JP2022013905A - 液化ガス貯蔵タンクの保護構造及びその形成方法 - Google Patents

Abstract

【課題】液化ガス貯蔵タンクを安定的に保護することができる、液化ガス貯蔵タンクの保護構造及びその形成方法を提供すること。【解決手段】本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造は、液化ガス貯蔵タンクの保護構造において、タンクボディ１０を包むように設けられる断熱層５０の外側表面に配置される保護層１００を含み、前記保護層１００は、前記断熱層５０の外側表面から凸状に突出した状態で前記断熱層の外側表面に沿って延設されるシワ部を含むことができる。【選択図】図３Ａ

Description

本発明は、液化ガス貯蔵タンクの保護構造及びその形成方法に関する。

天然ガスは、陸上又は海上のガス配管を介してガス状態で運搬されるか、又は液化された液化天然ガス（ＬＮＧ）或いは液化石油ガス（ＬＰＧ）状態でＬＮＧ輸送船に貯蔵して遠距離にある消費先に運搬される。液化天然ガスは、天然ガスを極低温（約－１６３℃）に冷却して得られ、また、液化石油ガスは、天然ガスの精製中に分離して低温（約－５０℃）に冷却して得られるものであり、ガス状態の天然ガスに比べて、その体積が大幅に縮小されるため、長距離運搬に非常に適している。

ＬＮＧやＬＰＧなどの液化ガスを積載して海上を運航し、陸上の輸送先に液化ガスを荷役するための液化ガス輸送船や、同じくＬＮＧを積載して海上を運航し、陸上の輸送先に到着した後、貯蔵されたＬＮＧを再気化して天然ガス状態で荷役するＬＮＧ ＲＶ（Ｒｅｇａｓｉｆｉｃａｔｉｏｎ Ｖｅｓｓｅｌ）は、液化ガスの極低温に耐え得る貯蔵タンク（所謂「貨物倉」と呼ばれる。）を含む。

前記貯蔵タンクは、断熱材に貨物の荷重が直接に作用するか否かによって、独立型（Ｉｎｄｅｐｅｎｄｅｎｔ Ｔｙｐｅ）と、メンブレイン型（Ｍｅｍｂｒａｎｅ Ｔｙｐｅ）とに分類され、通常、メンブレイン型貯蔵タンクは、ＧＴ ＮＯ ９６型と、ＴＧＺ Ｍａｒｋ III型とに分けられ、独立型貯蔵タンクは、ＭＯＳＳ型と、ＳＰＢ型とに分けられる。

独立型貯蔵タンクは、ＩＭＯ規定によってＡ、Ｂ、Ｃ型のものに細分される。独立型貯蔵タンクは、外部からの熱侵入を防止するため、断熱性能を有する構造（断熱層）がタンクボディの外部に結合される。このような断熱構造を保護するための保護層が、断熱層の外部に平らに積層して設けられる。

しかし、タンク内の超低温液化ガスの温度影響によって、断熱構造に収縮膨張の変形が起こる場合、断熱層と保護層の資材の熱膨張係数の差によって、断熱材と保護層の損傷又は変形が生じるという問題が発生することがある。特に、船舶の甲板上に配置された超低温液化ガス貯蔵タンクは、悪天候時の海洋環境下で断熱構造を保護し得る強い機械的強度、及び熱変形を吸収し得る外装が必要となる。

大韓民国登録特許第１０－１６６６０８号

本発明は、上述の問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、液化ガス貯蔵タンクを安定的に保護することができる、液化ガス貯蔵タンクの保護構造及びその形成方法を提供することにある。

本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造は、液化ガス貯蔵タンクの保護構造において、タンクボディを包むように設けられる断熱層の外側表面に配置される保護層を含み、前記保護層は、少なくとも１つ以上のシワ部を含むことができる。
好ましくは、前記シワ部は、前記断熱層の外側表面から凸状に突出した状態で少なくとも１つ以上の方向に延設されるシワ部を含むことができる。

好ましくは、前記保護層は、前記シワ部が設けられ、前記断熱層の外側表面に配置される第１の保護層；及び、前記第１の保護層の少なくとも一部の領域、及び前記断熱層の前記第１の保護層が配置されない残りの領域をカバーするように設けられる第２の保護層を含むことができる。

好ましくは、前記断熱層の外側表面と前記第１の保護層との間に配置されるベース層を含むことができる。

好ましくは、前記第１の保護層と前記ベース層とを結合させる結合部材を含むことができる。

好ましくは、前記シワ部と前記断熱層の表面との間には、離間空間が形成され、前記離間空間に配置される支持部材を含むことができる。

好ましくは、前記シワ部と前記断熱層の表面との間には、離間空間が形成され、前記離間空間は、前記断熱層の表面から突設される突出部により満たされている。

好ましくは、前記第１の保護層、前記第２の保護層、及び前記ベース層は、同一材質の保護材で形成されている。

好ましくは、前記保護材は、繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）を含むことができる。

好ましくは、前記タンクボディは、略円筒状の中央部、及び、略ドーム形状でかつ前記中央部の両端部に結合されるヘッド部を含み、前記シワ部は、前記中央部において前記断熱層の外側表面に沿って前記中央部の軸方向又は前記中央部の周り方向のうちのいずれか１つの方向に延設されている。
好ましくは、前記シワ部は、前記ヘッド部において前記断熱層の外側表面に沿って前記ドーム形状の中心を通るように延設されている。

本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造の形成方法は、タンクボディを包むように設けられる断熱層の外側表面に沿って延びるベース層を形成するステップ；前記ベース層上に支持部材を配置するステップ；前記ベース層及び前記支持部材をカバーするように第１の保護層を形成するステップ；及び、前記第１の保護層の少なくとも一部の領域、及び前記断熱層の前記第１の保護層が配置されない残りの領域をカバーするように第２の保護層を形成するステップ；を含み、前記第１の保護層は、前記ベース層の外側表面から凸状に突出した状態で前記ベース層の外側表面に沿って延設されるシワ部を含むことができる。

本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造によれば、液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクが、常温から超低温へ、又は超低温から常温への温度変化による変位が発生する場合、シワ部によってその変位を吸収することで、保護層の損傷及び変形を防止することができる。
また、保護層のシワ部は、同一の素材で形成され、かつ密閉構造を有しているため、大波、海風のような外部環境による損傷を防止することができる。

本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造が適用される貯蔵タンクを例示的に示す図である。 本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造の保護層に形成されるシワ部を概念的に示す図である。 本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造の保護層に形成されるシワ部を概念的に示す図である。 本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造の保護層に形成されるシワ部を概念的に示す図である。 図２中の保護層の一実施例を具体的に示す図である。 図１中の貯蔵タンクに本発明の種々の実施例に係る貯蔵タンクの保護構造が適用された状態を示す図である。 図５中の貯蔵タンクの一側面から見たヘッド部の一実施例を示す図である。 図５中の貯蔵タンクの一側面から見たヘッド部のまた他の実施例を示す図である。 図３中の第１の保護層の第１の形態を示す図である。 図３中の第１の保護層の第２の形態を示す図である。 本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造を適用した場合における貯蔵タンクの熱変形時の保護層の応力解釈結果を示す図である。 本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造の形成方法を示す手順図である。

以下、説明の便宜のため、本発明の一部の実施例を例示的な図面に基づいて説明する。各図面中の構成要素に参照符号を付する際は、同一の構成要素には、別の図面であっても、できるだけ同じ符号を付して表示する。

本明細書及び請求範囲において使用された用語や単語などは、一般的に又は辞典的に意味を限定してはならず、発明者は発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念に解釈されるべきである。また、本発明の実施例における構成要素を説明するにあたって、第１、第２、Ａ、Ｂ、（ａ）、（ｂ）などの用語を使用することができる。このような用語は、当該構成要素を他の構成要素と区別するためのものであって、その用語によって当該構成要素の本質や順番又は順序などが限定されることはない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」又は「結合」されるとの記載は、当該構成要素が他の構成要素に直接に連結又は結合されることに加え、当該構成要素と他の構成要素との間にまた他の構成要素が「連結」又は「結合」されることを含む意味と理解されるべきである。

従って、本明細書に記載の実施例及び図面に図示の構成は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を代表するものではないため、本出願の時点において、代替可能な均等物又は変形例があり得ることを理解されたい。なお、本発明の要旨を無用に乱すおそれがある公知の機能や構成については、詳細な説明を省略する。

以下では、タンクボディ１０の内部に形成される液化ガス貯蔵空間に向かう方向を内側とし、これと逆の方向を外側として説明する。

本発明は、液化ガス貯蔵タンクの保護構造に関するものであって、液化ガスを貯蔵するタンクに適用され、このような液化ガス貯蔵タンクは、液化ガスを輸送するための貯蔵タンクだけでなく、燃料として使用される液化ガスを貯蔵する燃料タンクを含むことができる。

具体的に、液化ガス貯蔵タンクは、その形態によって、独立型（Ｉｎｄｅｐｅｎｄｅｎｔ Ｔｙｐｅ）と、メンブレイン型（Ｍｅｍｂｒａｎｅ Ｔｙｐｅ）とに大別される。ここで、独立型は、貯蔵タンクが船体と一体になっていない独立した貯蔵タンクが船体の支持装置により支持されるという方式で、Ｔｙｐｅ Ａ、Ｂ、Ｃに分けられる。本発明は、そのなかで独立型Ｔｙｐｅ Ｃに適用されるものであり、具体的に、独立型Ｔｙｐｅ Ｃの液化ガス貯蔵タンクの断熱層保護構造に関するものである。

図１に示されるように、本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造が適用可能な貯蔵タンクは、内部に液化ガスの貯蔵空間を備えるタンクボディ１０を含むことができる。
以下では、タンクボディ１０を、略円筒状の中央部１１、及び、略ドーム状であり、かつ前記中央部１１の円筒状の軸方向の両端部に結合されるヘッド部１２を含む円筒状の圧力容器として説明する。但し、これは、本発明の保護構造が適用可能な貯蔵タンクの１つの形状に過ぎず、これに制限されない。このようなタンクボディ１０の内部には、液化ガスの貯蔵空間が形成されている。

また、図２に示されるように、液化ガス船積みの際に、外部の熱によって液化ガスの気化が発生して貯蔵タンクの内圧が上昇するのを防止するため、このようなタンクボディ１０の外周面には、断熱層５０が設けられている。断熱層５０は、所定の厚さを有するように製造された多数の断熱パネルをタンクボディ１０の外部に取り付けて形成することができる。または、断熱層５０は、連続的スプレー方式でタンクボディ１０の外部に積層することもできる。

タンク内にＬＮＧを貯蔵する場合、ＬＮＧの温度は、約－１６３℃程度であって、約－５０℃程度の温度を有するＬＰＧに比べて非常に低いため、このような断熱層５０を形成する断熱材としては、低温でも弾性を有する材質で形成することができ、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォームなどを使用することができる。但し、このような断熱層５０は、低温で弾性を有するが、水分や機械的衝撃に脆くなることがあるため、本発明のような保護層を断熱層５０上にさらに形成することができる。

以下、本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造について、添付の図面を参照して詳述する。

図２は、本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造の保護層に形成されるシワ部を概念的に示す図であり、図３Ａ及び図３Ｂは、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造の保護層に形成されるシワ部を概念的に示す図であり、図４は、図２中の保護層の一実施例を具体的に示す図であり、図５は、図１中の貯蔵タンクに本発明の種々の実施例に係る貯蔵タンクの保護構造が適用された状態を示す図であり、図６Ａは、図５中の貯蔵タンクの一側面から見たヘッド部の一実施例を示す図であり、図６Ｂは、図５中の貯蔵タンクの一側面から見たヘッド部のまた他の実施例を示す図であり、図７Ａは、図３中の第１の保護層の第１の形態を示す図であり、図７Ｂは、図３中の第１の保護層の第２の形態を示す図であり、図８は、本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造を適用した場合における貯蔵タンクの熱変形時の保護層の応力解釈結果を示す図であり、図９は、本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造の形成方法を示す手順図である。

図２に示されるように、本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造は、断熱層５０の外側表面に配置される保護層１００、及び支持部材２２０を含むことができる。

保護層１００は、断熱層５０の外側表面に積層配置され、外部の水分や物理的衝撃から断熱層５０を保護することができる。保護層１００は、断熱層５０の外側表面から凸状に突出した状態で断熱層５０の外側表面に沿って延設されるシワ部１０１を含むことができる。シワ部１０１は、略ハーフパイプ（ｈａｌｆ－ｐｉｐｅ）形状であることができ、所定の曲率を有するように湾曲して形成することができる。シワ部１０１は、断熱層５０との熱膨張係数及び／又は弾性係数の差によって発生する熱変位を吸収するためのものである。

保護層１００としては、繊維強化プラスチック（Ｆｉｂｅｒ Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ Ｐｌａｓｔｉｃ、以下、「ＦＲＰ」と略する。）素材を使用することができるが、これに制限されず、ステンレススチール（Ｓｔａｉｎｌｅｓｓ Ｓｔｅｅｌ）のような金属素材を使用することもできる。

以下、延設されるシワ部１０１において、断熱層５０の表面から最遠の湾曲した領域を「山部」として説明し、シワ部１０１の長手に沿って延在する「山部」を「シワ経路」として説明する。図８に示されるように、断熱層５０の熱変形などによって保護層１００に応力が形成される場合、図７に示されるように延設されるシワ部１０１のシワ経路に全ての応力が収束するため、保護層１００の他の領域への応力伝播を防止することができる。これによって、保護層１００の変形や破損を防止し、断熱層５０を安定的に保護することができる。

保護層１００のシワ部１０１と断熱層５０との間には、シワ部１０１が突出して形成される分だけ離間空間が形成され、本発明の一実施例によれば、このような離間空間には、シワ部１０１の形状と対応する形状を有する支持部材２００を配設することができる。支持部材２００は、シワ部１０１の内部を満たすことで、外部衝撃によるシワ部１０１の破損を防止し、シワ部１０１の形成を容易にさせることができる。支持部材２００は、シワ部１０１内の離間空間に配置され、シワ部１０１のシワ経路に沿って応力が集中する場合、シワ部１０１を安定的に支持することができる。一実施例において、支持部材２００としては発泡ポリスチレンフォーム（Ｅｘｐａｎｄｅｄ Ｐｏｌｙｓｔｙｒｅｎｅ Ｆｏａｍ、以下、「ＥＰＳ」と略する。）素材を使用することができるが、これに制限されない。

本発明のまた他の実施例によれば、保護層１００と断熱層５０との間に離間空間を有しないこともできる。この場合、図３Ａに示されるように、保護層１００の内側表面は、断熱層５０と当接し、シワ部１０１は、保護層１００の外側表面から突設される構造を有することができる。または、図３Ｂに示されるように、断熱層５０にも、保護層１００のシワ部１０１と対応する位置に、シワ部１０１と対応する形状を有する突出部５１が設けられ、断熱層の突出部５１によって保護層１００のシワ部１０１が支持されるような構造を含むこともできる。

図４に示されるように、本発明の一実施例において、保護層１００は、具体的に、第１の保護層１１０、第２の保護層１３０を含むことができる。また、保護層１００は、第１の保護層１１０の形成を容易にさせるベース層１８０を含むことができる。但し、本発明において、第１の保護層１１０、第２の保護層１３０、及びベース層１８０は、いずれも同一の素材（ＦＲＰ）で形成されるため、物理的に分離されていない状態であり、概念的に区分されるものとして説明することができる。

第１の保護層１１０には、前記シワ部１０１が設けられる。第１の保護層１１０には、一定の長さで延在するシワ部１０１が設けられる。一実施例において、第１の保護層１１０は、シワ部１０１を含み、略プレート形状で形成される。一実施例において、保護層１００がＦＲＰ素材で形成される場合は、図７Ａ及び７Ｂに示されるように、一定の曲率を有するシワ部１０１を含むように、略プレート形状に予め成形して準備することができる。これは、後述の通り、第２の保護層１３０又はベース層１８０のようにＦＲＰ素材を手作業で断熱層５０に塗布して製造する場合は、シワ部１０１が一定の曲率を有するように形成することが難しく、これによって、変形量の制御を行うことが難しくなるためである。しかし、これに制限されず、第２の保護層１３０及びベース層１８０のように手作業で塗布して準備することができることは自明である。図７に示されるように、第１の保護層１１０を予め成形して準備する場合、第１の保護層１１０は、シワ部１０１と、シワ部１０１を断熱層５０の表面に結合させるためのフランジ部１０２とを含むように形成することができる。

第２の保護層１３０は、断熱層５０の外側表面において、第１の保護層１１０、特にシワ部１０１が配置されない領域に配設することができる。即ち、第２の保護層１３０は、第１の保護層１１０の少なくとも一部の領域、及び前記断熱層５０の前記第１の保護層１１０が配置されない残りの領域をカバーするように形成される。一実施例において、第２の保護層１３０は、ＦＲＰ素材を断熱層５０の外側表面に手作業で一定の厚さを有するように塗布して形成することができる。一実施例において、第２の保護層１３０は、第１の保護層１１０がプレート状に予め形成して準備される場合、第１の保護層１１０のフランジ部１２０の少なくとも一部の領域、及び第１の保護層１１０が配置されない断熱層５０の残りの領域上に塗布して形成することができる。

前記第１の保護層１１０が一定の曲率を有するシワ部１０１を含むプレート形状に予め成形して準備される場合、第１の保護層１１０と断熱層５０の外側表面との間には、ベース層１８０が設けられる。一実施例において、ベース層１８０は、前記第２の保護層１３０と同様に、ＦＲＰ素材を断熱層５０の外側表面に手作業で一定の厚さで塗布して形成することができる。この場合、ベース層１８０は、第１の保護層１１０のフランジ部１０２と対応する領域にのみ形成されるが、これに制限されない。本発明において、ベース層１８０は、予め成形して準備される第１の保護層１１０を断熱層５０に結合させるために設けられる。即ち、ベース層１８０が断熱層５０の外側表面に塗布された後、硬化されると、第１の保護層１１０のフランジ部１０２とベース層１８０とが結合部材（図示せず）を介して結合される。

上述のような保護層は、タンクボディ１０を包むように設けられる断熱層５０の外部表面に積層配置され、断熱層５０を保護することができる。なお、図４に示されるように、保護層１００に設けられるシワ部１０１は、断熱層５０の表面において、タンクボディ１０の中央部１１に対応する領域、及びヘッド部１２に対応する領域のいずれにも形成される。

本発明の種々の実施例では、シワ部１０１ａのシワ経路が、中央部１１の軸方向に並ぶ方向（例えば、図１中のＸ軸方向）に延設されている。また、シワ部１０１ｂのシワ経路が、中央部１１の周り方向（例えば、図１中のＹ軸又はＺ軸方向）に延設されている。

また、本発明の一実施例では、シワ部１０１ｃのシワ経路が、図５Ａに示されるように、ドーム状ヘッド部１２の中心を通るように形成されている。なお、互いに異なるシワ部１０１ｃが互いに直交するようにヘッド部１２の中心を通るように配置することができる。また、図５Ｂに示されるように、一実施例において、シワ部１０１ｄは、ヘッド部１２の中心を基準にして同心円を描くように配置することもできる。

本発明によれば、タンク内の極低温の液化ガスによってタンクボディ１０及び断熱層５０の熱変形が生じる場合でも、断熱層５０の表面に形成されるシワ部１０１を含む保護層が設けられているため、シワ部１０１のシワ経路に応力を収束させて熱変位を吸収することで、保護層の他の領域への応力伝播を防止し、保護層１００の変形又は破損を防止することができる。

次に、本発明の種々の実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの保護構造を形成する方法について、図４及び図９を参照して詳述する。

先ず、タンクボディ１０を包むように断熱層５０が設けられ、本発明で提案するＦＲＰ素材製の保護層１００が、断熱層５０の表面に配設される。保護層１００のシワ部１０１は、タンクボディ１０の中央部１１の軸方向１０１ａに設けられ、中央部１１の周り方向１０１ｂに沿って設けられ、ヘッド部１２の中心を通る方向１０１ｃに設けられている。

一実施例において、保護層１００がＦＲＰ素材で形成され、断熱層５０の表面に一定の厚さを有するように塗布される。この場合、断熱層５０の表面に、前記支持部材２００が、タンクボディ１０の中央部１１の軸方向１０１ａ又は周り方向１０１ｂに沿って配置された状態で保護層１００が塗布されることで、シワ部１０１が形成される。

また他の実施例では、ＦＲＰ素材製の保護層１００において、第１の保護層１１０が、一定の曲率を有するシワ部１０１が形成されるように予め成形して硬化された状態で準備される。以下、第１の保護層１１０が予め加工して準備される実施例について説明する。

第１の保護層１１０は、シワ部１０１が設けられたプレート形状であることができる。このとき、第１の保護層１１０は、図６Ａに示されるように、一方向に延びるシワ部１０１を備える第１の形態と、図６Ｂに示されるように、二方向に延びるシワ部１０１が互いに交差する第２の形態とを有することができる。このような第２の形態における第１の保護層１１０のプレートは、図４のＡ部のように、互いに異なる方向に配置される第１の形態における第１の保護層１１０のプレート同士の間に配置され、これらを連結する役割を果たすことができる。

第１の保護層１１０が予め加工して準備される場合、断熱層５０の外側表面には、第１の保護層１１０の配設位置に、ＦＲＰが予め塗布後、硬化され、ベース層１８０が形成されるようになる（７１０）。このとき、ベース層１８０は、第１の保護層１１０のフランジ部１０２と対応する位置に帯状に形成され、前記支持部材２００は、ベース層１８０上にシーラント（ｓｅａｌａｎｔ）などを用いて仮固定される（７２０）。

次に、予め加工された第１の保護層１１０が、ベース層１８０上に、ベース層１８０と支持部材２００とをカバーするように配置され、第１の保護層１１０のフランジ部１０２が、ベース層１８０に結合部材を用いて結合される（７３０）。結合部材としては、ボルト、リベットなどが挙げられるが、公知のいかなる結合部材も使用することができることは自明である。なお、第１の保護層１１０のシワ部１０１が、図４に示されるように、タンクボディ１０の中央部１１及びヘッド部１２に、種々の方向に配設して形成されることは上述の通りである。

第１の保護層１１０が断熱層５０の表面に結合された状態で、第２の保護層１３０が第１の保護層１１０のフランジ部１０２の少なくとも一部の領域、及び第１の保護層１１０が配置されない断熱層５０の表面の残りの領域に、手作業で塗布されることで形成される。

なお、第１の保護層１１０、第２の保護層１３０、及びベース層は、いずれも同一の素材で形成することができ、好ましくは、ＦＲＰ素材で形成されるため、第１の保護層１１０、第２の保護層１３０、及びベース層のそれぞれは、保護層の形成完了後、物理的に分別し難くなることがあり得る。

上述のように、本発明で提案する液化ガス貯蔵タンクの保護構造によれば、液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクが、常温から超低温、又は超低温から常温への温度変化による変位が生じる場合、シワ部１０１によってその変位を吸収することで、保護層１００の損傷及び変形を防止することができる。

また、保護層１００のシワ部１０１は、同一の素材で形成され、かつ密閉構造を有することで、大波、海風のような外部環境による損傷を防止することができる。

以上、本発明の実施例を構成する全ての構成要素が一緒になって結合、又は結合して動作するものとして説明してきたが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、これらの構成要素が１つ以上に選択的に結合して動作することもできる。また、上記で「含む」、「構成する」又は「有する」などの用語は、特に別記しない限り、当該構成要素が内在されることを意味し、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるものと解釈されるべきである。また、他に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術用語及び科学用語は、当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されることはない。

上記の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲内で種々に修正及び変形して実施することができる。従って、本発明に開示の実施例は、本発明の技術思想を限定するものではなく本発明を説明するためのものであり、これらの実施例によって本発明の技術思想が限定されることはない。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、また、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。

１０：タンクボディ、１１：中央部、１２：ヘッド部、５０：断熱層、１００：保護層、１０１：シワ部、１０２：フランジ部、１１０：第１の保護層、１３０：第２の保護層、１８０：ベース層、２００：支持部材。

Claims (12)

1. 液化ガス貯蔵タンクの保護構造であって、
   タンクボディを包むように設けられる断熱層の外側表面に配置される保護層を含み、
   前記保護層は、少なくとも１つ以上のシワ部を含む、液化ガス貯蔵タンクの保護構造。
2. 前記シワ部は、前記断熱層の外側表面から凸状に突出した状態で少なくとも１つ以上の方向に延設されるシワ部を含む、請求項１に記載の液化ガス貯蔵タンクの保護構造。
3. 前記保護層は、
   前記シワ部が設けられ、前記断熱層の外側表面に配置される第１の保護層；及び
   前記第１の保護層の少なくとも一部の領域、及び前記断熱層の前記第１の保護層が配置されない残りの領域をカバーするように設けられる第２の保護層；
   を含む、請求項１に記載の液化ガス貯蔵タンクの保護構造。
4. 前記断熱層の外側表面と前記第１の保護層との間に配置されるベース層を含む、請求項３に記載の液化ガス貯蔵タンクの保護構造。
5. 前記第１の保護層と前記ベース層とを結合させる結合部材を含む、請求項４に記載の液化ガス貯蔵タンクの保護構造。
6. 前記シワ部と前記断熱層の表面との間には、離間空間が形成され、
   前記離間空間に配置される支持部材を含む、請求項１に記載の液化ガス貯蔵タンクの保護構造。
7. 前記シワ部と前記断熱層の表面との間には、離間空間が形成され、
   前記離間空間は、前記断熱層の表面から突設される突出部により満たされる、請求項１に記載の液化ガス貯蔵タンクの保護構造。
8. 前記第１の保護層、前記第２の保護層、及び前記ベース層は、同一材質の保護材で形成される、請求項４に記載の液化ガス貯蔵タンクの保護構造。
9. 前記保護材は、繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）を含む、請求項８に記載の液化ガス貯蔵タンクの保護構造。
10. 前記タンクボディは、略円筒状の中央部、及び、略ドーム形状でかつ前記中央部の両端部に結合されるヘッド部を含み、
    前記シワ部は、
    前記中央部において、前記断熱層の外側表面に沿って前記中央部の軸方向又は前記中央部の周り方向のうちのいずれか１つの方向に延設される、請求項１に記載の液化ガス貯蔵タンクの保護構造。
11. 前記シワ部は、
    前記ヘッド部において、前記断熱層の外側表面に沿って前記ドーム形状の中心を通るように延設される、請求項１０に記載の液化ガス貯蔵タンクの保護構造。
12. 液化ガス貯蔵タンクの保護構造の形成方法であって、
    タンクボディを包むように設けられる断熱層の外側表面に沿って延びるベース層を形成するステップ；
    前記ベース層上に支持部材を配置するステップ；
    前記ベース層及び前記支持部材をカバーするように第１の保護層を形成するステップ；及び
    前記第１の保護層の少なくとも一部の領域、及び前記断熱層の前記第１の保護層が配置されない残りの領域をカバーするように第２の保護層を形成するステップ；
    を含み、
    前記第１の保護層は、前記ベース層の外側表面から凸状に突出した状態で前記ベース層の外側表面に沿って延設されるシワ部を含む、液化ガス貯蔵タンクの保護構造の形成方法。
    

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