JP2021528363A - ホスホンアミドエステル化合物、その塩、その関連する結晶体、その製造方法及びその使用 - Google Patents

ホスホンアミドエステル化合物、その塩、その関連する結晶体、その製造方法及びその使用 Download PDF

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ティエンミン ワン,
ウェイ リュウ,
バオレイ ジャン,
ミンリャン シャオ,
ユフェン リャン,
ジアチアン カイ,
リチュン ワン,
ジンイー ワン,
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シチュアン ケルン−バイオテック バイオファーマシューティカル カンパニー リミテッド
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Abstract

本発明は、式(I)及び式(II)により表される化合物並びにそのキラル合成方法及びキラル単離方法に関し、更に、式(I)により表される化合物の塩及び結晶形、その調製方法、それを含む医薬組成物、並びにB型肝炎などのウイルス感染性疾患の治療のために使用される医薬の調製におけるその使用に関する。
【選択図】 図17

Description

発明の詳細な説明
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年6月12日に出願された中国特許出願第201810600569.X号の優先権の利益を主張し、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
[発明の分野]
本発明は、(S)−P−((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン−2−イル)オキシ)メチル)−フェノキシ−N−(2−(ベンジルオキシ)エチル)−ホスホンアミド(以下、「式(I)の化合物」と表す。)及び(R)−P−((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン−2−イル)オキシ)メチル)−フェノキシ−N−(2−(ベンジルオキシ)エチル)−ホスホンアミド(以下、「式(II)の化合物」と表す。)、並びにそれのキラル合成方法及びキラル単離方法に関し、また、「式(I)の化合物」の塩及びその結晶体、並びにそれらの製造方法、それらを含む医薬組成物、並びにB型肝炎等のウイルス感染性疾患を予防又は治療するための医薬の製造におけるその使用にも関する。
[発明の背景]
B型肝炎ウイルスは、ヘパドナウイルス(hepadnaviridae)ファミリーに属するDNAウイルスであり、そのDNA合成は、B型肝炎ウイルスDNAポリメラーゼに依存する。抗B型肝炎ウイルス薬としてのDNAポリメラーゼ阻害剤の使用は、極めて競争力のある選択肢となっている。ヌクレオチドDNAポリメラーゼ及び逆転写酵素の阻害剤であるテノホビル(PMPA)は、抗−HBV及びHIV活性を有し、そのホスホネート誘導体テノホビルジソプロキシルフマレート(TDF)及びホスホンアミドエステル誘導体テノホビルアラフェンアミド(TAF)は、ヒト免疫不全症候群及びB型肝炎ウイルスの治療のために、FDAにより承認されている。TAFは、TDFの低い血漿安定性という欠点を克服している。TAFは、エステラーゼ加水分解、リン酸化及び他の作用を通して、肝細胞中で主にアデノシン三リン酸類縁体を生成し、アデノシン三リン酸類縁体は、新しく生成されたDNA鎖中に挿入され、それによってDNAポリメラーゼ−触媒的DNA合成を阻害し、且つウイルス複製を阻害する(国際公開第2013025788号;Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids、2001年、20、1085〜1090頁)。しかしながら、第III相臨床試験において、TAFはTDFと比較してアラニンアミノ基転移酵素(ALT)回復、骨代謝及び腎機能に関して有意な改善を有したけれども、依然として以下のような問題点があった:ALT回復率は80%より低かった;10%を超える患者において、脊髄の骨塩密度(BMD)が5%超減少した;且つ10%を超える患者において、糸球体濾過率が25%超減少した。これらの問題は臨床的必要を満たしておらず、そのため、より効果的及びより安全である新世代の治療薬が緊急に必要とされている。
本出願人により出願された国際出願PCT/CN2017/117126は、新規な構造を有する一連のホスホンアミドエステル化合物を開示しており、これは、テノホビルのプロドラッグとして、迅速にテノホビルへ代謝され、且つ良好なin vivo及びin vitroの薬物動態的及び薬力学的な特性を有し得る。
[発明の概要]
本発明の一態様は、以下に示す式(I)及び式(II)の化合物を提供する。
Figure 2021528363
本発明の別の態様は、以下の反応スキームに示す式(I)及び式(II)の化合物のラセミ体の合成方法及びキラル単離方法を提供する。
Figure 2021528363
本発明の更に別の態様は、以下の反応スキームに示す式(I)の化合物のキラル合成方法を提供する。
Figure 2021528363
式(I)の化合物のキラル合成では、テノホビルモノフェニルエステルを原材料として使用し、これに塩素化及び置換反応を施して、90%を超えるジアステレオ異性体純度を有する式(I)の化合物を得る。
本発明の更に別の態様は、式(I)の化合物の有機酸塩又は無機酸塩、例えば、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、アジピン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、ムチン酸塩、ゲンチジン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、馬尿酸塩、ニコチン酸塩、ニコチンアミド塩、リン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、エタンジスルホン酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、グリシン塩、アラニン塩、バリン塩、ロイシン塩、イソロイシン塩、フェニルアラニン塩、プロリン塩、トリプトファン塩、セリン塩、チロシン塩、システイン塩、メチオニン塩、トレオニン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、リシン塩、アルギニン塩、又はヒスチジン塩など、特に式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、又はリン酸塩、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体A、B及びC、クエン酸塩の結晶体A、酒石酸塩の結晶体A及びB、並びにリン酸塩の結晶体A及びBを含む式(I)の化合物の塩を提供する。好ましくは、式(I)の化合物の塩では、式(I)の化合物と無機酸又は有機酸とのモル比は、1:1又は1:1/2又は1:1/3、特に好ましくは1:1である。
本発明により提供される式(I)の化合物及びその塩は、以下の利点を有する:プロドラッグとして、それらは、動物において迅速に活性物質に代謝され、それによってHBVウイルスの逆転写酵素及びDNAポリメラーゼを阻害することができ、その結果、HBV DNA複製を阻害する効果が達成される。本発明により提供される式(I)の化合物の塩は、様々な塩の結晶体において溶媒残渣が少なく、良好な製造可能性を有する(容易に調製できる)。本発明の塩の形成に使用される酸は、望まない毒性をもたらすことがなく、高い安全性を有する。本発明により提供される式(I)の化合物の塩は、動物試験において肝臓、腎臓、骨代謝などに明らかな影響を及ぼすことなく、良好な安全性を有し、したがって、肝機能異常、糸球体濾過率の低下、骨密度低下により引き起こされる疼痛及び骨粗鬆症などを含む、患者の長期薬剤投与により引き起こされる副作用を低減することが期待される。加えて、本発明に基づく様々な塩及びその結晶体は、大規模で高純度で製造することが容易であり、したがって、医薬製剤の製造における使用により好適であり、他の有利な物理的特性(例えば、良好な溶解度、低吸湿性(水分吸収)、良好な固体状態安定性など)、同様に薬物動態特性(例えば、異なる結晶格子が溶解速度及び生物学的利用能を増加させる)なども示し得る。
本発明の更に別の態様は、式(I)の化合物の塩を製造する方法であって、任意の固体形態の式(I)の化合物を無機酸又は有機酸と反応させるステップと、固体を沈殿させるステップと、続いて、沈殿した固体を分離及び乾燥するステップとを含む、方法を提供する。固体を沈殿させる方法には、気固浸透法、反溶媒結晶化法、室温懸濁液撹拌法、高温懸濁液撹拌法、気液浸透法、室温低揮発法、徐冷法などが含まれるが、これらに限定されない。
本発明の更に別の態様は、上述の式(I)の化合物の塩(例えば、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩若しくはリン酸塩、特に式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩若しくはリン酸塩の結晶、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶)又はこれらの任意の組み合わせと、1つ又は複数の薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物を提供する。
本発明の更に別の態様は、対象におけるB型肝炎等のウイルス感染性疾患を治療する方法を提供し、それを必要とする対象に、治療有効量の上述の式(I)の化合物又はその塩(例えば、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩若しくはリン酸塩、特に式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩若しくはリン酸塩の結晶、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶)又はこれらの任意の組み合わせを投与することを含む。
本発明の更に別の態様は、対象におけるB型肝炎等のウイルス感染性疾患の治療における使用のための、上述の式(I)の化合物又はその塩(例えば、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩若しくはリン酸塩、特に式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩若しくはリン酸塩の結晶、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶)又はこれらの任意の組み合わせを提供する。
本発明の更に別の態様は、対象におけるB型肝炎等のウイルス感染性疾患を治療するための医薬の製造における、上述の式(I)の化合物又はその塩(例えば、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩若しくはリン酸塩、特に式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩若しくはリン酸塩の結晶、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶)又はこれらの任意の組み合わせの使用を提供する。
本発明に基づく式(I)の化合物の塩の結晶は、以下の有利な特性のうちの1つ又は複数を有する:
i)それらは、高溶解度、高溶解速度、低吸湿性、高流動性又は有意に改善された粘度を有する。
ii)それらは、光安定性、熱安定性、高耐湿性などを含むが、これらに限定されない優れた物理化学的安定性を有する。例えば、良好な光安定性は、保存及び輸送中の結晶の信頼性を保証し、それによって製剤の安全性を保証することができるため、光の影響を防止するために結晶を特に包装する必要がなく、それによって費用を低減し;結晶は、光の影響により分解することがなく、それによって製剤の安全性及び長期保存後の有効性を改善し;且つ結晶を摂取する患者は、日光への曝露により引き起こされる製剤に関する感光性反応に心配することがなくなる。良好な熱安定性は、結晶が長期間安定なままであり、且つ標準的な製剤製造プロセスにおける使用に好適であることを可能にする。良好な物理化学的安定性は、結晶の製造をより容易にし、且つ製剤の製造により好適となる。
iii)それらは、改善された代謝、改善された生物学的利用能、低減された毒性又は改善された安全性を有する。
iv)それらは、大量生産に好適及び好都合であり、費用が低減される。
式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体AのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体AのDSCグラフを示す図である。 式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体AのTGAグラフを示す図である。 式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体BのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体CのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体AのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体AのDSCグラフを示す図である。 式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体AのTGAグラフを示す図である。 式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体AのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体BのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体BのDSCグラフを示す図である。 式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体BのTGAグラフを示す図である。 式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体AのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体AのDSCグラフを示す図である。 式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体AのTGAグラフを示す図である。 式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体BのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aの単結晶分子の立体化学的構造のグラフを示す図である。
[発明の詳細な説明]
定義
文脈で別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者により一般的に理解される意味と同一の意味を有することを意図する。本明細書で利用される技術に対する言及は、当業者に対して明白である、それらの技術に関する変形又は等価な技術の置き換えを含み、当技術分野で一般的に理解される技術を指すことを意図する。以下の用語のほとんどは当業者には容易に理解されるであろうと考えられるが、しかし、本発明をより良く例示するために以下の定義が示される。
用語「含む(contain)」、「含む(include)」、「含む(comprise)」、「有する(have)」、又は「に関する(relate to)」は、本明細書で使用される他の変形と同様に、包括的又は非制限的であり、追加的な、記載されていない要素又は方法ステップを除外しない。
語「約」は、本明細書で使用される場合、当業者により理解されているように、値の許容される標準誤差内の範囲、例えば、±0.05、±0.1、±0.2、±0.3、±1、±2又は±3などを指す。
本明細書で使用される場合、用語「式(I)の化合物の塩」は、式(I)の化合物の無機酸塩又は有機酸塩、例えば、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、アジピン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、ムチン酸塩、ゲンチジン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、馬尿酸塩、ニコチン酸塩、ニコチンアミド塩、リン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、エタンジスルホン酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、グリシン塩、アラニン塩、バリン塩、ロイシン塩、イソロイシン塩、フェニルアラニン塩、プロリン塩、トリプトファン塩、セリン塩、チロシン塩、システイン塩、メチオニン塩、トレオニン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、リシン塩、アルギニン塩、又はヒスチジン塩などを含むが、これらに限定されない。
用語「固体形態」は、本明細書で使用される場合、式(I)の化合物及びその塩の全ての固体形態、例えば、結晶体又は非晶質体を含む。
用語「非晶質」は、本明細書で使用される場合、3次元における秩序を欠く任意の固体物質を指す。場合によっては、非晶質固体は、XRPD結晶学、固体核磁気共鳴(ssNMR)分光法、DSC、又はこれらの技術のいくつかの組み合わせを含む、公知の技術により特徴付けることができる。以下に例示されるように、非晶質固体は、典型的には、1つ又は2つのブロードなピーク(すなわち、約5°以上の2θのベース幅を有するピーク)から構成される散乱XRPDパターンを示す。
用語「結晶体」又は「結晶」は、本明細書で使用される場合、非晶質固体物質とは対照的に、鋭く画定されたピークを有する特徴的なXRPDパターンを示す、3次元秩序を示す任意の固体物質を指す。
用語「X線粉末回折パターン(XRPDパターン)」は、本明細書で使用される場合、実験的に観察される回折図又はそれからもたらされるパラメータを指す。XRPDパターンは、通例、ピーク位置(横座標)及びピーク強度(縦座標)により特徴付けられる。
用語「2θ」は、本明細書で使用される場合、X線回折実験の実験設定に基づく、角度におけるピーク位置を指し、回折パターンにおける一般的な横座標単位である。実験設定は、入射光がある特定の格子面と角度シータ(θ)をなしている時に、反射が回折した場合、反射光は角度2シータ(2θ)において記録される必要がある。特定の固体形態に関する特定の2θ値に対する本明細書での言及は、本明細書に記載されるX線回折実験条件を使用して測定された2θ値(角度における)を意味することを意図すると理解されたい。
用語「熱重量分析(TGA)グラフ」は、本明細書で使用される場合、熱重量分析計で記録された曲線を指す。
用語「示差走査熱量測定(DSC)グラフ」は、本明細書で使用される場合、示差走査熱量測定計で記録された曲線を指す。
用語「核磁気共鳴(H−NMR)スペクトル」は、本明細書で使用される場合、核磁気共鳴分光計で記録されたシグナルピークを指す。
本明細書で使用される場合、用語「本質的に同一の」とは、X線回折ピーク位置に関して、典型的なピーク位置及び強度変動性が考慮されていることを意味する。例えば、ピーク位置(2θ)は典型的には0.1〜0.2度程度のいくらかの変動性を示し、回折を測定するために使用される器具に関して同様であることが、当業者には理解されるであろう。更に、相対的ピーク強度が器具間変動性と同様に、結晶化度、優先配向、調製された試料表面、及び当業者に公知の他の要因に起因する変動性を示し、単に定性的測定として取られるべきであることが、当業者には理解されるであろう。同様に、本明細書で使用される場合、「本質的に同一の」は、DSCグラフ及びTGAグラフに関して、当業者に公知のこれらの分析技術に関連する変動性も包含することを意図する。例えば、示差走査熱量測定グラフは、典型的には、良く画定されたピークに関して±0.2℃まで、且つブロードなラインに関しては更に大きい(例えば、±1℃まで)変動性を有する。
用語「良溶媒」とは、本明細書で使用される場合、本発明に基づく式(I)の化合物又はその塩を溶解する溶媒を意味する。
用語「反溶媒」とは、本明細書で使用される場合、良溶媒中で結晶化させる物質の溶解度を低減する溶媒を意味する。
用語「反溶媒結晶化」とは、本明細書で使用される場合、良溶媒が反溶媒と組み合わせて使用され、それによって、良溶媒中で、結晶化させる物質の溶解度を低減する方法を意味する。溶媒添加の順序に基づいて、反溶媒結晶化は、反溶媒添加及び逆反溶媒添加に分類することができる。反溶媒添加は、結晶化させる物質を良溶媒に溶解し、次に、それに反溶媒を添加して結晶化させる方法であり、逆反溶媒添加は、結晶化させる物質を良溶媒に溶解し、次に、その得られた溶液を反溶媒に添加して結晶化させる方法である。
用語「炭化水素」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む、特にジクロロメタン、トリクロロメタン(クロロホルム)、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びトルエンを含むがこれらに限定されない、1〜10個の炭素原子を有する炭化水素を意味する。
用語「アルコール」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール(n−プロパノール)、2−プロパノール(イソプロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール及びtert−ブタノールを含むがこれらに限定されない、1〜10個の炭素原子を有するアルコールを意味する。
用語「エーテル」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、鎖状エーテル及び環状エーテル(例えば、フラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサン)を含み、特に、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、アニソール及びジメトキシエタンを含むがこれらに限定されない、2〜6個の炭素原子を有するエーテルを意味する。
用語「ニトリル」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、アセトニトリル及びプロピオニトリルを含むがこれらに限定されない、2〜6個の炭素原子を有するニトリルを意味する。
用語「ケトン」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びジエチルケトンを含むがこれらに限定されない、2〜6個の炭素原子を有するケトンを意味する。
用語「エステル」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、イソプロピオン酸エチル、炭酸ジメチル及び酢酸ブチルを含むがこれらに限定されない、3〜10個の炭素原子を有するエステルを意味する。
用語「有機酸」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、ギ酸及び酢酸を含むがこれらに限定されない、1〜10個の炭素原子を有する有機酸を意味する。
用語「スルホン」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、ジメチルスルホキシドを含むがこれらに限定されない、2〜10個の炭素原子を有するスルホン又はスルホキシドを意味する。
用語「アミド」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドを含むがこれらに限定されない、1〜10個の炭素原子を有するアミドを意味する。
用語「窒素含有複素環」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、N−メチルピロリドンを含むがこれらに限定されない、3〜10個の炭素原子及び少なくとも1個の窒素原子を有する窒素含有複素環を意味する。
数値の範囲(例えば、「1〜10」)及びその副範囲(例えば、「2〜10」、「2〜6」、「3〜10」)などは、本明細書で使用される場合、数値の範囲内の任意の点を包含する(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10)。
本発明の化合物における化学結合は、本明細書で、実線(
Figure 2021528363

)、波線(
Figure 2021528363

)、実線くさび形(
Figure 2021528363

)又は破線くさび形(
Figure 2021528363

)を用いて表示することができる。不斉原子に対して実線で表示された結合は、該原子における全ての可能な立体異性体(例えば、特定のエナンチオマー、ラセミ混合物など)が企図されることを示すことを意図する。不斉原子に対して波線で表示された結合は、該結合が、実線くさび形(
Figure 2021528363

)結合又は破線くさび形(
Figure 2021528363

)結合のいずれかであることを示すことを意図する。不斉原子に対して実線くさび形又は破線くさび形で表示された結合は、示されている立体異性体の存在を示すことを意図する。ラセミ混合物中に存在する場合、実線くさび形又は破線くさび形は、絶対立体化学ではなく、相対立体化学を定義するために使用される。
異なる型の機器又は異なる試験条件を用いて、わずかに異なるDSCグラフがもたらされ得ることが理解されるであろう。DSCグラフは、例えば、Mettler Toledo DSC1示差走査熱量測定計を使用して、決定することができる。本明細書で使用される場合、用語「本質的に同一の」は、DSCグラフに関して、典型的な特徴的ピーク位置が考慮されていることを意味する。例えば、特徴的ピーク位置が、典型的には5℃程度のいくらかの変動性を示すことが、当業者には理解されるであろう。多形体を有する固体試料に関して、DSC試験の加熱速度は、DSCグラフに大きな影響を及ぼす。相対的に高い加熱速度では、装置の熱履歴影響が明らかであり、高融点を有する結晶体が再結晶されるには時間が十分ではなく、そのため、DSCグラフは、低融点を有する結晶体の融解吸熱ピークを示すのみであることが多い。中程度の加熱速度では、DSCグラフは、2つのピークを示す:低融点を有する結晶体の融解吸熱ピーク及び高融点を有する結晶体の融解吸熱ピーク。相対的に低い加熱速度においてのみ、装置の熱履歴影響が弱く、3つのピークが現れる:低融点を有する結晶体の融解吸熱ピーク−再結晶発熱ピーク−高融点を有する結晶体の融解吸熱ピーク。上述の異なるDSCグラフに対応する加熱速度の範囲の決定は、試験試料の重量、形態、粒度及び粒度分布に応じて変化する(参照:Giron D.Thermal analysis and calorimetric methods in the characterisation of polymorphs and solvates [J]. Thermochimica Acta、1995年、248:1〜59)ことが当業者には理解されるであろう。
調製された式(I)の化合物、式(I)の化合物の塩、又はその結晶体は、デカンテーション、遠心分離、蒸発、重力式濾過、吸引式濾過、又は加圧下若しくは減圧下での固体の回収用の任意の他の技術を含む方法により回収され得る。回収された固体は、任意選択で乾燥されてもよい。「乾燥」は、本発明では、残留溶媒含有量が、International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use (「ICH」)ガイドラインにより示される限度内に低下するまで、減圧下で(好ましくは真空で)実行される。残留溶媒含有量は、溶媒の種類に依存するが、約5000ppm、又は好ましくは約4000ppm、又はより好ましくは約3000ppmを超えない。乾燥は、棚型乾燥機、真空乾燥機、熱風乾燥機、円錐形真空乾燥機、回転真空乾燥機、流動床乾燥機、スピンフラッシュ乾燥機、フラッシュ乾燥機などで実行されてもよい。乾燥は、約100℃未満、約80℃未満、約60℃未満、約50℃未満、約30℃未満の温度で、又は任意の他の好適な温度で、大気圧又は減圧下で(好ましくは真空で)、任意の所望の期間(例えば、約1、2、3、5、10、15、20、24時間又は終夜)、塩の質が低下しない限り、所望の結果が達成されるまで実行されてもよい。乾燥は、所望される生成物の質が達成されるまで、任意の所望の回数を実行することができる。乾燥された生成物は、任意選択で、所望の粒度をもたらすために、粒度低減手順が施されてもよい。生成物の乾燥前に、又は乾燥完了後に、粉砕又は微粒化を実施してもよい。粒度低減に使用され得る技術には、限定されることなく、ボール式、ローラー式及びハンマ式粉砕、並びにジェット式粉砕が含まれる。
用語「無水結晶体」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、水分子が構造要素として含まれない結晶体を意味する。
式(I)及び式(II)の化合物並びにその調製方法
本発明の目的は、以下に示す式(I)及び式(II)の化合物並びにその調製方法を提供することである。
Figure 2021528363
一実施形態に基づいて、本発明は、以下のスキームに示す式(I)及び式(II)の化合物のラセミ体の合成方法及びキラル単離方法を提供する:
Figure 2021528363

ステップ1:テノホビルモノフェニルエステルを原材料として、塩素化剤と反応させて、中間体テノホビルモノフェニルエステルホスホニルクロリドを得ることであり、塩素化剤には、塩化チオニル、オキシ塩化リン、五塩化リン、塩化オキサリルなどが含まれるが、これらに限定されない;
ステップ2:ステップ1で得られたテノホビルモノフェニルエステルホスホニルクロリドを、2−(ベンジルオキシ)エチルアミンと反応させて、ホスホンアミドエステルラセミ体を得ること;
ステップ3:ステップ2で得られたホスホンアミドエステルラセミ体を、キラルクロマトグラフィーにより単離して、式(I)及び式(II)の化合物を得ること。
別の実施形態に基づいて、本発明は、以下の反応スキームに示す式(I)の化合物のためのキラル調製方法を提供する:
Figure 2021528363
キラル調製方法の好ましい実施形態では、ステップ1は:(((1R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチルエトキシ)メチル)ホスホン酸モノフェニルエステル(テノホビルモノフェニルエステル)を、塩化チオニル、オキシ塩化リン、五塩化リン及び塩化オキサリルなどの塩素化剤と、トルエン、キシレン、アニソール及びアセトニトリルなどの溶媒中で、50〜120℃(好ましくは80〜110℃、より好ましくは90〜100℃)の温度で反応させて、中間体((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチル−エトキシ)メチル)フェノキシホスホニルクロリドを得ることを含み;且つステップ2は:ステップ1で得られた中間体((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチル−エトキシ)メチル)フェノキシホスホニルクロリドを、2−(ベンジルオキシ)エチルアミンと反応させ、90%を超えるジアステレオ異性体純度を有する式(I)の化合物を得ることを含む。
式(Ia)の化合物の塩及びその結晶体、並びにその調製方法
(I)の化合物のフマル酸塩
本発明の目的は、下に示す式(I)の化合物のフマル酸塩を提供することである。
Figure 2021528363

[式中、nは、1又は1/2、好ましくは1である。]
言い換えれば、式(I)の化合物のフマル酸塩では、式(I)の化合物とフマル酸とのモル比は、1:1又は1:1/2、好ましくは1:1である。
一実施形態に基づいて、本発明は、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aを提供し、式(I)の化合物とフマル酸とのモル比は1:1である。式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、5.1±0.2°、6.4±0.2°、16.3±0.2°、18.7±0.2°、及び28.2±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、5.1±0.2°、6.4±0.2°、14.7±0.2°、15.3±0.2°、16.3±0.2°、18.0±0.2°、18.7±0.2°、19.2±0.2°、28.2±0.2°、及び29.6±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、以下の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する:
Figure 2021528363
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、以下の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。
Figure 2021528363
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、図1に示すものと本質的に同一の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、図1に示すものと本質的に同一のXRPDピーク位置を有する。
好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、約125±5℃(オンセット温度)、好ましくは約125±2℃(オンセット温度)、且つより好ましくは約125±0.2℃(オンセット温度)における特徴的ピークを含むDSCグラフを有する。更に好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、図2に示すものと本質的に同一の温度における特徴的ピークを含むDSCグラフを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体AのDSCグラフ中の特徴的ピーク位置は、図2に示すものと本質的に同一である。
特に好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、非溶媒和物である。より好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、無水結晶体である。
好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、以下の格子パラメータを有する:
格子サイズ:
a=13.6818(8)Å
b=6.3963(4)Å
c=17.2967(13)Å
α/°=90
β/°=96.113(6)
γ/°=90
格子体積:1505.06(17)Å
結晶系:単斜晶系
空間群:P2
分子内非対称ユニットの数:Z=2。
別の実施形態に基づいて、本発明は、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Bを提供し、式(I)の化合物とフマル酸とのモル比は1:1である。式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Bは、10.2±0.2°、10.8±0.2°、17.1±0.2°、18.8±0.2°、及び21.7±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Bは、9.7±0.2°、10.2±0.2°、10.8±0.2°、14.7±0.2°、17.1±0.2°、18.1±0.2°、18.8±0.2°、19.2±0.2°、20.6±0.2°、及び21.7±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Bは、以下の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。
Figure 2021528363
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Bは、以下の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。
Figure 2021528363
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Bは、図4に示すものと本質的に同一の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Bは、図4に示すものと本質的に同一のXRPDピーク位置を有する。
別の実施形態に基づいて、本発明は、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Cを提供し、式(I)の化合物とフマル酸とのモル比は1:1である。式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Cは、4.3±0.2°、6.8±0.2°、14.3±0.2°、18.8±0.2°、及び27.9±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Cは、4.3±0.2°、6.6±0.2°、6.8±0.2°、14.3±0.2°、16.6±0.2°、18.5±0.2°、18.8±0.2°、19.2±0.2°、27.6±0.2°、及び27.9±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Cは、以下の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。
Figure 2021528363
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Cは、以下の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。
Figure 2021528363
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Cは、図5に示すものと本質的に同一の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Cは、図5に示すものと本質的に同一のXRPDピーク位置を有する。
式(I)の化合物のクエン酸塩
本発明の目的は、以下に示す式(I)の化合物のクエン酸塩を提供することである。
Figure 2021528363

[式中、nは、1又は1/2又は1/3、好ましくは1である。]
言い換えれば、式(I)の化合物のクエン酸塩では、式(I)の化合物とクエン酸とのモル比は、1:1又は1:1/2又は1:1/3、好ましくは1:1である。
一実施形態に基づいて、本発明は、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aを提供し、式(I)の化合物とクエン酸とのモル比は1:1である。式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aは、7.6±0.2°、14.1±0.2°、15.5±0.2°、16.0±0.2°、及び20.7±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。好ましい実施形態では、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aは、7.6±0.2°、14.1±0.2°、14.9±0.2°、15.5±0.2°、16.0±0.2°、19.6±0.2°、20.7±0.2°、21.4±0.2°、22.5±0.2°、及び24.5±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aは、以下の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する:
Figure 2021528363
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aは、図6に示すものと本質的に同一の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aは、図6に示すものと本質的に同一のXRPDピーク位置を有する。
好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aは、約115±5℃(オンセット温度)、好ましくは約115±2℃(オンセット温度)、より好ましくは約115±0.2℃(オンセット温度)における特徴的ピークを含むDSCグラフを有する。更に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aは、図7に示すものと本質的に同一の温度における特徴的ピークを含むDSCグラフを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体AのDSCグラフ中の特徴的ピーク位置は、図7に示すものと本質的に同一である。
特に好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aは、非溶媒和物である。より好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aは、無水結晶体である。
式(I)の化合物の酒石酸塩
本発明の目的は、以下に示す式(I)の化合物の酒石酸塩を提供することである。
Figure 2021528363

[式中、nは、1又は1/2、好ましくは1である。]
言い換えれば、式(I)の化合物の酒石酸塩では、式(I)の化合物と酒石酸とのモル比は、1:1又は1:1/2、好ましくは1:1である。
一実施形態に基づいて、本発明は、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Aを提供し、式(I)の化合物と酒石酸とのモル比は1:1である。式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Aは、16.9±0.2°、17.2±0.2°、18.7±0.2°、19.2±0.2°、及び21.9±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。好ましい実施形態では、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Aは、4.5±0.2°、6.8±0.2°、10.9±0.2°、16.9±0.2°、17.2±0.2°、17.9±0.2°、18.7±0.2°、19.1±0.2°、19.2±0.2°、及び21.9±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Aは、3.9±0.2°、4.5±0.2°、6.8±0.2°、7.3±0.2°、9.1±0.2°、10.2±0.2°、10.9±0.2°、14.2±0.2°、16.4±0.2°、16.9±0.2°、17.2±0.2°、17.9±0.2°、18.7±0.2°、19.1±0.2°、19.2±0.2°、21.9±0.2°、22.8±0.2°、25.7±0.2°、及び27.6±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Aは、以下の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。
Figure 2021528363
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Aは、図9に示すものと本質的に同一の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Aは、図9に示すものと本質的に同一のXRPDピーク位置を有する。
別の実施形態に基づいて、本発明は、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bを提供し、式(I)の化合物と酒石酸とのモル比は1:1である。式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bは、7.3±0.2°、17.2±0.2°、17.8±0.2°、18.2±0.2°、及び19.2±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。好ましい実施形態では、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bは、7.3±0.2°、17.2±0.2°、17.8±0.2°、18.2±0.2°、18.5±0.2°、18.8±0.2°、19.2±0.2°、19.6±0.2°、20.0±0.2°、及び21.9±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bは、3.9±0.2°、7.3±0.2°、7.8±0.2°、8.4±0.2°、9.8±0.2°、14.6±0.2°、15.6±0.2°、17.2±0.2°、17.5±0.2°、17.8±0.2°、18.2±0.2°、18.5±0.2°、18.8±0.2°、19.2±0.2°、19.6±0.2°、20.0±0.2°、20.6±0.2°、21.9±0.2°、22.3±0.2°、及び23.7±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bは、以下の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。
Figure 2021528363
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bは、図10に示すものと本質的に同一の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bは、図10に示すものと本質的に同一のXRPDピーク位置を有する。
好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bは、約143±5℃(オンセット温度)、好ましくは約143±2℃(オンセット温度)、より好ましくは約143±0.2℃(オンセット温度)における特徴的ピークを含むDSCグラフを有する。更に好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bは、図11に示すものと本質的に同一の温度における特徴的ピークを含むDSCグラフを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体BのDSCグラフ中の特徴的ピーク位置は、図11に示すものと本質的に同一である。
特に好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bは、非溶媒和物である。より好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bは、無水結晶体である。
式(I)の化合物のリン酸塩
本発明の目的は、以下に示す式(I)の化合物のリン酸塩を提供することである。
Figure 2021528363

[式中、nは、1又は1/2又は1/3、好ましくは1である。]
言い換えれば、式(I)の化合物のリン酸塩では、式(I)の化合物とリン酸とのモル比は、1:1又は1:1/2又は1:1/3、好ましくは1:1である。
一実施形態に基づいて、本発明は、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aを提供する。式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aは、5.3±0.2°、14.5±0.2°、17.3±0.2°、18.6±0.2°、及び19.5±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。好ましい実施形態では、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aは、5.3±0.2°、7.9±0.2°、14.5±0.2°、16.3±0.2°、17.3±0.2°、18.6±0.2°、19.5±0.2°、20.4±0.2°、20.7±0.2°、及び23.1±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aは、以下の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。
Figure 2021528363
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aは、図13に示すものと本質的に同一の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aは、図13に示すものと本質的に同一のXRPDピーク位置を有する。
好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aは、約142±5℃、好ましくは約142±2℃、より好ましくは約142±0.2℃における特徴的ピークを含むDSCグラフを有する。更に好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aは、図14に示すものと本質的に同一の温度における特徴的ピークを含むDSCグラフを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体AのDSCグラフ中の特徴的ピーク位置は、図14に示すものと本質的に同一である。
特に好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aは、非溶媒和物である。より好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aは、無水結晶体である。
別の実施形態に基づいて、本発明は、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Bを提供する。式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Bは、7.9±0.2°、15.9±0.2°、16.3±0.2°、18.8±0.2°、及び24.2±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。好ましい実施形態では、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Bは、7.9±0.2°、10.4±0.2°、12.2±0.2°、15.9±0.2°、16.3±0.2°、18.8±0.2°、19.4±0.2°、20.0±0.2°、24.2±0.2°、及び24.7±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Bは、以下の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。
Figure 2021528363
特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Bは、図16に示すものと本質的に同一の回折角(2θ)におけるピークを含むXRPDパターンを有する。特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Bは、図16に示すものと本質的に同一のXRPDピーク位置を有する。
本発明の別の目的は、上述の式(I)の化合物の塩(フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩及び塩酸塩を含むが、これらに限定されない)及び様々なその結晶体を調製する方法を提供することである。該方法は、任意の固体形態の式(I)の化合物を無機酸又は有機酸と反応させるステップと、固体を沈殿させるステップと、続いて、沈殿した固体を分離及び乾燥するステップとを含む。固体を沈殿させる方法には、気固浸透法、反溶媒添加法、室温懸濁液撹拌法、高温懸濁液撹拌法、気液浸透法、室温低揮発法、徐冷法、逆反溶媒添加法などが含まれるが、これらに限定されない。すなわち、上述の本発明の式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩及び塩酸塩の様々な結晶体は、気固浸透法、反溶媒添加法、室温懸濁液撹拌法、高温懸濁液撹拌法、気液浸透法、室温低揮発法、徐冷法、又は逆反溶媒添加法により調製することができる。
本発明の一部の実施形態によれば、結晶体は気固浸透法により調製され、式(I)の化合物の塩を入れた第1の容器を、溶媒を入れた第2の容器内に配置するステップであって、固体形態の式(I)の化合物の塩は、溶媒と直接接触しない、ステップと、第2の容器を密封するステップと、配置時に結晶体を得るステップとを含む。結晶体が気固浸透法により調製される一部の実施形態では、溶媒には、無機溶媒(例えば、水)及び有機溶媒、例えば、アルコール、アミド、スルホン、ケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(フラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、ニトリル及びエステル、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリクロロメタン、アセトン、酢酸イソプロピル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチルなどが含まれるが、これらに限定されない。結晶体が気固浸透法により調製される一部の実施形態では、式(I)の化合物の塩と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、約(1〜20):1、好ましくは(2〜10):1である。結晶体が気固浸透法により調製される一部の実施形態では、配置時の結晶沈殿は、静置することによる結晶沈殿又は撹拌することによる結晶沈殿、好ましくは静置することによる結晶沈殿を含む。
本発明の一部の実施形態によれば、結晶体は、反溶媒添加法により調製され、式(I)の化合物の塩を良溶媒に溶解して透明な溶液を形成するステップと(該溶液は、必要に応じて濾過して透明な溶液を得てもよい)、次に、そこに反溶媒を添加するステップと、撹拌して(撹拌は、室温で又は冷却化で(例えば、0〜20℃、好ましくは0〜10℃、0℃、5℃、若しくは10℃などまでの冷却)実行されてもよく)、結晶体の沈殿を可能にするか、又は該溶液を静置しておき(例えば、室温で)(好ましくは、同時に溶媒をゆっくりと揮発させ)、結晶体の沈殿を可能にするステップとを含むが、これらに限定されない。結晶体が反溶媒添加法により調製される一部の実施形態では、良溶媒には、有機溶媒、例えば、アルコール、ケトン、ニトリル、炭化水素(ハロゲン化アルカン及び芳香族炭化水素から選択される)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(フラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、スルホン、エステル、アミド並びに有機酸、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、アニソール、トルエン、ジクロロメタンなどが含まれるが、これらに限定されない。結晶体が反溶媒添加法により調製される一部の実施形態では、反溶媒には、無機溶媒(例えば、水)及び有機溶媒(例えば、炭化水素(アルカン、アルケン及びアルキンから選択される)、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンなど)が含まれるが、これらに限定されない。結晶体が反溶媒添加法により調製される一部の実施形態では、良溶媒と反溶媒との体積比は、1:(1〜60)、好ましくは1:(1〜40)である。一部の実施形態では、式(I)の化合物の塩と良溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(1〜80):1、好ましくは(1〜40):1である。
固体を反溶媒添加法により沈殿させる一部の実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩又はリン酸塩の様々な結晶体は、以下により調製される:任意の固体形態(例えば結晶体又は非晶質体)における式(I)の化合物を、フマル酸、クエン酸、酒石酸又はリン酸と、良溶媒中で反応させるステップと、次に、反応が完了した後にそれに反溶媒を添加するステップと、撹拌して(撹拌は、室温で又は冷却化で(例えば、0〜20℃、好ましくは0〜10℃、0℃、5℃、若しくは10℃などまでの冷却)実行されてもよく)、結晶体の沈殿を可能にするか、又は該溶液を静置しておき(例えば、室温で)(好ましくは、同時に溶媒をゆっくりと揮発させ)、結晶体の沈殿を可能にするステップと、沈殿した結晶体を単離するステップと、乾燥するステップ。良溶媒と反溶媒との体積比は、1:(1〜60)、好ましくは1:(1〜40)である。式(I)の化合物の塩と良溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(1〜80):1、好ましくは(10〜40):1である。
本発明の一部の実施形態によれば、結晶体は、室温懸濁液撹拌法により調製され、式(I)の化合物の塩を溶媒に添加して懸濁液を得るステップと、該懸濁液を室温で撹拌し、続いて単離して結晶体を得るステップとを含むが、これらに限定されない。結晶体が室温懸濁液撹拌法により調製される一部の実施形態では、溶媒には、無機溶媒(例えば、水)並びに有機溶媒(例えば、アルコール、ケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(フラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、エステル、ニトリル、アミド並びに有機酸、例えば、メチルtert−ブチルエーテル、イソプロピルアルコール、酢酸イソブチル、メタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、2−メチルテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、酢酸エチル、トルエンなど)、又は上記溶媒から選択される2つ以上の混合溶媒が含まれるが、これらに限定されない。結晶体が室温懸濁液撹拌法により調製される一部の実施形態では、式(I)の化合物の塩と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(1〜80):1、好ましくは(1〜50):1である。
本発明の一部の実施形態によれば、結晶体は、高温懸濁液撹拌法により調製され、式(I)の化合物の塩を溶媒に添加して懸濁液を得るステップと、該懸濁液を加熱下で(例えば、40〜100℃、好ましくは40〜80℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃又は70℃などまで加熱)撹拌し、続いて単離して結晶体を得るステップとを含むが、これらに限定されない。結晶体が高温懸濁液撹拌法により調製される一部の実施形態では、溶媒には、無機溶媒(例えば、水)並びに有機溶媒(例えば、アルコール、ケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(フラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、エステル、ニトリル、スルホン、アミド、及び窒素含有複素環、例えば、メチルエチルケトン、イソブチルアルコール、酢酸イソブチル、メタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、2−メチルテトラヒドロフラン、トリクロロメタン、酢酸エチル、トルエン、n−ヘキサンなど)、又は上記溶媒から選択される2つ以上の混合溶媒が含まれるが、これらに限定されない。結晶体が高温懸濁液撹拌法により調製される一部の実施形態では、式(I)の化合物の塩と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(1〜80):1、好ましくは(5〜60):1である。
本発明の一部の実施形態によれば、結晶体は、気液浸透法により調製され、第1の容器中で式(I)の化合物の塩を良溶媒に溶解して透明な溶液を形成するステップと(該溶液は、必要に応じて濾過して透明な溶液を得てもよい)、反溶媒を第2の容器に添加するステップと、開放した第1の容器を第2の容器中に配置するステップと、第2の容器を密封するステップと、それを静置しておくステップと、沈殿した固体を濾過して結晶体を得るステップとを含む。結晶体が気液浸透法により調製される一部の実施形態では、良溶媒には、有機溶媒、例えば、炭化水素(ハロゲン化アルカン及び芳香族炭化水素から選択される)、アルコール、ケトン、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(フラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、エステル、ニトリル、スルホン、アミド、窒素含有複素環など、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、酢酸イソプロピル、メチルtert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、アニソール、シクロペンチルメチルエーテル、トルエン、トリクロロメタン、又は上記溶媒の2つ以上により形成される混合溶媒が含まれるが、これらに限定されない。結晶体が気液浸透法により調製される一部の実施形態では、反溶媒には、無機溶媒(例えば、水)並びに有機溶媒(例えば、炭化水素(アルカン、アルケン、及びアルキンから選択される)、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンなど)、又は上記溶媒の2つ以上により形成される混合溶媒が含まれるが、これらに限定されない。結晶体が気液浸透法により調製される一部の実施形態では、式(I)の化合物の塩と良溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、約(1〜80):1、好ましくは(10〜60):1である。一部の実施形態では、良溶媒と反溶媒との体積比は、1:(1〜20)、好ましくは1:(1〜10)である。一部の実施形態では、第2の容器の密封及び静置は、室温で実行することができる。
本発明の一部の実施形態によれば、結晶体は、室温低揮発法により調製され、容器中で式(I)の化合物の塩を溶媒に溶解して透明な溶液を形成するステップと(該溶液は、必要に応じて濾過して透明な溶液を得てもよい)、密封材中に細穴又はスリットを保持しながら容器を密封する(例えば、パラフィルムで)ステップと、透明な溶液を静置しておくステップと、溶媒を揮発させて結晶体を得るステップとを含む。結晶体が室温低揮発法により調製される一部の実施形態では、溶媒には、無機溶媒(例えば、水)並びに有機溶媒(例えば、アルコール、アミド、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(フラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む))、ケトン、ニトリル又はエステル、例えば、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、メタノール、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンなど)、又は上記溶媒の2つ以上により形成される混合溶媒が含まれるが、これらに限定されない。結晶体が室温低揮発法により調製される一部の実施形態では、式(I)の化合物の塩と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(1〜50):1、好ましくは(1〜30):1である。一部の実施形態では、静置は室温で実行することができる。
固体を室温低揮発法により沈殿させる一部の実施形態では、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、又はリン酸塩の様々な結晶体は、以下により調製される:任意の固体形態の(例えば結晶体又は非晶質体)式(I)の化合物を溶解するステップと、且つ溶媒中でフマル酸、クエン酸、酒石酸又はリン酸と反応させるステップと、反応が完了した後に室温でゆっくりと揮発させて、結晶体の沈殿を可能にするステップと、沈殿した結晶体を単離するステップと、乾燥するステップ。式(I)の化合物の塩と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(1〜50):1、好ましくは(1〜30):1である。
本発明の一部の実施形態によれば、結晶体は、徐冷法により調製され、式(I)の化合物の塩を溶媒に添加するステップと、加熱及び撹拌して化合物を溶解するステップと、得られた透明な溶液(該溶液は、必要に応じて濾過して透明な溶液を得てもよい)を静置しておくステップと、ゆっくりと冷却して結晶体を得るステップとを含む。結晶体が徐冷法により調製される一部の実施形態では、溶媒には、無機溶媒(例えば、水)並びに有機溶媒(例えば、アルコール、ケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(フラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、ニトリル、アミド及びエステル、例えば、メチルイソブチルケトン、イソブチルアルコール、酢酸イソブチル、メタノール、テトラヒドロフラン、エタノール、2−メチルテトラヒドロフラン、n−ヘキサンなど)、又は上記溶媒の2つ以上により形成される混合溶媒が含まれるが、これらに限定されない。結晶体が徐冷法により調製される一部の実施形態では、徐冷は、例えば、0.1〜0.5℃/分、例えば、0.1〜0.3℃/分、及び好ましくは0.1℃/分の温度低下率を指す。一部の実施形態では、加熱温度は、30〜80℃、好ましくは40〜70℃、例えば、45℃、50℃、55℃、又は60℃である。一部の実施形態では、冷却最後における温度は、室温又は0〜10℃、例えば、3℃、5℃、若しくは7℃である。結晶体が徐冷法により調製される一部の実施形態では、式(I)の化合物の塩と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(2〜100):1、好ましくは(10〜80):1である。
本発明の一部の実施形態によれば、結晶体は、逆反溶媒添加法により調製され、式(I)の化合物の塩を良溶媒に溶解して透明な溶液を形成するステップと(該溶液は、必要に応じて濾過して透明な溶液を得てもよい)、次に、透明な溶液を反溶媒に添加するステップと、撹拌して(撹拌は、室温又は加熱下で(例えば、30〜100℃、好ましくは30〜80℃、より好ましくは35〜65℃、例えば、45℃、50℃、55℃又は60℃までの加熱)実行されてもよく)、結晶体の沈殿を可能にするか、又は該溶液を静置しておき(例えば、室温で)(好ましくは、同時に溶媒をゆっくりと揮発させ)、結晶体の沈殿を可能にするステップとを含むが、これらに限定されない。結晶体が逆反溶媒添加法により調製される一部の実施形態では、良溶媒には、有機溶媒、例えば、アルコール、ケトン、炭化水素(ハロゲン化アルカン及び芳香族炭化水素から選択される)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(フラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、スルホン、アミド並びに有機酸、例えば、N−メチルピロリドン、エタノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、2−メチルテトラヒドロフラン、トルエンなどが含まれるが、これらに限定されない。結晶体が逆反溶媒添加法により調製される一部の実施形態では、反溶媒には、無機溶媒(例えば、水)及び有機溶媒(例えば、炭化水素(アルカン、アルケン及びアルキンから選択される)、例えば、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどが含まれるが、これらに限定されない。結晶体が逆反溶媒添加法により調製される一部の実施形態では、良溶媒と反溶媒との体積比は、(1〜20):1、好ましくは(1〜10):1である。一部の実施形態では、式(I)の化合物の塩と良溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(1〜80):1、好ましくは(1〜50):1である。
医薬組成物及びその使用
本発明の別の目的は、
i)本発明に基づく式(I)の化合物の塩、例えば、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩又はリン酸塩、特に固体形態の式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩又はリン酸塩、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体又は式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体A、B若しくはC、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体A若しくはB、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体A、又は式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体A若しくはBと、
ii)1つ又は複数の薬学的に許容できる担体と、
を含む医薬組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、対象におけるB型肝炎などのウイルス感染性疾患を治療する方法を提供することであり、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明に基づく式(I)の化合物の塩、例えば、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩又はリン酸塩、特に固体形態の式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩又はリン酸塩、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体又は式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体A、B若しくはC、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体A若しくはB、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体A、又は式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体A若しくはB、又はこれらの任意の組み合わせを投与することを含む。
本発明の別の目的は、対象におけるB型肝炎などのウイルス感染性疾患の治療における使用のための、本発明に基づく式(I)の化合物の塩(例えば、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩又はリン酸塩、特に固体形態の式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩又はリン酸塩、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体又は式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体A、B若しくはC、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体A若しくはB、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体A、又は式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体A若しくはB、又はこれらの任意の組み合わせ)を提供することである。
本発明の別の目的は、対象におけるB型肝炎などのウイルス感染性疾患を治療するための医薬の製造における、本発明に基づく式(I)の化合物の塩(例えば、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩又はリン酸塩、特に固体形態の式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩又はリン酸塩、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体又は式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体、とりわけ式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体A、B若しくはC、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体A若しくはB、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体A、又は式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体A若しくはB、又はこれらの任意の組み合わせ)の使用を提供することである。
本明細書で使用される場合、本発明における用語「薬学的に許容できる担体」は、それと共に治療薬が投与される、希釈剤、補助物質、賦形剤、又はビヒクルを指し、且つ健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症を伴うことなく、ヒト及び動物の組織と接触するのに好適であり、合理的な利益/危険比に相応である。
本発明の医薬組成物に利用され得る薬学的に許容できる担体には、水、及び石油、動物油、植物油、又は合成起源の油脂、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などを含む油脂などの無菌液体が含まれるが、これらに限定されない。水は、医薬組成物が静脈内投与される場合の例示的な担体である。生理食塩水、同様にデキストロース及びグリセリンの水溶液もまた、液体担体として、特に注射用溶液剤として利用することができる。好適な医薬賦形剤には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、マルトース、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセリン、プロピレングリコール、水、エタノールなどが含まれる。組成物は、所望ならば、少量の湿潤剤若しくは乳化剤、又はpH緩衝剤も含有し得る。経口製剤は、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的な担体を含み得る。好適な医薬担体の例は、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences(1990)に記載されている。
本発明の組成物は、全身的及び/又は局所的に作用することができる。この目的を達成するために、該組成物は、例えば、注射、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、若しくは経皮の投与などの好適な経路を通して投与されるか、又は経口、口腔内、経鼻、経粘膜、局所を介して、点眼用製剤として、若しくは吸入を介して、投与され得る。
これらの投与経路に対して、本発明の組成物は、好適な剤形で投与することができる。
剤形は、固体、半固体、液体、又は気体の製剤であってもよく、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、薬用ドロップ、ハードキャンディ、散剤、スプレー剤、クリーム剤、膏薬、坐剤、ゲル剤、ペースト、ローション剤、軟膏剤、水性懸濁剤、注射用溶液剤、懸濁剤、エリキシル剤、及びシロップを含むが、これらに限定されない。
本発明の医薬組成物は、当技術分野で公知の任意のプロセスにより、例えば、混合、溶解、造粒化、糖衣化、湿式粉砕、乳化、凍結乾燥のプロセスなどの手段により製造されてもよい。
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」は、治療される障害の症状のうちの1つ又は複数をある程度和らげる、投与される化合物の量を指す。
投薬レジメンは、最適な所望の応答を提供するために調節され得る。例えば、単回ボーラスを投与してもよく、数回に分割した用量を経時的に投与してもよく、又は治療状況の緊急性により示されるように、用量を比例的に減少又は増加させてもよい。投薬値は、軽減される状態の種類及び重症度により変化し得て、単回又は複数回の投薬を含んでもよいことに留意されたい。任意の個別の対象に関して、個々の必要性及び組成物を投与するか又は投与を管理する人の専門的判断に基づいて、特定の投薬レジメンを経時的に調節すべきであることを更に理解されたい。
投与される本発明の化合物の量は、治療される対象、障害又は状態の重症度、投与速度、化合物の処分及び処方する医師の慎重さに依存する。一般に、有効投薬量は、単回投薬又は分割投薬において、1日当たり体重1kg当たり約0.0001〜約50mg、例えば約0.01〜約10mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトに関して、これは、約0.007mg〜約3500mg/日、例えば約0.7mg〜約700mg/日の量となる。場合によっては、前述の範囲の下限より低い投薬量レベルが十分すぎることもあり、一方、他の場合には、大投薬量が有害な副作用を起こすことなく更に利用され得て、ただし、そのような大投薬量は、1日を通した投与用に数回の小投薬量に最初に分割される。
医薬組成物中の本発明の化合物の含有量又は投薬量は、約0.01mg〜約1000mg、好適には0.1〜500mg、好ましくは0.5〜300mg、より好ましくは1〜150mg、特に好ましくは1〜50mg、例えば、1.5mg、2mg、4mg、10mg、及び25mgなどである。
別段の指示がない限り、用語「治療すること」又は「治療」は、本明細書で使用される場合、そのような用語が適用される障害、状態、若しくは疾患、又はそのような障害、状態、若しくは疾患の1つ若しくは複数の症状の進行を逆転し、軽減し、阻害するか又は防止することを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「対象」には、ヒト又は非ヒト動物が含まれる。例示的なヒト対象には、疾患(本明細書に記載されるものなど)を有するヒト対象(患者と呼ばれる)、又は正常な対象が含まれる。用語「非ヒト動物」には、本明細書で使用される場合、非哺乳類(例えば、鳥類、両生類、爬虫類)及び哺乳類、例えば、非ヒト霊長類、家畜及び/又は飼育動物(ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタなど)などの全ての脊椎動物が含まれる。
本発明は、実施例に関連して以下でより詳細に説明され、これは本発明の技術的解決策を例証するために使用されるのみであり、その範囲を制限することを意図するのではなく、当業者はいくらかの非本質的な改善及び調節をなし得て、それは依然として本発明の範囲内である。
本実験に使用される試験装置情報及び方法:
方法1:粉末X線回折(XRPD)
装置情報:
装置名:Xpert Powder
アノード物質:Cu Pd
試料支持具:透過フィルム
試験条件:
走査型:絶対走査 発散スリット:1/16° 非−発散スリット:1/8°
スリット幅(mm):7.5 ダークスライド(mm):20 走査モード:連続
電流(mA):40 電圧(KV):40 ステップ幅:0.026°
走査軸:ゴニオ 試料注入ステージ:フラット試料ステージ
方法2:示差走査熱量測定(DSC)
装置情報:Mettler−Toledo DSC1
試験方法:35℃〜200℃;10K/分;且つ適用したキャップ内でパンクチャー(puncturing)。
DSCデータをMettler−Toledo DSC1示差走査熱量測定計で収集した。
方法3:熱重量分析(TGA)
装置情報:Mettler−Toledo TGA
試験方法:35℃〜500℃;10K/分。
TGAデータをMettler−Toledo TGA熱重量分析計で収集した。
方法4:H−NMR
H−NMRデータをBruker 400MHz NMR装置で収集した。
方法5:格子パラメータの決定
格子パラメータをXcalibur Eos回折計を使用して決定した;且つOLEX2ソフトウェアを使用して、単結晶構造を分析した。
実施例1
(S)−P−((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン−2−イル)オキシ)メチル)−フェノキシ−N−(2−(ベンジルオキシ)エチル)−ホスホンアミド(式(I)の化合物)及び(R)−P−((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン−2−イル)オキシ)メチル)−フェノキシ−N−(2−(ベンジルオキシ)エチル)−ホスホンアミド(式(II)の化合物)のラセミ体の調製及びキラル単離
Figure 2021528363
ステップ1:((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチル−エトキシ)メチル)フェノキシホスホニルクロリドの調製
(((1R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチル−エトキシ)メチル)リン酸モノフェニルエステル(3.0g、8.3mmol)を、アセトニトリル(3mL)に室温で溶解し、塩化チオニル(90mL)を添加した。滴下添加の完了後、反応混合物の温度を70℃まで上昇させた。3時間の反応後、反応混合物を濃縮し、標題化合物(3.29g)を得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。
ESI-MS (m/z): 378.1 [M + H]+.
ステップ2:(2S)−((((1R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチル−エトキシ)メチル−フェノキシ−ホスホリル)アミノ−3−(2−メチルベンジルオキシ)−プロパンの調製
((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチル−エトキシ)メチル)フェノキシホスホニルクロリド(3.29g、8.3mmol)を、乾燥ジクロロメタン(66mL)に室温で溶解した。反応混合物の温度を、−20℃まで低下させた。2−(ベンジルオキシ)エチルアミン(1.9g、12.3mmol)を添加し、トリエチルアミン(9.6mL)を滴下添加した。滴下添加の完了後、反応を−20℃で1時間実行し、反応混合物を水に注入して反応をクエンチした。混合物をジクロロメタンで抽出し、有機相を合わせて、水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、粗化合物を得て、これを分取高速液体クロマトグラフィーにより精製して、ホスホンアミドエステルラセミ体(1.4g)を得た。構造は以下の通りに特徴付けされた:
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 8.15-8.12 (m, 2H),7.34-7.26 (m, 8H), 7.14-7.03 (m, 3H), 5.22-5.12(m, 1H), 4.39-4.24 (m, 3H),3.95-3.68 (m, 3H), 3.36-3.28 (m, 1H), 3.05-2.95 (m, 1H), 1.29-1.16 (m, 2H),1.05-0.95 (m, 3H). ESI-MS (m/z): 497.2 [M + H]+ .
ステップ3:(S)−P−((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン−2−イル)オキシ)メチル)−フェノキシ−N−(2−(ベンジルオキシ)エチル)−ホスホンアミド(式(I)の化合物)及び(R)−P−((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン−2−イル)オキシ)メチル)−フェノキシ−N−(2−(ベンジルオキシ)エチル)−ホスホンアミド(式(II)の化合物)の調製
ステップ2で得られたホスホンアミドエステルラセミ体(400mg)を、キラルクロマトグラフィーにより分離し、分離条件は以下の通りであった:分離カラム CHIRALPAK OD−H 0.46cm I.D.×15cm L、移動相:ヘキサン/IPA/TEA=70/30/0.1(V/V/V)、流量 1.0ml/分、波長 UV 254nm、温度 35℃。2つの標題の立体異性体化合物を単離した。
異性体(I):(S)−P−(((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン−2−イル)オキシ)メチル)−フェノキシ−N−(2−(ベンジルオキシ)エチル)−ホスホンアミド(式(I)の化合物)
=5.846分、198mg、ee%=98.5%、その構造は以下の通りに特徴付けられた:
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.14 (s, 1H), 8.10 (s, 1H),7.37-7.18 (m, 9H), 7.17-7.10 (m, 1H), 7.05 (dt, J = 8.5, 1.2 Hz, 2H), 5.16 (dt,J = 11.9, 6.9 Hz, 1H), 4.40 (s, 2H), 4.26 (dd, J = 14.4, 3.7 Hz, 1H), 4.14 (dd,J = 14.4, 6.6 Hz, 1H), 4.02-3.81 (m, 2H), 3.75 (dd, J = 13.5, 9.2 Hz, 1H), 3.28(d, J = 5.7 Hz, 2H), 3.05- 2.93 (m, 2H), 1.06 (d, J = 6.2 Hz, 3H). ESI-MS (m/z): 497.2 [M + H]+ .
異性体(II):(R)−P−(((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン−2−イル)オキシ)メチル)−フェノキシ−N−(2−(ベンジルオキシ)エチル)−ホスホンアミド(式(II)の化合物)
=7.345分、166mg、ee%=98.3%、その構造は以下の通りに特徴付けられた:
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.14 (s, 1H), 8.10 (s, 1H),7.35-7.21 (m, 9H), 7.13 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.05 (dt, J = 8.5, 1.2 Hz, 2H),5.16 (dt, J = 11.8, 6.9 Hz, 1H), 4.40 (s, 2H), 4.26 (dd, J = 14.4, 3.7 Hz, 1H),4.14 (dd, J = 14.4, 6.6 Hz, 1H), 3.97-3.81 (m, 2H), 3.75 (dd, J = 13.5, 9.2 Hz,1H), 3.30 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 3.00 (dq, J = 12.5, 6.2 Hz, 2H), 1.06 (d, J =6.2 Hz, 3H).ESI-MS (m/z): 497.2 [M + H]+ .
実施例2
(S)−P−((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロパン−2−イル)オキシ)メチル)−フェノキシ−N−(2−(ベンジルオキシ)エチル)−ホスホンアミド(式(I)の化合物)のキラル合成
Figure 2021528363
ステップ1:((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチル−エトキシ)メチル)フェノキシホスホニルクロリドの調製
室温で、(((1R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチルエトキシ)メチル)ホスホン酸モノフェニルエステル(25g、68.81mmol)を、トルエン(250mL)に溶解し、それに塩化チオニル(28.65g、240.84mmol)を添加した。滴下添加の完了後、反応溶液を95℃まで加熱し、48時間反応させた。反応溶液を減圧下で蒸留して標題化合物(30g)を得て、これを更に精製することなく次の反応に直接使用した。
ESI-MS (m/z): 378.1 [M + H]+.
ステップ2:(2S)−((((1R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチル−エトキシ)メチル−フェノキシ−ホスホリル)アミノ)−3−(2−メチルベンジルオキシ)−プロパンの調製
2−(ベンジルオキシ)エチルアミン(46.82g、309.65mmol)を、乾燥ジクロロメタン(200mL)に室温で溶解し、−35℃まで窒素保護下で冷却した。トルエン(200mL)中のステップ1で得られた粗生成物(30g)の溶液を、温度を−10℃未満となるように制御しながらそれに添加した。添加後、温度を−10℃に維持しながら、反応を1時間実行した。リン酸水素カリウムの15%水溶液(400mL)を添加し、よく撹拌し、層化させるため静置しておいた。有機相を、リン酸水素カリウムの15%水溶液(200mLで2回)及び脱イオン水(200mLで2回)で順次洗浄し、乾燥させた。不溶性物質を濾別し、濾液を濃縮して、標題化合物(30g)を得た。ジアステレオ異性体純度は、キラルHPLCにより決定して94.6%であった。H NMRデータは、実施例1における異性体(I)に関するH NMRデータと本質的に同一であった。
実施例3
式(I)の化合物の非晶質体の調製
約150mgの式(I)の化合物を秤量し、得られた溶液が透明となるまで、以下の表1に列記される良溶媒4mLに完全に溶解させた。この溶液を、20mLの蒸留水を入れたガラスバイアルに、撹拌下でゆっくりと滴下添加した。滴下添加の完了後、この溶液を低温で凍結させ、凍結乾燥し、次に固体を収集した。得られた固体を、XRPD分析により式(I)の化合物の非晶質体と同定し、実験結果を以下の表1に示す:
Figure 2021528363
実施例4
式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体の調製及び特徴付け
実施例4.1.室温懸濁液撹拌法
いくつかの部分に分けた式(I)の化合物のフマル酸塩(15mg/1部分)を秤量し、5mlのEP管にそれぞれ移した。次に以下の表2に列記された異なる溶媒をそれに添加し、フマル酸塩を懸濁させた。得られた懸濁液を室温で8時間撹拌し、固体を収集した。フマル酸塩が完全に溶解して透明な溶液が形成された場合は、そのような透明な溶液を入れた5mlのEP管を、溶媒が完全に揮発するまで室温で開放しておいた。得られた固体を収集し、XRPD分析を施して、結果を以下の表2に示す:
Figure 2021528363
方法4に基づいて、得られた式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体中の、式(I)の化合物とフマル酸とのモル比は、1:1であると決定された。
方法1に基づいて、得られた結晶にXRPD分析をそれぞれ施して、フマル酸塩の3つの結晶体、すなわち結晶体A、B及びCを同定し、そのXRPDパターンを、それぞれ図1、4及び5に示す。
実施例4.2.反溶媒法
いくつかの部分に分けた式(I)の化合物のフマル酸塩(40mg/1部分)を秤量し、得られた溶液が透明となるまで、エタノール又はテトラヒドロフランに完全に溶解させた。次に、以下の表3に列記された異なる貧溶媒を、撹拌下でゆっくりとそれに滴下添加した。現象を観察し、固体を収集して、XRPD分析を施した。結果を以下の表3に示す。
Figure 2021528363
得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフを、それぞれ図1及び2に示し、上記反溶媒法により得られた全ての結晶が、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aであることが示された。
実施例4.3.高温懸濁液撹拌法
いくつかの部分に分けた式(I)の化合物のフマル酸塩(30mg/1部分)を秤量し、20mlのガラスバイアルに別々に移し、以下の表4に列記された異なる溶媒中で懸濁させた。60℃で6時間撹拌した後、固体を収集し、XRPD分析を施した。結果を以下の表4に示す。
Figure 2021528363
得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例4.2において得られた固体のものと本質的に同一であり、上記の高温懸濁液撹拌法により得られた全ての結晶が、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aであることが示された。
実施例5
式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aの調製及び特徴付け
式(I)の化合物の遊離塩基(120mg)を秤量し、5mlのEP管に入れた。メタノール(2.4ml)中の0.1Mのフマル酸溶液をそれに添加し、溶液が透明となるまで、該遊離塩基を完全に溶解させた。この溶液を室温で2時間撹拌し、溶媒を真空中で取り去った。試料の半分をEP管に入れ、それにアセトニトリル(1ml)を後で添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。濾過後に固体を収集し、真空中で5時間乾燥させた。
試料にXRPD、TGA/DSC、H−NMR及び純度試験を施した。
XRPD結果は、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aが首尾よく調製されたことを示していた。
図2/3に例示されているDSC/TGA分析グラフは、以下のことを示していた:試料は、分解前に質量損失がなく;且つ試料は、融点前に脱溶媒和吸熱性ピークがなく、125℃(オンセット温度)においてはっきりした吸熱性ピークを有し、試料の融点を示している。H−NMRにより、試料中の酸/塩基モル比は1であり、残留溶媒はないことが決定された。
式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aの格子パラメータは以下の通りである。
格子サイズ:
a=13.6818(8)Å
b=6.3963(4)Å
c=17.2967(13)Å
α/°=90
β/°=96.113(6)
γ/°=90
格子体積:1505.06(17)Å
結晶系:単斜晶系
空間群:P2
分子内非対称ユニットの数:Z=2。
式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、良好な結晶化度、単一の単純熱シグナル(DSCグラフ中の平坦なベースライン、及び細く、単一のはっきりしたピーク)、並びに100℃より高い融点を有する。
実施例6
式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aの調製及び特徴付け
式(I)の化合物の遊離塩基(63.4mg)を秤量し、5mlのEP管に入れた。メタノール(1.3ml)中の0.1Mのクエン酸溶液をそれに添加し、溶液が透明となるまで、該遊離塩基を完全に溶解させた。この溶液を室温で2時間撹拌し、溶媒を真空中で取り去った。アセトニトリル(1ml)をEP管に添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。濾過後に固体を収集し、真空中で5時間乾燥させた。
試料にXRPD、TGA/DSC、H−NMR及び純度試験を施した。
XRPD結果は、クエン酸塩の結晶体Aが首尾よく調製されたことを示していた。
図7/8に例示されているDSC/TGA分析グラフは、以下のことを示していた:試料は、約115℃(オンセット温度)における7.7%の質量損失、及び115℃(オンセット温度)におけるブロードではっきりした吸熱性ピークを有し、試料の融点を示している。
H−NMRにより、試料中の酸/塩基モル比は1であることが決定された。
実施例7
式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体の調製及び特徴付け
式(I)の化合物の遊離塩基(300mg)を秤量し、20mlのバイアルに入れた。メタノール(6ml)中の0.1Mの酒石酸溶液をそれに添加し、室温で2時間密閉して反応させ、次に、この反応溶液をEP管に添加した。溶媒を減圧下30℃で除去し、白色固体を得て、次に、以下の表5に列記された溶媒をそれにそれぞれ添加した。この溶液を、結晶化のために静置しておいた。48時間後に偏光顕微鏡(PLM)による検出を実行し、続いて48時間撹拌し、固体を収集して、XRPD分析を施した。結果を以下の表5に示す。
Figure 2021528363
方法1に基づいて、得られた結晶にXRPD分析をそれぞれ施して、酒石酸塩の2つの結晶体、すなわち結晶体A及びBを得たことを実証し、そのXRPDパターンを、それぞれ図9及び10に示す。
実施例8
式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bの調製及び特徴付け
式(I)の化合物の遊離塩基(110mg)を秤量し、5mlのEP管に入れた。メタノール(2.3ml)中の0.1Mの酒石酸溶液をそれに添加し、溶液が透明となるまで、該遊離塩基を完全に溶解させた。この溶液を室温で2時間撹拌し、溶媒を真空中で取り去った。試料の半分をEP管に入れ、それに酢酸エチル(1ml)を後で添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。濾過後に固体を収集し、真空中で5時間乾燥させた。
試料にXRPD、TGA/DSC、H−NMR及び純度試験を施した。
XRPD結果は、酒石酸塩の結晶体Bが首尾よく調製されたことを示していた。
図11/12に例示されているDSC/TGA分析グラフは、以下のことを示していた:試料は、分解前に質量損失がなく;且つ試料は、融点前に脱溶媒和吸熱性ピークがなく、且つ120℃(オンセット温度)におけるブロードで定常的な吸熱性ピーク、及び143℃(オンセット温度)におけるブロードではっきりした吸熱性ピークを有し、該試料が混合結晶であり得ることを示している。
H−NMRにより、試料中の酸/塩基モル比は1であることが決定され、且つ残留溶媒はない。
実施例9
式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体の調製及び特徴付け
式(I)の化合物の遊離塩基(300mg)を秤量し、20mlのバイアルに入れた。メタノール(6ml)中の0.1Mのリン酸溶液をそれに添加し、撹拌して、撹拌中に白色固体が沈殿した。この混合物を室温で60分間撹拌し、次に回転式蒸発を施して乾燥させ、それにより白色固体を得た(250mg)。該白色固体を10個のEP管に入れて、次に以下の表6に列記された異なる溶媒(それぞれ1.5ml)をそれに添加した。この混合物を結晶化のために磁気撹拌し;実験中、現象を継続して観察した。偏光顕微鏡(PLM)による検出後、撹拌を室温で24時間継続し、続いてXRPD分析を行った。結果を以下の表6に示す。
Figure 2021528363

方法1に基づいて、得られた結晶にXRPD分析をそれぞれ施して、リン酸塩の2つの結晶体、すなわち結晶体A及びBを得たことを実証し、そのXRPDパターンを、それぞれ図13及び16に示す。
実施例10
式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aの調製及び特徴付け
式(I)の化合物の遊離塩基(110mg)を秤量し、5mlのEP管に入れた。メタノール(2.2ml)中の0.1Mのリン酸溶液をそれに添加し、溶液が透明となるまで、該遊離塩基を完全に溶解させた。この溶液を室温で2時間撹拌し、溶媒を真空中で取り去った。試料の2/3をEP管に入れ、それにアセトニトリル(1.5ml)を後で添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。濾過後に固体を収集し、真空中で5時間乾燥させた。
試料にXRPD及びTGA/DSC分析を施した。
XRPD結果は、リン酸塩の結晶体Aが首尾よく調製されたことを示していた。
図14/15に例示されているDSC/TGA分析グラフは、以下のことを示していた:試料は、99℃前に1.9%の質量損失を有し、且つDSCに関して融点前における際立った脱溶媒和吸熱性ピーク、及び142℃(オンセット温度)におけるブロードではっきりした吸熱性ピークを有し、試料の融点を示している。
実験例
実験例1.式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aの物理化学的特性
pH2.0の水溶液(このpHは、適切な量の塩酸を用いて調節した)、pH7.4の水溶液(このpHは、10mMのリン酸二水素カリウム及び適切な量のNaOHを用いて調節した)、並びに絶食状態を模した腸液(FaSSIF)を、それぞれ溶媒として調製した。いくつかの部分に分けた試験用試料を、それぞれ1mg秤量し、それぞれ1mLの異なる溶媒に溶解した。この溶液を徹底的に振盪し、次に、超音波処理を5分間施した。この溶液を、過飽和が達成されたか又はされていないかを観察し、達成されていない場合は、過飽和が達成されるまで、試料を継続して添加した。恒温振盪水浴中で24時間振盪した後、0.45uMの水性濾過膜を通して濾過を実行し、続いて溶解度決定のためにHPLC分析を行った。決定結果を以下の表7に示す。
Figure 2021528363
上記結果から分かるように、本発明の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、水及び絶食状態腸液の両方に良好な溶解性を有した。投与後、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、in vivoで迅速に溶解し、それにより薬物吸収を促進することができる。
実験例2.吸湿性試験
フマル酸塩の結晶体A及びBの吸湿性を、動的蒸気収着(DVS)により、DVS Intrinsic(SMS)を25℃でサイクル−DMDTモードにおいて使用して測定した。試験結果を以下の表8に示す。
Figure 2021528363
上記表から分かるように、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aは、80%及び90%の湿度において0.2%未満の質量変化(%)を有し、且つ吸湿性をほとんど持たないか又は全く持たず、これは調製された薬物の保存安定性の助けとなる。
更に、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Bの吸湿性結果は、この結晶体が20%の湿度において0.2%の質量変化(%)を有することを示しており、これは小さい変化である。
実験例3.物理化学的安定性試験
適切な量の本発明の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aを、以下の条件下でその物理化学的安定性に関して検知した:40℃/75%のRHにおいて14日間開放しておいた。次に、XRPD及びLC−MS分析を実行して、結晶体及び純度の変化を決定した。結果は、結晶が、40℃/75%のRHにおいて14日間おかれた後、有意な変化を伴うことなく、99%までの相対純度を有することを示していた。
実験例4
ビーグル犬における本発明の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体A及びC(1:1の酸/塩基モル比を有する)に関する薬物動態実験
式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体A及びCを、カプセルで包み、ビーグル犬に2.5mg/kgの用量で胃内投与した。投与後、静脈血を異なる時間点に収集し、式(I)の化合物の本来の遊離塩基形態及びその代謝物テノホビル(TFV)の検出を別々に施した。試験結果を以下の表9〜10に示す。
Figure 2021528363

Figure 2021528363
表9及び10から分かるように、ビーグル犬における薬物動態実験では、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体A及びCは両方とも、TFVに関して約10時間の半減期でTFVに迅速に変換され、したがって、1日1回(QD)という投与頻度必要条件を満たすことができる。
上記の特定の実施形態は、本発明を更に詳細に説明している。しかしながら、上述の本発明の主題の範囲は、上記実施例に限定されると解釈されるべきではなく、且つ本発明の開示に基づいて実行される技術的解決策は全て本発明の範囲内である。

Claims (26)

  1. 式(I)の化合物の塩であって、
    Figure 2021528363

    好ましくは式(I)の化合物の有機酸塩又は無機酸塩であり;好ましくは、式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、アジピン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、粘液酸塩、ゲンチジン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、馬尿酸塩、ニコチン酸塩、ニコチンアミド塩、リン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、エタンジスルホン酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、グリシネート塩、アラニン塩、バリン塩、ロイシン塩、イソロイシン塩、フェニルアラニン塩、プロリン塩、トリプトファン塩、セリン塩、チロシン塩、システイン塩、メチオニン塩、トレオニン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、リシン塩、アルギニン塩、又はヒスチジン塩;より好ましくは式(I)の化合物のフマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、又はリン酸塩である、式(I)の化合物の塩。
  2. 式(I)の化合物と無機酸又は有機酸とのモル比が、1:1又は1:1/2又は1:1/3、好ましくは1:1である、請求項1に記載の式(I)の化合物の塩。
  3. 請求項1に記載の式(I)の化合物の塩を調製する方法であって、
    任意の固体形態の式(I)の化合物を無機酸又は有機酸と反応させるステップと、
    固体を沈殿させるステップと、
    続いて、沈殿した固体を分離及び乾燥するステップと、を含む、方法。
  4. 式(I)の化合物が、以下のスキームにより調製され、
    Figure 2021528363

    好ましくは、ステップ1が、モノフェニル(((1R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチルエトキシ)メチル)ホスホネートを、塩化チオニル、オキシ塩化リン、五塩化リン又は塩化オキサリルなどの塩素化剤と、トルエン、キシレン、アニソール又はアセトニトリルなどの溶媒中で、50〜120℃(好ましくは80〜110℃、より好ましくは90〜100℃)の温度で反応させて、中間体((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチル−エトキシ)メチル)フェノキシホスホニルクロリドを生成することを含み、
    ステップ2が、ステップ1で得られた中間体((((R)−1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチル−エトキシ)メチル)フェノキシホスホニルクロリドを、2−(ベンジルオキシ)エチルアミンと反応させて、式(I)の化合物を調製することを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項1に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩であって、式(I)の化合物とフマル酸とのモル比が、1:1又は1:1/2、好ましくは1:1である、式(I)の化合物のフマル酸塩。
  6. 請求項1に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aであって、
    5.1±0.2°、6.4±0.2°、16.3±0.2°、18.7±0.2°、及び28.2±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;好ましくは5.1±0.2°、6.4±0.2°、14.7±0.2°、15.3±0.2°、16.3±0.2°、18.0±0.2°、18.7±0.2°、19.2±0.2°、28.2±0.2°、及び29.6±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;より好ましくは5.1±0.2°、6.4±0.2°、12.9±0.2°、14.7±0.2°、15.3±0.2°、16.3±0.2°、18.0±0.2°、18.7±0.2°、18.9±0.2°、19.2±0.2°、20.0±0.2°、20.7±0.2°、22.2±0.2°、24.0±0.2°、24.9±0.2°、25.3±0.2°、27.8±0.2°、28.2±0.2°、及び29.6±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;最も好ましくは図1に示される特徴的ピークを含む、XRPDパターンを有し、
    特に好ましくは、以下の格子パラメータを有する、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体A。
    格子サイズ:
    a=13.6818(8)Å
    b=6.3963(4)Å
    c=17.2967(13)Å
    α/°=90
    β/°=96.113(6)
    γ/°=90
    格子体積:1505.06(17)Å
    結晶系:単斜晶系
    空間群:P2
    分子内非対称ユニットの数:Z=2。
  7. 請求項6に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Aを調製する方法であって、気固浸透法、反溶媒結晶化法、室温懸濁液撹拌法、高温懸濁液撹拌法、気液浸透法、室温低揮発法及び徐冷法からなる群から選択される、方法。
  8. 請求項1に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Bであって、
    10.2±0.2°、10.8±0.2°、17.1±0.2°、18.8±0.2°、及び21.7±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;好ましくは9.7±0.2°、10.2±0.2°、10.8±0.2°、14.7±0.2°、17.1±0.2°、18.1±0.2°、18.8±0.2°、19.2±0.2°、20.6±0.2°、及び21.7±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;より好ましくは9.7±0.2°、10.2±0.2°、10.8±0.2°、11.8±0.2°、13.2±0.2°、13.8±0.2°、14.7±0.2°、16.1±0.2°、17.1±0.2°、18.1±0.2°、18.8±0.2°、19.2±0.2°、20.6±0.2°、21.7±0.2°、22.3±0.2°、23.8±0.2°、26.7±0.2°、27.0±0.2°、27.5±0.2°、及び29.3±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;最も好ましくは図4に示される特徴的ピークを含む、XRPDパターンを有する、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体B。
  9. 請求項8に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Bを調製する方法であって、気固浸透法、反溶媒結晶化法、室温懸濁液撹拌法、高温懸濁液撹拌法、気液浸透法、室温低揮発法及び徐冷法からなる群から選択される、方法。
  10. 請求項1に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Cであって、
    4.3±0.2°、6.8±0.2°、14.3±0.2°、18.8±0.2°、及び27.9±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;好ましくは4.3±0.2°、6.6±0.2°、6.8±0.2°、14.3±0.2°、16.6±0.2°、18.5±0.2°、18.8±0.2°、19.2±0.2°、27.6±0.2°、及び27.9±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;より好ましくは4.3±0.2°、6.6±0.2°、6.8±0.2°、13.0±0.2°、14.3±0.2°、15.3±0.2°、15.8±0.2°、16.2±0.2°、16.6±0.2°、17.3±0.2°、18.5±0.2°、18.8±0.2°、19.2±0.2°、20.1±0.2°、22.6±0.2°、23.3±0.2°、25.8±0.2°、26.2±0.2°、27.6±0.2°、及び27.9±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;最も好ましくは図5に示される特徴的ピークを含む、XRPDパターンを有する、式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体C。
  11. 請求項10に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体Cを調製する方法であって、気固浸透法、反溶媒結晶化法、室温懸濁液撹拌法、高温懸濁液撹拌法、気液浸透法、室温低揮発法及び徐冷法からなる群から選択される、方法。
  12. 請求項1に記載の式(I)の化合物のクエン酸塩であって、式(I)の化合物とクエン酸とのモル比が、1:1又は1:1/2又は1:1/3、好ましくは1:1である、式(I)の化合物のクエン酸塩。
  13. 請求項1に記載の式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aであって、
    7.6±0.2°、14.1±0.2°、15.5±0.2°、16.0±0.2°、及び20.7±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;好ましくは7.6±0.2°、14.1±0.2°、14.9±0.2°、15.5±0.2°、16.0±0.2°、19.6±0.2°、20.7±0.2°、21.4±0.2°、22.5±0.2°、及び24.5±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;より好ましくは7.6±0.2°、14.1±0.2°、14.9±0.2°、15.5±0.2°、16.0±0.2°、19.6±0.2°、20.7±0.2°、21.4±0.2°、22.5±0.2°、24.5±0.2°、及び28.5±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;最も好ましくは図6に示される特徴的ピークを含む、XRPDパターンを有する、式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体A。
  14. 請求項13に記載の式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体Aを調製する方法であって、気固浸透法、反溶媒結晶化法、室温懸濁液撹拌法、高温懸濁液撹拌法、気液浸透法、室温低揮発法及び徐冷法からなる群から選択される、方法。
  15. 請求項1に記載の式(I)の化合物の酒石酸塩であって、式(I)の化合物と酒石酸とのモル比が、1:1又は1:1/2、好ましくは1:1である、式(I)の化合物の酒石酸塩。
  16. 請求項1に記載の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Aであって、
    16.9±0.2°、17.2±0.2°、18.7±0.2°、19.2±0.2°、及び21.9±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;好ましくは4.5±0.2°、6.8±0.2°、10.9±0.2°、16.9±0.2°、17.2±0.2°、17.9±0.2°、18.7±0.2°、19.1±0.2°、19.2±0.2°、及び21.9±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;より好ましくは3.9±0.2°、4.5±0.2°、6.8±0.2°、7.3±0.2°、9.1±0.2°、10.2±0.2°、10.9±0.2°、14.2±0.2°、16.4±0.2°、16.9±0.2°、17.2±0.2°、17.9±0.2°、18.7±0.2°、19.1±0.2°、19.2±0.2°、21.9±0.2°、22.8±0.2°、25.7±0.2°、及び27.6±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;特に好ましくは3.9±0.2°、4.5±0.2°、6.8±0.2°、7.3±0.2°、9.1±0.2°、10.2±0.2°、10.9±0.2°、11.5±0.2°、13.7±0.2°、14.2±0.2°、16.4±0.2°、16.9±0.2°、17.2±0.2°、17.9±0.2°、18.7±0.2°、19.1±0.2°、19.2±0.2°、21.9±0.2°、22.8±0.2°、25.7±0.2°、及び27.6±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;最も好ましくは図9に示される特徴的ピークを含む、XRPDパターンを有する、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体A。
  17. 請求項16に記載の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Aを調製する方法であって、気固浸透法、反溶媒結晶化法、室温懸濁液撹拌法、高温懸濁液撹拌法、気液浸透法、室温低揮発法及び徐冷法からなる群から選択される、方法。
  18. 請求項1に記載の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bであって、
    7.3±0.2°、17.2±0.2°、17.8±0.2°、18.2±0.2°、及び19.2±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;好ましくは7.3±0.2°、17.2±0.2°、17.8±0.2°、18.2±0.2°、18.5±0.2°、18.8±0.2°、19.2±0.2°、19.6±0.2°、20.0±0.2、及び21.9±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;より好ましくは3.9±0.2°、7.3±0.2°、7.8±0.2°、8.4±0.2°、9.8±0.2°、14.6±0.2°、15.6±0.2°、17.2±0.2°、17.5±0.2°、17.8±0.2°、18.2±0.2°、18.5±0.2°、18.8±0.2°、19.2±0.2°、19.6±0.2°、20.0±0.2°、20.6±0.2°、21.9±0.2°、22.3±0.2°、及び23.7±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;特に好ましくは3.9±0.2°、7.3±0.2°、7.8±0.2°、8.4±0.2°、8.8±0.2°、9.8±0.2°、14.6±0.2°、15.6±0.2°、16.2±0.2°、17.2±0.2°、17.5±0.2°、17.8±0.2°、18.2±0.2°、18.5±0.2°、18.8±0.2°、19.2±0.2°、19.6±0.2°、20.0±0.2°、20.6±0.2°、21.9±0.2°、22.3±0.2°、23.7±0.2°、25.1±0.2°、25.8±0.2°、28.3±0.2°、及び29.7±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;最も好ましくは図10に示される特徴的ピークを含む、XRPDパターンを有する、式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体B。
  19. 請求項18に記載の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体Bを調製する方法であって、気固浸透法、反溶媒結晶化法、室温懸濁液撹拌法、高温懸濁液撹拌法、気液浸透法、室温低揮発法及び徐冷法からなる群から選択される、方法。
  20. 請求項1に記載の式(I)の化合物のリン酸塩であって、式(I)の化合物とリン酸とのモル比が、1:1又は1:1/2又は1:1/3、好ましくは1:1である、式(I)の化合物のリン酸塩。
  21. 請求項1に記載の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aであって、
    5.3±0.2°、14.5±0.2°、17.3±0.2°、18.6±0.2°、及び19.5±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;好ましくは5.3±0.2°、7.9±0.2°、14.5±0.2°、16.3±0.2°、17.3±0.2°、18.6±0.2°、19.5±0.2°、20.4±0.2°、20.7±0.2°、及び23.1±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;より好ましくは5.3±0.2°、7.9±0.2°、14.5±0.2°、16.3±0.2°、17.3±0.2°、18.6±0.2°、19.5±0.2°、20.4±0.2°、20.7±0.2°、23.1±0.2°、27.0±0.2°、及び32.5±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;最も好ましくは図13に示される特徴的ピークを含む、XRPDパターンを有する、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体A。
  22. 請求項20に記載の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Aを調製する方法であって、気固浸透法、反溶媒結晶化法、室温懸濁液撹拌法、高温懸濁液撹拌法、気液浸透法、室温低揮発法及び徐冷法からなる群から選択される、方法。
  23. 請求項1に記載の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Bであって、
    7.9±0.2°、15.9±0.2°、16.3±0.2°、18.8±0.2°、及び24.2±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;好ましくは7.9±0.2°、10.4±0.2°、12.2±0.2°、15.9±0.2°、16.3±0.2°、18.8±0.2°、19.4±0.2°、20.0±0.2°、24.2±0.2°、及び24.7±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;より好ましくは7.9±0.2°、10.4±0.2°、11.8±0.2°、12.2±0.2°、15.9±0.2°、16.3±0.2°、18.8±0.2°、19.4±0.2°、20.0±0.2°、21.9±0.2°、23.1±0.2°、24.2±0.2°、24.7±0.2°、26.2±0.2°、及び27.8±0.2°の回折角(2θ)における特徴的ピークを含み;最も好ましくは図16に示される特徴的ピークを含む、XRPDパターンを有する、式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体B。
  24. 請求項23に記載の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体Bを調製する方法であって、気固浸透法、反溶媒結晶化法、室温懸濁液撹拌法、高温懸濁液撹拌法、気液浸透法、室温低揮発法及び徐冷法からなる群から選択される、方法。
  25. i)以下の物質:
    請求項1に記載の式(I)の化合物の塩、
    請求項5に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩、
    請求項6に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体A、
    請求項8に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体B、
    請求項10に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体C、
    請求項12に記載の式(I)の化合物のクエン酸塩、
    請求項13に記載の式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体A、
    請求項15に記載の式(I)の化合物の酒石酸塩、
    請求項16に記載の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体A、
    請求項18に記載の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体B、
    請求項20に記載の式(I)の化合物のリン酸塩、
    請求項21に記載の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体A、及び
    請求項23に記載の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体B
    のうちの任意の1つ又は複数と、
    ii)1つ又は複数の薬学的に許容できる担体と、
    を含む医薬組成物。
  26. B型肝炎などのウイルス感染性疾患を治療するための医薬の製造における、以下の物質:
    請求項1に記載の式(I)の化合物の塩、
    請求項5に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩、
    請求項6に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体A、
    請求項8に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体B、
    請求項10に記載の式(I)の化合物のフマル酸塩の結晶体C、
    請求項12に記載の式(I)の化合物のクエン酸塩、
    請求項13に記載の式(I)の化合物のクエン酸塩の結晶体A、
    請求項15に記載の式(I)の化合物の酒石酸塩、
    請求項16に記載の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体A、
    請求項18に記載の式(I)の化合物の酒石酸塩の結晶体B、
    請求項20に記載の式(I)の化合物のリン酸塩、
    請求項21に記載の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体A、及び
    請求項23に記載の式(I)の化合物のリン酸塩の結晶体B
    のうちの任意の1つ又は複数の使用。
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