JP2022015351A - 逆浸透膜装置の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】逆浸透膜の稼働率の低下を招くことなく低廉に膜ファウリングの防止を図る。
【解決手段】逆浸透設備1の通常運転中は、系外から供給ポンプP1により供給水として供された塩類含有水が高圧ポンプP2により加圧されると逆浸透膜装置2の逆浸透膜21を透過して脱塩水が透過水として得られる。ここで、塩類含有水の供給圧を間欠的に浸透圧以下に下げると、正浸透により透過水の逆流が生じ、この逆流の力により逆浸透膜21の表面の析出物10が剥がされる。次いで、塩類含有水の供給圧を浸透圧以上に上げる前に、供給ポンプP1の供給水の流量のみを上昇させると、フラッシングの状態が形成され、析出物10が逆浸透膜装置2から排出される。
【選択図】図1
【解決手段】逆浸透設備1の通常運転中は、系外から供給ポンプP1により供給水として供された塩類含有水が高圧ポンプP2により加圧されると逆浸透膜装置2の逆浸透膜21を透過して脱塩水が透過水として得られる。ここで、塩類含有水の供給圧を間欠的に浸透圧以下に下げると、正浸透により透過水の逆流が生じ、この逆流の力により逆浸透膜21の表面の析出物10が剥がされる。次いで、塩類含有水の供給圧を浸透圧以上に上げる前に、供給ポンプP1の供給水の流量のみを上昇させると、フラッシングの状態が形成され、析出物10が逆浸透膜装置2から排出される。
【選択図】図1
Description
本発明は逆浸透膜の性能低下の抑制を図る逆浸透膜装置の運転方法に関する。
逆浸透膜法は、海水、かん水あるいは廃水などの塩分を含んだ被処理水に浸透圧以上の圧力をかけて逆浸透膜モジュールを透過させることで、脱塩水を製造することができる。このため、逆浸透膜法は海水又は低濃度の塩水を脱塩して工業用、農業用又は家庭用の水を造水することに利用されている。
逆浸透膜法においては、長期間の運転による逆浸透膜のファウリングを防止するために膜面が定期的に洗浄される。例えば、特許文献1の洗浄法は、被処理水を逆浸透膜に供給するポンプの停止後に被処理水の圧力を開放し、ポンプによる水流により逆浸透膜の被処理水側の表面を洗浄することで、洗浄剤を用いることなく、膜面の堆積物の除去が可能となる。
特許文献1のような洗浄方法は洗浄剤を用いることなく膜面の洗浄が可能となるが、洗浄過程で被処理水を逆浸透膜に供給するポンプを連続的または長時間に亘って停止させる必要となることがあり、逆浸透膜の稼働率の低下を招くことがある。
本発明は、上記の事情に鑑み、逆浸透膜の稼働率の低下を招くことなく低廉に膜ファウリングの防止を図ることを課題とする。
そこで、本発明の一態様は、塩類含有水を逆浸透により脱塩水と塩類濃縮水に分離する逆浸透膜装置の運転方法であって、逆浸透膜装置の運転中に間欠的に前記塩類含有水の供給圧を浸透圧以下に降下して生じた正浸透により当該逆浸透膜装置の膜面の析出物を剥がす工程と、前記逆浸透を再開するまでは前記供給圧を前記浸透圧以下に制御する工程とを有する。
本発明の一態様は、前記逆浸透膜装置の運転方法において、前記塩類含有水のpHが3以下のもとで前記供給圧の降下を行う。
本発明の一態様は、前記逆浸透膜装置の運転方法において、前記塩類濃縮水の塩類濃度若しくは前記塩類含有水の塩類濃度に所定の濃縮倍率を乗じた塩類濃度は、pHの調整、スケール防止剤の添加を行っても析出する範囲である。
本発明の一態様は、前記逆浸透膜装置の運転方法において、前記供給圧の降下の際に前記逆浸透膜装置への前記塩類含有水の供給を一時的に停止する。
本発明の一態様は、前記逆浸透膜装置の運転方法において、前記供給圧の浸透圧以下への降圧速度は0.3Mpa/sec以上である。
本発明の一態様は、前記逆浸透膜装置の運転方法において、前記供給圧を浸透圧以下に下げた後の前記塩類含有水の供給流量は逆浸透時の50%以上である。
本発明の一態様は、前記逆浸透膜装置の運転方法において、8インチ径の逆浸透膜及び100L/min以上の前記塩類含有水の供給流量のもとで、または、4インチ径の逆浸透膜及び25L/min以上の前記塩類含有水の供給流量のもとで、前記塩類含有水の供給圧力を浸透圧以下に下げて1分以上運転する。
本発明の一態様は、前記逆浸透膜装置の運転方法において、前記塩類含有水の供給を一時的に停止した後、前記塩類含有水を浸透圧以下で前記逆浸透膜装置に供給する前に、この逆浸透膜装置の前記塩類濃縮水の排出側から前記塩類含有水の供給側に前記塩類含有水を流して、前記正浸透の工程で剥がされた前記析出物を前記供給側から排出する。
以上の本発明によれば、逆浸透膜の稼働率の低下を招くことなく低廉に膜ファウリングの防止を図ることができる。
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[発明の概要]
図1に示された本発明の運転方法が適用される逆浸透設備1の基本的な態様は、供給ポンプP1、高圧ポンプP2、薬注ポンプP3及び逆浸透膜装置2を備える。
図1に示された本発明の運転方法が適用される逆浸透設備1の基本的な態様は、供給ポンプP1、高圧ポンプP2、薬注ポンプP3及び逆浸透膜装置2を備える。
逆浸透設備1の通常運転中は、系外から供給ポンプP1により供給水として供された塩類含有水が高圧ポンプP2により加圧されると逆浸透膜装置2の逆浸透膜21により塩類濃縮水(以下、濃縮水)と脱塩水(以下、透過水)とに分離される。
ここで、前記供給水の供給圧を間欠的に浸透圧以下に下げると、図2に示したように、正浸透により前記透過水の逆流が生じ、この逆流の力により逆浸透膜21の表面の析出物10が剥がされる。例えば、逆浸透設備1の通常運転時に、前記供給圧若しくは逆浸透膜装置2の供給水と濃縮水の差圧が上昇時または所定時刻に、供給ポンプP1の運転を一時的に停止させると、若しくは、高圧ポンプP2の運転圧を浸透圧以下まで低下させると、正浸透が引き起こされる。正浸透が生じると、逆浸透膜装置2において逆浸透膜21を介して透過水側から濃縮水側に水が移行し、逆浸透膜21の表面の析出物10が剥がれる。
そして、供給水の圧力を浸透圧以上に上げる前に、供給ポンプP1の供給水の流量のみを上昇させると、図3に示したように、フラッシングの状態が形成され、前記剥がされた析出物10が逆浸透膜装置2から排出される。具体的には、前記運転圧力を浸透圧以上に上げる前に、浸透圧以下のもと前記供給水の流量が通常運転時と同程度まで、若しくは可能な限り近い値まで上昇させた状態で数分間保持されるように、供給ポンプP1及び高圧ポンプP2が運転制御される。これにより、前記剥がれた析出物10は逆浸透膜装置2から濃縮水側に排出される(同図)。
尚、供給ポンプP1の間欠的な停止若しくは高圧ポンプP2の運転圧力の低下が行われる際、供給水に酸が添加されて当該供給水のpHを低下させると、より効率的に析出物10が除去される。前記酸は、例えば、高圧ポンプP2に移送される供給水に対して薬注ポンプP3から連続的または間欠的に添加される。
[逆浸透設備1の具体的な態様例]
図4に示された逆浸透設備1は、供給ポンプP1、保安フィルタF、高圧ポンプP2、薬注ポンプP3、逆浸透膜装置2、供給水圧力計PG1、透過水流量計Fl1、コントロールバルブV、濃縮水流量計Fl2及び濃縮水圧力計PG2を備える。
図4に示された逆浸透設備1は、供給ポンプP1、保安フィルタF、高圧ポンプP2、薬注ポンプP3、逆浸透膜装置2、供給水圧力計PG1、透過水流量計Fl1、コントロールバルブV、濃縮水流量計Fl2及び濃縮水圧力計PG2を備える。
逆浸透膜装置2への供給水の流量は、供給ポンプP1の二次側に配置される図示省略の流量計により取得される。また、前記流量は、透過水流量計Fl1及び濃縮水流量計Fl2で検出された透過水及び濃縮水の流量の合計により算出してもよい。
保安フィルタFとしては、糸巻きタイプ、不織布タイプのカートリッジフィルタ等が被処理水の水質等に応じて材質等適切なものが選択される。
高圧ポンプP2としては、渦巻ポンプ、ディフューザーポンプ、渦巻斜流ポンプ、斜流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイアフラムポンプ、歯車ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、カスケードポンプ、ジェットポンプ等が例示される。
高圧ポンプP2には供給水の流量を制御するインバータIが具備される。インバータIは透過水流量計Fl1で検出された透過水の流量に基づき動作制御される。また、高圧ポンプP2の運転圧は逆浸透膜装置2の一次側に配置された圧力計PGにより監視される。
逆浸透膜装置2の逆浸透膜21としては、ポリアミド膜や酢酸セルロース膜が例示され、被処理水の水質や透過水の要求水質に応じて適宜に選択される。
逆浸透膜装置2で得られた濃縮水は逆浸透膜装置2に再度供して濃縮倍率を上げるとよい。また、逆浸透膜装置2から排出された透過水は別途の逆浸透膜装置2に供して透過水の塩類濃度をさらに低減させてもよい。さらに、前記濃縮水の塩類濃度、若しくは、前記供給水の塩類濃度に所定の濃縮倍率を乗じた塩類濃度がpH調整、スケール防止剤の添加を行って析出物が生成しない範囲にできるだけ近づけるが、高い回収率を得るために析出する範囲であってもよい。
コントロールバルブVは、濃縮水流量計Fl2で検出された濃縮水の流量に基づき制御される。また、インバータI及びコントロールバルブVの手動操作やインバータIの代わりに容積式の降圧ポンプを用いて供給水量を一定にしてコントロールバルブVの制御により、濃縮水と透過水の割合を調節してもよい。また、図6に例示にした逆浸透設備1のように、コントロールバルブVを用いることなく、濃縮水の圧力エネルギーを供給水に供給するエネルギー回収装置3を用いていてもよい。エネルギー回収装置3は、タービン型のエネルギー回収装置ではなく、圧力交換型のエネルギー回収装置の態様であってもよい。
薬注ポンプP3は保安フィルタFから高圧ポンプP2に移送される供給水に対して酸を添加する。前記酸の添加位置は、図示の態様以外に、供給ポンプP1と保安フィルタFとの間、供給ポンプP1の一次側でもよい。前記酸としては、シュウ酸、クエン酸、塩酸、硫酸などが例示され、供給水の特性や逆浸透膜21の素材に応じて適宜に選択及び濃度調整される。
さらに、前記供給水に対しては、図5に例示された逆浸透設備1のように薬注ポンプP4によりスケール防止剤が添加される。前記スケール防止剤としては、スルホン酸系、ポリリン酸系に例示される無機系のスケール防止剤が用いられる。
本実施形態の動作例について説明する。
逆浸透設備1の通常運転時、供給ポンプP1により系外から導入された供給水が高圧ポンプP2により加圧されて逆浸透膜装置2に供されて濃縮水と透過水とに分離される。
ここで、析出物が発生して高圧ポンプP2と逆浸透膜21との間の供給水圧力計PG1の圧力値、若しくは供給水圧力計PG1の圧力値と逆浸透膜21下流の濃縮水圧力計PG2の圧力値の差圧が所定値に上昇した場合、または、所定の時刻となった場合、逆浸透設備1は正浸透の過程となる。
すなわち、コントロールバルブVを全開にし、必要に応じて高圧ポンプP2のインバータIの周波数を下げて、圧力計PGで検出される前記供給水の供給圧が浸透圧から1MPa程度低い値となるように制御される。前記供給圧は例えば0.3MPa/sec以上の降圧速度で浸透圧以下に降下される。また、前記供給圧を浸透圧以下に下げた後の前記塩類含有水の供給流量は、逆浸透装置の運転時の50%以上、より望ましくは75%以上に設定される。
ここで、流量を一旦0MPaまで低下させる、つまり供給圧も0MPaまで低下させる場合においては、供給水を通常運転中の濃縮水側から供給し、通常運転中の供給側から排出してもよい。例えば、図7に示したように、供給水を逆浸透膜装置2の濃縮水の排出側から当該供給水の供給側に流して、前記正浸透の過程で剥がされた析出物を当該供給側から排出させるとよい。また、これにより、逆浸透膜装置2の下流側の濃縮水側に近い膜面における析出物や上流側の供給水側に近い膜面に付着した汚濁物質の除去効果も高まる。
さらに、逆浸透膜装置2に8インチ径の逆浸透膜が採用された場合、前記供給圧力が浸透圧以下に降下した後、100L/min以上の供給流量で1分以上運転するように供給ポンプP1が制御される。または、4インチ径の逆浸透膜が採用された場合、前記供給圧力が浸透圧以下に降下した後、25L/min以上の供給流量で1分以上運転するように供給ポンプP1が制御される。
供給水が通常の海水である場合、通常の海水淡水化設備であれば、供給水の供給圧を1~2MPa以下まで低下させる。より具体的には、40%の海水淡水化であれば、前記供給圧を2MPa程度まで低下させる。次いで、このままの状態で10分程度2MPaのもと運転を継続すると、逆浸透膜装置2内の透過水は、正浸透により逆浸透膜21を介して濃縮側に移行し、さらに、コントロールバルブV及び濃縮水流量計Fl2を介して析出物と共に系外排出される。その後、コントロールバルブVとインバータIの設定は通常の運転状態に戻される。
また、逆浸透膜装置2の上流側例えば保安フィルタFと高圧ポンプP2との間の供給ラインに酸として例えば硫酸が適宜に連続的または間欠的に添加されて前記供給水のpHが3以下に調整される。
以上の態様は供給水が例えば以下の水質の原水である場合に有効である。
原水水質 硫酸イオン:2800mg/L、カルシウムイオン:400mg/L、回収率:80%
原水水質 SiO2:80mg/L、回収率:50%、温度:25℃
逆浸透膜装置2の膜面に生成する析出物には、硫酸カルシウム(石膏)、SiO2(シリカ)のように一旦析出すると酸により溶解しない物や炭酸カルシウム、フッ化カルシウムのように溶解する物がある。SiO2は高濃度のアルカリにより溶けるが、逆浸透膜も高濃度のアルカリにより溶けて劣化する。
原水水質 SiO2:80mg/L、回収率:50%、温度:25℃
逆浸透膜装置2の膜面に生成する析出物には、硫酸カルシウム(石膏)、SiO2(シリカ)のように一旦析出すると酸により溶解しない物や炭酸カルシウム、フッ化カルシウムのように溶解する物がある。SiO2は高濃度のアルカリにより溶けるが、逆浸透膜も高濃度のアルカリにより溶けて劣化する。
本態様においては、酸で溶解しない物も取り除くことができるが、硫酸カルシウムと炭酸カルシウムが両方析出している場合などでは、酸により炭酸カルシウムの部分を溶かすことで硫酸カルシウムも剥がしやすくなる。
(実施例1)
図6に示された実施例1の逆浸透設備1は、図4の逆浸透設備1の態様において、コントロールバルブVの代わりに、エネルギー回収装置3を備える。エネルギー回収装置3は、逆浸透膜装置2により得られた濃縮水の圧力エネルギーを供給水に供給する。
図6に示された実施例1の逆浸透設備1は、図4の逆浸透設備1の態様において、コントロールバルブVの代わりに、エネルギー回収装置3を備える。エネルギー回収装置3は、逆浸透膜装置2により得られた濃縮水の圧力エネルギーを供給水に供給する。
逆浸透設備1の通常運転により、逆浸透膜装置2内の逆浸透膜21において、析出物が発生して圧力計PGで検出される供給圧力が5.5MPaから6.0MPa程度に上昇した。次いで、逆浸透膜21に対する供給圧力が6.0MPaの状態から、高圧ポンプP2のインバータIの周波数を10秒程度で0Hzとし、その後、供給ポンプP1を停止し、15秒程度で供給圧力が0MPa、供給水の流量も0m3/時となるようにした。
その後、運転を再開する前に10分程度、高圧ポンプP2を起動しないで、供給ポンプP1のみでの運転を行ってから、高圧ポンプP2を起動して運転を再開すると、圧力計PGの供給圧力は5.7MPaに低下した。
以上の実施例1の運転結果から明らかなように、逆浸透設備1の運転中に適時に供給水の供給圧を浸透圧以下に降下させることにより、逆浸透膜装置2の逆浸透膜21における析出物を除去できることが示された。
(実施例2)
その後、薬注ポンプP3により硫酸を供給水に添加して当該供給水のpHを2に調整して、実施例1と同様の供給ポンプP1及び高圧ポンプP2の運転停止制御を行ってから、高圧ポンプP2を起動して運転を再開した。この再開時の圧力計PGの供給圧力は5.5MPaまで低下した。
その後、薬注ポンプP3により硫酸を供給水に添加して当該供給水のpHを2に調整して、実施例1と同様の供給ポンプP1及び高圧ポンプP2の運転停止制御を行ってから、高圧ポンプP2を起動して運転を再開した。この再開時の圧力計PGの供給圧力は5.5MPaまで低下した。
以上の実施例2の運転結果から明らかなように、逆浸透設備1の運転中に適時に酸を供給水に注入して供給水の供給圧を浸透圧以下に降下させることにより、逆浸透膜装置2の逆浸透膜21における析出物をより一層効果的に除去できることが示された。
1…逆浸透設備、10…析出物
2…逆浸透膜装置、21…逆浸透膜、P1…供給ポンプ、P2…高圧ポンプ、P3,P4…薬注ポンプ
F…保安フィルタ
PG…圧力計、PG1…供給水圧力計、PG2…濃縮水圧力計、Fl1…透過水流量計、Fl2…濃縮水流量計
V…コントロールバルブ
3…エネルギー回収装置
2…逆浸透膜装置、21…逆浸透膜、P1…供給ポンプ、P2…高圧ポンプ、P3,P4…薬注ポンプ
F…保安フィルタ
PG…圧力計、PG1…供給水圧力計、PG2…濃縮水圧力計、Fl1…透過水流量計、Fl2…濃縮水流量計
V…コントロールバルブ
3…エネルギー回収装置
Claims (8)
- 塩類含有水を逆浸透により脱塩水と塩類濃縮水に分離する逆浸透膜装置の運転方法であって、
逆浸透膜装置の運転中に間欠的に前記塩類含有水の供給圧を浸透圧以下に降下して生じた正浸透により当該逆浸透膜装置の膜面の析出物を剥がす工程と、
前記逆浸透を再開するまでは前記供給圧を前記浸透圧以下に制御する工程と
を有することを特徴とする逆浸透膜装置の運転方法。 - 前記塩類含有水のpHが3以下のもとで前記供給圧の降下を行うことを特徴とする請求項1に記載の逆浸透膜装置の運転方法。
- 前記塩類濃縮水の塩類濃度若しくは前記塩類含有水の塩類濃度に所定の濃縮倍率を乗じた塩類濃度は、pHの調整、スケール防止剤の添加を行っても析出する範囲であること
を特徴とする請求項1または2に記載の逆浸透膜装置の運転方法。 - 前記供給圧の降下の際に前記逆浸透膜装置への前記塩類含有水の供給を一時的に停止することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の逆浸透膜装置の運転方法。
- 前記供給圧の浸透圧以下への降圧速度は0.3MPa/sec以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の逆浸透膜装置の運転方法。
- 前記供給圧を浸透圧以下に下げた後の前記塩類含有水の供給流量は逆浸透時の50%以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の逆浸透膜装置の運転方法。
- 8インチ径の逆浸透膜及び100L/min以上の前記塩類含有水の供給流量のもとで、または、4インチ径の逆浸透膜及び25L/min以上の前記塩類含有水の供給流量のもとで、前記塩類含有水の供給圧力を浸透圧以下に下げて1分以上運転することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の逆浸透膜装置の運転方法。
- 前記塩類含有水の供給を一時的に停止した後、前記塩類含有水を浸透圧以下で前記逆浸透膜装置に供給する前に、この逆浸透膜装置の前記塩類濃縮水の排出側から前記塩類含有水の供給側に前記塩類含有水を流して、前記正浸透の工程で剥がされた前記析出物を前記供給側から排出することを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の逆浸透膜装置の運転方法。
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