JP2020009984A - 光パルス信号生成装置及びバイオイメージング装置 - Google Patents

光パルス信号生成装置及びバイオイメージング装置 Download PDF

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
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Abstract

【課題】簡素な構成で、サブナノ秒以上の時間で継続するバースト状光パルスを容易に得る。【解決手段】光パルス信号生成装置10は、レーザー光源11と、サブナノ秒以上の時間幅の電気パルス信号を発生するパルス発生器13と、前記レーザー光が入力され、且つ、前記電気パルス信号によって駆動されることにより、前記レーザー光と前記周期波形信号とに基づくバースト状光パルス信号を生成する半導体レーザー発振器12と、前記半導体レーザー発振器により生成された前記バースト状光パルス信号を光増幅する光増幅器14と、光増幅後の前記バースト状光パルス信号を非線形光学効果により波長変換する非線形光学波長変換器15と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザーを用いて光パルス信号を生成する光パルス信号生成装置及びバイオイメージング装置に関し、特に、バースト状光パルス信号を生成するのに好適な光パルス信号生成装置及びバイオイメージング装置に関する。
近年、バイオイメージングや高精細レーザー加工の応用には、フェムト秒やピコ秒の時間領域だけでなく、サブナノ秒以上の時間領域での柔軟な光パルス制御が求められている。このような光パルスは増幅及び非線形効果による波長変換された後に、利用されることが想定される。従って、増幅及び非線形効果による波長変換後においても、強度のゆらぎや、タイミングゆらぎの小さい光パルスを生成することが望まれている。
従来、レーザー光から光パルスを生成する手法として、半導体レーザーを電気的パルスで励起することにより、光パルスを発生すること(「利得スイッチング動作」)が知られる。この場合、例えば、半導体レーザーをサブナノ秒の時間幅(パルス幅)の電気パルス信号で励起すると、この半導体レーザーから数十ピコ秒程度の時間幅の光パルスが発生する。もっと、時間幅の広い電気パルス信号で半導体レーザーを励起すると、数十ピコ秒程度の時間幅の光パルスに後続して時間幅の広い光パルスが発生することが知られる。
また、サブナノ秒以上の時間幅の光パルス信号を生成するという点に関して、出願人は、半導体レーザー光増幅器が、サブナノ秒以上の時間幅の電気パルス信号を制御信号として受けることにより、簡易な構成により、サブナノ秒以上の時間幅の光パルス信号を容易に生成する技術を考案した(下記特許文献1)。
また、下記特許文献2は、利得スイッチング動作により光パルスを発生する半導体レーザーに対して、その半導体レーザーの発振波長に近似する波長を有する外部レーザー光を注入することで、安定した強度の単一周期光パルスを得る方法を開示している。
ところで、バイオイメージングや高精細レーザー加工の応用においては、いわゆる単峰の光パルスに限らず、バースト状光パルスも利用されている。
例えば、下記特許文献3には、利得スイッチング動作により光パルスを発生する半導体レーザーに対して、バースト状パルスパターンとアイドリングパターンとからなる信号パターンに基づく電気パルス信号を入力することで、半導体レーザーからバースト状の光パルスを生成することが開示されている。
また、バースト状光パルスを生成するための従来の手法として、電気光学効果(すなわち、電気的バイアスによる屈折率変化効果や、吸収率変化効果)を用いた光変調器により、バースト状光パルスを形成することが知られる。
特開2018‐032824号公報 特開平11‐112093号公報 特開2007‐49083号公報
しかし、従来の利得スイッチング動作により光パルスを生成する方法では、利得スイッチング動作のみで、サブナノ秒時間幅及びそれ以上の時間幅を持ち、且つ、強度のゆらぎやタイミングゆらぎの小さい、きれいな波形の光パルスを得ることは困難であった。
また、特許文献1の技術は、簡単な構成でサブナノ秒以上の時間幅の単峰の光パルスを容易に生成できるものの、バースト状光パルスを発生する機能を実現することはできなかった。
また、電気光学効果を用いた光変調器により、バースト状光パルスを生成する手法では、増幅効果がないため、光損失を考慮すると、できる限り高出力のレーザー光の入力が必要である。また、数十ピコ秒〜数百ピコ秒の速度の電気的変調が必要であるため、高速応答特性に優れた光デバイスとともに、それを駆動するための超高速エレクトロニクスが必要となり、システム全体として高コストになってしまう。
この発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、サブナノ秒以上の時間で継続するバースト状光パルス信号を容易に生成できるようにすることを目的とする。
本発明の光パルス信号生成装置は、レーザー光を発生するレーザー光源と、サブナノ秒以上の時間幅の周期波形信号を発生する周期波形発生器と、前記レーザー光が入力され、且つ、前記周期波形信号によって駆動されることにより、前記レーザー光と前記周期波形信号とに基づくバースト状光パルス信号を生成する半導体レーザー発振器と、前記半導体レーザー発振器により生成された前記バースト状光パルス信号を波長変換する波長変換器と、を備えることを特徴とする。
前記波長変換器は、前記バースト状光パルス信号について、非線形光学効果により波長変換するものであることが好ましい。
前記波長変換器は、前記バースト状光パルス信号について、高調波発生波長変換、誘導ラマン散乱による波長変換、及び、光パラメトリック効果を用いた波長変換の何れか、又は、これらの組み合わせによる波長変換を行うものであることが好ましい。
前記周期波形発生器は、サブナノ秒以上の時間幅の電気パルス信号を発生するパルス発生器であることが好ましい。
また、前記レーザー光源は、狭線幅のレーザー光を発生するものであることが好ましい。
また、本発明の光パルス信号生成装置は、前記バースト状光パルス信号の周期の逆数に一致するか又は略一致する周波数で、前記レーザー光源を駆動する直流電流を変調するための高周波発生器を更に備えることが好ましい。
或いは、本発明の光パルス信号生成装置は、前記バースト状光パルス信号の周期の逆数に略一致する周波数の変調用電気パルス信号を、前記レーザー光源に対して供給する変調用パルス発生器を更に備え、前記変調用電気パルス信号により前記レーザー光源からの前記レーザー光をパルス状にすることが好ましい。
また、本発明の光パルス信号生成装置は、前記レーザー光源と、前記パルス発生器と、前記半導体レーザー発振器とを収容し、該レーザー光源、該パルス発生器及び該半導体レーザー発振器を一定の温度に保つ温度制御装置を更に備えることが好ましい。
また、本発明の光パルス信号生成装置は、前記半導体レーザー発振器と前記波長変換器との間に、光増幅器が介装されることが好ましい。
また、本発明は、前記光パルス信号生成装置を有するバイオイメージング装置の発明として構成及び実施されてよい。
半導体レーザー発振器の光非線形効果を利用した簡素な構成で、サブナノ秒以上の時間で継続するバースト状光パルス信号を容易に得ることができる特徴がある。また、半導体レーザー発振器を利用しているため、半導体レーザー光増幅器と比較すると、強度のゆらぎやタイミングゆらぎが小さい。よって、波長変換後のバースト状光パルス信号においても、強度のゆらぎや、更にタイミングゆらぎが低減される。
一実施形態に係る光パルス信号生成装置の構成例を示すブロック図である。 半導体レーザー発振器により出力されるバースト状光パルス信号の時間波形の形状を説明するグラフである。 (a)〜(c)は、様々な動作条件に応じたバースト状光パルス信号の時間波形を例示するグラフである。 波長変換後のバースト状光パルス信号の時間波形を例示するグラフであって、(a)は第2高調波発生波長変換後の波長変換後のバースト状光パルス信号の時間波形であり、(b)は更に誘導ラマン散乱で多段に波長変換した後のバースト状光パルス信号の時間波形である。 別の実施形態に係る光パルス信号生成装置の構成例を示すブロック図である。 更に別の実施形態に係る光パルス信号生成装置の構成例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
なお、以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
また、各図は、図中に示す構成要素のみを備えるという趣旨ではなく、他の構成要素を含むことができる。以下、図中において、同一の符号を付した部分は特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を示す。
図1に示すように、光パルス信号生成装置10は、狭帯域発振幅の半導体レーザー(「狭帯域発振幅LD」)11、半導体レーザー発振器(「LD」)12、パルス発生器13、光増幅器14、及び、非線形光学波長変換器15を備える。
図1に示される光パルス信号生成装置10は、例えば、バイオメディカル分野での応用が可能なバイオイメージング装置に備えられてよい。
狭帯域発振幅LD11は、レーザー光源の一例であり、狭線幅の連続レーザー光(CW)を出力する単一発振モード半導体レーザ(LD)である。狭帯域発振幅LD11は、LD12に光学的に結合され、出力された連続レーザー光をLD12に入力する。狭帯域発振幅LD11の出力波長は、例えば、LD12の出力波長と同じ又は略同じであり、例えばLD12の出力波長が1060ナノメートルの場合、1060ナノメートルであるか又は1060ナノメートルから±0.1ナノメートル〜数ナノメートルの範囲である。狭帯域発振幅LD11の出力する連続レーザー光のパワー及び波長は、狭帯域発振幅LD11の交流電流(不図示)により制御できる。また、狭線幅の連続レーザー光とは、例えば0.01ナノメートル以下の線幅を有するものである。
パルス発生器13は、所定周期(例えば、10kHz〜10MHz周期)で、サブナノ秒以上の時間幅(パルス幅)の電気パルス信号を発生し、発生した電気パルス信号をLD12に印加する。パルス発生器13は、発生する電気パルス信号の時間幅を可変設定できてよい。なお、パルス発生器13による電気パルス信号の発生は、周期的である必要はなく、ランダムであってもよい。
ここで、サブナノ秒以上の時間幅とは、例えば100ピコ秒〜1ミリ秒程度の時間幅であってよい。
LD12は、例えばファブリ・ペロー型LD(「FP−LD」)であり、サブナノ秒以上の時間で継続するバースト状光パルス信号(「バースト状光パルス」ともいう)を生成する半導体レーザー発振器として構成されている。すなわち、LD12は、狭帯域発振幅LD11からの連続レーザー光を入力し、且つ、パルス発生器13からの電気パルス信号の注入による利得スイッチング動作を行うように構成されている。狭帯域発振幅LD11からの連続レーザー光はLD12の発光部に入射される。また、パルス発生器13からの電気パルス信号はLD12のカソードに印加される。また、LD12の出力波長は、例えば、1060ナノメートル程度である。
LD12は、狭帯域発振幅LD11からの連続レーザー光を入力した状態で、サブナノ秒以上の時間幅の電気パルス信号による励起を行うことにより、サブナノ秒以上の時間で継続するバースト状光パルスを生成する(言い換えれば、「発生させる」あるいは「発現させる」)ことができる。
図2は、LD12から出力されるバースト状光パルスの波形形状を説明するための例示的なグラフであり、横軸は時間を示し、縦軸は任意単位[a.u.]の強度を示す。バースト状光パルスは、図2に示すような、或る時間幅にわたり発生したバースト状のパルス群を、或る周期毎に繰り返すものとなる。
このバースト状光パルスは、LD12の利得スイッチング動作とLD12の非線形の周期振動現象とにより発生されたバースト状のパルス群を、電気パルス信号に応じた時間幅で切り取ったものと言える。
LD12から出力されるバースト状光パルスの包絡線幅(図2の符号20で示すバースト状光パルスの時間幅、「バースト時間幅」とも言う)、パルスエネルギー、及び、ピーク値を含む各種特性は、入射される連続レーザー光のパワーや波長、あるいは、印加される電気パルス信号の時間幅を含むLD12の各種動作条件に基づき制御可能である。
図3(a)〜(c)は、LD12から出力されたバースト状光パルスの時間波形を例示するグラフであり、それぞれ異なる動作条件にて出力されたバースト状光パルスを示している。図3において、横軸は時間[ナノ秒(ns)]を示し、縦軸は任意単位[a.u.]の強度を示す。なお、図3(a)及び(b)の横軸は、1目盛りあたり0.2ナノ秒を示し、図3(c)の横軸は、1目盛りあたり0.5ナノ秒を示す。
図3(a)のように、狭帯域発振幅LD11からの連続レーザー光のパワーPcwを30μWに設定し、パルス発生器13からの電気パルス信号のパルス幅を0.88ナノ秒に設定した場合、先頭のパルス波の後ろにわずかに非線形の周期振動現象の影響がみられるのみであり、出力されたバースト状光パルスのパワーPoutは6μW、そのバースト時間幅は100ピコ秒程度である。
図3(a)の条件から連続レーザー光のパワーPcwを1mWに上げると、図3(b)に示すように、図3(a)のバースト状光パルスに比べて、バースト状のパルスの数が増え、パワーPoutが11μWに増大し、バースト時間幅は220ピコ秒程に広がる。
図3(c)は、図3(b)の条件から電気パルス信号のパルス幅を1.2ナノ秒に変更した場合のバースト状光パルスの波形を示す。電気パルス信号のパルス幅を1.2ナノ秒に広げると、図3(c)に示すように、図3(b)のバースト状光パルスに比べて、更にバースト状のパルスの数が増え、パワーPoutが35μWに増大し、バースト時間幅は540ピコ秒程に広がる。
このように、LD12の動作条件、つまり、連続レーザー光のパワーや波長、あるいは、印加される電気パルス信号のパルス幅を適切に選択するだけで、所望の特性を持つサブナノ秒以上のバースト時間幅のバースト状光パルスを得ることができる。すなわち、バースト状光パルスの波形形状(包絡線の形状)と時間幅(バースト時間幅)とが制御し易い。
LD12から出力されるバースト状光パルスのバースト時間幅(図2の符号20)は、一般的には、数ピコ秒から100ピコ秒程度となり、その周期(図2の符号21)は数十ピコ秒〜数百ピコ秒程度になる。
また、LD12の光非線形効果を利用してバースト状光パルスを発生する構成であるため、このバースト状光パルスは、タイミングゆらぎ(時間軸方向の波形のゆらぎ、ジッタ)や、強度ゆらぎが小さいものとなる。しかも、バースト状光パルスは、LD12の動作条件を制御することで、非常に長時間安定的に動作することが可能である。
図1に戻ると、光増幅器14は、LD12から入力されたパースト状光パルスを増幅し、増幅後のパースト状光パルスを非線形光学波長変換器15へ供給するもので、周知の光パルス増幅用の光ファイバ増幅器を適用してよい。
また、非線形光学波長変換器15は、光増幅器14により増幅された後のパースト状光パルスを、非線形光学効果により波長変換して出力する。ここでは、非線形光学波長変換器15は、先ず第2高調波発生(SHG)波長変換を行い、その後、誘導ラマン散乱(SRS)により多段波長変換を行うものとする。
非線形光学波長変換器15による波長変換後のパースト状光パルスは、例えば、バイオメディカル分野での応用が可能なバイオイメージング装置、レーザー顕微鏡、あるいは、高精細レーザー加工機のようなレーザー加工装置など様々な利用機器に供給される。
図4は、非線形光学波長変換器15による波長変換後のバースト状光パルスを例示するグラフであり、図4(a)は、第2高調波発生(SHG)波長変換後のバースト状光パルスを示し、図4(b)は、誘導ラマン散乱(SRS)により多段(例えば4次まで)波長変換後のバースト状光パルスを示す。図4において、横軸は時間[ナノ秒(ns)]を示し、縦軸は任意単位[a.u.]の強度を示す。なお、図4(a)の横軸は、1目盛りあたり0.2ナノ秒を示し、図4(b)の横軸は1目盛りあたり0.5ナノ秒を示す。
図4(a),(b)に示すように、光増幅器14による光増幅及び非線形光学波長変換器15による波長変換後のバースト状光パルスは、強度のゆらぎや、タイミングゆらぎが小さいものとなっている。これは、前述の通り、LD12が、強度のゆらぎや、タイミングゆらぎが小さい、きれいな波形のバースト状光パルスを出力しているためである。強度のゆらぎや、タイミングゆらぎが低減されているため、図4(a),(b)に示すように、複数の波長変換過程に対して、バースト状光パルスの特性が保持される。
なお、非線形光学波長変換器15は、第2高調波発生波長変換のみを行うものであってよく、また、第2高調波発生波長変換に限らない高調波発生波長変換であってよい。この構成においても、波長変換後のバースト状光パルスとして、図4(a)に示すような、強度のゆらぎや、タイミングゆらぎが小さい、きれいな波形のバースト状光パルスを得ることができる。
また、別の例として、非線形光学波長変換器15は、光増幅器14による光増幅後のバースト状光パルスを、直接誘導ラマン散乱による波長変換してよい。
更に、非線形光学波長変換器15は、光パラメトリック効果による非線形波長変換を行うように構成されてよいし、高調波発生波長変換、直接誘導ラマン散乱による波長変換、及び、光パラメトリック効果による非線形波長変換を適宜に組み合わせて行うものであってよい。
〔変形例〕
図5は、光パルス信号生成装置10の変形例を示すブロック図である。
図5において、光パルス信号生成装置10は、レーザー光を、LD12により生成されたバースト状光パルスの周期の逆数に一致するか又は略一致する(以下単に「一致する」という)周波数で変調するための高周波発生器31を備える。ここで、バースト状光パルスの周期の逆数に一致するか又は略一致する周波数とは、例えばバースト状光パルスの周期が200ピコ秒とすると4.9〜5.1GHzほどである。要するに、この周波数は、強度変調の結果としてLD12から出力されるバースト状光パルスの周波数を安定化できるような、バースト状光パルスの周期の逆数に対応する周波数でありさえすればよい。
高周波発生器31は、狭帯域発振幅LD11を駆動する直流電流源32と狭帯域発振幅LD11との間に、LD12により生成されたバースト状光パルスの周期の逆数に一致する周波数の正弦波を入力し、この正弦波により狭帯域発振幅LD11に供給される直流電流を変調する。
この結果、狭帯域発振幅LD11からのレーザー光は、高周波発生器31からの正弦波に基づいて強度変調されたものとなる。このように変調されたレーザー光CWをLD12に入射することで、LD12から出力されるバースト状光パルスの周波数の安定化を図り、タイミングゆらぎを防止できる。
例えば、バースト時間幅が長いロングパルスのバースト状光パルスを出力する場合、タイミングゆらぎの発生が起きやすい。そのような場合であっても、高周波発生器31を備える構成により、LD12から出力されるバースト状光パルスのタイミングゆらぎを効果的に防止できる。
図5のレーザー光を変調する別の構成例として、狭帯域発振幅LD11の外部に光変調器を備え、光変調器が、LD12により生成されたバースト状光パルスの周期の逆数に一致する周波数で連続レーザー光を強度変調するように構成してもよい。
図6は、光パルス信号生成装置10の別の変形例を示すブロック図である。
図6において、光パルス信号生成装置10は、LD12により生成されたバースト状光パルスの周期の逆数に一致する周波数の変調用電気パルス信号を発生し、発生した電気パルス信号を狭帯域発振幅LD11に印加する変調用パルス発生器41を備える。
この場合、狭帯域発振幅LD11を変調用パルス発生器41からの変調用電気パルスで励起することにより、狭帯域発振幅LD11のレーザー光を、変調用電気パルス信号に基づき強度変調し、数ピコ秒程の時間幅を持つ高速パルス状のレーザー光(パルス光)を発生することができる(利得スイッチング動作)。かかるパルス光をLD12に入射することにより、LD12から出力されるバースト状光パルスのタイミングゆらぎを防止することができる。
光パルス信号生成装置10の更に別の変形例として、狭帯域発振幅LD11とLD12とパルス発生器13とを収容し、狭帯域発振幅LD11とLD12とパルス発生器13とを一定の温度に保つ温度制御装置50を備えてもよい(例えば図5参照)。
狭帯域発振幅LD11とLD12とパルス発生器13とを温度制御装置50に収容することで、狭帯域発振幅LD11とLD12とパルス発生器13との周囲環境温度を安定させる。その結果、LD12から出力されるバースト状光パルスのタイミングゆらぎを防止することができる。
以上説明したように、本実施形態の光パルス信号生成装置10によれば、狭線幅の連続レーザー光を発生する狭帯域発振幅LD11と、サブナノ秒以上の時間幅の電気パルス信号を発生するパルス発生器13と、狭帯域発振幅LD11から連続レーザー光が入力され、且つ、パルス発生器13からの電気パルス信号によって駆動されることにより、連続レーザー光と電気パルス信号とに基づくバースト状光パルス信号を生成するLD12と、LD12により生成されたバースト状光パルス信号を波長変換する非線形光学波長変換器15と、を備えることにより、LD12の光非線形効果を利用した簡素な構成で、サブナノ秒以上の時間で継続するバースト状光パルスを、バースト時間幅及び波形形状を柔軟に制御しつつ、容易に発生させることができる。
光パルス信号生成装置10により生成したバースト状光パルスは、光増幅器14による光増幅及び非線形光学波長変換器15による波長変換を行った後においても、強度のゆらぎや、タイミングゆらぎが小さいきれいな波形であるため、バイオメディカル分野での応用が可能なバイオイメージング装置、レーザー顕微鏡、あるいは、高精細レーザー加工機のようなレーザー加工装置など様々な利用機器での利用に好適である。
例えば、本実施形態の光パルス信号生成装置10により生成されたバースト状光パルスは、超解像イメージングや光音響イメージングなどの高機能バイオイメージングにおいても、応用メリットが大きい。
すなわち、バースト状光パルスは、サブナノ秒以上のバースト時間幅の単峰の光パルスに比べて、ピークパワーが高くなる、また、光パルスの波形形状(包絡線の形状)と時間幅(バースト時間幅)とが制御しやすいという利点がある。この特性のため、高機能バイオイメージングにバースト状光パルスを利用することは、単峰の光パルスを利用する場合に比べて、(1)光増幅器14の光増幅及び非線形光学波長変換器15による波長変換において、変換効率をより高めることができ、また、(2)光パルスの包絡線形状と時間幅の制御の柔軟性を高めることができる、という点で、応用メリットが大きい。
なお、本実施形態の光パルス信号生成装置10は、別の実施形態において高精細レーザー加工機のようなレーザー加工装置に備えられてよい。バースト状光パルスは微細レーザー加工の分野での利用を期待されているが、従来の技術ではその発生に高度な電気的制御が必要であり、特に100ピコ秒〜数百ピコ秒の周期のバースト状光パルスを発生させることは容易ではなかった。
この点、本実施形態の光パルス信号生成装置10は、LD12の非線形効果を利用した簡素な構成により、微細レーザー加工に好適な、サブナノ秒以上の時間で継続するバースト状光パルスを容易に発生できる。
また、光パルス信号生成装置10がLD12により生成されたバースト状光パルス信号の周期の逆数に一致するか又は略一致する周波数で狭帯域発振幅LD11を駆動する直流電流に対して変調を行う高周波発生器31を更に備えること、又は、バースト状光パルス信号の周期の逆数に一致するか又は略一致する周波数の変調用電気パルス信号を狭帯域発振幅LD11に対して供給する変調用パルス発生器41を更に備え、狭帯域発振幅LD11から出力されるレーザー光をパルス状にすることで、光パルス信号生成装置10により生成されたバースト状光パルスの周波数を安定化し、バースト状光パルスのタイミグゆらぎを防止することができる。
更に、光パルス信号生成装置10が狭帯域発振幅LD11とLD12とパルス発生器13とを収容し、狭帯域発振幅LD11とLD12とパルス発生器13とを一定の温度に保つ温度制御装置50を備えることで、狭帯域発振幅LD11とLD12とパルス発生器13との周囲環境温度を安定させ、LD12から出力されるバースト状光パルスのタイミングゆらぎを防止することができる。
なお、本発明の光パルス信号生成装置10に適用する半導体レーザー発振器(LD)12は、ファブリ・ペロー型LD(「FP−LD」)に限らず、例えば分布帰還型半導体レーザーであってもよい。
また、レーザー光源11は、一般的には分布帰還型半導体レーザー(「DFB−LD」、Distributed FeedBack-Laser Diodeの略称)であってよい。
また、周期波形発生器13は、サブナノ秒以上の周期波形信号を発生するものでさえあれば、略矩形の電気パルス信号を発生するパルス発生器に限らず、例えば正弦波を発生する正弦波発生器など、どのような形状の波形を発生する周期波形発生器であってもよい。
また、上記の実施形態においては、半導体レーザー発振器(LD)12からバースト状光パルスを発生するように、LD12の各種動作条件の選択する例について説明したが、この光パルス信号生成装置10は、LD12の各種動作条件の選択によっては、LD12から、サブナノ秒以上の時間幅を持つ単峰の光パルスを発生させることもできる。
10 光パルス信号生成装置
11 レーザー光源
12 半導体レーザー発振器
13 パルス発生器(周期波形発生器)
14 光増幅器
15 非線形光学波長変換器
20 バースト時間幅
21 周期
31 高周波発生器
32 直流電流源
41 変調用パルス発生器
50 温度制御装置

Claims (10)

  1. レーザー光を発生するレーザー光源と、
    サブナノ秒以上の時間幅の周期波形信号を発生する周期波形発生器と、
    前記レーザー光が入力され、且つ、前記周期波形信号によって駆動されることにより、前記レーザー光と前記周期波形信号とに基づくバースト状光パルス信号を生成する半導体レーザー発振器と、
    前記半導体レーザー発振器により生成された前記バースト状光パルス信号を波長変換する波長変換器と、
    を備えることを特徴とする光パルス信号生成装置。
  2. 前記波長変換器は、前記バースト状光パルス信号について、非線形光学効果により波長変換することを特徴とする請求項1に記載の光パルス信号生成装置。
  3. 前記波長変換器は、前記バースト状光パルス信号について、高調波発生波長変換、誘導ラマン散乱による波長変換、及び、光パラメトリック効果を用いた波長変換の何れか、又は、これらの組み合わせによる波長変換を行うことを特徴とする請求項2に記載の光パルス信号生成装置。
  4. 前記周期波形発生器は、サブナノ秒以上の時間幅の電気パルス信号を発生するパルス発生器である請求項1乃至3の何れか1項に記載の光パルス信号生成装置。
  5. 前記レーザー光源は、狭線幅のレーザー光を発生するものである請求項1乃至4の何れか1項に記載の光パルス信号生成装置。
  6. 前記バースト状光パルス信号の周期の逆数に一致するか又は略一致する周波数で、前記レーザー光源を駆動する直流電流を変調するための高周波発生器を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光パルス信号生成装置。
  7. 前記バースト状光パルス信号の周期の逆数に一致するか又は略一致する周波数の変調用電気パルス信号を前記レーザー光源に対して供給する変調用パルス発生器を更に備え、
    前記変調用電気パルス信号により前記レーザー光源からの前記レーザー光をパルス状にすることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光パルス信号生成装置。
  8. 前記レーザー光源と、前記パルス発生器と、前記半導体レーザー発振器とを収容し、該レーザー光源、該パルス発生器及び該半導体レーザー発振器を一定の温度に保つ温度制御装置を更に備えることを特徴とする、請求項1乃至7の何れか1項に記載の光パルス信号生成装置。
  9. 前記半導体レーザー発振器と前記波長変換器との間に、光増幅器が介装されたことを特徴とする、請求項1乃至8の何れか1項に記載の光パルス信号生成装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載の光パルス信号生成装置を有するバイオイメージング装置。
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