JP2022017904A - ディスペンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスペンスの高速化に有効なディスペンサを提供する。【解決手段】ディスペンサ1は、プランジャ100と、軸線L1に沿って前進・後退するようにプランジャ100を案内するガイドブロック200と、先端面101の前進・後退に応じて液体を吐出・吸入するディスペンス部300と、プランジャ100を前進・後退させる駆動部400と、を備え、ディスペンス部300は、先端面101を包囲して収容室319を構成する包囲部310と、先端面101に対向するノズルユニット340と、包囲部310とプランジャ100との間をシールするプランジャシール352と、を有し、ノズルユニット340は液体を収容室319外に送り出す流出口343を含み、包囲部310は液体を収容室内に受け入れる流入口323を含み、流入口323は、プランジャシール352とノズルユニット340との間においてノズルユニット340寄りに位置している。【選択図】図3

Description

本開示は、ディスペンサに関する。
特許文献1には、液体貯留部およびプランジャガイド内に導入された加圧液体に対し、上部よりプランジャを往復駆動させることにより、先端ノズルから液体を所定量吐出させる液体吐出バルブが開示されている。この液体吐出バルブは、プランジャの摺動方向に対しプランジャ駆動部の摺動方向がずれていても、プランジャの摺動方向に影響させないように、プランジャとプランジャ駆動部の摺動体との間に連結部を有する。
特開2014-163372号公報
本開示は、ディスペンスの高速化に有効なディスペンサを提供することを目的とする。
本開示の一側面に係るディスペンサは、プランジャと、プランジャの先端面と基端面とに交差する軸線に沿って前進・後退するようにプランジャを案内するガイド部と、先端面の前進・後退に応じて液体を吐出・吸入するディスペンス部と、プランジャを前進・後退させる駆動部と、を備え、ディスペンス部は、軸線まわりにプランジャの先端面を包囲して収容室を構成する包囲部と、軸線に沿ってプランジャの先端面に対向する端部と、収容室を挟んで端部と対向し、包囲部とプランジャとの間をシールするシール部と、を有し、端部は収容室内に開口し液体を収容室外に送り出す流出口を含み、包囲部は収容室内に開口し液体を収容室内に受け入れる流入口を含み、流入口は、シール部と端部との間において端部寄りに位置している。
このディスペンサによれば、プランジャが後退する期間(以下、「後退期間」という。)の初期において流入口が開放されるので、収容室内への液体の迅速な吸入が可能になる。また、プランジャの後退につれて流入口の開口面積が大きくなるので、より迅速な吸入が可能となる。更に、プランジャが前進する期間(以下、「前進期間」という。)において、プランジャの前進につれて流入口の開口面積が小さくなるので、流入口への圧力の逃げを抑制し、液体を流出口から迅速に送り出すことができる。従って、ディスペンスの高速化に有効である。
流入口から端部までの距離が、プランジャの先端面の最大ストロークの半分以下であってもよい。この場合、より迅速な液体の吸入が可能となる。
プランジャの先端面の最大ストロークの大半が流入口と重複していてもよい。この場合、より迅速な液体の吸入が可能となる。
端部は、収容室外に開放された吐出口と、逆止弁を介さずに流入口と吐出口とを接続する吐出流路とを更に含んでいてもよい。この場合、逆止弁の抵抗がないため液体をより迅速に送り出すことができる。また、液体を吸入する際には、流入口が早期に開くため、逆止弁がなくても流出口における液体の引き込みを抑制することができる。
駆動部は、基端面を収容するシリンダと、シリンダ内を軸線に沿って並ぶ第1空間と第2空間とに区画するようにプランジャに設けられ、第1空間の加圧に応じてプランジャを前進させ、第2空間の加圧に応じてプランジャを後退させるピストンと、駆動電力の供給がない場合に第1空間を加圧し、駆動電力の供給がある場合に第2空間を加圧するピストン駆動部と、を有していても良い。この場合、制御系の不具合により駆動電力が供給されない場合であっても、加圧が継続される限りシリンダを前進限界位置に保持し、流出口からの液体の漏出を抑制することができる。従って、ディスペンスの高速化と信頼性向上との両立に有効である。
ピストン駆動部は、加圧源の圧力により第1空間又は第2空間を加圧し、ディスペンサは、プランジャに対し、前進方向に向かって反発力を付与するスプリングと、スプリングによる反発力の付与を、加圧源の圧力により解除する解除部と、を更に備えていてもよい。この場合、加圧源の圧力が供給されている場合には、スプリングによるピストンへの反発力の付与を解除してピストンの高速摺動を可能とし、加圧源の圧力が供給されない場合には、スプリングの反発力によってプランジャを前進限界位置に保持することができる。これにより、流出口からの液体の漏出をより確実に抑制することができる。
ディスペンサは、収容室外から流入口に液体を圧送する圧送部と、圧送部が液体に付与する圧力を調節する圧力調節部と、を更に備えていてもよい。この場合、プランジャの前進・後退による加圧・減圧と、圧送部による加圧との関係を適正化し、ディスペンスを更に高速化することができる。
本開示によれば、ディスペンスの高速化に有効なディスペンサを提供することができる。
ディスペンサの構成を例示する模式図である。 ポンプユニットを例示する斜視図である。 III-III線に沿う断面図である。 図3におけるディスペンス部周辺の拡大図である。 図3におけるピストン周辺の拡大図である。 図3における前進規制ユニット周辺の拡大図である。 図3における後退規制ユニット周辺の拡大図である。 図3における閉塞補助ユニット周辺の拡大図である。 包囲部、シリンダ及びアウターキャップの連結部の構成を例示する模式図である。 ピストン駆動部の構成を例示する模式図である。 制御回路のハードウェア構成を例示する模式図である。 制御回路による制御手順を示すフローチャートである。
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〔ディスペンサ〕
図1に示すディスペンサ1は、液体を断続的に吐出する装置である。一例として、ディスペンサ1は、離れた塗布対象に向かって液滴を断続的に飛ばすジェット式のディスペンサである。吐出する液体の具体例としては、接着剤、潤滑剤、ソルダーペースト、フラックス、銀ペースト、試薬等が挙げられる。
ディスペンサ1は、ポンプユニット10と、バレル20と、制御装置30とを有する。
ポンプユニット10は、プランジャをガス(以下、「駆動ガス」という。)により加圧して往復させることで液体の吸入と吐出とを繰り返す。ポンプユニット10は、プランジャに対する駆動ガスの供給方向を駆動電力により切り替えることで、プランジャを往復させる。バレル20は、液体をガス(以下、「圧送ガス」という。)により加圧してポンプユニット10に供給する。制御装置30は、ポンプユニット10に上記駆動ガス及び駆動電力を供給し、バレル20に上記圧送ガスを供給する。以下、ポンプユニット10、バレル20、及び制御装置30の構成を詳細に説明する。
(ポンプユニット)
図2及び図3に示すように、ポンプユニット10は、プランジャ100と、ガイドブロック200と、ディスペンス部300と、駆動部400と、前進規制ユニット700と、後退規制ユニット500と、閉塞補助ユニット600とを有する。
プランジャ100は、例えばステンレス、チタン合金、又は超硬合金等の金属材料により形成された棒状部材であり、先端面101と基端面102とを有する。以下、プランジャ100の先端面101が面する方向を「前進方向」といい、当該方向への移動を「前進」という。また、プランジャ100の基端面102が面する方向を「後退方向」といい、当該方向への移動を「後退」という。
プランジャ100は、その外周にフランジ130を有する。フランジ130は、前面131と、後面132とを有する。前面131は前進方向に面し、後面132は後退方向に面している。フランジ130は、先端面101と基端面102との間において、基端面102寄りに位置している。例えば、先端面101から前面131までの距離は、基端面102から後面132までの距離よりも長い。
ガイドブロック200(ガイド部)は、先端面101と基端面102とに交差(例えば直交)する軸線L1(例えばプランジャ100の中心軸線)に沿って前進・後退するようにプランジャ100を案内する。ガイドブロック200は、例えばフッ素系樹脂又はエンジニアリングプラスチック材料により形成された円柱状のブロック材であり、先端面213と基端面214とを有する。先端面213は前進方向に面し、基端面214は後退方向に面している。
ガイドブロック200は、軸線L1に沿って先端面213と基端面214との間を貫通するガイド孔215を有する。ガイド孔215には、基端面214から先端面213に向かってプランジャ100が挿入され、先端面213より前方にプランジャ100の先端部(先端面101及びその近傍部分)が突出し、基端面214より後方にプランジャ100のフランジ130が配置される。ガイド孔215との嵌合によって、プランジャ100は、軸線L1に沿って前進・後退するように案内される。
ガイドブロック200の先端部(先端面213及びその近傍部分)の外周面には先端嵌合部211が形成されている。ガイドブロック200の基端部(基端面214及びその近傍部分)の外周面には基端嵌合部212が形成されている。
ディスペンス部300は、プランジャ100の先端部(先端面101及びその近傍部分)を収容し、先端面101の前進・後退に応じて液体を吐出・吸入する。図4に拡大して示すように、例えばディスペンス部300は、包囲部310と、ノズルユニット340と、ノズルシール351と、ノズルホルダ360と、プランジャシール352と、バレル取り付け部380とを有する。
包囲部310は、軸線L1まわりに先端面101を包囲して収容室319を構成する。包囲部310は、例えばステンレス又はアルミ合金等の金属材料により形成されたブロック材であり、先端面311と、基端面312とを含む。先端面311は前進方向に面し、基端面312は後退方向に面している。
先端面311には、軸線L1を中心とする円形の凹部313が形成されており、凹部313の底面には、軸線L1を中心とする円形の凹部314が更に形成されている。基端面312には、軸線L1を中心とする円形の凹部316が形成されており、凹部316の底面には、軸線L1を中心とする円形の凹部317が更に形成されている。包囲部310は、軸線L1に沿って凹部314の底面315と、凹部317の底面318との間を貫通する円形の貫通孔321を更に含む。貫通孔321は収容室319を構成し、プランジャ100の先端部を収容する。
包囲部310は、流入口323と、吸入口324と、流入流路325とを更に含む。流入口323は、収容室319内に開口し液体を収容室319内に受け入れる。例えば流入口323は、貫通孔321の内周面に開口している。吸入口324は、包囲部310の外周面に開口している。
流入流路325は、吸入口324と流入口323とを連通させるように包囲部310内に形成されている。例えば流入流路325は、包囲部310の外周面と貫通孔321の内周面との間を貫通する円形の貫通孔により形成されており、貫通孔321の内周面における流入流路325の開口が流入口323を形成し、包囲部310の外周面における流入流路325の開口が吸入口324を形成している。流入流路325は、軸線L1から遠ざかるにつれて先端面311から遠ざかるように、軸線L1に垂直な面に対し傾いている。このため、流入口323及び吸入口324は、軸線L1に沿って延びた楕円形状を呈している。
包囲部310の先端部(先端面311及びその近傍部分)の外周面には、ホルダ取り付け部331が形成されている。ホルダ取り付け部331の外周は、吸入口324が形成された包囲部310の外周面よりも内側に位置している。上述のとおり、流入流路325が、軸線L1から遠ざかるにつれて先端面311から遠ざかるように傾いていることにより、ホルダ取り付け部331の外周面と流入流路325との干渉が避けられている。
ノズルユニット340(端部)は、軸線L1に沿ってプランジャ100の先端面101に対向する。ノズルユニット340は、流出口343と、吐出口344と、吐出流路345とを含む。流出口343は、収容室319内に開口し液体を収容室319外に送り出す。吐出口344は、収容室319外に開放されている。吐出流路345は、逆止弁を介さずに流出口343と吐出口344とを接続する。
例えばノズルユニット340は、ノズルベース341と、ノズル342とを有する。ノズルベース341は、例えばフッ素系樹脂又はエンジニアリングプラスチック材料により形成された円板状の部分であり、凹部314内に嵌め込まれる。ノズルベース341は、軸線L1に沿った貫通孔346を含む。ノズル342は、例えばステンレス又はアルミ合金により形成された細管であり、貫通孔346に通された状態でノズルベース341に固定されている。ノズル342の内腔は吐出流路345を構成し、後退方向へのノズル342の開口は流出口343を構成し、前進方向へのノズル342の開口は吐出口344を構成する。
ノズルシール351は、ノズルユニット340と包囲部310との間をシールする。例えばノズルシール351はゴム材料等により形成された環状シール材(例えばOリング)であり、ノズルベース341を囲んだ状態で凹部313内に収容される。
ノズルホルダ360は、ノズルユニット340を保持して包囲部310に取り付けられる。例えばノズルホルダ360は、ステンレス又はアルミ合金等の金属材料により形成された部材であり、カバープレート361と、周壁363とを有する。カバープレート361は、包囲部310の先端面311を覆う。カバープレート361の中心部には開口362が形成されている。カバープレート361は、ノズル342が開口362に通された状態で、ノズルベース341及びノズルシール351を前進方向から保持する。周壁363は、カバープレート361の外周から後退方向に隆起してホルダ取り付け部331を囲む。
周壁363は、ホルダ取り付け部331に取り付けられる。例えば、ホルダ取り付け部331の外周にはおねじ332が形成され、周壁363の内周にはおねじ332に対応するめねじ364が形成され、めねじ364に対するおねじ332のねじ込みによって周壁363がホルダ取り付け部331に取り付けられる。めねじ364に対しおねじ332がねじ込まれることによって、カバープレート361は先端面311に近接し、ノズルベース341及びノズルシール351を後退方向に圧する。カバープレート361が先端面311に近接するにつれ、ノズルシール351が潰されることによって、ノズルユニット340と包囲部310との間のシールが強化される。更に、ノズルシール351によって、包囲部310の中心とノズルユニット340の中心とのずれが抑制される。
プランジャシール352(シール部)は、収容室319を挟んでノズルユニット340と対向し、包囲部310とプランジャ100との間をシールする。例えばプランジャシール352は、樹脂材料等により形成された環状シール材であり、プランジャ100の先端部を囲んだ状態で凹部317に収容される。
包囲部310の凹部316には、ガイドブロック200が収容される。ガイドブロック200の先端嵌合部211は凹部317に挿入され、凹部317の底面318との間にプランジャシール352を挟む。これにより、プランジャシール352が凹部317内に保持される。
バレル取り付け部380は、包囲部310の吸入口324とバレル20とを接続する。例えばバレル取り付け部380は、支持アーム381と、取り付け口金382(図3参照)とを有する。支持アーム381は、包囲部310の外周のうち、吸入口324が形成された部分から外方(軸線L1から遠ざかる方向)に突出している。取り付け口金382は、吸入口324の端部から後退方向に突出しており、バレル20から送り出された液体を受け入れる。支持アーム381内には、取り付け口金382内と吸入口324とを連通させる中継流路383が形成されている。
このように構成されたディスペンス部300においては、プランジャシール352が包囲部310とプランジャ100との間をシールすることにより、流入口323及び流出口343以外において、収容室319が実質的に密封される。このため、プランジャ100の先端面101の前進・後退により収容室319内の空き容積が変化する。
先端面101が前進すると、収容室319内の空き容積が小さくなり、これに伴い収容室319の内圧が大きくなる。これにより、液体が流入口323及び流出口343の両方から流出しようとするが、流入口323にはバレル20による圧力が加えられているので、液体は流出口343から流出し、吐出口344から吐出される。先端面101が後退すると、収容室319内の空き容積が大きくなり、これに伴い収容室319の内圧が小さくなる。これにより、液体が流入口323から流入する。
吐出流路345における液体の挙動は、先端面101の後退による減圧と、バレル20による加圧との関係(以下、「圧力関係」という。)による。例えば、プランジャ100が後退する期間(以下、「後退期間」という。)の少なくとも一部において、収容室319の内圧が収容室319外の圧力(例えば大気圧)以下となるように圧力関係が調節されている場合、後退期間の少なくとも一部において吐出口344からの液体の吐出が停止する。
ここで、流入口323は、プランジャシール352とノズルユニット340との間においてノズルユニット340寄りに位置していてもよい。流入口323からノズルユニット340までの距離(図4中の距離D1)が、プランジャ100の先端面101の最大ストロークH1の半分以下であってもよい。最大ストロークH1は、最も後退した位置から最も前進した位置までの距離である。
最大ストロークH1の大半が流入口323と重複していてもよい。例えば、軸線L1に沿う方向における流入口323の開口高さH2は最大ストロークH1の半分以上であり、プランジャ100が最も後退した状態においては先端面101が流入口323よりも後退方向に位置し、プランジャ100が最も前進した状態においては先端面101が流入口323よりも前進方向に位置する。この場合、後退期間の初期において流入口323が開放されるので、収容室319内への液体の迅速な吸入が可能となる。また、後退期間の大半において、後退につれて流入口323の開口面積が大きくなるので、より迅速な吸入が可能となる。更に、プランジャ100が前進する期間の大半において、前進につれて流入口323の開口面積が小さくなるので、流入口323への圧力の逃げを抑制し、液体を流出口343から迅速に送り出すことができる。
駆動部400は、プランジャ100の基端部を上記駆動ガスにより前進・後退させる。図5に拡大して示すように、例えば駆動部400は、シリンダ410と、ピストン450と、外シール471と、内シール472と、ピストン駆動部480とを有する。
シリンダ410は、プランジャ100の基端部を収容する。シリンダ410は、例えばステンレス又はアルミ合金等の金属材料により形成された筒状部材であり、先端面411と基端面412とを有する(図3参照)。先端面411は前進方向に面し、基端面412は後退方向に面している。シリンダ410は、前進方向から後退方向に順に並ぶ第2加圧孔432と第1加圧孔431とを有する。第2加圧孔432と第1加圧孔431とは、それぞれシリンダ410の内周面と外周面との間を貫通している。
シリンダ410がプランジャ100の基端部を収容した状態で、シリンダ410の先端部(先端面411及びその近傍部分)はディスペンス部300に接続される。例えばシリンダ410の先端部は、ガイドブロック200の基端嵌合部212に嵌合し、凹部316の周囲において包囲部310に接続される。
ピストン450は、シリンダ410内を軸線L1に沿って第1空間413と第2空間414とに区画するようにシリンダ410に設けられる。第1空間413は、ピストン450よりも後退方向に位置する空間であり、第2空間414はピストン450よりも前進方向に位置する空間である。ピストン450は、第1空間413の加圧に応じてプランジャ100を前進させ、第2空間414の加圧に応じてプランジャ100を後退させる。
ピストン450は環状であり、プランジャ100の外周面と、シリンダ410の内周面との間において、シリンダ410内を第1空間413と第2空間414とに区画してもよい。例えばピストン450は、ステンレス又はアルミ合金等の金属材料により形成された円環状の板材であり、先端面452と、基端面453と、貫通孔454とを含む。先端面452は前進方向に面し、基端面453は後退方向に面している。貫通孔454は先端面452と基端面453との間を軸線L1に沿って貫通している。貫通孔454の内径は、プランジャ100の基端部の外径よりも大きい。ピストン450の外周面451には、軸線L1まわりの全周に亘って溝部455が形成されている。先端面452には、軸線L1を中心とする凹部456が形成されている。
ピストン450は、軸線L1に垂直な方向への浮動が可能となるようにプランジャ100の基端部に取り付けられる。例えば駆動部400は、保持部461を更に有する。保持部461は、軸線L1に垂直な方向へのピストン450の浮動を許容しつつ、ピストン450をプランジャ100の基端部の外周に保持する。例えば保持部461は、貫通孔454にプランジャ100の基端部が通された状態にて、フランジ130との間にピストン450を挟み込む。
例えばプランジャ100の基端部の外周面には軸線L1まわりの全周に亘って保持溝121が形成されている。ピストン450がフランジ130の後面132に接した状態にて、保持溝121はピストン450よりも後退方向に位置する。保持部461は、例えばC形のスナップリングであり、ピストン450よりも後退方向に位置する保持溝121に嵌め込まれている。これにより、フランジ130と保持部461との間にピストン450が挟まれる。上述のとおり、貫通孔454の内径は、プランジャ100の基端部の外径よりも大きい。このため、貫通孔454の内径とプランジャ100の基端部の外径との差分だけ、軸線L1に垂直な方向へのピストン450の浮動が許容される。
外シール471は、ピストン450と、シリンダ410との間をシールする。例えば外シール471は、ゴム材料等により形成された環状シール材(例えばOリング)であり、溝部455に収容される。外シール471は、溝部455の底面と、シリンダ410の内周面とに接することで、ピストン450とシリンダ410との間をシールする。
内シール472(シール部)は、軸線L1に垂直な方向へのピストン450の浮動を許容しつつ、ピストン450とプランジャ100との間をシールする。例えば内シール472は、ゴム材料等により形成された環状シール材(例えばOリング)であり、プランジャ100を囲んだ状態で凹部456に収容される。内シール472は、凹部456の底面457(環状の第1シール面)と、フランジ130の後面132(第1シール面に対向する環状の第2シール面)とに接してピストン450とプランジャ100との間をシールする。
底面457と後面132とは、軸線L1に交差する(例えば直交する)ので、軸線L1に垂直な方向にピストン450が浮動しても、ピストン450は底面457と後面132とに接した状態に保たれる。このため、ピストン450の浮動性と、ピストン450とプランジャ100との間のシール性との両立が図られる。
ピストン駆動部480は、加圧源の圧力(上記駆動ガスの圧力)が第1空間413に付与される第1状態と、加圧源の圧力が第2空間414に付与される第2状態とを駆動電力の供給に応じて切り替える。例えばピストン駆動部480は、駆動電力の供給がない場合に第1空間413を加圧し、駆動電力の供給がある場合に第2空間414を加圧する。ピストン駆動部480の具体的な構造については後述する。
前進規制ユニット700は、プランジャ100の前進を規制する。例えば前進規制ユニット700は、ガイドブロック200とフランジ130との間に設けられ、フランジ130の前進を規制する。例えば前進規制ユニット700は、第2空間414内に設けられ、シリンダ410の内周面とプランジャ100の外周面との間を密封しつつ、フランジ130の前進を規制する。図6に拡大して示すように、一例として、前進規制ユニット700は、前進規制ブロック710と、外シール721,722と、内シール731,732とを有する。
前進規制ブロック710(前進規制部)は、例えばステンレス又はアルミ合金等の金属材料により形成された円柱状のブロック材であり、先端面711と基端面712とを有する。先端面711は前進方向に面し、基端面712は後退方向に面している。前進規制ブロック710は、軸線L1に沿って先端面711と基端面712との間を貫通するガイド孔713を有する。ガイド孔713には、基端面712から先端面711に向かってプランジャ100が挿入される。前進規制ブロック710の基端面712は、フランジ130の前面131(規制面)と対向してフランジ130の前進を規制する。
前進規制ブロック710の先端部(先端面711及びその近傍部分)の外周面には、軸線L1まわりの全周に亘って溝部714が形成されている。前進規制ブロック710の基端部(基端面712及びその近傍部分)の外周面には、軸線L1まわりの全周に亘って溝部715が形成されている。また、ガイド孔713の内周面には、軸線L1に沿って並ぶ溝部716,717が形成されている。溝部716,717のそれぞれは、軸線L1まわりの全周に亘っている。
外シール721,722は、ゴム材料等により形成された環状シール材(例えばOリング)であり、前進規制ブロック710とシリンダ410との間をシールする。例えば外シール721は前進規制ブロック710を囲んだ状態で溝部714に収容され、溝部714の底面とシリンダ410の内周面とに接して前進規制ブロック710とシリンダ410との間をシールする。外シール722は前進規制ブロック710を囲んだ状態で溝部715に収容され、溝部715の底面とシリンダ410の内周面とに接して前進規制ブロック710とシリンダ410との間をシールする。
内シール731,732は、ゴム材料等により形成された環状シール材(例えばOリング)であり、前進規制ブロック710とプランジャ100との間をシールする。例えば内シール731はプランジャ100を囲んだ状態で溝部716に収容され、溝部716の底面とプランジャ100の外周面とに接して前進規制ブロック710とプランジャ100との間をシールする。内シール732はプランジャ100を囲んだ状態で溝部717に収容され、溝部717の底面とプランジャ100の外周面とに接して前進規制ブロック710とプランジャ100との間をシールする。
ポンプユニット10は、前進限界調節部420を更に有する。前進限界調節部420は、軸線L1に沿う方向においてシリンダ410に対する前進規制ユニット700の位置を調節する。例えば前進限界調節部420は、おねじ718と、めねじ421と、調節窓422とを有する。おねじ718は、溝部714と溝部715との間において前進規制ブロック710の外周に形成される。めねじ421は、シリンダ410の内周面のうち、おねじ718に対応する部分に形成される。前進規制ユニット700は、めねじ421におねじ718がねじ込まれた状態でシリンダ410内に配置される。
調節窓422(図2参照)は、溝部714よりも前進方向の位置において、シリンダ410の内周面と外周面との間を貫通している。調節窓422は、前進規制ブロック710の外周の一部をシリンダ410外に露出させる。これにより、シリンダ410の外部から前進規制ブロック710の外周に軸線L1まわりの操作力を付与し、前進規制ブロック710を軸線L1まわりに回転させることができる。
前進規制ブロック710を回転させることで、めねじ421に対しおねじ718が回転し、前進規制ブロック710が軸線L1に沿って変位する。これにより、シリンダ410に対する前進規制ユニット700の位置が調節される。なお、上述した最大ストロークH1は、前進規制ユニット700が最も前進方向に位置する状態におけるストロークである。
後退規制ユニット500は、プランジャ100の後退を規制する。例えば後退規制ユニット500は、シリンダ410の基端部に接続され、プランジャ100の基端面102の後退を規制する。図7に拡大して示すように、例えば後退規制ユニット500は、アウターキャップ510と、規制ロッド520と、後退限界調節部530と、インナーキャップ540と、外シール551と、内シール552とを有する。
アウターキャップ510は、ステンレス又はアルミ合金等の金属材料により形成された板状部材であり、シリンダ410の基端部を塞ぐ。アウターキャップ510はその中心部に開口511を有する。
規制ロッド520は、ステンレス又はアルミ合金などの金属材料により形成された棒状部材であり、軸線L1に沿って開口511に挿入されている。規制ロッド520は、先端面521と基端面522とを有する。先端面521は前進方向に面し、基端面522は後退方向に面している。先端面521(後退規制部)は、シリンダ410内においてプランジャ100の基端面102に対向し、プランジャ100の後退を規制する。基端面522はシリンダ410の外に位置する。
後退限界調節部530は、シリンダ410外において規制ロッド520を収容する。後退限界調節部530はハンドル531を有し、軸線L1まわりのハンドル531の回転に応じて規制ロッド520を前進・後退させる。これにより、軸線L1に沿う方向における先端面521の位置が調節される。なお、上述した最大ストロークH1は、先端面521が最も後退方向に位置する状態におけるストロークである。
インナーキャップ540と、外シール551と、内シール552とは、シリンダ410内において、シリンダ410と規制ロッド520との間を密封する。例えばインナーキャップ540は、その中心部に貫通孔542を有する。インナーキャップ540は、シリンダ410内に配置され、貫通孔542に規制ロッド520が通された状態でアウターキャップ510に固定されている。
外シール551は、インナーキャップ540の外周面とシリンダ410の内周面とに接してインナーキャップ540とシリンダ410との間をシールする。インナーキャップ540の外周面にはフランジ543が形成されており、外シール551はフランジ543とアウターキャップ510との間に保持されている。
内シール552は、貫通孔542の内周面と規制ロッド520の外周面とに接してインナーキャップ540と規制ロッド520との間をシールする。貫通孔542の内周面には内向きフランジ544が形成されており、内シール552は内向きフランジ544とアウターキャップ510との間に保持されている。
閉塞補助ユニット600は、加圧源の圧力がピストン駆動部480に供給されていない場合に、ピストン450に対し前進方向に向かって反発力を付与し、プランジャ100を限界まで(前面131が前進規制ブロック710に接するまで)前進させた状態を保つ。これにより、プランジャ100の先端面101がノズルユニット340に近接した状態に保たれるので、流出口343が実質的に閉塞した状態に保たれ、流出口343からの液体の漏出が防止される。
例えば閉塞補助ユニット600は、スプリング620と、プッシャー630とを有する。例えばスプリング620は、プランジャ100に対し前進方向に向かって反発力を付与する。例えばスプリング620は、規制ロッド520を囲むコイルスプリングであり、軸線L1方向に沿った圧縮に対する反発力を発生させる。プッシャー630は、スプリング620とピストン450との間に介在し、スプリング620の反発力をピストン450に伝える。この構成において、スプリング620は、プッシャー630を介し、プランジャ100の外周面とシリンダ410の内周面との間においてピストン450に反発力を付与する。
図8に拡大して示すように、プッシャー630は、ステンレス又はアルミ合金等の金属材料により形成された円柱状のブロック材であり、軸線L1に沿った状態でシリンダ410内に配置されている。プッシャー630は、先端面641と、基端面642とを有する。先端面641は前進方向に面し、基端面642は後退方向に面している。基端面642には、軸線L1を中心とする凹部634が形成されている。凹部634にはスプリング620が収容される。スプリング620は、凹部634の底面に反発力を付与する。
先端面641には、軸線L1を中心とする凹部635が形成されており、凹部635の底面には軸線L1を中心とする凹部636が更に形成されている。凹部636の底面と凹部634の底面との間には、軸線L1を中心とする開口637が形成されており、規制ロッド520が開口637に通されている。凹部635の底面と凹部634の底面との間には、複数の通気孔638が形成されている。これにより、ピストン450が配置される空間と、スプリング620が配置される空間との間が連通している。プッシャー630がピストン450に接する際に、凹部635は上記保持部461を受け入れ、凹部636はプランジャ100の基端部を受け入れる。
ポンプユニット10は、解除部440を更に有する。解除部440は、スプリング620によるピストン450への反発力の付与を、加圧源の圧力(例えば上記駆動ガスの圧力)により解除する。このため、加圧源の圧力が供給されている場合には、スプリング620の反発力がピストン450の摺動の抵抗とならず、ピストン450の高速摺動が可能となる。例えば解除部440は、上記第1状態及び第2状態のいずれにおいても加圧源の圧力が付与される第3空間をプッシャー630とシリンダ410との間に形成し、スプリング620による反発力の付与を第3空間の加圧によって解除する。一例として、解除部440は、切替シール651,652と、第3加圧孔443とを有する。
シリンダ410において、プッシャー630を収容する部分の内径は、プッシャー630の先端部(先端面641及びその近傍部分)を収容する部分(以下、「第1収容部441」という。)と、プッシャー630の基端部(基端面642及びその近傍部分)を収容する部分(以下、「第2収容部442」という。)とで異なっている。具体的には、第2収容部442の内径が第1収容部441の内径よりも大きい。第1収容部441の内周面には、軸線L1まわりの全周に亘って溝部444が形成されている。プッシャー630の基端部の外周面には、フランジ631が形成されている。フランジ631の外周面には、軸線L1まわりの全周に亘って溝部633が形成されている。
切替シール651は、プッシャー630と第1収容部441との間をシールする。例えば切替シール651は、ゴム材料等により形成された環状シール材(例えばOリング)であり、プッシャー630の先端部を囲んだ状態で溝部444に収容されている。切替シール651は、溝部444の底面とプッシャー630の外周面とに接してプッシャー630と第1収容部441との間をシールする。
切替シール652は、プッシャー630と第2収容部442との間をシールする。例えば切替シール652は、ゴム材料等により形成された環状シール材(例えばOリング)であり、プッシャー630のフランジ631を囲んだ状態で溝部633に収容されている。切替シール652は、溝部633の底面と第2収容部442の内周面とに接してプッシャー630と第2収容部442との間をシールする。第3加圧孔443は、切替シール651,652の間において、シリンダ410の内周面と外周面との間を貫通している。第3加圧孔443は、上記第1状態及び第2状態のいずれにおいても加圧源に接続される。
以上の構成により、切替シール651と切替シール652との間には、第3加圧孔443以外において密封され、上記第1状態及び第2状態のいずれにおいても加圧源に接続される第3空間445が形成される。第3加圧孔443に加圧源の圧力が付加されると、これに応じ第3空間445を拡大させるように、プッシャー630が切替シール652と共に後退方向に移動する。これにより、プッシャー630がピストン450から離れ、スプリング620によるピストン450への反発力の付与が解除される。上述したように、プッシャー630に形成された複数の通気孔638によって、ピストン450が配置される空間と、スプリング620が配置される空間との間が連通しているので、これら2つの空間の間に圧力差が生じ難い。このため、プッシャー630は、第3空間445の加圧に応じてスムーズに後退する。
以上に説明したプランジャ100と、ガイドブロック200と、ディスペンス部300と、駆動部400と、前進規制ユニット700と、後退規制ユニット500と、閉塞補助ユニット600とは、包囲部310と、シリンダ410と、アウターキャップ510とを連結することによって一体化される。
包囲部310と、シリンダ410と、アウターキャップ510とは、図9に示すように、後退方向からアウターキャップ510に挿入され、包囲部310に達する複数本の貫通ボルト11(締結部材)により連結されていてもよい。この場合、液体を吐出するノズルユニット340の逆側から、貫通ボルト11の取外し作業を行うことができるので、メンテナンス作業性が向上する。
ここで、上述したピストン駆動部480の構成を例示する。図10に示すように、ピストン駆動部480は、加圧ポート481と、排気ポート482,483と、第1流路484と、第2流路485と、第3流路486と、ソレノイドバルブ487と、弾性部材488と、ソレノイド489とを有する。
加圧ポート481は、上記駆動ガスを供給するためのポートである。排気ポート482,483は、シリンダ410内のガスを排出するためのポートである。第1流路484は上記第1加圧孔431に接続された流路であり、第2流路485は上記第2加圧孔432に接続された流路である。第3流路486は加圧ポート481と上記第3加圧孔443とを接続する流路である。
ソレノイドバルブ487は、第1位置と、第2位置との間を移動する。ソレノイドバルブ487は、第1位置にある際に、第1流路484と加圧ポート481とを接続し、第2流路485と排気ポート482とを接続する。以下、この状態を第1状態という。第1状態においては、第1空間413が駆動ガスにより加圧され、第2空間414のガスが排気ポート482から排出され、ピストン450が前進する。
ソレノイドバルブ487は、第2位置にある際に、第2流路485と加圧ポート481とを接続し、第1流路484と排気ポート483とを接続する。以下、この状態を第2状態という。第2状態においては、第2空間414が駆動ガスにより加圧され、第1空間413のガスが排気ポート483から排出され、ピストン450が後退する。
弾性部材488は、第2位置から第1位置に向かう弾性反発力をソレノイドバルブ487に付与する。ソレノイド489は、駆動電力の供給により、第1位置から第2位置に向かう駆動力をソレノイドバルブ487に付与する。このため、ソレノイド489に駆動電力が供給されない状態においては、弾性部材488の弾性反発力によってソレノイドバルブ487が第1位置に配置される。ソレノイド489に駆動電力が供給される状態においては、弾性反発力に抗する駆動力によってソレノイドバルブ487が第2位置に配置される。
このような構成によれば、後述する制御装置30の故障等に起因して駆動電力が供給されない場合であっても、駆動ガスの供給が継続される限りプランジャ100が最も前進した状態に保たれる。これにより、流出口343が実質的に閉塞されるので、液体の漏出が防止される。
第3加圧孔443は、第3流路486により加圧ポート481に直結される。このため、第1状態及び第2状態のいずれにおいても、第3空間445は駆動ガスにより加圧される。従って、駆動ガスが加圧ポート481に供給される限り、スプリング620によるピストン450への反発力の付与が解除され、ピストン450を高速に動作させ易くなる。
制御装置30の故障等に起因して加圧ポート481への駆動ガスの供給が停止する場合には、第3空間445にも駆動ガスが供給されなくなるので、スプリング620によるピストン450への反発力の付与が再開され、プランジャ100が最も前進した状態に保たれる。これにより、流出口343が実質的に閉塞されるので、液体の漏出が防止される。
(バレル)
バレル20(圧送部)は、収容室319外から流入口323に液体を圧送する。図1に示すように、例えばバレル20は、送出口21と、加圧口22とを有する。送出口21は、バレル取り付け部380の取り付け口金382に取り付けられ、取り付け口金382を介して中継流路383に液体を送り出す。加圧口22は、上述した圧送ガスを受け入れる。バレル20は、加圧口22から流入した圧送ガスにより液体を加圧し、送出口21、取り付け口金382、中継流路383、吸入口324、及び流入流路325を経て流入口323に液体を圧送する。
(制御装置)
図10に示すように、制御装置30は、エアー回路40と、制御回路50とを有する。エアー回路40は、ポンプユニット10に駆動ガスを供給し、バレル20に圧送ガスを供給する。例えばエアー回路40は、入力ホース73を介してガス源に接続され、出力ホース71を介してポンプユニット10の加圧ポート481に接続され、出力ホース72を介してバレル20の加圧口22に接続されている。
エアー回路40は、入力ホース73から流入したガス(以下、「入力ガス」という。)の一部を駆動ガスとして出力ホース71に出力し、入力ガスの残りの一部を圧送ガスとして出力ホース72に出力する。エアー回路40は、レギュレータ41と、電空レギュレータ42と、バルブ43と、圧力センサ44,45,46とを有する。
レギュレータ41は、入力ガスの圧力を駆動ガスの供給圧力まで低下させて出力ホース71及び電空レギュレータ42に出力する。電空レギュレータ42は、レギュレータ41により低下した圧力を更に圧送ガスの供給圧力まで低下させて出力ホース72に出力する。
電空レギュレータ42は、制御指令に従って、圧送ガスの供給圧力を変更する。バルブ43は、例えばソレノイドバルブであり、制御指令に従って、電空レギュレータ42と出力ホース72との間を開閉する。
圧力センサ44は、電空レギュレータ42を通過する前の入力ガスの圧力を検出する。圧力センサ45は、電空レギュレータ42と出力ホース71との間における駆動ガスの圧力を検出する。圧力センサ46は、電空レギュレータ42とバルブ43との間における圧送ガスの圧力を検出する。
制御回路50は、エアー回路40を制御する。また、制御回路50はケーブル74を介してピストン駆動部480に接続され、ピストン駆動部480を制御する。例えば制御回路50は、機能上の構成(以下、「機能ブロック」という。)として、圧力監視部51と、バレル圧力制御部52と、吐出制御部53とを有する。
圧力監視部51(圧力調節部)は、バレル20が液に付与する圧力を調節する。例えば圧力監視部51は、バルブ43の開閉により、圧送ガスの供給と停止を切り替える。バレル圧力制御部52は、圧送ガスの供給圧力を目標圧力に追従させるように電空レギュレータ42を制御する。目標圧力は、例えばユーザの設定入力に基づき定められる。設定入力は、後述の入力デバイス66により取得される。吐出制御部53は、所定の周期で上記第1状態と第2状態とを切り替えることを所定期間繰り返すように、ピストン駆動部480に駆動電力を供給する。例えば吐出制御部53は、上位コントローラ80からの吐出指令に従ってピストン駆動部480に駆動電力を供給する。吐出指令は、例えば上記所定の周期及び所定期間を含む。
図11は、制御回路50のハードウェア構成を例示するブロック図である。図11に示すように、制御回路50は、一つまたは複数のプロセッサ61と、メモリ62と、ストレージ63と、入出力ポート64と、表示デバイス65と、入力デバイス66と、通信ポート67とを含む。なお、図においては一つのプロセッサ61を図示しているが、制御回路50は複数のプロセッサ61を有してもよい。この場合、制御回路50はプロセッサ61ごとにメモリ62及びストレージ63を有してもよい。
ストレージ63は、例えば不揮発性の半導体メモリ等、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を有する。ストレージ63は、上記各機能ブロックを制御回路50に構成させるためのプログラムを記憶している。メモリ62は、ストレージ63の記憶媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ61による演算結果を一時的に記憶する。メモリ62は、例えばランダムアクセスメモリである。プロセッサ61は、メモリ62と協働して上記プログラムを実行することで、制御回路50の各機能ブロックを構成する。入出力ポート64は、プロセッサ61からの指令に従って、バルブ43、圧力センサ44,45,46及びソレノイドバルブ487との間で電気信号の入出力を行う。表示デバイス65は、例えば液晶パネル又は有機ELパネルを含み、プロセッサ61からの指令に従ったインタフェース画像を表示する。入力デバイス66は、例えば入力キーを含み、入力キーへの入力(キー入力)を取得する。表示デバイス65及び入力デバイス66は、タッチパネル33として一体化されていてもよい(図1参照)。通信ポート67は、プロセッサからの指令に従って、上位コントローラ80との間で情報通信を行う。
制御回路50は、必ずしもプログラムにより各機能を構成するものに限られない。例えば制御回路50は、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により少なくとも一部の機能を構成してもよい。
〔制御手順〕
以下、制御回路50による制御手順を例示する。図12に示すように、制御回路50は、まずステップS01,S02を実行する。ステップS01では、圧力監視部51が、圧力センサ44,45,46による圧力の検出結果を取得する。ステップS02では、圧力センサ44,45,46による圧力の検出結果が正常範囲であるかを圧力監視部51が確認する。
ステップS02において圧力の検出結果が正常範囲でないと判定した場合、制御回路50はステップS21を実行する。ステップS21では、圧力監視部51が上位コントローラ80にエラーを通知する。その後、制御回路50は制御手順を終了する。
ステップS02において圧力の検出結果が正常範囲であると判定した場合、制御回路50はステップS03,S04を実行する。ステップS03では、バレル圧力制御部52が、バルブ43を開いてバレル20への圧送ガスの供給を開始する。ステップS04では、吐出制御部53が、上位コントローラ80等からの吐出指令の有無を確認する。
ステップS04において吐出指令があると判定した場合、制御回路50はステップS05を実行する。ステップS05では、吐出制御部53が、吐出指令に従って液体の吐出と吸入とを繰り返すように、ピストン駆動部480に駆動電力を供給する。
次に、制御回路50は、ステップS06,S07を実行する。ステップS04において吐出指令がないと判定した場合、制御回路50は、ステップS05を実行することなくステップS06,S07を実行する。ステップS06では、圧力監視部51が、圧力センサ44,45,46による圧力の検出結果を取得する。ステップS07では、圧力センサ44,45,46による圧力の検出結果が正常範囲であるかを圧力監視部51が確認する。
ステップS07において圧力の検出結果が正常範囲であると判定した場合、制御回路50はステップS08を実行する。ステップS08では、バレル圧力制御部52が、上位コントローラ80から制御停止指令を受信しているかを確認する。
ステップS08において制御停止指令を受信していないと判定した場合、制御回路50は処理をステップS04に戻す。以後、圧力センサ44,45,46の検出結果に異状が生じるか、上位コントローラ80から制御停止指令を受信するまでは、吐出指令に応じてポンプユニット10に液体を吐出させる制御が繰り返される。
ステップS07において圧力の検出結果が正常範囲でないと判定した場合、制御回路50はステップS11を実行する。ステップS11では、圧力監視部51が上位コントローラ80にエラーを通知する。
ステップS08において制御停止指令を受信していると判定した場合、又はステップS11の後、制御回路50はステップS12を実行する。ステップS12では、バレル圧力制御部52が、バルブ43を閉じてバレル20への圧送ガスの供給を停止する。その後、制御回路50は制御手順を終了する。
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、ディスペンサ1は、プランジャ100と、プランジャ100の先端面101と基端面102とに交差する軸線L1に沿って前進・後退するようにプランジャ100を案内するガイドブロック200と、先端面101の前進・後退に応じて液体を吐出・吸入するディスペンス部300と、プランジャ100を前進・後退させる駆動部400と、を備え、ディスペンス部300は、軸線L1まわりにプランジャ100の先端面101を包囲して収容室319を構成する包囲部310と、軸線L1に沿ってプランジャ100の先端面101に対向するノズルユニット340と、収容室319を挟んでノズルユニット340と対向し、包囲部310とプランジャ100との間をシールするプランジャシール352と、を有し、ノズルユニット340は収容室319内に開口し液体を収容室319外に送り出す流出口343を含み、包囲部310は収容室319内に開口し液体を収容室内に受け入れる流入口323を含み、流入口323は、プランジャシール352とノズルユニット340との間においてノズルユニット340寄りに位置している。
このディスペンサ1によれば、プランジャ100が後退する期間(以下、「後退期間」という。)の初期において流入口323が開放されるので、収容室319内への液体の迅速な吸入が可能になる。また、プランジャ100の後退につれて流入口323の開口面積が大きくなるので、より迅速な吸入が可能となる。更に、プランジャ100が前進する期間(以下、「前進期間」という。)において、プランジャ100の前進につれて流入口323の開口面積が小さくなるので、流入口323への圧力の逃げを抑制し、液体を流出口343から迅速に送り出すことができる。従って、ディスペンスの高速化に有効である。
流入口323からノズルユニット340までの距離が、プランジャ100の先端面101の最大ストロークH1の半分以下であってもよい。この場合、より迅速な液体の吸入が可能となる。
プランジャ100の先端面101の最大ストロークH1の大半が流入口323と重複していてもよい。この場合、より迅速な液体の吸入が可能となる。
ノズルユニット340は、収容室319外に開放された吐出口344と、逆止弁を介さずに流入口323と吐出口344とを接続する吐出流路345とを更に含んでいてもよい。この場合、逆止弁の抵抗がないため液体をより迅速に送り出すことができる。また、液体を吸入する際には、流入口323が早期に開くため、逆止弁がなくても流出口343における液体の引き込みを抑制することができる。
駆動部400は、基端面102を収容するシリンダ410と、シリンダ410内を軸線L1に沿って並ぶ第1空間413と第2空間414とに区画するようにプランジャ100に設けられ、第1空間413の加圧に応じてプランジャ100を前進させ、第2空間414の加圧に応じてプランジャ100を後退させるピストン450と、駆動電力の供給がない場合に第1空間413を加圧し、駆動電力の供給がある場合に第2空間414を加圧するピストン駆動部480と、を有していても良い。この場合、制御系の不具合により駆動電力が供給されない場合であっても、加圧が継続される限りシリンダ410を前進限界位置に保持し、流出口343からの液体の漏出を抑制することができる。従って、ディスペンスの高速化と信頼性向上との両立に有効である。
ピストン駆動部480は、加圧源の圧力により第1空間413又は第2空間414を加圧し、ディスペンサ1は、プランジャ100に対し前進方向に向かって反発力を付与するスプリング620と、スプリング620による反発力の付与を、加圧源の圧力により解除する解除部440と、を更に備えていてもよい。この場合、加圧源の圧力が供給されている場合には、スプリング620によるピストン450への反発力の付与を解除してピストン450の高速摺動を可能とし、加圧源の圧力が供給されない場合には、スプリング620の反発力によってプランジャ100を前進限界位置に保持することができる。これにより、流出口343からの液体の漏出をより確実に抑制することができる。
ディスペンサ1は、収容室319外から流入口323に液体を圧送するバレル20と、バレル20が液体に付与する圧力を調節する圧力監視部51と、を更に備えていてもよい。この場合、プランジャ100の前進・後退による加圧・減圧と、バレル20による加圧との関係を適正化し、ディスペンスを更に高速化することができる。
1…ディスペンサ、20…バレル(圧送部)、51…圧力監視部(圧力調節部)、100…プランジャ、101…先端面、102…基端面、200…ガイドブロック(ガイド部)、300…ディスペンス部、310…包囲部、319…収容室、323…流入口、340…ノズルユニット(端部)、343…流出口、344…吐出口、345…吐出流路、352…プランジャシール(シール部)、400…駆動部、410…シリンダ、413…第1空間、414…第2空間、440…解除部、450…ピストン、451…外周面、472…内シール(シール部)、480…ピストン駆動部、521…先端面(後退規制部)、620…スプリング、H1…最大ストローク、L1…軸線。

Claims (7)

  1. プランジャと、
    前記プランジャの先端面と基端面とに交差する軸線に沿って前進・後退するように前記プランジャを案内するガイド部と、
    前記先端面の前進・後退に応じて液体を吐出・吸入するディスペンス部と、
    前記プランジャを前進・後退させる駆動部と、を備え、
    前記ディスペンス部は、
    前記軸線まわりに前記プランジャの前記先端面を包囲して収容室を構成する包囲部と、
    前記軸線に沿って前記プランジャの前記先端面に対向する端部と、
    前記収容室を挟んで前記端部と対向し、前記包囲部と前記プランジャとの間をシールするシール部と、を有し、
    前記端部は前記収容室内に開口し前記液体を前記収容室外に送り出す流出口を含み、
    前記包囲部は前記収容室内に開口し前記液体を前記収容室内に受け入れる流入口を含み、
    前記流入口は、前記シール部と前記端部との間において前記端部寄りに位置している、ディスペンサ。
  2. 前記流入口から前記端部までの距離が、プランジャの先端面の最大ストロークの半分以下である、請求項1記載のディスペンサ。
  3. 前記プランジャの前記先端面の最大ストロークの大半が前記流入口と重複している、請求項1又は2記載のディスペンサ。
  4. 前記端部は、前記収容室外に開放された吐出口と、
    逆止弁を介さずに前記流入口と前記吐出口とを接続する吐出流路とを更に含む、請求項1~3のいずれか一項記載のディスペンサ。
  5. 前記駆動部は、前記基端面を収容するシリンダと、
    前記シリンダ内を前記軸線に沿って並ぶ第1空間と第2空間とに区画するように前記プランジャに設けられ、前記第1空間の加圧に応じて前記プランジャを前進させ、前記第2空間の加圧に応じて前記プランジャを後退させるピストンと、
    駆動電力の供給がない場合に前記第1空間を加圧し、前記駆動電力の供給がある場合に前記第2空間を加圧するピストン駆動部と、を有する、請求項1~4のいずれか一項記載のディスペンサ。
  6. 前記ピストン駆動部は、加圧源の圧力により前記第1空間又は前記第2空間を加圧し、
    前記ディスペンサは、
    前記プランジャに対し、前進方向に向かって反発力を付与するスプリングと、
    前記スプリングによる反発力の付与を、前記加圧源の圧力により解除する解除部と、を更に備える、請求項5記載のディスペンサ。
  7. 前記収容室外から前記流入口に前記液体を圧送する圧送部と、
    前記圧送部が前記液体に付与する圧力を調節する圧力調節部と、を更に備える、請求項1~6のいずれか一項記載のディスペンサ。
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