JP2022012197A - データ処理装置、データ処理システム、データ処理方法、およびデータ処理用プログラム - Google Patents

データ処理装置、データ処理システム、データ処理方法、およびデータ処理用プログラム Download PDF

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Abstract

Figure 2022012197000001
【課題】精度良く歯牙の種類を識別することができるデータ処理装置、データ処理システム、データ処理方法、およびデータ処理用プログラムを提供する。
【解決手段】データ処理装置100は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データが入力される入力部1102と、入力部1102から入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114とに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付ける関連付け部1101と、関連付け部1101による関連付けの結果を出力する出力部1103とを備える。
【選択図】図5

Description

本開示は、データ処理装置、データ処理システム、データ処理方法、およびデータ処理用プログラムに関する。
従来から、歯科分野において、補綴物などをコンピュータ上でデジタル設計するために、歯牙の三次元形状を取得する三次元カメラを内蔵した三次元スキャナが公知である。たとえば、特許文献1には、三次元カメラを用いて歯牙を撮像することで、歯牙の形状を記録する技術が開示されている。歯科医師などの術者は、特許文献1に開示された三次元カメラを用いることで、撮像対象となった歯牙の三次元形状を記録することができ、さらに記録された歯牙の三次元形状が示された三次元画像を確認しながら、自身の知見によって当該歯牙の種類を識別することができる。
特開2000-74635号公報
このように、従来から、術者は、三次元カメラによって取得された歯牙を含む三次元画像に基づき、自身の知見によって当該歯牙の種類を識別していたが、知見のレベルは術者ごとに異なるため、術者の知見のレベルに応じて識別結果の精度がばらつくという問題があった。たとえば、中切歯と側切歯、犬歯と第一小臼歯、第一小臼歯と第二小臼歯、第二小臼歯と第一大臼歯、第一台臼歯と第二大臼歯など、形状が類似する歯牙同士では特に識別精度は高くない。
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、精度良く歯牙の種類を識別することができるデータ処理装置、データ処理システム、データ処理方法、およびデータ処理用プログラムを提供することを目的とする。
本開示に従えば、歯牙の種類に関連するデータを処理するデータ処理装置が提供される。データ処理装置は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データが入力される入力部と、入力部から入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワークを含む推定モデルとに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付ける関連付け部と、関連付け部による関連付けの結果を出力する出力部とを備える。
本開示に従えば、歯牙の種類に関連するデータを処理するデータ処理システムが提供される。データ処理システムは、三次元カメラを用いて、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを取得する三次元スキャナと、三次元スキャナによって取得された三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けるデータ処理装置とを備える。データ処理装置は、三次元スキャナによって取得された三次元データが入力される入力部と、入力部から入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワークを含む推定モデルとに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付ける関連付け部と、関連付け部による関連付けの結果を出力する出力部とを含む。
本開示に従えば、コンピュータによる歯牙の種類に関連するデータを処理するデータ処理方法が提供される。データ処理方法は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データが入力されるステップと、入力されるステップによって入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワークを含む推定モデルとに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けるステップと、関連付けるステップによる関連付けの結果を出力するステップとを含む。
本開示に従えば、歯牙の種類に関連するデータを処理するデータ処理用プログラムが提供される。データ処理用プログラムは、コンピュータに、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データが入力されるステップと、入力されるステップによって入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワークを含む推定モデルとに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けるステップと、関連付けるステップによる関連付けの結果を出力するステップとを実行させる。
本開示によれば、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データに基づいて、精度良く歯牙の種類を識別することができる。
本実施の形態に係るデータ処理装置の適用例を示す模式図である。 本実施の形態に係るシステムの全体構成を示す模式図である。 本実施の形態に係るデータ処理装置のハードウェア構成を示す模式図である。 本実施の形態に係るサーバ装置のハードウェア構成を示す模式図である。 本実施の形態に係るデータ処理装置の機能構成を示す模式図である。 本実施の形態に係るデータ処理装置に入力される三次元データの内容を説明するための模式図である。 本実施の形態に係るデータ処理装置の推定対象となる歯牙の一例を示す模式図である。 本実施の形態に係る学習用データの生成を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る学習用データセットの一例を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る学習用データセットに基づく学習済モデルの生成を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る関連付け結果の出力の一例を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る関連付け結果の出力の一例を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る出力データの一例を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る出力データの一例を説明するための模式図である。 本実施の形態に係るデータ処理装置が実行する学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態に係るサーバ装置が実行する学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態に係るデータ処理装置が実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。 変形例に係る関連付け結果の出力の一例を説明するための模式図である。 変形例に係るデータ処理装置が実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。 変形例に係る学習用データセットに基づく学習済モデルの生成を説明するための模式図である。 変形例に係るデータ処理装置が実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。 変形例に係る学習用データセットの一例を説明するための模式図である。 変形例に係るデータ処理装置が実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[適用例]
図1および図2を参照しながら、本実施の形態に係るデータ処理装置100の適用例を説明する。図1は、本実施の形態に係るデータ処理装置100の適用例を示す模式図である。図2は、本実施の形態に係るシステムの全体構成を示す模式図である。
図1に示すように、ユーザ1は、データ処理システム10を用いることで、対象者2の歯牙および歯肉を少なくとも含む口腔内の三次元形状のデータ(以下、「三次元データ」とも称する)を取得することができる。三次元データは、スキャンされた口腔内の歯牙および歯肉を構成する各点の位置情報を含む。なお、「ユーザ」は、歯科医師などの術者、歯科助手、歯科大学の先生または生徒、歯科技工士、メーカの技術者、製造工場の作業者など、データ処理システム10を用いる者であればいずれであってもよい。「対象者」は、歯科医院の患者、歯科大学における被験者など、データ処理システム10のスキャン対象となる者であればいずれであってもよい。
本実施の形態に係るデータ処理システム10は、三次元スキャナ200と、データ処理装置100と、ディスプレイ300とを備える。三次元スキャナ200は、内蔵された三次元カメラによってスキャン対象の三次元データを取得する。具体的には、三次元スキャナ200は、口腔内をスキャンすることで、三次元データとして、スキャン対象の歯牙および歯肉を構成する複数の点のそれぞれの位置情報(たとえば、縦方向に沿ったX軸,横方向に沿ったY軸,高さ方向に沿ったZ軸の座標)を、光学センサなどを用いて取得する。あるいは、三次元スキャナ200は、口腔内の印象採得によって作成された模型に対してスキャンすることで、三次元データとして、スキャン対象部分を構成する複数の点のそれぞれの位置情報(たとえば、縦方向に沿ったX軸,横方向に沿ったY軸,高さ方向に沿ったZ軸の座標)を、光学センサなどを用いて取得する。データ処理装置100は、三次元スキャナ200によって取得された三次元データに基づき、任意の視点からの歯牙などの像を含む二次元画像、またはホログラムなどによる立体的な歯牙などの画像を含む三次元画像を生成し、生成した三次元画像をディスプレイ300に表示する。三次元スキャナ200およびデータ処理装置100の少なくともいずれか一方は、移動可能なポータブル型のものであってもよいし、固定された据え置き型のものであってもよい。たとえば、三次元スキャナ200およびデータ処理装置100が据え置き型のデスクトップスキャナである場合、スキャン対象は石膏模型や義歯などの人工的に生成された歯牙であってもよい。
たとえば、ユーザ1は、対象者2の歯牙の欠損部分を補う補綴物などをコンピュータ上でデジタル設計するために、三次元スキャナ200によって対象者2の口腔内を撮像することで、歯牙および歯肉を少なくとも含む口腔内の三次元データを取得する。三次元データは、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を少なくとも含む。ユーザ1が口腔内を撮像するたびに三次元データが順次取得され、口腔内の三次元画像がディスプレイ300に表示される。ユーザ1は、ディスプレイ300に表示された三次元画像を確認しながら三次元データの不足部分を重点的にスキャンしていく。
従来であれば、ユーザ1は、三次元スキャナ200によって取得された歯牙を含む三次元データが可視化された三次元画像に基づき、自身の知見によってスキャン中またはスキャンが完了した歯牙の種類を識別する。しかし、知見のレベルはユーザ1ごとに異なるため、ユーザ1の知見に頼っていると識別結果の精度がばらつくことがあった。また、矯正歯科などにおいては、矯正用の器具を設計する際に、歯牙とその隣の歯牙とを区別しながら、また、歯牙と歯肉とを区別しながら、歯牙をその種類ごとに分類(セグメント化)することも要求される。
そこで、本実施の形態に係るデータ処理システム10は、データ処理装置100が有するAI(人工知能:Artificial Intelligence)を利用して、三次元スキャナ200によって取得された三次元データに基づき、当該三次元データに対応する複数の点ごとに歯牙の種類を推定し、その推定結果を含む歯牙の種類に関連する関連データを、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに関連付けるように構成されている。なお、データ処理装置100による歯牙の種類を推定する処理を「推定処理」とも称する。
なお、「歯牙の種類」は、上顎右側の中切歯、側切歯、犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、および第3大臼歯、上顎左側の中切歯、側切歯、犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、および第3大臼歯、下顎右側の中切歯、側切歯、犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、および第3大臼歯、下顎左側の中切歯、側切歯、犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、および第3大臼歯といったような各歯牙の種類を意味する。
具体的には、ユーザ1が三次元スキャナ200を用いて対象者2の口腔内をスキャンすると、歯牙および歯肉を少なくとも含む口腔内の三次元データがデータ処理装置100に入力される。データ処理装置100は、入力された歯牙の特徴を含む三次元データとニューラルネットワークを含む推定モデルとに基づき、当該歯牙の種類を推定する推定処理を実行する。
「推定モデル」は、ニューラルネットワークと当該ニューラルネットワークによって用いられるパラメータとを含み、三次元データに関連付けられた歯牙の種類に対応する歯牙情報と、当該三次元データを用いた当該歯牙の種類の推定結果とに基づき学習されることで最適化(調整)される。
具体的には、推定モデルは、歯牙を含む三次元データが入力されると、当該三次元データに基づきニューラルネットワークによって当該三次元データごとに歯牙の特徴を抽出し、抽出した歯牙の特徴に基づき当該三次元データごとに歯牙の種類を推定する。そして、推定モデルは、自身が推定した歯牙の種類と、入力された三次元データに関連付けられた歯牙の種類(歯牙情報)とに基づき、両者が一致すればパラメータを更新しない一方で、両者が一致しなければ両者が一致するようにパラメータを更新することで、パラメータを最適化する。このように、推定モデルは、入力データである三次元データと、正解データである歯牙の種類(歯牙情報)とを含む教師データを利用して、パラメータが最適化されることで学習される。
なお、このような推定モデルを学習する処理を「学習処理」とも称する。また、学習処理によって最適化された推定モデルを、特に「学習済モデル」とも称する。つまり、本実施の形態においては、学習前の推定モデルおよび学習済みの推定モデルをまとめて「推定モデル」と総称する一方で、特に、学習済みの推定モデルを「学習済モデル」とも称する。
「歯牙情報」は、上顎右側の中切歯、側切歯、犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、および第3大臼歯、上顎左側の中切歯、側切歯、犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、および第3大臼歯、下顎右側の中切歯、側切歯、犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、および第3大臼歯、下顎左側の中切歯、側切歯、犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、および第3大臼歯といったような各歯牙の名称を含む。また、「歯牙情報」は、中切歯に割り当てられた1番、側切歯に割り当てられた2番、犬歯に割り当てられた3番、第1小臼歯に割り当てられた4番、第2小臼歯に割り当てられた5番、第1大臼歯に割り当てられた6番、第2大臼歯に割り当てられた7番、第3大臼歯に割り当てられた8番といったような各歯牙に割り当てられた番号(たとえば、歯科分野において一般的に用いられている歯牙の番号)を含む。その他、「歯牙情報」は、各歯牙に割り当てられた色の情報を含んでいてもよいし、各歯牙に割り当てられた記号の情報を含んでいてもよい。
データ処理装置100によって学習済モデルを用いて推定処理が実行されると、その推定結果を含む歯牙の種類に関連する関連データが、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに関連付けられる。このようにして得られた関連付けの結果は、ディスプレイ300に出力される。
「関連データ」は、推定された歯牙の種類を示す色、文字、記号、および歯牙番号など、推定された歯牙の種類を示す任意のデータを含む。たとえば、ディスプレイ300は、歯牙の種類に対応する色、文字、記号、および歯牙番号などを用いて、三次元スキャナ200によって取得された三次元データに対応する複数の点ごとに歯牙の種類を指し示す。
データ処理装置100による推定結果は、推定処理時に用いられた三次元データとともに、スキャン情報として歯科技工所および管理センターに配置されたサーバ装置500に出力される。
たとえば、図2に示すように、データ処理システム10は、複数のローカルA~Cのそれぞれに配置されている。たとえば、ローカルAおよびローカルBは歯科医院であり、当該歯科医院の院内において、ユーザ1である術者や歯科助手は、データ処理システム10を利用して対象者2である患者の歯牙および歯肉を少なくとも含む口腔内の三次元データを取得する。また、ローカルCは歯科大学であり、当該歯科大学において、ユーザ1である先生や生徒は、対象者2である被験者の口腔内の三次元データを取得する。ローカルA~Cのそれぞれで取得されたスキャン情報(三次元データ,推定結果)は、ネットワーク5を介して、ローカルDである歯科技工所および管理センターに配置されたサーバ装置500に出力される。
歯科技工所においては、歯科技工士などが、ローカルA~Cのそれぞれから取得したスキャン情報に基づき、対象者2の歯牙の欠損部分を補う補綴物などを作成する。管理センターにおいては、サーバ装置500が、ローカルA~Cのそれぞれから取得したスキャン情報を蓄積して記憶し、ビッグデータとして保持する。
なお、サーバ装置500は、歯科医院にローカルとは異なる管理センターに配置されるものに限らず、ローカル内に配置されてもよい。たとえば、ローカルA~Cのうちのいずれかのローカル内にサーバ装置500が配置されてもよい。また、1つのローカル内に複数のデータ処理装置100が配置されてもよく、さらに、当該1つのローカル内に当該複数のデータ処理装置100と通信可能なサーバ装置500が配置されてもよい。また、サーバ装置500は、クラウドサービスの形態で実現されてもよい。
歯科技工所においては、ローカルA~Cのように、様々な所からスキャン情報が集約される。このため、歯科技工所で保持されているスキャン情報は、ネットワーク5を介して管理センターに送信されてもよいし、あるいは、CD(Compact Disc)およびUSB(Universal Serial Bus)メモリなどのリムーバブルディスク550を介して管理センターに送られてもよい。
なお、ネットワーク5を介さずに、ローカルA~Cのそれぞれからも、リムーバブルディスク550を介してスキャン情報が管理センターに送られてもよい。また、ローカルA~Cのそれぞれの間においても、ネットワーク5またはリムーバブルディスク550を介してスキャン情報を互いに送り合ってもよい。
各ローカルA~Cのデータ処理装置100は、各自で推定モデルを保持しており、推定処理時に各自が保持する推定モデルを使用して歯牙の種類を推定する。各ローカルA~Cのデータ処理装置100は、各自の学習処理によって各自の推定モデルを学習することで、学習済モデルを生成する。さらに、本実施の形態においては、サーバ装置500も推定モデルを保持している。サーバ装置500は、各ローカルA~Cのデータ処理装置100および歯科技工所から取得したスキャン情報を用いた学習処理によって推定モデルを学習することで、学習済モデルを生成し、各ローカルA~Cのデータ処理装置100に当該学習済モデルを配布する。
なお、本実施の形態においては、各ローカルA~Cのデータ処理装置100およびサーバ装置500のいずれも学習処理を実行する形態であるが、各ローカルA~Cのデータ処理装置100のみが学習処理を実行する形態、あるいはサーバ装置500のみが学習処理を実行する形態であってもよい。なお、サーバ装置500のみが学習処理を実行する形態である場合、各ローカルA~Cのデータ処理装置100が保持する推定モデル(学習済モデル)は、各ローカルA~Cのデータ処理装置100間で共通化される。
また、サーバ装置500がデータ処理装置100における推定処理の機能を有していてもよい。たとえば、各ローカルA~Cは、取得した三次元データをサーバ装置500に送信し、サーバ装置500は、各ローカルA~Cから受信したそれぞれの三次元データに基づき、それぞれにおける歯牙の種類の推定結果を算出してもよい。そして、サーバ装置500は、それぞれの推定結果を各ローカルA~Cに送信し、各ローカルA~Cは、サーバ装置500から受信した推定結果をディスプレイなどに出力してもよい。このように、各ローカルA~Cとサーバ装置500とがクラウドサービスの形態で構成されてもよい。このようにすれば、サーバ装置500が推定モデル(学習済モデル)を保持してさえいれば、各ローカルA~Cは、推定モデル(学習済モデル)を保持することなく推定結果を得ることができる。
このように、本実施の形態に係るデータ処理システム10によれば、データ処理装置100が有するAIを利用して、三次元スキャナ200によって取得された三次元データに基づき歯牙の種類が推定される。そして、その推定結果に基づき、三次元スキャナ200によって取得された三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して、歯牙の種類に関連する関連データが関連付けられ、その関連付けの結果がディスプレイ300などに出力される。このように、AIを利用することで、ユーザ1が抽出できる歯牙の特徴に限らずユーザ1では抽出できない歯牙の特徴をも見出すこともでき、見出された歯牙の特徴に基づき三次元データに対応する複数の点ごとに歯牙の種類が識別されるため、ユーザ1は、自身の知見に頼ることなく、精度良く歯牙の種類を識別することができる。
[データ処理装置のハードウェア構成]
図3を参照しながら、本実施の形態に係るデータ処理装置100のハードウェア構成の一例を説明する。図3は、本実施の形態に係るデータ処理装置100のハードウェア構成を示す模式図である。データ処理装置100は、たとえば、汎用コンピュータで実現されてもよいし、データ処理システム10専用のコンピュータで実現されてもよい。
図3に示すように、データ処理装置100は、主なハードウェア要素として、スキャナインターフェース102と、ディスプレイインターフェース103と、周辺機器インターフェース105と、ネットワークコントローラ106と、メディア読取装置107と、PCディスプレイ108と、メモリ109と、ストレージ110と、演算装置130とを備える。
スキャナインターフェース102は、三次元スキャナ200を接続するためのインターフェースであり、データ処理装置100と三次元スキャナ200との間のデータの入出力を実現する。
ディスプレイインターフェース103は、ディスプレイ300を接続するためのインターフェースであり、データ処理装置100とディスプレイ300との間のデータの入出力を実現する。ディスプレイ300は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機ELD(Electroluminescence)ディスプレイなどで構成される。
周辺機器インターフェース105は、キーボード601およびマウス602などの周辺機器を接続するためのインターフェースであり、データ処理装置100と周辺機器との間のデータの入出力を実現する。
ネットワークコントローラ106は、ネットワーク5を介して、歯科技工所に配置された装置、管理センターに配置されたサーバ装置500、および他のローカルに配置された他のデータ処理装置100のそれぞれとの間でデータを送受信する。ネットワークコントローラ106は、たとえば、イーサネット(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)などの任意の通信方式に対応する。
メディア読取装置107は、記憶媒体であるリムーバブルディスク550に格納されているスキャン情報などの各種データを読み出す。
PCディスプレイ108は、データ処理装置100専用のディスプレイである。PCディスプレイ108は、たとえば、LCDまたは有機ELディスプレイなどで構成される。なお、本実施の形態においては、PCディスプレイ108は、ディスプレイ300と別体であるが、ディスプレイ300と共通化されてもよい。
メモリ109は、演算装置130が任意のプログラムを実行するにあたって、プログラムコードやワークメモリなどを一時的に格納する記憶領域を提供する。メモリ109は、たとえば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリデバイスで構成される。
ストレージ110は、推定処理および学習処理などに必要な各種のデータを格納する記憶領域を提供する。ストレージ110は、たとえば、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリデバイスで構成される。
ストレージ110は、スキャン情報112と、推定モデル114(学習済モデル)と、学習用データセット116と、色分類データ118と、プロファイルデータ119と、データ処理用プログラム120と、学習用プログラム121と、OS(Operating System)127とを格納する。
スキャン情報112は、三次元スキャナ200によって取得された三次元データ122と、当該三次元データ122に基づき実行された推定処理による推定結果124とを含む。推定結果124は、推定処理に用いられた三次元データ122に関連付けられてストレージ110に格納される。学習用データセット116は、推定モデル114の学習処理に用いられる一群の学習用データである。色分類データ118は、学習用データセット116の生成および学習処理に用いられるデータである。プロファイルデータ119は、対象者2に関する属性情報であって、当該対象者2の年齢、性別、人種、身長、体重、および居住地などのプロファイルがまとめられたデータ(たとえば、カルテの情報)である。データ処理用プログラム120は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれに対して関連データを関連付けてその関連付けの結果を出力するといった処理を実行するためのプログラムであり、その一部には推定処理を実行するためのプログラムも含まれる。学習用プログラム121は、推定モデル114の学習処理を実行するためのプログラムであり、その一部には推定処理を実行するためのプログラムも含まれる。
演算装置130は、各種のプログラムを実行することで、推定処理および学習処理などの各種の処理を実行する演算主体であり、コンピュータの一例である。演算装置130は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)132、FPGA(Field-Programmable Gate Array)134、およびGPU(Graphics Processing Unit)136などで構成される。
なお、演算装置130は、CPU132、FPGA134、およびGPU136のうちの少なくともいずれか1つで構成されてもよいし、CPU132とFPGA134、FPGA134とGPU136、CPU132とGPU136、あるいはCPU132、FPGA134、およびGPU136から構成されてもよい。また、演算装置130は、演算回路(processing circuitry)と称されてもよい。
[サーバ装置のハードウェア構成]
図4を参照しながら、本実施の形態に係るサーバ装置500のハードウェア構成の一例を説明する。図4は、本実施の形態に係るサーバ装置500のハードウェア構成を示す模式図である。サーバ装置500は、たとえば、汎用コンピュータで実現されてもよいし、データ処理システム10専用のコンピュータで実現されてもよい。
図4に示すように、サーバ装置500は、主なハードウェア要素として、ディスプレイインターフェース503と、周辺機器インターフェース505と、ネットワークコントローラ506と、メディア読取装置507と、メモリ509と、ストレージ510と、演算装置530とを備える。
ディスプレイインターフェース503は、ディスプレイ350を接続するためのインターフェースであり、サーバ装置500とディスプレイ350との間のデータの入出力を実現する。ディスプレイ350は、たとえば、LCDまたは有機ELDディスプレイなどで構成される。
周辺機器インターフェース505は、キーボード651およびマウス652などの周辺機器を接続するためのインターフェースであり、サーバ装置500と周辺機器との間のデータの入出力を実現する。
ネットワークコントローラ506は、ネットワーク5を介して、ローカルに配置されたデータ処理装置100、および歯科技工所に配置された装置のそれぞれとの間でデータを送受信する。ネットワークコントローラ506は、たとえば、イーサネット(登録商標)、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの任意の通信方式に対応してもよい。
メディア読取装置507は、リムーバブルディスク550に格納されているスキャン情報などの各種データを読み出す。
メモリ509は、演算装置530が任意のプログラムを実行するにあたって、プログラムコードやワークメモリなどを一時的に格納する記憶領域を提供する。メモリ509は、たとえば、DRAMまたはSRAMなどの揮発性メモリデバイスで構成される。
ストレージ510は、学習処理などに必要な各種のデータを格納する記憶領域を提供する。ストレージ510は、たとえば、ハードディスクまたはSSDなどの不揮発性メモリデバイスで構成される。
ストレージ510は、スキャン情報512と、推定モデル514(学習済モデル)と、学習用データセット516と、色分類データ518と、プロファイルデータ519と、学習用プログラム521と、OS527とを格納する。
スキャン情報512は、ネットワーク5を介してローカルに配置されたデータ処理装置100および歯科技工所から取得した三次元データ522と、当該三次元データ522に基づき実行された推定処理による推定結果524とを含む。推定結果524は、推定処理に用いられた三次元データ522に関連付けられてストレージ510に格納される。学習用データセット516は、推定モデル514の学習処理に用いられる一群の学習用データである。色分類データ518は、学習用データセット516の生成および学習処理に用いられるデータである。プロファイルデータ519は、対象者2に関する属性情報であって、対象者2の年齢、性別、人種、身長、体重、および居住地などのプロファイルがまとめられたデータ(たとえば、カルテの情報)である。学習用プログラム521は、推定モデル514の学習処理を実行するためのプログラムであり、その一部には推定処理を実行するためのプログラムも含まれる。
なお、推定モデル514(学習済モデル)は、ローカルのデータ処理装置100に送信されることで、データ処理装置100によって、推定モデル114(学習済モデル)として保持される。
演算装置530は、各種のプログラムを実行することで、学習処理などの各種の処理を実行する演算主体であり、コンピュータの一例である。演算装置530は、たとえば、CPU532、FPGA534、およびGPU536などで構成される。
なお、演算装置530は、CPU532、FPGA534、およびGPU536のうちの少なくともいずれか1つで構成されてもよいし、CPU532とFPGA534、FPGA534とGPU536、CPU532とGPU536、あるいはCPU532、FPGA534、およびGPU536から構成されてもよい。また、演算装置530は、演算回路(processing circuitry)と称されてもよい。
[データ処理装置による処理]
図5を参照しながら、本実施の形態に係るデータ処理装置100による推定処理の一例を説明する。図5は、本実施の形態に係るデータ処理装置100の機能構成を示す模式図である。図6は、本実施の形態に係るデータ処理装置100に入力される三次元データの内容を説明するための模式図である。図7は、本実施の形態に係るデータ処理装置100の推定対象となる歯牙の一例を示す模式図である。なお、図7においては、三次元スキャナ200のスキャン対象となる歯牙が線図によって表されている。
図5に示すように、データ処理装置100は、データ処理に係る機能部として、入力部1102と、プロファイル取得部1119と、推定部1130と、関連付け部1101と、出力部1103とを有する。これらの各機能は、データ処理装置100の演算装置130がOS127およびデータ処理用プログラム120を実行することで実現される。
入力部1102には、三次元スキャナ200によって取得された三次元データが入力される。プロファイル取得部1119は、対象者2のプロファイルデータ119を取得する。推定部1130は、入力部1102に入力された三次元データと、プロファイル取得部1119によって取得された対象者2のプロファイルデータ119とに基づき、推定モデル114(学習済モデル)を用いて歯牙の種類を推定する推定処理を実行する。
推定モデル114は、ニューラルネットワーク1142と、当該ニューラルネットワーク1142によって用いられるパラメータ1144とを含む。パラメータ1144は、ニューラルネットワーク1142による計算に用いられる重み付け係数と、識別の判定に用いられる判定値とを含む。関連付け部1101は、推定部1130による歯牙の種類の推定結果に基づき、入力部1102から入力された三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付ける。出力部1103は、関連付け部1101による関連付けの結果を、ディスプレイ300およびサーバ装置500などの出力装置に出力する。
ここで、図6に示すように、入力部1102に入力される三次元データには、歯牙の各点における三次元の位置情報と、歯牙の各点における色情報とが含まれる。位置情報は、予め定められた位置を基準とした三次元における絶対位置の座標を含む。たとえば、位置情報は、歯牙の各点における中心位置を原点として、X軸(たとえば、歯牙の横方向に沿った軸)、Y軸(たとえば、歯牙の縦方向に沿った軸)、およびZ軸(たとえば、歯牙の高さ方向に沿った軸)の各軸における絶対位置の座標を含む。なお、位置情報は、予め定められた位置を原点とした三次元における絶対位置の座標に限らず、たとえば、隣接する点からの距離および方向(ベクトル)を示す三次元における相対位置の座標を含んでいてもよい。
ここで、図7に示すように、三次元スキャナ200のスキャン対象となる歯牙が上顎の切歯である場合、得られる三次元画像が、上唇側の部位、口蓋側の部位、および切縁側の部位の画像を少なくとも含むように、ユーザ1によって対象者2の口腔内がスキャンされる。また、三次元スキャナ200のスキャン対象となる歯牙が上顎の犬歯および臼歯である場合、得られる三次元画像が、頬側の部位、口蓋側の部位、および咬合する部位の画像を少なくとも含むように、ユーザ1によって対象者2の口腔内がスキャンされる。三次元スキャナ200のスキャン対象となる歯牙が下顎の切歯である場合、得られる三次元画像が、下唇側の部位、舌側の部位、および切縁側の部位の画像を少なくとも含むように、ユーザ1によって対象者2の口腔内がスキャンされる。三次元スキャナ200のスキャン対象となる歯牙が下顎の犬歯および臼歯である場合、得られる三次元画像が、頬側の部位、舌側の部位、および咬合する部位の画像を少なくとも含むように、ユーザ1によって対象者2の口腔内がスキャンされる。
一般的に、対象者2の歯牙は、その種類によって形状および大きさが異なる。たとえば、上顎の切歯の場合、上唇側の面は一般的にU字形であるのに対して、上顎の犬歯の場合、頬側の面は一般的に五角形である。各歯牙は、形状および大きさがその種類に応じて特徴的であり、推定部1130は、これらの特徴的な形状および大きさが数値化された三次元データに基づき、推定モデル114を用いて当該三次元データに対応する歯牙の種類を推定する。
図5に示すように、推定モデル114は、ニューラルネットワーク1142を含む。ニューラルネットワーク1142においては、入力部1102に入力された三次元データに含まれる位置情報の値が入力層に入力される。そして、ニューラルネットワーク1142においては、たとえば、中間層によって、入力された位置情報の値に対して重み付け係数が乗算されたり所定のバイアスが加算されたりするとともに所定の関数による計算が行われ、その計算結果が判定値と比較される。そして、ニューラルネットワーク1142においては、その計算および判定の結果が推定結果として出力層から出力される。なお、ニューラルネットワーク1142による計算および判定については、三次元データに基づき歯牙を推定できるものであれば、いずれの手法が用いられてもよい。
推定モデル114のニューラルネットワーク1142においては、中間層が多層構造になることで、ディープラーニングによる処理が行われる。本実施の形態においては、3次元画像に特化した推定処理を行うプログラムとして、たとえば、VoxNet、3D ShapeNets、Multi-View CNN、RotationNet、OctNet、FusionNet、PointNet、PointNet++、SSCNet、およびMarrNetなどが用いられるが、その他のプログラムが用いられてもよい。また、ニューラルネットワーク1142の仕組みには既存のものが適用されてもよい。
このような構成において、データ処理装置100は、歯牙を構成する複数の点に対応する三次元データが入力されると、当該複数の点における位置情報などに基づき、当該歯牙の特徴を推定モデル114のニューラルネットワーク1142を用いて抽出し、抽出した特徴に基づき、当該複数の点のそれぞれに対応する歯牙の種類を推定することができる。さらに、データ処理装置100は、複数の点のそれぞれに対応する歯牙の種類の推定結果に基づき、当該複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けることができる。また、図5に示すように、推定対象となる歯牙に限らず、隣接する歯牙を含む三次元データについてもデータ処理装置100に入力されることで、推定モデル114のニューラルネットワーク1142は、隣接する複数の歯牙を構成する複数の点における位置情報などを考慮して歯牙の特徴を抽出することができる。データ処理装置100は、ユーザ1などによって一般的に認識されている歯牙の特徴に限らず、一般的に認識されていない歯牙の特徴についても抽出することができ、それによって精度良く歯牙の種類を識別することができる。
なお、サーバ装置500が保持する推定モデル514に含まれるニューラルネットワークは、図5に示した推定モデル114に含まれるニューラルネットワーク1142と同様の構成を有する。
[学習用データの生成]
図8および図9を参照しながら、学習用データセット116の生成の一例を説明する。図8は、本実施の形態に係る学習用データの生成を説明するための模式図である。図9は、本実施の形態に係る学習用データセット116の一例を説明するための模式図である。
図8に示すように、まず、三次元スキャナ200によって三次元データが取得される(STEP1)。三次元スキャナ200によって取得された三次元データは、当該三次元データに対応する歯牙および歯肉の各点における三次元の位置情報と、歯牙および歯肉の各点における色情報(RGB値)とを含む。三次元スキャナ200によって取得された三次元データに基づき三次元画像が生成されると、図8(a)に示すように実際の色が付された歯牙および歯肉を含む三次元画像が生成される。
次に、後述する各歯牙の色分け処理の準備として、ノイズ除去処理が行われる。たとえば、本実施の形態においては、三次元データに対応する3次元画像がグレースケール化される(STEP2)。3次元画像のグレースケール化は、ユーザ1(この場合、学習用データを生成するメーカの技術者または製造工場の作業者、歯科医師、歯科技工士などの歯科の知識を有する者など)によって行われる。三次元画像がグレースケール化されると、図8(b)に示すようにグレースケール化された歯牙および歯肉を含む三次元画像が生成される。また、三次元画像のグレースケール化に応じて、三次元データに対応する歯牙および歯肉の各点における色情報(RGB値)がグレースケールに対応する値(たとえば、192192192)に変更される。
次に、三次元データに対応する三次元画像に含まれる各歯牙に対して予め定められた色が塗布されることで各歯牙が色分けされる(STEP3)。たとえば、図9に示すように、データ処理装置100が保持する色分類データ118は、下顎左側、下顎右側、上顎左側、および上顎右側といったように口腔内の各部位ごとに設けられている。図9においては、下顎左側に対応する色分類データ118が示されている。各色分類データ118においては、歯牙の種類ごとに、歯科分野において一般的に用いられている歯牙の番号と、予め定められた色情報とが割り当てられている。
たとえば、第二大臼歯は、歯牙の番号として7番が割り当てられ、色情報として色aが割り当てられている。第一大臼歯は、歯牙の番号として6番が割り当てられ、色情報として色bが割り当てられている。第二小臼歯は、歯牙の番号として5番が割り当てられ、色情報として色cが割り当てられている。このように、各色分類データ118においては、各歯牙の種類に対して歯牙の番号および色情報が予め割り当てられている。
各歯牙に対する色の塗布は、ユーザ1(特に、歯科医師、歯科技工士などの歯科の知識を有する者など)によって行われる。具体的には、ユーザ1は、自身の知見に基づき三次元画像に含まれる各歯牙の種類を識別し、識別した歯牙の種類に対応する色を、色分類データ118を参照しながら特定し、特定した色を当該歯牙の画像に塗布する。
たとえば、ユーザ1は、三次元画像に含まれる歯牙が第二大臼歯であると識別すると、当該歯牙の画像に色aを塗布する。また、三次元画像に含まれる歯牙が第一大臼歯であると識別すると、当該歯牙の画像に色bを塗布する。三次元画像に含まれる各歯牙に対して予め定められた色が塗布されると、図8(c)および図9(d)に示すように各歯牙に対して予め定められた色が塗布された三次元画像が生成される。なお、分かり易いように、図面上では各歯牙の色分けがハッチングで表されているが、実際には歯牙を構成する複数の点ごとに各歯牙が色分けされている。
また、各歯牙の色分けに応じて、三次元データに対応する歯牙の各点における色情報(RGB値)が各歯牙に塗布された色に対応する値に変更される。たとえば、色a(赤色)に塗布された第二大臼歯の各位置座標に対しては、色情報(RGB値)が“255000000”となり、色b(緑色)に塗布された第一大臼歯の各位置座標に対しては、色情報(RGB値)が“000255000”となり、色c(青色)に塗布された第二小臼歯の各位置座標に対しては、色情報(RGB値)が“00000255”となる。つまり、三次元データに対応する歯牙の各点に対して、予め定められた色情報(RGB値)が関連付けられる。
各歯牙に対して予め定められた色情報が関連付けられると、三次元データには、位置情報と、塗布された色に対応する色情報とが含まれるようになり、このような三次元データが学習用データとして採用される。つまり、本実施の形態に係る学習用データにおいては、推定処理で参照される位置情報に対して、歯牙の種類に対応する色情報が関連付けられる(ラベリングされる)。さらに、三次元データに対応する複数の歯牙のそれぞれの範囲を特定可能に当該三次元データに色情報が関連付けられる。具体的には、各歯牙に対応する位置情報ごとに、同じ色情報が関連付けられる。このような学習用データの集まりが学習用データセット116として、データ処理装置100に保持される。
このように、学習用データを生成する際に、ユーザ1が三次元画像に含まれる各歯牙に色を塗布して正解データをラベリングすることにおいては、多くの利点がある。たとえば、単なる文字または記号を用いてラベリングした場合、ユーザ1は、各歯牙の範囲を認識し難いが、色分けによってラベリングした場合、ユーザ1は、ラベリング対象である歯牙と当該歯牙に隣接する歯牙との間の境界、およびラベリング対象である歯牙と歯肉との間の境界を色の塗布によって容易に認識することができる。また、ユーザ1は、ラベリング時に様々な角度から三次元画像を確認しながら色を塗布するが、視点の角度を変更した場合でも、ラベリング作業中の歯牙に対してどの範囲まで塗布が完了したのかを認識し易くなる。
なお、本実施の形態においては、ユーザ1が自身の知見に基づき手作業で三次元画像に含まれる各歯牙に色を塗布しているが、一部の作業をソフトウェアで補うことも可能である。たとえば、ラベリング対象である歯牙と当該歯牙に隣接する歯牙との間の境界、およびラベリング対象である歯牙と歯肉との間の境界を、エッジ検出によって特定してもよく、このようにすれば、ラベリング対象である歯牙のみを抽出することができる。
なお、図8および図9に示す学習用データセット116の生成は、サーバ装置500が保持する学習用データセット516の生成についても適用可能である。たとえば、図9に示す学習用データセット116を、サーバ装置500が保持する学習用データセット516に適用してもよいし、図9に示す色分類データ118を、サーバ装置500が保持する色分類データ518に適用してもよい。
[学習済モデルの生成]
図10を参照しながら、学習済モデルの生成の一例を説明する。図10は、本実施の形態に係る学習用データセット116に基づく学習済モデルの生成を説明するための模式図である。
図10に示すように、学習用データセット116は、当該学習用データセット116を生成する際にスキャン対象となった対象者2のプロファイルに基づきカテゴリごとに分類することができる。たとえば、年齢(未成年者,現役世代,高齢者)、性別(男性,女性)、人種(アジア人,欧米人,アフリカ系)、身長(150cm未満,150以上)、体重(50kg未満,50kg以上)、および居住地(日本在住,日本以外に在住)のそれぞれに対して、該当する対象者2の歯牙を含む三次元データから生成された学習用データセットを割り当てることができる。なお、各カテゴリの層別は、適宜設定可能である。たとえば、年齢に関しては、所定の年齢差ごと(この場合は3歳ごと)、具体的には、0歳~3歳、4歳~6歳、7歳~9歳、…といったように、より詳細に層別することができる。
データ処理装置100は、カテゴリごとに分類することができる複数の学習用データセット116a~116oを用いて推定モデル114を学習させることで、学習済モデルを生成する。なお、学習用データは、カテゴリの分類の仕方によっては重複することがあるが、学習用データが重複する場合には、いずれかの学習用データのみを用いて推定モデル114を学習させればよい。
一般的に歯牙の形状は、年齢、性別、人種、身長、体重、および居住地など、遺伝または生活環境などに依存してその特徴が異なる。たとえば、一般的に、大人の永久歯は、子供の乳歯よりも大きく、両者でその形状が異なる。また、一般的に、男性の歯牙は、女性の歯牙よりも大きく、両者でその形状が異なる。また、一般的に、欧米人の歯牙は、硬い肉やパンを噛み切り易いように先端が尖る傾向があるのに対して、日本人の歯牙は、柔らかい米や野菜をすり潰し易いように先端が滑らかになる傾向がある。このため、本実施の形態のように、プロファイルデータに基づき学習処理を実行すれば、遺伝または生活環境などを考慮して歯牙の種類を識別することができる学習済モデルを生成することができる。
なお、図10に示す学習済モデルの生成は、サーバ装置500が保持する学習済モデルの生成についても適用可能である。たとえば、図10に示す学習用データセット116a~116oを、サーバ装置500が保持する学習用データセット516に適用してもよいし、図10に示す推定モデル114を、サーバ装置500が保持する推定モデル514に適用してもよい。
[関連付け結果の出力の一例]
図11~図14を参照しながら、歯牙および歯肉を構成する各点に対して関連付けられた関連付け結果の出力の一例を説明する。図11および図12は、本実施の形態に係る関連付け結果の出力の一例を説明するための模式図である。図13および図14は、本実施の形態に係る出力データの一例を説明するための模式図である。
図11(a)に示すように、三次元スキャナ200による口腔内のスキャンが開始した当初においては、得られた三次元データの数が少ないため、データ処理装置100は、各三次元データに対応する各点に対して歯牙の種類を推定することができない。また、データ処理装置100は、各点に対して歯牙を推定することができないため、歯牙と歯肉とを区別することもできない。よって、データ処理装置100は、各点に対して、歯牙の種類に関連する関連データとして色情報を関連付けることもできないため、ディスプレイ300の画面上には、関連データが関連付けされていない状態で、スキャンによって得られた三次元データに対応する各点が表示される。
図13(a)は、図11(a)に示すディスプレイ300による画像表示に用いられる出力データの一例を示している。図13(a)に示すように、出力データは、スキャンによって得られた各点の位置情報と、当該位置情報に関連付けられた色情報(関連データ)とを含むが、未だ各点に対して歯牙の種類が推定されていないため、各点の位置情報には、色情報(関連データ)としてグレースケールに対応する値(192192192)が関連付けられている。なお、色情報としてグレースケールに対応する値が各点に関連付けられた場合、図11(a)に示すように、当該各点が四角で表されるが、実際は、ディスプレイ300の画面上の各点がグレー色で表される。
図11(b)に示すように、三次元スキャナ200による口腔内のスキャンがある程度進むと、得られた三次元データの数が増えてくる。ある一の点に注目すると、当該一の点の周りに位置する他の点の三次元データがデータ処理装置100に入力され、その入力される他の点の三次元データの数が次第に増える。データ処理装置100は、推定モデル114を用いた推定処理において、当該一の点と他の点との間の関係(たとえば、両者の間の距離,一の点から他の点に向かうベクトル)に基づき、当該一の点における歯牙の種類を推定する。このため、データ処理装置100に入力される三次元データの数が増えることによって、データ処理装置100は、各点に対応する歯牙の種類を次第に推定することができるようになり、歯牙と歯肉とを区別することもできるようになる。よって、データ処理装置100は、各点に対して関連データ(色情報)を関連付けることもでき、ディスプレイ300の画面上には、関連データが関連付けされた状態で、スキャンによって得られた三次元データに対応する各点が表示される。
ここで、データ処理装置100に入力される三次元データの数が増えたとしても、周りの点に対応する三次元データの数が不十分だと、データ処理装置100は、歯牙の種類を推定することができないこともある。たとえば、図11(b)に示すように、一部の点については、歯牙の種類を推定することが未だできていないため、当該一部の点に対して関連データ(色情報)を関連付けることもできない。後述するが、このような関連データが関連付けできない一部の点についても、データ処理装置100は、入力される三次元データの数が増えることによって、次第に関連データを関連付けることができるようになる。
図13(b)は、図11(b)に示すディスプレイ300による画像表示に用いられる出力データの一例を示している。図13(b)に示すように、歯牙の種類が推定された点については、色情報(関連データ)として歯牙の種類に対応する色aの値(255000000)が関連付けられ、歯牙の種類が推定されていない点については、色情報(関連データ)としてグレースケールに対応する値が関連付けられている。なお、色情報として歯牙の種類に対応する色aの値が各点に関連付けられた場合、図11(b)に示すように、当該各点が丸で表されるが、実際は、ディスプレイ300の画面上の各点が色a(たとえば、赤色)で表される。
このように、データ処理装置100は、入力された一の三次元データについて、当該一の三次元データの特定範囲内に含まれる他の三次元データとの関係(距離,ベクトル)に基づき、当該一の三次元データに対応する点における歯牙の種類を推定する。
より具体的に例示すると、データ処理装置100は、情報量が少ないために任意の一の点(一の三次元データに対応する注目点)について歯牙の種類を推定できなかった場合、または誤って推定してしまった場合でも、その後、当該一の点(注目点)を中心に任意の半径で球を描いた範囲内(特定範囲内)に存在する他の点(他の三次元データに対応する点)について歯牙の種類を推定できた場合には、当該特定範囲内に最も多い割合で存在する点に対応する歯牙の種類を、当該一の点(注目点)に対応する歯牙の種類とする。このように、データ処理装置100は、一の点に注目して、当該一の点(注目点)の特定範囲内に存在する他の点についての歯牙の種類の推定結果を考慮して、当該一の点(注目点)についての歯牙の種類を推定する。なお、本実施の形態においては、歯牙を構成する各点が三次元データで表されるため、「特定範囲内」を一の点(注目点)を中心に任意の半径で球を描いた範囲内としたが、「特定範囲内」は球を描いた範囲内に限らず、一の点(注目点)を取り囲む直方体や立方体の範囲内であってもよい。あるいは、他の点のうち、一の点(注目点)から三次元的な距離で一番近い他の点から、近い順番に任意の数を選び出してもよい。「特定範囲内」は、一の点(注目点)を取り囲む範囲内であって、かつ当該一の点(注目点)についての歯牙の種類の推定結果に影響を与える可能性のある点が存在する範囲内であればいずれの範囲内であってもよい。
そして、データ処理装置100は、その推定結果に基づき、入力された三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して、推定した歯牙の種類に対応する色aの関連データを関連付ける。これにより、データ処理装置100は、色aの色情報を含む関連データを用いて、スキャン対象となった歯牙を識別することができる。さらに、データ処理装置100は、色aによって歯牙を識別することで、隣り合う複数の歯牙の各々を区別することができ、歯牙とその隣の歯牙との境界を色によって表すことができる。また、データ処理装置100は、色aによって歯牙を識別することで、歯牙と歯肉とを区別することができ、歯牙と歯肉との境界を色によって表すことができる。
図11(c)に示すように、三次元スキャナ200による口腔内のスキャンがさらに進むと、得られた三次元データの数がさらに増えてくる。そうすると、データ処理装置100は、歯牙の種類を推定できていなかった一部の点についても、歯牙の種類を推定することができる。このようにして、歯牙1本分の関連付けが完了する。
図13(c)は、図11(c)に示すディスプレイ300による画像表示に用いられる出力データの一例を示している。図13(c)に示すように、歯牙の種類が推定された点については、色情報(関連データ)として歯牙の種類に対応する色aの値が関連付けられる。さらに、歯牙の種類を推定できていなかった一部の点についても、歯牙の種類が推定されたため、関連付けられる関連データがグレースケールに対応する値から歯牙の種類に対応する色aの値に変更される。
このように、データ処理装置100は、入力された一の三次元データに対応する点に対してグレースケールに対応する値の関連データを関連付けた後、当該一の三次元データの特定範囲内に含まれる他の三次元データに対応する点に対して関連付けた歯牙の種類に対応する色aの関連データに基づき、当該一の三次元データに対応する点に対して関連付けたグレースケールに対応する値の関連データを、歯牙の種類に対応する色aの関連データに変更する。
より具体的に例示すると、データ処理装置100は、情報量が少ないために任意の一の点(一の三次元データに対応する注目点)について歯牙の種類を推定できずに一旦グレースケールに対応する値を関連付けた場合でも、その後、当該一の点(注目点)を中心に任意の半径で球を描いた範囲内(特定範囲内)に存在する他の点(他の三次元データに対応する点)について歯牙の種類を推定できた場合には、当該特定範囲内に最も多い割合で存在する点に対応する歯牙の種類を、当該一の点(注目点)に対応する歯牙の種類とする。このように、データ処理装置100は、一の点に注目して、当該一の点(注目点)の特定範囲内に存在する点についての歯牙の種類の推定結果を考慮して、当該一の点(注目点)についての歯牙の種類を推定する。
図12(d)に示すように、次の歯牙のスキャンが開始した当初においては、得られた三次元データの数が少ないため、データ処理装置100は、各三次元データに対応する各点に対して歯牙の種類を推定することができない。また、データ処理装置100は、各点に対して歯牙を推定することができないため、歯牙と歯肉とを区別することもできない。よって、データ処理装置100は、各点に対して歯牙の種類に関連する関連データとして色情報を関連付けることもできないため、ディスプレイ300の画面上には、関連データが関連付けされていない状態で、スキャンによって得られた三次元データに対応する各点が表示される。
図14(d)は、図12(d)に示すディスプレイ300による画像表示に用いられる出力データの一例を示している。図14(d)に示すように、未だ各点に対して歯牙の種類が推定されていないため、各点の位置情報には、色情報(関連データ)としてグレースケールに対応する値が関連付けられている。
図12(e)に示すように、三次元スキャナ200による口腔内のスキャンがある程度進むと、得られた三次元データの数が増えてくる。そうすると、ある一の点に注目すると、当該一の点の周りに位置する他の点の三次元データがデータ処理装置100に入力され、その入力される他の点の三次元データの数が増えてくる。このため、データ処理装置100に入力される三次元データの数が増えることによって、データ処理装置100は、各点に対応する歯牙の種類を推定することができるようになり、歯牙と歯肉とを区別することもできるようになる。よって、データ処理装置100は、各点に対して関連データ(色情報)を関連付けることもでき、ディスプレイ300の画面上には、関連データが関連付けされた状態で、スキャンによって得られた三次元データに対応する各点が表示される。
ここで、データ処理装置100に入力される三次元データの数が増えたとしても、周りの点に対応する三次元データによっては、データ処理装置100は、歯牙の種類を誤って推定することもある。たとえば、図12(e)に示すように、一部の点については、歯牙の種類を誤って推定しているため、当該一部の点に対して誤った値の関連データ(色情報)を関連付けしている。後述するが、このように誤った関連データが関連付けられた一部の点についても、データ処理装置100は、入力される三次元データの数が増えることによって、次第に正しい関連データを関連付けることができるようになる。
図14(e)は、図12(e)に示すディスプレイ300による画像表示に用いられる出力データの一例を示している。図14(e)に示すように、正しく歯牙の種類が推定された点については、色情報(関連データ)として正しい歯牙の種類に対応する色bの値(000255000)が関連付けられ、誤って歯牙の種類が推定された点については、色情報(関連データ)として誤った歯牙の種類に対応する色aの値が関連付けられている。なお、色情報として歯牙の種類に対応する色bの値が各点に関連付けられた場合、図12(e)に示すように、当該各点が×で表されるが、実際は、ディスプレイ300の画面上の各点が色b(たとえば、緑色)で表される。
このように、データ処理装置100は、入力された一の三次元データについて、当該一の三次元データの特定範囲内に含まれる他の三次元データとの関係(距離,ベクトル)に基づき、当該一の三次元データに対応する点における歯牙の種類を推定する。そして、データ処理装置100は、その推定結果に基づき、入力された三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して、推定した歯牙の種類に対応する色bの関連データを関連付ける。これにより、データ処理装置100は、色bの色情報を含む関連データを用いて、スキャン対象となった歯牙を識別することができる。さらに、データ処理装置100は、色bによって歯牙を識別することで、歯牙と歯肉とを区別することができ、歯牙と歯肉との境界を色によって表すことができる。
図12(f)に示すように、三次元スキャナ200による口腔内のスキャンがさらに進むと、得られた三次元データの数がさらに増えてくる。そうすると、データ処理装置100は、誤って歯牙の種類を推定していた一部の点についても、正しく歯牙の種類を推定することができる。
図14(f)は、図12(f)に示すディスプレイ300による画像表示に用いられる出力データの一例を示している。図14(f)に示すように、歯牙の種類が推定された点については、色情報(関連データ)として歯牙の種類に対応する色bの値が関連付けられる。さらに、誤って歯牙の種類を推定していた一部の点についても、正しく歯牙の種類が推定されたため、関連付けられる関連データが誤った歯牙の種類に対応する色aの値から正しい歯牙の種類に対応する色bの値に変更される。
このように、データ処理装置100は、入力された一の三次元データに対応する点に対して誤った歯牙の種類に対応する色aの関連データを関連付けた後、当該一の三次元データの特定範囲内に含まれる他の三次元データに対応する点に対して関連付けた正しい歯牙の種類に対応する色bの関連データに基づき、当該一の三次元データに対応する点に対して関連付けた色aの関連データを、色bの関連データに変更する。
より具体的に例示すると、データ処理装置100は、任意の一の点(一の三次元データに対応する点)について歯牙の種類がA(たとえば、色aに対応する歯牙)であると一旦推定した後、当該一の点(注目点)を中心に任意の半径で球を描いた範囲内(特定範囲内)に存在する他の点(他の三次元データに対応する点)について歯牙の種類を推定する。そして、一の点(注目点)の特定範囲内に存在する点の中に、歯牙の種類がB(たとえば、色bに対応する歯牙)であると推定した点が歯牙の種類がAであると推定した点よりも多く存在し、かつ最も多い割合で存在する場合、データ処理装置100は、当該一の点(注目点)についての歯牙の種類をAからBに変更する。このように、データ処理装置100は、一の点に注目して、当該一の点(注目点)の特定範囲内に存在する点についての歯牙の種類の推定結果を考慮して、当該一の点(注目点)についての歯牙の種類の推定結果を補正(変更)し、当該一の点(注目点)に対応する三次元データ関連付けられた関連データを変更する。
なお、一旦、一の点(注目点)について歯牙の種類を誤って推定して、当該一の点(注目点)に対応する三次元データに誤った関連データを関連付けた後、当該一の点(注目点)の特定範囲内に存在する点についての推定結果を考慮して当該一の点(注目点)についての推定結果を補正する場合、データ処理装置100は、当該一の点(注目点)に対応する三次元データに関連付けた関連データを、いずれのタイミングで変更してもよい。たとえば、データ処理装置100は、一の点(注目点)の特定範囲内に存在する点についての推定結果を考慮して当該一の点(注目点)についての推定結果を補正すると判断したタイミングで、当該一の点(注目点)に対応する三次元データに関連付けた関連データを正しい関連データに変更してもよい。あるいは、データ処理装置100は、一の点(注目点)の特定範囲内に存在する点についての推定結果を考慮して当該一の点(注目点)についての推定結果を補正すると判断した後、所定時間が経過したタイミング、または所定量の三次元データが追加で取得されたタイミング、あるいは三次元スキャナ200によるスキャンが終了したタイミングなどで、当該一の点(注目点)に対応する三次元データに関連付けた関連データを正しい関連データに変更してもよい。
このように、データ処理装置100は、入力された三次元データに対応する複数の点が集まった点群を表示することによって、色情報を含む関連データを用いて歯牙をその種類ごとに分類(セグメント化)することができる。また、データ処理装置100は、色情報を含む関連データを用いて点ごとに歯牙を識別することで、歯牙と歯肉とを区別することができ、歯牙と歯肉との境界を色によって表すことができる。さらに、データ処理装置100は、色情報を含む関連データを用いて点ごとに歯牙を識別することで、入力された三次元データを2次元のイラスト画像で表示して作業する際に利用し易くなる。これにより、データ処理装置100は、矯正歯科において矯正用の器具のデジタル設計を容易にさせることができる。
さらに、データ処理装置100は、口腔内において隣接する複数の歯牙および歯肉を構成する各点に対して歯牙の種類を推定することができるため、隣接する歯牙の形状との関係も考慮してニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114によって歯牙の特徴を抽出させることができるため、精度良く歯牙の種類を推定することができる。
[データ処理装置の学習処理]
図15を参照しながら、データ処理装置100が実行する学習処理について説明する。図11は、本実施の形態に係るデータ処理装置100が実行する学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。本実施の形態において、データ処理装置100は、学習用データを用いた教師あり学習によって推定モデル114を学習させる。図15に示す各ステップは、データ処理装置100の演算装置130がOS127および学習用プログラム121を実行することで実現される。
図15に示すように、データ処理装置100は、学習用データセット116の中から、学習に用いる学習用データを選択する(S1)。具体的には、データ処理装置100は、図10に示す学習用データセット群に含まれる学習用データセット116の中から、一または複数の学習用データを選択する。なお、データ処理装置100は、学習用データを自動で選択するものに限らず、ユーザ1が選択した学習用データを学習処理に用いてもよい。
データ処理装置100は、選択した学習用データに含まれる三次元データおよび当該学習用データを生成する際にスキャン対象となった対象者2のプロファイルデータを推定モデル114に入力する(S2)。このとき、データ処理装置100には、三次元データにラベリングされた正解データは入力されない。データ処理装置100は、三次元データに対応する歯牙の特徴に基づき、推定モデル114を用いて当該歯牙の種類を推定する推定処理を実行する(S3)。推定処理において、データ処理装置100は、三次元データに加えてプロファイルデータに基づき、推定モデル114を用いて当該歯牙の種類を推定する。このとき、データ処理装置100は、スキャンによって入力された三次元データに対応する複数の点ごとに、推定モデル114を用いて歯牙の種類を推定する。
データ処理装置100は、推定処理によって推定した各点における歯牙の種類の推定結果と、学習処理に用いた学習用データに対応する各点における正解データとの誤差に基づき、推定モデル114のパラメータ1144を更新する(S4)。
たとえば、データ処理装置100は、特定の歯牙を構成する複数の点に対応する三次元データに基づき、当該特定の歯牙の種類に対応する色情報を複数の点ごとに推定する。データ処理装置100は、学習用データに含まれる当該特定の歯牙に対応する複数の点ごとの色情報(正解データ)と、自身が推定した複数の点ごとの色情報とを比較し、一致する点に関しては推定モデル114のパラメータ1144を維持する一方で、一致しない点に関しては両者が一致するように推定モデル114のパラメータ1144を更新する。
あるいは、データ処理装置100は、特定の歯牙を構成する複数の点に対応する三次元データに基づき、当該特定の歯牙の種類に対応する色情報を複数の点ごとに推定し、色分類データ118に基づき当該色情報に対応する歯牙の種類や歯牙の番号(正解データ)を複数の点ごとに特定する。データ処理装置100は、学習用データに含まれる当該特定の歯牙に対応する複数の点ごとの色情報に割り当てられた歯牙の種類や歯牙の番号(正解データ)と、自身が推定した複数の点ごとの歯牙の種類や歯牙の番号とを比較し、一致する点に関しては推定モデル114のパラメータ1144を維持する一方で、一致しない点に関しては両者が一致するように推定モデル114のパラメータ1144を更新する。
次に、データ処理装置100は、全ての学習用データに基づき学習したか否かを判定する(S5)。データ処理装置100は、全ての学習用データに基づき学習していない場合(S5でNO)、S1の処理に戻る。
一方、データ処理装置100は、全ての学習用データに基づき学習した場合(S5でYES)、学習済みの推定モデル114を学習済モデルとして記憶し(S6)、本処理を終了する。
このように、データ処理装置100は、学習用データに含まれる三次元データに関連付けられた歯牙の種類に対応する歯牙情報(色情報、歯牙の名称、または歯牙の番号など)を正解データとして、推定処理による当該三次元データを用いた当該歯牙の種類の推定結果に基づき、推定モデル114を学習させることで、学習済モデルを生成することができる。
また、データ処理装置100は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれに対応付けられた歯牙の種類と、当該複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを用いた当該歯牙の種類の推定結果とに基づき、推定モデル114を学習させることで、歯牙を構成する複数の点ごとに歯牙の種類を推定することができる。
さらに、データ処理装置100は、学習処理において、学習用データに加えてプロファイルデータを考慮して推定モデル114を学習するため、対象者2のプロファイルを考慮した学習済モデルを生成することができる。
[サーバ装置の学習処理]
図16を参照しながら、サーバ装置500が実行する学習処理について説明する。図16は、本実施の形態に係るサーバ装置500が実行する学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。本実施の形態において、サーバ装置500は、学習用データを用いた教師あり学習によって推定モデル514を学習させる。図16に示す各ステップは、サーバ装置500の演算装置530がOS527および学習用プログラム521を実行することで実現される。
図16に示すように、サーバ装置500は、学習用データセット516の中から、学習に用いる学習用データを選択する(S501)。ここで、学習用データは、サーバ装置500によって蓄積して記憶されたビッグデータを利用して生成されたものであってもよい。たとえば、サーバ装置500は、各ローカルA~Cのデータ処理装置100および歯科技工所から取得したスキャン情報に含まれる三次元データを利用して学習用データを生成しておき、生成した当該学習用データを用いて学習処理を実行してもよい。なお、サーバ装置500は、学習用データを自動で選択するものに限らず、ユーザ1が選択した学習用データを学習処理に用いてもよい。
サーバ装置500は、選択した学習用データに含まれる三次元データおよび当該学習用データを生成する際にスキャン対象となった対象者2のプロファイルデータを推定モデル514に入力する(S502)。このとき、サーバ装置500には、三次元データにラベリングされた正解データは入力されない。サーバ装置500は、三次元データに対応する歯牙の特徴に基づき、推定モデル514を用いて当該歯牙の種類を推定する推定処理を実行する(S503)。推定処理において、サーバ装置500は、三次元データに加えてプロファイルデータに基づき、推定モデル514を用いて当該歯牙の種類を推定する。このとき、サーバ装置500は、スキャンによって入力された三次元データに対応する複数の点ごとに、推定モデル514を用いて歯牙の種類を推定する。
サーバ装置500は、推定処理によって推定した各点における歯牙の種類の推定結果と、学習処理に用いた学習用データに対応する各点における正解データとの誤差に基づき、推定モデル514のパラメータを更新する(S504)。
たとえば、サーバ装置500は、特定の歯牙を構成する複数の点に対応する三次元データに基づき、当該特定の歯牙に対応する色情報を複数の点ごとに推定する。サーバ装置500は、学習用データに含まれる当該特定の歯牙に対応する複数の点ごとの色情報(正解データ)と、自身が推定した複数の点ごとの色情報とを比較し、一致する点に関しては推定モデル514のパラメータを維持する一方で、一致しない点に関しては両者が一致するように推定モデル514のパラメータを更新する。
あるいは、サーバ装置500は、特定の歯牙を構成する複数の点に対応する三次元データに基づき、当該特定の歯牙の種類に対応する色情報を複数の点ごとに推定し、色分類データ518に基づき当該色情報に対応する歯牙の種類や歯牙の番号(正解データ)を複数の点ごとに特定する。サーバ装置500は、学習用データに含まれる当該特定の歯牙に対応する複数の点ごとの色情報に割り当てられた歯牙の種類や歯牙の番号(正解データ)と、自身が推定した複数の点ごとの歯牙の種類や歯牙の番号とを比較し、一致する点に関しては推定モデル514のパラメータを維持する一方で、一致しない点に関しては両者が一致するように推定モデル514のパラメータを更新する。
次に、サーバ装置500は、全ての学習用データに基づき学習したか否かを判定する(S505)。サーバ装置500は、全ての学習用データに基づき学習していない場合(S505でNO)、S501の処理に戻る。
一方、サーバ装置500は、全ての学習用データに基づき学習した場合(S505でYES)、学習済みの推定モデル514を学習済モデルとして記憶する(S506)。その後、サーバ装置500は、生成した学習済モデルを各ローカルのデータ処理装置100に送信し(S507)、本処理を終了する。
このように、サーバ装置500は、学習用データに含まれる三次元データに関連付けられた歯牙の種類に対応する歯牙情報(色情報,歯牙の名称,歯牙の番号)を正解データとして、推定処理による当該三次元データを用いた当該歯牙の種類の推定結果に基づき、推定モデル514を学習させることで、学習済モデルを生成することができる。
また、サーバ装置500は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれに対応付けられた歯牙の種類と、当該複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを用いた当該歯牙の種類の推定結果とに基づき、推定モデル514を学習させることで、歯牙を構成する複数の点ごとに歯牙の種類を推定することができる。
また、サーバ装置500は、学習処理において、学習用データに加えてプロファイルデータを考慮して推定モデル514を学習するため、対象者2のプロファイルを考慮した学習済モデルを生成することができる。
さらに、サーバ装置500は、学習処理に用いる学習用データとして、各ローカルA~Cのデータ処理装置100および歯科技工所から取得したスキャン情報に含まれる三次元データを利用しているため、データ処理装置100ごとに実行される学習処理よりも、より多くの学習用データに基づいて学習処理を実行することができ、より精度良く歯牙の種類を識別することができる学習済モデルを生成することができる。
[データ処理装置のサービス提供処理]
図17を参照しながら、データ処理装置100が実行するサービス提供処理について説明する。図17は、本実施の形態に係るデータ処理装置100が実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図17、および後述する図19、図21、図23に示すサービス提供処理は、「データ処理」の一実施形態である。図17に示す各ステップは、データ処理装置100の演算装置130がOS127およびデータ処理用プログラム120を実行することで実現される。
図17に示すように、データ処理装置100は、所定の点に対応する三次元データが入力されたか否かを判定する(S41)。データ処理装置100は、三次元データが入力されていない場合(S41でNO)、本処理を終了する。
一方、データ処理装置100は、三次元データが入力された場合(S41でYES)、ユーザ1によって対象者2のプロファイルデータが入力されているか否かを判定する(S42)。データ処理装置100は、プロファイルデータが入力されていない場合(S42でNO)、三次元データを学習済モデルに入力する(S43)。一方、データ処理装置100は、プロファイルデータが入力されている場合(S42でYES)、三次元データおよびプロファイルデータを学習済モデルに入力する(S44)。なお、このとき使用する学習済モデルは、図15に示す学習処理でデータ処理装置100によって生成された学習済モデルに限らず、図16に示す学習処理でサーバ装置500によって生成された学習済モデルであってもよい。
S43およびS44の後、データ処理装置100は、三次元データに対応する歯牙の特徴に基づき、学習済モデルを用いて当該歯牙の種類を推定する推定処理を実行する(S45)。このとき、S44でプロファイルデータが学習済モデルに入力されていた場合、データ処理装置100は、三次元データに加えてプロファイルデータに基づき、学習済モデルを用いて当該歯牙の種類を推定する。この場合、三次元データのみに基づき学習済モデルを用いて歯牙の種類を推定するよりも、より精度良く歯牙の種類を推定することができる。
データ処理装置100は、推定処理によって得られた推定結果に基づき、推定された歯牙の種類を示す関連データ(たとえば、色情報)を、S41で入力された三次元データに関連付ける(S46)。具体的には、図13および図14に示したように、三次元データに含まれる位置情報に対して、推定された歯牙の種類に対応する色情報を関連付ける。これにより、入力された三次元データに対応する点に対して、当該点に対応する歯牙の種類の推定結果として関連データ(色情報)が関連付けられる。
データ処理装置100は、関連付けの結果を、ディスプレイ300およびサーバ装置500などに出力する(S47)。具体的には、図11および図12に示したように、入力された三次元データに対応する点に対して、当該点に対応する歯牙の種類の推定結果として関連データ(色情報)が関連付けられ、その関連付けの結果がディスプレイ300に表示される。その後、データ処理装置100は、本処理を終了する。
データ処理装置100は、歯牙を構成する複数の点ごとに、図17に示すようなサービス提供処理を実行することで、スキャン対象となった口腔内の歯牙をその種類ごとに区別するとともに、歯牙と歯肉とを区別することもできる。
また、データ処理装置100は、所定の点について実行したサービス提供処理によって歯牙の種類を推定することができない場合は、S45~S47の処理をスキップして本処理を終了する。そして、データ処理装置100は、それ以降において他の点について実行したサービス提供処理によって歯牙の種類を推定して関連データを関連付けしたときに、当該他の点に関連付けられた関連データに基づいて、当該所定の点についても関連データを関連付ける。
さらに、データ処理装置100は、所定の点について実行したサービス提供処理によって歯牙の種類を誤って推定して誤った関連データを関連付けた場合は、それ以降において他の点について実行したサービス提供処理によって歯牙の種類を推定して関連データを関連付けしたときに、当該他の点に関連付けられた関連データに基づいて、当該所定の点についても正しい関連データを関連付ける。
このように、データ処理装置100は、入力された三次元データに対応する歯牙の特徴に基づき、学習済モデルを用いて当該歯牙の種類を推定するため、ユーザ自身の知見に頼って歯牙の種類を推定するよりも、精度良く歯牙の種類を推定することができる。
また、データ処理装置100は、スキャン対象となった歯牙を構成する複数の点ごとに歯牙の種類を推定し、その推定結果を色情報に紐付けて関連データとして当該複数の点ごとに関連付けるため、より詳細な範囲で歯牙の種類の推定結果をユーザに示すことができる。データ処理装置100は、歯牙に対して関連データを関連付けることで、歯牙と歯肉とを区別するとともに、歯牙をその種類ごとに分類(セグメント化)することもでき、矯正用の器具のデジタル設計が容易になる。
さらに、データ処理装置100は、推定処理において、入力された三次元データに加えてプロファイルデータを考慮して歯牙の種類を識別するため、より精度良く歯牙の種類を識別することができる。
[主な開示]
以上のように、本実施の形態では以下のような開示を含む。
データ処理装置100は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データが入力される入力部1102と、入力部1102から入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114とに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付ける関連付け部1101と、関連付け部1101による関連付けの結果を出力する出力部1103とを備える。
これにより、データ処理装置100は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを、ニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114(学習済モデル)に入力することで、三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けることができるため、歯牙を構成する複数の点ごとに歯牙を分類(セグメント化)することができ、精度良く歯牙の種類を識別することができる。
データ処理装置100は、入力部1102から入力された三次元データと、推定モデル114とに基づき、当該三次元データに対応する複数の点ごとに歯牙の種類を推定する推定部1130を備え、関連付け部1101は、推定部1130による推定結果に基づき、入力部1102から入力された三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して関連データを関連付ける。
これにより、ユーザ1は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを、ニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114(学習済モデル)に入力することで、当該歯牙の種類を推定することができるため、ユーザ自身の知見に頼って歯牙の種類を識別するよりも、精度良く歯牙の種類を識別することができる。また、ユーザ1は、歯牙を構成する複数の点ごとに歯牙の種類を推定することができるため、より詳細な範囲で歯牙の種類の推定結果を得ることができる。
推定部1130は、入力部1102から入力された一の三次元データについて、当該一の三次元データの特定範囲内に含まれる他の三次元データとの関係に基づき、当該一の三次元データに対応する点における歯牙の種類を推定する。
これにより、ユーザ1は、歯牙を構成する複数の点のうち、一の点の特定範囲内に含まれる他の点に対応する他の三次元データを考慮して、当該一の点における歯牙の種類を推定することができるため、より精度良く各点を歯牙の種類ごとに分類することができる。
関連付け部1101は、入力部1102から入力された一の三次元データに対応する点に対して関連データを関連付けた後、当該一の三次元データの特定範囲内に含まれる他の三次元データに対応する点に対して関連付けた関連データに基づき、当該一の三次元データに対応する点に対して関連付けた関連データを変更する。
これにより、ユーザ1は、歯牙を構成する複数の点のうち、一の点の特定範囲内に含まれる他の点に対応する他の三次元データを考慮して、当該一の点に関連付けた誤った関連データを、正しい関連データに変更することができるため、より精度良く各点を歯牙の種類ごとに分類することができる。
推定モデル114は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれに対応付けられた歯牙の種類と、当該複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを用いた当該歯牙の種類の推定結果とに基づき学習される。
これにより、ユーザ1は、歯牙を構成する複数の点ごとに推定モデル114を学習させることができる。
入力部1102から入力された三次元データは、口腔内の歯牙および歯肉を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む。
これにより、ユーザ1は、口腔内の歯牙および歯肉の形状を考慮してニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114によって歯牙の特徴を抽出させることができるため、精度良く歯牙の種類を識別することができる。また、ユーザ1は、歯牙と歯肉とを区別するとともに、歯牙をその種類ごとに分類(セグメント化)することもでき、矯正用の器具のデジタル設計を容易に行うことができる。
関連データは、歯牙の種類に対応する色、文字、数字、および記号の少なくともいずれか1つを含む。
これにより、ユーザ1は、色、文字、数字、および記号の少なくともいずれかを用いて、歯牙を構成する複数の点のそれぞれに対して、推定した歯牙の種類に関連する関連データを関連付けるため、より分かり易く歯牙を分類(セグメント化)することができる。また、ユーザ1は、直感的に関連付けの結果を認識することができ、利便性が向上する。
出力部1103は、入力部1102から入力された三次元データに対応する複数の点を表す点群表示によって、関連付け部1101による関連付けの結果を出力する。
これにより、ユーザ1は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれに対して関連データを関連付けた結果を、点群表示によって表すことができるため、複数の点ごとにより分かり易く歯牙を分類(セグメント化)することができる。
データ処理システム10は、三次元カメラを用いて、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを取得する三次元スキャナ200と、三次元スキャナ200によって取得された三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けるデータ処理装置100とを備え、データ処理装置100は、三次元スキャナ200によって取得された三次元データが入力される入力部1102と、入力部1102から入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114とに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付ける関連付け部1101と、関連付け部1101による関連付けの結果を出力する出力部1103とを含む。
これにより、ユーザ1は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを、ニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114(学習済モデル)に入力することで、三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けることができるため、歯牙を構成する複数の点ごとに歯牙を分類(セグメント化)することができ、精度良く歯牙の種類を識別することができる。
データ処理方法は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データが入力されるステップ(S41)と、入力されるステップ(S41)によって入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114とに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けるステップ(S46)と、関連付けるステップ(S46)による関連付けの結果を出力するステップ(S47)とを含む。
これにより、ユーザ1は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを、ニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114(学習済モデル)に入力することで、三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けることができるため、歯牙を構成する複数の点ごとに歯牙を分類(セグメント化)することができ、精度良く歯牙の種類を識別することができる。
データ処理用プログラム120は、演算装置130に、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データが入力されるステップ(S41)と、入力されるステップ(S41)によって入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114とに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けるステップ(S46)と、関連付けるステップ(S46)による関連付けの結果を出力するステップ(S47)とを実行させる。
これにより、ユーザ1は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを、ニューラルネットワーク1142を含む推定モデル114(学習済モデル)に入力することで、三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けることができるため、歯牙を構成する複数の点ごとに歯牙を分類(セグメント化)することができ、精度良く歯牙の種類を識別することができる。
[変形例]
本開示は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
(関連付け結果の出力)
本実施の形態に係るデータ処理装置100は、図11および図12に示すように、入力された三次元データに対応する複数の点に対する関連データの関連付けの結果を、当該複数の点が集まった点群を表示することによってユーザ1に示すものであったが、点群表示以外の手法で関連付けの結果をユーザ1に示してもよい。
たとえば、図18は、変形例に係る関連付け結果の出力の一例を説明するための模式図である。図18に示すように、データ処理装置100は、入力された三次元データに対応する複数の点に対する関連データの関連付けの結果を、ポリゴンメッシュを用いてディスプレイ300に表示してもよい。ポリゴンメッシュとは、たとえば、三角形および四角形など、ポリゴンを画面上に配置することでオブジェクトを表示する手法である。データ処理装置100は、入力された三次元データに対応する複数の点を、ポリゴンに置き換えることで、当該複数の点に関連データが関連付けられた結果をディスプレイ300に表示する。
たとえば、図18(a),(b)に示すように、データ処理装置100は、一部の点について関連データを関連付けできない場合、その関連付けの結果を、関連データを関連付けできた場合と異なる態様で、ポリゴンメッシュを用いて表示する。また、図18(a),(b)に示すように、データ処理装置100は、一部の点について誤って関連データを関連付けした場合、その関連付けの結果を、正しく関連データを関連付けできた他の点と異なる態様で、ポリゴンメッシュを用いて表示する。
このように、データ処理装置100の出力部1103は、入力部1102から入力された三次元データに対応する複数の点によって構成される歯牙を表すポリゴンメッシュによって、関連付け部1101による関連付けの結果を出力してもよい。
これにより、ユーザ1は、歯牙を構成する複数の点のそれぞれに対して関連データを関連付けた結果を、ポリゴンメッシュによって表すことができるため、立体的な画像によってより分かり易く歯牙を分類(セグメント化)することができ、歯牙と歯肉とを区別することもできる。
さらに、データ処理装置100は、入力された三次元データに対応する複数の点に対する関連データの関連付けの結果を、サーフェスモデルまたはソリッドモデルなどの3次元モデルを用いてディスプレイ300に表示してもよい。
(サービス提供処理時学習処理)
本実施の形態に係るデータ処理装置100は、図17に示すように、サービス提供処理において学習処理を実行するものではないが、図19に示すように、変形例に係るデータ処理装置100aは、サービス提供処理において学習処理を実行するものであってもよい。データ処理装置100は、所謂、協調学習(Federated Learning)を行うものであってもよい。図19は、変形例に係るデータ処理装置100aが実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図19に示すS41~S47の処理は、図17に示すS41~S47の処理と同じであるため、図19においては、S41~S47の処理についての詳細な説明を省略する。
図19に示すように、データ処理装置100aは、S41~S47の処理によって推定結果に基づき関連データを関連付けた結果を出力した後、サービス提供時学習処理を実行する。具体的には、データ処理装置100aは、S47の後、誤り訂正のための正解データが入力されたか否かを判定する(S61a)。たとえば、データ処理装置100aは、S45において推定された歯牙の種類が実際にスキャン対象であった歯牙の種類と異なる場合において、実際にスキャン対象であった歯牙の種類をユーザ1が入力することで誤りを訂正したか否かを判定する。
データ処理装置100aは、誤り訂正のための正解データが入力されなかった場合(S61aでNO)、本処理を終了する。一方、データ処理装置100aは、誤り訂正のための正解データが入力された場合(S61aでYES)、推定結果と正解データとに基づき報酬を付与する(S62a)。
たとえば、推定結果と正解データとの解離度が小さければ小さいほど、付与する報酬として値の小さいマイナスポイントを与え、両者の解離度が大きければ大きいほど、付与する報酬として値の大きいマイナスポイントを与えればよい。具体的には、データ処理装置100aは、推定結果として出力した歯牙と、正解データとして入力された歯牙とが隣接していれば、値の小さいマイナスポイントを与え、両者が離れていれば、値の大きいマイナスポイントを与える。このように、データ処理装置100aは、推定結果と正解データとの解離度に応じて異なる値の報酬を付与する。なお、報酬はマイナスポイントに限らず、プラスポイントであってもよい。
データ処理装置100aは、付与した報酬に基づき、学習済モデルのパラメータ1144を更新する(S63a)。たとえば、データ処理装置100aは、報酬として付与したマイナスポイントが0に近づくように学習済モデルのパラメータ1144を更新する。その後、データ処理装置100aは、本処理を終了する。
このように、変形例に係るデータ処理装置100aは、サービス提供処理においても学習処理を実行するため、ユーザ1が使用すればするほど推定処理の精度が向上し、より精度良く歯牙の種類を識別することができる。このような処理は、所謂、協調学習の一種である。
(カテゴリごとの学習済モデルの生成)
本実施の形態に係るデータ処理装置100は、図10に示すように、カテゴリごとに分類された複数の学習用データセット116a~116oが含まれる学習用データセット群を用いて推定モデル114を学習させることで、1つの学習済モデルを生成するものであったが、図20に示すように、変形例に係るデータ処理装置100bは、カテゴリごとに分類された複数の学習用データセットのそれぞれをカテゴリごとに用いて推定モデル114を学習させることで、カテゴリごとの学習済モデルを生成してもよい。図20は、変形例に係る学習用データセットに基づく学習済モデルの生成を説明するための模式図である。
図20に示すように、学習用データセット116は、当該学習用データセット116を生成する際にスキャン対象となった対象者2のプロファイルに基づきカテゴリごとに分類されて保持される。たとえば、年齢(未成年者,現役世代,高齢者)、および性別(男性,女性)に基づき、6個のカテゴリに対して、学習用データセットが割り当てられる。
変形例に係るデータ処理装置100bは、カテゴリごとに分類された複数の学習用データセット116p~116uのそれぞれをカテゴリごとに用いて推定モデル114を学習させることで、カテゴリごとの学習済モデル114p~114uを生成する。
このように、変形例に係るデータ処理装置100bは、カテゴリごとに分類された複数の学習済モデル114p~114uを生成することができるため、対象者2のプロファイルに応じたより詳細な分析によって、より精度良く歯牙の種類を識別することができる。
なお、図20に示す学習済モデル114p~114uの生成は、サーバ装置500が保持する学習済モデルの生成についても適用可能である。たとえば、図20に示す学習用データセット116p~116uを、サーバ装置500が保持する学習用データセット516に適用してもよいし、図20に示す学習済モデル114p~114uを、サーバ装置500が保持する学習済モデルに適用してもよい。
(カテゴリごとの学習済モデルを用いたサービス提供処理)
図21を参照しながら、カテゴリごとの学習済モデル114p~114uを用いてデータ処理装置100が実行するサービス提供処理について説明する。図21は、変形例に係るデータ処理装置100bが実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図21に示すS41、S42、S45~S47の処理は、図17に示すS41、S42、S45~S47の処理と同じであるため、図21においては、S41、S42、S45~S47の処理についての詳細な説明を省略する。
図21に示すように、データ処理装置100bは、所定の点に対応する三次元データが入力され(S41でYES)、かつユーザ1によって対象者2のプロファイルデータが入力されている場合(S42でYES)、図20に示す学習済モデル群の中からプロファイルデータに対応する学習済モデルを選択する(S61b)。たとえば、対象者2が高齢者の女性であれば、データ処理装置100bは、学習済モデル114uを選択する。
その後、データ処理装置100bは、三次元データを学習済モデルに入力する(S62b)。データ処理装置100bは、三次元データに対応する歯牙の特徴に基づき、学習済モデルを用いて当該歯牙の種類を推定する推定処理を実行し(S45)、推定処理によって得られた推定結果に基づき、推定された歯牙の種類を示す関連データ三次元データに関連付け(S46)、その関連付けの結果を出力する(S47)。
このように、変形例に係るデータ処理装置100bは、対象者2のプロファイルに最も適した学習済モデルを用いて推定処理を実行することができるため、対象者2のプロファイルに応じたより詳細な分析によって、より精度良く歯牙の種類を識別することができる。
(プロファイルの出力)
本実施の形態に係るデータ処理装置100は、推定処理によって、歯牙の種類を識別するものであった。しかし、図10および図22に示すように、対象者2のプロファイルを考慮した学習用データセットに基づき学習済モデルが生成されることに鑑みると、推定処理において三次元データが学習済モデルに入力されることで、当該三次元データに対応する歯牙の特徴に基づき、当該歯牙の所有者のプロファイルが推定結果として出力されてもよい。このようにすれば、災害や事件などで発見された身元不明の対象者2について、歯牙を含む三次元データからプロファイルを特定することができる。
(学習処理)
本実施の形態に係るデータ処理装置100は、学習処理によって推定モデル114のパラメータ1144を更新するものであったが、パラメータ1144を更新するものに限らず、学習処理によってニューラルネットワーク1142が更新される(たとえば、ニューラルネットワーク1142のアルゴリズムが更新される)ものであってもよい。また、本実施の形態に係るサーバ装置500は、学習処理によって推定モデル514のパラメータを更新するものであったが、パラメータを更新するものに限らず、学習処理によってニューラルネットワークが更新される(たとえば、ニューラルネットワークのアルゴリズムが更新される)ものであってもよい。
(法線および/または色情報を用いた識別)
図22は、変形例に係る学習用データセットの一例を説明するための模式図である。変形例に係るデータ処理装置100cは、三次元スキャナ200によって取得された三次元データに含まれる位置情報に加えて、歯牙の実際の色情報を推定モデル114に入力することで、推定モデル114を学習してもよい。
たとえば、図9を用いて説明したように、学習用データセットには、推定モデル114に対する入力データである位置情報と、正解データである歯牙の種類に対応付けられた色分け後の色情報とが含まれているが、これに加えて、図22に示すように、色分け前の歯牙の色情報が含まれてもよい。そして、学習処理においては、推定モデル114に対して位置情報に加えて色分け前の歯牙の色情報が入力されることで、歯牙の実際の色情報も考慮して、学習済モデルが生成されてもよい。
さらに、学習用データセットには、推定モデル114に対する入力データである位置情報と、正解データである歯牙の種類に対応付けられた色分け後の色情報とに加えて、図22に示すように、位置情報に基づき算出可能な法線情報が含まれてもよい。そして、学習処理においては、推定モデル114に対して位置情報に加えて法線情報が入力されることで、法線情報も考慮して、学習済モデルが生成されてもよい。
法線情報は、たとえば、以下のようにして算出することができる。たとえば、歯牙を構成する複数の点のうち、一の点に注目し、その注目点の近傍の所定範囲内に属する複数の点に基づいて、注目点の法線を生成する。具体的には、注目点の法線は、注目点の近傍の所定範囲内に属する複数の点に対し、主成分分析を用いて生成することができる。主成分分析は、一般的に、分散共分散行列を計算することで実施することができる。この分散共分散行列の計算において固有ベクトルを計算し、主成分方向を注目点の法線として生成すればよい。なお、点群におけるある点に対する法線の生成方法は公知であるため、一般的に知られているその他の技術を用いてもよい。
このように、学習用データセットに法線情報を加えることで、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおいて、各点が構成する歯牙のどちら側が表面なのかについてもデータ処理装置が学習することができる。また、注目点の近傍の所定範囲内に属する少数の点群のみに基づいて窪みなどの形状の特徴をデータ処理装置が学習することができる。
なお、学習用データセットには、色分け前の歯牙の色情報と法線情報との両方が含まれてもよいし、一方のみが含まれてもよい。
次に、色分け前の歯牙の色情報および法線情報を含む学習用データセットに基づき学習された学習済モデルを用いて推定処理を実行するサービス提供処理について、図23を参照しながら説明する。図23は、変形例に係るデータ処理装置100cが実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図23に示すS41、S42、S45~S47の処理は、図17に示すS41、S42、S45~S47の処理と同じであるため、図23においては、S41、S42、S45~S47の処理についての詳細な説明を省略する。
図23に示すように、変形例に係るデータ処理装置100cは、図17に示したデータ処理装置100が実行するサービス提供処理と異なり、S61cの処理を追加で実行する。すなわち、データ処理装置100cは、所定の点に対応する三次元データが入力された後(S41でYES)、入力された三次元データに含まれる位置情報に基づき、歯牙を構成する点における法線を生成する(S61c)。なお、入力された三次元データには、位置情報に加えて色分け前の歯牙の色情報が含まれている。
その後、データ処理装置100cは、プロファイルデータが入力されていない場合(S42でNO)、三次元データに加えて法線情報を学習済モデルに入力する(S62c)。一方、データ処理装置100cは、プロファイルデータが入力されている場合(S42でYES)、三次元データおよびプロファイルデータに加えて法線情報を学習済モデルに入力する(S63c)。そして、S62cおよびS63cの後、データ処理装置100cは、学習済モデルを用いて歯牙の種類を推定する推定処理を実行する(S45)。
このように、変形例に係るデータ処理装置100cは、色分け前の歯牙の色情報、および三次元データに対応する歯牙を構成する複数の点のそれぞれについて生成された法線にさらに基づき、歯牙の種類を識別してもよい。なお、データ処理装置100cには、色分け前の歯牙の色情報が入力される一方で、法線情報が入力されない場合であってもよい。あるいは、データ処理装置100cには、法線情報が入力される一方で、色分け前の歯牙の色情報が入力されない場合であってもよい。
このように、データ処理装置100cは、色分け前の歯牙の色情報、および/または複数の点のそれぞれについて生成された法線に基づき歯牙の種類を識別することができるため、より精度良く歯牙の種類を識別することができる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。なお、本実施の形態で例示された構成および変形例で例示された構成は、適宜組み合わせることができる。
1 ユーザ、2 対象者、5 ネットワーク、10 データ処理システム、100,100a,100b データ処理装置、102 スキャナインターフェース、103,503 ディスプレイインターフェース、105,505 周辺機器インターフェース、106,506 ネットワークコントローラ、107,507 メディア読取装置、108 PCディスプレイ、109,509 メモリ、110,510 ストレージ、112,512 スキャン情報、114,514 推定モデル、114a,514a 学習済モデル、116,516 学習用データセット、118,518 色分類データ、119,519 プロファイルデータ、120 データ処理用プログラム、121,521 学習用プログラム、122,522 三次元データ、124,524 推定結果、127,527 OS、130,530 演算装置、200 三次元スキャナ、300,350 ディスプレイ、500 サーバ装置、550 リムーバブルディスク、601,651 キーボード、602,652 マウス、1102 入力部、1103 出力部、1119 プロファイル取得部、1130 推定部、1142 ニューラルネットワーク、1144 パラメータ。

Claims (13)

  1. 歯牙の種類に関連するデータを処理するデータ処理装置であって、
    歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データが入力される入力部と、
    前記入力部から入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワークを含む推定モデルとに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付ける関連付け部と、
    前記関連付け部による関連付けの結果を出力する出力部とを備える、データ処理装置。
  2. 前記入力部から入力された三次元データと、前記推定モデルとに基づき、当該三次元データに対応する複数の点ごとに歯牙の種類を推定する推定部を備え、
    前記関連付け部は、前記推定部による推定結果に基づき、前記入力部から入力された三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して前記関連データを関連付ける、請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 前記推定部は、前記入力部から入力された一の三次元データについて、当該一の三次元データの特定範囲内に含まれる他の三次元データとの関係に基づき、当該一の三次元データに対応する点における歯牙の種類を推定する、請求項2に記載のデータ処理装置。
  4. 前記推定部は、前記入力部から入力された三次元データに対応する複数の点ごとに生成された法線にさらに基づき、当該複数の点ごとに歯牙の種類を推定する、請求項2または請求項3に記載のデータ処理装置。
  5. 前記関連付け部は、前記入力部から入力された一の三次元データに対応する点に対して前記関連データを関連付けた後、当該一の三次元データの特定範囲内に含まれる他の三次元データに対応する点に対して関連付けた前記関連データに基づき、当該一の三次元データに対応する点に対して関連付けた前記関連データを変更する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
  6. 前記推定モデルは、歯牙を構成する複数の点のそれぞれに対応付けられた歯牙の種類と、当該複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを用いた当該歯牙の種類の推定結果とに基づき学習されたものである、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
  7. 前記入力部から入力された三次元データは、口腔内の歯牙および歯肉を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
  8. 前記関連データは、歯牙の種類に対応する色、文字、数字、および記号の少なくともいずれか1つを含む、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
  9. 前記出力部は、前記入力部から入力された三次元データに対応する複数の点を表す点群表示によって、前記関連付け部による関連付けの結果を出力する、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
  10. 前記出力部は、前記入力部から入力された三次元データに対応する複数の点によって構成される歯牙を表すポリゴンメッシュによって、前記関連付け部による関連付けの結果を出力する、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
  11. 歯牙の種類に関連するデータを処理するデータ処理システムであって、
    三次元カメラを用いて、歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データを取得する三次元スキャナと、
    前記三次元スキャナによって取得された三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けるデータ処理装置とを備え、
    前記データ処理装置は、
    前記三次元スキャナによって取得された三次元データが入力される入力部と、
    前記入力部から入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワークを含む推定モデルとに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付ける関連付け部と、
    前記関連付け部による関連付けの結果を出力する出力部とを含む、データ処理システム。
  12. コンピュータによる歯牙の種類に関連するデータを処理するデータ処理方法であって、
    歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データが入力されるステップと、
    前記入力されるステップによって入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワークを含む推定モデルとに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けるステップと、
    前記関連付けるステップによる関連付けの結果を出力するステップとを含む、データ処理方法。
  13. 歯牙の種類に関連するデータを処理するデータ処理用プログラムであって、
    前記データ処理用プログラムは、コンピュータに、
    歯牙を構成する複数の点のそれぞれにおける三次元の位置情報を含む三次元データが入力されるステップと、
    前記入力されるステップによって入力された三次元データと、当該三次元データに基づき歯牙の種類を推定するためのニューラルネットワークを含む推定モデルとに基づき、当該三次元データに対応する複数の点のそれぞれに対して歯牙の種類に関連する関連データを関連付けるステップと、
    前記関連付けるステップによる関連付けの結果を出力するステップとを実行させる、データ処理用プログラム。
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