JP2021534085A - 癌治療のための組成物及び方法 - Google Patents

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Abstract

核酸合成阻害剤コンジュゲート又はその多形体、その鏡像異性体、立体異性体、溶媒和物及び水和物を含む式I及び式IIの組成物及び化合物。これらのコンジュゲートを医薬組成物として配合することができる。該医薬組成物を、経口投与、静脈内投与、溶液、シロップ剤、サッシェ、経皮投与、又は注射用に配合することができる。かかる組成物を、癌又はそれに関連する合併症の治療に使用することができる。【選択図】なし

Description

優先権
本出願は、2018年8月3日出願のインド仮特許出願第201841029367号の利益を主張するものであり、その開示全体にあらゆる目的で依拠し、引用することにより本出願の一部をなす。
本開示は概して、癌の治療のための化合物及び組成物に関する。より詳細には、本発明は、薬学的に許容可能な用量の化合物、結晶、溶媒和物、鏡像異性体、立体異性体、エステル、塩、水和物、プロドラッグ、又はそれらの混合物を用いた対象の治療に関する。
5−フルオロウラシル(5−FU)は、今なお広く使用されている抗癌剤である。1957年以来、5−FUは結腸癌の治療に重要な役割を果たしており、乳癌及び頭頸部癌のような他の癌の患者に使用されている。
5−FUは、TSの阻害剤として開発された効果的な化学療法剤であり、チミンの少ない細胞死をもたらす。また、5−FUは、ウラシル又はチミンの代わりにRNA及びDNAに誤って組み込まれたピリミジン類縁体でもある。しかしながら、薬剤の流入及び流出の変化、薬剤の不活性化の増強、及び薬剤標的の変異を含む、様々な原因から生じ得る薬剤耐性のため、その臨床適用は大幅に制限されている。
残念ながら、その有益な抗腫瘍作用に加えて、5−FUには多くの重大な毒性もある。5−FUの投与によって引き起こされる急性冠症候群(ACS:Acute Coronary Syndrome)はまれではあるが、十分に確立された現象であり、この化学療法剤に関連する幾つかの心臓への悪影響のうちの1つにすぎない。更なる心毒性作用としては、心筋症、血管攣縮性狭心症、冠状動脈血栓症及び解離、悪性不整脈、並びに心臓突然死が挙げられる。
本発明は、癌等の病態の作用を治療し、予防し、及び/又は改善するための化合物、これらの化合物を含有する組成物、及びこれらを使用する方法を提供する。
本明細書において、本発明は、式I又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を提供する。本発明はまた、1つ以上の式Iの化合物又はその中間体と薬学的に許容可能な塩、担体、ビヒクル、又は希釈剤の1つ以上とを含む医薬組成物を提供する。これらの組成物を、癌及びその関連の合併症の治療に使用することができる。
Figure 2021534085
或る特定の実施の形態において、本発明は、式Iの化合物及び組成物又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体及び立体異性体に関する。式中、
、R、Rは、NULL、
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、Rは独立して、NULL、
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ここでは、
nは0〜12を表し、
及びRは独立して、
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或る特定の実施の形態において、本発明は、式IIの化合物及び組成物又はその薬学的に許容可能な塩、並びにその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体及び立体異性体に関する:
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(式中、
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本発明は更に、好ましくは、経口投与、注射、直腸投与、エアロゾル、静脈内(I.V)投与、スプレー、溶液、シロップ剤、坐剤、粉末、静脈内(i.v)投与、溶液、シロップ剤、ナノ粒子、サッシェにより患者に投与する場合、結腸直腸癌、乳癌(転移性又は単剤療法/併用療法として)、胃癌(gastric cancer)、食道癌、肛門癌、乳癌、結腸直腸癌、食道癌、胃(stomach)癌、膵臓癌及び皮膚癌(特に頭頸部癌)、真菌感染症、日光性角化症、皮膚癌、及びボーエン病を治療する方法、並びに点眼薬として角結膜扁平上皮腫瘍(ocular surface squamous neoplasia)を治療する方法を提供する。
本明細書において、本出願はまた、本明細書に開示の医薬組成物のいずれかを含むキットを提供する。キットは、癌又はその関連の合併症の治療に使用するための説明書を含むことができる。
本出願はまた、薬学的に許容可能な担体と本明細書に記載の組成物のいずれかとを含む医薬組成物を開示する。幾つかの態様において、医薬組成物を、全身投与、経口投与、徐放、非経口投与、注射、皮下投与、又は経皮投与用に配合する。
本明細書において、本出願は、本明細書に記載の医薬組成物を含むキットを更に提供する。キットは、癌又はその関連の合併症の治療に使用するための説明書を更に含むことができる。
本明細書に記載の組成物には幾つかの用途がある。本出願は、例えば、癌、又は代謝性の若しくは遺伝的な病態若しくは障害、代謝性疾患、慢性疾患若しくは障害から現れる癌に関連する合併症;神経変性障害、代謝状態、肝臓学、癌、呼吸器、血液学、整形外科、心血管、腎臓、皮膚、血管又は眼の合併症を患う患者を治療する方法を提供する。
例示的な実施の形態では、式I及び式IIの化合物の例は、以下に記載される通りである。
Figure 2021534085
Figure 2021534085
実施例1の化合物CLX−SYN−G155A−C03のNMRスペクトルである。 実施例2の化合物CLX−SYN−G155A−C01のNMRスペクトルである。
定義
本明細書において使用される以下の用語及び語句は、以下に記載の意味を有するものとする。他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。
本発明の化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態で存在することができる。本発明の化合物は薬学的に許容可能なエステルの形態(すなわち、プロドラッグとして使用される、式I又は式IIの酸のメチルエステル及びエチルエステル)で存在することもできる。本発明の化合物を溶媒和、すなわち水和させることもできる。溶媒和は製造過程の間に行われることができ、又はすなわち最初無水である式I又は式IIの化合物の吸湿特性(水和)の結果として生じ得る。
同じ分子式を有するが、原子の結合の性質若しくは配列又は原子間の空間配置が異なる化合物を「異性体」と呼ぶ。原子間の空間配置が異なる異性体を「立体異性体」と呼ぶ。ジアステレオマーは鏡像異性体ではない、1つ以上のキラル中心で向かい合う立体構造を有する立体異性体である。互いに重ね合わせることができない鏡像の、1つ以上の不斉中心を担持する立体異性体は、「鏡像異性体」と呼ぶ。化合物が不斉中心を含むとき、例えば炭素原子を4つの異なる基と結合するのであれば、1組の鏡像異性体が可能となる。鏡像異性体は、その不斉中心(単数又は複数)の絶対的な立体構造を特徴とすることができ、またカーン・インゴルド・プレローグのR及びS配列順位則により、又は分子が偏光面で回転し、右旋性又は左旋性(すなわち、それぞれ(+)又は(−)の異性体)として表されることにより説明される。キラル化合物は、個々の鏡像異性体又はそれらの混合物としてのいずれかとして存在することができる。等しい割合の鏡像異性体を含有する混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
本明細書において使用される場合「代謝の病態」という用語は、代謝の先天的な誤り(又は遺伝的な代謝の病態)を指し、代謝の病態は1つ以上の代謝経路の欠失、特に酵素の機能が影響を受け、かつ不十分であるか、又は完全に欠損しているかにより生じる遺伝的障害である。代謝的又は遺伝的な障害又は病態に関連する疾患には、インスリン抵抗性、肝臓疾患、神経疾患、精神疾患、血液疾患、呼吸器疾患、腎臓疾患、心血管疾患、癌疾患、筋骨格疾患、整形外科疾患及び胃腸疾患が含まれる。
本明細書において使用される場合「多形」という用語は、当該技術分野において認められており、所与の化合物の結晶構造の1つを指す。
本明細書において使用される場合「非経口投与」及び「非経口により投与する」という語句は、注射等の腸溶投与及び局所投与以外の投与方法を指し、静脈内、筋肉内、胸膜内、血管内、心膜内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心内膜による、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、及び胸骨内注射及び注入が挙げられるが、それらに限定されない。
本方法によって治療が行われる「患者」、「対象」、又は「宿主」は、ヒト又は非ヒト動物、例えば霊長類、哺乳動物、及び脊椎動物のいずれかを意味し得る。
「薬学的に許容可能な」という語句は、当該技術分野において認められている。或る特定の実施形態において、この用語は、組成物、ポリマー、及び他の物質及び/又は剤形を含み、これらは、正当な医学的判断の範囲において、合理的なベネフィット/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症を伴うことなく、哺乳動物、ヒト、及び動物の組織に接触させての使用に適している。
「薬学的に許容可能な担体」という語句は、当該技術分野において認められており、体内の一器官又は一部分から体内の別の器官又は一部分に任意の被検組成物を運び又は運搬することに関与する、例えば薬学的に許容可能な物質、組成物、又はビヒクル、例えば液体若しくは固体の充填剤、希釈剤、溶媒又は封入物質を含む。各担体は、被検組成物の他の成分と相溶性があり、患者に有害でないという意味で、「許容可能」でなければならない。或る特定の実施形態において、薬学的に許容可能な担体は非発熱性である。薬学的に許容可能な担体として作用し得る物質の幾つかの例として、(1)糖、例えばラクトース、グルコース、及びスクロース;(2)デンプン、例えばコーンスターチ及びジャガイモデンプン;(3)セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルナトリウムセルロース、エチルセルロース、及び酢酸セルロース;(4)トラガント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバター及び坐剤ワックス;(9)油、例えばピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、及び大豆油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱性物質除去水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;及び(21)医薬配合物に使用される他の非毒性相溶性物質が挙げられる。
「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下において、本発明の治療活性物質に変換される化合物を包含することを意図する。プロドラッグを作製する通常の方法は、生理学的条件下において、加水分解して、所望の分子が現れるよう選択された部分を含むことである。他の実施形態において、プロドラッグは宿主動物の酵素活性により変換される。
「予防の又は治療の」処置という用語は、当該技術分野において認められており、宿主に被検組成物の1つ以上を投与することを含む。望まない病態(例えば、宿主動物の疾患又は他の望まない状態)が臨床的に表れる前に投与する場合、この処置は予防であり、すなわち望まない病態の発症から宿主を保護し、一方、望まない病態が現れた後に投与する場合、この処置は治療である(すなわち、既存の望まない病態又はその副作用を消失、改善、又は安定化させることを目的とする)。
本明細書において使用される場合、「予測する」という用語は、癌又は関連する疾患等の病態又は障害を有する患者が、今後既定の時間枠(予測枠)内で異常又は合併症及び/又は死亡(すなわち致死)となる確率を評価することを指す。致死は中枢神経系又は合併症により生じ得る。予測枠は、対象が予測確率により上記合併症の1つ以上を発症する期間である。予測枠は、本発明の方法により分析したときの対象の残りの生存期間全体であり得る。しかしながら、好ましくは、該予測枠は、炎症性の合併症の発生後(より好ましくかつ正確には、本発明の方法によって分析されるべきサンプルが取得された後)1ヶ月、6ヶ月又は1年間、2年間、3年間、4年間、5年間若しくは10年間の間隔である。当業者によって理解されるように、そのような評価は、通例、分析されるべき対象の100%について正しいことを意図するものではない。しかしながら、上記用語は、その評価が、分析されるべき対象の統計学的に有意な集団について有効であることを必要とする。或る集団が統計学的に有意であるかどうかは、様々なよく知られた統計学的評価手法、例えば信頼区間の決定、p値の決定、スチューデントのt検定、マンホイットニー検定等を用いて、当業者によって難なく決定することができる。詳細は、Dowdy and Wearden, Statistics for Research, John Wiley & Sons, New York 1983に見出される。好ましい信頼区間は、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%である。p値は、好ましくは0.1、0.05、0.01、0.005又は0.0001である。好ましくは、本発明によって予見される確率は、上記予測が、所定のコホートの対象のうち少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%について正しくなることを見込んでいる。
「治療すること」という用語は、当該技術分野において認められており、疾患、障害、及び/又は病態が予測され得るが、まだそのように診断はされていない動物の疾患、障害、又は病態の発症を予防すること、疾患、障害、又は病態を阻害、例えばその進行を妨げること、及び疾患、障害、又は病態を緩和、例えば疾患、障害、及び/又は病態の退行を生じることを含む。疾患又は病態を治療することは、基礎病態生理系に影響を及ぼさない場合であっても、特定の疾患又は病態の少なくとも1つの症状を改善すること、例えば作用物質が病態の原因を治療しないとしても、かかる作用物質の投与によって対象の癌の病態等の癌又は病態又は障害を治療することを含む。本明細書において使用される「治療すること(treating)」、「治療する(treat)」、又は「治療(treatment)」という用語は、治癒的、未然の(例えば予防の)、補助的、及び一次的な治療を含む。
「治療有効量」という語句は、当該技術分野において認められている用語である。或る特定の実施形態において、この用語は、任意の医学的処置に適用可能な合理的なベネフィット/リスク比にて或る程度の所望の効果が得られる、本明細書に開示の塩又は組成物の量を指す。或る特定の実施形態において、この用語は、或る期間における医学的症状を排除又は低減させるのに必要な又は十分な量を指す。有効量は、治療対象の疾患又は病態、投与する特定の標的構築物、対象の大きさ、又は疾患若しくは病態の重症度等の因子に応じて変化し得る。当業者であれば、過度の実験を必要とせずに特定の組成物の有効量を経験的に決定することができる。
或る特定の実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物を、上記組成物が予防の又は治療の処置の一部として治療有効量を患者に送達するように配合する。患者に投与する組成物の所望の量は、薬剤の吸収、不活性化、及び排泄率並びに被検組成物からの塩及び組成物の送達率に左右される。なお、投与量の値も、軽減させる病態の重症度に伴い変化し得る。任意の特定の対象において、特定の投与量の投薬計画は、個人の必要量及び組成物を投与する者又は投与を監督する者の専門的な判断により経時的に調節するものとすることが更に理解される。通例、投薬は当業者に既知の技法を用いて決定される。
さらに、任意の特定の塩又は組成物の最適な濃度及び/又は数量すなわち量を、治療のパラメータのばらつきを適合させるよう調節することができる。このような治療のパラメータには、製剤が臨床的に使用される方法、例えば治療部位、患者の種類、例えばヒト又は非ヒト、成人又は小児、及び疾患又は病態の性質が挙げられる。
或る特定の実施形態において、本明細書に挙げられた被検組成物の投与量を、治療用組成物又は他の封入物質の血漿濃度を参照して決定することができる。例えば、最大血漿濃度(Cmax)及び0時間から無限時間までの血漿濃度時間曲線下面積を使用することができる。
本明細書で使用される場合「溶媒和物」という用語は、溶媒和によって形成された化合物(例えば、溶媒分子と溶質の分子又はイオンとの化合によって形成される化合物)を指す。
医薬組成物又は他の物質に対して使用するとき、「徐放」という用語は、当該技術分野において認められている。例えば、経時的に物質を放出する被検組成物は、物質の量全体を生物学的に一度に利用することができるボーラス型の投与とは対照的に、徐放特性を示すことができる。例えば、特定の実施形態において、血液、髄液、粘液分泌物、リンパ液等を含む体液と接触させると、薬学的に許容可能な賦形剤の1つ以上は、その中に組み込まれる任意の物質、例えば治療の及び/又は生物学的に活性な塩及び/又は組成物を同時に放出しながら、(ボーラスによる放出に比べ)持続して又は長時間かけて徐々に又はゆっくりと分解(例えば、加水分解により)することができる。この放出により、治療有効量の本明細書に開示の治療物質のいずれかを長時間送達することができる。
「全身投与」、「全身に投与」、「末梢投与」、及び「末梢に投与」という語句は当該技術分野において認められており、被検組成物、治療物質又は他の物質を治療対象の疾患部位から離れた部位に投与することを含む。治療対象の疾患に物質を投与することは、物質が投与後全身に分散される場合であっても、中枢神経系へ直接ではなく、例えば患者の系に入り、代謝等のプロセスが行われるような皮下投与により「局在」又は「局所」又は「局所的」投与と呼ぶことができる。
本開示はまた、本明細書に開示の組成物のプロドラッグ及び該プロドラッグの薬学的に許容可能な塩を検討する。
本出願はまた、薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を開示し、式I又は式IIの化合物の組成物を全身又は局所又は経口投与用に配合することができる。医薬組成物を経口投与、経口溶液、注射、皮下投与、又は経皮投与用に配合することもできる。医薬組成物は、薬学的に許容可能な安定剤、希釈剤、界面活性剤、充填剤、結合剤、及び滑沢剤の少なくとも1つを更に含むことができる。
多くの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物に開示の化合物及び組成物(式I又は式II)を組み込み、予防の又は治療の処置の一部として治療有効量の式I又は式IIの化合物又は組成物を患者に送達させるのに十分な量を送達する。式I若しくは式II又はその薬学的に許容可能な塩の所望の濃度は、薬剤の吸収、不活性化、及び排泄率並びに被検組成物からの塩及び組成物の送達率に左右される。なお、投与量の値も、軽減させる病態の重症度に伴い変化し得る。任意の特定の対象において、特定の投与量の投薬計画は、個人の必要量及び組成物を投与する者又は投与を監督する者の専門的な判断により経時的に調節するものとすることが更に理解される。通例、投薬は当業者に既知の技法を用いて決定される。
さらに、式I又は式IIの任意の特定の化合物の最適な濃度及び/又は数量すなわち量を、治療のパラメータのばらつきを適合させるよう調節することができる。このような治療のパラメータには、製剤が臨床的に使用される方法、例えば治療部位、患者の種類、例えばヒト又は非ヒト、成人又は小児、及び疾患又は病態の性質が挙げられる。
式I又は式IIの任意の化合物の濃度及び/又は量を、動物、例えばラットにおける日常的なスクリーニングにより、適切なアッセイを用いて目的の物質の濃度及び/又は量の範囲をスクリーニングすることにより容易に同定することができる。既知の方法も、本明細書に開示の治療用配合物の投与前及び投与後の局在組織濃度、塩又は組成物の拡散率、及び局在血流量をアッセイするのに利用可能である。このような方法の1つにT. E. Robinson et al., 1991, microdialysis in the neurosciences, Techniques, volume 7, Chapter 1に総括されている微小透析がある。Robinsonにより総括されている方法を、以下のように簡単に適用することができる。被検動物内にin situで微小透析ループを入れる。透析液は、ループを通してポンプによって送られる。本明細書に開示のような式I又は式IIの化合物をループに近接して注射すると、放出された薬剤は局在組織濃度に比例して透析物に回収される。塩又は組成物の拡散の進み具合を塩又は組成物の既知の濃度を用いて好適な較正方法を用いることにより決定することができる。
或る特定の実施形態において、本明細書に挙げられる式I又は式IIの被検化合物の投与量は、治療組成物又は他の封入物質の血漿濃度を参照して決定することができる。例えば、最大血漿濃度(Cmax)及び0時間から無限時間までの血漿濃度時間曲線下面積を使用することができる。
概して、本出願に詳述された方法を実行する際の、式I又は式IIの化合物の有効な投与量は、単回で又は分割して約0.01mg/kg/日〜約100mg/kg/日である。式I又は式IIの化合物を、例えば0.2mg/kg/日、0.5mg/kg/日、1.0mg/kg/日、5mg/kg/日、10mg/kg/日、20mg/kg/日、30mg/kg/日、又は40mg/kg/日未満の用量にて投与することができる。式I又は式IIの化合物を、例えば1日当たり0.1mg〜1000mg、5mg〜80mg、又は1.0mg、9.0mg、12.0mg、20.0mg、50.0mg、75.0mg、100mg、300mg、400mg、500mg、800mg、1000mg、10000mg、20000mg、30000mg未満の用量にてヒト患者に投与することもできる。或る特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物を、同じ治療効果に必要な式I又は式IIの化合物の95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、又は10%未満の量にて投与する。
本明細書に記載の式I又は式IIの化合物の有効量は、疾患、例えば、癌、又は任意のその他の代謝性病態若しくは代謝性障害、又は任意のその他の医学的病態を阻害又は予防することができる上記塩又は組成物の1つの量を指す。
本出願により提供される組成物を、経口、局所、非経口、例えば静脈内、皮下、又は髄内を含む種々の従来の投与経路により治療を必要とする対象に投与することができる。さらに、組成物を、経鼻により、直腸の坐剤として、又は「フラッシュ(flash:口中崩壊)」配合物を用いて、すなわち、医薬を水なしで口中にて溶解させて投与することができる。さらに、組成物を、制御放出の剤形、部位特異的薬剤送達、経皮薬剤送達、パッチ(能動的/受動的)介在性薬剤送達により、定位的注入により、又はナノ粒子において、治療を必要とする対象に投与することができる。
組成物を、単独又は薬学的に許容可能な担体、ビヒクル、又は希釈剤と組み合わせて、単回用量又は複数回用量において投与することができる。好適な医薬担体、ビヒクル、及び希釈剤には、不活性の固形希釈剤又は充填剤、滅菌水溶液及び種々の有機溶媒が挙げられる。組成物と薬学的に許容可能な担体、ビヒクル又は希釈剤とを組み合わせることによって形成された医薬組成物は、ひいては錠剤、粉末、トローチ、シロップ、注射液等の種々の剤形においての投与が容易である。これらの医薬組成物は、所望の場合、風味料、結合剤、賦形剤等の追加の成分を含有することができる。したがって、経口投与において、L−アルギニン、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、及びリン酸カルシウム等の種々の賦形剤を含有する錠剤を、デンプン、アルギン酸、及び或る特定の複合ケイ酸塩等の種々の崩壊物と、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、及びアカシア等の結合剤とを合わせて使用することができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びタルク等の潤沢剤は多くの場合、打錠用に有用である。類似の種類の固形組成物を軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用することもできる。これに適した物質には、ラクトース又は乳糖及び高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。懸濁水溶液又はエリキシル剤が経口投与において望ましいとき、その中の必須活性成分を、種々の甘味料又は風味剤、着色物質又は染料と組み合わせることができ、所望の場合、乳化剤又は懸濁剤を、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等の希釈剤、及びそれらの組合せと合わせて組み合わせることができる。式I又は式IIの化合物はまた、製薬分野においてよく知られている経腸被覆を含む(enterically coated comprising)種々の賦形剤を構成することができる。
非経口投与において、組成物の溶液を、(例えば)ゴマ油又はピーナッツ油、水性プロピレングリコール中で調製することができ、又は滅菌水溶液中で使用することができる。必要な場合は、このような水溶液を好適に緩衝するものとし、十分な生理食塩水又はグルコースで最初に希釈液が等張状態となる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、及び腹腔内の投与に特に適している。これに関連して、使用する滅菌水性媒体は全て、当業者に既知の標準的な技法により容易に利用可能である。
配合物、例えば錠剤は、10mg〜100mg、50mg〜250mg、150mg〜500mg、又は350mg〜800mg、例えば10mg、50mg、100mg、300mg、500mg、700mg、800mg、1グラム、5グラム、10グラム、20グラム、30グラムの本明細書に開示の式I又は式IIの化合物、例えば式I若しくは式IIの化合物又は式I若しくは式IIの化合物の薬学的に許容可能な塩を含有することができる。
概して、本明細書に記載の組成物を経口又は非経口(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、又は髄内)投与することができる。例えば患者が、経口投与が阻まれる胃腸障害に罹患している場合、又は担当医が決定した通りの組織若しくは器官の表面に医薬を最も良好に塗布しようとする場合に局所投与を提示することもできる。例えば、標的組織又は器官に高用量を必要とするときに局在投与を提示することもできる。頬内投与において、活性組成物は、従来の様式において配合された錠剤又はトローチ剤の形態をとることができる。
投与される量は、癌の特性;年齢、健康状態、及び体重を含む宿主に関する特徴(type);併用して治療中のものがあればその種類;処置頻度及び治療可能比に左右される。
例として、投与される活性成分の投与量のレベルは、宿主体重の、静脈内では0.1mg/kg〜約200mg/kg、筋肉内では1mg/kg〜約500mg/kg、経口では5mg/kg〜約1000mg/kg、経鼻滴下では5mg/kg〜約1000mg/kg、及びエアロゾルでは5mg/kg〜約1000mg/kgである。
濃度で表す場合、活性成分は本発明の組成物に、真皮、経鼻、経咽頭、経気管支、膣内、経直腸、又は眼内に対する局在使用において、組成物の約0.01% w/w〜約50% w/wの濃度、好ましくは組成物の約1% w/w〜約20% w/w、及び非経口使用において、組成物の約0.05% w/v〜約50% w/vの濃度及び好ましくは約5% w/v〜約20% w/vの濃度で存在することができる。
本発明の組成物を、ヒト及び動物への投与用として、好適な量の活性成分を含有する、単位剤形、例えば錠剤、カプセル、丸剤、粉末、顆粒、坐剤、滅菌非経口溶液又は懸濁液、懸濁液の滅菌非腸管外溶液、及び経口溶液又は懸濁液等で与えることが好ましい。経口投与において、固形又は流体単位剤形のいずれかを調製することができる。
粉剤は、活性成分を適切な細かさのサイズにまで粉砕し、そして同様に粉砕された希釈剤と混合することによってかなり簡単に調製される。該希釈剤は、ラクトース又はデンプン等の食用炭水化物材料であってよい。有利には、甘味剤又は糖と同様に、フレーバーオイルも存在する。
カプセル剤は、上に記載された混合粉末を調製し、そして形成されたゼラチン鞘中に充填することによって製造される。有利には、充填作業への補助剤として、滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等が、充填作業の前に混合粉末に添加される。
ソフトゼラチンカプセル剤は、活性成分と許容可能な植物油、軽流動ワセリン又はその他の不活性油若しくはトリグリセリドとのスラリーの機械カプセル化によって調製される。
錠剤は、混合粉末を調製し、造粒又はスラッギングを行い、滑沢剤を添加し、そして圧縮して錠剤とすることによって製造される。該混合粉末は、適切に粉砕された活性成分を、希釈剤又は基剤、例えばデンプン、ラクトース、カオリン、リン酸二カルシウム等と混合することによって調製される。該混合粉末は、コーンシロップ、ゼラチン溶液、メチルセルロース溶液又はアラビアゴム漿等の結合剤で湿潤させ、そしてスクリーンに押し通すことによって造粒することができる。造粒の1つの選択肢として、該混合粉末を、スラッギングすることができる。すなわち打錠機を通過させ、そして得られた不完全に形成された錠剤を複数の破片(スラッグ)へと破砕することができる。該スラッグを、錠剤成形ダイに粘着することを防ぐために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク又は鉱油の添加によって潤滑することができる。次いで、その潤滑された混合物が錠剤へと圧縮される。
有利には、錠剤には、シェラックのシーリングコート又は腸溶コート、糖及びメチルセルロースのコーティング並びにカルナウバ蝋のポリッシュコーティングのみからなる保護コーティングを施すことができる。
経口投与のための流体単位剤形、例えばシロップ剤、エリキシル剤及び懸濁液剤での流体単位剤形を調製することができ、その際、それぞれの茶匙量の組成物は、投与のために予め決められた量の活性成分を含有する。水溶性形を、水性ビヒクル中に糖、フレーバー剤及び保存剤と一緒に溶解させることで、シロップ剤を形成することができる。エリキシル剤は、水性アルコールビヒクルを用いることによって適切な甘味料と一緒にフレーバー剤を用いて調製される。懸濁液剤は、不溶性形から適切なビヒクルと一緒に懸濁剤、例えばアカシア、トラガカント、メチルセルロース等を用いて調製することができる。
非経口投与のために、流体単位剤形は、活性成分及び滅菌ビヒクル、好ましくは水を利用することで調製される。活性成分は、使用される形態及び濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁されるか、又は溶解されるかのいずれであってもよい。液剤の調製にあたり、水溶性活性成分を、注射用水中に溶解し、濾過滅菌してから、適切なバイアル又はアンプル中に充填し、そして封止することができる。有利には、ビヒクル中に補助剤、例えば局所麻酔、保存剤及び緩衝剤を溶解させることができる。非経口懸濁液剤は、活性成分が、ビヒクル中に溶解されるのではなく懸濁され、滅菌が濾過によって達成することができないことを除き実質的に同様にして調製される。活性成分は、エチレンオキシドにさらすことによって滅菌してから、滅菌ビヒクル中に懸濁することができる。有利には、活性成分の均一な分布を促進するために、該組成物中には界面活性剤又は湿潤剤が含まれる。
経口投与及び非経口投与に加えて、経直腸経路及び経膣経路を利用することができる。活性成分は、坐剤によって投与することができる。ほぼ体温に融点を有するビヒクル又は易溶性のビヒクルを利用することができる。そのビヒクルとして、例えば、カカオ脂及び様々なポリエチレングリコール(カーボワックス)を用いることができる。
鼻腔内滴下のために、流体単位剤形は、活性成分及び適切な医薬用ビヒクル、好ましくは、精製水(P.F. water)を利用することで調製され、選ばれる投与が吸入である場合には、乾燥粉剤を配合することができる。
エアロゾルとして使用するために、活性成分を、加圧エアロゾル容器中に、ガス状噴射剤又は液化噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、二酸化炭素、窒素、プロパン等と一緒に、必要に応じて又は所望であれば、通常の補助剤、例えば助溶媒及び湿潤剤と一緒に詰めることができる。
明細書及び特許請求の範囲で使用される場合「単位剤形」という用語は、ヒト及び動物の対象のための単位用量として適した物理的に別々の複数の単位であって、それぞれの単位は、必要とされる医薬用希釈剤、担体又はビヒクルと共同して所望の治療効果をもたらすように計算された活性材料の予め決められた量を含む単位を指す。本発明の新規の単位剤形のための仕様は、本明細書に開示されるように(a)活性材料の特有の特性及び達成されるべき具体的な治療効果、並びに(b)そのような活性材料をヒトで治療に使用するための配合の技術分野に固有の制約によって決まり、それらに直接的に依存しており、これらは本発明の特徴である。本発明による適切な単位剤形の例は、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、坐剤、粉末分包、ウェハ剤、カシェ剤、上記いずれかの茶匙量、食匙量、滴瓶量、アンプル量、バイアル量、複数に隔離したもの、及び本明細書に記載されるその他の形態である。
本発明の錠剤は、該錠剤と液体媒体、例えば溶解媒体、例えば胃腸液とが接触したときにそこから放出される1種又は複数種の薬学的に活性な作用物質を含有する。本明細書で非ポリマー性の材料と関連して使用される「水溶性」とは、やや難溶から非常に可溶までを意味するものとし、すなわち、非ポリマー性の水溶性溶質1部を溶解するのに100部以下の水しか必要とされないことを意味するものとする。Remington, The Science and Practice of Pharmacy, pp 208〜209 (2000)を参照のこと。本明細書でポリマー性の材料と関連して使用される「水溶性」とは、該ポリマーが水中で膨潤し、かつ分子レベルで分散することができるか、又は水中に溶解され得ることを意味するものとする。
本明細書で使用される場合、「調節放出性」という用語は、薬学的に活性な作用物質の放出を任意の様式で変更する錠剤、マトリックス、粒子、コーティング、それらの部分又は組成物に適用するものとする。調節放出性の種類には、制御放出性、持効性放出性、徐放性、持続放出性、遅延放出性、パルス放出性、複効性等が含まれる。これらの種類の調節放出性を達成するために適切な機構には、拡散、侵食、形状及び/又は不透過性バリアによる表面積制御又は当該技術分野で既知のその他の機構が含まれる。
本発明の一実施形態においては、第1の薬学的に活性な作用物質及び親水性ポリマーは、本明細書において錠剤マトリックスとしても定義される薬学的に許容可能な担体を含有する粉末と混合される。一実施形態においては、該粉末は、約50ミクロン〜約500ミクロン、例えば50ミクロンから300ミクロンの間の平均粒度を有する。このサイズ範囲の粒子は、直接圧縮法のために特に有用である。一実施形態においては、粉末の複数の成分は、例えば乾燥粉末として一緒に混和され、そして圧力をかける装置のダイキャビティ中に供給されて、錠剤コアが形成される。限定されるものではないが、通常の単一式又は回転式の打錠機を含む任意の適切な圧縮装置を使用することができる。一実施形態においては、錠剤コアは、回転式打錠機(例えば、Fette America Inc.(ニュージャージー州ロッカウェイ)又はManesty Machines LTD(英国リバプール)から市販される打錠機)を使用した圧縮によって形成することができる。一般的に、粉末の計量した容量は、回転式打錠機のダイキャビティ(ここで、該粉末は、重力供給されるか、又はフィーダーから機械的に供給される)中に充填され、そして該キャビティは、「ダイテーブル」の一部として充填位置から圧縮位置へと回転する。圧縮位置で、該粉末は、上方のパンチと下方のパンチとの間で圧縮され、次いで得られた錠剤コアは、ダイキャビティから下方のパンチによって押し出された後、定置式の「取出しバー」によってインジェクションシュートへと導かれる。
本発明の一実施形態においては、錠剤コアは、水溶性のポリマー性結合剤及び含水ポリマーを実質的に含まない粉末からできた直接圧縮された錠剤コアであってよい。本明細書で使用される場合に、「実質的に含まない」の意味することは、5%未満、例えば1%未満、例えば0.1%未満、例えば完全に含まない(例えば0%)である。この組成は、加工費用及び材料費用を最小限にし、錠剤コアの最適な物理的かつ化学的な安定性をもたらすために有利である。一実施形態においては、該錠剤コアの密度は、約0.9g/ccより大きい。
錠剤コアは、様々な異なる形状の1つを有してよい。例えば、錠剤コアは、多面体、例えば立方体、ピラミッド形、プリズム形等として形作られていてよく、又は幾つかの非平面を有する空間図形の形態、例えば円錐形、円錐台形、円柱形、球形、トーラス形等を有してよい。或る特定の実施形態においては、錠剤コアは、1つ以上の主要面を有する。例えば、錠剤コアの表面は、一般的に、圧縮装置中の上方のパンチ面及び下方のパンチ面との接触によって形成された上下の対向面を有する。そのような実施形態においては、錠剤コアの表面は、一般的に、圧縮装置中のダイ壁との接触によって形成された上面と下面との間に位置する「腹帯部(belly-band)」を更に含む。
上述したように、錠剤コアは、1つ以上の親水性ポリマーを含有する。好適な親水性ポリマーには、水膨潤性セルロース誘導体、ポリアルキレングリコール、熱可塑性ポリアルキレンオキシド、アクリルポリマー、親水コロイド、クレイ、ゲル化デンプン、膨潤性架橋ポリマー、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な水膨潤性セルロース誘導体の例として、カルボキシメチルナトリウムセルロース、架橋ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシイソプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシフェニルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシペンチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、及びヒドロキシプロピルエチルセルロース、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリアルキレングリコールの例として、ポリエチレングリコールが挙げられるが、それに限定されない。好適な熱可塑性ポリアルキレンオキシドの例として、ポリ(エチレンオキシド)が挙げられるが、それに限定されない。好適なアクリルポリマーの例として、メタクリレートジビニルベンゼンカリウムコポリマー、ポリメチルメタクリレート、高分子量架橋アクリル酸ホモポリマー及びコポリマー、例えばNoveon Chemicalsの商品名CARBOPOL(商標)で市販されているものが挙げられるが、これらに限定されない。好適な親水コロイドの例として、アルギン酸塩、寒天、グアーガム、ローカストビーンガム、カッパカラギーナン、イオタカラジーナン、タラ、アラビアゴム、トラガカント、ペクチン、キサンタンガム、ゲランガム、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プスツラン、ラミナリン、スクレログルカン、アラビアゴム、イヌリン、ペクチン、ゼラチン、ウェラン、ラムザン、ズーグラン、メチラン、キチン、シクロデキストリン、キトサン、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適なクレイの例として、ベントナイト、カオリン、及びラポナイト等のスメクタイト;三ケイ酸マグネシウム;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適なゲル化デンプンの例として、酸加水分解性デンプン、膨潤性デンプン、例えばデンプングリコール酸ナトリウム、及びそれらの誘導体、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な膨潤性架橋ポリマーの例として、架橋ポリビニルピロリドン、架橋寒天、及び架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態においては、胃腸液のような流体と接触したときに錠剤中に水を引き込むために、浸透圧原(osmogen)が錠剤コア中に導入される。本明細書で使用される浸透圧原は、コア全体に水を分配するために錠剤コア中に水を優先的に引き込む水溶性成分であり、こうして該コア中に含まれる活性成分は放出され得る。一実施形態においては、浸透圧原は、塩、例えば限定されるものではないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウムである。
担体は、錠剤の配合物に好適な1つ以上の賦形剤を含有することができる。好適な賦形剤の例として、充填剤、吸着剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、滑剤、放出調節賦形剤、スーパー崩壊剤、抗酸化剤、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
適切な充填剤には、限定されるものではないが、水溶性の圧縮性炭水化物、例えば糖類(例えばデキストロース、スクロース、マルトース及びラクトース)、デンプン(例えばコーンスターチ)、糖アルコール(例えばマンニトール、ソルビトール、マルチトール、エリトリトール及びキシリトール)、デンプン加水分解物(例えばデキストリン及びマルトデキストリン)、及び水不溶性の塑性変形する材料(例えば微結晶性セルロース又はその他のセルロース誘導体)、並びにそれらの混合物が含まれる。適切な吸着剤(例えば液状薬剤組成物を吸着するため)には、限定されるものではないが、水不溶性の吸着剤、例えばリン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、ケイ酸化微結晶性セルロース(例えば、PROSOLVの銘柄(PenWest Pharmaceuticals、ニューヨーク州パターソン)で流通するもの)、アルミノメタケイ酸マグネシウム(例えばNEUSILIN(商標)の銘柄(Fuji Chemical Industries (USA) Inc.、ニュージャージー州ロビンズビル)で流通するもの)、クレイ、シリカ、ベントナイト、ゼオライト、ケイ酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、ビーガム及びそれらの混合物が含まれる。
好適な結合剤には、乾燥結合剤、例えばポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルメチルセルロース;湿潤結合剤、例えばアカシア、アルギン酸塩、寒天、グアーガム、ローカストビーン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、タラ、アラビアゴム、トラガカント、ペクチン、キサンタン、ゲラン、ゼラチン、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プスツラン、ラミナリン、スクレログルカン、イヌリン、ウェラン、ラムザン、ズーグラン、メチラン、キチン、シクロデキストリン、キトサン、ポリビニルピロリドン、セルロース系、スクロース、及びデンプン等の親水コロイドを含む水溶性ポリマー;並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な崩壊剤には、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、デンプン、微結晶セルロース、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
好適な滑沢剤には、長鎖脂肪酸及びそれらの塩、例えばステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸、タルク、グリセリド、蝋、並びにそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。好適な滑剤には、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが、それに限定されない。好適な放出調節賦形剤には、不溶性食用物質、pH依存性ポリマー、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
放出調節賦形剤として使用される好適な不溶性食用物質には、水不溶性ポリマー及び低温融解疎水性物質、それらのコポリマー、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な水不溶性ポリマーの例として、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクトン、酢酸セルロース、及びそれらの誘導体、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、アクリル酸コポリマー、それらのコポリマー、並びにそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。好適な低温融解疎水性物質には、脂肪、脂肪酸エステル、リン脂質、蝋、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。好適な脂肪の例として、水添植物油、例えばココアバター、水添パーム核油、水添綿実油、水添ヒマワリ油、及び水添大豆油、遊離脂肪酸、及びそれらの塩、並びにそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。好適な脂肪酸エステルの例として、スクロース、脂肪酸エステル、モノ、ジ、及びトリグリセリド、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、GlycoWax−932、ラウロイルマクロゴール−32グリセリド、ステアロイルマクロゴール−32グリセリド、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。好適なリン脂質の例として、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセレン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。好適な蝋の例として、カルナバ蝋、鯨蝋、蜜蝋、カンデリラ蝋、シェラック蝋、微結晶蝋、及びパラフィン蝋;脂肪含有混合物、例えばチョコレート及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。スーパー崩壊剤の例として、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、及び架橋ポビドン(クロスポビドン)が挙げられるが、それらに限定されない。1つの実施形態において、錠剤コアは、最大約5重量%のこのようなスーパー崩壊剤を含有する。
抗酸化剤の例として、トコフェロール、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、エデト酸、及びエデト酸塩、並びにそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。防腐剤の例として、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸、及びソルビン酸、並びにそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の浸透圧錠剤は、浸透圧コーティングを含む。浸透圧コーティングは、半透性であることにより、例えば活性成分を放出するために、例えばコーティング中の予め設けられた穴を通じて、又は半透膜のコーティング自体を通じて錠剤コア中に水を引き込むことを可能にするコーティングである。このように、浸透圧コーティングは、水と接触したときに完全に溶解しない。一実施形態においては、浸透圧コーティングは、水溶性成分、例えば水と接触したときに水の更なる流入を促進することを助ける水溶性被膜形成剤を含有する。本発明においては、該浸透圧コーティングは、吹き付け塗布によって適用される。適切な吹き付け塗布法には、コーティングパンによる吹き付け塗布又は流動床法、例えばウルスターコーティング又はテキスト「The Theory and Practice of Industrial Pharmacy」, Lachman, Leon他, 第3版に記載されるトップスプレー流動床コーティングが含まれる。浸透圧コーティングは、水、有機溶媒又はそれらの混合物を用いて調製した溶液を使用して適用することができる。適切な有機溶媒には、限定されるものではないが、アセトン、イソプロパノール、塩化メチレン、ヘキサン、メタノール、エタノール及びそれらの混合物が含まれる。一実施形態においては、ポリマー(複数の場合もある)が、コーティング溶液中に溶解される。一実施形態においては、分散液を介して水不溶性ポリマーが適用される場合又はエチルセルロース分散液を使用する場合には、ポリマー(複数の場合もある)が分散される。
浸透圧コーティングが半透膜として機能する(例えば、水又は溶媒をコア中に通過させるが、溶解された薬学的に活性な作用物質に対しては不透過性であり、それにより薬学的に活性な作用物質は該コーティングを通して通過されない)一実施形態においては、被膜形成剤は、水不溶性ポリマー、pH依存性ポリマー、水溶性ポリマー及びそれらの組合せから選択される。一実施形態においては、該浸透圧コーティングは、水不溶性ポリマー及び細孔形成材料を含む。適切な水不溶性ポリマーの例には、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリカプロラクトン、酢酸セルロース及びその誘導体、アクリレート、メタクリレート、アクリル酸コポリマー並びにそれらの組合せが含まれる。一実施形態においては、水不溶性ポリマーは、酢酸セルロースである。一実施形態においては、浸透圧コーティングは、約10重量%から約100重量%までの水不溶性被膜形成剤を含む。
浸透圧コーティングの一実施形態においては、水不溶性ポリマーを水溶性被膜形成剤と組み合わせることで、得られた半透膜中に細孔が生成される。適切な被膜形成剤の例には、限定されるものではないが、水溶性ビニルポリマー、例えばポリビニルアルコール(PVA);水溶性高分子炭水化物、例えばヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、プルラン、メチルエチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、アルファ化デンプン及び被膜形成性化工デンプン;水膨潤性セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース(HEEC)及びヒドロキシエチルヒドロキシプロピルメチルセルロース(HEMPMC);水溶性コポリマー、例えばメタクリル酸及びメタクリル酸エステルコポリマー、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールコポリマー、ポリエチレンオキシド及びポリビニルピロリドンコポリマー;並びにそれらの混合物が含まれる。
一実施形態においては、pH依存性ポリマーが、浸透圧コーティング中に導入される。一実施形態においては、pH依存性ポリマーは、浸透圧コーティングの約10重量%から約50重量%までの濃度で使用される。適切な被膜形成性pH依存性ポリマーには、限定されるものではないが、腸溶性セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート及びセルロースアセテートフタレート;天然樹脂、例えばシェラック及びゼイン;腸溶性アセテート誘導体、例えばポリビニルアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート及びアセトアルデヒドジメチルセルロースアセテート;及び腸溶性アクリレート誘導体、例えばポリメタクリレート系ポリマー、例えばポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)(1:2比)(Rohm Pharma GmbHからEUDRAGIT STMの商品名で市販されている)及びポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)(1:1比)(Rohm Pharma GmbHからEUDRAGIT LTMの商品名で市販されている);並びにそれらの組合せが含まれる。一実施形態においては、浸透圧コーティングは、少なくとも5ミクロン、例えば約10ミクロンから約200ミクロンまで、例えば約20ミクロンから約150ミクロンまで、例えば約30ミクロンから約150ミクロンまでの平均厚さを有する。一実施形態においては、浸透圧コーティングは、多孔性を含まない(例えば、細孔容積が、0.01g/ccの細孔径範囲にある浸透圧コーティング)。一実施形態においては、浸透圧コーティングの平均細孔径は、約0.2ミクロン未満(例えば約0.15ミクロン未満)である。
一実施形態においては、浸透圧コーティングは、薬学的に活性な作用物質を実質的に含まない。一実施形態においては、浸透圧コーティングは、即時放出コーティング中に含まれる薬学的に活性な作用物質とは異なる薬学的に活性な作用物質を含む。一実施形態においては、浸透圧コーティングは、可塑剤を含む。一実施形態においては、該可塑剤は、即時放出コーティングの圧縮力に耐えるのに十分な量でなければならない。適切な可塑剤には、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;グリセリン;ソルビトール;クエン酸トリエチル;クエン酸トリブチル;セバシン酸ジブチル;植物油、例えばヒマシ油、グレープオイル(grape oil)、オリーブ油及びゴマ油;界面活性剤、例えばポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム及びスルホコハク酸ジオクチルナトリウム;グリセロールの一酢酸エステル;グリセロールの二酢酸エステル;グリセロールの三酢酸エステル;天然ガム;トリアセチン;クエン酸アセチルトリブチル;シュウ酸ジエチル;リンゴ酸ジエチル;フマル酸ジエチル;マロン酸ジエチル;フタル酸ジオクチル;コハク酸ジブチル;三酪酸グリセロール;硬化ヒマシ油;脂肪酸、例えばラウリン酸;グリセリド、例えば同じ又は異なる脂肪酸基、例えばステアリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸等で置換されていてよいモノグリセリド、ジグリセリド及び/又はトリグリセリド;並びにそれらの混合物が含まれる。一実施形態においては、可塑剤は、クエン酸トリエチルである。
一実施形態においては、本発明の錠剤で使用される浸透圧コーティングの断面積の少なくとも約50%に層紋が入っており、例えば浸透圧コーティング部分の断面積の少なくとも約80%に層紋が入っている。本明細書で使用される場合、「層紋が入っている」とは、層紋又は層を観察することができる任意の倍率及び採光条件下で観察した場合に、外観及びコーティング部の内部構造に関して不均一であることを意味する。医薬品経口剤形の圧縮された部分は層紋が入った領域を示さないが、吹き付け塗布された部分は層紋を示す。例えば、浸透圧コーティング部分の断面には層紋が入っていて、その断面は、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡を利用して約50倍〜約400倍の倍率で観察した場合に屈折特性に関して一様でない。特徴的な層紋は、(a)コーティング溶液の吹き付けによる塗布に引き続き、(b)回転するコーティングパン中で転動している錠剤床に温風乾燥を行うことからなる工程の複数回の繰り返しからなるため、コーティング材料の毎回適用したものを乾燥させることにより1層が形成されるにつれて多数のコーティング材料の層が堆積される吹き付け塗布の過程を示している。一実施形態においては、個々の層紋が入った層の厚さは、約10ミクロン〜約15ミクロンの範囲である。
或る特定の実施形態においては、浸透圧コーティングは、半透性(例えば複数の小さい開口部を含む)であり、レーザー又は他の手段を介して追加の開口部を加える必要はない。そのような一実施形態においては、該浸透圧コーティングの半透膜は、錠剤コア中の活性成分を、膜を通じて0次放出又は1次放出の方式で放出することも可能にする。
1つの実施形態において、即時放出コーティングは、少なくとも50ミクロン、例えば約50ミクロン〜約2500ミクロン;例えば、約250ミクロン〜約1000ミクロンの平均厚を有する。実施形態において、即時放出コーティングは通例、特定の層の重量及び容量で測定するとして約0.9g/cc超の密度で圧縮される。
1つの実施形態において、即時放出コーティングは、第1の部分及び第2の部分を含有し、それらの部分の少なくとも一方は、第2の薬学的に活性な作用物質を含有する。1つの実施形態において、それらの部分は錠剤の中心軸で互いに接触する。1つの実施形態において、第1の部分は第1の薬学的に活性な作用物質を含み、第2の部分は第2の薬学的に活性な作用物質を含む。
1つの実施形態において、第1の部分は第1の薬学的に活性な作用物質を含有し、第2の部分は第2の薬学的に活性な作用物質を含有する。1つの実施形態において、それらの部分の一方は、第3の薬学的に活性な作用物質を含有する。1つの実施形態において、それらの部分の1つは錠剤コアに含有するものと同じ薬学的に活性な作用物質の第2の即時放出部分を含有する。
1つの実施形態において、外側のコーティング部分を物質の乾燥混和物として調製した後にコーティング済の錠剤コアに添加する。別の実施形態において、外側のコーティング部分は、薬学的に活性な作用物質を含む乾燥顆粒物から構成される。
一実施形態においては、適切なフレーバー剤又は芳香剤が、外側コーティングに添加されてよい。適切なフレーバー剤及び芳香剤の例には、限定されるものではないが、アルコール類、エステル類、アルデヒド類及びラクトン類の混合物を含む刻まれた花、葉、皮若しくは全果肉の蒸留物、溶媒抽出物又は低温圧搾物を含む精油;精油の希釈溶液又は果実(例えばイチゴ、ラズベリー及び黒スグリ)の天然フレーバーに匹敵するように配合された合成化学物質の混合物のいずれかを含むエッセンス;醸造酒及び蒸留酒(例えばコニャック、ウイスキー、ラム、ジン、シェリー、ポルト及びワイン)の人工フレーバー及び天然フレーバー;タバコ、コーヒー、紅茶、ココア及びミント;水洗いしこすり洗いした果実、例えばレモン、オレンジ及びライムから絞った果汁を含む果実果汁;ミント;ショウガ;シナモン;カコエ(cacoe)/ココア;バニラ;リコリス;メントール;ユーカリ;アニスの実;ナッツ(例えばピーナッツ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、栗、クルミ及びコーラナッツ);アーモンド;レーズン;並びに例えばタバコ植物の一部(例えば治療用ニコチンのレベルには有意には寄与しない量でのニコチアナ属)を含む粉末材料、細粉材料又は植物材料の一部並びにそれらの混合物が含まれる。
上記の様々な薬物放出機序を有する配合物を、単一の単位又は複数の単位を含有する最終剤形に組み合わせることができる。複数の単位の例として、多層錠剤、錠剤含有カプセル、ビーズ、又は固形若しくは液体の形態の顆粒が挙げられる。通例の即時放出配合物として、圧縮錠剤、ゲル、薄膜、コーティング剤、液体、及び例えばゼラチンカプセルで封入することができる粒子が挙げられる。コーティング処理、被覆処理、又は組込み処理した薬剤を調製する多くの方法が当該分野において知られている。
即時放出の投与量である剤形の単位、すなわち錠剤、複数の薬剤含有ビーズ、顆粒、若しくは粒子、又はコーティングされたコア剤形の外層は、治療有効量の活性物質及び従来の医薬賦形剤を含有する。即時放出投与の単位はコーティングしてもしなくてもよく、また遅延放出投与の単位(単数又は複数)を混合してもしなくてもよい(即時放出薬剤含有顆粒、粒子、又はビーズ及び遅延放出薬剤含有顆粒又はビーズの封入混合物の場合)。即時放出錠剤(例えばカプセル中に導入される)の好ましい1つの製造方法は、薬剤含有混和物、例えば直接的な混和物の湿式造粒法又は乾式造粒法を使用して調製された顆粒の混和物を圧縮することによるものである。即時放出錠剤は、圧縮ではなく、適切な水溶性滑沢剤を含有する湿った材料から出発して成形することもできる。しかしながら、本明細書に記載される好ましい錠剤は、成形ではなく圧縮を使用して製造される。即時放出薬剤含有混和物を形成するための好ましい方法は、薬剤粒子を1種又は複数種の賦形剤、例えば希釈剤(又は充填剤)、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、滑剤及び/又は着色剤と直接的に混合することである。直接的な混和の1つの選択肢として、薬剤含有混和物は、湿式造粒法又は乾式造粒法を使用することによって調製され得る。活性物質を含有するビーズを、多くの従来法のいずれか1つによって、一般的には流体分散体から出発して調製することもできる。例えば、薬剤含有ビーズの典型的な調製方法は、活性物質と、通常の医薬品賦形剤、例えば微結晶性セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、タルク、金属ステアリン酸塩及び二酸化ケイ素とを混和することを包含する。その混合物は、約20メッシュ〜60メッシュのサイズを有する糖球(例えば「ノンパレイル」)等のビーズコアをコーティングするために使用される。
薬剤ビーズの調製のための選択的な手順は、表題の薬剤と、1種又は複数種の薬学的に許容可能な賦形剤、例えば微結晶性セルロース、ラクトース、セルロース、ポリビニルピロリドン、タルク、ステアリン酸マグネシウム及び崩壊剤とを混和し、その混和物を押出し、押出物を球形化し、乾燥させ、そして任意に該ビーズをコーティングして、即時放出ビーズを形成することによるものである。
持続放出配合物は一般に、例えば「Remington-The Science and Practice of Pharmacy」(20th. Ed., Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore, Md., 2000)に記載のように拡散系又は浸透圧系として調製される。拡散系は通例、当該技術分野において既知であり、報告されている2種類のデバイス、リザーバー及びマトリックスの1つのみからなる。マトリックスデバイスは一般に、ポリマー担体を錠剤形態にゆっくり溶解させながら薬剤を圧縮することにより調製される。マトリックス機構の製造で使用される3種の主要な種類の材料は、不溶性プラスチック、親水性ポリマー及び脂肪化合物である。プラスチックマトリックスは、限定されるものではないが、メチルアクリレート−メチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル及びポリエチレンを含む。親水性ポリマーには、限定されるものではないが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びCarbopol(商標)934並びにポリエチレンオキシドが含まれる。脂肪化合物には、限定されるものではないが、様々な蝋、例えばカルナウバ蝋及びトリステアリン酸グリセリルが含まれる。その一方で、持続放出配合物は、浸透圧系を使用して調製することができ、又は剤形に半透性コーティングを適用することによって調製することができる。後者の場合に、所望な薬剤放出プロファイルは、低透過性コーティング材料と高透過性コーティング材料とを適切な割合で組み合わせることによって実現することができる。
いずれかの持続放出コアの表層に即時放出層を塗布する手段、つまりコーティング若しくは圧縮方法を用いるか、又は持続放出ビーズ及び即時放出ビーズを含有するカプセル等の複数の単位系において、即時放出部分を持続放出系に添加することができる。
親水性ポリマーを含有する持続放出錠剤は、当該技術分野において通常知られている技法によって、例えば直接圧縮法、湿式造粒法又は乾式造粒法によって調製される。これらの配合物は、通常、ポリマー、希釈剤、結合剤及び滑沢剤並びに医薬品活性成分を混ぜ合わせている。通常の希釈剤には、不活性粉末状物質、例えば様々な種類のデンプン、粉末状セルロース、特に結晶性セルロース及び微結晶性セルロース、糖類、例えばフルクトース、マンニトール及びスクロース、穀粉及び同様の可食粉末が含まれる。一般的な希釈剤には、例えば様々な種類のデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウム又は硫酸カルシウム、無機塩、例えば塩化ナトリウム及び粉状糖が含まれる。粉末状セルロース誘導体も有用である。一般的な錠剤結合剤には、デンプン、ゼラチン及び糖類、例えばラクトース、フルクトース及びグルコース等の物質が含まれる。アカシア、アルギン酸塩、メチルセルロース及びポリビニルピロリドンを含む天然ガム及び合成ガムを使用することもできる。ポリエチレングリコール、親水性ポリマー、エチルセルロース及び蝋は、結合剤としても用いることができる。滑沢剤は、錠剤配合において、錠剤及びパンチがダイ中でくっつかないようにするのに必要である。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム、ステアリン酸及び水添植物油のような滑りやすい固体から選択される。蝋材料を含有する持続放出錠剤は、一般的に、当該技術分野で既知の方法を使用して、例えば直接的な混和法、凝固法及び水性分散液法を使用して調製される。凝固法においては、薬剤は、蝋材料と混合され、噴霧凝固若しくは凝固され、そして篩別及び加工が行われる。
遅延放出投与用の配合物を、胃部の酸環境においては不溶性であるが、小腸部の中性環境においては可溶性であるポリマーの薄膜で固形剤形をコーティングすることによって作製する。遅延放出投与の単位を、例えば選択したコーティング物質で薬剤又は薬剤含有組成物をコーティングすることにより調製することができる。薬剤含有組成物は、カプセルに組み込む錠剤、「コーティングされたコア」剤形の内部コアとして使用される錠剤、又は錠剤若しくはカプセルのいずれかに組み込むための複数の薬剤含有ビーズ、粒子、若しくは顆粒であってよい。好ましいコーティング材料には、生体内分解性の、漸次的加水分解可能な、漸次的水溶性の、及び/又は酵素分解可能なポリマーが含まれ、それらは通常の「腸溶性」ポリマーであってよい。腸溶性ポリマーは、当業者により理解されるように、下部胃腸管のより高いpH環境において可溶性となるか、又は該剤形が胃腸管を通過するにつれゆっくりと侵食され、その一方で、酵素分解可能なポリマーは、下部胃腸管、特に結腸に存在する細菌性酵素によって分解される。遅延放出を起こすのに適したコーティング材料には、限定されるものではないが、セルロースポリマー、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート及びカルボキシメチルセルロースナトリウム;アクリル酸系ポリマー及びコポリマー、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート及び/又はエチルメタクリレートから形成されるアクリル酸系ポリマー及びコポリマー並びに商品名EUDRAGIT(商標)(Rohm Pharma; [0086]ドイツ、ヴェスターシュタット)、例えばEUDRAGIT(商標)L30D−55及びL100−55(pH5.5以上で可溶性)、EUDRAGIT(商標)1,100D(pH6.0以上で可溶性)、EUDRAGIT(商標)S(より高いエステル化度の結果としてpH7.0以上で可溶性)、並びにEUDRAGIT(商標)NE、RL及びRS(異なる程度の透過性及び膨張性を有する水不溶性ポリマー)として市販されているその他のメタクリル酸系樹脂;ビニルポリマー及びコポリマー、例えばポリビニルピロリドン、ビニルアセテート、ビニルアセテートフタレート、ビニルアセテートクロトン酸コポリマー及びエチレン−ビニルアセテートコポリマー;酵素分解可能なポリマー、例えばアゾポリマー、ペクチン、キトサン、アミラーゼ及びグアーガム;ゼイン及びシェラックが含まれる。種々のコーティング材料の組合せを使用してもよい。様々なポリマーを使用する多層コーティングが適用されてもよい。特定のコーティング材料のために好ましいコーティングの重量は、様々なコーティング材料の種々の量を用いて調製された錠剤、ビーズ及び顆粒についての個々の放出プロファイルを評価することによって、当業者により簡単に決定することができる。それは、臨床研究からのみ決定することができる、所望の放出特性を生ずる材料、方法及び適用形の組合せである。
コーティング組成物は、通常の添加剤、例えば可塑剤、顔料、着色剤、安定化剤、滑剤等を含んでよい。可塑剤は、通常は、コーティングの脆弱性を下げるために存在し、一般的にポリマーの乾燥重量に対して約10wt.%〜50wt.%に相当することとなる。一般的な可塑剤の例には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、ヒマシ油及びアセチル化モノグリセリドが含まれる。安定化剤は、好ましくは分散液中で粒子を安定化するために使用される。一般的な安定化剤は、非イオン性乳化剤、例えばソルビタンエステル、ポリソルベート及びポリビニルピロリドンである。滑剤は、被膜形成及び乾燥の間のくっつき作用を減らすために推奨され、一般的にコーティング溶液中のポリマー重量の約25wt.%〜100wt.%に相当することとなる。1つの効果的な滑剤は、タルクである。ステアリン酸マグネシウム及びモノステアリン酸グリセロール等のその他の滑剤を使用することもできる。二酸化チタン等の顔料を使用することもできる。少量の消泡剤、例えばシリコーン(例えばジメチコーン)を、コーティング組成物に添加することもできる。
その一方で、遅延放出錠剤は、薬剤を適切な材料、例えば親水性ポリマー又は脂肪化合物のマトリックス内に分散させることによって配合することができる。適切な親水性ポリマーには、限定されるものではないが、セルロース、セルロースエステル、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート及びビニルのポリマー若しくはコポリマー、又は上記のような酵素分解可能なポリマー若しくはコポリマーが含まれる。これらの親水性ポリマーは、遅延放出性マトリックスを得るためには特に有用である。マトリックス材料として使用するための脂肪化合物には、限定されるものではないが、蝋(例えばカルナウバ蝋)及びトリステアリン酸グリセロールが含まれる。活性成分を該マトリックス材料と混合したら、その混合物は錠剤へと圧縮され得る。
パルス放出型剤形は、複数回投与プロファイルを模倣しているが反復投与せず、また通例、従来の剤形として(例えば溶液又は即時型の薬剤を放出する従来の固形剤形として)存在する薬剤に比べ少なくとも投与頻度を1/2に減少させることが可能な剤形である。パルス放出プロファイルは、放出なし(時間差)又は低量を放出した後に迅速に薬剤を放出する時間周期を特徴とする。
それぞれの剤形は治療有効量の活性物質を含有する。1日2回の投与プロファイルを模倣する剤形の1つの実施形態において、剤形中の活性物質の総量のおよそ30wt.%〜70wt.%、好ましくは40wt.%〜60wt.%を第1のパルスで放出し、それに対応して、剤形中の活性物質の総量のおよそ70wt.%〜3.0wt.%、好ましくは60wt.%〜40wt.%を第2のパルスで放出する。1日2回の投与プロファイルを模倣する剤形において、第2のパルスは投与のおよそ3時間〜14時間未満、より好ましくはおよそ5時間〜12時間後に放出されることが好ましい。
1日3回の投与プロファイルを模擬した剤形のためには、該剤形中の活性物質の全量の約25wt.%〜40wt.%が、第1のパルスで放出され、そして該剤形中の活性物質の全量の約25wt.%〜40wt.%が、第2のパルスと第3のパルスとのそれぞれで放出される。1日3回の投与プロファイルを模擬した剤形のためには、第2のパルスの放出は、経口投与の、好ましくは約3時間〜10時間の後に行われ、より好ましくは約4時間〜9時間の後に行われる。第3のパルスの放出は、一般的に経口投与の約5時間〜約18時間の後である第2のパルスの約2時間〜約8時間の後に生じる。
剤形は、少なくとも2つの薬剤含有投与単位を収容し、それぞれの投与単位が1つ以上の圧縮錠剤を含む閉じたカプセル剤であってよく、又は複数のビーズ、顆粒若しくは粒子を含んでよいが、それぞれの投与単位は、異なる薬剤放出プロファイルを有するものとする。即時放出投与の単位は、経口投与の実質的に直後に薬剤を放出し、こうして第1の用量がもたらされる。遅延放出投与の単位は、経口投与の約3時間〜14時間の後に薬剤を放出し、こうして第2の用量がもたらされる。最後に、任意の第2の遅延放出投与の単位は、一般的に経口投与の5時間〜18時間の後である第2の用量の放出の約2時間〜8時間の後に薬剤を放出する。
別の剤形は、薬剤を含有する即時放出投与の単位、遅延放出投与の単位、及び任意の第2の遅延放出投与の単位を有する圧縮錠剤又はカプセルを含有する。この剤形では、即時放出投与の単位は、第1の投薬となる、実質的に経口投与直後に薬剤を放出する複数のビーズ、顆粒、粒子を含有する。遅延放出投与の単位は複数のコーティングしたビーズ又は顆粒を含有し、第2の投薬となる、経口投与のおよそ3時間〜14時間後に薬剤を放出する。
任意の第2の遅延放出投与の単位は、一般的に経口投与の5時間〜18時間の後である第1の遅延放出用量の投与の約2時間〜8時間の後に薬剤を放出するコーティングされたビーズ又は顆粒を含有する。遅延放出投与の単位におけるビーズ又は顆粒)は、生体内分解性のポリマー材料でコーティングされる。このコーティングは、薬剤が適切な時間まで放出されないようにする、すなわち、遅延放出投与の単位については、経口投与の約3時間〜14時間未満の後まで薬剤が放出されないようにし、かつ任意の第2の遅延放出投与の単位については、経口投与の少なくとも5時間〜約18時間後まで薬剤が放出されないようにする。この剤形においては、複数の成分が錠剤に混ぜられていてよく、又は成層されて積層錠剤が形成されてもよい。
もう1つの剤形は、薬剤含有の即時放出投与の単位、遅延放出投与の単位及び任意の第2の遅延放出投与の単位を有する錠剤であって、該即時放出投与の単位が、経口投与の実質的に直後に薬剤を放出する外側層を含む錠剤である。しかしながら、残りの遅延放出投与量(複数の場合もある)の配置は、該剤形が1日2回の投与又は1日3回の投与のどちらを模擬するように設計されるかに依存している。
1日2回の投与を模擬した剤形においては、遅延放出性投与の単位は、生体内分解性のポリマー材料でコーティングされた内側コアを含む。そのコーティングは、薬剤の放出が、経口投与の約3時間〜14時間未満の後に生ずるように適用される。この剤形では、外側層は、内側コアを完全に取り囲んでいる。1日3回の投与を模擬した剤形においては、(第1の)遅延放出用量は、経口投与の約3時間〜14時間未満の後に薬剤を放出する内層を含む。この内層は、外側層によって取り囲まれている。第2の遅延放出投与の単位は、一般的に、経口投与の少なくとも5時間〜約18時間の後に薬剤を放出する内側コアを含む。したがって、この錠剤の層は(外面から出発して)、外側層、内層及び内側コアを含む。内側コアは、遅延放出性のビーズ又は顆粒を含む。さらに、内層は、生体内分解性のポリマー材料でコーティングされた薬剤を含む。その一方で、1日3回の投与を模擬したこの特定の剤形において、遅延放出投与の単位及び第2の遅延放出投与の単位の両方は、内側層によって取り囲まれている。この内側層は、活性物質を含まない。したがって、この錠剤の層は(外面から出発して)、外側層、内側層及び複数の遅延放出投与単位の混合物を含む。第1の遅延放出パルスは、内側層が実質的に侵食されたら生じ、それにより複数の遅延放出投与単位の混合物が放出される。その内側層が、適切な時間にわたって、例えば約3時間から10時間まででこの用量に到達させなかったので、(第1の)遅延放出投与の単位に相当する用量は即時放出される。しかしながら、第2の遅延放出用量は、経口投与後の少なくとも5時間〜約18時間にわたって実際に遅延放出するように配合される。
1日2回の投与を模擬した配合物に関しては、遅延放出用量が、経口投与の約3時間から14時間後までに放出されることが好ましく、経口投与の約5時間から12時間後までに放出されることがより好ましい。1日3回の投与を模擬した配合物に関しては、(第1の)遅延放出用量が、経口投与の約3時間から10時間後までに放出されることが好ましく、経口投与の4時間から9時間後までに放出されることが好ましい。第3の用量を含有する剤形に関しては、第3の用量(すなわち第2の遅延放出用量)は、経口投与の少なくとも5時間〜約18時間後に放出される。
更なるもう1つの実施形態においては、コアがコーティングされた型の送達系を含む剤形であって、外側層が活性物質を含有する即時放出投与の単位を含むため、該層中の活性物質が経口投与後に即時放出され、該層の下にコアを取り囲む中間層を含み、かつ即時放出性のビーズ又は顆粒及び遅延放出性のビーズ又は顆粒を含有するコアを含み、第2の用量が、該即時放出性のビーズ又は顆粒によってもたらされ、かつ第3の用量が、該遅延放出性のビーズ又は顆粒によってもたらされる剤形が提供される。
経皮(例えば局所)投与において、希釈された滅菌の水溶液又は部分的に水溶液(通常約0.1%〜5%の濃度)、又は上記非経口溶液に類似のものを調製することができる。
或る特定の量の、1つ以上の式I若しくは式IIの化合物又は他の活性物質を含む種々の医薬組成物を調製する方法が当業者に知られており、又は本開示に照らして明らかとなる。医薬組成物を調製する方法の例として、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 19th Edition (1995)を参照されたい。
さらに、或る特定の実施形態において、本出願の被検組成物を凍結乾燥させ、又は該組成物に噴霧乾燥等の別の適当な乾燥技法を行うことができる。被検組成物を1回投与することができ、又は複数の少量の用量に分け、組成物の放出の割合及び所望の投与量に一部応じて種々の時間間隔にて投与することができる。
本明細書に挙げる方法に有用な配合物には、経口、経鼻、局所(頬内及び舌下を含む)、経直腸、膣内、エアロゾル、及び/又は非経口の投与に適したものが挙げられる。配合物は、便宜上単位剤形で与えられ、製薬分野において既知の任意の方法により調製することができる。担体物質と組み合わせて単回用量とすることができる被検組成物の量は、治療を行う対象及び特定の投与様式に応じて変化させることができる。
これらの配合物又は組成物を調製する方法は、被検組成物と担体及び場合により、1つ以上の補助成分とを会合させる工程を含む。一般に、配合物は、被検組成物と液状担体とを均一及び密接に会合させ、又は固体担体を微粉化し、又はその両方によって調製し、必要な場合は生成物を成形する。
本明細書に記載の式I又は式IIの化合物は、吸入用又はエアロゾル用の配合物で投与することができる。吸入剤用又はエアロゾル用の配合物は、1つ以上の作用物質、例えば吸入療法に有用なアジュバント、診断薬、造影剤、又は治療物質を含むことができる。最終のエアロゾル用配合物は、例えば配合物の総重量に対して0.005% w/w〜90% w/w、例えば0.005% w/w〜50% w/w、0.005% w/w〜5% w/w、又は0.01% w/w〜1.0% w/wの医薬を含有することができる。
本明細書における配合物は、成層圏オゾンの分解を引き起こし得る成分を含まないことが望ましいが、必ずしもそれが必要というわけではない。特に、該配合物は、クロロフルオロカーボン、例えばCClF、CCl及びCFCClを実質的に含まないことが望ましい。オゾン破壊剤に関して使用される場合に、「実質的に含まない」とは、噴射剤系に対して1% w/w未満を意味し、特に0.5%未満、例えば0.1%以下を意味する。
噴射剤は、任意に該噴射剤より高い極性及び/又はより高い沸点を有する補助剤を含有してもよい。使用することができる極性の補助剤には、(例えばC2〜6)脂肪族アルコール及びポリオール、例えばエタノール、イソプロパノール及びプロピレングリコールが含まれる。一般的に、僅か少量の極性の補助剤(例えば0.05% w/w〜3.0% w/w)が、分散液の安定性を改善するために必要とされ得る。5% w/wの過剰量の使用は、医薬を溶解する傾向があり得る。本明細書に記載される配合物は、1% w/w未満の、例えば約0.1% w/wの極性の補助剤を含有してよい。しかしながら、該配合物は、極性の補助剤、例えばエタノールを実質的に含まなくてよい。適切な揮発性の補助剤には、飽和炭化水素、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタン及びイソペンタン並びにアルキルエーテル、例えばジメチルエーテルが含まれる。一般的に、噴射剤の50% w/wまでは、揮発性の補助剤を含んでよく、例えば1% w/w〜30% w/wの揮発性の飽和C1〜C6炭化水素を含んでよい。
任意に、エアロゾル配合物は、1種又は複数種の界面活性剤を更に含んでよい。該界面活性剤は、吸入による投与に際して生理学的に許容可能でなければならない。この範疇の中で、L−α−ホスファチジルコリン(PC)、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、オレイン酸、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、天然レシチン、オレイルポリオキシエチレン(2)エーテル、ステアリルポリオキシエチレン(2)エーテル、ラウリルポリオキシエチレン(4)エーテル、オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロックコポリマー、合成レシチン、ジエチレングリコールジオレエート、テトラヒドロフルフリルオレエート、エチルオレエート、イソプロピルミリステート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノリシノレート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール400、セチルピリジニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、オリーブ油、グリセリルモノラウレート、トウモロコシ油、綿実油及びヒマワリ種子油等の界面活性剤が含まれる。適切な界面活性剤には、レシチン、オレイン酸及びソルビタントリオレエートが含まれる。
眼科用配合物、眼軟膏、粉剤、液剤等も、本明細書の開示の範囲内と考えられる。
非経口投与のために適した本明細書に開示される或る特定の医薬組成物は、1種又は複数種の主題組成物と組み合わせて、1種又は複数種の薬学的に許容可能な滅菌の、等張性の、水性又は非水溶性の溶液、分散液、懸濁液若しくは乳濁液、又は使用直前に再構成することで滅菌の注射可能な溶液若しくは分散液とすることができる滅菌粉末を含み、上記医薬組成物は酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、意図される受給者の血液又は懸濁剤若しくは増粘剤と等張性の配合物にする溶質を含有し得る。
医薬品組成物で使用することができる適切な水性及び非水性の担体の例には、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)及びそれらの適切な混合物、植物油、例えばオリーブ油並びに注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが含まれる。適切な流動性は、例えばレシチンのようなコーティング材料を使用することによって、分散液の場合に必要とされる粒度を維持することによって、また界面活性剤を使用することによって維持することができる。
経口投与のために適した配合物は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(フレーバー付けされた基剤、通常はスクロース及びアカシア又はトラガカントを使用して)、粉剤、顆粒剤の形で、又は水性若しくは非水性の液体中の液剤若しくは懸濁液剤として、又は水中油若しくは油中水の液状乳濁液剤として、又はエリキシル剤若しくはシロップ剤として、又は香錠(不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアを使用して)として存在してよく、それぞれは、予め決められた量の主題組成物を活性成分として含有する。主題組成物は、巨丸剤、舐剤又はペースト剤として投与することもできる。
経口投与のための固形剤形(カプセル、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉末、顆粒等)において、被検組成物を、1つ以上の薬学的に許容可能な担体及び/又は以下のいずれかと混合する:(1)充填剤又は増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/又はケイ酸;(2)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/又はアカシア等;(3)保湿剤、例えばグリセロール;(4)崩壊剤、例えば粉寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン、又はタピオカデンプン、アルギン酸、或る特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム;(5)難溶剤、例えばパラフィン;(6)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えばアセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール等;(8)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイトクレイ;(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール固体、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物;並びに(10)着色剤。カプセル、錠剤、及び丸剤の場合において、医薬組成物は、緩衝剤も含むことができる。同様の種類の固形組成物を、ラクトース又は乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコール等を用いた軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルの充填剤としても使用することができる。
錠剤は、圧縮又は成形によって、任意に1種又は複数種の補助成分を用いて製造することができる。圧縮錠剤は、結合剤(例えばゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面改質剤又は分散剤を使用して調製され得る。成形錠剤は、適切な装置中で、不活性液状希釈剤で湿らせた主題組成物の混合物を成形することによって製造され得る。錠剤、及びその他の固形剤形、例えば糖剤、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤は、任意に、コーティング及びシェル、例えば腸溶性コーティング及び医薬品配合の技術分野でよく知られたその他のコーティングで印を付けるか又は調製することができる。
19世紀後半から錠剤の使用が普及し、大部分の医薬品剤形は錠剤として市場に出回っている。剤形として錠剤が人気であることの主な理由は、単純であること、低コスト、及び生産速度である。その他の理由には、薬剤製品の安定性、包装、輸送及び投薬の利便性が含まれる。患者又は顧客に対して、錠剤は、投与の利便性、正確な投与の容易性、小型であること、携帯性、味覚の無刺激性、投与の容易性及び洗練された特徴的な外観を提供する。
錠剤は、素のままであっても、フィルムコートされても、若しくは糖衣が施されても、分割されていても、エンボス加工されても、層状であっても、又は徐放性であってもよい。それらの錠剤は、様々なサイズ、形状及び色で製造されてよい。錠剤は、飲み込まれても、咀嚼されても、又は口腔内若しくは舌下で溶かされてもよい。それらの錠剤は、局在又は局所適用のために水中に溶解されてよい。滅菌錠剤は、通常は、非経口溶液のため、及び皮下埋め込みのために使用される。
活性成分又は治療用成分に加えて、錠剤は、賦形剤として知られている多くの不活性材料を含有してよい。それらの材料は、最終錠剤において担う役割に応じて分類することができる。主たる組成物は、充填剤、結合剤、滑沢剤及び滑剤の1種又は複数種を含んでよい。完成した錠剤に物理的特性を与えるその他の賦形剤は、着色剤、及びフレーバー(特にチュアブル錠剤の場合に)である。賦形剤を用いないと、殆どの薬剤及び医薬成分は、錠剤に直接圧縮することができない。この理由は、主として、殆どの薬剤の流動特性及び凝集特性が不十分であるからである。一般的に、圧縮される材料に良好な流動特性及び圧縮特性を与えるために賦形剤が配合物に添加される。そのような特性は、前処理工程、例えば湿式造粒、スラッギング、噴霧乾燥球形化又は結晶化を通じて与えられる。
滑沢剤は、一般的に、打錠する材料がパンチにくっつくのを防ぐために、錠剤圧縮の間の摩擦を最小化するために、そして圧縮された錠剤をダイから取り出すことを可能にするために添加される。そのような滑沢剤は、通常は、約1重量%の量で最終錠剤混合物中に含まれる。
圧縮錠剤を製造するために、湿式造粒、直接圧縮及び乾式造粒(スラッギング又はローラー圧縮)といった少なくとも3種の商業的に重要な方法が存在する。製造方法及び賦形剤の種類は、錠剤の迅速な圧縮を可能にする所望の物理的特性が錠剤配合物に与えられるように選択される。圧縮後に、錠剤は、外観、硬度、崩壊能及び許容可能な溶解プロファイルのような多数の追加の特質を有さねばならない。充填剤及びその他の賦形剤の選択は、薬剤の化学的及び物理的特性、加工の間の混合物の挙動並びに最終錠剤の特性に依存することとなる。活性成分と提案される賦形剤との化学的及び物理的な適合性を調べるためにプレフォーミュレーション研究が行われる。
薬剤の特性、その剤形及び作業の経済性は、打錠のための最良の方法の選択を決定づけることとなる。一般的に、湿式造粒及び直接圧縮の両方ともが錠剤の開発で使用される。
1つの配合物は、以下の、式I又は式IIの化合物及び結合剤を含む。薬学的に許容可能な結合剤の例には、限定されるものではないが、デンプン;セルロース及びそれらの誘導体、例えば微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース及びヒドロキシルプロピルメチルセルロース;スクロース;デキストロース;コーンシロップ;多糖類;及びゼラチンが含まれる。結合剤は、例えば組成物の約1重量%から約40重量%までの量で、例えば1%〜30%又は1%〜25%又は1%〜20%の量で存在し得る。
任意に、1種、2種、3種又はそれより多くの希釈剤を、本明細書に開示される配合物に添加することができる。薬学的に許容可能な充填剤及び薬学的に許容可能な希釈剤の例には、限定されるものではないが、粉砂糖、圧縮性糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末状セルロース、ソルビトール、スクロース及びタルクが含まれる。充填剤及び/又は希釈剤は、例えば組成物の約15重量%から約40重量%までの量で存在し得る。或る特定の実施形態においては、希釈剤は、繊維質植物材料からパルプとして得られたαセルロースを希釈鉱酸溶液で制御加水分解することによって製造される微結晶性セルロースである。加水分解の後に、ヒドロセルロースを濾過によって精製し、そして水性スラリーを噴霧乾燥させることで、広いサイズ分布の乾燥した多孔質粒子が形成される。適切な微結晶性セルロースは、約20nmから約200nmまでの平均粒度を有することとなる。微結晶性セルロースは、幾つかの供給元から入手することができる。適切な微結晶性セルロースには、FMC Corporationによって製造されたAvicel PH 101、Avicel PH 102、Avicel PH 103、Avicel PH 105及びAvicel PH 200が含まれる。微結晶性セルロースは、錠剤配合物中に、約25重量%から約70重量%までの量で存在してよい。この材料のもう1つの適切な範囲は、約30重量%から約35重量%までであり、更にもう1つの適切な範囲は、約30重量%から約32重量%までである。もう1つの希釈剤は、ラクトースである。ラクトースは、配合の前に、約50μmから約500μmの間の平均粒度を有するまで粉砕されてよい。ラクトースは、錠剤配合物中に、約5重量%から約40重量%までの量で存在してよく、約18重量%から約35重量%までであってよく、例えば約20重量%から約25重量%までであってよい。
任意に、1種、2種、3種又はそれより多くの崩壊剤を、本明細書に記載される配合物に添加することができる。薬学的に許容可能な崩壊剤の例には、限定されるものではないが、デンプン;クレイ;セルロース;アルギン酸塩;ガム;架橋ポリマー、例えば架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースカルシウム及び架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム;大豆多糖類;並びにグアーガムが含まれる。崩壊剤は、例えば組成物の約2重量%から約20重量%まで、例えば約5重量%から約10重量%まで、例えば約7重量%の量で存在し得る。また崩壊剤は、任意であるが、錠剤配合物の有用な成分である。崩壊剤は、錠剤が許容可能な崩壊速度を有することを保証するために含まれる。典型的な崩壊剤には、デンプン誘導体及びカルボキシメチルセルロースの塩が含まれる。デンプングリコール酸ナトリウムは、この配合物のために適切な1つの崩壊剤である。或る特定の実施形態においては、崩壊剤は、錠剤配合物中に、約0重量%から約10重量%までの量で存在し、約1重量%から約4重量%までであってよく、例えば約1.5重量%から約2.5重量%までであってよい。
合成方法
スキームA:
Figure 2021534085
工程1
2−プロピルペンタノイルクロリド(2)の合成:ジクロロメタン(400mL)中の2−プロピルペンタン酸(1、40.0g、0.277mol)の氷冷撹拌溶液に、塩化オキサリル(70.41g、0.555mol)を加え、続いてDMF(7.0mL、0.083mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温で次の4時間撹拌した。反応の完了後(TLCモニタリング、一部をMeOH中でクエンチすることによる)、溶媒を窒素雰囲気のもと減圧下で蒸発させて、2を淡黄色の液体として得た。粗製物を、データを記録せずに次の工程に直接使用した。収率:40.0g、89%。
工程2:
(2R,3R,4R,5R)−2−(5−フルオロ−2−オキソ−4−(2−プロピルペンタンアミド)ピリミジン−1(2H)−イル)−5−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート(CLX−SYN−G155A−C03)の合成:DCM(2.0L)中の(2R,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−5−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート3(97.40g、0.296mol)の氷冷撹拌溶液に、DMAP(15.087g、0.123mol)を加え、続いてピリジン(156.1mL、1.97mol)を加えた。同じ温度で5分間撹拌した後、2−プロピルペンタノイルクロリド2(40.0g、0.246mol、100mLのDCMに溶解)を、不活性雰囲気下で滴下して反応混合物に加えた。反応混合物を次の16時間室温で撹拌した。反応の完了後(TLCモニタリング)、反応混合物を1N HCl(500mLで3回)、NaHCO3飽和溶液(500mL)及びブライン溶液(500mL)で順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗製物をジエチルエーテル及びペンタンでトリチュレートして(triturated)、所望の生成物4(CLX−SYN−G155A−C03)を灰白色の固体として得た。収率:70.0g、56%。
工程3
N−(1−((2R,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)−5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)−2−プロピルペンタンアミド(CLX−SYN−G155A−C01)の合成:MeOH(2L)中の(2R,3R,4R,5R)−2−(5−フルオロ−2−オキソ−4−(2−プロピルペンタンアミド)ピリミジン−1(2H)−イル)−5−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジイルジアセテート(4、45.0g、0.099mol)の撹拌溶液に、NaOH(4.5g、1Lの脱塩水に溶解)を室温で加えた。得られた反応混合物を室温で次の2時間撹拌した。反応の完了後(TLCモニタリング)、反応混合物をpHが約5になるまで0.5N HClでクエンチし、化合物をDCM(500mLで3回)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗製物をMTBEでトリチュレートし、所望の生成物(CLX−SYN−G155A−C01)を白色の固体として得た。収率:25.0g、67.68%。
等価物
本開示は、特に癌及びその合併症を治療するための組成物及び方法を提供する。本開示の特定の実施形態について詳述したが、上記の明細書は例示的なものであり、制限するものではない。本明細書の系及び方法の多くの変形例について、本明細書を検討すれば当業者には明らかとなるであろう。特許請求した系及び方法の全範囲は、特許請求の範囲とその等価物の全範囲、及び明細書とそのような変形例を参照して決定するものとする。
参照による引用
上記に挙げたものを含む本明細書で言及した全ての刊行物及び特許は、各々の刊行物又は特許が詳細にかつ個々に引用することにより本明細書の一部をなすと示されているかのように、その内容全体を引用することにより本明細書の一部をなす。矛盾する場合、本明細書における任意の定義を含む本出願に従うものとする。

Claims (9)

  1. 式Iの化合物:
    Figure 2021534085
    (式中、
    、R、Rは、NULL、
    Figure 2021534085
    Figure 2021534085
    Figure 2021534085
    を表し、
    、Rは独立して、NULL、
    Figure 2021534085
    を表し、
    は独立して、NULL、
    Figure 2021534085
    Figure 2021534085
    Figure 2021534085
    Figure 2021534085
    を表し、ただし、
    ここでは、
    nは0〜12を表し、
    及びRは独立して、
    Figure 2021534085
    を表す)並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、及び立体異性体。
  2. 式IIの化合物:
    Figure 2021534085
    (式中、
    、R、Rは、NULL、
    Figure 2021534085
    Figure 2021534085
    Figure 2021534085
    を表し、
    、Rは独立して、NULL、
    Figure 2021534085
    を表し、
    は独立して、NULL、
    Figure 2021534085
    Figure 2021534085
    Figure 2021534085
    Figure 2021534085
    を表し、ただし、
    ここでは、nは0〜12を表し、
    及びRは独立して、
    Figure 2021534085
    を表す)並びにその薬学的に許容可能な水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、及び立体異性体。
  3. 請求項1に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
  4. 前記医薬組成物が、経口投与、全身投与、徐放、非経口投与、注射、皮膚投与、薬剤機構、局所投与、皮下投与、溶液、シロップ剤、又は経皮投与用である、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 癌の治療用の、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 請求項2に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
  7. 前記医薬組成物が、経口投与、全身投与、徐放、非経口投与、注射、皮膚投与、局所投与、薬剤機構、皮下投与、溶液、シロップ剤、又は経皮投与用である、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 癌の治療用の、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 以下の構造の化合物:
    Figure 2021534085
    Figure 2021534085
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