JP2022017798A - ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法、ポリオレフィン系樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法、ポリオレフィン系樹脂組成物およびその成形品 Download PDF

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昌洙 孫
Changsu Son
大允 手塚
Hiromasa Tezuka
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Abstract

【課題】優れた物性を有するポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法、ポリオレフィン系樹脂組成物およびその成形品を提供すること。【解決手段】オレフィン系モノマーを重合する重合工程を含むポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、重合工程において、オレフィン系モノマーは、重合触媒と、有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤と、の存在下で重合され、重合触媒は、エーテル系化合物からなる電子供与体を含む、製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、物性に優れるポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法、ポリオレフィン系樹脂組成物およびその成形品に関する。
ポリオレフィン系樹脂は、各種熱可塑性汎用樹脂の中でも、物性、成形加工性、価格等の点で最も応用分野の広いプラスチック材料の一つとして幅広い用途に使われている。
ポリオレフィン系樹脂からなる成形品の物性を優れたものとする方法として、ポリオレフィン系樹脂に添加剤を添加する方法が知られている。このような方法として、例えば下記特許文献1には、オレフィン系モノマーを重合する際に、有機アルミニウム化合物でマスキングされた添加剤を重合系に添加するポリオレフィン系樹脂の製造方法が提案されている。
特開2018-90748号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法で製造されたポリオレフィン系樹脂は、物性についてさらなる改善の余地があった。
本発明の目的は、優れた物性を有するポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法、ポリオレフィン系樹脂組成物およびその成形品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の化合物を含む触媒の存在下で重合を行うことによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、オレフィン系モノマーを重合する重合工程を含むポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、前記重合工程において、前記オレフィン系モノマーは、重合触媒と、有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤と、の存在下で重合され、前記重合触媒は、エーテル系化合物からなる電子供与体を含む、製造方法である。
本発明の製造方法においては、前記有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤が、有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされたフェノール系酸化防止剤および有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた芳香族リン酸エステルからなる核剤からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
また、本発明は、上記の製造方法により製造される、ポリオレフィン系樹脂組成物である。
さらに、本発明は、上記のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られる成形品である。
なお、本発明において「水酸基」とは、アルコールおよびフェノールが有するOH基の他、リン酸エステル基(-OP(O)(OH)O-)、カルボキシル基(-C(O)OH)などの官能基に含まれるOH基のことを示す。
本発明によれば、優れた物性を有するポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法、ポリオレフィン系樹脂組成物およびその成形品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法について説明する。
<ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法>
本実施形態のポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法は、オレフィン系モノマーを重合する重合工程を含む。そして、重合工程において、オレフィン系モノマーは、重合触媒と、有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤と、の存在下で重合される。ここで、重合触媒は、エーテル系化合物からなる電子供与体を含む。
本実施形態の製造方法によれば、優れた物性を有するポリオレフィン系樹脂組成物を製造することができる。
以下、本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法の各工程について説明する。先ず、仕込み工程について詳細に説明する。
(仕込み工程)
先ず、反応槽にオレフィン系モノマー、重合触媒、および、有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤を導入する。
本実施形態で用いられる反応槽としては、特に限定されるものではなく、公知の回分式反応槽、半連続的反応槽、連続式反応槽等を用いることができる。反応槽のサイズ、形状、材質等も特に限定されるものではなく、公知のものを適宜選択することができる。
オレフィン系モノマーとしては、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、ビニルシクロアルカンまたはこれらの誘導体等が挙げられる。これらは一種が単独で用いられても、二種以上が組み合わせて用いられてもよい。また、上記のオレフィン系モノマーに加え、さらに1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエンなどの共役ジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエンなどの非共役ジエン、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、スチレンなどのモノマーが用いられてもよい。これらは一種が単独で用いられても、二種以上が組み合わせて用いられてもよい。
重合触媒は特に限定されるものではなく、例えば主成分として周期表第3~11族の遷移金属(例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケル、鉛、白金、イットリウム、サマリウム等)の化合物を含む触媒などであればよい。重合触媒の具体例としては、例えば三塩化チタン、四塩化チタン、トリクロロエトキシチタン等のハロゲン化チタン化合物と、必要に応じてハロゲン化マグネシウムおよび有機アルミニウム化合物とを含むチーグラー・ナッタ触媒、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と第4族の遷移金属化合物とからなるメタロセン化合物を含むメタロセン触媒などが挙げられる。
重合触媒は、さらにエーテル系化合物からなる電子供与体を含む。当該電子供与体を構成するエーテル系化合物としては、例えばジエチルエーテル、ジ-n-プロピルエーテル、ジ-イソプロピルエーテル、ジ-n-ブチルエーテルなどのモノエーテル、1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジ-n-プロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソペンチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソヘキシル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソオクチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-(3,7-ジメチルオクチル)-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシルメチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロペンチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパンなどのジエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのトリエーテル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,2,5,5-テトラメチルテトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル等が挙げられる。これらは一種が単独で用いられても、二種以上が組み合わせて用いられてもよい。電子供与体を構成するエーテル系化合物としては、これらの中でもジエーテルが好ましく、2,2-ジアルキル-1,3-ジメトキシプロパンが特に好ましい。
重合触媒には、さらにエーテル系化合物以外の化合物からなる電子供与体が含まれていてもよい。当該電子供与体を構成する化合物としては、例えばエステル系化合物、ケトン系化合物、アルコキシシラン系化合物などが挙げられる。これらは一種が単独で用いられても、二種以上が組み合わせて用いられてもよい。
エステル系化合物としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n-プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、フェニル酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、メトキシ安息香酸メチル、メトキシ安息香酸エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ-n-プロピル、フタル酸ジ-n-ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ-n-ヘキシル、2,2-ジメチルコハク酸ジエチル、2-エチル-2-メチルコハク酸ジエチル、2,2-ジエチルコハク酸ジエチル、γ-ブチロラクトン、酢酸エチルセロソルブ等が挙げられる。
ケトン系化合物としては、例えばアセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アルコキシシラン系化合物としては、例えばテトラメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、t-ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジ-n-プロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルエチルジメトキシシラン、t-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン、t-ブチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ-n-プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、t-ブチルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン等が挙げられる。
エーテル系化合物からなる電子供与体の使用量は、エーテル系化合物からなる電子供与体とエーテル系化合物以外の化合物からなる電子供与体の合計量が、
主成分である周期表第3~11族の遷移金属の化合物1molに対して0.01~100molとなるような量であればよい。
重合触媒は、担体に担持されていてもよい。重合触媒を担持する担体としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化亜鉛などの酸化物、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム、マグネシウムエトキシドなどのマグネシウムアルコキシド、カオリン、ベントナイト、タルク、カオリナイト、バーミキュライト、モンモリロナイト群、雲母群などのイオン交換性層状化合物等の無機担体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ塩化ビニルまたはこれらの架橋体等の有機担体が挙げられる。担体の粒子径は、例えば0.1~300μmであればよい。また、担体の細孔容積は、例えば0.1~5cm/gであればよい。なお、担体の細孔容積は、例えばBET法、水銀圧入法などの方法により測定することができる。
有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤としては、例えば有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされたフェノール系酸化防止剤、有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた芳香族リン酸エステルからなる核剤、有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた芳香族カルボン酸からなる核剤、有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた脂環式ジカルボン酸からなる核剤などが挙げられる。これらは一種が単独で用いられても、二種以上が組み合わせて用いられてもよい。当該添加剤としては、これらの中でも、有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされたフェノール系酸化防止剤および有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた芳香族リン酸エステルからなる核剤からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされたフェノール系酸化防止剤の原料となるフェノール系酸化防止剤としては、例えば2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2-t-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、スチレン化フェノール、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-チオビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2-メチル-4,6-ビス(オクチルスルファニルメチル)フェノール、2,2’-イソブチリデンビス(4,6-ジメチルフェノール)、イソオクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド、2,2’-オキサミド-ビス[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2-エチルヘキシル-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-エチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸およびC13~15アルキルのエステル、2,5-ジ-t-アミルヒドロキノン、ヒンダードフェノールの重合物(アデカパルマロマール社製、商品名AO.OH.98)、2,2’-メチレンビス[6-(1-メチルシクロヘキシル)-p-クレゾール]、2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-t-ペンチルフェニルアクリレート、6-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルベンズ[d,f][1,3,2]-ジオキホスフォビン、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス[モノエチル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネートカルシウム塩、5,7-ビス(1,1-ジメチルエチル)-3-ヒドロキシ-2(3H)-ベンゾフラノンとo-キシレンとの反応生成物、2,6-ジ-t-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、DL-a-トコフェノール(ビタミンE)、2,6-ビス(α-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、ビス[3,3-ビス-(4’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-フェニル)ブタン酸]グリコールエステル、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、2,6-ジフェニル-4-オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’-チオビス(6-t-ブチル-m-クレゾール)、2-オクチルチオ-4,6-ジ(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-s-トリアジン、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、ビス[3,3-ビス(4-ヒドロキシ-3-t-ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’-ブチリデンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(6-t-ブチル-3-メチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、ビス[2-t-ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-t-ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス[(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2-t-ブチル-4-メチル-6-(2-アクロイルオキシ-3-t-ブチル-5-メチルベンジル)フェノール、3,9-ビス[2-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルヒドロシンナモイルオキシ)-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート]、ステアリル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、パルミチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ミリスチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ラウリル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド等が挙げられる。これらは一種が使用されても、二種以上が組み合わせで使用されてもよい。フェノール系酸化防止剤としては、下記に示す化合物が特に好ましく使用される。
Figure 2022017798000001
有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされたフェノール系酸化防止剤の使用量は、重合により得られるポリオレフィン系樹脂100質量部に対するフェノール系酸化防止剤の含有量が、例えば0.001~0.5質量部となるような量とすればよい。
有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた芳香族リン酸エステルからなる核剤の原料となる芳香族リン酸エステルとしては、例えば下記一般式(1)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2022017798000002
ここで、一般式(1)中、R~Rは各々独立して、水素原子、または、直鎖もしくは分岐を有する炭素原子数1~9のアルキル基を表す。
~Rで表される直鎖または分岐を有する炭素原子数1~9のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、アミル、tert-アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、tert-オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、イソノニルなどが挙げられる。
~Rは、メチルまたはtert-ブチルであることが好ましく、tert-ブチルであることがより好ましい。また、Rは水素原子またはメチルであることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記の化合物が挙げられる。
Figure 2022017798000003
有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた芳香族リン酸エステルの使用量は、重合により得られるポリオレフィン系樹脂100質量部に対する芳香族リン酸エステルの含有量が、例えば0.001~10質量部となるような量とすればよい。
有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた芳香族カルボン酸からなる核剤の原料となる芳香族カルボン酸としては、例えば安息香酸、4-t-ブチル安息香酸などが挙げられる。有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた芳香族カルボン酸の使用量は、重合により得られるポリオレフィン系樹脂100質量部に対する芳香族カルボン酸の含有量が、例えば0.001~10質量部となるような量とすればよい。
有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた脂環式ジカルボン酸からなる核剤の原料となる脂環式ジカルボン酸としては、例えば2,3-ノルボルナンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた脂環式ジカルボン酸の使用量は、重合により得られるポリオレフィン系樹脂100質量部に対する脂環式ジカルボン酸の含有量が、例えば0.001~10質量部となるような量とすればよい。
有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤において、水酸基をマスキングする有機アルミニウム化合物としては、例えばトリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-t-ブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジイソヘキシルアルミニウムハイドライド、ジイソオクチルアルミニウムハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルイニウムジクロライド等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物の使用量は、例えば水酸基1当量に対し、1.5~15当量であればよい。
有機アルミニウム化合物で水酸基をマスキングする方法としては、例えば、水酸基を有する添加剤と有機アルミニウム化合物とを無溶媒で混合する方法、水酸基を有する添加剤と有機アルミニウム化合物とを有機溶媒中で混合する方法などが挙げられる。
仕込み工程においては、反応槽に、有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤以外の添加剤が、さらに導入されてもよい。このような添加剤としては、例えばリン系酸化防止剤等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えばトリフェニルホスファイト、ジイソオクチルホスファイト、ヘプタキス(ジプロピレングリコール)トリホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジイソオクチルフェニルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジフェニルホスファイト、トリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジオレイルヒドロゲンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジノニルフェニルビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチル-5-メチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2-tert-ブチル-4-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル〕ホスファイト、トリ(デシル)ホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールとステアリン酸カルシウム塩との混合物、アルキル(C10)ビスフェノールAホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニル-テトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)-4,4’-n-ブチリデンビス(2―tert-ブチル-5-メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、(1-メチル-1-プロペニル-3-イリデン)トリス(1,1-ジメチルエチル)-5-メチル-4,1-フェニレン)ヘキサトリデシルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-2-エチルヘキシルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-オクタデシルホスファイト、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フルオロホスファイト、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、トリス(2-〔(2,4,8,10-テトラキス-tert-ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン-6-イル)オキシ〕エチル)アミン、3,9-ビス(4-ノニルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスフェススピロ[5,5]ウンデカン、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル-2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールホスファイト、ポリ4,4’-イソプロピリデンジフェノールC12~15アルコールホスファイト等が挙げられる。リン系酸化防止剤の使用量は、例えば上述のフェノール系酸化防止剤1当量に対し、0.5~5当量であればよい。
リン系酸化防止剤の使用量は、重合により得られるポリオレフィン系樹脂100質量部に対するリン系酸化防止剤の含有量が、例えば0.001~0.5質量部となるような量とすればよい。
なお、有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤以外の添加剤の使用量を調整する方法としては、例えば、添加剤がモノマーの重合活性に影響しないことを確認してから、添加剤を加えずにモノマーを重合して、1バッチの重合反応で得られるポリオレフィン系樹脂の収量を求め、得られたポリオレフィン系樹脂の収量に基づき、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する添加剤の含有量が所望の値となるように添加剤の使用量を設定する方法などが挙げられる。
次に、重合工程について詳細に説明する。
(重合工程)
上述した仕込み工程に続いて、オレフィン系モノマーを重合触媒および添加剤の存在下で重合反応させ、重合体を得る。上述したように、重合触媒は、エーテル系化合物からなる電子供与体を含み、添加剤のうち少なくとも一種は、有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤である。
重合反応を行う方法としては、通常用いられている方法を採用することができる。重合反応を行う方法の具体例としては、例えば脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、ガソリン留分、水素化ジーゼル留分などの不活性溶媒の存在下に液相で重合を行う方法(スラリー重合法)、液化したオレフィン自身を媒体とする重合方法(バルク重合法)、液相が実質的に存在しない条件下、気相で重合を行う方法(気相重合法)、またはこれらを二種以上組み合わせた重合方法などが挙げられる。また、重合方式は、回分式、半連続式、連続式のいずれでもよく、一段重合法であっても多段重合法であってもよい。
重合反応は、窒素などの不活性雰囲気下、例えば反応温度20~200℃、圧力0.1~10MPaの条件で行われればよい。
次に溶融混練工程について詳細に説明する。
(溶融混練工程)
上述の重合工程に続いて、重合工程で得られた重合体に、必要に応じてさらに添加剤を配合した後、溶融混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る。
溶融混練工程において、重合体に配合する添加剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、その他の酸化防止剤、ヒンダードアミン化合物、紫外線吸収剤、脂肪酸金属塩、難燃剤、難燃助剤、滑剤、充填剤、ハイドロタルサイト類、帯電防止剤、蛍光増白剤、顔料、染料などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤としては、例えば上述したフェノール系酸化剤およびリン系酸化防止剤が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス[メチレン-3-(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン、ビス(メチル-4-[3-n-アルキル(C12/C14)チオプロピオニルオキシ]5-tert-ブチルフェニル)スルファイド、ジトリデシル-3,3’-チオジプロピオネート、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ラウリル/ステアリルチオジプロピオネート、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、2,2’-チオビス(6-tert-ブチル-p-クレゾール)、ジステアリル-ジサルファイドが挙げられる。
その他の酸化防止剤としては、N-ベンジル-α-フェニルニトロン、N-エチル-α-メチルニトロン、N-オクチル-α-ヘプチルニトロン、N-ラウリル-α-ウンデシルニトロン、N-テトラデシル-α-トリデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-オクチル-α-ヘプタデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-ヘプタデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘプタデシルニトロン等のニトロン化合物、3-アリールベンゾフラン-2(3H)-オン、3-(アルコキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(アシルオキシフェニル)ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(3,4-ジメチルフェニル)-ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-ヒドロキシフェニル)-ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-{4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル}-ベンゾフラン-2(3H)-オン、6-(2-(4-(5,7-ジ-tert-2-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)フェノキシ)エトキシ)-6-オキソヘキシル-6-((6-ヒドロキシヘキサノイル)オキシ)ヘキサノエート、5-ジ-tert-ブチル-3-(4-((15-ヒドロキシ-3,6,9,13-テトラオキサペンタデシル)オキシ)フェニル)ベンゾフラン-2(3H)オン等のベンゾフラン化合物等が挙げられる。
ヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルステアレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-ブチル-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノ-ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-モルホリノ-s-トリアジン重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-tert-オクチルアミノ-s-トリアジン重縮合物、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8,12-テトラアザドデカン、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8-12-テトラアザドデカン、1,6,11-トリス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-s-トリアジン-6-イルアミノ]ウンデカン、1,6,11-トリス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ-s-トリアジン-6-イルアミノ]ウンデカン、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{トリス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、ビス(1-ウンデシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カーボネート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルヘキサデカノエート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオクタデカノエート等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等の2-ヒドロキシベンゾフェノン類;2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス(4-tert-オクチル-6-ベンゾトリアゾリルフェノール)、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-アクリロイルオキシエチル)-5-メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-アミル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2-エチル-2’-エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4’-ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシフェノール、2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、トリオクチル-2,2’,2”-((1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイル)トリス(3-ヒドロシキベンゼン-4-,1-ジイル)トリプロピオネート)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、1,12-ビス[2-[4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-3-ヒドロキシフェノキシ]エチル]ドデカンジオエート等のトリアジン類;各種の金属塩、または金属キレート、特にニッケル、クロムの塩、またはキレート類等が挙げられる。
脂肪酸金属塩としては、例えば直鎖または分岐状の脂肪酸残基を含む炭素原子数12~30の脂肪酸の金属塩等が挙げられる。脂肪酸金属塩を構成する金属イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、ジヒドロキシアルミニウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイオン、マグネシウムイオン、ヒドロキシアルミニウムイオン等が挙げられ、これらの中ではナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、カルシウムイオンが好ましい。脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられ、これらの中ではミリスチン酸、ステアリン酸が好ましい。脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸は、脂肪酸残基の水素原子のうち一または二以上が水酸基で置換されたものであってもよい。このような脂肪酸としては、例えば12-ヒドロキシステアリン酸、12-ヒドロキシオレイン酸等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル-2,6-ジキシレニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、(1-メチルエチリデン)-4,1-フェニレンテトラフェニルジホスフェート、1,3-フェニレンテトラキス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフェート、株式会社ADEKA製商品名「アデカスタブFP-500」、「アデカスタブFP-600」、「アデカスタブFP-800」の芳香族リン酸エステル、フェニルホスホン酸ジビニル、フェニルホスホン酸ジアリル、フェニルホスホン酸(1-ブテニル)等のホスホン酸エステル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド誘導体等のホスフィン酸エステル、ビス(2-アリルフェノキシ)ホスファゼン、ジクレジルホスファゼン等のホスファゼン化合物、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジン、リン含有ビニルベンジル化合物および赤リン等のリン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2-ジブロモ-4-(1,2-ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレンおよび2,4,6-トリス(トリブロモフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、トリブロモフェニルマレイミド、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、テトラブロモビスフェノールA型ジメタクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、および、臭素化スチレン等の臭素系難燃剤等が挙げられる。これら難燃剤はフッ素樹脂等のドリップ防止剤や多価アルコール、ハイドロタルサイト等の難燃助剤と併用することが好ましい。
滑剤としては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド;ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド、ブチルステアレート、ステアリルアルコール、ステアリン酸モノグリセライド、ソルビタンモノパルミチテート、ソルビタンモノステアレート、マンニトール、ステアリン酸、硬化ひまし油、ステアリンサンアマイド、オレイン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等が挙げられる。
充填剤としては、例えばタルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス粉末、ガラス繊維、クレー、ドロマイト、シリカ、アルミナ、チタン酸カリウムウィスカー、ワラステナイト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート等を挙げることができ、粒子径(繊維状においては繊維径や繊維長およびアスペクト比)を適宜選択して用いることができる。これら充填剤の中では、剛性を付与する効果に優れ、かつ入手が容易であることから、タルクが特に好ましく用いられる。また、充填剤は、必要に応じて表面処理したものを用いることができる。
ハイドロタルサイト類は、マグネシウム、アルミニウム、水酸基、炭酸基および任意の結晶水を含む複合塩化合物であればよく、天然物であっても合成物であってもよい。また、ハイドロタルサイト類の結晶構造、粒子形状および粒子サイズは特に限定されるものではない。さらに、ハイドロタルサイト類は、マグネシウムまたはアルミニウムの少なくとも一部がアルカリ金属や亜鉛等他の金属で置換されたものであってもよく、水酸基や炭酸基の少なくとも一部が他のアニオン基で置換されたものであってもよい。さらにまた、ハイドロタルサイト類は、結晶水が脱水されたものであってもよく、表面がステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩等の高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックス等で被覆されたものであってもよい。
帯電防止剤としては、例えば、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤等による低分子型帯電防止剤、高分子化合物による高分子型帯電防止型が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリオレフィングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤;ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビット若しくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン界面活性剤等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中では
アニオン性界面活性剤が好ましく、特に、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩が好ましい。
高分子型帯電防止剤としては、アイオノマーやポリエチレングリコールを親水部とするブロックポリマー等が挙げられる。アイオノマーとしては特開2010-132927号公報に記載のアイオノマーが挙げられる。ポリエチレングリコールを親水部とするポリマーとしては、例えば特開平7-10989号公報に記載のポリエーテルエステルアミド、米国特許第6552131号公報記載のポリオレフィンとポリエチレングリコールからなるポリマー、特開2016-023254号公報記載のポリエステルとポリエチレングリコールからなるポリマー等が挙げられる。
蛍光増白剤とは、太陽光や人工光の紫外線を吸収し、これを紫~青色の可視光線に変えて輻射する蛍光作用によって、成形体の白色度や青味を助長させる化合物である。蛍光増白剤としては、ベンゾオキサゾール系化合物C.I.Fluorescent Brightner184;クマリン系化合物C.I.Fluorescent Brightner52;ジアミノスチルベンジスルフォン酸系化合物C.I.Fluorescent Brightner24、85、71等が挙げられる。
顔料は特に限定されるものではなく、市販の顔料を用いることもできる。顔料の具体例としては、例えばピグメントレッド1、2、3、9、10、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリーン7、10、36;ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、29、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、15、19、23、27、29、30、32、37、40、50等が挙げられる。
染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、スチルベン染料、チアゾール染料、ナフトール染料、キノリン染料、ニトロ染料、インダミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、シアニン染料等の染料等が挙げられる。
溶融混練は、例えば単軸押出機、二軸押出機などの公知の溶融混練装置を用いて行うことができる。溶融混練の温度は、例えば160~280℃であればよい。
こうして、ポリオレフィン系樹脂組成物が得られる。ポリオレフィン系樹脂組成物は、さらにペレタイザーなどの公知の装置を用いて、ペレット状などの形状に造粒されてもよい。
上記実施形態において、有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤は、仕込み工程において反応槽に導入されたが、当該添加剤は、重合工程において、重合反応中に反応槽に導入されてもよい。当該添加剤を重合反応中に導入する方法としては、例えばフィーダーなどの公知の装置を用いる方法が挙げられる。
次に、本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂組成物について説明する。
<ポリオレフィン系樹脂組成物>
本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂組成物は、上述した製造方法により製造されるものである。このポリオレフィン系樹脂組成物は、優れた物性を有するものになる。
次に、本発明の成形品の実施形態について説明する。
<成形品>
本実施形態の成形品は、上記した樹脂組成物を成形して得られるものである。この成形品は、優れた物性を有するものとなる。
本実施形態の成形品としては、例えば、射出成形品、繊維、フラットヤーン、二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、シート、サーモフォーミング成形品、押出ブロー成形品、射出ブロー成形品、射出延伸ブロー成形品、異形押出成形品、回転成形品等が挙げられ、さらに具体的には、自動車外装部品、自動車内装部品、筐体、容器、配管等が挙げられる。自動車外装部品としては、例えば、バンパー、ラジエーターグリル、フロントグリル、フロントパネル、フェンダー、ピラー、ピラーカバー、ドアミラーステーカバー、グラスランチャンネル、ドアミラーハウジング、ランプハウジング、ホイールカバー、スポイラー、エアスポイラー、ウェザーストリップ、ウインドウモール、ベルトモール、サンルーフ、フロントエンドモジュール、ドアモジュール、バックドアモジュール、外板等が挙げられ、自動車内装部品としては、例えば、インストルメントパネル、ドアトリムパネル、ピラートリム、ドアトリム、ピラーガーニッシュ、パッケージトレイ、リアトレイ、コンソールボックス、空調ダクト等が挙げられ、筐体としては、例えば、家電用筐体、アーケードゲーム機用筐体、家庭用ゲーム機用筐体、携帯型ゲーム機用筐体、カメラ用筐体、携帯電話用筐体、スマートフォン用筐体、電子機器用筐体、二次電池用筐体、安全ブレーカー用筐体等が挙げられ、容器としては、例えば、食器、総菜容器、冷凍食品容器、電子レンジ耐熱容器、冷凍保存容器、レトルト容器、カップ、冷菓カップ等の食品用容器、飲料ボトル、輸液ボトル、医療用中空ボトル等のボトル容器、ビーカー、メスシリンダー等の理化学試験用容器、薬品容器、医療用容器、洗剤容器、化粧品容器、香水容器、トナー容器等が挙げられ、配管としては、例えば、水道パイプ、ガスパイプ、インフラストラクチャー用パイプ、工場ユーティリティー用パイプ、車両用フューエルデリバリーパイプ、車両用エアインテークパイプ等の各種パイプ、化粧品・香水スプレー用チューブ、医療用チューブ、輸液チューブ等の各種チューブ、水道ホース、車両用エアダクトホース等の各種ホース等が挙げられる。
本発明の成形品の成形方法としては特に限定されるものではなく、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、回転成形、真空成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、スラッシュ成形法、ディップ成形法、サーモフォーミング成形法等の方法が挙げられる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
本実施例において使用した酸化防止剤、核剤および電子供与体化合物は以下の通りである。
<酸化防止剤>
酸化防止剤1:N-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド
酸化防止剤2:トリス(2,4-ジーt-ブチルフェニル)ホスファイト
<核剤>
核剤1:2,2’-メチレンビス(4,6-ジーt-ブチルフェニル)ホスフェート
<電子供与体化合物>
D1:2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン
D2:2,2-ジ-n-プロピル-1,3-ジメトキシプロパン
D3:2,2-ジイソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン
D4:2-(3,7-ジメチルオクチル)-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン
D5:2-シクロヘキシルメチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン
D6:2,2-ジシクロペンチル-1,3-ジメトキシプロパン
D7:2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン
D8:2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン
D9:2-シクロペンチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン
D10:2-シクロヘキシル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン
<樹脂組成物の製造>
(実施例1~10および比較例1)
先ず、窒素置換したフラスコに酸化防止剤1と、酸化防止剤1に対して5モル当量のトリエチルアルミニウムとを加え、室温で撹拌することにより、トリエチルアルミニウムによって水酸基がマスキングされた酸化防止剤1を含む溶液を調製した。
次に、窒素置換した撹拌機付きオートクレーブにチーグラー触媒、10mLのトリエチルアルミニウム1mol/Lへプタン溶液、上述のトリエチルアルミニウムによって水酸基がマスキングされた酸化防止剤1を含む溶液および酸化防止剤2、1mLの表1に記載の電子供与体化合物の1mol/Lへプタン溶液を添加した後、23℃にて水素240gを導入し、さらにオートクレーブのゲージ圧が3.7MPaとなるようにプロピレンを導入した。ここで、トリエチルアルミニウムによって水酸基がマスキングされた酸化防止剤1を含む溶液および酸化防止剤2の添加量は、重合して得られるポリプロピレン樹脂100質量部に対する酸化防止剤1および酸化防止剤2の配合量が表1に記載の量となるような量とした。そして、オートクレーブを30℃に保ちながら5分間撹拌した後、70℃まで昇温し、70℃で1時間撹拌した。撹拌終了後、オートクレーブを常圧にし、60℃エタノール15mLを加えて重合反応を停止させた後、窒素を導入してプロピレンをパージし、重合体を得た。得られた重合体を40℃で1時間真空乾燥することにより、実施例1~10および比較例1の樹脂組成物を得た。なお、表1における各成分の配合量の単位は質量部である。
(実施例11~20および比較例2)
先ず、窒素置換したフラスコに核剤1と、核剤1に対して5モル当量のトリエチルアルミニウムとを加え、室温で撹拌することにより、トリエチルアルミニウムによって水酸基がマスキングされた核剤1を含む溶液を調製した。
次に、窒素置換した撹拌機付きオートクレーブにチーグラー触媒、10mLのトリエチルアルミニウム1mol/Lへプタン溶液、トリエチルアルミニウムによって水酸基がマスキングされた核剤1を含む溶液、1mLの表2に記載の電子供与体化合物1mol/Lへプタン溶液を添加した後、23℃にて水素240gを導入し、さらにオートクレーブのゲージ圧が3.7MPaとなるようにプロピレンを導入した。ここで、トリエチルアルミニウムによって水酸基がマスキングされた核剤1を含む溶液の添加量は、重合して得られるポリプロピレン樹脂100質量部に対する核剤1の配合量が表1に記載の量となるような量とした。そして、オートクレーブを30℃に保ちながら5分間撹拌した後、70℃まで昇温し、70℃で1時間撹拌した。撹拌終了後、オートクレーブを常圧にし、60℃エタノール15mLを加えて重合反応を停止させた後、窒素を導入してプロピレンをパージし、重合体を得た。得られた重合体を40℃で1時間真空乾燥することにより、実施例11~20および比較例2の樹脂組成物を得た。なお、表2における各成分の配合量の単位は質量部である。
<特性評価>
(熱安定性)
上記のようにして得られた実施例1~10および比較例1の樹脂組成物100質量部に対し、ステアリン酸カルシウムを0.05質量部添加して混合した後、二軸押出機(東洋精機製作所製 ラボプラストミルマイクロ)に投入して240℃にて溶融押出を行い、造粒してペレットを得た。押出前の樹脂組成物の重量平均分子量と、押出後のペレットの重量平均分子量とを、ゲル濾過クロマトグラフィー(装置:ウォーターズ社製 GPC2000、カラム:ウォーターズ社製Styragel HT6E 2本、Styragel IIT2 1本、測定温度:135℃、溶媒:オルトジクロロベンゼン、サンプル濃度:6mg/10g)により測定し、押出前後における重量平均分子量の低下度を樹脂組成物の熱安定性の尺度とし、熱安定性を評価した。結果を表1に示す。
(結晶化温度)
上記のようにして得られた実施例11~20および比較例2の樹脂組成物の結晶化温度を、示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製ダイアモンド)を用いて測定した。結晶化温度は、室温から50℃/minの速度で230℃まで昇温し、5分間保持後、10℃/minの速度で50℃まで冷却した際に、冷却過程にて観測された発熱ピークの温度(℃)として求めた。結果を表2に示す。
Figure 2022017798000004
Figure 2022017798000005
なお、表1および2において、配合量の単位は質量部である。
表1に示す結果より、実施例1~10の樹脂組成物は比較例1の樹脂組成物に比べ、熱安定性に優れることがわかった。また、表2に示す結果より、実施例11~20の樹脂組成物は、比較例2の樹脂組成物に比べ、結晶性に優れることがわかった。
以上より、本発明の製造方法によれば、優れた物性を有するポリオレフィン系樹脂組成物を製造できることが確認された。

Claims (4)

  1. オレフィン系モノマーを重合する重合工程を含むポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、
    前記重合工程において、前記オレフィン系モノマーは、
    重合触媒と、
    有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤と、
    の存在下で重合され、
    前記重合触媒は、エーテル系化合物からなる電子供与体を含む、製造方法。
  2. 前記有機アルミニウム化合物によってマスキングされた水酸基を有する添加剤が、有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされたフェノール系酸化防止剤および有機アルミニウム化合物によって水酸基がマスキングされた芳香族リン酸エステルからなる核剤からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の製造方法により製造される、ポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. 請求項3記載のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られる成形品。
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