電子デバイスは、コンテンツをユーザに提示するためのディスプレイ及び他の構成要素を含むことができる。電子デバイスは、装着型電子デバイスであってもよい。ヘッドマウントデバイスなどの装着型電子デバイスは、ヘッドマウントデバイスをユーザの頭部に装着することを可能にするヘッドマウント支持構造体を有してもよい。
ヘッドマウントデバイスは、ユーザに視覚コンテンツを表示するための1つ以上のディスプレイパネル(ディスプレイ)から形成されたディスプレイを含んでもよい。レンズシステムを使用して、ユーザがディスプレイに焦点を合わせて、視覚コンテンツを見ることを可能にすることができる。レンズシステムは、ユーザの左眼と位置合わせされた左レンズモジュールと、ユーザの右眼と位置合わせされた右レンズモジュールと、を有することができる。
ヘッドマウントデバイス内のレンズモジュールは、調節可能なレンズを含むことができる。例えば、流体が充填された調節可能なレンズを使用して、特定の視聴者に対する表示コンテンツを調節することができる。
レンズモジュールを備える例示的な電子デバイスを有する例示的なシステムの概略図を図1に示す。図1に示すように、システム8は、電子デバイス10などの1つ以上の電子デバイスを含んでもよい。システム8の電子デバイスは、コンピュータ、携帯電話、ヘッドマウントデバイス、腕時計デバイス、及び他の電子デバイスを含むことができる。電子デバイス10がヘッドマウントデバイスである構成が、本明細書において時折一例として記述される。
図1に示すように、電子デバイス10などの電子デバイスは、制御回路12を有することができる。制御回路12は、デバイス10の動作を制御するための記憶装置及び処理回路を含んでもよい。制御回路12は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、ソリッドステートドライブを形成するように構成された電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的ランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含むことができる。制御回路12の処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、音声チップ、グラフィック処理ユニット、特定用途向け集積回路、及び他の集積回路に基づくことができる。ソフトウェアコードは、回路12内の記憶装置上に記憶され、回路12内の処理回路上で実行されて、デバイス10の制御動作(例えば、データ収集動作、三次元顔画像データの処理に伴う動作、制御信号を使用した構成要素の調節を伴う動作など)を実施することができる。制御回路12は、有線通信回路及び無線通信回路を含むことができる。例えば、制御回路12は、セルラー電話送受信機回路、無線ローカルエリアネットワーク(WiFi(登録商標))送受信機回路、ミリ波送受信機回路、及び/又は他の無線通信回路などの高周波送受信機回路を含むことができる。
動作中、システム8内のデバイスの通信回路(例えば、デバイス10の制御回路12の通信回路)を使用して、電子デバイス間の通信をサポートすることができる。例えば、1つの電子デバイスは、システム8内の別の電子デバイスにビデオデータ及び/又はオーディオデータを送信することができる。システム8内の電子デバイスは、有線及び/又は無線通信回路を使用して、1つ以上の通信ネットワーク(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワークなど)を介して通信することができる。通信回路を使用して、外部機器(例えば、テザーコンピュータ、ハンドヘルドデバイス若しくはラップトップコンピュータなどのポータブルデバイス、リモートサーバ若しくは他のリモートコンピューティング機器などのオンラインコンピューティング機器、又は他の電気機器)からデータをデバイス10によって受信する、かつ/又は外部機器にデータを提供することを可能にすることができる。
デバイス10は、入出力デバイス22を含むことができる。入出力デバイス22を使用して、ユーザがデバイス10にユーザ入力を提供することを可能にすることができる。入出力デバイス22はまた、デバイス10が動作している環境に関する情報を収集するために使用されてもよい。デバイス22内の出力構成要素は、デバイス10がユーザに出力を提供することを可能にすることができ、外部電気機器との通信に使用することができる。
図1に示すように、入出力デバイス22は、ディスプレイ14などの1つ以上のディスプレイを含むことができる。いくつかの構成では、デバイス10のディスプレイ14は、ユーザの左眼及び右眼にそれぞれ位置合わせされた左右のディスプレイパネル(ディスプレイ14の左右の部分、並びに/又は、左ディスプレイ及び右ディスプレイと呼ばれることもある)を含む。他の構成では、ディスプレイ14は、両眼にわたって延びる単一のディスプレイパネルを含む。
ディスプレイ14を使用して、画像を表示することができる。デバイス10のユーザはディスプレイ14上に表示された視覚コンテンツを見ることができる。ディスプレイ14などのデバイス10のディスプレイは、有機発光ダイオードディスプレイ若しくは発光ダイオードのアレイに基づく他のディスプレイ、液晶ディスプレイ、液晶オンシリコン(liquid-crystal-on-silicon)ディスプレイ、専用の光学素子(例えばデジタルマイクロミラーデバイス)を介して直接若しくは間接的に表面上に光ビームを投影することに基づくプロジェクタ若しくはディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、又は任意の他の好適なディスプレイであってもよい。
ディスプレイ14は、仮想現実(virtual reality)コンテンツ又は複合現実(mixed reality)コンテンツなどのコンピュータが生成する現実のための表示コンテンツを提示することができる。
物理的環境とは、人々が電子システムの助けなしに、感知及び/又は相互作用することができる物理的世界を指す。物理的な公園などの物理的環境には、物理的な木々、物理的な建物、及び物理的な人々などの物理的物品が挙げられる。人々は、視覚、触覚、聴覚、味覚、及び臭覚などを介して、物理的環境を直接感知し、及び/又はそれと相互作用することができる。
対照的に、コンピュータ生成現実(computer-generated reality、CGR)環境は、人々が電子システムを介して感知及び/又は相互作用する全体的又は部分的シミュレーション環境を指す。CGRでは、人の身体運動のサブセット又はその表現が追跡され、それに応答して、CGR環境内でシミュレートされた1つ以上の仮想オブジェクトの1つ以上の特性が、少なくとも1つの物理学の法則でふるまうように調節される。例えば、CGRシステムは、人の頭部の回転を検出し、それに応答して、そのようなビュー及び音が物理的環境においてどのように変化するかと同様の方法で、人に提示されるグラフィックコンテンツ及び音場を調節することができる。状況によっては(例えば、アクセス性の理由から)、CGR環境における仮想オブジェクト(単数又は複数)の特性(単数又は複数)に対する調節は、身体運動の表現(例えば、音声コマンド)に応答して行われてもよい。
人は、視覚、聴覚、触覚、味覚及び嗅覚を含むこれらの感覚のうちのいずれか1つを使用して、CGRオブジェクトを感知し、かつ/又はCGRオブジェクトと相互作用してもよい。例えば、人は、3D空間において点音源の知覚を提供する、3D又は空間的広がりを有するオーディオ環境を作り出すオーディオオブジェクトを感知し、かつ/又はそれと相互作用することができる。別の例では、オーディオオブジェクトは、コンピュータ生成オーディオを含め、又は含めずに、物理的環境から周囲音を選択的に組み込むオーディオ透過性を可能にすることができる。いくつかのCGR環境では、人は、オーディオオブジェクトのみを感知し、及び/又はそれと相互作用することができる。CGRの例としては、仮想現実及び複合現実が挙げられる。
仮想現実(virtual reality、VR)環境とは、1つ以上の感覚について、コンピュータ生成感覚入力に全面的に基づくように設計されたシミュレーション環境を指す。VR環境は、人が感知及び/又は相互作用することができる複数の仮想オブジェクトを含む。例えば、木、建物、及び人々を表すアバターのコンピュータ生成画像は、仮想オブジェクトの例である。人は、コンピュータ生成環境内に人が存在することのシミュレーションを通じて、かつ/又はコンピュータ生成環境内での人の身体運動のサブセットのシミュレーションを通じて、VR環境における仮想オブジェクトを感知し、かつ/又はそれと相互作用することができる。
コンピュータ生成感覚入力に全面的に基づくように設計されたVR環境とは対照的に、複合現実(mixed reality、MR)環境は、コンピュータ生成感覚入力(例えば、仮想オブジェクト)を含むことに加えて、物理的環境からの感覚入力又はその表現を組み込むように設計されたシミュレーション環境を指す。仮想の連続体上では、複合現実環境は、一方の端部における完全な物理的環境と、他方の端部における仮想現実環境との間であるがこれらを含まない、任意の場所である。
いくつかのMR環境では、コンピュータ生成感覚入力は、物理的環境からの感覚入力の変更に応答し得る。また、MR環境を提示するためのいくつかの電子システムは、仮想オブジェクトが現実のオブジェクト(すなわち、物理的環境からの物理的物品又はその表現)と相互作用することを可能にするために、物理的環境に対する位置及び/又は向きを追跡することができる。例えば、システムは、仮想の木が物理的な地面に対して静止して見えるように、動きを考慮することができる。複合現実の例としては、拡張現実及び拡張仮想が挙げられる。
拡張現実(augmented reality、AR)環境は、1つ以上の仮想オブジェクトが物理的環境上又はその表現上に重ねられたシミュレーション環境を指す。例えば、AR環境を提示するための電子システムは、人が物理的環境を直接見ることができる透明又は半透明のディスプレイを有してもよい。システムは、透明又は半透明のディスプレイ上に仮想オブジェクトを提示するように構成されていてもよく、それによって、人はシステムを使用して、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。あるいは、システムは、不透明ディスプレイと、物理的環境の表現である、物理的環境の画像又はビデオをキャプチャする1つ以上の撮像センサとを有してもよい。システムは、画像又はビデオを仮想オブジェクトと合成し、その合成物を不透明ディスプレイ上に提示する。人は、システムを使用して、物理的環境の画像又はビデオによって物理的環境を間接的に見て、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。本明細書で使用するとき、不透明ディスプレイ上に示される物理的環境のビデオは、「パススルービデオ」と呼ばれ、システムが、1つ以上の撮像センサ(単数又は複数)を使用して、物理的環境の画像をキャプチャし、不透明ディスプレイ上にAR環境を提示する際にそれらの画像を使用することを意味する。更に代替的に、システムは、仮想オブジェクトを、物理的環境に、例えば、ホログラムとして又は物理的表面上に投影するプロジェクションシステムを有してもよく、それによって、人は、システムを使用して、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。
拡張現実環境はまた、物理的環境の表現がコンピュータ生成感覚情報によって変換されるシミュレーション環境を指す。例えば、パススルービデオを提供する際に、システムは、1つ以上のセンサ画像を変換して、撮像センサによってキャプチャされた遠近法とは異なる選択された遠近法(例えば、視点)による面付けを行うことができる。別の例として、物理的環境の表現は、その一部分をグラフィカルに変更(例えば、拡大)することによって変換されてもよく、それにより、変更された部分を元のキャプチャ画像を表すが非写実的であるバージョンとすることができる。更なる例として、物理的環境の表現は、その一部分をグラフィカルに除去又は曖昧化することによって変換されてもよい。
拡張仮想(augmented virtuality、AV)環境は、物理的環境からの1つ以上の感覚入力を仮想環境又はコンピュータ生成環境が組み込むシミュレーション環境を指す。感覚入力は、物理的環境の1つ以上の特性の表現であり得る。例えば、AVの公園には、仮想の木及び仮想の建物があり得るが、顔がある人々は、物理的な人々が撮られた画像から写実的に再現される。別の例として、仮想オブジェクトは、1つ以上の撮像センサによって撮像された物理的物品の形状又は色を採用してもよい。更なる例として、仮想オブジェクトは、物理的環境における太陽の位置と一致する影を採用することができる。
多種多様の電子システムが存在することによって、人が様々なCGR環境を感知し、かつ/又はCGR環境と相互作用できるようになる。例としては、ヘッドマウントシステム、プロジェクションベースシステム、ヘッドアップディスプレイ(heads-up display、HUD)、統合表示機能を有する車両ウィンドシールド、統合表示機能を有する窓、(例えば、コンタクトレンズと同様に)人の眼の上に配置されるように設計されたレンズとして形成されたディスプレイ、ヘッドホン/イヤフォン、スピーカアレイ、入力システム(例えば、触覚フィードバックを有する又は有さない、装着型コントローラ又はハンドヘルドコントローラ)、スマートフォン、タブレット、及びデスクトップ/ラップトップコンピュータ、が挙げられる。ヘッドマウントシステムは、1つ以上のスピーカ(単数又は複数)及び一体型不透明ディスプレイを有してもよい。あるいは、ヘッドマウントシステムは、外部の不透明ディスプレイ(例えば、スマートフォン)を受け入れるように構成されていてもよい。ヘッドマウントシステムは、物理的環境の画像若しくはビデオをキャプチャするための1つ以上の撮像センサ、及び/又は物理的環境の音声をキャプチャするための1つ以上のマイクロフォンを組み込んでいてもよい。不透明ディスプレイではなく、ヘッドマウントシステムは、透明又は半透明のディスプレイを有してもよい。透明又は半透明のディスプレイは、画像を表す光が人の眼に向けられる媒体を有してもよい。ディスプレイは、デジタル光投影、OLED、LED、uLED、液晶オンシリコン、レーザスキャン光源、又はこれらの技術の任意の組み合わせを利用することができる。媒体は、光導波路、ホログラム媒体、光結合器、光反射器、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。一実施形態では、透明又は半透明のディスプレイは、選択的に不透明になるように構成されていてもよい。プロジェクションベースシステムは、グラフィック画像を人間の網膜上に投影する網膜投影技術を採用することができる。プロジェクションシステムはまた、例えば、ホログラムとして、又は物理的表面上に、仮想オブジェクトを物理的環境内に投影するように構成されていてもよい。
ディスプレイ14がレンズを介してユーザに仮想現実コンテンツを表示するために使用される構成が、本明細書で例として説明される。
入出力回路22は、センサ16を含んでもよい。センサ16としては、例えば、三次元センサ(例えば、光ビームを放射し、かつ二次元デジタル画像センサを使用して、標的が光ビームによって照射されると生成される光スポットから三次元画像のための画像データを収集する、構造化光センサなどの三次元画像センサ、双眼撮像構成で2つ以上のカメラを使用して三次元画像を収集する双眼三次元画像センサ、三次元ライダー(光検出及び測距lidar(light detection and ranging))センサ、三次元高周波センサ、又は三次元画像データを収集する他のセンサ)、カメラ(例えば、赤外線及び/又は可視デジタル画像センサ)、視線追跡センサ(例えば、画像センサに基づく視線追跡システム、及び所望であれば、ユーザの眼から反射した後に画像センサを使用して追跡される1つ以上の光ビームを放射する光源)、タッチセンサ、ボタン、力センサ、スイッチに基づく接触センサなどのセンサ、気体センサ、圧力センサ、湿度センサ、磁気センサ、オーディオセンサ(マイクロフォン)、周囲光センサ、音声コマンド及び他のオーディオ入力を収集するためのマイクロフォン、動き、位置、及び/若しくは向きに関する情報を収集するように構成されたセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、及び/あるいはこれらのセンサの全て又はこれらのセンサのうちの1つ若しくは2つのサブセットを含む慣性測定ユニット)、並びに/又は他のセンサを挙げることができる。センサ16は、近接センサ(例えば、容量性近接センサ、光ベースの(光学)近接センサ、超音波近接センサ、及び/又は他の近接センサ)を含んでもよい。近接センサは、例えば、ユーザの鼻とデバイス10内のレンズモジュールとの間の相対位置を感知するために使用されてもよい。
ユーザ入力及び他の情報は、入出力デバイス22内のセンサ及び他の入力デバイスを使用して収集されてもよい。所望であれば、入出力デバイス22は、触覚出力デバイス(例えば、振動構成要素)、発光ダイオード及び他の光源、オーディオ出力を生成するためのイヤスピーカなどのスピーカ、並びに他の電気構成要素などの他のデバイス24を含むことができる。デバイス10は、無線電力を受信するための回路、他のデバイスに無線で電力を送信するための回路、バッテリ及び他のエネルギ貯蔵デバイス(例えば、コンデンサ)、ジョイスティック、ボタン、並びに/又は他の構成要素を含むことができる。
電子デバイス10は、図1の例示的な支持構造体26によって示されるように、筐体構造体(例えば、筐体壁、ストラップなど)を有してもよい。電子デバイス10がヘッドマウントデバイス(例えば、一対の眼鏡、ゴーグル、ヘルメット、帽子など)である構成では、支持構造体26は、ヘッドマウント支持構造体(例えば、ヘルメット筐体、ヘッドストラップ、一対の眼鏡のテンプル、ゴーグル筐体構造体、及び/又は他のヘッドマウント構造体)を含むことができる。ヘッドマウント支持構造体は、デバイス10の動作中にユーザの頭部に装着されるように構成されてもよく、ディスプレイ(単数又は複数)14、センサ16、他の構成要素24、他の入出力デバイス22、及び制御回路12を支持してもよい。
図2は、電子デバイス10がヘッドマウントデバイスである例示的な構成の電子デバイス10の平面図である。図2に示すように、電子デバイス10は、デバイス10の構成要素を収容してデバイス10をユーザの頭部に装着するのに使用される支持構造体(例えば、図1の支持構造体26を参照)を含んでもよい。これらの支持構造体は、例えば、主ユニット26−2(例えば、外側筐体壁、レンズモジュール構造体など)のための筐体壁及び他の構造体を形成する構造体、及びユーザの眼がアイボックス60内に位置するように、ユーザの顔に接して主ユニット26−2を保持するのに役立つ構造体26−1などのストラップ又は他の補助支持構造体を含んでもよい。
ディスプレイ14は、ユーザの左眼(及び左アイボックス60)並びに右眼(及び右アイボックス60)にそれぞれ対応する左右のディスプレイモジュール70にそれぞれ搭載された左右のディスプレイパネル(例えば、左右の画素アレイ、左右のディスプレイ又は左右のディスプレイ部分と呼ばれることもある)を含んでもよい。
各ディスプレイモジュール70は、ディスプレイ部分14と、対応するレンズモジュール72(レンズスタックアップ72又はレンズ72と呼ばれることもある)を含む。レンズ72は、共通軸に沿って配置された1つ以上のレンズ素子を含んでもよい。各レンズ素子は、任意の所望の形状を有してもよく、任意の所望の材料(例えば、任意の所望の屈折率を有する)から形成されてもよい。レンズ素子は、固有の形状及び屈折率を有してもよく、それらを組み合わせて、所望の方法でディスプレイ14からの光の焦点を合わせる。レンズモジュール72の各レンズ素子は、任意の所望の透明材料(例えば、ガラス、ポリカーボネート又はアクリルなどのポリマー材料、サファイアなどの結晶体など)から形成することができる。
モジュール70は、それぞれ左右のポジショナ58などの位置決め回路を使用して、任意選択的に、ユーザの眼に対して、かつ、主ユニット26−2の筐体壁構造体のうちのいくつかに対して個別に位置付けられてもよい。ポジショナ58は、ステッパモータ、圧電アクチュエータ、モータ、線形電磁アクチュエータ、及び/又はディスプレイ14及びレンズモジュール72の位置を調節するための他の電子部品であってもよい。ポジショナ58は、デバイス10の動作中に制御回路12によって制御されてもよい。例えば、ポジショナ58を使用して、モジュール70間の間隔(したがって、モジュール70の左右のレンズの間のレンズ間の間隔)を調節して、ユーザの眼の瞳孔間の距離IPDと一致させることができる。
場合によっては、レンズモジュール72とディスプレイ14との間の距離は変動可能である。例えば、レンズモジュールとディスプレイとの間の距離は、特定のユーザの視界を考慮するように調節され得る。ディスプレイに対して移動可能なレンズモジュール72を有する例示的なヘッドマウントデバイスを図3に示す。
図3に示すように、ヘッドマウントデバイス10(例えば、ヘッドマウントデバイス内のディスプレイモジュール70)は、画素アレイ14などの画像のソースを含み得る。画素アレイ14は、画像光を発する画素Pの二次元アレイ(例えば、有機発光ダイオード画素、半導体ダイから形成された発光ダイオード画素、バックライトを有する液晶表示画素、フロントライトを有するLCOS(liquid-crystal-on-silicon)画素など)を含むことができる。図3では、カタディオプトリック光学システムを示す。直線偏光子82などの偏光子は、画素アレイ14の前に配置されてもよく、かつ/又は偏光画像光を提供するために画素アレイ14に積層されてもよい。直線偏光子82は、(例として)図3のX軸と整列した通過軸を有することができる。また、ディスプレイ14上に、1/4波長板84が設けられてもよい。1/4波長板は、円偏光画像光を提供することができる。1/4波長板84の速軸は、直線偏光子82の通過軸に対して45度で整列してもよい。1/4波長板84は、偏光子82の前方(偏光子82とレンズモジュール72との間)に搭載されてもよい。所望であれば、1/4波長板84を偏光子82(及びディスプレイ14)に取り付けてもよい。
レンズモジュール72は、レンズ素子88などの1つ以上のレンズ素子を含んでもよい。レンズ素子88は、ディスプレイ14に面する凸面と、アイボックス60に面する凸面とを有するものとして描かれている。この例は単なる例示に過ぎず、レンズ素子88は、任意の所望の形状を有してもよい(例えば、レンズ素子88の各表面は、平面状、凸状、又は凹状であってもよい)。レンズ素子88は、ガラス、ポリカーボネート又はアクリルなどのポリマー材料、サファイアなどの結晶体などから形成される剛性レンズ素子であってもよい。
部分反射コーティング、波長板、反射偏光子、直線偏光子、反射防止コーティング、及び/又は他の光学部品などの光学構造をヘッドマウントデバイス10に組み込むことができる。これらの光学構造は、ディスプレイ14からの光線をレンズ素子88内の表面を通過させ、かつ/又はそれから反射させ、それによってレンズモジュール72に所望のレンズ度数を付与することができる。
例えば、部分反射ミラー86などの部分反射ミラー(例えば、50%透過率と50%反射率とを有する、金属ミラーコーティング又は誘電体多層コーティングなどの他のミラーコーティング)は、レンズ素子88上に(例えば、レンズ素子とディスプレイ14との間に)形成することができる。1/4波長板90及び反射型偏光子92は、レンズ素子88の対向する表面に(例えば、レンズ素子88とアイボックス60との間に)形成されてもよい。光44などの光は、カタディオプトリックレンズを通過することができる。図3に示すカタディオプトリックレンズの例は、単なる例示に過ぎない。一般に、レンズモジュール72は、レンズモジュール内の任意の所望の位置に、任意の所望の光学構造(例えば、部分反射コーティング、波長板、反射偏光子、直線偏光子、反射防止コーティングなど)を有してもよい。追加のレンズ素子が、レンズモジュール72に組み込まれてもよく、各レンズ素子は任意の所望の形状を有してもよい。
図3に示すように、ヘッドマウントデバイス10は、レンズモジュール72(例えば、レンズ素子88)とディスプレイ14との間の距離94を調節するためのポジショナ58を含んでもよい。ポジショナ58は、1つ以上のステッパモータ、圧電アクチュエータ、モータ、線形電磁アクチュエータ、及び/又はディスプレイ14の位置を調節するための他の電子部品を含んでもよい。ポジショナ58を、デバイス10の動作中に制御回路12によって制御して、レンズモジュール72に対してディスプレイ14の位置を調節することができる。
レンズモジュール72に対するディスプレイ14の位置を調節することは、異なるユーザの視界を考慮するために有用であり得る。一部のユーザは近視(myopia)(近視(nearsightedness))を有する場合があるが、他のユーザは遠視(hyperopia)(遠視(farsightedness))を有する場合がある。各ユーザの眼の視力は異なり得る。したがって、ユーザの視力を考慮するために各レンズモジュールのレンズ度数を独立して制御することが望ましい場合がある。レンズモジュール72に対してディスプレイ14の位置を移動させるためにヘッドマウントデバイス10内にポジショナ58を含むことにより、各レンズモジュールのレンズ度数の調節を可能にすることができる。しかし、ポジショナは、所望よりも高価であり得、望ましくないことに、ヘッドマウントデバイスに過剰な重量を加える場合がある。ディスプレイの位置を物理的に移動させるポジショナを含まずに、レンズモジュールの調節を可能にするために、図4A及び図4Bに示す種類の構成を使用してもよい。
図4Aでは、流体が充填された調節可能な間隙が、レンズモジュールの調整のために2つのレンズ素子の間に介在するヘッドマウントデバイスを示す。図4Aに示すように、図3と同様に、直線偏光子82及び1/4波長板84によって覆われた画素Pを有するディスプレイ14は光を発することができる。流体が充填された調節可能な間隙112(液体が充填された調節可能な間隙112と呼ばれることもある)によって分離された第1のレンズ素子102及び第2のレンズ素子104を含むレンズモジュール72によって光が受光され得る。流体が充填された調節可能な間隙112の厚さ114は、間隙内の流体の量によって制御され得る。流体が充填された調節可能な間隙の厚さを調節することにより、レンズ72のレンズ度数を調節することができる。
図4Aに示すように、流体109は、1つ以上の流体リザーバ106に貯蔵され得る。流体109は、所定の屈折率を有する液体、ゲル、又は気体であってもよい(したがって、それは、液体109、ゲル109又は気体109と呼ばれることもある)。流体は、屈折率整合オイル、光学オイル、光学流体、屈折率整合材料、屈折率整合液体などと呼ばれることもある。レンズ素子102及び104の屈折率は、同じであっても、又は異なってもよい。レンズ素子102とレンズ素子104との間の間隙112を充填する流体109は、レンズ素子102の屈折率と同じであるが、レンズ素子104の屈折率とは異なる屈折率を有してもよく、レンズ素子104の屈折率と同じであるが、レンズ素子102の屈折率とは異なる屈折率を有してもよく、レンズ素子102及びレンズ素子104の屈折率と同じ屈折率を有してもよく、あるいは、レンズ素子102及びレンズ素子104の屈折率とは異なる屈折率を有してもよい。レンズ素子102及びレンズ素子104は円形であってもよく、楕円形であってもよく、又は任意の別の所望の形状を有してもよい。
1つ以上の流体制御構成要素108(液体制御構成要素108と呼ばれることもある)は、流体充填間隙112内の流体の量(したがって、間隙112の厚さ)を制御するために、ヘッドマウントデバイス10に含まれてもよい。流体充填間隙112は、変動可能な厚さを有する流体レンズ素子又は液体レンズ素子と呼ばれることもある。流体制御構成要素は、リザーバ106からの流体を流体充填間隙112にポンプ圧送するポンプであってもよい。流体制御構成要素は、流体リザーバからの液体を間隙112に流入させるための他の所望の構成要素を含んでもよい。例えば、流体制御構成要素108は、1つ以上のステッパモータ、圧電アクチュエータ、モータ、線形電磁アクチュエータ、及び/又は、(例えば、流体リザーバ内の流体上の膜を押すことによって)流体を間隙に押し込むように流体リザーバ内の流体に力を印加する他の電子部品を含むことができる。
レンズ素子102に方向116に付勢力を印加するために、1つ以上の付勢構成要素110がヘッドマウントデバイスに含まれてもよい。間隙112の幅の調整を可能にしている間に間隙112の所望の厚さを維持するために、十分な付勢力をレンズ素子102に印加することができる。付勢構成要素110は、ばね、圧電アクチュエータ、モータ、線形電磁アクチュエータ、及び/又は他の電子部品を含んでもよい。レンズ素子102とディスプレイ14との間に形成され、方向116に付勢力を印加する付勢構成要素110の図4Aの例は、単なる例示に過ぎない。所望であれば、1つ以上の付勢構成要素は、レンズモジュールの他方の側に(例えば、レンズ素子104とアイボックス60との間に)形成されてもよく、方向116とは反対方向に、レンズ素子104に付勢力を印加することができる。レンズ素子102及び104のうちの1つ以上(例えば、付勢力を受けないレンズ素子)は、(例えば、支持構造体26−2に)固定されてもよい。
図4Aでは、流体充填間隙112は、対向している第1の平面と第2の平坦な表面とを有する。この例は単なる例示に過ぎない。所望であれば、流体充填間隙112を画定する表面は、(アイボックス60又はディスプレイ14のいずれかに向かって)湾曲していてもよい。レンズ素子102及び104はいずれも、ガラスなどの透明材料、ポリカーボネート又はアクリルなどのポリマー材料、サファイアなどの結晶体から形成される剛性レンズ素子であってもよい。レンズ素子102及び104は、任意の所望の形状(例えば、両凸状、平凸状、正メニスカス、負メニスカス、平凹、両凹など)を有してもよい。
図4Aでは、レンズモジュール72は、流体充填間隙によって分離された第1及び第2のレンズ素子を含むものとして説明されている。しかし、レンズモジュール72は、その代わりに、介在する流体充填間隙の厚さによって制御される変動可能な厚さを有する単一の分割レンズ素子として説明されることがある。
図4Bは、流体リザーバ106内の流体が、流体充填間隙112に強制的に流入した状態の図4Aのヘッドマウントデバイスを示す。したがって、図4Bでは、流体充填間隙112の厚さ114は、図4Aにおける流体充填間隙の厚さよりも大きい。このように厚さを調整することにより、レンズモジュール72のレンズ度数を調節できるようにすることが可能になり得る。流体充填間隙112の厚さは、任意の所望の量だけ変動し得る。換言すれば、流体充填間隙112の最小厚さと流体充填間隙112の最大厚との差は、0.3ミリメートル〜1.0ミリメートル、0.4ミリメートル〜0.6ミリメートル、0.2ミリメートル超、0.3ミリメートル超、0.4ミリメートル超、0.5ミリメートル超、0.8ミリメートル超、1.0ミリメートル超、2.0ミリメートル超、2.0ミリメートル未満、1.0ミリメートル未満、0.8ミリメートル未満などであり得る。調節可能なレンズモジュールの達成可能な最小レンズ度数は、−10ジオプタ(D)、−8D、−6D、−4D、−1D未満、−3D未満、−5D未満、−7D未満などであり得る。調節可能なレンズモジュールの達成可能な最大レンズ度数は、10D、8D、6D、4D、1D超、3D超、5D超、7D超などであり得る。
レンズモジュール72のためのより小さな調整可能な範囲は、レンズモジュールの高速調整を可能にし得る。例えば、レンズモジュール72を−1Dと1Dとの間で調節することができる場合、レンズモジュール72を−6Dと6Dとの間で調節できる場合よりも、レンズモジュールを高速で調整することができる。レンズモジュールを十分に高速で調整することができる場合、(2つの異なるレンズ度数間の素早い切り替えにより)多焦点体験が可能であり得る。
図5Aは、乱視矯正に使用され得るレンズモジュールを示す。図5Aに示すように、レンズモジュール72は、調整可能な流体チャンバ130−1と流体チャンバ130−2と間に剛性ディバイダ122(剛性レンズ素子122と呼ばれることもある)を含んでもよい。第1のエラストマー膜126は、(例えば、アイボックスに面する)左流体チャンバ130−1上に形成されてもよく、第2のエラストマー膜124は、(例えば、ディスプレイに面する)右流体チャンバ130−2上に形成されてもよい。レンズモジュール支持構造体128はまた、流体チャンバを画定するのに役立ち得る。エラストマー膜124及び126は、任意の所望の材料から形成されてもよく、可撓性膜、弾性膜、エラストマーレンズ素子、可撓性レンズ素子、弾性レンズ素子などと呼ばれることもある。
流体チャンバ130−1は、剛性ディバイダ122、レンズモジュール支持構造体128、及びエラストマー膜126によって画定される。流体チャンバ130−1は、レンズモジュール支持構造体内に形成された入口132−1を有する。流体リザーバ106からの流体109は、流体制御構成要素108によって入口132−1を通って流体チャンバ内にポンプ圧送されても、又は強制的に流入されてもよい。流体チャンバ130−2は、剛性ディバイダ122、レンズモジュール支持構造体128、及びエラストマー膜124によって画定される。流体チャンバ130−2は、レンズモジュール支持構造体内に形成された入口132−2を有する。流体リザーバ106からの流体109は、流体制御構成要素108によって入口132−2を通って流体チャンバ内にポンプ圧送され得る。
剛性ディバイダ122は、ガラス又は別の所望の透明材料から形成されてもよい。エラストマー膜126、チャンバ130−1内の流体、ディバイダ122、チャンバ130−2内の流体、及びエラストマー膜124(これらは全て、それぞれのレンズ素子と呼ばれることがある)は全て、任意の所望の屈折率を有してもよい。換言すれば、各レンズ素子は、隣接するレンズ素子と同じ屈折率を有してもよく、又は隣接する構成要素とは異なる屈折率を有してもよい。一実施例では、エラストマー膜126とチャンバ130−1内の流体とは、同じ屈折率を有してもよい。エラストマー膜124とチャンバ130−2内の流体とは、同じ屈折率を有してもよい。各流体充填チャンバ内の流体は、屈折率整合オイル、光学オイル、光学流体、屈折率整合材料、屈折率整合液体などと呼ばれることもある。チャンバ130−1内の流体は、チャンバ130−2内の流体と同じ種類の流体であってよい。あるいは、異なる種類の流体をチャンバ130−1及びチャンバ130−2内で使用してもよい。
チャンバ130−1及びチャンバ130−2内の流体の量は、それぞれのエラストマー膜の形状を決定することができる。例えば、膜124は、流体充填チャンバ130−2内の流体の量に依存する曲率を有する表面124−Sを有する。膜126は、流体充填チャンバ130−1内の流体の量に依存する曲率を有する表面126−Sを有する。レンズモジュール72を制御するために、各チャンバ内の流体の量を(例えば、それぞれの流体制御構成要素によって)独立して制御してもよい。
ヘッドマウントデバイス10のユーザにおける乱視の矯正を可能にするために、エラストマー膜124及び126は、膜にわたって可変剛性を有する。膜の一方又は両方は、軸外光学補正のための同心剛性変動を有し得る。膜の一方又は両方は、乱視光学補正のための線形剛性変動を有し得る。膜にわたって剛性を変動させることによって、(剛性の高い部分は、流体充填チャンバ内の流体によって、剛性の低い部分よりも取り除かれにくくなるため)エラストマー膜は非球面状となることになる。例えば、エラストマー膜126は、Y軸に比べてX軸においてより剛性となり得る。対照的に、エラストマー膜124は、X軸に比べてY軸においてより剛性となり得る。その代わりに、逆も真であり得る(エラストマー膜124は、Y軸よりもX軸においてより剛性となり、エラストマー膜126は、X軸よりもY軸においてより剛性となる)。これら2つの膜を独立して制御することにより、乱視矯正が可能となる。
2つのエラストマー膜の可変剛性プロファイルは、いくつかの異なる方法で達成することができる。一実施例では、膜剛性プロファイルは、変動可能な厚さで達成され得る。換言すれば、膜は、第2の部分よりも厚い(したがって、より剛性の高い)第1の部分を有してもよい。変動可能な厚さを有することに代えて、又はそのことに加えて、エラストマー膜は、剛性を低減する凹部を有してもよい。換言すれば、エラストマー膜は、膜にわたって、可変弾性率を有してもよい。例えば、レーザー溝彫りにより、エラストマー膜の部分に溝を作成して、それにより、エラストマー膜はこれらの部分において剛性を低くすることができる。任意の種類の溝又は凹部を、エラストマー膜に形成してもよい。これらの特徴部は、表面レリーフと呼ばれることもある。任意の所望の技法(例えば、レーザー溝彫り、ナノインプリンティングなど)を使用して、表面レリーフを形成することができる。変動可能な厚さ及び/又は表面レリーフを有することに代えて、又はそれに加えて、エラストマー膜を異方性材料から形成してもよい。異方性材料は、異なる方向で測定されたときに変動する剛性を有し得る。任意の所望の異方性材料(例えば、繊維強化複合材料)を使用して、エラストマー膜を形成することができる。
図5Bは、表面124−S及び表面126−Sの形状を制御するために、どのように流体充填チャンバが異なる量で充填され得るかを示す。流体制御構成要素108を、制御回路12(図1参照)によって制御して、選択された量の流体を各流体充填チャンバ内にポンプ圧送することができる。エラストマー膜124及びエラストマー膜126の独立した制御のために、各チャンバ内に異なる量の流体があってもよい。図5Bでは、チャンバ130−2に比べて、より多くの流体がチャンバ130−1内にポンプ圧送されている(結果的に、エラストマー膜126の表面126−Sは、エラストマー膜124の表面124−Sよりも高い曲率を有することなる)。流体制御構成要素は、リザーバ106からの流体を流体充填チャンバ130−1及び130−2にポンプ圧送するポンプであってもよい。流体制御構成要素108は、1つ以上のステッパモータ、圧電アクチュエータ、モータ、線形電磁アクチュエータ、及び/又は、(例えば、流体リザーバ内の流体上の膜を押すことによって)流体を間隙に押し込むように流体リザーバ内の流体に力を印加する他の電子部品を含むことができる。
代替的な実施形態では、チャンバ130−1及びチャンバ130−2内の流体の量は一定であってもよい。剛性ディバイダ122は、エラストマー膜の曲率を制御するために、エラストマー膜126とエラストマー膜124との間で移動することができる。例えば、剛性ディバイダがエラストマー膜126の近くに移動すると、エラストマー膜126は高い曲率を呈し、エラストマー膜124は、低い曲率を呈する。同様に、剛性ディバイダがエラストマー膜124の近くに移動すると、エラストマー膜124は高い曲率を呈し、エラストマー膜126は低い曲率を呈する。
図5A及び図5Bでは、剛性ディバイダ122は、平坦な表面を有するものとして描かれている。この例は単なる例示に過ぎない。図6は、湾曲した表面を有する剛性ディバイダを有する例示的なレンズモジュールの実施例を示す。図6に示すように、レンズモジュール72は、図5A及び図5Bのレンズモジュールと同じ構造を有する。しかし、図6では、剛性ディバイダ122は、湾曲した表面を有する。剛性ディバイダは、対向している第1の表面122−S1と第2の表面122−S2とを有する。表面122−S1は、エラストマー膜126に面し、チャンバ130−1を部分的に画定する。表面122−S2は、エラストマー膜124に面し、チャンバ130−2を部分的に画定する。図6に示すように、表面122−S1と表面122−S2は両方とも凹状であってもよい。しかしながら、この実施例は単なる例示に過ぎない。一般に、表面122−S1及び表面122−S2のそれぞれは、平面状、凹状、又は凸状のいずれかであってもよい。加えて、剛性ディバイダ122は、色消し補正のために選択される分散(すなわち、屈折率対波長の変動)を有してもよい。このようにして、剛性ディバイダ122は、色消しレンズ素子として機能し得る。レンズ素子122は、色補正されているものとして説明されてもよい。
(図5A、図5B、及び図6に示すように)2つの流体充填チャンバ間に剛性レンズ素子を有する代わりに、図7Aに示すように、剛性レンズ素子はアイボックスに面することができる。図7Aに示すように、レンズモジュール72は、調整可能な流体チャンバ130−1と流体チャンバ130−2との間にエラストマー膜126を含んでもよい。剛性レンズ素子122は、(例えば、アイボックスに面する)第1の流体チャンバ130−1上に形成されてもよく、第2のエラストマー膜124は、(例えば、ディスプレイに面する)第2の流体チャンバ130−2上に形成されてもよい。レンズモジュール支持構造体128はまた、流体チャンバを画定するのに役立ち得る。
流体チャンバ130−1は、剛性レンズ素子122、レンズモジュール支持構造体128及びエラストマー膜126によって画定される。流体チャンバ130−1は、レンズモジュール支持構造体内に形成された入口132−1を有する。流体リザーバ106からの流体109−1は、流体制御構成要素108によって入口132−1を通って流体チャンバ内にポンプ圧送されても、又は強制的に流入されてもよい。流体チャンバ130−2は、エラストマー膜126、レンズモジュール支持構造体128、及びエラストマー膜124によって画定される。流体チャンバ130−2は、レンズモジュール支持構造体内に形成された入口132−2を有する。流体リザーバ106からの流体109−2は、流体制御構成要素108によって入口132−2を通って流体チャンバ内にポンプ圧送され得る。
剛性レンズ素子122は、ガラス又は別の所望の透明材料から形成されてもよい。エラストマー膜126、チャンバ130−1内の流体、ディバイダ122、チャンバ130−2内の流体、及びエラストマー膜124(これらは全て、それぞれのレンズ素子と呼ばれることがある)は全て、任意の所望の屈折率を有してもよい。換言すれば、各レンズ素子は、隣接するレンズ素子と同じ屈折率を有してもよく、又は隣接する構成要素とは異なる屈折率を有してもよい。図7Aの流体109−1及び流体109−2は、異なる屈折率を有する異なる種類の流体であってもよい。
図5A及び図5Bに示されるものと同様に、チャンバ130−1及び130−2内の流体の量は、それぞれのエラストマー膜の形状を決定することができる。例えば、膜124は、流体充填チャンバ130−2内の流体の量に依存する曲率を有する。膜126は、流体充填チャンバ130−1内の流体の量に依存する曲率を有する。レンズモジュール72を制御するために、各チャンバ内の流体の量を(例えば、それぞれの流体制御構成要素によって)独立して制御してもよい。
ヘッドマウントデバイス10のユーザにおける乱視の矯正を可能にするために、エラストマー膜124及び126は、膜にわたって可変剛性を有する。膜の一方又は両方は、軸外光学補正のための同心剛性変動を有し得る。膜の一方又は両方は、乱視光学補正のための線形剛性変動を有し得る。膜にわたって剛性を変動させることによって、(剛性の高い部分は、流体充填チャンバ内の流体によって、剛性の低い部分よりも取り除かれにくくなるため)エラストマー膜は非球面状となることになる。例えば、エラストマー膜126は、Y軸に比べてX軸においてより剛性となり得る。対照的に、エラストマー膜124は、X軸に比べてY軸においてより剛性となり得る。その代わりに、逆も真であり得る(エラストマー膜124は、Y軸よりもX軸においてより剛性となり、エラストマー膜126は、X軸よりもY軸においてより剛性となる)。これら2つの膜を独立して制御することにより、乱視矯正が可能となる。図5A及び図5Bに関連して説明されるように、エラストマー膜124及び126は、可変厚さプロファイルを有してもよく、弾性率プロファイルを変動させるための表面特徴を有してもよく、かつ/又は所望の剛性プロファイルを達成するように異方性材料から形成されてもよい。
図7Bは、流体充填チャンバ130−1及び130−2が、エラストマー膜124及び126の形状を制御するためにどのように異なる量で充填され得るかを示す。流体制御構成要素108を、制御回路12(図1参照)によって制御して、選択された量の流体を各流体充填チャンバ内にポンプ圧送することができる。エラストマー膜124及び126の独立した制御のために、各チャンバ内に異なる量の流体があってもよい。図7Bでは、チャンバ130−2に比べて、より多くの流体がチャンバ130−1内にポンプ圧送されている。流体制御構成要素は、リザーバ106からの流体を流体充填チャンバ130−1及び130−2にポンプ圧送するポンプであってもよい。流体制御構成要素108は、1つ以上のステッパモータ、圧電アクチュエータ、モータ、線形電磁アクチュエータ、及び/又は、(例えば、流体リザーバ内の流体上の膜を押すことによって)流体を間隙に押し込むように流体リザーバ内の流体に力を印加する他の電子部品を含むことができる。
図7A及び図7Bでは、剛性レンズ素子122が平坦な表面を有するものとして描かれている。この例は単なる例示に過ぎない。図8は、湾曲した表面を有する剛性レンズ素子を有する例示的なレンズモジュールの実施例を示す。図8に示すように、レンズモジュール72は、図7A及び図7Bのレンズモジュールと同じ構造を有する。しかし、図8では、剛性レンズ素子122は、湾曲した表面を有する。剛性レンズ素子122は、対向している第1の表面122−S1と第2の表面122−S2とを有する。表面122−S1はアイボックス60に面するが、表面122−S2は、エラストマー膜126に面し、チャンバ130−1を部分的に画定する。図8に示すように、表面122−S1は凹状であってもよく、122−S2は凸状であってもよい。しかしながら、この実施例は単なる例示に過ぎない。一般に、表面122−S1及び表面122−S2のそれぞれは、平面状、凹状、又は凸状のいずれかであってもよい。
図7A及び図7Bでは、流体109−1及び流体109−2は、異なる種類の液体であるものとして描かれている。しかし、所望であれば、チャンバ130−1は、代わりに、図9に示すように空気で充填されてもよい。ポンプ108などのポンプは、チャンバ130−1内の空気圧(可変圧力空気充填チャンバと呼ばれることもある)を制御することができ、それにより膜126の形状を制御することができる。一般に、本明細書に記載されるレンズモジュール内の流体充填チャンバのいずれかは、任意選択的に、液体の代わりに空気又は別の気体を含んでもよい。
前述の実施例では、エラストマー膜は、可変剛性プロファイルを有するものとして説明されている。換言すれば、エラストマー膜は、膜にわたって変動するが、経時的に変化しない剛性プロファイルを有する。この例は単なる例示に過ぎない。所望であれば、ヘッドマウントデバイスの動作中に動的に更新され得る剛性プロファイルを有するエラストマー膜が、レンズモジュール72内に設けられてもよい。
図10Aは、調整可能な剛性プロファイルを有するエラストマー膜の側断面図である。図示するように、エラストマー膜124は、1つ以上のアクチュエータ142に連結され得る。図10Bは、アクチュエータ142がどのようにエラストマー膜124の周辺部を取り囲み得るかを示す平面図である。各アクチュエータは、エラストマー膜のそれぞれ対応する部分に取り付けられてもよい。各アクチュエータは、任意選択的に、エラストマー膜124の物理的中心144から離れて半径方向外側に移動することができる。
図10Cは、アクチュエータによって伸張されている間のエラストマー膜の平面図を示す。図示するように、第1のアクチュエータ142−1は、膜を方向146−1に引っ張ることができる。アクチュエータ142−1とは膜の反対側にある第2のアクチュエータ142−2は、方向146−1と反対の方向146−2に膜を引っ張ることができる。このように膜を引っ張るアクチュエータは、2つのアクチュエータ間の軸に沿ってエラストマー膜を効果的に伸張させる。アクチュエータは、可変量で膜を伸張させることができる。例えば、第3のアクチュエータ142−3は、第1のアクチュエータが膜を引っ張るよりも少量の力で方向146−3に膜を引っ張ることができる。アクチュエータ142−3とは膜の反対側にある第4のアクチュエータ142−4は、方向146−3と反対の方向146−4に膜を引っ張ることができる。同様に、第5のアクチュエータ142−5は、第1のアクチュエータが膜を引っ張るよりも少量の力で方向146−5に膜を引っ張ることができる。アクチュエータ142−5とは膜の反対側にある第6のアクチュエータ142−6は、方向146−5と反対の方向146−6に膜を引っ張ることができる。このようにアクチュエータに膜を引っ張らせることにより、第2の領域124−2よりも剛性の高い第1の領域124−1を有する剛性プロファイルとなる。
図10Cは、各アクチュエータを、エラストマー膜の反対側のアクチュエータと連携して膜を引っ張るものとして示す。この例は単なる例示に過ぎない。各アクチュエータは、任意の所望の剛性プロファイルを作り出すために独立して制御されてもよい。任意の所望の数(例えば、5個超、10個超、15個超、20個超、50個超、75個未満、30個未満、20個未満、10個未満、8〜25個、15〜25個など)のアクチュエータ142をエラストマー膜に取り付けて、エラストマー膜を伸張させることができる。各アクチュエータは、圧電アクチュエータ、線形電磁アクチュエータ、及び/又はエラストマー膜を引っ張るための任意の他の所望の電子部品であってもよい。
図10A〜図10Cでは、エラストマー膜124は、膜の剛性プロファイルを動的に調整するためのアクチュエータ142を有するものとして描かれている。換言すれば、図5A、図5B、図6、図7A、図7B、図8、及び図9に描かれたレンズモジュールのいずれかのエラストマー膜124は、任意選択的に、この種類の調整可能な膜を有してもよい。これは、エラストマー膜124の形状が、任意選択的に、アクチュエータ142と、膜に隣接する流体充填チャンバ内の流体との両方によって制御され得ることを意味する。図5A、図5B、図6、図7A、図7B、図8、及び図9のいずれかにおけるエラストマー膜126はまた、任意選択的に、この種類の調整可能な膜を有してもよい。
膜を選択的に伸張させるアクチュエータを使用して、レンズモジュール内の膜の形状を動的に調整する例は、単なる例示に過ぎない。所望であれば、エラストマー膜の形状を動的に調節するために、エラストマー膜の縁部を選択的に屈曲又は圧縮するアクチュエータが含まれてもよい。
図11Aは、エラストマー膜の外周の周りにアクチュエータ148を有するエラストマー膜の平面図である。各アクチュエータは、圧電アクチュエータ(例えば、ステンレス鋼基材の両側にピエゾセラミックから形成される)であってもよい。アクチュエータは、エラストマー膜の周囲にリングを形成してもよい。エラストマー膜を取り囲むために、任意の所望の数(例えば、3個、4個、4個超、6個超、8個超、10個超、15個超、20個超、50個超、50個未満、30個未満、15個未満、10個未満、6個未満、6〜15個など)のアクチュエータを使用することができる。
図11Bは、圧電アクチュエータによって制御され得るエラストマー膜の側断面図である。図11Bに示すように、圧電アクチュエータ148は、ステンレス鋼基材152(基材152と呼ばれることもある)の両側に第1のピエゾセラミック層150−1及び第2のピエゾセラミック層150−2を含む。基材の両側にピエゾセラミックを含むことにより、圧電アクチュエータは、エラストマー膜から離れて(図11Bのように)、又はエラストマー膜に向かって(図11Cのように)屈曲され得る。図11B及び図11Cの圧電アクチュエータ148は、2つの活性層を有するので、圧電バイモルフと呼ばれることもある。この実施例は単なる例示に過ぎず、所望であれば、圧電ユニモルフ(一方向にしか屈曲しない)を使用して、エラストマー膜124の形状を調整することができる。
図11B及び図11C中の圧電バイモルフ148は、(活性層がステンレス鋼基材の両側に形成された)ステンレス鋼ベースのバイモルフである。しかしながら、この実施例は単なる例示に過ぎない。所望であれば、圧電バイモルフは、代わりに、接着剤ベースのバイモルフであってもよい。活性層は、接着剤層の両側に形成されてもよい(例えば、図11B及び図11C中の基材152は、ステンレス鋼層の代わりに接着剤層であってもよい)。更に別の代替例では、圧電バイモルフは、(介在する接着剤層なしに活性層が一緒に取り付けられている)焼結されたバイモルフであってもよい。
図11B及び図11Cに示すように、エラストマー膜124の形状を制御するために、各圧電アクチュエータ148は、所望の位置へと屈曲され得る。圧電アクチュエータは、エラストマー膜の曲率を制御することができ、また、任意選択的に、エラストマー膜の光学中心を変化させることができる(例えば、膜の半分のみを押すことにより、膜の光学中心を膜の物理的中心から離れるようにシフトさせることができる)。図11B及び図11Cに示すように、アクチュエータ148によって制御されるエラストマー膜は、エラストマー膜の成形にも寄与する流体充填チャンバ(例えば、構造体128及び剛性レンズ素子122によって画定されるチャンバ内の流体109と共に)に隣接してもよい。図5A、図5B、図6、図7A、図7B、図8、及び図9に描かれるレンズモジュールのいずれかのエラストマー膜124は、膜の調整のために膜の縁部を屈曲させるアクチュエータを任意選択的に有してもよい。図5A、図5B、図6、図7A、図7B、図8、及び図9のいずれかにおけるエラストマー膜126はまた、任意選択的に、この種類の調整可能な膜を有してもよい。
図11A〜図11Cでは、エラストマー膜の形状を調整するのを助けるために、エラストマー膜の縁部に取り付けられた圧電アクチュエータが屈曲される。しかし、エラストマー膜の形状を調整するためのエラストマー膜の縁部圧縮には、他の種類のアクチュエータを使用してもよい。
図12Aは、エラストマー膜の外周の周りにアクチュエータ156を有するエラストマー膜の平面図である。各アクチュエータは、任意選択的に、可変量の力で一緒に引っ張られるボイスコイル構造体(ボイスコイルパドルと呼ばれることもある)から形成されたボイスコイルアクチュエータであってもよい。アクチュエータは、エラストマー膜の周囲にリングを形成してもよい。エラストマー膜を取り囲むために、任意の所望の数(例えば、3個、4個、4個超、6個超、8個超、10個超、15個超、20個超、50個超、50個未満、30個未満、15個未満、10個未満、6個未満、6〜15個など)のアクチュエータを使用することができる。
図12Bは、ボイスコイルアクチュエータを使用した縁部圧縮によって制御されるエラストマー膜を含むレンズモジュールの側断面図である。図12Bに示すように、レンズモジュールは、(例えば、図5Aに関連して論じたものと同様に)剛性レンズ素子122と構造体128とを組み合わせて、流体109のためのチャンバを画定するエラストマー膜124を有する。各ボイスコイルアクチュエータ156は、エラストマー膜の第1の側上に第1のボイスコイル構造体(例えば、ボイスコイルパドル)158と、剛性レンズ素子122の第2の側上の第2のボイスコイル構造体(例えば、ボイスコイルパドル)160を含んでもよい。ボイスコイル構造体のうちの1つは、コイル巻線を含んでもよい。ボイスコイル構造体158及び160を互いに引き付ける磁場は、コイル巻線に印加される電流に比例し得る。したがって、ボイスコイル構造体は、エラストマー膜を成形するために、エラストマー膜の縁部を選択的に圧縮するように(例えば、制御回路12によって)制御されてもよい。
図12Cに示すように、エラストマー膜の一方の側のボイスコイルアクチュエータは、エラストマー膜の反対側のボイスコイルアクチュエータよりも大きく圧縮されてもよい。これにより、エラストマー膜124の光学中心(162)を、エラストマー膜の物理的中心(144)に対してシフトさせることができる。エラストマー膜の光学中心は、ユーザの視線方向に対応するように制御されてもよい。制御回路12は、ヘッドマウントデバイス内の視線検出センサ及び/又は他のセンサ(例えば、センサ16)から視線検出情報を取得することができ、また、センサ情報に基づいて、エラストマー膜124の光学中心を制御することができる。
本明細書における調整可能な膜のいずれかを、ヘッドマウントデバイス内のセンサからのセンサ情報に基づいて(例えば、視線検出センサからの視線検出情報に基づいて)調整することができる。
図5A、図5B、図6、図7A、図7B、図8、及び図9に描かれるレンズモジュールのいずれかのエラストマー膜124は、膜の調整のために膜の縁部を圧縮するボイスコイルアクチュエータを任意選択的に有してもよい。図5A、図5B、図6、図7A、図7B、図8、及び図9のいずれかにおけるエラストマー膜126はまた、任意選択的に、この種類の調整可能な膜を有してもよい。
所望であれば、縁部圧縮のためのボイスコイルアクチュエータを有する図12A〜図12Cに示す種類のレンズモジュールは、エラストマー膜の所望の形状を維持するのを助けるために、エラストマー膜の物理的中心に剛性構造体を有してもよい。図13は、流体が、エラストマー膜124と剛性レンズ素子122との間に形成される(例えば、流体109がレンズ素子間でリザーバ106内に形成されている)レンズモジュールの実施形態を示す。レンズモジュールの縁部上のボイスコイルアクチュエータ156は、任意選択的に、エラストマー膜を剛性レンズ素子に向かって圧縮することができる。しかし、球面形状の上面を有する剛性構造体166は、エラストマー膜の中心と剛性レンズ素子122との間に特定の間隙を維持することができる。
図14は、図13と同様の構成を示す。図14では、流体は、エラストマー膜124とエラストマー膜126との間に形成される(例えば、流体109がレンズ素子間でリザーバ106内に形成されている)。レンズモジュールの縁部上のボイスコイルアクチュエータ156は、任意選択的に、互いに向かってエラストマー膜を圧縮することができる。しかし、(例えば、レンズモジュールの物理的中心に配置された)剛性構造体168は、2つのエラストマー膜の中心間の最小厚さの間隙を維持することができる。エラストマー膜124及び126、並びに剛性構造体168のうちの1つ以上は、一体的に形成されてもよく、あるいは構成要素は別個に形成されてもよい。
図13及び図14では、流体リザーバ106は、流体109を有する流体充填チャンバの周辺部に描かれている。流体充填チャンバは、レンズ素子の周辺部の周りに延びる可撓性シールによって画定され得ることを理解されたい。レンズ素子124が屈曲すると、流体の一部が、レンズ素子122とレンズ素子124との間の容積から取り除かれ得る。取り除かれた流体は、封止部を形成する可撓性材料に対して外向きに押圧することができる(ただし、可撓性材料によって収容されたままであり得る)。換言すれば、図13及び図14に示す流体リザーバは、可撓性層を押す、取り除かれた流体から形成され得る。この種類の構成により、レンズ素子を屈曲させるのに必要な力の量が低減され、レンズモジュール内に存在する一定の流体容積が維持される。
前述の実施形態のいくつかでは、エラストマー膜124は円形であるものとして描かれている。この例は単なる例示に過ぎない。エラストマー膜124(及び本明細書に記載の任意の他のレンズ素子)は円形であってもよく、楕円形であってもよく、又は任意の他の所望の形状を有してもよい。
上述の実施形態のいくつかでは、エラストマー膜を含む調整可能レンズが説明される。各エラストマー膜は、高可撓性のためにヤング率が低い天然ポリマー又は合成ポリマーから形成されてもよい。例えば、エラストマー膜は、1GPa未満、0.5GPa未満、0.1GPa未満などのヤング率を有する材料から形成されてもよい。
あるいは、いくつかの実施形態では、調整可能なレンズは、エラストマー材料の代わりに(又はそれに加えて)半剛性材料から形成される調節可能な要素(調整可能なレンズ素子又は調節可能なレンズ素子と呼ばれることもある)を含んでもよい。半剛性レンズ素子の特性は、第1の軸に直交する第2の軸に沿って半剛性レンズ素子が屈曲されるとき、第1の軸に沿って剛性になり得る。
図15は、半剛性レンズ素子202を含むレンズモジュール72の側断面図である。半剛性レンズ素子202は、レンズモジュール支持構造体128及び剛性レンズ素子122と組み合わせて、流体109で充填されたチャンバを画定することができる。
半剛性レンズ素子202は、剛性かつ固体であるが、非可撓性ではない半剛性材料から形成されてもよい。半剛性レンズ素子202は、例えば、ポリマー又はガラスの薄層から形成されてもよい。レンズ素子202は、1Gpa超、2GPa超、3GPa超、10GPa超、25GPa超などのヤング率を有する材料から形成されてもよい。レンズ素子202は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル、ガラス、又は任意の他の所望の材料から形成されてもよい。レンズ素子202の特性により、レンズ素子は、レンズ素子が第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿って湾曲しているときに、第1の軸に沿って剛性になり得る。これは、第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿ってレンズ素子が湾曲しているときであっても、依然として第1の軸に対して沿って可撓性である、エラストマーレンズ素子とは対照的である。半剛性レンズ素子202の特性により、半剛性レンズ素子が、調整可能なレンズ度数及び調整可能な軸を有する円柱レンズを形成することを可能にし得る。
前述したように、流体109は、半剛性レンズ素子202とレンズモジュール支持構造体128とレンズ素子122とによって画定されるチャンバを充填し得る。レンズ素子122は、剛性レンズ素子(例えば、ガラスから形成されたレンズ素子)であってもよい。レンズモジュール支持構造体128は、流体109を保持するためのチャンバを画定するのに役立ち得る。レンズモジュール支持構造体は、剛性材料又は可撓性(エラストマー)材料から形成されてもよい。所望であれば、チャンバ内の流体の量を制御するために、追加の流体リザーバ及び流体制御構成要素(例えば、ポンプ)が含まれてもよい。
流体109は、所定の屈折率を有する液体、ゲル、又は気体であってもよい(したがって、液体109、ゲル109又は気体109と呼ばれることもある)。流体は、屈折率整合オイル、光学オイル、光学流体、屈折率整合材料、屈折率整合液体などと呼ばれることもある。レンズ素子122及び202は、同じ屈折率を有してもよく、又は異なる屈折率を有してもよい。レンズ素子122とレンズ素子202との間のチャンバを充填する流体109は、レンズ素子122の屈折率と同じであるが、レンズ素子202の屈折率とは異なる屈折率を有してもよく、レンズ素子202の屈折率と同じであるが、レンズ素子122の屈折率とは異なる屈折率を有してもよく、レンズ素子122及びレンズ素子202の屈折率と同じ屈折率を有してもよく、あるいは、レンズ素子122及びレンズ素子122の屈折率とは異なる屈折率を有してもよい。レンズ素子122及び202は円形であってもよいし、楕円形であってもよく、あるいは任意の別の所望の形状を有してもよい。
半剛性レンズ素子202などのレンズ素子の位置を操作するために、アクチュエータ206がレンズモジュール72に含まれてもよい。アクチュエータは、半剛性レンズ素子の形状を変化させるように、半剛性レンズ素子の一部を押す又は引っ張るように構成されてもよい。半剛性レンズ素子を操作するために、所望の数のアクチュエータ(例えば、2個のアクチュエータ、3個のアクチュエータ、4個のアクチュエータ、6個のアクチュエータ、2個超のアクチュエータ、4個超のアクチュエータ、6個超のアクチュエータ、10個超のアクチュエータ、10個未満のアクチュエータなど)が含まれていてもよい。各アクチュエータは、圧電アクチュエータ、線形電磁アクチュエータ、ボイスコイルアクチュエータ、及び/又は任意の他の所望の電子部品であってもよい。電子デバイス内の制御回路は、アクチュエータを制御して、半剛性レンズ素子の曲率を制御することができる。
レンズモジュール72は、負荷拡散リング208を任意選択的に含んでもよい。負荷拡散リング208は、半剛性レンズ素子202の周辺部の周りに延びていてもよい。負荷拡散リングは、(力をアクチュエータの位置で集中させるのではなく)半剛性レンズ素子の周辺部の周りの半剛性レンズ素子に印加される力を拡散することができる。負荷拡散リング208は、任意の所望の材料から形成することができる。例えば、負荷拡散リング208は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、又はアクリルなどのポリマー材料から形成されてもよく、あるいは、負荷拡散リングはガラスから形成されてもよい。負荷拡散リングはレンズモジュールの周辺部に形成されるため、負荷拡散リングは、任意選択的に、金属などの不透明材料から形成されてもよい。
半剛性レンズ素子202の厚さ204は、アクチュエータ206によって操作されたときに半剛性レンズ素子の撓曲を可能にする十分な薄さになるように選択することができる。半剛性レンズ素子202は、レンズ素子が厚すぎる場合、所望の方法で屈曲することができない場合がある。したがって、厚さ204は、1.0ミリメートル未満、0.5ミリメートル未満、0.2ミリメートル未満、0.1ミリメートル未満、0.05ミリメートル未満、0.01ミリメートル未満、0.01ミリメートル〜0.5ミリメートルなどとすることができる。
アクチュエータ206は、可変強度及び向きの円柱レンズ度数を付与するように半剛性レンズ素子202の位置を調節するのに使用され得る。図16は、アクチュエータ206がどのように半剛性レンズ素子202の周辺部の周りに分配されるかを示すレンズモジュール72の平面図である。図16に示すように、6個のアクチュエータ(アクチュエータ206−1、アクチュエータ206−2、アクチュエータ206−3、アクチュエータ206−4、アクチュエータ206−5及びアクチュエータ206−6)は全て、半剛性レンズ素子の周辺部の周りに分配される。6個のアクチュエータのそれぞれは、半剛性レンズ素子を押し下げる又は引き上げるように(すなわち、Z軸に沿って正のZ方向又は負のZ方向に半剛性レンズ素子を付勢するように)構成されてもよい。
半剛性レンズ素子を操作するための合計6個のアクチュエータを含むことにより、レンズ素子202に対して任意の所望の円柱レンズ軸の選択を可能にすることができる。本明細書では、円柱レンズ軸という用語は、円柱レンズが光強度を有さない軸を指すために使用される。円柱レンズは、円柱レンズが最大光強度を有する円柱レンズ軸に対して垂直な追加の軸を有することを理解されたい。図16に示す半剛性レンズ素子202の周辺部の周りのアクチュエータの位置により、任意の円柱レンズ軸を半剛性レンズ素子に対して選択することが可能になる。
例えば、アクチュエータ206−1、206−2、206−4及び206−5が、半剛性レンズ素子を負のZ方向に付勢するために使用されるシナリオを考察する。一方、アクチュエータ206−3及び206−6は、半剛性レンズ素子を正のZ方向に付勢することができる。換言すれば、アクチュエータ206−3及び206−6によって付勢された半剛性レンズ素子202の部分は、アクチュエータ206−1、206−2,206−4及び206−5によって付勢された半剛性レンズ素子202の部分よりも高い(例えば、正のZ方向に高い)。この付勢方式の結果として得られる円柱レンズ軸212は、X軸に平行である。
別のシナリオでは、アクチュエータ206−1、206−2、206−4及び206−5は、半剛性レンズ素子を正のZ方向に付勢するために使用される。一方、アクチュエータ206−3及び206−6は、半剛性レンズ素子を負のZ方向に付勢することができる。換言すれば、アクチュエータ206−3及び206−6によって付勢された半剛性レンズ素子202の部分は、アクチュエータ206−1、206−2、206−4及び206−5によって付勢された半剛性レンズ素子202の部分よりも低くなる。この付勢方式の結果として得られる円柱レンズ軸210は、Y軸に平行である。
様々なサブセットのアクチュエータにより、半剛性レンズ素子を正又は負のZ方向に様々な程度に付勢することにより、所望の円柱レンズ軸を有するように半剛性レンズ素子を修正するのに使用され得る。アクチュエータが付勢される程度は、半剛性レンズ素子によって付与される最大屈光強度を制御することができる。
半剛性レンズ素子を正及び負のZ方向に付勢するアクチュエータの例は単なる例示に過ぎないことを理解されたい。所望であれば、全てのアクチュエータは、半剛性レンズ素子を一方向にのみ付勢することができ、半剛性レンズ素子を付勢しないときに半剛性レンズ素子を固定したままにすることができる。アクチュエータはまた、半剛性レンズ素子を、Z軸に平行な方向以外の方向に付勢してもよい。例えば、アクチュエータは、(例えば、図10B及び図10Cに関連して説明したものと同様に)半剛性レンズ素子を、半剛性レンズ素子の中心に向かって、又は半剛性レンズ素子の中心から離れるように押す、又は引っ張ることができる。
図15の実施例では、半剛性レンズ素子202は、付勢されていない状態で平面状であり得る。換言すれば、アクチュエータからのあらゆる外部の影響がない場合、半剛性レンズ素子202は平面状(例えば、剛性レンズ素子122に平行)であり得る。しかしながら、この実施例は単なる例示に過ぎない。他の実施形態では、半剛性レンズ素子は、初期非平面形状(例えば、球面レンズ形状又は球形ドーム形状)を有してもよい。更に、図15に示すレンズモジュールでは、剛性レンズ素子122は、対応するアイボックスと半剛性レンズ素子202との間に介在してもよい。換言すれば、剛性レンズ素子122は、図15でユーザに面している。しかし、半剛性レンズ素子が、代わりに(半剛性レンズ素子はアイボックスと剛性レンズ素子との間に介在した状態で)ユーザに面してもよい。
図17は、非平面状の半剛性レンズ素子を含むレンズモジュールの側断面図である。図17では、半剛性レンズ素子202は、ユーザに面している(例えば、半剛性レンズ素子202はアイボックス60と剛性レンズ素子122との間に介在する)。アクチュエータ206は、(図15及び図16に関連して既に論じたように)半剛性レンズ素子202の形状を操作するために使用され得る。レンズ素子122及び202はまとめて、レンズ242と呼ばれることがある。
図17の半剛性レンズ素子202は、最初は、球面形状の表面を有してもよい。半剛性レンズ素子は、球面状に湾曲した凸面222及び球面状に湾曲した凹面224を有するメニスカスレンズ素子であってもよい。剛性レンズ素子122もまた、球面状に湾曲した凸面226及び球面状に湾曲した凹面228を有するメニスカスレンズ素子であってよい。外部の付勢力がアクチュエータ206によって印加されずに、レンズ素子202とレンズ素子122とは平行であり得る。
アクチュエータ206は、半剛性レンズ素子202の形状を操作するために使用され得る。図16に示されるものと同様に、6個のアクチュエータが、非平面状の半剛性レンズ素子の周辺部の周りに均等に分配されてもよい。この実施例は単なる例示に過ぎず、所望であれば、異なる数のアクチュエータ(例えば、2個のアクチュエータ、3個のアクチュエータ、4個のアクチュエータ、2個超のアクチュエータ、4個超のアクチュエータ、6個超のアクチュエータ、10個超のアクチュエータ、10個未満のアクチュエータなど)を使用してもよい。
レンズ素子202の特性により、レンズ素子は、レンズ素子が第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿って湾曲しているときに、第1の軸に沿って剛性になり得る。レンズ素子202の表面の初期球面形状により、レンズ素子は、屈曲時に双円錐面を有し得る。双円錐面は、2つの直交する軸に沿って異なる曲率を有し得る。
半剛性レンズ素子は、(レンズ内の剛性レンズ素子が固定位置に留まっている間に)所与の軸に沿って屈曲されたときに、2つの直交する円柱レンズ度数を導入する。直交する円柱レンズ度数は、同じ大きさを有してもよく、又は異なる大きさを有してもよい。一実施例では、半剛性レンズ素子は屈曲されてもよく、結果として得られる円柱レンズ度数は、90°で+0.25ジオプタとなり、0°で−0.25ジオプタとなり得る。直交円筒変換によれば、0°円柱レンズ度数のXジオプタは、球面レンズ度数のXジオプタ−90°円柱レンズ度数のXジオプタに等しい(例えば、+0.25D CYL 0°=+0.25D球面+−0.25D CYL90°)。この規則を考慮すると、屈曲した半剛性レンズ素子の等価総度数は、球面レンズ度数の0.25ジオプタ、及び0°円柱レンズ度数の−0.5ジオプタである。
追加のレンズ素子は、半剛性レンズ素子202が屈曲したときにレンズ242によって生成される寄生球面レンズ度数を相殺するために、レンズモジュールに含まれてもよい。図17は、球面レンズ素子232がどのようにレンズモジュール72に組み込まれ得るかを示す。上記の実施例では、球面レンズを使用して、−0.25ジオプタの球面レンズ度数を付与することができる。結果として、レンズモジュールは最終的に、0°円柱レンズ度数の−0.5ジオプタを有する。
球面レンズ素子232は、レンズ242の所与の状態に関連する寄生球面レンズ度数を相殺するように動的に調節されてもよい。球面レンズ232は、任意の所望の種類の調整可能な球面レンズ素子であってもよい。
図18A及び図18Bは、非平面状の半剛性レンズ素子が、2つの直交する軸に沿って異なる曲率を有する双円錐面を有するようにどのように屈曲され得るかを示す。図18Aは、初期状態の非平面状の半剛性レンズ素子202を示す。換言すれば、図18Aは、レンズ素子を屈曲させるためにアクチュエータが使用される前の半剛性レンズ素子を示す。図示するように、レンズ素子は、最初は、球面凸状の上面222と、球面凹状の下面224とを有する。図18Aでは、レンズ素子は、Y軸に沿った第1の経線252(時にはセクション252又は輪郭252と呼ばれることがある)と、X軸に沿った第2の経線254(経線254と呼ばれることもある)を有する。図18Aにおいて、経線252の曲率半径は経線254の曲率半径と同じであってもよい。換言すれば、レンズ素子の中心で交差する直交する軸に沿った曲率は同じである。
図18Bでは、非平面状の半剛性レンズ素子は屈曲状態で示されている。アクチュエータ206は、例えば、Y軸に沿って半剛性レンズ素子を屈曲させるように使用されている。この状態では、レンズ素子の上面222及び下面224は、双円錐面であり得る。経線252の曲率半径は経線254の曲率半径と異なっていてもよい。図18Bに示すような屈曲形状では(剛性球面レンズ素子と組み合わせて使用される場合)、(例えば、異なる大きさを有する)2つの円柱レンズ度数を作製することができる。図17の球面レンズと組み合わせて、任意の所望の円柱レンズ軸に沿った単一の円柱レンズ度数を生成することができる。アクチュエータ206は、非平面状の半剛性レンズ素子を選択的に屈曲させて、円柱レンズ軸を決定することができる。
図17の実施形態では、調整可能な半剛性非平面レンズ素子は、アイボックス60と剛性レンズ素子122との間に介在する。剛性レンズ素子122は、調整可能な半剛性非平面レンズ素子と調整可能な球面レンズ232との間に介在する。この例は単なる例示に過ぎない。一般に、レンズモジュール72は、調整可能な平面状の半剛性レンズ素子、調整可能な非平面状の半剛性レンズ素子、剛性の平面レンズ素子、剛性の非平面レンズ素子、調整可能なエラストマーレンズ素子などのあらゆる所望の組み合わせを含むことができる。
1つの例示的な構成では、レンズは、アイボックス60と別の調整可能な半剛性の非平面レンズ素子との間に介在する、調整可能な半剛性の非平面レンズ素子を含むことができる。流体109などの流体は、2つの調整可能な半剛性の非平面レンズ素子の間の空洞を充填することができる。別の実施形態では、図17の剛性レンズ素子122は、調整可能な平面状の半剛性レンズ素子によって置き換えられてもよい。
所望であれば、いくつかの構成では、図15〜図18に示される半剛性レンズ素子は、(例えば、図5〜図7に示される)前述の変動可能な剛性の概念と組み合わせて使用されてもよい。図5〜図7に関連して論じたように、レンズ素子は、乱視矯正を支援するためにレンズ素子にわたって可変剛性を有してもよい。図15〜図18に示されるような半剛性レンズ素子は、軸外光学補正のための同心剛性変動又は乱視光学補正のための線形剛性変動を有し得る。半剛性レンズ素子の可変剛性プロファイルは、半剛性レンズ素子に変動可能な厚さを付与すること、剛性を選択的に低減する凹部を提供すること、半剛性レンズ素子を異方性材料から形成すること、などによって達成され得る。更に別の可能な構成では、半剛性レンズ素子が、可変剛性プロファイルを有するエラストマーレンズ素子(例えば、図5〜図7に示す種類のレンズ素子)も含むレンズモジュールに含まれてもよい。
最終的に、レンズモジュールに組み込まれるレンズ素子の数、向き、及びスタックアップは、特定の電子デバイスの設計要件に依存し得る。しかし、図15〜図18に示される種類のレンズ素子を使用することにより、電子デバイスのユーザの視野を改善することができ、他の種類のレンズを使用する場合よりもアイレリーフを少ししか必要としない場合がある。(図17並びに図18A及び図18Bに示すように)調整可能な非平面状の半剛性レンズ素子を使用することにより、アイボックスに対してレンズの表面が均一な距離を有することにより、光学性能を改善することができる。
上記のように、本技術の一態様は、入出力デバイスからの情報などの情報の収集及び使用である。本開示は、いくつかの例において、特定の人物を一意に特定する個人情報データ、又は特定の人物に連絡するか若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含むデータが収集され得ることを想到している。そのような個人情報データは、人口統計データ、位置ベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッターID、住所、ユーザの健康又はフィットネスレベル(例えば、バイタルサイン測定、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、ユーザ名、パスワード、生体情報、又は任意の他の識別情報若しくは個人情報を含むことができる。
本開示は、本技術におけるそのような個人情報の使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、よりユーザの興味を引く対象のコンテンツを配信するために、個人情報データが使用されてもよい。したがって、そのような個人情報データの使用は、配信されるコンテンツの計算された制御をユーザができるようにする。更に、ユーザに利益をもたらす、個人情報データに関する他の使用もまた、本開示によって考察される。例えば、健康データ及びフィットネスデータは、ユーザの全般的なウェルネスについての洞察を提供するために使用することができ、又は、ウェルネスの目標を追求するための技術を使用している個人への、積極的なフィードバックとして使用することもできる。
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、転送、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守することを考察する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能であるべきであり、データの収集及び/又は使用が変化するにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更に、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。更に、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護して安全化し、その個人情報データへのアクセスを有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を遵守することを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーのポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、第三者による評価を自らが受けることができる。更に、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、米国では、特定の健康データの収集又はそれに対するアクセスは、Health Insurance Portability and Accountability Act(HIPAA)などの連邦法及び/又は州法によって統制され得るが、他の国の健康データは他の規制及びポリシーの支配下にあり得て、それに応じて取り扱われるべきである。それゆえ、各国の異なる個人データの種類に対して、異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
前述のことがらにもかかわらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も考察する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するように、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を提供できることを考察する。例えば、本技術は、ユーザが、サービスの登録中又はその後のいつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択することを可能にするように構成することができる。別の実施例では、ユーザは、特定の種類のユーザデータを提供しないことを選択することができる。更に別の実施例では、ユーザは、ユーザ固有データが維持される時間の長さを制限することを選択することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」の選択肢を提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを考察する。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリケーション(「アプリ」)のダウンロード時にユーザに通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
更に、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは無認可アクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなった時点で削除することによって、危険性を最小限に抑えることができる。更に、適用可能な場合、特定の健康関連アプリケーションにおいて、ユーザのプライバシーを保護するために、データの非特定化を使用することができる。非特定化は、適切な場合、特定の識別子(例えば、生年月日など)を除去すること、記憶されるデータの量又は具体性を制御すること(例えば、位置データを、住所レベルではなく都市レベルで収集すること)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、ユーザ全体にわたってデータを集約すること)、及び/又は他の方法によって、容易にすることができる。
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データを含み得る情報の使用を広範に網羅するものではあるが、本開示はまた、個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することもまた可能であることを想到している。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部分が欠如することにより、実施不可能となるものではない。
一実施形態によれば、ヘッドマウント支持構造体と、光を発するディスプレイと、ディスプレイから光を受光するヘッドマウント支持構造体によって支持されているレンズモジュールと、を含むシステムが提供され、レンズモジュールは、第1及び第2の流体充填チャンバと、第1の可撓性膜及び第2の可撓性膜と、レンズモジュールを制御して、第1の可撓性膜の曲率及び第2の可撓性膜の曲率を調節するように構成された制御回路と、を含む。
別の実施形態によれば、制御回路は、第1の流体充填チャンバ内の第1の量の流体と、第2の流体充填チャンバ内の第2の量の流体と、を制御して、第1の可撓性膜の曲率及び第2の可撓性膜の曲率を調節するように構成されている。
別の実施形態によれば、第1の可撓性膜は、第1の可変剛性プロファイルを有し、第2の可撓性膜は、第1の可変剛性プロファイルとは異なる第2の可変剛性プロファイルを有する。
別の実施形態によれば、第1の可撓性膜は可変厚さを有する。
別の実施形態によれば、第1の可撓性膜は、第1の可撓性膜の弾性率を変動させる表面レリーフを有する。
別の実施形態によれば、第1可撓性膜は、異方性材料から形成される。
別の実施形態によれば、レンズモジュールは、第1の流体充填チャンバと第2の流体充填チャンバとの間に剛性ディバイダを含み、第1の流体充填チャンバは剛性ディバイダ及び第1の可撓性膜によって少なくとも部分的に画定され、第2の流体充填チャンバは、剛性ディバイダ及び第2の可撓性膜によって少なくとも部分的に画定される。
別の実施形態によれば、レンズモジュールは、剛性レンズ素子を含み、第1の可撓性膜は、第1の流体充填チャンバと第2の流体充填チャンバとの間に介在し、第1の流体充填チャンバは、剛性レンズ素子及び第1の可撓性膜によって少なくとも部分的に画定され、第2の流体充填チャンバは、第1の可撓性膜及び第2の可撓性膜によって少なくとも部分的に画定される。
別の実施形態によれば、レンズモジュールは、第1の可撓性膜の周辺部の周りのアクチュエータを含み、制御回路は、アクチュエータを制御して、第1の可撓性膜の形状を動的に調節するように構成されている。
一実施形態によれば、ヘッドマウント支持構造体と、光を発するディスプレイと、ディスプレイから光を受光するヘッドマウント支持構造体によって支持されているレンズモジュールと、を含むシステムが提供され、レンズモジュールは、周辺部を有する可撓性レンズ素子と、可撓性レンズ素子の周辺部の周りの複数のアクチュエータと、複数のアクチュエータを制御して、可撓性レンズ素子を動的に調節するように構成された制御回路と、を含む。
別の実施形態によれば、各アクチュエータは、可撓性レンズ素子を、可撓性レンズ素子の中心から離れて半径方向外側に引っ張り続けるように構成されている。
別の実施形態によれば、システムは、視線情報を取得するように構成された視線検出センサを含み、制御回路は、視線情報に基づいてアクチュエータを制御するように構成されている。
一実施形態によれば、ヘッドマウント支持構造体と、光を発するディスプレイと、ディスプレイから光を受光するヘッドマウント支持構造体によって支持されているレンズモジュールであって、レンズモジュールは、第1及び第2の可撓性膜を含み、第1の可撓性膜は、第1の可変剛性プロファイルを有し、第2の可撓性膜は、第1の可変剛性プロファイルとは異なる第2の可変剛性プロファイルを有する、レンズモジュールと、を含むシステムが提供される。
一実施形態によれば、ヘッドマウント支持構造体と、光を発するディスプレイと、ディスプレイから光を受光するヘッドマウント支持構造体によって支持されているレンズモジュールであって、流体充填チャンバ、流体充填チャンバを少なくとも部分的に画定する半剛性レンズ素子、及び半剛性レンズ素子を選択的に屈曲させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータ、を含む、レンズモジュールを含むシステムが提供される。
別の実施形態によれば、レンズモジュールは、流体充填チャンバを少なくとも部分的に画定する剛性レンズ素子を含み、流体充填チャンバを充填する流体は、半剛性レンズ素子と剛性レンズ素子との間に介在し、レンズモジュールは、流体充填チャンバを少なくとも部分的に画定するレンズモジュール支持構造体を含む。
別の実施形態によれば、レンズモジュールは、流体充填チャンバを少なくとも部分的に画定する剛性レンズ素子を含み、剛性レンズ素子と半剛性レンズ素子は、半剛性レンズ素子が少なくとも1つのアクチュエータによって屈曲されていない第1の状態では平行であり、剛性レンズ素子と半剛性レンズ素子は、第2の状態では平行ではなく、少なくとも1つのアクチュエータは、第2の状態では半剛性レンズ素子を選択的に屈曲させる。
別の実施形態によれば、レンズモジュールは、流体充填チャンバを少なくとも部分的に画定する剛性レンズ素子を含み、レンズモジュールは、調整可能な球面レンズを更に含み、剛性レンズ素子は、調整可能な球面レンズと半剛性レンズ素子との間に介在する。
別の実施形態によれば、半剛性レンズ素子は、半剛性レンズ素子が少なくとも1つのアクチュエータによって屈曲されていない第1の状態では平面状である。
別の実施形態によれば、半剛性レンズ素子は、半剛性レンズ素子が少なくとも1つのアクチュエータによって屈曲されていない第1の状態では球面状の凸面及び球面状の凹面を有し、レンズは、半剛性レンズ素子が少なくとも1つのアクチュエータによって屈曲されている第2の状態では、半剛性レンズ素子によって生成された寄生球面レンズ度数を相殺するように構成されている調整可能な球面レンズを含む。
別の実施形態によれば、少なくとも1つのアクチュエータは、半剛性レンズ素子の周辺部の周りに均等に分配される6つのアクチュエータを含み、レンズモジュールは、半剛性レンズ素子の周辺部の周りに延びる負荷拡散リングを含む。
別の実施形態によれば、半剛性レンズ素子は、2GPaを超えるヤング率を有する材料から形成される。
一実施形態によれば、ヘッドマウント支持構造体と、光を発するディスプレイと、ディスプレイから光を受光するヘッドマウント支持構造体によって支持されているレンズモジュールであって、調節可能な厚さを有する液体充填間隙によって分離された第1及び第2のレンズ素子を含む、レンズモジュールと、を含むシステムが提供される。
別の実施形態によれば、レンズモジュールは、第1のレンズ素子とディスプレイとの間に介在する部分反射ミラーと、1/4波長板と、を含み、第2のレンズ素子は、1/4波長板と液体充填さ間隙と反射型偏光子との間に介在し、1/4波長板は、反射型偏光子と第2のレンズ素子との間に介在する。
別の実施形態によれば、第1及び第2のレンズ素子は、カタディオプトリックレンズを形成し、カタディオプトリックレンズは、液体充填間隙の調節可能な厚さに依存する厚さを有する。
別の実施形態によれば、システムは、液体充填間隙を充填する液体を保持するリザーバと、液体充填間隙内の液体の量を制御するポンプと、第1のレンズ素子を第2のレンズ素子に向かって付勢する付勢構成要素と、を含む。
前述は、単なる例示に過ぎず、説明された実施形態に対して多様な変更を行うことができる。前述の実施形態は、個別に又は任意の組み合わせで実装することができる。