JP2022017615A - 車両用制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両停車中からロックアップまでの極低車速時であっても車両の異常を検出すること。【解決手段】駆動力を発生するエンジン(2)と、エンジンの出力回転を変速する変速機(4)と、車両加速度を計測する前後Gセンサ(27)及び左右Gセンサ(28)と、変速機の出力軸(8)の回転数を検出する出力回転センサ(26)と、を備えた車両(1)を制御するTCU(22)が、加速度センサによって計測される車両加速度の計測値と出力回転センサの出力信号から算出される車両加速度の算出値とを比較することで車両の異常を検出する構成にした。【選択図】図1
Description
本発明は車両用制御装置に関する。
一般的な車両に搭載された自動変速機は、変速機の出力軸側の回転を回転センサで検出し、検出信号を車速情報として用いて変速比を制御する。回転センサは、回転体が特定の角度回転した際にパルス状の電圧信号を出力する。したがって、変速機制御装置(TCU:Transmission Control Unit)は、このパルス信号から回転数を計測し、回転数を車速情報に変換した上で変速比を決定している。
変速機の出力軸側の回転センサ(以降、出力回転センサと称する)は、センサの使用環境に起因して、経年変化やセンサ電極の腐食が発生して、パルス信号にパルス抜けや過剰パルスが発生することが分っている。この場合、車速の計測値が実際の車速から乖離するため、意図した変速動作にならず燃費の悪化や、変速機のクラッチやギヤ機構の摩耗の発生を招くおそれがあった。このような背景から近年、出力回転センサの故障を精度よく診断して、車両の安全性能及び燃費性能を保証することが求められている。
変速機の出力回転センサの故障診断方法として、エンジンの出力軸の回転数、変速機の入力軸の回転数、変速機の出力軸の回転数を比較して出力回転センサの故障を診断する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の故障診断方法は、エンジン回転センサでエンジンの出力軸の回転数、入力回転センサで変速機の入力軸の回転数、出力回転センサで変速機の出力軸の回転数を回転センサで検出する。そして、出力回転センサの検出値のみが、エンジン回転センサ及び入力回転センサの検出値と異なる値を示した場合、出力回転センサが異常であると診断する。
しかしながら、特許文献1に記載の故障診断方法は、エンジンの出力軸と変速機の入力軸が係合状態(ロックアップ中)であることが前提となる。したがって、車両停車中からロックアップまでの極低車速時において、出力回転センサの故障等を含む車両の異常を検出することが困難であった。
本発明は前記課題を解決するもので、その目的とするところは、車両停車中からロックアップまでの極低車速時であっても車両の異常を検出することができる車両用制御装置を提供することである。
本発明の一態様の車両用制御装置は、駆動力を発生する駆動源と、前記駆動源の出力回転を変速する変速機構又は減速機構と、車両加速度を計測する加速度センサと、前記変速機構又は前記減速機構の出力軸の回転数を検出する出力回転センサと、を備えた車両を制御する車両用制御装置であって、前記加速度センサによって計測される前記車両加速度の計測値と前記出力回転センサの出力信号から算出される前記車両加速度の算出値とを比較することで前記車両の異常を検出する制御部を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、車両加速度の計測値と変速機構又は減速機構の出力回転数から求めた車両加速度の算出値との比較から、車両停車中からロックアップまでの極低車速時であっても車両の異常を検出できる。本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
[第1の実施形態]
以下、図1から図8を参照して、第1の実施形態に係る車両用制御装置を適用した車両制御システムについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る車両制御システムの構成図である。
以下、図1から図8を参照して、第1の実施形態に係る車両用制御装置を適用した車両制御システムについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る車両制御システムの構成図である。
図1に示すように、車両1は、駆動源としてのエンジン2で発生した駆動力を、トルクコンバータ3、変速機構としての変速機4を介して車輪5に伝達している。エンジン2の出力軸6はトルクコンバータ3を介して変速機4の入力軸7に接続され、変速機4の出力軸8はディファレンシャルギヤBOX9を介して車輪5のドライブシャフト10に接続されている。エンジン2からの出力回転がトルクコンバータ3で減速されて変速機4に入力され、変速機4からの出力トルクがディファレンシャルギヤBOX9で車輪5に分配されている。
また、車両1には、電子制御装置として、ECU(Engine Control Unit)21と、TCU(Transmission Control Unit)22と、走行用電子制御装置23とが設けられている。TCU22は、本実施形態の車両用制御装置が適用された変速機4用のコントローラである。走行用電子制御装置23は、車輪速、ハンドル操舵角、車両加速度、ヨーレート等を検出するセンサからの出力信号を受けて走行状態を判別し、エンジン2、変速機4、モータアクチュエータ等の走行に関わるデバイスを制御するダイナミクスコントローラである。走行用電子制御装置23には、トラクションコントロールシステム、ABS(Antilock Brake System)、VCU(Vehicle Control Unit)が含まれる。
さらに、車両1には、センサ群として、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセルペダルストロークセンサ25と、変速機4の出力軸8の回転数を検出する出力回転センサ26と、進行方向の車両加速度を検出する前後Gセンサ27(第1の加速度センサ)と、進行方向に直交する車幅方向の車両加速度を検出する左右Gセンサ28(第2の加速度センサ)とが設けられている。出力回転センサ26は、出力軸8の回転に応じたパルス信号(パルス電圧)を出力するパルス出力型の回転センサである。前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28は、車両1の車体に取り付けられ、車両加速度に応じたアナログ信号(アナログ電圧)をリニアに出力するアナログ出力型のセンサである。
ECU21は、アクセルペダルストロークセンサ25の出力信号からアクセル開度情報S3を算出する。TCU22は、出力回転センサ26の出力信号から車両加速度(算出値S2)を算出する。走行用電子制御装置23は、各Gセンサ27、28の出力信号から車両加速度(計測値S1)を算出する。ECU21、TCU22、走行用電子制御装置23は、CAN(Control Area Network)通信29にてアクセル開度情報S3、加速度の算出値S2、加速度の計測値S1等の各種情報を相互に送受信している。なお、図1では図示省略しているが、上記センサ群の他にも、車両1には各種センサが設けられている。
本実施形態では、前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28から走行用電子制御装置23に車両加速度の計測値S1が入力され、これらの車両加速度の計測値S1が走行用電子制御装置23からTCU22の制御部30(図4参照)に送られている。TCU22の制御部30では、進行方向及び車幅方向の車両加速度の計測値S1が合成される。なお、前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28の計測値S1の合成処理は走行用電子制御装置23で実施されて、合成処理後の計測値が走行用電子制御装置23からTCU22の制御部30に送られてもよい。
このように構成された車両1では、変速機4の出力回転センサ26のパルス抜け等の故障を精度よく診断することが求められている。変速機4の出力回転センサ26の故障診断として、エンジン回転数、変速機4の入力回転数、変速機4の出力回転数等の整合性から診断する方法が検討されている。しかしながら、上記診断方法ではエンジン2と変速機4がロックアップされていなければ、回転数同士の整合性を判断することができない。よって、車両の発進時や極低車速時等のようにロックアップされていない状態では出力回転センサ26の故障を診断できない。
上記方法の代わりに、車輪5側の回転数と変速機4の出力回転数の整合性を判断するために、変速機4の出力回転センサ26の出力と車輪速センサ(不図示)の出力を比較する構成も考えられる。一般に、出力回転センサ26の検出精度は車両1の駆動力に直接関わるため、車輪速センサよりも出力回転センサ26の1回転当たりのパルス信号の検出数が多いものが使用される。このため、出力回転センサ26と同等な検出精度の車輪速センサが必要になると共に、センサの取り付け機構が必要になって、機構の複雑化やコストアップが生じる。
そこで、本実施形態では、メカ機構やセンサ構成を変えずに、既存の加速度センサを活用して、出力回転センサ26の異常を検出している。この場合、TCU22の制御部30(図4参照)にて出力回転センサ26の検出信号から算出された車両加速度の算出値S2と加速度センサで計測された車両加速度の計測値S1とが比較される。加速度センサの故障については、走行用電子制御装置23で検出されてTCU22に通知されるため、車両加速度の算出値S2と計測値S1のズレ等が生じたときに、加速度センサの故障の有無から出力回転センサ26の異常を検出することが可能になっている。
また、上記したように、加速度センサとしての前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28は車両加速度に応じたアナログ信号をリニアに出力している。したがって、このリニアなアナログ信号から計測される車両加速度の計測値S1と出力回転センサ26のパルス信号から算出される車両加速度の算出値S2を比較することで、1回転数当たりのパルス信号の誤差を抑えて比較することができる。すなわち、出力回転センサ26のパルス状の出力を、加速度センサの連続的に変化する出力と比較することで、パルス状の出力同士を比較する構成よりも精度よく比較することができる。
ただし、このような車両1では、変速機4の出力回転が車両1の駆動力に変換されて加速度センサに検出されるまでは、ギヤ機構等が持つバックラッシュやシャフト等の捻じれによって駆動力が車両1に伝達されない。この駆動力の伝達の遅れによって、車両加速度の算出値S2に対して車両加速度の計測値S1に無駄時間が生じるため、車両加速度の算出値S2と車両加速度の計測値S1を単純に比較することができない。このため、本実施形態では、車両加速度の計測値S1を補正したうえで、車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2を比較して、出力回転センサ26の故障を検出している。
以下、出力回転センサの故障診断について詳細に説明する。図2は、第1の実施形態に係る駆動力伝達系の説明図である。図3は、第1の実施形態に係る無駄時間の説明図である。図4は、第1の実施形態に係る車両加速度の計測値の補正処理の制御ブロック図である。
図2には、変速機4から加速度センサとしての前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28までの車両の駆動力の伝達系を矢印で示している。変速機4の駆動力は、出力軸8とディファレンシャルギヤBOX9を介してドライブシャフト10に伝達されて車輪5の回転トルクになる。車輪5の回転によって車両1が走行すると、車体側に設置された前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28によって加速度が計測される。また、変速機4の出力軸8の回転が出力回転センサ26によって検出され、TCU22(図1参照)によって出力回転センサ26の検出信号から加速度が算出される。
この駆動力伝達系では、次のような車両の走行状態によって無駄時間L(図3参照)が発生することが分っている。車両停車中から発進する際には、変速機4の出力トルクに対し車両全体がイナーシャとして働いてドライブシャフト10の捻じれ量が大きくなり、この捻じれ量分だけ駆動力の伝達が遅れる。走行中にエンジンブレーキで減速している状態から再加速する際には、メカ機構の変速ギヤ(図示しない)やディファレンシャルギヤBOX9の持つバックラッシュ(ガタ)が大きい状態となっており、このバックラッシュを詰める分だけ駆動力の伝達が遅れる。
図3には、車両停車から発進時における車両加速度の算出値S2と車両加速度の計測値S1のタイムチャートを簡易的に示している。車両加速度の算出値S2は、出力回転センサ26で検出された変速機4の出力軸8の回転数から即座に算出される。一方で、車両加速度の計測値S1は、変速機4の回転が動力伝達経路を介して車両1の駆動力に変換されるまでは前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28によって計測されることがない。このため、動力伝達経路上のバックラッシュ等の影響によって、車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の立ち上り開始の時間に無駄時間L(タイムラグ)が発生する。
TCU22(図1参照)では、変速機4から出力される駆動力が車体に伝わるまでの無駄時間Lが算出されて、車両加速度の計測値S1が無駄時間Lに基づき補正される。TCU22にて算出する無駄時間Lは、可変パラメータとして設定される。例えば、図1に示すアクセルペダルストロークセンサ25によって計測したアクセル開度情報と出力回転センサ26の出力信号から算出された車速とのデータマップから、下記の式(1)に示すように、動力伝達経路上のバックラッシュを要因の一つとする無駄時間Lが設定される。
L[sec]=f(アクセル開度[%]、車速[km/h])…(1)
L[sec]=f(アクセル開度[%]、車速[km/h])…(1)
なお、本実施形態の無駄時間Lの設定方法は、前述の限りではなく、車両1の目標駆動力及び制動力の量に応じて、無駄時間Lの設定方法を可変する構成も含む。また、無駄時間Lは、目標駆動力と車速のデータマップによって設定されてもよい。目標駆動力は、車載カメラ、ミリ波レーダ、各種センサ等の周囲環境に基づいて自動的に決定されてもよい。すなわち、周囲環境の情報と車速のデータマップによって無駄時間Lが設定されてもよい。
図4に示すように、TCU22の制御部30には無駄時間補正部31が設けられている。無駄時間補正部31では、無駄時間Lを補正量とした演算処理が車両加速度の計測値に対して実施され、演算後の車両加速度の計測値と入力された車両加速度の計測値の和をとって補正後の車両加速度の計測値S1が算出される。次に、補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差が算出され、絶対値算出部32で車両加速度の偏差の絶対値が求められる。そして、車両加速度の偏差の絶対値が診断部33に入力されて、診断部33にて出力回転センサ26の故障が診断される。なお、図中の無駄時間補正部31の「s」はラプラス演算子を示している。
診断部33には、第1の診断処理によって出力回転センサ26の故障を診断する第1の診断部41と第2の診断処理によって出力回転センサ26の故障を診断する第2の診断部45とが設けられている。第1の診断部41には、偏差の絶対値が閾値を超えた継続時間を計時する故障判定タイマ42と、当該継続時間に基づいて出力回転センサ26の故障を判定する第1の判定部43とが設けられている。第1の診断処理では、補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2との偏差の絶対値の大きさが求められ、偏差の絶対値が閾値を超えてからの継続時間に基づいて出力回転センサ26の故障が診断される。
第2の診断部45には、単位時間当たりの偏差の絶対値の変化量を示す変化速度を算出する変化速度算出部46と、変化速度が閾値を超えた回数をカウントする異常回数カウンタ47と、カウント回数に基づいて出力回転センサ26の故障を判定する第2の判定部48とが設けられている。第2の診断処理では、補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2との偏差の絶対値の変化速度が求められ、変化速度が閾値を超えた回数に基づいて出力回転センサ26の故障が診断される。また、診断部33では、第1、第2の診断部41、45による第1、第2の診断処理の少なくとも一方で故障と診断された場合に出力回転センサ26が故障と見做される。
なお、TCU22の制御部30は、プロセッサを用いてソフトウェアで実現されてもよいし、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)で実現されてもよい。プロセッサを用いる場合には、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを読み出して実行することで各種処理が実施される。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等が使用される。また、メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NVRAM(Non Volatile RAM)等の一つ又は複数の記録媒体で構成されている。
図5を参照して、第1の診断処理について説明する。図5は、第1の実施形態に係る第1の診断処理を説明するタイムチャート図である。なお、第1の診断処理では、走行時の断線等によって出力回転センサ26が出力しない状態、すなわち定常的なパルス抜けが生じる状態を故障として検出する。
図5には、第1の診断処理の説明用に、車両加速度、偏差絶対値、故障判定タイマ、故障判定の各タイムチャート図を示している。車両加速度のタイムチャート図には、補正後の車両加速度の計測値S1を破線で示し、車両加速度の算出値S2を実線で示している。偏差絶対値のタイムチャート図には、補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差の絶対値を示している。故障判定タイマのタイムチャート図には、偏差の絶対値が閾値を超えた継続時間を示している。故障判定のタイムチャート図には、出力回転センサ26の故障判定のタイミングを示している。
本チャートにおいて車両は加速状態であり、時刻t1では、車両加速度のタイムチャート図に示すように、補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2は共に一定の割合で増加する。このとき、偏差絶対値のタイムチャート図に示すように、偏差の絶対値は一定であり、かつ偏差の絶対値は偏差閾値より小さい値をとっている。時刻t2以降は、車両加速度のタイムチャート図に示すように、信号線の断線等によって出力回転センサ26に連続的なパルス抜けが生じて、本センサ信号を基に算出される車両加速度の算出値S2が、見かけ上、低下し始めている。
偏差絶対値のタイムチャート図に示すように、時刻t2以降もパルス抜けが継続されて、時刻t3にて偏差の絶対値が予め設定された偏差閾値を超えた場合に、故障判定タイマ42による計時が開始される。さらに、故障判定タイマ及び故障判定のタイムチャート図に示すように、故障判定タイマ42による計時時間が時間閾値以上継続した時刻t4で出力回転センサ26が故障状態であると判定される。このように、補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差の絶対値が偏差閾値(判定閾値)を超えた状態が時間閾値(規定時間)以上継続する場合に、出力回転センサ26の故障が診断される。
なお、上記の説明では、出力回転センサ26のパルス抜けの発生時の故障を診断したが、補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差の絶対値を算出することで、出力回転センサ26のノイズ等による過剰パルスの発生時の故障を診断することもできる。過剰パルスの発生時には、車両加速度のタイムチャート図で、補正後の車両加速度の計測値S1よりも車両加速度の算出値S2が高く表れる。なお、偏差閾値、時間閾値は、要求される安全性能やセンサの特性に応じて、過去データ等から実験的、経験的又は理論的に求められた値が使用される。
図6を参照して、第2の診断処理について説明する。図6は、第1の実施形態に係る第2の診断処理を説明するタイムチャート図である。なお、第2の診断処理では、出力回転センサ26の接触不良等によりパルス抜けが非連続的に変化する状態を故障として検出する。
図6には、第2の診断処理の説明用に、車両加速度、偏差絶対値、変化速度、異常回数カウンタ、故障判定の各タイムチャート図を示している。車両加速度のタイムチャート図には、補正後の車両加速度の計測値S1を破線で示し、車両加速度の算出値S2を実線で示している。偏差絶対値のタイムチャート図には、補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差の絶対値を示している。変化速度のタイムチャート図には、偏差の絶対値の変化速度を示している。異常回数カウンタのタイムチャート図には、偏差の絶対値の変化速度が閾値を超えた回数を示している。故障判定のタイムチャート図には、出力回転センサ26の故障判定のタイミングを示している。
本チャートにおいて車両は加速状態であり、時刻t1では、車両加速度のタイムチャート図に示すように、補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2は共に一定の割合で増加する。このとき、偏差絶対値のタイムチャート図に示すように、偏差の絶対値は一定であり、かつ偏差の絶対値は偏差閾値より小さい値をとっている。時刻t2以降は、車両加速度のタイムチャート図に示すように、出力回転センサ26のセンサ部と信号線の接触不良によってパルス抜けが非連続に生じて、本センサ信号を基に算出される車両加速度の算出値S2が細かくハンチングしている。
時刻t2-t3では、車両加速度のタイムチャート図に示すように、出力回転センサ26のセンサ部と信号線の非接触状態によるパルス抜けによって車両加速度の算出値S2が低下する。また、時刻t3-t4では、車両加速度のタイムチャート図に示すように、出力回転センサ26のセンサ部と信号線が、非接触状態から接触状態に戻って車両加速度の算出値S2が増加する。これに合わせて、偏差絶対値のタイムチャート図に示すように、偏差の絶対値が山形に変化している。このときの偏差の絶対値の傾きは、偏差の絶対値の変化速度を示している。
接触不良時には、偏差の絶対値の変化速度は、車両走行時の加速度変化率よりも大きくなることが車両試験により把握されている。したがって、変化速度のタイムチャート図では、変化速度閾値を車両走行時の加速度の最大変化率に設定して、接触不良による偏差の絶対値の変化速度を検出してもよい。ここでは、時刻t3-t4で偏差の絶対値の変化速度が変化速度閾値よりも大きくなる。異常回数カウンタのタイムチャート図に示すように、偏差の絶対値の変化速度が変化速度閾値を超えた場合に、パルス出力に異常がある状態と見做して異常回数カウンタ47がインクリメントされる。
時刻t4以降では、時刻t2-t3の動作が再度生じた場合を示している。異常回数カウンタ及び故障判定のタイムチャート図に示すように、予め規定された設定時間T内に異常回数カウンタ47が2回カウントアップすると、時刻t6で出力回転センサ26が故障状態であると判定される。このように、補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差の絶対値の変化速度を算出し、当該絶対値の変化速度が設定時間T内に変化速度閾値(判定閾値)を超えた回数が回数閾値(規定回数)以上の場合に、出力回転センサ26の故障が診断される。
なお、上記の説明では、出力回転センサ26のパルス抜けの発生時の故障を診断したが、補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差の絶対値を算出することで、出力回転センサ26のノイズ等による過剰パルスの発生時の故障を診断することもできる。過剰パルスの発生時には、車両加速度のタイムチャート図で、補正後の車両加速度の計測値よりも車両加速度の算出値が高く表れる。なお、変化速度閾値、回数閾値は、要求される安全性能やセンサの特性に応じて過去データ等から実験的、経験的又は理論的に求められた値が使用される。
図7を参照して、本実施形態の診断処理の流れについて説明する。図7は、第1の実施形態に係る出力回転センサの故障診断を示すフローチャートである。なお、図7に示すフローチャートは、車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2がTCU22に取り込まれる度に実施される。また、図7では、第1の診断処理と第2の診断処理が並列に実施される一例を示しているが、第1の診断処理の後に第2の診断処理が実施されてもよいし、第2の診断処理の後に第1の診断処理が実施されてもよい。
図7に示すように、先ず、制御部30が補正後の車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差の絶対値を算出し(ステップS01)、その偏差の絶対値の変化速度を算出する(ステップS02)。続いて、制御部30は、第1の診断処理と第2の診断処理とを並列で実施する。第1の診断処理では、制御部30は偏差の絶対値が偏差閾値を超えるか否かを判定する(ステップS03)。偏差の絶対値が偏差閾値を超える場合には(ステップS03でYES)、制御部30は故障判定タイマ42のタイマ値をアップする(ステップS04)。一方で、偏差の絶対値が偏差閾値以下の場合には(ステップS03でNO)、制御部30は故障判定タイマ42のタイマ値をリセットする(ステップS05)。
次に、故障判定タイマ42のタイマ値がアップ又はリセットされると、制御部30は故障判定タイマ42のタイマ値が時間閾値以上か否かを判定する(ステップS06)。故障判定タイマ42のタイマ値が時間閾値以上の場合には(ステップS06でYES)、制御部30は異常状態が規定時間継続したと見做して出力回転センサ26を故障と診断する(ステップS07)。一方で、故障判定タイマ42のタイマ値が時間閾値未満の場合には(ステップS06でNO)、制御部30は出力回転センサ26を故障無しと診断する(ステップS08)。
第2の診断処理では、制御部30は偏差の絶対値の変化速度が、変化速度閾値を超えるか否かを判定する(ステップS09)。偏差の絶対値の変化速度が変化速度閾値を超える場合には(ステップS09でYES)、制御部30は異常回数カウンタ47のカウント値をアップする(ステップS10)。一方で、偏差の絶対値の変化速度が変化速度閾値以下の場合には(ステップS09でNO)、制御部30は異常回数カウンタ47のカウント値をリセットする(ステップS11)。
次に、異常回数カウンタ47のカウント値がアップ又はリセットされると、制御部30は異常回数カウンタ47のカウント値が回数閾値以上か否かを判定する(ステップS12)。異常回数カウンタ47のカウント値が回数閾値以上の場合には(ステップS12でYES)、制御部30は異常状態が規定回数検出されたと見做して出力回転センサ26の故障と判断する(ステップS13)。一方で、異常回数カウンタ47のカウント値が回数閾値未満の場合には(ステップS12でNO)、制御部30は出力回転センサ26を故障無しと診断する(ステップS14)。
以上のように、第1の実施形態のTCU22では、変速機4の出力軸8の駆動力が車体に伝わるまでの無駄時間Lを算出し、前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28に計測される車両加速度の計測値S1を無駄時間Lに基づいて補正している。これにより、車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2を精度よく比較することができる。また、車両加速度の偏差の絶対値と当該偏差の絶対値の変化速度から、出力回転センサ26のパルス抜けや過剰パルスの発生を検知することが可能となる。
第1の実施形態では、出力回転センサ26の故障を検出する構成について説明したが、変速機4の故障を検出することも可能である。図8を参照して、変速機4の故障診断について説明する。図8は、本実施形態の変速機4の故障診断を示すフローチャートである。なお、車両には、センサ群として、駆動源の回転数を検出する駆動源回転センサとしてエンジン回転センサ(不図示)と、変速機の入力軸の回転数を検出する入力回転センサ(不図示)とが設けられている。
図8に示すように、先ず、制御部30は、前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28で計測された車両加速度と出力回転センサ26で検出された回転数の整合性を判定する(ステップS21)。上記したように、車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2を比較することで整合性を判定することができる。次に、制御部30は、エンジン回転センサで検出された回転数と入力回転センサで検出された回転数の整合性を判定する(ステップS22)。この場合、エンジン回転数と変速機4の入力軸の回転数は、トルクコンバータ3の速度比等を考慮して整合性が判定される。
次に、制御部30は、入力回転センサで検出された回転数と出力回転センサ26で検出された回転数の整合性を判定する(ステップS23)。この場合、変速機4の入力軸の回転数と変速機4の出力軸6の回転数は、変速機4の変速比等を考慮して整合性が判定される。そして、制御部30は、各ステップS21-S23の整合性の結果から変速機4の故障を診断する(ステップS24)。ステップS21、S22で整合性有りと判断され、ステップS23で整合性無しと判定された場合には(ステップS24でYES)、変速機4を故障と診断され(ステップS25)、それ以外は変速機4を故障無しと診断される(ステップS26)。
より詳細には、前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28で計測された車両加速度と出力回転センサ26で検出された回転数に整合性がある場合には、出力回転センサ26は正常動作している。エンジン回転センサで検出された回転数と入力回転センサで検出された回転数に整合性がある場合には、入力回転センサは正常動作している。そして、出力回転センサ26及び入力回転センサが正常動作しているにも関わらず、入力回転センサで検出された回転数と出力回転センサ26で検出された回転数に整合性が無い場合には、変速機4が故障していると判断される。このように、TCU22は、出力回転センサ26の故障診断だけでなく、変速機4の故障診断も行うことが可能である。
[第2の実施形態]
以下、図9及び図10を参照して、第2の実施形態に係る車両用制御装置について説明する。第1の実施形態では、車両加速度の計測値S1の無駄時間Lを補正した場合について説明したが、車両加速度の計測値S1が車両加速度の算出値S2に対して位相遅れが生じる場合がある。そこで、第2の実施形態では、制御部30に対して位相遅れを補正する位相進みフィルタを追加している。図9は、第2の実施形態に係る位相遅れの説明図である。図10は、第2の実施形態に係る車両加速度の計測値の補正処理の制御ブロック図である。
以下、図9及び図10を参照して、第2の実施形態に係る車両用制御装置について説明する。第1の実施形態では、車両加速度の計測値S1の無駄時間Lを補正した場合について説明したが、車両加速度の計測値S1が車両加速度の算出値S2に対して位相遅れが生じる場合がある。そこで、第2の実施形態では、制御部30に対して位相遅れを補正する位相進みフィルタを追加している。図9は、第2の実施形態に係る位相遅れの説明図である。図10は、第2の実施形態に係る車両加速度の計測値の補正処理の制御ブロック図である。
図9に示すように、車両停車から発進時における車両加速度の算出値S2と車両加速度の計測値S1のタイムチャートを簡易的に示している。ここでは、説明の便宜上、無駄時間Lについて既に補正されているものとする。車両加速度の算出値S2は、出力回転センサ26で検出された変速機4の出力軸8の回転数から即座に算出される。一方で、車両加速度の計測値S1は、車両が動き出した後のシャフトの捻じれ等によって位相遅れが生じている。車両加速度の計測値S1は、位相遅れによって車両加速度の算出値S2と比べて単位時間当たりの車両加速度の変化率が小さくなっている。
図10に示すように、TCU22の制御部30には無駄時間補正部31に加えて、位相進みフィルタ35が設けられている。位相進みフィルタ35は、車両加速度の計測値S1の位相を、車両加速度の算出値S2の位相に対する遅れ分だけ進ませるフィルタである。車両加速度の計測値S1は、無駄時間補正部31で無駄時間Lが補正された後に、位相進みフィルタ35で車両加速度の計測値を位相遅れ分だけ進ませるフィルタ処理が実施される。なお、制御部30の位相進みフィルタ35以外の構成は、図4に示す第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図中の位相進みフィルタ35の「s」はラプラス演算子、「τ」は遅れ量[sec]、「a」は時定数[sec]を示している。位相進みフィルタ35は、時定数aの1次遅れフィルタ通過後の信号に対し、τ[sec]分だけ位相を進ませるフィルタ構成としている。「τ」は、無駄時間Lと同様に、図1に示すアクセルペダルストロークセンサ25によって計測したアクセル開度情報と、出力回転センサ26の出力信号から算出された車速とのデータマップから、下記の式(2)に示すように設定されてもよい。
τ[sec]=f(アクセル開度[%]、車速[km/h])…(2)
τ[sec]=f(アクセル開度[%]、車速[km/h])…(2)
なお、本実施形態の位相の遅れ量τの設定方法は、前述の限りではなく、車両の目標とする走行駆動力及び制動力の量に応じて、位相の遅れ量τの設定方法を可変する構成も含む。また、時定数aは時定数a≪位相の遅れ量τとして設定され、センサ信号に含まれるノイズの高周波数成分に合わせて設定することが望ましい。また、位相の遅れ量τは、目標駆動力と車速のデータマップによって設定されてもよい。目標駆動力は、車載カメラ、ミリ波レーダ、各種センサ等の周囲環境に基づいて自動的に決定されてもよい。すなわち、周囲環境の情報と車速のデータマップによって位相の遅れ量τが設定されてもよい。
以上のように、第2の実施形態のTCU22では、無駄時間Lに加えて位相の遅れ量τを算出し、前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28に計測される車両加速度の計測値S1を無駄時間L、位相の遅れ量τに基づいて補正している。これにより、車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2をより精度よく比較することができる。また、第1の実施形態と同様にして、出力回転センサ26及び変速機4を故障診断することができる。
[第3の実施形態]
以下、図11を参照して、第3の実施形態に係る車両用制御装置について説明する。第1、第2の実施形態では、ガソリンエンジン車を例示したが、本開示の技術を電気自動車、ハイブリット自動車、燃料電池車等にも適用することが可能である。図11は、第3の実施形態に係る車両制御システム構成図である。
以下、図11を参照して、第3の実施形態に係る車両用制御装置について説明する。第1、第2の実施形態では、ガソリンエンジン車を例示したが、本開示の技術を電気自動車、ハイブリット自動車、燃料電池車等にも適用することが可能である。図11は、第3の実施形態に係る車両制御システム構成図である。
図11に示すように、車両11は、駆動源としてモータ12で発生した駆動力を、減速機構15を介して車輪5に伝達している。また、車両11には、モータ12の駆動電流を制御するインバータ13と、モータ12の駆動電力の蓄電制御を担う蓄電システム14とが設けられている。また、車両用制御装置として、TCU22の代わりに、インバータ13へモータ12の発生トルクや電流値を指示する電子制御装置24が設けられている。なお、その他の構成は第1の実施形態の構成と同じであり、同様な構成については第1の実施形態と同一の符号を付している。
第3の実施形態においても、無駄時間L及び位相の遅れ量τを算出することで、車両加速度の計測値と車両加速度の算出値をより精度よく比較することができる。また、第1の実施形態と同様にして、出力回転センサ26及び減速機構15を故障診断することができる。
なお、上記した各実施形態では、車両1は、加速度センサとして前後Gセンサ27及び左右Gセンサ28を備える構成にしたが、少なくとも前後Gセンサ27を備えていればよい。
また、上記した各実施形態では、車両1は、変速機構として有段変速機構を備える構成に限定されず、変速機構としてベルト式やディスク式の無断変速機構を備えてもよい。
また、上記した各実施形態では、TCU22で車両1の異常を判定する構成にしたが、ECU21や走行用電子制御装置23で車両1の異常を判定する構成にしてもよい。すなわち、車両用制御装置の故障診断処理は、TCU22だけでなく、ECU21や走行用電子制御装置23で実施されていてもよい。
また、上記した各実施形態では、無駄時間Lの補正処理及び位相遅れτのフィルタ処理を実施する構成にしたが、無駄時間Lや位相遅れτが問題にならない場合には、これらの処理を省略してもよい。
また、上記した各実施形態では、第1の診断処理及び第2の診断処理で出力回転センサ26を故障診断する構成にしたが、第1の診断処理及び第2の診断処理のいずれか一方で出力回転センサ26を故障診断してもよい。
以上の通り、本実施形態に記載の車両用制御装置(TCU22)は、駆動力を発生する駆動源(エンジン2)と、駆動源(エンジン2、モータ12)の出力回転を変速する変速機構(変速機4)又は減速機構15と、車両加速度を計測する加速度センサ(前後Gセンサ27、左右Gセンサ28)と、変速機構(変速機4)又は減速機構15の出力軸8の回転数を検出する出力回転センサ26と、を備えた車両(1、11)を制御する車両用制御装置(TCU22)であって、加速度センサ(前後Gセンサ27、左右Gセンサ28)によって計測される車両加速度の計測値S1と出力回転センサ26の出力信号から算出される車両加速度の算出値S2とを比較することで車両(1、11)の異常を検出する制御部30を備えている。
本実施形態に記載の車両用制御装置(TCU22)において、制御部30は、車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差の絶対値を算出し、当該絶対値が判定閾値(偏差閾値)を超えた状態が規定時間(時間閾値)以上継続する場合に車両(1、11)の異常と診断する。
本実施形態に記載の車両用制御装置(TCU22)において、制御部30は、車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差の絶対値を算出し、当該絶対値の単位時間当たりの変化量が設定時間内に判定閾値(変化速度閾値)を超えた回数が規定回数(回数閾値)以上の場合に車両(1、11)の異常と診断する。
本実施形態に記載の車両用制御装置(TCU22)において、制御部30は、車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差の絶対値を算出し、当該絶対値が判定閾値(偏差閾値)を超えた状態が規定時間(時間閾値)以上継続する場合に車両(1、11)の異常と診断する第1の診断処理と、車両加速度の計測値S1と車両加速度の算出値S2の偏差の絶対値を算出し、当該絶対値の単位時間当たりの変化量が設定時間内に判定閾値(変化速度閾値)を超えた回数が規定回数(回数閾値)以上の場合に車両(1、11)の異常と診断する第2の診断処理とを並列に実施する。
本実施形態に記載の車両用制御装置(TCU22)において、制御部30は、車両加速度の算出値S2に対する車両加速度の計測値S1の無駄時間Lを算出し、車両加速度の計測値S1を無駄時間Lに基づいて補正する。
本実施形態に記載の車両用制御装置(TCU22)において、制御部30は、変速機構(変速機4)又は減速機構15から車輪5までの動力伝達経路上のバックラッシュを要因の一つとする無駄時間Lを算出する。
本実施形態に記載の車両用制御装置(TCU22)において、制御部30は、車両加速度の算出値S2に対する車両加速度の計測値S1の位相遅れを算出し、車両加速度の計測値S1を位相遅れ分だけ進ませるフィルタ処理を実施する。
本実施形態に記載の車両用制御装置(TCU22)において、加速度センサは、車両(1、11)の進行方向の車両加速度を計測する第1の加速度センサ(前後Gセンサ27)及び進行方向と直交する車幅方向の車両加速度を計測する第2の加速度センサ(左右Gセンサ28)であり、第1の加速度センサ(前後Gセンサ27)の計測値及び第2の加速度センサ(左右Gセンサ28)の計測値を合成して車両加速度を計測する。
本実施形態に記載の車両用制御装置(TCU22)において、加速度センサ(前後Gセンサ27、左右Gセンサ28)は、車両加速度に応じたアナログ信号をリニアに出力するアナログ出力型のセンサであり、出力回転センサ26は、変速機構(変速機4)又は減速機構15の出力軸8の回転に応じたパルス信号を出力するパルス出力型のセンサである。
本実施形態に記載の車両用制御装置(TCU22)において、車両(1、11)は、駆動源(エンジン2)の回転数を検出する駆動源回転センサ(エンジン回転センサ)と、変速機構(変速機4)又は減速機構15の入力軸7の回転数を検出する入力回転センサとを備え、加速度センサで計測された車両加速度と出力回転センサ26で検出された回転数に整合性があり、駆動源回転センサ(エンジン回転センサ)で検出された回転数と入力回転センサで検出された回転数に整合性があり、入力回転センサで検出された回転数と出力回転センサ26で検出された回転数に整合性が無い場合に変速機構(変速機4)又は減速機構15の異常を検出する。
本実施形態に記載の車両用制御装置(TCU22)において、車両(1、11)は、走行状態から走行に関わるデバイスを制御するダイナミクスコントローラ(走行用電子制御装置23)を備え、加速度センサで計測された車両加速度の計測値S1がダイナミクスコントローラ(走行用電子制御装置23)に入力され、ダイナミクスコントローラ(走行用電子制御装置23)から制御部30に車両加速度の計測値S1が送られる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 車両
2 エンジン(駆動源)
4 変速機(変速機構)
5 車輪
7 入力軸
8 出力軸
11 車両
12 モータ(駆動源)
15 減速機構
22 TCU(車両用制御装置)
23 走行用電子制御装置(ダイナミクスコントローラ)
26 出力回転センサ
27 前後Gセンサ(第1の加速度センサ)
28 左右Gセンサ(第2の加速度センサ)
30 制御部
S1 車両加速度の計測値
S2 車両加速度の算出値
2 エンジン(駆動源)
4 変速機(変速機構)
5 車輪
7 入力軸
8 出力軸
11 車両
12 モータ(駆動源)
15 減速機構
22 TCU(車両用制御装置)
23 走行用電子制御装置(ダイナミクスコントローラ)
26 出力回転センサ
27 前後Gセンサ(第1の加速度センサ)
28 左右Gセンサ(第2の加速度センサ)
30 制御部
S1 車両加速度の計測値
S2 車両加速度の算出値
Claims (11)
- 駆動力を発生する駆動源と、前記駆動源の出力回転を変速する変速機構又は減速機構と、車両加速度を計測する加速度センサと、前記変速機構又は前記減速機構の出力軸の回転数を検出する出力回転センサと、を備えた車両を制御する車両用制御装置であって、
前記加速度センサによって計測される前記車両加速度の計測値と前記出力回転センサの出力信号から算出される前記車両加速度の算出値とを比較することで前記車両の異常を検出する制御部を備えたことを特徴とする車両用制御装置。 - 前記制御部は、前記車両加速度の計測値と前記車両加速度の算出値の偏差の絶対値を算出し、当該絶対値が判定閾値を超えた状態が規定時間以上継続する場合に前記車両の異常と診断することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
- 前記制御部は、前記車両加速度の計測値と前記車両加速度の算出値の偏差の絶対値を算出し、当該絶対値の単位時間当たりの変化量が設定時間内に判定閾値を超えた回数が規定回数以上の場合に前記車両の異常と診断することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
- 前記制御部は、前記車両加速度の計測値と前記車両加速度の算出値の偏差の絶対値を算出し、当該絶対値が判定閾値を超えた状態が規定時間以上継続する場合に前記車両の異常と診断する第1の診断処理と、前記車両加速度の計測値と前記車両加速度の算出値の偏差の絶対値を算出し、当該絶対値の単位時間当たりの変化量が設定時間内に判定閾値を超えた回数が規定回数以上の場合に前記車両の異常と診断する第2の診断処理とを並列に実施することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
- 前記制御部は、前記車両加速度の算出値に対する前記車両加速度の計測値の無駄時間を算出し、前記車両加速度の計測値を前記無駄時間に基づいて補正することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
- 前記制御部は、前記変速機構又は前記減速機構から車輪までの動力伝達経路上のバックラッシュを要因の一つとする前記無駄時間を算出することを特徴とする請求項5に記載の車両用制御装置。
- 前記制御部は、前記車両加速度の算出値に対する前記車両加速度の計測値の位相遅れを算出し、前記車両加速度の計測値を位相遅れ分だけ進ませるフィルタ処理を実施することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
- 前記加速度センサは、前記車両の進行方向の車両加速度を計測する第1の加速度センサ及び進行方向と直交する車幅方向の車両加速度を計測する第2の加速度センサであり、
前記第1の加速度センサの計測値及び前記第2の加速度センサの計測値を合成して前記車両加速度を計測することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。 - 前記加速度センサは、前記車両加速度に応じたアナログ信号をリニアに出力するアナログ出力型のセンサであり、
前記出力回転センサは、前記変速機構又は前記減速機構の出力軸の回転に応じたパルス信号を出力するパルス出力型のセンサであることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。 - 前記車両は、前記駆動源の回転数を検出する駆動源回転センサと、前記変速機構又は前記減速機構の入力軸の回転数を検出する入力回転センサとを備え、
前記加速度センサで計測された車両加速度と前記出力回転センサで検出された回転数に整合性があり、前記駆動源回転センサで検出された回転数と前記入力回転センサで検出された回転数に整合性があり、前記入力回転センサで検出された回転数と前記出力回転センサで検出された回転数に整合性が無い場合に前記変速機構又は前記減速機構の異常を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。 - 前記車両は、走行状態から走行に関わるデバイスを制御するダイナミクスコントローラを備え、
前記加速度センサで計測された車両加速度の計測値が前記ダイナミクスコントローラに入力され、前記ダイナミクスコントローラから前記制御部に車両加速度の計測値が送られることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の車両用制御装置。
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