JP2022020126A - 植物育成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部に養液が溜められた容器を用いて植物を育成させる構成において、より簡単な構成にて植物を良好に生育させることが可能な植物育成装置の提供。【解決手段】植物育成装置は、内部に溜められた養液に植物が接した状態で植物が入れられた容器10と、植物に向けて光を照射する照明装置26と、容器10内の養液を流動させる流動装置30と、を有し、流動装置30は、照明装置26からの光を電気エネルギーに変換する光電変換部34と、容器10内の養液を流動させるために、光電変換部34からの電気エネルギーによって作動する作動部36と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、植物育成装置に関する。
容器内に養液を溜め、容器内の養液に植物の一部が接した状態で植物を容器にて育成させる技術は、既に知られており、例えば、特許文献1に記載の栽培装置が挙げられる。特許文献1に記載の栽培装置は、プラスチック製の飲料ボトルを容器とし、その容器に根が入れられた直根性の植物を水耕栽培するものである。特許文献1に記載の栽培装置では、栽培される植物の根と共に保水体がボトル内に入れられており、これにより、ボトル内に蓄積された水又は養液が保水体によって吸い上げられ、吸い上げられた水又は養液が根に吸収されることで植物が成長する。
国際公開第2014/002248号
容器を用いて植物を育成させる場合には良好な成育が望まれ、例えば、野菜等の植物を容器にて栽培する場合において、植物の収量増加等を可能とする植物育成装置が求められている。また、植物育成装置は、より簡単な構成にて植物を良好に生育させるものであることが好ましい。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、以下に示す目的を解決することを課題とする。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、内部に養液が溜められた容器を用いて植物を育成させる装置として、より簡単な構成にて植物を良好に生育させることが可能な植物育成装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の植物育成装置は、内部に溜められた養液に植物が接した状態で植物が入れられた容器と、植物に向けて光を照射する照明装置と、容器内の養液を流動させる流動装置と、を有し、流動装置は、照明装置からの光を電気エネルギーに変換する光電変換部と、容器内の養液を流動させるために、光電変換部からの電気エネルギーによって作動する作動部と、を備えることを特徴とする。
本発明の植物育成装置によれば、容器内の養液を流動させて攪拌することで、植物が養液中の養分を適切に吸収することができ、植物を良好に育成することができる。また、本発明の植物育成装置では、容器内の養液を流動させるための電気エネルギーを、照明装置からの光を光電変換することで確保する。これにより、電気配線等、商用電源を利用する場合の給電用設備が少なくなり、より簡単な装置構成とすることができる。
また、本発明の一実施形態において、作動部は、光電変換部からの電気エネルギーによって作動して容器を回転又は揺動させてもよい。容器を回転又は揺動させることで、容器内の養液を効率よく流動させることができる。
また、上記の構成において、作動部は、容器を上面に載置させる台を有し、容器が載置された台を、上面の法線方向に沿う回転軸周りに回転させ、又は、上面に沿う方向に揺動させ、又は、前記上面に沿う中心軸を中心として揺動させると、より好適である。上記の構成であれば、容器を上面に載せた台を回転又は揺動させることで、容器を容易に回転又は揺動させることができる。
また、上記の構成において、台に複数の容器が載置されると、さらに好適である。上記の構成であれば、複数の容器を同時に効率よく回転又は揺動させることができる。
また、本発明の一実施形態において、流動装置は、容器内に収容される回転体をさらに有し、作動部は、光電変換部からの電気エネルギーによって作動して回転体を回転させてもよい。容器内の回転体を回転させることで、容器内の養液を効率よく流動させることができる。
また、本発明の一実施形態において、植物のうち、容器の外に出ている部分に向けて送風するファンを有し、ファンは、照明装置からの光を電気エネルギーに変換するファン用光電変換部を有してもよい。かかる構成であれば、ファンにより、植物のうち、容器の外に出ている部分に向けて送風して当該部分周辺の空気を攪拌(換気)することができる。これにより、植物をより良好に育成させることができる。また、ファンを作動させるための電気エネルギーを、照明装置からの光を光電変換することで確保するため、電気配線等の給電用設備が少なくなり、より簡単な装置構成とすることができる。
また、上記の構成において、流動装置が有する光電変換部が、ファン用光電変換部として兼用されると、より好適である。かかる場合には、流動装置の光電変換部がファン用光電変換部として兼用されることで、その分、部品点数が減り、より一層簡単な装置構成とすることができる。
また、本発明の一実施形態にて、一又は複数の容器と、流動装置とを含む育成ユニットを複数有し、それぞれの育成ユニットにおいて、流動装置は、対応する容器内の養液を流動させてもよい。かかる構成では、流動装置が複数用いられるので、容器内の養液を流動させるための電気エネルギーを、流動装置ごとに確保することになる。この場合、電気配線等の給電用設備を減らして簡単な装置構成にするという本発明の効果が、より際立って発揮される。
また、本発明の一実施形態において、容器には、容器内の養液に植物の根が浸った状態で植物が入れられてもよい。かかる構成では、容器内の養液に植物の根が浸かった状態で植物を容器にて育成させる様式において、より簡単な構成にて植物を良好に育成させることができる。
また、本発明の一実施形態において、作動部は、間欠的に作動するとよい。これにより、作動部の作動時間を短縮し、光電変換された電力を無駄に消費するのを抑えることができる。また、作動部内に設けられた摺動部分の摩耗を低減することができる。
本発明によれば、より簡単な構成にて植物を容器にて良好に育成させることが可能な植物育成装置が提供される。
容器の一例を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る植物育成装置の模式図である。 育成ユニットの構成についての説明図である。 容器を回転させる様子を示す平面図である。 容器を揺動させる様子を示す平面図である。 容器を旋回させる様子を示す平面図である。 容器を揺動させる様子を示す側面図である。 本発明の第2実施形態に係る植物育成装置の側面図である。 本発明の第3実施形態に係る植物育成装置の断面図である。
本発明の植物育成装置について、具体的な実施形態(第1実施形態~第3実施形態)を挙げて詳細に説明する。なお、以下の説明中、「上」及び「下」とは、通常の使用状態における「上」及び「下」を意味し、例えば、後述する容器の上端は、その容器を用いて植物を栽培している状態において容器の上端に位置する部分のことである。
<<第1実施形態について>>
以下、第1実施形態について説明する。
第1実施形態に係る植物育成装置(以下、植物育成装置20)は、図1に示す容器10を複数有する。それぞれの容器10には、育成対象の植物の苗Pが入れられ、苗Pは、容器にて育成される。具体的に説明すると、容器10の内部に、苗Pの育成に必要な養分を含有する養液Lが溜められている。苗Pは、容器10内の養液Lに苗Pの根が接した(厳密には、浸った)状態で容器10に入れられる。すなわち、植物育成装置20は、水耕栽培方式で苗Pを育成させ、苗Pは、容器10に定植されてから収穫されるまでの間、容器10にて育成される。
ここで、苗Pは、根、茎及び葉が分化した植物の個体を意味する。苗Pの状態は、例えば、後述する培地14の下面から根が1mm以上突出した状態であるのがよく、好ましくは5mm以上突出した状態であるのがよく、より好ましくは、10mm以上突出した状態であるのがよい。
また、苗Pは、可食な植物の苗、詳しくは野菜の苗であり、好ましくは葉菜類の植物の苗である。本発明が適用可能な葉菜類の植物は、特に限定されないが、一例として、エンダイブ(キクヂシャ)、カラシナ、ホウレンソウ、コマツナ、タカナ、チンゲンサイ、ナバナ(カキナ)、非結球性レタス(ロメインレタス及びサニーレタス等)、オランダガラシ(クレソン)、シマツナソ(モロヘイヤ)、シュンギク、クキタチナ、シノブナ、サントウナ、アブラナ、チヂレナ、コウサイタイ、タアサイ、ウルイ、畑ワサビ、花ワサビ、クレソン、ルッコラ、ナズナ、プチベール、アイスプラント、葉ダイコン、キャベツ、メキャベツ、ケール、コリアンダー(パクチー)、サイシン、セリ、ノザワナ、セロリ、ハクサイ、結球レタス、シソ、ネギ、ワケギ、ニラ、ニンニク、シソ、タマネギ、パセリ、ブロッコリー、セロリ、ミズナ、ツルムラサキ、ミツバ、アサツキ、エシャロット、チャイブ、ラッキョウ、並びにリーキ等が挙げられる。
養液Lは、水等の溶媒に各種の養分を添加して溶解させ、育成対象の植物の種類に応じて各成分の濃度等が調整されたものである。養液L中の成分としては、窒素(具体的には、アンモニア性窒素、又は硝酸性窒素)、リン酸(P)、加里(KO)、石灰(CaO)、苦土(MgO)、マンガン(MnO)、ホウ素(B)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)及びモリブデン(Mo)等が挙げられる。
第1実施形態では、図1に示すように、容器10内の養液Lに苗Pの根が浸り、且つ苗Pの葉茎部分が容器10の外側に出た状態で苗Pを容器10にて育成させる。以下では、上記の状態で苗Pを容器10にて育成させる期間を、「苗Pの育成期間」と呼ぶこととする。
そして、第1実施形態では、苗Pの育成期間中、苗Pが入った容器を回転又は揺動させる。これにより、容器10内の養液Lに流れが生じて養液Lを攪拌させることができるため、苗Pを良好に育成させることができる。かかる効果については、後に詳述する。
[容器について]
容器10は、図1に示すように略箱型の容器であり、底壁10a、側壁10b及び天井壁10cを有する。容器10の内部は、これらの壁によって囲まれて閉空間となっている。この閉空間内に養液Lが所定量溜められており、厳密には容器10内で滞留している。ここで、養液Lが容器10内で滞留しているとは、容器10内で養液Lを循環させずに留めておくことを意味する。なお、容器10内の養液Lが苗Pに吸収される分、及び、容器10から自然に蒸発する分については許容することとする。
以上のように、容器10内において養液Lが溜められる空間が閉空間となっていることで、養液Lへの光の照射に起因する藻の発生を良好に抑えることができる。
容器10の上部には、図1に示すように矩形状の開口12が設けられている。開口12は、天井壁10cに穿接された貫通孔の上端に位置し、容器10の内部と容器10の外側の空間、すなわち大気とを連通させる。第1実施形態では、容器10の上部の略中央部分に開口12が1つ設けられている。
容器10の形状については、図1に図示の形状に限定されず、例えば、フラスコのようなボトル形状であってもよい。容器10のサイズについても、特に限定されないが、運搬可能なサイズであるのが好ましい。容器10の構造についても、特に限定されず、天井壁10cがそれ以外の部分から分離可能な構造でもよく、天井壁10cとそれ以外の部分とが一体化した構造でもよい。また、開口12の形状及び個数についても特に限定されるものではなく、円形の開口12でもよく、容器10一個あたりに開口12が複数設けられてもよい。
容器10の材料についても、特に限定されないが、養液Lへの光の照射に起因する藻の発生を抑える目的から、可視光に対する透過率が10%以下である材料からなる容器10を用いて苗Pを育成するのがよい。
容器10の材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル-スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、メタクリル樹脂(PMMA)、及びポリエチレンテレフタラート(PET)等のプラスチックが好ましい。
透過率は、公知の測定方法、例えば積分球付きの分光光度計を用いた測定方法によって測定可能であり、具体的には、積分球の開口に測定対象の材料を配置し、測定光を開口から積分球内に入射させ、球内にて直進又は散乱した光を検出して透過率を測定してもよい。
容器10の表面色についても、特に限定されないが、容器10にて光を反射させて苗Pの葉茎部分に効果的に光を照射する目的から、白色等のように光に対する反射能が比較的高い色が好ましい。また、透過率を下げることを優先する場合には、容器10の表面色を黒、青、赤、緑及び黄色等とするのがよく、容器10の表面に対して、染料又は顔料によって光を吸収する加工がなされるのが好ましい。
図1に示す容器10は、一個体の苗Pを育成するにあたり、一個用いられる。ここで、「個体」とは、苗Pの個数を表す単位であり、一個体とは、苗Pの一株に相当する。なお、一個の容器10にて育成される苗Pは、一個に限定されず、二個以上でもよい。
容器10の上部には前述の開口12が設けられており、苗Pの根が開口12から容器10の内部に入り込んで容器10内の養液Lに浸かっている。苗Pの葉茎部分は、開口12から容器10の外側に出て露出している。
より詳しく説明すると、苗Pは、ウレタン、ロックウール又はスポンジ等からなる培地14によって保持されている。培地14は、保持部材に相当し、苗Pを保持する。培地14は、小鉢型のフィルム体からなるカップ部16内に収容されている。カップ部16の底には比較的大きな孔が形成されており、培地14の下面が露出している。苗Pの根は、図1に示すように、露出した培地14の下面から突出して延びている。他方、苗Pの茎の基部(根に近い部分)が培地14内に埋まっており、培地14の上面の上方で苗Pの葉茎部分が展開している。このような状態で苗Pが培地14に保持されている。
カップ部16は、図1に示すように容器10の開口12に上方から嵌り込んでいる。これにより、カップ部16に収容された培地14が容器10に取り付けられている。かかる状態では、培地14の下端が、容器10内の養液Lの液面よりも下方に位置しており、培地14の下面から突出した苗Pの根が容器10内の養液Lが浸っている。また、培地14の上面よりも上側にある苗Pの葉茎部分は、開口12から容器10の外側に出ている。
[第1実施形態に係る植物育成装置の構成について]
植物育成装置20は、苗Pから収穫される野菜(詳しくは、葉菜類の野菜)を生産する植物工場内で利用され、複数個(例えば、数十~数千個)の苗Pを同時に育成するものである。
植物育成装置20は、図2に示すように、奥行方向に沿って長く延びた多段の栽培棚22を有する。栽培棚22の各段には、前述した容器10を含む育成ユニット24が、栽培棚22の奥行方向に沿って複数並べられている。それぞれの育成ユニット24では、容器10が一個ずつ設けられ、容器10にて一株(一個体)の苗Pが育成される。なお、前述したように、一個の容器10において育成される苗Pの数は、複数であってもよく、その場合には、一つの育成ユニット24にて複数の苗Pが育成されることになる。
また、植物育成装置20は、図2に示すように照明装置26を有する。照明装置26は、容器10に入れられた苗Pに向けて光を照射する装置であり、栽培棚22において、各段に並べられた育成ユニット24の直上位置に配置されている。すなわち、第1実施形態において、照明装置26は、育成ユニット24の上方から下方に向かって光を照射する。容器10に入った苗P(厳密には、容器10の外に出た葉茎部分)は、照明装置26からの光を利用して光合成を行って成長する。照明装置26からの光の一部は、苗Pがない空間を通って容器10の下側に漏れ込み、後述の光電変換部34によって受光される。
なお、照明装置26としては、無機若しくは有機のLED(Light Emitting Diode)、レーザー等の半導体発光素子、蛍光灯、水銀灯、希ガスランプ、無電極ランプ等の放電管、白熱灯等のフィラメント発光機、並びに、放射光若しくは蛍光等のエネルギー遷移によるもの等、光を発する装置であれば広く使用可能である。また、第1実施形態では、育成ユニット24の上方に照明装置26を配置して育成ユニット24の上方から光を照射することとしたが、これに限定されるものではなく、育成ユニット24の下方に照明装置26を配置して育成ユニット24の下方から光を照射してもよい。
また、第1実施形態では、照明装置26が昼間の時間帯のみ点灯し、夜間の時間帯には消灯する。ただし、これに限定されるものではなく、照明装置26が1日において常時点灯し続けてもよい。
育成ユニット24は、図3に示すように、容器10を有すると共に、流動装置30及びファン38をさらに有する。流動装置30は、容器10を載せる台32を上部に備えている。容器10は、苗Pの育成期間中、養液Lを補給又は交換するとき以外は、台32の上面に載置されている。なお、図3に示す構成では、一つの台32に一個の容器10が載置されているが、これに限定されるものではなく、一つの台32に複数の容器10が載置されてもよい。
流動装置30は、それぞれの育成ユニット24において、対応する容器10内の養液Lを流動させる装置である。ここで、対応する容器10とは、一つの流動装置30に着目したときに、その流動装置30と同じ育成ユニット24にある容器10である。
流動装置30は、図3に示すように、照明装置26からの光を電気エネルギーに変換する光電変換部34と、容器10内の養液Lを作動させるために作動する作動部36とを有する。
光電変換部34は、例えば、太陽電池等によって構成され、各育成ユニット24において容器10よりも下方に設定され、具体的には作動部36のケーシングの側面等に取り付けられている。光電変換部34は、照明装置26から発せられた光のうち、容器10の下方に漏れ込んだ光を受光し、受光した光を電気エネルギーに変換する。
光電変換部34からの電気エネルギー(電力)は、不図示のパワーコンディショナーによって直流から交流に変換された後に、光電変換部34と同じ育成ユニット24に設けられた作動部36に供給される。このように作動部36の駆動電力が光電変換部34からの電気エネルギーによって賄われることで、植物育成装置20の構成、詳しくは、流動装置30周りの構成を簡素化することができる。
すなわち、作動部36の駆動電力を商用電源から供給する場合には、流動装置30への配線を敷設する必要があり、流動装置30の台数が増えて育成ユニット24の個数が多くなるほど、配線の数も増えることになる。これに対して、作動部36が光電変換部34からの電気エネルギーを用いて作動する構成では、商用電源を給電するための配線が不要となるので配線数を減らすことができ、結果として植物育成装置20の構成がシンプルになる。
なお、光電変換部34からの電気エネルギーは、パワーコンディショナーによって交流に変換された後に作動部36に供給されてもよいし、蓄電池に一度蓄電してから蓄電池から作動部36に給電してもよい。
作動部36は、前述の台32を備え、光電変換部34からの電気エネルギーによって作動し、苗Pの育成期間中に台32を回転又は揺動させることで容器10を回転又は揺動させる電動機器である。
作動部36の一例を挙げると、作動部36は、電動の回転台であってもよい。この場合、作動部36内に搭載された不図示のモータが起動することで、図4に示すように、台32が、その上面の法線方向に沿い上面の略中央位置を通る回転軸M周りに回転する。このとき、容器10の底面の中央位置と台32の上面の中央位置とが一致又は略一致していると、容器10は、台32と共に回転軸M周りに回転(自転)する。
作動部36の別の例を挙げると、作動部36は、水平往復式の振とう機であってもよい。この場合、作動部36内に搭載された不図示のモータが回転すると、その回転力が直進方向の推進力に変換されて台32に伝達されることで、図5に示すように、台32が、その上面に沿って揺動(水平往復移動)する。これにより、容器10は、台32と共に一体的に揺動(水平往復移動)する。
作動部36の第三の例を挙げると、作動部36は、旋回式の振とう機であってもよい。この場合、作動部36内に搭載された不図示のモータが起動することで、図6に示すように、台32が、その上面の法線方向に沿い上面の中央位置から多少ずれている位置を通る回転軸N周りに回転する。これにより、容器10は、回転軸Nを中心とする円周軌道に沿って揺動(旋回)する。
作動部36の第四の例を挙げると、作動部36は、シーソー型振とう機であってもよい。この場合、作動部36内に搭載された不図示のモータが起動することで、図6に示すように、台32が、その上面に沿う中心軸Oを中心としてシーソーのように揺動する。これにより、容器10は、中心軸Oを中心として揺動する。なお、図6では、図示を簡略化しており、台32及び容器10のみを図示し、それ以外の機器及び苗P等を省略している。
また、作動部36は、上記の構成を組み合わせたものでもよく、例えば台32及び容器10を回転又は揺動させる際に、これらを上下動させながら回転又は揺動させたり、あるいは、上下方向に対する台32の上面の傾きを変えながら回転又は揺動させたりしてもよい。
上述した作動部36により、苗Pの育成期間中に容器10を回転又は揺動させることで、容器10内の養液Lを攪拌することができる結果、苗Pを良好に育成させることができる。この効果について説明すると、容器10内の養液Lのうち、苗Pの根周辺では養液Lの濃度が局所的に低下するため、養液Lの濃度がより高くなった領域に向かって苗Pの根が伸びようとする。これにより、苗Pが成長のために蓄えていた光合成産物の一部が根の成長に費やされ、その分、葉茎部分の成長量が減少して最終収穫物の収量が減る可能性がある。
これに対して、作動部36により容器10を回転又は揺動させて容器10内の養液Lを攪拌すれば、苗Pの根周辺における養液Lの局所的な濃度低下が抑えられて、上述した不具合を回避することができる。これにより、最終収穫物の収量を増加させることができる。
容器10内の養液Lを流動させる構成としては、例えば、容器10内の養液Lを容器10の外に流出させた後に容器10内に返送して養液Lを循環させることが考えられるが、その場合には循環用の配管及びポンプ等が別途必要となる。これに対して、上記の作動部36を用いて容器10を回転又は揺動させれば、循環用の配管及びポンプ等を設けなくても、容器10を適切に攪拌することができるため、設備コストの面でも有利である。
なお、前述したように、一つの台32に複数の容器10が載置されてもよい。その場合には、作動部36が、一つの台32に載置された複数の容器10を一斉に回転又は揺動させることで、各容器10内の養液Lを同時に効率よく流動させることができる。
また、作動部36は、不図示のコントローラによって制御され、例えば、作動部36のオンオフがタイマー制御され、1時間の中で数分~数十分だけ作動する。つまり、作動部36は、容器10を間欠的に回転又は揺動させるように制御される。これにより、容器10を回転又は揺動させる時間を短縮し、作動部36を作動させる際の消費電力を削減することができる。また、作動部36内に設けられた不図示の摺動部分の摩耗を低減することができる。
また、前述したように、照明装置26は、昼間の時間帯のみ点灯し、夜間の時間帯には消灯する。このため、光電変換部34は、昼間の時間帯のみ照明装置26からの光を受光して電気エネルギーに変換し、作動部36は、昼間の時間帯のみ作動して容器10を回転又は揺動させることになる。ただし、これに限定されるものではなく、昼間帯に光電変換部34によって生成された電気エネルギーを蓄電池に蓄電し、夜間帯に蓄電池から作動部36に給電することで、夜間帯(換言すると常時)にも容器10を回転又は揺動させてもよい。
ファン38は、図3に示すように、それぞれの育成ユニット24において容器10の周辺に配置され、苗Pのうち、容器10の外に出ている葉茎部分に向けて送風する装置である。ファン38が設けられていることで、苗Pの葉周辺の空気を攪拌(換気)することができる。この結果、苗Pの葉周辺における二酸化炭素の濃度が、光合成を促進させる上で適切な濃度に維持され、葉周辺における高湿度の空気が除去されて葉からの蒸散が適切に行われるようになる。
ファン38としては、公知のファンが利用可能であり、一例を挙げると、プロペラファン、シロッコファン、ターボファン、斜流ファン、及びラインフローファン(登録商標)等が利用可能である。
また、ファン38は、照明装置26からの光を電気エネルギーに変換するファン用光電変換部39を有する。ファン用光電変換部39は、例えば太陽電池からなり、それぞれの育成ユニット24において容器10よりも下方に配置され、照明装置26から発せられた光のうち、容器10の下方に漏れ込んだ光を受光し、受光した光を電気エネルギーに変換する。そして、ファン用光電変換部39からの電気エネルギーがファン38のモータに供給されることで、ファン38が作動する。
なお、ファン用光電変換部39は、流動装置30が有する光電変換部34とは別々に設けられてもよい。反対に、図3に示すように、流動装置30が有する光電変換部34がファン用光電変換部39として兼用されてもよい。この場合には部品点数が少なくなるので、その分、植物育成装置20の構成をより簡単なものとすることができる。
また、光電変換部34から供給される電気エネルギー(電力)は、ファン駆動の用途をはじめ、流動装置30を作動させる以外の用途にて用いてもよく、例えば、空調又は温調の用途等に用いてもよい。
<<第2実施形態について>>
第1実施形態では、栽培棚22の各段において複数の育成ユニット24が栽培棚22の奥行方向に並べられて配置されることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図8に示すように2~6個の支持部42からなる支持部群44が上下方向に複数並べられ、各支持部群44を構成する支持部42の上に育成ユニット24が載置されてもよい。かかる構成を第2実施形態として以下に説明する。
なお、以下では、第2実施形態のうち、第1実施形態と異なる構成を主に説明し、第1実施形態と共通する構成については、説明を省略することとする。また、図8に示す植物育成装置120中、図2に示す植物育成装置20と同一の部品及び同一の機器については、同じ符号を付して表記することとする。
第2実施形態において、植物育成装置120は、スタンド型の支持装置40を有する。支持装置40は、地面Bに設置され、図8に示すように、キャスター付きの基台48と、基台48から垂直に立った支柱46と、上下方向に離間した状態で支柱46に支持された複数の支持部群44を有する。支柱46における各支持部群44の支持位置は、上下方向において可変でもよく、あるいは固定されて変更不能であってもよい。
それぞれの支持部群44は、複数の支持部42によって構成される。複数の支持部42は、支柱46の周りに同一面上に配置されており、詳しくは、支持部42同士の間に隙間を空けて互いに離間した状態で、支柱46を中心として対称的に配置されている。ここで、「同一面上に配置される」とは、例えば、植物育成装置120を側方から見たときに複数の支持部42の各々の下面が同一平面上にある状態を意味する。また、植物育成装置120を上方から見ると、複数の支持部42のそれぞれの配置位置が支持部群44の間で揃っている(つまり、水平方向において同一位置である)。
そして、各支持部42には育成ユニット24が載置されている。また、植物育成装置120では、各支持部42の直上位置に照明装置26が配置されている。具体的に説明すると、上下方向に並ぶ2つの支持部42のうち、上側の支持部42の下面に、照明装置26が、下側の支持部42の上面と対向するように配置されている。
上述した支持装置40は、互いに隣接した状態で複数配置される場合がある。この場合、それぞれの支持装置40に設けられた各照明装置26は、その出射光の照射範囲が好適に調整されるとよい。具体的には、ある一つの照明装置26を「着目照明装置」としたときに、着目照明装置と対向する支持部42よりも下方に位置し、且つ着目照明装置が設けられた支持装置40と隣接する支持装置40にある支持部42に着目照明装置からの光が届くように、着目照明装置からの出射光の角度が調整されることが好ましい。
なお、照明装置26の出射光の角度は、照明装置26が有する光の出射面と、出射光の照度が最も高くなる方向との間の角度であり、例えば、半値角(換言すると、配光特性)が異なるLED照明を用いることで変更可能である。
ちなみに、それぞれの支持装置40に設けられた照明装置26すべてを同じ明るさのものにすると、下方に位置するほど、光の漏れ込み量が増えるので、最下段の支持部群44が最も明るくなる。こうした傾向を考慮して、支持部群44毎に照明装置26の光量を制御して、支持装置40内での光量分布を調整するとよい。具体的には、上方の支持部群44と対応する照明装置26の光量をより多くし、下方の支持部群44と対応する照明装置26の光量をより小さくするのが好ましい。これにより、上下方向に離間した複数の支持部群44のそれぞれにおける照度(光量)を、支持部群44の間で略均一となるように調整することができる。
以上のように、第2実施形態に係る植物育成装置120では、スタンド型の支持装置40において上下方向に離間した複数の支持部群44に育成ユニット24を載せる点では、第1実施形態に係る植物育成装置20と異なるが、それ以外の点では、両装置は共通する。したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
<<第3実施形態について>>
第1実施形態及び第2実施形態では、容器10内の養液Lを攪拌させるために容器10を回転又は揺動させることとしたが、これに限定されるものではない。図9に示す植物育成装置(以下、植物育成装置220)では、容器10内に収容された回転体を回転させて容器10内の養液Lを流動させる構成となっている。かかる構成を第3実施形態として以下に説明する。
なお、以下では、第3実施形態のうち、第1実施形態と異なる構成を主に説明することとし、第1実施形態と共通する構成については説明を省略することとする。また、図9に示す植物育成装置220のうち、図1及び2に示す植物育成装置20と同様の部品及び機器については、同じ符号を付して表記する。
第3実施形態に係る流動装置50は、図9に示すように、回転体としての撹拌子52を有する。撹拌子52は、公知のマグネチックスターラに用いられるカプセル形状の撹拌子であり、容器10内に収容されて容器10内の養液Lに浸かっている。
また、流動装置50は、図9に示すように、光電変換部54と作動部56とを有する。光電変換部54は、第1実施形態で利用される光電変換部34と同一の機器である。作動部56は、公知のマグネチックスターラ本体であり、光電変換部54からの電気エネルギーによって作動して撹拌子52を回転させる。これにより、容器10内の養液Lを流動させて攪拌させることができる。
以上のように、第3実施形態に係る植物育成装置220では、容器10内に収容された撹拌子52を回転させることで容器10内の養液Lを流動させる点では、第1実施形態に係る植物育成装置20と異なるが、それ以外の点では、両装置は共通する。したがって、第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、図3に示す構成では、回転体として撹拌子52を用いているが、これに限定されるものではなく、容器10内に収容された状態で作動部によって回転させることが可能であれば回転体として利用することできる。例えば、シャフト付きの回転スクリュー(不図示)を回転体として用いてもよい。この場合、スクリューの回転翼部分を容器10内に収容した状態で作動部がシャフトを回転させると、容器10内の回転翼部分が回転し、これによって容器10内の養液Lを流動させて攪拌させることができる。
以上までに本発明の植物育成装置について、具体例を挙げて説明したが、上述の実施形態(第1実施形態~第3実施形態)は、本発明の理解を容易にするために挙げたものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
また、上記の実施形態では、根が出た状態の苗Pを容器10にて育成させる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、植物の組織片を培養液が溜められた容器内に入れて育成(詳しくは、培養)する場合にも本発明は適用可能である。
また、上記の実施形態では、流動装置が容器10自体を回転又は揺動させるか、あるいは容器10内に収容された回転体を回転させることで容器10内の養液Lを流動させることとした。ただし、容器10内の養液Lを流動させるものであればよく、例えば、超音波振動装置のように容器内の養液を超音波により振動させて流動させるものであってもよい。また、振動板等を用いて容器を振動させて容器内の養液を流動させてもよい。
(養液攪拌による効果についての実験)
次に、苗Pの育成期間中に容器10内の養液Lを攪拌することを効果についての検証実験について説明する。なお、以下の実験における使用材料と使用量、材料の割合、処理内容、及び処理手順等は、適宜変更することができる。また、本発明の範囲は、以下に示す実験の条件により限定的に解釈されるべきものではない。
(実験1)
実験1では、リーフレタスの苗一株を、図1に示す形状の容器にて栽培した。苗は、ウレタン又はスポンジからなる培地に播種して所定日数(例えば、14日)が経過したもの、詳しくは、根が培地の下面から一定量以上延びているものを上記の容器に培地とともに定植した。容器内には、各種成分の濃度が調整された養液が所定量溜められており、苗は、根が容器内の養液に浸かった状態で容器にて育成される。
苗の育成期間中、容器を公知の振とう機(DLAB社製 デジタルシェーカーSK-L0180-E)の上に載置し、一定速度で容器を往復揺動させ、具体的には水平方向に規定された軌道に沿って揺動させた。容器を揺動させる際の条件は、以下の通りである。
揺動時の軌道径:20mm
揺動速度:120rpm(=約0.04m/s)
(実験2)
実験2では、苗の育成期間中、容器を公知の振とう機(DLAB社製 デジタルシェーカーSK-L0180-E)の上に載置し、定期的に且つ間欠的に容器を往復揺動させ、具体的には水平方向に規定された軌道に沿って揺動させた。揺動時間は、1時間あたりに15分間とした。それ以外の条件については、実験1と同様の条件とした。
(実験3)
実験3では、苗の育成期間中、容器を公知の旋回式の振とう機(DLAB社製 デジタルシェーカーSK-0180-E)の上に載置し、一定速度で容器を旋回させた。容器を旋回させた際の条件は、以下の通りである。
旋回直径:20mm
旋回速度:120rpm(=約0.13m/s)
上記以外の条件については、実験1と同様の条件とした。
(実験4)
実験4では、苗の育成期間中、容器を動かさず静置状態のままとした。それ以外の条件については、実験1と同様の条件とした。
(実験5)
実験5では、内部に撹拌子が収容された容器をマグネチックスターラ本体(INTLLAB社製 MS-500)の上に載せ、苗の育成期間中、上記の撹拌子を一定速度で回転させた。撹拌子の回転速度は、770rpmとした。それ以外の条件については、実験1と同様の条件とした。
(実験6)
実験6では、攪拌子の回転速度を220rpmとし、それ以外の条件は、実験5と同様の条件とした。
(実験7)
実験7では、苗の育成期間中、1時間あたりに15分間の間隔で撹拌子を定期的に且つ間欠的に回転させることとし、それ以外の条件は、実験5と同様の条件とした。
(評価)
上記の実験1~7のそれぞれについて、所定の栽培日数(28日)が経過した時点での苗の重量を測定した。測定結果を下記の表1に示す。
Figure 2022020126000002
表1から分かるように、苗の育成期間中、容器内の養液を攪拌することで苗の重量(つまり、成育量)が増加した。また、容器全体を回転又は揺動させた実験1~4では、容器内の撹拌子を回転させた実験5~7よりも苗の重量が増加する傾向にあることが分かった。特に、容器を往復揺動した実験1,2では、苗の重量がより一層増える傾向にあることが分かった。これは、容器全体を回転又は揺動させることで、容器の外に位置する苗の葉茎部分を回転又は揺動させることができ、苗の葉周辺の空気が攪拌(換気)されることで、苗の生育が一層良好になったからである。
(実験8及び9)
実験8,9では、リーフレタスの苗5株を、図1に示す形状の容器(幅120mm×奥行き120mm×高さ40mm)にて同時に栽培した。苗は、ウレタン又はスポンジからなる培地に播種して2日間の発芽工程を経た後に上記の容器に培地とともに定植し、容器内で7日間育苗し、さらに容器内で所定期間生育させた。容器内には、各種成分の濃度が調整された養液が所定量溜められており、また、苗には照明光を照射した。これらに関する詳細条件は、以下の通りである。
養液pH:6.0、養液の電気伝導度(EC):2.1mS/cm
照射光量:300μmol/m/s
育苗環境温度:25℃、育苗環境湿度:70%RH
また、容器内に撹拌子を収容し、容器をマグネチックスターラ本体(INTLLAB社製 MS-500)の上に載せ、上記の撹拌子を回転数約720rpmにて定期的に且つ間欠的に回転させた。
実験8では、根が培地から出た時点から、撹拌子の回転による養液攪拌を開始した。他方、実験9では、根が培地から出る前の育苗段階から、容器内の撹拌子を回転させて養液を攪拌させた。
(評価)
実験8,9のそれぞれについて、所定の栽培日数(28日)が経過した時点での苗5株分の重量の平均値、及び草丈の平均値を表2に示す。
Figure 2022020126000003
表2から分かるように、根が培地から出る前の早い段階で養液の攪拌を行っても、草丈及び重量については、根が培地から出た時点で養液を撹拌した場合と比較して有意な差が確認されなかった。成長促進のためには、根が培地から十分に出てから養液の攪拌を行うのが効果的であると考えられる。
(実験10及び11)
実験10,11では、リーフレタスの苗10株を、図1に示す形状の容器(幅120mm×奥行き120mm×高さ40mm)にて同時に栽培した。容器内には撹拌子を収容し、容器をマグネチックスターラ本体(INTLLAB社製 MS-500)の上に載せ、上記の撹拌子を回転数約720rpmにて回転させた。
実験10では、苗の栽培期間中、上記の攪拌子を常時回転させた。実験11では、苗の栽培期間中、各日の0時~8時(夜間~夜明け)の時間帯には上記の撹拌子の回転を停止させた。それ以外の条件は、実験8と同様とした。
(評価)
実験10,11のそれぞれについて、所定の栽培日数(28日)が経過した時点での苗10株分の重量の平均値を表3に示す。
Figure 2022020126000004
表3から分かるように、攪拌子を常時回転させる場合には、夜間帯に撹拌子の回転を停止させる場合に比べて、わずかに重量が増加した。この点を踏まえると、撹拌子の回転時間に応じた苗の成長量の変化(重量増加)と、電力節約による経済的メリットとを比較考量し、適切な撹拌子の回転時間を設定するのが好ましいと考えられる。
10 容器
10a 底壁
10b 側壁
10c 天井壁
12 開口
20,120,220 植物育成装置
22 栽培棚
24 育成ユニット
26 照明装置
30,50 流動装置
32 台
34,54 光電変換部
36,56 作動部
38 ファン
39 ファン用光電変換部
40 支持装置
42 支持部
44 支持部群
46 支柱
48 基台
52 撹拌子
L 養液
M,N 回転軸
O 中心軸
P 苗(植物)

Claims (10)

  1. 内部に溜められた養液に植物が接した状態で前記植物が入れられた容器と、
    前記植物に向けて光を照射する照明装置と、
    前記容器内の養液を流動させる流動装置と、を有し、
    前記流動装置は、
    前記照明装置からの光を電気エネルギーに変換する光電変換部と、
    前記容器内の養液を流動させるために、前記光電変換部からの電気エネルギーによって作動する作動部と、を備えることを特徴とする植物育成装置。
  2. 前記作動部は、前記光電変換部からの電気エネルギーによって作動して前記容器を回転又は揺動させる、請求項1に記載の植物育成装置。
  3. 前記作動部は、前記容器を上面に載置させる台を有し、前記容器が載置された前記台を、前記上面の法線方向に沿う回転軸周りに回転させ、又は、前記上面に沿う方向に揺動させ、又は、前記上面に沿う中心軸を中心として揺動させる請求項2に記載の植物育成装置。
  4. 前記台には、複数の前記容器が載置される、請求項3に記載の植物育成装置。
  5. 前記流動装置は、前記容器内に収容される回転体をさらに有し、
    前記作動部は、前記光電変換部からの電気エネルギーによって作動して前記回転体を回転させる、請求項1に記載の植物育成装置。
  6. 前記植物のうち、前記容器の外に出ている部分に向けて送風するファンを有し、
    前記ファンは、前記照明装置からの光を電気エネルギーに変換するファン用光電変換部を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の植物育成装置。
  7. 前記流動装置が有する前記光電変換部が、前記ファン用光電変換部として兼用される、請求項6に記載の植物育成装置。
  8. 一又は複数の前記容器と、前記流動装置とを含む育成ユニットを複数有し、
    それぞれの前記育成ユニットにおいて、前記流動装置は、対応する前記容器内の養液を流動させる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の植物育成装置。
  9. 前記容器には、前記容器内の養液に前記植物の根が浸った状態で前記植物が入れられている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の植物育成装置。
  10. 前記作動部は、間欠的に作動する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の植物育成装置。
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