JP2022019806A - 料金モデル選択方法及び料金モデル選択システム - Google Patents
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Abstract
Description
このため、太陽光発電システムを自宅に設置し、太陽光発電システムで発電した電力を売る(売電する)ことが行われている。
太陽電池を普及させる技術に関して、中古太陽電池の価格を正確に算出するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムによれば、太陽電池の中古取引を促進することによって、太陽電池の普及や市場の活性化、或いは産業廃棄物の削減や資源の有効利用などに貢献することができる。
基本的に太陽光発電システムは、太陽の光をもとに電気を生み出す「太陽電池モジュール」、直流電流を交流電流に変換する「パワーコンディショナー」、余剰電力を表示する「売電メーター」、これらをつなぐ「ケーブル類」などの機器によって構成されている。
一般的には、太陽電池モジュールに比べて、パワーコンディショナーなどを含む制御部の寿命は短い。例えば、太陽電池モジュールは20年以上動作し続けると言われている。さらに、最近では、25年以上使用しても出力低下を5%程度に抑えられるCISやHIT太陽電池などの技術開発が進んでいる。一方、パワーコンディショナーは10年もてば良いと言われている。ときには導入から数年も経たない内に修理、交換を余儀なくされる場合もある。このため、太陽光発電システムを設置した者が売電を継続する場合、パワーコンディショナーなどを含む制御部の寿命が短いため、制御部に含まれる部品の交換が必要になるなど、維持費用がかかる。
太陽光発電システムを設置した者が売電を継続しないとなれば、自己消費量を増やすことが考えられる。ただし、自己消費量を増やすためには、発電電力を全量自家消費するための蓄電池などの設備への投資が必要になってしまい、さらに維持費用もかかるため、自己消費を増やすことをあきらめ、太陽光発電システムの維持をしなくなるケースが増えると想定される。このように電力の買取価格が低下した場合、寿命を迎えていない太陽電池モジュール等が十分に有効利用されなくなると考えられる。
本実施形態に係る料金モデル選択方法によれば、建物の所有者が太陽電池モジュールを残存させる場合に、複数の料金モデルの中から建物の所有者の費用負担が低減できる料金モデルを選択することができる。これにより、建物の所有者が太陽電池モジュールを残存させることを促進できるため、寿命を迎えていない太陽光発電モジュール等を含む太陽光発電システムを有効活用することができる。
本実施形態に係る料金モデル選択方法によれば、建物の所有者が太陽電池モジュールを残存させる場合に、太陽電池モジュールの残存価値に応じて費用負担が低減できる。これにより、建物の所有者が太陽電池モジュールを残存させることを促進できるため、寿命を迎えていない太陽光発電モジュール等を含む太陽光発電システムを有効活用することができる。
本実施形態に係る料金モデル選択システムによれば、前述のとおり建物の所有者が太陽電池モジュールを残存させることを促進できるため、寿命を迎えていない太陽光発電モジュール等を含む太陽光発電システムを有効活用することができる。
図1は、実施形態に係る太陽光発電システムの設置例を示す模式図である。太陽光発電システム1は、太陽電池モジュール100と制御部200とを備える。同図に示す一例においては、太陽電池モジュール100には、太陽電池モジュール100-1と、太陽電池モジュール100-2とがある。以下の説明においては、太陽電池モジュール100-1及び太陽電池モジュール100-2を総称して太陽電池モジュール100と記載する。
インバータは、電力変換装置の一例であって、太陽電池モジュール100が発電した電力を、交流の電力に変換する。インバータは、変換した電力を分電盤へ出力する。
分電盤は、インバータが出力した交流の電力を、建物2の照明50、テレビ60などの電化製品へ供給する。さらに、分電盤は、インバータが出力した交流の電力のうち、電化製品に供給した残りの電力を、建物2以外へ出力する。建物2以外へ出力される残りの電力は、特定規模電気事業者(PPS)を含む電力会社に売電される。
図2は、実施形態に係る太陽光発電システム1の第3者所有モデルの一例を示す図である。
図3は、実施形態に係る太陽光発電システム1の第3者区分所有モデル(計量メーターあり)の一例を示す図である。
図4は、実施形態に係る太陽光発電システム1の第3者区分所有モデル(計量メーターなし)の一例を示す図である。
パワーコンディショナー202は、前述したように、太陽電池モジュール100が発電した電力を直流から交流に変換する。パワーコンディショナー202は、交流に変換した電力を、分電盤206へ出力する。
分電盤206は、パワーコンディショナー202が出力する電力と、電力会社が建物2に対して供給する電力とを、建物2に供給される電力と、建物2以外に供給される電力とに分電する。
売電メーター300は、分電盤206が分電した電力のうち、建物2以外に供給される電力PBを計量する。
買電メーター400は、分電盤206に供給される電力のうち、電力会社が建物2に対して供給する電力PKを計量する。
また、計測ユニット208は、売電メーター300による計量結果MB、及び買電メーター400による計量結果MKを、Bルートで取得し、事業者サーバ600に送信してもよい。この通信網には、WiSUN(Wireless Smart Utility
Network)のBルートなどが用いられる。
次に図5を参照して、太陽光発電システム1によって発電された電力の買取料金の料金モデルについて説明する。この料金モデルには、一例として次に示す2種類がある。すなわち、「第3者所有モデル」と、「第3者区分所有モデル」とである。
図5は、実施形態に係る太陽光発電システム1の料金モデルの選択フローの一例を示す図である。以下に示す選択フローは、例えば、事業者サーバ600において実行される。
「一般の第3者所有モデル」とは、事業主体者が所有する太陽光発電システム1が建物2に新設される場合の事業モデルであって、電力料金は単純に市場価格を想定して設定されるものである。この「一般の第3者所有モデル」は従来から存在する料金モデルである。
この「第3者区分所有モデル」は、従来存在しなかった新しい料金モデルである。
(ステップS10、ステップS20)建物の所有者は、固定価格買取期間が終了した場合等、買取価格が低下した場合において、上述した料金モデルのうち、いずれの料金モデルによって電力料金を精算するのかを選択することができる。以下、各料金モデルの詳細について説明する。
(ステップS200)「第3者所有モデル」が選択された場合、下取り設備の有無によって料金モデルが異なる。(1)一般の第3者所有モデル(下取り設備がない場合)(ステップS200;NO)と、(2)査定による第3者所有モデル(下取り設備がある場合)(ステップS200;YES)とに分けて説明する。
設備設置スキーム:太陽光発電システム1を新設する場合である。
設備の所有権:事業主体者が、太陽電池モジュール100と制御部200とを所有する。
一般送配電事業者が設置する売電メーターの有無:売電メーター300を有する。
一般送配電事業者が設置する買電メーターの有無:買電メーター400を有する。
事業主体者が設置する計量メーターの有無:計量メーター204を有する。
消費者が購入する電力量:太陽光発電システム1が発電した電力のうち建物2において消費される電力と、建物2の外部から供給され建物2において消費される電力との合算値(すなわち、MJ-MB+MK)を、消費者が消費する電力量Pとする。
省エネ(査定)による電力料金の値引きオプション:売電メーター300、買電メーター400、若しくは計量メーター204によって計量された電力の単価を下げることによる値引き、又はこれらのメーターの計量結果に基づいて算定された電力料金を下げることにより値引きが可能である。
事業主体者が消費者以外から得る収入:事業主体者は電力会社から余剰売電料金を得ることが可能である。
設備設置スキーム:太陽光発電システム1を新設する場合又は下取りする場合である。
設備の所有権:事業主体者が、太陽電池モジュール100と制御部200とを所有する。設備設置スキームが「下取り」の場合には、太陽電池モジュール100及び制御部200の価値を事業主体者が査定する。
一般送配電事業者が設置する売電メーターの有無:売電メーター300を有する。
一般送配電事業者が設置する買電メーターの有無:買電メーター400を有する。
事業主体者が設置する計量メーターの有無:計量メーター204を有する。
消費者が購入する電力量:太陽光発電システム1が発電した電力のうち建物2において消費される電力と、建物2の外部から供給され建物2において消費される電力との合算値(すなわち、MJ-MB+MK)を、消費者が消費する電力量Pとする。
省エネ(査定)による電力料金の値引きオプション:売電メーター300、買電メーター400、計量メーター204によって計量された電力の単価を引き下げることによる値引き、又は計量結果に基づいて算定された電力料金を引き下げることにより値引きが可能である。
事業主体者が消費者以外から得る収入:事業主体者は電力会社から余剰売電料金を得ることが可能である。
(ステップS210)事業主体者が行う査定について説明する。事業主体者は、建物の所有者が所有する太陽光発電システム1の価値を査定する。具体的には、事業主体者は、太陽電池モジュール100や制御部200について、新規購入時の価格、性能、劣化の程度、使用期間、残存寿命などに基づいて、その価値を査定する。この太陽光発電システム1の価値には、太陽光発電システム1の撤去費用や廃棄費用が含まれる。また、太陽電池モジュール100の寿命に比べて制御部200の寿命が短い場合には、使用期間によっては制御部200を交換する必要が生じる場合がある。このような場合には、事業主体者は、制御部200の交換費用を査定対象に含めてもよい。
(ステップS220)事業主体者による査定の結果に基づいて、太陽光発電システム1の価値を消費者の電力料金に反映させるための精算が、事業主体者と建物の所有者との間において行われる。例えば、太陽電池モジュール100や制御部200の残存寿命が長いほど、消費者にとって電力料金が有利となる。なお、太陽光発電システムの価値に応じた費用の清算は消費者の電力料金を介して行われる。さらに建物の所有者との間で一時金で行われてもよい。また、太陽電池モジュール100や制御部200の価値に比べて、撤去費用や廃棄費用が上回る場合には、太陽光発電システム1の価値が負(マイナス)になる場合もある。この場合にも上記同様に処理することができる。
また、太陽光発電システム1を下取りする場合は、費用の精算を前提に、建物の所有者から事業主体者に対する太陽光発電システム1の譲渡(例えば、所有権の移転)が行われる。
(ステップS250)「第3者所有モデル」が選択された場合、「一般の第3者所有モデル」及び「査定による第3者所有モデル」のいずれであっても、消費者が消費する電力に対する課金は、計量メーター204、売電メーター300、買電メーター400による計量課金によって行われる。
この計量メーター204、売電メーター300、買電メーター400による計量課金においては、消費者が消費する電力量Pは、式(1)によって求められる。
次に「第3者区分所有モデル」が選択された場合について説明する。
(ステップS110)事業主体者は、建物の所有者が所有する太陽光発電システム1の価値を査定する。この査定の具体例については、上述した「第3者所有モデル」の場合と同様であるため、説明を省略する。
(ステップS120)事業主体者は、事業主体者と建物の所有者との間の太陽光発電システム1の所有比率を算定する。所有比率は、例えば、太陽光発電システム1全体の価値に対して、それぞれが所有する設備の価値が占める割合として算出する。
設備設置スキーム:太陽光発電システム1を新設する場合又は下取りする場合である。
設備の所有権:太陽光発電システム1の構成要素ごとに、建物の所有者または事業主体者が所有する。例えば、太陽電池モジュール100を建物の所有者が所有し、制御部200を事業主体者が所有する。又は、建物の所有者と事業主体者との間において、建物の所有者の自己消費比率にあう比率にした所有比率によって太陽光発電システム1を共同所有する。
一般送配電事業者が設置する売電メーターの有無:売電メーター300を有する。
一般送配電事業者が設置する買電メーターの有無:買電メーター400を有する。
事業主体者が設置する計量メーターの有無:計量メーター204が無い。
消費者が購入する電力量:建物2の外部から供給され建物2において消費される電力(すなわち、MK)を、消費者が消費する電力量Pとする。
省エネ(査定)による電力料金の値引きオプション:買電メーター400によって計量された電力の単価を引き下げることによる値引き、又は計量結果に基づいて算定された電力料金を引き下げることにより値引きが可能である。
事業主体者が消費者以外から得る収入:事業主体者は電力会社から余剰売電料金を得ることが可能である。
太陽電池モジュール100を建物の所有者が所有し、制御部200を事業主体者が所有する場合には、制御部200の残存価値及び交換費用に基づいて、次に示すパターンのうちいずれかのパターンが事業主体者によって選択される。
(パターン1:所有権の移転)
制御部200についての所有権を建物の所有者から事業主体者に移転する。
(パターン2:交換)
建物の所有者が所有している制御部200を撤去・廃棄する。事業主体者が新たな制御部200を購入して建物に設置する。すなわち、事業主体者が制御部200を新調する。
(ステップS150)事業主体者は、消費者に対して電力消費に対する課金を行う。「計量メーターなしの第3者区分所有モデル」においては、計量メーター204が無いため、太陽電池モジュール100による発電量を計量しない。「計量メーターなしの第3者区分所有モデル」においては、自己消費比率の推定による課金、又は建物の所有者の設備所有比率による課金が行われる。
自己消費比率の推定は、電力消費量の過去履歴、又は建物の設備の構成に基づいて行われる。
建物にHEMS(Home Energy Management System)機器が導入されている場合がある。この場合には、HEMS機器によって蓄えられた電力消費履歴を参照して自己消費比率を推定する。
なお、HEMS機器以外の機器に蓄えられた電力消費履歴に基づいて自己消費比率を推定してもよい。例えば、制御部200が発電電力量の履歴を記憶している場合には、この発電電力量の履歴と、売電メーター300と買電メーター400とに基づいて、自己消費比率を推定することができる。
建物にHEMS機器が導入されている場合、建物内に設置された電気設備(電力消費機器)を把握して「電力消費機器ごとの電力消費推定値表」を用いて消費電力量を積算することにより自己消費比率を推定する。
建物に設置される太陽電池モジュール100は、発電能力が小さくなると発電電力あたりの費用が割高になる傾向がある。このため、太陽光発電システム1の所有比率について、建物の所有者の所有比率を「建物において消費される電力」の分だけとし、事業主体者が残りを所有することが合理的である。この場合、建物の所有者と事業主体者との間の太陽光発電システム1の所有比率を、建物の所有者の自己消費比率にあう比率にし、太陽光発電システム1の所有権を按分する。これにより計量メーター204がなくても、電力消費に対する課金を合理的に行うことができる。
設備の所有権:太陽光発電システム1の構成要素ごとに、建物の所有者または事業主体者が所有する。例えば、太陽電池モジュール100を建物の所有者が所有し、制御部200を事業主体者が所有する。又は、建物の所有者と事業主体者との間において太陽光発電システム1を共同所有する。
一般送配電事業者が設置する売電メーターの有無:売電メーター300を有する。
一般送配電事業者が設置する買電メーターの有無:買電メーター400を有する。
事業主体者が設置する計量メーターの有無:計量メーター204を有する。
消費者が購入する電力量:太陽光発電システム1が発電した電力のうち、建物の所有者の所有比率分を超えて建物2において消費される電力と、建物2の外部から供給され建物2において消費される電力との合算値(すなわち、(MJ-MB+MK)-(MJ×R1))を、消費者が消費する電力量Pとする。ここで、R1とは、建物の所有者の所有比率である。
省エネ(査定)による電力料金の値引きオプション:売電メーター300、買電メーター400、若しくは計量メーター204によって計量された電力の単価を引き下げることによる値引き、又は計量結果に基づいて算定された電力料金を引き下げることにより値引きが可能である。
事業主体者が消費者以外から得る収入:事業主体者は電力会社から余剰売電料金を得ることが可能である。
(ステップS160)「計量メーターありの第3者区分所有モデル」においては、消費者が消費する電力に対する課金は、計量メーター204による計量課金によって行われる。
この計量メーター204による計量課金においては、消費者が消費する電力量Pは、太陽光発電システム1が発電した電力のうち建物2において消費される電力と、建物2の外部から供給されて建物2において消費される電力との合算値に対して、上述の所有比率を加味して求められる。
図6は、実施形態に係る電力料金算定システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
電力料金算定システム500は、CPU(Central Processing Unit)502と、ROM(Read Only Memory)504と、RAM(Random Access Memory)506と、不揮発性メモリ508と、通信I/F510と、操作部512と、表示部514と、バス516とを備えている。
操作部512は、ユーザの操作を受け付ける入力デバイスである。操作部512は、タッチパネルなどのポインティングデバイス、ボタン、ダイヤル、タッチセンサ、タッチパッドなどを含む。表示部514は、例えば液晶ディスプレイなどによって構成され、電力の買電料金を示す情報を表示する。
図7は、残存価値査定テーブル5084の一例を示す。残存価値査定テーブル5084は、型番と残存価値とを関連付けたテーブル形式のデータである。同図に示される例では、型番「aa-bb」と残存価値「xxxx」とが関連付けられる。ここで、型番は太陽電池モジュール100の製品の型ごとに付加される記号、番号などの識別情報である。残存価値は、太陽電池モジュールが有する経済的価値である。
太陽電池モジュール100の残存価値について説明する。太陽電池モジュール100の残存価値は、定額法を用いて求められてもよいし、定率法を用いて求められてもよい。
太陽電池モジュール100の残存価値が定額法を用いて求められる場合には、前年の残存価値から、耐用年数毎に定められた償却率に基づいて、毎年同じ額を耐用年数期間にわたって減算することによって求められる。
また、太陽電池モジュール100の残存価値が定率法を用いて求められる場合には、前年の残存価値から、一定の割合を耐用年数期間にわたって、減算することによって求められる。
さらに、太陽電池モジュール100の残存価値は、過去の発電量データなどの統計量で補正等をしてもよい。具体的には、劣化率などによって、残存価値を補正をするようにしてもよい。太陽電池モジュールは、CIS(Copper-Indium-Selenium)、HIT(登録商標;Heterojunction with Intrinsic Thin-layer)、多結晶、単結晶の順に劣化しやすい。そこで、CIS、HIT、多結晶、単結晶の順に、残存価値が短くなるように補正してもよい。
図8は、実施形態に係る電力料金算定システムの機能構成の一例を示す図である。
電力料金算定システム500は、不揮発性メモリ508からRAM506上に展開されたプログラム5082をCPU502が実行することによって、査定額算出部552と電力料金算定部554と省エネ状況査定部556として機能する。CPU502は、電力料金算定部554として機能しているときに、省エネ状況査定部556として機能する。
図6及び図8を用いて、電力料金算定システム500の各機能構成について詳細に説明する。
なお、以下では、電力料金算定システム500の各機能を説明するにあたって、図6に示されている電力料金算定システム500の各機能ブロックを実現させるための主なハードウェアとの関係も説明する。
査定額算出部552は、太陽電池モジュール100の型番を示す情報と太陽電池モジュール100の数量を示す情報とを取得すると、不揮発性メモリ508に記憶された残存価値査定テーブル5084を参照し、取得した太陽電池モジュール100の型番を示す情報に関連付けられた残存価値を示す情報を取得する。査定額算出部552は、残存価値を示す情報を取得すると、取得した残存価値を示す情報と太陽電池モジュール100の数量を示す情報とを、電力料金算定部554へ出力する。
なお、査定額算出部552は、制御部200についても上述と同様にして、制御部200の残存価値の査定額を算出してもよい。
また、査定額算出部552は、太陽電池モジュール100の処分費用の査定額を算出する。太陽光発電システム1を設置した者が売電を継続しないとなれば、太陽電池モジュール100が処分されることがある。太陽電池モジュール100を処分するには、処分費用が発生する。ここで、処分費用の査定額は一定の値であってもよい。査定額算出部552は、太陽電池モジュール100の処分費用の査定額を算出すると、算出した処分費用の査定額を示す情報を、電力料金算定部554へ出力する。
なお、査定額算出部552は、制御部200についても上述と同様にして、制御部200の処分費用の査定額を算出してもよい。
電力料金算定部554は、CPU502からの命令によって実現される。電力料金算定部554は、査定額算出部552が算出した査定額を用いて、建物2において事業主体者が消費者に供給する事業主体者売電電力の料金を算定する。
より詳細には、電力料金算定部554は、査定額算出部552から、残存価値を示す情報と太陽電池モジュール100の数量を示す情報と処分費用の査定額を示す情報とを取得する。電力料金算定部554は、残存価値を示す情報と太陽電池モジュール100の数量を示す情報と処分費用の査定額を示す情報とを取得すると、取得した残存価値を示す情報と太陽電池モジュール100の数量を示す情報と処分費用の査定額を示す情報とに基づいて、太陽光発電システム1が設置された建物2へ供給する電力の料金を算定する。
事業主体者が太陽光発電システム1が設置された建物2へ供給する電力として、建物2の外部から供給されて建物2において消費される電力がある場合には、さらにこの電力に対する電力の料金を算定してもよい。なお、電力の料金は従量制でなく定額(0円含む)としてもよい。
この場合、電力料金算定部554は、省エネ状況の査定結果と電力料金とを関連付けて記憶している。
電力料金算定システム500が備えるCPU502は、料金モデル選択機能を有していてもよい。この場合、電力料金算定システム500は料金モデル選択システムとして機能する。この料金モデル選択システムは、上述した図5に示す各ステップを実行する。具体的な動作について説明する。
(ステップS210)「査定による第3者所有モデル」が選択された場合には、上述した査定額算出部552は、設備の査定を行う。
(ステップS120)CPU502は、事業主体者と建物の所有者との間の太陽光発電システム1の所有比率を算定する。
(ステップS130)CPU502は、設備所有比率を自己消費比率にあう比率にするか否かに基づいて、料金モデルを選択する。自己消費比率にあう設備所有比率にする場合には、「計量メーターなしの第3者区分所有モデル」が選択される(ステップS130;YES)。自己消費比率にあう設備所有比率にしない場合には、「計量メーターありの第3者区分所有モデル」が選択される(ステップS130;NO)。ここで、「計量メーターなしの第3者区分所有モデル」を第1の料金モデルと、「計量メーターありの第3者区分所有モデル」を第2の料金モデルともいう。
上述したように、第3者所有モデルにおいては、太陽光発電システム1を構成する太陽電池モジュール100と制御部200との両方を、建物の所有者以外の第3者である電力事業の主体者(つまり、事業主体者)が所有する。この場合、事業主体者は、建物の所有者との間において建物の屋根の貸借契約を結び、建物の屋根を太陽電池モジュール100の設置場所として貸借する形式で、太陽電池モジュール100を設置・所有する。ところが、この屋根の貸借権について登記する制度が無い場合には、この屋根の貸借権について第三者対抗要件を有していない。例えば、建物の所有者(旧所有者)が他の者(新所有者)に建物を譲渡したような場合、事業主体者は、旧所有者との間に締結した建物の屋根の貸借契約に基づく屋根の貸借権を、新所有者に対しては主張することができない。したがって、新所有者から太陽電池モジュール100の撤去を要求された場合、事業主体者はこの要求に応じて太陽電池モジュール100を撤去しなければならない、という課題がある。
事業主体者は、太陽電池モジュール100及び制御部200、太陽電池モジュール100のみ、又は制御部200のみを追加投資してもよい。例えば、太陽電池モジュール100の寿命に比べて制御部200の寿命が短い場合がある。この場合、建物の所有者の要求により、事業主体者は、制御部200のみを追加投資する。この追加投資により、太陽光発電システム1全体の残存寿命が延長される。
建物の所有者は、残存寿命が延長された太陽光発電システム1によって発電した電力を売電することにより、残存寿命が延長されなかった場合に比べてより多くの余剰売電による収入(余剰売電収入)を得ることができる。
なお、上述した説明において「設備の所有権」(又は区分所有権。以下同じ)と記載しているものの、法律上の権利としては物権であっても債権であってもよい。
「設備の所有権」が債権である場合には、「設備の所有権」を固定資産ではなく金融商品としても扱えることになる。
また、「設備の所有権」が債権である場合には、物権である場合に生じる固定資産税管理などの事務手続きの手間が生じない。このため、「設備の所有権」が債権である場合には、物権である場合に比べて事務手続きの手間を低減することができる。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (3)
- 太陽電池モジュールを含む太陽光発電システムが複数の所有者に所有されている場合の当該所有者の所有比率に基づいて、前記太陽光発電システムが発電した電力の料金を算定する第1の料金モデルと、前記第1の料金モデルとは電力の料金の算定方式が異なる第2の料金モデルとのいずれか一方を選択する料金モデル選択方法。
- 前記第1の料金モデルは、前記太陽電池モジュールの残存価値の査定額に更に基づいて、前記料金を算定する
請求項1に記載の料金モデル選択方法。 - 太陽電池モジュールを含む太陽光発電システムが発電した電力の料金モデルを選択する料金モデル選択システムであって、
前記太陽光発電システムが複数の所有者に所有されている場合の当該所有者の所有比率に基づいて、前記太陽光発電システムが発電した電力の料金を算定する第1の料金モデルと、前記第1の料金モデルとは電力の料金の算定方式が異なる第2の料金モデルとのいずれか一方を選択する
料金モデル選択システム。
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