JP2022008177A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、計時器用ムーブメントのロータリー車セットシステム、特に、共振機構、に関する。本発明は、さらに、このような車セットシステムを備える計時器用ムーブメントに関する。
計時器用ムーブメントにおいては、ロータリー車セットのアーバーの両端部には、一般的に、ピボットがあり、それらのピボットは、計時器用ムーブメントのプレートやブリッジに取り付けられたベアリング内にて回転する。一部の車セット、特に、バランス、においては、ベアリングにショックアブソーバー機構を搭載することが一般的である。実際に、このようなバランスのアーバーのピボットは一般的には細く、バランスの質量が比較的大きいために、ショックアブソーバー機構がないと衝撃によってピボットが破損してしまうおそれがある。
図1に、伝統的なショックアブソーバーベアリング1の構成を示している(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。オリーブ状のドームがあるジュエル2は、一般的にセッティングと呼ばれるベアリング支持体3内に入れ込まれ、このベアリング支持体3上にエンドストーン4が取り付けられる。セッティング3は、エンドストーン4の上側に軸方向の応力を与えるように構成しているショックアブソーバーばね6によって、ベアリングブロック5の底に押し付けられる。このセッティング3には、さらに、コーン状の外壁があり、この外壁は、ベアリングブロック5の底にて一回り形成されるコーン状の内壁に対応するように構成している。また、セッティングに、凸型の面、すなわち、ドーム型の面、の外壁があるような代替的形態もある。
しかし、車セットの重さに起因するアーバー上の摩擦トルクは、重力の方向に対するその車セットの向きに応じて変動する。このような摩擦トルクの変動は、特に、バランスの振動振幅の変動を発生させることがある。実際に、車セットのアーバーが重力の方向に対して垂直な場合、この車セットの重さはジュエル穴にかかり、この重さが発生させる摩擦力に対して、アーバーを中心に回転するレバーアームがあり、このアーバーの半径は、ピボットの半径に等しい。車セットのアーバーが重力の方向と平行になっているときには、ピボットの先端に車セットの重さがかかる。この場合、ピボットの先端が丸みを帯びていれば、重さが発生させる摩擦力は回転軸にかかるために、軸に対するレバーアームはゼロになる。このレバーアームの差が摩擦トルクの差を発生させて、等時性が完全ではない場合にレートの差も発生させてしまう。
この課題を制御するために、図2に部分的に示しているような別の構成のショックアブソーバーベアリングが考えられた(例えば、特許文献3を参照)。このベアリングは、コップ支持タイプのエンドストーン7を備え、このエンドストーン7には、ロータリー車セットのアーバー9のピボット12を受けるためのコーン状部分を有する空洞8が形成されており、この空洞の底には、前記コーン状部分の頂点11がある。また、ピボット12も、空洞8内に挿入されるようにコーン状部分を有するが、ピボット12の立体角は、空洞8のコーン状部分の立体角よりも小さい。この構成によって、ピボット12が常に適切に空洞8にセンタリングされていると仮定して、あらゆる向きにおいて重力に対する摩擦力のレバーアームをほぼゼロにすることができる。このために、一般的には、システムにプレ応力を与える必要がある。これには、例えば、ピボットに恒久的に固定されるばねに取り付けられたベアリングを用いる。しかし、このばねのために車セットの重さが増え、摩擦が大きくなってしまう。また、空洞の底の面の状態が良好であることを確実にすることは難しい。なぜなら、このような面に研磨手段を介してアクセスすることが難しいためである。
そこで、本発明の目的の1つは、上述の課題を防ぐことができるような計時器用ムーブメントの車セットシステムを提案することである。
このために、本発明は、バランスのようなロータリー車セットと、及び前記ロータリー車セットのアーバーの第1及び第2のピボットのための、ショックアブソーバーである、第1及び第2のベアリングとを備える車セットシステムに関する。このシステムにおいて、前記ロータリー車セットの重心は、その前記アーバーの位置にあり、前記第1のベアリングは、前記ロータリー車セットの前記アーバーの前記第1のピボットを受けるように構成しているコーン状の空洞が形成された本体があるエンドストーンを備え、前記第1のピボットは、前記空洞内で回転することができるように前記エンドストーンにある前記空洞と連係し、前記第1のピボットと前記空洞の間に少なくとも1つの接触領域が形成され、前記接触領域における法線は、前記ピボットの前記アーバーに垂直な平面に対して最小接触角度を形成する。
このシステムは、前記最小接触角度が30°以下であり、好ましくは約26.6°であるarctan(1/2)以下である点で注目される。
本発明のおかげで、重力に対して水平な方向と垂直な方向の位置の間の摩擦変動を小さくすることができる。最小接触角度を30°以下、又はさらにはarctan(1/2)以下とするように選択することで、ピボットとベアリングの空洞の間の接触領域における重さに起因する摩擦トルクは、重力の方向にかかわらず実質的に同じになる。実際に、このような角度であることによって、重力に対する向きの変化に起因する接触力の変動を、2つのベアリングにおける摩擦力の異なるレバーアームによって、補償することが可能になる。
したがって、このようなエンドストーンの構成によって、重力の方向に対するアーバーの位置にかかわらず、エンドストーン内部のピボットの摩擦トルクの変動を低く抑えることが可能となり、このことは、例えば、計時器用ムーブメントのバランスアーバーにとって重要である。空洞のコーン状の形と、ピボットのコーン状の形によって、重力の方向に対するアーバーの様々な位置の間の摩擦トルクの差を最小化することができる。
有利な実施形態の1つにおいて、前記第2のベアリングは、前記ロータリー車セットがそのアーバーを中心に回転することを可能にするように前記第2のピボットと連係し、前記第2のベアリングには、第2の空洞が形成されており、前記第2のピボットは、前記第2の空洞内で回転することができるように前記エンドストーンの前記第2の空洞と連係し、前記第2のピボットと前記第2の空洞の間には、少なくとも1つの第2の接触領域があり、前記第2の接触領域における法線は、前記第2のピボットの前記アーバーに垂直な平面に対して最小接触角度を形成し、2つの前記ピボットと2つの前記ベアリングの最小接触角度は、
cotαh+cotαb≧2.5、
好ましくは、cotαh+cotαb≧3、
より好ましくは、cotαh+cotαb≧4
の式によって定められる。
cotαh+cotαb≧2.5、
好ましくは、cotαh+cotαb≧3、
より好ましくは、cotαh+cotαb≧4
の式によって定められる。
有利な実施形態の1つにおいて、第2の最小接触角度αbは、arctan(1/2)以上である。
有利な実施形態の1つにおいて、前記最小接触角度(αb,αh)は、
の式によって定められ、ここで、BHは、2つの前記ピボットの端部の間の距離であり、GHは、前記第1のベアリングと接触している前記第1のピボットの端部と、前記バランスの重心の間の距離であり、GBは、前記第2のベアリングと接触している前記第2のピボットの端部と、前記バランスの重心の間の距離である。
別の有利な実施形態において、前記最小接触角度(αb,αh)は、
の式によって定められ、ここで、BHは、2つの前記ピボットの両端部の間の距離であり、GHは、前記第1のベアリングと接触している前記第1のピボットの端部と、前記バランスの重心の間の距離であり、GBは、前記第2のベアリングと接触している前記第2のピボットの端部と、前記バランスの重心の間の距離である。
別の有利な実施形態において、前記接触領域は、前記ピボットを一回りし、前記空洞は、前記バランスの前記アーバーを囲む。
有利な実施形態の1つにおいて、前記第1のピボットは、コーン状の形を有する。
有利な実施形態の1つにおいて、前記第1のピボットには凸部があり、前記空洞には凹部があり、前記凸部と前記凹部それぞれの1つの区画が前記接触領域を形成する。
有利な実施形態の1つにおいて、前記第1のピボットには凹部があり、前記空洞には凸部があり、前記凸部と前記凹部それぞれの1つの区画が前記接触領域を形成する。
有利な実施形態の1つにおいて、前記第1のピボットには凸部があり、前記空洞には凸部があり、前記凸部と前記凹部それぞれの1つの区画が前記接触領域を形成する。
有利な実施形態の1つにおいて、2つの前記最小接触角度どうしは等しい。
有利な実施形態の1つにおいて、前記ピボットの端部は、前記接触領域における法線と、前記ピボットの前記アーバーとの交点によって定められる。
有利な実施形態の1つにおいて、前記ピボットは、丸みを帯びている先端を有する。
有利な実施形態の1つにおいて、2つの前記ピボットの丸みを帯びた前記先端は、同じ半径を有する。
本発明は、さらに、プレートと少なくとも1つのブリッジを備える計時器用ムーブメントに関する。前記プレート及び/又はブリッジは、前記のような車セットシステムを備える。
添付の図面を参照しながら例としてのみ与えられる複数の実施形態についての説明を読むことによって、本発明の他の特徴及び利点が明らかになる。
本説明において、同じ物を表すために同じ数字を用いている。計時器用ムーブメントにおいては、ベアリングがアーバーを中心とした回転を可能にし、このようなベアリングが、バランスのアーバーのようなロータリー車セットのアーバーを保持するために用いられる。計時器用ムーブメントには、一般的に、プレートと少なくとも1つのブリッジがある(図示せず)。このようなプレート及び/又はブリッジには、オリフィスが形成される。前記ムーブメントは、さらに、ロータリー車セットと、オリフィスに挿入されるベアリングを備える。
図3及び4には、バランス13とひげぜんまい24を備えるロータリー車セットシステムを示している。バランス13には、アーバー16がある。アーバー16は、両端部にピボット15、17を備える。各ベアリング18、20には、ベッド14を備える円筒状のベアリングブロック83と、ベッド14内に配置されるエンドストーン22と、ベアリング18、20の面に形成された開口19がある。この開口19は、ピボット15、17をベアリングに挿入してエンドストーン22まで通す通路を形成している。このエンドストーン22は、ベアリング支持体23上に取り付けられ、エンドストーン22には、ロータリー車セットのアーバー16のピボット15、17を受けるように構成している空洞が形成された本体がある。アーバー16のピボット15、17は、ベッド14内に挿入される。このアーバー16は、ロータリー車セットの運動を可能にするために回転可能な状態で保持される。
2つのベアリング18、20は、ショックアブソーバーであり、さらに、エンドストーン22の弾性支持体21を備えて、衝撃を減衰させて、アーバー16の破損を防ぐ。弾性支持体21は、例えば、軸方向に変形可能な板ばねであり、この上にエンドストーン22が組み付けられる。弾性支持体21は、ベアリングブロック13のベッド14内に嵌め込まれ、エンドストーン22をベッド14に保持する。このように、計時器に激しい衝撃が加わった際に、弾性支持体21が衝撃を吸収し、ロータリー車セットのアーバー16を保護する。
図5及び6の第1の実施形態において、ピボット15、17は、第1の開き角31を有する実質的に環状の第1のコーン体26の形を有する。開き角31は、コーン体の外壁によってコーン体の内側に形成される角度の半値の角度である。
エンドストーン22の空洞28は、頂点にて第2の開き角32を有する第2のコーン体の形を有する。ピボット15、17が空洞内で回転することができるようにするために、第2の開き角32は、第1のコーン体26の第1の開き角31よりも大きい。
ピボット15、17と空洞28が連係して、接触領域29を形成する。接触領域29は、互いに接触している第2のコーン体の部分と、ピボット15、17の部分によって定められる。接触領域29は、ピボット15、17と空洞28の全周にわたる。
接触領域29における法線とは、接触領域29に垂直な直線のことである。この法線は、ピボットのアーバーに垂直な平面に対して、最小接触角度と呼ばれる最小の角度を形成する。
本発明によると、前記最小接触角度は、30°以下であり、好ましくは、arctan(1/2)以下である。
空洞28とピボット15、17がコーン状であるこの第1の実施形態において、前記法線は、第2のコーン体、すなわち、空洞28のコーン体、の壁に垂直な直線に対応する。したがって、最小接触角度は、空洞28の第2のコーン体の開き角の半値の角度に対応する。前記ピボットに垂直な平面に対して最小接触角度が30°以下、又はさらにはarctan(1/2)以下であるためには、第2のコーン体の第2の角度が、60°以下、又はさらには2×arctan(1/2)=53.13°以下になる必要がある。
これらの角度の値は、ピボットとベアリングの摩擦をモデル化した式から計算される。最適な角度を与える式を記述できるようにするために、図6に描いた以下の幾何学的変数を定める。
αbとαhはそれぞれ、下側のベアリングと上側のベアリングにおける、コーン体の母線と、コーン体の対称軸との間の角度である。RbとRhはそれぞれ、バランスのアーバーの下側と上側にあるピボットの先端の球状のドームの半径である。BとHはそれぞれ、バランスのアーバーの下側と上側にあるピボットの先端の球状のドームの中心である。Gは、重心の位置であり、直線BH上にあるものと想定される(バランスされたバランス)。μbとμhはそれぞれ、下側と上側における摩擦係数である。
重力に応じた摩擦の差を評価するために、車セットシステムの幾何学的構成に適用される2つの向きのセットと2つのタイプの応力を区別する。
- 2つの向きのセットは、以下である。
O1:バランスのアーバーと重力の間の角度θは、空間全体に沿って動く[0°,180°]。
O2:バランスのアーバーと重力の間の角度θは、0°、90°及び180°の3つの孤立した値に沿って動く。
- 幾何学的構成に与えられる2つのタイプの応力は以下である。
C1:半径Rb、Rh、角度αb、αhには応力がかからない。
C2:製造上の問題を緩和させるために、Rb=Rhとし、μb=μhであると想定する。
- 2つの向きのセットは、以下である。
O1:バランスのアーバーと重力の間の角度θは、空間全体に沿って動く[0°,180°]。
O2:バランスのアーバーと重力の間の角度θは、0°、90°及び180°の3つの孤立した値に沿って動く。
- 幾何学的構成に与えられる2つのタイプの応力は以下である。
C1:半径Rb、Rh、角度αb、αhには応力がかからない。
C2:製造上の問題を緩和させるために、Rb=Rhとし、μb=μhであると想定する。
考慮されるすべての角度θ(O1の場合は空間全体[0°,180°]、O2の場合は0°、90°、180°の3つの値)における摩擦トルクの最大値、最小値をそれぞれMfr,max、Mfr,minとする。以下の式によって定められる最大の相対的トルク変動を最小にすることが望まれる。
O1の場合においては、図6に示しているように、2つのピボットを備えるロータリー車セットアーバーの場合、ピボットベアリングの対の間の最適な最小接触角度(α)は、
の式によって定められる。ここで、BHは、2つのピボット15、17の両端部の間の距離であり、GHは、ピボット15、17の端部とバランス2の重心Gの間の距離である。
これらの式は、ピボットとエンドストーンの間の接触についての3次元モデルによるもので、ピボットの端部は球によってモデル化されている。一般的な場合では、BとHは、接触領域における法線とピボットのアーバーとの交点によって定められる。好ましくは、ピボットの先端は、丸みを帯びている。BとHは、球の中心によって定められる。したがって、丸みを帯びた先端の半径は、接触領域と、その接触領域における法線と、ピボット15、17のアーバーとの交点の間の区画に対応する。
この関係は、異なる形状のピボットにも当てはまる。前記丸みを帯びた先端の半径Rb及びRhは、互いに異なっていることができる。
このように、重心Gの位置に応じて、2つのピボット15、17の第1のコーン体は、異なる開き角を有することができる。しかし、それらが前記関係を満たせば、ピボットや空洞の他の幾何学的構成と比べて、垂直方向の位置と水平方向の位置の間の摩擦変動が小さくなる。この場合、相対的なトルク変動εは、41%になる。
また、これらの関係は、バランスのアーバーと、変動がゼロでありε=0%である重力との間の角度θの3つの位置(0°、90°、180°)のセットO2にも適している。
図7のグラフは、バランスのアーバー上における重心の各位置における2つのベアリングとピボットにおける最適な接触角度を示している。重心GがBとHの中間にあるような特定の場合において、摩擦係数が下側と上側とで等しければ、αb及びαh=arctan(1/2)=約26.6°であるような対称的なベアリング(Rb=Rh)を得ることができる。したがって、前記コーン体の望ましい開き角は、約53.2°である。他の場合において、2つのベアリングピボットの対の接触角度は、互いに異なる。このように、常に、2つの接触角度のうち、arctan(1/2)以下の値を有するものがあり、他方の接触角度は、arctan(1/2)以上の値を有することに留意すべきである。また、第1のピボットのアーバーの長さの1/3の位置に重心がある場合、この第1のピボットの最適な接触角度は45°であり、第2のピボットの最適な接触角度はarctan(1/3)=18.435°である。このように、コーン状の空洞において、開き角が90°であるコーン体と、開き角が2×arctan(1/3)=28.07°である他方のコーン体がある。
最適な接触角度はそれぞれ、14°~90°の範囲内にある。最小接触角度は、重心に最も近いピボットのものである。
図8のグラフは、重心の位置に応じた2つのピボットの端部の最適な半径の差を示している。このように、重心がバランスアーバーの中央にある場合、2つの端部における半径どうしは等しいことが好ましいことに留意すべきである。
図9のグラフに、向きθに応じた摩擦トルクの変動の一例を示している。この曲線は、90°の位置に対して対称になっている。トルクは、0から45°まで徐々に増加し、45°から90°まで減少し、90°から135°まで再び増加し、135°から180°まで減少する。この変動曲線は、最適な場合にかかわらず、最も近いスケーリングファクターまで同じである。
2つのピボットの形が第1のモデルのものと同じであるような、車セットシステムのモデリングの第2の実施形態において、2つの異なる場合における最小接触角度は、
の式によって定められる。ここで、BHは、2つのピボットの端部の間の距離であり、GBとGHは、ピボットの端部とバランスの重心の間の距離である。ピボットとエンドストーンの接触の3次元モデルには、さらに、2つのピボットが同じ形状であること、特に、ピボットの丸みを帯びた先端が同様の半径Rb=Rhであるという原則が含まれている。
図10及び11のグラフは、重心の相対的な位置に応じて最適な角度がどのように変わるか、またその変動εを示している。また、この場合、常に、2つの前記角度のうち一方の角度は、arctan(1/2)以下の値を有し、他方の角度は、arctan(1/2)以上の値を有する。重心GがBとHの中間にある特定の場合、下側と上側にて摩擦係数が等しければ、αb及びαh=arctan(1/2)=約26.6°のベアリングが得られる。
図12に、向きθに応じたトルク変動の例を示している。この場合、90°よりも大きい値では曲線が対称になる。このように、同じ形で同じ半径のピボットの場合、曲線の対称点は、第1の実施形態の90°の場合と比べてオフセットされる。
C2(Rb=Rh、αh=αh)であるO2(0°、90°、180°)の場合、以下の2つの異なる場合が得られる。
ここで、BHは、2つのピボットの端部の間の距離、GBとGHは、ピボットの端部とバランスの重心の間の距離である。
この場合、相対的なトルク変動εは0%となる。摩擦トルクは、θ=0°、90°、180°にて完全に等しい。一方、これらの異なる3つの値の角度に対しては摩擦トルクが変わる。
図13のグラフは、この構成における重心の相対的位置に応じた最適な角度の変動を示している。前記2つの角度は等しく、arctan(1/2)=約26.6°以下の値を有する。図14のグラフに、向きθに応じたトルク変動の一例を示している。
システムに関連づけられたモデルの選択にかかわらず、2つのピボットと2つのベアリングの最小接触角度は、以下の式が確かであることを示す。
図15~17は、前記式を満たしつつ前の例のように完全なコーン状ではない形を有するようなピボットと空洞の他の例を示している。
したがって、図15の第1の代替的実施形態において、第1のピボット33には凸部37があり、空洞35には凸部38があり、これらの凸部37の区画と凸部38の区画が接触領域41を形成している。空洞35には、底39があり、そして、底39から続く第1のフレア部42があり、この第1のフレア部42に前記凸部38が接続され、前記凸部38から空洞35の円筒状の壁66まで第2のフレア部65が延在している。前記第2のフレア部65は、前記第1のフレア部42よりも幅が広い。前記凸部38は、空洞35の内側の方に丸みを帯びた形を有する。
ピボット33は、その端部にて、丸みを帯びた先端40があり、そして、その先端40から凸部37が延在しており、この凸部37からピボット33の円筒状の部分72までコーン状部分71が延在している。
ピボット33は、空洞35に挿入され、前記ピボット33と前記空洞35の寸法構成は、前記ピボット33の前記凸部37が空洞35の凸部38に接触するようにされる。接触する2つの凸部37、38は、接触領域41を形成している。凸部37、38それぞれの1つの区画のみが互いに接触している。ここで、接触領域41は、最小接触角度が小さくなるように、第1のフレア部分42よりも上側(開いている方)に形成される。ピボット33のまわりの接触領域41における法線は、このピボット33に垂直な平面と最小接触角度を形成し、この最小接触角度は、本発明に係る前記式を満たす場合に対応し、例えば、ここでは25°である。
図16の第2の代替的形態の場合、第1のピボット43には凸部47があり、空洞45には凹部48がある。この空洞45には底49があり、そして、この底49から続く第1のフレア部52が延在しており、前記凹部48が第1のフレア部52に接続しており、凸部48から空洞の円筒状の壁68まで第2のフレア部67が延在している。第2のフレア部67は、第1のフレア部52よりも幅が広い。前記凹部48は、空洞45の外側の方に丸みを帯びた形を有する。
ピボット43は、その端部に丸みを帯びた突出部50と、フレア部75を介して前記突出部50に連結している凸部47があり、この凸部47はピボット43の円筒状の部分68に連結している。
ピボット43は、空洞45内に挿入され、このピボット43及び空洞45の寸法構成は、ピボット43の凸部47が空洞45の凹部48に接触するようにされている。接触している凸部47と凹部48の2つの部分は、接触領域51を形成している。凸部47と凹部48それぞれの1つの区画のみが互いに接触している。ここで、接触領域51は、最小接触角度が小さくなるように、第2のフレア部分67よりも下側(閉じている方)に作られている。ピボット43のまわりの接触領域51における法線は、ピボット43に垂直な平面と最小接触角度を形成し、この最小接触角度は、本発明に係る前記式を満たす場合に対応し、ここでは、例えば、25°である。
図17に示している第3の代替的形態において、第1のピボット53には凹部57があり、空洞55には凸部58があり、前記凹部57と凸部58それぞれの1つの区画が接触領域61を形成している。
ピボット53には凹部57があり、空洞55には凸部58がある。空洞55には、底59があり、そして、この底59から続く第1の円筒状の部分62が延在しており、前記凸部58は、第1の円筒状の部分62に連結しており、前記凸部58から空洞55の円筒状の壁70までフレア部69が延在している。前記凸部58は、空洞部55の内側の方へと丸みを帯びた形を有する。
ピボット53には、丸みを帯びた端部60と凹部57があり、この凹部57は、一方では丸みを帯びた端部60に連結しており、他方ではピボット53の円筒状の部分74に連結している。
ピボット53は、空洞55内に挿入され、ピボット53と空洞55の寸法構成は、ピボット53の凹部57が空洞55の凸部58に接触するようにされている。接触している凸部58と凹部57の2つの部分は、接触領域61を形成している。凸部58と凹部57それぞれの1つの区画のみが互いに接触している。ここで、接触領域61は、最小接触角度が小さくなるように、空洞55の円筒状の部分62の上側(開いている方)に形成される。ピボット53のまわりの接触領域61における法線は、ピボット53に垂直な平面と最小接触角度を形成し、この最小接触角度は、本発明に係る前記式を満たす場合に対応し、ここにおいては、例えば、25°である。
当然、本発明は、図面を参照しながら説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で代替的形態を考えることができる。
10 ロータリー車セットシステム
13 バランス
15、17、33、43、53 ピボット
16 アーバー
18、20 ベアリング
19、31、35、45、55、89 空洞
22 エンドストーン
29、41、51、61、90 接触領域
37、38、47、58 凸部
38、47、48、57 凹部
13 バランス
15、17、33、43、53 ピボット
16 アーバー
18、20 ベアリング
19、31、35、45、55、89 空洞
22 エンドストーン
29、41、51、61、90 接触領域
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