JP2022011129A - 流水発電装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、多くの河川では、水の流れが緩やかであり、水車を回転させるために十分な力を得られないことも多かった。そこで、水の流れが緩やかな河川であっても、水力発電が可能な装置が求められていた。
また、台風、大雨等の災害の際、設置した水力発電装置が流木等によって破壊される可能性があった。そこで、災害時に、装置の破壊を回避する構造が求められていた。
しかしながら、一般的な水車を使用することから流れが穏やかな水流での発電効率は高いとは言えない。また洪水等に対する水車の避難方法については記載されていない。そのため、本発明の課題を解決していない。
また、水車、発電機等を上方に退避できるので、洪水等による装置の破壊を回避でき、装置の安全を容易に確保することができる。
以下、本発明に係る流水発電装置の実施形態を、図面に基づいて説明する。
枠体10は、流水発電装置1の全体を構成するものであり、昇降部19を昇降可能に保持する構造である。上部に、昇降板20等を昇降させるための吊り上げ部80を配置している。側面に昇降時の吊り上げ負担を低減するための吊り上げ補助部70を配置している(図1)。
主柱11は、枠体10の主な構造である。本実施例では、5本の主柱11を用いている。5本の主柱11で直接的または間接的に水車部30等の昇降部分を保持している。主柱11のうち、2本は、水車部30の軸36を保持している。また、2本の主柱11には、吊り上げ補助部70が設置させている。また、吊り上げ部80付近の2つの主柱は吊り上げ部80のクレーン強度に対して備えるためのものである。
装置の固定には、通常、深堀り工事により、川底に基礎を作る方法もある。しかし、深堀り工事では、川底への大掛かりな作業が必要となり、作業時間、作業費用の増大となり好ましくない。砂潜り部14を用いることで、枠体10の川上、川下部分の川底を一部掘り下げ、地場砂利を充填するという、比較的軽度の作業で枠体10を固定することが出来る。
水車部30の水受部60と水位との関係を最適にする場合は、シャフト基端部のONスイッチが上下2か所とし、その中間がOFFとし、上部スイッチONで水車部30等を昇動、下部スイッチONで水車部30等を降動する方法が考えらえる。
昇降板20は、水車部30と発電部50を支える部分であり、水流の水位に応じて、昇降する板である(図1(a)、図5(a))。昇降板20は、軸受け部21と吊り上げリング22と吊り上げワイヤ23とを備える。
軸受け部21を3つとすることで、軸36の軸を伸ばし、昇降板20の端部でも軸36を支えることができるようにしている。発電部50用に2つの軸受け部21が配置されている。
水車部30は、河川の流水の力を回転運動に変える部分である。通常の回転部分が1つである水車と異なり、2組のチェインホイール31を連結するチェイン20に水受部60が配置される構造である(図1)。
水車部30は、チェイン40、水受部60、チェインホイール31、チェインレール32、レール支持金具33、アングル34、チェイン支持板35、軸36及び親ギア37から成る。左右一対のチェインホイール31を2組持ち、チェインホイール31間を一対の環状のチェイン40で連結している。この構成は、チェインコンベアとも言われる。この、一対のチェイン40を跨ぐ形で、水受部60が配置されている。
チェイン40が、チェインレール32上を走るのではなく、ローラ42がチェインレール32上を走るので、走行負荷の軽減、摩擦の軽減が可能である。
発電部50は、運動エネルギを電気エネルギに変換する部分である。流水の力が、水受部60、チェイン40、チェインホイール31、軸36、親ギア37を介して発電部50に伝わる。
本実施例では、川下側の軸36から発電部50に連結されたが、川上側の軸36から発電部50に連結されても良い。
吊り上げ補助部70は、昇降板20、水車部30、発電部50から成る昇降部19を、適宜、昇降させる際の吊り上げ部の負担を軽減するための構造でインクラインを利用したものである。吊り上げ補助部70は、錘71、滑車72、補助用ワイヤ73から成る。
吊り上げ部80は、昇降部19を吊り上げる部分である。吊り上げ部80は、アーム81、モータ82、吊り上げ滑車83、ワイヤ84、フック85、ラックギア86、ハンドル87から成る。
図5に沿って、昇降部19の昇降動作について説明する。昇降部19を上昇させるのは、主に、洪水等の際に、流水発電装置1内に流木等が入り込み、水車部30を破壊してしまうことを防ぐためである。また、予備的に、流水の水位に応じて、昇降部19の高さを微調整することもできる。
モータ82は、減速装置を内蔵したリングコーン型である。リングコーン型モータを用いることで、所定の回転速度を得られる。
また、錘71の重量と昇降部19の重量を同等とすることで、最小限のモータ力で昇降を行うことができる。錘71の重量と昇降部19の重量を同等とすることで、流水発電装置1の大きさが100m以上となった場合も、容易に昇降させることができる。
このように、昇降部19を上下動させることによって、洪水等での流木等の障害物による装置の破壊を避けることができる。
図6に沿って、蛇籠締め、スパイクピンによる流水発電装置1の固定について説明する。
流水発電装置1は、砂潜り部14に地場砂利を充填することによって、固定することができるが、方法として、ピン孔15にスパイクピンSを挿入することで、さらに強固に固定することができる。スパイクピンSは、鉄筋であり、幅方向に、凸凹があり、川底に打ち込んだ後、容易に抜けない構造である。スパイクピンSとスパイクピン用ワッシャSWを組み合わせたものをピン孔15に挿入し、川底に打ち込むことで、スパイクピン用ワッシャSWとピン孔15との関係で、流水発電装置1を固定することができる。
また、ピン孔15に、スパイクピンSを挿入し、上に重しを載せて突き刺す形でも良い。また、上の重しを、ピン孔15を使って、縛る形でも良い。
また、装置の手前の障害物を受流して、他の流れに放流させるのも蛇籠Jの役目である。
図7に沿って、チェイン支持板35について説明する。図7は、チェイン支持板を説明するための模式図である。図7(a)は、チェイン支持板65が無い場合、図7(b)がある場合である。
このように、チェインを支持できるので、チェインの弛みを解消することが出来、2つのチェインホイール31間の間隔を大きくとることができるので、大きな発電力を得ることができる。
チェイン支持板35をチェイン40の上側に対して設置する例を説明したが、チェイン40の下側に対しても同様に設置し、チェイン40の弛みを防止しても良い。その際は、チェイン支持板35は、Uの字型で、下から昇降板20に固定する構造となる。
実施例1によって、水力発電において、水の流れが緩やかな河川であっても、十分な電力を得られ、且つ、洪水等に装置のメイン部分を避難できる。
実施例1の水力発電において、河川の水量の増減に応じて、吊り上げ部80のワイヤによる吊り上げ量を変えることで、昇降部19の上下方向の位置を調整できる。
しかしながら、昇降部19が吊り上げられ、枠体10から浮いている状態であることから水量の変化や風などで、昇降部19が不安定となることが考えられる。
そこで、昇降部19を枠体10に対して任意の位置で、固定する構造が求められていた。
また、昇降部固定用100の上部は主柱11の最上部に穴あきの平鋼板の穴の中に入れて突き出た棒の上に丸型平鋼板を止めて、これをマグネットで上方に引き上げる構造でもよい。
主柱11の側面には、固定ピン受部109が固定され、固定ピン106の先端が固定ピン受部109の鋸状突起と噛み合う構造である。
固定ピン受部109の鋸状突起は、例えば、1500mm程度である。どの川に於いても通常流水の3倍迄はほとんど流木等の粗大物品は無いからである。本実施例では、500mm稼働故に3倍迄は稼働許容範囲内とした。固定ピン受部109の鋸状突起のサイズは、例えば、1500×100巾である。
固定ピン106は、固定ピン用引きバネ107、引きバネ受108によって、クランクシャフト103と弾性を持って固定されている。
水力発電運転中は、昇降部固定用錘101によって、所定の位置まで、クランクシャフト103が回転し、クランクシャフト103から固定ピン106に所定の付勢が発生し、固定ピン106は、固定ピン受部109側に押され、固定ピン受部109と噛み合い、固定ピン106と固定ピン受部109は一体化する。固定ピン106は、昇降部19側にあり、固定ピン受部109側は枠体10側にあることから、昇降部19は枠体10に固定されることになる。
昇降部19を上下に移動させる際は、昇降部固定用レバー棒100に接続された電動マグネットを動作させ、昇降部固定用レバー棒100を所定量上部に引き上げる。昇降部固定用レバー棒100が引き上げられることで、クランクシャフト103が所定量回転し、固定ピン106に対する付勢量が減少する。固定ピン106は、クランクシャフト103側に戻され、固定ピン106と固定ピン受部109との噛み合いは解消され、固定ピン106は、固定ピン受部109に対して移動可能となる。結果的に、昇降部19は枠体10から分離され、移動可能となる。
10 枠体
11 主柱
12 流水ガイド部
13 集水部
14 砂潜り部
15 ピン孔
16 水位検出部
19 昇降部
20 昇降板
21 軸受け部
22 吊り上げリング
23 吊り上げワイヤ
30 水車部
31 チェインホイール
32 チェインレール
33 レール支持金具
34 アングル
35 チェイン支持板
36 軸
37 親ギア
40 チェイン
41 チェイン支持ピン
42 ローラ
43 ワッシャ
44 スナップリング
45 外側チェイン胴体
46 内側チェイン胴体
471 水受部用ボルト
472 水受部用ナット
473 水受部用ワッシャ
50 発電部
51 子ギア
52 発電機
60 水受部
61 平板部
611 固定板
612 調整板
62 側板
63 補強部
64 ゴム板
65 接続部
66 長孔
67 ゴム板取付ビス
70 吊り上げ補助部
71 錘
72 滑車
73 補助用ワイヤ
80 吊り上げ部
81 アーム
82 モータ
83 吊り上げ滑車
84 ワイヤ
85 フック
86 ラックギア
87 ハンドル
100 昇降部固定用レバー棒
101 昇降部固定用錘
102 クランクシャフト固定板
103 クランクシャフト
104 クランクシャフト固定枠
105 クランクシャフト押受板
106 昇降部固定ピン
107 固定ピン用引きバネ
108 引きバネ受
109 固定ピン受部
J 蛇籠
JS 蛇籠締め
S スパイクピン
SW スパイクピン用ワッシャ
G 砂利
W1 通常水位
W2 最大水位
L1 上昇上限
Claims (6)
- 河川に設けられる流水発電装置であって、
全体を構成する枠体と、
並行して配置された2つの環状のチェインと、2つの該チェインに挟まれ、該チェインの長手方向に対して起立した平板部を持つ水受部と、該チェインの回転移動方向を規制するチェインホイールと、該チェインの弛みを防止するチェイン支持板と、から成る水車部と、
該チェインホイールの回転により発電する発電部と、から成り、
該水車部と該発電部は、鉛直上方に移動可能であることを特徴とする流水発電装置。 - 前記チェインには、継ぎ目部分に、回転可能なローラが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の流水発電装置。
- 前記水受部の平板部は、少なくとも2つの部分から成り、一方を他方に重ねることが可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流水発電装置。
- 前記枠体の川上側、川下側の下部に、斜め下方向に延出した砂潜り部を持つことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の流水発電装置。
- 前記枠体の下部には、貫通孔であるピン孔があることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の流水発電装置。
- 前記水車部と前記発電機に対して、滑車を介して、鉛直上方に付勢する錘が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の流水発電装置。
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