JP2022015095A - 草刈機用カッティングコード、草刈機用カッティングコード前駆体および草刈機 - Google Patents
草刈機用カッティングコード、草刈機用カッティングコード前駆体および草刈機 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】切断性能および静音性能の改善された草刈機用カッティングコードを提供する。【解決手段】草刈機用カッティングコード1は、草刈機用カッティングコードの軸線に沿って延びる芯部10と、芯部の外周面において螺旋状に配置された側部20aと、を備え、軸線方向に隣り合う側部は互いに離間しており、側部の延伸方向に直交する側部横断面において、側部は、軸線を中心とした周方向における側部の幅が、芯部に向かうにつれて小さくなるベース部分BPを有している。【選択図】図4
Description
本明細書に開示される技術は、草刈機用カッティングコード、草刈機用カッティングコード前駆体および草刈機に関する。
近年、草刈機におけるロータ等の回転部品の外周に取り付けて使用される草刈機用カッティングコード(以下、「カッティングコード」ともいう)が知られている。一般に、カッティングコードには、切断性能、静音性能等の性能が求められている。例えば、切断性能は、草木を切断する際の切断時間等で表すことができる。静音性能とは、ロータが回転することによりカッティングコードが高速旋回する際の騒音の程度等で表すことができる。
上記カッティングコードの一例として、合成樹脂材料から形成され、実質的に正n角形の横断面を有するカッティングコードを、草刈機のロータから突出させるカッティングコードの設定長につき少なくとも360/n度の捩れがあるように成形されたカッティングコードが知られている(特許文献1参照)。このカッティングコードによれば、螺旋状に延びる正n角形断面のn本の稜線部分により切断性能を発揮している。
従来の草刈機用カッティングコードにおいて、切断性能および静音性能のさらなる改善が求められている。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される草刈機用カッティングコードは、草刈機用カッティングコードであって、前記草刈機用カッティングコードの軸線に沿って延びる芯部と、前記芯部の外周面において螺旋状に配置された側部と、を備え、前記軸線方向に隣り合う前記側部は互いに離間しており、前記側部の延伸方向に直交する側部横断面において、前記側部は、前記軸線を中心とした周方向における前記側部の幅が、前記芯部に向かうにつれて小さくなるベース部分を有している。
本草刈機用カッティングコードによれば、側部が芯部の外周面において螺旋状に配置されているため、草刈機用カッティングコードの高速旋回時における風切り音を低減させることができ、ひいては、草刈機用カッティングコードの静音性能を向上させることができる。また、草刈機用カッティングコードの静音性能は、草刈機用カッティングコードの高速旋回時に発生する乱流の影響を受ける。詳しくは、草刈機用カッティングコードの高速旋回時に発生する乱流が大きいほど、騒音の程度が大きくなり、静音性能が低下する傾向がある。本草刈機用カッティングコードでは、側部が、上記ベース部分を有している。このため、本草刈機用カッティングコードによれば、草刈機用カッティングコードの高速旋回時に、当該ベース部分と芯部とから形成される凹部によって微小乱流が発生し、この微小乱流によって上記大きい乱流の一部が相殺されることにより、草刈機用カッティングコード全体としての騒音を低減させることができる。このように、本草刈機用カッティングコードによれば、側部が芯部の外周面において螺旋状に配置されておらず、かつ、上記ベース部分を有していない草刈機用カッティングコードと比較して、良好な静音性能を発揮することができる。
本草刈機用カッティングコードでは、芯部の軸線方向に隣り合う側部が、互いに離間している。このように芯部から外側へと突出した側部(特には、側部の先端部)は、芯部の軸線方向に沿って形成されたノコギリ歯のように機能する。このため、本草刈機用カッティングコードによれば、草刈機用カッティングコードにおけるしなりながら高速旋回する動作により、ノコギリがスライドするように草木を切断することができる。また、本草刈機用カッティングコードでは、上述の通り、芯部の軸線方向に隣り合う側部が、互いに離間している。換言すれば、当該隣り合う側部の間に空間部が形成されている。さらには、上述の通り、側部が、上記ベース部分を有している。このため、草刈機用カッティングコードにおけるしなりながら高速旋回する動作により、上記空間部によって捕捉された草木が、上記ベース部分と芯部とから形成された凹部に食い込み、かつ、草刈機用カッティングコードの回転力によって引き裂かれるように切断される。また、草刈機用カッティングコードの高速旋回によって、上記凹部に食い込んだ草木が、側部の表面に沿って移動する際に、当該側部の表面によって切断される。このように、本草刈機用カッティングコードによれば、芯部の軸線方向に隣り合う側部が、互いに離間しておらず、かつ、上記ベース部分を有していない草刈機用カッティングコードと比較して、良好な切断性能を発揮することができる。また、本草刈機用カッティングコードによれば、芯部から外側へと突出した側部が切断性能に寄与しているため、側部の摩耗等による切断性能の低下が発生しにくい傾向がある。さらには、本草刈機用カッティングコードによれば、上記側部が芯部の外周面において螺旋状に配置されているため、草刈機用カッティングコードのいずれの外周面においても同等の切断性能を発揮することができる。
草刈機用カッティングコードは、その径が大きい構成ほど良好な切断性能を有する傾向がある。一方、その径が大きい構成ほど、換言すれば、軸線方向に直交するコード横断面における断面積が大きい構成ほど、静音性能が低減する傾向がある。本草刈機用カッティングコードによれば、芯部の外周面において側部が螺旋状に配置されているため、コード横断面において、草刈機用カッティングコードの外接円の面積に占める草刈機用カッティングコードの断面積が、草刈機用カッティングコードの上記外接円の面積を断面積とする中実の草刈機用カッティングコードと比較して、小さい。このため、本草刈機用カッティングコードによれば、良好な切断性能を有しつつ、良好な静音性能を有する草刈機用カッティングコードを提供することができる。
(2)上記草刈機用カッティングコードにおいて、前記軸線方向から視たときにおいて、前記草刈機用カッティングコードの外形は、略円形である構成としてもよい。このため、本構成が採用された草刈機用カッティングコードによれば、草刈機用カッティングコードの高速旋回時における揺れ(より具体的には、旋回方向に直交する方向における揺れ)を低減することができ、ひいては、良好な静音性能をより効果的に発揮することができる。
(3)上記草刈機用カッティングコードにおいて、前記軸線方向に直交するコード横断面における前記草刈機用カッティングコードの最大幅の方向は、前記軸線方向に沿って、前記軸線を中心として連続的に回転している構成としてもよい。換言すれば、本構成が採用された草刈機用カッティングコードでは、軸線方向から視たときにおいて、草刈機用カッティングコードの外形が略円形である。このため、草刈機用カッティングコードの高速旋回時における揺れ(より具体的には、旋回方向に直交する方向における揺れ)を低減することができ、ひいては、良好な静音性能をより効果的に発揮することができる。
(4)上記草刈機用カッティングコードにおいて、前記側部横断面における、前記軸線を中心とした前記周方向における前記側部の最大幅は、前記軸線方向に直交するコード横断面における、前記芯部の最大幅より小さい構成としてもよい。このため、本構成が採用された草刈機用カッティングコードでは、草刈機用カッティングコードの単位長さ当たりにおいて、側部の巻回数を比較的多くすることができる。すなわち、本構成が採用された草刈機用カッティングコードによれば、草刈機用カッティングコードの単位長さ当たりにおける、芯部の軸線方向に沿って形成された上記ノコギリ歯としての側部(より具体的には、側部の突出)の数を多くすることができるとともに、上記ベース部分の数も多くすることができる。このため、本構成が採用された草刈機用カッティングコードによれば、より効果的に良好な切断性能を有しつつ、良好な静音性能を有する草刈機用カッティングコードを提供することができる。
(5)上記草刈機用カッティングコードにおいて、前記側部横断面において、前記軸線を中心とした前記周方向における前記側部の最大幅よりも前記側部の高さが大きい構成とすることができ、例えば、前記軸線を中心とした前記周方向における前記側部の最大幅に対する前記側部の高さの比は、1.1以上、2.0以下である構成とすることができる。換言すれば、本構成が採用された草刈機用カッティングコードでは、側部横断面における側部の形状は、草刈機用カッティングコードの径方向に長細い形状である。このため、本構成が採用された草刈機用カッティングコードによれば、芯部から突出した側部がより鋭利なノコギリ歯のように機能することにより、切断性能をより効果的に向上させることができる。
(6)上記草刈機用カッティングコードにおいて、前記側部横断面において、前記側部における前記ベース部分の最大幅に対する前記ベース部分の最小幅の比は、1.1以上、2.0以下である構成としてもよい。本構成が採用された草刈機用カッティングコードによれば、上記比を上記範囲内とすることにより、側部のベース部分と芯部との間に確実に凹部を形成させるとともに、芯部と側部との良好な接続を確保して側部が芯部から脱離することを抑制することができる。
(7)上記草刈機用カッティングコードにおいて、前記軸線方向に直交するコード横断面において、前記草刈機用カッティングコードの外接円の面積に対する前記草刈機用カッティングコードの断面積の比は、1.6以上、2.3以下である構成としてもよい。上述の通り、草刈機用カッティングコードは、その径が大きい構成ほど良好な切断性能を有する傾向がある一方、その径が大きい構成ほど静音性能が低減する傾向がある。本構成が採用された草刈機用カッティングコードによれば、上記比を上記範囲内とすることにより、より効果的に良好な切断性能を有しつつ、良好な静音性能を有する草刈機用カッティングコードを提供することができる。
(8)上記草刈機用カッティングコードにおいて、前記側部は、前記芯部の外周面において、複数条の螺旋状に配置されている構成としてもよい。本構成が採用された草刈機用カッティングコードによれば、草刈機用カッティングコードの単位長さ当たりにおける、芯部の軸線方向に沿って形成された上記ノコギリ歯としての側部(より具体的には、側部の突出)の数を多くすることができるとともに、上記ベース部分の数も多くすることができる。このため、本構成が採用された草刈機用カッティングコードによっても、良好な切断性能を有しつつ、良好な静音性能を有する草刈機用カッティングコードを提供することができる。
(9)上記草刈機用カッティングコードにおいて、前記軸線方向に直交するコード横断面において、複数の前記側部は、前記芯部の前記周方向に等間隔に配置されている構成としてもよい。本構成が採用された草刈機用カッティングコードによれば、側部のベース部分によって発生する微小乱流を、草刈機用カッティングコードの外周面において略均等に発生させることができるため、静音性能をより効果的に向上させることができる。また、本構成が採用された草刈機用カッティングコードによれば、草刈機用カッティングコードの切断性能を軸線方向において略均等に発揮させることができる。
(10)上記草刈機用カッティングコードにおいて、前記芯部と前記側部との少なくとも一方は、樹脂材料により形成されている構成としてもよい。本構成が採用された草刈機用カッティングコードによれば、草刈機用金属刃と比較してより良好な安全性を有するとともに、当該草刈機用カッティングコードを廃棄等する際の環境への負担を軽減することができる。
(11)本明細書に開示される草刈機用カッティングコード前駆体は、草刈機用カッティングコード前駆体であって、前記草刈機用カッティングコード前駆体の軸線に沿って延びる芯部前駆体と、前記芯部前駆体の外周面において、前記軸線と略平行に配置された側部前駆体と、を備え、前記軸線方向に直交するコード前駆体横断面において、前記側部前駆体は、前記軸線を中心とした周方向における前記側部前駆体の幅が、前記芯部前駆体に向かうにつれて小さくなるベース部分を有している。本草刈機用カッティングコード前駆体によれば、当該草刈機用カッティングコードを捻回することにより、上記(1)に記載の草刈機用カッティングコードを製造することができる。
(12)上記草刈機用カッティングコード前駆体において、前記コード前駆体横断面において、前記軸線を中心とした前記周方向における前記側部前駆体の最大幅は、前記芯部前駆体の最大幅より小さい構成としてもよい。本構成の草刈機用カッティングコード前駆体によれば、当該草刈機用カッティングコードを捻回することにより、上記(4)に記載の草刈機用カッティングコードを製造することができる。
(13)上記草刈機用カッティングコード前駆体において、前記コード前駆体横断面において、前記軸線を中心とした前記周方向における前記側部前駆体の最大幅よりも前記側部前駆体の高さが大きい構成とすることができ、例えば、前記軸線を中心とした前記周方向における前記側部前駆体の最大幅に対する前記側部前駆体の高さの比は、1.1以上、2.0以下である構成とすることができる。本構成の草刈機用カッティングコード前駆体によれば、当該草刈機用カッティングコードを捻回することにより、上記(5)に記載の草刈機用カッティングコードを製造することができる。
(14)上記草刈機用カッティングコード前駆体において、前記コード前駆体横断面において、前記側部前駆体における前記ベース部分の最大幅に対する前記ベース部分の最小幅の比は、1.1以上、2.0以下である構成としてもよい。本構成の草刈機用カッティングコード前駆体によれば、当該草刈機用カッティングコードを捻回することにより、上記(6)に記載の草刈機用カッティングコードを製造することができる。
(15)上記草刈機用カッティングコード前駆体において、前記コード前駆体横断面において、前記草刈機用カッティングコード前駆体の外接円の面積に対する前記草刈機用カッティングコード前駆体の断面積の比は、1.5以上、2.4以下である構成としてもよい。本構成の草刈機用カッティングコード前駆体によれば、当該草刈機用カッティングコードを捻回することにより、上記(7)に記載の草刈機用カッティングコードを製造することができる。
(16)上記草刈機用カッティングコード前駆体において、前記側部前駆体は、前記芯部前駆体の外周面において、複数本配置されている構成としてもよい。本構成の草刈機用カッティングコード前駆体によれば、当該草刈機用カッティングコードを捻回することにより、上記(8)に記載の草刈機用カッティングコードを製造することができる。
(17)上記草刈機用カッティングコード前駆体において、前記コード前駆体横断面において、複数の前記側部前駆体は、前記芯部前駆体の前記周方向に等間隔に配置されている構成としてもよい。本構成の草刈機用カッティングコード前駆体によれば、当該草刈機用カッティングコードを捻回することにより、上記(9)に記載の草刈機用カッティングコードを製造することができる。
(18)上記草刈機用カッティングコード前駆体において、前記芯部前駆体と前記側部前駆体との少なくとも一方は、樹脂材料により形成されている構成としてもよい。本構成の草刈機用カッティングコード前駆体によれば、当該草刈機用カッティングコードを捻回することにより、上記(10)に記載の草刈機用カッティングコードを製造することができる。
(19)本明細書に開示される草刈機は、上記(1)から(10)までのいずれか1つに記載の草刈機用カッティングコードを備えた構成である。従って、本草刈機によれば、上記(1)から(10)までのいずれか1つに記載の効果を有する草刈機を提供することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、草刈機用カッティングコード、草刈機用カッティングコード前駆体、草刈機およびそれらの製造方法などの形態で実現することができる。
A.第1実施形態:
A-1.草刈機100の構成:
図1を用いて、本実施形態の草刈機用カッティングコード1(以下、「カッティングコード1」ともいう)が取り付けられた草刈機100について説明する。図1は、草刈機100の構成を概略的に示す説明図である。
A-1.草刈機100の構成:
図1を用いて、本実施形態の草刈機用カッティングコード1(以下、「カッティングコード1」ともいう)が取り付けられた草刈機100について説明する。図1は、草刈機100の構成を概略的に示す説明図である。
草刈機100は、例えば、ハンドル部101と、シャフト部103と、ロータ部105と、カッティングコード1とを備えている。ハンドル部101は、草刈機100の使用者に把持される部分である。本実施形態の草刈機100では、ロータ部105には、ロータ部105を回転させるモータ等の駆動装置(図示せず)が取り付けられている。ハンドル部101には、シャフト部103の一端が連結されている。シャフト部103の他端には、ロータ部105が連結されている。シャフト部103は、他端付近に屈曲部を有する略円柱状部材である。ロータ部105は、矢印A方向に回転可能な円盤状の部材である。本実施形態において、ロータ部105の外周面には、2本のカッティングコード1が交換可能に取り付けられている。本実施形態の草刈機100は、草刈機用カッティングコード1がロータ部105の回転によって矢印A方向に高速旋回することにより草を切断することができる。
A-2.草刈機用カッティングコード1の構成:
第1実施形態のカッティングコード1の構成について説明する。図2は、軸線OL方向に延びるカッティングコード1の外観構成を概略的に示す説明図である。図3は、コード横断面におけるカッティングコード1の構成を示す説明図である。なお、図3には、図2のIII-IIIの位置におけるカッティングコード1の横断面が示されている。図4は、側部横断面におけるカッティングコード1の構成を部分的に示す説明図である。なお、図4には、図2のIV-IVの位置(具体的には、後述の側部ユニット20を構成する第1の側部20aの延伸方向に直交する断面)におけるカッティングコード1の構成が部分的に示されている。図5は、コード縦断面におけるカッティングコード1の構成を示す説明図である。なお、図5には、図3のV-Vの位置におけるカッティングコード1の構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が図示されている。本明細書では、便宜的に、カッティングコード1の軸線OL方向はX軸方向に対応し、カッティングコード1の幅方向はY軸方向に対応し、カッティングコード1の高さ方向はZ軸方向に対応している。
第1実施形態のカッティングコード1の構成について説明する。図2は、軸線OL方向に延びるカッティングコード1の外観構成を概略的に示す説明図である。図3は、コード横断面におけるカッティングコード1の構成を示す説明図である。なお、図3には、図2のIII-IIIの位置におけるカッティングコード1の横断面が示されている。図4は、側部横断面におけるカッティングコード1の構成を部分的に示す説明図である。なお、図4には、図2のIV-IVの位置(具体的には、後述の側部ユニット20を構成する第1の側部20aの延伸方向に直交する断面)におけるカッティングコード1の構成が部分的に示されている。図5は、コード縦断面におけるカッティングコード1の構成を示す説明図である。なお、図5には、図3のV-Vの位置におけるカッティングコード1の構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が図示されている。本明細書では、便宜的に、カッティングコード1の軸線OL方向はX軸方向に対応し、カッティングコード1の幅方向はY軸方向に対応し、カッティングコード1の高さ方向はZ軸方向に対応している。
図2から図5に示すように、カッティングコード1は、軸線OLを有し、芯部10と、芯部10の外周面S10において螺旋状に配置された側部ユニット20とを備えている。側部ユニット20は、1本または複数本の側部により構成されている。本実施形態において、側部ユニット20は、第1の側部20aと第2の側部20bとにより構成されている。以降、第1の側部20aと第2の側部20bとをまとめて、側部20a,20bということがある。カッティングコード1において、芯部10と側部20a,20bとの境界は、例えば、図3に示すコード横断面および図5に示すコード縦断面における境界線BLによって画定することができる。なお、境界線BLは、例えば、芯部10の外縁E10と側部20a,20bの外縁E20との交点P1と交点P2とを結ぶ直線で表すことができる。なお、芯部10は、特許請求の範囲における芯部の一例であり、側部20a,20bは、それぞれ、特許請求の範囲における側部の一例である。
芯部10について説明する。芯部10は、樹脂材料や金属材料により形成された略柱状の部材であり、カッティングコード1の軸線OLに沿って延びている部材である。本実施形態において芯部10の中心軸は、カッティングコード1の軸線OLに略一致している。芯部10は、主に、カッティングコード1の強度を向上させる目的で備えられる。芯部10を形成する樹脂材料は、良好な強度を有する樹脂材料であれば特に限定されない。
当該樹脂材料の主成分としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアセタール系樹脂等が挙げられる。当該樹脂材料の主成分としては、芯部10ひいてはカッティングコード1の耐久性を向上させる観点から、ポリアミド系樹脂を用いることができる。ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン56、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612等の脂肪族ポリアミド、および、これらの共重合ポリアミド、ナイロン9T、ナイロンMXT6などの半芳香族ポリアミド、これらの共重合体等が挙げられる。当該ポリアミド系樹脂としては、芯部10ひいてはカッティングコード1の耐摩耗性を向上させる観点から、ナイロン6を用いることができる。他の樹脂材料の主成分として、例えば、生分解性プラスチックを用いることができる。生分解性プラスチックとしては、芯部10ひいてはカッティングコード1の強度を向上させるとともに、廃棄処分が容易であり、環境への悪影響を低減できる観点から、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン、変性澱粉、PET共重合体等が挙げられる。本実施形態の芯部10には、上記樹脂成分の他、必要に応じて、無機粒子、染顔料、光沢顔料、耐熱剤、耐光剤、摩擦・摩耗改良剤等の添加剤、改質剤を適宜配合することができる。なお、本明細書では、主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。金属材料の代表例としては、ステンレス鋼が挙げられる。
図3に示すコード横断面における芯部10の構成を説明する。コード横断面における芯部10の形状は、特に限定されず、略円形、略楕円形、略長円形、略多角形、略正多角形等とすることができる。コード横断面における芯部10の形状は、カッティングコード1の静音性能を向上させる観点から、略円形または略長円とすることができる。本実施形態において、コード横断面における芯部10の形状は、略円形である。換言すれば、本実施形態において、芯部10の形状は、略円柱である。コード横断面における芯部10の最大幅D10は、特に限定されないが、例えば、カッティングコード1の最大幅D1が2mm以上、6mm以下の場合、1mm以上、3mm以下程度である。最大幅D10が、1mm未満であると、カッティングコード1の強度が十分でない傾向がある。また、最大幅D10が、3mm超であると、カッティングコード1の静音性能が低下する傾向がある。なお、コード横断面における芯部10の最大幅D10とは、境界線BLに平行であり、かつ、軸線OLを通る直線における芯部10の長さを意味する。
側部ユニット20を構成する側部20a,20bについて説明する。側部20a,20bは、上述の通り、芯部10の外周面S10において、それぞれ螺旋状に配置されている。本実施形態において、側部20a,20bは、それぞれ延伸方向において連続して配置されている。側部20a,20bは、主に、芯部10の強度を補完するとともに、カッティングコード1の切断性能および静音性能を向上させる目的で備えられる。図2に示すように、側部20a,20bは、芯部10の外周面S10において、軸線OL方向に隣り合う側部20a,20bが互いに離間するように配置されている。換言すれば、隣り合う側部20a,20bの間に空間部ESが形成されている(図3および図5参照)。より具体的には、側部20a,20bは、軸線OL方向において、側部20a,20bが互いに所定の離間距離を有するように芯部10に疎巻されている。すなわち、芯部10に側部20a,20bが巻回された状態において、芯部10の外周面S10のうち、側部20a,20bに覆われていない領域(第1の側部20aと第2の側部20bとの間の領域)が存在する。
側部20a,20bは、芯部10と同様に、樹脂材料や金属材料により形成されている。当該樹脂材料の主成分としては、例えば、芯部10を形成する樹脂材料と同様に、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、生分解性プラスチック等が挙げられる。金属材料の代表例としては、ステンレス鋼が挙げられる。なお、側部20a,20bを形成する材料は、芯部10を形成する材料と同一であってもよく、また、異なっていてもよい。また、側部20a,20bを形成する各材料もまた、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
図3に示すコード横断面における側部20a,20bの構成について説明する。コード横断面における側部20a,20bのそれぞれの形状は、特に限定されず、略円形、略楕円形、略長円形、略多角形、略正多角形等とすることができる。コード横断面における側部20a,20bのそれぞれの形状は、カッティングコード1の静音性能を向上させる観点から、略円形または略長円とすることができる。本実施形態において、コード横断面における側部20a,20bの形状は、ともに略円形である。コード横断面において、側部20a,20bのそれぞれの最大幅Dc20は、特に限定されないが、例えば、カッティングコード1の最大幅D1が3mmの場合、0.5mm以上、1.3mm以下程度である。最大幅Dc20が、0.5mm未満であると、側部20a,20bの強度が十分でなく、十分な切断性能が発揮されにくい傾向がある。また、最大幅Dc20が、1.3mm超であると、カッティングコード1の単位長さ当たりにおいて、側部20a,20bの巻回数を多くすることができず、十分な切断性能および十分な静音性能が発揮されにくい傾向がある。なお、コード横断面における側部20a,20bの最大幅Dc20とは、コード横断面における軸線OLを中心とした円のうち側部20a,20bと重なる長さが最大となる円に沿った側部20a,20bの長さを意味する。なお、側部20a,20bのコード横断面における形状、最大幅Dc20は、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
図4に示す側部横断面における第1の側部20aの構成について説明する。第2の側部20bについては、第2の側部20bの延伸方向に直交する断面において、以下に説明する第1の側部20aの構成と同様である。側部横断面における第1の側部20aの形状は、特に限定されず、略円形、略楕円形、略長円形、略多角形、略正多角形等とすることができる。側部横断面における第1の側部20aの形状は、カッティングコード1の静音性能を向上させる観点から、略円形または略長円とすることができる。本実施形態において、側部横断面における第1の側部20aの形状は、ともにカッティングコード1の径方向に長い略長円である。側部横断面において、第1の側部20aの最大幅Ds20は、特に限定されないが、例えば、カッティングコード1の最大幅D1が3mmの場合、0.5mm以上、1.3mm以下程度である。最大幅Ds20が、0.5mm未満であると、第1の側部20aの強度が十分でなく、十分な切断性能が発揮されにくい傾向がある。また、最大幅Ds20が、1.3mm超であると、第1の側部20aの巻回数を多くすることができず、十分な切断性能および十分な静音性能が発揮されにくい傾向がある。なお、側部横断面における第1の側部20aの最大幅Ds20とは、側部横断面における軸線OLを中心とした円のうち第1の側部20aと重なる長さが最大となる円に沿った第1の側部20aの長さを意味する。なお、第1の側部20aの側部横断面における第1の側部20aの形状、最大幅Ds20は、第2の側部20bの側部横断面における第2の側部20bの形状、最大幅と、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
図4に示す側部横断面において、第1の側部20aの高さHs20は、特に限定されないが、例えば、芯部10の最大幅D10の1/2程度である。カッティングコード1の最大幅D1が2mm以上、6mm以下の場合、0.5mm以上、1.5mm以下程度である。高さHs20が、0.5mm未満であると、第1の側部20aによる十分な切断性能が発揮されにくい傾向があるとともに、第1の側部20aと、これと隣り合う側部との間に形成される空間部ESが十分に確保できず、十分な切断性能が発揮されにくい傾向がある。また、高さHs20が、1.5mm超であると、カッティングコード1全体の径が大きくなることにより、十分な静音性能が発揮されにくい傾向がある。なお、側部横断面における第1の側部20aの高さHs20とは、側部横断面において、境界線BLに直交する方向における第1の側部20aの最大長さを意味する。なお、第1の側部20aの側部横断面における第1の側部20aの高さHs20は、第2の側部20bの側部横断面における第2の側部20bの高さと、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
図4に示す側部横断面において、本実施形態の第1の側部20aの高さHs20は、最大幅Ds20より大きい。換言すれば、本実施形態の第1の側部20aは、高さHs20の方向(換言すれば、カッティングコード1の径方向)に長細い形状である。より具体的には、第1の側部20aの最大幅Ds20に対する高さHs20の比は、例えば、1.1以上、2.0以下である。当該比は、第1の側部20aをより鋭利なノコギリ歯のように機能させることにより切断性能を確保する観点から、1.1以上、1.2以下とすることができる。なお、第1の側部20aの側部横断面における第1の側部20aの上記比は、第2の側部20bの側部横断面における第2の側部20bの上記比と、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
図4に示す側部横断面における第1の側部20aの最大幅Ds20は、図3に示すコード横断面における芯部10の最大幅D10より小さい。具体的には、第1の側部20aの最大幅Ds20に対する芯部10の最大幅D10の比は、例えば、1.5以上、5.0以下である。当該比は、カッティングコード1の切断性能を向上させる観点から、2以上、3以下とすることができる。なお、第1の側部20aの側部横断面における第1の側部20aの上記比は、第2の側部20bの側部横断面における第2の側部20bの上記比と、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
図4に示す側部横断面において、第1の側部20aは、ベース部分BPを有している。ここで、ベース部分BPとは、第1の側部20aの幅Dsが、芯部10に向かうにつれて連続的に小さくなる部分である。換言すれば、ベース部分BPは、第1の側部20aにおいて縮径している部分である。側部横断面において、本実施形態の第1の側部20aのベース部分BPは、第1の側部20aの高さHs20の方向における、境界線BLと最大幅Ds20との間の部分である。すなわち、第1の側部20aのベース部分BPにおいて、幅Dsは、芯部10に向かうにつれて、最大幅Ds20から境界線BLの長さへと徐々に小さくなっている。本実施形態において、ベース部分BPにおける外縁E20は、第1の側部20aの外側へ突出した形状を有している。このため、ベース部分BPによっても草木を切断することができる。ベース部分BPと芯部10との間には、凹部DPが形成されている。ベース部分BPにおける最大幅(本実施形態において、第1の側部20aの最大幅Ds20)に対するベース部分BPにおける最小幅(本実施形態において、第1の側部20aの境界線BLの長さ)の比は、第1の側部20aのベース部分BPと芯部10との間に確実に凹部DPを形成させつつ、第1の側部20aが芯部10から脱離することを抑制する観点から、例えば、1.1以上、2.0以下とすることができる。また、側部横断面において、ベース部分BPと芯部10とがなす角θ20は、凹部DPによってより微小な乱流を発生させるとともに、草木の凹部DPへの食い込みを容易にする観点から、例えば、50°以上、70°以下とすることができる。なお、側部横断面における第1の側部20aの幅Dsとは、側部横断面における軸線OLを中心とした円に沿った第1の側部20aの長さを意味する。また、角θ20とは、境界線BLの端点を接点とする芯部10の接線TL10と、当該端点を接点とする第1の側部20aの接線TL20とがなす角を意味する。なお、第1の側部20aの側部横断面における第1の側部20aの上記比および上記角θ20は、第2の側部20bの側部横断面における第2の側部20bの上記比および上記角と、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
図4に示す側部横断面において、第1の側部20aは、ベース部分BPとトップ部分TPとから構成されている。本実施形態において、トップ部分TPにおける第1の側部20aの幅は、芯部10の側とは逆側に向かうにつれて小さくなっている。トップ部分TPの外縁のうち、少なくとも芯部10の側とは逆側の部分は、カッティングコード1に良好な切断性能を発揮させるため、芯部10の外縁を構成する曲線の曲率半径よりも小さな曲率半径を有する曲線から構成されている。芯部10における上記曲率半径、およびトップ部分TPにおける上記曲率半径は、カッティングコード1の最大幅D1の値に応じて適宜に定められる。例えば、本実施形態において、芯部10における上記曲率半径は、0.75mmであり、トップ部分TPにおける上記曲率半径は、0.375mmである。なお、第1の側部20aの側部横断面における第1の側部20aの上記曲率半径は、第2の側部20bの側部横断面における第2の側部20bの上記曲率半径と、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
カッティングコード1の構成について説明する。上述の通り、側部20a,20bは、芯部10に疎巻されている(図2参照)。側部20a,20bのそれぞれの疎巻の程度(図2中、捻回ピッチPt)は、特に限定されないが、カッティングコード1の硬度が高くなる(すなわち、しなやかさが低下する)ことを抑制しつつ、カッティングコード1に十分な切断性能を発揮させる観点から、例えば、2mm以上、30mm以下、さらには、8mm以上、18mm以下程度である。ここで、本明細書では、側部20a,20bの捻回ピッチPtとは、第1の側部20a(または第2の側部20b)を芯部10の周方向に360°巻回した際の軸線OL方向への移動距離を意味する。本実施形態では、側部20a,20bの捻回ピッチPtは、10mm程度である。なお、カッティングコード1における芯部10への側部20a,20bの撚り方向は、S撚り、Z撚りのいずれであってもよい。本実施形態のカッティングコード1において、当該撚り方向は、S撚りである。
捻回ピッチPtにおける、第1の側部20aと第2の側部20bとの間の間隔Pa,Pb(図2参照)は、特に限定されないが、例えば、2mm以上、15mm以下程度、さらには、4mm以上、9mm以下程度である。本実施形態では、第1の側部20aと第2の側部20bとが等間隔に配置されているため、間隔Pa,Pbは、捻回ピッチPtの略1/2であり、5mm程度である。
側部20a,20bの巻回角度θwは、特に限定されないが、カッティングコード1の硬度が高くなる(すなわち、しなやかさが低下する)ことを抑制しつつ、芯部10に十分な切断性能を発揮させる観点から、例えば、25°以上、50°以下程度、さらには、35°以上、45°以下程度である。ここで、本明細書では、巻回角度θwとは、所定方向(例えば、軸線OLに平行な方向)から視たときにおいて、軸線OLと側部20a,20bとからそれぞれ形成される挟角を意味する。本実施形態では、側部20a,20bの巻回角度θwは、37°程度である。
図3に示すコード横断面において、側部ユニット20を構成する側部20a,20bは、芯部10の周方向に等間隔に配置されている。換言すれば、本実施形態において、第1の側部20aの境界線BLの中点と、第2の側部20bの境界線BLの中点と、軸線OLとは、Y軸上における同一の直線上に位置する。このため、図3に示すコード横断面において、カッティングコード1の最大幅D1の方向は、Y軸方向に略一致している。このようなカッティングコード1の最大幅D1の方向は、軸線OL方向に沿って、軸線OLを中心として連続的に回転している。換言すれば、軸線OL方向から視たときにおいて、カッティングコード1の外形CSは、最大幅D1を直径とする略円形である。なお、コード横断面において、カッティングコード1の最大幅D1は、特に限定されないが、例えば、1mm以上、6mm以下程度である。最大幅D1が、1mm未満であると、カッティングコード1の耐久性および切断性能が低下する傾向がある。また、最大幅D1が、6mm超であると、カッティングコード1の静音性能が低下する傾向がある。
図3に示すコード横断面において、カッティングコード1の外接円CCの面積に対するカッティングコード1の断面積の比は、特に限定されないが、良好な切断性能を有しつつ、良好な静音性能を有する観点から、例えば、1.6以上、2.3以下程度、さらには、1.8以上、2.1以下程度である。
A-3.評価方法:
以下に、それぞれの評価方法を示す。
以下に、それぞれの評価方法を示す。
[切断性能]
カッティングコード1を取り付けた草刈機100(具体的には、草刈機100のロータ部105)および切断対象をそれぞれ測定治具に固定した。このような配置において、ロータ部105の空転時回転数を6000回転/分とし、切断対象が完全に切断されるまでの時間を測定した。切断対象としては、幅3mm~4mmの稲藁20本を束ねた稲藁束を使用した。この測定時間が短いほど、切断性能が良いことを意味する。
カッティングコード1を取り付けた草刈機100(具体的には、草刈機100のロータ部105)および切断対象をそれぞれ測定治具に固定した。このような配置において、ロータ部105の空転時回転数を6000回転/分とし、切断対象が完全に切断されるまでの時間を測定した。切断対象としては、幅3mm~4mmの稲藁20本を束ねた稲藁束を使用した。この測定時間が短いほど、切断性能が良いことを意味する。
[静音性能]
測定器として、リオン(株)製のNA-28(騒音計)を使用した。まず、無響室内において、カッティングコード1を取り付けた草刈機100(具体的には、草刈機100のロータ部105)を床から0.2mの位置に設置した。また、測定器は、ロータ部105を中心とする半径1.5mの球上であって、床と平行な方向においてロータ部105の中心から0.75m離れた位置に設置した。このような配置において、ロータ部105の空転時回転数を6000回転/分とし、ロータ部105の回転中の異音の大きさ(音量)を測定した(測定値A)。なお、草刈機100に備えられた駆動装置の騒音の影響を差し引くために、上記と同様の方法で、カッティングコード1を取り付けていない草刈機100についてもロータ部105の回転中の異音の大きさ(音量)を測定し(測定値B)、上記測定値Aから測定値Bを差し引いた値を、カッティングコード1の騒音値とした。この騒音値が低いほど、静音性能が良いことを意味する。
測定器として、リオン(株)製のNA-28(騒音計)を使用した。まず、無響室内において、カッティングコード1を取り付けた草刈機100(具体的には、草刈機100のロータ部105)を床から0.2mの位置に設置した。また、測定器は、ロータ部105を中心とする半径1.5mの球上であって、床と平行な方向においてロータ部105の中心から0.75m離れた位置に設置した。このような配置において、ロータ部105の空転時回転数を6000回転/分とし、ロータ部105の回転中の異音の大きさ(音量)を測定した(測定値A)。なお、草刈機100に備えられた駆動装置の騒音の影響を差し引くために、上記と同様の方法で、カッティングコード1を取り付けていない草刈機100についてもロータ部105の回転中の異音の大きさ(音量)を測定し(測定値B)、上記測定値Aから測定値Bを差し引いた値を、カッティングコード1の騒音値とした。この騒音値が低いほど、静音性能が良いことを意味する。
A-4.製造方法:
次に、本実施形態のカッティングコード1の製造方法の一例を説明する。図6は、カッティングコード1の製造工程を概略的に示す説明図である。本明細書では、便宜的に、草刈機用カッティングコード前駆体1p(以下、「カッティングコード前駆体1p」ともいう)の軸線OL方向は、X軸方向に対応し、カッティングコード前駆体1pの幅方向はY軸方向に対応し、カッティングコード前駆体1pの高さ方向はZ軸方向に対応している。図7についても同様である。
次に、本実施形態のカッティングコード1の製造方法の一例を説明する。図6は、カッティングコード1の製造工程を概略的に示す説明図である。本明細書では、便宜的に、草刈機用カッティングコード前駆体1p(以下、「カッティングコード前駆体1p」ともいう)の軸線OL方向は、X軸方向に対応し、カッティングコード前駆体1pの幅方向はY軸方向に対応し、カッティングコード前駆体1pの高さ方向はZ軸方向に対応している。図7についても同様である。
まず、カッティングコード押出体1eを作製する。図6(A)に示すように、カッティングコード押出体1eは、軸線OLを有し、芯部押出体10eと、芯部押出体10eの外周面Se10において、軸線OLと略平行に配置された2本の側部押出体(具体的には、第1の側部押出体20aeおよび第2の側部押出体20be)により構成される側部ユニット押出体20eとを備えている。カッティングコード押出体1eは、例えば、押出成形により作製することができる。例えば、まず、溶融樹脂を所定の形状を有するダイから押し出す。当該溶融樹脂としては、上述の芯部10および側部ユニット20を形成する樹脂材料が挙げられる。上記ダイの形状は、例えば、後述のカッティングコード前駆体1pのコード前駆体横断面における形状と近似する形状とすることができる。すなわち、上記ダイの形状においても、カッティングコード押出体1eのベース部分BPpと近似するベース部分を有している。
次に、カッティングコード前駆体1pを作製する。図6(B)に示すように、カッティングコード前駆体1pは、軸線OLを有し、芯部前駆体10pと、芯部前駆体10pの外周面Sp10において、軸線OLと略平行に配置された2本の側部前駆体(具体的には、第1の側部前駆体20apおよび第2の側部前駆体20bp)により構成される側部ユニット前駆体20pとを備えている。以降、第1の側部前駆体20apと第2の側部前駆体20bpとをまとめて、側部前駆体20ap,20bpということがある。なお、芯部前駆体10pは、特許請求の範囲における芯部前駆体の一例であり、側部前駆体20ap,20bpは、特許請求の範囲における側部前駆体の一例である。カッティングコード前駆体1pの詳細構成については、後で説明する。
カッティングコード前駆体1pは、例えば、上記作製されたカッティングコード押出体1eを、延伸方向HDに延伸することにより作製することができる(図6(B)参照)。次に、上記作製されたカッティングコード前駆体1pを、捻回ピッチPtが上述の値となるよう、回転方向RDに捻回することによりカッティングコード1を作製することができる(図6(C)参照)。以上の方法により、芯部10と、芯部10の外周面S10において螺旋状に配置された側部ユニット20とを備えるカッティングコード1を製造することができる。
上述の通り、カッティングコード1を製造する際に、カッティングコード前駆体1pが延伸工程を経て作製されていることにより、カッティングコード1を形成する樹脂材料における分子鎖の配向が生じ、カッティングコード1の強度を向上させることができる。また、カッティングコード1を製造する際における延伸と捻回の順番は、特に限定されないが、延伸後に捻回する順番とすることにより、カッティングコード1における捻回ピッチPtがばらつくことを抑制することができる。なお、上記ダイから押し出されたカッティングコード押出体1eを冷却してもよく、また、捻回する際に、カッティングコード前駆体1pを加温してもよい。
A-5.草刈機用カッティングコード前駆体1pの構成:
次に、カッティングコード前駆体1pの構成について説明する。図7は、コード前駆体横断面におけるカッティングコード前駆体1pの構成を示す説明図である。なお、図7には、図6(A)のVII-VIIの位置におけるカッティングコード前駆体1pの構成が示されている。
次に、カッティングコード前駆体1pの構成について説明する。図7は、コード前駆体横断面におけるカッティングコード前駆体1pの構成を示す説明図である。なお、図7には、図6(A)のVII-VIIの位置におけるカッティングコード前駆体1pの構成が示されている。
上述したように、カッティングコード前駆体1pは、芯部前駆体10pと、側部前駆体20ap,20bpとを備えている。カッティングコード前駆体1pにおいて、芯部前駆体10pと側部前駆体20ap,20bpとの境界は、例えば、図7に示すコード前駆体横断面における境界線BLpによって画定することができる。なお、境界線BLpは、カッティングコード前駆体1pの外縁Ep10と側部前駆体20ap,20bpの外縁Ep20との交点Pp1と交点Pp2とを結ぶ直線で表すことができる。
芯部前駆体10pについて説明する。芯部前駆体10pは、芯部10と同様に、樹脂材料や金属材料により形成された略柱状の部材であり、カッティングコード前駆体1pの軸線OLに沿って延びている部材である。本実施形態において芯部前駆体10pの中心軸は、カッティングコード前駆体1pの軸線OLに略一致している。芯部前駆体10pを形成する樹脂材料は、芯部10と同様に、良好な強度を有する樹脂材料であれば特に限定されず、当該樹脂材料の主成分としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、生分解性プラスチック等が挙げられる。本実施形態の芯部前駆体10pには、芯部10と同様に、上記樹脂成分の他、必要に応じて、無機粒子、染顔料、光沢顔料、耐熱剤、耐光剤、摩擦・摩耗改良剤等の添加剤、改質剤を適宜配合することができる。金属材料の代表例としては、ステンレス鋼が挙げられる。
図7に示すコード前駆体横断面における芯部前駆体10pの形状は、図2に示すコード横断面における芯部10の形状に対応しており、略円形、略楕円形、略長円形、略多角形、略正多角形等とすることができる。本実施形態において、コード前駆体横断面における芯部前駆体10pの形状は、略円形である。換言すれば、本実施形態において、芯部前駆体10pの形状は、略円柱である。コード前駆体横断面における芯部前駆体10pの最大幅Dp10は、コード横断面における芯部10の最大幅D10に対応しており、例えば、カッティングコード前駆体1pの最大幅Dp1が2mm以上、6mm以下の場合、1mm以上、3mm以下程度である。なお、コード前駆体横断面における芯部前駆体10pの最大幅Dp10とは、境界線BLpに平行であり、かつ、軸線OLを通る直線における芯部前駆体10pの長さを意味する。
側部ユニット前駆体20pを構成する側部前駆体20ap,20bpについて説明する。上述したように、側部前駆体20ap,20bpは、それぞれ、芯部前駆体10pの外周面Sp10において、軸線OLと平行に配置されている(図7参照)。より具体的には、側部前駆体20ap,20bpは、芯部前駆体10pの外周面Sp10において、互いに離間するように配置されている。すなわち、芯部前駆体10pの外周面Sp10のうち、側部前駆体20ap,20bpに覆われていない領域(第1の側部前駆体20apと第2の側部前駆体20bpとの間の領域)が存在する。本実施形態のカッティングコード前駆体1pは、軸線OL方向に延びる2つの上記領域を有している。本実施形態において、側部前駆体20ap,20bpは、軸線OL方向において連続して配置されている。
側部前駆体20ap,20bpは、芯部前駆体10pおよび側部20a,20bと同様に、樹脂材料や金属材料により形成されている。当該樹脂材料の主成分としては、例えば、芯部前駆体10pおよび側部20a,20bを形成する樹脂材料と同様に、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、生分解性プラスチック等が挙げられる。金属材料の代表例としては、ステンレス鋼が挙げられる。なお、側部前駆体20ap,20bpを形成する材料は、芯部前駆体10pを形成する材料と同一であってもよく、また、異なっていてもよい。また、側部前駆体20ap,20bpを形成する各材料もまた、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
コード前駆体横断面における側部前駆体20ap,20bpのそれぞれの形状は、図4に示す側部横断面における側部20a,20bの形状に対応しており、略円形、略楕円形、略長円形、略多角形、略正多角形等とすることができる。本実施形態において、コード前駆体横断面における側部前駆体20ap,20bpの形状は、ともにカッティングコード前駆体1pの径方向に長い略長円である。コード前駆体横断面において、側部前駆体20ap,20bpのそれぞれの最大幅Dp20は、側部横断面における第1の側部20aの最大幅Ds20に対応しており、例えば、カッティングコード前駆体1pの最大幅Dp1が3mmの場合、0.35mm以上、0.9mm以下程度である。最大幅Dp20が、0.35mm未満であると、側部前駆体20ap,20bpの強度が十分でなく、カッティングコード前駆体1pによって製造されたカッティングコード1において十分な切断性能が発揮されにくい傾向がある。また、最大幅Dp20が、0.9mm超であると、カッティングコード前駆体1pによって製造されたカッティングコード1において側部20a,20bの巻回数を多くすることができず、十分な切断性能および十分な静音性能が発揮されにくい傾向がある。なお、コード前駆体横断面における側部前駆体20ap,20bpの最大幅Dp20とは、コード前駆体横断面における軸線OLを中心とした円のうち側部前駆体20ap,20bpと重なる長さが最大となる円に沿った側部前駆体20ap,20bpの長さを意味する。なお、側部前駆体20ap,20bpの上記形状、最大幅Dp20は、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
コード前駆体横断面において、側部前駆体20ap,20bpの高さHp20は、図4に示す側部横断面における第1の側部20aの高さHs20に対応しており、例えば、芯部前駆体10pの最大幅Dp10の1/2程度である。カッティングコード前駆体1pの最大幅Dp1が2mm以上、6mm以下の場合、0.64mm以上、1.56mm以下程度である。高さHp20が、0.64mm未満であると、カッティングコード前駆体1pによって製造されたカッティングコード1において側部20a,20bによる十分な切断性能が発揮されにくい傾向があるとともに、隣り合う側部20a,20bとの間に形成される空間部ESが十分に確保できず、十分な切断性能が発揮されにくい傾向がある。また、高さHp20が、1.56mm超であると、カッティングコード前駆体1pによって製造されたカッティングコード1全体の径が大きくなることにより、十分な静音性能が発揮されにくい傾向がある。なお、コード前駆体横断面における側部前駆体20ap,20bpの高さHp20とは、コード前駆体横断面において、境界線BLpに直交する方向における側部前駆体20ap,20bpの最大長さを意味する。なお、側部前駆体20ap,20bpの高さHp20は、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
コード前駆体横断面において、本実施形態の側部前駆体20ap,20bpの高さHp20は、最大幅Dp20より大きい。換言すれば、本実施形態の側部前駆体20ap,20bpは、高さHp20の方向に長細い形状である。より具体的には、側部前駆体20ap,20bpの最大幅Dp20に対する高さHp20の比は、側部横断面における第1の側部20aの最大幅Ds20に対する高さHs20の比と同様であり、例えば、1.1以上、2.0以下である。当該比は、カッティングコード前駆体1pによって製造されたカッティングコード1において側部20a,20bをより鋭利なノコギリ歯のように機能させることにより切断性能を確保する観点から、1.1以上、1.2以下とすることができる。なお、側部前駆体20ap,20bpの上記比は、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
コード前駆体横断面において、側部前駆体20ap,20bpの最大幅Dp20は、芯部前駆体10pの最大幅Dp10より小さい。具体的には、側部前駆体20ap,20bpの最大幅Dp20に対する芯部前駆体10pの最大幅Dp10の比は、例えば、1.5以上、5.0以下である。当該比は、カッティングコード前駆体1pによって製造されたカッティングコード1の切断性能を向上させる観点から、2.8以上、4.2以下とすることができる。なお、側部前駆体20ap,20bpの上記比は、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
コード前駆体横断面において、側部前駆体20ap,20bpは、図4に示す側部横断面における第1の側部20aと同様に、ベース部分BPpを有している。ここで、ベース部分BPpとは、側部前駆体20ap,20bpの幅Dpが、芯部前駆体10pに向かうにつれて連続的に小さくなる部分である。換言すれば、ベース部分BPpは、側部前駆体20ap,20bpにおいて縮径している部分である。コード前駆体横断面において、本実施形態の側部前駆体20ap,20bpのベース部分BPpは、側部前駆体20ap,20bpの高さHp20の方向における、境界線BLpと最大幅Dp20との間の部分である。すなわち、側部前駆体20ap,20bpのベース部分BPpにおいて、幅Dpは、芯部前駆体10pに向かうにつれて、最大幅Dp20から境界線BLpの長さへと徐々に小さくなっている。ベース部分BPpにおける最大幅(本実施形態において、側部前駆体20ap,20bpの最大幅Dp20)に対するベース部分BPpにおける最小幅(本実施形態において、側部前駆体20ap,20bpの境界線BLpの長さ)の比は、カッティングコード前駆体1pによって製造されたカッティングコード1において側部20a,20bにおいてベース部分BPと芯部10との間に確実に凹部DPを形成させつつ、側部20a,20bが芯部10から脱離することを抑制する観点から、例えば、1.1以上、2.0以下とすることができる。また、コード前駆体横断面において、ベース部分BPpと芯部前駆体10pとがなす角θp20は、カッティングコード前駆体1pによって製造されたカッティングコード1において凹部DPによってより微小な乱流を発生させるとともに、草木の凹部DPへの食い込みを容易にする観点から、例えば、80°以上、100°以下とすることができる。なお、コード前駆体横断面における側部前駆体20ap,20bpの幅Dpとは、コード前駆体横断面における軸線OLを中心とした円に沿った側部前駆体20ap,20bpの長さを意味する。また、角θp20とは、境界線BLpの端点を接点とする芯部前駆体10pの接線TL10と、当該端点を接点とする側部前駆体20ap,20bpの接線TLp20とがなす角を意味する。なお、側部前駆体20ap,20bpの上記比および上記角と、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。本実施形態において、カッティングコード前駆体1pの押出成形に用いる上述のダイについても、上記ベース部分BPpと同様の形状を有している。
図7に示すコード前駆体横断面において、第1の側部前駆体20apは、図4に示す側部横断面における第1の側部20aと同様に、ベース部分BPpとトップ部分TPpとから構成されている。本実施形態において、トップ部分TPpにおける第1の側部20apの幅は、芯部前駆体10pの側とは逆側に向かうにつれて小さくなっている。トップ部分TPpの外縁のうち、少なくとも芯部前駆体10pの側とは逆側の部分は、カッティングコード前駆体1pによって製造されたカッティングコード1に良好な切断性能を発揮させるため、芯部前駆体10pの外縁を構成する曲線の曲率半径よりも小さな曲率半径を有する曲線から構成されている。芯部前駆体10pにおける上記曲率半径、およびトップ部分TPpにおける上記曲率半径は、カッティングコード前駆体1pの最大幅Dp1の値に応じて適宜に定められる。例えば、本実施形態において、芯部前駆体10pにおける上記曲率半径は、0.75mmであり、トップ部分TPにおける上記曲率半径は、0.31mmである。なお、第1の側部前駆体20apの側部横断面における第1の側部前駆体20apの上記曲率半径は、第2の側部前駆体20bpの側部横断面における第2の側部前駆体20bpの上記曲率半径と、互いに同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
コード前駆体横断面において、側部ユニット前駆体20pを構成する側部前駆体20ap,20bpは、芯部前駆体10pの周方向に等間隔に配置されている。換言すれば、本実施形態において、第1の側部前駆体20apの境界線BLpの中点と、第2の側部前駆体20bpの境界線BLpの中点と、軸線OLとは、Y軸上における同一の直線上に位置する。このため、コード前駆体横断面において、カッティングコード前駆体1pの最大幅Dp1の方向は、Y軸方向に略一致している。カッティングコード前駆体1pの最大幅Dp1は、特に限定されないが、例えば、1.13mm以上、6.78mm以下程度である。最大幅Dp1が、1.13mm未満であると、カッティングコード前駆体1pによって製造されたカッティングコード1の耐久性および切断性能が低下する傾向がある。また、最大幅Dp1が、6.78mm超であると、カッティングコード前駆体1pによって製造されたカッティングコード1の静音性能が低下する傾向がある。
コード前駆体横断面において、カッティングコード前駆体1pの外接円CCpの面積に対するカッティングコード1の断面積の比は、特に限定されないが、良好な切断性能を有しつつ、良好な静音性能を有する観点から、例えば、1.5以上、2.4以下程度、さらには、1.3以上、2.2以下程度である。
A-6.第1実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態のカッティングコード1は、カッティングコード1の軸線OLに沿って延びる芯部10と、芯部10の外周面S10において螺旋状に配置された側部20a,20bと、を備えている。また、軸線OL方向に隣り合う側部20a,20bは互いに離間しており、側部横断面において、側部20a,20bは、軸線OLを中心とした周方向における側部20a,20bの幅Dsが、芯部10に向かうにつれて小さくなるベース部分BPを有している。
以上説明したように、本実施形態のカッティングコード1は、カッティングコード1の軸線OLに沿って延びる芯部10と、芯部10の外周面S10において螺旋状に配置された側部20a,20bと、を備えている。また、軸線OL方向に隣り合う側部20a,20bは互いに離間しており、側部横断面において、側部20a,20bは、軸線OLを中心とした周方向における側部20a,20bの幅Dsが、芯部10に向かうにつれて小さくなるベース部分BPを有している。
本実施形態のカッティングコード1によれば、側部20a,20bが芯部10の外周面S10において螺旋状に配置されているため、カッティングコード1の高速旋回時における風切り音を低減させることができ、ひいては、カッティングコード1の静音性能を向上させることができる。また、カッティングコード1の静音性能は、カッティングコード1の高速旋回時に発生する乱流の影響を受ける。詳しくは、カッティングコード1の高速旋回時に発生する乱流が大きいほど、騒音の程度が大きくなり、静音性能が低下する傾向がある。カッティングコード1では、側部20a,20bが、ベース部分BPを有している。このため、カッティングコード1によれば、カッティングコード1の高速旋回時に、ベース部分BPと芯部10とから形成される凹部DPによって微小乱流が発生し、この微小乱流によって上記大きい乱流の一部が相殺されることにより、カッティングコード1全体としての騒音を低減させることができる。このように、本実施形態のカッティングコード1によれば、側部が芯部10の外周面S10において螺旋状に配置されておらず、かつ、ベース部分BPを有していないカッティングコードと比較して、良好な静音性能を発揮することができる。
本実施形態のカッティングコード1では、芯部10の軸線OL方向に隣り合う側部20a,20bが、互いに離間している。このように芯部10から外側へと突出した側部20a,20b(特には、側部20a,20bの先端部)は、芯部10の軸線OL方向に沿って形成されたノコギリ歯のように機能する。このため、カッティングコード1によれば、カッティングコード1におけるしなりながら高速旋回する動作により、ノコギリがスライドするように草木を切断することができる。また、カッティングコード1では、上述の通り、芯部10の軸線OL方向に隣り合う側部20a,20bが、互いに離間している。換言すれば、隣り合う側部20a,20bの間に空間部ESが形成されている。さらには、上述の通り、側部20a,20bが、ベース部分BPを有している。このため、カッティングコード1におけるしなりながら高速旋回する動作により、空間部ESによって捕捉された草木が、ベース部分BPと芯部10とから形成された凹部DPに食い込み、かつ、カッティングコード1の回転力によって引き裂かれるように切断される。また、カッティングコード1の高速旋回によって、凹部DPに食い込んだ草木が、側部20a,20bの表面に沿って移動する際に、側部20a,20bの表面によって切断される。このように、本実施形態のカッティングコード1によれば、芯部10の軸線OL方向に隣り合う側部が、互いに離間しておらず、かつ、ベース部分BPを有していないカッティングコードと比較して、良好な切断性能を発揮することができる。また、本実施形態のカッティングコード1によれば、芯部10から外側へと突出した側部20a,20bが切断性能に寄与しているため、側部20a,20bの摩耗等による切断性能の低下が発生しにくい傾向がある。さらには、本実施形態のカッティングコード1によれば、側部20a,20bが芯部10の外周面S10において螺旋状に配置されているため、カッティングコード1のいずれの外周面においても同等の切断性能を発揮することができる。
カッティングコードは、その径が大きい構成ほど良好な切断性能を有する傾向がある。一方、その径が大きい構成ほど、換言すれば、コード横断面における断面積が大きい構成ほど、静音性能が低減する傾向がある。本実施形態のカッティングコード1によれば、芯部10の外周面S10において側部20a,20bが螺旋状に配置されているため、コード横断面において、カッティングコード1の外接円CCの面積に占めるカッティングコード1の断面積が、カッティングコード1の外接円CCの面積を断面積とする中実のカッティングコードと比較して、小さい。このため、本実施形態のカッティングコード1によれば、良好な切断性能を有しつつ、良好な静音性能を有するカッティングコード1を提供することができる。
本実施形態のカッティングコード1は、軸線OL方向から視たときにおいて、カッティングコード1の外形が、略円形である。このため、本実施形態のカッティングコード1によれば、カッティングコード1の高速旋回時における揺れ(より具体的には、旋回方向に直交する方向における揺れ、例えば、Z軸方向)を低減することができ、ひいては、良好な静音性能をより効果的に発揮することができる。
本実施形態のカッティングコード1は、コード横断面におけるカッティングコード1の最大幅D1の方向が、軸線OL方向に沿って、軸線OLを中心として連続的に回転している。換言すれば、本実施形態のカッティングコード1では、軸線OL方向から視たときにおいて、カッティングコード1の外形が略円形である。このため、カッティングコード1の高速旋回時における揺れ(より具体的には、旋回方向に直交する方向における揺れ、例えば、Z軸方向)を低減することができ、ひいては、良好な静音性能をより効果的に発揮することができる。
本実施形態のカッティングコード1は、側部横断面における、軸線OLを中心とした周方向における側部20a,20bの最大幅Ds20が、コード横断面における、芯部10の最大幅D10より小さい。このため、本実施形態のカッティングコード1では、カッティングコード1の単位長さ当たりにおいて、側部20a,20bの巻回数を比較的多くすることができる。すなわち、本実施形態のカッティングコード1によれば、カッティングコード1の単位長さ当たりにおける、芯部10の軸線OL方向に沿って形成された上記ノコギリ歯としての側部20a,20b(より具体的には、側部20a,20bの突出)の数を多くすることができるとともに、ベース部分BPの数も多くすることができる。このため、本実施形態のカッティングコード1によれば、より効果的に良好な切断性能を有しつつ、良好な静音性能を有するカッティングコード1を提供することができる。
本実施形態のカッティングコード1は、側部横断面において、軸線OLを中心とした周方向における側部20a,20bの最大幅Ds20よりも側部20a,20bの高さHs20が大きい構成であり、より具体的には、軸線OLを中心とした周方向における側部20a,20bの最大幅Ds20に対する側部20a,20bの高さHs20の比が、1.1以上、2.0以下である。換言すれば、本実施形態のカッティングコード1では、側部横断面における側部20a,20bの形状は、カッティングコード1の径方向に長細い形状である。このため、本実施形態のカッティングコード1によれば、芯部10から突出した側部20a,20bがより鋭利なノコギリ歯のように機能することにより、切断性能をより効果的に向上させることができる。
本実施形態のカッティングコード1は、側部横断面において、側部20a,20bにおけるベース部分BPの最大幅(本実施形態において、側部20a,20bの最大幅Ds20)に対するベース部分BPの最小幅(本実施形態において、境界線BLの長さ)の比が、1.1以上、2.0以下である。本実施形態のカッティングコード1によれば、上記比を上記範囲内とすることにより、側部20a,20bのベース部分BPと芯部10との間に確実に凹部DPを形成させるとともに、芯部10と側部20a,20bとの良好な接続を確保して側部20a,20bが芯部10から脱離することを抑制することができる。
本実施形態のカッティングコード1は、コード横断面において、カッティングコード1の外接円CCの面積に対するカッティングコード1の断面積の比が、1.6以上、2.3以下である。上述の通り、カッティングコードは、その径が大きい構成ほど良好な切断性能を有する傾向がある一方、その径が大きい構成ほど静音性能が低減する傾向がある。本実施形態のカッティングコード1によれば、上記比を上記範囲内とすることにより、より効果的に良好な切断性能を有しつつ、良好な静音性能を有するカッティングコード1を提供することができる。
本実施形態のカッティングコード1は、側部20a,20bが、芯部10の外周面S10において、2条の螺旋状に配置されている。本実施形態のカッティングコード1によれば、側部が1条の螺旋状に配置されたカッティングコードと比較して、カッティングコード1の単位長さ当たりにおける、芯部10の軸線OL方向に沿って形成された上記ノコギリ歯としての側部20a,20b(より具体的には、側部20a,20bの突出)の数を多くすることができるとともに、ベース部分BPの数も多くすることができる。このため、本実施形態のカッティングコード1によれば、より効果的に良好な切断性能を有しつつ、良好な静音性能を有するカッティングコード1を提供することができる。
本実施形態のカッティングコード1は、コード横断面において、2つの側部20a,20bが、芯部10の周方向に等間隔に配置されている。本実施形態のカッティングコード1によれば、側部20a,20bのベース部分BPによって発生する微小乱流を、カッティングコード1の外周面S10において略均等に発生させることができるため、静音性能をより効果的に向上させることができる。また、本実施形態のカッティングコード1によれば、カッティングコード1の切断性能を軸線OL方向において略均等に発揮させることができる。
本実施形態のカッティングコード1は、芯部10および側部20a,20bが、樹脂材料により形成されている。本実施形態のカッティングコード1によれば、草刈機用金属刃と比較してより良好な安全性を有するとともに、カッティングコード1を廃棄等する際の環境への負担を軽減することができる。
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態におけるカッティングコード1Aのコード横断面における構成を示す説明図である。以下では、第2実施形態のカッティングコード1Aの構成のうち、上述した第1実施形態のカッティングコード1の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図8は、第2実施形態におけるカッティングコード1Aのコード横断面における構成を示す説明図である。以下では、第2実施形態のカッティングコード1Aの構成のうち、上述した第1実施形態のカッティングコード1の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図8に示すように、第2実施形態のカッティングコード1Aは、芯部10Aと、側部ユニット20Aとを備えている。第2実施形態のカッティングコード1Aは、主として、側部ユニット20Aが、1本の側部20Aaにより構成されている点で、第1実施形態のカッティングコード1と異なっている。より具体的には、第2実施形態のカッティングコード1Aでは、側部20Aaが芯部10Aの外周面S10において、螺旋状に配置されている。
芯部10Aは、第1実施形態の芯部10と同様の構成を有している。すなわち、芯部10Aの材料、形状、最大幅は、芯部10と同様である。
側部20Aaは、第1実施形態の第1の側部20aと同様の構成を有している。すなわち、側部20Aaの材料、形状、最大幅、高さ、最大幅に対する高さの比は、第1の側部20aと同様である。より具体的には、側部20Aaは、側部横断面(図示せず)において、第1実施形態の第1の側部20aと同様に、高さ方向に長細い形状であり、ベース部分BPを有している。ベース部分BPにおける最大幅に対する最小幅の比、ベース部分BPと芯部10Aとがなす角は、それぞれ、第1実施形態の第1の側部20aと同様である。
カッティングコード1Aは、第1実施形態のカッティングコード1と同様に、側部20Aaが芯部10Aに疎巻されることにより構成されている。側部20Aaの疎巻の程度(捻回ピッチ)、巻回角度は、第1の側部20aと同様である。また、コード横断面において、カッティングコード1Aの最大幅の方向は、Y軸方向に略一致しており、当該最大幅の方向は、軸線OL方向に連続的は各コード横断面において、軸線OLを中心として、連続的に回転している。換言すれば、軸線OL方向から視たときにおいて、カッティングコード1Aの外形CSは、第1実施形態のカッティングコード1と同様に、最大幅を直径とする略円形である。当該最大幅は、第1実施形態のカッティングコード1と同様である。
コード横断面において、カッティングコード1Aの外接円CCの面積に対するカッティングコード1Aの断面積の比は、第1実施形態のカッティングコード1と同様である。
本実施形態のカッティングコード1Aによれば、第1実施形態のカッティングコード1と異なる構成によって奏する効果を除く、他の効果について、カッティングコード1と同等の効果を奏することができる。
C.第3実施形態:
図9は、第3実施形態におけるカッティングコード1Bのコード横断面における構成を示す説明図である。以下では、第3実施形態のカッティングコード1Bの構成のうち、上述した第1,第2実施形態のカッティングコード1,1Aの構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図9は、第3実施形態におけるカッティングコード1Bのコード横断面における構成を示す説明図である。以下では、第3実施形態のカッティングコード1Bの構成のうち、上述した第1,第2実施形態のカッティングコード1,1Aの構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図9に示すように、第3実施形態のカッティングコード1Bは、芯部10Bと、側部ユニット20Bとを備えている。第3実施形態のカッティングコード1Bは、主として、側部ユニット20Bが、3本の側部(具体的には、第1の側部20Ba、第2の側部20Bb、第3の側部20Bc)により構成されている点で、第1実施形態のカッティングコード1と異なっている。以降、第1の側部20Baと第2の側部20Bbと第3の側部20Bcとをまとめて、側部20Ba,20Bb,20Bcということがある。より具体的には、第3実施形態のカッティングコード1Bでは、側部20Ba,20Bb,20Bcが芯部10Bの外周面S10において、螺旋状に配置されている。
芯部10Bは、第1実施形態の芯部10と同様の構成を有している。すなわち、芯部10Bの材料、形状、最大幅は、芯部10と同様である。
側部20Ba,20Bb,20Bcは、第1実施形態の第1の側部20aと同様の構成を有している。すなわち、側部20Ba,20Bb,20Bcの材料、形状、最大幅、高さ、最大幅に対する高さの比は、第1の側部20aと同様である。より具体的には、側部20Ba,20Bb,20Bcは、それぞれの側部横断面(図示せず)において、第1実施形態の第1の側部20aと同様に、高さ方向に長細い形状であり、ベース部分BPを有している。ベース部分BPにおける最大幅に対する最小幅の比、ベース部分BPと芯部10Bとがなす角は、それぞれ、第1実施形態の第1の側部20aと同様である。
カッティングコード1Bは、第1実施形態のカッティングコード1と同様に、側部20Ba,20Bb,20Bcが芯部10Bに疎巻されることにより構成されている。側部20Ba,20Bb,20Bcの疎巻の程度(捻回ピッチ)、巻回角度、第1の側部20aと同様である。また、コード横断面において、カッティングコード1Bの最大幅の方向は、Y軸方向に略一致しており、当該最大幅の方向は、軸線OL方向に連続的は各コード横断面において、軸線OLを中心として、連続的に回転している。軸線OL方向から視たときにおいて、カッティングコード1Bの外形CSは、軸線OLから側部20Ba,20Bb,20Bcの境界線BLまでの最短距離と、側部20Ba,20Bb,20Bcの高さと合計した長さを半径とする略円形である。当該最大幅は、第1実施形態のカッティングコード1と同様である。
捻回ピッチにおける、隣り合う側部20Ba,20Bb,20Bcの間の間隔は、第1実施形態のカッティングコード1と同様である。本実施形態では、側部20Ba,20Bb,20Bcが等間隔に配置されているため、各間隔は、捻回ピッチの略1/3である。
コード横断面において、側部ユニット20Bを構成する側部20Ba,20Bb,20Bcは、芯部10Bの周方向に等間隔に配置されている。換言すれば、本実施形態のカッティングコード1Bでは、第1の側部20Baの境界線BLの中点と、第2の側部20Bbの境界線BLの中点と、第3の側部20Bcの境界線BLの中点とを繋ぐことにより、軸線OLを中心とした略正三角形を形成している。
コード横断面において、カッティングコード1Bの外接円CCの面積に対するカッティングコード1Bの断面積の比は、第1実施形態のカッティングコード1と同様である。
本実施形態のカッティングコード1Bによれば、第1実施形態のカッティングコード1と異なる構成によって奏する効果を除く、他の効果について、カッティングコード1と同等の効果を奏することができる。
D.第4実施形態:
D-1.カッティングコード1Cの構成:
図10は、第4実施形態におけるカッティングコード1Cのコード横断面における構成を示す説明図である。図10には、図11のXI-XIの位置におけるカッティングコード1Cの横断面が示されている。以下では、第4実施形態におけるカッティングコード1Cの構成のうち、上述した第1,第2,第3実施形態のカッティングコード1,1A,1Bの構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
D-1.カッティングコード1Cの構成:
図10は、第4実施形態におけるカッティングコード1Cのコード横断面における構成を示す説明図である。図10には、図11のXI-XIの位置におけるカッティングコード1Cの横断面が示されている。以下では、第4実施形態におけるカッティングコード1Cの構成のうち、上述した第1,第2,第3実施形態のカッティングコード1,1A,1Bの構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図10に示すように、第4実施形態のカッティングコード1Cは、芯部10Cと、側部ユニット20Cとを備えている。第4実施形態のカッティングコード1Cは、主として、側部ユニット20Cを構成する2本の側部(具体的には、第1の側部20Ca、第2の側部20Cb)が、それぞれ、芯部10Cに略点接触している点で、第1実施形態のカッティングコード1と異なっている。以降、第1の側部20Caと第2の側部20Cbとをまとめて、側部20Ca,20Cbということがある。より具体的には、第4実施形態のカッティングコード1Cでは、側部20Ca,20Cbが芯部10Cの外周面S10において、螺旋状に配置されている。
芯部10Cは、第1実施形態の芯部10と同様の構成を有している。すなわち、芯部10Cの材料、形状、最大幅は、芯部10と同様である。より詳しくは、芯部10Cは、側部20Ca,20Cbと略点接触しているため、芯部10における境界線BL部分のような平坦部分を有さない、略円柱である。
側部20Ca,20Cbは、第1実施形態の第1の側部20aと同様の構成を有している。すなわち、側部20Ca,20Cbの材料、形状、最大幅、高さ、最大幅に対する高さの比は、第1の側部20aと同様である。より具体的には、側部20Ca,20Cbは、側部横断面(図示せず)において、第1実施形態の第1の側部20aと同様に、高さ方向に長細い形状であり、ベース部分BPを有している。ベース部分BPと芯部10Cとがなす角は、第1実施形態の第1の側部20aと同様である。
カッティングコード1Cは、第1実施形態のカッティングコード1と同様に、側部20Ca,20Cbが芯部10Cに疎巻されることにより構成されている。側部20Ca,20Cbの疎巻の程度(捻回ピッチ)、巻回角度は、第1の側部20aと同様である。また、コード横断面において、カッティングコード1Cの最大幅の方向は、Y軸方向に略一致しており、当該最大幅の方向は、軸線OL方向に連続的は各コード横断面において、軸線OLを中心として、連続的に回転している。換言すれば、軸線OL方向から視たときにおいて、カッティングコード1Cの外形CSは、第1実施形態のカッティングコード1と同様に、最大幅を直径とする略円形である。当該最大幅は、第1実施形態のカッティングコード1と同様である。
コード横断面において、カッティングコード1Cの外接円CCの面積に対するカッティングコード1Cの断面積の比は、第1実施形態のカッティングコード1と同様である。
本実施形態のカッティングコード1Cによれば、第1実施形態のカッティングコード1と異なる構成によって奏する効果を除く、他の効果について、カッティングコード1と同等の効果を奏することができる。
D-2.製造方法:
次に、第4実施形態のカッティングコード1Cの製造方法の一例を説明する。図11は、カッティングコード1Cの製造工程を概略的に示す説明図である。
次に、第4実施形態のカッティングコード1Cの製造方法の一例を説明する。図11は、カッティングコード1Cの製造工程を概略的に示す説明図である。
まず、芯部10Cを作製する(図11(A)参照)。芯部10Cは、軸線OLを有する略円柱状の部材である。芯部10Cは、例えば、所定の直径を有する略円形状のダイを用いて、押出成形することにより作製することができる。一方、2本の側部20Ca,20Cbを作製する(図11(B)参照)。側部20Ca,20Cbについても、芯部10Cと同様に、例えば、所定の直径を有する略円形状のダイを用いて、押出成形することにより作製することができる。最後に、芯部10Cの外周面S10に対して、2本の側部20Ca,20Cbを、捻回ピッチが上述の値となるよう、螺旋状に巻回する。芯部10Cと、側部20Ca,20Cbとの接触部分は、熱溶着等によって接着することができる。以上の方法により、カッティングコード1Cを製造することができる。
E.変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
第1実施形態のカッティングコード1では、側部横断面における、第1の側部20aの高さHs20が、最大幅Ds20より大きい構成を採用したが、これに限定されない。すなわち、側部横断面における、第1の側部20aの高さHs20は、最大幅Ds20以下であってもよい。また、第1実施形態のカッティングコード前駆体1pについても同様に、コード前駆体横断面における、側部前駆体20ap,20bpの高さHp20は、最大幅Dp20以下であってもよい。
第1実施形態のカッティングコード1では、第1の側部20aが有するベース部分BPが、第1の側部20aのうち、芯部10に接続する部分に形成されている構成を採用したが、これに限定されない。すなわち、ベース部分BPは、第1の側部20aのうちの高さHs20の方向における芯部10から離れた部分(例えば、中央部分)等に形成されていてもよい。また、第1実施形態のカッティングコード前駆体1pについても同様に、ベース部分BPpは、側部前駆体20ap,20bpのうちの高さHp20の方向における芯部前駆体10pから離れた部分(例えば、中央部分)等に形成されていてもよい。
第1実施形態のカッティングコード1では、第1の側部20aが有するベース部分BPが、第1の側部20aのうち、芯部10に接続する部分に形成されている構成を採用したが、これに限定されない。すなわち、ベース部分BPは、第1の側部20aのうちの高さHs20の方向における中央部分に形成されていてもよい。
第1実施形態のカッティングコード1では、第1の側部20aと第2の側部20bとの間の間隔Pa,Pbが、同等である構成を採用したが、これに限定されない。すなわち、間隔Pa,Pbは、互いに異なっていてもよい。
第1記実施形態のカッティングコード1および第3実施形態のカッティングコード1Bでは、複数の側部が、芯部の周方向に等間隔に配置されている構成を採用したが、これに限定されない。すなわち、上記複数の側部は、芯部の周方向に互いに異なる間隔で配置されていてもよい。
第1実施形態のカッティングコード1において、側部20a,20bは芯部10の外周面S10において、延伸方向において連続して配置されている構成を採用したが、これに限定されない。すなわち、側部20a,20bは延伸方向において切り欠きを有する等により連続していなくてもよい。また、第1実施形態のカッティングコード前駆体1pについても同様に、側部前駆体20ap,20bpは延伸方向において切り欠きを有する等により連続していなくてもよい。
1:(草刈機用)カッティングコード 1A:カッティングコード 1B:カッティングコード 1C:カッティングコード 1p:(草刈機用)カッティングコード前駆体 10:芯部 10A:芯部 10B:芯部 10C:芯部 10p:芯部前駆体 20:側部ユニット 20A:側部ユニット 20Aa:側部 20B:側部ユニット 20Ba:第1の側部 20Bb:第2の側部 20Bc:第3の側部 20C:側部ユニット 20Ca:第1の側部 20Cb:第2の側部 20a:第1の側部 20ap:第1の側部前駆体 20b:第2の側部 20bp:第2の側部前駆体 20p:側部ユニット前駆体 100:草刈機 101:ハンドル部 103:シャフト部 105:ロータ部 OL:軸線 BP:ベース部分 BPp:ベース部分 TP:トップ部分 TPp:トップ部分
Claims (19)
- 草刈機用カッティングコードであって、
前記草刈機用カッティングコードの軸線に沿って延びる芯部と、
前記芯部の外周面において螺旋状に配置された側部と、を備え、
軸線方向に隣り合う側部は互いに離間しており、
前記側部の延伸方向に直交する側部横断面において、前記側部は、前記軸線を中心とした周方向における前記側部の幅が、前記芯部に向かうにつれて小さくなるベース部分を有している、
草刈機用カッティングコード。 - 請求項1に記載の草刈機用カッティングコードであって、
前記軸線方向から視たときにおいて、前記草刈機用カッティングコードの外形は、略円形である、
草刈機用カッティングコード。 - 請求項1または請求項2に記載の草刈機用カッティングコードであって、
前記軸線方向に直交するコード横断面における前記草刈機用カッティングコードの最大幅の方向は、前記軸線方向に沿って、前記軸線を中心として連続的に回転している、
草刈機用カッティングコード。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の草刈機用カッティングコードであって、
前記側部横断面における、前記軸線を中心とした前記周方向における前記側部の最大幅は、前記軸線方向に直交するコード横断面における、前記芯部の最大幅より小さい、
草刈機用カッティングコード。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の草刈機用カッティングコードであって、
前記側部横断面において、前記軸線を中心とした前記周方向における前記側部の最大幅に対する前記側部の高さの比は、1.1以上、2.0以下である、
草刈機用カッティングコード。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の草刈機用カッティングコードであって、
前記側部横断面において、前記側部における前記ベース部分の最大幅に対する前記ベース部分の最小幅の比は、1.1以上、2.0以下である、
草刈機用カッティングコード。 - 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の草刈機用カッティングコードであって、
前記軸線方向に直交するコード横断面において、前記草刈機用カッティングコードの外接円の面積に対する前記草刈機用カッティングコードの断面積の比は、1.6以上、2.3以下である、
草刈機用カッティングコード。 - 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の草刈機用カッティングコードであって、
前記側部は、前記芯部の外周面において、複数条の螺旋状に配置されている、
草刈機用カッティングコード。 - 請求項8に記載の草刈機用カッティングコードであって、
前記軸線方向に直交するコード横断面において、複数の前記側部は、前記芯部の前記周方向に等間隔に配置されている、
草刈機用カッティングコード。 - 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の草刈機用カッティングコードであって、
前記芯部と前記側部との少なくとも一方は、樹脂材料により形成されている、
草刈機用カッティングコード。 - 草刈機用カッティングコード前駆体であって、
前記草刈機用カッティングコード前駆体の軸線に沿って延びる芯部前駆体と、
前記芯部前駆体の外周面において、前記軸線と平行に配置された側部前駆体と、を備え、
前記軸線方向に直交するコード前駆体横断面において、前記側部前駆体は、前記軸線を中心とした周方向における前記側部前駆体の幅が、前記芯部前駆体に向かうにつれて小さくなるベース部分を有している、
草刈機用カッティングコード前駆体。 - 請求項11に記載の草刈機用カッティングコード前駆体であって、
前記コード前駆体横断面において、前記軸線を中心とした前記周方向における前記側部前駆体の最大幅は、前記芯部前駆体の最大幅より小さい、
草刈機用カッティングコード前駆体。 - 請求項11または請求項12に記載の草刈機用カッティングコード前駆体であって、
前記コード前駆体横断面において、前記軸線を中心とした前記周方向における前記側部前駆体の最大幅に対する前記側部前駆体の高さの比は、1.1以上、2.0以下である、
草刈機用カッティングコード前駆体。 - 請求項11から請求項13までのいずれか一項に記載の草刈機用カッティングコード前駆体であって、
前記コード前駆体横断面において、前記側部前駆体における前記ベース部分の最大幅に対する前記ベース部分の最小幅の比は、1.1以上、2.0以下である、
草刈機用カッティングコード前駆体。 - 請求項11から請求項14までのいずれか一項に記載の草刈機用カッティングコード前駆体であって、
前記コード前駆体横断面において、前記草刈機用カッティングコード前駆体の外接円の面積に対する前記草刈機用カッティングコード前駆体の断面積の比は、1.5以上、2.4以下である、
草刈機用カッティングコード前駆体。 - 請求項11から請求項15までのいずれか一項に記載の草刈機用カッティングコード前駆体であって、
前記側部前駆体は、前記芯部前駆体の外周面において、複数本配置されている、
草刈機用カッティングコード前駆体。 - 請求項16に記載の草刈機用カッティングコード前駆体であって、
前記コード前駆体横断面において、複数の前記側部前駆体は、前記芯部前駆体の前記周方向に等間隔に配置されている、
草刈機用カッティングコード前駆体。 - 請求項11から請求項17までのいずれか一項に記載の草刈機用カッティングコード前駆体であって、
前記芯部前駆体と前記側部前駆体との少なくとも一方は、樹脂材料により形成されている、
草刈機用カッティングコード前駆体。 - 請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の草刈機用カッティングコードを備える、草刈機。
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