JP2021532805A - 二酸化炭素の生物変換方法 - Google Patents

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Abstract

CO2生物変換方法は、CO2含有基質をバイオリアクターに供給するステップであって、CO2含有基質が約5〜約90モル%のCO2を含む、ステップ、およびナトリウム輸送性ATPアーゼを有する酢酸生成細菌によりCO2含有基質を発酵させるステップを含む。1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含む培地であって、ナトリウムイオン濃度が、細胞/分が約290〜約8750μg/グラムとなるナトリウム供給速度によって供給され、pHが約4〜約6.9である、培地。

Description

本出願は、それらのすべての全体が参照により本明細書に組み込まれている、2018年8月8日出願の米国仮特許出願第62/716,083号、2018年8月8日出願の同第62/716,071号、2018年8月8日出願の同第62/716,053号、2018年10月5日出願の同第62/741,871号、および2018年10月5日出願の同第62/741,797号の利益を主張する。
二酸化炭素を生物変換する方法を提供する。より詳細には、本方法は、二酸化炭素を含有するガス流を酢酸生成細菌(acetogenic bacteria)に供給するステップを含む。本方法は、高いレベルの二酸化炭素の変換、および水素の利用を実現する。
二酸化炭素の生成は、自然プロセス、ならびに石炭、石油および天然ガスなどの化石燃料の燃焼を含む工業的プロセスから起こる。一部には工業的プロセスにより、大気の二酸化炭素の濃度が、向上し続けている。二酸化炭素の濃度のこのような向上は、気候変化および地球規模の温暖化をもたらす、大気の変化の一因になり得る。二酸化炭素は、その高い酸化状態のために、生物的プロセスに利用することは困難である。
二酸化炭素に加えて、多くの工業的プロセスが、水素の生成をやはりもたらす。水素は、高いレベルの還元電位を有する。しかし、水素は、その高い可燃性の性質のため、貯蔵および利用が困難である。
二酸化炭素が多量に生成していることを鑑みると、二酸化炭素のフットプリントを低減することができる、細菌発酵システムが必要とされている。さらに、水素の還元電位を効果的に利用することができる、発酵システムが必要とされている。
方法は、ガス状基質をバイオリアクターに供給するステップを含む。ガス状基質は、CO2を含み、約5〜約90モル%のCO2を含有する。本方法は、酢酸生成細菌(acetogenic bacteria)をバイオリアクターに供給するステップ、ナトリウムイオンを1種または複数のナトリウムイオン源により、バイオリアクターに供給するステップ、ならびに酢酸生成細菌および1種または複数のナトリウムイオン源を含む発酵ブロス中で、酢酸生成細菌によりガス状基質を発酵させて、1種または複数の有機酸を生成するステップを含む。酢酸生成細菌は、バイオリアクター中で発酵する間活性であるナトリウム輸送性ATPアーゼを含む。発酵ブロスは、1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含み、ナトリウムイオン濃度は、細胞/分が約290〜約8750μg/グラムとなるナトリウム供給速度によって供給される。発酵ブロスは、約4〜約6.9の範囲のpHに維持される。
別の態様では、ガス状基質をバイオリアクターに供給する方法。ガス状基質は、CO2およびH2を含み、約5〜約90モル%のCO2を含有する。本方法は、酢酸生成細菌をバイオリアクターに供給するステップ、ナトリウムイオンを1種または複数のナトリウムイオン源により、バイオリアクターに供給するステップ、ならびに酢酸生成細菌および1種または複数のナトリウムイオン源を含む発酵ブロス中で、酢酸生成細菌によりガス状基質を発酵させて、1種または複数の有機酸を生成するステップを含む。酢酸生成細菌は、バイオリアクター中で発酵する間活性であるナトリウム輸送性ATPアーゼを含む。発酵ブロスは、1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含み、ナトリウムイオン濃度は、細胞/分が約290〜約8750μg/グラムとなるナトリウム供給速度によって供給される。発酵ブロスは、約4〜約6.9の範囲のpHに維持される。
組成物は、NH4 +、P、K、Fe、Ni、Co、Se、Zn、WまたはMgの供給源のうちの1種または複数源;約875〜約35,000mg/Lのナトリウムイオン源、約0.009〜約0.397mg/LのMo源を含む。である。本組成物は、1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、および1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含む。本組成物は、約4〜約6.9のpHを有する。
本開示の上で列挙された特徴が、詳細に理解され得るよう、実施形態への参照は、上で簡単に要約した本開示の一層具体的な記載を有することができ、これらの一部は、添付の図面に例示されている。しかし、添付の図面は、この開示の典型的な実施形態を例示しているに過ぎず、したがって、本発明の範囲を限定すると見なされるべきではなく、本開示の場合、他の等しく有効な実施形態を認めることができることに留意すべきである。
バイオリアクター中で、アセトバクテリウム・ウッディイ(Acetobacterium woodii)による、CO2の変換率およびH2の変換率のグラフである。 アセトバクテリウム・ウッディイによる、酢酸生成を例示するグラフである。 5%のCOの存在下での、アセトバクテリウム・ウッディイの成長を説明するグラフである。 5%のCOの存在下での、アセトバクテリウム・ウッディイの成長を説明するグラフである。 成長培地中、キレート剤(EDTA)を使用しない、pH5.2における、CO2変換率、H2変換率、およびアセトバクテリウム・ウッディイの細胞密度を例示するグラフである。 成長培地中、キレート(錯化)剤として、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)を使用する、アセトバクテリウム・ウッディイの成長を説明するグラフである。 アセトバクテリウム・ウッディイによる、酢酸生成に及ぼすモリブデンの影響を例示するグラフである。 ガス流速必要量およびアセトバクテリウム・ウッディイの細胞密度に及ぼすモリブデンの影響を例示するグラフである。
以下の記載は、限定的な意味でとらえられるべきではなく、単に、例示的な実施形態の一般原理を記載する目的でなされているに過ぎない。本開示の範囲は、特許請求の範囲を参照して、決定されるべきである。
定義
特に定義されていない限り、本開示に関して、本明細書全体を通して使用されている以下の用語は、以下の通り定義されており、以下に定義されている定義の単数形または複数形のどちらかを含むことができる。
任意の量を修飾する用語「約」は、実際の条件、例えば、実験室、パイロットプラントまたは生産設備において遭遇する量の変動を指す。例えば、混合物もしくは量に使用される成分または測定値の量は、「約」によって修飾される場合、製造プラントまたは実験室における実験条件において測定される際に通常、払われる注意の変動および程度を含む。例えば、生成物の構成成分の量は、「約」によって修飾されている場合、プラントまたは実験室における複数の実験における回分間の変動、および分析法に特有の変動を含む。「約」によって修飾されるか否かに関わらず、上記の量は、そのような量に等価であることを含む。本明細書において明記されており、かつ「約」によって修飾されている量はいずれも、「約」によって修飾されていない量として、本開示にやはり使用され得る。
用語「発酵装置」は、1つもしくは複数の容器および/または塔、あるいは配管からなる発酵装置/バイオリアクターを含み、これは、回分反応器、半回分反応器、連続反応器、連続撹拌槽式反応器(CSTR:continuous stirred tank reactor)、気泡塔反応器、外部循環ループ式反応器、内部循環ループ式反応器、固定化細胞反応器(ICR:immobilized cell reactor)、トリクルベッド反応器(TBR:trickle bed reactor)、流動床式バイオフィルム反応器(MBBR:moving bed biofilm reactor)、ガスリフト式反応器、中空繊維膜バイオリアクター(HFMBR:hollow fibre membrane bioreactor)などの膜反応器、静的ミキサー、ガスリフト式発酵装置、または気−液接触に好適な他の容器もしくは他の装置を含む。
用語「発酵」、「発酵プロセス」または「発酵反応」などは、方法の成長期および生成物の生合成期の両方を包含することが意図されている。一態様では、発酵は、CO2の酢酸への変換を指す。
用語「細胞密度」は、発酵ブロスの単位体積あたりの微生物細胞の質量、例えば、グラム/リットルを意味する。
用語「CO2比取込み」は、1分間に単位時間あたりの微生物細胞の単位質量(g)によって消費された、CO2のミリモル数での量、すなわち、ミリモル/グラム/分を意味する。
本明細書で使用する場合、生産性は、STYとして表される。この態様では、アルコールの生産性は、gエタノール/(L日間)またはg酢酸/(L日間)として表される、STY(空間時間収率)として表されてもよい。
CO2含有ガス状基質
一態様では、本方法は、CO2含有ガス状基質をバイオリアクターに供給するステップを含む。CO2含有基質は、CO2を含む任意のガスを含むことができる。この態様では、CO2含有ガスは、工業用ガス、例えば発酵装置の排ガスを含めた発酵装置のガス流、およびそれらの混合物を含んでもよい。関連態様では、CO2含有基質は、水素を含んでもよく、または水素源とブレンドされて、H2対CO2の所望のレベルおよび比をもたらしてもよい。
工業用ガス:一態様では、本方法は、CO2含有ガス状基質をバイオリアクターに供給するステップであって、CO2含有ガス状基質が、工業用ガスから生成する、ステップを含む。工業用ガスの一部の例には、製鋼所ガス、工業煙道ガスおよび焼却炉の排気ガスが含まれる。工業用ガスの例には、鉄鋼製品の製造、非鉄製品の製造、石油精製プロセス、石炭のガス化、バイオマスのガス化、発電、カーボンブラック生産、アンモニア生産、メタノール生産、およびコークス製造の間に生成するガスを含む。水素源は、化石燃料、蒸気の改質、メタンの酸化、石炭のガス化および水の電気分解物を含んでもよい。
ガス状CO2含有基質は、その組成に応じて、発酵に導入する前に、ダスト粒子などのいかなる望ましくない不純物も除去するために、これを処理することがやはり望ましいことがある。例えば、ガス状基質は、公知の方法を使用してろ過されてもよく、またはスクラブ処理されてもよい。さらに、本方法は、CO2含有基質の組成に応じて、CO2含有基質を調節して、CO2および/またはH2の濃度を向上または低下させて、所望の範囲内に収まるようにするステップを含んでもよい。
発酵装置のガス流:一態様では、本方法は、CO2含有基質をバイオリアクターに供給するステップであって、CO2含有基質が、発酵装置のガス流となる、ステップを含む。発酵装置のガス流の一部の例には、合成ガスの発酵中に生成する発酵装置の排ガスを含む。合成ガスの発酵の一部の例は、参照により本明細書に組み込まれている、2001年7月23日に出願の、米国特許第7,285,402号に記載されている。
一態様では、本方法は、COを高い体積で含有する工業煙道ガスなどの、ガス状基質からのアルコールの生成を補助する適用性を有する。一部の態様では、COを含むガスは、炭素含有廃棄物、例えば、産業廃棄ガスから、または他の廃棄物のガス化に由来する。CO含有ガスの発酵は、発酵装置の排ガス中にCO2をもたらすことがある。したがって、本方法は、そうでなければ、環境に排出されると思われる炭素を捕捉するための効果的な方法となる。この態様では、CO含有ガスの発酵に由来する排ガスは、約0.5モル%〜約50モル%のCOを含むことがある。
ガス流のブレンド:特定の態様によれば、2種以上の供給源に由来する流れは、一緒にされて、かつ/またはブレンドされて、所望のかつ/または最適化された基質流を生成することができる。例えば、鉄鋼所からの排気ガスなどの高濃度のCO2を含む流れが、鉄鋼所のコークス炉からの排ガスなどの高濃度のH2を含む流れと一緒にされ得る。
CO2含有生基質は、CO2含有基質の組成に応じて、発酵プロセスに直接、供給されてもよく、または適切なH2対CO2モル比を含むようさらに改変されてもよい。CO2含有基質は、約5〜約90モル%のCO2および約5〜約90モル%のH2を含むことができる。一態様では、CO2含有ガス流は、約5〜約66.6%のCO2を含む。
別の態様では、CO2含有基質は、約0モル%〜約50モル%のCO、別の態様では、約0.5モル%のCO〜約50モル%のCO、別の態様では、約0.5モル%のCO〜約5モル%のCO、および別の態様では、約2モル%のCO〜約5モル%のCOを含んでもよい。
一態様では、酢酸生成細菌は、約4:1〜約1:2の比で、H2対CO2の消費モル比を有するであろう。したがって、バイオリアクターに供給される、H2およびCO2を含む任意の基質ガスが、利用され得る。しかし、バイオリアクターに供給される基質ガスの最適レベルは、約4:1〜約1:1、別の態様では、約2:1、および別の態様では、約3.5:1〜約1.5:1となる、H2対CO2の比を有するであろう。
バイオリアクターの設計および操作
発酵装置の設計の説明は、それらのすべてが参照により本明細書に組み込まれている、どちらも2012年5月15日に出願された、米国整理番号第13/471,827号および同第13/471,858号、ならびに2012年5月16日に出願された、米国整理番号第13/473,167号に記載されている。
発酵は、所望の発酵が起こるために適切な条件下(例えば、CO2対酢酸)で望ましくは行われるべきである。考慮される反応条件としては、圧力、温度、ガス流速、液体流速、培地のpH、撹拌速度(撹拌槽式反応器が使用される場合)、接種材料レベル、および生成物による阻害を回避するため最大酢酸濃度が挙げられる。この態様では、本方法は、以下の範囲の反応条件を含む:
圧力:約0〜約500psi;
温度:約30℃〜約42℃;
培地のpH:約4〜約6.9;
撹拌速度:約100〜約2000rpm;
本明細書に記載されている栄養素の供給。
酢酸生成細菌
一態様では、利用される微生物は、ナトリウム輸送性ATPアーゼとしてやはり説明され得る(膜生体エネルギー論の場合)、ナトリウムポンプを含む、酢酸生成細菌を含む。ナトリウム輸送性ATPアーゼは、参照により本明細書に組み込まれている、Muller, “Energy Conservation in Acetogenic Bacteria”, Appl. Environ. Microbiol. November 2003, vol. 69, no. 11, pp. 6345-6353に記載されている。ナトリウム輸送性ATPアーゼという用語は、ナトリウム依存性ATPアーゼと互換的に使用されてもよい。ナトリウム輸送性ATPアーゼを含むアセトゲンは、成長のため、その成長培地に約500ppmのNaClを必要とする。アセトゲンが、ナトリウム輸送性ATPアーゼを含むかどうかを判定するため、アセトゲンは、約0〜約2000ppmのNaClを含む約30〜約50mlの成長培地を含有する血清ボトルに接種される。約500ppm以上のNaCl濃度における成長は、アセトゲンがナトリウム輸送性ATPアーゼを含むことを意味する。
この態様では、好適な微生物には、アセトバクテリウム(Acetobacterium)属細菌、アセトゲニウム・キブイ(Acetogenium kivui)、アセトアナエロビウム・ノテラエ(Acetoanaerobium noterae)、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキ(Alkalibaculum bacchi)CP11(ATCC BAA−1772)、モーレラ・サーモアセチカ(Moorella thermoacetica)、モーレラ・サーモオートトロフィカ(Moorella thermoautotrophica)、ルミノコッカス・プロダクツス(Ruminococcus productus)およびそれらの組合せが含まれる。別の態様では、微生物は、アセトバクテリウム・ウッディイである。
培地組成および培地供給速度の制御
一態様によれば、発酵プロセスは、反応容器への好適な培地の添加によって開始される。反応容器に含有される液体は、任意のタイプの好適な栄養用培地または発酵用培地を含んでよい。栄養用培地は、使用される微生物の成長を可能にするために有効なビタミンおよびミネラルを含むであろう。殺菌は、必ずしも必要ではないことがある。
様々な培地の構成成分の濃度は、以下の通りである:
Figure 2021532805

ビタミン溶液は、d−ビオチン、チアミンHClおよびカルシウム−D−パントテン酸塩を含有する。
0.5MのNaOHを使用して、pHを約5.55に維持した。時間あたりの細胞1グラムあたりのNaOHの使用量の概算は、細胞1グラムあたり、0.1〜0.4ml/分であった。
プロセス操作は、約4〜約6.9、別の態様では、約5〜約6.5、別の態様では、約5.1〜約6、および別の態様では、約5.2〜約6の範囲のpHを維持する。培地は、約0.01g/L未満の酵母エキス、および約0.01g/L未満の炭水化物を含む。
この組成物はまた、1リットルあたり約40〜約500mmol、別の態様では、1リットルあたり約40〜約250mmolのナトリウムイオン濃度、および別の態様では、1リットルあたり約50〜約200mmolのナトリウムイオン濃度を含む。一態様では、ナトリウムイオン濃度は、約500ppm〜約8000ppm、別の態様では、約1000ppm〜約7000ppm、別の態様では、約3000ppm〜約6000ppm、別の態様では、約2000〜約5000ppmのNa、および別の態様では、約3000〜約4000ppmのNaである。ナトリウムイオン源は、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される化合物によって供給される。
組成物は、モリブデン源を含む。この態様では、モリブデン濃度は、約3.97μg/L〜約396.5μg/L、および別の態様では、約7.93μg/L〜約198.25μg/Lである。モリブデン源としては、Na2MoO4、CaMoO4、FeMoO4およびそれらの混合物が挙げられる。
本組成物は、錯化剤も含んでもよい。この態様では、本組成物が約5.2以上のpHを有する場合、錯化剤が、組成物に含まれてもよい。錯化剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)およびそれらの混合物を挙げることができる。
本組成物は、NH4 +、P、K、Fe、Ni、Co、Se、ZnまたはMgの供給源のうちの1種または複数を含んでもよい。これらの元素の各々の供給源は、以下の通りとすることができる。
NH4 +:窒素は、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される窒素源から供給され得る。
P:リンは、リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるリン源から供給され得る。
K:カリウムは、塩化カリウム、リン酸カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるカリウム源から供給され得る。
Fe:鉄は、塩化第一鉄、硫酸第一鉄およびそれらの混合物からなる群から選択される鉄源から供給され得る。
Ni:ニッケルは、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケルおよびそれらの混合物からなる群から選択されるニッケル源から供給され得る。
Co:コバルトは、塩化コバルト、フッ化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトおよびそれらの混合物からなる群から選択されるコバルト源から供給され得る。
Se:セレンは、Na2SeO3、36NO2Seおよびそれらの混合物から供給され得る。
Zn:亜鉛は、ZnSO4から供給され得る。
W:タングステンは、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるタングステン源から供給され得る。
Mg:マグネシウムは、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるマグネシウム源から供給され得る。
S:本組成物は、硫黄も含んでもよい。硫黄は、システイン、硫化ナトリウム、NaHS、NaH2Sおよびそれらの混合物からなる群から選択される硫黄源から供給され得る。
発酵始動および始動後
始動:接種に際して、微生物の初期集団を供給するのに有効な、最初の供給ガスの供給速度が確立される。流出ガスの内容物を決定するために、流出ガスが分析される。ガス分析の結果を使用して、供給ガスの速度を制御する。この態様では、本方法は、1リットルあたり約0.1グラムの最小細胞密度をもたらす。別の態様では、本方法は、約0.05〜約0.5、および別の態様では、約0.01〜約1となる、初期細胞密度に対する計算したCO2濃度(mmol/分)の比を実現する。
一態様では、栄養素が培養物に添加されて、細胞成長速度を増大させることができる。好適な栄養素は、酵母エキスの非炭水化物画分を含んでもよい。
始動後:所望のレベルに到達すると、液相および細胞物質が、反応器から抜き取られ、培地が補充される。発酵プロセスは、開始細胞密度と比較した、細胞密度の増大に有効である。この態様では、本方法は、約2〜約50グラム/リットル、別の態様では、約2〜約30グラム/リットル、別の態様では、約2〜約20グラム/リットル、別の態様では、約2〜約10グラム/リットル、および別の態様では、約2〜約6グラム/リットルとなる平均細胞密度を実現する。
有機酸の生成:別の態様では、本方法は、C1−C10有機酸源をもたらす。この態様では、本方法は、酸生成物、または発酵液体ブロスからの生成物を得るステップを含んでもよい。この態様では、約0.2〜約50グラムの有機酸/リットル/日/g細胞、別の態様では、約0.2〜約20グラムの有機酸/リットル/日/g細胞、別の態様では、約10〜約50グラムの有機酸/リットル/日/g細胞、別の態様では、約14〜約30グラムの有機酸/リットル/日/g細胞、別の態様では、約2〜約20グラムの有機酸/リットル/日/g細胞、および別の態様では、約15〜約25グラムの有機酸/リットル/日/g細胞の有機酸比生産性を実現する。一態様では、有機酸は、酢酸、または酪酸、または両方の混合物である。
CO2およびH2の変換:本方法は、約0.05〜約1.5mmolのCO2/分/グラム乾燥細胞のCO2取込み、約0.08〜約1.5mmolのH2/分/グラム乾燥細胞のH2取込みを実現するのに有効である。本方法は、約25〜約100%のCO2の変換率、別の態様では、約50〜約100%のCO2の変換率、別の態様では、約75〜約100%のCO2の変換率を実現するのに有効である。別の態様では、本方法は、約25〜約100%のH2の変換率、別の態様では、約50〜約100%のH2の変換率、別の態様では、約75〜約100%のH2の変換率を実現するのに有効である。
図1は、アセトバクテリウム・ウッディイによる、CO2変換率104、およびH2変換率102のグラフを示す。時間に対する、酢酸生成204、およびその移動平均202、および細胞密度206のグラフによる例示が、図2に示されている。
(実施例1)
アセトバクテリウム・ウッディイの調製
アセトバクテリウム・ウッディイの最初の凍結乾燥ペレットをドイツ微生物株保存機関DSMZの株ID DSM−1030から得た。培養物を、リッチ培地(フルクトースおよび酵母エキス)を使用して、凍結乾燥ペレットから最初に得た。順応法を使用して、血清ボトル培地からフルクトースを除去し、この場合、成長培地中のフルクトースの濃度を、75%、50%、10%と段階的に低下させた。成長速度およびガスの利用量を、順応の指示体として使用した(約5週間)。血清ボトル中の事前pH順応作業により、必要なpHを7.4から6.0に低下させた(3週間)。この時点で、培養物が増幅され、反応器に接種した。反応器中で、培養物をさらに順応させて、5.2〜5.7というより低いpHで成長させた。
(実施例2)
アセトバクテリウム・ウッディイの場合のCSTR反応器の始動方法
CO2およびH2を含有する合成ガスを、本明細書に記載されている、ビタミン、微量金属、システイン(硫黄源として)および塩を含有する液状培地と共にアセトバクテリウム・ウッディイを含有する撹拌槽式バイオリアクターに連続的に導入した。
活発に成長中のアセトバクテリウム・ウッディイと共に、発酵培地を含有するNew Brunswick Bioflow310反応器を始動した。反応器の撹拌速度は、200rpmに設定した。この撹拌速度は、実験全体を通じて、200から600rpmへと向上させた。反応器への供給ガス流量は、49mL/分の初期値から137mL/分へと向上させた。バイオリアクター中の温度は、実験全体にわたり、33.5℃に維持した。バイオリアクターへの合成ガス供給材料の試料、およびバイオリアクターからの排ガス、およびバイオリアクター中の発酵ブロスを一定間隔で採取し、例えば、供給ガス、排ガスおよび発酵ブロスを、それぞれ、ほぼ毎日、2時間で1回、および4時間で1回サンプリングした。上記の試料の様々なガス構成成分の消費量または生成量、ブロスの酢酸濃度、および培養物の光学密度(細胞密度)を分析した。反応器の未使用の容積(unaroused volume)を、実験全体を通して、1600〜1750mlの間に維持した。同様に、反応器へのガス流量は、反応器への合成ガスを調節するマスフローコントローラーによってリアルタイムに測定した。供給合成ガス組成は、70%のH2、25%のCO2および5%のN2とした。この実験を安定な操作が到達されると結論付けを行った。
細胞リサイクルシステム(CRS)を反応器に取り付けた後に、実験を開始した。実験中に、反応器への栄養素(成長培地)の流速は、表に示されている通りとした。実験全体を通して、培地の供給速度を維持した。pH制御のための塩基(NaOH)の供給速度は、0.14〜0.44ml/分とし、CRSにより、5.1〜5.4mL/分の透過物を反応器から抜き出した。
供給ガス中のH2およびCO2は、細胞物質および酢酸に固定した。H2およびCO2の除去は、入り口のガス組成を流出ガス組成と比較することによって計算した。構成成分ガスの取込みは、細菌によって変換されたガス分子の%で表す。この実験では、以下の変換率が実現された;H2:40%〜54%、CO2:28%〜70%。この実験では、酢酸生成の速度は、5〜23g/l/日であった。
結果を以下の通り、要約することができる:
Figure 2021532805
(実施例3)
アセトバクテリウム・ウッディイによるCO2、COおよびH2の発酵
ビタミン、微量金属および塩を含有する慣用的な液状培地と共に、アセトバクテリウム・ウッディイを含有する撹拌槽式バイオリアクターに、CO2およびH2を含有するガスを連続的に導入した。発酵は、実施例2に記載されている通りに開始し、次に、安定な操作まで継続した。培地およびプロセス条件は、実施例2に記載されている。この実施例では、供給ガスは、5モル%のCOを含んだ。
図3および図4は、5%のCOの存在下での、アセトバクテリウム・ウッディイの成長を説明している。図3は、時間に対する、細胞密度302および酢酸の比生産性304を例示している。図4は、H2の変換率402、COの変換率404、CO2の変換率406および細胞密度408を例示している。
(実施例4)
成長培地中のキレート剤(EDTA)を含まない、pH5.2でのアセトバクテリウム・ウッディイ培養物の成長および維持
CO2およびH2を含有するガス流は、本明細書に記載されている成長培地と共に、アセトバクテリウム・ウッディイを含有する撹拌槽式バイオリアクターに連続的に導入した。
活発に成長中のアセトバクテリウム・ウッディイ(AW)と共に、発酵培地を含有するNew Brunswick Bioflow115反応器を始動した。反応器の撹拌速度は、600rpmに設定した。この撹拌速度は、実験全体を通して、一定に維持した。反応器への供給ガス流量は、36.6mL/分〜44.4mL/分に維持した。バイオリアクター中の温度は、実験全体にわたり、33℃に維持した。Na+レベルは、3500〜4000ppmに維持した。バイオリアクターへのガス供給材料の試料、およびバイオリアクターからの排ガス、およびバイオリアクター中の発酵ブロスを一定間隔で採取し、例えば、供給ガス、排ガスおよび発酵ブロスを、それぞれ、ほぼ毎日、2時間で1回、および4時間で1回サンプリングした。上記の試料の様々なガス構成成分の消費量または生成量、ブロスの酢酸濃度、および培養物の光学密度(細胞密度)を分析した。反応器の未使用の容積を、実験全体を通して、1900〜2275mlの間に維持した。同様に、反応器へのガス流量は、反応器への合成ガスを調節するマスフローコントローラーによってリアルタイムに測定した。この実験の供給合成ガス組成は、70%のH2、25%のCO2および5%のN2とした。
細胞リサイクルシステム(CRS)を反応器に取り付けた後に、実験を開始した。実験中に、反応器への栄養素(成長培地)の流速は、2.8ml/分に維持した。実験全体を通して、培地の供給速度を維持した。pHを5.2に維持するための塩基(NaOH)必要量の平均速度は、0.075ml/分であり、CRSにより、2.9ml/分の透過物を反応器から抜き取った。
供給ガス中のH2およびCO2は、細胞物質および酢酸に固定した。H2およびCO2の除去は、入り口のガス組成を流出ガス組成と比較することによって計算した。構成成分ガスの取込みは、細菌によって変換されたガス分子の%で表すことができる。
以下の変換率が達成された:
2:28%〜54%。
CO2:40%〜59%。
酢酸生成の速度は、0.7949(g/L/日)であった。
培養物の平均細胞密度は、1.9g/Lであった。
CO2変換率502、H2変換率504および細胞密度506が図5に示されている。
(実施例5)
成長培地におけるEDDAの使用
発酵を実施例2に記載されている通りに開始し、キレート(錯化)剤として、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)の使用を含んだ。AW培地に使用した金属の一部の溶解度は、pHの向上と共に低下するので、キレート剤は、溶液中に金属を維持するために使用する。反応器ブロスのpHが、pH5.2を超えると、十分量の栄養素をAWに供給するために、キレート剤を使用する。図6は、代表的な96時間の実験を示しており、この実験は、酢酸604の濃度の向上を生じると同時に、細胞密度602の維持が可能であることを例示している。
(実施例6)
細胞代謝に及ぼすモリブデン除去および再添加の影響
発酵は、実施例2に記載されている通りに開始し、次に、安定な操作になるまで継続した。成長培地からモリブデンを除去し、次に、酢酸生産性が、その開始濃度の75%まで低下した後に、成長培地に再添加した。
図7は、その培地の流速705に対してプロットした酢酸生産性703を例示しており、垂直線は、成長培地からのモリブデンの除去および成長培地へのモリブデンの再添加を示している。約810累積時間時に開始し、HAcの下落傾向が観察され、モリブデンの除去は、約795累積時間時に行った。この下落傾向は減少して、頭打ちし、次に、約900時間時に培地にモリブデンを再添加したことに対応して、上昇傾向へと反転した。
図8は、時間に対してプロットした細胞密度801およびガス流速(GFR)806を例示しており、垂直線は、成長培地からのモリブデンの除去および成長培地へのモリブデンの再添加を示している。約840累積時間において開始し、必要なGFRは、約795累積時間時に行ったモリブデン除去により低下した。この下落傾向は、約900時間時に培地にモリブデンを戻したことに対応して、上昇傾向へと反転した。
本明細書に開示されている開示は、特定の実施形態、それらの実施例および用途により説明されているが、特許請求の範囲に説明されている本開示の範囲から逸脱することなく、当業者によって多数の修正および改変が本開示に行われ得る。

Claims (22)

  1. ガス状基質をバイオリアクターに供給するステップであって、ガス状基質が、CO2を含み、かつ約5〜約90モル%のCO2を含有する、前記ステップ、
    酢酸生成細菌をバイオリアクターに供給するステップ、
    1種または複数のナトリウムイオン源によって、バイオリアクターにナトリウムイオンを供給するステップ、ならびに
    酢酸生成細菌および1種または複数のナトリウムイオン源を含む発酵ブロス中、ガス状基質を酢酸生成細菌により発酵させて、1種または複数の有機酸を生成するステップ
    を含む、方法であって、
    酢酸生成細菌が、バイオリアクター中で発酵する間活性であるナトリウム輸送性ATPアーゼを含み、
    発酵ブロスが、1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、および1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含み、
    ナトリウムイオンが、約290〜約8750μg/細胞グラム/分となるナトリウム供給速度で供給され、
    発酵ブロスが、約4〜約6.9の範囲のpHに維持される、
    前記方法。
  2. CO2含有ガス状基質が、工業用ガス、発酵装置のガス流およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 酢酸生成細菌が、アセトバクテリウム(Acetobacterium)属細菌、アセトゲニウム・キブイ(Acetogenium kivui)、アセトアナエロビウム・ノテラエ(Acetoanaerobium noterae)、アセトバクテリウム・ウッディイ(Acetobacterium woodii)、アルカリバクルム・バッキ(Alkalibaculum bacchi)CP11(ATCC BAA−1772)、モーレラ・サーモアセチカ(Moorella thermoacetica)、モーレラ・サーモオートトロフィカ(Moorella thermoautotrophica)、ルミノコッカス・プロダクツス(Ruminococcus productus)およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 酢酸生成細菌が、アセトバクテリウム・ウッディイである、請求項3に記載の方法。
  5. ナトリウムイオン源が、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される化合物によって供給される、請求項1に記載の方法。
  6. 有機酸が、1種または複数のC1−C10有機酸である、請求項1に記載の方法。
  7. 有機酸が酢酸、酪酸またはそれらの混合物である、請求項6に記載の方法。
  8. ガス状基質をバイオリアクターに供給するステップであって、ガス状基質が、CO2およびH2を含み、かつ約5〜約90モル%のCO2を含有する、前記ステップ、
    酢酸生成細菌をバイオリアクターに供給するステップ、
    1種または複数のナトリウムイオン源によって、バイオリアクターにナトリウムイオンを供給するステップ、ならびに
    酢酸生成細菌および1種または複数のナトリウムイオン源を含む発酵ブロス中、ガス状基質を酢酸生成細菌により発酵させて、1種または複数の有機酸を生成するステップ
    を含む、方法であって、
    酢酸生成細菌が、バイオリアクター中で発酵する間活性であるナトリウム輸送性ATPアーゼを含み、
    発酵ブロスが、1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含み、
    ナトリウムイオンが、約290〜約8750μg/細胞グラム/分となるナトリウム供給速度で供給され、
    発酵ブロスが、約4〜約6.9の範囲のpHに維持される、
    前記方法。
  9. ガス状基質が、工業用ガス、発酵装置のガス流およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 酢酸生成細菌が、アセトバクテリウム属細菌、アセトゲニウム・キブイ、アセトアナエロビウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA−1772)、モーレラ・サーモアセチカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、ルミノコッカス・プロダクツスおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  11. 酢酸生成細菌が、アセトバクテリウム・ウッディイである、請求項10に記載の方法。
  12. ナトリウムイオン源が、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される化合物によって供給される、請求項8に記載の方法。
  13. 有機酸が、1種または複数のC1−C10有機酸である、請求項8に記載の方法。
  14. 有機酸が酢酸、酪酸またはそれらの混合物である、請求項13に記載の方法。
  15. NH4 +、P、K、Fe、Ni、Co、Se、Zn、WまたはMgの供給源のうちの1種または複数、
    約875〜約35,000mg/Lのナトリウムイオン源、および
    約0.009〜約0.397mg/LのMo源
    を含む、組成物であって、
    1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、および1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含み、
    約4〜約6.9のpHを有する、
    前記組成物。
  16. ナトリウムイオン源が、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される化合物によって供給される、請求項15に記載の組成物。
  17. エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)およびそれらの混合物からなる群から選択される錯化剤を含む、請求項15に記載の組成物。
  18. 約82〜約3280mg/LのNH4 +供給源、
    約20.12〜約805mg/Lのリン源、または
    約98.33〜約3933mg/Lのカリウム源
    を含む、請求項15に記載の組成物。
  19. 窒素が、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される窒素源から供給され、
    リンが、リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるリン源から供給され、
    カリウムが、塩化カリウム、リン酸カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるカリウム源から供給される、
    請求項18に記載の組成物。
  20. 約0.85〜約34mg/Lの鉄源
    約0.07〜約2.81mg/Lのニッケル源
    約0.037〜約1.49mg/Lのコバルト源
    約0.027〜約1.1mg/Lのセレン源
    約0.59〜約23.8mg/Lの亜鉛源
    約80.25〜約3210mg/Lのタングステン源、または
    約0.71〜約28.69mg/Lのマグネシウム源
    を含む、請求項19に記載の組成物。
  21. 鉄が、塩化第一鉄、硫酸第一鉄およびそれらの混合物からなる群から選択される鉄源から供給され、
    ニッケルが、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケルおよびそれらの混合物からなる群から選択されるニッケル源から供給され、
    コバルトが、塩化コバルト、フッ化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトおよびそれらの混合物からなる群から選択されるコバルト源から供給され、
    セレンが、Na2SeO3、C36NO2Seおよびそれらの混合物からなる群から選択されるセレン源から供給され、
    亜鉛が、ZnSO4から供給され、
    タングステンが、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるタングステン源から供給され、
    マグネシウムが、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウムからなる群から選択されるマグネシウム源から供給され、硫黄が、システイン、ナトリウムスルフィドおよびそれらの混合物からなる群から選択される硫黄源から供給される、
    請求項20に記載の組成物。
  22. ナトリウムイオン濃度が、約500ppm〜約8000ppmである、請求項15に記載の組成物。
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