JP2022007134A - 単眼撮像装置による三次元座標測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これに対し、移動体に取り付けられたカメラを使用し、被測定対象物の位置がずれた視差画像を撮影し、三角測量の原理によって測定物の三次元形状を測定する装置も知られており、この方式の1つに移動ステレオ方式がある。
移動ステレオ方式とは、一つのカメラで異なる位置で物体を撮影し、外部から与えられるその間のカメラの移動量を用いて、映像に映っている物体の三次元位置を、映像内の特徴点の視差から三角測量で算出するものである。
例えば、特許文献1では、移動ステレオ方式において、計測誤差を一定にするために、自動車車両が一定量移動を行ったことを検出した上で撮像を行い、障害物との距離を計測する画像処理装置を開示している。
特許文献2では、一定の計測精度を確保するために、後に撮像された画像フレームから抽出された特徴点位置が、先に撮像された画像フレームから抽出された特徴点位置から所定距離(視差)を満たさなかった場合は抽出結果から除外する三次元座標測定装置を開示している。
特許文献1及び特許文献2に示される装置では、一定の精度を保つ装置を示しているが、要求される精度に応じて精度を変更する方法は示していない。
前記測定対象物における複数の測定対象点のおおよその位置座標と測定に係る要求精度とを入力する入力段階と、
入力された前記位置座標と前記要求精度と、予め設定した前記単眼撮像装置のレンズ主点と撮像素子との距離の範囲とから、各前記測定対象点の撮像位置と撮像高さとを算出して設定する設定段階と、
最初に撮像する前記測定対象点から最後に撮像する前記測定対象点まで、前記設定段階で設定された撮像位置と撮像高さとに前記主軸を移動させて前記単眼撮像装置で各前記測定対象点の撮像を行う測定段階と、
各前記測定対象点が撮像された画像の内、撮像された前記測定対象点が前記画像内で前記要求精度を満たす測定が可能な距離だけ離れた画像2枚を選択し、三角測量により前記単眼撮像装置と前記測定対象点までの垂直方向距離を算出する距離算出段階と
を実行することを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記構成において、前記入力段階では、
前記測定対象物の全体を撮像するように少なくとも2か所以上の位置で複数枚の画像を前記単眼撮像装置により撮像し、前記測定対象物の特徴点の前記複数枚の画像から三角測量により演算を行い、前記測定対象物のおおよその形状位置を取得する形状把握段階を実行し、
前記形状把握段階で得られた前記形状位置を用いて前記測定対象点のおおよその位置座標と要求精度との入力を行うことを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記構成において、前記距離算出段階では、
前記測定対象点が撮像された画像の内、前記画像上の前記測定対象点の像の距離間隔が最も長いもの2枚を選択することを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記構成において、前記設定段階では、
前記撮像高さと、前記測定対象点の位置座標とから、前記測定対象点の像の距離間隔が最も長い2枚の画像の撮像が可能な予想位置を算出し、前記予想位置を撮像位置として設定することを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記構成において、前記設定段階では、
前記撮像位置の設定において、前記撮像位置へ前記単眼撮像装置が向かう手前にアンダートラベル距離を、前記単眼撮像装置が向かう前記撮像位置から先へオーバートラベル距離をそれぞれ設定し、
前記アンダートラベル距離及び前記オーバートラベル距離内では複数箇所の任意の撮像位置を設定することを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記構成において、前記設定段階では、
前記測定対象点の中から基準点を選択し、
前記基準点を測定する際の前記単眼撮像装置の撮像高さを算出する第1の段階と、
前記基準点と異なる前記測定対象点について、前記単眼撮像装置内のレンズ主点位置を、前記基準点を測定する際と同じにした状態において測定する際の前記単眼撮像装置の撮像高さを算出する第2の段階と、
前記撮像高さを算出した測定対象点と前記基準点とのいずれかを新たな基準点として前記第1の段階を実行した上で、測定を行っていない測定対象点について前記第2の段階を実行する第3の段階とを、
全ての前記測定対象点に対して実行することで前記単眼撮像装置の測定経路を決定することを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記構成において、前記単眼撮像装置は、光学カメラであることを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記構成において、前記設定段階では、
前記単眼撮像装置の測定経路と、前記撮像を行う間隔とから全ての前記測定対象点を測定するのに要する時間を算出し、算出した時間を報知することを特徴とする。
図1は、工作機械の一形態であり、3つの互いに直交する並進軸を有するマシニングセンタ20の模式図である。主軸頭22は、コラム24の前面でX軸方向へ移動可能に設けられたサドル25に固定されて、下向きに主軸22aを備えている。主軸頭22は、並進軸であり互いに直交するX軸、Z軸によってベッド21に対して並進2自由度の運動が可能である。テーブル23は、並進軸でありX軸およびZ軸に直交するY軸によりベッド21に対して並進1自由度の運動が可能である。したがって、主軸頭22は、テーブル23に対して並進3自由度の運動が可能である。XYZ軸の動作は図に示していない数値制御装置により制御されるサーボモータ駆動により実行され、工作物をテーブル23に固定し、主軸頭22の主軸22aに工具を装着して回転させ、工作物と工具の相対位置および相対姿勢を制御することで、工作物の加工を行う。
なお、本発明に関わる機械としては、軸数は3軸に限らず、並進軸のみ3軸、4軸、5軸でもよい。さらにまた、回転軸によりテーブル23や主軸頭22が回転1自由度以上を持つ機構でもよい。
図3は、本発明を適用した測定対象点の三次元座標測定方法を実施する三次元座標測定装置の一実施の形態の構成例を示している。
三次元座標測定装置は、モニター51と、演算部52とを備える。モニター51には、3Dモデルデータと、要求精度・測定条件との入力が可能となっている。演算部52は、入力された3Dモデルデータと、モニター51を介して得られる要求精度・測定条件とから、測定経路・撮像間隔・測定時間を算出する。
送り軸制御部53は、演算部52で算出された測定経路に従い、XYZ軸の送り軸制御を行う。これによって、主軸頭22に取り付けられた撮像装置1が、ワーク2を撮像する測定経路を移動する。移動検出部54は、送り軸制御部53からの情報に基づいて撮像装置1の移動量や座標を検出し、画像取得部55は、移動検出部54から撮像装置1の移動量及び座標を得ると共に、撮像装置1から画像を得る。測定対象点検出部56は、画像取得部55から得た移動量及び座標、画像から測定対象点を検出する。送り軸制御部53は、測定対象点となる次の撮像位置までXYZ軸の制御を行う。測定対象点位置座標演算部57は、測定対象点検出部56から得られた情報から測定対象点の位置座標を算出する。結果出力部58は、結果処理を行い、得られた結果をモニター51に表示する。
ステップ(以下「S」と表記する。)1において、ワーク2のCADデータを読み込むか否かを選択する。
S2において、CADデータを使用する場合はCADデータを読み込む。
S3において、撮像装置1でワーク2全体の形状を撮像して、公知の技術、例えばエッジ検出によってCADデータと比較し、S5で、ワーク2のおおよその位置座標を取得する。
S2でCADデータを使用しない場合は、S4において、撮像装置1をワーク2から離して視野を大きくとり、ワーク2全体のおおよその形状を移動ステレオ方式によって撮像する。
図6のように、撮像位置座標1Aから距離Lだけ水平方向に撮像装置1を撮像位置座標3Aに移動させる。このときに測定対象点7Aが凸レンズ11を通して撮像素子12上に像6qとして撮像される。この撮像素子12上の像6pと像6qとの距離を視差Sとする。視差Sは、撮像位置座標1Aで撮像した画像と撮像位置座標3Aで撮像した画像とから求める。
このとき、凸レンズ主点4と撮像素子12との間の距離をbとすると、測定対象点7Aと凸レンズ主点4とのZ軸方向の距離Hは次式(1)のように求まる。
また、撮像位置座標1Aと測定対象点7Aとの水平方向の距離XAも、撮像位置座標1Aでの撮像素子12上の中心から像6pとの間の水平方向の距離X1Aを用いて次式(2)のように表せる。
S6において、取得した位置座標から3Dモデルが生成され、これを使用して測定箇所、測定点数、要求精度を入力していく(S6:入力段階)。
S7において、凸レンズ11の焦点距離に依存する凸レンズ主点4と撮像素子12との間の距離b、入力された高さ方向、水平方向の寸法の要求精度から、要求精度を満たす測定を行うのに必要な撮像装置1と各測定対象点との距離Hと被写界深度とを求め、各測定対象点において必要な測定を行う撮像高さを求める。
式(3)が示すことは、図6における撮像装置1と測定対象点7Aとの距離H、視差Sで精度が求まるということである。精度を高くする場合は、視差Sを最大とする測定が望ましい。
水平方向の位置測定において、図6における撮像素子12内の測定対象点7Aの像6pの観測誤差Δxを用いて、測定対象点7Aと撮像装置1との水平方向の距離XAの誤差ΔXAは次式(4)で表される。
式(3)から視差Sのばらつき精度δS、測定対象点7Aまでの距離Hのばらつき精度δHを用いて、垂直方向の距離精度を満たす測定対象点7Aから凸レンズ主点4までのZ軸方向の距離Hは次式(5)のようになる。
式(4)から、測定対象点7Aと撮像装置1との水平方向の距離のばらつき精度δXAは、撮像素子12内の測定対象点7Aの像6pのばらつき精度をδxとして、次式(10)のように表される。
式(5)、及び式(10)によって算出される撮像装置1の撮像高さの内、水平方向と垂直方向の要求精度を両方満たし、測定対象点7Aが式(9)に示す被写界近点と被写界遠点との間に入るものを、S7で測定を行う撮像装置1の撮像高さとする。
また、図7に示すように、各撮像位置へ向かう手前にアンダートラベル位置、各撮像位置の先にオーバートラベル位置をそれぞれ設定し、アンダートラベル位置1”Aから撮像位置座標1Aまで、測定対象点を見つけるための撮像を行う撮像間隔も求める。また求めた測定経路、撮像間隔、予め設定された主軸移動速度や撮像時間から測定にかかる時間を算出する。測定時間はモニター51等で報知する。
図7において、点線で示す撮像素子13は、測定対象点7Aが撮像素子12に結合される前の位置である。点線で示す8は、測定対象点7Aが撮像素子13に結合される前の測定対象点7Aからの光軸である。41は、アンダートラベル位置1”Aでの凸レンズ主点、42は、予想位置1’Aでの凸レンズ主点である。
1画素分の撮像素子12の長さdxを用いて、1画素に撮像されるワーク2の長さdXは、次式(11)の通りである。
但し、式(11)に示されるアンダートラベル及びオーバートラベル時の撮像間隔は、測定対象点7Aと凸レンズ主点41とのZ軸方向の距離Hに依存し、精度高く測定を行う場合は撮像距離間隔が短くなるために測定に時間がかかる。
S9で測定可能と判断されれば、S10で、S8で求めた、最初の撮像開始位置もしくは最初の撮像開始位置のアンダートラベル位置へ送り軸を制御し、撮像装置1を移動させる。
S11において、S8で求めた測定経路、撮像間隔及び撮像位置に従って送り軸を制御し、撮像装置1での撮像を行っていく(S10,S11:測定段階)。
S12において、撮像を行った画像の内、ある測定対象点について視差が最大となる画像を二枚選択し、その画像を撮影した撮像装置1の位置から、撮像装置1と測定対象点との垂直距離を式(1)から求める(S12:距離算出段階)。また、測定対象点の水平位置座標を求める場合は、該測定対象点が画像の中心にある画像を撮像した位置から求める。
S13において、二点目以降の測定対象点の測定であるかを確認する。
S14において、二点目以降の測定対象点の測定であれば、前回の測定対象点との距離や相対的な位置関係を求める。
S15において、全ての測定対象点の測定が終了するまでS11からS14までを繰り返す。
S16において、全ての測定対象点の測定が終了した場合、測定対象点の寸法や高さ(表面粗さ)分布をマッピングする。
まず、基準点として測定対象点7A”を選択し、測定対象点7A”を測定する際の撮像装置1の撮像高さ34を算出する(第1の段階)。次に、他方の測定対象点7B”についても測定する際の撮像装置1の撮像高さ34を、凸レンズ主点4の位置を同じにした状態で算出する(第2の段階)。
次に、測定対象点7B”を新たな基準点として測定する際の撮像装置1の撮像高さ34を算出し、次の測定対象点7C”について測定する際の撮像装置1の撮像高さ34を算出する(第3の段階)。これを測定対象点7D”まで行うことで測定経路33を決定する。
HA”B”=HA”-HB”+ΔZA”B”
で求められる。測定対象点7B”と測定対象点7C”との垂直方向距離HB”C”、測定対象点7C”と測定対象点7D”との垂直方向距離HC”D”も同様に求められる。測定経路33は図10と同様の処理で決定される。
この構成により、ワーク2の各部で要求された精度の測定を、一種類の凸レンズ11で測定することが可能となる。特に、S8では、測定にかかる時間を算出してモニタ等で報知するため、ワーク2の測定を効率よく行うことが可能となる。
Claims (8)
- 工作機械の主軸に取り付けられた単眼撮像装置で撮像された画像を用いて所定の測定対象物までの距離及び前記測定対象物の位置を測定する三次元座標測定方法であって、
前記測定対象物における複数の測定対象点のおおよその位置座標と測定に係る要求精度とを入力する入力段階と、
入力された前記位置座標と前記要求精度と、予め設定した前記単眼撮像装置のレンズ主点と撮像素子との距離の範囲とから、各前記測定対象点の撮像位置と撮像高さとを算出して設定する設定段階と、
最初に撮像する前記測定対象点から最後に撮像する前記測定対象点まで、前記設定段階で設定された撮像位置と撮像高さとに前記主軸を移動させて前記単眼撮像装置で各前記測定対象点の撮像を行う測定段階と、
各前記測定対象点が撮像された画像の内、撮像された前記測定対象点が前記画像内で前記要求精度を満たす測定が可能な距離だけ離れた画像2枚を選択し、三角測量により前記単眼撮像装置と前記測定対象点までの垂直方向距離を算出する距離算出段階と
を実行することを特徴とする三次元座標測定方法。 - 前記入力段階では、
前記測定対象物の全体を撮像するように少なくとも2か所以上の位置で複数枚の画像を前記単眼撮像装置により撮像し、前記測定対象物の特徴点の前記複数枚の画像から三角測量により演算を行い、前記測定対象物のおおよその形状位置を取得する形状把握段階を実行し、
前記形状把握段階で得られた前記形状位置を用いて前記測定対象点のおおよその位置座標と要求精度との入力を行うことを特徴とする請求項1に記載の三次元座標測定方法。 - 前記距離算出段階では、
前記測定対象点が撮像された画像の内、前記画像上の前記測定対象点の像の距離間隔が最も長いもの2枚を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元座標測定方法。 - 前記設定段階では、
前記撮像高さと、前記測定対象点の位置座標とから、前記測定対象点の像の距離間隔が最も長い2枚の画像の撮像が可能な予想位置を算出し、前記予想位置を撮像位置として設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の三次元座標測定方法。 - 前記設定段階では、
前記撮像位置の設定において、前記撮像位置へ前記単眼撮像装置が向かう手前にアンダートラベル距離を、前記単眼撮像装置が向かう前記撮像位置から先へオーバートラベル距離をそれぞれ設定し、
前記アンダートラベル距離及び前記オーバートラベル距離内では複数箇所の任意の撮像位置を設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の三次元座標測定方法。 - 前記設定段階では、
前記測定対象点の中から基準点を選択し、
前記基準点を測定する際の前記単眼撮像装置の撮像高さを算出する第1の段階と、
前記基準点と異なる前記測定対象点について、前記単眼撮像装置内のレンズ主点位置を、前記基準点を測定する際と同じにした状態において測定する際の前記単眼撮像装置の撮像高さを算出する第2の段階と、
前記撮像高さを算出した測定対象点と前記基準点とのいずれかを新たな基準点として前記第1の段階を実行した上で、測定を行っていない測定対象点について前記第2の段階を実行する第3の段階とを、
全ての前記測定対象点に対して実行することで前記単眼撮像装置の測定経路を決定することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の三次元座標測定方法。 - 前記単眼撮像装置は、光学カメラであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の三次元座標測定方法。
- 前記設定段階では、
前記単眼撮像装置の測定経路と、前記撮像を行う間隔とから全ての前記測定対象点を測定するのに要する時間を算出し、算出した時間を報知することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の三次元座標測定方法。
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2020
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