JP2022016952A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オン耐圧を向上することができる半導体装置を提供する。【解決手段】半導体装置は、化合物半導体の半導体積層構造と、前記半導体積層構造の上方に設けられたソース電極、ゲート電極及びドレイン電極と、を有し、前記半導体積層構造は、下地と、前記下地の上に設けられた電子走行層と、前記電子走行層の上に設けられた電子供給層と、平面視で前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に設けられたn型層と、を有し、前記n型層は、前記下地に接する下面と、前記下地と前記電子走行層との界面よりも上方に位置する上面と、を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、半導体装置に関する。
窒化物半導体は、高い飽和電子速度及びワイドバンドギャップ等の特徴を有している。このため、これらの特性を利用して窒化物半導体を高耐圧及び高出力の半導体デバイスに適用することについて種々の検討が行われている。例えば、窒化物半導体の一種であるGaNのバンドギャップは3.4eVであり、Siのバンドギャップ(1.1eV)及びGaAsのバンドギャップ(1.4eV)よりも大きい。このため、GaNは、高い破壊電界強度を有しており、高電圧動作及び高出力を得る電源用の半導体デバイスの材料として極めて有望である。
窒化物半導体を用いた半導体デバイスとしては、電界効果トランジスタ、特に高電子移動度トランジスタ(high electron mobility transistor:HEMT)についての報告が数多くなされている。例えば、GaN系HEMTでは、GaNを電子走行層(チャネル層)、AlGaNを電子供給層として用いたAlGaN/GaN-HEMTが注目されている。AlGaN/GaN-HEMTでは、GaNとAlGaNとの格子定数差に起因した歪みがAlGaNに生じる。そして、この歪みにより発生したピエゾ分極及びAlGaNの自発分極により、高濃度の2次元電子ガス(2DEG)が得られる。そのため、AlGaN/GaN-HEMTは、高効率のスイッチ素子、電気自動車用等の高耐圧電力デバイス等として期待されている。
国際公開第2018/037530号
耐圧の向上を目的とした技術として、フィールドプレート構造による電界緩和を図る構造、ドレイン電極側の領域の電子密度を意図的に低減させて電界緩和を図る構造等が提案されている。これらの技術によれば、トランジスタがオフ状態における耐圧(オフ耐圧)を向上できる。しかしながら、オフ耐圧が高いトランジスタに、オフ状態であれば破壊が生じない程度のドレイン電圧が印加されている場合であっても、オン状態で大きなドレイン電流が流れると、破壊が生じることがある。
本開示の目的は、オン耐圧を向上することができる半導体装置を提供することにある。
本開示の一形態によれば、化合物半導体の半導体積層構造と、前記半導体積層構造の上方に設けられたソース電極、ゲート電極及びドレイン電極と、を有し、前記半導体積層構造は、下地と、前記下地の上に設けられた電子走行層と、前記電子走行層の上に設けられた電子供給層と、平面視で前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に設けられたn型層と、を有し、前記n型層は、前記下地に接する下面と、前記下地と前記電子走行層との界面よりも上方に位置する上面と、を有する半導体装置が提供される。
本開示によれば、オン耐圧を向上することができる。
第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その5)である。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その6)である。 第3実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。 第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。 第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。 第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。 第4実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。 第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。 第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。 参考例に係る半導体装置を示す断面図である。 ドレイン電圧と飽和出力との関係を示す図である。 平面視でのゲート電極とn型層との間の距離とオフリーク電流との関係を示す図である。 第5実施形態に係るディスクリートパッケージを示す図である。 第6実施形態に係るPFC回路を示す結線図である。 第7実施形態に係る電源装置を示す結線図である。 第8実施形態に係る増幅器を示す結線図である。
まず、電子が高エネルギを持つことにより発生する破壊のメカニズムについて簡単に説明する。電子は電界によってある一方へ向かって加速される。散乱を受けずに加速が継続されると、電子は高い運動エネルギを有することになる。この運動エネルギが非常に高くなった状態から電子が結晶格子に衝突を起こすと、結晶構成原子から電子の電離を引き起こし、一つの電子から二つの電子が発生する(インパクトイオン化)。更に、この二つの電子が再度加速され、非常に高いエネルギを有することになれば、インパクトイオン化の連鎖が発生し得る。この現象は雪崩現象とよばれ、電子の数が急激に増加する正のループとなる。また、2次元電子ガスは電子走行層の電子供給層との界面近傍に発生するが、インパクトイオン化が生じると、電子は電子走行層の厚さ方向の全体に広がり得る。つまり、電子は電子走行層の下面近傍を走行し得る。このように、インパクトイオン化が生じるとドレイン電流が急激に増加する。そして、ドレイン電流の急激な増加によりトランジスタが破壊され得る。本願発明者は、上記の雪崩現象を抑制すべく鋭意検討を行った。この結果、電子が高いエネルギを有することを意図的に制限することで、オン耐圧を向上できることに想到した。
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。第1実施形態は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)を含む半導体装置に関する。図1は、第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
第1実施形態に係る半導体装置100は、図1に示すように、化合物半導体の半導体積層構造101と、半導体積層構造101の上方に設けられたソース電極1s、ゲート電極1g及びドレイン電極1dと、を有する。半導体積層構造101は、下地110と、下地110の上に設けられた電子走行層120と、電子走行層120の上に設けられた電子供給層130と、平面視でゲート電極1gとドレイン電極1dとの間に設けられたn型層140とを有する。n型層140は、下地110に接する下面141と、下地110と電子走行層120との界面102よりも上方に位置する上面142とを有する。
半導体装置100では、電子走行層120の電子供給層130との界面近傍に2次元電子ガス(2DEG)が生成される。オン状態では、2DEGを介してソース電極1sからドレイン電極1dに向けて電子が移動する。このとき、平面視で、ゲート電極1gとドレイン電極1dとの間にn型層140が存在し、n型層140中にイオン化したドナー型不純物が存在する。従って、ゲート電極1gの下方を通過した電子は、n型層140に突入するか、n型層140の近傍を走行する際に、ドナー型不純物により散乱されやすい。このような電子の散乱は、電子がドレイン電極1dに到達するまでに頻繁に生じる。電子の運動エネルギは散乱のたびに低下するため、電子が高い運動エネルギを有することが制限され、インパクトイオン化の発生が抑制される。更に、n型層140の下面141が下地110に接しているため、電子のn型層140の下方の迂回も抑制できる。従って、第1実施形態によれば、インパクトイオン化を起因とする破壊を抑制できる。すなわち、オン耐圧を向上することができ、大きなドレイン電流が流れても破壊されにくくなる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、GaN系HEMTを含む半導体装置に関する。図2は、第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
第2実施形態に係る半導体装置200は、図2に示すように、基板211と、基板211上に設けられた化合物半導体の半導体積層構造201とを有する。半導体積層構造201は、例えば、初期層212と、バッファ層213と、電子走行層220と、電子供給層230と、キャップ層250と、n型層240とを有する。
基板211は、例えばSi基板である。初期層212は、例えば厚さが100nm~200nmのAlN層である。バッファ層213は、例えば厚さが400nm~600nmのAlGa1-xN層である。バッファ層213のAl組成xは、例えばバッファ層213の下面で0.2、上面で0.8であり、下面から上面にかけて段階的に高くなっている。電子走行層220は、例えば厚さが100nm~1000nmで不純物の意図的なドーピングが行われていないGaN層(i-GaN層)である。電子供給層230は、例えば厚さが20nm~100nmのn型のAlGa1-yN層(n-AlGaN層)である。電子供給層230のAl組成yは、例えば0.2である。電子供給層230には、例えばSiが5×1018cm-3程度の濃度でドーピングされている。キャップ層250は、例えば厚さが1nm~10nmのGaN層である。キャップ層250にSi等のn型不純物がドーピングされていてもよい。バッファ層213は下地の一例である。
電子走行層220及びバッファ層213に、凹部245が形成されている。凹部245は、電子走行層220の上面からバッファ層213の厚さ方向の途中にかけて形成されている。凹部245のバッファ層213の上面を基準とした深さは、例えば150nm~250nmである。n型層240は凹部245内に形成されている。n型層240は、バッファ層213に接する下面241と、バッファ層213と電子走行層220との界面202よりも上方に位置する上面242とを有する。上面242は、電子走行層220の上面より30nm~100nm程度下方に位置し、電子供給層230の一部が凹部245内に入り込み、n型層240の上面242に接している。n型層240は、n型のGaN層(n-GaN層)であり、Si又はGe等のイオン化したドナー型不純物を含有する。n型層240のドナー型不純物の濃度は、例えば1×1016cm-3~1×1019cm-3である。ドナー型不純物の濃度の下限は、好ましくは1×1017cm-3であり、ドナー型不純物の濃度の上限は、好ましくは1×1018cm-3である。
半導体積層構造201に、素子領域を画定する素子分離領域が形成されており、素子領域内において、キャップ層250及び電子供給層230にソース用のリセス260s及びドレイン用のリセス260dが形成されている。リセス260s及び260dは、キャップ層250の上面から電子供給層230の厚さ方向の途中にかけて形成されている。リセス260s内にソース電極1sが形成され、リセス260d内にドレイン電極1dが形成されている。キャップ層250上に、ソース電極1s及びドレイン電極1dを覆うパッシベーション膜270が形成されている。パッシベーション膜270には、平面視でソース電極1s及びドレイン電極1dの間に位置する開口部260gが形成されており、開口部260gを通じてキャップ層250と接するゲート電極1gが形成されている。ゲート電極1gはパッシベーション膜270の上に乗り上げるように形成されていてもよい。
ソース電極1s及びドレイン電極1dは、例えば厚さが50nm~150nmのTi膜及びその上の厚さが100nm~500nmのAl膜を含む。ゲート電極1gは、例えば厚さが10nm~50nmのNi膜及びその上の厚さが300nm~500nmのAu膜を含み、半導体積層構造201とショットキー接触している。パッシベーション膜270は、例えばSi、Al、Hf、Zr、Ti、Ta又はWの酸化物、窒化物又は酸窒化物の膜であり、好ましくはSi窒化物(SiN)の膜である。パッシベーション膜270の厚さは、例えば2nm~500nmであり、好ましくは100nm程度である。
平面視で、n型層240は、ゲート電極1gとドレイン電極1dとの間に位置し、ゲート電極1gとn型層240との間の距離Lは50nm以上であることが好ましい。この距離Lが50nm未満であると、ゲート電極1gの周辺のポテンシャル分布がn型層240の影響を受けやすくなる。このため、ドレイン電極1d側のゲート電極端において空乏層が伸びにくくなり、オフリーク電流が大きくなるおそれがある。また、例えば、ゲート電極1gとドレイン電極1dとの間の距離は5μm程度であり、電子が走行する方向でのn型層240の寸法は300nm~500nm程度である。
半導体装置200では、電子走行層220の電子供給層230との界面近傍に2DEGが生成される。オン状態では、2DEGを介してソース電極1sからドレイン電極1dに向けて電子が移動する。このとき、平面視で、ゲート電極1gとドレイン電極1dとの間にn型層240が存在し、n型層240中にイオン化したドナー型不純物が存在する。従って、第1実施形態と同様に、インパクトイオン化の発生が抑制される。更に、n型層240の下面241がバッファ層213に接しているため、電子のn型層240の下方の迂回も抑制できる。従って、第2実施形態によれば、インパクトイオン化を起因とする破壊を抑制できる。すなわち、オン耐圧を向上することができ、大きなドレイン電流が流れても破壊されにくくなる。
次に、第2実施形態に係る半導体装置200の製造方法について説明する。図3~図8は、第2実施形態に係る半導体装置200の製造方法を示す断面図である。
まず、図3に示すように、Siの基板211上に、初期層212、バッファ層213及び電子走行層220を形成する。初期層212、バッファ層213及び電子走行層220は、例えば有機金属気相成長(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)法及び分子線エピタキシー(molecular beam epitaxy:MBE)法等の結晶成長法により形成することができる。
MOCVD法により初期層212、バッファ層213及び電子走行層220等の窒化物半導体層を形成する場合、例えば、Al源であるトリメチルアルミニウム(TMA)ガス、Ga源であるトリメチルガリウム(TMG)ガス、及びN源であるアンモニア(NH)ガスの混合ガスを用いる。このとき、成長させる窒化物半導体層の組成に応じて、トリメチルアルミニウムガス及びトリメチルガリウムガスの供給の有無及び流量を適宜設定する。各窒化物半導体層に共通の原料であるアンモニアガスの流量は、例えば100ccm~10LM程度とする。また、例えば、成長圧力は50Torr~300Torr程度、成長温度は1000℃~1200℃程度とする。
次いで、図4に示すように、電子走行層220及びバッファ層213に、凹部245を形成する。凹部245は、電子走行層220の上面からバッファ層213の厚さ方向の途中にかけて形成する。凹部245の形成では、例えば、凹部245を形成しようとする領域に開口を有するフォトレジストのパターンを電子走行層220上に形成し、このパターンをマスクとして塩素系ガスを用いたドライエッチングを行う。そして、フォトレジストのパターンを除去する。
その後、図5に示すように、凹部245内にn型層240を形成する。n型層240の形成では、例えば、凹部245に対応する開口を有するフォトレジストのパターンを電子走行層220上に形成し、このパターンをマスクとしてn型層240を成長させる。そして、フォトレジストのパターンを除去する。n型層240は、例えばMOCVD法及びMBE法等の結晶成長法により形成することができる。MOCVD法によりn型層240を形成する場合、例えば、Si源としてのモノシラン(SiH)ガス又はGe源としてのモノゲルマン(GeH)ガスを、トリメチルガリウムガス及びアンモニアガスの混合ガスに加える。凹部245の形成に用いたフォトレジストのパターンを除去せずに、このパターンを、n型層240を形成する際に用いてもよい。
続いて、図6に示すように、電子走行層220及びn型層240の上に電子供給層230及びキャップ層250を形成する。電子供給層230及びキャップ層250は、例えばMOCVD法及びMBE法等の結晶成長法により形成することができる。このようにして、初期層212と、バッファ層213と、電子走行層220と、電子供給層230と、キャップ層250と、n型層240とを有する半導体積層構造201が形成される。
次いで、図7に示すように、ソース電極1sの下方になる領域及びドレイン電極1dの下方になる領域のそれぞれにおいて、キャップ層250と、電子供給層230の表層部とを除去する。この除去は、例えば、レジストマスクを用いたドライエッチングにより行うことができる。この結果、半導体積層構造201に電子供給層230を露出するソース用のリセス260s及びドレイン用のリセス260dが形成される。
その後、図8に示すように、リセス260s内にソース電極1sを形成し、リセス260d内にドレイン電極1dを形成する。ソース電極1s及びドレイン電極1dは、例えばリフトオフ法により形成することができる。すなわち、ソース電極1sを形成する予定の領域及びドレイン電極1dを形成する予定の領域を露出し、他の領域を覆うフォトレジストのパターンを形成し、このパターンを成長マスクとして蒸着法により金属膜を形成し、このパターンをその上の金属膜と共に除去する。金属膜の形成では、例えば、厚さが50nm~150nmのTi膜を形成し、その上に厚さが100nm~500nmのAl膜を形成する。次いで、例えば、Nの雰囲気中にて400℃~1000℃(例えば600℃)で熱処理(例えば急速加熱処理(rapid thermal annealing:RTA))を行い、オーミック接触を得る。
続いて、図8に示すように、キャップ層250上にソース電極1s及びドレイン電極1dを覆うパッシベーション膜270を形成する。パッシベーション膜270は、例えばプラズマCVD法により形成することができる。パッシベーション膜270は、ALD法又はスパッタ法により形成してもよい。次いで、ソース電極1s及びドレイン電極1dの間において、パッシベーション膜270に開口部260gを形成する。そして、開口部260g内にゲート電極1gを形成する。ゲート電極1gは、例えばリフトオフ法により形成することができる。すなわち、ゲート電極1gを形成する予定の領域を露出するフォトレジストのパターンを形成し、このパターンを成長マスクとして蒸着法により金属膜を形成し、このパターンをその上の金属膜と共に除去する。金属膜の形成では、例えば、厚さが10nm~50nmのNi膜を形成し、その上に厚さが300nm~500nmのAu膜を形成する。
このようにして、第2実施形態に係る半導体装置200を製造することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、GaN系HEMTを含む半導体装置に関する。図9は、第3実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
第3実施形態に係る半導体装置300では、図9に示すように、凹部245に代えて、凹部345がバッファ層213に形成されている。凹部345のバッファ層213の上面を基準とした深さは、例えば150nm~250nmである。n型層240はバッファ層213の上面から上方に突出するようにして凹部345内に形成されている。電子走行層220はn型層240の上面242を覆うように形成されている。電子供給層230は電子走行層220の上に形成されており、n型層240の上面242には接していない。他の構成は第2実施形態と同様である。
第3実施形態によっても第2実施形態と同様の効果が得られる。
次に、第3実施形態に係る半導体装置300の製造方法について説明する。図10~図12は、第3実施形態に係る半導体装置300の製造方法を示す断面図である。
まず、図10に示すように、第2実施形態と同様にして、バッファ層213の形成までの処理を行う。次いで、バッファ層213に凹部345を形成する。その後、図11に示すように、バッファ層213の上面から上方に突出するようにしてn型層240を凹部345内に形成する。続いて、図12に示すように、バッファ層213及びn型層240の上に電子走行層220、電子供給層230及びキャップ層250を形成する。その後、ソース用のリセス260s及びドレイン用のリセス260dの形成以降の処理を、第2実施形態と同様に行う。
このようにして、第3実施形態に係る半導体装置300を製造することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、GaN系HEMTを含む半導体装置に関する。図13は、第4実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
第4実施形態に係る半導体装置400は、図13に示すように、n型層240の上面242を覆う絶縁膜480を凹部245内に有する。絶縁膜480はn型層240と電子供給層230との間に介在する。絶縁膜480は、例えば厚さが5nm~20nmのSi酸化膜又はSi窒化膜である。他の構成は第2実施形態と同様である。
第4実施形態によっても第2実施形態と同様の効果が得られる。また、第4実施形態では、電子供給層230とn型層240との間を流れるゲートリーク電流を大幅に低減することができる。
電子供給層230の絶縁膜480との界面近傍はアモルファスであってもよい。この場合、電子供給層230の全体が結晶である場合と比べて、ゲート電極1gとドレイン電極1dとの間の2DEGが少なくなり、電界集中を緩和することができる。
なお、絶縁膜480の上面が電子走行層220の上面より上方にあってもよい。
次に、第4実施形態に係る半導体装置400の製造方法について説明する。図14~図15は、第4実施形態に係る半導体装置400の製造方法を示す断面図である。
まず、図14に示すように、第2実施形態と同様にして、凹部245の形成までの処理を行う。次いで、凹部245内にn型層240及び絶縁膜480を形成する。n型層240及び絶縁膜480の形成では、例えば、凹部245に対応する開口を有するフォトレジストのパターンを電子走行層220上に形成し、このパターンをマスクとしてn型層240を成長させ、n型層240の上に絶縁膜480を形成する。そして、フォトレジストのパターンを除去する。n型層240は、例えばMOCVD法及びMBE法等の結晶成長法により形成することができる。絶縁膜480は、例えばCVD法により形成することができる。凹部245の形成に用いたフォトレジストのパターンを除去せずに、このパターンを、n型層240及び絶縁膜480を形成する際に用いてもよい。
次いで、図15に示すように、電子走行層220及び絶縁膜480の上に電子供給層230及びキャップ層250を形成する。電子供給層230の絶縁膜480との界面近傍は結晶化せずにアモルファスとなってもよい。その後、ソース用のリセス260s及びドレイン用のリセス260dの形成以降の処理を、第2実施形態と同様に行う。
このようにして、第4実施形態に係る半導体装置400を製造することができる。
ここで、本願発明者らが行った第1シミュレーションについて説明する。第1シミュレーションでは、第2実施形態に係る半導体装置200と、図16に示す参考例に係る半導体装置900とについてドレイン電圧と飽和出力との関係を計算した。この結果を図17に示す。図16は、参考例に係る半導体装置を示す断面図である。図17は、ドレイン電圧と飽和出力との関係を示す図である。図17に示すように、参考例に係る半導体装置900では40V程度のドレイン電圧で破壊が生じるのに対し、第2実施形態では70V程度のドレイン電圧でも動作可能である。
次に、本願発明者らが行った第2シミュレーションについて説明する。第2シミュレーションでは、第2実施形態に係る半導体装置200について、平面視でのゲート電極1gとn型層240との間の距離Lとオフリーク電流との関係を計算した。この結果を図18に示す。図18は、平面視でのゲート電極1gとn型層240との間の距離Lとオフリーク電流との関係を示す図である。図18に示すように、距離Lが50nm以上であると、オフリーク電流が非常に小さい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態は、HEMTのディスクリートパッケージに関する。図19は、第5実施形態に係るディスクリートパッケージを示す図である。
第5実施形態では、図19に示すように、第1~第4実施形態のいずれかと同様の構造を備えた半導体装置1210の裏面がはんだ等のダイアタッチ剤1234を用いてランド(ダイパッド)1233に固定されている。また、ドレイン電極1dが接続されたドレインパッド1226dに、Alワイヤ等のワイヤ1235dが接続され、ワイヤ1235dの他端が、ランド1233と一体化しているドレインリード1232dに接続されている。ソース電極1sに接続されたソースパッド1226sにAlワイヤ等のワイヤ1235sが接続され、ワイヤ1235sの他端がランド1233から独立したソースリード1232sに接続されている。ゲート電極1gに接続されたゲートパッド1226gにAlワイヤ等のワイヤ1235gが接続され、ワイヤ1235gの他端がランド1233から独立したゲートリード1232gに接続されている。そして、ゲートリード1232gの一部、ドレインリード1232dの一部及びソースリード1232sの一部が突出するようにして、ランド1233及び半導体装置1210等がモールド樹脂1231によりパッケージングされている。
このようなディスクリートパッケージは、例えば、次のようにして製造することができる。まず、半導体装置1210をはんだ等のダイアタッチ剤1234を用いてリードフレームのランド1233に固定する。次いで、ワイヤ1235g、1235d及び1235sを用いたボンディングにより、ゲートパッド1226gをリードフレームのゲートリード1232gに接続し、ドレインパッド1226dをリードフレームのドレインリード1232dに接続し、ソースパッド1226sをリードフレームのソースリード1232sに接続する。その後、トランスファーモールド法にてモールド樹脂1231を用いた封止を行う。続いて、リードフレームを切り離す。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態は、HEMTを備えたPFC(Power Factor Correction)回路に関する。図20は、第6実施形態に係るPFC回路を示す結線図である。
PFC回路1250には、スイッチ素子(トランジスタ)1251、ダイオード1252、チョークコイル1253、コンデンサ1254及び1255、ダイオードブリッジ1256、並びに交流電源(AC)1257が設けられている。そして、スイッチ素子1251のドレイン電極と、ダイオード1252のアノード端子及びチョークコイル1253の一端子とが接続されている。スイッチ素子1251のソース電極と、コンデンサ1254の一端子及びコンデンサ1255の一端子とが接続されている。コンデンサ1254の他端子とチョークコイル1253の他端子とが接続されている。コンデンサ1255の他端子とダイオード1252のカソード端子とが接続されている。また、スイッチ素子1251のゲート電極にはゲートドライバが接続されている。コンデンサ1254の両端子間には、ダイオードブリッジ1256を介してAC1257が接続される。コンデンサ1255の両端子間には、直流電源(DC)が接続される。そして、本実施形態では、スイッチ素子1251に、第1~第4実施形態のいずれかと同様の構造を備えた半導体装置が用いられている。
PFC回路1250の製造に際しては、例えば、はんだ等を用いて、スイッチ素子1251をダイオード1252及びチョークコイル1253等に接続する。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。第7実施形態は、サーバ電源に好適な、HEMTを備えた電源装置に関する。図21は、第7実施形態に係る電源装置を示す結線図である。
電源装置には、高圧の一次側回路1261及び低圧の二次側回路1262、並びに一次側回路1261と二次側回路1262との間に配設されるトランス1263が設けられている。
一次側回路1261には、第6実施形態に係るPFC回路1250、及びPFC回路1250のコンデンサ1255の両端子間に接続されたインバータ回路、例えばフルブリッジインバータ回路1260が設けられている。フルブリッジインバータ回路1260には、複数(ここでは4つ)のスイッチ素子1264a、1264b、1264c及び1264dが設けられている。
二次側回路1262には、複数(ここでは3つ)のスイッチ素子1265a、1265b及び1265cが設けられている。
本実施形態では、一次側回路1261を構成するPFC回路1250のスイッチ素子1251、並びにフルブリッジインバータ回路1260のスイッチ素子1264a、1264b、1264c及び1264dに、第1~第4実施形態のいずれかと同様の構造を備えた半導体装置が用いられている。一方、二次側回路1262のスイッチ素子1265a、1265b及び1265cには、シリコンを用いた通常のMIS型FET(電界効果トランジスタ)が用いられている。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。第8実施形態は、HEMTを備えた増幅器に関する。図22は、第8実施形態に係る増幅器を示す結線図である。
増幅器には、ディジタル・プレディストーション回路1271、ミキサー1272a及び1272b、並びにパワーアンプ1273が設けられている。
ディジタル・プレディストーション回路1271は、入力信号の非線形歪みを補償する。ミキサー1272aは、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号とをミキシングする。パワーアンプ1273は、第1~第4実施形態のいずれかと同様の構造を備えた半導体装置を備えており、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅する。なお、本実施形態では、例えば、スイッチの切り替えにより、出力側の信号をミキサー1272bで交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路1271に送出できる。この増幅器は、高周波増幅器、高出力増幅器として使用することができる。高周波増幅器は、例えば、携帯電話基地局用送受信装置、レーダー装置及びマイクロ波発生装置に用いることができる。
本開示において、基板として、炭化シリコン(SiC)基板、サファイヤ基板、シリコン基板、AlN基板、GaN基板又はダイヤモンド基板を用いてもよい。基板が、導電性、半絶縁性又は絶縁性のいずれであってもよい。電子走行層を基板上に形成できる場合、基板が下地として用いられてもよい。
ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の構造は上述の実施形態のものに限定されない。例えば、これらが単層から構成されていてもよい。また、これらの形成方法はリフトオフ法に限定されない。更に、オーミック特性が得られるのであれば、ソース電極及びドレイン電極の形成後の熱処理を省略してもよい。ゲート電極の形成後に熱処理を行ってもよい。
ゲート電極の構造として、上記の実施形態ではショットキー型ゲート構造が用いられているが、MIS(metal-insulator-semiconductor)型ゲート構造が用いられてもよい。
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
化合物半導体の半導体積層構造と、
前記半導体積層構造の上方に設けられたソース電極、ゲート電極及びドレイン電極と、
を有し、
前記半導体積層構造は、
下地と、
前記下地の上に設けられた電子走行層と、
前記電子走行層の上に設けられた電子供給層と、
平面視で前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に設けられたn型層と、
を有し、
前記n型層は、
前記下地に接する下面と、
前記下地と前記電子走行層との界面よりも上方に位置する上面と、
を有することを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記下地の上面に凹部が形成され、
前記n型層は、前記凹部内に設けられていることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記電子走行層に、前記n型層の上面を露出する開口が形成されていることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
(付記4)
前記開口内に設けられ、前記n型層の上面を覆う絶縁膜を有することを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
(付記5)
平面視で、前記ゲート電極と前記n型層との間の距離は50nm以上であることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記6)
前記n型層は、1×1016cm-3以上1×1019cm-3以下の濃度でドナー型不純物を含むことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記7)
前記n型層の上面は、前記電子走行層の上面よりも下方に位置することを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記8)
付記1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置を有することを特徴とする増幅器。
(付記9)
付記1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置を有することを特徴とする電源装置。
1s:ソース電極
1d:ドレイン電極
1g:ゲート電極
100、200、300、400:半導体装置
101、201:半導体積層構造
110:下地
120、220:電子走行層
130、230:電子供給層
140、240:n型層
141、241:下面
142、242:上面
213:バッファ層
245、345:凹部

Claims (6)

  1. 化合物半導体の半導体積層構造と、
    前記半導体積層構造の上方に設けられたソース電極、ゲート電極及びドレイン電極と、
    を有し、
    前記半導体積層構造は、
    下地と、
    前記下地の上に設けられた電子走行層と、
    前記電子走行層の上に設けられた電子供給層と、
    平面視で前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に設けられたn型層と、
    を有し、
    前記n型層は、
    前記下地に接する下面と、
    前記下地と前記電子走行層との界面よりも上方に位置する上面と、
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記下地の上面に凹部が形成され、
    前記n型層は、前記凹部内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記電子走行層に、前記n型層の上面を露出する開口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記開口内に設けられ、前記n型層の上面を覆う絶縁膜を有することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 平面視で、前記ゲート電極と前記n型層との間の距離は50nm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記n型層は、1×1016cm-3以上1×1019cm-3以下の濃度でドナー型不純物を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置。
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