JP2021536149A - 疑似周波数分割多重化 - Google Patents

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Abstract

光送信器(102,200)は、マルチビットシンボルを表す初期デジタル信号に対して疑似FDM(pFDM)変換を適用することにより決定される変換デジタル信号を用いてN個の周波数分割多重化(FDM)サブキャリアを変調することにより、光信号(260)を生成することができる。光信号は、N個のFDMチャネルの影響を受けるのではなく、異なる個数M(M≠N)のpFDMチャネルの影響を受ける。ある例では、pFDMチャネルの個数Mは、FDMチャネルの個数Nよりも少なく、異なるシンボルストリームにわたって周波数依存劣化が平均され得る。他の例では、pFDMチャネルの個数Mは、FDMチャネルの個数Nよりも大きく、異なるシンボルストリームにおいて異なる周波数依存劣化が生じ得る。光受信器(102,300)は、マルチビットシンボルの推定値を復元するように逆pFDM変換を適用することができる。

Description

本明細書は、光通信の技術分野に関するものである。
背景
光通信システムにおいては、送信器は、クライアントデータビットをマルチビットシンボルにマッピングした後、特定の変調スキームを用いて1以上の光信号キャリアを当該シンボルで変調することによりクライアントデータビットをエンコードすることができる。これにより、通信チャネルを介して受信器に送信する光信号を生成することができる。この光信号は、デジタル情報を表している。受信器は、通信チャネルを介して受信した光信号を処理し、マルチビットシンボル、クライアントデータビット、あるいはその両方の推定値を復元することができる。
受信器で受信された光信号は、送信器で生成された光信号が劣化したものを含むことがある。光ファイバ、光増幅器、フィルタ、アイソレータなどをはじめとする光通信システムの様々な構成要素が信号劣化に寄与し得る。増幅器雑音、光学非線形性、偏波依存性損失又は利得(PDL)、偏波モード分散(PMD)、周波数依存損失、及び他の影響により雑音及び/又は歪みが信号に導入されることがある。光信号の大きさに対する雑音の大きさは、信号対雑音比(SNR)、あるいは雑音対信号比(NSR)により特徴付けられることがある。NSRは、雑音源を分析する際に便利な場合がある。NSRが高いと、シンボル推定値に雑音が含まれることがあり、これによってクライアントデータビットの推定値に誤りが生じ得る。受信器で復元されたクライアントデータビットの推定値が、送信器でエンコードされた元のクライアントデータビットと異なる確率は、ビット誤り率(BER)により特徴付けられることがある。特定のアプリケーションは最大BER許容値を有し得る。例えば、あるアプリケーションが、BERが10-16を超えないことを要求することがある。
順方向誤り訂正(FEC)の手法を用いてBERを低くすることができる。送信器が元のクライアントデータビットを直接マルチビットシンボルにマッピングすることに代えて、選択されたFECスキームに基づいて最初にクライアントデータビットに対してFECエンコード処理を行ってもよい。得られるFECエンコード処理済みビットは、パリティやチェックビットのような冗長な情報を含んでいる。受信器で復元されるビット推定値は、送信器で生成されたFECエンコード処理済みビットの推定値となる。選択されたFECスキームに基づいて受信器でこれらの推定値に対してFECデコード処理を行ってもよい。FECデコード処理は、ビット誤りを検出及び訂正するために、FECエンコード処理済みビットに含まれていた冗長な情報を利用する。
FECエンコード処理は、データパケットを再送することなく誤り制御が可能になる点で有利である。しかしながら、これはオーバヘッドの増加という犠牲を払っている。FECエンコード処理により加わったオーバヘッド又は冗長性の量は、情報速度Rにより特徴付けられることがある。このRは、FECエンコード処理後に出力されるデータ(オーバヘッドを含む)の量に対する入力情報の量の比率として定義される。例えば、FECエンコード処理により25%のオーバヘッドが追加される場合には、FECエンコード処理される4情報ビットごとに、FECエンコード処理が1ビットのオーバヘッドを追加することになり、受信器に送信されるFECエンコード処理済みデータビットは5ビットとなる。これは、情報速度R=4/5=0.8に対応する。
概要
広い観点によれば、光受信器は、上記光受信器と光送信器との間で確立される光通信チャネルを介して光信号を受信することができる。該受信された光信号は、上記光送信器で生成された変調光信号の劣化したものを含む。上記光受信器は、さらに、単一のタイムスロットにおける上記受信光信号のN個(N>1)の周波数分割多重化(FDM)チャネルに対応するN組の受信デジタル信号を決定することができる。上記光受信器は、さらに、上記N組の受信デジタル信号及び逆疑似FDM(pFDM)変換を用いてN組の初期信号推定値を決定することができる。初期信号推定値のそれぞれの組は、上記N組の受信デジタル信号のそれぞれの組み合わせから決定され、それぞれの組み合わせは上記逆pFDM変換から決定される。上記光受信器は、さらに、上記N組の初期信号推定値を用いてN個のマルチビットシンボル推定値を決定することができる。
ある例によれば、上記逆pFDM変換は、上記受信デジタル信号における周波数依存信号劣化を平均化する。
ある例によれば、上記逆pFDM変換は、実質的に線形で実質的にユニタリな行列を含む。
ある例によれば、上記光信号キャリアの次元は、変換デジタル駆動信号に基づいて上記光送信器で変調され、上記変換デジタル駆動信号は、pFDM変換及び初期デジタル駆動信号を用いて上記光送信器で決定されたものである。
ある例によれば、上記pFDM変換は第1の行列を含み、上記逆pFDM変換は第2の行列を含み、上記第1の行列及び上記第2の行列は、実質的に線形で実質的にユニタリであり、上記第2の行列は、上記第1の行列の実質的な逆行列である。
ある例によれば、上記第1の行列は周波数依存性を有する。
ある例によれば、上記pFDM変換は、時間領域線形フィルタリングを伴う。
別の広い観点によれば、光受信器は、上記光受信器と光送信器との間で確立される光通信チャネルを介して光信号を受信することができる。該受信された光信号は、上記光送信器で生成された変調光信号(260)の劣化したものを含む。上記光受信器は、さらに、上記受信光信号の単一の分割多重化(FDM)チャネルについてN個のタイムスロットに対応するN組の受信デジタル信号を決定することができる。上記N組の受信デジタル信号は、部分的に重なり、周波数において直交しないM個(M>1及びM≦N)の疑似FDM(pFDM)チャネルにわたって分配される。上記光受信器は、さらに、上記N組の受信デジタル信号及び逆pFDM変換を用いてN組の初期デジタル信号推定値を決定することができる。初期デジタル信号推定値のそれぞれの組は、上記N組の受信デジタル信号のそれぞれの組み合わせから決定され、それぞれの組み合わせは上記逆pFDM変換から決定される。上記光受信器は、さらに、上記N組の初期デジタル信号推定値を用いてN個のマルチビットシンボル推定値を決定することができる。
ある例によれば、上記タイムスロットは連続的である。
ある例によれば、上記逆pFDM変換は、実質的に線形で実質的にユニタリな行列を用いた再帰的行列乗算により実施され、M<Nである。
ある例によれば、上記pFDMチャネルは、実質的に等しい帯域幅を有する。
ある例によれば、上記pFDMチャネルは帯域幅の範囲を有する。
ある例によれば、上記N組の受信デジタル信号は、上記M個のpFDMチャネルにわたって不均一に分配される。
図1は、本明細書に開示される技術による光通信システム例を示すものである。
図2は、本明細書に開示される技術による送信器の例を示すものである。
図3は、本明細書に開示される技術による受信器の例を示すものである。
図4は、64レベル直交振幅変調(64-QAM)スキーム用線形雑音対信号比(NSR)の関数としてのビット誤り率(BER)をプロットしたものを示すものである。
図5は、図4に示されているプロットを拡大した部分を点A及び点Bの例とともに示すものである。
図6は、NSRに対する図4におけるBERの2次導関数をBERの関数として示すものである。
図7は、第1の実施例における送信器で疑似周波数分割多重化(pFDM)変換を実施するための方法を示している。
図8は、第1の実施例における受信器で逆pFDM変換を実施するための方法を示している。
図9は、第2の実施例において送信器で単一のFDMチャネルに適用されるpFDM変換から得られる4つのpFDMチャネルのそれぞれについて周波数の関数としてのパワースペクトル密度のプロットである。
図10は、第2の実施例において送信器でpFDM変換を実施するための方法を示している。
図11は、第2の実施例において受信器で逆pFDM変換を実施するための方法を示している。
図12は、第3の実施例によるpFDM変換行列のそれぞれの要素についての周波数の関数としての振幅応答のプロットである。
図13は、第3の実施例によるpFDM変換行列のそれぞれの要素についての時間の関数としての振幅応答のプロットである。
図14は、第4の実施例に係るpFDM変換の実施を示す模式図である。
図15は、第4の実施例に係る逆pFDM変換の実施を示す模式図である。
図16は、単一のFDMチャネルに適用された第4の実施例に係るpFDM変換から得られるpDFMチャネルについての周波数の関数としてのパワースペクトル密度のプロットである。
図17-21は、pDFMチャネル及びFDMチャネルについての周波数の関数としてのパワースペクトル密度のプロットを示しており、pFDMチャネルは、4つのFDMチャネルのうち2つに第4の実施例に係るpFDM変換を適用することにより得られたものである。
好ましい実施形態の詳細な説明
図1は、本明細書に開示される技術による光通信システム100を示すものである。この通信システム100は送受信器102を備えている。デジタル情報(クライアントデータともいう)を表す光信号が、送受信器102間で光通信チャネル104を介して送信される。本開示の目的のために、光信号は、便宜的に、時間に対する直交4次元(four orthogonal dimensions)の関数であるものとして考える。この直交4次元は、2つの直交偏波(X及びYと総称される)のそれぞれの同相成分(I)及び直交成分(Q)を含んでいる。説明の都合上、特定のタイムスロットtでの4次元をXI(t)、XQ(t)、YI(t)、及びYQ(t)と表すことがある。
「Multiplexed Transmission of Optical Signals」という表題の米国特許第6,313,932号(2001年)において、Roberts氏等は、多数のチャネルを提供するために波長分割多重化(WDM)により多重化された一連の光パルスを送信することについて述べている。
それぞれのサブキャリアを使用して異なるストリームのマルチビットシンボルを表す信号を送信し得るように、光信号キャリアのスペクトルを異なる周波数の複数のサブキャリアにデジタル的に分割するために周波数分割多重化(FDM)が使用されることがある。このように、複数のシンボルストリームは、光通信チャネルを通じて並行に同時に通信され得る。FDMは、信号の帯域幅が重ならないほど十分にサブキャリアの周波数が分離されているときに考えられるものである。異なるサブキャリア周波数のそれぞれは異なるFDMチャネルに対応している。
直交FDMは、データを搬送するためにスペクトルが重なった数多くの密接直交サブキャリア信号を用いる。「Optical Sub-Carrier Multiplexed Transmission」という表題の米国特許出願公開第2005/0074037号(2005年)において、Rickard氏等は、光伝送用OFDMサブキャリアを生成するために離散フーリエ変換(DFT)を利用することについて述べている。「Coherent Optical 25.8-Gb/s OFDM Transmission Over 4160-km SSMF」、Journal of Lightwave Technology、第26巻、第1号、6-15ページ(2008年)において、Jansen氏等は、光OFDMの波長分散特性を許容するために巡回プレフィックスを利用することについて述べている。
送受信器102の様々な設定パラメータを設定できるように送受信器102が柔軟に構成されていてもよい。光通信システム100を作動可能とするためには、送受信器102のうち一方の送受信器102の送信器部の設定パラメータが、送受信器102のうち他方の送受信器102の受信器部の設定パラメータと互換性を有していなければならない。設定パラメータの例としては、変調フォーマット又はスキーム、シンボルレート、順方向誤り訂正(FEC)パラメータ、デジタル信号処理(DSP)パラメータ、パルス整形パラメータ、FDM用サブキャリア数、波長分散補償パラメータ、キャリア位相復元パラメータ、及びデジタル非線形補償パラメータが挙げられる。
光通信チャネル104を介して送信される信号は、光ファイバ、光増幅器、フィルタ、アイソレータ、波長選択スイッチなどの光通信システム100の様々な要素により変化させられる場合がある。例えば、光ファイバ又は光フィルタに信号を通過させると光信号が減衰する場合があり、光増幅器に信号を通過させると信号が強くなる場合がある。特定の構成要素により生じる信号損失(又は信号利得)は、信号の偏波状態に依存し得る。概して、この作用は偏波依存性損失又は偏波依存性利得(PDLで表される)と呼ばれる。2つの直交偏波状態にある波を用いて同一の搬送周波数上で2つのチャネルの情報を送信する場合、システムの特定の要素によってそれぞれのチャネルに異なるレベルのPDLが生じることがある。PDLは光通信システムのすべての要素にわたって蓄積するものである。PDLの結果として、一方の偏波の雑音が他方の偏波の雑音よりも多くなることがある。
光ファイバにおけるランダムな不完全性が2つの直交偏波を異なる速度で伝搬させることがある。偏波モード分散(PMD)と呼ばれるこの作用によって、信号の2つの偏波成分がゆっくりと光ファイバの長さにわたって分離し、これによってパルスが広がり重なり合う。信号のPMDは、重なりが生じるタイムスロット数Mにより特徴付けられることがある。数値Mは、PMD「メモリ」とも呼ばれることがある。受信器で平均最小二乗(LMS)回路のような適応フィルタを用いてPMD補償を行うことができる。しかしながら、LMS回路は、異なる時点の符号の雑音成分間に相関を加えることがある。この雑音相関は、PMDメモリが見られる同一のM個のタイムスロット内で見られることがある。
また、光信号の劣化は、周波数にも依存し得る。例えば、異なるFDMチャネルにおいては、異なるレベルの減衰が生じ得る。
「Optimizing the subcarrier granularity of coherent optical communications systems」、Optics Express、第19巻、第9号、8079〜8084ページ(2011年)において、Du氏等は、シンボルレートが、コヒーレント光通信システムの非線形性に限った性能に大きな影響を与えると述べている。Du氏等の知見は、非線形分散光リンクの最大能力は、それぞれ数ボーを伝搬する複数の電気サブキャリアを用いることによってのみ実現することができ、高シンボルレートシステムによっては実現できないことを示唆している。これらの電気サブキャリアは、離れた周波数帯域を占めているという点において直交的なものである。それぞれの帯域内で典型的に送信されるスペクトル形状はルートレイズドコサインであり、その結果、受信器における整合フィルタ処理による雑音が最小になり、任意の2つの別個のシンボルサンプリング時間における値の間でゼロ相関が生じる(すなわち、符号間干渉(ISI)がゼロ)。受信器で行われるウィナーフィルタ処理は、雑音及びISIを共に最適化することによりこれを修正することができ、これによりISIの量が少なくなり、シンボルは時間的に実質的に相関がないままとなる。「Duobinary Coding and Modulation Technique for Optical Communication Systems」という表題の米国特許第5,892,858号(1999年)においてVaziri氏等により述べられているような部分反応法を用いて時間的に大きな相関関係を意図的に導入してもよい。
「Analytical and Experimental Results on System Maximum Reach Increase Through Symbol Rate Optimization」、Journal of Lightwave Technology、第34巻、第8号、1872〜1885ページ(2016年)において、Poggiolini氏等は、そのようなサブキャリアの最適なシンボルレートは光ラインにおける全分散の平方根に反比例することを示した。したがって、4又は8のようなサブキャリア数の適度な固定値は、高分散ラインでは最適なものとはならない。しかしながら、可変数のFDMサブキャリアをサポートすることは、著しく複雑な設計を必要とし、多数のFDMサブキャリアについてのレーザ線幅に対しても影響を受けやすい場合がある。
「Filtering-tolerant transmission by the Walsh-Hadamard transform for super-channel beyond 100 Gb/s」、アメリカ光学会(2015年)において、芝原氏等は、スーパーチャネルのすべてのサブキャリアにわたって光フィルタリング歪みを拡散させることによりスーパーチャネルの性能を改善する方法について述べている。この方法では、それぞれのサブキャリアが異なる波長に対応している複数のサブキャリアに対してウォルシュ−アダマール変換(WHT)を適用する。
「Twin-Wave-Based Optical Transmission with Enhanced Linear and Nonlinear Performances」、ジャーナルオブライトウェーブテクノロジー、第33巻、第5号、1037〜1043ページ(2015年)において、Liu氏は、位相共役特性を用いてバイナリ位相シフトキーイング(BPSK)信号を「ツインウェーブ」QPSK信号に変換する方法について述べている。
「Pairwise Coding to Mitigate Polarization Dependent Loss」、Optical Fiber Communication Conference(2015年)及び「Subband Pairwise Coding for Robust Nyquist-WDM Superchannel Transmission」、Journal of Lightwave Technology、第34巻、第8号、1746〜1753ページ(2016年)において、Zhu氏等は、チャネル間干渉(ICI)に対する許容範囲を改善するために、WDMサブバンドにわたってペアワイズ符号化を用いることについて述べている。エッジサブバンドからのQ次元は、中央サブバンドからのI次元と交換される。QPSKコンステレーションがI及びQに対して45度となるように回転されて再度スケールが合わされると、エッジサブバンドにおいてICIからの不利益が軽減される。
図2は、本明細書に開示される技術の例による送受信器の送信器部200(「送信器200」)の例を示すブロック図である。
送信器200は、クライアントデータビット204を表す光信号260を送信できるようになっている。この送信器200は偏波分割多重化(PDM)を用いている。他の例(図示せず)においては、光信号の生成が、単一偏波変調、非偏光キャリアの変調、モード分割多重化、空間分割多重化、ストークス空間変調、偏波平衡変調などの別の手法を含んでいてもよい。レーザ240は、連続波(CW)光信号キャリア242を生成できるようになっている。偏光ビームスプリッタ244は、CW光信号キャリア242を直交偏波成分246,248に分離できるようになっており、直交偏波成分246,248が電気−光変調器250,252によってそれぞれ変調されて変調偏波光信号254,256が生成され、変調偏波光信号254,256がビームコンバイナ258により合波されて光信号260が生成される。
特定用途向け集積回路(ASIC)202は、電気−光変調器250を駆動するためのIアナログ駆動信号232及びQアナログ駆動信号234を生成できるようになっている。また、ASIC202は、電気−光変調器252を駆動するためのIアナログ駆動信号236及びQアナログ駆動信号238を生成できるようになっている。
ASIC202は、クライアントデータビット204に対してFECエンコード処理206を適用してFECエンコード処理済みビット208を生成できるようになっていてもよい。ビット−シンボルマッピング210で表されるように、FECエンコード処理済みビット208を特定のコードによってマルチビットシンボルにマッピングしてもよい。ビット−シンボルマッピング210は、マルチビットシンボル212の1以上のストリームを生成し得る。
ASIC202は、送信デジタル信号プロセッサ(DSP)214と複数のデジタル−アナログ変換器(DAC)とをさらに備えている。送信DSP214は、例えば、パルス整形、サブキャリア多重化、波長分散前置補償、及び歪み前置補償のうち1つ以上の処理をシンボル212に行うことでシンボル212を処理できるようになっている。送信DSP214によって行われる処理は、1以上の高速フーリエ変換(FFT)及び1以上の対応する逆FFT(IFFT)を適用することを含み得る1以上のフィルタを適用することを含んでいてもよい。
シンボル212及び選択された変調スキームに基づいて、送信DSP214は、それぞれの特定のタイムスロットtで、4次元XI,XQ,YI,YQに対応する4つのデジタル駆動信号を生成できるようになっている。例えば、デジタル駆動信号216,218は、X偏波のI成分及びQ成分にそれぞれ対応し得る。デジタル駆動信号220,222は、Y偏波のI成分及びQ成分にそれぞれ対応し得る。この例によれば、タイムスロットtにおいて、デジタル駆動信号216,218はそれぞれSXI(t),SXQ(t)で表され、デジタル駆動信号220,222はそれぞれSYI(t),SYQ(t)で表され得る。
上述したように、送信DSP214は、サブキャリア多重化を行ことができるように構成されていてもよい。このため、シンボル212をP個の並行シンボルストリームに分割してもよく(P>1)、それぞれのストリームを光信号キャリア242の別のサブキャリア周波数上に変調してもよい。特定のタイムスロットtにおいて、K番目のサブキャリアに対応するデジタル駆動信号216,218,220,222は、K=1・・・N(N≧P)に対してまとめてSK(t)として表すことができる。簡略化のために、P=NとなるようにN個のFDMサブキャリアのそれぞれが別のシンボルストリームを送信するために使用されるものと考えることができる。
デジタル駆動信号216,218,220,222は、それぞれDAC224,226,228,230によってアナログ駆動信号232,234,236,238に変換され得る。上述したように、アナログ駆動信号232,234,236,238は、電気−光変調器250,252を駆動するために使用され、最終的には光信号260となる。
DAC224,226,228,230は、ASIC202に含まれているように図示されているが、他の実施形態においては、ASIC202と別であってもよい。送信器200は、本明細書に述べられていない付加的な構成要素を含んでいてもよい。
図3は、本明細書に開示される技術の例による送受信器の受信器部(「受信器300」)の例を示すブロック図である。
受信器300は、受信した光信号360から訂正クライアントデータビット304を復元できるようになっている。受信光信号360は、送信器200により生成された光信号260が劣化したものを含み得る。受信光信号360における劣化は、例えば、送信器200で行われるアナログ信号処理での雑音、非線形効果、PDL、及び不完全性のうち1つ以上によって生じることがある。偏光ビームスプリッタ344は、受信光信号360を直交偏波成分354,356に分離できるようになっている。光ハイブリッド358は、成分354,356をレーザ340により生成された光信号342に関して処理できるようになっている。光検出器362は、光ハイブリッド358の出力346,348,350,352をそれぞれ受信アナログ信号332,334,336,338に変換できるようになっている。4つの受信アナログ信号は、特定のタイムスロットtにおける4次元XI,XQ,YI,YQに対応する。
ASIC302は、受信アナログ信号332,334,336,338をそれぞれサンプリングし、それぞれ受信デジタル信号316,318,320,322を生成可能なアナログ−デジタル変換器(ADC)324,326,328,330を含んでいる。一例では、受信アナログ信号332,334は、X偏波のI成分及びQ成分にそれぞれ対応し得る。受信アナログ信号336,338は、Y偏波のI成分及びQ成分にそれぞれ対応し得る。この例によれば、タイムスロットtにおいて、受信デジタル信号316,31はそれぞれRXI(t),RXQ(t)で表され、受信デジタル信号320,322はそれぞれRYI(t)及びRYQ(t)で表される。
ASIC302は、受信デジタル信号316,318,320,322を処理可能な受信DSP314を含んでいる。例えば、受信DSP214は、1以上のFFT及び1以上の対応するIFFTを適用することを含み得る1以上のフィルタをデジタル信号316,318,320,322に適用できるようになっていてもよい。受信DSP314は、それぞれデジタル信号316,318,320,322に基づいてデジタル信号370,372,374,376を出力し得る。
受信デジタル信号316,318,320,322がFDMを用いて生成されている場合には、受信デジタル信号316,318,320,322は、N個のFDMチャネル(N≧P)上で搬送されるP個のシンボルストリームを表し得る。特定のタイムスロットtにおいて、K番目のFDMチャネルに対応する受信デジタル信号316,318,320,322は、K=1・・・Nに対してまとめてRK(t)として表すことができる。簡略化のために、P=NとなるようにN個のFDMチャネルのそれぞれが別のシンボルストリームを送信するために使用されるものと考えることができる。
ASIC302は、2つの直交偏波に対するシンボル推定値を得るために、キャリア復元プロセス313をデジタル信号370,372,374,376に適用できるようになっている。シンボル推定値312は、送信器200で行われるビット−シンボルマッピング210により生成されたシンボル212の推定値である。このため、シンボル212がN個の並行シンボルストリームを含む場合には、シンボル推定値312は、N個の並行シンボル推定値ストリームを含み得る。
ASIC302は、ビット推定値308を得るために、シンボル−ビットデマッピング310をシンボル推定値312に適用できるようになっている。シンボル−ビットデマッピング310は、ビット−シンボルマッピング210において使用された符号の逆元を適用することを含んでいる。ビット推定値308は、送信器200でFECエンコード処理206により生成されたビット208の推定値である。ビット推定値は、2値データであってもよく、あるいは対数尤度比のような信頼値であってもよい。2値データ(すなわちビット)である場合、対数尤度比(LLR)は、ビットがゼロと等しくなる確率に対するビットが1と等しくなる確率の比の対数として定義される。例えば、ビットbに対して、Pが確率を表すとすると、

Figure 2021536149


である。整数の組のような2値データではない値に対しては、例えば、特定の整数値の確率を他に可能性のある整数値の確率の合計値で割った値の対数のような他の数値を使用することができる。
ASIC302は、訂正クライアントデータビット304を復元するためにビット推定値308に対してFECデコード処理306を適用できるようになっている。FECデコード処理306は、硬判定デコード処理又は軟判定デコード処理を含み得る。軟判定デコード処理の一例は、最尤(ML)デコード処理である。FECデコード処理306が、FECエンコード処理済みビット推定値308中に存在するすべての誤りを訂正できる場合には、訂正クライアントデータビット304は元のクライアントデータビット204と同一になる。FECデコード処理306が、FECエンコード処理済みビット推定値308中に存在するすべての誤りを訂正できない場合には、訂正クライアントデータビット304は元のクライアントデータビット204と異なることとなる。この場合には、FECエンコード処理206及びFECデコード処理306用に選択されたFECスキームが機能しなかったものと考える。
ADC324,326,328,330はASIC302に含まれているように図示されているが、他の実施形態においては、ASIC302と別であってもよい。受信器300は、本明細書に述べられていない付加的な構成要素を含んでいてもよい。
特定のFECスキームが機能するか機能しないかは、FECエンコード処理済みビット推定値中に存在する誤りの程度に対する強さによる。FECデコード処理は、一般的に、そのFECデコード処理が適用される、FECエンコード処理済みビット推定値の平均ビット誤り率(BER)に応答する。FECデコード処理の入力側で見られる平均BERはBERFEC_AVGと表わされる場合がある。硬判定FECデコード処理は、BERFEC_AVGがBERTHRESHで表される閾値を超える場合に、FECエンコード処理済みビット推定値中の誤りのすべてを訂正できないことがある。換言すれば、送信器でのFECエンコード処理及び受信器でのFECデコード処理に使用されるFECスキームは、BERFEC_AVG>BERTHRESHである場合に機能しないと考えられる。一例では、BERTHRESHは、3.84×10-3のオーダである。
一般的に、受信光信号360における雑音が増えると、FECエンコード処理済みビット推定値308のBERは増加すると考えられる。雑音対信号比(NSR)とBERとの間の正確な関係は、ビット−シンボルマッピング210に使用される符号と、シンボル212をデジタル駆動信号216,218,220,222に変換するために送信DSP214により使用される変調スキームとに依存し、また、雑音が等方性ガウス雑音ではない場合には、雑音の4次元確率密度関数の形状にも依存する。
図4は、64レベル直交振幅変調(64-QAM)スキーム用線形NSRの関数としてのBERをプロットしたものを示している。
異なるストリームのビット(又はシンボル)が異なる雑音レベルを生じる状況があり得る。例えば、上述したように、周波数依存損失は、異なるFDMcはねるに異なる雑音レベルを生じさせることがある。このため、例えば、あるFDMチャネルで送信されるシンボルに、他のFDMチャネルで送信されるシンボルとは異なるレベルの雑音が生じることがある。これは、あるシンボルストリームから決定されるFECエンコード処理済みビット推定値は、他のシンボルストリームから決定されるFECエンコード処理済みビット推定値とは異なるBERを有する場合があるということになる。
FECエンコード処理済みビット推定値の第1のセットがBERAで表される第1のBERを呈し、FECエンコード処理済みビット推定値の第2のセットがBERBで表される第2のBERを呈し、BERA≠BERBであるという簡単な例を考えてみる。それぞれのセットにおけるFECエンコード処理済みビット推定値の個数が等しい場合、2つのセットにわたる平均BERは、BERFEC_AVG=(BERA+BERB)/2となる。2つのセットに対して硬判定FECデコード処理が適用される場合、BERFEC_AVG=(BERA+BERB)/2がFECスキーム用のBERTHRESHを超えると、FECスキームが機能しなくなると考えられる。これは、FECの性能は、それが適用されるFECエンコード処理済みビット推定値の平均BERに依存しているからである。
FECエンコード処理済みビット推定値のBER値が異なることは、FECエンコード処理済みビット推定値を決定する基礎となるシンボル推定値における雑音レベルが異なることの結果である。異なるBERを呈するビットセットに対してFECデコード処理を適用することに代わるものとして、複数のシンボル推定値にわたってより均一な雑音レベルを達成し、シンボル推定値から決定されるFECエンコード処理済みビット推定値がより均一なBERを有するようにすることに利点がある場合がある。複数組のシンボル推定値によって生じる異なる雑音レベルを平均化することにより、すべてのシンボル推定値にわたってより均一な雑音レベルを達成し得る。
雑音平均化法が適用されている場合には、受信器で生成されるシンボル推定値は、実質的に均一な雑音レベルを有することが可能であり、得られるFECエンコード処理済みビット推定値は、BERNOISE_AVGで表される実質的に均一なBERを有することとなる。BERA及びBERBを直接的に平均化することにより決定されるBERFEC_AVGとは対照的に、BERNOISE_AVGは、使用される特定の変調スキームに対してBERとシンボル雑音との間の関係を用いて決定される。例えば、図5は、図4に示されているプロットを拡大した部分を示しており、点Aと点Bの例は、それぞれBERAとBERBに関連付けられた2つの異なる雑音レベルを有するシンボル推定値の2つの組を表している。図5に示されているように、曲線上の点Aと点Bとの間に直線を引き、その線の中央点に対応するBERを決定することによってBERFEC_AVGを計算できることが模式的に示され得る。これに対して、まず、BERA及びBERBに関連付けられた平均線形NSRを決定し、その後、曲線を使ってこの平均線形NSRに対応するBERを決定することによりBERNOISE_AVGを決定することができる。図5の拡大プロットからは、BERNOISE_AVGがBERFEC_AVGよりも小さいことが明らかである。換言すれば、シンボルの2つのセットのシンボルにわたって雑音を平均する演算を行うことにより、雑音平均化演算が行われない場合にFECスキームが応答するであろう平均BER(BERFEC_AVG)よりも低い均一なBER(BERNOISE_AVG)とすることができる。
FECデコード処理が機能しない可能性を低減するように、あるいは、オーバヘッドが少なくて済む高速FECスキームを使用可能とするように、FECデコード処理を行ったビット推定値ができるだけ低いBERを有することを確実にすることが重要である場合がある。したがって、図5の点Aと点Bの例では、FECデコード処理が雑音平均化を行うことなく取り扱う必要がある相対的に高い値のBERFEC_AVGではなく、相対的に低い値のBERNOISE_AVGにのみFECデコード処理が対応する必要があるように、雑音平均化法を行うことが重要である場合がある。
しかしながら、FECデコード処理がある範囲のBERを有するビット推定値を取り扱い、FECが、雑音平均化を使用して均一な値のBERNOISE_AVGを生成するのではなく、BERFEC_AVGに対して応答することが重要であるような他の例がある。図5を参照すると、点Aと点Bは図4の曲線の凸領域に位置しているので、BERNOISE_AVGはBERFEC_AVGよりも低い。しかしながら、BERNOISE_AVGがBERFEC_AVGよりも高いような曲線上の他の点、特に図4の曲線の凹領域に位置するような点が存在することが示され得る。
図4の曲線の凸領域及び凹領域は、線形NSRに対して図6においてBERの関数としてプロットされているBERの2次導関数を考慮することによって、より簡単に区別することができる。2次導関数が正であるBER値は図4における曲線の凸領域に対応し、2次導関数が負であるBER値は図4における曲線の凹領域に対応する。図6から明らかなように、0.025未満のBER値は凸領域にあり、0.025より高いBER値は凹領域にある。明確には図示されていないが、凹領域に位置する2つの点(すなわち、それぞれ0.025より高い2つの異なる値に対応する点)に関して雑音平均化処理を適用することは、2点に対するBER値が、BERFEC_AVGの値よりも高い単一の均一なBER値、BERNOISE_AVGとなり得ることが示され得る。これは、雑音平均化を用いずに、FECがBERFEC_AVGに応答するようにさせるのが好ましい場合の一例である。
雑音平均化を行うかどうかの選択は、問題となっている異なる雑音レベル(及びBER)に依存する場合がある。2017年8月9日に提出された米国特許出願第15/672,434号において、Oveis-Gharan氏等は、コントラストコーディングと呼ばれる手法について述べている。この手法においては、雑音を再分配して異なるクラスのビット推定値を生成する。それぞれのクラスは、異なる平均BERと関連付けられ得る。特定のクラス内では、偏波依存作用及び/又は周波数依存作用によってある範囲のBER値が生じ得る。FECデコード処理がこの範囲のBER値を取り扱うようにするかどうか、あるいは、それに代えて雑音平均化処理を行うかどうかの選択は、そのクラスの平均BERに依存し得る。例えば、低BERクラスは、図4における曲線の凸領域に位置するBER値の範囲を含み得る。この場合においては、雑音平均化処理を用いてそのクラス内で実質的に均一なBER値を得ることによりその範囲のBER値を取り扱うことが有利な場合がある。他の例では、高BERクラスは、図4における曲線の凹領域に位置するBER値の範囲を含み得る。この場合においては、FECデコード処理がそのクラス内でそのBER値の範囲に直接応答するようにすることが有利な場合がある。
2018年6月8日に提出された米国特許出願第16/003,736号において、Khandani氏等は、受信器への送信中にそれぞれのマルチビットシンボルを表している次元の数を増やすために、送信器において次元変換を適用する手法について述べている。上述したように、特定のタイムスロットtでの次元は、XI(t)、XQ(t)、YI(t)、及びYQ(t)と表される。次元変換の適用により、それぞれのシンボルが、2以上のタイムスロットにわたって分配される次元によって表され得る。受信器においては、シンボルの次元数を減らし、ソフトデコード処理を容易にするために、逆次元変換が適用される。次元変換と対応する逆次元変換の適用は、雑音、非線形効果、PDL、及びアナログ不完全性のうち1つ以上によって生じる劣化をはじめとして、複数の信号次元にわたる信号劣化を平均化するために使用され得る。
次元変換は、単一の周波数帯域内での信号劣化に対処するために用いられることがある。これに代えて、あるいは、これに加えて、周波数依存劣化に対処することが重要である場合がある。例えば、フィルタリング効果又はレーザ干渉によって、第1のFDMチャネルが第2のFDMチャネルよりも極めて大きく劣化することがある。この周波数依存劣化の結果として、第1のFDMチャネルを介して送信されるビットのBERが、第2のFDMチャネルを介して送信されるビットのBERよりも高くなる場合がある。上述したように、FECデコード処理が周波数依存劣化により生じたBER値の範囲を取り扱うようにするか否か、あるいは、それに代えて雑音平均化演算を行うか否かについての選択は、問題となっているBER値の範囲に依存し得る。図4を参照すると、BER値の範囲が曲線の凸領域内に位置している場合、雑音平均化演算を用いてFECデコード処理の前に実質的に均一なBER値を得ておくことが有利なことがある。BER値の範囲が曲線の凹領域内に位置している場合、FECデコード処理がBER値の範囲に直接応答するか、あるいは実際にBER値の範囲を増加させることが有利なことがある。
FDMチャネルにわたる周波数依存劣化がある範囲のBER値を生じる場合、これらのBER値を等しくすることが重要である場合がある。この等化又は平均化は、シンボルストリームにより観測されるFDMチャネルの数を減らすことにより実現され得る。シンボルストリームにより観測されるFDMチャネルの数を増やすことが重要であり得る他の例もある。概して、可変数のFDMチャネルをサポートすることは、異なるファイバ用途に対する非線形パワーを減少させるという意味で利点があるとされている。Poggiolini氏等により述べられているように、FDMチャネル数の最適値は、光ファイバにおける分散量の関数であり得る。このため、FDMチャネル数が少ないと(例えば、1つ又は2つ)低分散リンクにとって好適な場合があり、FDMチャネル数が多いと(例えば、4つ、8つなど)高分散リンクにとって好適な場合がある。
可変数のFDMチャネルをサポートするための従来の方法は、実施することが難しく、複雑なものである。周波数領域における実施は、可変サイズのFFT構造を設計することを伴うことになる。一方、時間領域における実施は、異なる周波数中心を有するRCパルス形状に対応し、フィルタ出力を組み合わせた異なるFDMチャネルに対して、フィルタ群を適用することを伴うことになる。そのようなフィルタ群は、異なる数のFDMチャネルをサポートするようにプログラム可能となっていてもよく、これは、設計に対して領域及び/又は熱コストを著しく追加するものとなり得る。また、可変数のFDMチャネルをサポートするための従来の方法は、多数のチャネルについてのレーザ線幅に対して影響を受けやすくなる場合がある。
具体例に関してより詳細に述べるように、本明細書において疑似周波数分割多重化(pFDM)と呼ばれる手法は、可変数の有効FDMチャネル(本明細書ではpFDMチャネルと呼ばれる)をサポートするために使用され得る。pFDMは、可変FDMの設計において生じる複雑さを避けつつ、任意の数のpFDMチャネルを提供し得る。
以下の例に関して、「pFDM変換」という用語は、1以上のFDMサブキャリアの次元を変調してマルチビットシンボルを表すために送信器で使用される変換デジタル駆動信号が得られる処理として理解し得る。pFDM変換は、可変数のpFDMチャネルを生成するように設計され得る。ある例によれば、pFDM変換は、実際のFDMチャネル数よりも少ない数のpFDMチャネルを生成するように設計され得る。例えば、N=4つの直交FDMチャネルであるとすると、単一のpFDMチャネルを生成するために単一のタイムスロットにおいて4つのFDMチャネルにわたってpFDM変換が適用され得る。4つのシンボルストリームのそれぞれが、そのストリームが送信されるそれぞれのFDMチャネルに対応する異なるレベルの周波数依存劣化を受けることに代えて、pFDM変換は、周波数依存劣化を平均化し、すべてのシンボルストリームが、劣化量が均一な単一のpFDMチャネルを介して効果的に送信される。他の例によれば、pFDM変換は、実際のFDMチャネル数よりも多い数のpFDMチャネルを生成するように設計され得る。例えば、4つのpFDMチャネルを生成するために、単一のFDMチャネル内で4つのタイムスロットにわたってpFDM変換を適用してもよい。タイムスロットは、連続的であってもよく、あるいは非連続的であってもよい。単一のシンボルストリームが同じ量の劣化を受けることに代えて、pFDM変換は、4つのシンボルストリームを生成し、それぞれのストリームは、そのストリームが送信されるそれぞれのpFDMチャネルに対応する異なるレベルの周波数依存劣化を受ける。
ある例によれば、変換デジタル駆動信号は、特定の変調スキームによって1以上のFDMサブキャリアの次元を変調してマルチビットシンボルを表すように設計された初期デジタル駆動信号にpFDM変換を適用した結果として生成される。
pFDM変換は、1以上の連続工程として、あるいは1以上の並行工程として、あるいは連続工程及び並行工程の組み合わせとして行ってもよい。ある例においては、pFDM変換は、行列変換を行うことを含んでいてもよい。例えば、1以上のFDMサブキャリアの次元に対応するデジタル信号に対してpFDM変換の一部として行列乗算を行ってもよい。行列変換は、線形又は実質的に線形であり得る。行列変換は、ユニタリ又は実質的にユニタリであり得る。すなわち、行列変換の逆行列が、行列変換の複素共役転置行列と等しい、あるいは実質的に等しくてもよい。ある例においては、行列乗算に基づく線形演算を他の形態の線形フィルタリングに置き換えてもよい。ある例においては、pFDM変換は、初期デジタル信号を使ってルックアップテーブル(LUT)のようなデータベースに格納された情報に基づいて対応する変換デジタル信号を決定することを含み得る。
以下の例に関して、「逆pFDM変換」という用語は、受信器で受信した1以上のFDMチャネルの次元に対応する受信デジタル信号に対して行われる演算として理解され得る。逆次元変換の適用によって、それからマルチビットシンボルの推定値を復元することが可能な初期デジタル駆動信号推定値を得ることができる。
逆pFDM変換は、1以上の連続工程として、あるいは1以上の並行工程として、あるいは連続工程及び並行工程の組み合わせとして行ってもよい。ある例においては、逆pFDM変換は、行列変換を行うことを含んでいてもよい。行列変換は、線形又は実質的に線形であり得る。行列変換は、ユニタリ又は実質的にユニタリであり得る。ユニタリ行列を含む逆pFDM変換を用いる利点は、そのような行列の適用により雑音が増えないことである。
ある例によれば、送信器で初期デジタル駆動信号に対してpFDM変換を行うことにより、光信号を生成するための1以上のFDMサブキャリアを変調するために使用される変換デジタル駆動信号を生成してもよい。この光信号を送信器によって受信器に送信してもよい。受信器では、送信器により送信された光信号が劣化したもののFDMサブチャネルに対応する受信デジタル信号に対して逆pFDM変換を行ってもよい。逆pFDM変換は、送信器で行われたpFDM変換に対して実質的に逆となる演算を含み得る。例えば、pFDM変換が第1の行列変換の適用を含んでいる場合には、逆pFDM変換は、第1の行列変換の実質的に逆となる第2の行列変換の適用を含み得る。受信デジタル信号に対して逆pFDM変換を行うことによる結果として、受信器で初期デジタル駆動信号推定値が決定され得る。初期デジタル駆動信号推定値は、送信器でpFDM変換が適用された初期デジタル駆動信号の推定値である。
以下の特定の例において述べられるように、pFDM変換及び逆pFDM変換は、信号のサブセットに対して適用される複素共役演算、すなわち信号インターリービングのような付加的な演算を含み得る。
pFDM変換の効果は、非線形性による劣化が低減される、非線形性に対する許容範囲が改善される、雑音特性が改善されるといった所望の伝搬特性を達成するために、複数のシンボルストリーム間に部分的な相関関係を導入することである。pFDM変換から得られた送信光信号は、実質的に従属しておらず、また実質的に独立もしていない複数の情報ストリームを含んでいる。シンボルストリーム間に導入される相関関係を用いて、スペクトルパワーと周波数との間の関係は変化させずに雑音特性を変化させることができる。
pFDM変換により生成されるpFDMチャネルは、周波数領域において直交するものではない。周波数領域において、pFDMチャネルは部分的に重なっている。すなわち、周波数スペクトルの大部分に関して、隣接するpFDMチャネルが比較的高い信号パワーで併存し得る。これは、異なるFDMチャネルの周波数の重なりがゼロであるFDM伝搬と対照的であり、また、異なるサブキャリアが他のサブキャリアに対する周波数トーンにおいて提供するエネルギー(すなわち、クロストーク)がゼロであるOFDM伝搬とも対照的である。周波数領域の直交性を緩和することにより、可変数のFDMチャネルをサポートする従来の方法では必要とされる可変数のプログラム可能なフィルタ群が時間領域において必要なくなるので、設計が簡単になる。受信器における変換を逆転させることにより、チャネル線形歪みがFDMチャネルの直交性を破壊しない。
本明細書の残りの部分において、送信器でのpFDM変換と受信器での対応する逆pFDM変換とを実施するための手法の例を挙げる。以下の例においては、送信器200の送信DSP214のような送信器のDSPによりpFDM変換が適用される。受信器300の受信器DSP314のような受信器のDSPにより逆pFDM変換が適用される。
実施例1:FDMチャネルの有効数を減らす
第1の実施例によれば、送信器で実施されるpFDM変換は、式(1)に示される行列変換H1を含んでいる。
Figure 2021536149
m=1〜Nであり、n=1〜Nである。Nは、pFDM変換が適用されるFDMチャネル数を表している。
行列変換H1は、周波数指数(m-(N+1)/2)が非整数値に対して0.5だけシフトしている点を除いて、離散フーリエ変換(DFT)行列に類似したユニタリ行列である。半整数シフトにより、行列変換H1のそれぞれの行が対応するFDMチャネルの中央周波数の負数に等しい周波数の複素正弦ベクトルを提供することになるので、DFT行列に勝る利点が得られる。
行列変換H1を特定のタイムスロットtにおけるN組の初期デジタル駆動信号(K=1〜Nに対してS^K(t)と表される)に適用してもよい。初期デジタル駆動信号のそれぞれの組は、それぞれのFDM光サブキャリアを変調してタイムスロットtにおけるそれぞれのマルチビットシンボルを表すように構成されている。
N組の初期デジタル駆動信号S^K(t)に行列変換H1を適用することにより、N組の変換デジタル駆動信号(K=1〜Nに対してSK(t)と表される)が得られる。これは式(2)に示されている。
Figure 2021536149
N=4である例を考えることができる。この場合には、4つのFDMチャネルに対応するそれぞれS^1(t),S^2(t),S^3(t),S^4(t)で表される4組の初期デジタル駆動信号が存在する。行列変換H1は4×4の行列である。行列変換H1を適用すると、それぞれ4組の変換デジタル駆動信号S1(t),S2(t),S3(t),S4(t)が得られる。それぞれの組の変換デジタル駆動信号は、4組の初期デジタル駆動信号のそれぞれの組み合わせから決定される。この組み合わせの種類は、行列変換H1の値から決定される。例えば、変換デジタル駆動信号の組S1(t)は、式(3)に示されるようにして計算され得る。
Figure 2021536149
第1の例によれば、受信器で行われる逆pFDM変換は、式(4)で与えられる逆行列変換H1 -1を含んでいる。
Figure 2021536149
m=1〜Nであり、n=1〜Nである。
K=1〜NであるとしてRK(t)であらわされる特定のタイムスロットtにおけるN組の受信信号に対して逆行列変換H1 -1を適用してもよい。それぞれの組の受信信号は、特定のタイムスロットtにおけるそれぞれのFDMチャネルに対応している。
N組の受信信号に逆行列変換H1 -1を適用すると、K=1〜NであるとしてR^K(t)で表される初期デジタル駆動信号推定値が得られる。これは式(5)に示されている。
Figure 2021536149
N=4の例では、4つのFDMチャネルにそれぞれ対応するR1(t),R2(t),R3(t),R4(t)で表される4組の受信デジタル信号が存在する。逆行列変換H1 -1は4×4の行列である。逆行列変換H1 -1を適用すると、それぞれ4組の初期デジタル駆動信号推定値R^1(t),R^2(t),R^3(t),R^4(t)が得られる。それぞれの組の初期デジタル駆動信号推定値は、4組の受信デジタル信号のそれぞれの組み合わせから決定される。この組み合わせの種類は、逆行列変換H1 -1の値から決定される。例えば、初期デジタル駆動信号推定値の組R^2(t)は、式(6)に示されるようにして計算され得る。
Figure 2021536149

Figure 2021536149
時間領域信号をNで間引く(すなわち、N番目のサンプルごとに取得する)ことによりK番目のFDMチャネルS^K(1),S^K(2),S^K(3),・・・のデータを生成できるように異なるFDMチャネルのデータが時間的にまとめてスクランブルされることが立証され得る。これは、N個のFDMチャネルが時間領域において互いに直交しており、集約チャネルが単一の有効FDMチャネルとして振る舞うことを意味している。
図7は、送信器200のような送信器でpFDM変換を実施するための例示的方法700を示している。方法700は、送信DSP214のような送信器のDSPにより実施し得る。
702では、特定の変調スキームに基づいて、送信器が、N>1としてN組の初期デジタル駆動信号を決定し得る。N組の初期デジタル駆動信号は、光信号キャリアのN個のFDMサブキャリアの次元を変調して特定のタイムスロットにおけるN個のマルチビットシンボルを表すように構成されていてもよい。
704では、送信器が、702で決定されたN組の初期デジタル駆動信号とpFDM変換に基づいてN組の変換デジタル駆動信号を決定し得る。それぞれの組の変換デジタル駆動信号は、N組の初期デジタル駆動信号のそれぞれの組み合わせから決定され得る。それぞれの組み合わせは、pFDM変換から決定され得る。概して、pFDM変換は、それぞれのFDMサブキャリアからの複数のシンボルに対して適用され得る。一例では、送信器は、702で決定された初期デジタル駆動信号に対して直接pFDM変換を適用することにより変換デジタル駆動信号を生成し得る。他の例では、送信器は、702で決定された初期デジタル駆動信号に基づいたデジタル信号に対してpFDM変換を適用することにより変換デジタル駆動信号を生成し得る。他の例では、送信器は、pFDM変換に対応するLUTを用いて変換デジタル駆動信号を決定し得る。
706では、送信器が、704で決定されたN組の変換デジタル駆動信号を用いて単一のタイムスロットでN個のFDMサブキャリアを変調することにより光信号を生成し得る。このように、初期デジタル駆動信号を用いて光信号が生成されるのではなく、変換デジタル駆動信号を用いて光信号が生成される。
708では、送信器が、通信チャネルを介して光信号を送信し得る。N組の変換デジタル駆動信号を用いてN個のFDMサブキャリアが変調された結果として、4つの異なるFDMチャネルの影響を受けたであろうシンボルのストリームが、単一のpFDMチャネルの影響を受けるように時間的にスクランブルされる。このように、すべてのシンボルストリームが実質的に同じ影響を受けるように、異なるFDMチャネルに関連付けられた周波数依存作用が平均化され得る。
図8は、受信器300のような受信器で逆pFDM変換を実現するための例示的方法800を示している。方法800は、受信DSP314のような受信器のDSPにより実施し得る。
802では、受信器が、光信号を受信し得る。受信された光信号は、マルチビットシンボルのストリームを表し得る。ある例によれば、受信された光信号は、方法700により送信器で生成された光信号が劣化したものを含み得る。
804では、受信器が、N>1として、単一のタイムスロットにおける受信光信号のN個のFDMチャネルに対応するN組のデジタル信号を決定し得る。
806では、受信器が、804で決定されたN組の受信デジタル信号と逆pFDM変換に基づいてN組の初期デジタル駆動信号推定値を決定し得る。それぞれの組の初期デジタル駆動信号推定値は、N組の受信デジタル信号のそれぞれの組み合わせから決定され得る。それぞれの組み合わせは、逆pFDM変換から決定され得る。一例においては、受信器は、804で決定された受信デジタル信号に対して直接逆pFDM変換を適用することにより、初期デジタル駆動信号推定値を生成し得る。他の例においては、受信器は、804で決定された受信デジタル信号に基づいたデジタル信号に対して逆pFDM変換を適用することにより、初期デジタル駆動信号推定値を生成し得る。逆pFDM変換が704において送信器で適用されたpFDM変換の実質的に逆変換である場合には、初期デジタル駆動信号推定値は、702において決定された初期デジタル駆動信号の推定値であり得る。
808では、受信器が、806で決定されたN組の初期デジタル駆動信号推定値を用いてN個のマルチビットシンボル推定値を決定する。対応するビット推定値を復元するために、808で決定されたそれぞれのシンボル推定値に対して、図3において310で表されているように、続いてシンボル−ビットデマッピングを行ってもよい。シンボルがFECエンコード処理されたビットを含む場合には、ビット推定値に対して、図3において306で表されているように、続いてFECデコード処理を行い、これにより訂正クライアントデータビットを生成してもよい。
FDMチャネルの複数のグループに対して方法700と方法800とを別々に適用してもよい。例えば、複数のFDMチャネルの第1のグループを用いて方法700により第1のpFDMチャネルを生成し、複数のFDMチャネルの第2のグループを用いて方法700により第2のpFDMチャネルを生成してもよい。複数のFDMチャネルの第1のグループが複数のFDMチャネルの第2のグループとは別個のものである場合、第1のpFDMチャネルと第2のpFDMチャネルとは互いに直交し、周波数領域において重ならないものとなる。
pFDMチャネルの数が少ないことは、狭い光フィルタを有するリンクだけではなく、大きなレーザ線幅を有するリンクに対して有利なものとなり得る。また、pFDMチャネルが少ない場合には、キャリア位相復元性能がFDMチャネルが多い場合に比べて良くなることがある。この特徴は、振幅変調・直接検波(IMDD)干渉を有するリンク又は拡大有効面積ファイバ(ELEAF)拡散マップを有するリンクに対して有用であろう。
pFDMチャネルが多いと、高ネット拡散海中リンクに対して非線形の利点が生じ得る。また、pFDMチャネルが多くなると、レーザ位相雑音が電子拡散補償を介して振幅雑音に変換される等価拡張位相雑音(EEPN)がサブキャリアシンボルレートに比例する場合において、EEPNの影響が軽減され得る。
実施例2:FDMチャネルの有効数を増やす
第2の実施例によれば、送信器で実施されるpFDM変換は、式(7)に示される行列変換H2を含んでいる。
Figure 2021536149
m=1〜Nであり、n=1〜Nである。Nは、pFDM変換が適用されるタイムスロット数を表している。
第1の実施例と同様に、行列変換H2は、周波数指数(m-(N+1)/2)が非整数値に対して0.5だけシフトしている点を除いて、DFT行列に類似したユニタリ行列である。この半整数シフトにより、pFDMチャネルの中心が均一に離間され、信号の全帯域幅にわたって広がることが保証されるので、DFT行列に勝る利点が得られる。
第1の実施例において行われたように、N個のFDMチャネルにわたって行列変換H2を適用するのではなく、第2の実施例における行列変換H2は、それぞれのFDMチャネル内のN個の連続するタイムスロットにわたって適用される。このため、K番目のFDMチャネルについては、N組の初期デジタル駆動信号がN個の連続するタイムスロットにおいてK番目のFDM光サブキャリアを変調してマルチビットシンボルのストリームを表すように構成されている場合には、N組の初期デジタル駆動信号に対して行列変換H2が適用され得る。
K番目のFDMチャネルに対応するN組の初期デジタル駆動信号S^K(t)に行列変換H2を適用することにより、N組の変換デジタル駆動信号(整数Lのすべてに関してt=NL〜NL+N-1に対してSK(t)と表される)が得られる。これは式(8)に示されている。
Figure 2021536149
単一のFDMチャネル内のN個の連続するタイムスロットにわたって行列変換H2を適用することの効果は、N個のpFDMチャネルを生成することにある。実際に、固定値pに対して、タイムスロットt=p,p+N,p+2N,・・・における初期デジタル駆動信号S^K(p,p+N,p+2N,・・・)は、Nによってアップサンプリングされ、固定複素正弦周波数によりN個のシンボルの時間窓長さで変調又は畳み込まれる。同じように、初期デジタル駆動信号S^K(p,p+N,p+2N,・・・)のパワースペクトルは、Sinc窓によりそのようなpFDMチャネルの中心周波数で乗算されると考えられる。このように、行列変換H2の適用から生成されたpFDMチャネルの数は、行列変換H2が適用されるFDMチャネルの数よりも大きいNの因子である。例えば、N個の連続するタイムスロットにわたるK=1〜4のFDMチャネルのそれぞれに対してpFDM変換H2を適用した場合、その結果、4N個のpFDMチャネルが得られるであろう。
N=4であり、FDMチャネルK=1に対して行列変換H2が適用される例を考えることができる。この場合には、4つの連続するタイムスロットに対応するそれぞれS^1(4L),S^1(4L+1),S^1(4L+2),S^1(4L+3)で表される4組の初期デジタル駆動信号が存在する。行列変換H2は4×4の行列である。行列変換H2を適用すると、それぞれ4組の変換デジタル駆動信号S1(4L),S1(4L+1),S1(4L+2),S1(4L+3)が得られる。それぞれの組の変換デジタル駆動信号は、4組の初期デジタル駆動信号のそれぞれの組み合わせから決定される。この組み合わせの種類は、行列変換H2の値から決定される。例えば、タイムスロットt=4L+1における変換デジタル駆動信号の組S1(4L+1)は、式(9)に示されるようにして計算され得る。
Figure 2021536149
これらの計算を整数Lのすべてについて繰り返してもよい。
第2の例によれば、受信器で行われる逆pFDM変換は、式(10)で与えられる逆行列変換H2 -1を含んでいる。
Figure 2021536149
m=1〜Nであり、n=1〜Nである。
第1の実施例において行われたように、N個のFDMチャネルにわたって逆行列変換H2 -1を適用するのではなく、第2の実施例においては、逆行列変換H2 -1は、それぞれのFDMチャネル内のN個の連続するタイムスロットにわたって適用される。このため、K番目のFDMチャネルについては、一連のN個の連続するタイムスロットにわたって決定された組の受信デジタル信号に対して逆行列変換H2 -1が適用され得る。
K番目のFDMチャネルに対応するN組の受信デジタル信号RK(t)に逆行列変換H2 -1を適用することにより、N組の初期デジタル駆動信号推定値(整数Lのすべてに関してt=NL〜NL+N-1に対してR^K(t)と表される)が得られる。これは式(11)に示されている。
Figure 2021536149
N=4であり、FDMチャネルK=1に対して逆行列変換H2 -1が適用される例においては、4つの連続するタイムスロットに対応するそれぞれR1(4L),R1(4L+1),R1(4L+2),R1(4L+3)で表される4組の受信デジタル信号が存在する。逆行列変換H2 -1は4×4の行列である。逆行列変換H2 -1を適用すると、それぞれ4組の初期デジタル駆動信号推定値R^1(4L),R^1(4L+1),R^1(4L+2),R^1(4L+3)が得られる。それぞれの組の初期デジタル駆動信号推定値は、4組の受信デジタル信号のそれぞれの組み合わせから決定される。この組み合わせの種類は、逆行列変換H2 -1の値から決定される。例えば、タイムスロット4L+1における初期デジタル駆動信号推定値の組R^2(4L+1)は、式(23)に示されるようにして計算され得る。
Figure 2021536149

Figure 2021536149
固定値pに対してS^K(p,p+N,p+2N,・・・)のようなN個の別個のシンボルにより生成される初期デジタル駆動信号S^K(t)のサブストリームを考えると、変換デジタル駆動信号SK(t)へのサブストリームS^K({p+LN}-∞<L<∞)の貢献度は、まずサブストリームをアップサンプリングし(すなわち、N-1個のゼロを挿入し)、式(13)で示される窓付複素正弦関数によりストリームを畳み込むことにより計算され得る。
Figure 2021536149
時間領域におけるアップサンプリング演算は、周波数領域においてスペクトルを複製することと等価である。さらに、時間的に畳み込むことは、アップサンプリングされた信号スペクトルに、中央周波数(m-(N+1)/2)を有するSinc関数であるhm(n)のフーリエ変換を乗算することと等価である。これは、N個の異なるサブストリームが、周波数領域Sinc窓により形作られ、図9に示されるように、周波数領域において互いにわずかに重なることを意味している。
「Efficient Data Transmission and Training of Data Processing Functions」という表題の米国特許第7,522,841号(2009年)において、Bontu氏等は、マルチビットサンプルストリームを生成するために受信光信号がオーバーサンプリングされる光通信システムを介してデータを伝達する手法について述べている。シリアルシンボルストリームをバーストに構成し、ハーフバーストをデコードするための方法が述べられている。これらの方法を本明細書で述べられているpFDM法に対して適用してもよい。他の例によれば、それぞれのストリームからの1つ又は2つのシンボルを順番に考慮しながら、順繰りにストリームを検出してもよい。あるいは、それぞれのストリームを連続的に並行して検出してもよい。
図9は、第2の実施例において送信器で単一のFDMチャネルに適用されたpFDM変換から得られる4つのpFDMチャネルのそれぞれについての周波数(GHz)の関数としてのパワースペクトル密度のプロットである。
この例では、FDMチャネルが70GHzを占めている。pFDM変換から得られる4つのpFDMチャネルは、以下のように定義される。
pFDMチャネル1:S^(0),S^(4),S^(8),・・・
pFDMチャネル2:S^(1),S^(5),S^(9),・・・
pFDMチャネル3:S^(2),S^(6),S^(10),・・・
pFDMチャネル4:S^(3),S^(7),S^(11),・・・
それぞれのpFDMチャネルはサブストリームS^から生成される。概して、pFDMチャネルmは、S^(m,m+N,m+2N,・・・)から生成される。それぞれのpFDMチャネルに対してパワースペクトル密度を生成するために、他のサブストリームを通じてゼロシンボルを送信してもよい。一例として、pFDMチャネルmを生成するために、式(14)で示される信号S~(n)を送信してもよい。
Figure 2021536149
信号S~(n)にpFDM変換を適用した後、pFDM変換の出力のパワースペクトル密度を計算してもよい。m番目のFDMチャネルに対するパワースペクトル密度が図9に示されている。
元のFDMチャネルと同様に、4つのpFDMチャネルのそれぞれも70GHzを占めている。すなわち、pFDMチャネルは、等しい帯域幅を有している。4つのpFDMチャネルにおいて、周波数におけるパワースペクトルのピークが互いに均等に離間しており、それぞれのpFDMチャネルのデータの大部分は全帯域のわずかな部分に含まれている。しかしながら、4つのpFDMチャネルのパワースペクトルは、互いにかなり重なっている。実際、隣接するFDMチャネルの-3dB周波数点が互いに交差している。さらに、pFDMチャネル2及びpFDMチャネル3は、スペクトルのほとんどすべてにおいて共存している。これは、異なるFDMチャネルが周波数領域で重ならないFDM伝送とは対照的である。さらに、異なるサブキャリアがクロストークを生じないOFDM伝送とは対照的に、pFDM変換により生成された4つのpFDMチャネルは直交していない。このため、pFDM変換は、高拡散リンク用の複数のFDM信号処理による非線形の利点を得ることができると考えられる。さらに、マルチFDMシステムと同様に、pFDM変換は、高レベルのファイバ波長分散が生じているときにシングルFDMシステムに生じる位相雑音から振幅雑音への変換を避けることができる。
図10は、送信器200のような送信器でpFDM変換を実施するための例示的方法1000を示している。方法1000は、送信DSP214のような送信器のDSPにより実施し得る。方法1000は、単一のFDMチャネルに関して述べられているが、複数のFDMチャネルに対して実施してもよい。
1002では、特定の変調スキームに基づいて、送信器が、N>1としてN組の初期デジタル駆動信号を決定し得る。N組の初期デジタル駆動信号は、N個のマルチビットシンボルを表すために、N個のタイムスロットにおいて単一のFDMサブキャリアの次元を変調するように構成されていてもよい。簡略化のため、実施例2は、連続するタイムスロットを用いるものであった。しかしながら、これに代えて、タイムスロットは連続していなくてもよい。
1004では、送信器が、1002で決定されたN組の初期デジタル駆動信号とpFDM変換に基づいてN組の変換デジタル駆動信号を決定し得る。それぞれの組の変換デジタル駆動信号は、N組の初期デジタル駆動信号のそれぞれの組み合わせから決定され得る。それぞれの組み合わせは、pFDM変換から決定され得る。一例においては、送信器は、1002で決定された初期デジタル駆動信号に対して直接pFDM変換を適用することにより、変換デジタル駆動信号を生成し得る。他の例においては、送信器は、1002で決定された初期デジタル駆動信号に基づいたデジタル信号に対してpFDM変換を適用することにより、変換デジタル駆動信号を生成し得る。他の例においては、送信器は、pFDM変換に対応するLUTを用いて変換デジタル駆動信号を決定し得る。
1006では、送信器が、1004で決定されたN組の変換デジタル駆動信号を用いて一連のN個のタイムスロットにわたってFDMサブキャリアを変調することにより光信号を生成し得る。このように、初期デジタル駆動信号を用いて光信号が生成されるのではなく、変換デジタル駆動信号を用いて光信号が生成される。
1008では、送信器が、通信チャネルを介して光信号を送信し得る。N組の変換デジタル駆動信号を用いてFDMサブキャリアが変調された結果として、単一のFDMチャネルの影響を受けたであろうシンボルが、M個のpFDMチャネルにわたって分配される(M>1及びM≦N)。M個のpFDMチャネルの周波数スペクトルは、互いに部分的に重なっており、直交していない。周波数依存劣化に直面して、異なるシンボルが異なる形態で影響を受け得る。実施例2では、pFDMチャネルの数Mは、変換デジタル駆動信号の組の数Nと等しい。しかしながら、これに代えて、実施例4に関して述べるように、pFDMチャネルの数Mは、変換デジタル駆動信号の組の数Nよりも少なくてもよい。
図11は、受信器300のような受信器で逆pFDM変換を実施するための例示的方法1100を示している。方法1100は、受信DSP314のような受信器のDSPにより実施し得る。方法1100は、単一のFDMチャネルに関して述べられているが、複数のFDMチャネルに対して実施してもよい。
1102では、受信器が光信号を受信し得る。受信光信号は、マルチビットシンボルを表し得る。ある例によれば、受信光信号は、方法1000により送信器で生成された光信号が劣化したものを含み得る。
1104では、受信器が、N>1として受信光信号の単一のFDMチャネルに対してN個のタイムスロットに対応するN組のデジタル信号を決定し得る。送信器で行われる方法1000に関して述べたように、タイムスロットは、連続していても、あるいは連続していなくてもよい。
1106では、受信器が、1104で決定されたN組の受信デジタル信号と逆pFDM変換に基づいてN組の初期デジタル駆動信号推定値を決定し得る。それぞれの組の初期デジタル駆動信号推定値は、N組の受信デジタル信号のそれぞれの組み合わせから決定され得る。それぞれの組み合わせは、逆pFDM変換から決定され得る。一例においては、受信器は、1104で決定された受信デジタル信号に対して直接逆pFDM変換を適用することにより、初期デジタル駆動信号推定値を生成し得る。他の例においては、受信器は、1104で決定された受信デジタル信号に基づいたデジタル信号に対して逆pFDM変換を適用することにより、初期デジタル駆動信号推定値を生成し得る。逆pFDM変換が1004において送信器で適用されたpFDM変換の実質的に逆変換である場合には、初期デジタル駆動信号推定値は、1002において決定された初期デジタル駆動信号の推定値であり得る。
1108では、受信器が、1106で決定されたN組の初期デジタル駆動信号推定値を用いてN個のマルチビットシンボル推定値を決定し得る。N個のマルチビットシンボル推定値は、方法1000に関して述べたように、送信器で適用されたpFDM変換の結果としてM個のpFDMチャネルにわたって分配されたマルチビットシンボルの推定値である(M>1及びM≦N)。上述したように、M個のpFDMチャネルの周波数スペクトルは、互いに部分的に重なっており、直交していない。対応するビット推定値を復元するために、1108で決定されたそれぞれのシンボル推定値に対して、図3において310で表されているように、続いてシンボル−ビットデマッピングを行ってもよい。シンボルがFECエンコード処理されたビットを含む場合には、ビット推定値に対して、図3において306で表されているように、続いてFECデコード処理を行い、これにより訂正クライアントデータビットを生成してもよい。
実施例3:周波数依存性を有するpFDM
pFDM変換が、異なるFDMチャネルのデータを組み合わせる前にそれぞれのFDMチャネル内で時間領域信号のフィルタリングを伴うものであることが重要であり得る。実施例1に戻ると、異なるFDMチャネルからの信号がフィルタされたものを式(15)に示されるように組み合わせてもよい。
Figure 2021536149
Tは、異なるFDMチャネルからのデータを組み合わせる前にn番目のFDMチャネルに適用されるフィルタhm,n(τ)の片側タップ数を表しており、τは、フィルタのタップの組の全体に及ぶフィルタのタップに関する指数を表している。
したがって、pFDM行列変換hm,n(τ)は、N×N×(2T+1)の大きさの3次元行列である。
異なるFDMチャネルのデータを組み合わせる前に時間領域フィルタリングを行うことは、pFDM変換に周波数依存性を導入するために周波数依存pFDM変換行列を適用することと等価である。第3の実施例によれば、pFDM変換は、式(16)で与えられる4×4行列変換H3を含んでいる。
Figure 2021536149
fは周波数を表している。
このように、行列変換H3は、周波数依存性を有する要素Hm,nを含んでいる。行列乗算を用いることで、行列H3(f)を時間領域データに対して適用するのではなく、異なるFDMチャネルの周波数領域データに対して適用してもよい。一例として、式(17)に示されるようにFDMチャネルのそれぞれの時間領域データに対してDFT演算を適用してもよく、式(18)に示されるように異なるFDMチャネルの周波数領域データに対してpFDM変換を適用してもよい。
Lのすべてについて
Figure 2021536149
Figure 2021536149
等価時間領域フィルタの時間領域インパルス応答は、式(19)に示されるような周波数領域pFDM三次元行列から算出され得る。
Figure 2021536149
IDFTは、逆DFTを表している。
したがって、異なるFDMチャネルのデータを組み合わせる前に時間領域サンプルのフィルタリングを介して時間領域において周波数依存pFDM行列を組み込んだpFDM変換を適用してもよく、あるいは、異なるFDMチャネルの周波数領域データに周波数依存行列を乗算することを介して周波数領域において周波数依存pFDM行列を組み込んだpFDM変換を適用してもよい。
図12に示されるように、選択された要素H1,1(f),H1,2(f),H1,3(f),H1,4(f)に対する振幅周波数応答は、FDM周波数帯域の縁部において滑らかに遷移し得る。周波数領域における滑らかな遷移は、等価時間領域フィルタの時間領域インパルス応答を制約するのに有利に作用し得る。時間の関数としての等価時間領域フィルタの時間領域インパルス応答の振幅は、選択された要素H1,1(f),H1,2(f),H1,3(f),H1,4(f)に関して図13のプロットに示されている。
光フィルタにおいては、特定の周波数において大きな劣化が生じることがある。あるFECスキームを用いた場合に、これらの劣化から生じる不利益が大きくなることがある。「Mitigation of Narrow-Band Degradations in a Broadband Communication System」という表題の米国特許出願公開公報第2017/0012704号(2017年)において、Oveis Gharan氏等は、データ信号のスペクトルの有界スペクトル領域内のデータ信号に対してアナログチャンネルが与える狭帯域インペアメントを緩和する方法について述べている。
問題が生じている周波数と一致するpFDMチャネルに関する情報の伝達を制限又は回避することにより、pFDMの手法を用いて光フィルタリングから生じる不利益を緩和することができると考えられる。例えば、4つのFDMチャネルがあるとすると、それぞれのFDMチャネル内でpFDM変換を適用して8つのpFDMチャネルを生成することにより、合計で32個のpFDMチャネルを生成してもよい。2つの外側のpFDMチャネルがほとんど情報を伝達しないか全く情報を伝達しないようにトリーコードをプログラミングしてもよい。このようにして、SNRにおける改善が達成され得る。しかしながら、大きな8×8の行列を用いた行列乗算に対する要求によってpFDMを適用するコストが増大し得る。さらに、非常に低い帯域幅のpFDMチャネルを必要とすることにより、地上波リンク又はメトロリンクに関して非線形性能や位相雑音トラッキング能力に著しい影響が生じることが考えられる。
異なるpFDMチャネルが異なる帯域幅を有することができるようにすることが重要である場合がある。例えば、FDMチャネルのエッジ周波数をカバーするために非常に低い帯域幅のpFDMチャネルとし、残りのpFDMチャネルは、できるだけ広い帯域幅を有し得るようにすることが好ましい場合がある。ある例によれば、pFDMチャネルは、帯域幅の範囲を有し得る。
実施例4:4つのチャネルを生成するためのバイナリツリーpFDM
第4の実施例によれば、送信器で実施されるpFDM変換は、式(20)に示される行列変換H4を含んでいる。
Figure 2021536149
先の例と同様に、行列変換H4はユニタリ行列である。しかしながら、本実施例においては、4つのpFDMチャネルを得るために、行列変換H4が再帰的に3回適用される。
図14は、第4の実施例によるpFDM変換の実施を示す模式図である。
1402で2つのデータストリーム1403及び1405に対して行列変換H4を適用することにより、1401で表される変換デジタル駆動信号S(t)が生成される。ここで、1403は、初期デジタル駆動信号S^(t)の奇数サンプルS^(2t+1)を表しており、1405は、初期デジタル駆動信号S^(t)の偶数サンプルの関数であるデータストリームF2(2t)を表している。1402での行列変換H4の適用は式(21)に示されている。
Figure 2021536149
1406で2つのデータストリーム1407及び1409に対して行列変換H4を適用することにより、1405で表されるストリームF2(2t)が再帰的に生成される。ここで、1407は、初期デジタル駆動信号S^(t)の偶数サンプルS^(4t+2)を表しており、1409は、初期デジタル駆動信号S^(t)の偶数サンプルの関数であるデータストリームF1(4t)を表している。1406での行列変換H4の適用は式(22)に示されている。
Figure 2021536149
1410で2つのデータストリーム1411及び1413に対して行列変換H4を適用することにより、1409で表されるストリームF1(4t)が再帰的に生成される。ここで、1411は、初期デジタル駆動信号S^(t)の偶数サンプルS^(8t+4)を表しており、1413は、初期デジタル駆動信号S^(t)の偶数サンプルS^(8t)を表している。1410での行列変換H4の適用は式(23)に示されている。
Figure 2021536149
pFDMチャネル1は、1403で表される奇数サンプルS^(2t+1)から構成される。pFDMチャネル2は、1407で表される偶数サンプルS^(4t+2)から構成される。pFDMチャネル3は、1411で表される偶数サンプルS^(8t+4)から構成される。pFDMチャネル4は、1413で表される偶数サンプルS^(8t)から構成される。
行列変換H4の性質により、変換デジタル駆動信号S(t)は、初期デジタル駆動信号S^(t)の単純な加算及び減算から決定される。したがって、計算上必要とされるものは、8×8行列を用いた乗算に伴って必要とされるものよりも非常に少なくなっている。
図14のpFDM変換は、(pFDMチャネル4に対応する)初期デジタル駆動信号1413のそれぞれの組が、(pFDMチャネル3に対応する)初期デジタル駆動信号1411の1つの組、(pFDMチャネル2に対応する)初期デジタル駆動信号1407の2つの組、及び(pFDMチャネル1に対応する)初期デジタル駆動信号1403の4つの組と組み合わされることによって、合計で8組の初期デジタル駆動信号S^(t)が得られるようになっている。これらの8組の初期デジタル駆動信号S^(t)は、4つのpFDMチャネルにわたって分配される。初期デジタル駆動信号S^(t)の組は、pFDMチャネルにわたって不均一に分配され、一部のチャネルがより多くの信号を送信し(例えば、pFDMチャネル1と2)、他のチャネルがより少ない信号を送信するようになっている(例えば、pFDMチャネル3と4)。初期デジタル駆動信号のそれぞれの組は、最終的に変換デジタル駆動信号S(t)の対応する組となる。
より一般的には、N個のタイムスロットに対応するN組の初期デジタル駆動信号は、M個のpFDMチャネルを表し得る(M>1及びM≦N)。pFDM変換に従ってN組の初期デジタル駆動信号を組み合わせてN組の変換デジタル駆動信号を生成してもよい。
第4の実施例によれば、受信器で実施される逆pFDM変換は、式(24)に示される逆行列変換H4 -1を含んでいる。
Figure 2021536149
図15は、第4の実施例による逆pFDM変換の実施を示す模式図である。
受信デジタル駆動信号R(t)が1501で表されている。1502で受信信号R(t)に対して逆行列変換H4 -1を適用することにより、2つのデータストリーム1503及び1505が生成される。ここで、1503は、初期デジタル駆動信号推定値R^(t)の奇数サンプルR^(2t+1)を表しており、1505は、データストリームG2(2t)を表している。1502での逆行列変換H4 -1の適用は式(25)に示されている。
Figure 2021536149
1506でストリームG2(2t)に対して逆行列変換H4 -1を再帰的に適用することにより、2つのデータストリーム1507及び1509が生成される。ここで、1507は、初期デジタル駆動信号推定値R^(t)の偶数サンプルR^(4t+2)を表しており、1509は、データストリームG1(4t)を表している。1506での逆行列変換H4 -1の適用は式(26)に示されている。
Figure 2021536149
1510でストリームG1(4t)に対して逆行列変換H4 -1を再帰的に適用することにより、2つのデータストリーム1511及び1513が生成される。ここで、1511は、初期デジタル駆動信号推定値R^(t)の偶数サンプルR^(8t+4)を表しており、1513は、初期デジタル駆動信号推定値R^(t)の偶数サンプルR^(8t)を表している。1510での逆行列変換H4 -1の適用は式(27)に示されている。
Figure 2021536149
1503で示されるデータストリームR^(2t+1)は、pFDMチャネル1についての受信信号推定値に対応している。1507で示されるデータストリームR^(4t+2)は、pFDMチャネル2についての受信信号推定値に対応している。1511で示されるデータストリームR^(8t+4)は、pFDMチャネル3についての受信信号推定値に対応している。1513で示されるデータストリームR^(8t)は、pFDMチャネル4についての受信信号推定値に対応している。
図15の逆pFDM変換は、受信デジタル信号R(t)1501の8つの組について、得られる初期デジタル駆動信号推定値が、(pFDMチャネル1に対応する)初期デジタル駆動信号推定値1503の4つの組、(pFDMチャネル2に対応する)初期デジタル駆動信号推定値1507の2つの組、(pFDMチャネル3に対応する)初期デジタル駆動信号推定値1511の1つの組、及び(pFDMチャネル4に対応する)初期デジタル駆動信号推定値1513の1つの組を含むことにより、合計で8組の初期デジタル駆動信号推定値R^(t)が得られるようになっている。これらの8組の初期デジタル駆動信号推定値R^(t)は、4つのpFDMチャネルにわたって分配される。初期デジタル駆動信号推定値R^(t)の組は、pFDMチャネルにわたって不均一に分配され、より多くの信号推定値が一部のチャネル(例えば、pFDMチャネル1と2)から決定され、より少ない信号推定値が他のチャネル(例えば、pFDMチャネル3と4)から決定されるようになっている。受信デジタル駆動信号R(t)のそれぞれの組は、最終的に初期デジタル駆動信号推定値R^(t)の対応する組となる。
より一般的には、N個のタイムスロットに対応するN組の初期デジタル駆動信号推定値は、M個のpFDMチャネルを表し得る(M>1及びM≦N)。逆pFDM変換に従ってN組の受信デジタル信号からN組の初期デジタル駆動信号推定値を決定してもよい。
図16は、単一のFDMチャネルに適用された第4の実施例に係るpFDM変換から得られるpFDMチャネルについての周波数(GHz)の関数としてのパワースペクトル密度(dB)のプロットである。この例では、FDMチャネルが20GHzを占めている。
pFDMチャネル1は、実線で示されており、FDMチャネルの元の帯域幅の1/2である3dB帯域幅を有している。pFDMチャネル2は、破線で示されており、FDMチャネルの元の帯域幅の1/4である3dB帯域幅を有している。pFDMチャネル3は、四角マーカ付きの実線で示されており、FDMチャネルの元の帯域幅の1/8である3dB帯域幅を有している。pFDMチャネル4は、菱形マーカ付きの実線で示されており、FDMチャネルの元の帯域幅の1/8である3dB帯域幅を有している。
最も大きな帯域幅を有するpFDMチャネルであるpFDMチャネル1は、光フィルタリングによる劣化を受け得るFDMチャネルの外縁から最大限離れている。pFDMチャネル2は、pFDMチャネル1に直交しており、これもFDMチャネルの外縁から最大限離れている。pFDMチャネル4は、最も小さな帯域幅を有しており、FDMチャネルの縁に中心が位置している。したがって、pFDMチャネル4は、光フィルタリングの影響を最も受ける。
8×8行列を利用するpFDM変換を適用すると、それぞれのpFDMチャネルがFDMチャネルの元の帯域幅の1/8の3dB帯域幅を有することになることに注目すべきである。バイナリツリーにおいて行列変換H4を3回適用することにより、pFDMチャネル1及び2は、FDMチャネルの元の帯域幅の1/8よりも非常に大きな3dB帯域幅を有することになる。
一般に、バイナリツリーにおいて行列変換H4を含むpFDM変換をN回適用して、N+1個のpFDMチャネルに元のFDMチャネルの1/2,1/4,・・・,1/(2N),1/(2N)の帯域幅を持たせてもよい。例えば、行列変換H4をN=4回適用した場合には、5つのpFDMチャネルが、FDMチャネルの元の帯域幅の1/2,1/4,1/8,1/16,1/16である3dB帯域幅を有する結果になる。これに対して、16×16行列を利用するpFDM変換では、それぞれのpFDMチャネルが、FDMチャネルの元々の帯域幅の1/16の3dB帯域幅を有する結果となる。バイナリツリーにおいてH4を5回適用することにより、pFDMチャネルの多くは、FDMチャネルの元の帯域幅の1/16よりも非常に大きな3dB帯域幅を有することになる。
pFDM変換は、同一のチャネルで異なるボーレートを有する疑似サブキャリアをサポートしていてもよい。この特徴は、波長選択スイッチ及び再構成可能なアド/ドロップ光マルチプレクサ(ROADM)による狭い帯域の光フィルタの影響を受けるリンクに対して有用である。スペクトルの高周波部分についてpFDMチャネルを狭くしてもよく、スペクトルの低周波部分についてpFDMチャネルを広くしてもよい。
一部のFDMチャネルにpFDM変換を適用し、他のFDMチャネルにはpFDM変換を適用しないことが重要である場合がある。例えば、光フィルタリングによる影響をより多く受ける外側のFDMチャネルに対してpFDM変換を適用することに大きな利点があり、光フィルタリングによる影響が小さい内側のFDMチャネルに対してpFDM変換を適用することにほとんど利点がないか全く利点がない場合がある。
図17〜図21は、pDFMチャネル及びFDMチャネルについての周波数(GHz)の関数としてのパワースペクトル密度(dB)のプロットを示しており、pFDMチャネルは、4つのFDMチャネルのうち2つに第4の実施例に係るpFDM変換を適用することにより得られたものである。
従来と同様に、それぞれのFDMチャネルは20GHzを占めている。FDMチャネル1は-40GHzから-20GHzにわたっており、FDMチャネル2は-20GHzから0GHzにわたっており、FDMチャネル3は0GHzから20GHzにわたっており、FDMチャネル4は20GHzから40GHzにわたっている。この例では、FDMチャネル1及び4(外側チャネル)にのみ第4の実施例に係るpFDM変換が適用され、FDMチャネル2及び3(内側チャネル)には第4の実施例に係るpFDM変換が適用されていない。したがって、図21のプロットから明らかなように、FDMチャネル2及び3のパワースペクトル密度は変化していない。
図17〜図20に示される実線はそれぞれFDMチャネル1に対してpFDM変換を適用することにより得られる4つのpFDMチャネルを表している。同様に、図17〜図20に示される破線はそれぞれFDMチャネル4に対してpFDM変換を適用することにより得られる4つのpFDMチャネルを表している。図20に示されるように、FDMチャネル1のpFDMチャネル4とFDMチャネル4のpFDMチャネル4は、2つの外側FDMチャネルの縁に最も近いpFDMチャネルであり、その結果、光フィルタリングの影響を最も受けると考えられる。しかしながら、最も小さい帯域幅を有するpFDMチャネルも存在する。したがって、これらのpFDMチャネルを介して送信される情報量を制限することにより、多くの帯域幅を犠牲にすることなく、大きなSNR向上が実現され得る。
先の例では、アダマール行列又は複素指数行列を用いてpFDM変換が行われている。しかしながら、他の実質的にユニタリな行列を用いてシンボルストリームを平均化又は分割してもよい。
ある例によれば、別個の変調スキーム及び/又は別個の整形を用いて異なるFDMチャネル又はpFDMチャネルを介してマルチビットシンボルの異なるストリームを送信してもよい。特定のストリームに対して使用される変調スキーム及び/又は整形は、そのストリームに対して予想される雑音レベル又は非線形性に基づいて選択され得る。あるいは、これらの決定において、受信器で行われる測定を用いてもよい。
ある例によれば、2018年6月8日に提出された米国特許出願第16/003,736号においてKhandani氏等により述べられている次元変換法に加えて、本明細書で述べられたpFDM変換法を行ってもよい。例えば、pFDM変換を次元変換と組み合わせて、単一のステップで実施してもよい。あるいは、pFDM変換及び次元変換を別個の段階で行ってもよい。
特許請求の範囲は、上記で述べた例の詳細によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲に対しては発明の詳細な説明全体に合致する最も広い解釈がなされるべきである。

Claims (25)

  1. 光受信器(102,300)で行われる方法(800)であって、
    前記光受信器と光送信器(102,200)との間で確立される光通信チャネル(104)を介して光信号(360)を受信し(802)、該受信された光信号は、前記光送信器で生成された変調光信号(260)の劣化したものを含み、
    単一のタイムスロットにおける前記受信光信号のN個(N>1)の周波数分割多重化(FDM)チャネルに対応するN組の受信デジタル信号を決定し(804)、
    前記N組の受信デジタル信号及び逆疑似FDM(pFDM)変換を用いてN組の初期信号推定値を決定し(806)、初期信号推定値のそれぞれの組は、前記N組の受信デジタル信号のそれぞれの組み合わせから決定され、それぞれの組み合わせは前記逆pFDM変換から決定され、
    前記N組の初期信号推定値を用いてN個のマルチビットシンボル推定値を決定する(808)、
    方法。
  2. 前記逆pFDM変換は、前記受信デジタル信号における周波数依存信号劣化を平均化する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記逆pFDM変換は、実質的に線形で実質的にユニタリな行列を含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記光信号キャリアの次元は、変換デジタル駆動信号に基づいて前記光送信器で変調され、前記変換デジタル駆動信号は、pFDM変換及び初期デジタル駆動信号を用いて前記光送信器で決定されたものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記pFDM変換は第1の行列を含み、前記逆pFDM変換は第2の行列を含み、前記第1の行列及び前記第2の行列は、実質的に線形で実質的にユニタリであり、前記第2の行列は、前記第1の行列の実質的な逆行列である、請求項1又は請求項2に従属する請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1の行列は周波数依存性を有する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記pFDM変換は、時間領域線形フィルタリングを伴う、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 光受信器(102,300)で行われる方法(1100)であって、
    前記光受信器と光送信器(102,200)との間で確立される光通信チャネル(104)を介して光信号(360)を受信し(1102)、該受信された光信号は、前記光送信器で生成された変調光信号(260)の劣化したものを含み、
    前記受信光信号の単一の分割多重化(FDM)チャネルについてN個のタイムスロットに対応するN組の受信デジタル信号を決定し(1104)、前記N組の受信デジタル信号は、部分的に重なり、周波数において直交しないM個(M>1及びM≦N)の疑似FDM(pFDM)チャネルにわたって分配され、
    前記N組の受信デジタル信号及び逆pFDM変換を用いてN組の初期デジタル信号推定値を決定し(1106)、初期デジタル信号推定値のそれぞれの組は、前記N組の受信デジタル信号のそれぞれの組み合わせから決定され、それぞれの組み合わせは前記逆pFDM変換から決定され、
    前記N組の初期デジタル信号推定値を用いてN個のマルチビットシンボル推定値を決定する(1108)、
    方法。
  9. 前記タイムスロットは連続的である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記逆pFDM変換は、実質的に線形で実質的にユニタリな行列を用いた再帰的行列乗算により実施され、M<Nである、請求項8又は請求項9に記載の方法。
  11. 前記pFDMチャネルは、実質的に等しい帯域幅を有する、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記pFDMチャネルは帯域幅の範囲を有する、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記N組の受信デジタル信号は、前記M個のpFDMチャネルにわたって不均一に分配される、請求項12に記載の方法。
  14. 光受信器(102,300)と光送信器(102,200)との間で確立される光通信チャネル(104)を介して光信号(360)を受信するように構成された光受信器であって、
    プロセッサ(314)と、
    コンピュータ実行可能な命令であって、前記プロセッサにより実行された際に、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法又は請求項8から13のいずれか一項に記載の方法を前記光受信器に実施させる命令を格納するメモリ(302)と
    を備える、光受信器。
  15. 光送信器(102,200)で行われる方法(700)であって、
    特定のタイムスロットにおけるN個(N>1)のマルチビットシンボルを表すようにN個の周波数分割多重化(FDM)サブキャリアを変調するように構成されるN組の初期デジタル信号を決定し(702)、
    前記N組の初期デジタル信号及び疑似FDM(pFDM)変換を用いてN組の変換デジタル信号を決定し(704)、変換デジタル信号のそれぞれの組は、前記N組の初期デジタル信号のそれぞれの組み合わせから決定され、それぞれの組み合わせは前記pFDM変換から決定され、
    前記N組の変換デジタル信号を用いて単一のタイムスロットにおける前記N個のFDMサブキャリアを変調することにより光信号(260)を生成し(706)、
    前記光送信器と光受信器(102,300)との間で確立される光通信チャネル(104)を介して前記光信号送信する(708)、
    方法。
  16. 前記pFDM変換は、実質的に線形で実質的にユニタリな行列を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記行列は、周波数依存性を有する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記pFDM変換は、時間領域線形フィルタリングを伴う、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 光送信器(102,200)で行われる方法(1000)であって、
    N個(N>1)のマルチビットシンボルを表すようにN個のタイムスロットにおける単一の周波数分割多重化(FDM)サブキャリアを変調するように構成されるN組の初期デジタル信号を決定し(1002)、
    前記N組の初期デジタル信号及び疑似FDM(pFDM)変換を用いてN組の変換デジタル信号を決定し(1004)、変換デジタル信号のそれぞれの組は、前記N組の初期デジタル信号のそれぞれの組み合わせから決定され、それぞれの組み合わせは前記pFDM変換から決定され、前記N組の変換デジタル信号は、部分的に重なり、周波数において直交しないM個(M>1及びM≦N)のpFDMチャネルにわたって分配され、
    前記N組の変換デジタル信号を用いて一連のN個のタイムスロットにわたって前記FDMサブキャリアを変調することにより光信号(260)を生成し(1006)、
    前記光送信器と光受信器(102,300)との間で確立される光通信チャネル(104)を介して前記光信号を送信する(1008)、
    方法。
  20. 前記タイムスロットは連続的である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記pFDM変換は、実質的に線形で実質的にユニタリな行列を用いた再帰的行列乗算により実施され、M<Nである、請求項19又は20に記載の方法。
  22. 前記pFDMチャネルは、実質的に等しい帯域幅を有する、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記pFDMチャネルは帯域幅の範囲を有する、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記N組の変換デジタル信号は、前記M個のpFDMチャネルにわたって不均一に分配される、請求項23に記載の方法。
  25. 光送信器(102,200)と光受信器(102,300)との間で確立される光通信チャネル(104)を介して光信号を受信するように構成された光送信器であって、
    プロセッサ(214)と、
    コンピュータ実行可能な命令であって、前記プロセッサにより実行された際に、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法又は請求項19から24のいずれか一項に記載の方法を前記光送信器に実施させる命令を格納するメモリ(202)と
    を備える、光送信器。
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