つでもよいし、複数でもよい。搬送部201は、搬送元205から、複数の搬送先206から選択した一の搬送先206へ、紙幣を搬送してもよい。また、搬送部201は、複数の搬送元205から選択した一の搬送元205から、複数の搬送先206から選択した一の搬送先206へ、紙幣を搬送してもよい。搬送部201は、複数の搬送先206から、後述する識別部202の識別結果に応じて選択した一の搬送先206へ、紙幣を搬送してもよい。搬送元205は、後述する入金部、一時保留部、及び、収納部を含む。搬送先206は、後述する収納部、出金部、一時保留部、リジェクト部、及び、収納部を含む。例えば収納部は、紙幣の搬送方向に応じて、搬送元205になる場合、及び、搬送先206になる場合の両方がある。
識別部202は、搬送元205と搬送先206との間に設けられている。識別部202は、搬送路の途中に設けられている。識別部202は、搬送部201によって搬送される紙幣の識別番号を読み取る。識別部202によって読み取られた識別番号は、照合対象の識別番号、つまり、対象識別番号である。識別部202は、識別番号に関する情報を、制御部204に出力する。
識別部202はまた、紙幣に関する各種情報を識別してもよい。識別部202は、例えば紙幣の通貨、金種、真偽、及び、正損の少なくとも一の情報を識別してもよい。
記憶部203は、例えば基準識別番号に関する情報を記憶している。記憶部203は、基準識別番号に関する情報を、制御部204に出力する。記憶部203は、基準識別番号を記憶していてもよい。記憶部203はまた、基準識別番号に対応する紙幣の属性を記憶していてもよい。紙幣の属性は、例えば通貨、及び/又は、金種である。記憶部203はまた、基準識別番号を含む紙幣の画像を記憶していてもよい。基準識別番号は、画像をOCR処理することにより取得される。記憶部203はまた、特定桁に関する情報を記憶している。記憶部203は、特定桁に関する情報を、制御部204に出力する。
制御部204は、二つの識別番号の照合を行う。制御部204は、識別部202に接続されている。制御部204は、識別部202が出力した対象識別番号に関する情報を受ける。制御部204はまた、記憶部203に接続されている。制御部204は、記憶部203が出力した基準識別番号に関する情報、及び、特定桁に関する情報を受ける。制御部204は、これらの情報に基づいて、図2のフローチャートに示す手順に従い照合処理を実行する。
制御部204はまた、搬送部201を通じて、紙幣の搬送を制御する。前述の通り、制御部204は、識別結果、及び/又は、照合結果に応じて、搬送部201を制御してもよい。例えば、制御部204は、照合結果に応じて、紙幣の搬送先を選択してもよい。また、制御部204は、照合結果に応じて、搬送元から次の紙幣を搬送してもよい。また、制御部204は、照合結果に応じて、次の紙幣の搬送元を選択してもよい。
図示は省略するが、紙幣処理システム200は、照合結果を出力する出力部を備えていてもよい。出力部は、制御部204に接続されていてもよい。出力部は、ユーザに対して照合結果を表示する表示部としてもよい。表示部は、例えばフラットパネルディスプレイである。出力部はまた、照合結果を、紙幣処理システム外に送信する通信部としてもよい。通信部は、有線又は無線の通信線を通じた通信を行う。出力部は、照合結果を印刷する印刷部としてもよい。印刷部の方式は、例えばインクジェット方式又は熱転写方式といった様々な方式が採用できる。
前述した搬送部201、識別部202、記憶部203、及び、制御部204は、筐体に組み付けられることによって一つの装置を構成してもよい。また、搬送部201、識別部202、記憶部203、及び、制御部204のうち、一部の構成要素は、筐体に組み付けられることによって一つの装置を構成し、他の構成要素は、当該装置とは別に設けてもよい。一部の構成要素と、他の構成要素とは、通信可能に接続すればよい。
他の構成要素は、例えば記憶部でもよい。尚、記憶部は一つとは限らず、複数であってもよい。複数の記憶部の一部が、前記装置とは別に設けられてもよい。別に設けられる記憶部は、いわゆる外部記憶部である。外部記憶部は、前述した基準識別番号に関する情報を記憶していてもよい。
他の構成要素は、例えば制御部でもよい。制御部は、識別番号の照合を行う制御部と、搬送部の制御を行う制御部とに分かれていてもよい。識別番号の照合を行う制御部が、前記装置とは別に設けられてもよい。
特定桁に関する情報は、前述したように、記憶部203に記憶しておいてもよい。また、制御部204が有するソフトウエアに、特定桁に関する情報が組み込まれてもよい。
また、図3に二点鎖線で示すように、紙幣処理システム200は、入力部207を備えてもよい。入力部207は、ユーザの操作に応じて、特定桁に関する情報を制御部204に入力する操作部であってもよい。入力部207はまた、紙幣処理システム外から信号を受信する通信部としてもよい。また、外部端末208を、紙幣処理システム200の通信部に接続可能にしてもよい。外部端末208は、通信によって特定桁に関する情報を制御部204に入力する。さらに、外部記憶媒体209を、紙幣処理システム200に接続可能にしてもよい。外部記憶媒体209は、例えばUSBメモリ等の可搬式の媒体としてもよい。外部記憶媒体209は、特定桁に関する情報を記憶している。制御部204は、外部記憶媒体209から特定桁に関する情報を取得する。
(特定桁の設定方法)
紙幣の識別番号は、一般的に紙幣の通し番号を表す番号である。識別番号を構成する数字、文字及び符号は、特定のルールに従って並んでいる。つまり、識別番号において、数字の桁の数及び位置、並びに、文字の桁の数及び位置は定まっている。以下において、数字の桁の数及び位置、並びに、文字の桁の数及び位置により定まる性質を、識別番号の特性と呼ぶ場合がある。
特定桁の数及び位置は、識別番号を構成する数字、文字及び符号の並びに応じて設定されてもよい。例えば列なっている数字の桁の一部又は全部を特定桁としてもよい。例えば列なっている文字の桁の一部又は全部を特定桁としてもよい。
識別番号に関する特定のルールは、例えば通貨毎に定まっている。特定桁の数及び位置は、紙幣の通貨に対応付けて予め設定されていてもよい。紙幣処理システムの制御部は、識別番号の照合処理の際に、照合対象の紙幣の通貨に基づいて、特定桁の数及び位置を設定してもよい。
識別番号に関する特定のルールは、例えば金種毎に定まっている。特定桁の数及び位置は、紙幣の金種に対応付けて予め設定されていてもよい。制御部は、識別番号の照合処理の際に、照合対象の紙幣の金種に基づいて、当該金種に対応する特定桁の数及び位置を設定してもよい。
つまり、制御部は、照合対象の紙幣の属性に基づいて、特定桁を設定してもよい。
制御部は、様々な要素からの入力信号に基づいて、照合対象の紙幣の属性の情報を取得できる。つまり、制御部は、通貨の情報及び金種の情報を、入力信号に基づいて取得できる。制御部は、取得した通貨の情報、及び/又は、金種の情報に基づいて、特定桁の数及び位置を設定できる。
識別部は、前述したように、紙幣の通貨及び金種、つまり、紙幣の属性を識別してもよい。識別部は、制御部に、紙幣の通貨及び金種に関する信号を出力する。また、記憶部が、照合対象の通貨及び金種の情報を記憶していてもよい。記憶部は、制御部に、紙幣の通貨及び金種に関する信号を出力する。制御部が有するソフトウエアに、通貨及び金種の情報が組み込まれていてもよい。
また、ユーザが入力部に、紙幣の属性の情報、つまり通貨及び金種の情報を入力してもよい。入力部は、制御部に、通貨及び金種に関する信号を出力する。外部端末が、制御部に、通貨及び金種に関する信号を出力してもよい。制御部は、外部記憶媒体から、通貨及び金種の情報を取得してもよい。
また、複数の搬送元と、各々の搬送元から搬送される紙幣の属性(つまり、通貨及び金種)とが対応している場合、制御部は、照合対象の紙幣の搬送元に基づいて紙幣の通貨及び金種の情報を取得してもよい。例えば、搬送元が紙幣を収納する収納部であり、各々の収納部が同じ属性の紙幣、例えば同じ通貨、及び/又は、同じ金種の紙幣を収納するとする。収納部と、その収納部から繰り出される紙幣の属性とが対応しているため、制御部は、照合対象の紙幣を繰り出した収納部に基づいて、特定桁の数及び位置を設定できる。
特定桁の数及び位置は、対象識別番号の特性に基づいて設定されてもよい。特定桁の数及び位置は、基準識別番号の特性に基づいて設定されてもよい。
照合処理は、紙幣処理システムが実行する様々な処理に伴って実行される。例えば入金処理時に、紙幣処理システムは、偽券を抽出するために識別番号の照合処理を実行する。例えば精査処理時に、紙幣処理システムは、収納部から繰り出した紙幣を特定するために識別番号の照合処理を実行する。特定桁の数及び位置は、紙幣処理システムが実行する処理の種類に応じて設定されてもよい。
特定桁の数及び位置は、紙幣から読み取った識別番号の特性に応じて設定されてもよい。こうすることによって紙幣処理システムは、照合対象の紙幣に対応した特定桁の数及び位置を設定できる。この構成は、紙幣処理システムが、識別番号の特性が異なる、複数種類の紙幣を照合対象とする場合に有効である。具体的に、同じ構成の紙幣処理システムが通貨の異なる様々な国に設置される場合がある。紙幣処理システムは、紙幣から読み取った識別番号の特性に応じて、照合対象の通貨に対応する特定桁の数及び位置を設定できる。尚、紙幣から読み取った識別番号の特性に応じて、特定桁の位置を設定する設定方法は、後で詳述する。
(入金処理時における照合処理の具体例)
次に、入金処理時に実行する、識別番号の照合処理の具体例を、図4及び図5を参照しながら説明する。前述したように、図3に例示した紙幣処理システム200の搬送元205は入金部でもよい。また、紙幣処理システム200の搬送先206は、出金部と収納部でもよい。図4は、図3の紙幣処理システム200の第2構成例としての紙幣処理システム300を示している。紙幣処理システム300は、入金処理時に識別番号の照合処理を行うことによって、偽券及び偽券の疑いのある紙幣を抽出する。
紙幣処理システム300は、搬送部301、識別部302、記憶部303、制御部304、入金部305、出金部3061、収納部3062を備えている。図4の紙幣処理システム300において、搬送部301、識別部302、記憶部303、制御部304、入金部305、出金部3061、収納部3062は、筐体3000に組み付けられることによって、一つの装置を構成している。尚、前述したように、一部の構成要素は、装置とは別に設けることができる。
搬送部301は、入金部305から、出金部3061又は収納部3062へ紙幣を搬送する。搬送部301は、入金部305、出金部3061及び収納部3062を相互につなぐ搬送路を有している(図4の太実線を参照)。
入金部305は搬送元の一例である。ユーザは、入金対象の紙幣を入金部305に手で投入できる。入金部305は、投入された紙幣を保持する。出金部3061及び収納部3062はそれぞれ、搬送先の一例である。搬送部301は、入金対象の紙幣の内、真券を収納部3062に搬送する。収納部3062は紙幣を収納する。搬送部301は、偽券又は偽券の疑いのある紙幣を出金部3061に搬送する。出金部3061は紙幣を保持する。ユーザは、出金部3061が保持している紙幣を手で取り出すことができる。搬送部301は、偽券又は偽券の疑いのある紙幣を、真券とは別の収納部3062に搬送してもよい。尚、収納部3062は、収納している紙幣を繰り出してもよい。収納部3062は、搬送先になり得る。
識別部302は、紙幣の通貨、金種、及び真偽を少なくとも識別する。識別結果に基づいて、制御部304は、入金対象の紙幣の枚数及び合計金額を計数できる。識別部302はまた、紙幣に印刷されている識別番号を読み取る。識別部302は、識別番号に関する信号を制御部304に出力する。
記憶部303は、基準識別番号を記憶している。基準識別番号は、この構成例においては、偽券の識別番号である。偽券は、識別番号に特徴を有している場合がある。特徴とは、例えば特定の位置の桁が、同じ文字又は数字であるといった特徴である。図5は、基準識別番号を例示している。図5に例示する「XYZ1234」は、偽券の識別番号である。この偽券は、識別番号の最上位の桁と最上位から二番目の桁とが「XY」であることが特徴である。最上位の桁と最上位から二番目の桁とは、特定桁として設定されている。
紙幣処理システム300は、入金処理を実行する。入金処理は、入金部305に投入された紙幣を計数した上で、収納部3062に収納する処理である。制御部304は、入金処理時に、識別番号の照合処理を行う。制御部304は、例えば図2のフローチャートに従って、照合処理を実行する。制御部304は、この照合処理によって、入金対象の紙幣の中から、偽券及び偽券の疑いのある紙幣を抽出する。
図5を参照しながら、制御部304が実行する照合処理について具体的に説明する。前述したように、基準識別番号は、「XYZ1234」であり、特定桁は、最上位の桁と最上位から2番目の桁の二桁である。また、照合処理に際して、制御部304は、記号の不一致を二桁まで許容する。図2のフローチャートのステップS17において、所定数は2である。
第1紙幣識別番号~第5紙幣識別番号は、識別部302が読み取った識別番号、つまり対象識別番号を例示している。第1紙幣識別番号は、「A123456」である。第1紙幣識別番号の全桁の記号が、基準識別番号と異なる。制御部304は、第1紙幣識別番号を、基準識別番号と不一致であると判断する。第1紙幣識別番号を有する紙幣は、偽券でないと判断される。
第2紙幣識別番号は、「XYZ1234」である。第2紙幣識別番号の全桁の記号が、基準識別番号と一致する。制御部304は、第2紙幣識別番号が基準識別番号と一致すると判断する。第2紙幣識別番号を有する紙幣は、偽券又は偽券の疑いのある紙幣であると判断される。
第3紙幣識別番号は、「XYA1235」である。第3紙幣識別番号における二桁分の記号が、基準識別番号と相違する。また、第3紙幣識別番号の特定桁の記号は、基準識別番号と一致する。紙幣処理システム300は、第3紙幣識別番号を、基準識別番号と一致すると判断する。第3紙幣識別番号を有する紙幣は、偽券又は偽券の疑いのある紙幣であると判断される。基準識別番号と完全に一致する紙幣でなくても、紙幣処理システム300は、特定桁に基づいて、偽券又は偽券の疑いのある紙幣を抽出できる。
第4紙幣識別番号は、「XY?12?4」である。第4紙幣識別番号は、3桁目と6桁目の記号が読み取られていない。第4紙幣識別番号の二桁分の記号が、基準識別番号と相違する。また、第4紙幣識別番号の特定桁の記号は、基準識別番号と一致する。紙幣処理システム300は、第4紙幣識別番号を、基準識別番号と一致すると判断する。第4紙幣識別番号を有する紙幣は、偽券又は偽券の疑いのある紙幣であると判断される。一部の識別番号を読み取ることができなくても、紙幣処理システム300は、特定桁の記号が一致することに基づいて、偽券又は偽券の疑いのある紙幣を抽出できる。
第5紙幣識別番号は、「XBZ1234」である。第5紙幣識別番号における、最上位から数えて2番目の桁の記号のみが、基準識別番号と異なる。記号が不一致の桁数だけを基準にすれば、第5紙幣識別番号は、基準識別番号と一致する。但し、第5紙幣識別番号の特定桁の記号は、基準識別番号と相違する。紙幣処理システム300は、第5紙幣識別番号は、基準識別番号と一致しないと判断する。紙幣処理システム300は、特定桁に基づいて、偽券又は偽券の疑いのある紙幣を、正確に抽出できる。
(紙幣処理システムの第3構成例)
前述したように、図3に例示した紙幣処理システム200の搬送元205は入金部および一時保留部でもよい。また、紙幣処理システム200の搬送先206は、出金部、収納部、一時保留部およびリジェクト部でもよい。また、紙幣処理システム200は、操作部、通信部および外部端末を備えてもよい。図6及び図7は、図3の紙幣処理システム200の第3構成例としての紙幣処理システムを示している。この紙幣処理システムは、各構成要素が筐体に組み付けられることによって、紙幣処理装置1を構成している。紙幣処理装置1は、入金処理及び出金処理を含む各種の処理を実行する。入金処理は、前述したように入金対象の紙幣を、収納部に収納する処理である。出金処理は、出金対象の紙幣を、収納部から紙幣処理装置1の外へ払い出す処理である。
図6は、紙幣処理装置1の内部の構造を、概念的に示している。図7は、紙幣処理装置1構成を示すブロック図である。紙幣処理装置1は、上部の処理部11と、下部の金庫部13とを有している。処理部11は、上部筐体111によって構成されている。上部筐体111の中には、入金部21、出金部22、リジェクト部23、一時保留部24、識別部25、及び、上側搬送部41が配設されている。上側搬送部41は、搬送部4の一部である。
金庫部13は、金庫筐体131によって構成されている。金庫筐体131の中には、複数の収納部31~35、下側搬送部42及び第2下側搬送部43が配設されている。下側搬送部42及び第2下側搬送部43は、搬送部4の一部である。金庫筐体131は、収納部31~35を、所定以上のセキュリティレベルで防護する。具体的に金庫筐体131は、所定の厚み以上の金属板によって形成されている。金庫筐体131のセキュリティレベルは上部筐体111より高い。
入金部21は、例えば入金処理の際に、入金対象の紙幣が投入される部分である。入金部21は、入金口211を有している。ユーザは、入金口211を通じて、入金部21に、紙幣を手で投入する。入金部21は、複数枚の紙幣を、重ねた状態で保持できる。入金部21は、紙幣を一枚ずつ紙幣処理装置1内に取り込む機構を有している。
出金部22は、例えば出金処理の際に、収納部から繰り出された紙幣が搬送される部分である。出金部22は、複数枚の紙幣を、重ねた状態で保持できる。出金部22は、出金口221を有している。ユーザは、出金部22に集積されている紙幣を、出金口221を通じて手で取り出すことができる。
リジェクト部23は、例えば入金処理の際に発生したリジェクト紙幣を保持する部分である。リジェクト部23は、複数枚の紙幣を、重ねた状態で保持するよう構成されている。リジェクト部23は、第2出金口231を有している。図示は省略するが、第2出金口231にはシャッターが設けられている。シャッターが開くと、ユーザは、リジェクト部23に集積されている紙幣を、第2出金口231を通じて取り出すことができる。
一時保留部24は、例えば入金処理の際に、入金対象の紙幣を一時的に収納する。一時保留部24は、収納している紙幣を繰り出すことができる。一時保留部24は、テープ式の収納ユニットである。一時保留部24は、紙幣を、テープと共にドラムに巻き付けることによって、紙幣を収納する。テープ式の収納ユニットは、紙幣の収納時及び紙幣の繰出時において、紙幣の順番が入れ替わらないという利点を有している。また、テープ式の収納ユニットは、様々なサイズの紙幣を、混合状態で収納することができる、という利点も有している。一時保留部24は、テープ式の収納ユニットの、公知の構成を採用できる。
識別部25は、第1搬送路411に配設されている。識別部25は、第1搬送路411に沿って搬送される紙幣の一枚一枚について、少なくとも、通貨、真偽、金種及び正損を識別する。識別部25はまた、紙幣に印刷されている識別番号を読み取る。
紙幣処理装置1は、第1収納部31、第2収納部32、第3収納部33、第4収納部34、及び、第5収納部35を有している。
第1収納部31、第2収納部32、及び、第3収納部33は、同じ構成を有している。第1収納部31、第2収納部32、及び、第3収納部33はそれぞれ、詳細な図示は省略するが、スタック式の収納部である。スタック式の収納部は、紙幣を重ねて収納する。第1収納部31、第2収納部32、及び、第3収納部33はそれぞれ、一つの収納領域を有している。第1収納部31、第2収納部32、及び、第3収納部33はそれぞれ、収納領域に紙幣を収納しかつ、収納領域から紙幣を繰り出す。第1収納部31、第2収納部32、及び、第3収納部33はそれぞれ、先に収納した紙幣を、後から繰り出すよう構成されている。
第4収納部34及び第5収納部35は、同じ構成を有している。第4収納部34及び第5収納部35はそれぞれ、スタック式の収納部である。第4収納部34及び第5収納部35はそれぞれ、第1収納領域51と第2収納領域52とを有している。第1収納領域51は、上側に設けられている。第2収納領域52は、第1収納領域51の下に設けられている。第1収納領域51と第2収納領域52とは互いに独立している。第4収納部34及び第5収納部35はそれぞれ、第1収納領域51用の第1搬送機構と、第2収納領域52用の第2搬送機構とを有している。第4収納部34及び第5収納部35はそれぞれ、第1収納領域51に紙幣を収納しかつ、第1収納領域51から紙幣を繰り出すと共に、第2収納領域52に紙幣を収納しかつ、第2収納領域52から紙幣を繰り出すことができる。第4収納部34、及び、第5収納部35も、先に収納した紙幣を、後から繰り出すよう構成されている。
尚、図6の収納部の構成は一例であり、金庫筐体131内に収容する収納部の数、及び、配置、並びに、各収納部の構造は、図6の構成に限定されない。
搬送部4は、紙幣処理装置1内で、紙幣と紙幣との間に間隔を空けて、紙幣を一枚ずつ搬送する。搬送部4は搬送路を有している。搬送路は、図示は省略するが、多数のローラ、複数のベルト、これらを駆動するモータ、及び、複数のガイドの組み合わせによって構成されている。搬送部4は、例えば紙幣の長辺の縁を前にして、紙幣を搬送する。搬送部4は、紙幣の短辺の縁を前にして、紙幣を搬送してもよい。
搬送部4は、上側搬送部41と、下側搬送部42と、第2下側搬送部43と、を有している。上側搬送部41は、前述したように、上部筐体111内に配設されている。下側搬送部42及び第2下側搬送部43は、金庫筐体131内に配設されている。尚、金庫筐体131を形成する上壁には、三つの搬送路が、上下方向に貫通して形成されている。三つの搬送路はそれぞれ、後述する第6搬送路416と第9搬送路421とを接続し、第7搬送路417と第10搬送路422とを接続し、第8搬送路418と第11搬送路423とを接続する。
上側搬送部41は、第1搬送路411、第2搬送路412、第3搬送路413、第4搬送路414、第5搬送路415、第6搬送路416、第7搬送路417、及び、第8搬送路418を有している。
第1搬送路411は、無端のループ状に構成されている。搬送部4は、紙幣を、第1搬送路411に沿って、図1における時計回り方向及び反時計回り方向のそれぞれに搬送する。
第2搬送路412は、入金部21と第1搬送路411とを互いにつなぐ。第2搬送路412は、入金部21から第1搬送路411へ向かって、紙幣を搬送する。
第3搬送路413は、出金部22と第1搬送路411とを互いにつなぐ。第3搬送路413は、第1搬送路411から出金部22へ向かって、紙幣を搬送する。第3搬送路413と第1搬送路411との接続箇所には、詳細な図示は省略するが、紙幣の搬送先を変える分岐機構が設けられている。
第4搬送路414は、リジェクト部23と第3搬送路413の途中箇所とを互いにつなぐ。第4搬送路414は、第3搬送路413からリジェクト部23へ向かって、紙幣を搬送する。第4搬送路414と第3搬送路413との接続箇所には、分岐機構が設けられている。
第5搬送路415は、一時保留部24と第1搬送路411とを互いにつなぐ。第5搬送路415は、第1搬送路411から一時保留部24へ向かって、紙幣を搬送すると共に、一時保留部24から第1搬送路411へ向かって、紙幣を搬送する。第5搬送路415と第1搬送路411との接続箇所には、分岐機構が設けられている。
第6搬送路416は、下側搬送部42と第1搬送路411とを互いにつなぐ。第6搬送路416は、第1搬送路411から下側搬送部42へ向かって、紙幣を搬送すると共に、下側搬送部42から第1搬送路411へ向かって、紙幣を搬送する。第6搬送路416と第1搬送路411との接続箇所には、分岐機構が設けられている。
第7搬送路417も、第6搬送路416と同様に、下側搬送部42と第1搬送路411とを互いにつなぐ。第7搬送路417は、第1搬送路411から下側搬送部42へ向かって、紙幣を搬送すると共に、下側搬送部42から第1搬送路411へ向かって、紙幣を搬送する。第7搬送路417と第1搬送路411との接続箇所には、分岐機構が設けられている。
第8搬送路418は、下側搬送部42と第1搬送路411とを互いにつなぐ。第8搬送路418は、第1搬送路411から下側搬送部42へ向かって、紙幣を搬送すると共に、下側搬送部42から第1搬送路411へ向かって、紙幣を搬送する。第8搬送路417と第1搬送路411との接続箇所には、分岐機構が設けられている。
下側搬送部42は、第1~第5収納部31~35の上側に配設されている。下側搬送部42は、第9搬送路421、第10搬送路422及び第11搬送路423、を有している。下側搬送部42は、第9搬送路421、第10搬送路422及び第11搬送路423を含んでユニット化されている。
第9搬送路421は、第5収納部35の第1収納領域51と、第6搬送路416とを互いにつなぐ。第9搬送路421は、第6搬送路416から第5収納部35の第1収納領域51へ向かって、紙幣を搬送すると共に、第5収納部35の第1収納領域51から第6搬送路416へ向かって、紙幣を搬送する。
第10搬送路422は、第2下側搬送部43と、第7搬送路417とを互いにつなぐ。第10搬送路422は、第7搬送路417から第2下側搬送部43へ向かって、紙幣を搬送すると共に、第2下側搬送部43から第7搬送路417へ向かって、紙幣を搬送する。
第11搬送路423は、第1収納部31、第2収納部32、第3収納部33、及び、第4収納部34の第1収納領域51のそれぞれと、第8搬送路418とを互いにつなぐ。第11搬送路423は、第8搬送路418から各収納部31~34へ向かって、紙幣を搬送すると共に、各収納部31~34から第8搬送路418へ向かって、紙幣を搬送する。より詳細に、第11搬送路423の端は、第1収納部31に接続されている。第11搬送路423は、第1~第3の三つの分岐路424、425、426を含んでいる。第1分岐路424は、第2収納部32に接続されている。第2分岐路425は、第3収納部33に接続されている。第3分岐路426は、第4収納部34の第1収納領域51に接続されている。尚、各分岐路424、425、426の分岐箇所には、分岐機構が配設されている。
第2下側搬送部43は、第4収納部34と第5収納部35との間に配設されている。第2下側搬送部43は、第12搬送路431を有している。第12搬送路431は、第4収納部34の第2収納領域52及び第5収納部35の第2収納領域52のそれぞれと、下側搬送部42の第10搬送路422とを互いにつなぐ。第12搬送路431は、第4分岐路432及び第5分岐路433を含んでいる。第4分岐路432は、第5収納部35の第2収納領域52に接続されている。第5分岐路433は、第4収納部34の第2収納領域52に接続されている。尚、第4分岐路432及び第5分岐路433の分岐箇所には、分岐機構が配設されている。
第1~第12搬送路411~418、421~426、431~433における各所には、図示は省略するが、紙幣の通過を検知する通過センサが配設されている。搬送部4は、後述するコントローラー15からの指令を受けると、通過センサの検知信号に基づいて各分岐機構を制御することにより、紙幣を、所定の搬送先に搬送する。
紙幣処理装置1は、図7に示すように、コントローラー15を備えている。コントローラー15は、制御部の一例である。コントローラー15には、入金部21、出金部22、リジェクト部23、一時保留部24、識別部25、搬送部4、第1収納部31、第2収納部32、第3収納部33、第4収納部34、及び、第5収納部35が、それぞれ信号の授受可能に接続されている。
紙幣処理装置1は、ユーザが操作をする操作部26、各種のデータ等を記憶する記憶部27、及び、外部端末29との間で通信を行うための通信部28を有している。操作部26、記憶部27、及び通信部28も、コントローラー15に信号の授受可能に接続されている。操作部26は、例えばタッチパネル式の表示装置によって構成してもよい。操作部26は、入力部の一例である。外部端末29は、紙幣処理装置1とは別に設けられている。外部端末29は、紙幣処理装置1を利用して行う各種の処理の実行のために、ユーザが操作をする。
記憶部27は、第1収納部31、第2収納部32、第3収納部33、第4収納部34、及び、第5収納部35のそれぞれに収納している紙幣の情報を記憶する。記憶部27は、具体的には、各収納部に収納している紙幣の枚数、金種、及び、合計金額を記憶している。記憶部27はまた、各収納部に収納している紙幣一枚一枚の識別番号を記憶している。記憶部27は、紙幣の収納順に、識別番号を記憶している。紙幣の収納順と識別番号とを対応付けた情報を、以下において識別番号リストと呼ぶ場合がある。
コントローラー15は、ユーザが操作部26を操作したときや、ユーザが外部端末29を操作したときに、各種の処理が実行されるよう、入金部21、出金部22、リジェクト部23、一時保留部24、識別部25、搬送部4、第1収納部31、第2収納部32、第3収納部33、第4収納部34、及び、第5収納部35を制御する。以下、紙幣処理装置1が各種の処理を実行する際の動作を説明する。
(入金処理)
紙幣処理装置1は、入金処理時に、紙幣を収納部の中に収納する。ユーザは、入金対象の紙幣を、入金部21に投入する。入金部21は、紙幣を一枚一枚、装置内に取り込む。搬送部4は、紙幣を識別部25に搬送する。識別部25は、紙幣を識別する。識別部25はまた、紙幣から識別番号を読み取る。搬送部4は、識別部25の識別結果に従って、紙幣を、第1収納部31、第2収納部32、第3収納部33、第4収納部34、又は、第5収納部35へ搬送する。収納部31~35は、紙幣を収納する。尚、搬送部4は、識別部25がリジェクトと識別した紙幣を、リジェクト部23へ搬送する。
入金部21に投入された紙幣が全て、紙幣処理装置1内に取り込まれると、例えば外部端末29が、入金金額を表示する。ユーザが、外部端末29を操作することによって、又は、操作部26を操作することによって入金処理が確定すれば、入金処理は終了する。
コントローラー15は、収納部31~35に収納した紙幣に関するデータを、記憶部27に記憶させる。記憶部27は、識別部25が紙幣から読み取った識別番号を、収納部毎に、紙幣の収納順に、記憶する。記憶部27は、入金処理が行われる度に、各収納部の識別番号リストを更新記憶する。記憶部27が記憶している識別番号リストには、各収納部の最新の収納状態が反映される。
紙幣処理装置1は、各収納部に紙幣を補充する補充処理も実行する。補充処理時における紙幣処理装置1の動作は、入金処理時における動作に準ずる。
尚、入金処理時、及び、補充処理時に、紙幣処理装置1は、図2のフローチャートに従って、偽券を抽出するための照合処理を行ってもよい。抽出された偽券、又は、偽券の疑いのある紙幣は、例えばリジェクト部23に収納される。
(出金処理)
紙幣処理装置1は、出金処理時に、紙幣を紙幣処理装置1の外へ投出する。収納部31~35は、出金対象の紙幣を繰り出す。搬送部4は、紙幣を、識別部25に搬送する。識別部25は、紙幣の識別を行う。搬送部4は、識別後の紙幣を、出金部22へ搬送する。出金部22は、出金対象の紙幣を保持する。搬送部4は、識別部25がリジェクト紙幣であると識別をした紙幣を、リジェクト部23へ搬送する。リジェクト部23は、リジェクト紙幣を収納する。出金対象の紙幣が全て、出金部22に出金されれば、出金処理は終了する。
コントローラー15は、収納部31~35から繰り出した紙幣に関するデータを、記憶部27から消去する。記憶部27は、識別部25が紙幣から読み取った識別番号を、識別番号リストから消去する。記憶部27は、出金処理が行われる度に、各収納部の識別番号リストを更新記憶する。記憶部27が記憶している識別番号リストには、各収納部の最新の収納状態が反映される。
紙幣処理装置1は、各収納部から紙幣を回収する回収処理も実行する。回収処理時における紙幣処理装置1の動作は、出金処理時における動作に準ずる。
(精査処理)
精査処理は、収納部に収納している紙幣を確定させる処理である。紙幣処理装置1は、精査処理として、全精査処理と、部分精査処理との二種類の処理を行う。全精査処理は、収納部内に収納されている紙幣を全て繰り出すと共に、繰り出した紙幣の計数を行う。部分精査処理は、収納部内に収納されている紙幣の一部を繰り出し、照合処理を行う。部分精査処理は、全精査処理よりも短時間で、収納部に収納されている紙幣を確定できる。
[全精査処理]
紙幣処理装置1は、収納部が紙幣処理装置1から取り外されたことを検知したときに、全精査処理を実行する。収納部が取り外されると、紙幣の一部が収納部から抜き取られたり、収納部に収納されている紙幣の順番が入れ替えられたりする可能性がある。収納部が取り外されると、収納部に収納されている紙幣が不確定になる。紙幣処理装置1は全精査処理を行う必要がある。収納部が交換された場合にも、紙幣処理装置1は全精査処理を行う必要がある。また、例えば外部端末29が、全精査処理の実行を指示する信号を出力した場合も、紙幣処理装置1は、全精査処理を行う。紙幣処理装置1は、個々の収納部について個別に全精査処理を行う場合、及び、全ての収納部について、順次、全精査処理を行う場合がある。
全精査処理時に、精査対象の収納部は、紙幣を一枚ずつ繰り出す。搬送部4は、繰り出された紙幣を識別部25へ搬送する。識別部25は、紙幣の識別、計数、及び、識別番号の読み取りを行う。搬送部4は、正常紙幣でかつ、識別番号を読み取ることができた紙幣を、例えば一時保留部24、又は、紙幣を収納していない空の収納部へ搬送し、一時保留部24又は空の収納部は、紙幣を収納する。
精査対象の収納部が全ての紙幣を繰り出して、識別部25が全ての紙幣の計数を行った後に、一時保留部24又は収納部は、収納している紙幣を一枚ずつ繰り出す。搬送部4は、紙幣を識別部25へ搬送する。識別部25が、紙幣の識別、計数、及び、識別番号の読み取りを再度行った後に、搬送部4は、正常紙幣を、元の収納部、つまり、精査対象の収納部に収納する。一時保留部24又は収納部が収納している紙幣を全て繰り出し、精査対象の収納部が紙幣を収納すると、当該収納部に収納されている紙幣が確定できる。記憶部27は、収納部の情報を更新する。記憶部27は、当該収納部の識別番号リストも更新する。
[部分精査処理]
紙幣処理装置1は、収納部から繰り出した紙幣を搬送している最中や、収納部へ紙幣を搬送している最中に、搬送異常が発生した場合に、部分精査処理を行う。搬送異常によって、収納部内に収納している紙幣の枚数が不確定になる場合があるためである。ここでいう搬送異常としては、例えば出金処理時に、複数の紙幣が重なって繰り出されたことを識別部25が検出したこと(つまり、重送が発生したこと)、及び、入金処理時に、搬送中の紙幣が詰まったこと(つまり、ジャムが発生したこと)を例示できる。
出金処理時に重送が生じると、収納部が繰り出した紙幣の枚数が不確定になる。そのため、出金処理後に収納部に収納されている紙幣が不確定になる。紙幣処理装置1は、重送が発生した全収納部に対して部分精査処理を行う。
入金処理時にジャムが発生すると、ユーザが紙幣を手で取り除いてジャムを解消する。収納部の入口付近でジャムが発生すると、収納部に収納されたとセンサが検知した紙幣を、ユーザが取り除いてしまう場合がある。この場合、収納部に実際に収納されている紙幣の枚数と、記憶部27が記憶している紙幣の枚数との間に誤差が生じる。紙幣処理装置1は、誤差が生じた可能性のある全収納部に対して部分精査処理を行う。
部分精査処理は、前述した識別番号リストを利用する。つまり、精査対象の収納部から繰り出された紙幣の識別番号を、識別部25が読み取る。コントローラー15は、読み取られた紙幣の識別番号と識別番号リストとを照合することにより、当該識別番号をリスト上で特定することができる。識別番号リストには紙幣の収納順に識別番号が並べられているため、識別番号リストにおいて、収納部から繰り出された紙幣が特定できれば、コントローラー15は、収納部から未だ繰り出されずに、そこに収納されている紙幣を、識別番号リストにおいて確定できる。つまり、収納部に収納されている紙幣が特定される。部分精査処理は、収納部が、収納している紙幣の一部のみを繰り出すだけで、収納部に収納している紙幣が確定できる処理である。部分精査処理は、全精査処理と比較して精査処理の負担が軽減されると共に、処理に要する時間が大幅に短縮されるという利点がある。
[部分精査処理における識別番号の照合処理]
ところで、スタック式の収納部は、紙幣を収納する際に紙幣の順番が入れ替わってしまう場合がある。識別番号リストは、紙幣が識別部25を通過した順番に従って作成されるため、紙幣の収納順が入れ替わってしまうと、識別番号リストにおける紙幣の順番と、収納部に実際に収納されている紙幣の順番とは不一致になる。そのため、部分精査処理時に、収納部から紙幣を一枚だけ繰り出し、その紙幣の識別番号を識別番号リストと照合しても、当該紙幣の順番が識別番号リストの順番とずれていると、収納部に収納されている紙幣が、正確に確定できない。
そこで、紙幣処理装置1は、紙幣の順番の入れ替わりに対応することができるように、部分精査処理時に、複数枚の紙幣の識別番号と、識別番号リストとの照合を行う。次に、部分精査処理における識別番号の照合処理の手順について、図8を参照しながら説明する。
部分精査処理において、識別部25は、収納部から連続して繰り出された複数枚の紙幣の識別番号を読み取る。読み取りが必要な最小枚数は2枚である。読み取った枚数が多いほど、部分精査処理の正確性は高まるが、処理の負担や処理に要する時間が長くなってしまう。必要枚数は、紙幣を収納部に収納する際に、順番が入れ替わる可能性のある最大枚数に基づいて決定することが好ましい。以下の説明では、一例として、読み取りが必要な枚数は5枚とする。
全精査処理と同様に、精査対象の収納部は、紙幣を順次繰り出す。搬送部4は、収納部から繰り出された紙幣を識別部25へ搬送する。識別部25は、紙幣の識別及び計数、並びに、識別番号の読み取りを行う。搬送部4は、正常紙幣でかつ、識別番号の読み取りができた紙幣を、一時保留部24又は空の収納部に搬送する。紙幣は、そこに収納される。識別部25が、5枚の紙幣の識別番号を、連続して読み取りできれば、収納部は、紙幣の繰り出しを中止する。コントローラー15は、収納部から繰り出された最後の紙幣を含む5枚の紙幣の識別番号を、対象グループに設定する。対象グループは、識別番号リストとの比較対象となる識別番号からなるグループである。対象グループに含まれる識別番号の一つ一つは、前述した対象識別番号に相当する。
識別部25が識別番号を読み取れなかった場合、収納部は、代わりの紙幣を追加で繰り出す。精査対象の収納部は、5枚以上の紙幣を繰り出す場合がある。
ここで、コントローラー15は、識別番号における一部の桁の読み取りができないことを許容する。つまり、コントローラー15は、読み取りができない桁の数が所定数以下であれば、当該識別番号の読み取りができたと判断する。収納部は、紙幣の追加繰り出しを行わない。これは、前述したように、識別番号の照合処理において、コントローラー15は、一部の桁の不一致を許容するためである。読み取り不可に起因する紙幣の追加繰り出しの頻度が軽減される。
読み取り不可を許容する桁数と、照合時の不一致を許容する桁数とは同じ数に設定してもよい。また、読み取り不可を許容する桁数は、照合時の不一致を許容する桁数よりも少ない数に設定してもよい。一例として、識別番号の桁数が7である場合、半数以上の桁、つまり、4桁以上の桁の記号が読み取られた場合、コントローラー15は、当該紙幣の識別番号を読み取ることができたとみなす。4桁未満の桁の記号が読み取られた場合、コントローラー15は、当該紙幣の識別番号を読み取ることができなかったとみなす。この場合、収納部は、紙幣を追加で繰り出す。
また、紙幣がリジェクト紙幣であると識別された場合、収納部は、紙幣の繰り出しを最初からやり直す。つまり、収納部は、リジェクト紙幣が発生した場合、少なくとも5枚の紙幣を追加で繰り出す。
以上の手順によって対象グループが決定されれば、コントローラー15は、対象グループに含まれる各対象識別番号と識別番号リストとの照合を行い、識別番号リストにおいて、対象グループに対応するグループ(つまり、対応グループ)を決定する。対象グループは、収納部から繰り出した紙幣に対応するグループであるため、対応グループは、識別番号リストにおいて、収納部から繰り出された紙幣と、収納部に収納されている紙幣との境界を示す。識別番号リストにおいて対応グループが特定されれば、コントローラー15は、識別番号リストに基づいて、収納部に収納されている紙幣を確定できる。複数枚の紙幣を含むグループを特定することによって、紙幣の収納順が入れ替わっていても、コントローラー15は、識別番号リストに基づいて、収納部に収納されている紙幣を、正確に確定できる。
次に、図8を参照しながら、対象グループと識別番号リストとの照合の手順を説明する。ここで、図8示す識別番号リストにおいて、「12340」「12341」等は、識別番号を示していると共に、図の上側は収納順の上位を、図の下側は収納順の下位を示している。つまり、図の下側の識別番号は、収納部に先に収納された紙幣であり、上側の識別番号は、収納部に後に収納された紙幣である。収納部は、先に収納した紙幣を、後から繰り出すよう構成されている。このため、図の上側の識別番号の方が、収納部から先に繰り出される。
また、図8の識別番号リストにおける括弧内の数字は、当該収納部における収納順を示す番号である。括弧内の数字の内、最も大きい数字は、収納部に収納されている紙幣の総数に対応する。一方、「読み取った識別番号データ」は、識別部25が読み取った識別番号であり、図の上側は後から繰り出された紙幣であり、図の下側は先に繰り出された紙幣である。また、図8における「?」は、識別部25が読み取れなかった桁を示している。前述した手法に従って、コントローラー15は、対象グループを設定している。
先ずコントローラー15は、ステップS21において、対象グループに含まれる識別番号の内、識別番号リストにおける最上位の識別番号を探索する。具体的にコントローラー15が、識別番号リストにおける最上位の識別番号を基準識別番号に定め、対象グループに含まれる識別番号の一つ一つを対象識別番号として、対象識別番号と基準識別番号との照合処理を行う。この照合処理は、前述した照合処理とは異なり、全桁の一致を識別番号の一致の条件とする。
図9は、全桁の一致を条件とする識別番号の照合ルーチンを例示するフローチャートである。先ず、ステップS31において、コントローラー15は対象識別番号を特定する。対象識別番号は、対象グループに含まれるいずれかの識別番号である。続くステップS32において、コントローラー15は基準識別番号を読み込む。基準識別番号は、ここでは、識別番号リストにおける最上位の識別番号である。
ステップS33において、コントローラー15は、識別番号同士を照合する。ステップS34において、コントローラー15は、全桁の記号が一致するか否かを判断する。全桁の記号が一致する場合、コントローラー15は、ステップS35において照合結果は一致すると判断し、全桁の記号が一致しない場合、コントローラー15は、ステップS36において、照合結果は一致しないと判断する。コントローラー15は、基準識別番号に一致する識別番号が見つかるまで、対象識別番号を順次変更しながら図9の照合ルーチンを繰り返す。
識別番号リストにおける最上位の識別番号を基準識別番号に定めた場合に、当該基準識別番号と全桁が一致する識別番号が、対象グループ内において見つからない場合、コントローラー15は、識別番号リストにおける次の順位の識別番号を、新たな基準識別番号に定める。コントローラー15は、図9の照合ルーチンに従って、新たな基準識別番号に一致する識別番号を、対象グループの中から探索する。
このようにして、コントローラー15は、対象グループに含まれる識別番号と全桁が一致する識別番号の内、識別番号リストにおける最上位の識別番号を決定する。尚、識別番号は、対象グループに含まれている識別番号であればよく、対象グループにおける順番は問われない。
図8のステップS21において、識別番号リストの識別番号と全桁が一致する識別番号が対象グループ内に存在しなかった場合、精査対象の収納部は、紙幣を一枚追加で繰り出し、コントローラー15は、追加繰り出しの紙幣(但し、当該紙幣の識別番号は、全桁、読み取れているとする)を含む対象グループを再設定する。コントローラー15は、新たな対象グループについて、対象グループに含まれる識別番号の内、識別番号リストにおける最上位の識別番号を探索する。
対象グループに含まれる識別番号の内、識別番号リストにおける最上位の識別番号が定まれば、図8において、プロセスは、次のステップS22に移行する。図例では「12348」が、識別番号リストにおける最上位の識別番号である。
ステップS22においてコントローラー15は、ステップS21で決定した最上位の識別番号に対し、4枚分だけ下位の識別番号(ここでは、最下位の識別番号と呼ぶ)を基準識別番号に新たに設定する。図例では「12344」が最下位の識別番号である。コントローラー15は、この最下位の識別番号と全桁が一致する識別番号が、対象グループの中に存在するか否かを判断する。この際に、コントローラー15は、最下位の識別番号を基準識別番号とし、対象グループに含まれる各識別番号(但し、最上位に対応する識別番号を除く)を対象識別番号として、図9の照合ルーチンを実行する。尚、最下位の識別番号は、対象グループ内に含まれていればよく、対象グループにおける順番は問わない。
最下位の識別番号と全桁が一致する識別番号が対象グループ内に存在しない場合、精査対象の収納部は、紙幣を一枚追加で繰り出し、コントローラー15は、追加で繰り出した紙幣を含む対象グループを再設定する。図8においてプロセスは、ステップS21に戻る。最下位の識別番号と全桁が一致する識別番号が対象グループ内に存在している場合、プロセスは次のステップS23に移行する。
ステップS23において、コントローラー15は、識別番号リストにおける、最上位の識別番号と最下位の識別番号とで挟まれた3つの識別番号をそれぞれ基準識別番号とし、対象グループに含まれる残りの3つの識別番号のそれぞれを対象識別番号として、基準識別番号と対象識別番号との照合処理を行う。このとき、コントローラー15は、図2に示す照合ルーチンに従って、識別番号の照合を行う。コントローラー15は、識別番号の一部の桁のみが一致することを許容する。つまり、基準識別番号と対象識別番号との間で、所定桁数分の記号が一致しなくても、残りの桁の記号が一致すれば、コントローラー15は、二つの識別番号が一致したと判定する。尚、所定数は、適宜の桁に設定すればよい。
また、ステップS23の照合処理においては、特定桁が設定されている。この構成例において特定桁は、識別番号における最下位の桁と、最下位の桁から数えて2番目の桁との二桁である。
図8に例示する識別番号リストの識別番号は、「12340」「12341」「12342」「12343」・・・である。複数の紙幣において、識別番号は連番である。図8に例示する識別番号において、連番となる位置は、最下位の桁である。最上位の桁から4番目の桁までの数字は、全ての紙幣について「1234」で共通である。例えば、帯封された新券(官封券)は、識別番号が連番の場合がある。帯が解かれかつ、ばらばらの新券が収納部に収納されると、収納部に収納されている複数の紙幣は、識別番号が連番になる。
前述したように、照合処理において、所定桁数分の識別番号の読み取りができない、又は、所定桁数分の記号の不一致を許容する場合に、連番となる位置の桁の読み取りができないことを許容したり、連番となる位置の桁の記号の不一致を許容したりすると、コントローラー15は、複数の紙幣の識別番号が全て、同じ識別番号であると判断することができる。その結果、照合精度は低下する。
そこで、紙幣処理装置1は、特定桁を、連番となる位置の桁を含んで設定している。こうすることで、コントローラー15は、連番となる位置の桁の読み取りができない場合、及び、連番となる位置の桁の記号が不一致の場合、二つの識別番号が不一致であると判断できる。コントローラー15は、識別番号が連番となった複数枚の紙幣についても、識別番号を精度良く照合できる。
具体的に図8の例において、「12345」は、基準識別番号と対象識別番号との間において全桁が一致している。対象識別番号「1?346」は、基準識別番号「12346」に対して一桁分の記号が不一致であるが、特定桁である「46」は一致している。コントローラー15は、対象識別番号「1?346」は、基準識別番号「12346」に一致していると判断する。同様に、対象識別番号「12?47」は、基準識別番号「12347」に対して一桁分の記号が不一致であるが、特定桁である「47」は一致している。コントローラー15は、対象識別番号「12?47」は、基準識別番号「12347」に一致していると判断する。ここで、コントローラー15は、ステップS23における識別番号の照合時に、対象グループにおける識別番号の順番は問わない。3つの識別番号に一致する識別番号が全て対象グループに存在している場合、プロセスは、次のステップS24に移行する。
尚、図8には図示しないが、基準識別番号と対象識別番号との間において、特定桁の記号が一致しない場合、コントローラー15は、基準識別番号と対象識別番号とが一致しないと判断する。また、記号が一致しない桁が所定数を超える場合、コントローラー15は、基準識別番号と対象識別番号とが一致しないと判断する。
ステップS23において、識別番号リストにおける3つの識別番号に一致する識別番号が対象グループに存在しない場合、精査対象の収納部は、紙幣を一枚追加で繰り出し、コントローラー15は、対象グループを再設定する。図8においてプロセスは、ステップS21に戻る。
ステップS24においてコントローラー15は、識別番号リスト上において対応グループを特定する。対応グループは、対象グループに含まれる識別番号と一致する識別番号が、その順番を問わないものの連続して、全て含まれるグループである。対応グループは、収納部から繰り出した紙幣と、その繰り出し後に収納部に収納されている紙幣との境界に相当する。対応グループ内の最下位の識別番号、及び、その最下位の識別番号よりも上位の識別番号の紙幣は、収納部から繰り出されている紙幣の識別番号である。
続くステップS25において、コントローラー15は、識別番号リストにおいて、対応グループ、及び、対応グループよりも上位の識別番号の情報を消去する。図例においてコントローラー15は、「12344」よりも上位の識別番号を消去している。コントローラー15が識別番号リストを更新することによって、収納部に収納されている紙幣が確定する。
その後、一時保留部24又は収納部は、収容している紙幣を一枚ずつ繰り出し、搬送部4は、紙幣を識別部25へ搬送する。識別部25は、紙幣の識別及び計数と、識別番号の読み取りを行う。搬送部4は、正常紙幣でかつ、識別番号が読み取られた紙幣を、元の収納部に収納する。記憶部27は、収納部の情報及び識別番号リストを更新し、部分精査処理が終了する。
このように、部分精査処理では、収納部に収納されている紙幣の内、一部の紙幣のみを繰り出すだけで、コントローラー15は、その収納部に収納されている紙幣を特定できる。全精査処理と比較して、処理の負担が軽減すると共に、処理に要する時間も短縮する。
また、部分精査処理では、コントローラー15は、複数の識別番号を、その順番を問わずに照合する。コントローラー15は、紙幣の収納順が入れ替わる影響を受けずに、収納部に収納されている紙幣を正確に特定できる。さらに、識別番号の照合処理において、コントローラー15は、識別番号の一部の桁の不一致を許容するため、処理の負担軽減に有利になる一方、対応グループ内の最上位の識別番号と最下位の識別番号とについては、全桁の一致を、識別番号の一致の条件とするため、コントローラー15は、対応グループを正確に特定することが可能になる。精査処理の精度が向上する。
また、識別番号の一部の桁の不一致を許容する際に、連番位置が特定桁に設定されている。収納部に収納されている複数の紙幣の識別番号が連番である場合も、コントローラー15は、部分精査処理によって、収納部に収納されている紙幣を正確に特定できる。
尚、前記の説明において、コントローラー15は、最上位と最下位の識別番号の照合処理を、図9の照合ルーチンに従って行っているが、コントローラー15は、図2の照合ルーチンに従って、最上位と最下位の識別番号の照合処理を行ってもよい。つまり、コントローラー15は、一部の桁の不一致を許容すると共に、特定桁の一致を条件とした、識別番号の照合処理を行ってもよい。
また、前記の説明において、コントローラー15は、最上位の識別番号と最下位の識別番号とで挟まれた3つの識別番号の照合処理を、図2に示す照合ルーチンに従って行っているが、コントローラー15は、特定桁を設定しない照合処理を行ってもよい。図10は、特定桁を設定しない照合ルーチンを例示している。先ず、ステップS41において、コントローラー15は、対象識別番号を特定する。この場合の対象識別番号は、最上位の識別番号及び最下位の識別番号に対応する識別番号以外の3つの識別番号のいずれかである。コントローラー15は、3つの識別番号を順に対象識別番号とする。
続くステップS42において、コントローラー15は、基準識別番号を読み込む。基準識別番号は、識別番号リストの最上位の識別番号と最下位の識別番号とで挟まれた3つの識別番号のいずれかである。ステップS43において、コントローラー15は、識別番号同士を比較する。ステップS44において、コントローラー15は、全桁の記号が一致するか否かを判断する。識別番号の全桁の記号が一致する場合、コントローラー15は、ステップS45において照合結果は一致すると判断し、全桁の記号が一致しない場合、コントローラー15は、ステップS46において、不一致の桁数が、所定数を超えるか否かを判断する。所定数を超えない場合、コントローラー15はステップS45において照合結果は一致すると判断する。一方、ステップS46において所定数を超える場合、コントローラー15は、ステップS47において照合結果は一致しないと判断する。
(特定桁の位置の設定方法)
前述したように、特定桁は連番の桁を含んで設定することが好ましい場合がある。ところが、連番の桁の位置は、全ての通貨、及び/又は、金種において同じではない。識別番号を構成する数字、文字及び符号は、特定のルールに従って並んでいる。特定のルールは、紙幣の属性毎に定まる。例えば通貨毎に、特定のルールが定まっていたり、同じ通貨であっても、例えば金種毎に、特定のルールが定まっていたりする。従って、識別番号において連番となる桁の位置は、通貨毎に異なったり、金種毎に異なったりする。
紙幣処理システムが処理を行う通貨の情報と、各通貨に対応する特定桁とを対応づけて記憶部が記憶し、制御部は、識別部が識別をした紙幣の通貨情報と、記憶部が記憶している情報とから、照合処理時における特定桁の数及び位置を設定してもよい。同様に、紙幣処理システムが処理を行う金種の情報と、各金種に対応する特定桁とを対応づけて記憶部が記憶し、制御部は、識別部が識別をした紙幣の金種情報と、記憶部が記憶している情報とから、照合処理時における特定桁の数及び位置を設定してもよい。
また、記憶部が特定桁の情報を記憶するのではなく、識別部によって読み取られた識別番号の特性に応じて、制御部が、特定桁の位置を設定するようにしてもよい。
次に、図11及び図12を参照しながら、紙幣から読み取られた識別番号の特性に応じて、特定桁の位置を設定する方法について、具体的に説明をする。
照合対象の識別番号は、図12に例示するように、文字と数字との組み合わせによって構成されている。識別番号は、桁数が10桁である。最上位の桁と最下位の桁とはそれぞれ文字であり、最上位から数えて2番目から9番目の桁はそれぞれ数字である。
ここで説明する構成例において、設定される特定桁は、最上位から数えて8番目の桁と9番目の桁との二桁とする。列なった複数の数字の桁における下二桁の数字は、識別番号が連続する複数枚の紙幣において連番となる。ここで説明する特定桁の設定方法において制御部は、数字と文字とによって構成される識別番号において、連番を構成する数字の桁を探索し、当該数字の桁を含む特定桁を設定する。
具体的に、紙幣処理システムの制御部は、識別部によって読み取られた識別番号における最下位の桁から上位の桁に向かって、数字を探索する。そして、制御部は、最初に見つかった数字の桁が連番を構成すると判断する。制御部は、最初に見つかった数字の桁を含む、予め定めた桁数分の桁を、特定桁に設定する。
図11は、制御部が実行する、特定桁の設定に関する手順を例示するフローチャートである。先ず、ステップS51において、制御部は、対象識別番号を特定する。制御部は、例えば識別部から識別番号の情報を受ける。続くステップS52において、制御部は、カウンタNを1に設定する。カウンタNは、数字の桁を探索する際の桁の位置に対応する。
ステップS53において、制御部は、対象識別番号における下N桁目の読み取りができないか否かを判断する。N=1の場合、制御部は、識別番号における最下位の桁の読み取りができないか否かを判断する。読み取りができない場合、プロセスはステップS54に進み、読み取りができる場合、プロセスはステップS56に進む。
ステップS54において、制御部は、連番位置が不明であるとして、続くステップS55において、特定桁の設定をしないとする。この識別番号に対する特定桁の設定プロセスは終了する。つまり、制御部は、識別番号における最下位の桁から上位に向かって順に、数字の桁を探索するが、数字の桁が現れる前に、読み取りができない桁が存在する場合、制御部は、当該識別番号の特定桁を設定しない。
一方、ステップS56において制御部は、下N桁目の記号が数字であるか否かを判断する。数字である場合、プロセスはステップS58に進み、数字でない場合、プロセスはステップS57に進む。
ステップS57において制御部は、カウンタNに1を加え、プロセスはステップS53に戻る。ステップS57においてN=2となれば、制御部は、ステップS53において、識別番号における最下位の桁から2番目の桁の読み取りができないか否かを判断する。
ステップS58において制御部は、識別番号における下N桁目、つまり、例えばN=1であれば最下位の桁、N=2であれば最下位から2番目の桁を、当該識別番号における連番位置に設定し、続くステップS59において、制御部は、連番位置を含みかつ、連番位置よりも上位の所定数の桁を、特定桁に設定する。
図11のフローチャートに従って制御部は、様々な特性の識別番号に対して、連番となる桁を含む特定桁を設定できる。
次に、図12を参照しながら識別番号の照合処理について説明する。この照合処理は、図11のフローチャートに基づく特定桁の設定を伴う。図12の具体例は、前述した部分精査処理時における照合処理に相当する。つまり、紙幣を収納部に収納する処理時、例えば入金処理時に識別部が紙幣の識別番号を読み取り、記憶部が識別番号を記憶する。また、紙幣を収納部から繰り出す処理時、例えば部分精査処理時に識別部が紙幣の識別番号を読み取り、制御部が、収納時に記憶している紙幣の識別番号との照合を行う。
尚、紙幣を収納部から繰り出す処理は、例えば出金処理であってもよい。また、紙幣を収納部から繰り出す処理は、例えば回収処理であってもよい。また、紙幣を収納部に収納する処理は、例えば補充処理であってもよい。
図12の第1例は、収納時に、識別番号の最下位の桁が読み取れなかった例である。収納時に、制御部は、特定桁の設定をしていない。後述するように、図12においては、制御部が設定した特定桁に下線を付す。
第1例において、繰出時に、識別部は全桁の読み取りが可能であった。読み取られた識別番号は「A12345678A」であり、識別番号における最下位の桁が文字でありかつ、最下位から2番目の桁が数字である。制御部は、図12において下線を付すように、最下位から数えて2番目の桁及び3番目の桁を特定桁に設定する。
制御部はまた、収納時に読み取られた識別番号と繰出時に読み取られた識別番号とを照合する。この場合、記号が不一致の桁は最下位の桁のみであり、特定桁の記号は一致している。記号が不一致の桁数が所定数以下でかつ、特定桁の記号が一致しているため、制御部は、二つの識別番号が一致していると判断する。制御部は、収納時及び繰出時の少なくとも一方において特定桁を設定すれば、当該特定桁に従って照合処理を行う。
第2例は、特定桁の記号が不一致となる例である。収納時に読み取られた識別番号は、「A12345678A」である。制御部は、図12において下線を付した、最下位から数えて2番目の桁及び3番目の桁を特定桁に設定する。繰出時に読み取られた識別番号は、「A12345668A」である。制御部は、図12において下線を付した、最下位から数えて2番目の桁及び3番目の桁を特定桁に設定する。
制御部はまた、収納時に読み取られた識別番号と繰出時に読み取られた識別番号とを照合する。この場合、特定桁の位置は、収納時に読み取られた識別番号と繰出時に取られた識別番号との間で一致する。二つの識別番号において記号が不一致の桁は最下位から3番目の桁の一桁のみであるが、当該桁は特定桁である。そのため、制御部は、二つの識別番号が一致していないと判断する。
第3例も、特定桁の記号が不一致となる例である。収納時に読み取られた識別番号は、「A12345678?」である。つまり、収納時は、制御部は、最下位の桁を読み取ることができなかった。それに伴い特定桁は設定されない。繰出時に読み取られた識別番号は、「A123456789」である。制御部は、図12において下線を付した、最下位の桁と最下位から数えて2番目の桁とを特定桁に設定する。
制御部はまた、収納時に読み取られた識別番号と繰出時に読み取られた識別番号とを照合する。この場合、制御部は、読み取れなかった桁を、記号が一致しない桁として取り扱う。記号が不一致の桁は最下位の桁のみであるが、当該桁は特定桁である。そのため、制御部は、二つの識別番号が一致していないと判断する。
第4例は、収納時に設定した特定桁の位置と、繰り出し時に設定した特定桁の位置とが相違する例である。収納時に読み取られた識別番号は、「A12345678A」であり、特定桁は、最下位の桁から数えて2番目の桁と3番目の桁との二桁である。繰出時に読み取られた識別番号は、「A1234567AA」であり、制御部は、最下位の桁から数えて3番目の桁と4番目の桁との二桁を特定桁に設定する。
制御部はまた、収納時に読み取られた識別番号と繰出時に読み取られた識別番号とを照合する。この場合、収納時に設定した特定桁の位置と、繰り出し時に設定した特定桁の位置とは相違する。制御部は、二つの識別番号が不一致と判断する。
第5例は、収納時及び繰り出し時のそれぞれにおいて、特定桁が設定できない例である。収納時に読み取られた識別番号は、「A1234567?A」であり、制御部は、特定桁を設定しない。繰り出し時に読み取られた識別番号は、「A1234567?A」であり、制御部は、特定桁を設定しない。
制御部はまた、収納時に読み取られた識別番号と繰出時に読み取られた識別番号とを照合する。この場合、記号が不一致の桁は一桁のみであるが、収納時及び繰出時のそれぞれにおいて、識別番号の特定桁が設定できないため、制御部は、二つの識別番号が不一致と判断する。
制御部が、特定桁を、読み取った識別番号の特性に応じて設定するため、通貨、及び、金種に関わらず、制御部は、識別番号の連番位置を特定桁に設定できる。また、照合する二つの識別番号について、特定桁の設定ができない場合、及び、特定桁が相違する場合には、識別番号が不一致と判断することにより、制御部は、識別番号の照合を適切に行うことができる。
尚、ここに開示する技術は、前述した各構成の紙幣処理システムに適用することに限らず、様々な構成の紙幣処理システムに適用することが可能である。例えば、ここに開示する技術は、収納部を有さず、入金部から紙幣を取り込み、取り込んだ複数の紙幣の枚数や金種を識別し、識別した紙幣を出金部に払い出す紙幣計数機に適用することが可能である。また、ここに開示する技術は、収納部を有さず、入金部から紙幣を取り込み、取り込んだ複数の紙幣の金種や正損(fitness)を識別し、識別した紙幣を複数の出金部に分類して払い出す紙幣整理機に適用することが可能である。
1 紙幣処理装置(紙幣処理システム)
15 コントローラー(制御部)
25 識別部
27 記憶部
4 搬送部
200 紙幣処理システム
201 搬送部
202 識別部
203 記憶部
204 制御部
300 紙幣処理システム
31~35 収納部
301 搬送部
302 識別部
303 記憶部
304 制御部
3062 収納部

Claims (19)

  1. 固有のコードを有する紙幣を搬送する搬送部と、
    前記搬送部によって搬送される紙幣のコードを読み取る識別部と、
    第1のコードを記憶する記憶部と、
    照合対象の紙幣について、前記識別部によって読み取られた第2のコードと、前記記憶部に記憶されている前記第1のコードとの照合処理を実行する制御部と、を備え、
    前記コードは、複数の記号の列なりから構成されかつ、特定の位置の少なくとも一桁が特定桁に設定され、
    前記制御部は、
    前記第1のコードと前記第2のコードとの間において、前記特定桁の記号が全て一致しかつ、前記特定桁以外の、記号が一致しない桁が所定数以下の場合、前記第1のコードと前記第2のコードとが一致すると判断し、
    前記第1のコードと前記第2のコードとの間において、前記特定桁の記号が一致しない場合、又は、前記特定桁以外の、記号が一致しない桁が所定数を超える場合、前記第1のコードと前記第2のコードとが一致しないと判断する
    紙幣処理システム。
  2. 前記制御部は、前記特定桁に関する入力信号を受けかつ、当該入力信号に基づいて前記特定桁を設定する
    請求項1に記載の紙幣処理システム。
  3. 前記記憶部は、紙幣の属性と特定桁との対応情報を記憶し、
    前記制御部は、照合対象の紙幣の属性に基づいて、前記特定桁を設定する
    請求項1又は2に記載の紙幣処理システム。
  4. 前記制御部は、紙幣の属性に関する入力信号を受けかつ、当該入力信号に基づいて、前記特定桁を設定する
    請求項1~3のいずれか1項に記載の紙幣処理システム。
  5. 前記識別部は、照合対象の紙幣の属性をさらに識別し、
    前記制御部は、前記識別部によって識別された属性に基づいて、前記特定桁を設定する
    請求項1~4のいずれか1項に記載の紙幣処理システム。
  6. 紙幣を収納する、少なくとも一の収納部をさらに備え、前記制御部は、前記収納部から繰り出された紙幣の前記照合処理を行い、
    前記収納部は、同じ属性の紙幣を収納し、
    前記制御部は、紙幣を繰り出した収納部に基づいて、前記特定桁を設定する
    請求項1~5のいずれか1項に記載の紙幣処理システム。
  7. 前記特定桁は、コードの特性に基づいて設定される
    請求項1~6のいずれか1項に記載の紙幣処理システム。
  8. 前記制御部は、前記識別部によって読み取られた第2のコードの特性に基づいて、前記特定桁を設定する
    請求項1~7のいずれか1項に記載の紙幣処理システム。
  9. 前記コードは、数字、文字、及び、符号の内の少なくとも二種類の記号を含んで構成され、
    前記特定桁は、いずれかの種類の記号の少なくとも一桁を含む
    請求項1~8のいずれか1項に記載の紙幣処理システム。
  10. 前記特定桁は、数字の桁によって構成される
    請求項9に記載の紙幣処理システム。
  11. 前記コードは、数字からなる列なった複数の桁を含み、
    特定桁は、複数の数字の列なりにおける最下位の桁を含む
    請求項9又は10に記載の紙幣処理システム。
  12. 前記制御部は、紙幣に関する複数種類の処理を、それぞれ、前記照合処理を伴って実行し、
    前記特定桁は、実行する処理の種類に応じて設定される
    請求項1~11のいずれか1項に記載の紙幣処理システム。
  13. 前記記憶部は、偽券に係る前記第1のコードと前記第1のコードに対応する特定桁とを記憶しており、
    前記制御部は、前記第1のコードを用いた前記照合処理を実行することにより、偽券を抽出する処理を行う
    請求項1~12のいずれか1項に記載の紙幣処理システム。
  14. 紙幣を収納する、少なくとも一の収納部をさらに備え、
    前記記憶部は、前記収納部に収納されている全ての紙幣のコードを、前記第1のコードとして記憶しており、
    前記識別部は、前記収納部から繰り出された紙幣のコードを、前記第2のコードとして読み取り、
    前記制御部は、前記照合処理を実行することにより、前記収納部に収納している紙幣の数を確定させる精査処理を行う
    請求項1~13のいずれか1項に記載の紙幣処理システム。
  15. 前記コードは、数字からなる列なった複数の桁と、文字の桁とを含んで構成され、
    特定桁は、複数の数字の列なりにおける最下位の桁を含む、所定数の桁によって構成され、
    前記制御部は、前記識別部によって読み取られた紙幣のコードにおける最下位の桁から上位の桁に向かって順に、数字の桁を探索すると共に、最初に見つかった数字の桁から所定数の桁を、特定桁に設定する
    請求項1~14のいずれか1項に記載の紙幣処理システム。
  16. 前記制御部は、前記探索の際に、数字の桁が見つかる前に、読み取りできなかった桁が存在した場合、前記特定桁を設定しない
    請求項15に記載の紙幣処理システム。
  17. 紙幣を収納する収納部をさらに備え、
    前記識別部は、前記収納部が紙幣を収納する前に当該紙幣のコードを読み取り、前記制御部は、読み取られた前記コードに基づいて前記特定桁を設定し、前記記憶部は、読み取られた前記コードを、前記第1のコードとして記憶し、
    前記識別部は、前記収納部から繰り出された紙幣のコードを、第2のコードとして読み取り、前記制御部は、読み取られた前記第2のコードに基づいて前記特定桁を設定し、
    前記制御部は、収納時及び繰出時の少なくとも一方において前記特定桁を設定した場合は、当該特定桁に従って前記照合処理を行う
    請求項15又は16に記載の紙幣処理システム。
  18. 前記制御部は、収納時と繰出時の両方において特定桁が設定できない場合、又は、収納時と繰出時とにおいて設定した特定桁の位置が異なる場合、第1のコードと第2のコードとは一致しないと判断する
    請求項17に記載の紙幣処理システム。
  19. 記憶部が、紙幣が有する固有のコードとしての第1のコードを記憶し、
    搬送部が、紙幣を搬送し、
    識別部が、前記搬送部によって搬送される紙幣のコードを、第2のコードとして読み取り、
    制御部が、照合対象の紙幣について、前記識別部によって読み取られた第2のコードと、前記記憶部に記憶されている前記第1のコードとの照合処理を実行し、
    前記コードは、複数の記号の列なりから構成されかつ、特定の位置の少なくとも一桁が特定桁に設定され、
    前記制御部が、
    前記第1のコードと前記第2のコードとの間において、前記特定桁の記号が全て一致しかつ、前記特定桁以外の、記号が一致しない桁が所定数以下の場合、前記第1のコードと前記第2のコードとが一致すると判断し、
    前記第1のコードと前記第2のコードとの間において、前記特定桁の記号が一致しない場合、又は、前記特定桁以外の、記号が一致しない桁が所定数を超える場合、前記第1のコードと前記第2のコードとが一致しないと判断する
    紙幣処理方法。
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