本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
I.例示的な外科用ステープラ
図1〜図7は、外科的処置を行うために、図1に描写されるような非関節動作状態で、トロカールカニューレを通って患者内の手術部位まで挿入するように寸法決めされている、例示の外科用ステープル留め及び切断器具(10)を示している。単に一例として、患者の腹部内に、患者の2本の肋骨の間に、又は他の部位に、このようなトロカールを挿入してもよい。一部の状況では、器具(10)は、トロカールなしで使用される。例えば、開胸又は他の種類の切開によって、器具(10)を直接挿入してもよい。本実施例の器具(10)は、シャフト(22)に接続されたハンドル部分(20)を含む。シャフト(22)は、関節動作ジョイント(11)内で遠位方向に終端し、関節動作ジョイント(11)は、エンドエフェクタ(12)と更に連結されている。本明細書では、「近位」及び「遠位」といった用語は、器具(10)のハンドル部分(20)を握っている臨床医を基準として使用されていることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ(12)は、より近位にあるハンドル部分(20)に対して遠位にある。便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「垂直」、「水平」、「上側」及び「下側」といった空間的用語が、図面に対して使用されている点も更に理解されるであろう。しかしながら、外科器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
いくつかの変形例では、シャフト(22)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi−Diameter Shaft」と題する米国特許第9,795,379号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成される。シャフト(22)の他の好適な構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
関節動作ジョイント(11)及びエンドエフェクタ(12)が、トロカールのカニューレ通路を通って一旦挿入されると、関節動作ジョイント(11)は、エンドエフェクタ(12)を、シャフト(22)の長手方向軸(LA)から所望の角度(α)に偏向させることができるように、図1に仮想線で描写されるように、関節動作制御部(13)によって遠隔的に関節動作させられてもよい。それにより、エンドエフェクタ(12)は、所望の角度から又は他の理由のために、臓器の背後に到達するか又は組織に近付くことができる。いくつかの変形例では、関節動作ジョイント(11)は、単一の平面に沿ってエンドエフェクタ(12)を偏向させることができる。いくつかの他の変形例では、関節動作ジョイント(11)は、2つ以上の平面に沿ってエンドエフェクタを偏向させることができる。関節動作ジョイント(11)及び関節動作制御部(13)は、本明細書で引用される多数の引用文献のうちのいずれかの教示に従って構成されてもよい。あるいは、関節動作ジョイント(11)及び/又は関節動作制御部(13)は、任意の他の好適な構成を有していてもよい。単に一例示として、関節動作制御部(13)は、代わりに、シャフト(22)の長手方向軸(LA)に直交する軸を中心に回転するノブとして構成されてもよい。
いくつかの変形例では、関節動作ジョイント(11)及び/又は関節動作制御部(13)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年11月17日発行の「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題する米国特許第9,186,142号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築され、動作可能である。関節動作ジョイント(11)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi−Diameter Shaft」と題する米国特許第9,795,379号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され動作可能であり得る。関節動作ジョイント(11)及び関節動作制御部(13)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
本実施例のエンドエフェクタ(12)は、下側ジョー(16)及び枢動可能なアンビル(18)を含む。本実施例では、アンビル(18)はまた、上側ジョーと見なすことができる。更に、本実施例のようないくつかの変形例では、上側ジョー又はアンビル(18)は、静止した下側ジョー(16)に対して枢動するが、いくつかの他の変形例では、上側ジョー又はアンビル(18)は、下側ジョー(16)が枢動する間に静止している。いくつかの変形例では、下側ジョー(16)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許第9,808,248号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築される。アンビル(18)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065号の教示のうちの少なくともいくつか、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月12日発行の「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,839,421号の教示のうちの少なくともいくつか、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる2014年8月28日公開の「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許出願公開第2014/0239037号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築され得る。下側ジョー(16)及びアンビル(18)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
ハンドル部分(20)は、ピストルグリップ(24)及び閉鎖トリガ(26)を含む。閉鎖トリガ(26)は、ピストルグリップ(24)に向かって枢動可能であり、エンドエフェクタ(12)の下側ジョー(16)に向かってアンビル(18)のクランプ又は閉鎖を行うことができる。かかるアンビル(18)の閉鎖は、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を介してもたらされ、その両方とも、ピストルグリップ(24)に対する閉鎖トリガ(26)の枢動に応答して、ハンドル部分(20)に対して長手方向に並進する。閉鎖管(32)はシャフト(22)の長さに沿って延在し、閉鎖用リング(33)は関節動作ジョイント(11)の遠位に位置決めされる。関節動作ジョイント(11)は、閉鎖管(32)から閉鎖用リング(33)まで長手方向の移動を伝達/伝動するように動作可能である。
ハンドル部分(20)はまた、発射トリガ(28)を含む。細長部材(図示せず)は、シャフト(22)を通って長手方向に延在し、発射トリガ(28)の作動に応答してハンドル部分(20)から発射ビーム(14)まで長手方向の発射運動を伝達する。以下で更に詳細に説明されるように、発射ビーム(14)のこの遠位並進により、エンドエフェクタ(12)内でクランプされた組織のステープル留め及び切断が行われる。その後、トリガ(26、28)を解放し、エンドエフェクタ(12)から組織を解放することができる。
図3〜図6は、数多くの機能を実行するためにEビーム形態の発射ビーム(14)を取り入れているエンドエフェクタ(12)を示す。Eビーム形態は、単なる例示としての一例であることを理解されたい。発射ビーム(14)は、非Eビーム形態が挙げられるがこれに限定されない、任意の他の好適な形態を取ってもよい。図4A〜図4Bに最も分かりやすく示されるように、発射ビーム(14)は、横断方向に配向された上部ピン(38)と、発射ビームキャップ(44)と、横断方向に配向された中間ピン(46)と、遠位方向に提示された切断縁部(48)と、を含む。上部ピン(38)は、アンビル(18)の長手方向アンビルスロット(42)内に位置決めされ、長手方向アンビルスロット(42)内を並進可能である。発射ビームキャップ(44)は、下側ジョー(16)を通って形成された下側ジョースロット(45)(図4Bに示す)を通って延在する発射ビーム(14)を有することによって、下側ジョー(16)の下面に摺動可能に係合する。中間ピン(46)は、発射ビームキャップ(44)と協働する下側ジョー(16)の上面に摺動可能に係合する。これにより、発射ビーム(14)は、発射中に、エンドエフェクタ(12)の間隔を確信的に取る。
一部の非Eビーム形態の発射ビーム(14)は、上部ピン(38)、中間ピン(46)、及び/又は発射ビームキャップ(44)が欠けていてもよい。器具(10)のいくつかのこうした変形例は、閉鎖用リング(33)、又はアンビル(18)を閉鎖位置まで枢動させ、発射ビーム(14)が遠位位置へと前進する間はアンビル(18)を閉鎖位置に保持する、何らかの他の機構に単に依存してもよい。単に一例として、発射ビーム(14)及び/又は関連するロックアウト機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年8月1日発行の「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,717,497号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であり得る。発射ビーム(14)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
図3は、近位に位置決めされている本実施例の発射ビーム(14)と、開放位置まで枢動されて、未使用のステープルカートリッジ(37)を下側ジョー(16)のチャネル内に着脱可能に装着できるようにするアンビル(18)と、を示す。図5〜図6に最も分かりやすく示されるように、この実施例のステープルカートリッジ(37)は、上部デッキ(72)を提示し、下部カートリッジトレイ(74)と連結されている、カートリッジ本体(70)を含む。図3に最も分かりやすく示されるように、垂直スロット(49)が、ステープルカートリッジ(37)の一部を貫いて形成されている。これも図3に最も分かりやすく示されるように、3列のステープル開口部(51)が、垂直スロット(49)の一方の側部上の上部デッキ(72)を貫いて形成され、別の3列のステープル開口部(51)の組が、垂直スロット(49)の他方の側部上の上部デッキ(72)を貫いて形成されている。勿論、任意の他の好適なステープルの列数(例えば、2列、4列、その他の列数)が提供されてもよい。再び図4A〜図6を参照すると、楔形スレッド(41)及び複数のステープルドライバ(43)がカートリッジ本体(70)とトレイ(74)との間に捕捉され、ステープルドライバ(43)の近位に楔形スレッド(41)が位置している。楔形スレッド(41)は、ステープルカートリッジ(37)内で長手方向に移動可能であり、一方でステープルドライバ(43)は、ステープルカートリッジ(37)内で垂直方向に移動可能である。ステープル(47)も、カートリッジ本体(70)内部で、対応するステープルドライバ(43)の上方に位置決めされている。具体的には、各ステープル(47)は、ステープルドライバ(43)によってカートリッジ本体(70)内部で垂直方向に駆動されて、ステープル(47)を、関連するステープル開口部(51)から外へと駆動する。図4A〜図4B、及び図6に最も分かりやすく示されるように、楔形スレッド(41)は、楔形スレッド(41)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に駆動されるとステープルドライバ(43)を上方に付勢する、傾斜したカム面を提示する。
いくつかの変形例では、ステープルカートリッジ(37)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築され、動作可能である。追加的にあるいは代替的に、ステープルカートリッジ(37)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許第9,808,248号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であり得る。ステープルカートリッジ(37)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
図4A〜図4Bに示されるように、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を遠位方向に前進させることによってエンドエフェクタ(12)が閉鎖された状態では、続いて発射ビーム(14)は、上部ピン(38)を長手方向アンビルスロット(42)に入れることによって、アンビル(18)と係合して前進する。プッシャブロック(80)(図5に示す)は、発射ビーム(14)の遠位端に位置し、発射トリガー(28)が作動されたとき、発射ビーム(14)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に前進すると、楔形スレッド(41)がプッシャブロック(80)によって遠位方向に押されるように、楔形スレッド(41)と係合するように構成されている。かかる発射中に、発射ビーム(14)の切断縁部(48)は、ステープルカートリッジ(37)の垂直スロット(49)に入り、ステープルカートリッジ(37)とアンビル(18)との間にクランプされている組織を切断する。図4A〜図4Bに示すように、中間ピン(46)及びプッシャブロック(80)は共に、ステープルカートリッジ(37)内の垂直スロット(49)内に入ることによってステープルカートリッジ(37)を作動させ、楔形スレッド(41)を駆動してステープルドライバ(43)と上向きでカム接触させると、ステープル(47)がステープル開口部(51)から外に押し出されて、アンビル(18)内面上のステープル成形ポケット(53)(図3に示す)と成形接触する。図4Bは、組織の切断及びステープル留めが完了した後で、遠位方向に完全に並進した発射ビーム(14)を示す。ステープル成形ポケット(53)は、図4A〜図4Bの図から意図的に省略されているが、ステープル成形ポケット(53)は図3に示されていることを理解されたい。また、アンビル(18)は、図5の図から意図的に省略されていることも理解されたい。
図7は、組織(90)を通した1回のストロークによって作動されたエンドエフェクタ(12)を示す。図示されるように、切断縁部(48)(図7では隠されている)は、組織(90)を切断しており、一方、ステープルドライバ(43)は、切断縁部(48)が作り出した切断線の各側部で、ステープル(47)の3つの交互になる列を組織(90)を通して駆動している。この実施例では、全てのステープル(47)が切断線とほぼ平行に配向されているが、ステープル(47)は、任意の好適な配向で位置決めされ得る点を理解されたい。本実施例では、第1のストロークが完了した後にエンドエフェクタ(12)をトロカールから引き抜き、使用済みのステープルカートリッジ(37)を新しいステープルカートリッジと交換してから、エンドエフェクタ(12)を再びトロカールを通して挿入して、ステープル留めする部位に到達させて更なる切断及びステープル留めを行う。所望の量の切断及びステープル(47)が与えられるまで、このプロセスを繰り返すことができる。トロカールを通した挿入及び抜脱を容易にするにはアンビル(18)を閉鎖する必要があり得、ステープルカートリッジ(37)の交換を容易にするためにはアンビル(18)を開放する必要があり得る。
各作動ストロークの間に、ステープル(47)が組織を通して駆動されるのとほぼ同時に、切断縁部(48)が組織を切断することができる点を理解されたい。本実施例では、切断縁部(48)は、ステープル(47)の駆動よりもごくわずかに遅れて進むため、ステープル(47)は、切断縁部(48)が組織の同じ領域を通過する直前に組織を通して駆動されるが、この順序を逆にしてもよい点、又は切断縁部(48)が、隣接するステープルと直接的に同期してもよい点を理解されたい。図7は、2層(92、94)の組織(90)内で作動されるエンドエフェクタ(12)を示しているが、エンドエフェクタ(12)は、単一層の組織(90)、又は2層(92、94)を超える組織を通して作動されてもよい点を理解されたい。また、切断縁部(48)によって形成される切断線に隣接するステープル(47)の成形及び位置決めにより、切断線において組織を実質的にシールすることができ、これにより、切断線における出血及び/又は他の体液の漏出を低減又は防止することができる点も理解されたい。更に、図7は、2つの略平坦で並置した組織の平面層(92、94)において作動されているエンドエフェクタ(12)を示すが、エンドエフェクタ(12)は、環状構造、例えば血管、消化管のセクションなどにわたって作動され得ることを理解されたい。したがって、図7は、エンドエフェクタ(12)についての意図された使用におけるなんらかの制限を示すものとして見られるべきではない。器具(10)を使用することができる様々な適当な状況及び処置は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
一変形例では、器具(10)は、発射ビーム(14)の電動制御を提供する。発射ビーム(14)の電動制御を提供するために使用され得る例示的な構成要素は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年4月18日に公開された「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号に示され記載されている。上記に加えて、又はその代わりに、電動制御の少なくとも一部が、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2012年7月3日発行の「Motor−Driven Surgical Instrument」と題する米国特許第8,210,411号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成されてもよい。上記に加えて又は上記の代わりに、発射ビーム(14)を駆動させるように動作可能な機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,453,914号の教示のうちの少なくともいくつかに従って、及び/又はその開示も参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,453,914号の教示の少なくともいくつかに従って構成され得る。発射ビーム(14)の電動化を提供するための他の好適な構成要素、機構、及び構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。いくつかの他の変形例では、モータが省略され得るように発射ビーム(14)の手動駆動が提供されてもよいことも理解されたい。単に一例として、発射ビーム(14)は、本明細書で引用される任意の他の特許/特許公報の引用文献の教示のうちの少なくとも一部に従って作動されてもよい。
器具(10)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号に示され記載されるように、ロックアウトスイッチ及びロックアウトインジケータを含み得る。更に、ロックアウトスイッチ及び/又はロックアウト指示(lockout indication)、並びに付随する構成要素/機能性は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2010年1月12日発行の「Electronic Lockouts and Surgical Instrument Including Same」と題する米国特許第7,644,848号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成されてもよい。
また、器具(10)は、「緊急救済(bailout)」機構としての機能を果たし、操作者が、発射ストローク中に、発射ビーム(14)の近位方向への後退を即座に開始することを可能にするように構成された、手動戻りスイッチ(116)を含む。つまり、手動戻りスイッチ(116)は、発射ビーム(14)が部分的にのみ遠位方向に前進した場合、手動で作動できる。手動戻りスイッチ(116)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号の教示のうちの少なくともいくつかに従って更なる機能性を提供し得る。
器具(10)の動作を説明する際、「枢動する」という用語(及び「枢動する」を基体とした類義語)の使用は、必ずしも固定軸を中心とした枢動移動を必要とするものと解釈されるべきではない。いくつかの変形例では、アンビル(18)は、アンビル(18)が下側ジョー(16)に向かって移動すると、細長スロット又はチャネルに沿って摺動するピン(又は同様の機構)によって画定される軸を中心として枢動する。かかる変形例では、枢軸がスロット又はチャネルによって画定される経路に沿って並進し、一方で、アンビル(18)も同時にその軸を中心に枢動する。追加的にあるいは代替的に、まず枢軸がスロット/チャネルに沿って摺動し、次いで枢軸がスロット/チャネルに沿ってある一定の距離を摺動した後に、アンビル(18)が枢軸を中心に枢動してもよい。そのような摺動/並進枢動移動は、「枢動」、「枢動する」、「枢動の」、「枢動可能な」、「枢動している」などの用語内に包含されることを理解されたい。当然のことながら、いくつかの変形例は、固定された状態を維持して、スロット又はチャネルなどの内部を並進しない軸を中心としたアンビル(18)の枢動移動を提供してもよい。
器具(10)は、米国特許第4,805,823号、同第5,415,334号、同第5,465,895号、同第5,597,107号、同第5,632,432号、同第5,673,840号、同第5,704,534号、同第5,814,055号、同第6,978,921号、同第7,000,818号、同第7,143,923号、同第7,303,108号、同第7,367,485号、同第7,380,695号、同第7,380,696号、同第7,404,508号、同第7,434,715号、同第7,721,930号、同第8,408,439号、及び/又は同第8,453,914号の教示のいずれかに従って構成され、動作可能であり得ることを理解されたい。上述のように、それらの特許及び公報のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれている。器具(10)に提供され得る更なる例示的な改変を、以下でより詳細に述べる。以下の教示を器具(10)に組み込むことができる様々な好適な方法が、当業者には明らかになるであろう。同様に、以下の教示を本明細書で引用される特許/公報の様々な教示と組み合わせることができる種々な好適な方法は、当業者には明らかであろう。また、以下の教示は、本明細書で引用される特許で教示される器具(10)又はデバイスに限定されない点も理解されたい。以下の教示は、外科用ステープラとして分類されない器具を含む他の様々な種類の器具にも容易に応用可能である。以下の教示を適用することができる他の様々な好適なデバイス及び状況は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
II.可視化、引込、及び収集機構を備える例示的エンドエフェクタ
いくつかの例では、ユーザにエンドエフェクタ(12)のより良好な可視化を提供することが望ましい場合がある。具体的には、エンドエフェクタ(12)が手術部位に挿入される際、ユーザは、処置中に器具(10)のシャフト(22)を回転させる場合がある。その結果、エンドエフェクタ(12)もまた回転する。エンドエフェクタ(12)が回転する際、ユーザが手術部位に対する視覚的アクセスを有することが望ましい場合がある。例えば、ユーザは、組織(90)とエンドエフェクタ(12)との間の境界面又は接触面を見ることを望む場合がある。エンドエフェクタ(12)がハンドル部分(20)に対して長手方向軸(LA)を中心に回転できるため、ユーザは、アンビル(18)ではなくエンドエフェクタの下側ジョー(16)が可視となるように、手術部位を見ることができる。あるいは、ユーザがエンドエフェクタ(12)を見るときに、アンビル(18)がユーザに見えるように、エンドエフェクタ(12)が回転されてもよい。図1の器具(10)で可能であるものを超えた手術部位の視認性をユーザに提供することが望ましい場合がある。例えば、流体を輸送している血管が切開されてステープル留めされる一部の外科的処置の場合、アンビル(18)及び下側ジョー(16)が横切されるべき血管を完全に覆っており、その結果、1回の作動で血管を完全に切開してステープル留めできることを視覚的に確認できることが望ましい場合がある。つまり、ユーザは、血管の一部分のみを切断及びステープル留めすることを回避したいと希望し得る。したがって、アンビル(18)及び下側ジョー(16)が血管を完全にクランプするように、エンドエフェクタ(12)が手術部位内に適切に位置付けられたことがユーザに分かるような、なんらかの視覚的な監視及び/又はフィードバック手段が望ましい場合がある。手術部位を監視する1つの考えられる方法として、下側ジョー(16)及びアンビル(18)の遠位先端部に隣接する区域の可視化を改善することが挙げられ得る。更に、エンドエフェクタ(12)の遠位端の可視化が望ましいだけでなく、アンビル(18)が下側ジョー(16)に向かって閉鎖すると、アンビル(18)の遠位端がアンビル(18)と下側ジョー(16)との間の空間内へと近位方向に組織(例えば、大血管)を付勢するように構成されるように、エンドエフェクタ(12)を構成することが望ましい場合がある。
図8は、アンビル(218)及び下側ジョー(216)を備える例示的エンドエフェクタ(212)を示す。エンドエフェクタ(212)は、器具(10)のエンドエフェクタ(12)の代わりに使用されてもよいことが理解されよう。エンドエフェクタ(212)は、器具(10)と一体的に形成されてもよく、あるいは、器具(10)のエンドエフェクタ(12)と互換的であってもよい。
アンビル(218)は、下側ジョー(216)に対して枢動するように動作可能である。アンビル(218)及び下側ジョー(216)は、図1に示すアンビル(18)及び下側ジョー(16)によって行われるクランプと同様に組織(90)をクランプすることができる。エンドエフェクタ(212)は、図3に示すカートリッジ(37)と同様に、下側ジョー(216)内に定置されるように動作可能なカートリッジ(237)を更に備える。
図8〜図10で見ることができるように、アンビル(218)は細長い形状を有し、アンビル(218)の遠位部分はカートリッジ(237)に向かって角度付けされている。アンビル(218)の遠位部分は、アンビル(218)の最遠位先端部(219)がカートリッジ(237)よりも更に遠位長手方向に延在するように、カートリッジ(237)に向かって角度付けされている。しかし、いくつかの変形例では、遠位先端部(219)は、長手方向にカートリッジ(237)と等しい距離まで延在してもよく、又はカートリッジ(237)上の最遠位点に対して近位に延在してもよいことが理解されるであろう。更に、アンビル(218)は、緩斜面を通ってカートリッジ(237)に向かって角度をなしている。図10で最も良く分かるように、アンビル(218)は、アンビル(218)の最遠位先端部(219)に近付くにつれて先細になる側部(241)を含む。例として、アンビル(218)は、図8では、反転したスキー先端部と同様に成形されている。アンビル(218)の角度付き形状により、エンドエフェクタ(212)を手術部位へより容易に挿入することができる。例えば、アンビル(218)の緩斜面又は反転スキー先端部形状は、アンビル(218)が組織に接触する際、若しくは組織を通って移動する際に非外傷性の組織偏向面を提供することができる。こうした非外傷性の組織偏向は、アンビル(218)が下側ジョー(216)に向かって閉鎖する際に、アンビル(218)と下側ジョー(216)との間の空間内へと組織(例えば大血管)を近位方向に付勢することを含み得る。一旦手術部位内に配置されると、アンビル(218)の角度付き形状は、エンドエフェクタ(212)のより良好な操縦性、及び手術部位における解剖学的構造と関連したエンドエフェクタ(212)の遠位端のより良好な視認性も提供し得る。アンビル(218)の他の好適な変形は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
カートリッジ(237)は、図4Aに示すステープル(47)と同様のステープルを、組織内に駆動するために保持するように動作可能である。図9に示すように、カートリッジ(237)の遠位端は、三角形の外形を有する。具体的には、カートリッジ(237)の遠位端は、先細上面(239)及び先細下面(238)を備える。加えて、カートリッジ(237)の遠位端は、各側に先細側面(243)を備える。本実施例では、カートリッジ(237)の各先細側面(243)は、アンビル(218)の側部(241)によって提示される先細形状と概ね位置合わせする。したがって、図10に示すように、カートリッジ(237)の側面(243)は、アンビル(218)の側面(241)を越えてエンドエフェクタ(212)の長手方向軸(LA)から外向きに延在しない。先細上面(239)及び先細下面(238)は、カートリッジ(237)の最遠位端に至る。先細下面(238)は視線(240)を画定し、その結果、エンドエフェクタ(212)が手術部位に一旦挿入されると、ユーザは、視線(240)に沿って見ることができる。視線(240)は、先細下面(238)の縁部に沿って延在する。先細下面(238)の平面形状は、ユーザがアンビル(218)の遠位先端部(219)を可視化する、かつ/又はほぼ可視化するように動作可能であってもよいことが理解されよう。具体的には、視線(240)は、エンドエフェクタ(212)を通って長手方向に延在する長手方向軸(LA)と交差し、視野角(θ)を形成する。
視野角(θ)は、ユーザが遠位先端部(219)に対して有する相対的視認性を確立することができる。具体的には、ユーザは、視野角(θ)の範囲内で、視線(240)と長手方向軸(LA)との交点を通過する任意の視線に沿って、遠位先端部(219)を正面から見ることができる。例えば、視野角(θ)が増加すると、ユーザは、近位の観点からの遠位先端部(219)のすぐ前方の領域の視認性が高まり、視野角(θ)が減少すると、ユーザは、近位の観点からの遠位先端部(219)前方の領域の視認性が低下する。いくつかの変形例では、視野角(θ)は、90度を超える角度を画定する。加えて、いくつかの変形例では、視野角(θ)は、135度を超える角度を画定する。視野角(θ)の他の好適な角度は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。図示された変形例では、ユーザは、一般に、視線(240)に沿って又は視野角(θ)内のいくつかの他の視線に沿って見るため、ユーザは、視線、及び視野角(θ)内の任意の領域に沿った視認性を有する。遠位先端部(219)の下側は、長手方向軸(LA)と視線(240)との交点の視認性を補助するために更にわずかに丸みを帯びている。
組織(90)が、閉鎖されたカートリッジ(237)とアンビル(218)との間にクランプされると、ユーザは、視線(240)に沿って又は視野角(θ)内の他の位置から見て、例えば、アンビル(218)がどこで組織(90)をクランプしたかを正確に確認することができる。更に、ユーザは、組織がエンドエフェクタ(212)の端部を越えてはみ出さないように、組織がアンビル(218)とカートリッジ(237)との間で完全にクランプされているかどうかを判定することができるようになる。ユーザはまた、組織(90)に対するアンビル(218)とカートリッジ(237)との間のクランプの質も可視化することができる。いくつかの例では、組織(90)をクランプする前、その最中、又はその後に、エンドエフェクタ(212)を回転させてもよいことが理解されよう。その結果、アンビル(218)の先細形状はまた、遠位先端部(219)の、又は実質的に隣接する遠位先端部(219)の、より見やすい視界をもたらすことができる。カートリッジ(237)の先細下面(238)に沿ったアンビル(218)の先細りにより、エンドエフェクタ(212)を組織内へと更に容易に非外傷的に挿入することができる。更に、エンドエフェクタ(212)の先細端部によって、トロカール、又はエンドエフェクタ(212)を手術部位に導入するように動作可能な他のデバイスを通してエンドエフェクタ(212)を嵌合させることがより容易となり得る。例えば、一旦遠位先端部(219)がトロカールに嵌合されると、先細下面(238)及びアンビル(218)の先細形状は、引込部を提供し、エンドエフェクタ(212)の残りの部分をトロカール内に誘導することができる。本明細書の教示を鑑みれば、当業者は、アンビル(218)の両側部(241)及びカートリッジ(237)の各側部(243)の先細設計によって視認性及び操縦性を向上させ得ることを更に理解するであろう。
上記に加えて、エンドエフェクタ(212)及びエンドエフェクタ(212)を組み込んだ器具(10)の変形例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年11月17日発行の「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題する米国特許第9,186,142号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年8月1日発行の「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,717,497号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月12日発行の「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,839,421号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2014年8月28日公開の「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許出願公開第2014/0239037号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi−Diameter Shaft」と題する米国特許第9,795,379号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許第9,808,248号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であり得る。エンドエフェクタ(212)に組み込まれ得る更なる修正について、下記でより詳細に説明する。
III.屈曲又は角度付けされた弾性変形可能なアンビル先端部を有する例示的なエンドエフェクタ
いくつかの手順では、組織に沿って、又は組織を通して切断することが必要であり得、その場合、処置を完了するには2つ以上の切断シーケンス、換言すると、連続経路に沿って連続的な切断を行うことが必要である。このような処置では、この連続的な切断技術は、「マーチング」として定義することができる。マーチングを伴う処置の場合、器具(10)が手術部位に配置され、作動されて切断及びステープル留めを行い、続いて新しいカートリッジ(37)を装着するために手術部位から除去され、続いて前回の切断及びステープル留めサイクルが発生した同じ経路に沿った次回の切断及びステープル留めのために再び手術部位に戻されてもよい。このプロセスは、切断及びステープル処置が完了するまで繰り返される。図4A〜4B、及び図7に見られるように、エンドエフェクタ(12)の遠位端構成は、アンビル(18)の遠位端とカートリッジ(37)の遠位端との間に間隙を提供する。この間隙は、各マーチング工程の開始時に組織がエンドエフェクタ(12)の遠位端に侵入するための非外傷性空間を提供することによってマーチングを促進することができる。
上述したように、エンドエフェクタ(212)の遠位端構成は、エンドエフェクタ(12)の遠位端構成とは異なり、エンドエフェクタ(212)の異なる構成は、異なる潜在的利点を提供する。具体的には、エンドエフェクタ(212)の遠位端構成は、改善された操縦性、及びエンドエフェクタ(212)の遠位端と、隣接する解剖学的構造との間の関係の改善された視認性を提供することができる。加えて、エンドエフェクタ(212)の遠位端構成は、アンビル(218)が下側ジョー(216)に向かって閉鎖されると、アンビル(218)と下側ジョー(216)との間の空間内に組織を近位方向へ付勢することによって組織収集効果を提供することができる。しかしながら、エンドエフェクタ(212)の全ての構造が剛性である変形例では、アンビル(218)が下側ジョー(216)に向かって閉鎖されているとき、アンビル(218)と下側ジョー(216)との間の空間に収集されない組織に対して遠位先端部(219)が外傷を与える場合があるため、アンビル(218)の遠位先端部(219)の屈曲構成はマーチング動作にあまり適さない場合がある。したがって、エンドエフェクタ(212)の全ての構造が剛性である変形例では、エンドエフェクタ(212)は、切断及びステープル留め動作(例えば、血管横切開)に最も適することができ、ここでは切断及びステープル留めされる組織の全てが遠位先端部(219)の近位に収集される。
上記の内容を考慮すると、別の場合ではエンドエフェクタ(212)の完全に剛性の変形例に付随する場合のある外傷のリスクを増大させることなく、エンドエフェクタ(12)のマーチング能力、エンドエフェクタ(212)に関連する改善された視認性、及びエンドエフェクタ(212)の組織収集能力を提供するエンドエフェクタ(12、212)の変形例を提供することが望ましい場合がある。以下では、エンドエフェクタ(12、212)のこうした変形例のいくつかの単なる例示的な実施例を説明する。以下の実施例では、アンビルは、遠位先端部(219)のような屈曲又は角度付けされた構成を取るように弾性的に付勢された遠位先端部を有し、更に、弾性的に付勢された遠位先端部は、遠位先端部上の十分な荷重に応答して下側ジョーから離れて偏向可能である。弾性変形可能な角度付き遠位先端部分を有するアンビルを提供することは、組織を通って手術部位までナビゲートすることに関して、更なるレベルの操縦性の利益を提供することができることが、本明細書の教示を鑑みれば理解されるであろう。このようにして、変形可能な遠位先端部分は、特にマーチング動作中に、組織を通るエンドエフェクタの滑らかで非外傷的な移動を促進するために、偏向又は変形してもよい。加えて、装填状態にないとき、又は周辺組織と接触していないときの角度付けされた位置への付勢を有するアンビルは、直線状又は角度付けされていないアンビルを有するエンドエフェクタを使用することと比較して、組織捕捉及び切断中の強化された可視化を達成することができる。更に、角度付けされた位置に付勢された遠位先端部を有するアンビルは、比較的小さい組織構造をアンビルと下側ジョーとの間に単に寄せ集めることに関連するのではなく、マーチングに関連することになる負荷点に達するまで、ある程度の組織収集効果を提供することができる。
図11は、外科用ステープラとして構成された別の例示的な器具(310)を示す。器具(310)は、ハンドル部分(320)とシャフト(322)とを備える。器具(310)は、シャフト(322)がハンドル部分(320)から選択的に取り外し可能であり、かつそのハンドル部分に対して取り付け可能であるように、モジュール式構成を有する。器具(310)は器具(10)と同様に構成されており、器具(310)の操作性及び使用法は、モジュール式構成である器具(310)の追加的特徴を除いて器具(10)について上述したものと同じである。そのモジュール式構成により、器具(310)は、エンドエフェクタを変更する方法を提供する。エンドエフェクタにおけるこうした変更は、別の方法で装着されたエンドエフェクタを交換するように、又は処置又はユーザの好みに基づいて異なるエンドエフェクタ構成を提供するように作られてもよい。前述のものに加えて、又はその代わりに、器具(310)のモジュール式構成を提供するように動作可能な機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年3月30日公開の「Surgical Stapling Instrument with Shaft Release,Powered Firing,and Powered Articulation」と題する米国特許出願公開第2017/086823号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され得る。モジュール式構成を備える器具(310)を提供するための他の好適な構成要素、機構、及び構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。更に、器具(10)が、器具(310)又は参照により本明細書に組み込まれるその他の器具に関して示されかつ説明されたモジュール式構成を組み込むように修正されてもよいことが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には理解されるであろう。
図11の例示的な実施例では、器具(310)は、角度付き遠位先端部(319)を有するアンビル(318)を有するエンドエフェクタ(312)を備える。更に、アンビル(318)の遠位先端部(319)は弾性変形可能である。このようにして、図12A及び図12Bに最もよく示されるように、角度付き遠位先端部(319)は、第1の角度を付けられた位置から第2の位置へと弾性的に変形するように動作可能である。角度付き遠位先端部(319)の第2の位置は、いくつかの変形例では実質的に真っ直ぐであってもよいが、他の変形例では、ある程度角度付けされてもよい(例えば、長手方向軸(A1)のわずかに上方又はわずかに下方に)。角度付き遠位先端部(319)の第2の位置は、アンビル(318)と下側ジョー(16)との間に捕捉される組織の特性(例えば、厚さ、密度など)によって画定され得ることを理解されたい。本実施例では、エンドエフェクタ(312)は、ハンドル部分(320)から取り外し可能なシャフト(322)上に提供される。単に一例として、シャフト(322)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2018年3月13日発行の「Surgical Instrument Comprising a Sensor System」と題する米国特許第9,913,642号の教示のうちの少なくともいくつかに従ってハンドル部分(320)から取り外し可能であってもよい。いくつかの他の変形例では、シャフト(322)はハンドル部分(320)から取り外し可能ではない。
エンドエフェクタ(312)は、図1に示すエンドエフェクタ(12)の代わりに使用されてもよいことが理解されよう。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(312)は、シャフト(22)と一体的に形成されてもよく、あるいは別々に形成され、その後、組み合わされてもよい。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(312)は、ロボットシステムで使用するために提供されてもよい。このようなロボットシステムでは、エンドエフェクタ(312)を有するモジュール式シャフト(322)は、ハンドル部分(320)がロボットシステムの構成要素によって交換されるような使用のためにロボットシステムの一部に取り付け可能であり得る。更に他の実施例では、エンドエフェクタ(312)は、モジュール式シャフト(322)全体を必ずしも接続することなく、エンドエフェクタ(312)がロボットシステムと接続する様式で、ロボットシステムと共に使用するように適合されてもよい。本明細書の教示を鑑みれば、角度付けされた弾性変形可能なアンビル先端部を有するエンドエフェクタを、ユーザ操作又はロボット操作式器具に組み込むためのその他の方法が当業者には明らかになるであろう。
図12Aは、エンドエフェクタ(312)の遠位端の拡大側面図を示す。エンドエフェクタ(312)は、器具(10)に関して上述したように、アンビル(318)、及びカートリッジ(37)を受け入れる下側ジョー(16)を備える。アンビル(318)は、器具(10)に関して上述したアンビル(18)と同様に、下側ジョー(16)に向かって枢動可能に回転する。この構成では、エンドエフェクタ(312)はエンドエフェクタ(12)と同様であるが、アンビル(318)は、弾性変形可能な角度付き遠位先端部(319)を備える。図12Aに示すように、先端部(319)は、図11に示され、図12Aに仮想線で示される角度付き位置への付勢が付与される。図11に示されるように、エンドエフェクタ(312)が組織をクランプせずに開放しているか、又は図12Aに仮想線で示されるように、組織をクランプせずに閉鎖しているとき、先端部(319)はこの角度付き位置をとる。エンドエフェクタ(312)がこの角度付き状態又は位置にある場合、エンドエフェクタ(312)は、装填されていない、又は非装填状態若しくは位置にあると考えることができる。逆に、エンドエフェクタ(312)が組織をクランプしているとき、エンドエフェクタ(312)は、装填されている、又は装填状態若しくは位置にあると考えることができる。
閉鎖され、アンビル(318)と下側ジョー(16)との間に組織をクランプしていないとき、先端部(319)はカートリッジ(37)と接触する。この位置では、先端部(319)の下側表面(324)は、シャフト(322)によって画定される長手方向軸(A1)と交差して角度(θ1)を形成する平面を画定する。閉鎖されて、組織(90)をアンビル(318)と下側ジョー(16)との間でクランプすると、先端部(319)の下側表面(324)は組織(90)と接触する。この位置では、先端部(319)の下側表面(324)は、長手方向軸(A1)と交差して角度(θ2)を形成する平面を画定する。図12Aの例示された実施例では、角度(θ1、θ2)は長手方向軸(A1)と相対的であり、角度(θ1、θ2)の和は、遠位先端部(319)が受ける可動域を表す。あくまで例としてであり、限定するものではないが、いくつかの実施例では、角度(θ1)は、長手方向軸(A1)からカートリッジ(37)に向かって下向きの方向に、約20〜約70度、又はより具体的には約30度〜約50度である。あくまで例としてであり、限定するものではないが、いくつかの実施例では、角度(θ2)は、カートリッジ(37)から離れて長手方向軸(A1)から上向きの方向に約0〜約90度である。あくまで例としてであり、限定するものではないが、いくつかの実施例では、先端部(319)が受ける可動域は約20度〜約110度である。角度(θ1、θ2)について記載される角度は、単なる例示であり、限定するものではない。本明細書の教示を鑑みれば、他の好適な角度が、当業者には明らかになるであろう。
加えて、場合によっては、長手方向軸(A1)は、ゼロ度基準を表し、それに対する角度は正又は負であり得る。例えば、角度が長手方向軸(A1)からカートリッジ(37)に向かって下向きの方向にある場合、角度は負の角度として特徴付けられてもよい。同様に、角度がカートリッジ(37)から離れて長手方向軸(A1)から上向きの方向にある場合、角度は正の角度として特徴付けられてもよい。これらの慣例を使用するとき、変形による遠位先端部(319)の可動域は、遠位先端部(319)がカートリッジ(37)と接触する位置にあるときの角度と、遠位先端部(319)が組織をクランプするときの変形状態にあるときの角度と、の絶対値の和として理解することができる。
図12Bは、図12Aのエンドエフェクタ(312)と同様の代替的エンドエフェクタ(412)の別の側面図を示す。エンドエフェクタ(312)の場合、アンビル(318)がその角度付きかつ非変形状態にあるとき(図12Aの図の仮想線で見られるように)、アンビル(318)は、カートリッジ(37)の最遠位端部と同等又は近位の点まで延在する。アンビル(318)が上方に偏向されるように変形されると、遠位先端部(319)の端部は、カートリッジ(37)の最遠位端部のすぐ遠位の点まで延在する。エンドエフェクタ(412)の場合、図12Bに示されるように、アンビル(318)がその角度付き状態及び非変形状態にあるとき(図12Bの図の仮想線で見られるように)、アンビル(318)は、カートリッジ(37)の最遠位端部と同等又は近位の点まで延在する。アンビル(318)が上方に偏向されるように変形されると、アンビル(318)の遠位先端部(319)の端部は、カートリッジ(37)の最遠位端部と同じ又はその最遠位端部の近位の点まで延在する。このように、アンビル(318)がその角度付き状態又は変形状態にあるとき、エンドエフェクタ(412)のアンビル(318)は、カートリッジ(37)の最遠位端と同等又はその最遠位端の近位の位置にあり続け、そのため、アンビル(318)は、アンビル(318)がその角度付けされた非変形状態にあろうと、又はその変形状態にあろうと、カートリッジ(37)の最遠位端部を越えて延在しない。場合によっては、これは、アンビルの遠位先端部(319)の長さが短くなるようにアンビル(318)を変更することによって達成することができる。その他の場合では、器具(10、310)は、クランプ時にアンビル(318)がわずかに近位に後退するように修正されてもよい。本明細書の教示を鑑みれば、アンビル(318)の位置の制御に関連するときのエンドエフェクタ(412)を修正する他の方法が、当業者には明らかになるであろう。
A.オーバーモールドされたアンビル先端部
図13〜図15は、例示的な構成を示すためのエンドエフェクタ(312)の拡大遠位図を示す。図13〜図15に示される構造体は、上述したアンビル(318)の長さの違いを除いて、図12Bに示されるエンドエフェクタ(412)にも適用される。図13の上面図に示すように、エンドエフェクタ(312)は、遠位先端部(319)が剛性部分(326)及び偏向可能部分(328)を備えるアンビル(318)を備える。本実施例では、偏向可能部分(328)は剛性部分(326)上にオーバーモールドされて、アンビル(318)の遠位先端部(319)を形成する。図13に示される例示的な例では、カートリッジ(37)の輪郭は、アンビル(318)の下側表面(324)を明らかにするために仮想線で示されている。遠位先端部(319)の剛性部分(326)は、アンビル(318)の本体(330)から延在する。本実施例では、本体(330)は金属から構成され、剛性部分(326)は、金属本体(330)の遠位先端部(319)内への延長部である。他の変形例では、本体(330)及び/又は剛性部分(326)は、プラスチック、セラミック、金属とプラスチック又はセラミックとの組み合わせ、及び本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう他の好適な材料又は材料の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない、金属以外の材料から構成されてもよい。加えて、剛性部分(326)は、いくつかの変形例では、完全に剛性であるが、他の変形例では、剛性部分(326)は偏向可能部分(328)よりも少ない程度で弾性であってもよい。
図13及び図14の図示された変形例では、金属部分(326)は、概ね平坦又は平面である下側表面(332)と、同様に概ね平坦又は平面である上面(334)と、を備える。金属部分(326)は、金属部分(326)を通って上面(334)から下側表面(332)まで延在する開口部(336)を更に備える。加えて、金属部分(326)は、ネック領域(338)と、ネック領域(338)から遠位方向に延在するヘッド領域(340)と、ネック領域(338)とヘッド領域(340)との間の移行部における肩部(342)と、を備える。本実施例では、ネック領域(338)は、アンビル(318)の本体(330)から延在する。この構成により、金属部分(326)は、開口部(336)及び肩部(342)などの固定機構又はインターフェースを提供し、エラストマー部分(328)は、オーバーモールドプロセスを使用して、金属部分(326)としっかりと接続することができる。
図15は、遠位先端部(319)のすぐ近位のアンビル(318)の断面図を示す。図示されるように、アンビル(318)は、6列のステープル成形ポケット(346)をそれぞれ2組の3列に分割する長手方向スロット(344)を備える。スロット(344)及びステープル成形ポケット(346)は、アンビル(18)に関して上述したスロット(42)及びステープル成形ポケット(53)と構造的かつ機能的に類似している。スロット(344)は、図15に示すような「t」字形断面を含む。再び図13及び14を参照すると、金属部分(326)の開口部(336)は、スロット(344)の横方向に延在する部分に隣接して位置付けられる。本明細書の教示を鑑みれば、オーバーモールドプロセスを使用したエラストマー部分(328)との好適な接続のために金属部分(326)を構成する他の方法が、当業者には明らかになるであろう。
エラストマー部分(328)は、金属部分(326)上に成形され、また成形プロセスでは、エラストマー部分(328)が、アンビル(318)の本体(330)によって画定される平面と交差し、かつこれと同一平面上にない平面を画定するように、角度付け構成が付与される。このようにして、エラストマー部分(328)は、何らかの他の力がエラストマー部分(328)上に付与されて、それをその初期の角度付け位置から偏向させることがない限り、その角度付き構成を維持するように付勢されて形成される。成形プロセス中、エラストマー材料は、金属部分(326)の開口部(336)を通って流れて、これを充填する。エラストマー材料はまた、肩部(342)の周囲を、それに隣接して流れる。このようにして、エラストマー部分(328)は、オーバーモールドプロセス中に金属部分(326)としっかりと接続される。エラストマー部分(328)は、ゴム、プラスチック、又は、遠位先端部(319)が、力を受けたときに変形するが、力がこれ以上加えられないか又は存在しないときは、その初期の角度付き状態に弾性的に戻ることを可能にする所望のエラストマー特性を有する任意の他の好適な天然若しくは合成材料を含んでもよい。成形プロセスの間、スロット(344)に対して遠位方向に形成されたスロット(349)に停止部材(図示せず)を挿入して、エラストマー材料がスロット(344)に侵入するのを防ぐことができる。本明細書の教示を鑑みれば、オーバーモールドプロセスを使用した金属部分(326)との好適な接続のためにエラストマー部分(328)を構成する他の方法が、当業者には明らかになるであろう。
上記で説明され、図13及び図14に示される遠位先端部(319)の構成では、金属部分(326)が遠位先端部(319)の領域内に延在することによって、偏向ゾーン(348)が画定される。偏向ゾーン(348)は、遠位先端部(319)の近位端に位置する遠位先端部(319)の剛性部分と同一の空間を占める。剛性が増大したこの領域により、遠位先端部(319)は、例えば、図12Aに示すように偏向し、偏向ゾーン(348)は枢動点、又は偏向中に遠位先端部(319)の残部がそれを中心に回転する位置としての役割を果たす。本明細書の教示を鑑みれば、当業者は、遠位先端部(319)の所望の偏向が達成されるように、偏向ゾーン(348)を変更、修正、又は制御するために遠位先端部(319)を修正するその他の方法を理解するであろう。
IV.弾性変形可能な配置先端部を有するエンドエフェクタの例示的な構成
エンドエフェクタ(312、412)に関して上述したような、配置先端部とも称される屈曲又は角度付けされた弾性変形可能な先端部を有するエンドエフェクタでは、変形可能な先端部が使用中に偏向し得る。上述のように、弾性変形可能な先端部は、アンビル(318)の場合と同様に、アンビル上に配置され得る。他の変形例では、弾性変形可能な先端部はカートリッジ上に位置し得る。加えて、上述のエンドエフェクタ(12、212、312、412)は、アンビル(18、218、318)に対向する下側ジョー(16、216)を含むものとして論じられているが、いくつかの変形例では、エンドエフェクタは上側ジョー及び下側ジョーを含み、アンビルはいずれのジョー上に位置してもよく、カートリッジは、アンビルを有するジョーと反対側のいずれかのジョー上に位置してもよい。更に、いずれかのジョーは、弾性変形可能な先端部を含んでもよく、これはアンビル若しくはカートリッジの一部であり得るか又はそれに関連付けられ得る。以下の段落には、器具(10、310)及び他の器具と共に使用可能な、下側ジョー、上側ジョー、及び弾性変形可能な先端部又は配置先端部を含むいくつかの例示的なエンドエフェクタが記載されている。これらの例示的なエンドエフェクタは、相互に排他的であることを意図しない様々な方法で示され記載される。代わりに、多くの場合、本明細書の教示を考慮することで当業者に理解されるように、1つの変形例の機構は別の変形例に等しく適用される。
示され記載されるいくつかの変形例では、変形可能な先端部の偏向は、エンドエフェクタが開放状態にあるときと閉鎖状態にあるときの状態を比較した場合、変形可能な先端部が位置するジョーによって画定される長手方向軸に対して変形可能な先端部の角度を変化させる。示され記載されるいくつかの変形例では、エンドエフェクタが負荷状態にあるか又は組織と係合しているときと、エンドエフェクタが無負荷状態であるか又は組織と係合していないときと、を比べて、カートリッジのノーズに対する変形可能な先端部の角度を変化させる。示され記載されるいくつかの変形例では、エンドエフェクタジョーのうちの1つの配置先端部は、偏向状態にあるときと非偏向状態にあるときと、を比べて、エンドエフェクタジョーの他方に対して特定の位置をとり得る。示され記載されるいくつかの変形例では、エンドエフェクタ構成要素は、特定の配置先端部及び/又は幅プロファイルを有するように構成される。最後に、示され記載されるいくつかの変形例では、エンドエフェクタ構成要素は、特定の下側表面構成及び/又は間隙を有するように構成される。
以下に記載されるエンドエフェクタは、それぞれ、上述の器具(10、310)と共に使用するように構成され得る。例えば、後述のエンドエフェクタのそれぞれは、図1に示されるエンドエフェクタ(12)の代わりに、又は図11に示されるエンドエフェクタ(312)の代わりに使用されてもよいことが理解されよう。いくつかの変形例では、後述のエンドエフェクタのそれぞれは、シャフト(22)と一体的に形成されてもよく、あるいは別々に形成され、その後、組み合わされてもよい。いくつかの変形例では、後述のエンドエフェクタのそれぞれは、ロボットシステムで使用するために提供されてもよい。このようなロボットシステムでは、後述のエンドエフェクタのいずれかを有するモジュール式シャフト(322)は、ハンドル部分(320)がロボットシステムの構成要素によって交換されるような使用のためにロボットシステムの一部に取り付け可能であってもよい。更に他の実施例では、後述のエンドエフェクタのそれぞれは、モジュール式シャフト(322)全体を必ずしも接続することなく、後述のエンドエフェクタのいずれかがロボットシステムと接続する様式で、ロボットシステムと共に使用するように適合されてもよい。本明細書の教示を鑑みれば、後述のエンドエフェクタのそれぞれを、ユーザ操作又はロボット操作式器具に組み込むためのその他の方法が当業者には明らかになるであろう。
A.開放状態及び閉鎖状態における例示的な角度
ここで、図16及び図17を参照すると、エンドエフェクタ(512)の拡大図が示されている。エンドエフェクタ(512)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(512)は、上側ジョー(514)及び下側ジョー(516)を含む。本実施例では、上側ジョー(514)は、屈曲しているか又は角度付きであり、弾性変形可能である遠位先端部又は配置先端部(519)を有する本体(517)を含む。本体(517)は、配置先端部(519)を除いて、長手方向軸(LA1)を画定する。配置先端部(519)は、別の軸(A2)を画定する。本実施例では、長手方向軸(LA1)は、上側ジョー(514)の本体(517)の下側表面(520)に平行に延在する。同様に、軸(A2)は、配置先端部(519)の下側表面(522)に平行に延在する。
図16に示すように、エンドエフェクタ(512)は、組織又は他の物体がエンドエフェクタ(512)に接触していない開放位置又は状態にある。第1の角度(θ3)は、本体(517)の長手方向軸(LA1)と配置先端部(519)の軸(A2)との交点によって画定される。換言すると、第1の角度(θ3)は、本体(517)の下側表面(520)に沿って延在する平面と、配置先端部(519)の下側表面(522)に沿って延在する平面との交点によって画定される。
図17に示すように、エンドエフェクタ(512)は、組織がエンドエフェクタ(512)に接触することなく閉鎖位置に移動され、依然として無負荷状態にある。しかしながら、閉鎖位置では、上側ジョー(514)の配置先端部(519)は下側ジョー(516)と接触する。この接触及び配置先端部(519)の弾性変形可能な性質により、配置先端部(519)は、図16に示すように、本体(517)に対してその位置から偏向する。この偏向位置又は状態では、第2の角度(θ4)は、本体(517)の長手方向軸(LA1)と配置先端部(519)の軸(A2)との交点によって画定される。換言すると、第2の角度(θ4)は、本体(517)の下側表面(520)に沿って延在する平面と、配置先端部(519)の下側表面(522)に沿って延在する平面との交点によって画定される。
配置先端部(519)の偏向に伴い、第2の角度(θ4)は第1の角度(θ3)と同じではない。例えば、図17に示した偏向により、下側ジョー(516)は配置先端部(519)の下側に接触し、その結果、配置先端部(519)は下側ジョー(516)から離れる方向に上方に枢動し、第2の角度(θ4)は第1の角度(θ3)よりも大きくなる。本実施例では、エンドエフェクタ(512)は枢動点(524)を画定し、配置先端部(519)は枢動点(524)を中心として本体(517)と相対的に枢動する。より具体的には、枢動点(524)は、本体(517)の下側表面(520)及び配置先端部(519)の下側表面(522)が交わる場所に生じる。この構成では、エンドエフェクタ(512)は、上側ジョー(514)の遠位端から延在する配置先端部(519)を含む。配置先端部(519)は、エンドエフェクタ(512)が開放位置にあるとき、上側ジョー(514)の本体(517)の軸、又は長手方向軸(LA1)に対する第1の角度(θ3)を含む。配置先端部(519)は、エンドエフェクタ(512)が閉鎖位置にあるとき、上側ジョー(514)の本体(517)の軸に対する第2の角度(θ4)を更に含み、第2の角度(θ4)は第1の角度(θ3)と異なる。
本明細書の教示を鑑みれば、エンドエフェクタ(512)が閉鎖位置にあるときに、第2の角度(θ4)に対して他の角度が達成されるように、エンドエフェクタ(512)及び配置先端部(519)の偏向を修正する様々な方法が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。単に一例として、限定するものではないが、そのような修正の1つは、エンドエフェクタ(512)が閉じられているときに、配置先端部(519)による下側ジョー(516)との接触の関係を変更することである。本実施例では、下側ジョー(516)は、下側ジョー(516)の遠位端にノーズ部分(526)を含む。更に、ノーズ部分(526)は、下側ジョー(516)の長手方向軸(LA2)に対して傾斜を有する平面を画定する上面(528)を含む。この傾斜は、配置先端部(519)の偏向に影響を及ぼし、それによって第2の角度(θ4)の変化を引き起こし得る。単に別の例として、限定するものではないが、別のそのような修正は、配置先端部(519)の偏向を方向付けるか又はその偏向に影響を及ぼし、それによって第2の角度(θ4)の変化を引き起こす機構を上面(528)上に含むことである。
いくつかの変形例では、上側ジョー(514)は、上述のアンビル(18、218、318)と同様のアンビル(518)を含む。そのような変形例では、アンビル(518)は、本体(517)及び遠位先端部(519)を含む。また、そのような変形例では、アンビル(518)に対向する下側ジョー(516)は、ノーズ部分(526)を有するステープルカートリッジ(537)を含む。この構成では、エンドエフェクタ(512)は、アンビル(518)の遠位端から延在する配置先端部(519)を含む。配置先端部(519)は、エンドエフェクタ(512)が開放位置にあるときに、アンビル(518)軸又は長手方向軸(LA1)に対する第1の角度(θ3)を含む。配置先端部(519)は、エンドエフェクタ(512)が閉鎖位置にあるときに、アンビル(518)軸又は長手方向軸(LA1)に対して第2の角度(θ4)を更に含み、第2の角度(θ4)は、上述のように第1の角度(θ3)と異なる。いくつかの他の変形例では、アンビル(518)及びカートリッジ(537)の場所は、下側ジョー(516)がアンビル(518)を含み、上側ジョー(514)がステープルカートリッジ(537)を含むように切り替えることができる。
B.組織による偏向を伴う例示的な角度
ここで、図18及び図19を参照すると、エンドエフェクタ(612)の拡大図が示されている。エンドエフェクタ(612)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(612)は、上側ジョー(614)及び下側ジョー(616)を含む。本実施例では、上側ジョー(614)は、屈曲しているか又は角度付きであり、弾性変形可能である配置先端部(619)を有する本体(617)を含む。本体(617)は、配置先端部(619)を除いて、本体(617)の下側表面(620)に沿って延在する長手方向軸(LA3)を画定する。配置先端部(619)は、配置先端部(619)の下側表面(622)に沿って延在する別の軸(A3)を画定する。更に、本実施例では、下側ジョー(616)は、下側ジョー(616)の遠位端に先細ノーズ部分(626)を含む。ノーズ部分(626)は、ノーズ部分(626)の上面(628)に沿って延在する軸(A4)を画定する。
図18に示されるように、エンドエフェクタ(612)は、上側ジョー(614)と下側ジョー(616)との間に組織も他の物体もない無負荷状態にある。第3の角度(θ5)は、本体(617)の長手方向軸(LA3)と配置先端部(619)の軸(A3)との交点によって画定される。換言すると、第3の角度(θ5)は、エンドエフェクタ(612)が無負荷状態にあるときに、本体(617)の下側表面(620)に沿って延在する平面と、配置先端部(619)の下側表面(622)に沿って延在する平面との交点によって画定される。同様に、図18に示されるように、エンドエフェクタ(612)が、上側ジョー(614)と下側ジョー(616)との間に組織も他の物体もない無負荷状態にあるとき、第5の角度(α1)は、配置先端部(619)の軸(A3)とノーズ部分(626)の軸(A4)との交点によって画定される。換言すると、第5の角度(α1)は、エンドエフェクタ(612)が無負荷状態にあるときに、配置先端部(619)の下側表面(622)に沿って延在する平面と、ノーズ部分(626)の上面(628)に沿って延在する平面との交点によって画定される。図18の本実施例にも示されるように、エンドエフェクタ(612)が閉鎖され、無負荷状態にある配置先端部(619)の端部(630)は、ノーズ部分(626)の端部(632)の近位に位置する。
図19に示すように、エンドエフェクタ(612)は、エンドエフェクタ(612)の上側ジョー(614)と下側ジョー(616)との間に組織を有する閉鎖位置及び負荷状態に移動されている。ジョー(614、616)と弾性変形可能な性質の配置先端部(619)との間に組織を有する場合、配置先端部(619)は、その位置から本体(617)と相対的に偏向する。この偏向位置又は状態では、第4の角度(θ6)は、本体(617)の長手方向軸(LA3)と配置先端部(619)の軸(A3)との交点によって画定される。換言すると、第4の角度(θ6)は、エンドエフェクタ(612)が負荷状態にあるときに、本体(617)の下側表面(620)に沿って延在する平面と、配置先端部(619)の下側表面(622)に沿って延在する平面との交点によって画定される。同様に、図19に示されるように、エンドエフェクタ(612)が、上側ジョー(614)と下側ジョー(616)との間に組織を有する負荷状態にあるとき、第6の角度(α2)は、配置先端部(619)の軸(A3)とノーズ部分(626)の軸(A4)との交点によって画定される。換言すると、第6の角度(α2)は、エンドエフェクタ(612)が負荷状態にあるときに、配置先端部(619)の下側表面(622)に沿って延在する平面と、ノーズ部分(626)の上面(628)に沿って延在する平面との交点によって画定される。図19の本実施例にも示されるように、エンドエフェクタ(612)が閉鎖され、負荷状態にある配置先端部(619)の端部(630)は、ノーズ部分(626)の端部(632)の遠位に位置する。
図19の負荷状態と図18の無負荷状態との配置先端部(619)の偏向では、第4の角度(θ6)は第3の角度(θ5)と同じではない。例えば、図19に示した偏向では、組織は配置先端部(619)の下側に接触し、その結果、配置先端部(619)は下側ジョー(616)から離れる方向に上方に枢動し、第4の角度(θ6)が第3の角度(θ5)よりも大きくなる。本実施例では、エンドエフェクタ(612)は枢動点(624)を画定し、配置先端部(619)は枢動点(624)を中心として本体(617)と相対的に枢動する。より具体的には、枢動点(624)は、本体(617)の下側表面(620)及び配置先端部(619)の下側表面(622)が交わる場所に生じる。この構成では、エンドエフェクタ(612)は、上側ジョー(614)の遠位端から延在する配置先端部(619)を含む。配置先端部(619)は、エンドエフェクタ(612)が閉鎖された無負荷状態にあるとき、上側ジョー(614)の本体(617)の軸、又は長手方向軸(LA3)に対する第3の角度(θ5)を含む。配置先端部(619)は、エンドエフェクタ(612)が閉鎖位置及び負荷状態にあるとき、上側ジョー(614)の本体(617)の軸に対する第4の角度(θ6)を更に含み、第4の角度(θ6)は第3の角度(θ5)と異なる。この構成と同様に、エンドエフェクタ(612)は、非偏向状態及び偏向状態を有する配置先端部(619)を含む。非偏向状態では、配置先端部(619)及びノーズ部分(626)は、第5の角度(α1)を画定し、偏向状態では、配置先端部(619)及びノーズ部分(626)は、第5の角度(α1)とは異なる第6の角度(α2)を画定する。
本明細書の教示を鑑みれば、エンドエフェクタ(612)が閉鎖された負荷状態にあるときに、第4の角度(θ6)及び第6の角度(α2)に対して他の角度が達成されるように、エンドエフェクタ(612)及び配置先端部(619)の偏向を修正する様々な方法が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。単に一例として、限定するものではないが、このような修正の1つは、ノーズ部分(626)の上面(628)に沿って延在する軸(A4)が急勾配になるか又はより浅くなるように、ノーズ部分(626)の先細部を変更することである。単に別の例として、限定するものではないが、別のそのような修正は、エンドエフェクタ(612)が閉鎖された負荷状態にあるときに、配置先端部(619)に加えられる力を変更し、それによって配置先端部(619)の偏向が第4の角度(θ6)及び第6の角度(α2)の変化を引き起こすように、ノーズ部分(626)と配置先端部(619)との間に保持された組織を方向付ける機構を上面(628)上に含むことである。
いくつかの変形例では、上側ジョー(614)は、上述のアンビル(18、218、318)と同様のアンビル(618)を含む。そのような変形例では、アンビル(618)は、本体(617)及び遠位先端部(619)を含む。また、そのような変形例では、アンビル(618)に対向する下側ジョー(616)は、ノーズ部分(626)を有するステープルカートリッジ(637)を含む。この構成では、エンドエフェクタ(612)は、アンビル(618)の遠位端から延在する配置先端部(619)を含む。配置先端部(619)は、エンドエフェクタ(612)が閉鎖された負荷状態にあるときに、アンビル(618)軸又は長手方向軸(LA3)に対して第3の角度(θ5)を含む。配置先端部(619)は、エンドエフェクタ(612)が閉鎖された負荷状態にあるときに、アンビル(618)軸又は長手方向軸(LA3)に対する第4の角度(θ6)を更に含み、第4の角度(θ6)は、上述のように第3の角度(θ5)と異なる。この構成と同様に、エンドエフェクタ(612)は、アンビル(618)の遠位端から延在する配置先端部(619)と、カートリッジ(637)の遠位端のノーズ部分(619)と、を含み、エンドエフェクタ(612)は非偏向状態及び偏向状態を有する。非偏向状態では、アンビル(618)の配置先端部(619)及びカートリッジ(637)のノーズ部分(626)は、第5の角度(α1)を画定する。偏向状態では、アンビル(618)の配置先端部(619)及びカートリッジ(637)のノーズ部分(626)は、第5の角度(α1)とは異なる第6の角度(α2)を画定する。いくつかの他の変形例では、アンビル(618)及びカートリッジ(637)の場所は、下側ジョー(616)がアンビル(618)を含み、上側ジョー(614)がステープルカートリッジ(637)を含むように切り替えることができる。
C.偏向状態及び非偏向状態にある例示的な先端位置
図18及び図19に関連して上述したように、配置先端部(619)は、エンドエフェクタ(612)に負荷がかけられると偏向するように構成され、そのような偏向は、配置先端部(619)の端部(630)がカートリッジ(637)のノーズ部分(626)の端部(632)に対してその相対的配置又は場所を変化させるような方法で生じる。図18及び図19に示されるように、エンドエフェクタ(612)が、上側ジョー(614)と下側ジョー(616)との間に組織が存在しない無負荷状態にあるとき、端部(630)は端部(632)の近位にある。また、エンドエフェクタ(612)が、上側ジョー(614)と下側ジョー(616)との間に組織を有する負荷状態にあるとき、端部(630)は端部(632)の遠位になるように、端部(630)は遠位方向に移動する。
ここで図20を参照すると、エンドエフェクタ(712)の拡大図が示されている。エンドエフェクタ(712)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(712)は、上側ジョー(714)及び下側ジョー(716)を含む。下側ジョー(716)は、ノーズ部分(726)及び端部(732)を含む。下側ジョー(716)は、デッキ(772)を更に含む。上側ジョー(714)は、本体(717)及び配置先端部(719)を含む。配置先端部(719)は、屈曲又は角度付き構成を有し、上述のように弾性変形可能である。配置先端部(719)は、その最遠位部分に端部(730)を含む。
図20に示されるように、第1の基準面(P1)は、デッキ(772)によって画定され、概して下側ジョー(716)の長手方向軸と平行に延在する。第2の基準平面(P2)は、第2の基準平面(P2)が第1の基準平面(P1)に直交するように、ノーズ部分(726)の端部(732)を通過する。図20に示すように、配置先端部(719)の端部(732)の場所又は配置は、第1の基準平面(P1)及び第2の基準平面(P2)に対して示され記載され得る。換言すれば、配置先端部(719)の端部(730)の場所又は配置は、第2の基準平面(P2)によって示されるように、下側ジョー(716)のノーズ部分(726)の端部(732)の近位にあるか、それに並ぶか、又はその遠位にあるものとして記載され得る。同時に、配置先端部(719)の端部(730)の場所又は配置は、第1の基準平面(P1)によって示されるように、下側ジョー(716)のデッキ(772)の上方にあるか、それに並ぶか、又はその下方にあるものとして記載され得る。
ここで図21を参照すると、別のエンドエフェクタ(812)の拡大図が、例示的なエンドエフェクタの配置先端部の端部の場所又は配置を記載するために使用され得る複数のゾーンを画定する、基準マーキングと共に示されている。エンドエフェクタ(812)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(712)及び図20と同様に、図21のエンドエフェクタ(812)はまた、第1の基準平面(P1)及び第2の基準面(P2)も含む。加えて、第3の基準面(P3)は、下側ジョー(816)の底面(834)によって画定され、それに沿って延在する。本実施例における第3の基準平面(P3)は、第1の基準平面(P1)と平行であり、また第2の基準平面(P2)に直交する。この構成では、図21に示されるように、6つのゾーンは、第1及び第3の基準面(P1、P3)と第2の基準平面(P2)との交点によって画定される。
第1のゾーン(Z1)は、下側ジョー(816)のデッキ(872)(第1の基準平面(P1)に対応する)の上、かつノーズ部分(826)の端部(832)(第2の基準平面(P2)に対応する)の近位の領域として示される。第2のゾーン(Z2)は、下側ジョー(816)のデッキ(872)(第1の基準平面(P1)に対応する)の上、かつノーズ部分(826)の端部(832)(第2の基準平面(P2)に対応する)の遠位の領域として示される。第3のゾーン(Z3)は、下側ジョー(816)のデッキ(872)(第1の基準平面(P1)に対応する)の下で、更に下側ジョー(816)の底面(834)(第3の基準平面(P3)に対応する)の上、かつノーズ部分(826)の端部(832)(第2の基準平面(P2)に対応する)の近位の領域として示される。第4のゾーン(Z4)は、下側ジョー(816)のデッキ(872)(第1の基準平面(P1)に対応する)の下で、更に下側ジョー(816)の底面(834)(第3の基準平面(P3)に対応する)の上、かつノーズ部分(826)の端部(832)(第2の基準平面(P2)に対応する)の遠位の領域として示される。第5のゾーン(Z5)は、下側ジョー(816)の底面(834)(第3の基準平面(P3)に対応する)の下、かつノーズ部分(826)の端部(832)(第2の基準平面(P2)に対応する)の近位の領域として示される。第6のゾーン(Z6)は、下側ジョー(816)の底面(834)(第3の基準平面(P3)に対応する)の下、かつノーズ部分(826)の端部(832)(第2の基準平面(P2)に対応する)の遠位の領域として示される。
この基準システムを使用して、ここでは、エンドエフェクタが閉鎖された無負荷状態にあるときの配置先端部の端部の様々な場所又は配置を示すいくつかの例示的なエンドエフェクタについて説明する。図22Aを参照すると、別のエンドエフェクタ(912)の拡大図が、閉鎖された無負荷状態で示されている。エンドエフェクタ(912)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(912)は、上側ジョー(914)及び下側ジョー(916)を含む。上側ジョー(914)は、本体(917)及び配置先端部(919)を含む。その最遠位部分において、配置先端部(919)は端部(930)を含む。図示のように、配置先端部(919)は屈曲又は角度付き構成を有する。例示された構成では、配置先端部(919)は第1のゾーン(Z1)を通って延在し、配置先端部(919)の端部(930)の場所は第3のゾーン(Z3)にある。本明細書の教示を鑑みれば、エンドエフェクタ(912)が閉鎖された負荷状態にあるとき、配置先端部(919)の端部(930)の場所は偏向するが、第3のゾーン(Z3)に留まり得ることが当業者には明らかになるであろう。しかしながら、配置先端部(919)は、閉鎖された負荷状態において配置先端部(919)の端部(930)がその場所をゾーンの別の場所に変更するように偏向し得ることも、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
ここで図22Bを参照すると、別のエンドエフェクタ(1012)の拡大図が、閉鎖された無負荷状態で示されている。エンドエフェクタ(1012)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1012)は、上側ジョー(1014)及び下側ジョー(1016)を含む。上側ジョー(1014)は、本体(1017)及び配置先端部(1019)を含む。その最遠位部分において、配置先端部(1019)は端部(1030)を含む。図示のように、配置先端部(1019)は湾曲構成を有する。例示された構成では、配置先端部(1019)は第1のゾーン(Z1)を通って延在し、配置先端部(1019)の端部(1030)の場所は第3のゾーン(Z3)にある。本明細書の教示を鑑みれば、エンドエフェクタ(1012)が閉鎖された負荷状態にあるとき、配置先端部(1019)の端部(1030)の場所は偏向するが、第3のゾーン(Z3)に留まり得ることが当業者には明らかになるであろう。しかしながら、配置先端部(1019)は、閉鎖された負荷状態において配置先端部(1019)の端部(1030)がその場所をゾーンの別の場所に変更するように偏向し得ることも、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
ここで図22Cを参照すると、別のエンドエフェクタ(1112)の拡大図が、閉鎖された無負荷状態で示されている。エンドエフェクタ(1112)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1112)は、上側ジョー(1114)及び下側ジョー(1116)を含む。上側ジョー(1114)は、本体(1117)及び配置先端部(1119)を含む。その最遠位部分において、配置先端部(1119)は端部(1130)を含む。図示のように、配置先端部(1119)は屈曲又は角度付き構成を有する。例示された構成では、配置先端部(1119)は第1及び第3のゾーン(Z1、Z3)を通って延在し、配置先端部(1119)の端部(1130)の場所は、第4のゾーン(Z4)にある。本明細書の教示を鑑みれば、エンドエフェクタ(1112)が閉鎖された負荷状態にあるとき、配置先端部(1119)の端部(1130)の場所は偏向するが、第4のゾーン(Z4)に留まり得ることが当業者には明らかになるであろう。しかしながら、配置先端部(1119)は、閉鎖された負荷状態において配置先端部(1119)の端部(1130)がその場所をゾーンの別の場所に変更するように偏向し得ることも、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
ここで図22Dを参照すると、別のエンドエフェクタ(1212)の拡大図が、閉鎖された無負荷状態で示されている。エンドエフェクタ(1212)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1212)は、上側ジョー(1214)及び下側ジョー(1216)を含む。上側ジョー(1214)は、本体(1217)及び配置先端部(1219)を含む。その最遠位部分において、配置先端部(1219)は端部(1230)を含む。図示のように、配置先端部(1219)は湾曲構成を有する。例示された構成では、配置先端部(1219)は第1、第2、第3、第4、及び第6のゾーン(Z1、Z2、Z3、Z4、Z6)を通って延在し、配置先端部(1219)の端部(1230)の場所は第5のゾーン(Z5)にある。6つの全ゾーンから外れて、第3のゾーン(Z3)は、配置先端部(1230)の実質的に空隙であるが、配置先端部(1230)はそれらの全てを通過する。本明細書の教示を鑑みれば、エンドエフェクタ(1212)が閉鎖された負荷状態にあるとき、配置先端部(1219)の端部(1230)の場所は偏向するが、第5のゾーン(Z5)に留まり得ることが当業者には明らかになるであろう。しかしながら、配置先端部(1219)は、閉鎖された負荷状態において配置先端部(1219)の端部(1230)がその場所をゾーンの別の場所に変更するように偏向し得ることも、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
ここで図22Eを参照すると、別のエンドエフェクタ(1312)の拡大図が、閉鎖された無負荷状態で示されている。エンドエフェクタ(1312)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1312)は、上側ジョー(1314)及び下側ジョー(1316)を含む。上側ジョー(1314)は、本体(1317)及び配置先端部(1319)を含む。その最遠位部分において、配置先端部(1319)は端部(1330)を含む。図示のように、配置先端部(1319)は屈曲又は角度付き構成を有する。例示された構成では、配置先端部(1319)は第1、第3、及び第4のゾーン(Z1、Z3、Z4)を通って延在し、配置先端部(1319)の端部(1330)の場所は第6のゾーン(Z6)にある。本明細書の教示を鑑みれば、エンドエフェクタ(1312)が閉鎖された負荷状態にあるとき、配置先端部(1319)の端部(1330)の場所は偏向するが、第6のゾーン(Z6)に留まり得ることが当業者には明らかになるであろう。しかしながら、配置先端部(1319)は、閉鎖された負荷状態において配置先端部(1319)の端部(1330)がその場所をゾーンの別の場所に変更するように偏向し得ることも、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
ここで図22Fを参照すると、別のエンドエフェクタ(1412)の拡大図が、閉鎖された無負荷状態で示されている。エンドエフェクタ(1412)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1412)は、上側ジョー(1414)及び下側ジョー(1416)を含む。上側ジョー(1414)は、本体(1417)及び配置先端部(1419)を含む。その最遠位部分において、配置先端部(1419)は端部(1430)を含む。図示のように、配置先端部(1419)は多角度構成を有する。例示された構成では、配置先端部(1419)は第1、第3、及び第4のゾーン(Z1、Z3、Z4)を通って延在し、配置先端部(1419)の端部(1430)の場所は第6のゾーン(Z6)にある。本明細書の教示を鑑みれば、エンドエフェクタ(1412)が閉鎖された負荷状態にあるとき、配置先端部(1419)の端部(1430)の場所は偏向するが、第6のゾーン(Z6)に留まり得ることが当業者には明らかになるであろう。しかしながら、配置先端部(1419)は、閉鎖された負荷状態において配置先端部(1419)の端部(1430)がその場所をゾーンの別の場所に変更するように偏向し得ることも、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
ここで図22Gを参照すると、別のエンドエフェクタ(1512)の拡大図が、閉鎖された無負荷状態で示されている。エンドエフェクタ(1512)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1512)は、上側ジョー(1514)及び下側ジョー(1516)を含む。上側ジョー(1514)は、本体(1517)及び配置先端部(1519)を含む。その最遠位部分において、配置先端部(1519)は端部(1530)を含む。図示のように、配置先端部(1519)は屈曲又は角度付き構成を有する。その近位端において、配置先端部(1519)は段(1591)を含み、それにより、本体(1517)は配置先端部(1519)の段(1591)からオフセットされる。例示された構成では、配置先端部(1519)は第1のゾーン(Z1)を通って延在し、配置先端部(1519)の端部(1530)の場所は第3のゾーン(Z3)にある。本明細書の教示を鑑みれば、エンドエフェクタ(1512)が閉鎖された負荷状態にあるとき、配置先端部(1519)の端部(1530)の場所は偏向するが、第3のゾーン(Z3)に留まり得ることが当業者には明らかになるであろう。しかしながら、配置先端部(1519)は、閉鎖された負荷状態において配置先端部(1519)の端部(1530)がその場所をゾーンの別の場所に変更するように偏向し得ることも、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
図22Gに示されるように、エンドエフェクタ(1512)は、配置先端部(1519)の段(1591)からの本体(1517)のオフセットに基づいて、第4の基準平面(P4)を画定する。また、配置先端部(1519)は、下側ジョー(1516)の上面(1528)及びデッキ(1572)のプロファイルと一致する下側表面(1522)を含む。配置先端部(1519)は、下側表面(1522)が下側ジョー(1516)の上面(1528)のプロファイルとの一致から下側ジョー(1516)のデッキ(1572)との一致に移行する枢動点(1524)を画定する。例示された変形例に示されるように、エンドエフェクタ(1512)は、枢動点(1524)から段(1591)の最近位端まで近位方向に延在する第1の距離(D1)を画定する。第1の距離(D1)は、下側ジョー(1516)のデッキ(1572)と重なり合う配置先端部(1519)の長さを表すと考えることができる。本明細書の教示を鑑みれば、エンドエフェクタ(1512)及び第1の距離(D1)を修正又は変更して、配置先端部(1519)とデッキ(1572)との重なり合いを大きく又は小さくするための様々な方法が、当業者には明らかになるであろう。
上の段落には、様々な基準面がエンドエフェクタに対してゾーンを画定するために使用される基準システムが記載されている。具体的には、様々な基準面は、エンドエフェクタの下側ジョーのデッキ、最遠位端、及び底面に相対している。この基準システムは、本明細書で上述した図22A〜図22Gのもの以外の、本明細書に示され記載されるエンドエフェクタの他の変形例に適用可能である。例えば、エンドエフェクタ(512)が、第3のゾーン(Z3)内にその最遠位端を提示する配置先端部(519)を含むことは、図17から明らかである。同様に、図18は、エンドエフェクタ(612)が、その最遠位端も第3のゾーン(Z3)に提示する配置先端部(619)を含むことを示している。エンドエフェクタ(512、612)並びに図17及び図18に関して、両方のエンドエフェクタ(512、612)とも閉鎖された無負荷状態で示されている。図19を参照すると、エンドエフェクタ(612)は、閉鎖された負荷状態で示されている。例示されるように、閉鎖された負荷状態にあるエンドエフェクタ(612)では、配置先端部(619)は、配置先端部(619)の最遠位端の大部分が第2のゾーン(Z2)に位置し、より小さい部分が第4のゾーン(Z4)に位置するように偏向する。本明細書の教示を鑑みれば、様々な条件下、すなわち開放/閉鎖及び負荷/無負荷の条件下で配置先端部の端部を所望の位置に配置するようにエンドエフェクタを構成する様々な方法が、当業者には明らかになるであろう。
D.弾性変形可能な配置先端部の例示的な形状
上述したように、エンドエフェクタの配置先端部は、屈曲又は角度付き構成、並びに湾曲構成を有し得る。これは、例えば、図22A〜図22Gのいくつかの側面図に示されている。エンドエフェクタの配置先端部に対するこれらの様々な選択肢と組み合わせて、配置先端部の形状に対する更なる選択肢が存在する。以下に記載されるように、配置先端部は、様々な遠位端プロファイル、幅プロファイル、及び下側表面形状を有するように構成され得る。遠位端プロファイル、幅プロファイル、及び下側表面形状に関連する後述の様々な形状は、単一の配置先端部において組み合わされ得ることを理解されたい。例えば、示され記載された遠位端プロファイルのいずれかを、示され記載された幅プロファイルのいずれかを有する配置先端部に使用することができ、更にこのような配置先端部は、示され記載された下側表面形状のいずれかを有することができる。
1.遠位端プロファイル
図23A〜図23Fは、配置先端部の様々な遠位端プロファイルを示す例示的な拡大配置先端部を示す。図23Aを参照すると、エンドエフェクタは配置先端部(1619)を含む。図23Aの上面図に示されるように、配置先端部(1619)は、丸形プロファイルを有する遠位端(1630)を含む。配置先端部(1619)は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのいずれに位置付けられてもよいように構成可能である。更に、配置先端部(1619)は、アンビルの一部又はステープルカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を鑑みれば、配置先端部(1619)のこの丸形の遠位端プロファイルは、本明細書に記載されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。
図23Bは、配置先端部(1719)を含むエンドエフェクタを示す。図23Bの上面図に示すように、配置先端部(1719)は、角度付き尖形プロファイルを有する遠位端(1730)を含む。この実施例では、配置先端部(1719)はエラストマー性及び偏向可能な材料からなるため、配置先端部(1719)は、その尖形プロファイルにもかかわらず依然として非外傷性先端部として構成される。配置先端部(119)は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのいずれに位置付けられてもよいように構成可能である。更に、配置先端部(119)は、アンビルの一部又はステープルカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を鑑みれば、配置先端部(119)のこの角度付き尖形遠位端プロファイルは、本明細書に記載されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。
図23Cは、配置先端部(1819)を含むエンドエフェクタを示す。図23Cの上面図に示されるように、配置先端部(1819)は、歯形プロファイルを有する遠位端(1830)を含む。配置先端部(1819)は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのいずれに位置付けられてもよいように構成可能である。更に、配置先端部(1819)は、アンビルの一部又はステープルカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を鑑みれば、配置先端部(1819)のこの歯形の遠位端プロファイルは、本明細書に記載されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。
図23Dは、配置先端部(1919)を含むエンドエフェクタを示す。図23Dの上面図に示されるように、配置先端部(1919)は、フレア形プロファイルを有する遠位端(1930)を含む。配置先端部(1919)は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのいずれに位置付けられてもよいように構成可能である。更に、配置先端部(1919)は、アンビルの一部又はステープルカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を鑑みれば、配置先端部(1919)のこのフレア形の遠位端プロファイルは、本明細書に記載されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。
図23Eは、配置先端部(2019)を含むエンドエフェクタを示す。図23Eの上面図に示されるように、配置先端部(2019)は、球系プロファイルを有する遠位端(2030)を含む。配置先端部(2019)は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのいずれに位置付けられてもよいように構成可能である。更に、配置先端部(2019)は、アンビルの一部又はステープルカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を鑑みれば、配置先端部(2019)のこの球形の遠位端プロファイルは、本明細書に記載されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。
図23Fは、配置先端部(2119)を含むエンドエフェクタを示す。図23Fの上面図に示されるように、配置先端部(2119)は、非対称のプロファイルを有する遠位端(2130)を含む。このようにして、端部(2130)は、端部(2130)が角度をなすように一方の側で他方よりも長く遠位方向に延在する。配置先端部(2119)は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのいずれに位置付けられてもよいように構成可能である。更に、配置先端部(2119)は、アンビルの一部又はステープルカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を鑑みれば、配置先端部(2119)のこの非対称の遠位端プロファイルは、本明細書に記載されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。エンドエフェクタの配置先端部のいくつかの遠位端プロファイルが上に示され記載されてきたが、エンドエフェクタの配置先端部の他の遠位端プロファイルが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
2.幅プロファイル
図24A〜図24Eは、配置先端部の様々な幅プロファイルを示す例示的な拡大配置先端部を示す。図24Aを参照すると、エンドエフェクタは配置先端部(2219)を含む。図24Aの上面図に示されるように、配置先端部(2219)は遠位端(2230)に至る遠位側部(2229)を含み、遠位側部(2229)は角度付けされた幅プロファイルを画定する。配置先端部(2219)は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのいずれに位置付けられてもよいように構成可能である。更に、配置先端部(2219)は、アンビルの一部又はステープルカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を鑑みれば、配置先端部(2219)のこの角度付きの幅プロファイルは、本明細書に記載されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。
図24Bは、配置先端部(2319)を含むエンドエフェクタを示す。図24Bの上面図に示されるように、配置先端部(2319)は遠位端(2330)に至る遠位側部(2329)を含み、遠位側部(2329)は段付き幅プロファイルを画定する。配置先端部(2319)は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのいずれに位置付けられてもよいように構成可能である。更に、配置先端部(2319)は、アンビルの一部又はステープルカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を鑑みれば、配置先端部(2319)のこの段付きの幅プロファイルは、本明細書に記載されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。
図24Cは、配置先端部(2419)を含むエンドエフェクタを示す。図24Cの上面図に示すように、配置先端部(2419)は遠位端(2430)に至る遠位側部(2429)を含み、遠位側部(2429)は、遠位側部(2429)が対称的に配向されず、この場合は様々な角度に角度付けされるように、非対称である幅プロファイルを画定する。配置先端部(2419)は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのいずれに位置付けられてもよいように構成可能である。更に、配置先端部(2419)は、アンビルの一部又はステープルカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を鑑みれば、配置先端部(2419)のこの非対称の幅プロファイルは、本明細書に記載されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。
図24Dは、配置先端部(2519)を含むエンドエフェクタを示す。図24Dの上面図に示されるように、配置先端部(2519)は、遠位端(2530)に至る遠位側部(2529)を含み、遠位側部(2529)は、配置先端部(2519)の長手方向軸に沿って中心に置かれた遠位端(2530)がスカラップ状である幅プロファイルを画定する。このように、遠位側部(2529)のうちの一方は凹状の湾曲を有し、他方は凸状の湾曲を有する。配置先端部(2519)は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのいずれに位置付けられてもよいように構成可能である。更に、配置先端部(2519)は、アンビルの一部又はステープルカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を鑑みれば、配置先端部(2519)のこのスカラップ状の幅プロファイルは、本明細書に記載されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。
図24Eは、配置先端部(2619)を含むエンドエフェクタを示す。図24Eの上面図に示すように、配置先端部(2619)は、遠位端(2630)に至る遠位側部(2629)を含み、遠位側部(2629)は、それぞれの側部に隆起部又は外側突出部(2631)を有する幅プロファイルを画定する。例示された変形例では、配置先端部(2619)に対向するエンドエフェクタのジョー(2616)は、仮想線で示されている。本実施例に示されるように、隆起部(2631)は、ジョー(2616)から外向きに延在し、一方、配置先端部(2619)の残りの幅は、ジョー(2616)の幅よりも狭い。しかしながら、隆起部(2631)は、全ての変形例においてジョー(2616)の幅から外に延在する必要はない。隆起部(2631)がジョー(2616)から外向きに延在する場合、配置先端部(2619)は、エンドエフェクタ及び配置先端部(2619)を有する器具を部位の内外に移動させる際に抵抗をもたらすように構成される。加えて、隆起部(2631)は、配置先端部(2619)が開口部を通過するときに開口部をより大きく拡張するように構成されている。配置先端部(2619)は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのいずれに位置付けられてもよいように構成可能である。更に、配置先端部(2619)は、アンビルの一部又はステープルカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を鑑みれば、それぞれの側部に隆起部(2631)を有する配置先端部(2619)のこの幅プロファイルは、本明細書に記載されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかになるであろう。
図25は、配置先端部(2719)が角度付き尖形プロファイルを有する遠位端(2730)を有し、かつ配置先端部(2719)が角度付けされた幅プロファイルを画定する遠位側部(2729)を有する、エンドエフェクタの配置先端部(2719)の拡大上面図を示す。上述したように、配置先端部(2719)は、図23Bの配置先端部(1719)の角度付き遠位端プロファイルと、図24Aの配置先端部(2219)の角度付き幅プロファイルとの組み合わせを示す。本明細書の教示を鑑みれば、本実施例によって更に示されるように、遠位端プロファイル及び幅プロファイルの様々な組み合わせが、当業者には明らかになるであろう。
配置先端部(2719)は、遠位側部(2729)によって画定される幅プロファイルと比較した、遠位端(2730)のプロファイルとの関係を更に示す。他の実施例に関して上述したように、配置先端部は、エンドエフェクタの上側ジョー又は下側ジョーのうちの1つの本体から延在する。本実施例では、配置先端部(2719)は、それが延在するジョーの本体よりも短い長手方向寸法、すなわち長さを有すると理解される。例示された変形例に示されるように、配置先端部(2719)は、第1の長さ(L1)と第2の長さ(L2)との合計によって特徴付けられる長さを有すると理解され得る。図示されていないが、配置先端部(2719)が図示されているよりも更に近位方向に延在することを意味する波状破線に基づいて縮尺どおりに示されてはいないが、第1の長さ(L1)は第2の長さ(L2)よりも実質的に大きいことを理解されたい。上記の図23A〜図23F及び図24A〜図24Eにおける配置先端部の様々な遠位端プロファイル及び幅プロファイルを示し、記載する際に、遠位側部によって画定される遠位端プロファイル並びに幅プロファイルは全て、第2の長さ(L2)と一致する配置先端部の長さに含まれることを理解されたい。
配置先端部(2719)は、対称的な遠位側部(2729)のうちの1つによって画定された平面が、近位側部(2733)のうちの1つによって画定された別の平面との組み合わせで、角度(β1)を形成する実施例を更に示す。この実施例では、遠位側部(2729)によって画定される幅プロファイルの角度が大きくなるか又は急勾配になるにつれて、角度(β1)は増加する。遠位側部(2729)によって画定される幅プロファイルの角度が小さくなり、したがって近位側部(2733)と平行に近くなると、角度(β1)は減少する。
配置先端部(2719)はまた、遠位端(2730)の最遠位部分に接するように画定された平面が、遠位端(2730)の側部(2735)のうちの1つによって画定される平面との組み合わせで、角度(β2)を形成する実施例も示す。この実施例では、遠位端(2730)の側部(2735)の角度が大きくなるか又は急勾配になるにつれて、角度(β2)は増加する。遠位端(2730)の側部(2735)の角度が小さくなり、したがって遠位端(2730)が鈍角になると、角度(β2)は減少する。
3.下側表面
ここで、図26A〜図26Eの側面図を参照すると、配置先端部の下側表面の様々な形状が示され記載されている。場合によっては、載置先端部の下側表面は内面と称されてもよく、これらの用語は互換可能であると理解されるべきである。図26Aは、上側ジョー(2814)及び下側ジョー(2816)を含むエンドエフェクタ(2812)を示す。上側ジョー(2814)は、本体(2817)と、本体(2817)から遠位方向に延在する配置先端部(2819)と、を含む。配置先端部(2819)は、屈曲又は角度付き構成を有し、平坦である下側表面(2822)を含む。この例では、下側表面(2822)はまた、下側ジョー(2816)のノーズ部分(2826)上の上面(2828)と平行である。このようにして、エンドエフェクタ(2812)が閉鎖され、無負荷状態であるとき、下側表面(2822)は上面(2828)と接触し得る。
図26Bは、上側ジョー(2914)及び下側ジョー(2916)を含むエンドエフェクタ(2912)を示す。上側ジョー(2914)は、本体(2917)と、本体(2917)から遠位方向に延在する配置先端部(2919)と、を含む。配置先端部(2919)は湾曲構成を有し、湾曲した下側表面(2922)を含む。更に、下側ジョー(2916)は、先細上面(2928)を有するノーズ部分(2926)を含む。ノーズ部分(2926)の先細上面(2928)と組み合わせた下側表面(2922)の曲率は、上に示され記載されたエンドエフェクタ(2812)のように接触領域が大きくなるのとは対照的に、エンドエフェクタ(2912)が閉鎖され、無負荷状態であるときに点接触を有する配置先端部(2919)を提供する。
図26Cは、上側ジョー(3014)及び下側ジョー(3016)を含むエンドエフェクタ(3012)を示す。上側ジョー(3014)は、本体(3017)と、本体(3017)から遠位方向に延在する配置先端部(3019)と、を含む。配置先端部(3019)は直線構成を有し、直線状の下側表面(3022)を含む。配置先端部(3019)は、上述のように弾性変形可能であるように構成される。このようにして、配置先端部(3019)の下側表面(3022)は、上側ジョー(3014)の本体(3017)の下側表面(3020)と同じ平面に沿って延在する。更に、下側ジョー(3016)は、先細上面(3028)を有するノーズ部分(3026)を含む。下側表面(3022)の直線状の構成は、ノーズ部分(3026)の先細上面(3028)と組み合わせて、エンドエフェクタ(3012)が閉鎖され、無負荷状態にあるときに、配置先端部(3019)が先細上面(3028)と接触することを排除する。
図26Dは、上側ジョー(3114)及び下側ジョー(3116)を含むエンドエフェクタ(3112)を示す。上側ジョー(3114)は、本体(3117)と、本体(3117)から遠位方向に延在する配置先端部(3119)と、を含む。配置先端部(3119)は湾曲構成を有し、多角度の下側表面(3122)を含む。配置先端部(3119)は、上述のように弾性変形可能であるように構成される。更に、下側ジョー(3116)は、先細上面(3128)を有するノーズ部分(3126)を含む。ノーズ部分(3126)の先細上面(3128)と組み合わせた下側表面(3122)の多角度の性質は、上に示され記載されたエンドエフェクタ(3112)のように接触領域が大きくなるのとは対照的に、エンドエフェクタ(3112)が閉鎖され、無負荷状態にあるときに点接触を有する配置先端部(3119)を提供する。
図26Eは、2つの位置を有する上側ジョー(3214)と、下側ジョー(3216)と、を含むエンドエフェクタ(3212)を示す。上側ジョー(3214)は、本体(3217)と、本体(3217)から遠位方向に延在する配置先端部(3219)と、を含む。配置先端部(3219)は、図26Eに仮想線で示されるように、エンドエフェクタ(3212)が開放され、無負荷状態にあるときに、屈曲又は角度付き構成を有する。配置先端部(3219)は、湾曲突出部(3231)を含む下側表面(3222)を含む。配置先端部(3219)は、上述のように弾性変形可能であるように構成される。更に、下側ジョー(3216)は、先細上面(3228)並びにデッキ(3272)を有するノーズ部分(3226)を含む。配置先端部(3219)の下側表面(3222)の湾曲突出部(3231)は、湾曲突出部(3231)が、エンドエフェクタ(3212)が閉鎖され、ジョー(3214、3216)間に組織がないときのデッキ(3272)又はエンドエフェクタ(3212)が閉鎖され、ジョー(3214、3216)間に組織を有する負荷状態にあるときの組織などの構造体に接触することに応答して、配置先端部(3219)が仮想線で示されるその屈曲又は角度付きの配向から、直線状又は少なくともわずかに屈曲若しくは角度付きの配向に枢動するように、枢動構造体として機能するように構成されている。
E.例示的な間隙
本明細書に記載される様々なエンドエフェクタは、上記のような可視化及び誘導機構を提供する。加えて、配置先端部が偏向又は弾性変形する能力は、マーチングが必要とされるか又は有益であり得る手順中の使用における利益をもたらし得る。配置先端部が弾性変形する能力に加えて、配置先端部と対向するジョーの表面との間の間隙の存在又は不在は、可視化及びマーチングに影響を及ぼし得る。例えば、間隙をほとんど又は全く有さないいくつかの変形例では、配置先端部が弾性変形する能力は、マーチング手順におけるエンドエフェクタの使用を可能にする。
図27A及び図27Bは、例示的な間隙及びそれらの構成を示すエンドエフェクタの部分を示す。図27Aは、上側ジョー(3314)の配置先端部(3319)と下側ジョー(3316)のノーズ部分(3326)との間の間隙(3340)を示す、エンドエフェクタ(3312)の遠位部分の拡大側面図を示す。本実施例では、エンドエフェクタ(3312)は、閉鎖された無負荷状態で示されている。配置先端部(3319)は、下側ジョー(3316)のノーズ部分(3326)の上面(3320)と概ね平行である下側表面(3322)を含む。このようにして、間隙(3340)は、概ね、配置先端部(3319)の下側表面(3322)及びノーズ部分(3326)の上面(3320)に沿って均一なサイズである。間隙(3340)のこの構成では、配置先端部(3319)の弾性変形可能な性質を用いて、エンドエフェクタ(3312)は、マーチングが所望される手順で使用するように構成される。
図27Bは、上側ジョー(3414)の配置先端部(3419)の遠位端(3430)と下側ジョー(3416)のノーズ部分(3426)との間の間隙(3440)を示す、エンドエフェクタ(3412)の遠位部分の拡大側面図を示す。配置先端部(3419)は屈曲又は角度付けされ、図示のようにエンドエフェクタ(3412)が閉鎖された無負荷状態になると、端部(3430)は、下側ジョー(3416)のノーズ部分(3426)の上面(3420)に接触するか又はほぼ接触する。このように本実施例では、間隙(3440)は非常に小さいか、又はジョー(3414、3416)が接触している場合、間隙(3440)は全く存在しないかのいずれかとなる。間隙(3440)が存在する変形例では、図示のとおり、間隙(3440)が近位方向に延在するにつれて、間隙(3440)のサイズは増加する。この構成では、配置先端部(3419)の弾性変形可能な性質を用いて、エンドエフェクタ(3412)は、マーチングが所望される手順で使用するように構成される。本明細書の教示を鑑みれば、可視化、誘導、及びマーチングを補助するように様々な間隙を有するエンドエフェクタ(912)を構成するための他の方法は、当業者には明らかになるであろう。
V.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されよう。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
装置は、本体と、本体から延在するシャフトであって、シャフトは長手方向軸を画定する、シャフトと、シャフトと連通したエンドエフェクタであって、エンドエフェクタは、組織を圧縮し、ステープル留めし、かつ切断するように動作可能である、エンドエフェクタと、を備える。エンドエフェクタは、一対のジョーであって、ジョーのうちの少なくとも1つは、開放位置と閉鎖位置との間で他方のジョーに対して移動するように動作可能である、一対のジョーと、1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジであって、カートリッジは、一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続する、カートリッジと、カートリッジの1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、一対のジョーのうちの第2のジョーはアンビルを含む、アンビルと、弾性変形可能な配置先端部と、を含む。配置先端部は、一対のジョーのうちの選択された1つから遠位方向に延在し、配置先端部は、エンドエフェクタが開放位置にあるときに、配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つの軸に対する第1の角度を画定し、かつエンドエフェクタが閉鎖位置にあるときに、配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つの軸に対する第2の角度を画定する。第2の角度は第1の角度と異なる。
配置先端部は、アンビルから遠位方向に延在する、実施例1に記載の装置。
アンビルを含む第2のジョーは、第1のジョーに対して移動可能である、実施例1〜2のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
配置先端部は、直線、湾曲、屈曲、角度付き、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される形状を含む、実施例1〜3のいずれか1つ以上に記載の装置。
配置先端部は、エンドエフェクタが閉鎖位置にあるときの配置先端部の変形が、第1の角度に対する第2の角度の増加を引き起こすように構成されている、実施例1〜4のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
配置先端部は、配置先端部の変形が、エンドエフェクタが閉鎖位置にあるときに配置先端部に加えられるクランプ力によって引き起こされるように構成されている、実施例1〜5のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
配置先端部は、配置先端部が、クランプ力に応答して、配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つに対向するジョーの一部分に接触するように構成されている、実施例1〜6のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
配置先端部は、配置先端部が、クランプ力に応答して、エンドエフェクタの一対のジョーの間に捕捉された組織と接触するように構成されている、実施例1〜7のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
配置先端部は、丸形、角度付き尖形、歯形、フレア形、球形、非対称、及びこれらの組み合わせを含む群から選択されるプロファイルを有する遠位端を含む、実施例1〜8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
配置先端部は、角度付き、段付き、非対称、スカラップ状、隆起、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される幅プロファイルを画定する遠位側部を含む、実施例1〜9のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
配置先端部は、丸形、角度付き尖形、歯形、フレア形、球形、非対称、及びこれらの組み合わせを含む群から選択されるプロファイルを有する遠位端を含む、実施例10に記載の装置。
配置先端部は、多角度の下側表面を含む、実施例1〜11のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
配置先端部は、配置先端部に加えられるクランプ力に応答して、第1の屈曲又は角度付けされた位置から第2の直線状又はわずかに屈曲又は角度付けされた位置に配置先端部を移動させるように動作可能に構成された湾曲突出部を有する下側表面を含む、実施例1〜12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
配置先端部は遠位端を含み、配置先端部の遠位端は、配置先端部に加えられるクランプ力に応答して遠位方向に移動する、実施例1〜13のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
配置先端部の遠位端は、配置先端部に加えられるクランプ力に応答して、配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つに対向するジョーから離れる方向に移動する、実施例1〜14のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
装置は、本体と、本体から延在するシャフトであって、配置先端部は、シャフトが長手方向軸を画定するように構成されている、シャフトと、シャフトと連通したエンドエフェクタであって、エンドエフェクタは、組織を圧縮し、ステープル留めし、かつ切断するように動作可能である、エンドエフェクタと、を含む。エンドエフェクタは、一対のジョーであって、ジョーのうちの少なくとも1つは、開放位置と閉鎖位置との間で他方のジョーに対して移動するように動作可能である、一対のジョーと、1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジであって、カートリッジは、一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続する、カートリッジと、カートリッジの1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、一対のジョーのうちの第2のジョーはアンビルを含む、アンビルと、弾性変形可能な配置先端部と、を含む。配置先端部は、一対のジョーのうちの選択された1つから遠位方向に延在し、配置先端部は、配置先端部が第1の非偏向状態にあるときに、配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つに対向するジョーの一部分の表面に対する第1の角度を画定し、かつ配置先端部が第2の偏向状態にあるときに、配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つに対向するジョーの該一部分の表面に対する第2の角度を画定する。第2の角度は第1の角度と異なる。
配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つに対向するジョーの一部分の表面が、カートリッジのノーズ部分の上面を含み、上面は先細である、実施例16に記載の装置。
装置は、本体と、本体から延在するシャフトであって、シャフトは長手方向軸線を画定する、シャフトと、シャフトに連通したエンドエフェクタであって、エンドエフェクタは、組織を圧縮し、ステープル留めし、かつ切断するように動作可能である、エンドエフェクタと、を備える。エンドエフェクタは、一対のジョーであって、ジョーのうちの少なくとも1つは、開放位置と閉鎖位置との間で他方のジョーに対して移動するように動作可能である、一対のジョーと、1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジであって、カートリッジは、一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続する、カートリッジと、カートリッジの1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、一対のジョーのうちの第2のジョーがアンビルを含む、アンビルと、弾性変形可能な配置先端部と、を含む。配置先端部は、一対のジョーのうちの選択された1つから遠位方向に延在し、配置先端部は遠位端を含み、配置先端部は、エンドエフェクタが閉鎖位置で負荷状態にあるときに、第1の非偏向状態から第2の偏向状態へと移行するように構成されている。配置先端部が第1の非偏向状態にあるとき、配置先端部の遠位端は、配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つに対向するジョーの最遠位端の近位に位置し、配置先端部が第2の偏向状態にあるとき、配置先端部の遠位端は、配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つに対向するジョーの最遠位端の遠位に位置する。
エンドエフェクタが、(a)配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つに対向するジョーの最遠位端によって画定される第1の平面と、(b)配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つに対向するジョーのデッキによって画定される第2の平面であって、第1の平面と第2の平面とは互いに直交している、第2の平面と、(c)配置先端部が延在するジョーのうちの選択された1つに対向するジョーの底面によって画定される第3の平面であって、第3の平面と第1の平面とは互いに直交している、第3の平面と、に基づいて複数のゾーンを画定する、実施例18に記載の装置。
配置先端部の遠位端は、配置先端部が第1の非偏向状態にあるときの複数のゾーンのうちの1つのゾーンから、配置先端部が第2の偏向状態にあるときの複数のゾーンのうちの別のゾーンへと移動するように構成されている、実施例19に記載の装置。
VI.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年2月17日に出願の「Surgical Stapler End Effector with Varying Deck Height and Tissue Gripping Features」と題する米国特許出願第29/594,332号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第29/594,332号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかになるであろう。
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年2月17日に出願の「Circular Surgical Stapler End Effector with Varying Deck Height and Tissue Gripping Features」と題する米国特許出願第29/594,335号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第29/594,335号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかになるであろう。
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年2月17日に出願の「Surgical Staple with Insertable Distal Anvil Tip」と題する米国特許出願第15/435,607号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第15/435,607号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかになるであろう。
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年2月17日に出願の「Surgical Staple with Cooperating Distal Tip Features on Anvil and Staple Cartridge」と題する米国特許出願第15/435,618号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第15/435,618号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかになるであろう。
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年2月17日に出願の「Surgical Staple with Bent Avnil Tip and Angled Staple Cartridge Tip」と題する米国特許出願第29/594,340号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第29/594,340号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかになるであろう。
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年2月17日に出願の「Surgical Staple with Bent Avnil Tip,Angled Staple Cartridge Tip,and Tissue Gripping Features」と題する米国特許出願第15/435,631号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第15/435,631号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかになるであろう。
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる本明細書と同日に出願の「Surgical Stapling End Effector Jaw with Tip Deflecting Toward Other Jaw」と題する米国特許出願[代理人整理番号END8115USCIP2.0659204]の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願[代理人整理番号END8115USCIP2.0659204]の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかになるであろう。
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる本明細書と同日に出願された「Method of Surgical Stapling with End Effector Component Having a Curved Tip」と題する米国特許出願[代理人整理番号END8115USCIP3.0659198]の教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願[代理人整理番号END8115USCIP3.0659198]の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかになるであろう。
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる本明細書と同日に出願された「Permanent Attachment Means for Curved Tip of Component of Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許出願[代理人整理番号END8578USNP.0658213]の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願[代理人整理番号END8578USNP.0658213]の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかになるであろう。
本明細書に参照により組み込まれると言及されるいかなる特許、公報、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記述、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、組み込まれる文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲でしか組み込まれないものとする。
上記のデバイスの変形形態は、医療専門家により行われる従来の医療処置及び手術における用途のみではなく、ロボット支援された医療処置及び手術における用途をも有することができる。単に一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者であれば、本明細書における様々な教示が、以下のうちのいずれかの様々な教示と容易に組み合わされ得ることを認識するであろう:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年8月11日発行の「Articulated Surgical Instrument For Performing Minimally Invasive Surgery With Enhanced Dexterity and Sensitivity」と題する米国特許第5,792,135号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年10月6日発行の「Remote Center Positioning Device with Flexible Drive」と題する米国特許第5,817,084号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年3月2日発行の「Automated Endoscope System for Optimal Positioning」と題する米国特許第5,878,193号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年5月15日発行の「Robotic Arm DLUS for Performing Surgical Tasks」と題する米国特許第6,231,565号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題する米国特許第6,783,524号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年4月2日発行の「Alignment of Master and Slave in a Minimally Invasive Surgical Apparatus」と題する米国特許第6,364,888号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年4月28日発行の「Mechanical Actuator Interface System for Robotic Surgical Tools」と題する米国特許第7,524,320号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年4月6日発行の「Platform Link Wrist Mechanism」と題する米国特許第7,691,098号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年10月5日発行の「Repositioning and Reorientation of Master/Slave Relationship in Minimally Invasive Telesurgery」と題する米国特許第7,806,891号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2014年9月30日発行の「Automated End Effector Component Reloading System for Use with a Robotic System」と題する米国特許第8,844,789号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2014年9月2日発行の「Robotically−Controlled Surgical Instrument with Force−Feedback Capabilities」と題する米国特許第8,820,605号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2013年12月31日発行の「Shiftable Drive Interface for Robotically−Controlled Surgical Tool」と題する米国特許第8,616,431号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2013年11月5日発行の「Surgical Stapling Instruments with Cam−Driven Staple Deployment Arrangements」と題する米国特許第8,573,461号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2013年12月10日発行の「Robotically−Controlled Motorized Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems Having Variable Actuation Speeds」と題する米国特許第8,602,288号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2016年4月5日発行の「Robotically−Controlled Surgical Instrument with Selectively Articulatable End Effector」と題する米国特許第9,301,759号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2014年7月22日発行の「Robotically−Controlled Surgical End Effector System」と題する米国特許第8,783,541号、2013年7月9日発行の「Drive Interface for Operably Coupling a Manipulatable Surgical Tool to a Robot」と題する米国特許第8,479,969号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2014年8月12日発行の「Robotically Controlled Cable−Based Surgical End Effectors」と題する米国特許第8,800,838号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる2013年11月5日発行の「Robotically−Controlled Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems」と題する、米国特許第8,573,465号。
上述のデバイスの変形形態は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形形態は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形形態を、再調整用の施設において、又は処置の直前にユーザによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本発明の範囲内にある。
単に一例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次いで、容器及びデバイスを、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知のその他の任意の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
以上、本発明の様々な実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から延在するシャフトであって、前記シャフトは長手方向軸を画定する、シャフトと、
(c)前記シャフトと連通したエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、組織を圧縮し、ステープル留めし、かつ切断するように動作可能であり、前記エンドエフェクタは、
(i)一対のジョーであって、前記ジョーの少なくとも1つは、開放位置と閉鎖位置との間で他方のジョーに対して移動するように動作可能である、一対のジョーと、
(ii)1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジであって、前記カートリッジは、前記一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続する、カートリッジと、
(ii)前記カートリッジの前記1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、前記一対のジョーのうちの第2のジョーは前記アンビルを含む、アンビルと、
(iii)弾性変形可能な配置先端部であって、前記配置先端部は、前記一対のジョーのうちの選択された1つから遠位方向に延在し、前記配置先端部は、前記エンドエフェクタが前記開放位置にあるときに、前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つの軸に対して第1の角度を画定し、かつ前記エンドエフェクタが閉鎖位置にあるときに、前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つの前記軸に対して第2の角度を画定し、前記第2の角度は前記第1の角度と異なる、配置先端部と、を含む、エンドエフェクタと、を備える、装置。
(2) 前記配置先端部が前記アンビルから遠位方向に延在している、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記アンビルを含む前記第2のジョーが、前記第1のジョーに対して移動可能である、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記配置先端部が、直線、湾曲、屈曲、角度付き、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される形状を含む、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記配置先端部は、前記エンドエフェクタが前記閉鎖位置にあるときの前記配置先端部の変形が、前記第1の角度に対する前記第2の角度の増加を引き起こすように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(6) 前記配置先端部は、前記配置先端部の前記変形が、前記エンドエフェクタが前記閉鎖位置にあるときに前記配置先端部に加えられるクランプ力によって引き起こされるように構成されている、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記配置先端部は、前記配置先端部が、前記クランプ力に応答して、前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つに対向する前記ジョーの一部分に接触するように構成されている、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記配置先端部は、前記配置先端部が、前記クランプ力に応答して、前記エンドエフェクタの前記一対のジョーの間に捕捉された組織と接触するように構成されている、実施態様6に記載の装置。
(9) 前記配置先端部は、丸形、角度付き尖形、歯形、フレア形、球形、非対称、及びこれらの組み合わせを含む群から選択されるプロファイルを有する遠位端を含む、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記配置先端部は、角度付き、段付き、非対称、スカラップ状、隆起、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される幅プロファイルを画定する遠位側部を含む、実施態様1に記載の装置。
(11) 前記配置先端部は、丸形、角度付き尖形、歯形、フレア形、球形、非対称、及びこれらの組み合わせを含む群から選択されるプロファイルを有する遠位端を含む、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記配置先端部は多角度の下側表面を含む、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記配置先端部は、前記配置先端部に加えられるクランプ力に応答して、第1の屈曲又は角度付けされた位置から第2の直線状又はわずかに屈曲若しくは角度付けされた位置に前記配置先端部を移動させるように動作可能に構成された湾曲突出部を有する下側表面を含む、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記配置先端部は遠位端を含み、前記配置先端部の前記遠位端は、前記配置先端部に加えられるクランプ力に応答して遠位方向に移動する、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記配置先端部は、前記配置先端部の前記遠位端が、前記配置先端部に加えられる前記クランプ力に応答して、前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つに対向する前記ジョーから離れる方向に更に移動するように構成されている、実施態様14に記載の装置。
(16) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から延在するシャフトであって、前記シャフトは長手方向軸を画定する、シャフトと、
(c)前記シャフトと連通したエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、組織を圧縮し、ステープル留めし、かつ切断するように動作可能であり、前記エンドエフェクタは、
(i)一対のジョーであって、前記ジョーのうちの少なくとも1つは、開放位置と閉鎖位置との間で他方のジョーに対して移動するように動作可能である、一対のジョーと、
(ii)1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジであって、前記カートリッジは、前記一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続する、カートリッジと、
(ii)前記カートリッジの前記1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、前記一対のジョーのうちの第2のジョーは前記アンビルを含む、アンビルと、
(iii)弾性変形可能な配置先端部であって、前記配置先端部は、前記一対のジョーのうちの選択された1つから遠位方向に延在し、前記配置先端部は、前記配置先端部が第1の非偏向状態にあるときに、前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つに対向する前記ジョーの一部分の表面に対する第1の角度を画定し、かつ前記配置先端部が第2の偏向状態にあるときに、前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つに対向する前記ジョーの前記一部分の前記表面に対する第2の角度を画定し、前記第2の角度は前記第1の角度と異なる、配置先端部と、を含む、エンドエフェクタと、を備える、装置。
(17) 前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つに対向する前記ジョーの前記一部分の前記表面が、前記カートリッジのノーズ部分の上面を含み、前記上面は先細である、実施態様16に記載の装置。
(18) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から延在するシャフトであって、前記シャフトは長手方向軸を画定する、シャフトと、
(c)前記シャフトと連通したエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、組織を圧縮し、ステープル留めし、かつ切断するように動作可能であり、前記エンドエフェクタは、
(i)一対のジョーであって、前記ジョーのうちの少なくとも1つは、開放位置と閉鎖位置との間で他方のジョーに対して移動するように動作可能である、一対のジョーと、
(ii)1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジであって、前記カートリッジは、前記一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続する、カートリッジと、
(ii)前記カートリッジの前記1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、前記一対のジョーのうちの第2のジョーは前記アンビルを含む、アンビルと、
(iii)弾性変形可能な配置先端部であって、前記配置先端部は、前記一対のジョーのうちの選択された1つから遠位方向に延在し、前記配置先端部は遠位端を含み、前記配置先端部は、前記エンドエフェクタが前記閉鎖位置で負荷状態にあるときに第1の非偏向状態から第2の偏向状態へと移行するように構成されており、前記配置先端部が前記第1の非偏向状態にあるとき、前記配置先端部の前記遠位端は、前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つに対向する前記ジョーの最遠位端の近位に位置し、前記配置先端部が前記第2の偏向状態にあるとき、前記配置先端部の前記遠位端は、前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つに対向する前記ジョーの前記最遠位端の遠位に位置する、配置先端部と、を含む、エンドエフェクタと、を備える、装置。
(19) 前記エンドエフェクタは、(a)前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つに対向する前記ジョーの前記最遠位端によって画定される第1の平面と、(b)前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つに対向する前記ジョーのデッキによって画定される第2の平面であって、前記第1の平面と前記第2の平面とは互いに直交している、第2の平面と、(c)前記配置先端部が延在する前記ジョーのうちの前記選択された1つに対向する前記ジョーの底面によって画定される第3の平面であって、前記第3の平面と前記第1の平面とは互いに直交している、第3の平面と、に基づいて複数のゾーンを画定する、実施態様18に記載の装置。
(20) 前記配置先端部の前記遠位端は、前記配置先端部が前記第1の非偏向状態にあるときの前記複数のゾーンのうちの1つのゾーンから、前記配置先端部が前記第2の偏向状態にあるときの前記複数のゾーンのうちの別のゾーンへと移動するように構成されている、実施態様19に記載の装置。