JP2022018317A - 吸液スティック、吸液スティックの製造方法、及び、吸液方法 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、吸収材は吸液すると膨らむため、トロカールから取り出しにくく、また、取り出す操作のときに吸液材で吸い取った体液が絞られ、体液が再び体腔内に戻りやすく、場合によっては内視鏡の視界を再度遮ってしまうという課題があった。
また、本発明の吸液スティックは毛細管力により吸液するため、体液等の吸い上げ性もよく、かつ、吸液可能な量も多く設定することができ、繰り返し使用することができる。よって、術中にトロカール経由で吸液スティックを出し入れして新しい吸液スティックに交換する頻度を下げることができる。さらに、吸液スティックの吸液芯の先端部分以外の外周は把持部に被覆されており、吸液芯が把持部に固定されているため、トロカールへの出し入れ時や吸液のために先端部を患部に接触させる際に吸液芯が曲がったり撓ったりしないことから、操作性もよい。
なお、本願明細書において、「先端部」は各部品(部品の部分を含む。以下同じ。)における吸液スティックの吸液側の最先端部(位置)を指し、「後端部」は各部品における吸液スティックの吸液側と反対側の最後端部(位置)を指し、「先端部分」は各部品における先端部又は先端部の近辺部分を指し、「後端部分」は各部品における後端部又は後端部の近辺部分を指す。また、「先端側」は吸液側を指し、「後端側」は吸液側と反対側を指す。
吸液芯2は、血液等の体液を吸液することが可能な芯である。吸液芯2の材質は、吸液芯2の先端部から吸液が可能であれば限定されないが、毛細管力を有する多孔質体であることが好ましい。
また、繊維束を樹脂で接着した多孔質体の樹脂には、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が例示される。繊維の材料と接着性が高い樹脂バインダであることが好ましく、ナイロン繊維やポリエステル繊維には、ポリウレタン樹脂がより好ましい。
吸液芯2の先端部分の形状は、加工なしもの、切断面を面取りしただけのもの、半円の円弧形状、砲弾形状、筆形状、球形状、チゼル形状、ヘラ形状、そろばん珠形状等が例示される。図4(a)に砲弾形状、図4(b)に筆形状、図4(c)に球形状、図4(d)チゼル形状、図4(e)にヘラ形状、図4(f)にそろばん珠形状の先端部分の形状を示す。
吸液芯2の先端部分以外の部分の断面は、好ましくは円形であるが、楕円形、矩形、多角形であってもよい。以下、円形の場合について説明する。
吸液芯2の長さは、吸液芯2が把持部3全体で被覆されている場合は、吸液スティック1の長さと等しくなる。その場合、トロカールへ出し入れ可能な長さであればよいが、300mm~600mmの範囲が好ましく、350mm~500mmの範囲がより好ましい。また、吸液芯2が把持部3の先端側のみに装着されている場合は、吸液スティックの長さより短くなる。その場合、吸液芯2の長さは、血液等の体液を十分に吸液可能な程度の体積となるような長さであればよいが、3mm~100mmの範囲が好ましく、5mm~80mmの範囲がより好ましい。
把持部3は、術者が吸液スティック1を把持する部分である。把持部3は吸液芯2を被覆するため、吸い取った血液等の体液が染み出しにくいように、また、吸液芯2を固定するように、さらには術者が持ちやすいように構成される。
また、把持部3は、金属やセラミック材料を用いて形成してもよい。金属やセラミック材料の把持部3は、吸液芯2にそのまま被覆してもよいし、圧着被覆、熱による溶着被覆、接着剤による接着被覆を行ってもよい。
図3(a)に示されるような、把持部3が略管状になっている吸液スティック1の製造方法は、以下のとおりである。上述した吸液芯2の材料を用いて略棒状の吸液芯部材を作製し、該吸液芯部材全体の外周を上述した把持部3の材料である熱可塑性樹脂で被覆し、所定の長さに切断し、熱可塑性樹脂で被覆された吸液芯2の先端部分を研削して吸液芯2を露出させ、露出した吸液芯2の先端部分を所定の形状に加工する。
なお、吸液芯部材全体の外周を熱可塑性樹脂で被覆する際に、加熱して溶着被覆することがより好ましい。吸液芯2が把持部3により確実に固定され、吸液スティック1の制御がしやくす操作性が向上する。また、圧着、接着剤による接着被覆を行ってもよい。
図3(b)に示されるような、把持部3の長さ方向の先端側が吸液芯2の外周を被覆し、それ以外の部分は中実状になっている吸液スティックの製造方法は、以下のとおりである。上述した吸液芯2の材料を用いて略棒状の吸液芯部材を作製し、該吸液芯部材を所定の長さに切断し、加工前吸液芯の先端部分を所定の形状に加工し、熱可塑性樹脂で挿入孔を有する把持部3を成形し、該挿入孔に加工された吸液芯2を挿入し加熱して溶着、または接着剤による接着、または圧着により装着する。
吸液芯2は、把持部3の先端部分に溶着被覆、接着被覆、または圧着被覆されて固定されるため、吸液スティック1の制御がしやくす操作性が向上する。
吸液方法は、以下のとおりである。上記吸液スティック1又は上記吸液スティックの製造方法で製造した吸液スティック1を、トロカールに差し込むステップと、吸液スティック1の吸液芯2の先端部分を体液に接触させ、吸い取るステップと、使用後の吸液スティック1をトロカールから取り出すステップを含む。
なお、吸液スティック1の吸液芯2の先端部分を体液に接触させ、吸い取るステップは、トロカールから吸液スティック1を出し入れすることなく、吸液芯2が吸液しなくなるまで反復して行うことができる。吸液芯2は、血液等の体液を吸収しても膨張することもなく、また、曲がったり撓ったりしないためである。
また、吸液スティック1は吸液芯2が把持部3に被覆され固定されているため、トロカールに差し込むときに、引っ掛かり(抵抗)も少ない。
図1に実施例1の吸液スティック1を示す。図1(a)は全体の写真、図1(b)は先端部分の写真、図1(c)は概略図である。
吸液芯2は、ポリエステル(3.3dtex)に低融点ポリエステル(2.2dtex)を50:50で混合し、加熱し、低融点ポリエステルで融着したものである。吸液芯2の先端部分以外のサイズは、外径3.9mm、長さ400mmである。
把持部3の材料には、ポリアセタールを用いた。厚みは0.4mmで、上記吸液芯2を溶着被覆した。該把持部3の被覆により、吸い取った血液等の体液が染み出ず、吸液芯2は固定され、また、術者が持ちやすい吸液スティックとなった。
先端部から10mmの位置までの先端部分を切削し、吸液芯2を露出させ、外径3.2mmに加工し、その後、先端部を円弧状に加工した。吸液スティック1の先端部分以外の外径は4.7mm、吸液スティック1の長さは400mmである。なお、先端部から8mm~10mmの部分は傾斜するように加工されている。
吸液芯2の体積は、4776mm3である。
表1に、実施例1につき、吸液芯2のSEM写真を含めて特徴を示した。
図2に実施例2の吸液スティック1を示す。図2(a)は全体の写真、図2(b)は先端部分の写真、図2(c)は概略図である。
吸液芯2は、ポリエステル(3.3dtex)に低融点ポリエステル(2.2dtex)を50:50で混合し、加熱し、低融点ポリエステルで融着したものである。吸液芯2の先端部分以外のサイズは、外径6.8mm、長さ400mmである。
把持部3の材料には、ポリアセタールを用いた。厚みは0.25mmで、上記吸液芯2を溶着被覆した。該把持部3の被覆により、吸い取った血液等の体液が染み出ず、吸液芯2は固定され、また、術者が持ちやすい吸液スティックとなった。
先端部から10mmの位置までの先端部分を切削し、吸液芯2を露出させ、外径6.1mmに加工し、その後、先端部を円弧状に加工した。吸液スティック1の先端部分以外の外径は7.3mm、吸液スティック1の長さは400mmである。なお、先端部から8mm~10mmの部分は傾斜するように加工されている。
吸液芯2の体積は、14519mm3である。
表1に、実施例2につき、吸液芯2のSEM写真を含めて特徴を示した。
ガーゼを折り曲げた状態の従来の吸液器具を比較例1とした。ガーゼは綿(2.6dtex)である。ガーゼのサイズは外径5.0mm、長さは65mmであり、ガーゼの体積は1275mm3である。
表1に、比較例1につき、ガーゼのSEM写真を含めて特徴を示した。
繊維をスティックに巻き付けた、従来の吸液器具を比較例2とした。吸収体となる繊維は綿(2.2dtex)である。繊維のサイズは外径5.1mm、長さは10mmであり、繊維の体積は185mm3である。繊維が巻き付けられている部分のスティック(中心棒)のサイズは、外径2.0mm、長さ6mmである。全体としては、外径4.7mm、長さ405mmである。
表1に、比較例2につき、繊維のSEM写真を含めて特徴を示した。
繊維を織り込んだ布をスティックに巻き付けた、従来の吸液器具を比較例3とした。吸収体となる布の繊維は綿(2.2dtex)である。布のサイズは外径5.0mm、長さは13mmであり、布の体積は227mm3である。布が巻き付けられている部分のスティック(中心棒)のサイズは、外径2.0mm、長さ9mmである。全体としては、外径5.0mm、長さ455mmである。
表1に、比較例3につき、布のSEM写真を含めて特徴を示した。
実施例1、2、比較例1~3を用いて、血液吸液試験を行った。電気メスで一度に滲出する血液の量を参考にし、0.05gの血液を5秒で吸い上げられるかの確認を行い、吸い上げられた場合は○、吸い上げられなかった場合は×として評価した。0.05gの血液を5秒で吸い上げられなくなるまで、繰り返し評価を行った。
なお、実際の手術においては、一度血液をぬぐってから、次にぬぐうまでに時間の間隔が開くため、本血液吸液試験では5分ごとに吸液を繰り返し、n=1で行った。
実施例1では6回の吸液操作が可能であり合計0.37gの血液を吸い上げることができ、実施例2では13回の吸液操作が可能であり合計0.69gの血液を吸い上げることができた。
一方、比較例2、3では、1回目の0.05gすら吸い上げることができなかった。なお、比較例1では少なくとも15回の吸液操作が可能であり、15回までに合計0.75gの血液を吸い上げることが確認できた。
実施例1、2、比較例1~3を用いて、操作性を確認した。ピンポイントで狙った患部から滲出した血液に触れることができた場合は○、できなかった場合は×として評価した。
実施例1、2及び比較例2、3では操作性はよかった。一方、比較例1ではピンポイントで狙った患部から滲出した血液にガーゼを触れることができず操作性がよくなかった。
実施例1、2、比較例1~3を用いて、先端撓り量の測定を行った。吸液スティック等の吸液器具の先端部から8mmの位置から後端側を水平に固定し、吸液スティックの長手方向に対して垂直方向に1Nの力をかけた場合に撓った量(mm)を測定した。n=10で行った。
実施例1、2及び比較例2、3では上記測定条件では撓り量は0mmであり、撓らないことが分かった。
一方、比較例1では、先端の折り曲げたガーゼが柔らかすぎて、撓り量を測定できないほど撓ることが分かった。
2 吸液芯
3 把持部
Claims (7)
- 吸液芯と、
把持部と、
を備え、
前記吸液芯は、先端部分以外の外周を前記把持部で被覆された、吸液スティック。 - 前記吸液芯は、多孔質体である、請求項1に記載の吸液スティック。
- 前記把持部は、熱可塑性樹脂である、請求項1又は2に記載の吸液スティック。
- 前記吸液芯の先端部分は、所定の形状を有する、請求項1~3いずれか一項に記載の吸液スティック。
- 略棒状の吸液芯部材を作製するステップと、
前記作製された吸液芯部材の外周を熱可塑性樹脂で被覆するステップと、
前記熱可塑性樹脂で被覆された吸液芯部材を所定の長さに切断し、熱可塑性樹脂で被覆された吸液芯を作製するステップと、
前記熱可塑性樹脂で被覆された吸液芯の先端部分を研削して吸液芯を露出させ、前記露出した吸液芯の先端部分を所定の形状に加工するステップと、
を含む、吸液スティックの製造方法。 - 略棒状の吸液芯部材を作製するステップと、
前記作製された吸液芯部材を所定の長さに切断して加工前吸液芯を作製し、前記加工前吸液芯の先端部分を所定の形状に加工して吸液芯を作製するステップと、
熱可塑性樹脂で、挿入孔を有する把持部を成形するステップと、
前記挿入孔に前記加工された吸液芯を挿入し、装着するステップと、
を含む、吸液スティックの製造方法。 - 請求項1~4いずれか一項に記載の吸液スティック、又は、請求項5又は6に記載の吸液スティックの製造方法で製造した吸液スティックを、トロカールに差し込むステップと、
前記吸液スティックの吸液芯の先端部分を体液に接触させ、吸い取るステップと、
前記吸液スティックをトロカールから取り出すステップと、
を含む、吸液方法。
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-
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