JP2022007456A - 既設水中構造物の仮締切工法及び既設水中構造物の仮締切構造 - Google Patents

既設水中構造物の仮締切工法及び既設水中構造物の仮締切構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2022007456A
JP2022007456A JP2020110450A JP2020110450A JP2022007456A JP 2022007456 A JP2022007456 A JP 2022007456A JP 2020110450 A JP2020110450 A JP 2020110450A JP 2020110450 A JP2020110450 A JP 2020110450A JP 2022007456 A JP2022007456 A JP 2022007456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temporary
existing underwater
ruler
underwater structure
cofferdam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020110450A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7267243B2 (ja
Inventor
克之 大谷
Katsuyuki Otani
芳弘 扇畑
Yoshihiro Ogihata
禎直 倉知
Sadanao Kurachi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oriental Shiraishi Corp
Original Assignee
Oriental Shiraishi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oriental Shiraishi Corp filed Critical Oriental Shiraishi Corp
Priority to JP2020110450A priority Critical patent/JP7267243B2/ja
Publication of JP2022007456A publication Critical patent/JP2022007456A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7267243B2 publication Critical patent/JP7267243B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

Landscapes

  • Revetment (AREA)

Abstract

【課題】周囲を取り囲んで締め切ることが困難な既設水中構造物にも適用することができるとともに、仮締め切りにかかる時間が短く、かつ、容易に施工できる既設水中構造物の仮締切工法及び仮締切構造を提供する。【解決手段】既設水中構造物の一部を仮締切部材で締め切ってその内部を排水してドライエリアを構築する既設水中構造物の仮締切工法において、既設水中構造物に所定間隔をあけて縦方向に2列のアンカーを設置するアンカー設置工程と、アンカー設置工程で設置した2列のアンカーに、ガイド用のスリットを形成する左右一対の定規材を、スリット分の間隔をあけて接合して設置する定規材設置工程と、仮締切部材の水平方向の端部にレール材を取り付けるレール取付工程と、を備え、レール材をスリット内で摺動させて仮締切部材を所定の深さまで圧入した後、定規材の一方と仮締切部材を接合して固定する仮締切部材固定工程を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、既設水中構造物の仮締切工法及び既設水中構造物の仮締切構造に関し、詳しくは、連続壁など周囲を一周して取り囲んで締め切ることができない既設水中構造物の仮締切工法及び既設水中構造物の仮締切構造に関する。
従来、基礎など既設構造物の下部が周囲の水位より下方に存在する既設水中構造物を点検、補修、又は補強する場合は、水中の地盤に台船上や陸上から鋼矢板や鋼管矢板などの仮締切部材を打ち込んで周囲を取り囲み、締め切った内部の水を排水して点検又は補修・補強工事を行っていた。
例えば、特許文献1には、鋼管矢板10(10a,10b)を打設して井筒を形成する鋼管矢板打設工工程に、鋼管矢板10(10a,10b)を連結して構成された複数の周壁部構成部材を地中に打設して井筒を構成する周壁部Sを形成する周壁部形成工程と、周壁部形成工程に前後して、又は並行して、鋼管矢板10及びヤットコ杭20を連結して構成された複数の隔壁部構成部材を地中に打設して、周壁部S内を区画する隔壁部Wを形成する隔壁部形成工程とを含み、井筒内を掘削する井筒内掘削工程に前後して、又は並行して、隔壁部構成部材を構成するヤットコ杭20を撤去するヤットコ杭撤去工程を備えている仮締切兼用鋼管矢板基礎の施工方法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0027]~[0045]、図面の図1~図6等参照)。
しかし、特許文献1に記載の仮締切兼用鋼管矢板基礎の施工方法は、鋼管矢板をバイブロハンマー等で地盤に打ち込んだ上、コンクリートを打設する必要があり、施工に時間がかかりすぎるという問題があった。
また、特許文献2には、本願出願人が提案したが既設水中構造物の仮締切り工法が開示されている。特許文献2に記載の既設水中構造物の仮締切り工法は、締切り仮設体1を水中地盤に圧入する際に既設水中構造物から反力を得るための反力ブラケット3を既設水中構造物の上部に設置する反力ブラケット設置工程と、反力ブラケット3で既設水中構造物から反力を得つつ、圧入ジャッキ4により締切り仮設体1を水中地盤に圧入するとともに、締切り仮設体1の内側の水中地盤を掘削する締切り仮設体圧入・掘削工程と、を有し、締切り仮設体1に当接する先端にローラ部材8a’又は摺接部材を有するガイドブラケット8’により、締切り仮設体1をガイドしながら下降させるものである(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0027]~[0055]、図面の図5~図21等参照)。
しかし、特許文献2に記載の既設水中構造物の仮締切り工法は、取水塔や橋台の側面にコンクリート製の護岸壁などが並列する既設水中構造物では、既設構造物の周囲を隙間なく仮締切部材で取り囲むことができず、締め切ってドライエリアを構築することが困難であるという問題があった。
一方、特許文献3には、止水板1の両端部及び下部に密閉用の止水材2を設け、この止水材2を設けた止水板1を水門の躯体コンクリート面17に当接させ、この当接させた止水板1を、一端を水門の躯体コンクリート15に止着した圧接用金具8によって、躯体コンクリート面17に圧接させて水門の水中の戸溝部18を締め切り、次に戸溝部18内の排水を行い、その後戸溝部18内の点検若しくは補修を行う水門の戸溝部の仮締切工法が開示されている(特許文献3の特許請求の範囲の請求項1、明細書の第2頁左下欄の第7行~右下欄第15行目、図面の第1図,第2図等参照)。
しかし、特許文献3に記載の水門の戸溝部の仮締切工法も、仮締切を行うことができたとしても非常に時間がかかるだけでなく、水門の戸溝部だけにしか適用できないという問題があった。
特開2015-187330号公報 特開2016-14290号公報 特開昭62-244908号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、周囲を一周して取り囲んで締め切ることが困難な既設水中構造物にも適用することができるとともに、短時間で容易に仮締め切ることができる既設水中構造物の仮締切工法及び既設水中構造物の仮締切構造を提供することにある。
請求項1に係る既設水中構造物の仮締切工法は、既設水中構造物の一部を仮締切部材で締め切ってその内部を排水してドライエリアを構築する既設水中構造物の仮締切工法であって、既設水中構造物に所定間隔をあけて縦方向に2列のアンカーを設置するアンカー設置工程と、前記アンカー設置工程で設置した前記2列のアンカーに、ガイド用のスリットを形成する左右一対の定規材を、前記スリット分の間隔をあけて接合して設置する定規材設置工程と、仮締切部材の水平方向の端部にレール材を取り付けるレール取付工程と、を備え、前記レール材を前記スリット内で摺動させて前記仮締切部材を所定の深さまで圧入した後、前記定規材の一方と前記仮締切部材を接合して固定する仮締切部材固定工程を行うことを特徴とする。
請求項2に係る既設水中構造物の仮締切工法は、請求項1に係る既設水中構造物の仮締切工法において、前記仮締切部材固定工程では、山形鋼を用いて止水用のゴムパッキンを介して前記定規材の一方と前記仮締切部材を接合することを特徴とする。
請求項3に係る既設水中構造物の仮締切工法は、請求項1又は2に係る既設水中構造物の仮締切工法において、前記定規材設置工程では、前記左右一対の定規材の内側の定規材と前記既設水中構造物との間に止水用のゴムパッキンを介装することを特徴とする。
請求項4に係る既設水中構造物の仮締切構造は、既設水中構造物の一部を一時的に締め切ってドライエリアを構築する既設水中構造物の仮締切構造であって、既設水中構造物に所定間隔をあけて縦方向に2列のアンカーで固定された定規材と、仮締切部材の水平方向の端部に取り付けられたレール材と、を備え、前記定規材の一方と前記仮締切部材とが接続鋼材を介して接合されていることを特徴とする。
請求項5に係る既設水中構造物の仮締切構造は、請求項4に係る既設水中構造物の仮締切構造において、前記左右一対の定規材の内側の定規材と前記既設水中構造物、前記内側の定規材と前記接続鋼材、及び前記接続鋼材と前記仮締切部材とが、それぞれ止水用のゴムパッキンを介してボルト接合されていることを特徴とする。
請求項1~3に係る発明によれば、周囲を一周して取り囲んで締め切ることが困難な既設水中構造物であっても、既設水中構造物の一部を仮締切部材で取り囲んで調査、補修、補強のためのドライエリアを構築することが可能となる。また、請求項1~3に係る発明によれば、既設水中構造物に定規材を固定し、それを利用して仮締切部材を所定深さまで圧入するので、短時間で容易に仮締め切りの作業を完了させることができる。
特に、請求項2に係る発明によれば、スリットやレール材と定規材の隙間から水が仮締切構造の内部に浸入してくることを防止することができる。
特に、請求項3に係る発明によれば、定規材と既設水中構造物との間から水が仮締切構造の内部に浸入してくることを防止することができる。
請求項4,5に係る発明によれば、周囲を一周して取り囲んで締め切ることができない既設水中構造物であっても、既設水中構造物の一部を仮締切部材で取り囲んで調査、補修、補強のためのドライエリアを構築することが可能となる。
特に、請求項5に係る発明によれば、スリットやレール材と定規材の隙間や定規材と既設水中構造物との間から水が仮締切構造の内部に浸入してくることを防止することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る既設水中構造物の仮締切構造の下段3段分を示す平面図である。 図2は、同上の既設水中構造物の仮締切構造を示す鉛直断面図である。 図3は、図1のA部を拡大した部分拡大図である。 図4は、本発明の実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法のアンカー設置工程を示す工程説明図である。 図5は、本発明の実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法の定規材設置工程を示す工程説明図である。 図6は、本発明の実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法のレール取付工程を示す工程説明図である。 図7は、本発明の実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法の圧入工程を示す工程説明図である。 図8は、本発明の実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法の仮締切部材固定工程を示す工程説明図である。
以下、本発明に係る既設水中構造物の仮締切工法及び既設水中構造物の仮締切構造の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[既設水中構造物の仮締切構造]
先ず、図1~図3を用いて、本発明の実施形態に係る既設水中構造物の仮締切構造1(以下単に仮締切構造1ともいう。)について説明する。既設水中構造物10としてダムの取水塔を例示し、その取水ゲート付近のコンクリート壁と仮締切部材を当接して取水ゲート付近にドライエリアを構築する場合を例示して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る仮締切構造1の下段3段分を示す平面図であり、図2は、その鉛直断面図である。
仮締切構造1は、図1,図2に示すように、平面視円弧状の仮締切部材である鋼製パネル2を基体とする平面視C字状の構造体であり、ダムの取水塔である既設水中構造物10に当接させて一時的に締め切って内部を排水することによりドライエリアを構築する機能を有している。
仮締切構造1は、仮締切部材である複数段の鋼製パネル2と、これらの鋼製パネル2同士を水平方向に接続して水圧に対抗する腹起し材3と、腹起し材3の側面に長手方向の端部が当接して腹起し材3の曲げ応力を低減する切梁4など、から構成されている。また、切梁4の長手方向の既設水中構造物10側の端部には、長さ調整手段としてキリンジャッキ5が設けられている。なお、このキリンジャッキ5は、図1,図2に示すように、滑らないように噛まし鋼材6介して設置されている。
(仮締切部材)
鋼製パネル2は、厚さ9mmの鋼板からなるスキンプレートと、スキンプレート同士を鉛直方向に接続する溝形鋼材(C-250×90×9×13)からなる鉛直継手と、これらを支持する主桁及び横桁など、から構成されている。
(腹起し材、切梁、噛まし鋼材)
腹起し材3、切梁4、及び噛まし鋼材6は、いずれもH形鋼から構成されている。本実施形態に係る腹起し材3、切梁4、及び噛まし鋼材6は、H-300×300×10×15のH形鋼が採用されている。勿論、こられの鋼材の材質、寸法等は、例示に過ぎず、作用する水圧等から構造計算によって適宜定められるものである。
<既設水中構造物との接続部分>
次に、図3を用いて、本発明の特徴部分である仮締切構造1の既設水中構造物10との接続部分の構成について詳細に説明する。図3は、図1のA部を拡大した部分拡大図である。
(定規材)
図3に示すように、仮締切構造1と既設水中構造物10との接続部分には、外側定規材7aと内側定規材7bからなる縦方向に沿った左右一対の定規材7が、所定間隔をあけてアンカー8で既設水中構造物10に固定されている。なお、左右一対の定規材7である外側定規材7aと内側定規材7bとの間の間隔が、後述のレール材11を挿通するガイド用のスリット7’分の間隔となっている。
図3に示す右側の外側定規材7aは、厚さ12mmの3枚の鋼板から組み立てられた水平断面Z字状の鋼材である。また、図3に示す左側の内側定規材7bは、厚さ12mmの3枚の鋼板から水平断面Z字状の中央の鋼材が既設水中構造物10から離れる方向に突出した変形F字状に組み立てられるとともに、突出した鋼材に山形鋼7c(L-150×150×12)が溶接されている。なお、内側とは、仮締切構造1で締め切って水を抜きドライエリアを構築する側を指し、外側とは、水を抜かない側を指している(以下同じ)。
(ゴムパッキン)
また、図3に示すように、内側定規材7bと既設水中構造物10との間には、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などのゴム材からなる厚さ15mmの止水用のゴムパッキン9が介装されている。但し、水を抜かない外側にあるため、外側定規材7aと既設水中構造物10との間には、ゴムパッキン9は設けられていない。
(アンカー)
アンカー8は、既設水中構造物10に形成された孔h1にM24ボルトが挿通されたケミカルアンカー(登録商標)であり、鉛直方向に2本(2列)ずつ略1m毎に設けられている。
(レール材)
前述の仮締切構造1の平面視C字状の開口端(図1参照)となる鋼製パネル2の水平方向の端部には、鋼製パネル2の圧入方向をガイドするH形鋼(H-200×200×8×12)からなるレール材11がボルト接合されている。
(接続鋼材:接続アングル)
また、開口端となる鋼製パネル2の鉛直継手と前述の内側定規材7bの山形鋼7cとは、山形鋼7cと同材の山形鋼(L-150×150×12)からなる接続アングル12(接続鋼材)を介してボルト接合されている。このため、鋼製パネル2を所定深さにおいて内側定規材7bに接続アングル12を介して鋼製パネル2をボルト接合して内側から固定可能となっている。
なお、この接続アングル12と内側定規材7bの山形鋼7cとの間には、ゴムパッキン9と同様のゴム材からなる止水用のゴムパッキン13が介装され、接続アングル12と鋼製パネル2との間にも、同様のゴム材からなる止水用のゴムパッキン14が介装されている。このため、スリット7’やレール材11と定規材7の隙間から仮締切構造1の内部に水が浸入してくることを防止することができる。
[既設水中構造物の仮締切工法]
次に、図4~図8を用いて、本発明の実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法について説明する。前述と同様に、既設水中構造物10としてダムの取水塔を例示し、その取水ゲート付近に前述の仮締切構造1を構築する場合を例示して説明する。
(アンカー設置工程)
図4に示すように、本実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法では、既設水中構造物10の取水ゲート付近のコンクリート壁に前述のアンカー8を設置するアンカー設置工程を行う。図4は、本実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法のアンカー設置工程を示す工程説明図である。
具体的には、本工程では、電動工具等の削孔手段を用いてM24のボルト径に応じた直径の孔h1を既設水中構造物10のコンクリート壁に縦方向に1mピッチで左右所定間隔(図示形態では、380mm程度)をあけて2列穿孔する。そして、穿孔した孔h1にケミカルアンカー(登録商標)の薬剤カプセルを挿入してM24のボルトを押し込みカプセルが割れて薬剤が硬化することでM24ボルトが既設水中構造物10にケミカルアンカー(登録商標)として固定されてアンカー8が設置される。勿論、設置するボルトの径や設置間隔等は、設置する仮締切構造1の構造計算に応じて適宜選定、変更可能であり、ケミカルアンカー(登録商標)ではなく、機械的なアンカーとすることもできる。
(定規材設置工程)
次に、図5に示すように、本実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法では、前記アンカー設置工程で設置したアンカー8に左右一対の定規材7(外側定規材7a及び内側定規材7b)を接合して設置する定規材設置工程を行う。図5は、本実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法の定規材設置工程を示す工程説明図である。
具体的には、本工程では、既設水中構造物10のコンクリート壁から突出するアンカー8の外側のM24ボルトに外側定規材7aをM24のナットでボルト接合し、アンカー8の内側のM24ボルトに内側定規材7bをボルト接合する。このとき、前述のように、アンカー8が所定間隔をあけて固定されているので、外側定規材7aと内側定規材7bとの間に、スリット7’分の間隔が形成される。
なお、内側定規材7bを接合する際には、内側定規材7bと既設水中構造物10との間に前述のゴムパッキン9を介装して接合する。また、左右一対の定規材7(外側定規材7a及び内側定規材7b)には、それぞれM24ボルトを挿通する位置調整可能な長孔からなるボルト孔を予め削孔しておくことが好ましい。
(レール取付工程)
次に、図6に示すように、本実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法では、仮締切部材である鋼製パネル2の水平方向の一端に前述のレール材11を取り付けるレール取付工程を行う。図6は、本実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法のレール取付工程を示す工程説明図である。
具体的には、本工程では、平面視C字状の開口端となる鋼製パネル2のスキンプレート同士を鉛直方向に接続する鉛直継手に、レール材11のH形鋼をM22の継手ボルトでボルト接合する。
なお、本工程は、定規材設置工程と前後して別工程で行ってもよいことは云うまでもない。特に、これらの工程は、前後関係がなくそれぞれ別個に行うことが可能だからである。
(圧入工程)
次に、図7に示すように、本実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法では、前記工程で端部にレール材11が接合された最下段の鋼製パネル2を所定の深さまで圧入する圧入工程を行う。
具体的には、本工程では、定規材設置工程で設置した外側定規材7aと内側定規材7bとの間のスリット7’にレール材11のH形鋼のウェブを挿通して一対の定規材7内でレール材11を摺動させることで鋼製パネル2の圧入方向をガイドして圧入する。
このように、既設水中構造物10に固定した一対の定規材7及びレール材11で協働して鋼製パネル2を所定深さまでガイドしつつ圧入して設置する。このため、本工程は、従来の仮締切部材を設置する際に、台船上や遠い陸上からクレーン等を用いて吊り降ろして設置するような不安定な状態で設置するのと比べて仮締切部材を格段に容易に短時間で所定の位置に設置することが可能となっている。
(仮締切部材固定工程)
次に、図8の破線で示すように、本実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法では、前記圧入工程で所定深さまで圧入した鋼製パネル2と、一対の定規材7のうち一方の内側定規材7bを、ボルト接合して固定する仮締切部材固定工程を行う。
具体的には、本工程では、接続アングル12と前述の内側定規材7bの山形鋼7cをボルト接合する。このとき、内側定規材7bから内側に突出した山形鋼7cの一辺と、鉛直継手のフランジから内側に突出した接続アングル12の山形鋼の一辺とを接合するため、鋼製パネル2の内側から容易にボルト接合が可能となっている。
なお、接続アングル12と山形鋼7cとの間には、前述のゴムパッキン13を介装した状態でボルト接合する。これらの隙間から水が仮締切構造1の内部に浸入してくることを防止するためである。
また、接続アングル12を鋼製パネル2の鉛直継手のフランジにボルト接合する。このとき、鉛直継手に削孔するボルト孔h2は、圧入工程後に現地で削孔する。鋼製パネル2の建付誤差を吸収するためである。
なお、接続アングル12と鋼製パネル2の鉛直継手のフランジとの間にも、前述のゴムパッキン14を介装した状態でボルト接合する。これらの隙間から水が仮締切構造1の内部に浸入してくることを防止するためである。
次に、本実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法では、前述の圧入工程と仮締切部材固定工程とを繰り返し、仮締切部材である鋼製パネル2を必要な段数設置する。このとき、各段毎に必要な前述の腹起し材3、切梁4、キリンジャッキ5、噛まし鋼材6等を設置して行き、仮締切構造1を構築する。
その上、仮締切構造1内の水を排水し、ドライエリアを構築し、必要な点検又は補修・補強工事を行い、それらが完了した後、仮締切構造1を解体・撤去する。
以上説明した本実施形態に係る既設水中構造物の仮締切工法及び仮締切構造1によれば、ダムの取水塔のような長く連なった連続壁を有するため、周囲を一周して取り囲んで締め切ることが困難な既設水中構造物10であっても、既設水中構造物10の一部である取水ゲート付近を仮締切部材である鋼製パネル2で取り囲んでドライエリアを構築することが可能となる。
また、仮締切工法及び仮締切構造1によれば、既設水中構造物10のコンクリート壁を利用して一対の定規材7を固定し、その一対の定規材7を利用して鋼製パネル2を所定深さまで圧入するので、短時間で容易に鋼製パネル2の設置作業を完了させることができる。
その上、仮締切工法及び仮締切構造1によれば、ゴムパッキン9,13,14を介装させてボルト接合するので、乾式接合で短時間で接合できるとともに、スリット7’やレール材11と定規材7の隙間や定規材7と既設水中構造物10との間から水が仮締切構造1の内部に浸入してくることを防止することができる。
以上、本発明の実施形態に係る既設水中構造物の仮締切構造及び本発明の実施形態に係る既設水中構造物仮締切工法及びについて詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
10:既設水中構造物
1:仮締切構造
2:鋼製パネル(仮締切部材)
3:腹起し材
4:切梁
5:キリンジャッキ
6:噛まし鋼材
7:(一対の)定規材
7a:外側定規材(定規材)
7b:内側定規材(定規材)
7c:山形鋼(内側定規材)
8:アンカー
9,13,14:ゴムパッキン
11:レール材
12:接続アングル(接続鋼材)
h1:孔
h2:ボルト孔

Claims (5)

  1. 既設水中構造物の一部を仮締切部材で締め切ってその内部を排水してドライエリアを構築する既設水中構造物の仮締切工法であって、
    既設水中構造物に所定間隔をあけて縦方向に2列のアンカーを設置するアンカー設置工程と、
    前記アンカー設置工程で設置した前記2列のアンカーに、ガイド用のスリットを形成する左右一対の定規材を、前記スリット分の間隔をあけて接合して設置する定規材設置工程と、
    仮締切部材の水平方向の端部にレール材を取り付けるレール取付工程と、を備え、
    前記レール材を前記スリット内で摺動させて前記仮締切部材を所定の深さまで圧入した後、前記定規材の一方と前記仮締切部材を接合して固定する仮締切部材固定工程を行うこと
    を特徴とする既設水中構造物の仮締切工法。
  2. 前記仮締切部材固定工程では、山形鋼を用いて止水用のゴムパッキンを介して前記定規材の一方と前記仮締切部材を接合すること
    を特徴とする請求項1に記載の既設水中構造物の仮締切工法。
  3. 前記定規材設置工程では、前記左右一対の定規材の内側の定規材と前記既設水中構造物との間に止水用のゴムパッキンを介装すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の既設水中構造物の仮締切工法。
  4. 既設水中構造物の一部を一時的に締め切ってドライエリアを構築する既設水中構造物の仮締切構造であって、
    既設水中構造物に所定間隔をあけて縦方向に2列のアンカーで固定された定規材と、
    仮締切部材の水平方向の端部に取り付けられたレール材と、を備え、
    前記定規材の一方と前記仮締切部材とが接続鋼材を介して接合されていること
    を特徴とする既設水中構造物の仮締切構造。
  5. 前記左右一対の定規材の内側の定規材と前記既設水中構造物、前記内側の定規材と前記接続鋼材、及び前記接続鋼材と前記仮締切部材とが、それぞれ止水用のゴムパッキンを介してボルト接合されていること
    を特徴とする請求項4に記載の既設水中構造物の仮締切構造。
JP2020110450A 2020-06-26 2020-06-26 既設水中構造物の仮締切工法及び既設水中構造物の仮締切構造 Active JP7267243B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020110450A JP7267243B2 (ja) 2020-06-26 2020-06-26 既設水中構造物の仮締切工法及び既設水中構造物の仮締切構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020110450A JP7267243B2 (ja) 2020-06-26 2020-06-26 既設水中構造物の仮締切工法及び既設水中構造物の仮締切構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022007456A true JP2022007456A (ja) 2022-01-13
JP7267243B2 JP7267243B2 (ja) 2023-05-01

Family

ID=80110417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020110450A Active JP7267243B2 (ja) 2020-06-26 2020-06-26 既設水中構造物の仮締切工法及び既設水中構造物の仮締切構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7267243B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0254014A (ja) * 1988-08-15 1990-02-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 戸当り金物の水中施工方法
KR20090037114A (ko) * 2007-10-11 2009-04-15 현대건설주식회사 시트파일과 띠장을 이용한 가물막이와 그 시공방법 및 이를이용한 수중 구조물 시공방법
JP2015052214A (ja) * 2013-09-06 2015-03-19 株式会社日本海洋サービス 水中における土留め工法
JP2018071345A (ja) * 2017-12-06 2018-05-10 鹿島建設株式会社 仮締切構造体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0254014A (ja) * 1988-08-15 1990-02-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 戸当り金物の水中施工方法
KR20090037114A (ko) * 2007-10-11 2009-04-15 현대건설주식회사 시트파일과 띠장을 이용한 가물막이와 그 시공방법 및 이를이용한 수중 구조물 시공방법
JP2015052214A (ja) * 2013-09-06 2015-03-19 株式会社日本海洋サービス 水中における土留め工法
JP2018071345A (ja) * 2017-12-06 2018-05-10 鹿島建設株式会社 仮締切構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP7267243B2 (ja) 2023-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018024982A (ja) 既設杭基礎の補強工法及び補強構造
CN102650127B (zh) 一种预制钢砼混合结构u型板桩
KR101687495B1 (ko) 지하 구조물 구축을 위한 부분 탑다운 공법
CN211368741U (zh) 一种长江沿岸粉细沙地层中的支护系统
CN106812131B (zh) 一种永久板桩地下结构及其施工方法
JPH11117315A (ja) 仮締切構造体
JP4326908B2 (ja) 沈設用土留壁及び沈設用土留壁の施工方法
CN110468873A (zh) 一种小空间下桥台桩基托换结构及使用方法
JP2022007456A (ja) 既設水中構造物の仮締切工法及び既設水中構造物の仮締切構造
CN106812359A (zh) 一种装配式地下车库及其建造方法
KR100912574B1 (ko) 조립식 버팀보를 이용한 흙막이 시스템 및 그를 이용한터파기 방법
CN105113513B (zh) 一种防渗水基坑支护结构及施工方法
KR20040039271A (ko) 교량 우물통 기초신설 및 기초보수 보강을 위한(철재형틀)슈가물막이 공법.
JP3641783B2 (ja) 地滑り抑止鋼管組杭の頭部剛結材
CN108277798A (zh) 预应力型钢支护桩及其施工方法
CN208088282U (zh) 预应力型钢支护桩
CN108222011A (zh) 一种空心支护桩中设置可回收预应力钢架的基坑支护方法
KR20130004800A (ko) 비개착 슬래브 구조물의 수직 응력에 저항하기 위한 강관 설치 구조 및 그 시공방법
JP2002242302A (ja) 建築鉄骨骨組の柱梁接合構造及びその接合方法
CN219298271U (zh) 明挖管群结构
CN217053481U (zh) 一种沉井可变形接缝结构
CN216304659U (zh) 基坑支护结构
CN111236952B (zh) 一种全回收装配式矩形顶管工作井钢结构支护装置及其工作井的施工方法
CN111576447B (zh) 一种装配化的顶管工作坑支护结构及其施工工艺
CN113338990B (zh) 用于连续大跨度地下空间的预应力束合结构及施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230111

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7267243

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150