JP2022018850A - ブロー成形型、金属板、複合容器の製造方法および複合容器 - Google Patents

ブロー成形型、金属板、複合容器の製造方法および複合容器 Download PDF

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Abstract

【課題】容器の外観を良好にし、意匠性を向上させることが可能な、ブロー成形型、金属板、複合容器の製造方法および複合容器を提供する。【解決手段】ブロー成形型50は、型本体52と、型本体52に取り付けられ、容器10Aの外面に凹凸構造21を形成するための表面形状を有する金属板60と、を備えている。【選択図】図11

Description

本開示は、ブロー成形型、金属板、複合容器の製造方法および複合容器に関する。
近時、飲食品等の内容液を収容するボトルとして、プラスチック製のものが一般化してきており、このようなプラスチックボトルには内容液が収容される。
このような内容液を収容するプラスチックボトルは、金型内にプリフォームを挿入し、2軸延伸ブロー成形することにより製造される。
ところで、従来の2軸延伸ブロー成形法では、例えばPETやPP等の単層材料、多層材料又はブレンド材料等を含むプリフォームを用いて容器形状に成形している。しかしながら、従来の2軸延伸ブロー成形法においては、単にプリフォームを容器形状に成形するだけであるのが一般的である。このため、容器に対して様々な機能や特性(バリア性や保温性等)を持たせる場合、例えばプリフォームを構成する材料を変更する等、その手段は限定されてしまう。とりわけ、容器の部位(例えば胴部や底部)に応じて、異なる機能や特性を持たせることは難しい。
これに対して本出願人は、特許文献1において、容器に対して様々な機能や特性を付与することが可能な複合容器を提案している。
特開2015-128858号公報
一方、このような容器を作製するにあたっては、容器における外観をより良好にし、意匠性を向上させることが求められている。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、容器の外観を良好にし、意匠性を向上させることが可能な、ブロー成形型、金属板、複合容器の製造方法および複合容器を提供することを目的とする。
一実施の形態によるブロー成形型は、容器を作製するブロー成形型であって、型本体と、前記型本体に取り付けられ、前記容器の外面に凹凸構造を形成するための表面形状を有する金属板と、を備える、ブロー成形型である。
一実施の形態によるブロー成形型において、前記型本体に、内面から外側に凹む凹部が設けられ、前記金属板は、前記凹部内に取り付けられ、前記金属板の表面は、前記内面よりも外側に引っ込んでいてもよい。
一実施の形態によるブロー成形型において、前記型本体および前記金属板は、互いに異なる材料によって作製されていてもよい。
一実施の形態によるブロー成形型において、前記型本体は、アルミニウムを含み、前記金属板は、ニッケルを含んでいてもよい。
一実施の形態によるブロー成形型において、前記金属板は、電気鋳造により作製されていてもよい。
一実施の形態によるブロー成形型において、前記金属板の厚みは、0.03mm以上0.20mm以下であってもよい。
一実施の形態によるブロー成形型において、上下方向に沿った断面において、前記金属板の裏面は、直線形状をもっていてもよい。
一実施の形態によるブロー成形型において、前記金属板は、前記型本体に対して着脱可能に取り付けられていてもよい。
一実施の形態によるブロー成形型において、前記金属板は、両面テープにより、前記型本体に貼着されていてもよい。
一実施の形態によるブロー成形型において、前記金属板は、磁力により、前記型本体に取り付けられていてもよい。
一実施の形態によるブロー成形型は、2軸延伸ブロー成形型であってもよい。
一実施の形態によるブロー成形型において、前記容器は、容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを有する複合容器であり、前記凹凸構造は、前記プラスチック製部材の外面に形成されてもよい。
一実施の形態によるブロー成形型は、ダイレクトブロー成形型またはインジェクションブロー成形型であってもよい。
一実施の形態による金属板は、容器を作製するブロー成形型に取り付けられる金属板であって、前記容器の外面に凹凸構造を形成するための表面形状を有し、電気鋳造により作製されている、金属板である。
一実施の形態による金属板は、ニッケルを含んでいてもよい。
一実施の形態による金属板において、前記金属板の厚みは、0.03mm以上0.20mm以下であってもよい。
一実施の形態による金属板において、前記金属板の裏面は、平坦面であってもよい。
一実施の形態による複合容器の製造方法は、容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを備える複合容器の製造方法において、プリフォームを準備する工程と、前記プリフォームの外側に、プラスチック製部材を設ける工程と、一実施の形態によるブロー成形型を準備する工程と、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を前記ブロー成形型内でブロー成形することにより、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させる工程と、を備え、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させる工程において、前記型本体に取り付けられた前記金属板の表面形状が転写され、ブロー成形後の前記プラスチック製部材の外面に凹凸構造が形成される、複合容器の製造方法である。
一実施の形態による複合容器の製造方法において、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させる工程において、前記容器本体のうち前記金属板に対応する位置に、外側に突出する凸部が形成されてもよい。
一実施の形態による複合容器の製造方法において、前記凹凸構造は、前記プラスチック製部材の外面のうち、前記凹凸構造の周囲の領域の外面よりも外側に位置してもよい。
一実施の形態による複合容器は、容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを備え、前記容器本体に、外側に突出する凸部が形成されており、前記プラスチック製部材の外面のうち前記凸部に対応する位置に、凹凸構造が形成されている、複合容器である。
一実施の形態による複合容器において、前記凹凸構造は、前記プラスチック製部材の外面のうち、前記凹凸構造の周囲の領域の外面よりも外側に位置していてもよい。
本開示によれば、容器の外観を良好にし、意匠性を向上させることができる。
図1は、一実施の形態による複合容器を示す部分垂直断面図である。 図2は、一実施の形態による複合容器を示す水平断面図(図1のII-II線断面図)である。 図3は、一実施の形態による複合容器を示す断面図(図1のIII部に対応する断面図))である。 図4Aは、一実施の形態による複合容器であって、凹凸構造が反射型ホログラム構造体である複合容器を示す斜視図である。 図4Bは、一実施の形態による複合容器であって、凹凸構造が透過型ホログラム構造体である複合容器を示す斜視図である。 図5は、一実施の形態による複合容器の凹凸構造を示す断面図(図2のV部に対応する断面図))である。 図6は、プラスチック製部材を展開させた状態の凹凸構造の平面構造を示す概略平面図である。 図7は、凹凸構造の要素素子を示す断面図(図6のVII-VII線断面図)である。 図8は、一実施の形態による複合プリフォームを示す部分垂直断面図である。 図9は、一実施の形態による複合プリフォームを示す水平断面図(図8のIX-IX線断面図)である。 図10(a)-(d)は、各種プラスチック製部材を示す斜視図である。 図11は、一実施の形態によるブロー成形型を示す断面図である。 図12は、一実施の形態によるブロー成形型を示す断面図(図11のXII部に対応する断面図))である。 図13は、一実施の形態による金属板を示す断面図である。 図14(a)-(c)は、一実施の形態による金属板の製造方法を示す概略図である。 図15(a)-(f)は、一実施の形態による複合容器の製造方法を示す概略図である。 図16は、一実施の形態による複合容器の第1変形例を示す斜視図である。 図17は、一実施の形態によるブロー成形型の第1変形例を示す断面図である。 図18は、一実施の形態による複合容器の第2変形例を示す斜視図である。 図19は、一実施の形態によるブロー成形型の第2変形例を示す断面図である。 図20は、一実施の形態による複合容器の第4変形例において、プラスチック製部材を展開させた状態の凹凸構造の平面構造を示す概略平面図である。
以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。図1乃至図15は一実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
複合容器の構成
まず、図1および図2により、本実施の形態による複合容器の概要について説明する。
なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ複合容器10Aを正立させた状態(図1)における上方および下方のことをいう。
図1および図2に示す複合容器10Aは、後述するように、ブロー成形型50を用いてプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを含む複合プリフォーム70(図8および図9参照)に対して2軸延伸ブロー成形を施すことにより、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させて得られたものである。
このような複合容器10Aは、内側に位置するプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。なお、本明細書中、「内側」とは容器の内部寄りに位置する側であり、「外側」とは、容器の外部寄りに位置する側である。
このうち容器本体10は、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。
他方、プラスチック製部材40は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。
次に、容器本体10について詳述する。容器本体10は、上述したように口部11と、首部13と、肩部12と、胴部20と、底部30とを有している。
このうち口部11は、図示しないキャップに螺着されるねじ部14と、ねじ部14下方に設けられたフランジ部17とを有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。容器本体10に内容液等の内容物が充填され、口部11に図示しないキャップが螺着されることにより、内容物入り複合容器が作製される。
首部13は、フランジ部17と肩部12との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部12は、首部13と胴部20との間に位置しており、首部13側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状(水平断面において徐々に面積が拡大する形状)を有している。
胴部20は、後述する凸部25が形成された領域を除き、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。あるいは、胴部20が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。
この胴部20には、外側(径方向外側)に突出する凸部25が形成されている。本実施の形態では、凸部25は、胴部20の全周にわたって形成されており、胴部20の上下方向略中央部に形成されている。なお、胴部20には、凸部25以外の凹凸、例えば、減圧吸収パネル又は溝等の凹凸が形成されていても良い。
一方、底部30は、中央に位置する窪み部31と、この窪み部31周囲に設けられた接地部32とを有している。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有していても良い。
また、胴部20における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば50μm以上250μm以下程度に薄くすることができる。さらに、容器本体10の重量についても、これに限定されるものではないが、10g以上20g以下とすることができる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
このような容器本体10は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォーム10a(後述)を二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。なお容器本体10の材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)を使用することが好ましい。容器本体10は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、無色透明であることが好ましい。また、上述した各種樹脂をブレンドして用いても良い。さらに、容器本体10の内面に、容器のバリア性を高めるために、例えばダイヤモンド状炭素膜や酸化珪素薄膜等の蒸着膜を形成しても良い。
また、容器本体10は、2層以上の多層成形ボトルとして形成することもできる。すなわち射出成形により、例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性を有する樹脂(中間層)として3層以上からなるプリフォーム10aを射出成形後、ブロー成形することによりガスバリア性を有する多層ボトルとして形成しても良い。なお、中間層としては、上述した各種樹脂をブレンドした樹脂を用いても良い。
また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡プリフォームを成形し、この発泡プリフォームをブロー成形することによって、容器本体10を作製しても良い。このような容器本体10は、発泡セルを内蔵しているため、容器本体10全体の遮光性を高めることができる。
このような容器本体10は、例えば満注容量が100ml以上2000ml以下のボトルからなっていても良い。あるいは、容器本体10は、満注容量が例えば10L以上60L以下の大型のボトルであっても良い。
次に、プラスチック製部材40について説明する。プラスチック製部材40(40a)は後述するようにプリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられ、プリフォーム10aの外側に密着された後、プリフォーム10aとともに2軸延伸ブロー成形されることにより得られたものである。
プラスチック製部材40は容器本体10の外面に接着されることなく取付けられており、容器本体10に対して移動又は回転しないほどに密着されている。このプラスチック製部材40は、容器本体10の外面において薄く引き延ばされて容器本体10を覆っている。また、図2に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11を除く、首部13、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けられている。これにより、容器本体10の首部13、肩部12、胴部20および底部30に対して所望の機能や特性を付与することができる。
なお、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち口部11以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11および首部13を除く、肩部12、胴部20および底部30の全体を覆うように設けられていても良い。または、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11、首部13および底部30の中心部を除く、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けられていても良い。
プラスチック製部材40は、容器本体10に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体10から剥離して除去することができる。具体的には、例えば刃物等を用いてプラスチック製部材40を切除したり、プラスチック製部材40に予め図示しない切断線を設け、この切断線に沿ってプラスチック製部材40を剥離したりすることができる。これにより、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができる。
このようなプラスチック製部材40としては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつものであっても良い。
プラスチック製部材40がプリフォーム10aに対して収縮する作用をもつ場合、プラスチック製部材40は、プリフォーム10aの外側に設けられ、このプリフォーム10aと一体となって加熱され、2軸延伸ブロー成形されることにより得られる。
プラスチック製部材40としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ-4-メチルペンテン-1、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹旨、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、フタル酸ジアリル樹脂、フッ素系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリブタジエン、ポリブテン-1、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ナイロン6、ナイロン6,6、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテレフタル酸ブチレン、ポリナフタレン酸エチレン、Uポリマー、液晶ポリマー、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂等を挙げることができる。このうち低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の熱可塑性非弾性樹脂を用いることが好ましい。また、それらのブレンド材料や多層構造、部分的多層構造のものであってもよい。さらに、プラスチック製部材40の材料には、その特性が損なわれない範囲において、主成分の樹脂以外にも、各種の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料等を添加することができる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用し、この発泡プリフォームを成形することによって、遮光性を高めることができる。
プラスチック製部材40は、紫外線等の不可視光線をバリアする光線バリア性を有する材料からなっていても良い。この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aの光線バリア性を高め、紫外線等により内容液が劣化することを防止することができる。このような材料としては、ブレンド材料、またはPETやPE、PPに遮光性樹脂を添加した材料が考えられる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることにより作製された、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用しても良い。
プラスチック製部材40は、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも保冷性又は保温性の高い材料(熱伝導性の低い材料)からなっていても良い。この場合、容器本体10そのものの厚みを厚くすることなく、内容液の温度が複合容器10Aの表面まで伝達しにくくすることが可能となる。これにより、複合容器10Aの保冷性又は保温性が高められる。また、使用者が複合容器10Aを把持した際、冷たすぎたり熱すぎたりすることにより複合容器10Aを持ちにくくなることが防止される。このような材料としては、発泡化したポリウレタン、ポリスチレン、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂などが考えられる。これら樹脂を含んでなる樹脂材料に、中空粒子を混合することが好ましい。中空粒子の平均粒子径は、1μm以上200μm以下であることが好ましく、5μm以上80μm以下であることがより好ましい。なお、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(例えば、ナノトラック粒度分布測定装置、日機装株式会社製など)を用いて公知の方法により測定することができる。また、中空粒子としては、樹脂などから構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラスなどから構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。有機系中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン-アクリル樹脂などのスチレン系樹脂、アクリロニトリル-アクリル樹脂などの(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂などを挙げることができる。また、ローペイクHP-1055、ローペイクHP-91、ローペイクOP-84J、ローペイクウルトラ、ローペイクSE、ローペイクST(ロームアンドハース(株)製)、ニポールMH-5055(日本ゼオン(株)製)、SX8782、SX866(JSR(株)製)などの市販される中空粒子を用いることも出来る。中空粒子の含有量としては、プラスチック製部材40に含有される樹脂材料100質量部に対して、0.01質量部以上50質量部以下であることが好ましく、1質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
また、プラスチック製部材40は、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも滑りにくい材料からなっていても良い。この場合、容器本体10の材料を変更することなく、使用者が複合容器10Aを把持しやすくすることができる。
プラスチック製部材40は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良く、さらに透明であっても不透明であっても良い。
また、プラスチック製部材40の厚みは、これに限定されるものではないが、容器本体10に取り付けられた状態で例えば5μm以上500μm以下程度とすることができる。
ところで、本実施の形態において、プラスチック製部材40の外面に、凹凸構造21(図1の網掛部)が形成されている。本実施の形態では、凹凸構造21は、容器本体10の胴部20に位置するプラスチック製部材40の外面の一部に形成されている。この凹凸構造21の形状は、後述するように、複合容器10Aを成形するブロー成形型50の金属板60の表面形状から転写された形状である。
また、凹凸構造21は、容器本体10の胴部20に形成された凸部25に対応する位置に形成されている。本実施の形態では、凹凸構造21は、プラスチック製部材40の外面のうち凸部25に対応する外面の全域に形成されている。また、図3に示すように、凹凸構造21は、プラスチック製部材40の外面のうち、凹凸構造21の周囲の領域の外面よりも外側に位置している。この場合、凹凸構造21の突出量(プラスチック製部材40の外面のうち凹凸構造21の周囲の領域の外面から、凹凸構造21までの径方向距離)L1は、例えば、0.05mm以上1.00mm以下であってもよい。突出量L1が0.05mm以上であることにより、後述するように、ブロー成形型50を用いてブロー成形を行う際に、後述するプラスチック製部材40aが金属板60の側面63に引っ掛かってしまうことを抑制することができる。また、突出量L1が1.00mm以下であることにより、容器本体10の成形性を向上させることができる。
本実施の形態では、凹凸構造21は、入射した光の位相を変調することによって光像102(図4Aおよび図4B参照)を再生するように構成されている。この場合、凹凸構造21は、入射した再生光の位相を変調して光像102を再生する位相変調型のホログラム構造体によって構成されており、特にフーリエ変換ホログラムによって構成される後述する要素素子22を含んでいる。フーリエ変換ホログラムは、原画像のフーリエ変換像の波面情報を記録することで作製されるホログラムであり、いわゆるフーリエ変換レンズとして機能する。特に、位相変調型のフーリエ変換ホログラムは、フーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして媒体に記録することで作製される凹凸形状を有するホログラムであり、媒体の光路長差に基づく回折現象を利用して再生光から原画像の光像102を再生する。このフーリエ変換ホログラムは、例えば、所望の光像102(すなわち原画像)を精度良く再生できる一方で、比較的簡単に作製することができる点で有利である。こうした位相変調型のホログラムはキノフォームとも言われる。ただし、凹凸構造21の要素素子22は、フーリエ変換ホログラムには限定されず、他の方法で光像102を再生するホログラムや他の構造を有していてもよい。
以下の説明では、凹凸構造21に入射させる再生光として様々な波長を含む白色光を例として挙げているが、再生光は必ずしも白色光である必要はない。すなわち、凹凸構造21によって再生される光像102の色に対応する波長の光が含まれていれば、再生光に含まれる波長は特に限定されない。また、以下の説明では、屈折率の具体的な値は、特に断りがない限り、波長589.3nmの光を基準としている。また、以下の説明では、ホログラム構造体(凹凸構造)21に関して示される屈折率や凹凸形状の特性値は、特に断りがない限り、屈折率が1.0の空気環境下において複合容器10Aが使用される場合を想定して導き出された値である。
凹凸構造21は、図4Aに示すように観察者100および光源101が凹凸構造21に対して同じ側に配置される反射型ホログラム構造体と、図4Bに示すように観察者100および光源101が凹凸構造21を介して相互に異なる側に配置される透過型ホログラム構造体とに分類できる。反射型ホログラム構造体としては、例えば、再生光を反射するための追加の層がプラスチック製部材40上に設けられる構造体の他に、追加の反射層を設けずに、後述する要素素子22の凹凸形状を空気に露出させて、プラスチック製部材40と空気との間の屈折率の差を利用して再生光を反射させる構造体がある。一方、透過型ホログラム構造体にはそのような反射層が設けられない。これらの反射型ホログラム構造体および透過型ホログラム構造体は、要素素子22の凹凸形状の光路長差に起因する回折現象によって所望の光像102を再生する点で共通している。なお、要素素子22の凹凸形状の具体的な凹凸深さについては、透過型ホログラム構造体および反射型ホログラム構造体のそれぞれに関して最適な値が存在する。以下において、反射型ホログラム構造体および透過型ホログラム構造体のいずれか一方についてのみ説明されている内容は、特に断りがない限り、基本的に反射型ホログラム構造体および透過型ホログラム構造体の両方に対して応用が可能である。
本実施の形態では、容器本体10の外面のうち、凹凸構造21に覆われる領域の外面は、曲面形状をもっている。具体的には、凹凸構造21は、容器本体10のうち、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有する胴部20の一部を覆うように設けられている。この場合、容器本体10に内容物が充填されている状態では、点光源から照射され、複合容器10A内に入射する光は、レンズ効果により、容器本体10と内容物との間で楕円状に広がり、光源が点光源とは見なせなくなる。これにより、凹凸構造21が透過型ホログラム構造体である場合、容器本体10に内容物が充填されている状態では、凹凸構造21は光像102を再生しない。一方、容器本体10に内容物が充填されていない状態では、点光源から照射された光は、レンズ効果による影響を受けることなく凹凸構造21に入射し、凹凸構造21は光像102を再生する。
図5および図6に示すように、凹凸構造21は、凹凸形状を含む要素素子(「ホログラムセル」とも呼ばれる)22を有している。本実施形態の凹凸構造21は、複数の要素素子22を含んでおり、複数の要素素子22は、二次元的に規則的に配置されている。各々の要素素子22は、それぞれ数μm~数mm四方(例えば2mm四方)の平面サイズを有し、入射した再生光の位相を変調して光像102を再生する。
本実施の形態では、要素素子22は、フーリエ変換ホログラムである。すなわち、要素素子22は、再生する原画像102a(図6参照)をフーリエ変換することにより作製されたホログラムである。この要素素子22の凹凸形状は、原画像のフーリエ変換画像に対応した凹凸パターンを有し、フーリエ変換画像の画素毎に対応の凹凸深さを有する。このような要素素子22を有する凹凸構造21を形成する場合、例えば、ブロー成形型50を用いてブロー成形を行う際に、プラスチック製部材40の外面に型本体52の表面形状を転写することにより、凹凸構造21を形成することができる。
また、各要素素子22の平面視サイズおよび平面視形状も特に限定されず、各要素素子22は任意のサイズおよび形状を有し得る。例えば、各要素素子22の平面視形状を、正方形、長方形、台形等の四角形、他の多角形状(例えば三角形、五角形、六角形等)、真円、楕円、他の円形、星型形状、或いはハート型形状等であってもよく、凹凸構造21は2種類以上の平面視形状の要素素子22を有していてもよい。
ここで、凹凸構造21が凹凸形状を含む要素素子22を含んでいるため、紫外線等により劣化するインクを使用することなく、複合容器10Aの意匠性を向上させることができる。これにより、例えばプラスチック製部材40の外面に印刷を施した場合と比較して、長期間にわたり、意匠性を保つことができる。さらに、本実施の形態による複合容器10Aでは、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去し、無色透明な容器本体10をリサイクルする場合がある。一方、本実施の形態においては、プラスチック製部材40に対して顔料や染料を添加することなく、凹凸構造21により複合容器10Aの意匠性を向上させることができるため、容器本体10のリサイクル性を向上させることができる。
また、本実施の形態による凹凸構造21は、凹凸形状を含む要素素子22により、入射した再生光の位相を変調して光像102を再生する。この場合、類似品を作製することが困難であるため商品の信頼性を高めることができるとともに、複合容器10Aの美粧性を高めることができる。
このような凹凸構造21に対して点光源(例えば、LED光源)から光が入射すると、凹凸形状の凹凸パターンに応じた光像102(すなわち原画像(図4Aおよび図4Bに示す例においては、「OK」という文字))が再生される。この種の凹凸構造21は、光像102を投影するためのスクリーン等が不要であり、また、点光源である光源101からの光が入射する場合にとりわけ良好に光像102を再生する。このため、凹凸構造21は、キャラクター像を再生するなどエンターテイメント用途および意匠用途として使用することが可能であり、複合容器10Aの意匠性を向上させることができる。また、凹凸構造21は、上述したように類似品を作製することが困難であるため、真贋判定などのセキュリティ用途、あるいはその他の用途に対して利便性よく広範に利用可能である。このような凹凸構造21によって再生可能な光像は特に限定されず、文字の他、例えば、記号、線画、絵柄、模様(パターン)およびこれらの組み合わせ等を、原画像および再生可能な光像とし得る。
次に、要素素子22の凹凸形状について説明する。図7に示すように、要素素子22の凹凸形状は多段形状(すなわち2段以上の段形状)を有している。図7は、凹凸形状の段構造の概略を示す要素素子22の断面図であり、図7は4段タイプの凹凸形状を示している。なお、凹凸形状の段数は特に限定されない。また、図7に示すように、凹凸形状は再生される光像102(すなわち原画像)に応じた、ランダムな段形状を有する。
複数色によって光像102を再生する場合、要素素子22の凹凸形状は3段以上の段数を有することが好ましく、特に、4段以上の段数を有する凹凸形状によれば、複雑な構図を持つ原画像を高精細に再生することが可能である。要素素子22の凹凸形状の凹凸パターンのピッチP1(すなわち画素ピッチ)は、0.38μm以上500μm以下であることが好ましく、0.5μm以上100μm以下であることが更に好ましい。凹凸形状のピッチP1が0.38μm以上であることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができるとともに、可視域で高い回折効率を示すことができる。また、凹凸形状のピッチP1が500μm以下であることにより、光像102を精度良く再生するとともに、可視域にて高い回折効率を示し、視認しやすい大きさの像を再生することができる。なお、本明細書中、「要素素子の凹凸形状のピッチ」とは、プラスチック製部材40を容器本体10から剥離した後に、プラスチック製部材40を展開させた状態で測定されたピッチ(隣接する最上段部220間の距離)であって、互いに異なる最上段部220を選択して測定された5つのピッチの平均値をいう。
凹凸形状の1段当たりの深さdは、凹凸構造21が反射型の場合、10nm以上10μm以下であることが好ましく、20nm以上8μm以下であることが更に好ましい。深さdが10nm以上であることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができるとともに、可視域領域で高い回折効率を示すことができる。深さdが10μm以下であることにより、光像102を精度良く再生するとともに、可視域領域で高い回折効率を示すことができる。凹凸構造21が透過型の場合、深さdは、60nm以上60μm以下であることが好ましく、120nm以上48μm以下であることが更に好ましい。深さdが60nm以上であることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができるとともに、可視域領域で高い回折効率を示すことができる。深さdが60μm以下であることにより、光像102を精度良く再生するとともに、可視域領域で高い回折効率を示すことができる。
一例として、透過型の凹凸構造21において、プラスチック製部材40の屈折率が1.5であり、凹凸形状が4段の深さ構造を有し、1段当たりの深さdが660nmの場合、凹凸構造21は青色の光像102を再生する。なお、透過型の凹凸構造21によって再生される光像102の色(波長帯域)は、屈折率が1.0の空気環境下で使用される場合を想定している。
また、観察者100が反射型の凹凸構造21によって再生される光像102を観察する場合、観察者100が観察する凹凸構造21からの反射像は、プラスチック製部材40を通過することなく表面に形成された凹凸形状で反射した光によって構成される。このような場合、プラスチック製部材40の屈折率ではなく、プラスチック製部材40よりも観察者100側の媒体の屈折率、例えば空気の屈折率(1.0)に基づいた光路長で、凹凸形状の1段当たりの深さdを設定する必要がある。したがって、プラスチック製部材40の屈折率を空気の屈折率(1.0)と仮定しつつ、凹凸形状の構造を設計することで、観察者100は所望像を観察することが可能である。具体的には、空気の屈折率を1.0として、凹凸形状の1段当たりの深さdを165nmとした場合、凹凸形状の1段当たりの光路長は330nmとなる。この場合、凹凸形状が4段の深さ構造を有することによって、凹凸構造21は青系の波長帯域において最大回折効率を示し、青色の光像102を再生する。
複合プリフォームの構成
次に、図8および図9により、複合プリフォームの構成について説明する。
図8および図9に示すように、複合プリフォーム70は、プラスチック材料製のプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に設けられた有底円筒状のプラスチック製部材40aとを備えている。
プリフォーム10aは、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外面に接着されることなく取付けられており、プリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されているか、又は自重で落下しない程度に密着されている。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40aは、胴部20aの全域と、底部30aの全域とを覆うように設けられている。
なお、プラスチック製部材40aは、口部11a以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。または、プラスチック製部材40aは、底部30を除く、胴部20aを覆うように設けられていても良い。
このようなプラスチック製部材40aとしては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつものであっても良い。
プラスチック製部材40aが収縮する作用をもつ場合、プラスチック製部材40aは、例えば、外的な作用(例えば熱)が加えられた際、プリフォーム10aに対して収縮(例えば熱収縮)するものが用いられても良い。あるいは、プラスチック製部材40aは、それ自体が収縮性ないし弾力性を持ち、外的な作用を加えることなく収縮可能なものであっても良い。
なお、プラスチック製部材40aが熱収縮作用をもつ場合、円筒状のプラスチック製部材40aをプリフォーム10aに嵌め込んだ後、プラスチック製部材40aの下端部(口部11aとは反対側の端部)に形成された余白部を熱圧着しても良い。
プラスチック製部材40aとしては、例えばダイレクトブロー成形により作製されたダイレクトブローチューブ、シート成形により作製されたシート成形チューブ、押出成形により作製された押出チューブ、射出成形により作製された射出成形チューブ、インフレーション成形により作製されたインフレーション成形チューブ等を用いることができるが、これに限定されるものではなく、上記以外の成形方法を用いても良い。
プラスチック製部材40aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良く、さらに透明であっても不透明であっても良い。
次にプラスチック製部材40aの形状について説明する。
図10(a)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有していても良い。この場合、プラスチック製部材40aの底部42がプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aの胴部20に加え、底部30に対してもバリア性等の様々な機能や特性を付与することができる。また、プラスチック製部材40aは、全周にわたって繋ぎ目がない円筒形状からなっていても良い。このようなプラスチック製部材40aは、例えば上述したダイレクトブローチューブやシート成形チューブ、射出成形チューブを挙げることができる。
また、図10(b)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として円管形状(無底円筒形状)からなり、円筒状の胴部41を有していても良い。また、プラスチック製部材40aは、全周にわたって繋ぎ目がない円筒形状からなっていても良い。この場合、プラスチック製部材40aとしては、例えば上述したブローチューブ、押出チューブ、インフレーション成形チューブ、シート成形チューブを用いることができる。
また、図10(c)および図10(d)に示すように、プラスチック製部材40aは、フィルムを筒状に形成してその端部を貼り合わせることにより作製されても良い。この場合、図10(c)に示すように、プラスチック製部材40aは、胴部41を有する管形状(無底円筒形状)に構成されていても良く、図10(d)に示すように、底部42を貼り合わせることにより有底筒形状に構成されていても良い。
ブロー成形型の構成
次に、図11および図12により、本実施の形態によるブロー成形型50の構成について説明する。このブロー成形型50は、複合容器(容器)10Aを作製するためのものであり、2軸延伸ブロー成形型である。
図11に示すように、ブロー成形型50は、金属型または樹脂型である型本体52と、型本体52に取り付けられ、複合容器10Aの外面(すなわち、プラスチック製部材40の外面)に凹凸構造21を形成するための表面形状を有する金属板60と、を備えている。
このうち、型本体52は、互いに分割された一対の胴部型50a、50bと、底部型50cとからなる。型本体52の内面は、容器本体10の肩部12、首部13、胴部20および底部30に対応する形状を有している。一方、金属板60は、型本体52のうち、凹凸構造21に対応する位置に設けられている。なお、図11において、型本体52の内面52aのうち、容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応する領域に、それぞれ仮想線(二点鎖線)で対応する符号を付している。
また、図11および図12に示すように、型本体52に、内面52aから外側に凹む凹部55が設けられている。この凹部55は、容器本体10の胴部20の凸部25に対応する位置に設けられている。また、金属板60は、凹部55内に取り付けられている。図12に示すように、金属板60の表面61は、内面52aよりも外側に引っ込んでいる。すなわち、金属板60は、全体が凹部55内に収容されている。このように、金属板60の表面61が内面52aよりも外側に引っ込んでいることにより、ブロー成形型50を用いてブロー成形を行う際に、膨張するプラスチック製部材40aが金属板60の側面63に引っ掛かってしまうことを抑制することができる。なお、図11および図12において、凹部55が形成されていない場合における型本体52の内面52aを仮想線(二点鎖線)で示している。
この場合、型本体52の内面52aからの金属板60の表面61の引っ込み量(径方向距離)L2は、例えば、0.05mm以上1.00mm以下であってもよい。引っ込み量L2が0.05mm以上であることにより、後述するように、ブロー成形型50を用いてブロー成形を行う際に、後述するプラスチック製部材40aが金属板60の側面63に引っ掛かってしまうことを抑制することができる。また、引っ込み量L2が1.00mm以下であることにより、容器本体10の成形性を向上させることができる。
また、上下方向に沿った断面において、金属板60の裏面62は、直線形状をもっていてもよい。この場合、後述するように、金属板60の裏面62は、平坦面になっている。これにより、金属板60の型本体52への取り付けを容易にすることができる。
本実施の形態では、金属板60は、型本体52に対して着脱可能に取り付けられていることが好ましい。この場合、金属板60を型本体52から取り外すことにより、型本体52を、金属板60を取り付ける前の状態に戻すことが可能である。この場合、型本体52に、再度、別の表面形状を有する金属板60を取り付けることも可能となる。
本実施の形態では、金属板60は、両面テープ65により、型本体52に貼着されている。この場合、金属板60は、手作業または機械作業にて型本体52から取り外すことが可能である。また、仮に両面テープ65の貼着層(図示せず)が型本体52に残存してしまう場合であっても水やアルコールで清掃することによって除去可能である。両面テープ65としては、例えば、日東電工株式会社製、No.5000NSを用いることができる。
このような型本体52および金属板60は、互いに異なる材料によって作製されていてもよい。この場合、金属板60は、型本体52の材料よりも硬い材料から作製されていてもよい。これにより、ブロー成形時に、金属板60の後述する表面形状部64の凹凸形状が変形してしまうことを抑制することができ、金属板60の耐久性を向上させることができる。例えば、型本体52は、アルミニウムを含んでいてもよく、金属板60は、ニッケルを含んでいてもよい。
金属板
次に、図13により、上述したブロー成形型50に取り付けられる金属板60について、詳細に説明する。
図13に示すように、金属板60の表面61に、プラスチック製部材40の外面に凹凸構造21を形成するための表面形状部64が設けられている。この表面形状部64は、凹凸構造21の要素素子22の凹凸形状に対応する凹凸形状を有している。
金属板60は、電気鋳造により作製されている。これにより、表面形状部64の凹凸形状を精度良く作製することができるとともに、同一の凹凸形状を有する複数の金属板60を容易に作製することもできる。この場合、金属板60は、ニッケルを含んでいることが好ましい。
金属板60の厚みTは、0.03mm以上0.20mm以下であることが好ましく、0.04mm以上0.17mm以下であることが好ましい。金属板60の厚みTが0.03mm以上であることにより、金属板60の耐久性を向上させることができるとともに、電気鋳造によって金属板60を作製した際に、金属板60の成形性を向上させることができる。また、金属板60の厚みTが0.20以下であることにより、金属板60をブロー成形型50に取り付ける際の取付性を向上させることができる。すなわち、上述したように、ブロー成形型50の型本体52の内面は、容器本体10の胴部20等に対応する形状を有しており、型本体52の内面が曲面形状をもつ場合がある。この場合、金属板60が取り付けられる凹部55の内面も曲面形状をもち得る。このため、金属板60の厚みTが0.20以下であることにより、金属板60を曲面形状に合わせて曲げやすくすることができ、ブロー成形型50に取り付ける際の取付性を向上させることができる。
金属板60の裏面62は、平坦面になっている。すなわち、金属板60の裏面62には、肉眼で視認される程度の凹みや、所定の曲率半径を有する湾曲部が形成されていない。このように、金属板60の裏面62が平坦面になっていることにより、金属板60の型本体52への取り付けを容易にすることができる。
次に、本実施の形態による作用について説明する。ここでは、まず、複合容器10Aを作製するためのブロー成形型50の金属板60の製造方法について説明し、次に、複合容器10Aの製造方法について説明する。
金属板の製造方法
まず、図14(a)-(c)により、本実施の形態による金属板60の製造方法について説明する。
金属板60を作製する際、まず、図14(a)に示すように、金属板60の表面形状部64に対応する凹凸部64a(図14(a)参照)が形成された母型60aを準備する。
この際、まず、プラスチック製部材40の外面に形成された凹凸構造21によって再生される原画像の2次元画像が、コンピュータによって読み込まれる(Step1)。
次に、コンピュータは、読み込んだ2次元画像の各画素値を振幅値とするとともに、各画素に対して0から2πの間のランダムな値を位相値として割り当てることにより、2次元複素振幅画像を得る(Step2)。
次いで、コンピュータは、この2次元複素振幅画像の2次元フーリエ変換を行うことによって、2次元フーリエ変換画像を得る(Step3)。なお、コンピュータは、必要に応じて、繰り返しフーリエ変換法や遺伝的アルゴリズムなどの任意の最適化処理を行ってもよい(Step4)。
次に、コンピュータは、2次元フーリエ変換画像の各画素の位相値を、複数段階(例えば「0」、「π/2」、「π」および「3π/2」の4段階、或いは「0」、「π/4」、「π/2」、「3π/4」、「π」、「5π/4」、「3π/2」および「7π/4」の8段階)に離散化する(Step5)。
そして、離散化された対応の位相値に応じた深さを各画素が有するように、2次元フーリエ変換画像に対応する凹凸部64a(特に凹凸形状)が形成された母型60aが作製される(Step6)。例えば、上述のStep5において2次元フーリエ変換画像の画素値が4段階に離散化された場合には、Step6において、4段階の深さを持つ凹凸形状(図7参照)が、母型60aに形成される。
凹凸形状の深さは、実現しようとする回折効率特性だけではなく、様々な他の関連パラメータ(例えば、プラスチック製部材40を構成する材料の屈折率)も考慮されて、コンピュータにより決定される。例えば、青色の光像102を再生するための反射型の凹凸構造21をプラスチック製部材40に形成する場合、凹凸形状の段数が4段であり、当該凹凸形状が1段当たり330nmの光路長を持つ凹凸部64aを作製することができる。なお、反射型の凹凸構造21および透過型の凹凸構造21はそれぞれ特有の凹凸形状の深さ構造を有し、例えば同様の回折特性を実現しようとする場合であっても、凹凸構造21の凹凸形状の深さの具体的な値は反射型と透過型との間で異なる。このため、母型60aに形成する凹凸部64aの凹凸形状の深さの具体的な値も、反射型と透過型との間で異なる。
母型60aの製造装置は特に限定されず、例えば、上述のStep1~Step5を実行するコンピュータによって制御される装置であってもよいし、当該コンピュータとは別個に設けられた装置であってもよい。
このようにして、凹凸部64aが形成された母型60aが得られる。
次に、母型60aをめっき液が充填されためっき槽に浸す。これにより、図14(b)に示すように、母型60a上に金属が析出し、表面形状部64が設けられた金属板60が作製される。この際、めっき処理の条件(電流や処理時間等)を適宜調整することにより、
金属板60の厚みTを所望の厚みにすることができる。
次いで、図14(c)に示すように、金属板60を母型60aから剥離する。このようにして、金属板60が得られる。
なお、用いられるめっき液の成分は、金属板60に求められる特性に応じて適宜定められる。例えば、めっき液として、ニッケルを含む溶液を用いることができる。また、めっき液には、様々な添加剤が含まれていてもよい。
複合容器の製造方法
次に、図15(a)-(f)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法(ブロー成形方法)について説明する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図15(a)参照)。この場合、例えば図示しない射出成形機を用いて、射出成形法によりプリフォーム10aを作製しても良い。また、プリフォーム10aとして、従来一般に用いられるプリフォームを用いても良い。
次に、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けることにより、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着されたプラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70を作製する(図15(b)参照)。この場合、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有している。
この際、プリフォーム10aの外径と同一又はわずかに小さい内径をもつプラスチック製部材40aを、プリフォーム10aに対して押し込むことにより、プリフォーム10aの外面に密着させても良い。あるいは、後述するように、熱収縮性をもつプラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外面に設け、このプラスチック製部材40aを50℃乃至100℃に加熱することにより熱収縮させてプリフォーム10aの外面に密着させても良い。
このように、予めプリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを密着させ、複合プリフォーム70を作製しておくことにより、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図15(a)-(b))と、複合容器10Aをブロー成形により作製する一連の工程(図15(c)-(f))とを別々の場所(工場等)で実施することが可能になる。
次に、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図15(c)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
また、ブロー成形型50を準備する。そして、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、複合容器10Aを作製するためのブロー成形型50に送られる(図15(d)参照)。
複合容器10Aは、このブロー成形型50を用いて成形される。ブロー成形型50において、金属板60は、一対の胴部型50a、50bに設けられた凹部55(図12参照)内に取り付けられており、上述した凹凸構造21に対応する位置に設けられている。
図15(d)において、一対の胴部型50a、50b間は互いに開いており、底部型50cは上方に上がっている。この状態で型本体52の一対の胴部型50a、50b間に、複合プリフォーム70が挿入される。
次に、図15(e)に示すように、底部型50cが下がったのちに一対の胴部型50a、50bが閉鎖され、型本体52の一対の胴部型50a、50bおよび底部型50cにより密閉されたブロー成形型50が構成される。次に、プリフォーム10a内に空気が圧入され、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形が施される。
これにより、複合プリフォーム70は、ブロー成形型50の内面に対応する形状に賦形され、ブロー成形型50内でプリフォーム10aから容器本体10が得られる。この際、ブロー成形型50の金属板60の表面61(図12参照)が、内面52aよりも外側に引っ込んでいるため(図12参照)、容器本体10の胴部20に、外側に突出する凸部25が形成される(図3参照)。そして、この間、胴部型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。また、ブロー成形型50内では、ブロー成形型50(型本体52)に取り付けられた金属板60の表面形状が転写され、ブロー成形後のプラスチック製部材40の外面に凹凸構造21が形成される。この際、ブロー成形型50内では、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが一体として膨張される。これにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、一体となってブロー成形型50の内面に対応する形状に賦形される。
このようにして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる。
その後、図15(f)に示すように、型本体52の一対の胴部型50a、50bおよび底部型50cが互いに離れ、ブロー成形型50内から複合容器10Aが取出される。このようにして、図1および図2に示す複合容器10Aが得られる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ブロー成形型50が、型本体52と、型本体52に取り付けられ、複合容器10Aのプラスチック製部材40の外面に凹凸構造21を形成するための表面形状を有する金属板60と、を備えている。これにより、プラスチック製部材40の外面に、型本体52に取り付けられた金属板60の表面形状が転写されることにより、複合容器10Aの表面に凹凸形状を有する凹凸構造21を容易に形成することができる。このような凹凸構造21は、キャラクター像を再生するなどエンターテイメント用途および意匠用途として使用することが可能であり、複合容器10Aの意匠性を向上させることができる。また、紫外線等により劣化するインクを使用しないため、例えばプラスチック製部材40の外面に印刷を施した場合と比較して、長期間にわたり、意匠性を保つことができる。また、金属板60は、既存の型本体52に取り付けることができるので、既存の型本体52の全体的な形状を維持しつつ、複合容器10Aの表面に所望の様々な凹凸形状を付与することができる。
また、本実施の形態によれば、型本体52に、内面52aから外側に凹む凹部55が設けられ、金属板60が、凹部55内に取り付けられている。また、金属板60の表面61が、型本体52の内面52aよりも外側に引っ込んでいる。これにより、ブロー成形型50を用いてブロー成形を行う際に、膨張するプラスチック製部材40aが、金属板60の側面63に引っ掛かってしまうことを抑制することができる。このため、膨張するプラスチック製部材40aが破れてしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、型本体52および金属板60は、互いに異なる材料によって作製されている。この場合、金属板60は、型本体52の材料よりも硬い材料から作製されていてもよい。これにより、ブロー成形時に、金属板60の表面形状部64の凹凸形状が変形してしまうことを抑制することができ、金属板60の耐久性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、型本体52がアルミニウムを含み、金属板60がニッケルを含んでいる。これにより、型本体52の加工性を向上させることができる。また、ブロー成形時に、金属板60の表面形状部64の凹凸形状が変形してしまうことを効果的に抑制することができ、金属板60の耐久性を効果的に向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、金属板60が電気鋳造により作製されている。これにより、表面形状部64の凹凸形状を精度良く作製することができるとともに、同一の凹凸形状を有する複数の金属板60を容易に作製することもできる。
また、本実施の形態によれば、上下方向に沿った断面において、型本体52に取り付けられた金属板60の裏面62が、直線形状をもっている。この場合、型本体52に取り付ける前の金属板60の裏面62は、平坦面になっている。これにより、金属板60の型本体52への取り付けを容易にすることができる。
また、本実施の形態によれば、金属板60が、型本体52に対して着脱可能に取り付けられている。これにより、型本体52に取り付けられた金属板60を剥離し、他の金属板60に交換することを容易に行うことができる。このため、複合容器10Aの表面の凹凸形状を容易かつ短時間で変更することができる。この場合、型本体52そのものを製造し直す必要がないので、型本体52の製造に必要な費用や時間を節減することができる。
また、本実施の形態によれば、金属板60が、両面テープ65により、型本体52に貼着されている。これにより、金属板60の型本体52への取り付けおよび取り外しを容易にすることができる。
また、本実施の形態によれば、複合容器10Aにおいて、容器本体10に、外側に突出する凸部25が形成されており、プラスチック製部材40の外面のうち凸部25に対応する位置に、凹凸構造21が形成されている。この場合においても、複合容器10Aを作製するための型本体52に、内面52aから外側に凹む凹部55が設けられ、金属板60の表面61が、型本体52の内面52aよりも外側に引っ込み得る。これにより、ブロー成形型50を用いてブロー成形を行う際に、膨張するプラスチック製部材40aが金属板60の側面63に引っ掛かってしまうことを抑制することができる。このため、膨張するプラスチック製部材40aが破れてしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、凹凸構造21は、プラスチック製部材40の外面のうち、凹凸構造21の周囲の領域の外面よりも外側に位置する。この場合においても、金属板60の表面61が、型本体52の内面52aよりも外側に引っ込み得る。これにより、ブロー成形型50を用いてブロー成形を行う際に、膨張するプラスチック製部材40aが金属板60の側面63に引っ掛かってしまうことを抑制することができ、膨張するプラスチック製部材40aが破れてしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、ブロー成形型50を用いてブロー成形を行い、複合容器10Aを作製する。このとき、プラスチック製部材40の外面に、金属板60の表面形状が転写される。これにより、複合容器10Aの表面に、凹凸構造21を容易に形成することができる。
また、本実施の形態によれば、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルすることができる。
さらに、本実施の形態によれば、プラスチック製部材40として、容器本体10の材料(例えばポリエチレンテレフタレート)よりも賦形性の良好な材料(例えばポリエチレンやポリプロピレン)を用いることが可能である。このため、金属板60の表面形状を直接容器本体10に転写する場合と比較して、金属板60の表面形状を明確にプラスチック製部材40に転写することができる。これにより、より微細(例えば3μm以下)な凹凸形状をプラスチック製部材40の表面に発現させることができる。
変形例
次に、図16乃至図20により、本実施の形態による複合容器10Aおよびブロー成形型50の変形例について説明する。図16乃至図20において、図1乃至図15に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
(第1変形例)
上記実施の形態において、凹凸構造21が、容器本体10の胴部20に位置するプラスチック製部材40の外面の一部に形成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図16に示すように、凹凸構造21が、容器本体10の胴部20に位置するプラスチック製部材40の外面の全域に形成されていてもよい。
本変形例では、胴部20の全域に凸部25が形成されている。すなわち、胴部20は、肩部12の下端121および底部30の上端301よりも、全体が径方向外側に突出している。そして、凹凸構造21は、プラスチック製部材40の外面のうち凸部25に対応する外面の全域に形成されている。
この場合、図17に示すように、ブロー成形型50の型本体52に設けられた凹部55は、容器本体10の胴部20の全域に対応する領域に設けられている。また、凹部55は、型本体52の内面52aのうち、容器本体10の肩部12の下端121に対応する部分の内面52bおよび底部30の上端301に対応する部分の内面52cから外側に凹んでいる。そして、金属板60の表面61が、内面52b、52cよりも外側に引っ込んでいる。この場合においても、ブロー成形型50を用いてブロー成形を行う際に、膨張するプラスチック製部材40aが金属板60の側面63に引っ掛かってしまうことを抑制することができる。
(第2変形例)
また、図18に示すように、凹凸構造21が、容器本体10の肩部12に位置するプラスチック製部材40の外面の一部に形成されていてもよい。
本変形例では、外側に突出する凸部25は、肩部12に形成されている。また、凸部25は、周方向において、肩部12の一部に形成されている。本変形例では、凸部25のうち、胴部20の上端201に連結する連結部251は、少なくとも一部が胴部20の上端201よりも径方向外側に突出している。そして、凹凸構造21は、プラスチック製部材40の外面のうち凸部25に対応する外面の全域に形成されている。なお、凸部25は、肩部12の全周にわたって形成されていてもよい。
この場合、図19に示すように、ブロー成形型50の型本体52に設けられた凹部55は、容器本体10の肩部12の凸部25に対応する位置に設けられている。また、凹部55は、型本体52の内面52aのうち、容器本体10の胴部20の上端201に対応する部分の内面52dから外側に凹んでいる。そして、金属板60の表面61が、内面52dよりも外側に引っ込んでいる。この場合においても、ブロー成形型50を用いてブロー成形を行う際に、膨張するプラスチック製部材40aが金属板60の側面63に引っ掛かってしまうことを抑制することができる。
(第3変形例)
上記実施の形態において、凹凸構造21が、プラスチック製部材40の外面のうち凸部25に対応する外面の全域に形成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、凹凸構造21が、プラスチック製部材40の外面のうち凸部25に対応する外面の一部のみに形成されていてもよい。この場合、金属板60の表面形状部64が、金属板60の表面61の一部のみに設けられることにより、凹凸構造21を、プラスチック製部材40の外面のうち凸部25に対応する外面の一部のみに形成することができる。
(第4変形例)
また、凹凸構造21が複数の要素素子22から構成されている例について説明したが、各要素素子22は、任意の階調を持つ色によって光像102を再生することも可能である。言い換えれば、凹凸構造21は、階調の異なる複数種類の要素素子を含んでいてもよい。例えば、図20に示すように、凹凸構造21は、赤色の光像102を再生する第1の要素素子22a、青色の光像102を再生する第2の要素素子22bおよび緑色の光像102を再生する第3の要素素子22cを含んでいてもよい。
また、任意の階調を持つ原画像に基づいて各要素素子22を設計する場合にも、任意の階調を持つ色によって光像102を再生することが可能である。これらの場合、凹凸構造21は、白色光が入射した場合に、フルカラーの光像102を再生することも可能である。
なお、上述した図20に示す凹凸構造21は、縦方向および横方向の双方に関して隣接配置される要素素子22の種類が互いに異なっているが、複数種類の要素素子22の配置態様は特に限定されない。例えば、凹凸構造21は、ストライプ状に配置された複数種類の要素素子22を含んでいてもよく、縦方向および横方向のうちの一方に関しては隣接して配置される要素素子22の種類が異なっているが、他方に関しては隣接して配置される要素素子22の種類が同じであってもよい。また、市松模様状の配置およびストライプ状の配置が組み合わされた配置態様によって、複数種類の要素素子22が配置されてもよい。
(第5変形例)
また、上記実施の形態において、凹凸構造21が複数の要素素子22から構成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、凹凸構造21が単一の要素素子22によって構成されていてもよい。
(第6変形例)
また、上記実施の形態において、金属板60が、両面テープ65により、型本体52に貼着されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、金属板60が、磁力により、型本体52に取り付けられていてもよい。この場合、金属板60の型本体52への取り付けおよび取り外しを更に容易にすることができる。
(第7変形例)
また、上記実施の形態において、ブロー成形型50が2軸延伸ブロー成形型である例について説明したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、ブロー成形型50が、ダイレクトブロー成形型またはインジェクションブロー成形型であってもよい。この場合においても、容器の外面に、型本体52に取り付けられた金属板60の表面形状が転写されることにより、容器の外面に凹凸形状を有する凹凸構造21を容易に形成することができる。このため、容器の意匠性を向上させることができる。
(第8変形例)
さらに、上記実施の形態において、ブロー成形型50によって作製される容器が、複合容器10Aである例について説明したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、ブロー成形型50によって作製される容器としては、2軸延伸ブロー成形、ダイレクトブロー成形またはインジェクションブロー成形によって製造される容器であればよい。
上記実施の形態および各変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 容器本体
10A 複合容器
10a プリフォーム
21 凹凸構造
25 凸部
40 プラスチック製部材
40a プラスチック製部材
50 ブロー成形型
52 型本体
52a 内面
52b 内面
52c 内面
52d 内面
55 凹部
60 金属板
61 表面
62 裏面
65 両面テープ

Claims (22)

  1. 容器を作製するブロー成形型であって、
    型本体と、
    前記型本体に取り付けられ、前記容器の外面に凹凸構造を形成するための表面形状を有する金属板と、を備える、ブロー成形型。
  2. 前記型本体に、内面から外側に凹む凹部が設けられ、前記金属板は、前記凹部内に取り付けられ、前記金属板の表面は、前記内面よりも外側に引っ込んでいる、請求項1に記載のブロー成形型。
  3. 前記型本体および前記金属板は、互いに異なる材料によって作製されている、請求項1または2に記載のブロー成形型。
  4. 前記型本体は、アルミニウムを含み、前記金属板は、ニッケルを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のブロー成形型。
  5. 前記金属板は、電気鋳造により作製されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のブロー成形型。
  6. 前記金属板の厚みは、0.03mm以上0.20mm以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のブロー成形型。
  7. 上下方向に沿った断面において、前記金属板の裏面は、直線形状をもっている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のブロー成形型。
  8. 前記金属板は、前記型本体に対して着脱可能に取り付けられている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のブロー成形型。
  9. 前記金属板は、両面テープにより、前記型本体に貼着されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のブロー成形型。
  10. 前記金属板は、磁力により、前記型本体に取り付けられている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のブロー成形型。
  11. 2軸延伸ブロー成形型である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のブロー成形型。
  12. 前記容器は、容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを有する複合容器であり、前記凹凸構造は、前記プラスチック製部材の外面に形成される、請求項11に記載のブロー成形型。
  13. ダイレクトブロー成形型またはインジェクションブロー成形型である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のブロー成形型。
  14. 容器を作製するブロー成形型に取り付けられる金属板であって、
    前記容器の外面に凹凸構造を形成するための表面形状を有し、
    電気鋳造により作製されている、金属板。
  15. ニッケルを含む、請求項14に記載の金属板。
  16. 前記金属板の厚みは、0.03mm以上0.20mm以下である、請求項14または15に記載の金属板。
  17. 前記金属板の裏面は、平坦面である、請求項14乃至16のいずれか一項に記載の金属板。
  18. 容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを備える複合容器の製造方法において、
    プリフォームを準備する工程と、
    前記プリフォームの外側に、プラスチック製部材を設ける工程と、
    請求項1乃至12のいずれか一項に記載のブロー成形型を準備する工程と、
    前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を前記ブロー成形型内でブロー成形することにより、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させる工程と、を備え、
    前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させる工程において、前記型本体に取り付けられた前記金属板の表面形状が転写され、ブロー成形後の前記プラスチック製部材の外面に凹凸構造が形成される、複合容器の製造方法。
  19. 前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させる工程において、前記容器本体のうち前記金属板に対応する位置に、外側に突出する凸部が形成される、請求項18に記載の複合容器の製造方法。
  20. 前記凹凸構造は、前記プラスチック製部材の外面のうち、前記凹凸構造の周囲の領域の外面よりも外側に位置する、請求項18に記載の複合容器の製造方法。
  21. 複合容器において、
    容器本体と、
    前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを備え、
    前記容器本体に、外側に突出する凸部が形成されており、
    前記プラスチック製部材の外面のうち前記凸部に対応する位置に、凹凸構造が形成されている、複合容器。
  22. 前記凹凸構造は、前記プラスチック製部材の外面のうち、前記凹凸構造の周囲の領域の外面よりも外側に位置する、請求項21に記載の複合容器。
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