JP2022011232A - タンパク質合成阻害抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミオスタチン発現抑制作用に基づいてタンパク質合成の阻害を抑制できる内服薬の提供。【解決手段】当帰、川きゅう、芍薬及び地黄を構成生薬として含む漢方薬のエキスである、加味四物湯エキスを含有するタンパク質合成阻害抑制剤によって、ミオスタチン発現抑制作用に基づいてタンパク質合成の阻害を抑制することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、タンパク質合成阻害抑制剤に関する。
タンパク質は、筋肉や結合組織等の体の構成成分としてだけでなく、酵素、ホルモン、免疫抗体等の生理機能物質としても重要な役割を果たしている(非特許文献1、2)。
また、筋肉の機能は加齢及び/又は慢性的な運動不足等に伴って低下する。筋肉の機能低下は直ちに命に係わるものではないが、極めて高い頻度で認められ、生活の質の低下を来たし、生命予後に多大な影響を及ぼす。従って、筋肉の機能低下に対する予防や改善への取り組みは、健康寿命を延ばす点で重要である。厚生労働省は、筋肉の機能低下を抑制するために、高齢者に対して十分な量のタンパク質を摂取することを推奨しており、具体的なタンパク質摂取推奨量は、65歳以上の場合、男性で1日に60g以上、女性で1日に50g以上である(非特許文献3)。
ミオスタチンは筋肉のタンパク質合成の負の調節因子であり、魚類から哺乳動物までの広範囲の様々な種に見出され、ミオスタチンタンパク質は種間において高度に保存されている(特許文献1)。ミオスタチンは、筋肉消耗または筋萎縮に関連する数多くの障害において、あるいは、加齢に伴うサルコペニアにおいても関与している。また、血液中のインスリン量が多いほど血液中のミオスタチン量も多くなることが明らかになっており、ミオスタチン量とインスリン量との間に重要な関連があることも報告されている(非特許文献4)。
従って、ミオスタチンの産生を抑制する成分や薬剤について、様々な医療機会への応用が期待されている。ミオスタチンの働きを抑制する薬剤として、ミオスタチンアンタゴニストが開発されており、具体的には、抗ミオスタチン抗体(特許文献2)、切断されたアクチビンIIB型受容体、ミオスタチンプロドメインおよびフォリスタチン(特許文献3)、WMCPPドメインを含む小ペプチド(特許文献4)等が挙げられる。
わかりやすい栄養学 第2版、中村美知子編集、ヌーヴェルヒロカワ、2005年 改定4版 臨床栄養ディクショナリー、橋爪孝雄監修、メディカ出版、2009年 日本人の食事摂取基準(2020年版)、厚生労働省 Diabetes Research and Clinical Practice, Volume 142, August 2018, p.195-202
特開2016-130251公報 米国特許第6096506号 出願公開第2002/085306号 米国特許出願公開第2004/0181033号明細書
これまで開発されているミオスタチンの働きを抑制する薬剤はいずれも、これまで生体に適用されてこなかった新しい薬剤であるため、実用化までのハードルが高く、未だ臨床使用には至っていない。そこで、これまで使用されてきた薬剤でミオスタチンの働きを抑制できるものがあれば、速やかな実用化が期待できる。
本発明は、ミオスタチン発現抑制作用に基づいてタンパク質合成の阻害を抑制できる内服薬を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、所定の生薬を含む漢方薬のエキスに、ミオスタチン発現抑制作用があることを見出した。本発明は、この知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 当帰、川きゅう、芍薬及び地黄を構成生薬として含む漢方薬のエキスを含有する、タンパク質合成阻害抑制剤。
項2. 前記漢方薬が四物湯である、項1に記載のタンパク質合成阻害抑制剤。
項3. 前記漢方薬が加味四物湯である、項1に記載のタンパク質合成阻害抑制剤。
項4. 身体虚弱でない対象に用いられる、項1~3のいずれかに記載のタンパク質合成阻害抑制剤。
項5. ミオスタチンが過剰な対象に用いられる、項1~4のいずれかに記載のタンパク質合成阻害抑制剤。
項6. 65歳以上で、タンパク質摂取量が男性で1日に60g未満、女性で1日に50g未満である人に用いられる、項1~5のいずれかに記載のタンパク質合成阻害抑制剤。
本発明によれば、ミオスタチン発現抑制作用に基づいてタンパク質合成阻害抑制できる内服薬が提供される。
本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、所定の生薬を含む漢方薬のエキスを含有することを特徴とする。以下、本発明のタンパク質合成阻害抑制剤について詳述する。
有効成分
本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、当帰、川きゅう、芍薬及び地黄を構成生薬として含む漢方薬のエキスを含有する。ここで、当帰とは、セリ科トウキの根;川きゅうとは、セリ科センキュウの根茎を湯通ししたもの;芍薬とは、ボタン科シャクヤク等の根;地黄とは、ゴマノハグサ科カヤジオウ等の根である。
本発明で用いられる漢方薬の具体例としては、四物湯、加味四物湯、猪苓湯合四物湯、きゅう帰膠艾湯、七物降下湯、温清飲、連珠飲、十全大補湯、当帰飲子、滋腎通耳湯、清熱補血湯、滋腎明目湯、加味逍遙散加川きゅう地黄、柴胡清肝湯、大防風湯、荊芥連翹湯、疎経活血湯、洗肝明目湯が挙げられる。これらの漢方薬は、一種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上記の漢方薬の中でも、好ましくは加味四物湯が挙げられる。加味四物湯は、中国明時代の医書「万病回春」に記載されており、当帰、川きゅう、芍薬、地黄、蒼朮、麦門冬、人参、牛膝、黄柏、五味子、黄連、知母、及び杜仲を含む混合生薬である。加味四物湯に含まれる生薬の内、蒼朮は、白朮(キク科オケラの根茎)と置換又は併用されていてもよい。
漢方薬の構成生薬において、当帰、川きゅう、芍薬及び地黄の混合比については特に制限されないが、通常、当帰1~2重量部、好ましくは1.25~1.5重量部;川きゅう0.75~2重量部、好ましくは1~1.5重量部;芍薬0.75~2重量部、好ましくは1~1.5重量部;地黄1.2~4.25重量部、好ましくは1.5~4重量部が挙げられる。
本発明において、漢方薬として四物湯を用いる場合、四物湯を構成する当帰、川きゅう、芍薬及び地黄の混合比は上述の通りであり、好ましくは、当帰1重量部、川きゅう1重量部、芍薬1重量部、地黄1重量部が挙げられる。
本発明において、漢方薬として加味四物湯を用いる場合、加味四物湯を構成する生薬の混合比については特に制限されないが、通常、当帰1~2重量部、好ましくは1.25~1.5重量部;川きゅう0.75~2重量部、好ましくは1~1.5重量部;芍薬0.75~2重量部、好ましくは1~1.5重量部;地黄1.2~4.25重量部、好ましくは1.5~4重量部;蒼朮1~2重量部、好ましくは1.5重量部(白朮の場合、1~1.5重量部、好ましくは1.25重量部);麦門冬1~3重量部、好ましくは1.25~2.5重量部;人参0.5~1.5重量部、好ましくは0.75~1.25重量部;牛膝0.25~1.5重量部、好ましくは0.5~1.25重量部;黄柏0.5~1重量部、好ましくは0.75重量部;五味子0.25~1重量部、好ましくは0.5~0.75重量部;黄連0.5~1重量部、好ましくは0.75重量部;知母0.25~1重量部、好ましくは0.5~0.75重量部;及び杜仲0.5~1.5重量部、好ましくは0.75~1重量部が挙げられる。
本発明で使用される加味四物湯エキスの製造に供される生薬調合物の好適な例としては、当帰1.5重量部、川きゅう1.5重量部、芍薬1.5重量部、地黄1.5重量部、蒼朮1.5重量部、麦門冬2.5重量部、人参1.2重量部、牛膝1.25重量部、黄柏0.75重量部、五味子0.75重量部、黄連0.75重量部、知母0.75重量部、及び杜仲0.75重量部が挙げられる。
漢方薬のエキスの形態としては、流エキス、軟エキス等の液状のエキス、又は固形状の乾燥エキス末のいずれであってもよい。
漢方薬の液状のエキスは、各漢方薬に従った混合生薬を抽出処理し、得られた抽出液を必要に応じて濃縮することにより得ることができる。抽出処理に使用される抽出溶媒としては、特に限定されず、水又は含水エタノールが挙げられる。また、漢方薬の乾燥エキス末は、液状のエキスを乾燥処理することにより得ることができる。乾燥処理の方法としては特に限定されず、例えば、スプレードライ法や、エキスの濃度を高めた軟エキスに適当な吸着剤(例えば無水ケイ酸、デンプン等)を加えて吸着末とする方法等が挙げられる。
本発明において、漢方薬のエキスとしては、前述の方法で調製したエキスを使用してもよいし、市販されるものを使用してもよい。例えば、四物湯の乾燥エキス末としては、四物湯エキス-M(日本粉末薬品株式会社製)等、加味四物湯の乾燥エキス末としては、加味四物湯乾燥エキス(日本粉末薬品株式会社製)等が商品として知られており、商業的に入手することもできる。
本発明のタンパク質合成阻害抑制剤において、漢方薬のエキスの含有量としては、本発明の効果を奏する限り、特に限定されないが、漢方薬のエキスの乾燥エキス末量換算で、通常10~100重量%、好ましくは20~90重量%、より好ましくは40~80重量%、更に好ましくは60~70重量%が挙げられる。なお、本発明において、漢方薬の乾燥エキス末量換算とは、漢方薬の乾燥エキス末を使用する場合にはそれ自体の量であり漢方薬の液状のエキスを使用する場合には、溶媒を除去した残量に換算した量である。また、漢方薬の乾燥エキス末が、製造時に添加される吸着剤等の添加剤を含む場合は、当該添加剤を除いた量である。
その他の成分
本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、上記所定の漢方薬のエキス単独からなるものであってもよく、製剤形態に応じた添加剤や基剤を含んでいてもよい。このような添加剤及び基剤としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、等張化剤、可塑剤、分散剤、乳化剤、溶解補助剤、湿潤化剤、安定化剤、懸濁化剤、粘着剤、コーティング剤、光沢化剤、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、低級アルコール類、多価アルコール、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、矯味剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの添加剤及び基剤の含有量については、使用する添加剤及び基剤の種類、タンパク質合成阻害抑制剤の製剤形態等に応じて適宜設定される。
また、本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、上記所定の漢方薬のエキスの他に、必要に応じて、他の栄養成分や薬理成分を含有していてもよい。このような栄養成分や薬理成分としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、制酸剤、健胃剤、消化剤、整腸剤、鎮痙剤、粘膜修復剤、抗炎症剤、収れん剤、鎮吐剤、鎮咳剤、去痰剤、消炎酵素剤、鎮静催眠剤、抗ヒスタミン剤、カフェイン類、強心利尿剤、抗菌剤、血管収縮剤、血管拡張剤、局所麻酔剤、生薬エキス、ビタミン類、メントール類等が挙げられる。これらの栄養成分や薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの成分の含有量については、使用する成分の種類等に応じて適宜設定される。
製剤形態
本発明のタンパク質合成阻害抑制剤の製剤形態については、経口投与が可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、トローチ剤、チュアブル剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、丸剤等の固形状製剤;ゼリー剤等の半固形状製剤;液剤、懸濁剤、シロップ剤等の液状製剤が挙げられ、好ましくは顆粒剤が挙げられる。
製造方法
本発明のタンパク質合成阻害抑制剤の製造方法は、上記の成分を用いて、医薬分野で採用されている通常の製剤化手法に従って製剤化すればよい。
用途
本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、タンパク質合成の阻害を抑制する目的で使用される。本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、ミオスタチンの発現を抑制する作用を利用してタンパク質合成の阻害を抑制するため、より具体的には、本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、ミオスタチンが過剰である対象に用いることができる。このような対象としては、インスリンが過剰である対象が挙げられ、より具体的には、糖尿病、内臓肥満等が挙げられる。
また、加齢とともに筋肉を合成する作用が衰えることで相対的にミオスタチンが優位となる。中でも有酸素運動を行わない人ではミオスタチンレベルが下がらないため、相対的に一層高いミオスタチンが維持されている。従って、本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、高齢者(65歳以上)、特に有酸素運動を行わない高齢者に好ましく適用される。
さらに、加味四物湯等の漢方薬のエキスは、これまで身体虚弱な人に対して適用されてきたが、本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、身体虚弱でない対象つまり健常者、特に、身体虚弱が無く65歳以上の人、つまり健常高齢者に対しても、好ましく適用される。なお、身体虚弱とは、漢方薬の適応となる体質として明確である。
これまで、筋肉の衰えを予防又は改善することを目的とした成分を摂取する場合、効果を得るためには、筋肉の構成要素となるタンパク質(アミノ酸)を十分に摂取することが大前提であった。具体的には、タンパク質摂取推奨量は、65歳以上の場合、男性で1日に60g以上、女性で1日に50g以上である必要がある。しかしながら、本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、タンパク質合成の阻害を抑制する効果、具体的には筋肉合成の負の制御因子であるミオスタチンの発現を抑制する効果を利用するため、タンパク質の摂取量とは関係なく、効果的にタンパク質合成の阻害を抑制することができる。従って、タンパク質摂取量が比較的少なくても、タンパク質合成の阻害を抑制することで、栄養から効率的に筋肉等のタンパク質を作ることができる。従って、本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、65歳以上で、タンパク質摂取量が男性で1日に60g未満、好ましくは52g以下、女性で1日に50g未満、好ましくは44g以下である人に対しても好ましく適用される。
用量・用法
本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、経口投与によって使用される。本発明のタンパク質合成阻害抑制剤の用量については、漢方薬の種類、投与対象者の年齢、体質、症状の程度等に応じて適宜設定されるが、例えば、ヒトに対して1日当たり、漢方薬のエキスのエキス末量換算で1000~10000mg程度が挙げられる。
本発明において、漢方薬として加味四物湯を用いる場合、タンパク質合成阻害抑制剤の用量は、加味四物湯エキスの乾燥エキス末量換算で1500~8500mg程度、好ましくは2000~6500mg程度、より好ましくは2400~4500mg程度となる量、又は、原生薬換算量で6000~34000mg程度、好ましくは8000~26000mg、より好ましくは9600~18000mg程度、さらに好ましくはとなる量で、1日1~3回、好ましくは2又は3回の頻度で服用すればよい。服用タイミングについては、特に制限されず、食前、食後、又は食間のいずれであってもよいが、食前(食事の30分前)又は食間(食後2時間後)が好ましい。
また、本発明のタンパク質合成阻害抑制剤によるタンパク質合成の阻害を抑制する効果は、継続的な服用によって奏されるので、本発明のタンパク質合成阻害抑制剤は、継続的な服用(具体的には1週間以上、好ましくは2週間以上の継続的な服用)を行うことが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)タンパク質合成阻害抑制剤の調製
原料生薬として、当帰1.5重量部、川きゅう1.5重量部、芍薬1.5重量部、地黄1.5重量部、蒼朮1.5重量部、麦門冬2.5重量部、人参1.2重量部、牛膝1.25重量部、黄柏0.75重量部、五味子0.75重量部、黄連0.75重量部、知母0.75重量部、及び杜仲0.75重量部を用い、これらを刻んだ後、水10倍重量を用いて約100℃で1時間抽出し、遠心分離して抽出液を得た。抽出液に適宜賦形剤を添加し、減圧下で濃縮してスプレードライヤーを用いて乾燥し、加味四物湯エキス末を得た。なお、スプレードライヤーによる乾燥は、抽出液を回転数10000rpmのアトマイザーに落下させ、150℃の空気の熱風を供給して行った。
(2)動物実験
高齢モデルマウス(C57BL/6Jマウス、72週齢、雄、1群あたり6匹)を使用し、コントロール群はタンパク質量21.9重量%の餌を毎日自由摂食させて飼育し2週間飼育した。また、加味四物湯エキス投与群には、通常食に加えて、原生薬換算量で1980mg/kgの加味四物湯エキスを毎日経口投与し2週間飼育した。なお、通常、若齢マウスにおいてタンパク質合成阻害抑制効果を調べる場合、餌中のタンパク質含量は十分なタンパク質摂取ができるよう、具体的には25重量%以上となるように調整される。ヒト(男性)における推奨タンパク質摂取量が15~64歳で65g/日である一方、65歳以上の高齢における推奨タンパク質摂取量は約8%少ない60g/日である。本試験例において設定した餌中のタンパク質量21.9重量%は、通常の若齢マウスに給餌する25重量%の12%以上も少ない低タンパク質であり、ヒトの65歳以上の男性の推奨タンパク質摂取量60g/日よりも少ない量に該当する。
2週間の飼育後、ヒラメ筋を摘出し、ミオスタチンの発現量を解析し、平均値を用いて、コントロール群におけるミオスタチンの発現量を100とする加味四物湯投与群の相対値を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2022011232000001
表1に示すとおり、加味四物湯投与群においてミオスタチンの発現量の顕著な低減が認められた。

Claims (6)

  1. 当帰、川きゅう、芍薬及び地黄を構成生薬として含む漢方薬のエキスを含有する、タンパク質合成阻害抑制剤。
  2. 前記漢方薬が四物湯である、請求項1に記載のタンパク質合成阻害抑制剤。
  3. 前記漢方薬が加味四物湯である、請求項1に記載のタンパク質合成阻害抑制剤。
  4. 身体虚弱でない対象に用いられる、請求項1~3のいずれかに記載のタンパク質合成阻害抑制剤。
  5. ミオスタチンが過剰な対象に用いられる、請求項1~4のいずれかに記載のタンパク質合成阻害抑制剤。
  6. 65歳以上で、タンパク質摂取量が男性で1日に60g未満、女性で1日に50g未満である人に用いられる、請求項1~5のいずれかに記載のタンパク質合成阻害抑制剤。
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