JP2021536009A - 剥離細胞の保管及び塗抹作業のためのバイアル装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、人体の剥離細胞を含む検体を保管し、その剥離細胞を塗抹するために使用されるバイアル装置に関する技術であり、剥離細胞を塗抹するための剥離細胞の処理装置に採用できるように、剥離細胞を入れた状態で、手動または自動で処理装置に取り付けられた状態で動きながら、バイアル装置自体に含まれる剥離細胞の一部を、処理装置に設けられたスライドに提供する技術に関する。本発明によれば、開閉キャップが窪み部及び係止リブを備えることにより、外部の剥離細胞の処理装置に備えられた回転部材を介して、ユーザが操作することなく容器部材から開閉キャップを自動的に分離することができるといった利点がある。

Description

本発明は、人体の剥離細胞を含む検体を保管し、その剥離細胞の塗抹作業のために使用されるバイアル（ｖｉａｌ）装置に関する技術である。

さらに詳しくは、本発明は、剥離細胞を塗抹するための剥離細胞の処理装置に採用できるように、剥離細胞を入れた状態で、手動または自動で処理装置に取り付けられた状態で動きながら、バイアル装置自体に含まれる剥離細胞の一部を、処理装置に設けられたスライドに提供する技術に関する。

一般的に、人体の剥離細胞（ｅｘｆｏｌｉａｔｉｖｅ ｃｅｌｌｓ）を含む検体（例えば、液体培地（ｌｉｑｕｉｄ ｍｅｄｉｕｍ）及び剥離細胞）から剥離細胞を取得した後、その取得した剥離細胞をスライドに塗抹（薄く塗り広げる）することにより、その剥離細胞の正確な観察と診断が可能になる。

そこで、従来の細胞診検査のスライドに対する塗抹は、ユーザが手動で道具（例えば、スポイト、綿棒）を活用して行っていた。

ところが、剥離細胞の特性上、ユーザの皮膚に露出されてしまうと、感染などの虞があり、ユーザの手によって塗抹すると、その剥離細胞が不均一な層を形成しながら互いに重なってしまう現象が生じ、剥離細胞に対する正確な観察と診断を妨げるといった問題点があった。

そのため、剥離細胞を含む検体の保管を容易にし、かつ剥離細胞に対する塗抹が一つの層として正確に行われるようにする塗抹作業の技術実現が求められている。

本発明は、前記点に鑑みて提案されたものであって、本発明は、剥離細胞を含む検体を保管し、スライドに対する塗抹ステップとして剥離細胞を広げる工程を実行する、剥離細胞の保管及び塗抹作業のためのバイアル装置を提供することを目的とする。

特に、本発明は、塗抹作業として剥離細胞を処理するとき、その剥離細胞の処理装置への適用が良好な剥離細胞の保管及び塗抹作業のためのバイアル装置を提供することを目的とする。

前記目的を達成するために、本発明に係る剥離細胞の保管及び塗抹作業のためのバイアル装置は、己の内側に剥離細胞とその剥離細胞の液体培地を入れることができるよう、その上端に内外部の出入りのための出入口が形成された容器部材１１０と、出入口に対応する容器部材の内側に配置され、多孔質膜でできているため、出入口が下方に位置するように容器部材を逆さまにした場合、容器部材内の剥離細胞及び液体培地の下方落下を阻止し、容器部材が逆さまになった状態で、外力が作用した場合、容器部材内の剥離細胞及び液体培地の一部を下方向に吐出させる透過性膜部材１２０と、透過性膜部材の縁に沿って、透過性膜部材と一体に結合された状態で、出入口に対応する容器部材の縁に装着される膜固定部材１３０と、膜固定部材を介した透過性膜部材の内外部の出入りを遮断できるように、膜固定部材に着脱可能に結合されている開閉キャップ１４０と、を含んで構成されてもよい。

そのとき、膜固定部材１３０は、開閉キャップと共に二重キャップ構造をなすように、容器部材の縁に着脱可能に結合されてもよい。

また、開閉キャップ１４０は、己の上面中央部に下向きに凹んだ窪み部１４１と、窪み部の内側に立てられた状態で、窪み部の内側壁に結合される１つ以上の係止リブ１４２と、を含んで構成され、外部の回転部材が窪み部に嵌った状態で回転するとき、回転部材が係止リブに引っ掛かり、開閉キャップが膜固定部材から離脱するように構成されてもよい。

また、容器部材１１０は、好ましくは、中空の円筒形からなり、内壁が平坦に構成されてもよい。

一方、容器部材１１０は、己の下部外表面に、その縁に沿って突設される下部外向き段差部１１１と、を含んで構成され、外部の把持部材が、容器部材の外表面を把持した状態で、開閉キャップが下向きになるように容器部材を逆さまにしたとき、下部外向き段差部が把持部材に引っ掛かり、容器部材の下方の滑りを阻止してもよい。

またさらに、容器部材１１０は、己の下部外表面に、その縁に沿って内向けに切込み形成された内向き段差部１１３と、を含んで構成され、外部の把持部材が、内向き段差部に嵌るようにしてもよい。

本発明は、剥離細胞を含む検体が入っている容器部材の出入口に開閉キャップを備えて、その検体を保管すると共に、容器部材の出入口に膜固定部材によって固定される透過性膜部材を備えることにより、スライドに対する塗抹ステップとして剥離細胞を広げる作業を良好に行えるといった利点がある。

また、本発明は、容器部材の出入口に透過性膜部材を備えるため、スライドにその透過性膜部材が当接するように、容器部材を逆さまにして塗抹するときに、容器部材内の剥離細胞が液体培地や他の副産物に比べて高い比重によって沈殿するので、効果的な塗抹が可能であるといった利点を示す。

また、本発明は、開閉キャップに窪み部と係止リブを備えることにより、外部の剥離細胞の処理装置に備えられた回転部材を介して、ユーザが操作することなく容器部材から開閉キャップを自動的に分離することができるといった利点を示す。

また、本発明は、容器部材の外表面に下部外向き段差部または内向き段差部を備えることにより、剥離細胞の処理装置において容器部材を多少動かすために、その処理装置が容器部材を把持するときに、その把持位置を正確に維持することができるといった利点も示す。

本発明に係るバイアル装置の結合斜視図である。 本発明に係るバイアル装置の分離斜視図１である。 本発明に係るバイアル装置の分離斜視図２である。 本発明の容器部材に膜固定部材が結合された状態の断面斜視図である。 図４の正面図である。 図５を逆さまにした状態の図である。 図６において、透過性膜部材がフィルタに接近するプロセスの状態を示す例示図である。 図７において、フィルタに透過性膜部材が接触した状態を示す例示図である。 本発明の他の実施形態に係るバイアル装置の結合斜視図である。 図９を別の角度から示した図である。

以下、図面を参照し、本発明について詳細に説明する。

図１は、本発明に係るバイアル装置の結合斜視図であり、図２は、本発明に係るバイアル装置の分離斜視図１であり、図３は、本発明に係るバイアル装置の分離斜視図２であり、図４は、本発明の容器部材に膜固定部材が結合された状態の断面斜視図であり、図５は、図４の正面図であり、図６は、図５を逆さまにした状態の図である。

図１ないし図６を参照すると、本発明に係る剥離細胞の保管及び塗抹作業のためのバイアル装置は、容器部材１１０、透過性膜部材１２０、膜固定部材１３０、及び開閉キャップ１４０を含んで構成されてもよい。

図２及び図３に示すように、容器部材１１０は、己の内側に検体（例えば、剥離細胞及び液体培地）を入れることのできるように、己の上端に内外部の出入りのための出入口が形成される。

ここで、「検体」は、人体から取得した成分から人体の液状成分とその液状成分に混ざっている剥離細胞からなる。そして、剥離細胞が相互に混ざっているか、あるいは浮くようにインタフェースする液状成分であることから、その液状成分を剥離細胞の液体培地と称した。

また、「検体」には、剥離細胞及び液体培地以外に人体から得られる副産物が含まれてもよい。

図２ないし図５を参照すると、透過性膜部材１２０は、好ましくは、容器部材１１０の出入口に対応する容器部材１１０の内側に配置され、多孔質膜でできている。

図６に示すように、透過性膜部材１２０は、容器部材１１０の出入口が下方に位置するように容器部材１１０を逆さまにした場合、容器部材１１０内の剥離細胞及び液体培地の下方落下を阻止する。

本発明に係るバイアル装置は、正立して操作する方法のみならず、逆さまにして操作する方法にも使用できるように設計されている。容器部材内に入っている内容物の中で、剥離細胞は、液体培地や他の副産物に比べて高い比重によって沈殿する。従って、バイアル装置を逆さまにした状態で塗抹する方法によれば、バイアル装置を正立した状態で塗抹する方法よりも効果的な塗抹が可能になるといった利点がある。そのため、透過性膜部材１２０及び後述する内向き段差部１１３は、バイアル装置を逆さまにして使用する方法に適合するために、本発明に備えられたものである。

そして、図６に示すように、透過性膜部材１２０は、容器部材１１０が逆さまになった状態で、以下の図８のような外力が作用した場合、容器部材１１０内の剥離細胞及び液体培地の一部を下方向に吐出する。

膜固定部材１３０は、透過性膜部材１２０の縁に沿って透過性膜部材１２０と一体に結合された状態で、出入口に対応する容器部材１１０の縁に取り付けられる。

その結果、容器部材１１０の内側に検体が入っている状態で、図６のように、その容器部材１１０が逆さまになった場合でも、膜固定部材１３０は、透過性膜部材１２０に結合された状態で容器部材１１０に結合された状態を維持するため、容器部材１１０内の検体の重さによって透過性膜部材１２０が下方向に離脱されることを防止する。

ここで、図４及び図５に示すように、膜固定部材１３０は、己の内壁縁に沿って、その内壁に結合されるインナーブリッジ１３１を備えてもよい。そのとき、透過性膜部材１２０は、好ましくは、図４及び図５に示すように、インナーブリッジ１３１の内壁に一体に固定されてもよい。

そして、インナーブリッジ１３１は、好ましくは、膜固定部材１３０の本体から弾性的に結合されてもよい。

その結果、内側に検体を入れた状態の容器部材１１０が、図６に示すように逆さまになった状態で、透過性膜部材１２０に下部からの外力が加わる場合、インナーブリッジ１３１の弾性力により、膜固定部材１３０と透過性膜部材１２０の結合部分に加わるその外力の強度を減少させることができる。

一方、図２及び図３に示すように、膜固定部材１３０は、開閉キャップ１４０と共に二重キャップ構造をなすように、容器部材１１０の縁に着脱可能に結合されてもよい。

ここで、膜固定部材１３０が容器部材１１０から離脱されると、外部の剥離細胞の処理装置に備えられる別途の吸引（ｓｕｃｔｉｏｎ）ユニット（図示せず）が容器部材１１０の出入口を介して、その容器部材１１０に対して上下方向に出入りしながら、容器部材１１０に入っている検体を吸引することができる。

そのとき、その吸引ユニットが容器部材１１０の内外部を出入りする際に、引っかかることなくスムーズに出入りできるように、容器部材１１０は、好ましくは、中空の円筒形からなり、内壁が平坦に構成されてもよい。

図１ないし図３に示すように、開閉キャップ１４０は、膜固定部材１３０を介した透過性膜部材１２０の内外部の出入りを遮断できるように、膜固定部材１３０に着脱可能に結合される。

図４ないし図６に示すように、開閉キャップ１４０は、膜固定部材１３０から離脱されることによって、膜固定部材１３０に一体に結合されている透過性膜部材１２０を外部に露出させる。

また、開閉キャップ１４０は、己の上面中央部に下向きに凹んだ窪み部１４１と、その窪み部１４１の内側に立てられた状態で窪み部１４１の内側壁に結合される１つ以上の係止リブ１４２を含んで構成されてもよい。

そのとき、外部の回転部材（図示せず）が窪み部１４１に嵌った状態で回転するときに、その回転部材が係止リブ１４２に引っ掛かり、開閉キャップ１４０が膜固定部材１３０に対して回転することによって膜固定部材１３０から離脱される。

その結果、図４ないし図６に示すように、膜固定部材１３０から開閉キャップ１４０が離脱されることによって、膜固定部材１３０に一体に結合されている透過性膜部材１２０が外部に露出される。

一方、図１ないし図６に示すように、容器部材１１０は、己の下部外表面に、その縁に沿って突設される下部外向き段差部１１１を含んで構成されてもよい。

そのとき、外部の剥離細胞の処理装置に備えられる別途の把持部材（図示せず）が容器部材１１０の外表面を把持した状態で、図６に示すように、開閉キャップ１４０が下向きになるように容器部材１１０を逆さまにする状態を始めとして、その容器部材１１０を多少動かすとき、下部外向き段差部１１１がその把持部材に引っ掛かり、容器部材１１０の下方の滑りを阻止することができる。

図７は、図６において、透過性膜部材がフィルタに接近するプロセスの状態を示す例示図であり、図８は、図７において、フィルタに透過性膜部材が接触した状態を示す例示図である。

透過性膜部材１２０が容器部材１１０の内部の検体重量を支えながら、その検体が下方向に落下しないように構成された状態で、図７のように、己の下部に位置するフィルタ１０に向かって下方向に移動し、図８に示すように、そのフィルタ１０に接触する外力が作用すると、容器部材１１０の内側に入れられている検体の一部が己の透過性膜部材１２０を通過する。

そのとき、透過性膜部材１２０を通過した一部の検体のうち、剥離細胞がフィルタ１０に薄く広がる。ここで、フィルタ１０は、支持部材２０によって、底面から離脱された状態を維持することができる。

図９は、本発明の他の実施形態に係るバイアル装置の結合斜視図であり、図１０は、図９を別の角度から示した図である。

図９及び図１０に示すように、本発明の他の実施形態に係る容器部材１１０'は、己の下部外表面に、その縁に沿って内向けに切込み形成された内向き段差部１１３を含んで構成されてもよい。

そのとき、外部の剥離細胞の処理装置に備えられる別途の把持部材（図示せず）が容器部材１１０の外表面を把持した状態で、その容器部材１１０'を多少動かすとき、内向き段差部１１３がその把持部材に引っ掛かり、容器部材１１０'のセンタリングや、正確な位置制御が可能になる。

一方、内向き段差部１１３が提供する作用効果は、容器部材１１０'を逆さまにした状態で扱う場合に最大となる。下部外向き段差部１１１が備えられている場合には、容器部材を逆さまにして操作することがかなり困難である。それに対して、図９のような内向き段差部１１３を備えることにより、容器部材１１０'を逆さまにした状態で操作することが円滑になる。

Claims (6)

1. 己の内側に剥離細胞とその剥離細胞の液体培地を入れることができるよう、その上端に内外部の出入りのための出入口が形成された容器部材（１１０）と、
   前記出入口に対応する前記容器部材の内側に配置され、多孔質膜でできているため、前記出入口が下方に位置するように前記容器部材を逆さまにした場合、前記容器部材内の剥離細胞及び液体培地の下方落下を阻止し、前記容器部材が逆さまになった状態で、外力が作用した場合、前記容器部材内の剥離細胞及び液体培地の一部を下方向に吐出させる透過性膜部材（１２０）と、
   前記透過性膜部材の縁に沿って、前記透過性膜部材と一体に結合された状態で、前記出入口に対応する前記容器部材の縁に装着される膜固定部材（１３０）と、
   前記膜固定部材を介した前記透過性膜部材の内外部の出入りを遮断できるように、前記膜固定部材に着脱可能に結合されている開閉キャップ（１４０）と、
   を含んで構成されている、剥離細胞の保管及び塗抹作業のためのバイアル装置。
2. 前記膜固定部材（１３０）は、前記開閉キャップと共に二重キャップ構造をなすように、前記容器部材の縁に着脱可能に結合されていることを特徴とする、請求項１に記載の剥離細胞の保管及び塗抹作業のためのバイアル装置。
3. 前記開閉キャップ（１４０）は、
   己の上面中央部に下向きに凹んだ窪み部（１４１）と、
   前記窪み部の内側に立てられた状態で、前記窪み部の内側壁に結合される１つ以上の係止リブ（１４２）と、を含んで構成され、
   外部の回転部材が前記窪み部に嵌った状態で回転するとき、前記回転部材が前記係止リブに引っ掛かり、前記開閉キャップが、前記膜固定部材から離脱するように構成されていることを特徴とする、請求項２に記載の剥離細胞の保管及び塗抹作業のためのバイアル装置。
4. 前記容器部材（１１０）は、中空の円筒形からなり、内壁が平坦に構成されたことを特徴とする、請求項３に記載の剥離細胞の保管及び塗抹作業のためのバイアル装置。
5. 前記容器部材（１１０）は、
   己の下部外表面に、その縁に沿って突設される下部外向き段差部（１１１）と、を含んで構成され、
   外部の把持部材が、前記容器部材の外表面を把持した状態で、前記開閉キャップが下向きになるように前記容器部材を逆さまにしたとき、前記下部外向き段差部が前記把持部材に引っ掛かり、前記容器部材の下方の滑りを阻止する、請求項４に記載の剥離細胞の保管及び塗抹作業のためのバイアル装置。
6. 前記容器部材（１１０）は、
   己の下部外表面に、その縁に沿って内向けに切込み形成された内向き段差部（１１３）と、を含んで構成され、
   外部の把持部材が、前記内向き段差部に嵌るようにする、請求項４に記載の剥離細胞の保管及び塗抹作業のためのバイアル装置。

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