JP2022015446A - パルスレーザ装置及び加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】目的とするパルスレーザ光を安定して出力できるパルスレーザ装置及び加工装置を提供すること。【解決手段】パルスレーザ装置は、レーザ光源、電気光学変調器、レーザ光源駆動部、電気光学変調器駆動部、バイアス電圧供給部及び制御部を備える。レーザ光源は、レーザ光源駆動部によりパルス変調されたパルスレーザ光を出力し、電気光学変調器は、レーザ光源から出力されたパルスレーザ光が電気光学変調器駆動部により更にパルス変調されたパルスレーザ光を出力する。制御部は、レーザ光源がオン状態の間に電気光学変調器がオン状態となるようにレーザ光源駆動部と電気光学変調器駆動部とを制御し、電気光学変調器からの出力光の光強度が電気光学変調器の光透過特性の極小値となるバイアス電圧を電気光学変調器に供給するようにバイアス電圧供給部を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、パルスレーザ装置及び加工装置に関するものである。
従来、シード光源から出力されるシード光としてのパルスレーザ光を、光ファイバ増幅器等の光増幅器で増幅して、高強度のパルスレーザ光を出力する、所謂、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)型のパルスレーザ装置が提案されている。この種のパルスレーザ装置は、レーザ加工等に使用される。
MOPA型のパルスレーザ装置では、シード光のパルス幅を変化させることにより、レーザ加工の用途や材料に応じてパルスレーザ装置から出力されるパルスレーザ光のパルス幅を変更し、レーザ加工の最適化を行うことができる。例えば、1ns以下のパルス幅のパルスレーザ光を得るための技術として、パルス光の一部を、強度変調型の電気光学変調器(EOM:Electro-Optic Modulator)によって切り出して出力する方法がある(特許文献1、2参照)。EOMは、光通信の用途にも使用される変調器であるが、10GHz以上の高速な応答が可能であるため、1ns以下のパルス幅のパルスレーザ光を出力することが可能である。
特開2012-168292号公報 国際公開第2012/108530号
しかしながら、EOMの光透過特性は温度又は時間経過に依存して変化する可能性がある。この結果、目的とするパルスレーザ光を安定して出力することが困難になるという問題が生じ得る。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、目的とするパルスレーザ光を安定して出力することができるパルスレーザ装置及び加工装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係るパルスレーザ装置は、レーザ光源と、電気光学変調器と、前記レーザ光源をパルス変調で駆動するレーザ光源駆動部と、前記電気光学変調器をパルス変調で駆動する電気光学変調器駆動部と、前記電気光学変調器にバイアス電圧を供給するバイアス電圧供給部と、前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部と前記バイアス電圧供給部とを制御する制御部と、を備え、前記レーザ光源は、前記レーザ光源駆動部によりパルス変調されたパルスレーザ光を出力し、前記電気光学変調器は、前記レーザ光源から出力されたパルスレーザ光が前記電気光学変調器駆動部により更にパルス変調されたパルスレーザ光を出力し、前記制御部は、前記レーザ光源がオン状態の間に前記電気光学変調器がオン状態となるように前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部とを制御し、前記電気光学変調器からの出力光の光強度が前記電気光学変調器の光透過特性の極小値となる前記バイアス電圧を供給するように前記バイアス電圧供給部を制御する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るパルスレーザ装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記電気光学変調器のオン状態の時間幅に応じて、前記レーザ光源のオン状態の時間幅を、前記電気光学変調器の光透過特性が極小値を有する範囲で可変に設定するように、前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部とを制御する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るパルスレーザ装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記レーザ光源のオン状態の時間幅を前記電気光学変調器のオン状態の時間幅の2倍超に設定するように、前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部とを制御する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るパルスレーザ装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記レーザ光源のオン状態の時間幅を前記電気光学変調器のオン状態の時間幅の10倍以下に設定するように、前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部とを制御する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るパルスレーザ装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記レーザ光源がオフ状態の間に前記電気光学変調器が少なくとも1回オン状態となるように、前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部とを制御する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るパルスレーザ装置は、上記の発明において、前記電気光学変調器からの出力光の光強度を検出する光強度検出部をさらに備え、前記制御部は、検出された前記出力光の光強度が極小値となる前記バイアス電圧を供給するように前記バイアス電圧供給部を制御する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様請求項7に係るパルスレーザ装置は、上記の発明において、前記電気光学変調器の内部における放射光の光強度を検出する光強度検出部をさらに備え、前記制御部は、検出された前記放射光の光強度が極大値となる前記バイアス電圧を供給するように前記バイアス電圧供給部を制御する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る加工装置は、上記の発明のいずれか一つに記載のパルスレーザ装置と、前記パルスレーザ装置から出力されたパルスレーザ光を加工対象に照射する加工ヘッドと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、目的とするパルスレーザ光を安定して出力することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置の一構成例を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置が備えるシード光源装置の一構成例を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施形態1におけるシード光源装置の信号及び光出力のタイムチャートの一例を示す図である。 図4は、本発明の実施形態1におけるEOMの光透過特性の一例を示す図である。 図5は、本実施形態1における直接変調の時間幅の下限値を説明するための図である。 図6は、本実施形態1におけるEOMから出力されるパルスレーザ光の一例を示す模式図である。 図7は、外部変調によるパルスレーザ光のパルス光成分比とLDパルス幅との相関の一例を示す図である。 図8は、本発明の実施形態1に係る加工装置の一構成例を示す模式図である。 図9は、本発明の実施形態2に係るパルスレーザ装置が備えるシード光源装置の一構成例を示すブロック図である。
以下に、図面を参照して本発明に係るパルスレーザ装置及び加工装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付し、重複説明を省略する。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置の一構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態1に係るパルスレーザ装置100は、シード光源装置1と、プリアンプ20と、ブースターアンプ30と、出力部40と、を備えている。シード光源装置1とプリアンプ20とブースターアンプ30と出力部40とは、光ファイバで接続されている。
図1に示すように、シード光源装置1は、シード光として、パルスレーザ光L1を出力する。プリアンプ20は、光ファイバ増幅器等の光増幅器であり、光ファイバを介してパルスレーザ光L1を受け付け、このパルスレーザ光L1を光増幅する。プリアンプ20は、この光増幅後のパルスレーザ光L1をパルスレーザ光L2としてブースターアンプ30に出力する。ブースターアンプ30は、通常はプリアンプ20よりも高出力である光ファイバ増幅器等の光増幅器であり、光ファイバを介してパルスレーザ光L2を受け付け、このパルスレーザ光L2を光増幅する。ブースターアンプ30は、この光増幅後のパルスレーザ光L2をパルスレーザ光L3として出力部40に出力する。出力部40は、公知のレーザヘッドで構成されており、光ファイバを介してパルスレーザ光L3を受け付け、これをパルスレーザ光L4として外部に出力する。出力部40から出力されたパルスレーザ光L4は、例えばレーザ加工等の所望の用途に使用される。
図2は、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置が備えるシード光源装置の一構成例を示すブロック図である。図2に示すように、このシード光源装置1は、レーザ光源である半導体レーザダイオード(LD:Laser Diode)2と、レーザ光源駆動部であるLD駆動部3と、電気光学変調器(EOM)4と、電気光学変調器駆動部であるEOM駆動部5と、バイアス電圧供給部6とを備えている。また、シード光源装置1は、光カプラ7と、フォトダイオード(PD:Photo Diode)8と、光強度検出部である光強度モニタ部9と、操作部10と、制御部11とを備えている。
LD2は、例えば1.55μm波長帯に含まれる単一波長のパルスレーザ光を出力するDFB(Distributed Feedback)レーザ素子である。図2に示すように、LD2は、光ファイバでEOM4と接続されており、上記単一波長のパルスレーザ光であるパルスレーザ光L0を出力する。LD駆動部3は、公知のLD駆動回路等を用いて構成され、LD2にLD駆動信号S21を出力することにより、LD2をパルス変調で駆動する。LD2は、LD駆動部3によりパルス変調されたパルスレーザ光L0を、光ファイバを介してEOM4に出力する。
EOM4は、図2に示すように、LD2から出力されたパルスレーザ光L0を、光ファイバを介して受け付けて強度変調する。EOM4は、この強度変調後のパルスレーザ光L0をパルスレーザ光L1として出力する。EOM駆動部5は、公知のEOM駆動回路等を用いて構成され、図2に示すように、EOM4にEOM駆動信号S22を出力することにより、EOM4をパルス変調で駆動する。バイアス電圧供給部6は、図2に示すように、EOM4に直流信号S23を出力することにより、EOM4にバイアス電圧を供給する。EOM4の光透過率(すなわちEOM4からの出力光の光強度)は、この供給されたバイアス電圧に応じて決まる。EOM4は、LD2からのパルスレーザ光L0がEOM駆動部5により更にパルス変調されたパルスレーザ光L1を、バイアス電圧供給部6から供給されたバイアス電圧に応じた光強度で出力する。
光カプラ7は、図2に示すように、光ファイバでEOM4、PD8及びプリアンプ20(図1参照)と接続されている。光カプラ7は、EOM4から出力されたパルスレーザ光L1の一部を分岐し、パルスレーザ光L1aとしてPD8に入力させるとともに、この分岐したパルスレーザ光L1aを除くパルスレーザ光L1の多くをプリアンプ20に入力させる。PD8は、光カプラ7から光ファイバを介してパルスレーザ光L1aを受け付け、このパルスレーザ光L1aに対応する電気信号を光電変換処理によって生成する。PD8は、この生成した電気信号を光強度モニタ部9に出力する。
光強度モニタ部9は、PD8からの電気信号をもとにパルスレーザ光L1aの光強度を検出(モニタリング)する。これにより、光強度モニタ部9は、EOM4からの出力光の光強度、すなわちEOM4から出力されたパルスレーザ光L1の光強度を検出する。その都度、光強度モニタ部9は、この検出したパルスレーザ光L1の光強度を示す検出信号を制御部11に出力する。
操作部10は、入力デバイス等によって構成され、使用者の入力操作に応じて、パルスレーザ装置100のパルスレーザ光出力を操作するためのコマンドを制御部11に入力する。例えば、操作部10は、シード光源装置1から出力されるパルスレーザ光L1の時間幅(パルス幅)を調整するためのコマンドを制御部11に入力する。
制御部11は、各種制御処理を行うためのCPU(Central Processing Unit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を含んだデジタル回路で構成され、LD駆動部3とEOM駆動部5とバイアス電圧供給部6とを制御する。
詳細には、図2に示すように、制御部11は、LD駆動部3にLD制御信号S11を出力し、EOM駆動部5にEOM制御信号S12を出力する。LD制御信号S11及びEOM制御信号S12は、それぞれ、所定の繰り返し周期及び可変の時間幅(パルス幅)でオン状態となり、その他の期間ではオフ状態となるパルス信号である。制御部11は、LD駆動部3に対するLD制御信号S11の出力により、このLD制御信号S11と同じオンオフ状態の繰返し周期及びパルス幅を有するLD駆動信号S21をLD駆動部3に出力させる。これに並行して、制御部11は、EOM駆動部5に対するEOM制御信号S12の出力により、このEOM制御信号S12と同じオンオフ状態の繰返し周期及びパルス幅を有するEOM駆動信号S22をEOM駆動部5に出力させる。これにより、制御部11は、LD2がオン状態の間にEOM4がオン状態となるように、LD駆動部3とEOM駆動部5とを制御する。これと同時に、制御部11は、LD2がオフ状態の間にEOM4が少なくとも1回オン状態となるように、LD駆動部3とEOM駆動部5とを制御する。
また、制御部11は、EOM4の光透過特性が極小値を有するという条件下において、EOM制御信号S12のパルス幅を変更し、このEOM制御信号S12の変更後のパルス幅に応じて、LD制御信号S11のパルス幅を調整する。制御部11は、このようにパルス幅を変更又は調整後のLD制御信号S11及びEOM制御信号S12を、それぞれ、LD駆動部3及びEOM駆動部5に出力する。これにより、制御部11は、上記LD制御信号S11に対応するLD駆動信号S21をLD駆動部3に出力させ、且つ、上記EOM制御信号S12に対応するEOM駆動信号S22をEOM駆動部5に出力させる。すなわち、制御部11は、EOM4のオン状態の時間幅に応じて、LD2のオン状態の時間幅を、EOM4の光透過特性が極小値を有する範囲で可変に設定するように、LD駆動部3とEOM駆動部5とを制御する。
本発明において、上記「EOM4の光透過特性が極小値を有する範囲」とは、EOM4の光透過特性が極小値を有する際における、EOM4のオン状態の時間幅に対する相対的なLD2のオン状態の時間幅の範囲である。例えば、上記範囲の下限として、制御部11は、LD2のオン状態の時間幅をEOM4のオン状態の時間幅の2倍超に設定するように、LD駆動部3とEOM駆動部5とを制御する。上記範囲の上限として、制御部11は、LD2のオン状態の時間幅をEOM4のオン状態の時間幅の10倍以下に設定するように、LD駆動部3とEOM駆動部5とを制御する。なお、LD2のオン状態の時間幅は、LD2から出力されるパルスレーザ光L0のパルス幅に相当する。EOM4のオン状態の時間幅は、EOM4から出力されるパルスレーザ光L1のパルス幅に相当する。
また、制御部11は、例えば光強度モニタ部9によって検出された光強度をもとに、電圧制御信号S13を生成する。電圧制御信号S13は、バイアス電圧供給部6がEOM4に供給するバイアス電圧を制御するための制御信号である。制御部11は、生成した電圧制御信号S13をバイアス電圧供給部6に出力することにより、この電圧制御信号S13によって指示するバイアス電圧をEOM4に供給するための直流信号S23をバイアス電圧供給部6に出力させる。これにより、制御部11は、EOM4からの出力光の光強度がEOM4の光透過特性の極小値となるバイアス電圧をEOM4へ供給するように、バイアス電圧供給部6を制御する。本実施形態1では、EOM4からの出力光(具体的にはEOM4から出力されるパルスレーザ光L1)と、光強度モニタ部9によって光強度が検出される出力光(具体的にはPD8に受光されるパルスレーザ光L1a)とは、互いに同位相である。したがって、EOM4の光透過特性が極小値となるとき、光強度モニタ部9によって検出された光強度も極小値となる。制御部11は、光強度モニタ部9によって検出された上記出力光の光強度が極小値となるバイアス電圧を供給するように、バイアス電圧供給部6を制御する。
(パルスレーザ装置の制御処理)
つぎに、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置100の制御処理について説明する。図3は、本発明の実施形態1におけるシード光源装置の信号及び光出力のタイムチャートの一例を示す図である。以下では、まず、図3等を参照しつつ、パルスレーザ装置100の制御処理として、シード光源装置1における光出力のタイミング及び時間幅の制御を説明する。
図3に示すように、LD制御信号S11は、例えば図示する時間範囲において、時刻t1、t2、t3を中心として可変のパルス幅でオン状態となり、その他の期間ではオフ状態となるパルス信号である。LD制御信号S11の繰り返し周期はT1であり、繰り返し周波数はf1=1/T1で一定である。一方、EOM制御信号S12は、LD制御信号S11と同様に可変のパルス幅でオン状態となり、その他の期間ではオフ状態となるパルス信号であるが、そのパルス幅はLD制御信号S11よりも小さい。また、EOM制御信号S12の繰り返し周期は、T1より小さいT2である。したがって、EOM制御信号S12の繰り返し周波数はf2=1/T2で一定であり、f2はf1より大きく、図3に示す例ではf2=3×f1である。
上述したシード光源装置1(図2参照)において、制御部11は、操作部10から入力されたコマンドに基づいて、EOM制御信号S12のパルス幅(例えば図3に示す時刻t1、t2におけるパルス幅)を設定し、この設定したパルス幅及び繰り返し周期T2を有するEOM制御信号S12を生成する。また、制御部11は、このEOM制御信号S12のパルス幅に応じて、LD制御信号S11のパルス幅を、EOM制御信号S12のパルス幅の2倍超、10倍以下のパルス幅に設定する。制御部11は、この設定したパルス幅及び繰り返し周期T1を有するLD制御信号S11を生成する。
また、パルスレーザ光L1のパルス幅を変更するコマンドが操作部10から入力された場合、制御部11は、このコマンドに基づいて、EOM制御信号S12のパルス幅を変更(例えば図3に示す時刻t3におけるパルス幅に変更)し、この変更後のパルス幅及び繰り返し周期T2を有するEOM制御信号S12を生成する。また、制御部11は、この変更後のEOM制御信号S12のパルス幅に応じて、LD制御信号S11のパルス幅を、EOM制御信号S12のパルス幅の2倍超、10倍以下のパルス幅に調整する。制御部11は、この調整後のパルス幅及び繰り返し周期T1を有するLD制御信号S11を生成する。
なお、図3では、制御部11は、EOM制御信号S12のパルス幅を増加させ、これに応じて、LD制御信号S11のパルス幅を増加させているが、必ずしも増加させなくてもよい。すなわち、制御部11は、LD制御信号S11のパルス幅がEOM制御信号S12の変更後におけるパルス幅の2倍超、10倍以下の範囲内となるのであれば、EOM制御信号S12の増減変化に応じて、LD制御信号S11のパルス幅を増加させてもよいし、減少させてもよいし、現状維持してもよい。
制御部11は、上記のように生成したLD制御信号S11及びEOM制御信号S12を、LD駆動部3及びEOM駆動部5に各々出力する。これにより、制御部11は、LD制御信号S11に同期したパルス信号であるLD駆動信号S21をLD2に出力するようにLD駆動部3を制御する。これに並行して、制御部11は、EOM制御信号S12に同期したパルス信号であるEOM駆動信号S22をEOM4に出力するようにEOM駆動部5を制御する。この結果、LD2がオン状態の間にEOM4がオン状態となるように、LD2及びEOM4のオンオフ状態のタイミングが制御される。また、LD2のオン状態の時間幅は、EOM4の光透過特性が極小値を有する範囲、例えば、EOM4のオン状態の時間幅の2倍超、10倍以下に制御される。さらに、LD2がオフ状態の間にEOM4が少なくとも1回(図3では2回)オン状態となるように、LD2及びEOM4のオンオフ状態のタイミングが制御される。
上述した制御部11によるLD2及びEOM4のオンオフ状態のタイミング制御及び時間幅制御により、LD2から出力されるパルスレーザ光L0(図3中のLD光出力)は、LD制御信号S11及びLD駆動信号S21に同期した光パルス列からなるパルスレーザ光となる。EOM4から出力されるパルスレーザ光L1(図3中のEOM光出力)は、EOM制御信号S12及びEOM駆動信号S22に同期した光パルス列からなるパルスレーザ光となる。すなわち、パルスレーザ光L1は、LD2からのパルスレーザ光L0がEOM4によってEOM駆動信号S22のパルス幅に切り出されたパルスレーザ光となる。なお、上述したLD制御信号S11の繰り返し周波数f1及び、EOM制御信号S12のパルス幅は、操作部10の操作によってパルスレーザ光L1に対する所望の値に設定することができる。
図4は、本発明の実施形態1におけるEOMの光透過特性の一例を示す図である。続いて、図4等を参照しつつ、パルスレーザ装置100の制御処理として、シード光源装置1のEOM4に供給されるバイアス電圧の制御を説明する。
図4に示すように、EOM4の光透過特性は、EOM4に供給されるバイアス電圧とEOM4からの光出力の光強度との相関を示す相関線Yによって表され、バイアス電圧の変化に対して光出力の光強度の極小値及び極大値を有する。このような光透過特性を有するEOM4は、LD2から出力されたパルスレーザ光L0を受け付け、このパルスレーザ光L0から、EOM駆動信号S22のパルス幅を有するパルスレーザ光L1を切り出して出力する。EOM4から出力されるパルスレーザ光L1の光強度は、EOM4に供給されるバイアス電圧に応じて変化する。
詳細には、EOM4に供給されるバイアス電圧が図4に示す相関線Yの極小値に対応するバイアス電圧V1である場合、EOM4は、LD2からのパルスレーザ光L0のうち、消光したい光成分(例えばパルスレーザ光L0の両エッジ部)を充分に消光する。この結果、EOM4から出力されるパルスレーザ光L1は、目的とするピークパワーとパルス幅とを有するパルスレーザ光(図4の状態A1参照)となる。この場合、パルスレーザ光L1の光強度は、EOM4の光透過特性における極小値となる。すなわち、EOM4に供給されるバイアス電圧として、EOM4から出力されるパルスレーザ光L1の光強度が極小値となるバイアス電圧V1が、EOM4の光透過特性における最適値である。
一方、EOM4に供給されるバイアス電圧が上述した最適なバイアス電圧V1側から図4に示す相関線Yの極大値に対応するバイアス電圧V2側へ変化した場合、EOM4は、LD2からのパルスレーザ光L0のうち、消光したい光成分の出力を消光しきれずに透過させてしまう。この結果、EOM4から出力されるパルスレーザ光L1は、EOM4によって消光しきれずに残った光成分(ノイズ成分)を含むパルスレーザ光(図4の状態A2参照)となる。この場合、パルスレーザ光L1の光強度は、EOM4の光透過特性における極小値よりも、当該光透過特性の極大値を上限にして大きい値となる。
ここで、EOM4の光透過特性は、温度又は時間経過に依存して変化する可能性がある。このEOM4の光透過特性の変化に伴い、EOM4に供給するバイアス電圧の最適値も変化してしまう。このため、制御部11は、EOM4に供給するバイアス電圧が最適値となるように、バイアス電圧供給部6を制御する。
例えば、制御部11は、昇順または降順に異なる複数のバイアス電圧を各々指示する複数の電圧制御信号S13を生成し、これら複数の電圧制御信号S13を時系列に沿って順次、バイアス電圧供給部6に出力する。これにより、制御部11は、これら複数の電圧制御信号S13に各々対応する複数の直流信号S23を時系列に沿って順次、バイアス電圧供給部6に出力させる。このような制御部11の制御により、バイアス電圧供給部6は、これら複数の直流信号S23をEOM4に順次出力して、上記複数のバイアス電圧を時系列に沿って順次、EOM4に供給する。
EOM4は、バイアス電圧供給部6から順次供給されるバイアス電圧毎に、LD2からのパルスレーザ光L0から切り出したパルスレーザ光L1を出力する。EOM4から出力された複数のパルスレーザ光L1は、各々、光カプラ7でパルスレーザ光L1aに分岐された後、時系列に沿って順次PD8に受光される。光強度モニタ部9は、PD8によって受光された複数のパルスレーザ光L1aの光強度を、時系列に沿って順次検出し、検出した光強度を示す検出信号を制御部11へ順次出力する。この結果、制御部11は、上述した複数のバイアス電圧に各々対応する複数のパルスレーザ光L1の光強度を取得する。
本実施形態1では、PD8によって順次受光される複数のパルスレーザ光L1aと、EOM4から順次出力される複数のパルスレーザ光L1とは、各々、同位相である。したがって、光強度モニタ部9によって順次検出された複数のパルスレーザ光L1aの光強度のうち、極小(最小)の光強度が、EOM4の光透過特性の極小値となる。制御部11は、これらの光強度のうち、最小となる光強度を特定する。そして、制御部11は、上述した複数のバイアス電圧の中から、上記最小となる光強度に対応するバイアス電圧を、EOM4の光透過特性において光強度が極小値となるバイアス電圧として選択する。制御部11は、このように選択したバイアス電圧の供給を指示するための電圧制御信号S13を生成し、生成した電圧制御信号S13をバイアス電圧供給部6に出力する。これにより、バイアス電圧供給部6からEOM4に供給されるバイアス電圧は、複数のパルスレーザ光L1aの光強度のうち光強度モニタ部9によって検出された光強度が極小値となるバイアス電圧、すなわち、EOM4からの光出力の光強度がEOM4の光透過特性の極小値となるバイアス電圧(最適値)に制御される。
(パルス変調のパルス幅下限値)
つぎに、LD駆動部3によるパルス変調(以下、直接変調という)のパルス幅下限値、すなわち、LD駆動部3がパルス変調で駆動するLD2のオン状態の時間幅(以下、直接変調の時間幅という)の下限値について説明する。本実施形態1において、制御部11は、EOM駆動部5によるパルス変調(以下、外部変調という)が行われるEOM4のオン状態の時間幅(以下、外部変調の時間幅という)に応じて、LD2の直接変調の時間幅を可変に制御する。この直接変調の時間幅には、EOM4の光透過特性が極小値を有する範囲において下限値が設定される。
図5は、本実施形態1における直接変調の時間幅の下限値を説明するための図である。図5には、外部変調の時間幅に対する直接変調の時間幅の倍数に応じて異なるEOM4の光透過特性の一例が図示されている。図5において、相関線Y1は、直接変調の時間幅が外部変調の時間幅の10倍である場合におけるEOM4の光透過特性を表す相関線である。相関線Y2は、直接変調の時間幅が外部変調の時間幅の6倍である場合におけるEOM4の光透過特性を表す相関線である。相関線Y3は、直接変調の時間幅が外部変調の時間幅の3倍である場合におけるEOM4の光透過特性を表す相関線である。なお、EOM4の光透過特性は、上述したように、EOM4に供給されるバイアス電圧の変化とEOM4から出力されるパルスレーザ光L1の光強度の変化との相関によって表される。
図5に示すように、EOM4の光透過特性は、相関線Y1、Y2、Y3の何れの場合においても、バイアス電圧の変化に対して光強度の極小値を有している。また、EOM4の光透過特性におけるバイアス電圧の変化に対する光強度の変化は、相関線Y1よりも相関線Y2の場合により緩くなり、相関線Y2よりも相関線Y3の場合により緩くなっている。すなわち、上記バイアス電圧の変化に対する光強度の変化は、外部変調の時間幅に対する直接変調の時間幅の倍数が減少(図5では10倍→6倍→3倍に減少)するに伴い、緩くなる傾向にある。そして、図5には図示されていないが、EOM4の光透過特性に光強度は、直接変調の時間幅が外部変調の時間幅の2倍以下になる場合において、上記バイアス電圧の変化に対して略一定となる。この場合、EOM4の光透過特性は、バイアス電圧の変化に対する光強度の極小値を特定し難いものとなる。
ここで、EOM4に供給されるバイアス電圧としては、EOM4から出力されるパルスレーザ光L1の光強度が極小値となるバイアス電圧が最適値である。故に、最適なバイアス電圧をEOM4に供給するためには、EOM4の光透過特性がバイアス電圧の変化に対する光強度の極小値を有するように、外部変調の時間幅に対する直接変調の時間幅の下限値を設定する必要がある。以上より、直接変調の時間幅(LD2のオン状態の時間幅)の下限値は、外部変調の時間幅(EOM4のオン状態の時間幅)の2倍超となる。この場合、LD駆動部3によりパルス変調されてLD2から出力されるパルスレーザ光L0のパルス幅は、EOM駆動部5によりパルス変調されてEOM4から出力されるパルスレーザ光L1のパルス幅の2倍超に制御される。
(パルス変調のパルス幅上限値)
つぎに、LD駆動部3によるパルス変調のパルス幅上限値、すなわち、LD2における直接変調の時間幅の上限値について説明する。本実施形態1において、制御部11は、外部変調の時間幅に応じて、LD2の直接変調の時間幅を可変に制御する。この直接変調の時間幅には、EOM4の光透過特性に基づいて上限値が設定される。
図6は、本実施形態1におけるEOMから出力されるパルスレーザ光の一例を示す模式図である。図6において、第1パルス光成分Pmは、EOM4から出力されるパルスレーザ光L1のうち、目的とするピークパワーPwとEOMパルス幅Wmとを有するパルス光成分である。第2パルス光成分Psは、このパルスレーザ光L1のうち、本来消光したいパルス光成分(ノイズ成分)である。EOMパルス幅Wmは、EOM駆動部5がEOM4に出力したEOM駆動信号S22と同じパルス幅であり、EOM4のオン状態の時間幅(外部変調の時間幅)に相当する。LDパルス幅Wsは、LD駆動部3がLD2に出力したLD駆動信号S21と同じパルス幅であり、LD2のオン状態の時間幅(直接変調の時間幅)に相当する。消光比Erは、LD2での直接変調によるパルスレーザ光L0からEOM4が外部変調によるパルスレーザ光L1を切り出す際のオン/オフ消光比である。
図6に示すように、第1パルス光成分Pmのパルスエネルギーは、パルスレーザ光L1のうち実線の斜線部分の面積で表され、以下に示す式(1)によって算出される。

Pmのパルスエネルギー=Pw×Wm ・・・(1)

また、第2パルス光成分Psのパルスエネルギーは、パルスレーザ光L1のうち破線の斜線部分の面積で表され、以下に示す式(2)によって算出される。

Psのパルスエネルギー=(Pw×Er)×Ws ・・・(2)

したがって、パルスレーザ光L1における第1パルス光成分Pmのパルスエネルギーと第2パルス光成分Psのパルスエネルギーとの比、すなわち、パルス光成分比Pm/Psは、以下に示す式(3)によって算出される。

Pm/Ps=(Pw×Wm)/{(Pw×Er)×Ws}
=Wm/(Er×Ws) ・・・(3)

なお、EOM4の光透過特性におけるオン/オフ消光比は、典型的には30[dB](絶対値)である。したがって、本実施形態1では、式(2)、(3)における消光比Erは30[dB](Er=1/1000)とする。
ここで、EOM4の光透過特性におけるオン/オフ消光比の劣化を抑制するという観点から、直接変調の時間幅は上限値を有することが好ましい。すなわち、パルスレーザ光L1におけるパルス光成分比Pm/Psは、所定の閾値以上、例えば20[dB](=100)以上であることが好ましい。したがって、上記の消光比Er(=1/1000)を式(3)に代入すると、EOMパルス幅wmとLDパルス幅Wsとの間には、以下に示す関係が成立する。

100≦Pm/Ps=Wm/(1/1000×Ws)=(Wm/Ws)×1000

故に、Ws≦10×Wmの関係式が成立する。以上より、LDパルス幅Wsは、EOMパルス幅Wmの10倍以下に制御される。すなわち、直接変調の時間幅(LD2のオン状態の時間幅)の上限値は、外部変調の時間幅(EOM4のオン状態の時間幅)の10倍以下となる。
図7は、外部変調によるパルスレーザ光のパルス光成分比とLDパルス幅との相関の一例を示す図である。例えば図7に示すように、このパルスレーザ光L1のパルス光成分比Pm/Psが20[dB]以上である場合、EOMパルス幅Wmが0.1[ns]であれば、LDパルス幅Wsは1.0[ns]以下である。EOMパルス幅Wmが0.5[ns]であれば、LDパルス幅Wsは5.0[ns]以下である。EOMパルス幅Wmが1.0[ns]であれば、LDパルス幅Wsは10[ns]以下である。
(加工装置)
つぎに、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置100を適用した加工装置について説明する。図8は、本発明の実施形態1に係る加工装置の一構成例を示す模式図である。図8に示すように、本実施形態1に係る加工装置110は、所望の用途に応じたレーザ加工を行うものであり、上述したパルスレーザ装置100と、加工ヘッド101とを備える。
パルスレーザ装置100は、上述したように、出力部40(図1参照)からパルスレーザ光L4を出力する。加工ヘッド101は、図8に示すように、パルスレーザ装置100から出力されたパルスレーザ光L4を、パルスレーザ光L5として加工対象であるワーク200に照射する。なお、パルスレーザ装置100と加工ヘッド101とは、光ファイバで光学的に接続してもよいし、空間結合系で光学的に接続してもよい。ワーク200に対するレーザ加工は、例えば穴あけ、スクライビング、精密切断、精密溶接(薄膜等)、表面処理、マーキングである。
以上、説明したように、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置100では、LD駆動部3によってLD2をパルス変調(直接変調)で駆動し、EOM駆動部5によってEOM4をパルス変調(外部変調)で駆動し、バイアス電圧供給部6からEOM4にバイアス電圧を供給し、直接変調されたパルスレーザ光L0をLD2から出力し、LD2からのパルスレーザ光L0が更に外部変調されたパルスレーザ光L1をEOM4から出力している。また、制御部11は、LD2がオン状態の間にEOM4がオン状態となるようにLD駆動部3とEOM駆動部5とを制御し、EOM4から出力されたパルスレーザ光L1の光強度がEOM4の光透過特性の極小値となるバイアス電圧を供給するようにバイアス電圧供給部6を制御している。
このため、たとえEOM4の光透過特性が温度又は時間経過に依存して変化した場合であっても、光強度モニタ部9によって検出されたパルスレーザ光L1の光強度が極小値となるようにバイアス電圧を制御することにより、EOM4に供給するバイアス電圧を、EOM4の光透過特性における最適なバイアス電圧に制御できるとともに、LD2の出力光(パルスレーザ光L0)から、上記最適なバイアス電圧に応じて決まる光強度と外部変調による所望のパルス幅とを有するパルスレーザ光L1をEOM4によって安定して切り出すことができる。この結果、目的とするパルス幅及びピークパワーを有するパルスレーザ光を安定して出力することができる。
また、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置100では、EOM4のオン状態の時間幅に応じて、LD2のオン状態の時間幅を、EOM4の光透過特性が極小値を有する範囲で可変に設定するように、制御部11がLD駆動部3とEOM駆動部5とを制御している。このため、EOM4に供給するバイアス電圧を最適値に安定して制御するとともに、LD2のオン状態の時間幅とEOM4のオン状態の時間幅とをパルスレーザ光の用途に応じて広範囲に調整することができる。この結果、光通信やレーザ加工等の各種用途に応じて、目的とするパルスレーザ光のパルス幅を、例えば1ns以下という短パルス幅の範囲のみならず1ns超という長パルス幅の範囲を含む広範囲に亘って設定することができ、設定したパルス幅のパルスレーザ光を安定して出力することができる。
また、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置100では、LD2のオン状態の時間幅をEOM4のオン状態の時間幅の2倍超に設定するように、制御部11がLD駆動部3とEOM駆動部5とを制御している。このため、EOM4の光透過特性を、バイアス電圧の変化に対して光出力の光強度の極小値を有するものに維持しながら、EOM4のオン状態の時間幅とLD2のオン状態の時間幅とを調整することができる。この結果、EOM4に供給するバイアス電圧の最適化の制御を確実に行えるとともに、出力するパルスレーザ光のパルス幅を用途に応じて広範囲に調整することができる。
また、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置100では、LD2のオン状態の時間幅をEOM4のオン状態の時間幅の10倍以下に設定するように、制御部11がLD駆動部3とEOM駆動部5とを制御している。このため、EOM4がLD2の出力光(直接変調によるパルスレーザ光L0)から外部変調によるパルスレーザ光L1を切り出す際のオン/オフ消光比の劣化を抑制しながら、EOM4のオン状態の時間幅とLD2のオン状態の時間幅とを調整することができる。この結果、直接変調によるパルスレーザ光L0から目的とするパルス幅及びピークパワーを有するパルスレーザ光L1を安定的に切り出して出力することができる。
また、本発明の実施形態1に係るパルスレーザ装置100では、LD2がオフ状態の間にEOM4が少なくとも1回オン状態となるように、制御部11がLD駆動部3とEOM駆動部5とを制御している。このため、LD2に対するパルス変調の繰り返し周期における、EOM4に対するパルス変調のデューティ比を、LD2に対するパルス変調のデューティ比よりも高くすることができる。これにより、EOM4の適切な駆動に必要な振幅の電圧をEOM4に出力することができ、この結果、EOM4を適切なパルス変調で駆動できることから、EOM4からパルスレーザ光L1を好適な状態で出力することができる。
また、本発明の実施形態1に係る加工装置110では、上述したパルスレーザ装置100を適用し、パルスレーザ装置100から出力されたパルスレーザ光を加工ヘッド101によって加工対象に照射するように構成している。このため、上述したパルスレーザ装置100の作用効果を享受するとともに、目的とするパルス幅及びピークパワーを有するパルスレーザ光を加工対象に安定して照射することができ、この結果、所望の用途に応じたレーザ加工を安定して行うことができる。
(実施形態2)
つぎに、本発明の実施形態2に係るパルスレーザ装置について説明する。図9は、本発明の実施形態2に係るパルスレーザ装置が備えるシード光源装置の一構成例を示すブロック図である。図9に示すように、本実施形態2に係るパルスレーザ装置のシード光源装置1Aは、上述した実施形態1におけるシード光源装置1のPD8に代えてPD8Aを備え、光強度モニタ部9に代えて光強度モニタ部9Aを備え、制御部11に代えて制御部11Aを備える。このシード光源装置1Aには、EOM4の光出力側の光ファイバを分岐するための光カプラ7等の部材が設けられていない。また、特に図示しないが、本実施形態2に係るパルスレーザ装置は、実施形態1のシード光源装置1に代えて実施形態2のシード光源装置1Aを備える。本実施形態2に係る加工装置は、実施形態1のパルスレーザ装置100に代えて実施形態2のパルスレーザ装置を備える。その他の構成は実施形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
PD8Aは、図9に示すように、EOM4の内部に設けられている。PD8Aは、EOM4の内部に形成されている導波路(図示せず)から放射された放射光を受光する。この放射光は、EOM4の導波路内を伝搬するパルスレーザ光の一部が当該導波路から漏れ出たものであり、EOM4から出力されるパルスレーザ光L1とは逆位相となる。PD8Aは、EOM4の内部において上記放射光を受け付け、この放射光に対応する電気信号を光電変換処理によって生成する。PD8Aは、この生成した電気信号を光強度モニタ部9Aに出力する。
光強度モニタ部9Aは、PD8Aからの電気信号をもとに、EOM4の内部における放射光の光強度を検出(モニタリング)する。その都度、光強度モニタ部9Aは、この検出した放射光の光強度を示す検出信号を制御部11Aに出力する。
制御部11Aは、各種制御処理を行うためのCPU又はFPGA等を含んだデジタル回路で構成され、上述した実施形態1と同様にLD駆動部3とEOM駆動部5とを制御する。また、制御部11Aは、光強度モニタ部9Aによる光強度の検出結果をもとに、バイアス電圧供給部6を制御する。
詳細には、制御部11Aは、光強度モニタ部9Aによって検出された放射光の光強度をもとに、電圧制御信号S13を生成する。制御部11Aは、生成した電圧制御信号S13をバイアス電圧供給部6に出力することにより、この電圧制御信号S13によって指示するバイアス電圧をEOM4に供給するための直流信号S23をバイアス電圧供給部6に出力させる。これにより、制御部11Aは、EOM4からの出力光の光強度がEOM4の光透過特性の極小値となるバイアス電圧をEOM4へ供給するように、バイアス電圧供給部6を制御する。本実施形態2では、EOM4からの出力光(パルスレーザ光L1)と、光強度モニタ部9Aによって光強度が検出されるEOM4内部の放射光とは、互いに逆位相である。したがって、EOM4の光透過特性が極小値となるとき、光強度モニタ部9Aによって検出された光強度は極大値となる。制御部11Aは、光強度モニタ部9Aによって検出された上記放射光の光強度が極大値となるバイアス電圧を供給するように、バイアス電圧供給部6を制御する。
例えば、制御部11Aは、上述した実施形態1と同様に、昇順または降順に異なる複数のバイアス電圧を時系列に沿ってEOM4に順次供給するように、バイアス電圧供給部6を制御する。PD8Aは、バイアス電圧供給部6からEOM4へ順次供給されるバイアス電圧毎に、EOM4の内部における放射光を受光する。光強度モニタ部9Aは、PD8Aによって受光された複数の放射光の光強度を、時系列に沿って順次検出し、検出した光強度を示す検出信号を制御部11Aへ順次出力する。この結果、制御部11Aは、上述した複数のバイアス電圧に各々対応する複数の放射光の光強度を取得する。
制御部11Aは、取得した複数の放射光の光強度のうち、極大(最大)となる光強度を特定する。そして、制御部11Aは、上述した複数のバイアス電圧の中から、上記最大となる光強度に対応するバイアス電圧を、EOM4の光透過特性において光強度が極小値となるバイアス電圧として選択する。制御部11Aは、このように選択したバイアス電圧の供給を指示するための電圧制御信号S13を生成し、生成した電圧制御信号S13をバイアス電圧供給部6に出力する。これにより、バイアス電圧供給部6からEOM4に供給されるバイアス電圧は、EOM4の内部における複数の放射光の光強度のうち光強度モニタ部9Aによって検出された光強度が極大値となるバイアス電圧、すなわち、EOM4からの光出力の光強度がEOM4の光透過特性の極小値となるバイアス電圧(最適値)に制御される。
以上、説明したように、本発明の実施形態2に係るパルスレーザ装置では、EOM4の内部における放射光とEOM4からの出力光とが互いに逆位相であることに基づいて、EOM4の内部における放射光の光強度が極大値となるバイアス電圧をEOM4へ供給するようにバイアス電圧供給部6を制御するようにし、その他を実施形態1と同様に構成している。このため、本実施形態2に係るパルスレーザ装置及びこれを用いた加工装置は、上述した実施形態1と同様の作用効果を享受するとともに、EOM4から出力されるパルスレーザ光L1の一部を光強度検出のために分岐させる必要がないことから、光カプラ等の分岐用の部品を省略でき、且つ、パルスレーザ光L1の出力効率を向上させることができる。
なお、上述した実施形態1、2では、シード光源としてシード光源装置を備えるパルスレーザ装置を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記シード光源装置自体が本発明に係るパルスレーザ装置であってもよい。
また、上述した実施形態1、2では、EOM制御信号S12の繰り返し周波数がLD制御信号S11の繰り返し周波数の3倍に設定され、LD2がオフ状態の間にEOM4が2回オン状態となる場合を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、EOM制御信号S12は、LD制御信号S11がオフ状態の間に1回だけオン状態となるパルス信号とし、LD2がオフ状態の間にEOM4が1回だけオン状態となるようにしてもよい。或いは、EOM制御信号S12は、LD制御信号S11がオフ状態の間に2回以上オン状態となるパルス信号とし、LD2がオフ状態の間にEOM4が2回以上オン状態となるようにしてもよい。また、LD制御信号S11及びEOM制御信号S12は、LD2がオン態の間にEOM4がオン状態となる条件を満足すれば、各々、パルス幅又は繰り返し周波数が不規則なパルス信号であってもよい。
また、上述した実施形態1、2では、単一波長のレーザ光を出力するレーザ光源(LD2)として、DFBレーザ素子を用いた場合を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、レーザ光源として、FBG等の波長選択性素子を用いてレーザ発振波長幅を狭めた外部共振器構造のファブリーペローレーザ素子、DBR(Distributed Bragg Reflector)レーザ素子やDR(Distributed Reflector)レーザ素子を用いてもよく、その他のレーザ光源を用いてもよい。また、レーザ光源として、例えばマルチモードレーザ光源のような、単一波長ではない多波長のレーザ光を出力するレーザ光源を用いてもよい。
また、上述した実施形態1、2では、昇順または降順に異なる複数のバイアス電圧を時系列に沿ってEOM4に順次供給してEOM4の出力光又は放射光の光強度を検出し、検出した出力光の光強度が極小値となるように、又は、検出した放射光の光強度が極大値となるように、EOM4に供給するバイアス電圧を制御していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明におけるバイアス電圧の制御では、例えば、EOM4の出力光又は放射光の光強度を一定周期で取得し、前回取得した光強度の検出値と今回取得した光強度の検出値との大小の比較結果をもとに、バイアス電圧を増減させて、上記光強度が極小値又は極大値となるようにバイアス電圧を制御する山上がり方式を採用してもよい。或いは、バイアス電圧に微小振幅のディザー信号を印加し、光強度の検出信号にのるディザー信号と同じ周波数成分が極小となるようにバイアス電圧を制御するディザー方式を採用してもよい。
また、上述した実施形態1、2により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施形態1、2に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1、1A シード光源装置
2 LD
3 LD駆動部
4 EOM
5 EOM駆動部
6 バイアス電圧供給部
7 光カプラ
8、8A PD
9、9A 光強度モニタ部
10 操作部
11、11A 制御部
20 プリアンプ
30 ブースターアンプ
40 出力部
100 パルスレーザ装置
101 加工ヘッド
110 加工装置
200 ワーク
L0、L1、L1a、L2、L3、L4、L5 パルスレーザ光
Pm 第1パルス光成分
Ps 第2パルス光成分
S11 LD制御信号
S12 EOM制御信号
S13 電圧制御信号
S21 LD駆動信号
S22 EOM駆動信号
S23 直流信号
Y、Y1、Y2、Y3 相関線

Claims (8)

  1. レーザ光源と、
    電気光学変調器と、
    前記レーザ光源をパルス変調で駆動するレーザ光源駆動部と、
    前記電気光学変調器をパルス変調で駆動する電気光学変調器駆動部と、
    前記電気光学変調器にバイアス電圧を供給するバイアス電圧供給部と、
    前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部と前記バイアス電圧供給部とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記レーザ光源は、前記レーザ光源駆動部によりパルス変調されたパルスレーザ光を出力し、
    前記電気光学変調器は、前記レーザ光源から出力されたパルスレーザ光が前記電気光学変調器駆動部により更にパルス変調されたパルスレーザ光を出力し、
    前記制御部は、前記レーザ光源がオン状態の間に前記電気光学変調器がオン状態となるように前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部とを制御し、前記電気光学変調器からの出力光の光強度が前記電気光学変調器の光透過特性の極小値となる前記バイアス電圧を供給するように前記バイアス電圧供給部を制御する、
    ことを特徴とするパルスレーザ装置。
  2. 前記制御部は、前記電気光学変調器のオン状態の時間幅に応じて、前記レーザ光源のオン状態の時間幅を、前記電気光学変調器の光透過特性が極小値を有する範囲で可変に設定するように、前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部とを制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のパルスレーザ装置。
  3. 前記制御部は、前記レーザ光源のオン状態の時間幅を前記電気光学変調器のオン状態の時間幅の2倍超に設定するように、前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部とを制御する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のパルスレーザ装置。
  4. 前記制御部は、前記レーザ光源のオン状態の時間幅を前記電気光学変調器のオン状態の時間幅の10倍以下に設定するように、前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部とを制御する、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のパルスレーザ装置。
  5. 前記制御部は、前記レーザ光源がオフ状態の間に前記電気光学変調器が少なくとも1回オン状態となるように、前記レーザ光源駆動部と前記電気光学変調器駆動部とを制御する、
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載のパルスレーザ装置。
  6. 前記電気光学変調器からの出力光の光強度を検出する光強度検出部をさらに備え、
    前記制御部は、検出された前記出力光の光強度が極小値となる前記バイアス電圧を供給するように前記バイアス電圧供給部を制御する、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載のパルスレーザ装置。
  7. 前記電気光学変調器の内部における放射光の光強度を検出する光強度検出部をさらに備え、
    前記制御部は、検出された前記放射光の光強度が極大値となる前記バイアス電圧を供給するように前記バイアス電圧供給部を制御する、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載のパルスレーザ装置。
  8. 請求項1~7のいずれか一つに記載のパルスレーザ装置と、
    前記パルスレーザ装置から出力されたパルスレーザ光を加工対象に照射する加工ヘッドと、
    を備えることを特徴とする加工装置。
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