JP2022012616A - 画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】読み取った画像データにおいて主走査方向の傾き量と副走査方向の傾き量とが異なる場合でも正しくスキュー補正することができる画像読取装置を提供する。【解決手段】シートスルー方式で画像読取を実行する画像読取装置は、搬送される原稿を読み取って画像データを生成する読取部と、画像データを基に画像データの主走査方向の傾き量Θ1を検出する傾き検出部と、Θ1に基づくせん断変形を画像データに施して画像データの主走査方向の傾きを補正する補正部とを備える。【選択図】図6
Description
本開示は、画像読取装置に関し、特に、電子スキュー補正を実行する技術に関する。
近年、オフィス等を中心として複合機(MFP: Multi-Function Peripheral)が広く普及している。複合機には、原稿の複写やファクシミリ送信などを行うために、画像読取装置が搭載されている。
画像読取装置の読取方式には、プラテンセット方式とシートスルー方式の2つがある。プラテンセット方式では、ユーザーがプラテンガラス上の所定の位置に位置決めして載置した原稿を読み取るのに対して、シートスルー方式では、自動原稿搬送装置(ADF: Automatic Document Feeder)を用いて、原稿トレイに載置された原稿束から原稿を1枚ずつ搬送しながら読み取る。このため、原稿の枚数が多い場合であっても、ユーザーの手を煩わせることなく原稿を読み取ることができるので、ユーザーの利便性に優れている。
しかしながら、シートスルー方式で原稿を読み取る際には、原稿トレイに載置される原稿が不揃いであったり、シワや凹凸があったり、カールしていたりする場合や、自動原稿搬送装置で搬送している途中に原稿が斜行したりする場合がある。これらの理由から、原稿の搬送方向に対して原稿の向きが傾くスキューが発生すると、原稿を読み取って生成した画像もまた傾いてしまい、読取品質が低下する。
このような問題に対して、生成した画像データにおける原稿領域の傾き量を検出し、検出した傾き量に応じて、原稿領域を回転させることにより補正する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、画像のリードスキュー量(主走査方向の傾き量)、又は、サイドスキュー量(副走査方向の傾き量)のいずれかを検出し、検出したスキュー量に応じて画像を回転させることにより、画像のスキューを補正している。
しかしながら、画像の回転では、主走査方向の傾き量と副走査方向の傾き量とが同じ場合には正しく補正することができるが、主走査方向の傾き量と副走査方向の傾き量とが異なる場合には正しく補正することができない。
ここで、例えば、複合機の製造時に、原稿を読み取るイメージセンサーが搬送方向に対して傾いて設置されることがあり、この場合、搬送される原稿が搬送方向に対して傾いていなくとも原稿を読み取って生成された画像データの原稿領域は傾いてしまう。このとき、主走査方向のみに傾きが発生し、主走査方向と副走査方向とで傾き量が異なるため、画像の回転では、スキューを正しく補正することができない。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたもので、読み取った画像データにおいて主走査方向の傾き量と副走査方向の傾き量とが異なる場合でも正しくスキュー補正することができる画像読取装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様の画像読取装置は、シートスルー方式で画像読取を実行する画像読取装置であって、搬送される原稿を読み取って画像データを生成する読取部と、前記画像データを基に前記画像データの主走査方向の傾き量Θ1を検出する傾き検出部と、Θ1に基づくせん断変形を前記画像データに施して前記画像データの主走査方向の傾きを補正する補正部と、を備えることを特徴とする。
また、原稿サイズL1の指定を受け付ける入力部と、搬送される原稿の副走査方向の長さL2を検出する原稿長検出部と、を更に備え、前記傾き検出部は、さらに、L1及びL2から前記画像データの副走査方向の傾き量Θ2を検出し、前記補正部は、さらに、Θ2に基づくせん断変形を前記画像データに施して前記画像データの副走査方向の傾きを補正するとしてもよい。
また、前記入力部は、音声又はタッチパネルを用いて、ADFに搭載した原稿のサイズ指定を、定型用紙サイズ、又は、ユーザーが登録した既知の用紙サイズの中から受け付けるとしてもよい。
また、前記原稿長検出部は、搬送される原稿の先端及び後端を検出するセンサーを備え、原稿の先端を検出してから後端を検出するまでの通過時間と原稿の搬送速度からL2を算出するとしてもよい。
また、前記センサーは、原稿を撮像するイメージセンサー又は原稿が特定位置を通過したことを検出する通紙センサーであるとしてもよい。
また、前記傾き検出部は、L1とL2の比率から、テーブル参照又は三角関数演算により、Θ2を算出するとしてもよい。
また、記憶部を更に備え、前記傾き検出部は、Θ1とΘ2を用いて前記読取部の傾き量Θ3を算出し、前記記憶部に記憶するとしてもよい。
また、前記傾き検出部は、L1を取得できない場合、Θ1とΘ3からΘ2を算出するとしてもよい。
本開示の画像読取装置によれば、読み取った画像データにおいて主走査方向の傾き量と副走査方向の傾き量とが異なる場合でも正しく補正することができる。
以下、本開示に係る自動原稿搬送装置、画像読取装置および画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1]画像形成装置の構成
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
[1]画像形成装置の構成
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、いわゆる複合機であって、画像読取部100、画像形成部110、給紙部120および操作パネル130を備えている。
画像読取部100は、自動原稿搬送部200とスキャナー部210とを備えている。自動原稿搬送部200は、シートスルー方式で原稿を読み取る際に、原稿束から1枚ずつ原稿をスキャナー部210へ搬送する。スキャナー部210は、自動原稿搬送部200が搬送中の原稿を読み取ったり、プラテンセット方式で原稿を読み取る際には、不図示のプラテンガラス上に載置された原稿を読み取ったりして画像データを生成する。
画像形成部110は、画像読取部100が生成した画像データや不図示の通信ネットワークを経由して受信した画像データ等を用いて画像を形成する。給紙部120は、画像形成部110が画像を形成するために使用する記録シートを供給する。画像を形成した記録シートは装置外へ排出される。
操作パネル130は、例えば、タッチパネルやハードキーを備えており、タッチパネルを構成する液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)を用いて画像形成装置1のユーザーに情報を提示したり、タッチパネルやハードキーを用いたユーザーの指示入力を受け付けたりする。これによって、画像形成装置1は画像読取ジョブや画像形成ジョブを受け付ける。画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)やインターネットといった不図示の通信ネットワークを経由してジョブを受け付けてもよい。
[2]画像読取部100の構成
画像読取部100の構成について更に説明する。
[2]画像読取部100の構成
画像読取部100の構成について更に説明する。
図2に示すように、画像読取部100は、スキャナー部210と自動原稿搬送部200とからなっている。スキャナー部210の上部にはプラテンガラス211が配設されており、スキャナー部210は、プラテンセット方式の場合はプラテンガラス211上に載置された原稿Dを読み取り、シートスルー方式の場合にはスリットガラス215に沿って自動原稿搬送部200が搬送する原稿Dから画像を読み取る。
スキャナー部210は、プラテンセット方式の場合は、不図示の駆動モーターによってプーリー212を回転駆動し、プーリー212に掛け回されているワイヤー213を矢印A方向に引っ張ることによって、第1スライダー220および第2スライダー230が矢印A方向に滑動させる。シートスルー方式の場合は、自動原稿搬送部200が備える背景板206の直下で原稿Dを読み取ることができるように、図2に示すような、ホームポジションに静止する。
第1スライダー220は光源221とミラー222とを備えており、プラテンセット方式の場合は、矢印A方向に移動しつつ光源221を発光させてプラテンガラス211上の原稿Dを照明する。シートスルー方式の場合は、第1スライダー220はホームポジションに静止しつつ光源221を発光させてスリットガラス215と背景板206の間を通過する原稿Dを照明する。そして、プラテンセット方式及びシートスルー方式のいずれの場合も、原稿Dからの反射光Lをミラー222にて第2スライダー230へ導く。第2スライダー230は、ミラー231およびミラー232を用いて反射光Lを折り返し、レンズ240へ導く。
反射光Lはレンズ240にて集光され、ラインセンサー241に入射し、画素ごとに光量が検出される。ラインセンサー241の検出信号は、制御部250に入力され、デジタル画像データが生成される。ラインセンサー241としては、CCD(Charge Coupled Device)センサーを用いてもよいし、CIS(Contact Image Sensor)センサーを用いてもよいし、他のセンサーであってもよい。第1スライダー220、第2スライダー230およびレンズ240は反射光Lをラインセンサー241に導く導光光学系を構成する。また、第1スライダー220、第2スライダー230、レンズ240およびラインセンサー241は縮小光学系を構成し、原稿Dの表面の読み取りに使用される。
自動原稿搬送部200は、シートスルー方式の場合に、原稿トレイ201に載置された原稿束から原稿Dを1枚ずつ送り出し、すくい上げガイド214等のガイド部材を用いて搬送経路202に沿って搬送した後、排紙トレイ207へ排出する。自動原稿搬送部200は、ホームポジションに静止した第1スライダーの光源221によって照明される位置に白色の背景板206が配設されている。
図3(a)に示すように、原稿Dは、搬送ガイド301および段差シート302によって、スリットガラス215の主面に沿って読取目線位置(以下、単に「読取位置」という。)303まで案内される。段差シート302は、原稿Dをスリットガラス215から離隔させることによって、紙粉やトナーがスリットガラス215に付着して汚損するのを防止し、読取画像の品質低下を防止する。
光源221が照明光を出射する方向と、原稿から受光する反射光Lの入射方向とは異なっているため、原稿Dの先端が搬送位置304に到達すると、光源221からの照明光を遮って、背景板206上の読取位置303が原稿Dの影に入って暗くなる。これによって、ラインセンサー241が原稿Dの影を検出する。
その後、原稿Dの先端が搬送位置305に到達するまでの間は、背景板206上の読取位置303が原稿Dの影に入っているので、ラインセンサー241が原稿Dの影を検出し続ける。原稿Dの先端が搬送位置305に到達すると、光源221からの照明光を原稿Dの読取面が反射するので、ラインセンサー241に入射する反射光Lの光量が増加する。
スキャナー部210は、自動原稿搬送部200の搬送動作に同期して、原稿Dの先端が読取位置303に達するよりも早く読み取りを開始する。また、原稿Dの後端が読取位置303を通過してから所定の時間を経過してから読み取りを終了する。このようにすれば、原稿Dが原稿搬送方向に対して傾斜していても、確実に原稿Dに先行する原稿Dの影と、原稿Dの全体とを読み取ることができる。
背景板206から反射光Lの光量は、図3(b)に示すように、原稿Dの影に入っていない状態から、原稿Dの影に入っている状態に移行する時刻T1に大きく減少する。このため、反射光Lの光量減少を監視することによって原稿Dの影を検出することができる。また、原稿Dの影に入っている状態の背景板206からの反射光Lの光量よりも、原稿Dからの反射光Lの光量の方が多いことから、反射光Lの光量増加を監視することによって、時刻T2に原稿Dの先端(原稿Dと影との境界位置)を検出することができる。
原稿Dの先端は、上述のようにして、主走査方向における画素ごとに検出される。
[3]変数の説明
図8を参照して、本開示のスキュー補正に用いる変数を説明する。
[3]変数の説明
図8を参照して、本開示のスキュー補正に用いる変数を説明する。
ADFで搬送される原稿801の原稿サイズ(副走査方向の長さ)をL1とする。L1は、原稿読取を実行する前に、ユーザーが操作パネル130を操作することにより画像形成装置1に入力する。例えば、ユーザーが原稿サイズとしてA4サイズを指定すると、自動的にL1にA4サイズの原稿の副走査方向の長さである297mmが入力されるとしてもよい。原稿サイズは、A3、A4、B5などの定型用紙サイズやユーザーが登録した既知の用紙サイズから受け付けてもよい。又、ユーザーがL1として297を数値入力するとしてもよい。このL1の指定は、タッチパネルによるタッチ入力又はユーザーの音声入力を用いることができる。
原稿読取位置まで搬送された原稿801を読み取るラインセンサー241の主走査方向に対する傾き量をΘsとする。
ラインセンサー241で原稿を読み取ることにより生成された画像データの原稿領域802の副走査方向の実測長をL2とする。L2は、原稿Dの先端が読取位置303を通過してから原稿Dの後端が読取位置303を通過するまでの時間と、原稿Dの搬送速度に基づいて算出することができる。
原稿領域802の主走査方向の傾き量をΘskewとする。
原稿領域802の副走査方向の傾き量をΘpとする。
なお、ラインセンサー241の傾き量Θsは、原稿領域802の主走査方向の傾き量Θskewと原稿領域802の副走査方向の傾き量Θpとから算出できる。
原稿領域802の副走査方向の傾き量をΘpとする。
[4]制御部250の構成
図6は、制御部250の機能構成を示すブロック図である。制御部250は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access memory)、不揮発性の記憶部などから構成される。RAMには、ROMに格納されたコンピュータプログラムがロードされ、CPUが、RAM上のコンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各機能部を実現する。
[4]制御部250の構成
図6は、制御部250の機能構成を示すブロック図である。制御部250は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access memory)、不揮発性の記憶部などから構成される。RAMには、ROMに格納されたコンピュータプログラムがロードされ、CPUが、RAM上のコンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各機能部を実現する。
制御部250は、原稿長検出部251と、傾き検出部252と、スキュー補正部253とを備え、主走査方向の傾き量Θskew算出テーブル254と、副走査方向の傾き量Θp算出テーブル255と、ラインセンサー241の傾き量Θs算出テーブル256と、を予め保存しており、ラインセンサー241の傾き量Θsを記憶するための領域(記憶部257)及びスキュー補正後の画像データを記憶する領域(記憶部258)を備える。
原稿長検出部251は、ラインセンサー241から入力される画像データから、原稿の先端及び後端を検出し、検出した原稿の先端及び後端及び原稿搬送速度から原稿長の実測値L2を検出する。
傾き検出部252は、ラインセンサー241から入力される画像データから、画像データにおける原稿領域の主走査方向の傾き量Θskewを検出する。
また、傾き検出部252は、画像読取の実行時にユーザーが操作パネル130を操作することにより入力される原稿サイズL1と、原稿長検出部251が検出した原稿長の実測値L2とを用いて、画像データの原稿領域の副走査方向の傾き量Θpを検出する。傾き検出部252は、操作パネル130から原稿サイズL1が取得できない場合、ラインセンサー241の傾きΘs及び原稿領域の主走査方向の傾き量Θskewから原稿領域の副走査方向の傾き量Θpを算出する。
また、傾き検出部252は、原稿領域の主走査方向の傾き量Θskewと、原稿領域の副走査方向の傾き量Θpと、を用いて、ラインセンサー241の傾きΘsを算出し、記憶部257に記憶する。
スキュー補正部253は、原稿領域の主走査方向の傾き量Θskewを用いて、ラインセンサー241で読み取られた画像データの原稿領域の主走査方向の傾きを補正するとともに、原稿領域の副走査方向の傾き量Θpを用いて該原稿領域の副走査方向の傾きを補正する。スキュー補正部253は、2次元画像データにおけるせん断変形に相当する処理を行うことにより、主走査方向の傾き及び副走査方向の傾きを補正する。
[5]主走査方向の傾き量Θskewの検出
図4(a)は、原稿領域の主走査方向の傾き量Θskewを検出する方法を説明する図である。
[5]主走査方向の傾き量Θskewの検出
図4(a)は、原稿領域の主走査方向の傾き量Θskewを検出する方法を説明する図である。
原稿が搬送方向に対して傾斜している場合には、図4(a)に例示するように、ラインセンサー241で読み取られることにより生成された画像データ401における原稿領域402の先端位置が互いに異なってくる。原稿領域402の先端の主走査方向における所定の画素位置403、404を検出位置とし、検出位置403、404の主走査方向における間隔をWとし、検出位置403、404の副走査方向における間隔をHとして、次式(1)を用いて原稿領域402の主走査方向の傾き量Θskewを算出することができる。
Θskew = atan(H/W) …(1)
図7(a)は、比率H/Wと主走査方向の傾き量Θskewとの関係を示すグラフであり、この関係から主走査方向の傾き量Θskewを算出する。本開示では、比率H/Wと主走査方向の傾き量Θskewとの関係をテーブルで保存しており、当該テーブルを参照することにより比率H/Wから主走査方向の傾き量Θskewを算出する。
[6]副走査方向の傾き量Θpの検出
図4(b)は、原稿領域の副走査方向の傾き量Θpを検出する方法を説明する図である。
図7(a)は、比率H/Wと主走査方向の傾き量Θskewとの関係を示すグラフであり、この関係から主走査方向の傾き量Θskewを算出する。本開示では、比率H/Wと主走査方向の傾き量Θskewとの関係をテーブルで保存しており、当該テーブルを参照することにより比率H/Wから主走査方向の傾き量Θskewを算出する。
[6]副走査方向の傾き量Θpの検出
図4(b)は、原稿領域の副走査方向の傾き量Θpを検出する方法を説明する図である。
まず、原稿長検出部251は、ラインセンサー241で読み取られることにより生成された画像データ401における原稿領域402の先端及び後端で主走査方向の座標が同じ所定の画素位置405、406を検出とし、検出位置405、406の副走査方向における間隔を、原稿の実測長L2として検出する。
また、傾き検出部252は、操作パネル130から、ユーザーが入力した原稿サイズL1を取得する。
そして、傾き検出部252は、次式(2)を用いて原稿領域402の副走査方向の傾き量Θpを算出することができる。
Θp = acos(L1/L2) …(2)
図7(b)は、比率L1/L2と副走査方向の傾き量Θpの関係を示すグラフであり、この関係から副走査方向の傾き量Θpを算出する。本開示では、比率L1/L2と副走査方向の傾き量Θpとの関係をテーブルで保存しており、当該テーブルを参照することにより比率L1/L2から副走査方向の傾き量Θpを算出する。
図7(b)は、比率L1/L2と副走査方向の傾き量Θpの関係を示すグラフであり、この関係から副走査方向の傾き量Θpを算出する。本開示では、比率L1/L2と副走査方向の傾き量Θpとの関係をテーブルで保存しており、当該テーブルを参照することにより比率L1/L2から副走査方向の傾き量Θpを算出する。
ここで、ラインセンサー241と光源221とは、通常、搬送方向に並んでいるため、原稿の影は、副走査方向(搬送方向)にできやすく、主走査方向にできにくい。そのため、原稿領域の副走査方向の辺上の点を精度よく検出することは、原稿領域の主走査方向の辺(先端、後端)上の点を精度よく検出するよりも困難である。従って、主走査方向の傾きΘskewと同様に、原稿領域の副走査方向の辺上の2点を検出して、副走査方向の傾きΘpを求めると、検出精度が十分でない可能性がある。本開示では、精度よく検出できる検出位置405、406及びユーザーが入力する原稿サイズL1を用いて副走査方向の傾きΘpを求めるので、原稿領域の副走査方向の傾きΘpを精度よく検出することができる。
[7]ラインセンサー241の傾き量Θsの検出
なお、原稿領域の主走査方向の傾きΘskewは、読取時の原稿の傾きとラインセンサー241の傾きΘsの合成量である。読取時の原稿の傾きが原稿領域の副走査方向の傾き量Θpに一致すると仮定すると、ΘskewはΘs及びΘpから算出でき、ΘsはΘskew及びΘpから算出でき、ΘpはΘskew及びΘsから算出できる。
[7]ラインセンサー241の傾き量Θsの検出
なお、原稿領域の主走査方向の傾きΘskewは、読取時の原稿の傾きとラインセンサー241の傾きΘsの合成量である。読取時の原稿の傾きが原稿領域の副走査方向の傾き量Θpに一致すると仮定すると、ΘskewはΘs及びΘpから算出でき、ΘsはΘskew及びΘpから算出でき、ΘpはΘskew及びΘsから算出できる。
傾き検出部252は、原稿領域の主走査方向の傾きΘskew及び原稿領域の副走査方向の傾き量Θpからラインセンサー241の傾きΘsを算出し、記憶部257に記憶する。
本開示では、図7(c)に示すように、原稿領域の主走査方向の傾きΘskew及び原稿領域の副走査方向の傾き量Θpとラインセンサー241の傾きΘsの関係を示すテーブルを保存しており、当該テーブルを参照することによりΘskew及びΘpからΘsを算出する。
なお、原稿が定型サイズでない場合など、操作パネル130から原稿サイズL1が入手できない場合があり、その場合、傾き検出部252は、比率L1/L2から原稿領域の副走査方向の傾き量Θpを算出することができない。その場合でも、原稿領域の主走査方向の傾き量Θskewと原稿領域の副走査方向の傾き量Θpと、ラインセンサー241の傾き量Θsとの関係を用いることで、原稿サイズL1を取得できた際に算出して保存しているラインセンサー241の傾き量Θs及び原稿領域の主走査方向の傾き量Θskewを用いて原稿領域の副走査方向の傾き量Θpを算出することができる。
[8]スキュー補正の方法
スキュー補正部253は、原稿領域の主走査方向の傾き量Θskew及び原稿領域の副走査方向の傾き量Θpを用いて、主走査方向及び副走査方向に対してせん断変形を行うことにより、スキュー補正を行う。
[8]スキュー補正の方法
スキュー補正部253は、原稿領域の主走査方向の傾き量Θskew及び原稿領域の副走査方向の傾き量Θpを用いて、主走査方向及び副走査方向に対してせん断変形を行うことにより、スキュー補正を行う。
図5(a)(b)を用いて、スキュー補正部253の行う主走査方向のせん断変形を説明する。
図5(a)は、スキュー補正を行う前のラインセンサー241により読み取られた画像データ501の一例を示す図である。ここでは、簡単のため、副走査方向の傾き量Θpは0としている。図に示すように、原稿領域502は、主走査方向にΘskewだけ傾斜している。ここで、原稿領域502の先端において、左端の画素を基準に、副走査方向の差分が1画素となる画素位置504、2画素となる画素位置505、…を検出する。そして検出した画素位置504、505に基づいて原稿領域502を複数の分割領域502a、502b、…に分割する。また、各画素位置504、505、…から主走査方向に延びる線分503a、503b、…を考える。このとき、各線分503a、503bが一直線に並ぶように、各分割領域502a、502b、…を副走査方向に平行移動させることにより、図5(b)に示すように、原稿領域502の主走査方向の傾きを1画素以内に収めることができる。
スキュー補正部253は、上記のようにして、原稿領域502の主走査方向のせん断変形を行う。スキュー補正部253は、副走査方向についても、同様にせん断変形を行う。
なお、主走査方向の傾き量Θskewのせん断変形は、例えば、下記の式(3)を用いたアフィン変換で行ってもよい。
ユーザーは、操作パネル130で原稿サイズL1を指定して、原稿読取の指示を入力する(ステップS1)。このL1の指定は、タッチパネルによるタッチ入力又はユーザーの音声入力を用いることができる。傾き検出部252は、操作パネル130で受け付けた原稿サイズL1を取得する。
原稿長検出部251は、ラインセンサー241の出力を監視し、原稿の先端及び後端が原稿読取位置を通過したことを検出し、検出した時刻と原稿搬送速度から原稿長の実測長L2を検出する(ステップS2)。
制御部250は、ラインセンサー241の出力から読取画像データを生成する(ステップS3)。
傾き検出部252は、読取画像データから、読取画像データにおける原稿領域の主走査方向の傾きΘskewを検出する(ステップS4)。
傾き検出部252は、原稿サイズL1と原稿長の実測長L2とを用いて、読取画像データにおける原稿領域の副走査方向の傾きΘpを検出する(ステップS5)。
スキュー補正部253は、主走査方向の傾きΘskewを用いて主走査方向のスキュー補正を行い(ステップS6)、副走査方向の傾きΘpを用いて副走査方向のスキュー補正を行う(ステップS7)。
スキュー補正部253は、スキュー補正後の読取画像データを記憶部258に保存する(ステップS8)。
このようにして、画像形成装置1は、シートスルー方式で原稿読取を実行する。
[10]変形例
以上、本開示を実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(10-1)上述の実施の形態では、ラインセンサー241の出力を用いて原稿長の実測長L2を検出するとしたが、原稿の搬送経路202上の特定位置に設けられた用紙の先端及び後端を検出する用紙通過センサー(図示せず)の出力から原稿長の実測長L2を検出してもよい。
(10-2)上記実施の形態においては、複合機である画像形成装置1に本開示を適用する場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、自動原稿搬送装置、自動原稿搬送装置を搭載した画像読取装置、当該画像読取装置を搭載した複写装置、更にファクシミリ通信機能を有するファクシミリ装置といった単機能機に本開示を適用しても同様の効果を得ることができる。
[10]変形例
以上、本開示を実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(10-1)上述の実施の形態では、ラインセンサー241の出力を用いて原稿長の実測長L2を検出するとしたが、原稿の搬送経路202上の特定位置に設けられた用紙の先端及び後端を検出する用紙通過センサー(図示せず)の出力から原稿長の実測長L2を検出してもよい。
(10-2)上記実施の形態においては、複合機である画像形成装置1に本開示を適用する場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、自動原稿搬送装置、自動原稿搬送装置を搭載した画像読取装置、当該画像読取装置を搭載した複写装置、更にファクシミリ通信機能を有するファクシミリ装置といった単機能機に本開示を適用しても同様の効果を得ることができる。
本開示は、自動原稿搬送装置を用いた電子スキュー補正を実行する装置として有用である。
1 画像形成装置
100 画像読取部
110 画像形成部
120 給紙部
200 自動原稿搬送部
210 スキャナー部
250 制御部
251 原稿長検出部
252 傾き検出部
253 スキュー補正部
100 画像読取部
110 画像形成部
120 給紙部
200 自動原稿搬送部
210 スキャナー部
250 制御部
251 原稿長検出部
252 傾き検出部
253 スキュー補正部
Claims (8)
- シートスルー方式で画像読取を実行する画像読取装置であって、
搬送される原稿を読み取って画像データを生成する読取部と、
前記画像データを基に前記画像データの主走査方向の傾き量Θ1を検出する傾き検出部と、
Θ1に基づくせん断変形を前記画像データに施して前記画像データの主走査方向の傾きを補正する補正部と、
を備える画像読取装置。 - 原稿サイズL1の指定を受け付ける入力部と、
搬送される原稿の副走査方向の長さL2を検出する原稿長検出部と、を更に備え、
前記傾き検出部は、さらに、L1及びL2から前記画像データの副走査方向の傾き量Θ2を検出し、
前記補正部は、さらに、Θ2に基づくせん断変形を前記画像データに施して前記画像データの副走査方向の傾きを補正する
請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記入力部は、音声又はタッチパネルを用いて、ADFに搭載した原稿のサイズ指定を、定型用紙サイズ、又は、ユーザーが登録した既知の用紙サイズの中から受け付ける
請求項2に記載の画像読取装置。 - 前記原稿長検出部は、搬送される原稿の先端及び後端を検出するセンサーを備え、原稿の先端を検出してから後端を検出するまでの通過時間と原稿の搬送速度からL2を算出する
請求項2に記載の画像読取装置。 - 前記センサーは、原稿を撮像するイメージセンサー又は原稿が特定位置を通過したことを検出する通紙センサーである
請求項4に記載の画像読取装置。 - 前記傾き検出部は、L1とL2の比率から、テーブル参照又は三角関数演算により、Θ2を算出する
請求項2に記載の画像読取装置。 - 記憶部を更に備え、
前記傾き検出部は、Θ1とΘ2を用いて前記読取部の傾き量Θ3を算出し、前記記憶部に記憶する
請求項2に記載の画像読取装置。 - 前記傾き検出部は、L1を取得できない場合、Θ1とΘ3からΘ2を算出する
請求項7に記載の画像読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020114577A JP2022012616A (ja) | 2020-07-02 | 2020-07-02 | 画像読取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020114577A JP2022012616A (ja) | 2020-07-02 | 2020-07-02 | 画像読取装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022012616A true JP2022012616A (ja) | 2022-01-17 |
Family
ID=80148940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020114577A Pending JP2022012616A (ja) | 2020-07-02 | 2020-07-02 | 画像読取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022012616A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022153267A (ja) * | 2021-03-29 | 2022-10-12 | 株式会社大都技研 | 遊技台 |
-
2020
- 2020-07-02 JP JP2020114577A patent/JP2022012616A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022153267A (ja) * | 2021-03-29 | 2022-10-12 | 株式会社大都技研 | 遊技台 |
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