JP2022002292A - ステージ装置、パターン形成装置、及び物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スループットの向上を維持しながら、位置決め精度の低下を抑制することができるステージ装置を提供する。【解決手段】本発明に係るステージ装置は、ステージと、ステージを駆動する駆動部と、入力信号をそれぞれがパルス幅変調制御及びリニア制御することによって増幅することで得られる出力信号を駆動部に出力する第1及び第2の増幅器と、第1及び第2の増幅器と駆動部との間の第1及び第2の接続をオンにするか又はオフにする切替器と、ステージを駆動するための指令値から入力信号を演算して第1及び第2の増幅器に出力する制御部とを備えるステージ装置であって、制御部は、ステージ及び駆動部のパラメータと指令値とに基づいて、第2の増幅器の出力電圧が最大出力電圧に収まるように切替器の切り替え条件を決定し、決定された切り替え条件に基づいて切替器を制御することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、ステージ装置、パターン形成装置、及び物品の製造方法に関する。
パターン形成装置で用いられるステージ装置では、スループット及び位置決め精度双方の向上が求められている。
特許文献1は、非露光期間ではPWM増幅器からの大電流を用いて大きな推力を印加することでスループットを向上させ、露光期間ではリニア増幅器からの高品位な電流を用いて安定した推力を印加することで位置決め精度を向上させたステージ装置を開示している。
特開2001−128488号公報
特許文献1に開示されているステージ装置では、出力電流が所定の値以上である場合にはPWM増幅器を使用するように選択を行う一方で、出力電流が所定の値未満である場合にはリニア増幅器を使用するように選択を行う選択器を設けている。
このとき、ステージの駆動部として誘導性負荷であるモータを用いていると、指令値の周波数に応じて負荷電流波形の位相と負荷電圧波形の位相とが互いにずれてくる。そのため、電流指令値によっては出力電流が所定の値未満であってもリニア増幅器の最大出力電圧を超えてしまう場合があり、位置決め精度が低下する虞がある。
そこで本発明は、スループットの向上を維持しながら、位置決め精度の低下を抑制することができるステージ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るステージ装置は、ステージと、ステージを駆動する駆動部と、入力信号をパルス幅変調制御することによって増幅することで得られる出力信号を駆動部に出力する第1の増幅器と、入力信号をリニア制御することによって増幅することで得られる出力信号を駆動部に出力する第2の増幅器と、第1の増幅器と駆動部との間の第1の接続をオンにするか又はオフにすると共に、第2の増幅器と駆動部との間の第2の接続をオンにするか又はオフにする切替器と、ステージを駆動するための指令値から入力信号を演算して第1の増幅器及び第2の増幅器に出力する制御部とを備えるステージ装置であって、制御部は、ステージ及び駆動部のパラメータと指令値とに基づいて、第2の増幅器の出力電圧が最大出力電圧に収まるように切替器の切り替え条件を決定し、決定された切り替え条件に基づいて切替器を制御することを特徴とする。
本発明によれば、スループットの向上を維持しながら、位置決め精度の低下を抑制することができるステージ装置を提供することができる。
第一実施形態に係るステージ装置が備える位置制御系及び速度制御系のブロック図。 第一実施形態に係るステージ装置における切り替え条件決定処理を示すフローチャート。 切り替え条件決定処理に用いられる指令波形、ブロック図、負荷電流波形及び負荷電圧波形を示した図。 第二実施形態に係るステージ装置が備える位置制御系のブロック図。 ステージ装置が備える位置制御系の一部拡大ブロック図及びスイッチを切り替える様子を示した図。 第二実施形態に係るステージ装置が備える位置制御系においてスイッチを切り替える様子を示した図。 第三実施形態に係るステージ装置が備える位置制御系のブロック図。 第三実施形態に係るステージ装置における切り替え条件決定処理を示すフローチャート。 第三実施形態に係るステージ装置において切り替え条件を決定するための負荷電流波形、負荷電圧波形及び切り替え条件テーブルを示した図。 本実施形態に係るステージ装置を備える露光装置の構成図。 従来のステージ装置が備える制御系のブロック図並びに位置波形、速度波形及び加速度波形の一例を示した図。 従来のステージ装置が備えるモータドライバのブロック図並びにモータ電流波形及びモータ電圧波形の一例を示した図。
以下に、本実施形態に係るステージ装置を添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお以下に示す図面は、本実施形態を容易に理解できるようにするために、実際とは異なる縮尺で描かれている。
本実施形態に係るステージ装置は、効率よく大電流を流すことができるPWM(Pulse Width Moduration:パルス幅変調)増幅器と、歪が小さい高品位な電流を流すことができるリニア増幅器とを組み合わせたモータドライバを用いている。
半導体露光装置で用いられるステージ装置では、スループット及び位置決め精度双方の向上が求められている。
そして、その双方を向上させるために、入力信号をパルス幅変調制御によって増幅して出力するPWM増幅器と、入力信号をリニア制御によって増幅して出力するリニア増幅器とを組み合わせたモータドライバを備えたステージ装置が提案されている。
図11(a)は、従来のステージ装置が備える制御系のブロック図を示している。
また図11(b)は、従来のステージ装置において用いられる駆動指令値101に含まれる位置波形、速度波形及び加速度波形の一例を示している。
図11(a)に示されている従来のステージ装置では、駆動指令値101に含まれる位置指令と不図示のステージ位置検出手段によって検出されるステージ位置との間の差分が位置制御器102に入力されることで、位置制御が行われる。
そして、位置制御器102からはモータドライバの電流指令値が出力され、出力された電流指令値と不図示の電流検出手段によって検出されるモータ電流値との差分が電流制御器103に入力され演算処理されることで、定電流制御が行われる。
次に、電流制御器103から出力される電流は、PWM増幅器104及びリニア増幅器105の双方に入力される。
そして、切り替え手段106としてのスイッチによって選択されたPWM増幅器104及びリニア増幅器105の一方からの出力電流は、モータ107に入力され、定電流制御されたモータ107がステージ108を駆動することで位置制御を行う。
ここでPWM増幅器104は、FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)等を高速にスイッチング制御することで高効率に大電流を流すことができる。
しかしながら、PWM増幅器104ではスイッチングに伴うリップルノイズや非線形歪が発生することが知られている。
一方、リニア増幅器105は、トランジスタの出力段において発生するバイアス電流によって大きい発熱が生じるため効率は低いが、歪が小さい高品位な電流を流すことができる。
そして、露光装置で用いられるステージ装置では、例えば図11(b)に示されるような駆動指令波形を用いて、ステージの駆動制御を行う。
例えば、ステージを所定の位置Aから位置Bまで移動させながら位置Cと位置Dとの間で露光を行うとき、まず台形状に変化する正の加速度を与えて加速させることで、時刻t0からt’までの間にステージを位置Cまで加速移動させる。
その後、加速度を0にすることで、時刻t’からt’’までの間にステージを位置Dまで等速移動させる。
そして、逆台形状の負の加速度を与えて減速させることで、時刻t’’からt1までの間にステージを位置Bまで減速移動させる。
ここで、スループット向上を達成するためには、時刻t0とt’との間の加速区間及び時刻t’’とt1との間の減速区間においてモータ107に大電流を流すことで、ステージ108を高加速度で駆動することが求められる。
一方、時刻t’とt’’との間の定速区間ではステージ108の移動速度を高精度に制御することで高精度な露光を行うためには、モータドライバに歪が小さい高品位な電流を流すことが要求される。
そこで露光装置で用いられるステージ装置では、大電流が必要な加減速区間ではPWM増幅器104を用いて駆動制御を行う一方で、定速区間や時刻t1以降の停止区間ではリニア増幅器105に切り替えて駆動制御を行う。
これにより、高加速度化に伴うスループットの向上と位置決め精度の向上とを達成することができる。
そして、図11(a)に示されている従来のステージ装置では、電流制御器103への電流指令値と予め設定されている切り替え電流設定値110とをコンパレータ109が比較する。
これにより、PWM増幅器104とリニア増幅器105との間の切り替えを行うための切り替え手段106としてのスイッチが制御される。
図12(a)は、従来のステージ装置が備えるモータドライバのブロック図を示している。
また図12(b)及び(c)は、従来のステージ装置が備えるモータドライバにおいて定電流駆動を行った際のモータ電流波形I(R)及びモータ電圧波形V(vtg)の例を示している。
図12(a)に示されているモータドライバでは、電流指令値111と不図示の電流検出手段によって検出されるモータ電流との間の差分を電流制御器103が演算処理することで、定電流制御が行われる。
またここで、PWM増幅器104の最大出力電圧を±200V、リニア増幅器105の最大出力電圧を±40V、切り替え電流設定値110を±1Aとする。
また電流指令値111は、コンパレータ109によって切り替え電流設定値110と比較される。
もし、電流指令値111が切り替え電流設定値110である±1A未満の小電流であった場合には、切り替え手段106としてのスイッチを切り替えることによってリニア増幅器105が選択される。
一方、電流指令値111が切り替え電流設定値110である±1A以上の大電流であった場合には、切り替え手段106としてのスイッチを切り替えることによって、PWM増幅器104が選択される。
ここで、モータ107は巻き線コイルによる誘導性負荷であり、モータ107は抵抗値R及びインダクタンス値LからなるRL回路によって等価的に表すことができ、ここでは一例としてR=13Ω及びL=28mHとする。
そのようなモータ107を用いて定電流駆動を行った際のモータ電流波形I(R)及びモータ電圧波形V(vtg)の例が図12(b)及び(c)に示されている。
ここで、図12(b)は、周波数30Hz及び振幅±5Aの電流指令値111が入力された場合を示しており、図12(c)は、周波数50Hz及び振幅±5Aの電流指令値111が入力された場合を示している。
上記のようにモータ107は誘導性負荷であるため、電流指令値111の周波数に応じてモータ電流波形I(R)の位相とモータ電圧波形V(vtg)の位相とが互いにずれてくる。
図12(b)に示されている例では、電流指令値111が±1AのときにPWM増幅器104からリニア増幅器105に切り替えても、白丸で示されているように、モータ電圧はリニア増幅器105の最大出力電圧±40Vに収まる。
そのため、PWM増幅器104とリニア増幅器105との間の切り替えを良好に行うことができる。
しかしながら図12(c)に示されている例では、電流指令値111が±1AのときにPWM増幅器104からリニア増幅器105に切り替えを行うと、黒丸で示されているようにモータ電圧がリニア増幅器105の最大出力電圧±40Vを超えてしまう場合がある。
そのため、PWM増幅器104とリニア増幅器105との間の切り替えを適切に行うことができない。
このように、モータドライバへの電流指令値と予め設定された切り替え電流設定値とを比較することで増幅器の切り替えを行う従来の方式では、切り替え電流設定値によっては増幅器を切り替える際にリニア増幅器の最大出力電圧を超えてしまう可能性がある。
その場合、モータドライバにおいて電流変動が発生することで、ステージの制御精度が低下する虞がある。
そこで本実施形態に係るステージ装置は、上記の課題を解決するために、以下に示すような構成を採っている。
具体的には、本実施形態に係るステージ装置では、モータパラメータと駆動指令値とを参照することで、PWM増幅器とリニア増幅器との間の切り替え条件を予め決定する演算部を設けている。
ここでモータパラメータとしては、モータの抵抗値、インダクタンス値、推力定数及び可搬質量が含まれる。
そして演算部では、例えば駆動指令値に含まれる位置指令値を微分演算することで、速度波形及び加速度波形が生成される。
次に、モータの可搬質量及び推力定数の値を参照することで、負荷電流波形が生成され、さらに、生成された負荷電流波形をモータの抵抗値及びインダクタンス値から求めた負荷モデルに入力することで、負荷電圧波形が演算される。
そして、速度波形及びモータの推力定数を参照して逆起電圧を求めることで、負荷電圧波形が補正される。
最後に、負荷電流波形と補正後の負荷電圧波形とを参照して、PWM増幅器とリニア増幅器との間で切り替えを行う際にモータ電圧がリニア増幅器の最大出力電圧に収まるような切り替え条件設定値が決定される。
そして、決定された切り替え条件設定値に基づいて、PWM増幅器とリニア増幅器との間で切り替えを行う切り替え手段が制御される。
このように、本実施形態に係るステージ装置では、駆動指令値に応じて、PWM増幅器とリニア増幅器との間における最適な切り替え条件が演算される。
それにより、PWM増幅器とリニア増幅器との間の切り替えを行った際に発生する電流変動を小さくすることができ、ステージ装置の振動を抑制すると共に制御精度を向上させる効果が得られる。
[第一実施形態]
図1(a)及び(b)はそれぞれ、第一実施形態に係るステージ装置で用いられる位置制御系及び速度制御系のブロック図を示している。
なお、本実施形態に係るステージ装置では、位置制御系及び速度制御系の一方を用いてステージの駆動制御が行われる。
図1(a)に示されているように、本実施形態に係るステージ装置が備える位置制御系では、駆動指令値1(指令値)に含まれる位置指令値と不図示のステージ位置検出手段によって検出されるステージ位置を示す値との間の差分が位置制御器2に入力される。これにより、位置制御が行われる。
ここで、ステージ位置検出手段としては、必要な精度に応じて選択されるエンコーダやレーザ干渉計等を用いることができる。
そして、位置制御器2(制御部)からはモータドライバの電流指令値が出力され、出力された電流指令値と不図示の電流検出手段によって検出されるモータ電流値との間の差分が電流制御器3(制御部)に入力され演算処理されることで、定電流制御が行われる。
なお、電流検出手段としては、電流プローブやシャント抵抗等が一般的に用いられる。
次に、電流制御器3から出力される電流(入力電流)は、PWM増幅器4(第1の増幅器)及びリニア増幅器5(第2の増幅器)の双方に入力される。
そして、切り替え手段6としてのスイッチS(切替器)によって選択されたPWM増幅器4及びリニア増幅器5の一方からの出力電流(出力信号)は、モータ7(駆動部)に入力され、定電流制御されたモータ7がステージ8を駆動することで位置制御を行う。
換言すると、切り替え手段6としてのスイッチSは、PWM増幅器4とモータ7との間の第1の接続をオンにするか又はオフにすると共に、リニア増幅器5とモータ7との間の第2の接続をオンにするか又はオフにする。
一方、図1(b)に示されるように、本実施形態に係るステージ装置が備える速度制御系では、駆動指令値1に含まれる速度指令値と不図示のステージ速度検出手段によって検出されるステージ速度を示す値との間の差分が速度制御器12(制御部)に入力される。これにより、速度制御が行われる。
ここで、ステージ速度検出手段においては、エンコーダやレーザ干渉計からの位置出力を微分演算する方法等を用いることができる。
そして、速度制御器12からはモータドライバの電流指令値が出力され、出力された電流指令値と不図示の電流検出手段によって検出されるモータ電流値との差分が電流制御器3に入力され演算処理されることで、定電流制御が行われる。
なお、電流検出手段としては、電流プローブやシャント抵抗等が一般的に用いられる。
次に、電流制御器3から出力される電流は、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の双方に入力される。
そして、切り替え手段6としてのスイッチSによって選択されたPWM増幅器4及びリニア増幅器5の一方からの出力電流は、モータ7に入力され、定電流制御されたモータ7がステージ8を駆動することで速度制御を行う。
そして、本実施形態に係るステージ装置では、モータパラメータ11と駆動指令値1に含まれる位置指令値や速度指令値等とを参照することで、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の切り替え条件を予め決定する演算部10(制御部)を設けている。
換言すると、本実施形態に係るステージ装置では、演算部10は、位置指令値や速度指令値等に基づいたステージ8の駆動が開始される前に、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の切り替え条件を決定する。
そして、コンパレータ9(制御部)が演算部10からの出力と位置制御器2または速度制御器12からの出力とを互いに比較することで、スイッチSの切り替え制御が行われる。
ここで、モータパラメータ11(パラメータ)としては、モータ7の抵抗値、インダクタンス値、推力定数及び可搬質量が含まれる。
図2は、本実施形態に係るステージ装置が備える演算部10における切り替え条件決定処理を示すフローチャートである。
また、図3(a)、(b)及び(c)はそれぞれ、切り替え条件決定処理に用いられる指令波形、切り替え条件決定処理を示すブロック図、及び切り替え条件決定処理で用いられる負荷電流波形並びに負荷電圧波形を示している。
図2に示されているように、切り替え条件決定処理では、まず速度指令波形vel(t)及び加速度指令波形acc(t)が取得される(ステップS11)。
具体的には、図1(a)に示されているように駆動指令値1として位置指令波形pos(t)が与えられる場合には、位置指令波形pos(t)を一回微分演算することで速度指令波形vel(t)を生成することができる。また、位置指令波形pos(t)を二回微分演算することで加速度指令波形acc(t)を生成することができる。
一方、図1(b)に示されているように駆動指令値1として速度指令波形vel(t)が与えられる場合には、一回微分演算することで加速度指令波形acc(t)を生成することができる。
上記に示されるように取得された位置指令波形pos(t)、速度指令波形vel(t)及び加速度指令波形acc(t)の一例が図3(a)に示されている。
次に、モータ7における負荷電流波形i(t)が生成される(ステップS12)。
具体的には、モータ7を駆動するために必要な推力F(t)は、モータ7の可搬質量をMとしたとき、加速度指令波形acc(t)を用いて以下の式(1)のように表される。
F(t)=M×acc(t) ・・・(1)
なお、本実施形態に係るステージ装置では、モータ7の可搬質量Mとしては、ステージ8の質量を用いればよい。
次に、モータ7における負荷電流波形i(t)は、モータ7の推力定数をKfとしたとき、推力F(t)を用いて以下の式(2)のように表される。
i(t)=F(t)/Kf ・・・(2)
従って、モータ7における負荷電流波形i(t)は、式(1)及び(2)から、以下の式(3)のように生成することができる。
i(t)=M×acc(t)/Kf ・・・(3)
次に、負荷電流波形i(t)から負荷電圧波形v(t)を生成するための負荷モデルが生成される(ステップS13)。
具体的には、本実施形態に係るステージ装置で用いられるモータ7は巻き線コイルによる誘導性負荷であるため、図3(b)に示されているように、モータ7のコイルの抵抗値R及びインダクタンス値LからなるRL回路を負荷モデルとして用いる。
次に、ステップS12で生成された負荷電流波形i(t)をステップS13で生成された負荷モデルに入力することによって、負荷電圧波形v(t)が生成される(ステップS14)。
具体的には、ステップS13で生成された負荷モデルは、上記のようにRL回路と等価であるため、生成される負荷電圧波形v(t)は、以下の式(4)のように表すことができる。
v(t)=i(t)×(R+jωL) ・・・(4)
次に、モータ7は上記のようにRL回路で表されるため、コイル電流を妨げる方向に逆起電圧が発生する。そのため、それに基づき負荷電圧波形v(t)を補正することによって補正後の負荷電圧波形vc(t)が生成される(ステップS15)。
具体的には、逆起電圧波形vb(t)は、逆起電圧係数と速度指令波形vel(t)とから以下の式(5)のように表すことができる。
vb(t)=Kf×vel(t) ・・・(5)
なおここで、逆起電圧係数は、モータ7の推力定数Kfと同じ値になることが知られているため、式(5)ではモータ7の推力定数Kfを代入している。
そして、以下の式(6)に示されるように、ステップS14で生成された負荷電圧波形v(t)と逆起電圧波形vb(t)との差から、補正後の負荷電圧波形vc(t)を得ることができる。
vc(t)=v(t)−vb(t) ・・・(6)
なお、ここで説明したステップS13からステップS15までの処理を示したブロック図が、図3(b)に示されている。
次に、ステップS12で生成された負荷電流波形i(t)とステップS15で生成された補正後の負荷電圧波形vc(t)とを参照することで、リニア増幅器5の出力電圧が最大出力電圧±40V以内に収まるような切り替え条件が決定される(ステップS16)。
例えば、図3(c)に示されているような負荷電流波形i(t)及び負荷電圧波形vc(t)では、負荷電流が±0.5Aになったときにリニア増幅器5からPWM増幅器4に切り替える。これにより、白丸で示されているようにリニア増幅器5における出力電圧を最大出力電圧±40V以内に収めることができる。
すなわち、ステップS16において演算部10によって決定された切り替え条件である±0.5Aと位置制御器2または速度制御器12から出力された電流指令値とをコンパレータ9が比較する。そしてコンパレータ9による比較に基づいて、負荷電流が±0.5A未満の場合にはリニア増幅器5が選択されるようにスイッチSを制御する。
このようにして、本実施形態に係るステージ装置では、リニア増幅器5とPWM増幅器4との間の切り替えを良好に行うことができる。
以上のように、本実施形態に係るステージ装置では、モータパラメータ11と駆動指令値1とを参照することで、切り替え手段6によるPWM増幅器4とリニア増幅器5との間の切り替え条件を予め決定する演算部10を設けている。
これにより、PWM増幅器4とリニア増幅器5とを良好に切り替えることができ、スループットの向上を維持しながら、位置決め精度の低下を抑制することで位置決め精度のさらなる向上を図ったステージ装置を提供することができる。
[第二実施形態]
図4は、第二実施形態に係るステージ装置が備える位置制御系のブロック図を示している。
図4に示されているように、本実施形態に係るステージ装置では、駆動指令値1に含まれる位置指令値と不図示のステージ位置検出手段によって検出されるステージ位置との間の位置差分が位置制御器2に入力されることで、位置制御が行われる。
なお、ステージ位置検出手段としては、必要な精度に応じて選択されるエンコーダやレーザ干渉計等を用いることができる。
次に、位置制御器2からはモータドライバの電流指令値が出力され、出力された電流指令値と不図示の電流検出手段によって検出されるモータ電流値との間の差分が電流制御器3によって演算処理されることで定電流制御が行われる。
なお、電流検出手段としては、電流プローブやシャント抵抗等が一般的に用いられる。
次に、電流制御器3から出力される電流は、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の双方に入力される。
そして、切り替え手段6としてのスイッチS1(第1の切替器)及びS2(第2の切替器)によって、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の一方からの電流の出力が選択され、定電流制御されたモータ7がステージ8を駆動することで位置制御が行われる。
換言すると、切り替え手段6としてのスイッチS1は、PWM増幅器4とモータ7との間の第1の接続をオンにするか又はオフにする。一方、切り替え手段6としてのスイッチS2は、リニア増幅器5とモータ7との間の第2の接続をオンにするか又はオフにする。
なお、本実施形態に係るステージ装置は、第一実施形態に係るステージ装置と同様に、駆動指令値1に含まれる速度指令値に基づいた速度制御系を用いてもよい。
そして、本実施形態に係るステージ装置が備える速度制御系における処理も第一実施形態に係るステージ装置と同様であるため、説明はここでは省略する。
また、本実施形態に係るステージ装置では、モータパラメータ11と位置指令値や速度指令値等を含む駆動指令値1とを参照することによって、PWM増幅器4とリニア増幅器5との間の切り替え条件を予め決定する演算部10が設けられている。
ここで、モータパラメータ11としては、モータ7の抵抗値、インダクタンス値、推力定数及び可搬質量等が含まれる。
図4に示されているように、本実施形態に係るステージ装置では、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の出力段にそれぞれ、切り替え手段6としてのスイッチS1及びS2を独立に設けている。
また、上記で示した第一実施形態に係るステージ装置と同様に、演算部10によって切り替え条件が決定される。
そして、決定された切り替え条件に基づいた閾値と電流指令値とをコンパレータ9が比較し、スイッチS1とS2とを独立に制御することによって、PWM増幅器4の出力とリニア増幅器5の出力とを切り替えている。
図5(a)及び(b)はそれぞれ、ステージ装置が備える位置制御系の一部拡大ブロック図及びスイッチSを切り替える際の様子を示している。
なお、ここで示すステージ装置は、切り替え手段6としてスイッチS1及びS2の代わりに単独のスイッチSを設けていること以外は、本実施形態に係るステージ装置と同一の構成である。
図5(a)に示されているように、時刻T1においてスイッチSが動作することによって、PWM増幅器4が選択された状態(接点C1)からリニア増幅器5が選択される状態(接点C2)に遷移する場合を考える。
このとき、スイッチSの動作に遅れ等が生じると、時刻T2においてリニア増幅器5が選択される状態になるまでに、接点C1及びC2がいずれもオフになっている区間が生じてしまう。
その場合、モータ7は巻き線コイルによる誘導性負荷であるため、電流が通電された状態でモータ7のコイル端が解放されると、図5(b)に示されているように、モータ7のコイルの両端に大きなサージ電圧が発生してしまう。
図6(a)、(b)、(c)及び(d)は、本実施形態に係るステージ装置が備える位置制御系においてスイッチS1及びS2を切り替える際の様子を示している。
図6(a)に示されているように、本実施形態に係るステージ装置では、時刻T1より前の所定の時間においてはスイッチS1がオンになっている一方でスイッチS2がオフになっていることで、PWM増幅器4が選択される(状態1、図6(b))。
次に、時刻T1とT2との間の時間では、スイッチS1及びスイッチS2が双方ともオンになっていることで、PWM増幅器4及びリニア増幅器5が選択される(状態2、図6(c))。
そして、時刻T2より後の所定の時間においては、スイッチS1がオフになっている一方でスイッチS2がオンになっていることで、リニア増幅器5が選択される(状態3、図6(d))。
本実施形態に係るステージ装置では、上記のようにPWM増幅器4及びリニア増幅器5の出力段にそれぞれ、切り替え手段6としてのスイッチS1及びS2を独立に設けている。
そして、PWM増幅器4とリニア増幅器5との間で切り替えを行う際に、コイル端が解放されないようにスイッチS1及びS2双方がオンになる時間を設けている。
これにより、モータ7のコイルの両端におけるサージ電圧の発生を防止することができ、ステージ8の位置決めにおける信頼性を向上させることができる。
以上のように、本実施形態に係るステージ装置では、モータパラメータ11と駆動指令値1とを参照することで、切り替え手段6によるPWM増幅器4とリニア増幅器5との間の切り替え条件を予め決定する演算部10を設けている。
さらに、本実施形態に係るステージ装置では、切り替え手段6を二つのスイッチS1及びS2によって構成することで、PWM増幅器4とリニア増幅器5との間の切り替えに伴うモータ7のコイルの両端におけるサージ電圧の発生を防止することができる。
これにより、PWM増幅器4とリニア増幅器5とをさらに良好に切り替えることができ、スループットの向上を維持しながら、位置決め精度の低下を抑制することで位置決め精度のさらなる向上を図ったステージ装置を提供することができる。
[第三実施形態]
図7は、第三実施形態に係るステージ装置で用いられる位置制御系のブロック図を示している。
第一実施形態に係るステージ装置では、ステージ8の駆動が開始される前に、駆動指令値1に含まれる位置指令値若しくは速度指令値が演算部10に入力される。そして、演算部10がモータパラメータ11と入力された位置指令値若しくは速度指令値とを参照することで、切り替え手段6の切り替え条件を演算することで決定していた。
その際、上記のようにステージ8を駆動する毎に負荷電流波形i(t)及び負荷電圧波形vc(t)を演算する必要があったため、ステージ8の駆動を開始するまでに遅延が生じる可能性がある。
そこで本実施形態に係るステージ装置では、以下の構成を採ることで、そのようなステージ8の駆動における遅延の発生を抑制することができる。
図7に示されているように、本実施形態に係るステージ装置が備える位置制御系では、駆動指令値1に含まれる速度指令値若しくは加速度指令値が演算部15(制御部)に入力される。
そして、演算部15が入力された速度指令値若しくは加速度指令値を積分することによって位置指令値を取得した後、位置制御器2に出力する。
次に、出力された位置指令値と不図示のステージ位置検出手段によって検出されるステージ位置を示す値との差分が位置制御器2に入力される。これにより、位置制御が行われる。
ここで、ステージ位置検出手段としては、必要な精度に応じて選択されるエンコーダやレーザ干渉計等を用いることができる。
そして、位置制御器2からはモータドライバの電流指令値が出力され、出力された電流指令値と不図示の電流検出手段によって検出されるモータ電流値との差分が電流制御器3に入力され演算処理されることで、定電流制御が行われる。
なお、電流検出手段としては、電流プローブやシャント抵抗等が一般的に用いられる。
次に、電流制御器3から出力される電流は、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の双方に入力される。
そして、切り替え手段6としてのスイッチSによって選択されたPWM増幅器4及びリニア増幅器5の一方からの出力電流は、モータ7に入力され、定電流制御されたモータ7がステージ8を駆動することで位置制御を行う。
換言すると、切り替え手段6としてのスイッチSは、PWM増幅器4とモータ7との間の第1の接続をオンにするか又はオフにすると共に、リニア増幅器5とモータ7との間の第2の接続をオンにするか又はオフにする。
なお、本実施形態に係るステージ装置では、図7に示されているような位置制御系を用いているが、これに限らず、図1(b)に示されるような速度制御系を用いてもよい。
この場合、駆動指令値1に含まれる速度指令値を速度制御器12に出力すればよいため、演算部15を省略することができる。
そして本実施形態に係るステージ装置では、切り替え条件テーブル14と駆動指令値1に含まれる速度指令値及び加速度指令値とを参照することで、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の切り替え条件を予め決定する切り替え条件決定部13(制御部)を設けている。
換言すると、本実施形態に係るステージ装置では、切り替え条件決定部13は、位置指令値に基づいたステージ8の駆動が開始される前に、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の切り替え条件を決定する。
すなわち、本実施形態に係るステージ装置では、切り替え条件テーブル14を予め作成しておく。そして、ステージ8を駆動する際に、切り替え条件テーブル14と駆動指令値1に含まれる速度指令値及び加速度指令値とを参照するだけで、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の切り替え条件を決定することができる。
そして、コンパレータ9が切り替え条件決定部13からの出力と位置制御器2からの出力とを互いに比較することで、スイッチSの切り替え制御が行われる。
図8(a)は、本実施形態に係るステージ装置における切り替え条件テーブル14の作成処理を示すフローチャートである。
なお、当該処理は演算部15において行ってもよく、不図示の他の演算部において行ってもよい。
図8(a)に示されているように、切り替え条件テーブル作成処理では、まずステージ8を駆動する上で想定される速度指令波形vel(t)及び加速度指令波形acc(t)の振幅vel及びacc(速度及び加速度のデータ)を取得する(ステップS21)。
なお、ここで想定される振幅vel及びaccは、例えばユーザが入力してもよい。
また、想定される振幅vel及びaccの例が図9(a)及び(b)に示されている。
次に、入力された振幅vel及びaccに基づいて速度指令波形vel(t)及び加速度指令波形acc(t)が生成される(ステップS22)。
ここで、本実施形態に係るステージ装置では、速度指令波形vel(t)及び加速度指令波形acc(t)それぞれの周波数や波形は変化しないものとする。
すなわち、図9(a)及び(b)に示されている例では、速度指令波形vel(t)及び加速度指令波形acc(t)それぞれにおいて、一周期は24msであると共に台形波形状を有していることは変化しないものとする。
次に、モータ7における負荷電流波形i(t)が生成される(ステップS23)。具体的には、モータ7を駆動するために必要な推力F(t)は、モータ7の可搬質量をMとしたとき、加速度指令波形acc(t)を用いて以下の式(7)のように表される。
F(t)=M×acc(t) ・・・(7)
なお、本実施形態に係るステージ装置では、モータ7の可搬質量Mとしては、ステージ8の質量を用いればよい。
次に、モータ7における負荷電流波形i(t)は、モータ7の推力定数をKfとしたとき、推力F(t)を用いて以下の式(8)のように表される。
i(t)=F(t)/Kf ・・・(8)
従って、モータ7における負荷電流波形i(t)は、式(7)及び(8)から、以下の式(9)のように生成することができる。
i(t)=M×acc(t)/Kf ・・・(9)
次に、負荷電流波形i(t)から負荷電圧波形v(t)を生成するための負荷モデルが生成される(ステップS24)。
具体的には、本実施形態に係るステージ装置で用いられるモータ7は、巻き線コイルによる誘導性負荷であるため、図3(b)に示されているように、モータ7のコイルの抵抗値R及びインダクタンス値LからなるRL回路を負荷モデルとして用いる。
次に、ステップS23で生成された負荷電流波形i(t)をステップS24で生成された負荷モデルに入力することによって、負荷電圧波形v(t)が生成される(ステップS25)。
具体的には、ステップS24で生成された負荷モデルは、上記のようにRL回路と等価であるため、生成される負荷電圧波形v(t)は、以下の式(10)のように表すことができる。
v(t)=i(t)×(R+jωL) ・・・(10)
次に、モータ7は上記のようにRL回路で表されるため、コイル電流を妨げる方向に逆 起電圧が発生する。そのため、それに基づき負荷電圧波形v(t)を補正することによって補正後の負荷電圧波形vc(t)が生成される(ステップS26)。
具体的には、逆起電圧波形vb(t)は、逆起電圧係数と速度指令波形vel(t)とから以下の式(11)のように表すことができる。
vb(t)=Kf×vel(t) ・・・(11)
なおここで、逆起電圧係数は、モータ7の推力定数Kfと同じ値になることが知られて いるため、式(11)ではモータ7の推力定数Kfを代入している。
そして、以下の式(12)に示されるように、ステップS25で生成された負荷電圧波形v(t)と逆起電圧波形vb(t)との差から、補正後の負荷電圧波形vc(t)を得ることができる。
vc(t)=v(t)−vb(t) ・・・(12)
次に、ステップS23で生成された負荷電流波形i(t)とステップS26で生成された補正後の負荷電圧波形vc(t)とを参照することで、リニア増幅器5の出力電圧が最大出力電圧±40V以内に収まるような切り替え条件が決定される(ステップS27)。
例えば、図9(a)に示されているように、速度指令波形vel(t)の振幅velがvel、加速度指令波形acc(t)の振幅accがacc(負荷電流波形i(t)の振幅が±3A)である場合を考える。
このとき、ステップS23で生成された負荷電流波形i(t)とステップS26で生成された補正後の負荷電圧波形vc(t)とを参照することで、リニア増幅器5の出力電圧が最大出力電圧±40V以内に収まるような切り替え条件±i11(A)が決定される。
また、図9(b)に示されているように、速度指令波形vel(t)の振幅velがvel、加速度指令波形acc(t)の振幅accがacc(負荷電流波形i(t)の振幅が±5A)である場合を考える。
このとき、ステップS23で生成された負荷電流波形i(t)とステップS26で生成された補正後の負荷電圧波形vc(t)とを参照することで、リニア増幅器5の出力電圧が最大出力電圧±40V以内に収まるような切り替え条件±i22(A)が決定される。
そして、以上に示したような切り替え条件の決定が振幅vel及びaccの想定される全ての組み合わせにおいて行われたか判定する(ステップS28)。
もし、全ての組み合わせで行われていないと判定した場合には(ステップS28のNo)、ステップS21に戻り、切り替え条件の決定処理を続行する。
一方、全ての組み合わせで行われたと判定した場合には(ステップS28のYes)、得られた結果に基づいて切り替え条件テーブル14を作成し(ステップS29)、切り替え条件テーブル作成処理を終了する。
図9(c)は、ステップS29において作成される切り替え条件テーブル14の一例を示している。
図8(b)は、本実施形態に係るステージ装置が備える切り替え条件決定部13における切り替え条件決定処理を示すフローチャートである。
図8(b)に示されているように、切り替え条件決定処理では、まず駆動指令値1に含まれる速度指令波形vel(t)及び加速度指令波形acc(t)の振幅vel及びaccを取得する(ステップS31)。
そして、切り替え条件決定部13は、入力された振幅vel及びaccに基づいて、切り替え条件テーブル14を用いてPWM増幅器4及びリニア増幅器5の切り替え条件に対応する電流値を決定する(ステップS32)。
以上のように、本実施形態に係るステージ装置では、ステージ8を駆動する際に、駆動指令値1に含まれる振幅vel及びaccと切り替え条件テーブル14とを参照することで、切り替え条件を即座に求めることができる。
なお、振幅vel及びaccが以下の式(13)及び式(14)の関係を満たすように切り替え条件テーブル14を作成することで、仮に入力された振幅vel及びaccに対応する値がない場合でも、近傍の値を参照することで切り替え条件を決定できる。
vel<vel<vel<vel<vel ・・・(13)
acc<acc<acc<acc<acc ・・・(14)
例えば、振幅velにおいてはvelとvelとの間の値、振幅accにおいてはaccとaccとの間の値が入力された場合には、それぞれ大きい方の値、すなわちvel及びaccに対応する切り替え条件を決定すればよい。
これにより、切り替え条件はより厳しく、すなわち切り替え条件に対応する電流値はより小さくなるため、PWM増幅器4及びリニア増幅器5を安全に切り替えることができる。
以上のように、本実施形態に係るステージ装置では、切り替え条件テーブル14と駆動指令値1に含まれる振幅vel及びaccとを参照することで、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の切り替え条件を予め決定する切り替え条件決定部13を設けている。
すなわち、本実施形態に係るステージ装置では、予め想定される振幅vel及びaccの組み合わせにおいて負荷電流波形i(t)及び負荷電圧波形vc(t)を演算し、切り替え条件を決定することで、切り替え条件テーブル14を作成する。
そして、ステージ8を駆動する際に、切り替え条件テーブル14と駆動指令値1に含まれる振幅vel及びaccとを参照するだけで、PWM増幅器4及びリニア増幅器5の切り替え条件を決定することができる。
これにより、PWM増幅器4とリニア増幅器5とを良好に切り替えることができ、位置決め精度の低下を抑制しながらスループットのさらなる向上を図ったステージ装置を提供することができる。
以上、好ましい実施形態について説明したが、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
[露光装置]
図10は、本実施形態に係るステージ装置を備える露光装置900の構成図を示している。
露光装置900は、ランプ点灯装置401(光源)、照明光学系402、スリット403、結像光学系404、原版ステージ405、投影光学系406及び基板ステージ407を備えている。
なお本実施形態に係るステージ装置は、例えば原版ステージ405や基板ステージ407の駆動を制御するために用いられる。
ランプ点灯装置401は、高圧水銀ランプ等の紫外線光を発する光源である。
照明光学系402は、第1折り曲げミラー501、第1コンデンサレンズ502、ハエノ目レンズ503、第2コンデンサレンズ504及び第2折り曲げミラー505を有している。
原版ステージ405は、原版Oを保持するマスクステージであり、図10中に示したY軸方向に駆動することができる。
投影光学系406は、原版O上に描画されたパターンを感光剤が塗布された基板P上に投影転写するための投影光学系である。
なお、露光装置900では、オフナー(Offner)型光学系による投影光学系406を用いている。
オフナー型光学系の場合、良好な像領域を確保するために原版Oは円弧形状で照射される。また、基板Pへ到達する露光光の照射形状も円弧形状となっている。
原版Oを透過した光は、台形ミラー601、凹面ミラー602、凸面ミラー603、凹面ミラー602、台形ミラー601の順に反射した後に、基板Pに到達し、原版O上のパターンが基板P上に転写される。
基板ステージ407は、基板Pを保持するウェハステージであり、原版ステージ405と同期させてY方向に駆動することにより基板Pの露光が行われる。基板ステージ407は、Y方向に加えてX方向にも駆動することが可能であり、基板P上に複数のパネルを露光する場合にはX及びY方向に基板ステージ407を駆動させて露光を行う。
ランプ点灯装置401から出射した露光光は、照明光学系402、スリット403及び結像光学系404を通過した後、原版ステージ405上に載置された原版Oを照射する。
そして、原版Oを透過した露光光は、投影光学系406を通過して、基板ステージ407に載置された基板Pを照射し、基板P上の露光領域に対して露光が行われる。
なお上記では、本実施形態に係るステージ装置を露光装置に設けた実施形態を示しているが、これに限らず本実施形態に係るステージ装置は、インプリント装置や描画装置等のパターン形成装置にも適用することができる。
ここでいうインプリント装置とは、基板上に供給されたインプリント材とモールド材とを互いに接触させた後、インプリント材に硬化用のエネルギーを与えることによって、モールドのパターンが転写された硬化物のパターンを形成する装置である。
また描画装置とは、荷電粒子線(電子線)やレーザビームで基板に描画を行うことによって基板上にパターン(潜像パターン)を形成する装置である。
[物品の製造方法]
本実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。
本実施形態に係る物品の製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記に示した露光装置900を用いて潜像パターンを形成するステップ(基板を露光する露光ステップ)を含む。
また、本実施形態に係る物品の製造方法は、該露光ステップで潜像パターンが形成された基板を現像する現像ステップ(加工ステップ)を含む。
更に、本実施形態に係る物品の製造方法は、該現像ステップで現像された基板に対して行う他の周知の製造ステップ(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。
本実施形態に係る物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
また、本実施形態に係る物品の製造方法は、上記の露光装置900に限らず、本実施形態に係るステージ装置を備えるインプリント装置や描画装置等のパターン形成装置を用いて行ってもよい。
1 駆動指令値(指令値)
2 位置制御器(制御部)
3 電流制御器(制御部)
4 PWM増幅器(第1の増幅器)
5 リニア増幅器(第2の増幅器)
6 切り替え手段(切替器)
7 モータ(駆動部)
8 ステージ
9 コンパレータ(制御部)
11 モータパラメータ(パラメータ)
12 速度制御器(制御部)
13 切り替え条件決定部(制御部)

Claims (18)

  1. ステージと、
    該ステージを駆動する駆動部と、
    入力信号をパルス幅変調制御することによって増幅することで得られる出力信号を前記駆動部に出力する第1の増幅器と、
    前記入力信号をリニア制御することによって増幅することで得られる出力信号を前記駆動部に出力する第2の増幅器と、
    前記第1の増幅器と前記駆動部との間の第1の接続をオンにするか又はオフにすると共に、前記第2の増幅器と前記駆動部との間の第2の接続をオンにするか又はオフにする切替器と、
    前記ステージを駆動するための指令値から前記入力信号を演算して前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器に出力する制御部と、
    を備えるステージ装置であって、
    前記制御部は、前記ステージ及び前記駆動部のパラメータと前記指令値とに基づいて、前記第2の増幅器の出力電圧が最大出力電圧に収まるように前記切替器の切り替え条件を決定し、該決定された切り替え条件に基づいて前記切替器を制御することを特徴とするステージ装置。
  2. 前記制御部は、前記指令値に基づいた前記ステージの駆動が開始される前に、前記切り替え条件を決定することを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  3. 前記駆動部は、モータであり、
    前記パラメータは、該モータの抵抗値、インダクタンス値及び推力定数と、前記ステージの質量とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のステージ装置。
  4. 前記制御部は、前記モータにおける負荷電流波形及び負荷電圧波形に基づいて前記切り替え条件を決定することを特徴とする請求項3に記載のステージ装置。
  5. 前記制御部は、前記指令値から速度指令波形及び加速度指令波形を生成し、該加速度指令波形、前記ステージの質量及び前記モータの推力定数から前記負荷電流波形を生成し、前記モータの抵抗値及びインダクタンス値から負荷モデルを生成し、該負荷モデルに前記負荷電流波形を入力することによって前記負荷電圧波形を生成し、前記速度指令波形及び前記モータの推力定数から求められる逆起電圧波形を用いて前記負荷電圧波形を補正することによって、前記負荷電流波形及び前記負荷電圧波形を求めることを特徴とする請求項4に記載のステージ装置。
  6. 前記制御部は、前記パラメータに基づいて作成された切り替え条件テーブルと前記指令値とに基づいて前記切り替え条件を決定することを特徴とする請求項4に記載のステージ装置。
  7. 前記制御部は、入力される複数の速度及び加速度のデータそれぞれについて、速度指令波形及び加速度指令波形を生成し、該加速度指令波形、前記ステージの質量及び前記モータの推力定数から前記負荷電流波形を生成し、前記モータの抵抗値及びインダクタンス値から負荷モデルを生成し、該負荷モデルに前記負荷電流波形を入力することによって前記負荷電圧波形を生成し、前記速度指令波形及び前記モータの推力定数から求められる逆起電圧波形を用いて前記負荷電圧波形を補正することによって、前記負荷電流波形及び前記負荷電圧波形を求め、該求められた負荷電流波形及び負荷電圧波形に基づいて前記切り替え条件を決定することで、前記切り替え条件テーブルを作成することを特徴とする請求項6に記載のステージ装置。
  8. 前記切替器は、前記第1の接続をオンにするか又はオフにする第1の切替器と、前記第2の接続をオンにするか又はオフにする第2の切替器とから構成され、
    前記制御部は、前記第1の接続及び前記第2の接続の一方をオンにし他方をオフにした状態から前記第1の接続及び前記第2の接続の双方をオンにした後、前記一方をオフにし前記他方をオンにした状態に遷移するように該第1の切替器及び該第2の切替器を制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のステージ装置。
  9. 基板上にパターンを形成するパターン形成装置であって、
    前記基板が載置される前記ステージの駆動を制御する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のステージ装置を備えることを特徴とするパターン形成装置。
  10. 請求項9に記載のパターン形成装置を用いて前記基板上にパターンを形成する工程と、
    パターンが形成された前記基板を加工して物品を得る工程と、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
  11. ステージと、該ステージを駆動する駆動部と、入力信号をパルス幅変調制御することによって増幅することで得られる出力信号を前記駆動部に出力する第1の増幅器と、前記入力信号をリニア制御することによって増幅することで得られる出力信号を前記駆動部に出力する第2の増幅器と、前記第1の増幅器と前記駆動部との間の第1の接続をオンにするか又はオフにすると共に、前記第2の増幅器と前記駆動部との間の第2の接続をオンにするか又はオフにする切替器と、前記ステージを駆動するための指令値から前記入力信号を演算して前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器に出力する制御部とを備えるステージ装置を用いて前記ステージの駆動を制御する方法であって、
    前記ステージ及び前記駆動部のパラメータと前記指令値とに基づいて、前記第2の増幅器の出力電圧が最大出力電圧に収まるように前記切替器の切り替え条件を決定するステップと、
    該決定された切替器の切り替え条件に基づいて前記切替器を制御するステップと、
    を含むことを特徴とする、ステージの駆動を制御する方法。
  12. 前記決定するステップは、前記指令値に基づいた前記ステージの駆動が開始される前に前記切り替え条件を決定するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記駆動部は、モータであり、
    前記パラメータは、該モータの抵抗値、インダクタンス値及び推力定数と、前記ステージの質量とを含むことを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記決定するステップは、前記モータにおける負荷電流波形及び負荷電圧波形に基づいて前記切り替え条件を決定するステップを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記決定するステップは、
    前記指令値から速度指令波形及び加速度指令波形を生成するステップと、
    該加速度指令波形、前記ステージの質量及び前記モータの推力定数から前記負荷電流波形を生成するステップと、
    前記モータの抵抗値及びインダクタンス値から負荷モデルを生成するステップと、
    該負荷モデルに前記負荷電流波形を入力することによって前記負荷電圧波形を生成するステップと、
    前記速度指令波形及び前記モータの推力定数から求められる逆起電圧波形を用いて前記負荷電圧波形を補正するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記決定するステップは、前記パラメータに基づいて作成された切り替え条件テーブルと前記指令値とに基づいて前記切り替え条件を決定するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. 入力される複数の速度及び加速度のデータそれぞれについて、速度指令波形及び加速度指令波形を生成し、該加速度指令波形、前記ステージの質量及び前記モータの推力定数から前記負荷電流波形を生成し、前記モータの抵抗値及びインダクタンス値から負荷モデルを生成し、該負荷モデルに前記負荷電流波形を入力することによって前記負荷電圧波形を生成し、前記速度指令波形及び前記モータの推力定数から求められる逆起電圧波形を用いて前記負荷電圧波形を補正することによって、前記負荷電流波形及び前記負荷電圧波形を求め、該求められた負荷電流波形及び負荷電圧波形に基づいて前記切り替え条件を決定することで、前記切り替え条件テーブルを作成するステップを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記切替器は、前記第1の接続をオンにするか又はオフにする第1の切替器と、前記第2の接続をオンにするか又はオフにする第2の切替器とから構成され、
    前記制御するステップは、前記第1の接続及び前記第2の接続の一方をオンにし他方をオフにした状態から前記第1の接続及び前記第2の接続の双方をオンにした後、前記一方をオフにし前記他方をオンにした状態に遷移するように該第1の切替器及び該第2の切替器を制御するステップを含むことを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載の方法。
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