JP2021528434A - インテグリンαvβ3に結合するためのペプチドリガンド - Google Patents

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Abstract

インテグリンαvβ3に特異的なペプチドリガンドであって、システイン、L−2,3−ジアミノプロピオン酸(Dap)、N−ベータ−アルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−AlkDap)およびN−ベータ−ハロアルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−HAlkDap)から選択される3つの残基を含むポリペプチドを含み、ただし、前記3つの残基のうちの少なくとも1つが、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapから選択されることを条件とし、前記3つの残基が、少なくとも2つのループ状配列によって分離されており、前記ペプチドリガンドが分子足場を含み、ペプチドが、ポリペプチドのDapまたはN−AlkDapまたはN−HAlkDap残基との共有結合によるアルキルアミノ連結によって、および前記3つの残基がシステインを含む場合にはポリペプチドのシステイン残基とのチオエーテル連結によって、2つのポリペプチドループが分子足場上に形成されるように足場に連結されている、ペプチドリガンド。1つまたは複数のエフェクター基にコンジュゲートしたペプチドリガンドを含む薬物コンジュゲートおよびそのコンジュゲートを含む医薬組成物も提供される。

Description

本発明は、インテグリンαvβ3の高親和性結合剤であるペプチドリガンドに関する。本発明はまた、1つまたは複数のエフェクター基および/または官能基にコンジュゲートした、前記ペプチドを含む薬物コンジュゲート、前記ペプチドリガンドおよび薬物コンジュゲートを含む医薬組成物ならびにインテグリンαvβ3が介在する疾患または障害を予防する、抑制するまたは処置する際の前記ペプチドリガンドおよび薬物コンジュゲートの使用を含む。詳細には、本発明は、ペプチドと足場分子の間に2つ以上の結合を形成するための新規化学を有するこの種のペプチドリガンドに関する。
様々な研究チームは、以前に、ペプチドのシステイン残基と足場分子の適切な官能基の間に2つまたはそれより多いチオエーテル結合を形成することによって、ペプチドを足場部分に係留してきた。例えば、トリス(ブロモメチル)ベンゼンのように、システイン含有ペプチドを分子足場に連結させることによる、候補薬物化合物の生成のための方法がWO2004/077062およびWO2006/078161に開示されている。
環化を達成することを目的として、共有結合によるチオエーテル連結を生じさせるためにシステインチオールを利用する利点は、システインチオールの選択的かつ生体直交型の反応性にある。チオール含有直鎖状ペプチドは、1,3,5トリス−ブロモメチルベンゼン(TBMB)などのチオール反応性足場化合物を用いて環化され、二環性ペプチドを形成する場合があり、得られた生成物はベンジル位に3つのチオエーテルを含有する。チオエーテル連結を有するループ状二環性ペプチドを形成するための、TBMBを有する直鎖状ペプチドの全体的構造が図1に示される。
ペプチドを足場部分にカップリングさせて、チオエーテル部位の適切な置き換えを用いるループ状ペプチド構造を形成し、それによって、異なるペプチドとの適合性、溶解度の改善などの物理化学特性の変化、生体分布の変化および他の利点を達成するための代替化学に対する需要が存在する。
WO2011/018227には、第1のペプチドリガンドまたはペプチドリガンドの群のコンホメーションを変更するための方法であって、各ペプチドリガンドが、第2のペプチドリガンドまたはペプチドリガンドの群を生成するために少なくとも2つの反応性基と共有結合を形成する分子足場に共有結合により連結した、ループ配列によって分離された前記反応性基を含み、上記方法が、ペプチド由来の前記第2の誘導体または誘導体の群と前記第1の誘導体または誘導体の群の足場とをアセンブルすることを含み、(a)少なくとも1つの反応性基を変更すること;または(b)分子足場の性質を変更すること;または(c)少なくとも1つの反応性基と分子足場の間の結合を変更すること;または(a)、(b)もしくは(c)の任意の組合せのうちの1つが組み込まれている方法が記載されている。
2017年12月20日に出願した本発明者らのより早期の係属出願であるPCT/EP2017/083953およびPCT/EP2017/083954には、足場分子への1つまたは複数のチオエーテル連結がアルキルアミノ連結によって置き換えられた二環性ペプチドが記載されている。
インテグリンは、細胞を基質に固定し、外部に由来するシグナルを原形質膜を横切って伝達する、ヘテロ二量体マトリックス受容体である。インテグリンαvβ3は、インビボとインビトロの両方で、破骨細胞が介在する骨吸収に関与する。このヘテロ二量体分子は、オステオポンチンおよび骨シアロタンパク質などの骨マトリックスタンパク質に含有されるアミノ酸モチーフArg−Gly−Asp(RGD)を認識する。インテグリンαvβ3は破骨細胞中で発現され、その発現は吸収性ステロイドおよびサイトカインによってモジュレートされる。遮断実験に基づいて、αvβ3インテグリンは、主要な機能的接着受容体として破骨細胞上で同定された。インテグリンαvβ3阻害剤は、破骨細胞の骨結合能力および骨吸収能力を低下させる。インテグリンαvβ3は、破骨細胞の機能において主要な役割を果たし、このインテグリンの阻害剤は、骨粗しょう症、溶骨性転移、および悪性腫瘍誘発性高カルシウム血症を処置するまたは予防すると考えられている。
破骨細胞が介在する骨溶解に関連した多数の骨疾患が存在する。骨粗しょう症は、骨の吸収および形成が調和せず、骨の分解が骨の構築を上回る場合に誘導される最も一般的な骨疾患である。骨粗しょう症は、ホルモンの不均衡、疾患、または投薬(例えば、コルチコステロイドまたは抗てんかん剤)などの他の条件によっても引き起こされる。骨は、ヒトの乳がん、前立腺がん、肺がんおよび甲状腺がん、ならびに他のがんによる最も一般的な転移部位の1つである。骨粗しょう症は、閉経後のエストロゲン欠乏症からも生じ得る。続発性骨粗しょう症は、関節リウマチに付随し得る。骨転移は、他の器官の転移には見られない破骨細胞性骨吸収の極めて独特な段階を示す。がんに付随する骨溶解は破骨細胞によって本質的に媒介され、破骨細胞は、活性化されていると考えられ、かつ骨芽細胞によって間接的にまたは腫瘍生成物によって直接的に活性化され得ることが広く受け入れられている。さらに、高カルシウム血症(高血中カルシウム濃度)は、溶骨性骨疾患の重大な合併症である。高カルシウム血症は、広範囲に及ぶ骨破壊を有する患者で比較的頻繁に生じ、特に、乳がん、肺がん、腎臓がん、卵巣がんおよび膵臓がんならびに骨髄腫において一般的である。
ディスインテグリンは、血小板上ならびに血管内皮細胞および一部の腫瘍細胞を含む他の細胞上で発現されるインテグリンαIIbβ3、α5β1およびαvβ3に特異的に結合する低分子量RGD含有ペプチドのファミリーである。それらの強力な抗血小板活性に加えて、ディスインテグリンの研究によって、心血管疾患の診断における新たな用途ならびに動脈血栓症、骨粗しょう症および血管新生に関連する腫瘍成長と転移における治療剤の設計が明らかになった。マレーマムシ(Colloselasma rhodostoma)の毒液に由来するディスインテグリンであるロドストミン(Rhodostomin)(Rho)は、血小板糖タンパク質αIIbβ3の遮断によって、インビボおよびインビトロでの血小板凝集を阻害することが判明した。
骨疾患におけるαvβ3インテグリンの役割は、十分に文書化されている(Ross et al (2006) Journal of Clinical Investigation 116(5);Rodan et al (1997) Journal of Endocrinology 154, S47−S56;Teitelbaum (2005) Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism 90(4), 2466−2468;Teitelbaum (2000) Journal of Bone and Mineral Metabolism 18, 344−349;Nakamura et al (2007) Journal of Bone and Mineral Metabolism 25, 337−344;Duong et al (1999) Journal of Bone and Mineral Metabolism 17, 1−6;およびTeti et al (2002) Calcified Tissue International 71, 293−299)。骨疾患に加えて、αvβ3インテグリンは、骨疾患に関連しない条件下で、血管新生および腫瘍成長において重要な役割を果たす。
2018年1月15日に出願した本発明者らのより早期の係属出願であるGB1800598.3には、インテグリンαvβ3に対して高い結合親和性を有する二環性ペプチドリガンドが記載されている。これらの出願には、ペプチドリガンドの治療剤とのコンジュゲート、特に細胞毒性剤とのコンジュゲートについてさらに記載されている。
本発明者らは、インテグリンαvβ3に対する親和性を有するループ状ペプチドにおけるチオエーテル連結のアルキルアミノ連結による置き換えによって、すべてチオエーテル連結を有するように作製された対応するコンジュゲートと同様のインテグリンαvβ3に対する親和性を示すループ状ペプチドコンジュゲートがもたらされることを見出した。アルキルアミノ連結によるチオエーテル連結の置き換えは、本発明によるコンジュゲートの溶解度の改善および/または酸化安定性の改善をもたらすことが期待される。
したがって、第1の態様では、本発明は、インテグリンαvβ3に特異的なペプチドリガンドであって、前記ペプチドリガンドが、システイン、L−2,3−ジアミノプロピオン酸 (Dap)、N−ベータ−アルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−AlkDap)およびN−ベータ−ハロアルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−HAlkDap)から選択される3つの残基を含み、ただし、前記3つの残基のうちの少なくとも1つは、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapから選択されることを条件とし、前記3つの残基は、少なくとも2つのループ状配列によって分離されており、前記ペプチドリガンドが分子足場を含み、ペプチドが、ポリペプチドのDapまたはN−AlkDapまたはN−HAlkDap残基との共有結合によるアルキルアミノ連結によって、および前記3つの残基がシステインを含む場合には、ポリペプチドのシステイン残基とのチオエーテル連結によって、2つのポリペプチドループが分子足場上に形成されるように、足場に連結されている、ペプチドリガンドを提供する。
適切には、ペプチドリガンドは、
−X−Cii−X−Ciii
(式中、
i、ii、およびCiiiは、独立して、システイン、L−2,3−ジアミノプロピオン酸(Dap)、N−ベータ−アルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−AlkDap)、またはN−ベータ−ハロアルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−HAlkDap)であり、ただし、Ci、ii、およびCiiiのうちの少なくとも1つが、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapであることを条件とし、
およびXは、システイン、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDap残基の間のアミノ酸配列を表し、XおよびXはそれぞれ、独立して、3から9個のアミノ酸残基のループ状配列である)
から選択されるアミノ酸配列を含む。
本発明の誘導体は、DapまたはN−AlkDapまたはN−HAlkDap残基に対する少なくとも1つのアルキルアミノ連結と、システインに対する最大2つのチオエーテル連結とによって、足場にカップリングしたペプチドループを含むことを見て取ることができる。
N−AlkDapおよびN−HAlkDapにおける接頭語「アルキル」は、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチルを指す。接頭語「ハロ」は、1つまたは複数の、適切には1つの、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード置換基を有するアルキル基を特定するために、本文脈においてその通常の意味で使用される。
システインが存在する場合、チオエーテル連結は、以下でさらに説明されるように、環状ペプチドの形成の間にアンカーをもたらす。これらの実施形態では、チオエーテル連結は、適切には、二環性ペプチドコンジュゲートの中央の連結であり、すなわち、ペプチド配列において、ペプチドのアルキルアミノ連結を形成する2つの残基は、チオエーテル連結を形成するシステイン残基の両側と一定の距離を保ち、その両側に位置する。したがって、これらの好ましい実施形態では、ループ状ペプチド構造は、中央のチオエーテル連結と2つの周辺のアルキルアミノ連結とを有する二環性ペプチドコンジュゲートである。代替の実施形態では、チオエーテル連結は、ペプチドのN末端またはC末端に配置され、中央の連結および他の末端の連結は、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapから選択される。
本発明の実施形態では、C、Cii、およびCiiiの3つすべては、DapまたはN−AlkDapまたはN−HAlkDapであってもよい。これらの実施形態では、本発明のペプチドリガンドは、適切には、中央のアルキルアミノ連結および2つの周辺のアルキルアミノ連結を有する二環性コンジュゲートであり、ペプチドは、中央のアルキルアミノ連結を共有する2つのループを形成する。これらのおよび他の実施形態では、Ci、ii、およびCiiiは、アルキル化Dapに関する好ましい反応速度論により、適切にはN−AlkDapまたはN−HAlkDap、最も適切にはN−AlkDapから選択される。
適切には、本発明のペプチドリガンドは、ヒト、マウスおよびイヌのインテグリンαvβ3の高親和性結合剤であり、特に、本発明のペプチドリガンドは、適切には、ヒトインテグリンαvβ3の高親和性結合剤である。適切には、結合親和性Kは、約1000nM未満、約500nM未満、約100nM未満、約50nM未満、または約25nM未満である。本明細書の文脈における結合親和性は、以下に記載された方法によって測定される結合親和性を指す。
適切には、足場は、(ヘテロ)芳香族または(ヘテロ)脂環式部分を含む。
さらなる態様では、本発明は、1つまたは複数のエフェクター基および/または官能基、例えば、細胞毒性剤または金属キレーターにコンジュゲートした本発明によるペプチドリガンドを含む薬物コンジュゲートを提供する。適切には、コンジュゲートは、切断可能な結合、例えば、ジスルフィド結合またはバリン−シトルリン連結によってペプチドリガンドに連結した細胞毒性剤を有する。適切には、細胞毒性剤は、DM1またはMMAEから選択される。
本発明のさらなる態様によれば、本明細書で定義されるペプチドリガンドまたは薬物コンジュゲートを1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、インテグリンαvβ3が介在する疾患または障害を予防する、抑制するまたは処置する際に使用するための、本明細書で定義されるペプチドリガンドまたは薬物コンジュゲートが提供される。
インテグリンαvβ3に対する特異的結合を示す参照二環性ペプチドリガンドの概略構造を示す図である。 本発明による、第1の二環性ペプチドリガンドの概略構造を示す図である。 本発明による、第2の二環性ペプチドリガンドの概略構造を示す図である。 本発明による、第3の二環性ペプチドリガンドの概略構造を示す図である。 本発明による、第4の二環性ペプチドリガンドの概略構造を示す図である。 本発明による、第5の二環性ペプチドリガンドの概略構造を示す図である。 本発明による、第6の二環性ペプチドリガンドの概略構造を示す図である。 本発明による、第7の二環性ペプチドリガンドの概略構造を示す図である。
別段定義されていなければ、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、ペプチド化学、細胞培養およびファージディスプレイ、核酸化学および生化学の技術分野などの当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。分子生物学、遺伝学的方法および生化学的方法に対する標準的技術が使用され(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,2001,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;Ausubel et al.,Short Protocols in Molecular Biology (1999) 4th ed.,John Wiley & Sons,Inc.を参照のこと)、これらは参照により本明細書の一部をなすものとする。
本発明は、分子足場の3つの連結間を結ぶ2つのペプチドループを含み、中央の連結は、2つのループに共通する、請求項1に定義されるループ状ペプチド構造を提供する。中央の連結は、ペプチドのシステイン残基に対して形成されたチオエーテル連結であってもよく、またはペプチドのDapもしくはN−AlkDapもしくはN−HalkDap残基に対して形成されたアルキルアミノ連結である。2つの外側の連結は、適切には、ペプチドのDapもしくはN−AlkDapもしくはN−HalkDap残基に対して形成されたアルキルアミノ連結であり、または外側の連結のうちの1つは、ペプチドのシステイン残基に対して形成されたチオエーテル連結であってもよい。
一実施形態では、本発明のペプチドリガンドは、マウス、イヌ、カニクイザルおよびヒトのインテグリンαvβ3と完全に交差反応性である。またさらなる実施形態では、本発明のペプチドリガンドは、インテグリンαvβ3に対して選択的である。
適切には、インテグリンαvβ3に対する結合親和性Kは、約1000nM未満、約500nM未満、約250nM未満、約100nM未満、または約50nM未満である。
本発明による様々な特定のペプチドリガンドのアミノ酸配列は、添付の特許請求の範囲において定義される。
本発明の二環性ペプチド化合物内のアミノ酸残基の位置を参照する場合、システイン/Dap残基(Ci、ii、およびCiii)は、インバリアントであるため、番号付けから省かれており、したがって、代表的な二環性化合物内のアミノ酸残基の番号付けは以下のように参照される:
−C−L−D−H−M−E−Cii−R−G−D−M−D10−Ciii
適切には、ペプチドは、TBMB(1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼン)または1,1’,1’’−(1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリプロパ−2−エン−1−オン(TATA)を用いて環化されてもよく、三置換構造を得る。TBMBおよびTATAによる環化は、Ci、ii、およびCiiiに関して起こる。
本明細書で定義されるペプチドリガンドの修飾された誘導体は、本発明の範囲内にあることが認識される。このような適切な修飾された誘導体の例としては、N末端および/またはC末端の修飾、1つまたは複数のアミノ酸残基の1つまたは複数の非天然アミノ酸残基による置き換え(例えば、1つまたは複数の極性アミノ酸残基の1つまたは複数の等配電子アミノ酸または等電子アミノ酸による置き換え、1つまたは複数の非極性アミノ酸残基の他の非天然の、等配電子アミノ酸または等電子アミノ酸による置き換え)、スペーサー基の付加、1つまたは複数の酸化感受性アミノ酸残基の1つまたは複数の酸化抵抗性アミノ酸残基による置き換え、1つまたは複数のアミノ酸残基のアラニンによる置き換え、1つまたは複数のL−アミノ酸残基の1つまたは複数のD−アミノ酸残基による置き換え、二環性ペプチドリガンド内の1つまたは複数のアミド結合のNアルキル化、1つまたは複数のペプチド結合のサロゲート結合による置き換え、ペプチド主鎖長の改変、1つまたは複数のアミノ酸残基のアルファ炭素上の水素の別の化学基による置換、システイン、リシン、グルタミン酸/アスパラギン酸およびチロシンなどのアミノ酸の、前記アミノ酸を官能基化するための適切なアミン、チオール、カルボン酸およびフェノール反応性試薬による修飾、ならびに官能基化に適する直交型反応を導入するアミノ酸、例えば、それぞれアルキンまたはアジド保有部分による官能基化を可能にするアジドまたはアルキン基保有アミノ酸の導入または置き換えから選択される1つまたは複数の修飾が挙げられる。
一実施形態では、修飾された誘導体は、N末端および/またはC末端の修飾を含む。さらなる実施形態では、修飾された誘導体は、適切なアミノ反応性化学を使用するN末端修飾、および/または適切なカルボキシ反応性化学を使用するC末端修飾を含む。さらなる実施形態では、前記N末端修飾またはC末端修飾は、これらに限定されないが、細胞毒製剤、ラジオキレーター(radiochelator)または発色団を含むエフェクター基の付加を含む。
実施形態では、N末端修飾は、エフェクター基のコンジュゲーションおよびその標的に対する二環性ペプチドの効力の保持を容易にする分子スペーサー基の付加を含む。スペーサー基は、適切には、Alaなどの約5から約30個のアミノ酸を含有するオリゴペプチド基、G−Sar10−A基またはbAla−Sar10−A基である。一実施形態では、スペーサー基は、bAla−Sar10−Aから選択される。
本明細書の目的として、二環性コア配列に対するN末端またはC末端の伸長が、ハイフンによって分離された配列の左側または右側に付加される。例えば、N末端のβAla−Sar10−Alaテイルは、以下のように表示される:
βAla−Sar10−A−(配列番号X)
一実施形態では、修飾された誘導体は、1つまたは複数のアミノ酸残基の1つまたは複数の非天然アミノ酸残基による置き換えを含む。この実施形態では、分解性プロテアーゼによっても認識されず標的の効力に何らの有害作用も有さない等配電子/等電子側鎖を有する非天然アミノ酸が選択されてもよい。
あるいは、近くのペプチド結合のタンパク質加水分解が立体構造的かつ立体的に妨げられるように、拘束アミノ酸側鎖を有する非天然アミノ酸が使用されてもよい。特に、これらは、プロリンアナログ、巨大な側鎖、C −二置換誘導体(例えば、アミノイソ酪酸、Aib)、およびシクロアミノ酸(単純な誘導体がアミノ−シクロプロピルカルボン酸である)に関係する。
さらなる実施形態では、非天然アミノ酸残基は、1−ナフチルアラニン、2−ナフチルアラニン、シクロヘキシルグリシン、フェニルグリシン、tert−ブチルグリシン、3,4−ジクロロフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニン、およびホモフェニルアラニンから選択される。
またさらなる実施形態では、非天然アミノ酸残基は、1−ナフチルアラニン、2−ナフチルアラニン、および3,4−ジクロロフェニルアラニンから選択される。これらの置換基は、未修飾の野生型配列と比較して、親和性を増強する。
またさらなる実施形態では、非天然アミノ酸残基は、1−ナフチルアラニンから選択される。この置換基は、野生型と比較して、最も高いレベルの(7倍を超える)親和性増強をもたらした。
一実施形態では、修飾された誘導体は、1つまたは複数の酸化感受性アミノ酸残基の1つまたは複数の酸化抵抗性アミノ酸残基による置き換えを含む。さらなる実施形態では、修飾された誘導体は、トリプトファン残基のナフチルアラニンまたはアラニン残基による置き換えを含む。この実施形態は、得られる二環性ペプチドリガンドの医薬安定性プロファイルを改善するという利点をもたらす。
一実施形態では、修飾された誘導体は、1つまたは複数の荷電アミノ酸残基の1つまたは複数の疎水性アミノ酸残基による置き換えを含む。代替の実施形態では、修飾された誘導体は、1つまたは複数の疎水性アミノ酸残基の1つまたは複数の荷電アミノ酸残基による置き換えを含む。疎水性アミノ酸残基に対する荷電アミノ酸残基の正確な均衡は、二環性ペプチドリガンドの重要な特徴である。例えば、疎水性アミノ酸残基は、血漿タンパク質結合の程度、すなわち、血漿における遊離した利用できる画分の濃度に影響を及ぼす一方、荷電アミノ酸残基(特に、アルギニン)は、細胞表面におけるリン脂質膜とペプチドとの相互作用に影響を及ぼす場合がある。組み合わせた両者は、半減期、分布の体積およびペプチド薬物への曝露に影響を及ぼす場合があり、臨床エンドポイントに従い目的に合わせて作製することができる。加えて、疎水性アミノ酸残基に対する荷電アミノ酸残基の正確な組合せおよび数は、注射部位における刺激作用を低下させることができる(ペプチド薬物を皮下投与した場合)。
一実施形態では、修飾された誘導体は、1つまたは複数のL−アミノ酸残基の1つまたは複数のD−アミノ酸残基による置き換えを含む。この実施形態は、立体障害によりおよびβ−ターンコンホメーションを安定化させるD−アミノ酸の傾向により、タンパク質分解に対する安定性を増加させると考えられる(Tugyi et al(2005)PNAS,102(2),413−418)。
本明細書で定義されるペプチド配列のすべてにおいて、1つまたは複数のチロシン残基は、フェニルアラニンで置き換えられてもよい。これにより、ペプチドの足場分子への塩基触媒カップリングの間の二環性ペプチド産物の収率が改善されることが判明した。
一実施形態では、修飾された誘導体は、いずれかのアミノ酸残基の除去およびアラニンによる置換を含む。この実施形態は、潜在的なタンパク質分解による攻撃部位を除去するという利点をもたらす。
上述の修飾は、ペプチドの効力または安定性を計画的に改善するのに役立つことに留意すべきである。修飾に基づくさらに有効な改善は、以下の機序を通じて達成され得る。
− より高い親和性が達成されるように、疎水性効果を活かし、かつより低いオフレートにつながる疎水性部分を組み込むこと、
− 長期にわたるイオン性相互作用を活用する荷電された基を組み込み、より速いオンレートおよびより高い親和性をもたらすこと(例えば、Schreiber et al, Rapid, electrostatically assisted association of proteins (1996), Nature Struct. Biol. 3, 427−31を参照されたい)、ならびに
− このペプチドへ、例えば、エントロピーの損失が標的結合の際に最小であるように、アミノ酸の側鎖を正確に拘束すること、エントロピーの損失が標的結合の際に最小であるように、主鎖の二面角を拘束すること、および同一の理由のために分子中に追加の環化を導入することによって、追加的な拘束を組み込むこと。
(概説については、Gentilucci et al, Curr. Pharmaceutical Design, (2010), 16, 3185−203、およびNestor et al, Curr. Medicinal Chem (2009), 16, 4399−418を参照のこと)。
本発明は、本発明のすべての薬学的に許容される(放射性)同位体により標識された化合物(1つまたは複数の原子が、同じ原子数を有するが、自然界で通常見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている)、および本発明の化合物(関連する(放射性)同位体を保持することが可能な金属キレート基が結合している(「エフェクター」と称される))、および本発明の化合物(特定の官能基が、関連する(放射性)同位体または同位体により標識された官能基で共有結合的に置き換えられている)を含む。
本発明の化合物中に含まれるのに適切な同位体の例は、水素の同位体、例えば、H(D)およびH(T)、炭素の同位体、例えば、11C、13Cおよび14C、塩素の同位体、例えば、36Cl、フッ素の同位体、例えば、18F、ヨウ素の同位体、例えば、123I、125Iおよび131I、窒素の同位体、例えば、13Nおよび15N、酸素の同位体、例えば、15O、17Oおよび18O、リンの同位体、例えば、32P、硫黄の同位体、例えば、35S、銅の同位体、例えば、64Cu、ガリウムの同位体、例えば、67Gaまたは68Ga、イットリウムの同位体、例えば、90Yならびにルテチウムの同位体、例えば、177Lu、ならびにビスマスの同位体、例えば、213Biを含む。
本発明の特定の同位体により標識された化合物、例えば、放射性同位体を取り込んでいるものは、薬物および/または基質組織分布研究において、ならびに腫瘍などの罹患組織およびその他の場所におけるインテグリンαvβ3標的の存在および/または非存在を臨床的に評価するのに有用である。本発明の化合物は、これらを、標識された化合物と他の分子、ペプチド、タンパク質、酵素または受容体の間での複合体の形成を検出または同定するために使用することができるという点で、貴重な診断特性をさらに有し得る。検出または同定の方法では、標識剤、例えば、放射性同位体、酵素、蛍光物質、発光物質(例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、エクオリンおよびルシフェラーゼ)などで標識された化合物を使用することができる。放射性同位体であるトリチウム、すなわちH(T)、および炭素−14、すなわち14Cは、それらの取り込みの容易性および検出の迅速な手段を考慮して、この目的のために特に有用である。
より重い同位体、例えば、重水素、すなわちH(D)による置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加、投与必要量の低減からもたらされる特定の治療上の利点を与えることができ、故に、一部の状況において好ましい場合がある。
陽電子放出同位体、例えば、11C、18F、15Oおよび13Nによる置換は、陽電子放出トポグラフィ(PET)研究において、標的の占有を調査するために有用であり得る。
64Cu、67Ga、68Ga、および177Luなどの同位体の金属キレートエフェクター基への組込みは、PETまたはSPECT画像化を用いる腫瘍特異的抗原を可視化するのに有用であり得る。
同位体の、これらに限定されないが、90Y、177Lu、および213Biなどの金属キレートエフェクター基への組込みは、標的放射線治療の選択肢であり得、それによって、本発明の金属−キレーター保有化合物は、標的タンパク質および作用部位に対する治療用の放射性核種を保持する。
本発明の同位体により標識された化合物は、一般的には、当業者に公知の従来技術によってまたは以前に用いられた非標識試薬の代わりに適当な同位体標識試薬を使用して、添付の実施例に記載のプロセスと同様のプロセスによって調製され得る。
本明細書の文脈における特異性は、標的と類似する実体を除外したその同族標的と結合するか、そうでなければ相互作用するリガンドの能力を指す。例えば、特異性は、ヒト酵素の相互作用を阻害するが、異なる種由来の相同酵素の相互作用を阻害しないリガンドの能力を指し得る。本明細書に記載のアプローチを使用して、意図される標的のホモログまたはパラログとリガンドがより相互作用できるか、または相互作用できなくなるように、特異性がモジュレートされ得る(すなわち、増加または低下され得る)。特異性は、活性、親和性またはアビディティーと同義であるとは意図されず、その標的におけるリガンドの作用の効力(例えば、結合親和性または阻害のレベルなど)は、必ずしもその特異性に関係しない。
結合活性は、本明細書で使用される場合、例えば、本明細書に記載されている結合アッセイから得られる定量的結合測定値を指す。したがって、結合活性は、所与の標的濃度で結合するペプチドリガンドの量を指す。
多重特異性は、2つ以上の標的に結合する能力である。典型的には、結合ペプチドは、それらの立体構造上の特性により、単一の標的、例えば、抗体の場合にはエピトープに結合することが可能である。しかし、2つ以上の標的に結合することができるペプチド、例えば、上記で言及されたように、当技術分野で公知の二重特異的抗体を開発することができる。本発明では、ペプチドリガンドは、2つ以上の標的に結合することが可能であり得、したがって、多重特異的である。適切には、これらは、2つの標的に結合し、二重特異的である。結合は、独立的であってもよく、これは、ペプチドにおける標的に対する結合部位が、標的の一方または他方の結合により構造的に妨げられないことを意味する。この場合、両方の標的が独立的に結合していてもよい。より一般的には、一方の標的の結合が、他方の結合を少なくとも部分的に妨害することが期待される。
二重特異的リガンドと2つの関連する標的を包含する特異性を有するリガンドとの間に、基本的な相違が存在する。第1の事例では、リガンドは両方の標的について個々に特異的であり、それぞれと特異的な様式で相互作用する。例えば、リガンド中の第1のループは、第1の標的に結合してもよく、第2のループは第2の標的に結合してもよい。第2の事例では、リガンドは非特異的であり、これは、リガンドが、例えば、両方に共通の標的のエピトープと相互作用することによって、2つの標的の間に差を生じないことによる。
本発明の文脈では、例えば、標的およびオルソログについて活性を有するリガンドは、二重特異性リガンドである可能性がある。しかし、一実施形態では、このリガンドは二重特異性ではなく、正確性の低い特異性を有し、その結果、このリガンドは、標的と1つまたは複数のオルソログの両方に結合する。一般的には、標的とそのオルソログの両方に対して選択されていないリガンドは、二重特異性に向かう選択的圧力が存在しないために、二重特異性である可能性が低い。二環性ペプチドのループ長は、関連の少ないホモログに対する高い選択性を維持したままで、良好な標的およびオルソログの交差反応性が得られるように適合された結合表面を提供するために決定的であり得る。
このリガンドが真に二重特異性である場合、一実施形態では、リガンドの標的特異性のうちの少なくとも1つは、選択されるリガンドについて一般的であり、その特異性のレベルは、本明細書に開示される方法によってモジュレートされ得る。第2のまたはさらなる特異性は共有される必要はなく、本明細書に示される手順の対象となる必要もない。
本発明のペプチドリガンド化合物は、分子足場に共有結合により結合したペプチドを含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。本明細書における用語「足場」または「分子足場」は、本発明の化合物の、アルキルアミノ連結およびチオエーテル連結(システインが存在する場合)でペプチドに結合する化学的部分を指す。本明細書における用語「足場分子」または「分子足場分子」は、アルキルアミノ結合、ある特定の実施形態ではまた、チオエーテル結合を有する本発明の誘導体を形成するペプチドまたはペプチドリガンドと反応することができる分子を指す。したがって、足場分子は、分子のそれぞれの反応性基(例えば、脱離基)が、足場部分のペプチドへのアルキルアミノ結合およびチオエーテル結合によって置き換えられていることを除いて、足場部分と同じ構造を有する。
実施形態では、足場は、芳香族分子足場、すなわち、(ヘテロ)アリール基を含む足場である。本明細書で使用する場合、「(ヘテロ)アリール」は、芳香族環、例えば、4から12員を有する芳香環、例えば、フェニル環を含むことを意図する。これらの芳香環、例えば、チエニル環、ピリジル環、およびフラニル環は、任意選択的に、1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、1つまたは複数のN、O、S、およびP)を含有することができる。芳香環は、任意選択的に、置換され得る。「(ヘテロ)アリール」はまた、1つまたは複数の他のアリール環または非アリール環が縮合した芳香環を含むことを意味する。例えば、ナフチル基、インドール基、チエノチエニル基、ジチエノチエニル、および5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル基(そのそれぞれは、任意選択的に、置換されてもよい)は、本出願の目的のためのアリール基である。上記で示したように、アリール環は、任意選択的に置換されてもよい。適切な置換基として、アルキル基(任意選択的に、置換されてもよい)、他のアリール基(それ自身が置換されていてもよい)、複素環(飽和または不飽和)、アルコキシ基(アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)を含むことを意味する)、水酸基、アルデヒド基、ニトロ基、アミン基(例えば、無置換、またはアリール基もしくはアルキル基で一置換もしくは二置換された)、カルボン酸基、カルボン酸誘導体(例えば、カルボン酸エステル、アミドなど)、ハロゲン原子(例えば、Cl、Br、およびI)などが挙げられる。
適切には、足場は、トリス置換(ヘテロ)芳香族または(ヘテロ)脂環式部分、例えば、トリスメチレン置換(ヘテロ)芳香族または(ヘテロ)脂環式部分を含む。(ヘテロ)芳香族または(ヘテロ)脂環式部分は、適切には、6員環構造、好ましくは、足場が3回対称軸を有するトリス置換である。
実施形態では、足場は、トリス−メチレン(ヘテロ)アリール部分、例えば、1,3,5−トリスメチレンベンゼン部分である。これらの実施形態では、対応する足場分子は、適切には、メチレン炭素上に脱離基を有する。次いで、メチレン基は、本明細書で定義されるアルキルアミノ連結のR部分を形成する。これらのメチレン置換(ヘテロ)芳香族化合物では、芳香環の電子が、求核置換の間の遷移状態を安定化させることができる。したがって、例えば、ハロゲン化ベンジルは、(ヘテロ)芳香族基に接続していないハロゲン化アルキルよりも求核置換に対して100〜1000倍反応性である。
これらの実施形態では、足場および足場分子は、一般式:
Figure 2021528434
(式中、LGは、足場分子について、以下にさらに説明される脱離基を表すか、またはLG(アルキルアミノ基のR部分を形成する隣接するメチレン基を含む)は、本発明のコンジュゲートにおけるペプチドに対するアルキルアミノ連結を表す)
を有する。
実施形態では、上記の基LGは、これらに限定されないが、足場分子が1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼン(TBMB)である場合の臭素原子などのハロゲンであってもよい。別の適切な分子足場分子は、2,4,6−トリス(ブロモメチル)メシチレンである。これは、1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼンと同様であるが、ベンゼン環に結合したさらに3つのメチル基を含有する。この足場の場合には、さらなるメチル基はペプチドとのさらなる接触を形成することができ、それゆえ、さらなる構造上の制約を付加する。したがって、1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼンに関するよりも異なる多様性範囲が実現される。
求核置換によってペプチドと反応するための足場を形成するための別の好ましい分子は、1,3,5−トリス(ブロモアセトアミド)ベンゼン(TBAB):
Figure 2021528434
である。
他の実施形態では、足場は、非芳香族分子足場、例えば、(ヘテロ)脂環式基を含む足場である。本明細書で使用する場合、「(ヘテロ)脂環式」は、同素環または複素環の飽和環を指す。環は、置換されていなくてもよく、または1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。置換基は、飽和または不飽和、芳香族または非芳香族であってもよく、適切な置換基の例として、アルキル基およびアリール基に関する置換基に関連する議論において上記したものが挙げられる。さらに、2つ以上の環置換基を組み合わさって別の環を形成することがあり、その結果、本明細書で使用する場合、「環」は、縮合環系を含むことを意味する。これらの実施形態では、脂環式足場は、好ましくは、1,1’,1’’−(1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリプロパ−2−エン−1−オン(TATA)である。
他の実施形態では、分子足場は、コードペプチドの4つの官能基の分子足場との反応により2つ以下の生成物異性体しか生じないように四面体幾何構造を有してもよい。他の幾何構造も可能であり、実際に、ほぼ無限の数の足場の幾何構造が可能であり、ペプチドリガンド多様化に対するより大きな可能性をもたらす。
本発明のリガンドを形成するために使用されるペプチドは、足場へのアルキルアミノ連結を形成するためのDapまたはN−AlkDapまたはN−HAlkDap残基を含む。ジアミノプロピオン酸の構造は、−NHによってシステインの末端−SH基が置き換えられた、先行技術において足場へのチオエーテル結合を形成するために使用されたシステインのアナログおよび等配電子である。
Figure 2021528434
用語「アルキルアミノ」は、2つの炭素原子に結合したNHまたはN(R)(炭素原子は、独立して、アルキル、アルキレン、またはアリール炭素原子から選択され、Rは、アルキル基である)からなる連結を示す通常の化学的意味で、本明細書において使用される。適切には、本発明のアルキルアミノ連結は、2つの飽和炭素原子、最も適切には、メチレン(−CH2−)炭素原子に結合したNH部分を含む。本発明のアルキルアミノ連結は、一般式:
S−R−N(R)−R−P
(式中、
Sは、足場コア、例えば、以下でさらに説明される(ヘテロ)芳香族または(ヘテロ)脂環式環を表し、
は、C1からC3アルキレン基、適切にはメチレンまたはエチレン基、最も適切にはメチレン(CH)であり、
は、DapまたはN−AlkDap側鎖のメチレン基であり
は、アルキル基のいずれかが、任意選択的にハロゲン化されている、H、または分枝状アルキルおよびシクロアルキル、例えばメチルを含むC1〜4アルキルであり、
Pは、ペプチド主鎖を表し、すなわち、上記連結のR部分は、DapまたはN−AlkDapまたはN−HAlkDap残基のカルボン酸炭素に隣接するペプチド主鎖の炭素原子に連結している)
を有する。
本発明の特定の二環性ペプチドリガンドは、注射、吸入、鼻噴投与、点眼、経口投与または局所投与に適切な薬物様分子とみなされることを可能にする、いくつかの有利な特性を有する。このような有利な特性としては、以下が挙げられる:
− 種の交差反応性。これは、前臨床の薬力学および薬物動態学的評価のための典型的な要件である。
− プロテアーゼ安定性。二環性ペプチドリガンドは、理想的には、血漿プロテアーゼ、上皮(「膜アンカー型(membrane−anchored)」)プロテアーゼ、胃および腸のプロテアーゼ、肺表面プロテアーゼ、細胞内プロテアーゼなどに対する安定性を実証するべきである。プロテアーゼ安定性は、二環リード候補が動物モデルで開発可能であり、ヒトに対して高い信頼性で投与可能であるように、異なる種の間で維持されるべきである。
− 望ましい溶解度プロファイル。これは、製剤化および吸収の目的に重要である、荷電および親水性対疎水性残基の割合ならびに分子内/分子間のH結合の関数である。
− 循環中の最適血漿半減期。臨床指標および処置計画に応じて、急性の疾患管理の状況では、短い曝露用の二環性ペプチドを開発するか、または循環中で保持を増強している二環性ペプチドを開発する必要がある場合があり、したがって、より慢性の疾患状態の管理に最適である。望ましい血漿半減期を誘導する他の要因は、薬剤の持続性曝露に起因する、付随する毒物学に対する、最大の治療効率のための持続性曝露の必要性である。
塩形態は、本発明の範囲内にあることが認識され、本発明のペプチドリガンドへの言及は前記化合物の塩形態を含む。
本発明の塩は、Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use, P. Heinrich Stahl (Editor), Camille G. Wermuth (Editor), ISBN: 3−90639−026−8, Hardcover, 388 pages, August 2002に記載の方法などの従来の化学的方法によって、塩基性または酸性の部分を含有する親化合物から合成され得る。一般的には、このような塩は、これらの化合物の遊離の酸または塩基形態を適当な塩基または酸と、水中でもしくは有機溶媒中で、またはこの2つの混合物中で反応させることによって調製することができる。
酸付加塩(一塩または二塩)は、無機および有機の両方の広範な種々の酸と形成されてもよい。酸付加塩の例としては、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L−アスコルビン酸)、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)ショウノウ酸、ショウノウ−スルホン酸、(+)−(1S)−ショウノウ−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、グルクロン酸(例えば、D−グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L−グルタミン酸)、α−オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、ハロゲン化水素酸(例えば、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸)、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)−L−乳酸および(±)−DL−乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸および吉草酸からなる群から選択される酸、ならびにアシル化アミノ酸および陽イオン交換樹脂を用いて形成される一塩または二塩が挙げられる。
塩の特定の1グループは、酢酸、塩酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、硫酸、メタンスルホン酸(メシレート)、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、吉草酸、プロパン酸、ブタン酸、マロン酸、グルクロン酸およびラクトビオン酸から形成される塩からなる。特定の1つの塩は、塩酸塩である。特定の別の塩は、酢酸塩である。
化合物が陰イオン性であるか、または陰イオン性であり得る(例えば、−COOHは、−COOであってもよい)官能基を有する場合、塩は、有機塩基または無機塩基と共に形成されて、適切な陽イオンを生成し得る。適切な無機陽イオンの例としては、これらに限定されないが、アルカリ金属イオン、例えば、Li、NaおよびK、アルカリ土類金属陽イオン、例えば、Ca2+およびMg2+、ならびに他の陽イオン、例えば、Al3+またはZnが挙げられる。適切な有機陽イオンの例としては、これらに限定されないが、アンモニウムイオン(すなわち、NH )および置換されたアンモニウムイオン(例えば、NH、NH 、NHR 、NR )が挙げられる。いくつかの適切な置換されたアンモニウムイオンの例は、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、およびトロメタミン、ならびにアミノ酸、例えば、リシンおよびアルギニン由来のイオンである。一般的な第四級アンモニウムイオンの例は、N(CH である。
本発明の化合物がアミン機能を含有する場合、これらは、例えば、当業者に周知の方法に従って、アルキル化剤との反応によって、第四級アンモニウム塩を形成し得る。このような第四級アンモニウム化合物は、本発明の範囲内にある。
いくつかのコンジュゲートしたペプチドは、本発明に従って、同一の分子に一緒に組み込まれてもよい。例えば、同一の特異性の2つのこのようなループ状コンジュゲートは、分子足場を介して一緒に連結され、その標的に対する誘導体のアビディティーを増加させることができる。あるいは、別の実施形態では、複数のペプチドコンジュゲートを組み合わせて多量体を形成する。例えば、2つの異なるペプチドコンジュゲートを組み合わせて多重特異的分子を作出する。あるいは、同一であっても異なっていてもよい3つ以上のペプチドコンジュゲートを組み合わせて多重特異的誘導体を形成することができる。一実施形態では、多価複合体は、同一であっても異なっていてもよい分子足場を一緒に連結させることによって構築されてもよい。
本発明のペプチドリガンドは、適切なペプチドおよび足場分子を準備することと、ペプチドと足場分子の間にチオエーテル連結(システインが存在する場合)およびアルキルアミノ連結を形成することとを含む方法によって作製することができる。
本発明のペプチドリガンドの調製のためのペプチドは、アミノ酸出発材料から、従来の固相合成を使用して作製することができ、本明細書に記載した適当な保護基を含んでもよい。ペプチドを作製するこれらの方法は、当技術分野で周知である。
適切には、ペプチドは、アルキルアミノ連結を形成することを意図した−SH基およびアミノ基以外に、求核基に保護基を有する。アミノ酸側鎖の求核性はいくつかの研究の対象とされ、降順で、システインにおけるチオレート、リシンにおけるアミン、ヒスチジンおよびトリプトファンにおける第二級アミン、アルギニンにおけるグアニジノアミン、セリン/トレオニンにおけるヒドロキシル、ならびに最後にアスパラギン酸およびグルタミン酸におけるカルボキシレートが列挙されている。したがって、一部の場合には、これらの基に関する望ましくない副反応を防ぐために、ペプチド上のより求核性の基に保護基を適用する必要がある場合がある。
実施形態では、方法は、アルキルアミノ連結を形成することを意図したアミン基以外の求核性の基の保護基、およびアルキルアミノ連結を形成することを意図したアミン基の第2の保護基を有するペプチドを合成することを含み、アルキルアミノ連結を形成することを意図したアミン基の保護基は、他の求核性の基の保護基に関する条件とは異なる条件下で除去され、続いて、他の求核性の基を脱保護することなく、アルキルアミノ連結を形成することを意図したアミン基を脱保護するために選択された条件下で、ペプチドを処理することができる。次いで、足場に対するカップリング反応が実施され、続いて、残っている保護基を除去して、ペプチドコンジュゲートを得る。
適切には、本方法は、求核置換反応において、反応性側鎖−SH基とアミン基を有するペプチドを、3つ以上の脱離基を有する足場分子と反応させることを含む。
本明細書において、用語「脱離基」は、アミン基による求核置換を可能とする部分を意味する通常の化学的意味において使用される。ここで、任意のこのような脱離基は、アミンによる求核置換によって容易に除去されることを条件として、使用することができる。適切な脱離基は、約5未満のpKaを有する酸のコンジュゲート塩基である。本発明において有用な脱離基の非限定例として、ハロ、例えば、ブロモ、クロロ、ヨード、O−トシレート(OTos)、O−メシレート(OMes)、O−トリフレート(OTf)またはO−トリメチルシリル(OTMS)が挙げられる。
求核置換反応は、例えば、脱離基が従来の陰イオン性脱離基である場合、塩基の存在下で実施され得る。本発明者らは、環化ペプチドリガンドの収率が、求核置換反応のための溶媒および塩基(およびpH)の適切な選択によって非常に増加する可能性があり、さらに、好ましい溶媒および塩基は、チオエーテル連結の形成にのみ関与する先行技術の溶媒および塩基の組合せと異なることを見出した。特に、本発明者らは、トリアルキルアミン塩基、すなわち、式NRの塩基(式中、R、RおよびRは、独立して、C1〜C5アルキル基、適切にはC2〜C4アルキル基、特にC2〜C3アルキル基である)を使用する場合に収率の改善が達成されることを見出した。特に、適切な塩基は、トリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)である。これらの塩基は、ほんのわずかに求核性であるという特性を有し、この特性が、これらの塩基について観察される副反応の少なさと高い収率を説明すると考えられる。本発明者らは、求核置換反応について好ましい溶媒が、極性のプロトン性溶媒、特に体積比1:10から10:1、適切には2:10から10:2、より適切には3:10から10:3、特に4:10から10:4のMeCNとHOを含有するMeCN/HOであることをさらに見出した。
さらなる結合または機能活性は、分子足場に共有結合による連結したペプチドのN末端またはC末端に結合されてもよい。官能基は、例えば、インビボでペプチドリガンドの半減期を延長する分子に結合することができる基、およびインビボでペプチドリガンドの半減期を延長する分子からなる群から選択される。このような分子は、例えば、HSAまたは細胞マトリックスタンパク質であってもよく、インビボでペプチドリガンドの半減期を延長する分子に結合することができる基は、HSAまたは細胞マトリックスタンパク質に特異的な抗体または抗体断片である。このような分子はまた、高分子量PEGとのコンジュゲートであってもよい。
一実施形態では、官能基は、分子足場に共有結合により連結したペプチドを含む第2のペプチドリガンドからなる群から選択される結合分子、および抗体または抗体断片である。2、3、4、5またはそれより多いペプチドリガンドは一緒に接合することができる。任意の2つ以上のこれらの誘導体の特異性は同一であっても異なっていてもよく、これらが同一である場合、多価結合構造が形成されることになり、一価の結合分子と比較して、標的に対するアビディティーが増加した。さらに、分子足場は、同一であっても異なっていてもよく、同一または異なる数のループを結んでもよい。
官能基は、さらに、エフェクター基、例えば、抗体のFc領域であってもよい。
N末端またはC末端への結合は、ペプチドの分子足場への結合の前になされてもよく、または後になされてもよい。したがって、N末端またはC末端ペプチド基が既に存在するペプチドが生成されてもよい(合成により、または生物学的に派生させた発現系により)。しかし、好ましくは、N末端またはC末端への付加は、ペプチドが分子骨格と組み合わされてコンジュゲートを形成した後に起こる。例えば、フルオレニルメチルオキシカルボニルクロリドを使用して、ペプチドのN末端にFmoc保護基を導入することができる。Fmocは、親和性の高いHSAを含む血清アルブミンに結合し、Fmoc−TrpまたはFmoc−Lysは、親和性が増加したものに結合する。ペプチドは、残されたFmoc保護基と合成され、次いで、アルキルアミノを介して足場にカップリングされ得る。選択肢は、HSAにも結合し、例えば、リラグルチドにおいて使用され、このGLP−1アナログの半減期を延長するパルミトイル部分である。
あるいは、ペプチドの足場とのコンジュゲートが作製され、次いで、N末端において、例えば、アミンおよびスルフヒドリル反応性リンカーN−e−マレイミドカプロイルオキシスクシンイミドエステル(EMCS)で修飾され得る。このリンカーを介して、ペプチドコンジュゲートは、他のペプチド、例えば、抗体Fc断片に連結され得る。
結合機能は、多量体を作出する分子足場に結合した別のペプチド、抗体もしくは抗体断片を含む別の結合タンパク質、または血清アルブミンもしくはエフェクター基、例えば、抗体Fc領域を含む任意の他の所望の実体であってもよい。
さらなる結合または機能活性が、さらに、分子足場に直接結合され得る。
実施形態では、足場は、さらなる活性が結合され得る反応性基をさらに含んでもよい。好ましくは、この基は、ペプチドとの相互作用を避けるために、分子足場上の他の反応性基に対して直交型である。一実施形態では、反応性基は、さらなる活性にコンジュゲートするのに必要な場合、保護されても脱保護されてもよい。
したがって、本発明のさらなる態様では、1つまたは複数のエフェクター基および/または官能基にコンジュゲートした、本明細書で定義されるペプチドリガンドを含む薬物コンジュゲートが提供される。
エフェクター基および/または官能基は、例えば、ポリペプチドのN末端もしくはC末端、または分子足場に結合することができる。
適当なエフェクター基として、抗体およびその一部または断片が挙げられる。例えば、エフェクター基は、1つまたは複数の定常領域ドメインに加えて、抗体軽鎖定常領域(CL)、抗体CH1重鎖ドメイン、抗体CH2重鎖ドメイン、抗体CH3重鎖ドメイン、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。エフェクター基はまた、抗体のヒンジ領域(このような領域は、通常、IgG分子のCH1ドメインとCH2ドメインの間にみられる)を含んでもよい。
本発明のこの態様のさらなる実施形態では、本発明によるエフェクター基は、IgG分子のFc領域である。有利には、本発明によるペプチドリガンド−エフェクター基は、1日間以上、2日間以上、3日間以上、4日間以上、5日間以上、6日間以上または7日間以上のtβ半減期を有するペプチドリガンドFc融合を含むかまたはそれからなる。最も有利には、本発明によるペプチドリガンドは、1日間以上のtβ半減期を有するペプチドリガンドFc融合を含むかまたはそれからなる。
官能基として、一般的に、結合基、薬物、他の実体の結合のための反応性基、大環状ペプチドの細胞内への取り込みを助ける官能基などが挙げられる。
細胞内へと浸透するペプチドの能力は、細胞内標的に対するペプチドを有効なものとする。細胞内へと浸透する能力を有するペプチドによりアクセスされ得る標的は、転写因子、チロシンキナーゼなどの細胞内シグナル伝達分子およびアポトーシス経路に関与する分子を含む。細胞の浸透を可能にする官能基は、ペプチドまたは分子足場のいずれかに付加されたペプチドまたは化学基を含む。ペプチド、例えば、VP22、HIV−Tat、ショウジョウバエ(Drosophila)のホメオボックスタンパク質(アンテナペディア)などに由来するペプチドは、例えば、Chen and Harrison,Biochemical Society Transactions (2007) Volume 35,Part 4,p821;Gupta et al.in Advanced Drug Discovery Reviews (2004) Volume 57 9637に記載されている。原形質膜を通した転位置において効率的であることが示された短いペプチドの例として、ショウジョウバエアンテナペディアタンパク質由来の16アミノ酸ペネトラチン(penetratin)ペプチド(Derossi et al (1994) J Biol.Chem.Volume 269 p10444)、18アミノ酸「モデル両親媒性ペプチド」(Oehlke et al (1998) Biochim Biophys Acts Volume 1414 p127)およびHIV TATタンパク質のアルギニンリッチ領域が挙げられる。非ペプチド性アプローチは、生体分子に容易に付着することができる小分子模倣物またはSMOCの使用を含む(Okuyama et al (2007) Nature Methods Volume 4 p153)。分子にグアニジウム基を付加する他の化学的戦略も、細胞浸透を増強させる(Elson−Scwab et al (2007) J Biol Chem Volume 282 p13585)。ステロイド等、低分子量の分子を分子足場に付加して、細胞内への取り込みを増強させてもよい。
ペプチドリガンドに結合することができる官能基の1つのクラスは、抗体およびFab、Fvまたはシングルドメイン断片などの、その結合断片を含む。特に、インビボにおけるペプチドリガンドの半減期を増加させることができるタンパク質に結合する抗体を使用してもよい。
一実施形態では、本発明によるペプチドリガンド−エフェクター基は、12時間以上、24時間以上、2日間以上、3日間以上、4日間以上、5日間以上、6日間以上、7日間以上、8日間以上、9日間以上、10日間以上、11日間以上、12日間以上、13日間以上、14日間以上、15日間以上または20日間以上からなる群から選択されるtβ半減期を有する。有利には、本発明によるペプチドリガンド−エフェクター基または組成物は、12から60時間の範囲内のtβ半減期を有することとなる。さらなる実施形態では、これは、1日間以上のtβ半減期を有することとなる。さらなる実施形態ではまた、これは、12から26時間の範囲内となる。
本発明の特定の一実施形態では、ループ状ペプチドにコンジュゲートした官能基は、医薬関連の複合金属放射性同位体に適切な金属キレーターから選択される。このようなエフェクターは、前記放射性同位体と複合された場合、がん療法に有用な薬剤であり得る。適切な例としては、DOTA、NOTA、EDTA、DTPA、HEHA、SarArなどが挙げられる(Targeted Radionuclide therapy,Tod Speer,Wolters/Kluver Lippincott Williams & Wilkins,2011)。
可能なエフェクター基としてはまた、酵素、例えば、酵素/プロドラッグ療法での使用のためのカルボキシペプチダーゼG2などが挙げられ、ここで、このペプチドリガンドは、ADEPTにおいては抗体を置き換えられている。
本発明のこの態様の特定の一実施形態では、官能基は、がん療法の細胞毒性剤のような薬物から選択される。適切な例としては、シスプラチンおよびカルボプラチンなどのアルキル化剤、ならびにオキサリプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、イホスファミド;プリンアナログ、アザチオプリンおよびメルカプトプリンを含む抗代謝剤またはピリミジンアナログ;ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンおよびビンデシンなどのビンカアルカロイドを含む植物アルカロイドおよびテルペノイド;ポドフィロトキシンおよびその誘導体エトポシドおよびテニポシド;元々はタキソールとして知られた、パクリタキセルを含むタキサン;カンプトテシンを含むトポイソメラーゼ阻害剤;イリノテカンおよびトポテカン、ならびにアムサクリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、およびテニポシドを含むII型阻害剤が挙げられる。さらなる薬剤は、免疫抑制薬ダクチノマイシン(腎臓移植において使用される)、ドキソルビシン、エピルビシン、ブレオマイシンなどを含む抗腫瘍抗生物質を含むことができる。
この態様による本発明のさらに特定の一実施形態では、細胞毒性剤はDM1またはMMAEから選択される。
DM1は、メイタンシンのチオール含有誘導体であり、以下の構造:
Figure 2021528434
を有する細胞毒性剤である。
モノメチルオーリスタチンE(MMAE)は、合成の抗新生物薬であり、以下の構造:
Figure 2021528434
を有する。
一実施形態では、細胞毒性剤は、ジスルフィド結合などの切断可能な結合によって二環性ペプチドに連結している。さらなる実施形態では、ジスルフィド結合に隣接する基は、ジスルフィド結合の妨害を制御するために、そしてこれによって切断の速度および細胞毒性剤の同時の放出を制御するために修飾される。
公開された研究によって、ジスルフィド結合のいずれかの側に対して立体障害を導入することによって、還元に対するジスルフィド結合の感受性を改変する能力が確立された(Kellogg et al(2011) Bioconjugate Chemistry,22,717)。立体障害の程度が大きいほど、細胞内グルタチオンおよびまた細胞外(全身性)還元剤による還元の速度は低下し、結果として、毒素が、細胞の内側および外側の両方で放出されにくくなる。したがって、循環中のジスルフィド安定性(毒素の望ましくない副作用を最小限にする)、対、細胞内環境における効率的な放出(治療効果を最大にする)における最適条件の選択は、ジスルフィド結合のいずれかの側における障害の程度を注意深く選択することによって達成され得る。
ジスルフィド結合のいずれかの側にある障害は、分子構築物の標的化実体(ここでは、二環性ペプチド)または毒素側のいずれかに対して1つまたは複数のメチル基を導入することによりモジュレートされる。
したがって、一実施形態では、細胞毒性剤は、式:
Figure 2021528434
(式中、nは、1から10から選択される整数を表し、
およびRは、独立して、水素またはメチル基を表す)
の化合物から選択される。
上記式の化合物の一実施形態では、nは、1を表し、RおよびRは両方、水素を表す(すなわち、メイタンシン誘導体DM1)。
上記式の化合物の代替の実施形態では、nは、2を表し、Rは、水素を表し、Rは、メチル基を表す(すなわち、メイタンシン誘導体DM3)。
化合物の一実施形態では、nは、2を表し、RおよびRは両方、メチル基を表す(すなわち、メイタンシン誘導体DM4)。
細胞毒性剤は、ジスルフィド結合を形成することができ、二環性ペプチドとのコンジュゲート構造では、チオール毒素とチオール二環性ペプチドの間のジスルフィド接続性は、いくつかの可能な合成スキームを介して導入されることが認識される。
一実施形態では、コンジュゲートの二環性ペプチド構成要素は、以下の構造:
Figure 2021528434
(式中、mは、0から10から選択される整数を表し、
二環は、本明細書に記載される任意の適切なループ状ペプチド構造を表し、
およびRは、独立して、水素またはメチルを表す)
を有する。
およびRが両方とも水素である上記式の化合物を、障害を受けていないとみなし、RおよびRの一方または両方がメチルを表す上記式の化合物を障害を受けているとみなす。
上記式の二環性ペプチドがジスルフィド結合を形成することができ、上記の細胞毒性剤とのコンジュゲート構造において、チオール毒素とチオール二環性ペプチドの間のジスルフィド接続性は、いくつかの可能な合成スキームを通じて導入されることが認識されることとなる。
一実施形態では、細胞毒性剤は、以下のリンカー:
Figure 2021528434
(式中、R、R、RおよびRは、水素またはC1〜C6のアルキル基を表し、
毒素は、本明細書で定義される任意の適切な細胞毒性剤を指し、
二環は、本明細書に記載される任意の適切なループ状ペプチド構造を表し、
nは、1から10から選択される整数を表し、
mは、0から10から選択される整数を表す)
によって、二環性ペプチドに連結される。
、R、RおよびRが各々水素である場合、ジスルフィド結合は、障害が最小であって、還元に対して最も感受性である。R、R、RおよびRが各々アルキルである場合、ジスルフィド結合は、障害が最大であって、還元に対する感受性が最小である。水素およびアルキルの部分的置換によって、還元、ならびにそれにともなう切断および毒素の放出に対する耐性の段階的な増大が生じる。好ましい実施形態は、R、R、RおよびRがすべてH;R、R、RがすべてHおよびR=メチル;R、R=メチルおよびR、R=H;R、R=メチルおよびR、R=H;およびR、R=H、R、R=C1〜C6アルキルを含む。
一実施形態では、化合物の毒素はメイタンシンであり、コンジュゲートは以下の式の化合物:
Figure 2021528434
(式中、R、R、RおよびRは、上記で定義された通りであり、
二環は、本明細書で定義された任意の適切なループ状ペプチド構造を表し、
nは、1から10から選択される整数を表し、
mは、0から10から選択される整数を表す)
を含む。
毒素を有する二環性ペプチドリガンドの上述のコンジュゲートを調製するさらなる詳細および方法は、本発明者らの公開された特許出願WO2016/067035およびWO2017/191460に詳細に記載されている。これらの出願の開示全体は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
毒素と二環性ペプチドの間のリンカーは、アジド官能基化毒素とアルキン官能基化二環性ペプチド構造(またはその逆も同様)の間のクリック反応によって形成されるトリアゾール基を含んでもよい。他の実施形態では、二環性ペプチドは、カルボキシレート官能基化毒素と二環性ペプチドのN末端アミノ基の間の反応によって形成されたアミド連結を含有してもよい。
毒素と二環性ペプチドの間のリンカーは、毒素の標的細胞内への選択的放出をもたらすカテプシンにより切断可能な基を含んでもよい。適切なカテプシンにより切断可能な基はバリン−シトルリンである。
毒素と二環性ペプチドの間のリンカーは、所望の官能性、例えば、コンジュゲートに対する結合親和性またはカテプシン切断可能性をもたらす1つまたは複数のスペーサー基を含んでもよい。適切なスペーサー基は、バリン−シトルリン基と毒素部分の中間に位置し得るパラ−アミノベンジルカルバメート(PABC)である。
したがって、実施形態では、二環性ペプチド−薬物コンジュゲートは、毒素−PABC−cit−val−トリアゾール−二環から構成される以下の構造:
Figure 2021528434
を有してもよい。
さらなる実施形態では、二環性ペプチド−薬物コンジュゲートは、毒素−PABC−cit−val−ジカルボキシレート−二環から構成される以下の構造:
Figure 2021528434
(式中、(alk)は、式C2n(nは、1から10である)のアルキレン基であり、直鎖状または分枝状であってもよく、適切な(alk)は、n−プロピレンまたはn−ブチレンである)
を有してもよい。
本発明によるペプチドリガンド−薬物コンジュゲートを調製するための方法についての詳細な説明は、その全内容が参照によって本明細書の一部をなすものとする、本発明者らのより早期の出願である、2017年12月20日に出願されたWO2016/067035およびPCT/EP2017/083954において与えられている。
本発明によるペプチドリガンドは、インビボ治療適用および予防適用、インビトロおよびインビボ診断適用、インビトロアッセイおよび試薬適用などで用いることができる。
一般的に、ペプチドリガンドの使用によって、抗体の使用を置き換えることができる。本発明により選択される誘導体は、ウエスタン分析および標準的な免疫組織化学手順によるインサイチュタンパク質検出において、診断上有用であり、これらの適用における使用では、誘導体の選択されるレパートリーは、当技術分野で公知の技法に従って標識されてもよい。さらに、このようなペプチドリガンドは、クロマトグラフの支持体、例えば、樹脂と複合体を形成する場合、アフィニティークロマトグラフィー手順において予備的に使用することができる。すべてのこのような技法は、当業者に周知である。本発明によるペプチドリガンドは、抗体の結合能と同様の結合能を有し、このようなアッセイにおいて抗体を置き換えることができる。
診断的使用には、試験片アッセイ、実験室アッセイおよび免疫診断アッセイを含む、抗体が通常置かれている任意の使用が含まれる。
本発明に従って調製されるペプチドリガンドの治療的および予防的使用は、本発明に従って選択される誘導体のレシピエント哺乳動物、例えば、ヒトへの投与に関与する。少なくとも90から95%の均一性である実質的に純粋なペプチドリガンドが哺乳動物への投与に好ましく、98から99%またはそれより高い均一性が、特に哺乳動物がヒトである場合に、医薬としての使用に最も好ましい。所望に応じて部分的にまたは均一性まで精製した後、選択されたポリペプチドを、診断もしくは治療(体外が含まれる)において、またはアッセイ手順、免疫蛍光染色などの開発および実行において使用し得る(Lefkovite and Pernis,(1979 and 1981) Immunological Methods,Volumes I and II,Academic Press,NY)。
一般的に、本発明のペプチドリガンドは、精製された形態で、薬理学的に適当な担体と一緒に利用される。典型的には、これらの担体には、生理食塩水および/または緩衝媒体を含む、水性またはアルコール/水性の溶液、乳濁液または懸濁液が含まれる。非経口ビヒクルとして、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウムならびに乳酸加リンゲルが挙げられる。ペプチド複合体を懸濁液中に保つために必要な場合は、適切な生理学的に許容されるアジュバントを、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアルギネートなどの増粘剤から選択することができる。
静脈内ビヒクルには、リンゲルデキストロースに基づくものなどの、体液および栄養素補充液ならびに電解質補充液が含まれる。また、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート化剤および不活性ガスなどの保存料および他の添加剤も存在し得る(Mack(1982)Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th Edition)。
本発明のペプチドリガンドは、別々に投与する組成物として使用されてもよく、または他の薬剤と併せて使用されてもよい。これらには、シクロスポリン、メトトレキサート、アドリアマイシンまたはシスプラチン、および免疫毒素などの、抗体、抗体断片および様々な免疫治療薬が含まれる場合がある。医薬組成物には、それらを投与前にプールするかどうかに関わらず、様々な細胞毒性がある薬剤または他の薬剤と、本発明の選択された抗体、受容体もしくは結合タンパク質、またはさらには、様々な標的誘導体を使用して選択されたペプチドなどの様々な特異性を有する本発明によって選択されたペプチドの組合せとを併せた「カクテル」が含まれる場合がある。
本発明による医薬組成物の投与経路は、当業者に一般的に知られているもののうちの任意のものであり得る。限定されるものではないが、免疫療法を含む治療のために、本発明の選択された抗体、受容体または結合タンパク質は、標準の技法に従って任意の患者に投与することができる。投与は、非経口、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、肺の経路、また、適当には、カテーテルを用いた直接輸液によるものを含む任意の適当な様式によるものであり得る。投薬量および投与頻度は、患者の年齢、性別および状態、他の薬物の同時投与、対抗適応症ならびに臨床家が考慮すべき他のパラメータに依存する。
この発明のペプチドリガンドは、貯蔵用に凍結乾燥し、使用前に適切な担体で復元することができる。この技法は有効であることが示されており、当分野で知られている凍結乾燥および復元の技法を用いることができる。当業者には、凍結乾燥および復元は様々な度合の活性の損失をもたらす場合があり、補償するために使用レベルを上方調節する必要があり得ることが認識されよう。
本発明のペプチドリガンドまたはそのカクテルを含有する組成物は、予防的および/または治療的な処置のために投与することができる。ある特定の治療適用では、選択された細胞の集団の少なくとも部分的な阻害、抑制、変調、死滅、または何らかの他の測定可能なパラメータを達成するために十分な量が、「治療上有効な用量」として定義される。この投薬量を達成するために必要な量は、疾患の重度および患者自身の免疫系の一般的状態に依存するが、一般的に、体重1キログラム当たり0.005から5.0mgの選択されたペプチドリガンドの範囲であり、0.05から2.0mg/kg/用量の用量がより一般的に使用される。予防適用では、本発明のペプチドリガンドまたはそのカクテルを含有する組成物を、同様またはわずかに低い投薬量で投与してもよい。
本発明の方法により選択されるポリペプチドリガンドは、インビボ治療適用および予防適用、インビトロおよびインビボ診断適用、インビトロアッセイおよび試薬適用などで用いることができる。選択されたレベルの特異性を有するリガンドは、交差反応性が望ましい非ヒト動物における検査に関与する適用において、またはホモログもしくはパラログとの交差反応性が注意深く制御される必要がある診断適用において有用である。ワクチン適用などの一部の適用では、所定の範囲の抗原に対する免疫応答を誘発する能力を活用して、ワクチンを特異的疾患および病原体の目的に合わせることができる。
少なくとも90から95%の均一性である実質的に純粋なペプチドリガンドが哺乳動物への投与に好ましく、98から99%またはそれより高い割合の均一性が、特に哺乳動物がヒトである場合に、医薬としての使用に最も好ましい。所望に応じて部分的にまたは均一になるまで精製した後、選択されたポリペプチドを、診断もしくは治療(体外が含まれる)において、またはアッセイ手順、免疫蛍光染色などの開発および実行において使用し得る(Lefkovite and Pernis, (1979 and 1981) Immunological Methods, Volumes I and II, Academic Press, NY)。
本発明のさらなる態様によれば、インテグリンαvβ3が介在する疾患または障害を予防する、抑制するまたは処置する際に使用するための、本明細書で定義されるペプチドリガンドまたは薬物コンジュゲートが提供される。
本発明のさらなる態様によれば、インテグリンαvβ3が介在する疾患または障害を予防する、抑制するまたは処置する方法であって、本明細書で定義されるペプチドリガンドのエフェクター基および薬物コンジュゲートをそれを必要とする患者に投与することを含む方法が提供される。
一実施形態では、インテグリンαvβ3は、哺乳動物のインテグリンαvβ3である。さらなる実施形態では、哺乳動物のインテグリンαvβ3は、ヒトインテグリンαvβ3である。
一実施形態では、インテグリンαvβ3が介在する疾患または障害は、骨疾患(例えば、骨粗しょう症)、がん、および血管新生に関与する疾患から選択される。
さらなる実施形態では、インテグリンαvβ3が介在する疾患または障害は、がんから選択される。
処置され得る(または阻害され得る)がん(およびそれらの良性の対応物)の例としては、これらに限定されないが、上皮性起源の腫瘍(腺がん、扁平上皮がん、移行上皮がんおび他のがんを含む種々の種類の腺腫およびがん)、例えば、膀胱および尿路、乳房、消化管のがん(食道、胃(胃がん)、小腸、結腸、直腸および肛門を含む)、肝臓(肝細胞がん)、胆嚢および胆管系、膵外分泌腺、腎臓、肺のがん(例えば、腺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、気管支肺胞がんおよび中皮腫)、頭頚部のがん(例えば、舌、口腔、咽頭、喉頭、鼻咽頭、扁桃腺、唾液腺、鼻腔および副鼻腔のがん)、卵巣、卵管、腹膜、膣、外陰部、陰茎、子宮頸部、子宮筋、子宮内膜、甲状腺のがん(例えば、甲状腺濾胞がん)、副腎、前立腺、皮膚および付属器のがん(例えば、黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮細胞がん、角化棘細胞腫、形成異常母斑);血液学的悪性腫瘍(すなわち、白血病、リンパ腫)ならびに前がん状態血液学的障害および境界悪性腫瘍の障害、例としては、血液学的悪性腫瘍およびリンパ系の関連病態(例えば、急性リンパ球性白血病[ALL]、慢性リンパ球性白血病[CLL]、B細胞リンパ腫、例えば、びまん性B細胞型リンパ腫[DLBCL]、濾胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫および白血病、ナチュラルキラー[NK]細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞白血病、意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症、形質細胞腫、多発性骨髄腫、および移植後リンパ球増殖性障害)、ならびに血液学的悪性腫瘍および骨髄系列の関連状態(例えば、急性骨髄性白血病[AML]、慢性骨髄性白血病[CML]、慢性骨髄単球性白血病[CMML]、好酸球増加症候群、骨髄増殖性障害、例えば、真性赤血球増加症、本態性血小板血症および原発性骨髄線維症、骨髄増殖性症候群、骨髄異形成症候群、および前骨髄球性白血病);間葉由来の腫瘍、例えば、軟部組織の肉腫、骨または軟骨、例えば、骨肉腫、線維肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫、カポジ肉腫、ユーイング肉腫、滑膜肉腫、類上皮細胞肉腫、胃腸間質性腫瘍、良性および悪性の組織球腫、および隆起性皮膚線維肉腫;中枢神経系または末梢神経系の腫瘍(例えば、星状細胞腫、神経膠腫およびグリア芽細胞腫、髄膜腫、上衣細胞腫、松果体腫瘍およびシュワン細胞腫);内分泌腫瘍(例えば、下垂体腫瘍、副腎腫瘍、島細胞腫瘍、副甲状腺腫瘍、カルチノイド腫瘍および甲状腺の髄様がん);眼球および付属器の腫瘍(例えば、網膜芽細胞腫);生殖細胞および栄養膜腫瘍(例えば、奇形腫、精上皮腫、未分化胚細胞腫、胞状奇胎および絨毛がん);ならびに小児および胚の腫瘍(例えば、髄芽細胞腫、神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、および原始的な神経外胚葉性腫瘍);または先天性かそうでなければ、患者を悪性腫瘍に罹りやすくさせる症候群(例えば、色素性乾皮症)が挙げられる。
さらなる実施形態では、がんは、乳房、肺、腎臓、卵巣および膵臓のがんならびに骨髄腫から選択される。
用語「予防」に対する本明細書における言及は、疾患の誘導前の保護組成物の投与に関与する。「抑制」は、誘発事象後であるが、疾患の臨床的所見の前の組成物の投与を指す。「処置(治療)」は、疾患症状が現れた後の保護組成物の投与に関与する。
疾患に対して保護することまたは疾患を処置することにおけるペプチドリガンドの有効性をスクリーニングするために使用され得る動物モデル系が利用可能である。動物モデル系の使用は本発明によって促進され、ヒトおよび動物標的と交差反応し得るポリペプチドリガンドの開発を可能にし、動物モデルの使用を可能にする。
本発明は、以下の実施例を参照してさらに説明される。
<ペプチド合成>
ペプチド合成は、Peptide Instrumentsが製造した、Symphonyペプチドシンセサイザー、およびMultiSynTechが製造したSyro IIシンセサイザーを使用する、Fmoc化学に基づいた。適当な側鎖保護基を有する標準のFmoc−アミノ酸(Sigma、Merck)を用いた。ここで、適用可能な標準のカップリング条件を各事例で使用し、続いて、標準の方法を使用して脱保護を行った。別段留意されていなければ、すべてのアミノ酸をL−立体配置で使用した。HPLCを使用してペプチドを精製し、単離後に、これらを1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼン(TBMB、Sigma)で修飾した。これに対して、直鎖状ペプチドを約35mLまでHOで希釈し、アセトニトリル中100mMのTBMB 約500μLを添加し、反応をHO中1MのNHHCO(5mL)で開始した。反応を室温で約30〜60分間進行させ、反応が完了したら(MALDIによって判断した)、凍結乾燥した。凍結乾燥後、修飾ペプチドを上記のように精製し、一方、Luna C8をGemini C18カラム(Phenomenex)によって置き換え、酸を0.1%のトリフルオロ酢酸に変更した。正しいTMB修飾材料を含有する純粋な画分をプールし、凍結乾燥し、保存のために−20℃に保った。
あるいは、HPLCを使用してペプチドを精製し、単離後に、これらを1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(TATA、Sigma)で修飾した。これに対して、直鎖状ペプチドを約35mLまで50:50のMeCN:HOで希釈し、アセトニトリル中100mMのTATA(約500μL)を添加し、反応をHO中1MのNHHCO(5mL)で開始した。反応を室温で約30〜60分間進行させ、反応が完了したら(MALDIによって判断した)、凍結乾燥した。完了したら、HO中1MのL−システイン塩酸塩一水和物(Sigma)1mlを室温で約60分間反応物に添加し、すべての過剰なTATAをクエンチした。
凍結乾燥後、修飾ペプチドを上記のように精製し、一方、Luna C8をGemini C18カラム(Phenomenex)によって置き換え、酸を0.1%のトリフルオロ酢酸に変更した。正しいTATA修飾材料を含有する純粋な画分をプールし、凍結乾燥し、保存のために−20℃に保った。
以下の非天然アミノ酸前駆体を、DAPおよびN−MeDAP修飾ペプチドの調製のために使用した。
Figure 2021528434
<インテグリンαvβ3の競合結合アッセイ>
リガンドとして配列:FITC−LC−GRGDSPを有する5nMのペプチドを使用するWang et al(2005)Bioconjug Chem 16(3),729−34に記載されたものに類似する競合蛍光偏光アッセイを使用して、本発明のペプチドのインテグリンαvβ3に対する親和性(Ki)を決定した。
実施例および参照例のペプチドリガンドを上述のアッセイにおいて検査した。
[参照例1]
アルキルアミノに対するチオエーテルの足場連結の比較のために選択された第1の参照二環性ペプチドをBCY00009174と示した。これは、3つのシステイン残基を含む、チオエーテル形成ペプチドのトリメチレンベンゼン足場との二環性コンジュゲートである。この二環性誘導体の構造を図1に模式的に示す。コンジュゲーション前の直鎖状ペプチドは配列:
[Ac]ACILRPNCDLDGRCA
を有する。
1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼン(TBMB、Sigma)へのコンジュゲーションは以下のように行った。直鎖状ペプチドを約35mLまでHOで希釈し、アセトニトリル中100mMのTBMB(約500μL)を添加し、反応をHO中1MのNHHCO(5mL)で開始した。反応を室温で約30〜60分間進行させ、反応が完了したら(MALDIによって判断した)、凍結乾燥した。凍結乾燥後、修飾ペプチドをGemini C18カラム(Phenomenex)によって精製し、酸を0.1%のトリフルオロ酢酸に変更した。正しいTMB修飾材料を含有する純粋な画分をプールし、凍結乾燥し、保存のために−20℃に保った。
BCY00009174と示した得られた二環性誘導体は、インテグリンαvβ3に対する高い親和性を示した。誘導体のインテグリンαvβ3に対する親和性(Ki)の測定値は10.4nMであった。
[実施例1〜7]
本発明による二環性ペプチドリガンドを、1、2または3個のシステイン残基を、TBMB足場に対してアルキルアミノ連結を形成するN−MeDAP残基に置き換えて、参照例1のペプチドリガンドの二環性領域に対応するものとして作製した。これらの誘導体の構造を図2〜8に模式的に示す。
2017年12月20日に出願されたPCT/EP2017/083953およびPCT/EP2017/083954により詳細に記載されているように、TBMBとの環化は、塩基としてのDIPEAの存在下で、アセトニトリル/水の混合物中で、1〜16時間実施した。参照例1の環化と異なり、塩基として従来のNaHCOを使用する場合、収率は比較的低い。
測定したKi値を表1に示す。実施例のほとんどがインテグリンαvβ3に対して高い結合親和性を示し、このことにより、この実施例におけるアルキルアミノ連結への変更が、参照例1のチオエーテル連結した誘導体と比較して結合親和性に比較的わずかな変化しかもたらさなかったことが実証されることを見て取ることができる。唯一の例外は実施例8であり、この例では、3つすべてのチオエーテル連結のアルキルアミノ連結による置き換えによって、インテグリンαvβ3に対する親和性の測定値に大きな下降が生じた。
Figure 2021528434
[参照例A1〜A31]
2018年1月15日に出願した、本発明者らのより早期の出願であるGB1800598.3に詳細に記載されているように、特定のペプチド配列のシステイン残基に対して3つのチオエーテル連結を有するTBMBまたはTATA足場を有する以下の参照ペプチドリガンドを調製し、インテグリンαvβ3に対する親和性について評価した。
Figure 2021528434
Figure 2021528434
実施例1〜6において上記で得られた結果を考慮して、本発明による、すなわち、参照例のチオエーテル連結のうちの1、2または3つの代わりにアルキルアミノ連結を有する、参照例A1〜A31の誘導体もインテグリンαvβ3に対する親和性も示すことが予測される。したがって、インテグリンαvβ3に対する親和性を有するすべてのこのような誘導体は、本発明の範囲内に含まれる。
上記明細書で言及されたすべての刊行物は、参照により本明細書の一部をなすものとする。本発明について記載した態様および実施形態の種々の修正および変更は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者にとって明らかであろう。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して記載したが、特許請求された本発明は、このような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、当業者に明らかである本発明を実行するために記載された方式の種々の修正は、以下の請求項の範囲内にあることが意図される。

Claims (21)

  1. インテグリンαvβ3に特異的なペプチドリガンドであって、システイン、L−2,3−ジアミノプロピオン酸(Dap)、N−ベータ−アルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−AlkDap)およびN−ベータ−ハロアルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−HAlkDap)から選択される3つの残基を含むポリペプチド含み、ただし、前記3つの残基のうちの少なくとも1つが、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapから選択されることを条件とし、前記3つの残基が、少なくとも2つのループ状配列によって分離されており、前記ペプチドリガンドが分子足場を含み、前記ペプチドが、前記ポリペプチドの前記DapまたはN−AlkDapまたはN−HAlkDap残基との共有結合によるアルキルアミノ連結によって、および前記3つの残基がシステインを含む場合には前記ポリペプチドのシステイン残基とのチオエーテル連結によって、2つのポリペプチドループが前記分子足場上に形成されるように、前記足場に連結されている、ペプチドリガンド。
  2. −X−Cii−X−Ciii
    (式中、
    、Cii、およびCiiiは、独立して、システイン、L−2,3−ジアミノプロピオン酸(Dap)、N−ベータ−アルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−AlkDap)、またはN−ベータ−ハロアルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−HAlkDap)であり、ただし、C、Cii、およびCiiiのうちの少なくとも1つが、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapであることを条件とし、
    およびXは、システイン、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDap残基の間のアミノ酸残基を表し、XおよびXはそれぞれ、独立して、2〜9個のアミノ酸残基を有する)
    から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のペプチドリガンド。
  3. 、Cii、およびCiiiのうちの2つが、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapから選択され、3番目のC、Cii、およびCiiiのうちの1つがシステインであり、好ましくはCiiがシステインである、請求項1または2に記載のペプチドリガンド。
  4. 、Cii、およびCiiiのうちの1つが、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapから選択され、C、Cii、およびCiiiのうちのその他はシステインである、請求項1または2に記載のペプチドリガンド。
  5. 前記分子足場が、1,3,5−トリス(メチレン)ベンゼン(TBMB)または1,1’,1’’−(1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリプロパ−2−エン−1−オン(TATA)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
  6. LDHMECiiRGDMDCiii(配列番号1)、
    YHAHRCiiDGGPFCiii(配列番号2)、
    LHFSRCiiDGGMHCiii(配列番号3)、
    ILRPNCiiDLDGRCiii(配列番号4)、
    IL(HArg)PNCiiDLDGRCiii(配列番号5)、
    AGIVSCiiDGRPLCiii(配列番号6)、
    KNFNPECiiLRGDSLCiii(配列番号7)、
    HTRAHDCiiYWESIVCiii(配列番号8)、
    YDDCiiRRLDHWQHSCiii(配列番号12)、
    −X−H−X−X−R−T/L−D−Cii−X−X−X−Ciii(配列番号31)、
    −D/E−A/L−S/R−R/H−L/D−D/L−Cii−X−X−X−X−S/H−X−Ciii(配列番号32)、
    −P−H−A/L−G−R−Cii−D−G−P−P/L−T/V−Ciii(配列番号33)、および
    −D/H−H/V−X−R−M−D−Cii−P/F−X−X−Ciii(配列番号34)
    (式中、Xは、任意のアミノ酸を表し、Xは任意のアミノ酸を表すかまたは存在せず、C、Cii、およびCiiiは、独立して、システイン、L−2,3−ジアミノプロピオン酸(Dap)、N−ベータ−アルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−AlkDap)、またはN−ベータ−ハロアルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−HAlkDap)であり、ただし、C、Cii、およびCiiiのうちの少なくとも1つが、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapであることを条件とする)、
    から選択されるアミノ酸配列またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項1または2に記載のペプチドリガンド。
  7. −X−H−X−X−R−T/L−D−Cii−X−X−X−Ciii(配列番号31)のペプチドリガンドが、配列番号9、11、13〜14、16、18〜19、25および28〜29:
    KHYGRTDCiiHDTCiii(配列番号9)、
    PHIGRTDCiiPPCiii(配列番号11)、
    RHSDRLDCiiLPCiii(配列番号13)、
    PHSLRLDCiiHDCiii(配列番号14)、
    RHTHRLDCiiTESCiii(配列番号16)、
    GHVGRLDCiiHIPCiii(配列番号18)、
    PHVHRLDCiiHAPCiii(配列番号19)、
    KHSGRTDCiiHDTCiii(配列番号25)、
    KHAGRTDCiiPPCiii(配列番号28)、および
    RHAGRTDCiiPPCiii(配列番号29)
    (式中、C、Cii、およびCiiiは、独立して、システイン、L−2,3−ジアミノプロピオン酸(Dap)、N−ベータ−アルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−AlkDap)、またはN−ベータ−ハロアルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−HAlkDap)であり、ただし、C、Cii、およびCiiiのうちの少なくとも1つが、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapであることを条件とする)、
    のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項6に記載のペプチドリガンド。
  8. −D/E−A/L−S/R−R/H−L/D−D/L−Cii−X−X−X−X−S/H−X−Ciii(配列番号32)のペプチドリガンドが、配列番号10、15および26〜27:
    DASRLDCiiVPSSSGCiii(配列番号10)、
    ELRHDLCiiRSHDHWCiii(配列番号15)、
    DASRLDCiiPYSVSLCiii(配列番号26)、および
    DASRLDCiiPVVSHLCiii(配列番号27)
    (式中、C、Cii、およびCiiiは、独立して、システイン、L−2,3−ジアミノプロピオン酸(Dap)、N−ベータ−アルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−AlkDap)、またはN−ベータ−ハロアルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−HAlkDap)であり、ただし、C、Cii、およびCiiiのうちの少なくとも1つが、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapであることを条件とする)、
    のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項6に記載のペプチドリガンド。
  9. −P−H−A/L−G−R−Cii−D−G−P−P/L−T/V−Ciii(配列番号33)のペプチドリガンドが、配列番号17および30:
    PHAGRCiiDGPPTCiii(配列番号17)、および
    PHLGRCiiDGPLVCiii(配列番号30)
    (式中、C、Cii、およびCiiiは、独立して、システイン、L−2,3−ジアミノプロピオン酸(Dap)、N−ベータ−アルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−AlkDap)、またはN−ベータ−ハロアルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−HAlkDap)であり、ただし、C、Cii、およびCiiiのうちの少なくとも1つが、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapであることを条件とする)、
    のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項6に記載のペプチドリガンド。
  10. −D/H−H/V−X−R−M−D−Cii−P/F−X−X−Ciii(配列番号34)のペプチドリガンドが、配列番号20〜24:
    DHRRMDCiiPEVCiii(配列番号20)、
    DHRRMDCiiPTLCiii(配列番号21)、
    DHRRMDCiiPTNCiii(配列番号22)、
    DHTRMDCiiPHNCiii(配列番号23)、および
    HVGRMDCiiFQECiii(配列番号24)
    (式中、C、Cii、およびCiiiは、独立して、システイン、L−2,3−ジアミノプロピオン酸(Dap)、N−ベータ−アルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−AlkDap)、またはN−ベータ−ハロアルキル−L−2,3−ジアミノプロピオン酸(N−HAlkDap)であり、ただし、C、Cii、およびCiiiのうちの少なくとも1つが、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapであることを条件とする)
    のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項6に記載のペプチドリガンド。
  11. A−(配列番号1)−A(本発明において43−01−00−N001と称される)、
    A−(配列番号2)−A(本発明において43−04−00−N001と称される)、
    A−(配列番号3)−A(本発明において43−06−00−N001と称される)、
    A−(配列番号4)−A(本発明において43−06−00−N017と称される)、
    Ac−(配列番号5)−A−Sar10−D−K(本発明において43−06−00−N015と称される)、
    Ac−(配列番号5)−A−Sar−D−K(本発明において43−06−00−N018と称される)、
    A−(配列番号6)−A(本発明において43−10−00−N001と称される)、
    A−(配列番号7)−A(本発明において43−16−00−N005と称される)、
    A−(配列番号8)−A(本発明において43−16−00−N007と称される)、
    A−(配列番号9)−A(本発明において43−23−00−N002と称される)、
    A−(配列番号10)−A(本発明において43−24−00−N002と称される)、
    A−(配列番号11)−A(本発明において43−25−00−N002と称される)、
    A−(配列番号12)(本発明において43−26−00−N002と称される)、
    A−(配列番号13)(本発明において43−27−00−N002と称される)、
    A−(配列番号14)−A(本発明において43−32−00−N002と称される)、
    A−(配列番号15)−A(本発明において43−33−00−N002と称される)、
    A−(配列番号16)−A(本発明において43−39−00−N002と称される)、
    A−(配列番号17)−A(本発明において43−40−00−N002と称される)、
    A−(配列番号18)−A(本発明において43−42−00−N002と称される)、
    A−(配列番号19)−A(本発明において43−43−00−N002と称される)、
    A−(配列番号20)−A(本発明において43−41−01−N001と称される)、
    A−(配列番号21)−A(本発明において43−41−02−N001と称される)、
    A−(配列番号22)−A(本発明において43−41−03−N001と称される)、
    A−(配列番号23)−A(本発明において43−41−04−N001と称される)、
    A−(配列番号24)−A(本発明において43−41−05−N001と称される)、
    A−(配列番号25)−A(本発明において43−23−01−N001と称される)、
    A−(配列番号26)−A(本発明において43−24−01−N001と称される)、
    A−(配列番号27)−A(本発明において43−24−02−N001と称される)、
    A−(配列番号28)−A(本発明において43−25−01−N001と称される)、
    A−(配列番号29)−A(本発明において43−25−02−N001と称される)、および
    A−(配列番号30)−A(本発明において43−40−01−N001と称される)
    から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1、2または6のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
  12. 前記分子足場が、1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼン(TBMB)から選択され、前記ペプチドリガンドが、
    A−(配列番号1)−A(本発明において43−01−00−N001と称される)、
    A−(配列番号2)−A(本発明において43−04−00−N001と称される)、
    A−(配列番号3)−A(本発明において43−06−00−N001と称される)、
    A−(配列番号4)−A(本発明において43−06−00−N017と称される)、
    Ac−(配列番号5)−A−Sar10−D−K(本発明において43−06−00−N015と称される)、
    Ac−(配列番号5)−A−Sar−D−K(本発明において43−06−00−N018と称される)、
    A−(配列番号6)−A(本発明において43−10−00−N001と称される)、
    A−(配列番号7)−A(本発明において43−16−00−N005と称される)、および
    A−(配列番号8)−A(本発明において43−16−00−N007と称される)
    から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項11に記載のペプチドリガンド。
  13. 前記分子足場が、1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼン(TBMB)から選択され、前記ペプチドリガンドが
    Ac−(配列番号5)−A−Sar−D−K(本発明において43−06−00−N018と称される)
    から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項11または12に記載のペプチドリガンド。
  14. 前記分子足場が、1,1’,1’’−(1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリプロパ−2−エン−1−オン(TATA)から選択され、前記ペプチドリガンドが、
    A−(配列番号9)−A(本発明において43−23−00−N002と称される)、
    A−(配列番号10)−A(本発明において43−24−00−N002と称される)、
    A−(配列番号11)−A(本発明において43−25−00−N002と称される)、
    A−(配列番号12)(本発明において43−26−00−N002と称される)、
    A−(配列番号13)(本発明において43−27−00−N002と称される)、
    A−(配列番号14)−A(本発明において43−32−00−N002と称される)、
    A−(配列番号15)−A(本発明において43−33−00−N002と称される)、
    A−(配列番号16)−A(本発明において43−39−00−N002と称される)、
    A−(配列番号17)−A(本発明において43−40−00−N002と称される)、
    A−(配列番号18)−A(本発明において43−42−00−N002と称される)、
    A−(配列番号19)−A(本発明において43−43−00−N002と称される)、
    A−(配列番号20)−A(本発明において43−41−01−N001と称される)、
    A−(配列番号21)−A(本発明において43−41−02−N001と称される)、
    A−(配列番号22)−A(本発明において43−41−03−N001と称される)、
    A−(配列番号23)−A(本発明において43−41−04−N001と称される)、
    A−(配列番号24)−A(本発明において43−41−05−N001と称される)、
    A−(配列番号25)−A(本発明において43−23−01−N001と称される)、
    A−(配列番号26)−A(本発明において43−24−01−N001と称される)、
    A−(配列番号27)−A(本発明において43−24−02−N001と称される)、
    A−(配列番号28)−A(本発明において43−25−01−N001と称される)、
    A−(配列番号29)−A(本発明において43−25−02−N001と称される)、および
    A−(配列番号30)−A(本発明において43−40−01−N001と称される)
    から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項11に記載のペプチドリガンド。
  15. 表2に列挙されるペプチドリガンド配列A1〜A31の1つもしくは複数から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含み、ただし、前記ペプチドリガンド配列A1〜A31におけるシステイン残基の1つまたは複数が、Dap、N−AlkDapまたはN−HAlkDapによって置き換えられていることを条件とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
  16. 前記インテグリンαvβ3が、ヒトインテグリンαvβ3である、請求項1〜15のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
  17. 1つまたは複数のエフェクター基および/または官能基にコンジュゲートした、請求項1〜15のいずれか1項に記載のペプチドリガンドを含む薬物コンジュゲート。
  18. 1つまたは複数の細胞毒性剤にコンジュゲートした、請求項1〜15のいずれか1項に記載のペプチドリガンドを含む薬物コンジュゲート。
  19. 前記細胞毒性剤が、DM−1およびMMAEから選択される、請求項18に記載の薬物コンジュゲート。
  20. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のペプチドリガンドまたは請求項16〜19のいずれか1項に記載の薬物コンジュゲートを、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物。
  21. インテグリンαvβ3が介在する疾患または障害を予防する、抑制するまたは処置する際に使用するための、請求項1〜15のいずれか1項に記載のペプチドリガンドまたは請求項16〜19のいずれか1項に記載の薬物コンジュゲート。
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