JP2022007032A - バスバー - Google Patents

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孝平 高瀬
Kohei Takase
伸得 藤原
Nobuyoshi Fujiwara
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Abstract

Figure 2022007032000001
【課題】バスバーの長さ方向の変位と幅方向の変位とのそれぞれの変位に対して発生する応力を低減することができるバスバーを提供すること。
【解決手段】複数の端子を連結するバスバーであって、複数の導電板が積層されており、複数の端子に接続される複数の接続部の間に、導電板の積層方向に湾曲した湾曲部を備えており、湾曲部に、複数の端子を結ぶ方向と平行なバスバーの長さ方向に延在するスリットを、長さ方向に対して直交するバスバーの幅方向に並べて複数設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、バスバーに関する。
従来、例えば、電動車に搭載される組電池は、複数の単電池を並べて配置することによって構成されており、互いに隣り合う単電池の電極端子同士が、バスバーによって連結されている。大電流による充放電に伴って単電池が膨張または収縮した場合には、電極端子間の距離が変動する。
特許文献1に開示されたバスバーは、複数の導電板が積層されており、互いに隣り合う単電池の電極端子に接続される複数の接続部の間に、導電板の積層方向に湾曲した湾曲部が設けられている。これにより、バスバーによって連結された電極端子間の距離が変動した場合であっても、湾曲部を弾性領域内で変形させることが可能となり、電極端子間の距離の変動に追従するようにバスバーを長さ方向に変形させて、バスバーの長さ方向の変位に対して発生する応力を低減させることができるとされている。
特開2020-21628号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたバスバーにおいては、少なくとも、バスバーの長さ方向と直交する幅方向の変位に対して発生する応力を低減させることについて検討の余地があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、バスバーの長さ方向の変位と幅方向の変位とのそれぞれの変位に対して発生する応力を低減することができるバスバーを提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るバスバーは、複数の端子を連結するバスバーであって、複数の導電板が積層されており、前記複数の端子に接続される複数の接続部の間に、前記導電板の積層方向に湾曲した湾曲部を備えており、前記湾曲部に、前記複数の端子を結ぶ方向と平行な前記バスバーの長さ方向に延在するスリットを、前記長さ方向に対して直交する前記バスバーの幅方向に並べて複数設けたことを特徴とするものである。
本発明に係るバスバーは、バスバーの長さ方向の変位を吸収し、その変位に対して発生する応力を低減する湾曲部に、バスバーの長さ方向に延在するスリットを、バスバーの幅方向に並べて複数設けたことによって、湾曲部におけるバスバーの幅方向の剛性を低減して、バスバーの幅方向の変位を吸収し、その変位対して発生する応力を低減させることができる。これにより、本発明に係るバスバーは、バスバーの長さ方向の変位と幅方向の変位とのそれぞれの変位に対して発生する応力を低減することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る組電池の平面図である。 図2は、実施形態に係るバスバーを示す斜視図である。 図3は、バスバーの積層体を構成する複数の導電板を積層する前の状態を示した図である。 図4は、バスバーをY軸方向から見た側面図である。 図5は、バスバーの平面図である。 図6は、図5に示した領域Aの拡大図である。 図7は、バスバーのZ軸方向で一番上側の導電板のみ、上面にめっき処理が施されてNiめっき面が形成されたバスバーの斜視図である。 図8は、バスバーの積層体を構成する複数の導電板として上部導電板と下部導電板とを積層する前の状態を示した図である。 図9(a)は、上部導電板の平面図である。図9(b)は、下部導電板の平面図である。 図10(a)は、バスバーのZ軸方向で上側に上部導電板を積層し、バスバーのZ軸方向で下側に下部導電板を積層した積層体の斜視図である。図10(b)は、図10(a)における接続部のA-A断面図である。
以下に、本発明に係るバスバーの実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。以下に示す実施形態においては、バスバーが、互いに隣り合うように配置された単電池(蓄電セル)に設けられた電極端子同士を連結する場合を例示して説明する。また、以下に示す実施形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、実施形態に係る組電池1の平面図である。なお、蓄電モジュールとしての組電池1は、例えば、電動車に搭載されるものであって、複数の充放電可能な単電池10が直列に接続されて構成されている。組電池1では、同形状の複数の単電池10が直列に接続されて、組電池1を構成している。単電池10は、例えば、ニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等の二次電池である。単電池10は、例えば、角型形状を有する。なお、組電池1を構成する単電池10の数などは特に限定されない。
各々の単電池10は、互いに距離を隔てて配列されている。各々の単電池10の最も面積の大きい側面同士が互いに対向するように、複数の単電池10が配列されている。隣り合う2つの単電池10間の隙間には、図示しない冷却板または緩衝板などが配置されている。
単電池10は、正極用の端子(電極端子)3と負極用の端子(電極端子)4とを有する。複数の単電池10は、各々の端子3と端子4とが交互に配置されるように、一つずつ反転させて配置されている。隣り合う2つの単電池10のうちの一方の端子3と、他方の端子4とが近接するように、複数の単電池10が配置されている。
組電池1は、隣り合う単電池10を互いに接続するバスバー2を備えている。バスバー2は、隣り合う2つの単電池10のうちの一方の端子3と他方の端子4とを連結し、一方の端子3と他方の端子4とを電気的に接続している。これにより複数の単電池10が直列に接続されて、所望の電圧を有する組電池1が構築されている。
図2は、実施形態に係るバスバー2を示す斜視図である。図3は、バスバー2の積層体22を構成する複数の導電板20a~20hを積層する前の状態を示した図である。図4は、バスバー2をY軸方向から見た側面図である。図5は、バスバー2の平面図である。図6は、図5に示した領域Aの拡大図である。
図2及び図3に示すように、バスバー2は、複数の導電板20a~20hが積層方向であるZ軸方向に積層された積層体22によって構成されている。なお、以下の説明において、複数の導電板20a~20hのそれぞれを特に特定しない場合には、単に導電板20とも記載する。導電板20は、例えば、アルミニウム等の導電性を有する金属板で構成されている。積層体22は、複数の端子3,4を結ぶ方向と平行なバスバー2の長さ方向であるX軸方向の両端部に略平坦となるように設けられ、複数の端子3,4に接続される一対の接続部23と、バスバー2のX軸方向において一対の接続部23の間に設けられ、バスバー2のZ軸方向に湾曲した湾曲部24とを有している。なお、本実施形態において、バスバー2の長さ方向とは、一対の接続部23と湾曲部24との並び方向と平行な方向であって、組電池1における単電池10の配列方向と平行な方向である。
積層体22の一対の接続部23(バスバー2のX軸方向の両端部)は、ホットプレスによって一体化されている。また、一対の接続部23には、単電池10の端子3,4と溶接によって接合される一対の接合部21が設けられている。湾曲部24は、バスバー2のX軸方向において一対の接続部23を橋渡しするように設けられている。
積層体22の板厚は、バスバー2を単一の導電板で形成する場合に所望の値の大電流が流れるために必要な最低厚さ以上となっている。複数の導電板20の各厚さは、略同一の厚さであり、上記最低厚さの半分以下となっている。
バスバー2のX軸方向において、積層体22の一端側から他端側にかけての積層体22の表面に沿った長さは、通常時の端子間の距離に、膨張時における端子間距離の変動量を加算した長さよりも長くなっている。湾曲部24の表面に沿った長さは、膨張時または伸縮時における端子間距離の変動を許容できるような長さとなっている。
なお、組電池1における隣り合う単電池10の端子3,4間にバスバー2を取り付ける際には、バスバー2のX軸方向に積層体22を予め圧縮した状態で取り付けることが好ましい。
上述のように構成された実施形態に係るバスバー2を用いて、組電池1における隣り合う単電池10の端子3,4を連結した場合には、端子3,4に接続される複数の接続部23の間に湾曲部24が配置されることとなる。また、バスバー2は、複数の導電板20a~20hが積層されることによって構成されている。このため、バスバー2が単一の導電板で構成される場合と比較して、複数の導電板20a~20hの一枚あたりの板厚が薄くなることにより、複数の導電板20a~20hのそれぞれの表面に作用する引張応力または圧縮応力を低減させることができる。これにより、端子3,4が設けられた単電池10が熱等によって膨張収縮することにより、バスバー2によって連結された端子3,4間の距離が変動した場合であっても、バスバー2は湾曲部24を弾性領域内で変形させることが可能となり、端子3,4間の距離の変動に追従するようにバスバー2を変形させることができる。
実施形態に係るバスバー2は、複数の導電板20a~20hの一枚あたりの板厚を薄くすることによって、各導電板20におけるバスバー2のZ軸方向の剛性を低減し、バスバー2のZ軸方向の変位に対して発生する応力を低減するとともに、複数の導電板20a~20hを積層することによって通電断面積を確保している。また、複数の導電板20a~20hの一枚あたりの板厚を薄くした分、積層枚数で総板厚を保持することにより、通電断面積を維持して、通電抵抗を増加させないようにすることができる。
また、実施形態に係るバスバー2は、積層体22に湾曲部24を設けてアーチ構造とすることにより、図4に示すように、湾曲部24によってバスバー2のX軸方向の剛性を低減して、バスバー2のY軸方向の変位を吸収し、その変位に対して発生する応力を低減させることができる。
また、実施形態に係るバスバー2は、図5に示すように、湾曲部24に、バスバー2のX軸方向に延在するスリット25を、バスバー2の幅方向であるY軸方向に並べて複数設けている。なお、本実施形態において、バスバー2の幅方向とは、前記積層方向と前記長さ方向と直交する方向である。ここで、スリット25の端部が角ばっていると、角に応力が集中し、バスバー2が破れる懸念がある。そのため、実施形態に係るバスバー2では、スリット25の端部を丸くしてR形状(半円形状)とすることによって、応力集中を回避でき、バスバー2の破れを抑制することができる。
実施形態に係るバスバー2においては、図6に示すように、湾曲部24にスリット幅W1の複数のスリット25を設けることによって、湾曲部24に形成された一対の接続部23間の複数の通電経路の各通電経路幅W2を細くしている。これにより、実施形態に係るバスバー2においては、湾曲部24におけるバスバー2のY軸方向の剛性を低減して、バスバー2のY軸方向の変位を吸収し、その変位に対して発生する応力を低減することができる。
また、実施形態に係るバスバー2では、湾曲部24に細いスリット25を入れることによって、通電断面積を小さくし通電抵抗による発熱の増加を抑えつつ、湾曲部24の表面積を増加させて放熱面積を拡大し放熱性を高めることにより、バスバー2の温度を低減させることができる。
以上のように、実施形態に係るバスバー2においては、バスバー2のX軸方向の変位とY軸方向の変位とZ軸方向の変位とを吸収し、それぞれの変位に対して発生する応力を低減することができるため、バスバー2の接続部23における接合部21と、単電池10の端子3,4とを接合した溶接部分にかかる応力を緩和させて、前記溶接部分が破壊させることを抑制することができる。
図7は、バスバー2のZ軸方向で一番上側の導電板20aのみ、上面にめっき処理が施されてNiめっき面26が形成されたバスバー2の斜視図である。
従来、電圧検出センサの導電線とバスバーとをはんだによって電気的に接続する際には、はんだの濡れ性を確保するために、全面メッキした電圧検出プレートを前記導電線とバスバーとの間に介在させていたため、電圧検出プレートを別途で設ける分、部品点数が増えてコスト上昇につながっていた。
これに対して、実施形態に係るバスバー2においては、図7に示すように、積層体22を構成する複数の導電板20a~20hのうち、バスバー2のZ軸方向で一番上側の導電板20aのみ、上面の全面または一部にめっき処理を施してNiめっき面26が形成されている。これにより、導電板20aの上面に形成されたNiめっき面26によって、はんだ5の濡れ性を確保して、電圧検出センサの導電線6とバスバー2とを、はんだ5によって電気的に接続することができる。よって、実施形態2に係るバスバー2においては、電圧検出センサの導電線6とバスバー2とを、はんだ5によって電気的に接続する際に、前記電圧検出プレートを廃止することができるため、部品点数を減らして低コスト化を図ることができる。
図8は、バスバー2の積層体22を構成する複数の導電板20a~20hとして上部導電板20Aと下部導電板20Bとを積層する前の状態を示した図である。図9(a)は、上部導電板20Aの平面図である。図9(b)は、下部導電板20Bの平面図である。図10(a)は、バスバー2のZ軸方向で上側に上部導電板20Aを積層し、バスバー2のZ軸方向で下側に下部導電板20Bを積層した積層体22の斜視図である。図10(b)は、図10(a)における接続部23のA-A断面図である。
実施形態に係るバスバー2において、積層体22における接続部23の通電断面積から要求される板厚では、接合部21の溶接要件の板厚が目標値よりも厚くなる場合がある。そのため、実施形態2に係るバスバー2においては、図8に示すように、積層体22を構成する複数の導電板20a~20hのうち、バスバー2のZ軸方向で上側に積層する導電板20a,20bとして、図9(a)に示した接続部23における接合部21に開口部27を設けた上部導電板20Aを用い、バスバー2のZ軸方向で下側に積層する導電板20c~20hとして、図9(b)に示した接続部23に開口部27を設けていない下部導電板20Bを用いてもよい。
これにより、図10(a)に示したバスバー2において、図10(b)に示すように、接続部23の通電断面から要求される板厚t1に対して、開口部27の厚さ分だけ接合部21(図2参照)の溶接要件の板厚t2を薄くすることができ、前記板厚t1と前記板厚t2とを両立することができる。
1 組電池
2 バスバー
3,4 端子
10 単電池
20,20a,20b,20c,20d,20e,20f,20g,20h 導電板
21 接合部
22 積層体
23 接続部
24 湾曲部
25 スリット
26 Niめっき面
27 開口部

Claims (1)

  1. 複数の端子を連結するバスバーであって、
    複数の導電板が積層されており、前記複数の端子に接続される複数の接続部の間に、前記導電板の積層方向に湾曲した湾曲部を備えており、
    前記湾曲部に、前記複数の端子を結ぶ方向と平行な前記バスバーの長さ方向に延在するスリットを、前記長さ方向に対して直交する前記バスバーの幅方向に並べて複数設けたことを特徴とするバスバー。
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